歯磨き用ブラシ及び介護用歯ブラシ
【課題】介護用として介護者が患者の歯を磨くのに使い易く、介護者の負担を軽減することができる歯磨き用ブラシ及び介護用歯ブラシを提供すること。
【解決手段】超弾性合金ワイヤの軸に外周へ刷毛が植毛された軟質の合成樹脂からなる被覆チューブを被着して歯磨き用ブラシを構成する。上下の歯列が案内される溝部を上下に有し、上下の溝部の間に当該溝部と連通する吸引ダクトを有するブラッシング容器と、ブラッシング容器の凸湾曲部へ突出するように設けられた取っ手部と、取っ手部内に設けられ吸引ダクトと連通した吸引排出部と、各溝部内にそれぞれ歯列が案内されたとき当該歯列の前面と背面へ接触する状態に前記各溝部内の長さ方向両側部に沿って回転可能に設けられた前記歯磨き用ブラシと、各歯磨き用ブラシを各ブラシが接触している歯列の歯元側から歯先側へ回転させる回転駆動機構とにより介護用歯ブラシを構成する。
【解決手段】超弾性合金ワイヤの軸に外周へ刷毛が植毛された軟質の合成樹脂からなる被覆チューブを被着して歯磨き用ブラシを構成する。上下の歯列が案内される溝部を上下に有し、上下の溝部の間に当該溝部と連通する吸引ダクトを有するブラッシング容器と、ブラッシング容器の凸湾曲部へ突出するように設けられた取っ手部と、取っ手部内に設けられ吸引ダクトと連通した吸引排出部と、各溝部内にそれぞれ歯列が案内されたとき当該歯列の前面と背面へ接触する状態に前記各溝部内の長さ方向両側部に沿って回転可能に設けられた前記歯磨き用ブラシと、各歯磨き用ブラシを各ブラシが接触している歯列の歯元側から歯先側へ回転させる回転駆動機構とにより介護用歯ブラシを構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、介護用歯ブラシに好適な歯磨き用ブラシ及びそれを利用した介護用歯ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
寝たきりの患者等要介護者において、口腔内を清潔に保つことは肺炎その他各種疾病の予防のため不可欠であり、介護用歯ブラシには介護者にとっての使い易さとその労力の軽減が求められている。
そのため、介護用歯ブラシは介護者の労力が軽減されるように種々の工夫がなされており、例えば、一般的形態の歯ブラシを通じて口腔内に給水するとともに、ブラッシングによって口腔内に溜まった汚水を吸引排除するように構成したものが提案されている(後記各特許文献参照)。
【0003】
口腔内への給水と口腔内からの汚水の排除は重要ではあるが、従来ブラシそのものについては何ら配慮されず、通常健常者が使用する形態の歯ブラシが使用されていた。
しかし、一般的な健常者用の歯ブラシは、自分の歯を磨くのには適しているが介護者が患者の歯を磨くのには使い難く(特に歯列の裏側を磨くのが困難)、時間がかかり介護者の負担が大きかった。
【特許文献1】特開平10−033570号公報
【特許文献2】特開2000−237211号公報
【特許文献3】特開2006−334276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、一般的な健常者向けの形態の歯ブラシは介護用の歯ブラシとしては極めて使い難い点にある。
本発明の目的は、介護用として介護者が患者の歯を磨くのに使い易く、介護者の負担を軽減することができる歯磨き用ブラシを提供することにある。
本発明の他の目的は、前記目的を達成できる本発明に罹るブラシの特徴を最もよく引き出すことができる介護用歯ブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る第1の歯磨き用ブラシは、前記の課題を解決するため、超弾性合金ワイヤよりなる軸に、外周へ刷毛が植毛された軟質の合成樹脂ないし樹脂からなる被覆チューブ又はスポンジからなる被覆チューブを被着したことを最も主要な特徴とするものである。
【0006】
本発明に係る第2の歯磨き用ブラシは、前記の課題を解決するため、刷毛束が多数植毛された植毛台を含むブラシ要素を、前記刷毛束の毛先が同じ方向を向くように複数並べ、当該複数のブラシ要素相互を毛先が形成する隣合う面相互の角度が180度未満となる状態で連結したことを最も主要な特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る第3の歯磨き用ブラシは、前記の課題を解決するため、刷毛束が多数植毛された植毛台を含むブラシ要素を、前記刷毛束の毛先が同じ方向を向くように複数並べ、当該複数のブラシ要素を、隣り合うブラシ要素の毛先が形成する面相互の角度が180度未満となる状態で支持部材へ取り付けたことを最も主要な特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る第1の介護用歯ブラシは、前記の課題を解決するため、上下の歯列が案内される溝部を上下に有し、前記上下の溝部の間に当該溝部と連通する吸引ダクトを有するブラッシング容器と、当該ブラッシング容器の凸湾曲部へ突出するように設けられた取っ手部と、前記取っ手部内に設けられ前記吸引ダクトと連通した吸引排出部と、前記各溝部内にそれぞれ歯列が案内されたとき当該歯列の前面と背面へ接触する状態に前記各溝部内の長さ方向両側部に沿って回転可能に設けられた前記第1の歯磨き用ブラシと、各歯磨き用ブラシを当該各歯ブラシが接触している歯列の歯元側から歯先側へ回転させる回転駆動機構とを備えたことを最も主要な特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る第2の介護用歯ブラシは、前記の課題を解決するため、挟み操作ができるように相互の交差部を軸で連結し挟み方向の逆方向へ作用する復帰ばねを有する一対のハンドルを設け、一方のハンドルの先端部には請求項4又は5に記載の歯磨き用ブラシを毛先が当該ハンドルの先端方向を向く状態に取り付け、他方のハンドルの先端部には、多数の刷毛束が植毛された植毛台を含むブラシ要素を、毛先が前記歯磨き用ブラシの毛先と近接して相対する状態に取り付けたことを最も主要な特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る第3の介護用歯ブラシは、前記の課題を解決するため、前記第2又は第3の歯磨き用ブラシを毛先が先端方向を向く状態で取っ手の先端部に取り付け、前記歯磨き用ブラシ全体又は各ブラシ要素を個別に振動させる振動付与手段を設け、前記歯磨き用ブラシの使用時における歯先側位置には前記歯磨き用ブラシの方向に連通した吸引ダクトを設置し、当該吸引ダクトと連通した吸引排出手段を設けたことを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る第1の歯歯磨き用ブラシによれば、軸は超弾性合金ワイヤであって見かけ上非常に大きな弾性を有し、このような特性を有する軸に刷毛が植毛された柔軟な被覆チューブ又はスポンジ被覆チューブを被着させたので、例えば常温で歯列の湾曲に沿って一定に湾曲した状態のままで回転させることができ、回転させながら短時間内に患者の歯を磨くことが可能になる。
【0012】
本発明に係る第2の歯磨き用ブラシによれば、前記のようなブラシ要素を、前記刷毛束の毛先が同じ方向を向くように複数並べ、当該複数のブラシ要素相互を毛先が形成する隣合う面相互の角度が180度未満となる状態で連結したので、歯列の前面に刷毛の毛先を接触させた状態でブラシを振動又は左右に往復微動させれば、患者の歯の前面を短時間かつ簡単に磨くことが可能になる。
【0013】
本発明に係る第3の歯磨き用ブラシによれば、前記のような構成のブラシ要素を、刷毛束の毛先が同じ方向を向くように複数並べ、当該複数のブラシ要素を、隣合うブラシ要素の毛先が形成する面相互の角度が180度未満となる状態で支持部材へ取り付けたものであるから、前記第2のブラシと同様に、歯列の前面に刷毛の毛先を接触させた状態でブラシを振動又は左右に往復微動させれば、患者の歯の前面を短時間かつ簡単に磨くことが可能になる。
【0014】
本発明に係る第1の介護用歯ブラシによれば、患者の上下の歯列を歯ブラシの上下の溝部に案内し、この状態で回転駆動機構により各ブラシを回転させると、当該各ブラシの刷毛が歯列の歯元側から歯先側へ順次接触するように回転する。
したがって、この介護用歯ブラシは、前記本発明に係る第1のブラシの特徴を最もよく発揮させることができ、しかも、非常に短時間で患者の歯列の正面と背面の両面を能率的に磨くことができる。また、歯磨きにより汚れた唾液は吸引ダクトを通じて吸引排出部により順次排出される。
【0015】
本発明に係る第2の介護用歯ブラシによれば、前記歯磨き用ブラシの毛先を患者の上部歯列又は下部歯列の正面に接触させ、前記ブラシ要素の毛先を患者の歯列の裏面に接触させて、ハンドルを挟み方向へ操作したとき、開き方向(挟み方向の逆方向)へは復帰ばねの作用によりハンドルが自動復帰する。
したがって、ハンドルを挟み方向へ繰り返し操作することにより歯の両面を簡単に磨くことができる。前記ブラシ及びブラシ要素は歯列に沿って移動させながら前記歯磨き操作を行う。また、上下の歯列のいずれかの一方の歯磨きが終了した後、他方の歯列の歯磨きを行う。
第2の介護用歯ブラシによれば、第2又は第3のブラシを効率的に利用するのに適した形態である。
【0016】
本発明に係る第3の介護用歯ブラシによれば、歯列の正面側へ前記ブラシの毛先が接触した状態で振動付与手段によりブラシ全体又は各ブラシ要素を振動させると、当該部分の歯列の正面側が磨かれる。一箇所の歯磨きが終了したならば、その隣接の部分に移動して歯磨きを行い、さらに、一方の歯列の歯磨き終了後に他方の歯列の歯磨きに移る。
第3の介護用歯ブラシによれば、振動付与により短時間かつ簡単に患者の歯磨きを行うことができる。歯磨きにより汚れた唾液は吸引ダクトを通じて順次排出される。
また、第2又は第3のブラシを効率的に利用するのに適した形態である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下図面を参照しながら、本発明に係るブラシと介護用歯ブラシの最良実施形態を説明する。
第1実施形態
図1は本発明に係る第1実施形態の歯磨き用ブラシを利用した介護用歯ブラシの一形態を示す平面図、図2は図1の矢印A−Aに沿う部分拡大断面図、図3は図1の矢印B−Bに沿う展開断面図、図4は図1の歯ブラシに使用された第1実施形態のブラシの部分拡大断面図、図5は第1実施形態のブラシの変形形態を示す部分拡大断面図、図6は図3の矢印あC−Cに沿う断面図、図7はブラシによって上の歯が磨かれている状態を示す概略図である。
【0018】
図1の介護用歯ブラシに使用されるブラシ1は、図4で示すように例えばNi−Ti系合金等の超弾性合金ワイヤからなる小径(例えば線形0.3〜0.6mm)の軸10に、外周へ刷毛11aが植毛された軟質の合成樹脂ないし樹脂からなる被覆チューブ11を被着したものである。
被覆チューブ11は、前記のように刷毛11aを植毛したものに代えて、図5のようにスポンジからなる被覆チューブ11を用いることができる。
【0019】
5は上下の歯列(図示せず。以下同じ。)が案内される溝部50を上下に有し、前記上下の溝部50,50の間に吸引ダクト51を有する合成樹脂製のブラッシング容器であり、このブラッシング容器5の平面視における凸湾曲部には、突出するように取っ手部5aが形成されている。
前記溝部50,50と吸引ダクト51との各隔壁52,52には所定の間隔で連通孔53が形成され、前記各溝部50は吸引ダクト51とそれぞれ連通している。
前記取っ手部5aの両側部内には前記吸引ダクト51と連通した吸引排出部5b,5bが設けられており、各溝部50内の汚物等は前記各吸引ダクト51及び各吸引排出部5bを通じて排出されるように構成されている。
【0020】
上下の溝部50,50内には、それぞれ歯列が案内されたとき当該歯列の前面と背面へ接触する状態に、前記各溝部50内の長さ方向両側部に沿って図4の歯磨き用ブラシ1が回転可能に設けられている。これらの各ブラシ1の軸10は、中央部において後述の歯車63,64の軸を兼ねており、その両端部はブラッシング容器5の両端部の端板54,54へ回転自在に軸承されている。
ブラッシング容器5内には、各歯磨き用ブラシ1を当該各歯ブラシ1が接触している歯列の歯元側から歯先側へ回転させように回転駆動機構6が設けられている。
【0021】
この実施形態において、前記回転駆動機構6はウオーム歯車列により構成されていてギヤ室5555(図2及び図3)内に設置されている。
歯車列である回転駆動機構6は、取っ手部5a内側からギヤ室55の上下方向中央部へ軸を介して突入した状態のウオーム60と、このウオーム60と噛合う上下のウオーム歯車61,61と、各対応するウオーム歯車61と噛合う各ウオーム歯車62,63、及び各ウオーム歯車62と噛合う他の各ウオーム歯車64とから構成されている。
各歯車61〜64はギヤ室55の側壁部へ回転自在に取り付けられている。
回転駆動機構6が設置されているギヤ室55は、歯磨きに寄与しない言わばデッドスペースであるので、図3におけるギヤ室55の左右の幅方向寸法は最小限となるように設計され、ウオーム60や各歯車61〜64も同様に極力小サイズのものが使用される。
また、後述のように、ギヤ室55の上下(各溝部50と対応する部分であって、図2の上下の部分)には使用時に前歯が案内される(突入する)ので、そのときに前歯が回転している歯車63,64と干渉しないように、ギヤ室55の溝部50と対応する部分には図示しない隔壁を形成している。
【0022】
図1及び図2において、7はモータ、70はモータ7の出力軸とウオーム60の軸を連結しているカップリング、71はパッキンである。
上下の溝部50,50はそれぞれ上下の歯列が案内されて各溝部50,50の開口部は歯茎が接触するので、開口部やその近傍部分にはシリコーンその他の軟らかい合成樹脂が用いられる。
【0023】
以上のように構成された介護用バブラシは、取っ手部5aを持ち、患者の上下の歯列が上下の溝部に案内されるようにセットし、図示しないスイッチを入れてモータ7を作動させ回転駆動機構6を通じてブラシ1を回転させる。
各ブラシ1は対応するウオーム歯車63,64と同じ方向へ回転し、すなわち図7で示すように上部の歯aに接触している両側のブラシ1,1は、当該歯aの歯元側から歯先側へ付着物や汚れを落とすように回転する。
【0024】
前記実施形態の介護用歯ブラシは、ブラシ1の軸10が超弾性合金ワイヤであってこの軸10に外周へ刷毛群を植毛した柔軟なチューブ11が一体回転するように被着されており、ブラシ1は歯列の湾曲形状によく追随して湾曲した状態で円滑に回転するから、上下の歯列の各歯が短時間内に一斉に磨かれ、介護者の負担を大幅に軽減させる。
歯磨き中必要に応じて吸引機能を発揮させることにより、歯から脱落した汚れや異物が混じった唾液は図1の排出パイプ5cを通じてブラシ装置外へ排出される。
【0025】
第2実施形態
図8は本発明に係る第2実施形態のブラシを使用した介護用歯ブラシの実施形態を示す平面図、図9は図8の歯ブラシで使用されているブラシ要素の一形態を示す斜視図、図10は第2実施形態のブラシの変形形態を示す平面図である。
【0026】
第2実施形態の歯磨き用ブラシ1aは、刷毛束13が多数植毛された植毛台14a(図9)と、当該植毛台14aが収容されたトレイ14と、当該トレイ14を保持したホルダ15とを具備するブラシ要素12を、前記刷毛束13の毛先が同じ方向を向くように複数並べ、当該複数のブラシ要素12のホルダ15相互を毛先が形成する隣合う面相互の角度が180度未満となる状態で連結したものである。
ブラシ要素12,12のホルダ15相互を連結するには、ホルダ15相互が形成する角度を変化させることができるように、緩め締め可能な連結軸23を使用するのが好まし。
なお、後述の歯磨き用ブラシ1bについても同様であるが、ブラシ要素12に不可欠な部分は多数の刷毛束13が植毛された植毛台14aであり、トレイ14やホルダ15その他の部品は、設計上必要に応じて選択されるものである。
【0027】
この実施形態の介護用歯ブラシは、挟み操作ができるように相互の交差部を軸21で連結し、挟み方向の逆方向へ作用する復帰ばね2bを有する一対のハンドル2,2aを設け、一方のハンドル2の先端部には前記の歯ブラシ用ブラシ1aを毛先が当該ハンドル2の先端方向を向く状態に取り付けている。
他方のハンドル2aの先端部には、多数の刷毛束13が植毛された植毛台と当該植毛台14aが収容されたトレイ14とを具備したブラシ要素12、又は前記トレイを保持するホルダ15をさらに具備したブラシ要素12を、毛先が前記歯磨き用ブラシ1aの毛先と近接して相対する状態に取り付けている。
【0028】
この実施形態において、前記歯磨き用ブラシ1aは、一方のハンドル2の先端部分へ当該先端部分に軸22で連結された第1の取付アーム20を介して取り付けられ、前記ブラシ要素12は前記他方のハンドル2aの先端部分へ当該先端部分に軸で連結された第2の取付アーム24を介して取り付けられている。したがって、第1の取付アーム20のハンドル2に対する傾斜角度や、第2の取付アームの24の他方のハンドル2aに対する角度を変化させて、ブラシ1aとブラシ要素12との対向間隔を調整することができる。
前記第1の取付アーム20及び第2の取付アーム24には長さ方向に沿って所定の間隔に複数の取付孔が形成され、歯磨き用ブラシ1aは前記第1の取付アーム20の取付孔の一つに、前記ブラシ要素12は前記第2の取付アーム24の取付孔一つに、それぞれ取付軸により取り付けられている。したがって、取付孔を選択することによってもブラシ1aとブラシ要素12との対向間隔を調整することができる。
なお、26は一方のハンドル2の他方のハンドル2aの開き角度を規制するために他方のハンドル2aに形成された溝である。
【0029】
前記実施形態の介護用歯ブラシによれば、前記歯磨き用ブラシ1aの毛先を患者の上部歯列又は下部歯列の正面に接触させ、前記ブラシ要素12の毛先を患者の歯列の裏面に接触させて、ハンドル2,2aの各グリップ2c,2cを同時に掴んでを挟み方向へ操作する毎に、開き方向(挟み方向の逆方向)へは復帰ばね2bの作用によりハンドル2,2aが自動復帰する。
したがって、ハンドル2,2aを挟み方向へ刳り返し操作することによりブラシ1aとブラシ要素12とにより歯の両面を簡単に磨くことができる。前記ブラシ1a及びブラシ要素12は歯列に沿って移動させながら前記歯磨き操作を行う。また、上下の歯列のいずれかの一方の歯磨きが終了した後、他方の歯列の歯磨きを行う。
この介護用歯ブラシによれば、前記のブラシ1aを効率的に利用するのに適した形態である。
ブラシ1aは、図8で示すように二つのブラシ要素12を連結したものではなく、図10で示すように三つのブラシ要素12をそれぞれ軸23により連結したものを使用することができる。
【0030】
第3実施形態
図11は本発明に係る第3実施形態の介護用歯ブラシの部分拡大斜視図、図12は図11の状態からブラシ要素の向きを90度変化させて上向き状態にした部分拡大斜視図である。
この実施形態は図8の歯ブラシの変形形態であり、他方のハンドル2aの先端部に取り付けられているブラシ要素12はホルダを有しない形態であり、このブラシ要素12は、第2の取付アーム24の先端へ軸により取り付けられた第3の取付アーム25の先端部へ関節部26を介して取り付けられている。
通常、ハンドル2aに取り付けられているブラシ要素12は、図11のようにハンドル2の先端に取り付けられているブラシ1aと対向しているが、例えば、図示しない臼歯の正面側を磨きながら当該臼歯の噛合い面を同時に磨きたいときは、図12のように関節部
26を利用してブラシ要素12を当該臼歯の噛合わせ面の方向へ向けて使用することができるように構成してある。
【0031】
第4実施形態
図13は他の実施形態の歯磨き用ブラシ1bを使用した第4実施形態の介護用歯ブラシの斜視図、図14は図13の介護用歯ブラシの向きを変化させた斜視図、図15は図13の介護用歯ブラシの平面図、図16図13の介護用歯ブラシの部分分解斜視図、図17は図13の介護用歯ブラシのブラシを省略した断面図である。
【0032】
この実施形態の歯磨き用ブラシ1bは、多数の刷毛束が植毛された植毛台をトレイ14へ収容し、さらにこれをホルダ15へ収容して各ブラシ要素12を組み立てたもので、各ホルダ15の背面側には、小型のバイブレータからなる振動付与手段4の収納部15a(図16)が設けられている。
三つのブラシ要素12は、平面視円弧状(マウスピース状)支持部材16の切欠部へ取り付けられてブラシ1bを構成している。
この実施形態では、支持部材16の下部背面側に取っ手部3を設け、当該取っ手部の3の先端部には毛先が先端方向を向く状態でブラシ1bが位置している。
前記支持部材16の下部には、図17で示すように連通孔31により前記ブラシ要素12の方向に連通した吸引ダクト30を設置し、当該吸引ダクト30と連通した吸引排出手段を設けている。この実施形態では、吸引排出手段は取っ手部3を兼ねている。
【0033】
第4実施形態の介護用歯ブラシによれば、歯列の正面側へ前記ブラシ1bの毛先が接触した状態で振動付与手段4により各ブラシ要素12を振動させると、当該部分の歯列の正面側が磨かれる。
一箇所の歯磨きが終了したならば、その隣接の部分に移動して歯磨きを行い、さらに、一方の歯列の歯磨き終了後に他方の歯列の歯磨きに移る。
この実施形態の歯ブラシによれば、振動付与により短時間かつ簡単に患者の歯磨きを行うことができる。歯磨きにより汚れた唾液は吸引ダクト30を通じて順次排出される。
この実施形態では、ブラシ1bを構成する各ブラシ要素12毎に小型バイブレータからなる振動付与手段を設置したが、ブラシ全体を振動させる振動付与手段を設置しても実施することができる。
【0034】
第5実施形態
図18は第5実施形態の介護用歯ブラシを示す平面図、図19は図18の矢印D−Dに沿う部分断面図である。
図13〜図17で示した介護用歯ブラシは、上部及び下部の歯列の正面側を磨くのに適しているが、この実施形態の歯ブラシは歯列の背面側を磨くのに適している。
【0035】
多数の刷毛束が植毛された植毛台を収容したトレイ(図示せず)は、第4実施形態におけると同様な構成のホルダ15に収容されてブラシ要素12を構成している。
このブラシ要素12は、背面側へ小型バイブレータからなる振動付与手段4を取り付けた状態で支持部材16に取り付けられ、この支持部材16の底部には刷毛束13側へ連通孔33を介して連通した吸引ダクト32が取り付けられ、この吸引ダクト32は吸引排出手段を兼ねる取っ手部3aと連通している。
【0036】
この実施形態の歯ブラシは、ブラシ要素12の毛先を歯列の裏側へ接触させ、振動付与手段4によりブラシ要素12を振動させながら歯を磨く。
この実施形態の歯ブラシの他の使用要領は作用効果は、第4実施形態の歯ブラシとほぼ同様であるのでそれらの説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る第1実施形態の歯磨き用ブラシを利用した介護用歯ブラシの一形態を示す平面図である。
【図2】図1の矢印A−Aに沿う部分拡大断面図である。
【図3】図1の矢印B−Bに沿う展開断面図である。
【図4】図1の歯ブラシに使用された第1実施形態のブラシの部分拡大断面図である。
【図5】第1実施形態のブラシの変形形態を示す部分拡大断面図である。
【図6】図3の矢印はC−Cに沿う断面図である。
【図7】ブラシによって上の歯が磨かれている状態を示す概略図である。
【図8】本発明に係る第2実施形態のブラシを使用した介護用歯ブラシの実施形態を示す平面図である。
【図9】図8の歯ブラシで使用されているブラシ要素の一形態を示す斜視図である。
【図10】第2実施形態のブラシの変形形態を示す平面図である。
【図11】本発明に係る第3実施形態の介護用歯ブラシの部分拡大斜視図である。
【図12】図11の状態からブラシ要素の向きを90度変化させて上向き状態にした部分拡大斜視図である。
【図13】他の実施形態の歯磨き用ブラシ1bを使用した第4実施形態の介護用歯ブラシの斜視図である。
【図14】図13の介護用歯ブラシの向きを変化させた斜視図である。
【図15】図13の介護用歯ブラシの平面図である。
【図16】図13の介護用歯ブラシの部分分解斜視図である。
【図17】図13の介護用歯ブラシのブラシを省略した断面図である。
【図18】第5実施形態の介護用歯ブラシを示す平面図である。
【図19】図18の矢印D−Dに沿う部分断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1,1a,1b 歯磨き用ブラシ
10 軸
11 被覆チューブ
11a 刷毛
12 ブラシ要素
13 刷毛束
14 トレイ
14a 植毛台
15 ホルダ
16 支持部材
2,2a ハンドル
2b 復帰ばね
2c グリップ
20 第1の取付アーム
21,22,23 軸
24 第2の取付アーム
25 第3の取付アーム
26 関節部
3,3a 取っ手部
30,32 排気ダクト
4 振動付与手段
5 ブラッシング容器
50 溝部
51 吸引ダクト
5a 取っ手部
5b 吸引排出部
6 回転駆動機構
60 ウオーム歯車
61〜64 小歯車
【技術分野】
【0001】
本発明は、介護用歯ブラシに好適な歯磨き用ブラシ及びそれを利用した介護用歯ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
寝たきりの患者等要介護者において、口腔内を清潔に保つことは肺炎その他各種疾病の予防のため不可欠であり、介護用歯ブラシには介護者にとっての使い易さとその労力の軽減が求められている。
そのため、介護用歯ブラシは介護者の労力が軽減されるように種々の工夫がなされており、例えば、一般的形態の歯ブラシを通じて口腔内に給水するとともに、ブラッシングによって口腔内に溜まった汚水を吸引排除するように構成したものが提案されている(後記各特許文献参照)。
【0003】
口腔内への給水と口腔内からの汚水の排除は重要ではあるが、従来ブラシそのものについては何ら配慮されず、通常健常者が使用する形態の歯ブラシが使用されていた。
しかし、一般的な健常者用の歯ブラシは、自分の歯を磨くのには適しているが介護者が患者の歯を磨くのには使い難く(特に歯列の裏側を磨くのが困難)、時間がかかり介護者の負担が大きかった。
【特許文献1】特開平10−033570号公報
【特許文献2】特開2000−237211号公報
【特許文献3】特開2006−334276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、一般的な健常者向けの形態の歯ブラシは介護用の歯ブラシとしては極めて使い難い点にある。
本発明の目的は、介護用として介護者が患者の歯を磨くのに使い易く、介護者の負担を軽減することができる歯磨き用ブラシを提供することにある。
本発明の他の目的は、前記目的を達成できる本発明に罹るブラシの特徴を最もよく引き出すことができる介護用歯ブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る第1の歯磨き用ブラシは、前記の課題を解決するため、超弾性合金ワイヤよりなる軸に、外周へ刷毛が植毛された軟質の合成樹脂ないし樹脂からなる被覆チューブ又はスポンジからなる被覆チューブを被着したことを最も主要な特徴とするものである。
【0006】
本発明に係る第2の歯磨き用ブラシは、前記の課題を解決するため、刷毛束が多数植毛された植毛台を含むブラシ要素を、前記刷毛束の毛先が同じ方向を向くように複数並べ、当該複数のブラシ要素相互を毛先が形成する隣合う面相互の角度が180度未満となる状態で連結したことを最も主要な特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る第3の歯磨き用ブラシは、前記の課題を解決するため、刷毛束が多数植毛された植毛台を含むブラシ要素を、前記刷毛束の毛先が同じ方向を向くように複数並べ、当該複数のブラシ要素を、隣り合うブラシ要素の毛先が形成する面相互の角度が180度未満となる状態で支持部材へ取り付けたことを最も主要な特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る第1の介護用歯ブラシは、前記の課題を解決するため、上下の歯列が案内される溝部を上下に有し、前記上下の溝部の間に当該溝部と連通する吸引ダクトを有するブラッシング容器と、当該ブラッシング容器の凸湾曲部へ突出するように設けられた取っ手部と、前記取っ手部内に設けられ前記吸引ダクトと連通した吸引排出部と、前記各溝部内にそれぞれ歯列が案内されたとき当該歯列の前面と背面へ接触する状態に前記各溝部内の長さ方向両側部に沿って回転可能に設けられた前記第1の歯磨き用ブラシと、各歯磨き用ブラシを当該各歯ブラシが接触している歯列の歯元側から歯先側へ回転させる回転駆動機構とを備えたことを最も主要な特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る第2の介護用歯ブラシは、前記の課題を解決するため、挟み操作ができるように相互の交差部を軸で連結し挟み方向の逆方向へ作用する復帰ばねを有する一対のハンドルを設け、一方のハンドルの先端部には請求項4又は5に記載の歯磨き用ブラシを毛先が当該ハンドルの先端方向を向く状態に取り付け、他方のハンドルの先端部には、多数の刷毛束が植毛された植毛台を含むブラシ要素を、毛先が前記歯磨き用ブラシの毛先と近接して相対する状態に取り付けたことを最も主要な特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る第3の介護用歯ブラシは、前記の課題を解決するため、前記第2又は第3の歯磨き用ブラシを毛先が先端方向を向く状態で取っ手の先端部に取り付け、前記歯磨き用ブラシ全体又は各ブラシ要素を個別に振動させる振動付与手段を設け、前記歯磨き用ブラシの使用時における歯先側位置には前記歯磨き用ブラシの方向に連通した吸引ダクトを設置し、当該吸引ダクトと連通した吸引排出手段を設けたことを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る第1の歯歯磨き用ブラシによれば、軸は超弾性合金ワイヤであって見かけ上非常に大きな弾性を有し、このような特性を有する軸に刷毛が植毛された柔軟な被覆チューブ又はスポンジ被覆チューブを被着させたので、例えば常温で歯列の湾曲に沿って一定に湾曲した状態のままで回転させることができ、回転させながら短時間内に患者の歯を磨くことが可能になる。
【0012】
本発明に係る第2の歯磨き用ブラシによれば、前記のようなブラシ要素を、前記刷毛束の毛先が同じ方向を向くように複数並べ、当該複数のブラシ要素相互を毛先が形成する隣合う面相互の角度が180度未満となる状態で連結したので、歯列の前面に刷毛の毛先を接触させた状態でブラシを振動又は左右に往復微動させれば、患者の歯の前面を短時間かつ簡単に磨くことが可能になる。
【0013】
本発明に係る第3の歯磨き用ブラシによれば、前記のような構成のブラシ要素を、刷毛束の毛先が同じ方向を向くように複数並べ、当該複数のブラシ要素を、隣合うブラシ要素の毛先が形成する面相互の角度が180度未満となる状態で支持部材へ取り付けたものであるから、前記第2のブラシと同様に、歯列の前面に刷毛の毛先を接触させた状態でブラシを振動又は左右に往復微動させれば、患者の歯の前面を短時間かつ簡単に磨くことが可能になる。
【0014】
本発明に係る第1の介護用歯ブラシによれば、患者の上下の歯列を歯ブラシの上下の溝部に案内し、この状態で回転駆動機構により各ブラシを回転させると、当該各ブラシの刷毛が歯列の歯元側から歯先側へ順次接触するように回転する。
したがって、この介護用歯ブラシは、前記本発明に係る第1のブラシの特徴を最もよく発揮させることができ、しかも、非常に短時間で患者の歯列の正面と背面の両面を能率的に磨くことができる。また、歯磨きにより汚れた唾液は吸引ダクトを通じて吸引排出部により順次排出される。
【0015】
本発明に係る第2の介護用歯ブラシによれば、前記歯磨き用ブラシの毛先を患者の上部歯列又は下部歯列の正面に接触させ、前記ブラシ要素の毛先を患者の歯列の裏面に接触させて、ハンドルを挟み方向へ操作したとき、開き方向(挟み方向の逆方向)へは復帰ばねの作用によりハンドルが自動復帰する。
したがって、ハンドルを挟み方向へ繰り返し操作することにより歯の両面を簡単に磨くことができる。前記ブラシ及びブラシ要素は歯列に沿って移動させながら前記歯磨き操作を行う。また、上下の歯列のいずれかの一方の歯磨きが終了した後、他方の歯列の歯磨きを行う。
第2の介護用歯ブラシによれば、第2又は第3のブラシを効率的に利用するのに適した形態である。
【0016】
本発明に係る第3の介護用歯ブラシによれば、歯列の正面側へ前記ブラシの毛先が接触した状態で振動付与手段によりブラシ全体又は各ブラシ要素を振動させると、当該部分の歯列の正面側が磨かれる。一箇所の歯磨きが終了したならば、その隣接の部分に移動して歯磨きを行い、さらに、一方の歯列の歯磨き終了後に他方の歯列の歯磨きに移る。
第3の介護用歯ブラシによれば、振動付与により短時間かつ簡単に患者の歯磨きを行うことができる。歯磨きにより汚れた唾液は吸引ダクトを通じて順次排出される。
また、第2又は第3のブラシを効率的に利用するのに適した形態である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下図面を参照しながら、本発明に係るブラシと介護用歯ブラシの最良実施形態を説明する。
第1実施形態
図1は本発明に係る第1実施形態の歯磨き用ブラシを利用した介護用歯ブラシの一形態を示す平面図、図2は図1の矢印A−Aに沿う部分拡大断面図、図3は図1の矢印B−Bに沿う展開断面図、図4は図1の歯ブラシに使用された第1実施形態のブラシの部分拡大断面図、図5は第1実施形態のブラシの変形形態を示す部分拡大断面図、図6は図3の矢印あC−Cに沿う断面図、図7はブラシによって上の歯が磨かれている状態を示す概略図である。
【0018】
図1の介護用歯ブラシに使用されるブラシ1は、図4で示すように例えばNi−Ti系合金等の超弾性合金ワイヤからなる小径(例えば線形0.3〜0.6mm)の軸10に、外周へ刷毛11aが植毛された軟質の合成樹脂ないし樹脂からなる被覆チューブ11を被着したものである。
被覆チューブ11は、前記のように刷毛11aを植毛したものに代えて、図5のようにスポンジからなる被覆チューブ11を用いることができる。
【0019】
5は上下の歯列(図示せず。以下同じ。)が案内される溝部50を上下に有し、前記上下の溝部50,50の間に吸引ダクト51を有する合成樹脂製のブラッシング容器であり、このブラッシング容器5の平面視における凸湾曲部には、突出するように取っ手部5aが形成されている。
前記溝部50,50と吸引ダクト51との各隔壁52,52には所定の間隔で連通孔53が形成され、前記各溝部50は吸引ダクト51とそれぞれ連通している。
前記取っ手部5aの両側部内には前記吸引ダクト51と連通した吸引排出部5b,5bが設けられており、各溝部50内の汚物等は前記各吸引ダクト51及び各吸引排出部5bを通じて排出されるように構成されている。
【0020】
上下の溝部50,50内には、それぞれ歯列が案内されたとき当該歯列の前面と背面へ接触する状態に、前記各溝部50内の長さ方向両側部に沿って図4の歯磨き用ブラシ1が回転可能に設けられている。これらの各ブラシ1の軸10は、中央部において後述の歯車63,64の軸を兼ねており、その両端部はブラッシング容器5の両端部の端板54,54へ回転自在に軸承されている。
ブラッシング容器5内には、各歯磨き用ブラシ1を当該各歯ブラシ1が接触している歯列の歯元側から歯先側へ回転させように回転駆動機構6が設けられている。
【0021】
この実施形態において、前記回転駆動機構6はウオーム歯車列により構成されていてギヤ室5555(図2及び図3)内に設置されている。
歯車列である回転駆動機構6は、取っ手部5a内側からギヤ室55の上下方向中央部へ軸を介して突入した状態のウオーム60と、このウオーム60と噛合う上下のウオーム歯車61,61と、各対応するウオーム歯車61と噛合う各ウオーム歯車62,63、及び各ウオーム歯車62と噛合う他の各ウオーム歯車64とから構成されている。
各歯車61〜64はギヤ室55の側壁部へ回転自在に取り付けられている。
回転駆動機構6が設置されているギヤ室55は、歯磨きに寄与しない言わばデッドスペースであるので、図3におけるギヤ室55の左右の幅方向寸法は最小限となるように設計され、ウオーム60や各歯車61〜64も同様に極力小サイズのものが使用される。
また、後述のように、ギヤ室55の上下(各溝部50と対応する部分であって、図2の上下の部分)には使用時に前歯が案内される(突入する)ので、そのときに前歯が回転している歯車63,64と干渉しないように、ギヤ室55の溝部50と対応する部分には図示しない隔壁を形成している。
【0022】
図1及び図2において、7はモータ、70はモータ7の出力軸とウオーム60の軸を連結しているカップリング、71はパッキンである。
上下の溝部50,50はそれぞれ上下の歯列が案内されて各溝部50,50の開口部は歯茎が接触するので、開口部やその近傍部分にはシリコーンその他の軟らかい合成樹脂が用いられる。
【0023】
以上のように構成された介護用バブラシは、取っ手部5aを持ち、患者の上下の歯列が上下の溝部に案内されるようにセットし、図示しないスイッチを入れてモータ7を作動させ回転駆動機構6を通じてブラシ1を回転させる。
各ブラシ1は対応するウオーム歯車63,64と同じ方向へ回転し、すなわち図7で示すように上部の歯aに接触している両側のブラシ1,1は、当該歯aの歯元側から歯先側へ付着物や汚れを落とすように回転する。
【0024】
前記実施形態の介護用歯ブラシは、ブラシ1の軸10が超弾性合金ワイヤであってこの軸10に外周へ刷毛群を植毛した柔軟なチューブ11が一体回転するように被着されており、ブラシ1は歯列の湾曲形状によく追随して湾曲した状態で円滑に回転するから、上下の歯列の各歯が短時間内に一斉に磨かれ、介護者の負担を大幅に軽減させる。
歯磨き中必要に応じて吸引機能を発揮させることにより、歯から脱落した汚れや異物が混じった唾液は図1の排出パイプ5cを通じてブラシ装置外へ排出される。
【0025】
第2実施形態
図8は本発明に係る第2実施形態のブラシを使用した介護用歯ブラシの実施形態を示す平面図、図9は図8の歯ブラシで使用されているブラシ要素の一形態を示す斜視図、図10は第2実施形態のブラシの変形形態を示す平面図である。
【0026】
第2実施形態の歯磨き用ブラシ1aは、刷毛束13が多数植毛された植毛台14a(図9)と、当該植毛台14aが収容されたトレイ14と、当該トレイ14を保持したホルダ15とを具備するブラシ要素12を、前記刷毛束13の毛先が同じ方向を向くように複数並べ、当該複数のブラシ要素12のホルダ15相互を毛先が形成する隣合う面相互の角度が180度未満となる状態で連結したものである。
ブラシ要素12,12のホルダ15相互を連結するには、ホルダ15相互が形成する角度を変化させることができるように、緩め締め可能な連結軸23を使用するのが好まし。
なお、後述の歯磨き用ブラシ1bについても同様であるが、ブラシ要素12に不可欠な部分は多数の刷毛束13が植毛された植毛台14aであり、トレイ14やホルダ15その他の部品は、設計上必要に応じて選択されるものである。
【0027】
この実施形態の介護用歯ブラシは、挟み操作ができるように相互の交差部を軸21で連結し、挟み方向の逆方向へ作用する復帰ばね2bを有する一対のハンドル2,2aを設け、一方のハンドル2の先端部には前記の歯ブラシ用ブラシ1aを毛先が当該ハンドル2の先端方向を向く状態に取り付けている。
他方のハンドル2aの先端部には、多数の刷毛束13が植毛された植毛台と当該植毛台14aが収容されたトレイ14とを具備したブラシ要素12、又は前記トレイを保持するホルダ15をさらに具備したブラシ要素12を、毛先が前記歯磨き用ブラシ1aの毛先と近接して相対する状態に取り付けている。
【0028】
この実施形態において、前記歯磨き用ブラシ1aは、一方のハンドル2の先端部分へ当該先端部分に軸22で連結された第1の取付アーム20を介して取り付けられ、前記ブラシ要素12は前記他方のハンドル2aの先端部分へ当該先端部分に軸で連結された第2の取付アーム24を介して取り付けられている。したがって、第1の取付アーム20のハンドル2に対する傾斜角度や、第2の取付アームの24の他方のハンドル2aに対する角度を変化させて、ブラシ1aとブラシ要素12との対向間隔を調整することができる。
前記第1の取付アーム20及び第2の取付アーム24には長さ方向に沿って所定の間隔に複数の取付孔が形成され、歯磨き用ブラシ1aは前記第1の取付アーム20の取付孔の一つに、前記ブラシ要素12は前記第2の取付アーム24の取付孔一つに、それぞれ取付軸により取り付けられている。したがって、取付孔を選択することによってもブラシ1aとブラシ要素12との対向間隔を調整することができる。
なお、26は一方のハンドル2の他方のハンドル2aの開き角度を規制するために他方のハンドル2aに形成された溝である。
【0029】
前記実施形態の介護用歯ブラシによれば、前記歯磨き用ブラシ1aの毛先を患者の上部歯列又は下部歯列の正面に接触させ、前記ブラシ要素12の毛先を患者の歯列の裏面に接触させて、ハンドル2,2aの各グリップ2c,2cを同時に掴んでを挟み方向へ操作する毎に、開き方向(挟み方向の逆方向)へは復帰ばね2bの作用によりハンドル2,2aが自動復帰する。
したがって、ハンドル2,2aを挟み方向へ刳り返し操作することによりブラシ1aとブラシ要素12とにより歯の両面を簡単に磨くことができる。前記ブラシ1a及びブラシ要素12は歯列に沿って移動させながら前記歯磨き操作を行う。また、上下の歯列のいずれかの一方の歯磨きが終了した後、他方の歯列の歯磨きを行う。
この介護用歯ブラシによれば、前記のブラシ1aを効率的に利用するのに適した形態である。
ブラシ1aは、図8で示すように二つのブラシ要素12を連結したものではなく、図10で示すように三つのブラシ要素12をそれぞれ軸23により連結したものを使用することができる。
【0030】
第3実施形態
図11は本発明に係る第3実施形態の介護用歯ブラシの部分拡大斜視図、図12は図11の状態からブラシ要素の向きを90度変化させて上向き状態にした部分拡大斜視図である。
この実施形態は図8の歯ブラシの変形形態であり、他方のハンドル2aの先端部に取り付けられているブラシ要素12はホルダを有しない形態であり、このブラシ要素12は、第2の取付アーム24の先端へ軸により取り付けられた第3の取付アーム25の先端部へ関節部26を介して取り付けられている。
通常、ハンドル2aに取り付けられているブラシ要素12は、図11のようにハンドル2の先端に取り付けられているブラシ1aと対向しているが、例えば、図示しない臼歯の正面側を磨きながら当該臼歯の噛合い面を同時に磨きたいときは、図12のように関節部
26を利用してブラシ要素12を当該臼歯の噛合わせ面の方向へ向けて使用することができるように構成してある。
【0031】
第4実施形態
図13は他の実施形態の歯磨き用ブラシ1bを使用した第4実施形態の介護用歯ブラシの斜視図、図14は図13の介護用歯ブラシの向きを変化させた斜視図、図15は図13の介護用歯ブラシの平面図、図16図13の介護用歯ブラシの部分分解斜視図、図17は図13の介護用歯ブラシのブラシを省略した断面図である。
【0032】
この実施形態の歯磨き用ブラシ1bは、多数の刷毛束が植毛された植毛台をトレイ14へ収容し、さらにこれをホルダ15へ収容して各ブラシ要素12を組み立てたもので、各ホルダ15の背面側には、小型のバイブレータからなる振動付与手段4の収納部15a(図16)が設けられている。
三つのブラシ要素12は、平面視円弧状(マウスピース状)支持部材16の切欠部へ取り付けられてブラシ1bを構成している。
この実施形態では、支持部材16の下部背面側に取っ手部3を設け、当該取っ手部の3の先端部には毛先が先端方向を向く状態でブラシ1bが位置している。
前記支持部材16の下部には、図17で示すように連通孔31により前記ブラシ要素12の方向に連通した吸引ダクト30を設置し、当該吸引ダクト30と連通した吸引排出手段を設けている。この実施形態では、吸引排出手段は取っ手部3を兼ねている。
【0033】
第4実施形態の介護用歯ブラシによれば、歯列の正面側へ前記ブラシ1bの毛先が接触した状態で振動付与手段4により各ブラシ要素12を振動させると、当該部分の歯列の正面側が磨かれる。
一箇所の歯磨きが終了したならば、その隣接の部分に移動して歯磨きを行い、さらに、一方の歯列の歯磨き終了後に他方の歯列の歯磨きに移る。
この実施形態の歯ブラシによれば、振動付与により短時間かつ簡単に患者の歯磨きを行うことができる。歯磨きにより汚れた唾液は吸引ダクト30を通じて順次排出される。
この実施形態では、ブラシ1bを構成する各ブラシ要素12毎に小型バイブレータからなる振動付与手段を設置したが、ブラシ全体を振動させる振動付与手段を設置しても実施することができる。
【0034】
第5実施形態
図18は第5実施形態の介護用歯ブラシを示す平面図、図19は図18の矢印D−Dに沿う部分断面図である。
図13〜図17で示した介護用歯ブラシは、上部及び下部の歯列の正面側を磨くのに適しているが、この実施形態の歯ブラシは歯列の背面側を磨くのに適している。
【0035】
多数の刷毛束が植毛された植毛台を収容したトレイ(図示せず)は、第4実施形態におけると同様な構成のホルダ15に収容されてブラシ要素12を構成している。
このブラシ要素12は、背面側へ小型バイブレータからなる振動付与手段4を取り付けた状態で支持部材16に取り付けられ、この支持部材16の底部には刷毛束13側へ連通孔33を介して連通した吸引ダクト32が取り付けられ、この吸引ダクト32は吸引排出手段を兼ねる取っ手部3aと連通している。
【0036】
この実施形態の歯ブラシは、ブラシ要素12の毛先を歯列の裏側へ接触させ、振動付与手段4によりブラシ要素12を振動させながら歯を磨く。
この実施形態の歯ブラシの他の使用要領は作用効果は、第4実施形態の歯ブラシとほぼ同様であるのでそれらの説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る第1実施形態の歯磨き用ブラシを利用した介護用歯ブラシの一形態を示す平面図である。
【図2】図1の矢印A−Aに沿う部分拡大断面図である。
【図3】図1の矢印B−Bに沿う展開断面図である。
【図4】図1の歯ブラシに使用された第1実施形態のブラシの部分拡大断面図である。
【図5】第1実施形態のブラシの変形形態を示す部分拡大断面図である。
【図6】図3の矢印はC−Cに沿う断面図である。
【図7】ブラシによって上の歯が磨かれている状態を示す概略図である。
【図8】本発明に係る第2実施形態のブラシを使用した介護用歯ブラシの実施形態を示す平面図である。
【図9】図8の歯ブラシで使用されているブラシ要素の一形態を示す斜視図である。
【図10】第2実施形態のブラシの変形形態を示す平面図である。
【図11】本発明に係る第3実施形態の介護用歯ブラシの部分拡大斜視図である。
【図12】図11の状態からブラシ要素の向きを90度変化させて上向き状態にした部分拡大斜視図である。
【図13】他の実施形態の歯磨き用ブラシ1bを使用した第4実施形態の介護用歯ブラシの斜視図である。
【図14】図13の介護用歯ブラシの向きを変化させた斜視図である。
【図15】図13の介護用歯ブラシの平面図である。
【図16】図13の介護用歯ブラシの部分分解斜視図である。
【図17】図13の介護用歯ブラシのブラシを省略した断面図である。
【図18】第5実施形態の介護用歯ブラシを示す平面図である。
【図19】図18の矢印D−Dに沿う部分断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1,1a,1b 歯磨き用ブラシ
10 軸
11 被覆チューブ
11a 刷毛
12 ブラシ要素
13 刷毛束
14 トレイ
14a 植毛台
15 ホルダ
16 支持部材
2,2a ハンドル
2b 復帰ばね
2c グリップ
20 第1の取付アーム
21,22,23 軸
24 第2の取付アーム
25 第3の取付アーム
26 関節部
3,3a 取っ手部
30,32 排気ダクト
4 振動付与手段
5 ブラッシング容器
50 溝部
51 吸引ダクト
5a 取っ手部
5b 吸引排出部
6 回転駆動機構
60 ウオーム歯車
61〜64 小歯車
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超弾性合金ワイヤよりなる軸に、外周へ刷毛が植毛された軟質の合成樹脂ないし樹脂からなる被覆チューブ又はスポンジからなる被覆チューブが被着されている、ことを特徴とする歯磨き用ブラシ。
【請求項2】
上下の歯列が案内される溝部を上下に有し、前記上下の溝部の間に当該溝部と連通する吸引ダクトを有するブラッシング容器と、当該ブラッシング容器の凸湾曲部へ突出するように設けられた取っ手部と、前記取っ手部内に設けられ前記吸引ダクトと連通した吸引排出部と、前記各溝部内にそれぞれ歯列が案内されたとき当該歯列の前面と背面へ接触する状態に前記各溝部内の長さ方向両側部に沿って回転可能に設けられた請求項1に記載の歯磨き用ブラシと、各歯磨き用ブラシを当該各ブラシが接触している歯列の歯元側から歯先側へ回転させる回転駆動機構と、を備えたことを特徴とする介護用歯ブラシ。
【請求項3】
前記回転駆動機構は、一つのウオーム歯車と多数の小歯車からなる歯車列を含む、請求項2に記載の介護用歯ブラシ。
【請求項4】
刷毛束が多数植毛された植毛台を含むブラシ要素を、前記刷毛束の毛先が同じ方向を向くように複数並べ、当該複数のブラシ要素相互を毛先が形成する隣合う面相互の角度が180度未満となる状態で連結した、ことを特徴とする歯磨き用ブラシ。
【請求項5】
刷毛束が多数植毛された植毛台を含むブラシ要素を、前記刷毛束の毛先が同じ方向を向くように複数並べ、当該複数のブラシ要素を、隣り合うブラシ要素の毛先が形成する面相互の角度が180度未満となる状態で支持部材へ取り付けた、ことを特徴とする歯磨き用ブラシ。
【請求項6】
挟み操作ができるように相互の交差部を軸で連結し挟み方向の逆方向へ作用する復帰ばねを有する一対のハンドルを設け、一方のハンドルの先端部には請求項4又は5に記載の歯磨き用ブラシを毛先が当該ハンドルの先端方向を向く状態に取り付け、他方のハンドルの先端部には、多数の刷毛束が植毛された植毛台を含むブラシ要素を、毛先が前記歯磨き用ブラシの毛先と近接して相対する状態に取り付けた、ことを特徴とする介護用歯ブラシ。
【請求項7】
前記歯磨き用ブラシは、前記一方のハンドルの先端部分へ当該先端部分に軸で連結された第1の取付アームを介して取り付けられ、前記ブラシ要素は前記他方のハンドルの先端部分へ当該先端部分に軸で連結された第2の取付アームを介して取り付けられている、請求項6に記載の介護用歯ブラシ。
【請求項8】
前記第1の取付アーム及び第2の取付アームには長さ方向に沿って所定の間隔に複数の取付孔が形成され、前記歯磨き用ブラシは前記第1の取付アームの取付孔の一つに、前記ブラシ要素は前記第2の取付アームの取付孔一つに、それぞれ取付軸により取り付けられている請求項7に記載の介護用歯ブラシ。
【請求項9】
前記請求項4又は5に記載の歯磨き用ブラシを毛先が先端方向を向く状態で取っ手部の先端部に取り付け、前記歯磨き用ブラシ全体又は各ブラシ要素を個別に振動させる振動付与手段を設け、前記歯磨き用ブラシの使用時における歯先側位置には前記歯磨き用ブラシの方向に連通した吸引ダクトを設置し、当該吸引ダクトと連通した吸引排出手段を設けた、ことを特徴とする介護用歯ブラシ。
【請求項1】
超弾性合金ワイヤよりなる軸に、外周へ刷毛が植毛された軟質の合成樹脂ないし樹脂からなる被覆チューブ又はスポンジからなる被覆チューブが被着されている、ことを特徴とする歯磨き用ブラシ。
【請求項2】
上下の歯列が案内される溝部を上下に有し、前記上下の溝部の間に当該溝部と連通する吸引ダクトを有するブラッシング容器と、当該ブラッシング容器の凸湾曲部へ突出するように設けられた取っ手部と、前記取っ手部内に設けられ前記吸引ダクトと連通した吸引排出部と、前記各溝部内にそれぞれ歯列が案内されたとき当該歯列の前面と背面へ接触する状態に前記各溝部内の長さ方向両側部に沿って回転可能に設けられた請求項1に記載の歯磨き用ブラシと、各歯磨き用ブラシを当該各ブラシが接触している歯列の歯元側から歯先側へ回転させる回転駆動機構と、を備えたことを特徴とする介護用歯ブラシ。
【請求項3】
前記回転駆動機構は、一つのウオーム歯車と多数の小歯車からなる歯車列を含む、請求項2に記載の介護用歯ブラシ。
【請求項4】
刷毛束が多数植毛された植毛台を含むブラシ要素を、前記刷毛束の毛先が同じ方向を向くように複数並べ、当該複数のブラシ要素相互を毛先が形成する隣合う面相互の角度が180度未満となる状態で連結した、ことを特徴とする歯磨き用ブラシ。
【請求項5】
刷毛束が多数植毛された植毛台を含むブラシ要素を、前記刷毛束の毛先が同じ方向を向くように複数並べ、当該複数のブラシ要素を、隣り合うブラシ要素の毛先が形成する面相互の角度が180度未満となる状態で支持部材へ取り付けた、ことを特徴とする歯磨き用ブラシ。
【請求項6】
挟み操作ができるように相互の交差部を軸で連結し挟み方向の逆方向へ作用する復帰ばねを有する一対のハンドルを設け、一方のハンドルの先端部には請求項4又は5に記載の歯磨き用ブラシを毛先が当該ハンドルの先端方向を向く状態に取り付け、他方のハンドルの先端部には、多数の刷毛束が植毛された植毛台を含むブラシ要素を、毛先が前記歯磨き用ブラシの毛先と近接して相対する状態に取り付けた、ことを特徴とする介護用歯ブラシ。
【請求項7】
前記歯磨き用ブラシは、前記一方のハンドルの先端部分へ当該先端部分に軸で連結された第1の取付アームを介して取り付けられ、前記ブラシ要素は前記他方のハンドルの先端部分へ当該先端部分に軸で連結された第2の取付アームを介して取り付けられている、請求項6に記載の介護用歯ブラシ。
【請求項8】
前記第1の取付アーム及び第2の取付アームには長さ方向に沿って所定の間隔に複数の取付孔が形成され、前記歯磨き用ブラシは前記第1の取付アームの取付孔の一つに、前記ブラシ要素は前記第2の取付アームの取付孔一つに、それぞれ取付軸により取り付けられている請求項7に記載の介護用歯ブラシ。
【請求項9】
前記請求項4又は5に記載の歯磨き用ブラシを毛先が先端方向を向く状態で取っ手部の先端部に取り付け、前記歯磨き用ブラシ全体又は各ブラシ要素を個別に振動させる振動付与手段を設け、前記歯磨き用ブラシの使用時における歯先側位置には前記歯磨き用ブラシの方向に連通した吸引ダクトを設置し、当該吸引ダクトと連通した吸引排出手段を設けた、ことを特徴とする介護用歯ブラシ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
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【図4】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−195575(P2009−195575A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42176(P2008−42176)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(305027401)公立大学法人首都大学東京 (385)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(305027401)公立大学法人首都大学東京 (385)
【Fターム(参考)】
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