説明

歯科用ハンドピースの流体回路接続構造

【課題】水とチップエアーの両方を使う場合は、チップエアー回路をオン状態に切り替え、水だけを使う場合は、チップエアー回路をオフ状態に切り替える。
【解決手段】ハンドピース本体2のチップエアー回路側の接続部23とチップエアー回路202との間に開閉切替弁4をハンドピース本体2の表面上で開閉操作可能に備え、開閉切替弁4の開操作によりチップエアー回路側の接続部23からチップエアー回路にチップエアーを通すオン状態に切り替え、開閉切替弁4の閉操作によりチップエアー回路側の接続部23からチップエアー回路にチップエアーを止めて通さないオフ状態に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用ハンドピースの流体回路接続構造に関し、特に、歯科用ハンドピースはハンドピース本体とハンドピース本体に着脱可能に連結される駆動部とを備え、駆動部をハンドピース本体に連結することにより、駆動部の水回路及びチップエアー回路とハンドピース本体の水回路及びチップエアー回路とをそれぞれ接続する形式の歯科用ハンドピースの流体回路接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ヘッドの先端面から水を霧状に噴出するようにした歯科用ハンドピースが知られている。この種の歯科用ハンドピースの流体回路接続構造では、図7に示すように、歯科用ハンドピースは駆動部1とハンドピース本体3とを備え、駆動部1の先端に先方に突出するインサート部11を有し、ハンドピース本体3の後端に軸穴30を有し、駆動部1のインサート部11をハンドピース本体3の軸穴30に挿入して連結する形式が採用され、駆動部1に水供給源からの水を通すための水回路(図示省略)及びチップエアー供給源からのチップエアーを通すためのチップエアー回路(図示省略)が各別に配設されて、駆動部1のインサート部11に水回路に連通する水回路側の接続口12及びチップエアー回路に連通するチップエアー回路側の接続口13をそれぞれ備え、ハンドピース本体3に水を通すための水回路301及びチップエアーを通すためのチップエアー回路302が各別に配設されて、ハンドピース本体3の軸穴30の内周面に、水回路301に連通する水回路側の接続部32及びチップエアー回路302に連通するチップエアー回路側の接続部33をそれぞれ備える。
このようにして駆動部1のインサート部11をハンドピース本体3の軸穴30に挿入し両者を連結することにより、駆動部1の水回路側の接続口12及びチップエアー回路側の接続口13とハンドピース本体3の水回路側の接続部32及びチップエアー回路側の接続部33とをそれぞれ接続し、水を駆動部1及びハンドピース本体3の各水回路を通し、チップエアーを駆動部1及びハンドピース本体3の各チップエアー回路を通して、ハンドピース本体3先端のヘッドに向けて送り、図8に示すように、ヘッド36の先端面に1箇所乃至4箇所設けられた孔37の手前で水及びチップエアーを混合し、当該孔37から霧状にして噴出させるようになっている。
このような歯科用ハンドピースの流体回路接続構造は例えば特許文献1などにより開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3103624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種の歯科用ハンドピースの流体回路接続構造では、駆動部に水回路とチップエアー回路を別々に備え、ハンドピース本体に水回路とチップエアー回路を別々に備え、駆動部の水回路をハンドピース本体の水回路に、駆動部のチップエアー回路をハンドピース本体のチップエアー回路にそれぞれ各別に接続する構造になっていて、ヘッド側で水とチップエアーを混合し霧状にして噴出させるため、チップエアー回路をオフ(チップエアーを止めて流さない状態)に切り替えて水回路のみをオン(水を流す状態)にすることができず、歯科治療の目的によって水だけを使いたい場合に、ヘッド先端の孔から(チップエアーを止めて)水のみを放出させることができない、という問題がある。
【0005】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、この種の歯科用ハンドピースの流体回路接続構造において、チップエアー回路を当該回路にチップエアーを通すオン状態と当該回路にチップエアーを止めて通さないオフ状態とに切り替えできるようにして、ヘッド先端の孔から水とチップエアーを混合して霧状に噴出する場合など、水とチップエアーの両方を使う場合は、チップエアー回路をオン状態にして、水回路に水を通すとともにチップエアー回路にチップエアーを通し、チップエアーを止めて水のみを放出する場合など、水だけを使う場合は、チップエアー回路をオフ状態に切り替えて、水回路に水を通し、チップエアー回路にチップエアーを止めて通さないようにし、歯科治療の目的に応じて注水方式を選択できるようにすること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、駆動部に水供給源からの水を通すための水回路及びチップエアー供給源からのチップエアーを通すためのチップエアー回路を配設され、前記駆動部の先端に突設されるインサート部に、前記水回路に連通する水回路側の接続口及び前記チップエアー回路に連通するチップエアー回路側の接続口をそれぞれ備え、ハンドピース本体に水を通すための水回路及びチップエアーを通すためのチップエアー回路が配設され、前記ハンドピース本体の後端に形成され、前記駆動部の前記インサート部を挿入する軸穴の内周面に、前記水回路に連通する水回路側の接続部及び前記チップエアー回路に連通するチップエアー回路側の接続部をそれぞれ前記インサート部の前記水回路側の接続口及び前記チップエアー回路側の接続口と接続可能に備え、前記駆動部のインサート部を前記ハンドピース本体の軸穴に挿入し両者を連結することにより、前記駆動部の前記水回路側の接続口及び前記チップエアー回路側の接続口と前記ハンドピース本体の前記水回路側の接続部及び前記チップエアー回路側の接続部とをそれぞれ接続し、水を前記駆動部及び前記ハンドピース本体の前記各水回路に通し、チップエアーを前記駆動部及び前記ハンドピース本体の前記各チップエアー回路に通して、前記ハンドピース本体先端のヘッドに向けて送り、前記ヘッドで前記水及び前記チップエアーを混合して噴出させる形式の歯科用ハンドピースの流体回路接続構造において、前記ハンドピース本体の前記チップエアー回路側の接続部と前記チップエアー回路との間に、当該接続部及び回路間を開閉可能な開閉切替弁を前記ハンドピース本体の表面上で開閉操作可能に備え、前記開閉切替弁の開操作により、前記チップエアー回路側の接続部から前記チップエアー回路に前記チップエアーを通すオン状態に切り替え、前記開閉切替弁の閉操作により、前記チップエアー回路側の接続部から前記チップエアー回路にチップエアーを止めて通さないオフ状態に切り替える、ことを要旨とする。
【0007】
また、本発明は、ハンドピース本体の軸穴の開口縁部から前記ハンドピース本体のチップエアー回路側の接続部を通り、前記ハンドピース本体のチップエアー回路に連通する断面略円筒形の開閉切替孔が形成され、開閉切替弁は、当該孔に回転可能に嵌合可能な略円柱形に形成され、一端側に一端面が開口される中空部を有し、外周面の一部に前記中空部に連通し前記チップエアー側の接続部に臨んで開口可能な連通口を有し、他端面に操作面が設けられて、一端を前記チップエアー回路に連接し、他端の操作面を前記軸穴の開口縁部に表出されて、当該孔に回転可能に取り付けられ、前記開閉切替弁の回転操作により、前記開閉切替弁の外周面の前記連通口を前記チップエアー回路側の接続部に合わせることにより、前記開閉切替弁の連通口を通じて前記チップエアー回路側の接続部と前記チップエアー回路の間を開き、前記開閉切替弁の外周面の前記連通口を有しない閉鎖面を前記チップエアー回路側の接続部に合わせることにより、前記開閉切替弁の前記閉鎖面を介して前記チップエアー回路側の接続部と前記チップエアー回路の間を閉じるようにすることが好ましい。
この場合、ハンドピース本体にストッパーが当該ストッパーの先端を開閉切替孔の内周面の外側から内側に突出して取り付けられ、開閉切替弁は外周面に周方向に向けて所定の長さに前記ストッパーに係合可能な凹状のガイドを備え、前記ストッパーと前記ガイドの一端との係合により前記開閉切替弁の外周面の連通口と前記チップエアー側の接続部とを位置決めし、前記ストッパーと前記ガイドの他端との係合により前記開閉切替弁の外周面の閉鎖面と前記チップエアー回路側の接続部とを位置決めするようにすることが好ましい。
本発明はまた、ハンドピース本体の軸穴の開口縁部から前記ハンドピース本体の水回路側の接続部、チップエアー回路側の接続部をそれぞれ通り、前記ハンドピース本体のチップエアー回路に連通する断面略円筒形の開閉切替孔が形成され、開閉切替弁は、当該孔に回転可能に嵌合可能な略円柱形に形成され、一端側に一端面が開口される中空部を有し、外周面の一部に前記中空部に連通し前記チップエアー側の接続部に臨んで開口可能な前記チップエアー回路側の連通口、及び前記チップエアー回路側の連通口に対して前記外周面の周方向に所定角度離れた位置で前記中空部に連通し前記水回路側の接続部に臨んで開口可能な前記水回路側の連通口を有し、他端面に操作面が設けられて、一端を前記チップエアー回路に連接し、他端の操作面を前記軸穴の開口縁部に表出されて、当該孔に回転可能に取り付けられ、前記開閉切替弁の回転操作により、前記開閉切替弁の外周面の前記チップエアー回路側の連通口を前記チップエアー側の接続部に合わせることにより、前記開閉切替弁の前記チップエアー回路側の連通口を通じて前記チップエアー回路側の接続部と前記チップエアー回路の間を開く一方、前記開閉切替弁の外周面の前記水回路側の連通口を有しない閉鎖面を介して前記水回路側の接続部と前記チップエアー回路の間を閉じ、前記開閉切替弁の外周面の前記水回路側の連通口を前記水回路側の接続部に合わせることにより、前記開閉切替弁の前記水回路側の連通口を通じて前記水回路側の接続部と前記チップエアー回路の間を開く一方、前記開閉切替弁の外周面の前記チップエアー回路側の連通口を有しない閉鎖面を介して前記チップエアー回路側の接続部と前記チップエアー回路の間を閉じるようにしてもよい。
この場合、ハンドピース本体にストッパーが当該ストッパーの先端を開閉切替孔の内周面の外側から内側に突出して取り付けられ、開閉切替弁は外周面に周方向に向けて所定の長さに前記ストッパーに係合可能な凹状のガイドを備え、前記ストッパーと前記ガイドの一端との係合により前記開閉切替弁の前記チップエアー回路側の連通口と前記チップエアー回路側の接続部とを位置決めし、前記ストッパーと前記ガイドの他端との係合により前記水回路側の連通口と前記水回路側の接続部とを位置決めするようにすることが好ましい。
さらに、本発明は、開閉切替弁は操作面に各種の工具を係合可能な溝が形成されて、各種の工具により回転操作されることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の歯科用ハンドピースの流体回路接続構造によれば、上記の構成により、ハンドピース本体のチップエアー回路側の接続部とチップエアー回路との間に、当該接続部及び回路間を開閉可能な開閉切替弁をハンドピース本体の表面上で開閉操作可能に備え、開閉切替弁の開操作により、チップエアー回路側の接続部からチップエアー回路にチップエアーを通すオン状態に切り替え、開閉切替弁の閉操作により、チップエアー回路側の接続部からチップエアー回路にチップエアーを止めて通さないオフ状態に切り替えるようにしたので、ヘッド先端の孔で水とチップエアーを混合して霧状に噴出させる場合など、水とチップエアーの両方を使う場合は、チップエアー回路をオン状態に切り替えて、水回路に水を通すとともにチップエアー回路にチップエアーを通すことができ、チップエアーを止めて水のみを放出する場合など、水だけを使う場合は、チップエアー回路をオフ状態に切り替えて、水回路に水を通し、チップエアー回路にチップエアーを止めて通さないようにすることができ、歯科治療の目的に応じて注水方式を選択することができる、という本願発明独自の格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施の形態における歯科用ハンドピースの流体回路接続構造の特にハンドピース本体側の構造を示す側面断面図
【図2】同構造の要部を示す図((a)はハンドピース本体の後部側の側面断面図(b)はハンドピース本体の後端面図)
【図3】同構造に採用されるハンドピース本体の開閉切替孔、開閉切替弁、及びストッパーを示す分解斜視図
【図4】同構造に採用されるハンドピース本体の開閉切替孔、開閉切替弁、及びストッパーを示す後端側の断面図
【図5】同構造に採用されるハンドピース本体の開閉切替弁の開操作により、チップエアー回路側の接続部からチップエアー回路にチップエアーを通すオン状態に切り替えた状態を示すハンドピース本体内部の断面図
【図6】同構造に採用されるハンドピース本体の開閉切替弁の閉操作により、チップエアー回路側の接続部からチップエアー回路にチップエアーを止めて通さないオフ状態に切り替えた状態を示すハンドピース本体内部の断面図
【図7】従来の歯科用ハンドピースの流体回路接続構造を示す一部省略側面断面図
【図8】同ハンドピースの特にヘッド側を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。図1、図2に歯科用ハンドピースの流体回路接続構造に特有の構成を示し、図3、図4にこの構造に採用される各部の構成を示している。なお、この実施の形態においては、駆動部の構成が従来と同様であり、周知なので、図示を省略している。駆動部の説明が必要な場合は、従来の技術の説明で用いた図7を参照し、図7中の符合を括弧を付けて使用することにする。
図1及び図2(a)に示すように(図7を併せて参照)、この歯科用ハンドピースPは、駆動部(1)とハンドピース本体2とを備え、駆動部(1)の先端に先方に突出するインサート部(11)を有し、ハンドピース本体2の後端に軸穴20を有し、駆動部(1)のインサート部(11)をハンドピース本体2の軸穴20に挿入して連結する形式を採っている。
そして、この流体回路接続構造では、駆動部(1)に水供給源からの水を通すための水回路及びチップエアー供給源からのチップエアーを通すためのチップエアー回路が各別に配設されて、駆動部(1)のインサート部(11)に水回路に連通する水回路側の接続口(12)及びチップエアー回路に連通するチップエアー回路側の接続口(13)をそれぞれ備え、ハンドピース本体2に水を通すための水回路201及びチップエアーを通すためのチップエアー回路202が各別に配設されて、ハンドピース本体2の軸穴20の内周面に、水回路201に連通する水回路側の接続部22及びチップエアー回路202に連通するチップエアー回路側の接続部23をそれぞれ、駆動部(1)のインサート部(11)の水回路側の接続口(12)及びチップエアー回路側の接続口(13)と接続可能に備える。
この場合、駆動部(1)の水回路はチューブからなり、駆動部(1)の内部に通され、水回路側の接続口(12)はインサート部(11)の外周面でインサート部(11)の基端(根元)側所定の位置に小さい孔状に形成されて、水回路に連通される。駆動部(1)のチップエアー回路はチューブからなり、駆動部(1)の内部に通され、チップエアー回路側の接続口(13)はインサート部(11)の外周面に水回路側の接続口(12)よりも少し先端側でこの水回路側の接続口(12)に対して周方向に適宜の角度だけ離れた所定の位置に小さい孔状に形成されて、チップエアー回路に連通される。
また、ハンドピース本体2はハウジング21の後部内部の内周に沿ってパイプ210が嵌着されて、このパイプ210により軸穴20が形成される。この場合、パイプ210は、図3に示すように、ハンドピース本体2の軸穴20の開口縁部をなす開口200の縁部が肉厚の大径部になっている。ハンドピース本体2の水回路201は、図2(a)に示すように、チューブからなり、ハンドピース本体2の内部に、この場合、ハウジング21とパイプ210との間に通され、水回路側の接続部22は軸穴20の内周面、この場合、パイプ210の内周面でインサート部(11)の水回路側の接続口(12)に対応する所定の位置に円周方向に向けて溝形に形成されて、この接続部22に連通する水回路201(のチューブ)の連結口24を介して水回路201(のチューブ)に連通される。ハンドピース本体2のチップエアー回路202は、図2(a)に示すように、チューブからなり、ハンドピース本体2の内部に、この場合、ハウジング21とパイプ210との間に通され、チップエアー回路側の接続部23は軸穴20の内周面、この場合、パイプ210の内周面でインサート部(11)のチップエアー回路側の接続口(13)に対応する水回路側の接続部22よりも少し奥側の所定の位置に円周方向に向けて溝形に形成されて、この接続部23に連通するチップエアー回路(のチューブ)の連結口25を介してチップエアー回路202(のチューブ)に連通される。
このようにして駆動部(1)のインサート部(11)をハンドピース本体2の軸穴20に挿入し両者を連結することにより、駆動部(1)の水回路側の接続口(12)及びチップエアー回路側の接続口(13)とハンドピース本体2の水回路側の接続部22及びチップエアー回路側の接続部23とをそれぞれ接続し、水を駆動部(1)及びハンドピース本体2の各水回路を通し、チップエアーを駆動部(1)及びハンドピース本体2の各チップエアー回路を通して、ハンドピース本体2先端のヘッド26に向けて送り、ヘッド26で水及びチップエアーを混合して噴出させるようになっている。
【0011】
図2(a)、(b)に示すように、この流体回路接続構造では、特に、ハンドピース本体2のチップエアー回路側の接続部23とチップエアー回路202との間に、当該接続部23及び回路202間を開閉可能な開閉切替弁4をハンドピース本体2の表面上で開閉操作可能に備え、開閉切替弁4の開操作により、チップエアー回路側の接続部23からチップエアー回路202にチップエアーを通すオン状態に切り替え、開閉切替弁4の閉操作により、チップエアー回路側の接続部23からチップエアー回路202にチップエアーを止めて通さないオフ状態に切り替えるようになっている。
この構造の場合、図3に示すように、ハンドピース本体2の軸穴20の開口縁部をなすパイプ210の開口200縁部からハンドピース本体2の水回路側の接続部22、チップエアー回路側の接続部23をそれぞれ通り、ハンドピース本体2のチップエアー回路202に連通する断面略円筒形の開閉切替孔5が形成されて、開閉切替弁4は、当該孔5に回転可能に嵌合可能な略円柱形に形成され、一端側に一端面が開口される中空部40を有し、外周面の一部に中空部40に連通しチップエアー側の接続部23に臨んで開口可能なチップエアー側の連通口41、及びチップエアー回路側の連通口41に対して軸方向他端側に少し間隔を取り、外周面の周方向に所定角度離れた位置で中空部40に連通し水回路側の接続部22に臨んで開口可能な水回路側の連通口42を有し、他端面に操作面43として各種の工具を係合可能な溝が設けられて、一端をチップエアー回路202に連接し、他端の操作面43を軸穴20の開口200縁部に表出されて、当該孔5に回転可能に取り付けられる。
この場合、開閉切替孔5は、軸穴20の開口200縁部でチップエアー回路側の接続部23に連通するチップエアー回路202の連結口25に対向する位置に、開口200縁部からハンドピース本体2の水回路側の接続部22の両側、チップエアー回路側の接続部23の両側をそれぞれ通り、当該連結口25まで、当該連結口25に同芯的に形成される。開閉切替弁4は、一端がこの一端の開口を連結口25(の開口)に連接可能に形成され、チップエアー回路側の連通口41が開閉切替弁4の外周面の一端側でハンドピース本体2のチップエアー回路側の接続部23に対応する位置に形成され、水回路側の連通口42が開閉切替弁4の外周面でハンドピース本体2の水回路側の接続部22に対応する位置にチップエアー側の連通口41に対して周方向に180度の間隔を取って形成され、この外周面の水回路側の接続部22の両側に対応する位置にそれぞれ凹溝44、45が形成されて、これらの凹溝44、45にOリング440、450が嵌着される。開閉切替弁4の操作面43はこの開閉切替弁4の他端面の直径上にすり割431が形成されて、マイナスドライバーなどが係合可能になっている。
【0012】
また、この構造の場合、図3に示すように、ハンドピース本体2の開閉切替孔5の周囲にこの開閉切替孔5の内周面に連通するストッパー取付孔6が形成され、ストッパー取付孔6に軸状のストッパー7が当該ストッパー7の先端を開閉切替孔5内に突出して取り付けられる。そして、開閉切替弁4は外周面に周方向に向けて所定の長さにストッパー7に係合可能な凹状のガイド46を備え、ストッパー7とガイド46の一端との係合により開閉切替弁4のチップエアー回路側の連通口41とチップエアー側の接続部23とを位置決めされ、ストッパー7とガイド46の他端との係合により開閉切替弁4の水回路側の連通口42と水回路側の接続部22とを位置決めされる。
この場合、図4に示すように、ストッパー取付孔6はハンドピース本体2のパイプ210の一端の大径部の外周面の一部が開口され、開閉切替孔5の内周面の外側から内側に貫通して形成され、孔の内周面にねじ60が切られる。ストッパー7は直軸からなり、先端に少し小径の凸状部71を有し、外周面にねじ70が切られる。ストッパー7はハンドピース本体2のストッパー取付孔6に締め込まれて固定され、先端の凸状部71が開閉切替孔5内に突出される。また、開閉切替弁4のガイド46は開閉切替弁4の外周面のハンドピース本体2側のストッパー7に対応する所定の位置に周方向に向けて180度の角度範囲に断面略U字形の凹状に形成される。開閉切替弁4は開閉切替孔5内で外周面のガイド46とストッパー取付孔6に固定されるストッパー7との係合により抜け止めされ、この開閉切替弁4の開、閉操作が案内される。この場合、開閉切替弁4を所定の一方向に、開閉切替弁4のガイド46の一端の段部がストッパー7先端の凸状部71に衝接するまで回すと、開閉切替弁4の外周面のチップエアー回路側の連通口41がチップエアー回路側の接続部23に位置決めされ、この開閉切替弁4を所定の他方向に、開閉切替弁4のガイド46の他端の段部がストッパー7先端の凸状部71に衝接するまで回すと、開閉切替弁4の外周面のチップエアー回路側の連通口41を有しない閉鎖面がチップエアー回路側の接続部23に位置決めされる。
【0013】
このようにして開閉切替弁4の操作面43を各種の工具、この場合、マイナスドライバーなどを用いて回転操作し、開閉切替弁4を所定の一方向に開閉切替弁4のガイド46の一端がストッパー7に衝接するまで回すことにより、開閉切替弁4の外周面のチップエアー回路側の連通口41がチップエアー回路側の接続部23に合わせられ、この開閉切替弁4の連通口41を通じてチップエアー回路側の接続部23とチップエアー回路202との間を開く一方、開閉切替弁4の外周面の水回路側の連通口42を有しない閉鎖面が水回路側の接続部22に合わせられ、この開閉切替弁4の外周面の閉鎖面を介して水回路側の接続部22とチップエアー回路202との間を閉じ、反対に、開閉切替弁4を所定の他方向に開閉切替弁4のガイド46の他端がストッパー7に衝接するまで、すなわち180度回すことにより、開閉切替弁4の外周面のチップエアー回路側の連通口41を有しない閉鎖面がチップエアー回路側の接続部23に合わせられ、この開閉切替弁4の外周面の閉鎖面を介してチップエアー回路側の接続部23とチップエアー回路202との間を閉じる一方、開閉切替弁4の外周面の水回路側の連通口42が水回路側の接続部22に合わせられ、この開閉切替弁4の連通口42を通じて水回路側の接続部22とチップエアー回路202との間を開くようになっている。なお、前段の回転操作は開閉切替弁4のチップエアー回路側の連通口41をチップエアー回路側の接続部23に合わせるので、この開閉切替弁4の開操作となり、後段の回転操作は開閉切替弁4の外周面の閉鎖面をチップエアー回路側の接続部23に合わせるので、この開閉切替弁4の閉操作となる。
【0014】
このようにこの構造では、駆動部(1)に水回路とチップエアー回路を別々に備え、ハンドピース本体2に水回路201とチップエアー回路202を別々に備え、駆動部(1)の水回路をハンドピース本体2の水回路201に、駆動部(1)のチップエアー回路をハンドピース本体2のチップエアー回路202にそれぞれ各別に接続する形式を採っていても、ハンドピース本体2のチップエアー回路側の接続部23とチップエアー回路202との間に、当該接続部23及び回路202間を開閉可能な開閉切替弁4をハンドピース本体2の表面上で開閉操作可能に配設し、開閉切替弁4の開操作により、チップエアー回路側の接続部23からチップエアー回路202にチップエアーを通すオン状態に切り替え、開閉切替弁4の閉操作により、チップエアー回路側の接続部23からチップエアー回路202にチップエアーを止めて通さないオフ状態に切り替えるようにしているので、チップエアー回路202をオンに切り替えれば、駆動部(1)のチップエアー回路から流されるチップエアーが、開閉切替弁4を通じて、ハンドピース本体2のチップエアー回路202に通され、チップエアー回路202をオフに切り替えれば、駆動部(1)のチップエアー回路から流されるチップエアーが、開閉切替弁4により止められ、チップエアー回路202に連通しないようになっている。
そして、この構造では、開閉切替弁4を所定の一方向に開閉切替弁4のガイド46の一端がストッパー7に衝接するまで回すと、図5に示すように、開閉切替弁4の外周面のチップエアー回路側の連通口41がチップエアー回路側の接続部23に合わせられ、この開閉切替弁4の連通口41を通じてチップエアー回路側の接続部23とチップエアー回路202の間を開く一方、開閉切替弁4の外周面の閉鎖面が水回路側の接続部22に合わせられ、この開閉切替弁4の閉鎖面を介して水回路側の接続部22とチップエアー回路201との間を閉じるので、この開閉切替弁4の開操作により、チップエアー回路202にチップエアーが通され、反対に、開閉切替弁4を所定の他方向に開閉切替弁4のガイド46の他端がストッパー7に衝接するまで回すと、図6に示すように、開閉切替弁4の外周面の閉鎖面がチップエアー回路側の接続部23に合わせられ、この開閉切替弁4の外周面の閉鎖面を介してチップエアー回路側の接続部23とチップエアー回路202との間を閉じる一方、開閉切替弁4の外周面の水回路側の連通口42が水回路側の接続部22に合わせられ、この開閉切替弁4の連通口42を通じて水回路側の接続部22とチップエアー回路201の間を開くので、この開閉切替弁4の閉操作により、チップエアー回路202にチップエアーが止められ連通しないようにして、水回路201及びチップエアー回路202の各回路に水が通され、この2系統の回路201、202により水が増量して流される。
【0015】
以上説明したように、この歯科用ハンドピースPの流体回路接続構造では、ハンドピース本体2のチップエアー回路側の接続部23とチップエアー回路202との間に、当該接続部23及び回路202間を開閉可能な開閉切替弁4をハンドピース本体2の表面上で開閉操作可能に備え、開閉切替弁4の開閉操作により、チップエアー回路をオン又はオフに切り替えるようにしたので、ヘッド先端の孔で水とチップエアーを混合して霧状に噴出する場合など、水とチップエアーの両方を使う場合は、チップエアー回路202をオンに切り替えて、水回路201に水を通すとともにチップエアー回路202にチップエアーを通すことができ、チップエアーを止めて水のみを放出する場合など、水だけを使う場合は、チップエアー回路202をオフに切り替えて、水回路201に水を通し、チップエアー回路202にチップエアーを止めて通さないようにすることができ、歯科治療の目的に応じて注水方式を選択することができる。
【0016】
また、この構造によれば、開閉切替弁4に、チップエアー側の連通口41及び水回路側の連通口42を併せて有し、この開閉切替弁4の回転操作により、開閉切替弁4のチップエアー回路側の連通口41をチップエアー側の接続部23に合わせることにより、開閉切替弁4の連通口41を通じてチップエアー回路側の接続部23とチップエアー回路202との間を開く一方、開閉切替弁4の外周面の閉鎖面を介して水回路側の接続部22とチップエアー回路202との間を閉じ、開閉切替弁4の水回路側の連通口42を水回路側の接続部22に合わせることにより、開閉切替弁4の水回路側の連通口42を通じて水回路側の接続部22とチップエアー回路202との間を開く一方、開閉切替弁4の外周面の閉鎖面を介してチップエアー回路側の接続部23とチップエアー回路202との間を閉じるようにしたので、この開閉切替弁4の開操作により、チップエアー回路202をオンに切り替えて、水回路201に水を通しチップエアー回路202にチップエアーを通すことができ、反対に、この開閉切替弁4の閉操作により、チップエアー回路202をオフに切り替えて、チップエアー回路202にチップエアーを止めて通さないようにするとともに、このチップエアー回路202と水回路側の接続部22とを連通させて、水を水回路201及びチップエアー回路202の2系統に通し、この2系統で水を増量して流すことができる。
【0017】
さらに、この構造によれば、ハンドピース本体2にストッパー取付孔6が形成され、このストッパー取付孔6に軸状のストッパー7が当該ストッパー7の先端を開閉切替孔5内に突出して取り付けられ、開閉切替弁4は外周面に周方向に向けて所定の長さにストッパー7に係合可能な凹状のガイド46を備え、ストッパー7とガイド46の一端との係合により開閉切替弁4のチップエアー回路側の連通口41とチップエアー側の接続部23とを位置決めし、ストッパー7とガイド46の他端との係合により開閉切替弁4の水回路側の連通口42と水回路側の接続部22とを位置決めするようにしたので、簡単な構成のストッパー7とガイド46により、開閉切替弁4の開、閉操作を容易かつ確実に行なうことができる。
【0018】
またさらに、この構造によれば、開閉切替弁4は操作面43に各種の工具を係合可能な溝が形成されて、各種の工具により回転操作されるので、開閉切替弁4の開、閉操作を容易かつ確実に行なうことができる。
【0019】
なお、この実施の形態では、開閉切替孔が、ハンドピース本体の軸穴の開口縁部からハンドピース本体の水回路側の接続部、チップエアー回路側の接続部をそれぞれ通り、ハンドピース本体のチップエアー回路に連通するように形成され、開閉切替弁が、外周面の一部にチップエアー側の連通口、及び水回路側の連通口を有し、当該孔に回転可能に取り付けられて、開閉切替弁の回転操作により、開閉切替弁の外周面のチップエアー回路側の連通口をチップエアー側の接続部に合わせることにより、開閉切替弁の連通口を通じてチップエアー回路側の接続部とチップエアー回路の間を開く一方、開閉切替弁の外周面の閉鎖面を介して水回路側の接続部とチップエアー回路の間を閉じ、開閉切替弁の外周面の水回路側の連通口を水回路側の接続部に合わせることにより、開閉切替弁の水回路側の連通口を通じて水回路側の接続部とチップエアー回路の間を開く一方、開閉切替弁の外周面の閉鎖面を介してチップエアー回路側の接続部とチップエアー回路の間を閉じるようにしているが、開閉切替孔は、ハンドピース本体の軸穴の開口縁部からハンドピース本体のチップエアー回路側の接続部を通り、ハンドピース本体のチップエアー回路に連通する断面略円筒形に形成され、開閉切替弁は、当該孔に回転可能に嵌合可能な略円柱形に形成されて、外周面の一部に中空部に連通しチップエアー回路側の接続部に臨んで開口可能な連通口(チップエアー回路側の連通口)のみを有し、当該孔に回転可能に取り付けられて、開閉切替弁の回転操作により、開閉切替弁の外周面の連通口をチップエアー回路側の接続部に合わせることにより、開閉切替弁の連通口を通じてチップエアー回路側の接続部とチップエアー回路の間を開き、開閉切替弁の外周面の閉鎖面をチップエアー回路側の接続部に合わせることにより、開閉切替弁の閉鎖面を介してチップエアー回路側の接続部とチップエアー回路の間を閉じるようにしてもよく、このようにしても、上記と同様に、開閉切替弁の開操作により、チップエアー回路側の接続部からチップエアー回路にチップエアーを通すオン状態に切り替え、開閉切替弁の閉操作により、チップエアー回路側の接続部からチップエアー回路にチップエアーを止めて通さないオフ状態に切り替えることができ、上記と同様の効果を得ることができる。
また、この場合も、ハンドピース本体のストッパー取付孔に取り付けられるストッパーと、開閉切替弁の外周面に形成される凹状のガイドとの係合により、開閉切替弁の外周面の連通口とチップエアー側の接続部とを位置決めし、開閉切替弁の外周面の閉鎖面とチップエアー回路側の接続部とを位置決めすることにより、上記と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0020】
P 歯科用ハンドピース
1 駆動部
11 インサート部
12 水回路側の接続口
13 チップエアー回路側の接続口
2 ハンドピース本体
20 軸穴
201 水回路
202 チップエアー回路
21 ハウジング
210 パイプ
22 水回路側の接続部
23 チップエアー回路側の接続部
24 連結口
25 連結口
26 ヘッド
4 開閉切替弁
40 中空部
41 チップエアー回路側の連通口
42 水回路側の連通口
43 操作面
431 すり割り
44 凹溝
45 凹溝
46 ガイド
440 Oリング
450 Oリング
5 開閉切替孔
6 ストッパー取付孔
60 ねじ
7 ストッパー
70 ねじ
71 凸状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部に水供給源からの水を通すための水回路及びチップエアー供給源からのチップエアーを通すためのチップエアー回路を配設され、前記駆動部の先端に突設されるインサート部に、前記水回路に連通する水回路側の接続口及び前記チップエアー回路に連通するチップエアー回路側の接続口をそれぞれ備え、ハンドピース本体に水を通すための水回路及びチップエアーを通すためのチップエアー回路が配設され、前記ハンドピース本体の後端に形成され、前記駆動部の前記インサート部を挿入する軸穴の内周面に、前記水回路に連通する水回路側の接続部及び前記チップエアー回路に連通するチップエアー回路側の接続部をそれぞれ前記インサート部の前記水回路側の接続口及び前記チップエアー回路側の接続口と接続可能に備え、前記駆動部のインサート部を前記ハンドピース本体の軸穴に挿入し両者を連結することにより、前記駆動部の前記水回路側の接続口及び前記チップエアー回路側の接続口と前記ハンドピース本体の前記水回路側の接続部及び前記チップエアー回路側の接続部とをそれぞれ接続し、水を前記駆動部及び前記ハンドピース本体の前記各水回路に通し、チップエアーを前記駆動部及び前記ハンドピース本体の前記各チップエアー回路に通して、前記ハンドピース本体先端のヘッドに向けて送り、前記ヘッドで前記水及び前記チップエアーを混合して噴出させる形式の歯科用ハンドピースの流体回路接続構造において、
前記ハンドピース本体の前記チップエアー回路側の接続部と前記チップエアー回路との間に、当該接続部及び回路間を開閉可能な開閉切替弁を前記ハンドピース本体の表面上で開閉操作可能に備え、前記開閉切替弁の開操作により、前記チップエアー回路側の接続部から前記チップエアー回路に前記チップエアーを通すオン状態に切り替え、前記開閉切替弁の閉操作により、前記チップエアー回路側の接続部から前記チップエアー回路にチップエアーを止めて通さないオフ状態に切り替える、
ことを特徴とする歯科用ハンドピースの流体回路接続構造。
【請求項2】
ハンドピース本体の軸穴の開口縁部から前記ハンドピース本体のチップエアー回路側の接続部を通り、前記ハンドピース本体のチップエアー回路に連通する断面略円筒形の開閉切替孔が形成され、開閉切替弁は、当該孔に回転可能に嵌合可能な略円柱形に形成され、一端側に一端面が開口される中空部を有し、外周面の一部に前記中空部に連通し前記チップエアー側の接続部に臨んで開口可能な連通口を有し、他端面に操作面が設けられて、一端を前記チップエアー回路に連接し、他端の操作面を前記軸穴の開口縁部に表出されて、当該孔に回転可能に取り付けられ、前記開閉切替弁の回転操作により、前記開閉切替弁の外周面の前記連通口を前記チップエアー回路側の接続部に合わせることにより、前記開閉切替弁の連通口を通じて前記チップエアー回路側の接続部と前記チップエアー回路の間を開き、前記開閉切替弁の外周面の前記連通口を有しない閉鎖面を前記チップエアー回路側の接続部に合わせることにより、前記開閉切替弁の前記閉鎖面を介して前記チップエアー回路側の接続部と前記チップエアー回路の間を閉じる請求項1に記載の歯科用ハンドピースの流体回路接続構造。
【請求項3】
ハンドピース本体にストッパーが当該ストッパーの先端を開閉切替孔の内周面の外側から内側に突出して取り付けられ、開閉切替弁は外周面に周方向に向けて所定の長さに前記ストッパーに係合可能な凹状のガイドを備え、前記ストッパーと前記ガイドの一端との係合により前記開閉切替弁の外周面の連通口と前記チップエアー側の接続部とを位置決めし、前記ストッパーと前記ガイドの他端との係合により前記開閉切替弁の外周面の閉鎖面と前記チップエアー回路側の接続部とを位置決めする請求項2に記載の歯科用ハンドピースの流体回路接続構造。
【請求項4】
ハンドピース本体の軸穴の開口縁部から前記ハンドピース本体の水回路側の接続部、チップエアー回路側の接続部をそれぞれ通り、前記ハンドピース本体のチップエアー回路に連通する断面略円筒形の開閉切替孔が形成され、開閉切替弁は、当該孔に回転可能に嵌合可能な略円柱形に形成され、一端側に一端面が開口される中空部を有し、外周面の一部に前記中空部に連通し前記チップエアー側の接続部に臨んで開口可能な前記チップエアー回路側の連通口、及び前記チップエアー回路側の連通口に対して前記外周面の周方向に所定角度離れた位置で前記中空部に連通し前記水回路側の接続部に臨んで開口可能な前記水回路側の連通口を有し、他端面に操作面が設けられて、一端を前記チップエアー回路に連接し、他端の操作面を前記軸穴の開口縁部に表出されて、当該孔に回転可能に取り付けられ、前記開閉切替弁の回転操作により、前記開閉切替弁の外周面の前記チップエアー回路側の連通口を前記チップエアー側の接続部に合わせることにより、前記開閉切替弁の前記チップエアー回路側の連通口を通じて前記チップエアー回路側の接続部と前記チップエアー回路の間を開く一方、前記開閉切替弁の外周面の前記水回路側の連通口を有しない閉鎖面を介して前記水回路側の接続部と前記チップエアー回路の間を閉じ、前記開閉切替弁の外周面の前記水回路側の連通口を前記水回路側の接続部に合わせることにより、前記開閉切替弁の前記水回路側の連通口を通じて前記水回路側の接続部と前記チップエアー回路の間を開く一方、前記開閉切替弁の外周面の前記チップエアー回路側の連通口を有しない閉鎖面を介して前記チップエアー回路側の接続部と前記チップエアー回路の間を閉じる請求項1に記載の歯科用ハンドピースの流体回路接続構造。
【請求項5】
ハンドピース本体にストッパーが当該ストッパーの先端を開閉切替孔の内周面の外側から内側に突出して取り付けられ、開閉切替弁は外周面に周方向に向けて所定の長さに前記ストッパーに係合可能な凹状のガイドを備え、前記ストッパーと前記ガイドの一端との係合により前記開閉切替弁の前記チップエアー回路側の連通口と前記チップエアー回路側の接続部とを位置決めし、前記ストッパーと前記ガイドの他端との係合により前記水回路側の連通口と前記水回路側の接続部とを位置決めする請求項4に記載の歯科用ハンドピースの流体回路接続構造。
【請求項6】
開閉切替弁は操作面に各種の工具を係合可能な溝が形成されて、各種の工具により回転操作される請求項1乃至5のいずれかに記載の歯科用ハンドピースの流体回路接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−245087(P2012−245087A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117768(P2011−117768)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000150327)株式会社ナカニシ (43)
【Fターム(参考)】