説明

殺細菌剤としての硫黄含有複素芳香族酸類似体の使用

本発明は、市販植物における病原菌を処理するための式Iによる化合物の使用に関する。本発明は、さらに、式Iによる化合物で処理することによる、市販植物における病原菌を処理する方法に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)
【0002】
【化1】

(式中、
Aは、窒素またはC−Halであり、
Bは、窒素またはC−Halであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、Halもしくはシアノで置換されているC−C−アルキル、Halもしくはシアノで置換されているC−C−アルケニル、Halもしくはシアノで置換されているC−C−シクロアルキル、またはシアノ、ハロゲン、アルコキシで置換されているフェニルであり、
は、ヒドロキシル、C−C−チオアルキル、C−C−アミノアルキル、C−C−アルコキシ、アニリン、フェノキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているC−C−アルコキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、ホルミル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよび/もしくはC−C−アルコキシカルボニルで置換されているフェノキシであり、またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−ジアルキルアミノおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているアニリンであり、
Halは、ハロゲンである。)
による硫黄含有複素芳香族酸類似体の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用に関する。
【0003】
さらに、本発明は、有用な植物において、式(I)による化合物でこれらを処理することによって有害細菌性生物を防除する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
式(I)の化合物は、とりわけ、WO 99/024413、WO 2006/098128、JP 2007−84566およびWO 96/29871から知られている。
【0005】
好ましいのは、
Aが、C−Halまたは窒素であり、
Bが、窒素であり、
が、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキルであり、
が、ヒドロキシル、C−C−チオアルキル、C−C−アミノアルキル、C−C−アルコキシ、アニリン、フェノキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルで置換されているC−C−アルコキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、ホルミル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよび/もしくはC−C−アルコキシカルボニルで置換されているフェノキシであり、または
シアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−ジアルキルアミノおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているアニリンであり、
Halが、フッ素、塩素もしくは臭素である式(I)の化合物である。
【0006】
特に好ましいのは、Halが、塩素または臭素である式(I)による化合物である。
【0007】
特に好ましいのは、Halが、塩素である式(I)による化合物である。
【0008】
特に好ましいのは、Aが、C−Halまたは窒素であり、Bが、窒素である式(I)による化合物である。
【0009】
特に好ましいのは、Aが、C−Halであり、Bが、窒素である式(I)による化合物である。
【0010】
特に好ましいのは、Aが、窒素であり、Bが、窒素である式(I)による化合物である。
【0011】
特に好ましいのは、Aが、C−Halまたは窒素であり、Bが、窒素であり、Rが、アニリンであり、またはシアン、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−ジアルキルアミノおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているアニリンである式(I)による化合物である。
【0012】
特に好ましいのは、Aが、C−Halまたは窒素であり、Bが、窒素であり、Rが、ヒドロキシルである式(I)による化合物である。
【0013】
特に好ましいのは、Aが、窒素であり、Bが、窒素であり、Rが、ヒドロキシルである式(I)による化合物である。
【0014】
特に好ましいのは、Aが、C−Halまたは窒素であり、Bが、窒素であり、Rが、C−C−チオアルキルである式(I)による化合物である。
【0015】
特に好ましいのは、Aが、C−Halまたは窒素であり、Bが、窒素であり、Rが、C−C−アルコキシである式(I)による化合物である。
【0016】
特に、式(I)による化合物は、表1に示されたとおりである。
【0017】
【表1】

【0018】
(C−C)−アルキルは、1から6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基を表す。好ましいのは、1から4個の、特に好ましくは1から3個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基である。次のもの、即ち、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルに、一例として好ましく言及することができる。
【0019】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表す。好ましいのは、フッ素、塩素および臭素である。特に好ましいのは、臭素および塩素である。
【0020】
(C−C)−シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロブチルまたはシクロヘキシルを表す。好ましいのは、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルである。特に好ましいのは、シクロプロピルである。
【0021】
(C−C)−アルケニルは、2から6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルケニル基を表す。好ましいのは、2から4個の、特に好ましくは2から3個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルケニル基である。次のもの、即ち、ビニル、アリル、n−プロパ−1−エン−1−イルおよびn−ブタ−2−エン−1−イルに、一例として好ましく言及することができる。
【0022】
(C−C)−アルコキシは、1から6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルコキシ基を表す。好ましいのは、1から4個の、特に好ましくは1から3個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルコキシ基である。次のもの、即ち、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシに、一例として好ましく言及することができる。
【0023】
(C−C)−アルコキシカルボニルは、1から6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルコキシカルボニル基を表す。好ましいのは、1から4個の、特に好ましくは1から3個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルコキシカルボニル基である。次のもの、即ち、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルおよびtert−ブトキシカルボニルに、一例として好ましく言及することができる。
【0024】
(C−C)−アルキルカルボニルは、1から6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキルカルボニル基を表す。好ましくは、1から4個の、特に好ましくは1から3個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキルカルボニル基である。次のもの、即ち、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニルおよびtert−ブチルカルボニルに、一例として好ましく言及することができる。
【0025】
上述された一般的なまたは好ましい基の定義は、それぞれの範囲および好ましい範囲の間で所望に応じて組み合わせることができる。
【0026】
有用な植物における病原体としての細菌は、とりわけ、これらが多数の有用な植物に時には著しい経済損失を伴う細菌病を引き起こす温和または温暖多湿な気候で遭遇される。例えば、エルウィニア属種(Erwinia species)による感染は、リンゴまたはナシなどの全体の果実栽培農園の死を引き起こし得る。同様に知られているのは、ジャガイモにおける細菌性軟腐病、アグロバクテリアによる感染に起因する植物における腫瘍形成および同様に小麦または米などの禾穀類、野菜または柑橘類果実がキサントモナス属種(Xanthomonas species)に感染した場合の多数の壊死性の病気である。特に野菜、高木に実る果実(tree fruit)およびタバコにおけるプセウドモナス属種(Pseudomonas species)に起因する細菌病は、特に破壊的なものと考えられている。
【0027】
予想されるように、作用機序が、真菌に特異的な代謝プロセスの調節に基づく殺菌剤として活性な化合物は、細菌に対して無効である。したがって、ストレプトマイシン、ブラストサイジンSまたはカスガマイシンなどの抗生物質の使用は、原則として、有用な植物における細菌を防除する唯一の有効な方法でもある。しかし、これらの抗生物質が、医学および獣医学における抗生物質と同じ作用機序に依存しており、したがって、作物保護における抗生物質の使用に対する非常に大きな懸念が存在するので、この手法はまれに採用されているだけである。耐性の形成が促進され、さらに、大部分の抗生物質は、高価であり、しばしば、とりわけ、生物工学法を使用することによってしか得られないという懸念が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】国際公開第99/024413号
【特許文献2】国際公開第2006/098128号
【特許文献3】特開2007−84566号公報
【特許文献4】国際公開第96/29871号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
したがって、有用な植物における細菌性の病気を防除する広く有効な方法の大きな需要が存在し、これらの方法は、さらに、少量の物質しか施用する必要がなく、加えて、植物を損傷しない。
【課題を解決するための手段】
【0030】
式(I)による化合物は、有用な植物における有害細菌性生物の防除に特に適することがここに見出された。
【0031】
したがって、本発明は、第一に、式(I)
(式中、
Aは、窒素またはC−Halであり、
Bは、窒素またはC−Halであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、Halもしくはシアノで置換されているC−C−アルキル、Halもしくはシアノで置換されているC−C−アルケニル、Halもしくはシアノで置換されているC−C−シクロアルキル、またはシアノ、ハロゲン、アルコキシで置換されているフェニルであり、
は、ヒドロキシル、C−C−チオアルキル、C−C−アミノアルキル、C−C−アルコキシ、アニリン、フェノキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているC−C−アルコキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、ホルミル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよび/もしくはC−C−アルコキシカルボニルで置換されているフェノキシであり、またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−ジアルキルアミノおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているアニリンであり、
Halは、ハロゲンである。)
による化合物から選択される化合物の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0032】
したがって、本発明は、さらに、式(I)
(式中、
Aは、C−Halまたは窒素であり、
Bは、窒素であり、
は、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルケニルであり、
は、ヒドロキシル、C−C−チオアルキル、C−C−アミノアルキル、C−C−アルコキシ、アニリン、フェノキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルで置換されているC−C−アルコキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、ホルミル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよび/もしくはC−C−アルコキシカルボニルで置換されているフェノキシであり、または
シアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−ジアルキルアミノおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているアニリンであり、
Halは、フッ素、塩素または臭素である。)
による化合物から選択される化合物の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0033】
したがって、本発明は、さらに、式(I)(式中、
Halは、塩素または臭素である。)
による化合物から選択される化合物の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0034】
したがって、本発明は、さらに、式(I)(式中、
Halは、塩素である。)
による化合物から選択される化合物の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0035】
したがって、本発明は、さらに、式(I)(式中、
Aは、C−Halまたは窒素であり、Bは、窒素である。)
による化合物から選択される化合物の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0036】
したがって、本発明は、さらに、式(I)(式中、
Aは、窒素であり、Bは、窒素である。)
による化合物から選択される化合物の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0037】
したがって、本発明は、さらに、式(I)(式中、
Aは、C−Halまたは窒素であり、Bは、窒素であり、Rは、アニリンまたはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−ジアルキルアミノおよび/もしくはC−C−アルキルカブボニルで置換されているアニリンである。)
による化合物から選択される化合物の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0038】
したがって、本発明は、さらに、式(I)(式中、
Aは、C−Halまたは窒素であり、Bは、窒素であり、Rは、ヒドロキシルである。)
による化合物から選択される化合物の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0039】
したがって、本発明は、さらに、式(I)(式中、
Aは、窒素であり、Bは、窒素であり、Rは、ヒドロキシルである。)
による化合物から選択される化合物の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0040】
したがって、本発明は、さらに、式(I)(式中、
Aは、C−Halまたは窒素であり、Bは、窒素であり、Rは、C−C−チオアルキルである。)
による化合物から選択される化合物の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0041】
したがって、本発明は、さらに、式(I)(式中、
Aは、−Halまたは窒素であり、Bは、窒素であり、Rは、C−C−アルコキシである。)
による化合物から選択される化合物の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0042】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−1の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0043】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−1の、有用な植物におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除するための使用を提供する。
【0044】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−1の、米におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除するための使用を提供する。
【0045】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−1の、米におけるキサントモナス・オリュザエ(Xanthomonas oryzae)を防除するための使用を提供する。
【0046】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−2の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0047】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−2の、有用な植物におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除するための使用を提供する。
【0048】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−2の、米におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除するための使用を提供する。
【0049】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−2の、米におけるキサントモナス・オリュザエ(Xanthomonas oryzae)を防除するための使用を提供する。
【0050】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−3の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0051】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−4の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0052】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−5の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0053】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−6の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0054】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−7の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0055】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−8の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0056】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−9の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0057】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−10の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0058】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−11の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0059】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−12の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0060】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−12の、有用な植物におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除するための使用を提供する。
【0061】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−12の、米におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除するための使用を提供する。
【0062】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−12の、米におけるキサントモナス・オリュザエ(Xanthomonas oryzae)を防除するための使用を提供する。
【0063】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−13の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0064】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−14の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0065】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−15の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0066】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−15の、有用な植物におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除するための使用を提供する。
【0067】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−15の、米におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除するための使用を提供する。
【0068】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−15の、米におけるキサントモナス・オリュザエ(Xanthomonas oryzae)を防除するための使用を提供する。
【0069】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−16の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0070】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−17の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0071】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−18の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0072】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−19の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0073】
したがって、本発明は、さらに、化合物I−20の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用を提供する。
【0074】
本発明は、さらに、植物が、式(I)
(式中、
Aは、窒素またはC−Halであり、
Bは、窒素またはC−Halであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、Halもしくはシアノで置換されているC−C−アルキル、Halもしくはシアノで置換されているC−C−アルケニル、Halもしくはシアノで置換されているC−C−シクロアルキル、またはシアノ、ハロゲン、アルコキシで置換されているフェニルであり、
は、ヒドロキシル、C−C−チオアルキル、C−C−アミノアルキル、C−C−アルコキシ、フェノキシ、アニリンであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているC−C−アルコキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、ホルミル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよび/もしくはC−C−アルコキシカルボニルで置換されているフェノキシであり、またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−ジアルキルアミノおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているアニリンであり、
Halは、ハロゲンである。)
による化合物から選択される化合物で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0075】
本発明は、さらに、植物が、式(I)[式中、
Aは、C−Halまたは窒素であり、
Bは、窒素であり、
は、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキルであり、
は、ヒドロキシル、C−C−チオアルキル、C−C−アミノアルキル、C−C−アルコキシ、アニリン、フェノキシ、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルで置換されているC−C−アルコキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、ホルミル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよび/もしくはC−C−アルコキシカルボニルで置換されているフェノキシであり、または
シアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−ジアルキルアミノおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているアニリンであり、
Halは、フッ素、塩素または臭素である。)
による化合物から選択される化合物で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0076】
本発明は、さらに、植物が、Halが塩素または臭素である式(I)による化合物から選択される化合物で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0077】
本発明は、さらに、植物が、Halが塩素である式(I)による化合物から選択される化合物で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0078】
本発明は、さらに、植物が、Aが、C−Halまたは窒素であり、Bが、窒素である式(I)による化合物から選択される化合物で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0079】
本発明は、さらに、植物が、Aが、窒素であり、Bが、窒素である式(I)による化合物から選択される化合物で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0080】
本発明は、さらに、植物が、Aが、C−Halまたは窒素であり、Bが、窒素であり、Rが、アニリンであり、またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−ジアルキルアミノおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているアニリンである式(I)による化合物から選択される化合物で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0081】
本発明は、さらに、植物が、Aが、C−Halまたは窒素であり、Bが、窒素であり、Rが、ヒドロキシルである式(I)による化合物から選択される化合物で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0082】
本発明は、さらに、植物が、Aが、窒素であり、Bが、窒素であり、Rが、ヒドロキシルである式(I)による化合物から選択される化合物で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0083】
本発明は、さらに、植物が、Aが、C−Halまたは窒素であり、Bが、窒素であり、Rが、C−C−チオアルキルである式(I)による化合物から選択される化合物で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0084】
本発明は、さらに、植物が、Aが、C−Halまたは窒素であり、Bが、窒素であり、Rが、C−C−アルコキシである式(I)による化合物から選択される化合物で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0085】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−1で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0086】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−1で処理されることを特徴とする、有用な植物におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除する方法を提供する。
【0087】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−1で処理されることを特徴とする、有用な植物におけるキサントモナス・オリュザエ(Xanthomonas oryzae)を防除する方法を提供する。
【0088】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−1で処理されることを特徴とする、米におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除する方法を提供する。
【0089】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−2で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0090】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−2で処理されることを特徴とする、有用な植物におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除する方法を提供する。
【0091】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−2で処理されることを特徴とする、有用な植物におけるキサントモナス・オリュザエ(Xanthomonas oryzae)を防除する方法を提供する。
【0092】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−2で処理されることを特徴とする、米におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除する方法を提供する。
【0093】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−3で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0094】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−4で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0095】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−5で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0096】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−6で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0097】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−7で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0098】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−8で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0099】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−9で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0100】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−10で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0101】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−11で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0102】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−12で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0103】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−12で処理されることを特徴とする、有用な植物におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除する方法を提供する。
【0104】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−12で処理されることを特徴とする、有用な植物におけるキサントモナス・オリュザエ(Xanthomonas oryzae)を防除する方法を提供する。
【0105】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−12で処理されることを特徴とする、米におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除する方法を提供する。
【0106】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−13で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0107】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−14で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0108】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−15で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0109】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−15で処理されることを特徴とする、有用な植物におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除する方法を提供する。
【0110】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−15で処理されることを特徴とする、有用な植物におけるキサントモナス・オリュザエ(Xanthomonas oryzae)を防除する方法を提供する。
【0111】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−15で処理されることを特徴とする、米におけるキサントモナス科(Xanthomonadaceae)を防除する方法を提供する。
【0112】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−16で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0113】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−17で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0114】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−18で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0115】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−19で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【0116】
本発明は、さらに、植物が、化合物I−20で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0117】
定義
有害細菌性生物には、とりわけ、植物または植物の部分に損傷を与える細菌が含まれる。
【0118】
細菌には、とりわけ、放線菌門(Actinobacteria)およびプロテオバクテリア門(Proteobacteria)が含まれる。
【0119】
本明細書で特に興味深いのは、キサントモナス科(Xanthomonadaceae)、プセウドモナス科(Pseudomonadaceae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、ミクロバクテリウム科(Microbacteriaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)のファミリーである。
【0120】
特にジャガイモ、綿、トマト、小麦、大麦、米、大豆、柑橘類果実などにおける植物病原性細菌の例は、
アキドウォラクス・アウェナ亜種キトルッリ(Acidovorax avena subsp.citrulli)
アグロバクテリウム・トゥルネファキエンス(Agrobacterium tumefaciens)
アペランコイデス・フラガリアエ(Aphelanchoides fragariae)
バキッルス・スブティリス(Bacillus subtilis)
クラウィバクテル・ミキガネンシス(Clavibacter michiganensis)
クラウィバクテル・ミキガネンシス亜種ミキガネンシス(Clavibacter michiganensis subsp.michiganensis)
クラウィバクテル・ミキガネンシス亜種テッセッラリウス(Clavibacter michiganensis subsp.Tessellarius)
クラウィバクテル・ミキガネンシス亜種セペドニクス(Clavibacter michiganensis subsp.Sepedonicus)
クラウィバクテル・ミキガネンシス亜種ネブラスケンシス(Clavibacter michiganensis subsp.nebraskensis)
クラウィバクテル・イラニクス(Clavibacter iranicus)
クラウィバクテル・トリティキ(Clavibacter tritici)
コリュネバクテリウム・ファスキアンス(Corynebacterium fascians)
コリュネバクテリウム・フラックムファキエンス pv.フラックムファキエンス(Corynebacterium flaccumfaciens pv. flaccumfaciens)
コリュネバクテリウム・ミキガネンセ(Corynebacterium michiganense)
コリュネバクテリウム・ミキガネンセ pv.トリティキ(Corynebacterium michiganense pv.tritici)
コリュネバクテリウム・ミキガネンセ pv.ネブラスケンセ(Corynebacterium michiganense pv. nebraskense)
コリュネバクテリウム・セペドニクム(Corynebacterium sepedonicum)
クルトバクテリウム・フラックムファキエンス pv.フラックムファキエンス(Curtobacterium flaccumfaciens pv. Flaccumfaciens)
エンテロバクテル・ディッソルウェンス(Enterobacter dissolvens)
エルウィニア亜種(Erwinia subspecies)
エルウィニア・アナナス(Erwinia ananas)
エルウィニア・カロトウォラ(Erwinia carotovora)
エルウィニア・カロトウォラ亜種アトロセプティカ(Erwinia carotovora subsp.atroseptica)
エルウィニア・カロトウォラ亜種カロトウォラ(Erwinia carotovora subsp.carotovora)
エルウィニア・クリュサンテミ(Erwinia chrysanthemi)
エルウィニア・クリュサンテミ pv.ゼアエ(Erwinia chrysanthemi pv.Zeae)
エルウィニア・ディッソルウェンス(Erwinia dissolvens)
エルウィニア・ヘルビコラ(Erwinia herbicola)
エルウィニア・ラポンティク(Erwinia rhapontic)
エルウィニア・ステワルティイイ(Erwinia stewartiii)
エルウィニア・トラケイピラ(Erwinia tracheiphila)
パントエア・アッグロメランス(Pantoea agglomerans)
ペクトバクテリウム・カロトウォルム(Pectobacterium carotovorum)
ペクトバクテリウム・カロトウォルム亜種アトロセプティクム(Pectobacterium carotovorum subsp.atrosepticum)
ペクトバクテリウム・カロトウォルム亜種カロトウォルム(Pectobacterium carotovorum subsp.carotovorum)
ペクトバクテリウム・クリュサンテミ(Pectobacterium chrysanthemi)
プセウドモナス・アンドロポゴニス(Pseudomonas andropogonis)
プセウドモナス・アウェナエ亜種アウェナエ(Pseudomonas avenae subsp.avenae)
プセウドモナス・コルガータ(Pseudomonas corrugata)
プセウドモナス・フルオレスケンス(Pseudomonas fluorescens)
プセウドモナス・グルマエ(Pseudomonas glumae)
プセウドモナス・フスコウァギナエ(Pseudomonas fuscovaginae)
プセウドモナス・マルギナリス(Pseudomonas marginalis)
プセウドモナス・マルギナリス pv.マルギナリス(Pseudomonas marginalis pv.marginalis)
プセウドモナス・プセウドアルカリゲネス(Pseudomonas pseudoalcaligenes)
プセウドモナス・プセウドアルカリゲネス亜種キトルッリ(Pseudomonas pseudoalcaligenes subsp.citrulli)
プセウドモナス・ソラナケアルム(Pseudomonas solanacearum)
プセウドモナス・シュリンガエ(Pseudomonas syringae)
プセウドモナス・シュリンガエ pv.アトロファキエンス(Pseudomonas syringae pv.atrofaciens)
プセウドモナス・シュリンガエ pv.コロナファキエンス(Pseudomonas syringae pv.coronafaciens)
プセウドモナス・シュリンガエ pv.グリュキネア(Pseudomonas syringae pv.glycinea)
プセウドモナス・シュリンガエ pv.ラクリュマンス(Pseudomonas syringae pv.Lachrymans)
プセウドモナス・シュリンガエ pv.マクリコラ(Pseudomonas syringae pv.maculicola)
プセウドモナス・シュリンガエ pv.ストリアファキエンス(Pseudomonas syringae pv.striafaciens)
プセウドモナス・シュリンガエ pv.シュリンガエ(Pseudomonas syringae pv.syringae)
プセウドモナス・シュリンガエ pv.トマト(Pseudomonas syringae pv.Tomato)
プセウドモナス・シュリンガエ pv.タバキ(Pseudomonas syringae pv.tabaci)
ラルストニア・ソラナケアルム(Ralstonia solanacearum)
ラタユイバクテル・トリティキ(Rathayibacter tritici)
ロドコックス・ファスキアンス(Rhodococcus fascians)
スピロプラスマ・クンケリイ(Spiroplasma kunkelii)
ストレプトミュケス・スカビエイ(Streptomyces scabiei)
ストレプトミュケス・スカビエス(Streptomyces scabies)
ストレプトミュケス・アキディスカビエス(Streptomyces acidiscabies)
ストレプトミュケス・トゥルギディスカビエス(Streptomyces turgidiscabies)
キサントモナス・アクソノプ(Xanthomonas axonop)
キサントモナス・アクソノポディス pv.グリュキネス(Xanthomonas axonopodis pv.glycines)
キサントモナス・カムペストリス(Xanthomonas campestris)
キサントモナス・カムペストリス pv.アルモラキアエ(Xanthomonas campestris pv.armoraciae)
キサントモナス・カムペストリス pv.キトルメロ(Xanthomonas campestris pv.citrumelo)
キサントモナス・カムペストリス pv.キトリ(Xanthomonas campestris pv.citri)
キサントモナス・カムペストリス pv.グリュキネス(Xanthomonas campestris pv.glycines)
キサントモナス・カムペストリス pv.ホルキコラ(Xanthomonas campestris pv.Holcicola)
キサントモナス・カムペストリス pv.マルウァケアルム(Xanthomonas campestris pv.malvacearum)
キサントモナス・カムペストリス pv.ククルビタエ(Xanthomonas campestris pv.cucurbitae)
キサントモナス・カムペストリス pv.ウェシカトリア(Xanthomonas campestris pv.vesicatoria)
キサントモナス・カムペストリス pv.トランスルケンス(Xanthomonas campestris pv.translucens)
キサントモナス・カムペストリス pv.オリュザエ(Xanthomonas campestris pv.Oryzae)
キサントモナス・フラガリアエ(Xanthomonas fragariae)
キサントモナス・オリュザエ(Xanthomonas oryzae)
キサントモナス・オリュザエ pv.オリュザエ(Xanthomonas oryzae pv.oryzae)
キサントモナス・オリュザエ pv.オリュジコラ(Xanthomonas oryzae pv.Oryzicola)
キサントモナス・トランスルケンス(Xanthomonas translucens)
キサントモナス・トランスルケンス pv.トランスルケンス(Xanthomonas translucens pv.Translucens)
クシュレッラ・ファスティディオサ(Xylella fastidiosa)である。
【0121】
式(I)による化合物の中から選択される化合物は、適切ならば、可能な様々な異性体、特に光学異性体などの立体異性体の混合物の形態で存在し得る。
【0122】
したがって、式(I)による化合物の中から選択される化合物は、特定の処理後の期間内で上述された病原体による攻撃に対して植物を保護するために使用することができる。保護が提供される期間は、活性化合物による植物の処理後、一般的に、1から10日、好ましくは1から7日にわたる。施用の形態に応じて、植物への活性化合物の利用可能性を目標に向けて制御することができる。
【0123】
植物の病気を防除するために必要な濃度における式(I)による化合物の良好な植物耐性によって、空中および地下の植物部分、栄養繁殖器官、ならびに土壌の処理が可能になる。
【0124】
式(I)による化合物は、同様に、収量の増加に適しており、低い毒性を示し、植物による耐容性が良好である。
【0125】
本発明の文脈において、植物への施用に、有利な効果が観測された。
【0126】
本発明によれば、全ての植物を処理することができる。本文脈において、植物は、望ましいおよび望ましくない野生植物または(自然発生の作物植物を含む)作物植物などの全ての植物および植物個体群を意味するものと理解される。作物植物は、遺伝子導入植物を含み、植物育種者の権利で保護され得るまたは保護され得ない植物品種を含めて、従来の育種および最適化法または生物工学的および遺伝子組換え方法、またはこれらの方法の組合せによって得ることができる植物であってよい。このような方法は、例えば、倍加半数体、原形質融合、ランダムまたは標的突然変異誘発および同様に分子または遺伝標識である。
【0127】
植物の部分は、草本、偽茎、苗条、葉、苞葉、葉鞘、葉柄、葉片、花および根などの全ての空中および地下の植物の部分および器官を意味するよう意図されており、言及し得る例は、葉、針状葉、柄、茎、花、子実体、果実、バナナハンド(banana hand)、果房および種子、および同様に根、塊茎、根茎、分枝、吸枝、二次成長(secondary growth)である。植物の部分には、作物材料および栄養繁殖および生殖繁殖器官、例えば、挿し木、塊茎、根茎、かき苗および種子も含まれる。
【0128】
既に上述されたように、全ての植物は、本発明に従って処理することができる。1つの好ましい実施形態において、野生に見出される、または雑種形成、成長点培養、マイクロプロパゲーション、体細胞不定胚形成、直接器官形成または原形質融合などの従来の生物学的育種方法によって得られる植物種および植物品種、ならびにこれらの部分が処理される。1つのさらに好ましい実施形態において、例えば、アグロバクテリウム属(Agrobacterium)を用いる形質転換または胚形成細胞の粒子衝突、およびマイクロプロパゲーションなどの、適切な場合、従来方法と組み合わせた遺伝子組換え法によって得られた遺伝子導入植物および植物品種(遺伝子組換え生物)が処理される。植物には、上述された全ての植物の部分が含まれる。
【0129】
いずれの場合にも市販されているまたは使用されている植物品種の植物を、本発明に従って処理することが特に好ましい。植物品種は、従来の育種、突然変異誘発または遺伝子組換えDNA技術によって得られた新しい特性(「形質」)を有する植物を意味するものと理解される。これらは、品種(variety)、品種(breed)、バイオタイプおよび遺伝子型であってよい。
【0130】
本発明に従って処理することができ、言及することができる植物は、以下のものである。綿、亜麻、ブドウ、果実、野菜、例えば、ロサケアエ属種(Rosaceae sp.)(例えば、リンゴおよびナシなどの仁果、同様にアンズ、サクランボ、アーモンドおよび桃などの核果、およびイチゴなどの軟らかい果実)、リベシオイダエ属種(Ribesioidae sp.)、ユグランダケアエ属種(Juglandaceae sp.)、ベトゥラケアエ属種(Betulaceae sp.)、アナカルディアケアエ属種(Anacardiaceae sp.)、ファガケアエ属種(Fagaceae sp.)、モラケアエ属種(Moraceae sp.)、オレアケアエ属種(Oleaceae sp.)、アクティニダケアエ属種(Actinidaceae sp.)、ラウラケアエ属種(Lauraceae sp.)、ムサケアエ属種(Musaceae sp.)(例えば、バナナ植物およびバナナプランテーン)、ルビアケアエ属種(Rubiaceae sp.)(例えば、コーヒー)、テアケアエ属種(Theaceae sp.)、ステルクリケアエ属種(Sterculiceae sp.)、ルタケアエ属種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジおよびグレープフルーツ);ソラナケアエ属種(Solanaceae sp.)(例えば、トマト)、リリアケアエ属種(Liliaceae sp.)、アステラケアエ属種(Asteraceae sp.)(例えば、レタス)、ウムベッリフェラエ属種(Umbelliferae sp.)、クルキフェラエ属種(Cruciferae sp.)、ケノポディアケアエ属種(Chenopodiaceae sp.)、ククルビタケアエ属種(Cucurbitaceae sp.)(例えば、キュウリ)、アッリアケアエ属種(Alliaceae sp.)(例えば、ニラネギ、タマネギ)、パピリオナケアエ属種(Papilionaceae sp.)(例えば、エンドウ豆);グラミネアエ属種(Gramineae sp.)(例えば、トウモロコシ、芝生、小麦、ライ麦、米、大麦、エンバク、モロコシ、アワおよびラコムギなどの禾穀類)などの主要な作物植物、アステラケアエ属種(Asteraceae sp.)(例えば、ヒマワリ)、ブラッシカケアエ属種(Brassicaceae sp.)(例えば、白キャベツ、赤キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、チンゲン菜、カブキャベツ、スモールラディッシュ(small radish)、および同様にアブラナ、カラシ、セイヨウワサビおよびカラシナ)、ファバカエ属種(Fabacae sp.)(例えば、インゲン豆、落花生)、パピリオナケアエ属種(Papilionaceae sp.)(例えば、大豆)、ソラナケアエ属種(Solanaceae sp.)(例えば、ジャガイモ)、ケノポディアケアエ属種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、サトウダイコン、飼料用ビード、フダンソウ、アオゲイトウ);庭園および森林における有用な植物および鑑賞植物;ならびにいずれの場合にも、これらの植物の遺伝子組換えタイプ。
【0131】
植物種または植物品種、これらの場所および成長条件(土壌、気候、植生期間、栄養)に応じて、本発明による処理は、同様に超付加(「相乗」)効果をもたらし得る。したがって、例えば、本発明に従って使用し得る活性化合物および組成物の減少した施用量および/または活性スペクトルの拡大および/または活性の増加、より良い植物成長、高温または低温に対する増加した耐性、干ばつまたは水または土壌塩分に対する増加した耐性、増加した開花性能、より容易な収穫、加速された成熟、より高い収穫高、より大きな果実、より大きな草高、より緑の濃い葉色、より早い開花、収穫産物のより高い品質および/またはより高い栄養価、収穫産物のより良い貯蔵安定性および/または加工性が可能であり、これらは実際に予想された効果を上回る。
【0132】
本発明による処理の方法は、遺伝子組換え生物(GMO)、例えば植物または種子の処理において使用することができる。遺伝子組換え植物(または遺伝子導入植物)は、異種遺伝子がゲノム中に安定的に組み込まれている植物である。「異種遺伝子」という表現は、本質的に、植物の外で提供されまたは集められ、核に導入された場合、興味のあるタンパク質もしくはポリペプチドを発現することによって、または(例えば、アンチセンス技術、コサプレッション技術またはRNA干渉[RNAi]技術を使用して)植物中に存在する他の遺伝子を下方制御もしくは抑制することによって、葉緑体またはミトコンドリアゲノムが、遺伝子導入植物に、新しいまたは改善された農業特性または他の特性をもたらす遺伝子を意味する。ゲノムに位置する異種遺伝子は、導入遺伝子とも呼ばれる。植物ゲノム中のその特定の位置によって定義される導入遺伝子は、形質転換または遺伝子導入事象と呼ばれる。
【0133】
植物種または植物品種、これらの場所および成長条件(土壌、気候、植生期間、栄養)に応じて、本発明による処理は、同様に、超付加(「相乗」)効果をもたらし得る。従って、例えば、本発明に従って使用し得る活性化合物および組成物の減少した施用量および/または活性スペクトルの拡大および/または活性の増加、より良い植物成長、高温または低温に対する増加した耐性、干ばつまたは水または土壌塩分に対する増加した耐性、増加した開花性能、より容易な収穫、加速された成熟、より高い収穫高、より大きな果実、より大きな草高、より緑の濃い葉色、より早い開花、収穫産物のより高い品質および/またはより高い栄養価、果実中のより高い糖度、収穫産物のより良い貯蔵安定性および/または加工性が可能であり、これらは実際に予想された効果を上回る。
【0134】
特定の施用量において、式(I)による化合物は、植物における強化効果も有し得る。したがって、これらは、微生物または動物有害生物による攻撃に対する植物の防御システムの動員に適している。これは、適切な場合、例えば真菌に対する本発明による組合せの高められた活性の理由の1つであり得る。植物強化(耐性誘発性)物質は、本文脈において、後に微生物または動物有害生物を接種された場合、処理された植物が、これらの望ましくない植物病原菌に対して実質的な程度の耐性を示すように、植物の防御システムを刺激し得る物質または物質の組合せを意味するものと理解されたい。したがって、本発明による物質は、処理後の特定の期間内、上述された病原体による攻撃に対して植物を保護するために使用することができる。保護がもたらされる期間は、一般的に、活性化合物による植物の処理後、1から10日、好ましくは1から7日にわたる。
【0135】
本発明に従って好ましく処理される植物および植物品種には、これらの植物に、特に有利な、有用な形質を付与する遺伝物質を有する全ての植物が含まれる(育種および/または生物工学的手段によって得られるかに関わらず)。
【0136】
本発明に従って同様に好ましく処理される植物および植物品種は、1種または複数の生物ストレスに対して耐性であり、即ち、前記植物は、線虫、昆虫、ダニ、植物病原菌、細菌、ウイルスおよび/またはウイロイドなどの有害動物および有害微生物に対するより良い防御を有する。植物病原菌またはウイルスに対して耐性なバショウ科(Musaceae)に、本明細書で好ましいとして言及することができる。
【0137】
本発明に従って同様に処理し得る植物および植物品種は、1種または複数の非生物的ストレスに対して耐性である植物である。非生物的ストレス条件には、例えば、干ばつ、低温曝露、熱曝露、浸透ストレス、湛水、増加した土壌塩分、鉱物への増加した曝露、オゾンへの曝露、強い光への曝露、窒素栄養の利用制限、リン栄養の利用制限または日陰の忌避が含まれ得る。
【0138】
本発明に従って同様に処理し得る植物および植物品種は、ワクチンまたは治療用タンパク質が異種発現された植物である。これらには、例えば、B型肝炎抗原が含まれる。
【0139】
本発明に従って同様に処理し得る植物および植物品種は、高められた収穫高特性を特徴とする植物である。前記植物の高められた収穫高は、例えば、水使用効率、水分保持効率、改善された窒素使用、高められた炭素同化、改善された光合成、増加された発芽効率および加速された成熟などの改善された植物生理、成長および発生の結果であり得る。さらに、収穫高は、早い開花、交雑種子生成のための開花制御、苗の活力、植物サイズ、節間数および距離、根の成長、種子サイズ、果実サイズ、鞘のサイズ、鞘または穂の数、鞘または穂当たりの種子数、種子の量、高められた登熟、減少した種子飛散、減少した鞘裂開および耐倒伏性を含む(ストレス下および非ストレス下における)改善された植物構造によって影響を受けることがある。さらなる収穫形質には、炭水化物含有量、タンパク質含有量、油含有量および組成などの種子組成、栄養価、抗栄養化合物の減少、改善された加工性およびより良い貯蔵安定性が含まれる。
【0140】
本発明に従って処理し得る植物は、一般的に、より高い収穫高、活力、健康ならびに生物および非生物的ストレス要因に対する耐性をもたらすヘテローシス、または雑種強勢の特徴を既に発現している交雑植物である。このような植物は、一般的に、近交系雄性不稔親株(雌親)を別の近交系雄性稔性親株(雄親)と交雑させることによって作られる。交雑種子は、一般的に、雄性不稔植物から収穫され、栽培者に販売される。雄性不稔植物は、時々(例えば、トウモロコシで)、雄穂除去(即ち、雄生殖器官または雄花の機械的除去)によって生成され得るが、より一般的に、雄性不稔は、植物ゲノム中の遺伝的決定因子の結果である。この場合、特に種子が交雑植物から収穫すべき所望の産物である場合、雄性不稔に関与する遺伝的決定因子を含む交雑植物の雄性不稔が完全に回復されることを確実にすることが一般的に有用である。雄性不稔に関与する遺伝的決定因子を含む交雑植物において、雄親が、雄性稔性を回復し得る適切な稔性回復遺伝子を有することを確実にすることによって、これは達成され得る。雄性不稔の遺伝的決定因子は、細胞質に位置し得る。細胞質雄性不稔(CMS)の例は、例えばブラッシカ属種(Brassica species)について記載された。しかし、雄性不稔の遺伝的決定因子は、核ゲノムにも位置し得る。雄性不稔植物は、遺伝子工学などの植物生物工学法によっても得ることができる。雄性不稔植物を得る特に有用な手段は、例えば、バルナーゼなどのリボヌクレアーゼが、雄ずいのタペート細胞に選択的に発現されるWO 89/10396に記載されている。次いで、稔性は、バルスターなどのリボヌクレアーゼ阻害剤のタペート細胞中の発現によって回復され得る。
【0141】
本発明に従って処理し得る(遺伝子工学などの植物生物工学法によって得られる)植物または植物栽培品種は、除草剤耐性植物、即ち、1種または複数の所与の除草剤に対して耐性となるようにされた植物である。このような植物は、形質転換によって、またはこのような除草剤耐性を付与する突然変異を含む植物の選択によってのいずれかで得ることができる。
【0142】
除草剤耐性植物は、例えば、グリホセート耐性植物、即ち、除草剤グリホセートまたはこの塩に対して耐性となるようにされた植物である。例えば、グリホセート耐性植物は、酵素の5−エノールピルビルシキメート−3−ホスフェートシンターゼ(EPSPS)をコードする遺伝子で植物を形質転換することによって得ることができる。このようなEPSPS遺伝子の例は、細菌のサルモネッラ・テュピムリウム(Salmonella typhimurium)のAroA遺伝子(突然変異CT7)、細菌のアグロバクテリウム属種(Agrobacterium sp.)のCP4遺伝子、ペチュニアEPSPS、トマトEPSPS、またはエレウシネ(Eleusine)EPSPSをコードする遺伝子である。これは、突然変異EPSPSでもあり得る。グリホセート耐性植物は、グリホセート酸化還元酵素をコードする遺伝子を発現することによっても得ることができる。グリホセート耐性植物は、グリホセートアセチル基転移酵素をコードする遺伝子を発現することによっても得ることができる。グリホセート耐性植物は、上述された遺伝子の自然発生の突然変異を含む植物を選択することによっても得ることができる。
【0143】
他の除草剤耐性植物は、例えば、ビアラホス、ホスフィノスリシンまたはグルホシネートなどの、酵素グルタミン合成酵素を阻害する除草剤に対して耐性となるようにされた植物である。このような植物は、除草剤を解毒する酵素または阻害に対して耐性な突然変異グルタミン合成酵素を発現させることによって得ることができる。1つのこのような有効な解毒酵素は、例えば、(ストレプトミュケス属種(Streptomyces species)からのbarまたはpatタンパク質などの)ホスフィノスリシンアセチル基転移酵素をコードする酵素である。外因性ホスフィノスリシンアセチル基転移酵素を発現している植物は記載されている。
【0144】
さらなる除草剤耐性植物は、酵素ヒドロキシフェニルピルベートジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に対して耐性となるようにされた植物でもある。ヒドロキシフェニルピルベートジオキシゲナーゼは、パラ−ヒドロキシフェニルピルベート(HPP)がホモゲンチセートに変換される反応を触媒する酵素である。HPPD阻害剤に対して耐性な植物は、自然発生の耐性HPPD酵素をコードする遺伝子、または突然変異HPPD酵素をコードする遺伝子で形質転換され得る。HPPD阻害剤に対する耐性は、HPPD阻害剤による天然HPPD酵素の阻害にも関わらず、ホモゲンチセートの形成を可能にする特定の酵素をコードする遺伝子で植物を形質転換することによっても得ることができる。HPPD阻害剤に対する植物の耐性は、HPPD耐性酵素をコードする遺伝子に加えてプレフェン酸デヒドロゲナーゼの酵素をコードする遺伝子で植物を形質転換することによっても改善され得る。
【0145】
さらなる除草剤耐性植物は、アセト乳酸シンターゼ(ALS)阻害剤に対して耐性となるようにされた植物である。既知のALS阻害剤には、例えば、スルホニル尿素、イミダゾリノン、トリアゾロピリミジン、ピリミジニルオキシ(チオ)ベンゾエート、および/またはスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン除草剤が含まれる。ALS酵素(アセトヒドロキシ酸合成酵素、AHASとしても知られている)における様々な突然変異は、様々な除草剤および除草剤の群に対して耐性を与えることが知られている。スルホニル尿素耐性植物およびイミダゾリノン耐性植物の生成は、国際公開WO 1996/033270に記載されている。さらなるスルホニル尿素およびイミダゾリノン耐性植物は、例えば、WO 2007/024782にも記載されている。
【0146】
イミダゾリノンおよび/またはスルホニル尿素に対して耐性な他の植物は、誘発された突然変異、除草剤の存在下の細胞培養における選択または突然変異育種によって得ることができる。
【0147】
本明細書で、種として、特に興味深いのは、上述された除草剤耐性を有する米である。
【0148】
特に興味深いのは、組込み事象CL121、CL141、CFX51、IMINTA−!、IMINTA−4、LLRICE06、LLRICE62、LLRICE601およびPWC16を含む米への本発明による化合物の使用である。
【0149】
同様に本発明に従って処理し得る(遺伝子工学などの植物生物工学法によって得られる)植物または植物品種は、昆虫耐性遺伝子導入植物、即ち、特定の標的昆虫による攻撃に対して耐性となるようにされた植物である。このような植物は、形質転換によって、またはこのような昆虫耐性を付与する突然変異を含む植物の選択によって得ることができる。
【0150】
本明細書で使用される「昆虫耐性遺伝子導入植物」という用語には、以下をコードするコード配列を含む少なくとも1つの導入遺伝子を含む任意の植物が含まれる。
【0151】
1)http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/においてインターネット上にリストされている殺虫性結晶タンパク質などの、バキッルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)由来の殺虫性結晶タンパク質もしくはこの殺虫性部分、またはこれらの殺虫性部分、例えば、Cryタンパク質クラスのCry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry2Ab、Cry3Ae、もしくはCry3Bbのタンパク質もしくはこれらの殺虫性部分、または
2)Cy34およびCy35結晶タンパク質で構成された二元性毒素などの、第2の他のバキッルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)由来の結晶タンパク質もしくはこの部分の存在下で殺虫性であるバキッルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)由来の結晶タンパク質もしくはこの部分、または
3)上記1)のタンパク質の雑種もしくは上記2)のタンパク質の雑種などの、バキッルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)由来の2つの異なる殺虫性結晶タンパク質の部分を含む雑種殺虫性タンパク質、例えば、トウモロコシ事象MON98034によって生成されたCry1A.105タンパク質(WO 2007/027777)、または
4)トウモロコシ事象MON863もしくはMON88017におけるCry3Bb1タンパク質、もしくはトウモロコシ事象MIR604におけるCry3Aタンパク質などの、標的昆虫種に対してより高い殺虫活性を得るため、および/もしくは影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡げるため、および/もしくはクローニングもしくは形質転換中にコードDNA中に誘発される変化のために、いくつかの、特に1から10のアミノ酸が、別のアミノ酸に置換されている上記1)から3)のいずれか1つのタンパク質、
5)http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/vip.htmlにおいてリストされている植物性殺虫タンパク質(VIP)などの、バキッルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)もしくはバキッルス・ケレウス(Bacillus cereus)由来の殺虫性分泌タンパク質、もしくはこの殺虫性部分、例えばVIP3Aaタンパク質クラスからのタンパク質、または
6)VIP1AおよびVIP2Aタンパク質から構成された二元性毒素などのバキッルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)もしくはB.ケレウス(B.cereus)由来の第2の分泌タンパク質の存在下で殺虫性であるバキッルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)もしくはバキッルス・ケレウス(Bacillus cereus)由来の分泌タンパク質、または
7)上記1)におけるタンパク質の雑種または上記2)におけるタンパク質の雑種などのバキッルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)もしくはバキッルス・ケレウス(Bacillus cereus)由来の異なる分泌タンパク質からの部分を含む交雑殺虫性タンパク質、または
8)綿事象COT 102におけるVIP3Aaタンパク質などの、標的昆虫種に対するより高い殺虫活性を得るため、および/もしくは影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡げるため、および/もしくはクローニングもしくは形質転換中にコードDNAに誘発される変化のために、いくつかの、特に1から10のアミノ酸が、別のアミノ酸で置換されている上記1)から3)のいずれか1つのタンパク質。
【0152】
当然、本明細書で使用される昆虫耐性遺伝子導入植物には、上記クラス1から8のいずれか1つのタンパク質をコードする遺伝子の組合せを含む任意の植物も含まれる。一実施形態において、昆虫耐性植物は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡げるため、または同じ標的昆虫種に対して殺虫性であるが、昆虫の異なる受容体結合部位に結合することなどの異なる作用の形態を有する異なるタンパク質を使用することによって植物の昆虫耐性の発生を遅らせるために上記クラス1から8のいずれか1つのタンパク質をコードする複数の導入遺伝子を含む。
【0153】
本発明に従って同様に処理し得る(遺伝子工学などの植物生物工学法によって得られる)植物または植物品種は、非生物的ストレスに耐性がある。このような植物は、形質転換によって、またはこのようなストレス耐性を付与する突然変異を含む植物の選択によって得ることができる。特に有用なストレス耐性植物には以下のものが含まれる。
【0154】
a.植物細胞または植物中のポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)遺伝子の発現および/または活性を減少させ得る導入遺伝子を含む植物。
b.植物または植物細胞中のPARGコード遺伝子の発現および/または活性を減少させ得るストレス耐性を高める導入遺伝子を含む植物、
c.ニコチンアミダーゼ、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ、ニコチン酸モノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンターゼまたはニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼを含む、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドサルベージ生合成経路の植物機能酵素をコードするストレス耐性を高める導入遺伝子を含む植物。
【0155】
施用形態
式(I)による化合物の中から選択される化合物による、バショウ科(Musaceae)ファミリーの植物および植物部分および繁殖器官の本発明による処理は、例えば、液浸、噴霧、アトマイジング、ネブライジング、散乱、塗布、注射によって、直接またはこれらの環境、生息地もしくは貯蔵庫に作用することによって実施される。
【0156】
本発明の1つの特に好ましい実施形態において、式(I)による化合物の中から選択される化合物またはこの製剤は、顆粒の形態における施用、栄養繁殖器官の処理、または根茎もしくは葉面施用に使用される。
【0157】
そのそれぞれの物理的および/または化学的性質に応じて、式(I)による化合物の中から選択される化合物は、溶液、乳濁液、懸濁液、粉末、泡沫、ペースト、顆粒、サッシェ、エアゾール、ポリマー物質中の微細カプセル、およびULV冷却および加温煙霧製剤などの通例の製剤に変換することができる。
【0158】
これらの製剤は、既知の方法で、例えば、式(I)による化合物を、増量剤、即ち、液体溶媒、加圧液化ガスおよび/または固体担体と、場合によって界面活性剤、即ち乳化剤および/または分散剤および/または起泡剤を使用して混合することによって調製される。水が増量剤として使用される場合、例えば共溶媒として有機溶媒を使用することも可能である。一般的に好適な液体溶媒は、キシレン、トルエンまたはアルキルナフタレンなどの芳香族、クロロベンゼン、クロロエチレンまたは塩化メチレンなどの塩素化芳香族または塩素化脂肪族炭化水素、シクロヘキサンまたはパラフィンなどの脂肪族炭化水素、例えば、鉱油留分、ブタノールまたはグリコールなどのアルコール、およびこれらのエーテルおよびエステル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノンなどのケトン、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド、および水などの強極性溶媒、および同様に鉱油、動物油および例えば、パーム油または他の植物種子油などの植物油である。液化ガス増量剤または担体は、通常の温度および通常の圧力下で気体である液体、例えば、ハロゲン化炭化水素およびブタン、プロパン、窒素および二酸化炭素などのエアゾール噴射剤を意味するものと理解される。好適な固体担体は、例えば、カオリン、クレイ、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイトまたは珪藻土などの粉砕された天然鉱物、ならびに高分散性シリカ、アルミナおよびケイ酸塩などの粉砕された合成鉱物である。顆粒に適する固体担体は、例えば、方解石、軽石、大理石、海泡石、苦灰石などの粉砕し分別された天然石、ならびに無機粗挽き粉および有機粗挽き粉の合成顆粒、ならびにおがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸およびタバコ茎などの有機材料の顆粒である。好適な乳化剤および/または起泡剤は、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルなどの、非イオン性、陽イオン性および陰イオン性乳化剤、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホネート、アルキルサルフェート、アリールスルホネート、およびタンパク質加水分解物である。好適な分散剤は、例えば、リグノ亜硫酸塩廃液およびメチルセルロースである。
【0159】
アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ならびにケファリンおよびレシチンなどの天然リン脂質、および合成リン脂質などの、粉末、顆粒またはラテックスの形態のカルボキシメチルセルロース、天然および合成ポリマーなどの接着剤は、上記製剤において使用することができる。さらなる添加剤は、鉱油または植物油であってよい。
【0160】
無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルー、ならびにアリザリン、アゾおよび金属フタロシアニン染料などの有機染料、ならびに鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩などの微量栄養素などの着色剤を使用することが可能である。
【0161】
一般的に、上記製剤は、0.1および95重量%の活性化合物、好ましくは0.5および90重量%の間の活性化合物を含む。
【0162】
植物の栄養繁殖器官を処理することによる有害細菌性生物の防除は、長い間知られており、継続的な改善の対象である。しかし、栄養繁殖器官の処理は、常に満足のいくよう解決し得ない一連の問題を伴う。したがって、播種後または植物の出芽後の植物保護製品の追加の施用を排除し、または少なくとも著しく減少させる、栄養繁殖器官および発芽中の植物を保護する方法を開発することが望ましい。使用される活性化合物によって植物自体を損傷することなく、栄養繁殖器官および発芽中の植物が、有害細菌性生物による攻撃から最良に保護されるよう、使用される活性化合物の量を最適化することがさらに望ましい。特に、栄養繁殖器官の処理のための方法は、できる限り低い植物保護製品の施用量を維持しつつ、栄養繁殖器官および発芽中の植物の最適な保護を達成するために、遺伝子導入植物の固有の性質も考慮すべきである。
【0163】
したがって、本発明は、特に、本発明による組成物で種子および栄養繁殖器官を処理することによって、有害細菌性生物による攻撃から栄養繁殖器官および発芽中の植物を保護する方法にも関する。
【0164】
本発明は、有害細菌性生物から栄養繁殖器官および発芽中の植物を保護するための栄養繁殖器官の処理のための本発明による組成物の使用にも関する。
【0165】
本発明の利点の一つは、本発明による組成物の特別な浸透性のため、これらの組成物による栄養繁殖器官の処理は、有害細菌性生物から、栄養繁殖器官自体のみならず、播種後に生じる植物も保護することである。このように、播種またはこの直後の時点における作物の即時の処理をしないで済ますことができる。
【0166】
別の利点は、本発明による組成物は、特に遺伝子導入栄養繁殖器官にも使用し得ることである。
【0167】
本発明による組成物は、農業、温室、森林または園芸において使用される任意の植物品種の栄養繁殖器官の保護に適する。特に、これは、小麦、大麦、ライ麦、エンバク、トウモロコシ、米、ライコムギなどの禾穀類ならびに同様に綿、大豆、アブラナおよびカノーラ、キュウリ、カボチャなどの野菜の栄養繁殖器官である。
【0168】
本発明の範囲内で、本発明による組成物は、単独でまたは好適な製剤で栄養繁殖器官に施用される。好ましくは、栄養繁殖器官は、処理の間に損傷が生じないよう十分に安定である状態で処理される。一般的に、栄養繁殖器官は、収穫および植え付けの間の任意の時点で処理することができる。通常、植物から分離され、穂軸、殻、柄、皮、毛または果肉を取り除かれた栄養繁殖器官が使用される。
【0169】
栄養繁殖器官を処理する場合、一般的に、栄養繁殖器官に施用される本発明による組成物、および/またはさらなる添加剤の量は、栄養繁殖器官の発芽が悪影響を受けないよう、または生ずる植物が損傷を受けないよう選択されるよう注意が払われなければならない。これは、特に、特定の施用量において、植物毒性効果を有し得る活性化合物の場合に考慮されなければならない。
【0170】
本発明による組成物は、直接、即ち、さらなる成分を含むことなく、希釈されることなく施用することができる。一般的に、好適な製剤の形態で栄養繁殖器官に上記組成物を施用することが好ましい。種子および栄養繁殖器官の処理に適する製剤および方法は、当業者に知られている。
【0171】
本発明に従って使用することができ、式(I)による化合物の中から選択される化合物は、溶液、乳濁液、懸濁液、粉末、泡沫およびULV製剤などの通例の製剤に変換することができる。
【0172】
これらの製剤は、式(I)の化合物の中から選択される化合物を、例えば、慣用の増量剤および同様に溶媒または希釈剤、着色剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、保存剤、二次増粘剤、接着剤、ジベレリン、鉱油および植物油、および同様に水などの慣用の添加剤と混合することによって既知の方法で調製される。
【0173】
本発明に従って使用し得る製剤中に存在し得る着色剤は、このような目的に慣用的な全ての着色剤である。本文脈において、水に難溶性である顔料、および水溶性である染料の両方とも使用することができる。言及し得る例は、ローダミンB、C.I.ピグメントレッド112およびC.I.ソルベントレッド1の名称で知られている着色剤である。
【0174】
本発明に従って使用し得る製剤中に存在し得る湿潤剤は、農薬として活性な化合物の製剤化に慣用的であり、湿潤を促進する全ての物質である。ジイソプロピルまたはジイソブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルナフタレンスルホネートは、好ましく使用することができる。
【0175】
本発明に従って使用し得る製剤に存在し得る好適な分散剤および/または乳化剤は、農薬として活性な化合物の製剤化に慣習的に使用される全ての非イオン性、陰イオン性および陽イオン性分散剤である。以下のもの、即ち、非イオン性もしくは陰イオン性分散剤または非イオン性もしくは陰イオン性分散剤の混合物は、好ましく使用することができる。言及し得る好適な非イオン性分散剤は、特に、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー、アルキルフェノールポリグリコールエーテルおよびトリスチリルフェノールポリグリコールエーテルおよびこれらのリン酸化誘導体または硫酸化誘導体である。好適な陰イオン性分散剤は、特に、リグノスルホネート、ポリアクリル酸の塩、およびアリールスルホネート/ホルムアルデヒド縮合物である。
【0176】
本発明に従って使用し得る製剤に存在し得る消泡剤は、農薬として活性な化合物の製剤化に慣習的に使用される全ての泡沫抑制物質である。シリコーン消泡剤およびステアリン酸マグネシウムは、好ましく使用することができる。
【0177】
本発明に従って使用し得る製剤に存在し得る保存剤は、農薬組成物中にこのような目的で使用し得る全ての物質である。言及し得る例は、ジクロロフェンおよびベンジルアルコールヘミホルマールである。
【0178】
本発明に従って使用し得る製剤に存在し得る二次増粘剤は、農薬組成物中にこのような目的で使用し得る全ての物質である。セルロース誘導体、アクリル酸誘導体、キサンタン、改質粘土および高分散性シリカは好ましく適する。
【0179】
本発明に従って使用し得る製剤に存在し得る接着剤は、粘着剤に使用し得る全ての慣用の結合剤である。ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコールおよびチロースに好ましく言及し得る。
【0180】
本発明に従って使用し得る製剤に存在し得るジベレリンは、好ましくは、ジベレリンA1、ジベレリンA3(ジベレリン酸)、ジベレリンA4、ジベレリンA7である。特に好ましいのは、ジベレリン酸である。
【0181】
ジベレリンは、知られている(R.Wegler「Chemie der Pflanzenschutz− and Schadlingsbekampfungsmittel」[Chemistry of plant protection and pesticide agents]、2巻、Springer Verlag、ベルリン−ハイデルベルク−ニューヨーク、1970年、401−412頁を参照されたい。)。
【0182】
本発明に従って使用し得る製剤は、直接または予め水で希釈された後に、様々なタイプの種子の処理に使用することができる。したがって、濃厚物または水による希釈によってこれらから得られる配合物は、種子を粉衣するために使用することができる。本発明に従って使用し得る製剤、またはこれらの希釈された配合物は、遺伝子導入植物の栄養繁殖器官を処理するためにも使用することができる。ここで、追加の相乗効果が、発現によって形成される物質と一緒に生じることもある。
【0183】
本発明に従って使用し得る製剤の施用量は、実質的な範囲内で変えることができる。これは、製剤中の各々の活性化合物含有量、および栄養繁殖器官によって決まる。通例、活性化合物の施用量は、栄養繁殖器官の1キログラム当たり0.001と50gの間、好ましくは栄養繁殖器官の1キログラム当たり0.01と15gの間である。
【0184】
混合物
式(I)による化合物の中から選択される化合物は、例えば、作用のスペクトルを広げるためまたは耐性の発生を防ぐために、そのようなものとしてまたは、製剤で、同様に既知の殺菌剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、殺虫剤、薬害軽減剤、土壌改善製品または植物ストレスを低下させる製品、例えばMyconateとの混合物で使用することができる。多くの場合、これは相乗効果を生じ、即ち、混合物の効能は、個々の成分の効能を上回る。
【0185】
本発明によれば、「混合物」という用語は、例えば、レディミックス、(施用の前に混合することおよび希釈することによって個々の活性化合物の製剤から調製されるスプレースラリーを意味するものと理解される)タンクミックスなどの、可能な上述された活性化合物の少なくとも2つの様々な組合せまたはこれらの組合せを意味する(例えば、上述された活性化合物の2つの二元性レディミックスは、第3の個別の物質の製剤を使用することによってタンクミックスに作られる。)。本発明によれば、個々の活性化合物は、例えば種子の処理の場合に、異なる活性化合物を含む複数の層を塗布することによっても、逐次的に、即ち、数時間または数日の適切な間隔で順々に使用することもできる。好ましくは、どの順序で個々の活性化合物が使用され得るかは重要ではない。
【0186】
式(I)による化合物は、すぐ使用できる溶液、懸濁液、水和剤、ペースト、水溶剤、粉剤および顆粒などのこれらの製剤の形態またはこれらから調製される使用形態で、そのようなものとして使用することができる。これらは、慣用の方法で、例えば、注入(pouring)、噴霧、アトマイジング、散乱、散粉、発泡(foaming)、塗布などによって施用される。極微量法によって式(I)による化合物を施用すること、または土壌に活性化合物配合物、もしくは活性化合物自体を注射することがさらに可能である。植物の栄養繁殖器官を処理することもできる。
【0187】
式(I)による化合物の中から選択される化合物を使用する場合、施用のタイプに応じて、施用量は、実質的な範囲内で変えることができる。植物の部分の処理において、活性化合物の施用量は、一般的に、0.1と10000g/haの間、好ましくは10と1000g/haの間である。栄養繁殖器官の処理において、活性化合物の施用量は、一般的に、栄養繁殖器官の1キログラム当たり0.001と50gの間、好ましくは、栄養繁殖器官の1キログラム当たり0.01と10gの間である。土壌の処理において、活性化合物の施用量は、一般的に、0.1と10000g/haの間、好ましくは、1と5000g/haの間である。
【0188】
良好な殺細菌剤活性は、以下の実施例によって明らかにされる。
【実施例】
【0189】
米におけるキサントモナス・カムペストリス pv.オリュザエ(Xanthomonas campestris pv.Oryzae)
フィリピン(試験場 Calauan)において、細菌のキサントモナス・カムペストリス pv.オリュザエ(Xanthomonas campestris pv.Oryzae)に対する農業条件下での噴霧施用での化合物の活性を調べるために米品種の「Mestizo」でのプロット試験を開始した。
【0190】
試験対象の製品を逐次的な噴霧施用の形態で処理した。
【0191】
個々の噴霧施用の間の間隔は、2−3週の間で変わった。
【0192】
表1による化合物I−15を、表2で以下に記載されている施用量において、製剤200で施用し、国際的に利用可能な対照製品(製品名Shirahagen、活性化合物テクロフタラム(techlofthalan)(JP−B 56140903)、10 WP)と比較した。施用噴霧量は、ヘクタール当たり300lの水であった。
【0193】
第2の噴霧施用の30日後、対照結果を評価した。評点は、プロットの部分における葉上の感染の程度の視覚的評価によった。次いで、Abbott式(Abbott、J.Econ.Entomol.(1925年)、18巻、265−267頁)を使用して効能を計算した。
【0194】
感染数は以下の表2に示されている。
【0195】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(式中、
Aは、窒素またはC−Halであり、
Bは、窒素またはC−Halであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、Halもしくはシアノで置換されているC−C−アルキル、Halもしくはシアノで置換されているC−C−アルケニル、Halもしくはシアノで置換されているC−C−シクロアルキル、またはシアノ、ハロゲン、アルコキシで置換されているフェニルであり、
は、ヒドロキシル、C−C−チオアルキル、C−C−アミノアルキル、C−C−アルコキシ、アニリン、フェノキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているC−C−アルコキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、ホルミル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよび/もしくはC−C−アルコキシカルボニルで置換されているフェノキシであり、またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−ジアルキルアミノおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているアニリンであり、
Halは、ハロゲンである。)
による化合物から選択される化合物の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用。
【請求項2】
Aが、C−Halまたは窒素であり、
Bが、窒素であり、
が、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキルであり、
が、ヒドロキシル、C−C−チオアルキル、C−C−アミノアルキル、C−C−アルコキシ、アニリン、フェノキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルで置換されているC−C−アルコキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、ホルミル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよび/もしくはC−C−アルコキシカルボニルで置換されているフェノキシであり、または
シアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−ジアルキルアミノおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているアニリンであり、
Halが、フッ素、塩素もしくは臭素である
式(I)による化合物から選択される化合物の、有用な植物における有害細菌性生物を防除するための使用。
【請求項3】
有用な植物における有害細菌性生物を防除するための、表1に記載の化合物I−1の使用。
【請求項4】
有用な植物における有害細菌性生物を防除するための、表1に記載の化合物I−2の使用。
【請求項5】
有用な植物における有害細菌性生物を防除するための、表1に記載の化合物I−12の使用。
【請求項6】
有用な植物における有害細菌性生物を防除するための、表1に記載の化合物I−15の使用。
【請求項7】
植物が、式(I)
【化2】

(式中、
Aは、窒素またはC−Halであり、
Bは、窒素またはC−Halであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、Halもしくはシアノで置換されているC−C−アルキル、Halもしくはシアノで置換されているC−C−アルケニル、Halもしくはシアノで置換されているC−C−シクロアルキル、またはシアノ、ハロゲン、アルコキシで置換されているフェニルであり、
は、ヒドロキシル、C−C−チオアルキル、C−C−アミノアルキル、C−C−アルコキシ、アニリン、フェノキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているC−C−アルコキシであり、
またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、ホルミル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよび/もしくはC−C−アルコキシカルボニルで置換されているフェノキシであり、またはシアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−ジアルキルアミノおよび/もしくはC−C−アルキルカルボニルで置換されているアニリンであり、
Halは、ハロゲンである。)
による化合物から選択される化合物で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法。
【請求項8】
植物が、表1に記載の化合物I−15で処理されることを特徴とする、有用な植物における有害細菌性生物を防除する方法。
【請求項9】
処理される植物が、遺伝子導入植物である、請求項8に記載の方法。

【公表番号】特表2012−516833(P2012−516833A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546713(P2011−546713)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000532
【国際公開番号】WO2010/089055
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(507203353)バイエル・クロップサイエンス・アーゲー (172)
【氏名又は名称原語表記】BAYER CROPSCIENCE AG
【Fターム(参考)】