説明

殺菌照明装置

【課題】使い勝手の良い殺菌照明装置を提供すること。
【解決手段】殺菌照明棒は、紫外線光を照射可能な殺菌ランプユニットと、殺菌ランプユニットに電気的に接続され、前記殺菌ランプユニットを活性化及び非活性化する制御回路と、前記殺菌ランプユニットを活性化する活性化キーと、殺菌照明棒が通常位置に対して所定角度を超えて回されたとき、前記殺菌ランプユニットを非活性化する安全スイッチと、殺菌照明棒が通常位置に対して所定角度を超えて回されたときも殺菌ランプユニットの活性化状態を維持できるように、選択的に前記安全スイッチに優先することを可能とする強制動作キーとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は殺菌用の装置に係り、特に殺菌照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯型紫外線殺菌照明装置1を図4に示す(特許文献1)。この殺菌照明装置1は持ち運びに便利であり、殺菌目的のために紫外線を照射することができる。しかしながら、その使用の際に、照明装置1の紫外線ランプ11が紫外線を発している間に誤ってユーザの顔に向けられた場合、ユーザの目が傷つけられる危険性があった。このような欠点を克服するために、安全スイッチを設けた同様の照明装置が提案されている。この安全スイッチは、ユーザの目が傷つけられるリスクを低減するため、殺菌照明装置が通常位置に対して所定角度を超えて回されたときに電源を遮断するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾実用新案公告公報第M284393号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来の殺菌照明装置における安全スイッチを使用することで、殺菌照明装置の適用範囲が狭まってしまうという問題があった。さらに、殺菌照明装置1が電池や外部電源を電源として使用した場合も、電池は頻繁な交換が必要となり、また、外部電源の供給には電源コードが必要であるため、その長さによって殺菌照明装置1の使用範囲に制約が加わる。
【0005】
本発明は、これらの問題に鑑みてなされたものであり、使い勝手の良い殺菌照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、殺菌照明棒とこの殺菌照明棒が接続可能な充電ベースとを有する殺菌照明装置であって、前記殺菌照明棒は、一方に開口部を有する筐体と、前記筐体に搭載され、前記開口部から紫外線光を照射可能な殺菌ランプユニットと、前記殺菌ランプユニットに電気的に接続された制御ユニットであって、前記筐体に設けられ、前記殺菌ランプユニットを活性化及び非活性化する制御回路と、前記筐体外部から操作可能であり、前記制御回路と接続し、前記殺菌ランプユニットを活性化するために前記制御回路を活性化することを可能とする活性化キーと、前記制御回路と接続し、前記筐体が通常位置に対して所定角度を超えて回されたとき、前記殺菌ランプユニットを非活性化するために前記制御回路を非活性化することを可能とする安全スイッチと、前記筐体外部から操作可能であり、前記制御回路と接続し、前記筐体が通常位置に対して所定角度を超えて回されたときも前記殺菌ランプユニットの活性化状態を維持できるように、選択的に前記安全スイッチに優先することを可能とする強制動作キーと、を有する制御ユニットと、電源部であって、前記筐体内に設けられ、前記制御ユニットと前記殺菌ランプユニットに電源供給可能な充電池と、前記充電池と電気的に接続され、前記筐体外部からアクセス可能な、複数の充電用接点とを有する電源部とを備え、前記充電ベースは、前記殺菌照明棒の前記筐体を取り外し可能に保持するベース本体と、前記ベース本体に設けられ、入力電力を電池充電用電力に変換可能な電源変換装置と、前記ベース本体外部からアクセス可能であって、前記電源変換装置に接続し、前記筐体が前記ベース本体に保持されたとき、前記電池充電用電力を前記充電池に供給可能とするため、前記複数の充電用接点と電気的に接続するように設けられた導電端子と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記制御ユニットが、前記活性化キーの操作に応じて、前記殺菌ランプユニットを所定時間だけ活性化することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記制御ユニットはさらに、前記制御ユニットに電気的に接続された表示ランプであって、前記制御ユニットによって、前記殺菌ランプユニットが活性化状態にあるときは第一の色の光を放ち、前記殺菌ランプユニットが活性化状態から非活性化状態に変化したとき第二の色の光を放つように制御される表示ランプを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記筐体が細長い形状であって、前記開口部が形成されたランプ搭載部と、握るためのグリップ部と備え、前記殺菌ランプユニットは前記ランプ搭載部に設けられ、前記グリップ部は前記ベース本体に取り外し可能に保持されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記ランプ搭載部が前記グリップ部から所定角度をなすように曲がっていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記ベース本体が、前記グリップ部を保持するための窪みが設けられた頂面部を有し、前記導電端子は前記窪みに設けられたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記ベース本体及び前記グリップ部のいずれか一方に位置決め突起が設けられ、前記ベース本体及び前記グリップ部のもう一方に、前記窪みに前記グリップ部が保持されたとき前記位置決め突起と嵌合する、位置決め穴が設けられたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る殺菌照明装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る殺菌照明装置の一実施形態において、殺菌照明棒部分を取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る殺菌照明装置の一実施形態の断面図である。
【図4】従来の殺菌照明装置の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1〜図3を参照して本発明の殺菌照明装置の実施形態について以下の通り説明する。本実施形態の殺菌照明装置は、紫外線を発生するための殺菌照明棒3と、充電ベース4を含んでいる。
【0016】
殺菌照明棒3は一方に開口部312を有する筐体31と、この筐体31に設けられた殺菌ランプユニット32、制御ユニット33、電源部34とを有する。
【0017】
本実施形態において、筐体31は細長い形状であって、開口部312が形成されたランプ搭載部311と、握るためのグリップ部313とを有している。殺菌ランプユニット32はランプ搭載部311に設けられる。ランプ搭載部311はグリップ部313から所定角度をなすように曲がっていることが好ましい。
【0018】
殺菌ランプユニット32は筐体31から開口部312を介して照射される紫外線を発生する。この殺菌ランプユニット32はUV−Cランプ管を使用することが好ましい。
【0019】
制御ユニット33は殺菌ランプユニット32と電気的に接続し、制御回路331、活性化キー332、安全スイッチ335及び強制動作キー333を含んでいる。制御回路331は筐体31に設けられ、殺菌ランプユニット32の活性化と非活性化を行う。活性化キー332は筐体31の外部から操作可能であり、殺菌ランプユニット32を活性化するために制御回路331を活性化することを可能としている。本実施形態において、この活性化キー332は筐体31のグリップ部313の上面に設けられている。
【0020】
安全スイッチ335は筐体31に設けられ、制御回路331と接続し、筐体31が通常位置に対して所定角度を超えて回されたとき、殺菌ランプユニット32を非活性化するために制御回路331を非活性化することを可能としている。本実施形態において、この安全スイッチ335は、所定角度を超えて傾いたときにトリガーがかかるローリング・ボール・スイッチ(rolling ball switch)であり、これによって殺菌ランプユニット32を非活性化するために制御回路331を非活性化する。
【0021】
強制動作キー333は筐体31の外部から操作可能であり、制御回路331と接続し、筐体31が通常位置に対して所定角度を超えて回されたときも殺菌ランプユニット32の活性化状態を維持できるように、選択的に安全スイッチ335に優先することを可能とする。
【0022】
本実施形態において、制御回路331は活性化キー332の操作に応じて、殺菌ランプユニット32を所定時間、例えば20分間、活性化する。
【0023】
好ましくは、制御ユニット33は更に、この制御ユニット33に電気的に接続された表示ランプ334であって、この制御ユニット33によって殺菌ランプユニット32が活性化状態にあるときは第一の色の光を放ち、殺菌ランプユニット32が活性化状態から非活性化状態に変化したとき、更に所定時間、例えば20分間、第二の色の光を放つように制御される表示ランプ334を備えている。本実施形態において、表示ランプ334は活性化キー332の下に配置されている。
【0024】
電源部34は、筐体31内に設けられ、制御ユニット33と殺菌ランプユニット32に電源供給可能な充電池341と、この充電池341と電気的に接続され、筐体31の外部からアクセス可能な、複数の充電用接点342とを有している。本実施形態において、この複数の充電用接点342は筐体31のグリップ部313の後端部底面側に設けられている。
【0025】
充電ベース4は、殺菌照明棒3の筐体31を取り外し可能に保持するベース本体41と、このベース本体41に設けられ、入力電力(例えば商用交流電源)を電池充電用電力に変換可能な電源変換装置42(例えばトランス)と、ベース本体41の外部からアクセス可能であって、電源変換装置42に接続し、筐体31がベース本体41に保持されたとき、電池充電用電力を充電池341に供給可能とするため、複数の充電用接点342と電気的に接続するように設けられた導電端子43とを有している。ベース本体41は筐体31のグリップ部313を取り外し可能に保持することが好ましい。
【0026】
本実施形態では、ベース本体41はグリップ部313を保持するための窪み410が設けられた頂面部を有し、導電端子43はこの窪み410に設けられている。
【0027】
また、本実施形態では、ベース本体41には、電源コード500と接続するための電源コネクタ44が設けられている。電源変換装置42は電源コード500と電源コネクタ44を介して入力電源を受けとる。
【0028】
なお、ベース本体41及びグリップ部313のいずれか一方に位置決め突起411が設けられ、前記ベース本体41及び前記グリップ部313のもう一方に、窪み410にグリップ部313が保持されたとき位置決め突起411と嵌合する、位置決め穴314が設けられることが好ましい。本実施形態においては、位置決め突起411は窪み410の後部から突出しており、グリップ部313の後端部に位置決め穴314が設けられている。
【0029】
本実施形態において、殺菌ランプユニット32の活性化のため、制御回路331を活性化するよう活性化キー332が操作され、殺菌照明棒3が通常位置に対して所定角度を超えて回されたとき、殺菌照明棒3からユーザの顔に向けて紫外線を発することが無いように、安全スイッチ335が起動して殺菌ランプユニット32の非活性化のため、制御回路331を非活性化する。この場合、殺菌照明棒3は180°使用範囲モードで動作している。一方、強制動作キー333が安全スイッチ335に優先するように操作されたとき、殺菌照明棒3の制御回路331も殺菌ランプユニット32も安全スイッチによりかけられる角度制限と関係なく、活性化した状態を維持することができる。この場合、殺菌照明棒3は360°使用範囲モードで動作している。
【0030】
これにより、本発明の殺菌照明装置が殺菌に用いられるとき、殺菌照明棒3のグリップ部313が握られ、活性化キー332および強制動作キー333のうち一つが操作されることによって、殺菌ランプユニット32が活性化するよう、制御回路331を活性化する。このとき、殺菌照明棒3によって生成される紫外線は、殺菌したい部位に向けて照射され、ユーザはこの殺菌動作の進行状況を表示ランプ334から放たれる第一の色の光を通じて知ることができる。所定の時間が過ぎると、殺菌ランプユニット32は非活性化され、表示ランプ334は殺菌動作の完了を示す第二の色の光を放つ。所定の時間が過ぎる前に、ユーザが殺菌動作を停止しようと考えた場合、活性化キー332または強制動作キー333をもう一度操作することで、制御回路331を非活性化してもよい。
【0031】
殺菌照明棒3を何度か使用すると、充電池341の電源がそれ以上の動作に十分でなくなることが考えられる。電源コード500を充電ベース4の電源コネクタ44に接続して、殺菌照明棒3のグリップ部313が窪み410に取り外し可能に保持され、導電端子43が充電用接点342との電気的接続を確立し、充電ベース4上の殺菌照明棒3の位置決めのため、位置決め突起411がグリップ部313の位置決め穴314と嵌合する。このとき、充電ベース4からの充電電源が充電池341の充電に用いられる。更に、殺菌照明棒3は充電ベース4に保持されている間も殺菌動作を行うようにしてもよい。ユーザが殺菌照明棒3を持つ必要が無いため、長時間の局所的な殺菌動作に適している。
【0032】
以上、説明したように、本発明の殺菌照明装置の殺菌照明棒3と充電ベース4によって、殺菌照明棒3を簡単に充電することができる。また、充電ベース4が殺菌照明棒3を保持した状態は、長時間の局所的な殺菌動作にも使用できる。その上、制御回路331、活性化キー332、安全スイッチ335、強制動作キー333を含んだ制御ユニット33により、殺菌照明棒3はその操作において安全スイッチ335によって角度的な制限がかけられる180°使用範囲モード、または安全スイッチ335によってかけられる角度的な制限が強制動作キー333によって解除される360°使用範囲モードとで使用可能である。
【0033】
本発明について、最も実用的かつ好ましい実施形態により以上の通り説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、すべての修正や同様の形態を包含するように、最も広い解釈の精神と範囲内の様々な形態を含んでいると理解すべきものである。
【符号の説明】
【0034】
3 殺菌照明棒
31 筐体
311 ランプ搭載部
312 開口部
313 グリップ部
314 位置決め穴
32 殺菌ランプユニット
33 制御ユニット
331 制御回路
332 活性化キー
333 強制動作キー
334 表示ランプ
335 安全スイッチ
34 電源部
341 充電池
342 充電用接点
4 充電ベース
41 ベース本体
410 窪み
411 位置決め突起
42 電源変換装置
43 導電端子
44 電源コネクタ
500 電源コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌照明棒とこの殺菌照明棒が接続可能な充電ベースとを有する殺菌照明装置であって、前記殺菌照明棒は、
一方に開口部を有する筐体と、
前記筐体に搭載され、前記開口部から紫外線光を照射可能な殺菌ランプユニットと、
前記殺菌ランプユニットに電気的に接続された制御ユニットであって、
前記筐体に設けられ、前記殺菌ランプユニットを活性化及び非活性化する制御回路と、
前記筐体外部から操作可能であり、前記制御回路と接続し、前記殺菌ランプユニットを活性化するために前記制御回路を活性化することを可能とする活性化キーと、
前記制御回路と接続し、前記筐体が通常位置に対して所定角度を超えて回されたとき、前記殺菌ランプユニットを非活性化するために前記制御回路を非活性化することを可能とする安全スイッチと、
前記筐体外部から操作可能であり、前記制御回路と接続し、前記筐体が通常位置に対して所定角度を超えて回されたときも前記殺菌ランプユニットの活性化状態を維持できるように、選択的に前記安全スイッチに優先することを可能とする強制動作キーと、
を有する制御ユニットと、
電源部であって、
前記筐体内に設けられ、前記制御ユニットと前記殺菌ランプユニットに電源供給可能な充電池と、
前記充電池と電気的に接続され、前記筐体外部からアクセス可能な、複数の充電用接点と
を有する電源部と
を備え、
前記充電ベースは、
前記殺菌照明棒の前記筐体を取り外し可能に保持するベース本体と、
前記ベース本体に設けられ、入力電力を電池充電用電力に変換可能な電源変換装置と、
前記ベース本体外部からアクセス可能であって、前記電源変換装置に接続し、前記筐体が前記ベース本体に保持されたとき、前記電池充電用電力を前記充電池に供給可能とするため、前記複数の充電用接点と電気的に接続するように設けられた導電端子と、
を備えたことを特徴とする殺菌照明装置。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記活性化キーの操作に応じて、前記殺菌ランプユニットを所定時間だけ活性化することを特徴とする請求項1記載の殺菌照明装置。
【請求項3】
前記制御ユニットはさらに、
前記制御ユニットに電気的に接続された表示ランプであって、前記制御ユニットによって、前記殺菌ランプユニットが活性化状態にあるときは第一の色の光を放ち、前記殺菌ランプユニットが活性化状態から非活性化状態に変化したとき第二の色の光を放つように制御される表示ランプを備えたことを特徴とする請求項2記載の殺菌照明装置。
【請求項4】
前記筐体は細長い形状であって、前記開口部が形成されたランプ搭載部と、握るためのグリップ部と備え、前記殺菌ランプユニットは前記ランプ搭載部に設けられ、前記グリップ部は前記ベース本体に取り外し可能に保持されることを特徴とする請求項1記載の殺菌照明装置。
【請求項5】
前記ランプ搭載部は前記グリップ部から所定角度をなすように曲がっていることを特徴とする請求項4記載の殺菌照明装置。
【請求項6】
前記ベース本体は、前記グリップ部を保持するための窪みが設けられた頂面部を有し、前記導電端子は前記窪みに設けられたことを特徴とする請求項4記載の殺菌照明装置。
【請求項7】
前記ベース本体及び前記グリップ部のいずれか一方に位置決め突起が設けられ、前記ベース本体及び前記グリップ部のもう一方に、前記窪みに前記グリップ部が保持されたとき前記位置決め突起と嵌合する、位置決め穴が設けられたことを特徴とする請求項6記載の殺菌照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−85739(P2012−85739A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233683(P2010−233683)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(510277006)シノ・マインド・グループ・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SINO MIND GROUP LIMITED
【Fターム(参考)】