歯科用インスツルメントホルダー
【課題】 従来におけるインスツルメントホルダーにあっては、インスツルメントホルダーは予め何本のインスツルメントを保持可能に構成するかが定められているため、施術者が5本以下あるいは5本以上のインスツルメントを使用するような場合には、インスツルメントの数に応じたホルダーを製作しなければならないといった問題があった。
【解決手段】 歯科医やアシスタントが使用するテーブル1に形成された孔11に挿入され水平方向に回転可能に取付けられた回転軸311および該回転軸に取付けられたホルダーアーム312に対して回転可能に取付けられたインスツルメント受け313とからなるインスツルメント2の後端部を包囲するように支持するホルダー本体31と、該ホルダー本体に着脱自在に取付けられインスツルメントの中間部を前記ホルダー本体と共に支持するアタッチメント32とより構成した歯科用インスツルメントホルダーである。
【解決手段】 歯科医やアシスタントが使用するテーブル1に形成された孔11に挿入され水平方向に回転可能に取付けられた回転軸311および該回転軸に取付けられたホルダーアーム312に対して回転可能に取付けられたインスツルメント受け313とからなるインスツルメント2の後端部を包囲するように支持するホルダー本体31と、該ホルダー本体に着脱自在に取付けられインスツルメントの中間部を前記ホルダー本体と共に支持するアタッチメント32とより構成した歯科用インスツルメントホルダーである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用治療器具であるインスツルメントを医師用テーブルやアシスタントテーブルに設けられているホルダーに引出し可能に保持するインスツルメントホルダーであって、該ホルダーの数を使用者によって簡単に増減できるようにした歯科用インスツルメントホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来におけるインスツルメントホルダーとしては、例えば、特開平8−289910号公報に開示されている発明がある。この発明は、ハンドピースやシリンジ等の歯科用インスツルメントをドクターテーブルやアシスタントテーブルに配置される歯科用インスツルメントホルダーであって、前記インスツルメントを保持するホルダーをインスツルメントを載置した状態で保持するトレータイプと、インスツルメントを差し込むハンガータイプの何れにも容易に変更できるようにしたインスツルメントホルダーの技術が開示されている。
【特許文献1】特開平8−289910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本来、インスツルメントホルダーは歯科医の身長、座高、腕の長さなどの体型や診療時の歯科医の位置、治療部位等に応じ、各々のインスツルメントを出し入れし易い形態、向きや角度が異なって配置されていることが望ましいが、前記した従来におけるインスツルメントホルダーにあっては、歯科医等の施術者が使用するインスツルメントを保持するためのインスツルメントホルダーをトレータイプやハンガータイプの何れにも簡単に変更することができるが、ホルダーの角度を全体で水平状態とするか上向きに角度を変化させるだけのものであるため診療時の歯科医の位置、治療部位等によっては使用し難いものであり、また、従来のインスツルメントホルダーは予め何本のインスツルメントを保持可能に構成するかが定められているため(公報には5本のインスツルメントを保持可能なものが開示されている)、施術者が5本以下のインスツルメントを使用する場合には不要なスペースを取ってしまう、あるいは、5本以上のインスツルメントを使用するような場合には、その数に応じた専用ホルダーを製作しなければならないといった問題もあった。
【0004】
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、ドクターテーブルやアシスタントテーブルに対して施術者が希望する本数のインスツルメントを保持できるように構成すると共にインスツルメントホルダーを如何なる方向にも向けることができ、かつ、インスツルメントホルダーを前記テーブルに対して前後方向にも移動することが可能であり、また、インスツルメントホルダーをトレータイプ、ハンガータイプの何れにも簡単に変更ができるようにした歯科用インスツルメントホルダーを提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の歯科用インスツルメントホルダーは前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、歯科医やアシスタントが使用するテーブルに形成された孔に挿入され水平方向に回転可能に取付けられた回転軸および該回転軸に取付けられたホルダーアームに対して回転可能に取付けられたインスツルメント受けとからなるインスツルメントの後端部を包囲するように支持するホルダー本体と、該ホルダー本体に着脱自在に取付けられインスツルメントの中間部を前記ホルダー本体と共に支持するアタッチメントとより構成したものである。
【0006】
請求項2の手段は、前記した請求項1において、前記テーブルに形成される孔を長孔状に形成し、前記回転軸をテーブルの前後方向にも移動可能としたことを特徴とする。
【0007】
請求項3の手段は、前記した請求項1において、前記インスツルメント受けに前記インスツルメントを挿入した時に回動するアクチュエータを取付け、該アクチュエータが回動した時にオンとなるスイッチを取付け、インスツルメントの有無を検出するようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項4の手段は、前記した請求項1において、前記ホルダーアームにブレーキシューを設け、該ブレーキシューが前記インスツルメント受けの円弧状の摺接面に摺接させて、インスツルメント受けに対して常時ブレーキを掛けるようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項5の手段は、前記した請求項1において、前記アタッチメントは、インスツルメントの中間部を支持する皿状に形成されたトレータイプと、インスツルメントの中間部を包囲するように支持するハンガータイプとからなるアタッチメントであって、前記インスツルメント受けの収納空間部に対して交換可能に形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項6の手段は、前記した請求項1において、太く長いインスツルメントと細く短いインスツルメントの後方を受ける内径の異なる2つ以上のスペーサを前記インスツルメント受けの収納空間部に着脱自在に取付けたことを特徴とする。
【0011】
請求項7の手段は、前記した請求項1または6において、前記スペーサおよび前記アタッチメントを耐熱製、耐薬液製の樹脂で構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は前記したように、テーブルに対してホルダーのインスツルメント受けを水平方向に回動可能となし、かつ、該インスツルメント受けに対してインスツルメントを支持するアタッチメントを回動自在、かつ、着脱自在に取付けたことにより、インスツルメントを水平方向と上下方向に回動することで歯科医等の使用し易い向きに変更して施術を行うことができ、また、テーブルに対してホルダーを歯科医等の希望に応じた数だけ取付けることが可能である。
【0013】
また、インスツルメント受けを取付けるテーブルを長孔とすることで、インスツルメント受けを前後方向にも移動することが可能となるので、インスツルメントをより自由な位置に変位できて、より使用勝手が良くなる。
【0014】
さらに、インスツルメント受け内に、インスツルメントの抜き差しを検出するための手段を設けたことにより、インスツルメントを抜いた時にはインスツルメントに対して電源を供給し、あるいは、給水・給気手段を駆動して施術の作業を迅速に行うことが可能となり、かつ、インスツルメントを挿入することで電源や給水・給気手段が停止して誤動作を防止することができる。
【0015】
また、上下方向の回動に対してブレーキが掛かっているので、歯科医等が上下方向の回転角を一度設定するとその回動位置において固定され、従って、インスツルメントの抜き差し時に回転角が変わるのを防止できる。
【0016】
また、インスツルメント受けに交換可能に取付けられるアタッチメントをトレータイプとハンガータイプの交換を容易することで、歯科医等の好みや診療形態に応じてトレータイプとハンガータイプに仕様を変更できる。
【0017】
さらに、インスツルメント受け内に太く長いインスツルメントと細く短いインスツルメントの後方を受ける内径の異なる2つ以上のスペーサを前記インスツルメント受けの収納空間部に着脱自在に取付けることで、どのような大きさのインスツルメントであっても支持することが可能であり、さらに、スペーサおよび前記アタッチメントを耐熱製、耐薬液製の樹脂で構成したことにより蒸気滅菌や薬液殺菌によって常に衛生状態を維持することが可能であるといった効果を有するものである。
【0018】
さらに、また、インスツルメント受けに交換可能に取付けられるアタッチメントをトレータイプとハンガータイプの交換を容易することで、歯科医等の好みや診療形態に応じてトレータイプとハンガータイプに仕様を変更できる等の効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、インスツルメントを載置するホルダーをテーブルに対して水平方向に回動可能に取付け、かつ、ホルダー自体が上下方向に回動するようにした歯科用インスツルメントホルダーである。
【実施例1】
【0020】
以下、本発明に係るトレータイプの歯科用インスツルメントホルダーの第1の実施例を図1〜図11と共に説明する。
1はドクターテーブルやアシスタントが使用するテーブルにして、インスツルメント2を水平状態で保持するホルダー3(以下、トレータイプという)をネジ止めするための凹部に形成された丸孔11が所望の数分(図面では5個)が形成されている。そして、ホルダー3の一部である回転軸311の雄ねじに形成された突起311aがワッシャー41、スプリングワッシャー42を介してナット43によって図3に示すように左右方向には回動可能にネジ止めされている。
【0021】
前記トレータイプのホルダー3に保持される各種のインスツルメント2よりの電源コード、給気や給水用のチューブ5はテーブル1に開口された孔12よりテーブル1内に導入され、かつ、電源コードやチューブ5はテーブル1を前後左右に移動可能に支持するアーム(図示せず)内に導入され、電源コンセントや床下の吸気管および給水管に接続されている。なお、図1のテーブル1は上板13を外した状態を示している。また、図2に示す14はテーブル1をアームを介して所望の位置に移動させるためのハンドルである。
【0022】
次に、トレータイプのホルダー3の構造について、エアータービン マイクロモータ、スケーラー等のインスツルメント2の全長が長く、かつ、太い場合を示している。
ホルダー3はテーブル1に対して回動自在に軸支されるホルダー本体31と、該ホルダー本体31に対して着脱自在に取付けられるアタッチメント32とより構成されている。
【0023】
ホルダー本体31の構造について説明するに、前記テーブル1の丸孔を有する円形状凹部11に挿入可能な大きさに形成され外周面に雄ねじが形成された突起部311aを有する回転軸311と、該回転軸311の裏面側に形成された取付部311bにネジ止めされる取付部312aを有する一対のホルダーアーム312と、該ホルダーアーム312の取付部312aに一体的に形成された腕部312bの先端に形成された軸受け部312cが回転自在に軸支されるインスツルメント受け313と、該インスツルメント受け313の側面と前記回転軸311の円盤部311cの外周面を覆う一対のサイドカバー314と、前記インスツルメント受け313の収納空間部313i内に収納するスペーサ33とから構成されている。
【0024】
前記したホルダーアーム312の腕部312bには、ブレーキシュー312dおよび押え部材312eを挿入するための孔312fが形成され、ブレーキシュー312dの先端が腕部312bの下面より僅かに突出するように孔312f内に挿入されている。
【0025】
また、前記したインスツルメント受け313は全体が円柱状に形成されており、両側面には前記したホルダーアーム312の軸受け部312cに軸受けされる軸313aが形成されると共に該軸312aの外周には前記サイドカバー314の溝部314aに嵌合される鍔部313bが形成れている。また、円柱状のインスツルメント受け313の円周面には切欠部313cが形成され、該切欠部313cにはピン313dによって軸支されたアクチュエータ313eが収納されると共に該アクチュエータ313eの突起313e1によってオン・オフするスイッチ313f1が取付けられたセンシング基板313fが取付けられている。
【0026】
なお、アクチュエータ313eにはインスツルメント2のコードやチューブが取付けられている後端部21によって反時計方向に回動するための凹孔313e2が形成されている。また、前記切欠部313cの外周部には前記ブレーキシュー312dが摺接する摺接面313hが形成され、この摺接面313hにブレーキシュー312dが摺接することでインスツルメント受け313の回転にブレーキを掛けている。また、前記アクチュエータ313eには図7において時計方向にバネ付勢するための巻きバネ313e3が取付けられている。
【0027】
さらに、インスツルメント受け313の前記切欠部313cとは反対側にはスペーサ33が挿入される。このスペーサ33は蒸気滅菌が可能な高温に耐え得る耐熱性や薬液消毒に耐え得る耐薬品製の樹脂の樹脂で形成されており、図4、図5に示すように大径部331と小径部332としら形成された円筒体であって、長手方向に沿って切欠部333が形成されている。そして、切欠部333が下向きとなるように小径部332側から収納空間部313i内に抜き差し可能に挿入される。このスペーサ33は肉厚が薄く形成され、外径が大きく長さの長いエアーターピン、マイクロモータ、スケーラー等のインスツルメント2の後端部が挿入可能なように肉厚が薄く形成されている。
【0028】
また、インスツルメント2の後端部21が入り込む円筒状の収納空間部313iの入口部には、係合孔313j1を有する円弧状の鍔部313jが形成され、かつ、円弧状の鍔部313jの両端には後述するサイドローラ軸324が嵌合される嵌合孔313j2が形成されている。
【0029】
そして、インスツルメント受け313の切欠部313cにセンシング基板313fとアクチュエータ313eを取付け、また、回転軸311に左右のホルダーアーム312をネジ止めした状態において軸受け部312cを軸313aに軸支しながら回転軸311を切欠部313c内に嵌め込む。次いで、左右のサイドカバー314の溝314の溝314aにインスツルメント受け313の鍔部313bを嵌め込む。
【0030】
次に、アタッチメント32の構造について説明するに、上下面が開口された楕円形状の受皿状に形成された蒸気滅菌が可能な高温に耐え得る耐熱性や薬液消毒に耐え得る耐薬品製の樹脂のアタッチメント本体321と、該アタッチメント本体321の下面側先端に形成された一対の第1軸受け321aに軸支される前ローラ軸322と、該前ローラ軸322に回転自在に軸支された前ローラ323と、アタッチメント本体321の後端に形成された第2軸受け321bと前記第1軸受け321aとによって軸支されるサイドローラ軸324と、該サイドローラ軸324に回転自在に軸支されたサイドローラ325とより構成されている。また、サイドローラ軸324の後端には前記インスツルメント受け313の前記嵌合孔313j2にガタなく嵌合可能なようにゴム部材324aが取付けられている。
【0031】
そして、アタッチメント本体321はインスツルメント受け313に対して、アタッチメント本体321に形成されている係合突起321cをインスツルメント受け313の嵌合孔313j2に係合すると共にサイドローラ軸324のゴム部材324aをインスツルメント受け313の嵌合孔313j2に弾性的に嵌合されて一体化される。
【0032】
このように構成されたホルダー3は、テーブル1に対して回転軸311の部分で左右方向に回転可能であり、また、回転軸311に対してインスツルメント受け313が回転自在であることから上下方向に対しても回転可能であることから、アタッチメント32に載置され、かつ、インスツルメント受け313内に挿入されたインスツルメント2は左右および上下方向に変位可能となって、歯科医やアシスタントの施術に適した向きにインスツルメント2を向けることが可能となるものである。なお、インスツルメント受け313の摺接面313hに対してホルダーアーム312に取付けられているブレーキシュー312dが接触していることから(図6〜図8参照)、インスツルメント受け313をホルダーアーム312の軸受け部312cに対して回転してもブレーキシュー312dによる摩擦抵抗によって回転を停止した位置で保持される。
【0033】
また、インスツルメント2がホルダー3にセットされている状態にあっては、アクチュエータ313eに取付けられている巻きバネ313e3のバネ力に抗して回転されるので(図8参照)、アクチュエータ313eの突起313e1がセンシング基板313fのスイッチ313f1を押すので、該スイッチ313f1がオフ状態となっているが(図8参照)、インスツルメント2をホルダー3から引き出すとアクチュエータ313eが巻きバネ313e3のバネ力によって初期位置に戻り(図7参照)、これにより、スイッチ313f1がオン状態となってインスツルメント2が駆動状態となるものである。
【0034】
さらに、スペーサ33およびアタッチメント32はホルダー31に対して抜き差し可能に取付けられているので、スペーサ33およびアタッチメント32が汚れたような場合や一定期間が経過したような場合にはホルダー31から取り外して、蒸気滅菌や薬液消毒等によって清潔な状態に維持することが可能となる。なお、アタッチメント32はローラ322,324を取り外した状態で行うことが望ましい。
【0035】
なお、前記した実施例は、インスツルメント2が太く長いホルダー3(通常の大きさ)の場合であるが、長さが短く、径が細いインスツルメント2′の場合には、インスツルメント2′の先端部分がアタッチメント32の先端より出る量が少なくなってホルダー3から出し入れし難くなる。また、インスツルメント2′とインスツルメント受け313の収納空間313iの間に大きな隙間ができてしまい、テーブル1を動かした場合などにガタつき、滑落の危険性がある。
【0036】
そこで、図9、図10に示すように、全長が短く、径が細いインスツルメント2′用の肉厚が厚いスペーサ33′に交換することで、インスツルメント2′の先端を前方に突出させ、これにより短く、細いインスツルメント2′であっても引き出し易く、安定して保持可能にできるようにした。なお、短く細いインスツルメント2′用のスペーサ33′は前記した太く長いインスツルメント用のスペーサ33と形状は同じで厚みが厚いだけなので、スペーサ33′の形状の詳細は省略する。
【0037】
また、インスツルメント2の場合はインスツルメント2の後端が直接アクチュエータ313eに接触し先進具基板313fの入り切りを行っていたのに対し、インスツルメント2′の場合は、底部がアクチュエータ313eに届かないため、インスツルメント2′の出し入れによりスペーサ33がインスツルメント受け313の収納空間部313iを長手方向に摺動することによりスペーサ33′の後端がアクチュエータ313eに接触し、センシング基板313fのスイッチ313f1の入り切りを行うようにすることが望ましい。
【0038】
また、前記した実施例にあっては、回転軸313の突起部313aがテーブル1の丸孔11内に挿入されネジ止めているので、回転軸313は回転のみするように構成されているが、図11に示すようにナット等を挿入する凹部を長孔状に形成すると共に孔も長孔11′とすることで、ホルダー3はテーブル1に対して前後方向にスライド可能となので、常時使用するようなインスツルメント2は取り出し易いようにホルダー3を前方に移動することで、出し入れの際、隣のインスツルメントに手が当たる危険が回避できるなど、より使い勝手が良くなるものである。
【0039】
前記した実施例はトレータイプのインスツルメントホルダーの場合について説明したが、ハンガータイプのインスツルメントホルダーの場合について図12〜図14と共に説明する。なお、前記した実施例と同一符号は同一部材を示し説明は省略する。
【0040】
このハンガータイプのインスツルメントホルダーにあっては、前記した実施例におけるホルダー3のホルダー本体31は同じ構造であって、アタッチメント32の部分を変えるのみでハンガータイプに変更可能となるものである。
【0041】
すなわち、ハンガータイプのアタッチメント34はホルダー本体31側に接続する部分の開口が先端側より小径に形成された円錐形状となっており、かつ、下面側に切欠部341が形成されている。前記小径側に前記切欠部341が形成されている部分には前記したインスツルメント受け313の係合孔313j1に弾性的に係合されるゴム部材で形成された嵌合突起342が形成されている。
【0042】
このように構成したアタッチメント34の嵌合突起342をインスツルメント受け313の係合孔313j1に係合することで、ハンガータイプのインスツルメントホルダーとなるので、トレータイプのインスツルメントホルダーを好まない歯科医等にあってはアタッチメント32をアタッチメント34に交換するのみでハンガータイプのインスツルメントホルダーとして使用することが可能となるものである。また、この実施例にあっても、アタッチメント34をインスツルメント受け313から簡単に取り外すことができるので、蒸気滅菌・薬液消毒等が簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る歯科用インスツルメントホルダーにおけるトレータイプの一実施例を示す斜視図である。
【図2】同上のインスツルメントを挿入した状態の側面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】ホルダーのインスツルメント受けとアタッチメントとを分離した状態の斜視図である。
【図5】ホルダー全体の分解斜視図である。
【図6】ホルダーのブレーキシュー部分を断面した断面図である。
【図7】ホルダーのアクチュエータ部分を断面した断面図である。
【図8】同上のインスツルメントを挿入した状態の断面図である。
【図9】他の実施例におけるスペーサを追加した状態の分解斜視図である。
【図10】同上の短いインスツルメントを挿入した状態の断面図である。
【図11】他の実施例におけるテーブルの斜視図である。
【図12】ハンガータイプのホルダーの側面図である。
【図13】同上の正面図である。
【図14】図13のハンガータイプのアタッチメントを分離した状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1 テーブル
11 丸孔
11′ 長孔
2 インスツルメント
3 ホルダー
31 ホルダー本体
311 回転軸
312 ホルダーアーム
312d ブレーキシュー
313 インスツルメント受け
313e アクチュエータ
313f センシング基板
313f1 スイッチ
314 サイドカバー
32 トレータイプのアタッチメント
33,33′スペーサ
34 ハンガータイプのアタッチメント
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用治療器具であるインスツルメントを医師用テーブルやアシスタントテーブルに設けられているホルダーに引出し可能に保持するインスツルメントホルダーであって、該ホルダーの数を使用者によって簡単に増減できるようにした歯科用インスツルメントホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来におけるインスツルメントホルダーとしては、例えば、特開平8−289910号公報に開示されている発明がある。この発明は、ハンドピースやシリンジ等の歯科用インスツルメントをドクターテーブルやアシスタントテーブルに配置される歯科用インスツルメントホルダーであって、前記インスツルメントを保持するホルダーをインスツルメントを載置した状態で保持するトレータイプと、インスツルメントを差し込むハンガータイプの何れにも容易に変更できるようにしたインスツルメントホルダーの技術が開示されている。
【特許文献1】特開平8−289910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本来、インスツルメントホルダーは歯科医の身長、座高、腕の長さなどの体型や診療時の歯科医の位置、治療部位等に応じ、各々のインスツルメントを出し入れし易い形態、向きや角度が異なって配置されていることが望ましいが、前記した従来におけるインスツルメントホルダーにあっては、歯科医等の施術者が使用するインスツルメントを保持するためのインスツルメントホルダーをトレータイプやハンガータイプの何れにも簡単に変更することができるが、ホルダーの角度を全体で水平状態とするか上向きに角度を変化させるだけのものであるため診療時の歯科医の位置、治療部位等によっては使用し難いものであり、また、従来のインスツルメントホルダーは予め何本のインスツルメントを保持可能に構成するかが定められているため(公報には5本のインスツルメントを保持可能なものが開示されている)、施術者が5本以下のインスツルメントを使用する場合には不要なスペースを取ってしまう、あるいは、5本以上のインスツルメントを使用するような場合には、その数に応じた専用ホルダーを製作しなければならないといった問題もあった。
【0004】
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、ドクターテーブルやアシスタントテーブルに対して施術者が希望する本数のインスツルメントを保持できるように構成すると共にインスツルメントホルダーを如何なる方向にも向けることができ、かつ、インスツルメントホルダーを前記テーブルに対して前後方向にも移動することが可能であり、また、インスツルメントホルダーをトレータイプ、ハンガータイプの何れにも簡単に変更ができるようにした歯科用インスツルメントホルダーを提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の歯科用インスツルメントホルダーは前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、歯科医やアシスタントが使用するテーブルに形成された孔に挿入され水平方向に回転可能に取付けられた回転軸および該回転軸に取付けられたホルダーアームに対して回転可能に取付けられたインスツルメント受けとからなるインスツルメントの後端部を包囲するように支持するホルダー本体と、該ホルダー本体に着脱自在に取付けられインスツルメントの中間部を前記ホルダー本体と共に支持するアタッチメントとより構成したものである。
【0006】
請求項2の手段は、前記した請求項1において、前記テーブルに形成される孔を長孔状に形成し、前記回転軸をテーブルの前後方向にも移動可能としたことを特徴とする。
【0007】
請求項3の手段は、前記した請求項1において、前記インスツルメント受けに前記インスツルメントを挿入した時に回動するアクチュエータを取付け、該アクチュエータが回動した時にオンとなるスイッチを取付け、インスツルメントの有無を検出するようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項4の手段は、前記した請求項1において、前記ホルダーアームにブレーキシューを設け、該ブレーキシューが前記インスツルメント受けの円弧状の摺接面に摺接させて、インスツルメント受けに対して常時ブレーキを掛けるようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項5の手段は、前記した請求項1において、前記アタッチメントは、インスツルメントの中間部を支持する皿状に形成されたトレータイプと、インスツルメントの中間部を包囲するように支持するハンガータイプとからなるアタッチメントであって、前記インスツルメント受けの収納空間部に対して交換可能に形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項6の手段は、前記した請求項1において、太く長いインスツルメントと細く短いインスツルメントの後方を受ける内径の異なる2つ以上のスペーサを前記インスツルメント受けの収納空間部に着脱自在に取付けたことを特徴とする。
【0011】
請求項7の手段は、前記した請求項1または6において、前記スペーサおよび前記アタッチメントを耐熱製、耐薬液製の樹脂で構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は前記したように、テーブルに対してホルダーのインスツルメント受けを水平方向に回動可能となし、かつ、該インスツルメント受けに対してインスツルメントを支持するアタッチメントを回動自在、かつ、着脱自在に取付けたことにより、インスツルメントを水平方向と上下方向に回動することで歯科医等の使用し易い向きに変更して施術を行うことができ、また、テーブルに対してホルダーを歯科医等の希望に応じた数だけ取付けることが可能である。
【0013】
また、インスツルメント受けを取付けるテーブルを長孔とすることで、インスツルメント受けを前後方向にも移動することが可能となるので、インスツルメントをより自由な位置に変位できて、より使用勝手が良くなる。
【0014】
さらに、インスツルメント受け内に、インスツルメントの抜き差しを検出するための手段を設けたことにより、インスツルメントを抜いた時にはインスツルメントに対して電源を供給し、あるいは、給水・給気手段を駆動して施術の作業を迅速に行うことが可能となり、かつ、インスツルメントを挿入することで電源や給水・給気手段が停止して誤動作を防止することができる。
【0015】
また、上下方向の回動に対してブレーキが掛かっているので、歯科医等が上下方向の回転角を一度設定するとその回動位置において固定され、従って、インスツルメントの抜き差し時に回転角が変わるのを防止できる。
【0016】
また、インスツルメント受けに交換可能に取付けられるアタッチメントをトレータイプとハンガータイプの交換を容易することで、歯科医等の好みや診療形態に応じてトレータイプとハンガータイプに仕様を変更できる。
【0017】
さらに、インスツルメント受け内に太く長いインスツルメントと細く短いインスツルメントの後方を受ける内径の異なる2つ以上のスペーサを前記インスツルメント受けの収納空間部に着脱自在に取付けることで、どのような大きさのインスツルメントであっても支持することが可能であり、さらに、スペーサおよび前記アタッチメントを耐熱製、耐薬液製の樹脂で構成したことにより蒸気滅菌や薬液殺菌によって常に衛生状態を維持することが可能であるといった効果を有するものである。
【0018】
さらに、また、インスツルメント受けに交換可能に取付けられるアタッチメントをトレータイプとハンガータイプの交換を容易することで、歯科医等の好みや診療形態に応じてトレータイプとハンガータイプに仕様を変更できる等の効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、インスツルメントを載置するホルダーをテーブルに対して水平方向に回動可能に取付け、かつ、ホルダー自体が上下方向に回動するようにした歯科用インスツルメントホルダーである。
【実施例1】
【0020】
以下、本発明に係るトレータイプの歯科用インスツルメントホルダーの第1の実施例を図1〜図11と共に説明する。
1はドクターテーブルやアシスタントが使用するテーブルにして、インスツルメント2を水平状態で保持するホルダー3(以下、トレータイプという)をネジ止めするための凹部に形成された丸孔11が所望の数分(図面では5個)が形成されている。そして、ホルダー3の一部である回転軸311の雄ねじに形成された突起311aがワッシャー41、スプリングワッシャー42を介してナット43によって図3に示すように左右方向には回動可能にネジ止めされている。
【0021】
前記トレータイプのホルダー3に保持される各種のインスツルメント2よりの電源コード、給気や給水用のチューブ5はテーブル1に開口された孔12よりテーブル1内に導入され、かつ、電源コードやチューブ5はテーブル1を前後左右に移動可能に支持するアーム(図示せず)内に導入され、電源コンセントや床下の吸気管および給水管に接続されている。なお、図1のテーブル1は上板13を外した状態を示している。また、図2に示す14はテーブル1をアームを介して所望の位置に移動させるためのハンドルである。
【0022】
次に、トレータイプのホルダー3の構造について、エアータービン マイクロモータ、スケーラー等のインスツルメント2の全長が長く、かつ、太い場合を示している。
ホルダー3はテーブル1に対して回動自在に軸支されるホルダー本体31と、該ホルダー本体31に対して着脱自在に取付けられるアタッチメント32とより構成されている。
【0023】
ホルダー本体31の構造について説明するに、前記テーブル1の丸孔を有する円形状凹部11に挿入可能な大きさに形成され外周面に雄ねじが形成された突起部311aを有する回転軸311と、該回転軸311の裏面側に形成された取付部311bにネジ止めされる取付部312aを有する一対のホルダーアーム312と、該ホルダーアーム312の取付部312aに一体的に形成された腕部312bの先端に形成された軸受け部312cが回転自在に軸支されるインスツルメント受け313と、該インスツルメント受け313の側面と前記回転軸311の円盤部311cの外周面を覆う一対のサイドカバー314と、前記インスツルメント受け313の収納空間部313i内に収納するスペーサ33とから構成されている。
【0024】
前記したホルダーアーム312の腕部312bには、ブレーキシュー312dおよび押え部材312eを挿入するための孔312fが形成され、ブレーキシュー312dの先端が腕部312bの下面より僅かに突出するように孔312f内に挿入されている。
【0025】
また、前記したインスツルメント受け313は全体が円柱状に形成されており、両側面には前記したホルダーアーム312の軸受け部312cに軸受けされる軸313aが形成されると共に該軸312aの外周には前記サイドカバー314の溝部314aに嵌合される鍔部313bが形成れている。また、円柱状のインスツルメント受け313の円周面には切欠部313cが形成され、該切欠部313cにはピン313dによって軸支されたアクチュエータ313eが収納されると共に該アクチュエータ313eの突起313e1によってオン・オフするスイッチ313f1が取付けられたセンシング基板313fが取付けられている。
【0026】
なお、アクチュエータ313eにはインスツルメント2のコードやチューブが取付けられている後端部21によって反時計方向に回動するための凹孔313e2が形成されている。また、前記切欠部313cの外周部には前記ブレーキシュー312dが摺接する摺接面313hが形成され、この摺接面313hにブレーキシュー312dが摺接することでインスツルメント受け313の回転にブレーキを掛けている。また、前記アクチュエータ313eには図7において時計方向にバネ付勢するための巻きバネ313e3が取付けられている。
【0027】
さらに、インスツルメント受け313の前記切欠部313cとは反対側にはスペーサ33が挿入される。このスペーサ33は蒸気滅菌が可能な高温に耐え得る耐熱性や薬液消毒に耐え得る耐薬品製の樹脂の樹脂で形成されており、図4、図5に示すように大径部331と小径部332としら形成された円筒体であって、長手方向に沿って切欠部333が形成されている。そして、切欠部333が下向きとなるように小径部332側から収納空間部313i内に抜き差し可能に挿入される。このスペーサ33は肉厚が薄く形成され、外径が大きく長さの長いエアーターピン、マイクロモータ、スケーラー等のインスツルメント2の後端部が挿入可能なように肉厚が薄く形成されている。
【0028】
また、インスツルメント2の後端部21が入り込む円筒状の収納空間部313iの入口部には、係合孔313j1を有する円弧状の鍔部313jが形成され、かつ、円弧状の鍔部313jの両端には後述するサイドローラ軸324が嵌合される嵌合孔313j2が形成されている。
【0029】
そして、インスツルメント受け313の切欠部313cにセンシング基板313fとアクチュエータ313eを取付け、また、回転軸311に左右のホルダーアーム312をネジ止めした状態において軸受け部312cを軸313aに軸支しながら回転軸311を切欠部313c内に嵌め込む。次いで、左右のサイドカバー314の溝314の溝314aにインスツルメント受け313の鍔部313bを嵌め込む。
【0030】
次に、アタッチメント32の構造について説明するに、上下面が開口された楕円形状の受皿状に形成された蒸気滅菌が可能な高温に耐え得る耐熱性や薬液消毒に耐え得る耐薬品製の樹脂のアタッチメント本体321と、該アタッチメント本体321の下面側先端に形成された一対の第1軸受け321aに軸支される前ローラ軸322と、該前ローラ軸322に回転自在に軸支された前ローラ323と、アタッチメント本体321の後端に形成された第2軸受け321bと前記第1軸受け321aとによって軸支されるサイドローラ軸324と、該サイドローラ軸324に回転自在に軸支されたサイドローラ325とより構成されている。また、サイドローラ軸324の後端には前記インスツルメント受け313の前記嵌合孔313j2にガタなく嵌合可能なようにゴム部材324aが取付けられている。
【0031】
そして、アタッチメント本体321はインスツルメント受け313に対して、アタッチメント本体321に形成されている係合突起321cをインスツルメント受け313の嵌合孔313j2に係合すると共にサイドローラ軸324のゴム部材324aをインスツルメント受け313の嵌合孔313j2に弾性的に嵌合されて一体化される。
【0032】
このように構成されたホルダー3は、テーブル1に対して回転軸311の部分で左右方向に回転可能であり、また、回転軸311に対してインスツルメント受け313が回転自在であることから上下方向に対しても回転可能であることから、アタッチメント32に載置され、かつ、インスツルメント受け313内に挿入されたインスツルメント2は左右および上下方向に変位可能となって、歯科医やアシスタントの施術に適した向きにインスツルメント2を向けることが可能となるものである。なお、インスツルメント受け313の摺接面313hに対してホルダーアーム312に取付けられているブレーキシュー312dが接触していることから(図6〜図8参照)、インスツルメント受け313をホルダーアーム312の軸受け部312cに対して回転してもブレーキシュー312dによる摩擦抵抗によって回転を停止した位置で保持される。
【0033】
また、インスツルメント2がホルダー3にセットされている状態にあっては、アクチュエータ313eに取付けられている巻きバネ313e3のバネ力に抗して回転されるので(図8参照)、アクチュエータ313eの突起313e1がセンシング基板313fのスイッチ313f1を押すので、該スイッチ313f1がオフ状態となっているが(図8参照)、インスツルメント2をホルダー3から引き出すとアクチュエータ313eが巻きバネ313e3のバネ力によって初期位置に戻り(図7参照)、これにより、スイッチ313f1がオン状態となってインスツルメント2が駆動状態となるものである。
【0034】
さらに、スペーサ33およびアタッチメント32はホルダー31に対して抜き差し可能に取付けられているので、スペーサ33およびアタッチメント32が汚れたような場合や一定期間が経過したような場合にはホルダー31から取り外して、蒸気滅菌や薬液消毒等によって清潔な状態に維持することが可能となる。なお、アタッチメント32はローラ322,324を取り外した状態で行うことが望ましい。
【0035】
なお、前記した実施例は、インスツルメント2が太く長いホルダー3(通常の大きさ)の場合であるが、長さが短く、径が細いインスツルメント2′の場合には、インスツルメント2′の先端部分がアタッチメント32の先端より出る量が少なくなってホルダー3から出し入れし難くなる。また、インスツルメント2′とインスツルメント受け313の収納空間313iの間に大きな隙間ができてしまい、テーブル1を動かした場合などにガタつき、滑落の危険性がある。
【0036】
そこで、図9、図10に示すように、全長が短く、径が細いインスツルメント2′用の肉厚が厚いスペーサ33′に交換することで、インスツルメント2′の先端を前方に突出させ、これにより短く、細いインスツルメント2′であっても引き出し易く、安定して保持可能にできるようにした。なお、短く細いインスツルメント2′用のスペーサ33′は前記した太く長いインスツルメント用のスペーサ33と形状は同じで厚みが厚いだけなので、スペーサ33′の形状の詳細は省略する。
【0037】
また、インスツルメント2の場合はインスツルメント2の後端が直接アクチュエータ313eに接触し先進具基板313fの入り切りを行っていたのに対し、インスツルメント2′の場合は、底部がアクチュエータ313eに届かないため、インスツルメント2′の出し入れによりスペーサ33がインスツルメント受け313の収納空間部313iを長手方向に摺動することによりスペーサ33′の後端がアクチュエータ313eに接触し、センシング基板313fのスイッチ313f1の入り切りを行うようにすることが望ましい。
【0038】
また、前記した実施例にあっては、回転軸313の突起部313aがテーブル1の丸孔11内に挿入されネジ止めているので、回転軸313は回転のみするように構成されているが、図11に示すようにナット等を挿入する凹部を長孔状に形成すると共に孔も長孔11′とすることで、ホルダー3はテーブル1に対して前後方向にスライド可能となので、常時使用するようなインスツルメント2は取り出し易いようにホルダー3を前方に移動することで、出し入れの際、隣のインスツルメントに手が当たる危険が回避できるなど、より使い勝手が良くなるものである。
【0039】
前記した実施例はトレータイプのインスツルメントホルダーの場合について説明したが、ハンガータイプのインスツルメントホルダーの場合について図12〜図14と共に説明する。なお、前記した実施例と同一符号は同一部材を示し説明は省略する。
【0040】
このハンガータイプのインスツルメントホルダーにあっては、前記した実施例におけるホルダー3のホルダー本体31は同じ構造であって、アタッチメント32の部分を変えるのみでハンガータイプに変更可能となるものである。
【0041】
すなわち、ハンガータイプのアタッチメント34はホルダー本体31側に接続する部分の開口が先端側より小径に形成された円錐形状となっており、かつ、下面側に切欠部341が形成されている。前記小径側に前記切欠部341が形成されている部分には前記したインスツルメント受け313の係合孔313j1に弾性的に係合されるゴム部材で形成された嵌合突起342が形成されている。
【0042】
このように構成したアタッチメント34の嵌合突起342をインスツルメント受け313の係合孔313j1に係合することで、ハンガータイプのインスツルメントホルダーとなるので、トレータイプのインスツルメントホルダーを好まない歯科医等にあってはアタッチメント32をアタッチメント34に交換するのみでハンガータイプのインスツルメントホルダーとして使用することが可能となるものである。また、この実施例にあっても、アタッチメント34をインスツルメント受け313から簡単に取り外すことができるので、蒸気滅菌・薬液消毒等が簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る歯科用インスツルメントホルダーにおけるトレータイプの一実施例を示す斜視図である。
【図2】同上のインスツルメントを挿入した状態の側面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】ホルダーのインスツルメント受けとアタッチメントとを分離した状態の斜視図である。
【図5】ホルダー全体の分解斜視図である。
【図6】ホルダーのブレーキシュー部分を断面した断面図である。
【図7】ホルダーのアクチュエータ部分を断面した断面図である。
【図8】同上のインスツルメントを挿入した状態の断面図である。
【図9】他の実施例におけるスペーサを追加した状態の分解斜視図である。
【図10】同上の短いインスツルメントを挿入した状態の断面図である。
【図11】他の実施例におけるテーブルの斜視図である。
【図12】ハンガータイプのホルダーの側面図である。
【図13】同上の正面図である。
【図14】図13のハンガータイプのアタッチメントを分離した状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1 テーブル
11 丸孔
11′ 長孔
2 インスツルメント
3 ホルダー
31 ホルダー本体
311 回転軸
312 ホルダーアーム
312d ブレーキシュー
313 インスツルメント受け
313e アクチュエータ
313f センシング基板
313f1 スイッチ
314 サイドカバー
32 トレータイプのアタッチメント
33,33′スペーサ
34 ハンガータイプのアタッチメント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科医やアシスタントが使用するテーブルに形成された孔に挿入され水平方向に回転可能に取付けられた回転軸および該回転軸に取付けられたホルダーアームに対して回転可能に取付けられたインスツルメント受けとからなるインスツルメントの後端部を包囲するように支持するホルダー本体と、
該ホルダー本体に着脱自在に取付けられインスツルメントの中間部を前記ホルダー本体と共に支持するアタッチメントと、
より構成したことを特徴とする歯科用インスツルメントホルダー。
【請求項2】
前記テーブルに形成される孔を長孔状に形成し、前記回転軸をテーブルの前後方向にも移動可能としたことを特徴とする請求項1記載の歯科用インスツルメントホルダー。
【請求項3】
前記インスツルメント受けに前記インスツルメントを挿入した時に回動するアクチュエータを取付け、該アクチュエータが回動した時にオンとなるスイッチを取付け、インスツルメントの有無を検出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の歯科用インスツルメントホルダー。
【請求項4】
前記ホルダーアームにブレーキシューを設け、該ブレーキシューが前記インスツルメント受けの円弧状の摺接面に摺接させて、インスツルメント受けに対して常時ブレーキを掛けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の歯科用インスツルメントホルダー。
【請求項5】
前記アタッチメントは、インスツルメントの中間部を支持する皿状に形成されたトレータイプと、インスツルメントの中間部を包囲するように支持するハンガータイプとからなるアタッチメントであって、前記インスツルメント受けの収納空間部に対して交換可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載の歯科用インスツルメントホルダー。
【請求項6】
太く長いインスツルメントと細く短いインスツルメントの後方を受ける内径の異なる2つ以上のスペーサを前記インスツルメント受けの収納空間部に着脱自在に取付けたことを特徴とする請求項1記載の歯科用インスツルメントホルダー。
【請求項7】
前記スペーサおよび前記アタッチメントを耐熱製、耐薬液製の樹脂で構成したことを特徴とする請求項6記載の歯科用インスツルメントホルダー。
【請求項1】
歯科医やアシスタントが使用するテーブルに形成された孔に挿入され水平方向に回転可能に取付けられた回転軸および該回転軸に取付けられたホルダーアームに対して回転可能に取付けられたインスツルメント受けとからなるインスツルメントの後端部を包囲するように支持するホルダー本体と、
該ホルダー本体に着脱自在に取付けられインスツルメントの中間部を前記ホルダー本体と共に支持するアタッチメントと、
より構成したことを特徴とする歯科用インスツルメントホルダー。
【請求項2】
前記テーブルに形成される孔を長孔状に形成し、前記回転軸をテーブルの前後方向にも移動可能としたことを特徴とする請求項1記載の歯科用インスツルメントホルダー。
【請求項3】
前記インスツルメント受けに前記インスツルメントを挿入した時に回動するアクチュエータを取付け、該アクチュエータが回動した時にオンとなるスイッチを取付け、インスツルメントの有無を検出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の歯科用インスツルメントホルダー。
【請求項4】
前記ホルダーアームにブレーキシューを設け、該ブレーキシューが前記インスツルメント受けの円弧状の摺接面に摺接させて、インスツルメント受けに対して常時ブレーキを掛けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の歯科用インスツルメントホルダー。
【請求項5】
前記アタッチメントは、インスツルメントの中間部を支持する皿状に形成されたトレータイプと、インスツルメントの中間部を包囲するように支持するハンガータイプとからなるアタッチメントであって、前記インスツルメント受けの収納空間部に対して交換可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載の歯科用インスツルメントホルダー。
【請求項6】
太く長いインスツルメントと細く短いインスツルメントの後方を受ける内径の異なる2つ以上のスペーサを前記インスツルメント受けの収納空間部に着脱自在に取付けたことを特徴とする請求項1記載の歯科用インスツルメントホルダー。
【請求項7】
前記スペーサおよび前記アタッチメントを耐熱製、耐薬液製の樹脂で構成したことを特徴とする請求項6記載の歯科用インスツルメントホルダー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−178504(P2008−178504A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−13414(P2007−13414)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000108672)タカラベルモント株式会社 (113)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000108672)タカラベルモント株式会社 (113)
【Fターム(参考)】
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