説明

殺菌組成物

【課題】特に藻菌(卵菌)類による植物病害の防除に優れた効果を示す殺菌組成物を提供する。
【解決手段】(I)一般式 (1)


〔式中、Xは酸素原子等を表し、R1,R2は水素原子、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C2−4アルケニル基、又はアルキニル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基又はシアノ基を表し、R3は水素原子、C1−3アルキル基又はシアノ基を表し、R4はC1−3アルキル基を表し、R5はC1−4アルキル基、C3−4アルケニル基又はアルキニル基を表す。〕で示されるアミド化合物と、(II)アミノ酸アミドカーバメート化合物とを有効成分として含有することを特徴とする殺菌組成物等。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌組成物、特に藻菌(卵菌)類による植物病害の防除に優れた効果を示す 殺菌組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来数多くの殺菌剤が知られているが、特に藻菌(卵菌)類による植物病害の多くは一旦発病すると病徴の伸展が急激であること、二次感染によって急速に病原菌が蔓延すること等から、当該病害を充分に防除することは必ずしも容易なことではない場合が存在しており、このような藻菌(卵菌)類による植物病害の防除に優れた効果を示す殺菌組成物等が求められていた。
【0003】
【非特許文献1】The Pesticide Manual、Thirteenth Edition (edited by Clive Tomlin,published by The British Crop Protection Council and The Royal Society of Chemistry、2003)、79頁、580頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に藻菌(卵菌)類による植物病害の防除に優れた効果を示す殺菌組成物を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、
1.(I)一般式 化1
【0006】
【化1】

【0007】
〔式中、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、R1は水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4アルキニル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4ハロアルコキシ基又はシアノ基を表し、R2は水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基若しくはC2−C4アルキニル基を表すか、又はR1とR2とが一緒になってC3−C5ポリメチレン基若しくは1,3−ブタジエン−1,4ジイル基を表し、R3は水素原子、C1−C3アルキル基又はシアノ基を表し、
R4はC1−C3アルキル基を表し、R5はC1−C4アルキル基、C3−C4アルケニル基又はC3−C4アルキニル基を表す。]
で示されるアミド化合物(以下、化合物(I)と記すこともある。)と、(II)アミノ酸アミドカーバメート化合物(以下、化合物(II)と記すこともある。)とを有効成分として含有することを特徴とする殺菌組成物(以下、本発明組成物と記すこともある。);
2.(I)請求項1記載の一般式 化1で示されるアミド化合物において、Xは酸素原子又は硫黄原子であり、R1はハロゲン原子又はC1−C2アルキル基であり、R2は水素原子、ハロゲン原子若しくはC1−C2アルキル基であるか、又はR1とR2とが一緒になってC3−C4ポリメチレン基若しくは1,3−ブタジエン−1,4ジイル基であり、R3は水素原子であり、R4はC1−C2アルキル基であり、R5はC3アルキニル基であるアミド化合物と、(II)アミノ酸アミドカーバメート化合物とを有効成分として含有することを特徴とする殺菌組成物;
3.(I)請求項1記載の一般式 化1で示されるアミド化合物において、Xは酸素原子であり、R1は水素原子、ハロゲン原子又はC1−C2アルキル基であり、R2は水素原子若しくはハロゲン原子であるか、又はR1とR2とが一緒になってC3−C4ポリメチレン基若しくは1,3−ブタジエン−1,4ジイル基であり、R3はシアノ基であり、R4はC1−C2アルキル基であり、R5はC1−C2アルキル基、C3アルケニル基又はC3アルキニル基であるアミド化合物と、(II)アミノ酸アミドカーバメート化合物とを有効成分として含有することを特徴とする殺菌組成物;
等を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明組成物は、植物病害の防除に優れた効果を有し、特にべと病、疫病等の藻菌(卵菌)類による植物病害の防除に優れた効果を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
まず、化合物(I)について説明する。
一般式 化1において、
で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、C1−C4アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基が挙げられ,C1−C2アルキル基としては、メチル基及びエチル基が挙げられ,C1−C4ハロアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基及びトリフルオロメチル基が挙げられ、C2−C4アルケニル基としては、例えばビニル基、1−メチルビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、2−ブテニル基及び3−ブテニル基が挙げられ、C2−C4アルキニル基としては、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−ブチニル基及び3−ブチニル基が挙げられ、C1−C4アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基及びtert−ブトキシ基が挙げられ、C1−C4ハロアルコキシ基としては、例えばフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基及び2−フルオロエトキシ基が挙げられる。
で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、C1−C4アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基が挙げられ、C1−C2アルキル基としては、メチル基及びエチル基が挙げられ、C1−C4ハロアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基及びトリフルオロメチル基が挙げられ、C2−C4アルケニル基としては、例えばビニル基、1−メチルビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、2−ブテニル基及び3−ブテニル基が挙げられ、C2−C4アルキニル基としては、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−ブチニル基及び3−ブチニル基が挙げられる。
とRとが一緒になったC3−C5ポリメチレン基としては、トリメチレン基、テトラメチレン基及びペンタメチレン基が挙げられ、C3−C4ポリメチレン基としては、トリメチレン基及びテトラメチレン基が挙げられる。
で示されるC1−C3アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。
で示されるC1−C3アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基が挙げられ、C1−C2アルキル基としては、メチル基及びエチル基が挙げられる。
で示されるC1−C4アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基が挙げられ、C1−C2アルキル基としては、メチル基及びエチル基が挙げられ、C3−C4アルケニル基としては、例えば2−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基が挙げられ、C3アルケニル基としては、2−プロペニル基が挙げられ、C3−C4アルキニル基としては、2−プロピニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基が挙げられる、C3アルキニル基としては、2−プロピニル基が挙げられる。
Xとしては酸素原子又は硫黄原子があげられる。
【0010】
本発明組成物における化合物(I)のうち、Xは酸素原子又は硫黄原子であり、R1はハロゲン原子又はC1−C2アルキル基であり、R2は水素原子、ハロゲン原子若しくはC1−C2アルキル基であるか、又はR1とR2とが一緒になってC3−C4ポリメチレン基若しくは1,3−ブタジエン−1,4ジイル基であり、R3は水素原子であり、R4はC1−C2アルキル基であり、R5はC3アルキニル基であるアミド化合物を好ましいものとして挙げることができる。
また、本発明組成物における化合物(I)のうち、Xは酸素原子であり、R1は水素原子、ハロゲン原子又はC1−C2アルキル基であり、R2は水素原子若しくはハロゲン原子であるか、又はR1とR2とが一緒になってC3−C4ポリメチレン基若しくは1,3−ブタジエン−1,4ジイル基であり、R3はシアノ基であり、R4はC1−C2アルキル基であり、R5はC1−C2アルキル基、C3アルケニル基又はC3アルキニル基であるアミド化合物も好ましいものとしてあげることができる。
【0011】
化合物(I)の具体例を化合物番号と共に表1に示す。(前記一般式 化1で示される化合物の各置換基の定義で示す。)
【0012】
【表1】

【0013】
次に、化合物(I)の製造例を示す。
化合物(I)のうち、Xが酸素原子である化合物(2−1)及びXが硫黄原子である化合物(2−2)は、例えば下記のスキーム(化2)に従って製造することができる。
【0014】
【化2】

【0015】
〔式中、Rはメチル基、エチル基又はプロピル基を表し、L塩素原子又は臭素原子を表し、Lはハロゲン原子を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4アルキニル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4ハロアルコキシ基又はシアノ基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基若しくはC2−C4アルキニル基を表すか、又はRとRとが一緒になってC3−C5ポリメチレン基若しくは1,3−ブタジエン−1,4ジイル基を表し、Rは水素原子、C1−C3アルキル基又はシアノ基を表し、
はC1−C3アルキル基を表し、RはC1−C4アルキル基、C3−C4アルケニル基又はC3−C4アルキニル基を表す。〕
【0016】
工程((1)−1)
式(5)で示される化合物は、式(3)で示される化合物と式(4)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
当該反応は、溶媒の存在下又は非存在下、通常塩基の存在下で行われる。
当該反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
当該反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素物、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられる。
当該反応に用いられる試剤の量は、式(3)で示される化合物1モルに対して塩基が通常1〜10モルの割合、式(4)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。
当該反応の反応温度は、通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(5)で示される化合物を単離することができる。単離された式(5)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0017】
工程((1)−2)
式(7)で示される化合物は、式(5)で示される化合物と式(6)で示される化合物を反応させることにより製造することができる。
当該反応は、溶媒の存在下、塩基の存在下で行われる。
当該反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、水及びこれらの混合物が挙げられる。
当該反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムターシャリーブトキシド等の金属アルコキシドが挙げられる。
当該反応に用いられる試剤の量は、式(5)で示される化合物1モルに対して塩基が通常1〜10モルの割合、式(6)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。
当該反応の反応温度は、通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(7)で示される化合物を単離することができる。単離された式(7)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0018】
工程((1)−3)
式(8)で示される化合物は、水素化触媒の存在下、式(7)で示される化合物と水素とを反応させることにより製造することができる。
当該反応は通常水素雰囲気下、通常溶媒の存在下で行われる。
当該反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類及びこれらの混合物が挙げられる。
当該反応に用いられる水素化触媒としては、例えばパラジウム炭素、水酸化パラジウム、ラネーニッケル、酸化白金等の遷移金属化合物が挙げられる。
当該反応に用いられる水素化触媒の量は、式(7)で示される化合物1モルに対して通常0.001〜0.5モルの割合である。
当該反応は、通常1〜100気圧の水素雰囲気下で行われる。
当該反応は、さらに必要に応じて酸(塩酸等)を加えて行うこともできる。
当該反応の反応温度は通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を濾過し、濾液を有機溶媒抽出して、得られた有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(8)で示される化合物を単離することができる。単離された式(8)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0019】
工程((1)−4)
式(10)で示される化合物は、式(8)で示される化合物と式(9)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
当該反応は、溶媒の存在下又は非存在下、通常塩基の存在下で行われる。
当該反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
当該反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられる。
当該反応に用いられる試剤の量は、式(8)で示される化合物1モルに対して塩基が通常1〜10モルの割合、式(9)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。
当該反応の反応温度は、通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に必要に応じて有機溶媒を加えてから濾過し、濾液を濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(10)で示される化合物を単離することができる。単離された式(10)で示される化合物は、蒸留、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0020】
工程((1)−5)
式(11)で示される化合物は式(10)で示される化合物を塩基の存在下で、水と反応させることにより製造することができる。
当該反応は通常水及び有機溶媒の存在下で行われる。
当該反応に用いられる有機溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類及びこれらの混合物が挙げられる。
当該反応に用いられる塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。
当該反応に用いられる塩基の量は、式(10)で示される化合物1モルに対して、通常1〜10モルの割合である。
当該反応の反応温度は、通常0〜150℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に酸性水(塩酸等)を加えて有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(11)で示される化合物を単離することができる。単離された式(11)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできるが、そのまま次の工程に用いることもできる。
【0021】
工程((1)−6)
式(12)で示される化合物は、式(11)で示される化合物と塩素化剤とを反応させることにより製造することができる。
当該反応は溶媒の存在下又は非存在下で行われる。
当該反応において溶媒を用いる場合、用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類及びこれらの混合物が挙げられる。
当該反応に用いられる塩素化剤としては、例えば塩化チオニル、塩化オキサリル及びオキシ塩化リンが挙げられる。
当該反応に用いられる試剤の量は、式(11)で示される化合物1モルに対して、塩素化剤が通常1〜100モルの割合で用いられる。
当該反応の反応温度は通常30〜150℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物をそのまま濃縮する等の操作を行うことにより、式(12)で示される化合物を単離することができる。単離された式(12)で示される化合物は通常精製することなく次の工程の反応に用いられる。
【0022】
工程((1)−7)
式(2−1)で示される化合物は、式(12)で示される化合物に(13)で示される化合物を反応させることにより製造することができる。
当該反応は、通常溶媒の存在下、通常塩基の存在下で行われる。
当該反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
当該反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられる。
当該反応に用いられる試剤の量は、式(12)で示される化合物1モルに対して塩基が通常1〜10モルの割合、式(13)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。 当該反応の反応温度は、通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、(i)反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を必要に応じて酸性水(希塩酸等)、塩基性水(炭酸水素ナトリウム水溶液等)で洗浄してから、乾燥、濃縮する、又は(ii)反応混合物に少量の水を加えてから減圧下濃縮し、得られた固体を濾集する等の後処理操作を行うことにより、式(2−1)で示される化合物を単離することができる。単離された式(2−1)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0023】
工程((1)−8)
式(2−1)で示される化合物は、式(11)で示される化合物に脱水剤の存在下で、(13)で示される化合物を反応させることにより、製造することもできる。
当該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
当該反応に用いられる溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ピリジン、キノリン等の含窒素芳香族化合物及びこれらの混合物があげられる。
当該反応に用いられる脱水剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下、WSCと記す)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド類があげられる。
当該反応に用いられる試剤の量は、式(11)で示される化合物1モルに対して、式(13)で示される化合物が通常1〜3モルの割合であり、脱水剤が通常1〜5モルの割合である。
当該反応の反応温度は、通常0〜140℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、(i)反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を必要に応じて酸性水(希塩酸等)、塩基性水(炭酸水素ナトリウム水溶液等)で洗浄してから、乾燥、濃縮する、又は(ii)反応混合物に少量の水を加えてから減圧下濃縮し、得られた固体を濾集する等の後処理操作を行うことにより、式(2−1)で示される化合物を単離することができる。単離された式(2−1)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0024】
工程((1)−9)
式(2−2)で示される化合物は式(2−1)で示される化合物と2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(以下、ローソン試薬と記す。)とを反応させることにより製造することができる。
当該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
当該反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
当該反応に用いられるローソン試薬の量は、式(2−1)で示される化合物1モルに対して通常1〜10モルの割合である。
当該反応の反応温度は、通常50〜150℃の範囲であり、反応時間は通常0.5〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に水を注加して有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(2−2)で示される化合物を単離することができる。単離された式(2−2)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0025】
化合物(I)のうち、Xが酸素原子であり、Rがシアノ基である化合物(2−3)は、例えば下記のスキーム(化3)に従って製造することもできる。
【0026】
【化3】

〔式中、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表す。〕
【0027】
工程((2)−1)
式(15)で示される化合物は、例えばTetrahedron Letters,vol.25,No.41,pp.4583−4586,1984又は米国特許US4041045号に記載された化合物であるか又はこれらの文献に記載された方法に準じて製造することもできる。式(15)で示される化合物は単離することができるが、そのまま次の工程で使用することもでき、塩酸と混合することで塩酸塩として取り出すこともできる。
【0028】
工程((2)−2)
式(2−3)で示される化合物は、式(11)で示される化合物に脱水剤の存在下で式(15)で示される化合物を反応させることにより、製造することもできる。
当該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
当該反応に用いられる溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ピリジン、キノリン等の含窒素芳香族化合物及びこれらの混合物があげられる。
当該反応に用いられる脱水剤としては、WSC、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド類があげられる。
当該反応に用いられる試剤の量は、式(11)で示される化合物1モルに対して、式(15)で示される化合物が通常1〜3モルの割合であり、脱水剤が通常1〜5モルの割合である。
当該反応の反応温度は、通常0〜140℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、(i)反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を必要に応じて酸性水(希塩酸等)、塩基性水(炭酸水素ナトリウム水溶液等)で洗浄してから、乾燥、濃縮する、又は(ii)反応混合物に少量の水を加えてから減圧下濃縮し、得られた固体を濾集する等の後処理操作を行うことにより、式(2−3)で示される化合物を単離することができる。単離された式(2−3)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0029】
工程((2)−3)
式(2−3)で示される化合物は、式(15)で示される化合物に塩基の存在下で、(12)で示される化合物を反応させることにより製造することもできる。
当該反応は、通常溶媒の存在下、通常塩基の存在下で行われる。
当該反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
当該反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられる。
当該反応に用いられる試剤の量は、式(12)で示される化合物1モルに対して塩基が通常1〜10モルの割合、式(15)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。 当該反応の反応温度は、通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、(i)反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を必要に応じて酸性水(希塩酸等)、塩基性水(炭酸水素ナトリウム水溶液等)で洗浄してから、乾燥、濃縮する、又は(ii)反応混合物に少量の水を加えてから減圧下濃縮し、得られた固体を濾集する等の後処理操作を行うことにより、式(2−3)で示される化合物を単離することができる。単離された式(2−3)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0030】
式(13)で示される化合物は、例えば式(16)で示される化合物をシアン化物、アンモニウム塩及びアンモニアと反応させる(化4)ことにより製造することができる。
【0031】
【化4】

【0032】
〔式中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。〕
当該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
当該反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、水及びこれらの混合物が挙げられる。
当該反応に用いられるシアン化合物としては、例えばシアン化ナトリウム、シアン化カリウムが挙げられる。
当該反応に用いられるアンモニウム塩としては、例えば塩化アンモニウム、臭化アンモニウムが挙げられる。
当該反応に用いられる試剤の量は、式(16)で示される化合物1モルに対して、シアン化物が通常1〜5モルの割合、アンモニウム塩が通常1〜5モルの割合、アンモニアが通常1〜大過剰モルの割合である。
当該反応の反応温度は通常−10〜100℃の範囲であり、反応時間は通常1〜50時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に必要に応じて有機溶媒を加えて抽出し、有機層を濃縮する等の操作を行うことにより、式(13)で示される化合物を単離することができるが、塩酸と混合することで塩酸塩として取り出すこともできる。
【0033】
以下、本発明組成物において用いられる化合物(I)の製造例をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例のみに限定されるものではない。
【0034】
製造例1〔化合物(I−1)の製造例〕
3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)アクリル酸50g、5%パラジウム炭素0.5g、36%塩酸約0.05g、エタノール250ml及びテトラヒドロフラン100mlを混合し、水素雰囲気下で撹拌した。水素ガスの吸収が停止した後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧下濃縮することにより、3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピオン酸52gを得た。
【0035】
3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピオン酸
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm):6.83(1H, dd, J=7.3Hz、0.8Hz)、6.70〜6.81(2H, m)、3.86(3H, s)、2.88(2H, t, J=7.6Hz)、2.65(2H, t, J=7.6Hz)
3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピオン酸50g、臭化プロパルギル50ml、炭酸カリウム88g及びアセトニトリル500mlを混合し、80℃で3時間撹拌した。その後、反応混合物を室温付近まで放冷し、酢酸エチルを加えて濾過した。濾液を減圧下濃縮することにより、3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオン酸2−プロピニル67gを得た。
3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオン酸2−プロピニル
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm):6.96(1H, d, J=7.8Hz)、6.68〜6.75(2H, m)、4.73(2H, d, J=2.2Hz)、4.68(2H, d, J=2.2Hz)、3.87(3H, s)、2.93(2H, t, J=7.3Hz)、2.67(2H, t, J=7.3Hz)、2.47〜2.50(2H, m)
【0036】
3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオン酸2−プロピニル67g、水酸化リチウム8.08g、テトラヒドロフラン400ml及び水200mlを混合し、65℃で3時間撹拌した。その後、反応混合物を室温付近まで放冷してから水を加え、減圧下濃縮した。残渣に5%塩酸を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をヘキサンで洗浄することにより、3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオン酸51gを得た。
3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオン酸
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm):6.96(1H, d, J=8.2Hz)、6.73〜6.75(2H, m)、4.73(2H, d, J=2.4Hz)、3.85(3H, s)、2.91(2H, t, J=8Hz)、2.67(2H, t, J=8Hz)、2.49(1H, t, J=2.4Hz)
【0037】
3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオン酸12.7g、塩化チオニル4.3ml、トルエン100ml及びN,N−ジメチルホルムアミド約0.05gを混合し、80℃で30分間撹拌した。その後、室温付近まで放冷した反応混合物を減圧下濃縮することにより、3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオン酸塩化物14.6gを粗生成物として得た。
3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオン酸塩化物
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm):6.97(1H, d ,J=8.8Hz)、6.72〜6.74(2H, m)、4.73(2H, d, J=2.4Hz)、3.87(3H, s)、3.19(2H, t, J=7.2Hz)、2.99(2H, t, J=7.2Hz)、2.49(1H, t, J=2.4Hz)
【0038】
3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパン酸塩化物200mgと4−メチルベンジルアミン99mg、トリエチルアミン0.45ml及びテトラヒドロフラン5mlを混合し、室温で1時間攪拌した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで精製することにより、N−(4−メチルベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド204mgを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.11 (2H, d, J=8.0 Hz), 7.05 (2H, d, J=8.0 Hz), 6.94 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.71−6.75 (2H, m), 5.53 (1H, br.s), 4.73 (2H, d, J=2.4 Hz), 4.36 (2H, d, J=5.5 Hz), 3.82 (3H, s), 2.94 (2H, t, J=7.5 Hz), 2.46−2.50 (3H, m), 2.32 (3H, s)
【0039】
製造例2〔化合物(I−2)の製造例〕
3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパン酸塩化物632mgと3,4−ジメチルベンジルアミン338mg、トリエチルアミン379mg及びテトラヒドロフラン7mlを混合し、室温で1時間攪拌した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をヘキサンで洗浄して、N−(3,4−ジメチルベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド830mgを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.06 (1H, d, J=7.5 Hz), 6.88−7.00 (3H, m), 6.75 (1H, d, J=1.9 Hz), 6.73 (1H, dd, J=8.0 Hz, 1.9 Hz), 5.51 (1H, br.s), 4.73 (2H, d, J=2.4 Hz), 4.34 (2H, d, J=5.3 Hz), 3.82 (3H, s), 2.94 (2H, t, J=7.3 Hz), 2.44−2.51 (3H, m), 2.23 (6H, s)
【0040】
製造例3〔化合物(I−3)の製造例〕
N−(4−メチルベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド0.40g、ローソン試薬0.53g及びテトラヒドロフラン10mlを混合し、65℃で3時間攪拌した。その後、反応混合物を冷却し、減圧下濃縮した。残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで精製することにより、N−(4−メチルベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンチオアミド0.38gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.12 (2H, d, J=7.8 Hz), 6.91−7.02 (3H, m), 6.92 (1H, d, J=8.2 Hz), 6.75 (1H, d, J=1.9 Hz), 6.72 (1H, dd, J=8.2 Hz, 1.9 Hz), 4.72 (2H, d, J=2 Hz), 4.66 (2H, d, J=4.8 Hz), 3.82 (3H, s), 3.08 (2H, t, J=7.2 Hz), 2.97 (2H, t, J=7.2 Hz), 2.48 (1H, t, J=2 Hz), 2.33 (3H, s)
【0041】
製造例4〔化合物(I−4)の製造例〕
N−(3,4−ジメチルベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド0.43gとローソン試薬0.36gとを用いて製造例3と同様の操作を行い、N−(3,4−ジメチルベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンチオアミド)345mgを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.08 (1H, d, J=7.8 Hz), 7.01 (1H, br.s), 6.84−6.96 (3H, m), 6.76 (1H, d, J=1.9 Hz), 6.72 (1H, dd, J=8.1 Hz, 1.9 Hz), 4.72 (2H, d, J=2.2 Hz), 4.63 (2H, d, J=4.8 Hz), 3.82 (3H, s), 3.08 (2H, t, J=7.3 Hz), 2.91 (2H, t, J=7.3 Hz), 2.47 (1H, t, J=2.4 Hz), 2.43 (3H, s), 2.23 (3H, s)
【0042】
製造例5〔化合物(I−5)の製造例〕
2−アミノ−2−フェニルアセトニトリル塩酸塩0.33g、ジイソプロピルエチルアミン0.88ml及びテトラヒドロフラン10mlとを混合し、0〜5℃で3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオン酸塩化物0.50gとテトラヒドロフラン3mlの混合液を加え、次いで室温で1時間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下濃縮し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで精製することにより、N−(1−フェニル−1−シアノメチル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオンアミド0.39gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.38−7.41 (3H, m), 7.31−7.34 (2H, m), 6.95 (1H, d, J=8.2 Hz), 6.70−6.73 (2H, m), 6.10 (1H, d, J=8.5 Hz), 5.80 (1H, br.d), 4.73 (2H, d, J=2.4 Hz), 3.83 (3H, s), 2.96 (2H, t, J=7.3 Hz), 2.48−2.62 (3H, m)
【0043】
製造例6〔化合物(I−9)の製造例〕
4−エチルベンズアルデヒド0.53g、トリメチルシリルシアニド0.55ml及びヨウ化亜鉛0.03gを混合し、室温で15分間撹拌した後、ここに10%アンモニアのメタノール溶液1mlを加え、40℃で2時間撹拌した。室温まで放冷した混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣にジイソプロピルエチルアミン0.68ml及びテトラヒドロフラン10mlを加え、ここに3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオン酸塩化物0.50gとテトラヒドロフラン3mlとの混合溶液を0〜5℃で加え、室温で1時間撹拌した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで精製することにより、N−{1−(4−エチルフェニル)−1−シアノメチル}−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオンアミド0.73gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.20−7.25 (4H, m), 6.94 (1H, d, J=7.8 Hz), 6.70−6.72 (2H, m), 6.04 (1H, d, J=8.3 Hz), 5.83 (1H, br.d), 4.73 (2H, d, J=2.4 Hz), 3.82 (3H, s), 2.96 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.66 (2H, q, J=7.6 Hz), 2.46−2.58 (3H, m), 1.23 (3H, t, J=7.6 Hz)
【0044】
製造例7〔化合物(I−7)の製造例〕
2−アミノ−2−(4−メチルフェニル)アセトニトリル塩酸塩0.27gと3−(3−メトキシ−4−エトキシフェニル)プロピオン酸0.30g及びピリジン5.8mlを混合し、この混合液にWSC244mgを加え、室温で1.5時間攪拌した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸、水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラム精製に付し、N−{1−(4−メチルフェニル)−1−シアノメチル}−3−(3−メトキシ−4−エトキシフェニル)プロピオンアミド0.24gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.17−7.22 (4H, m), 6.77 (1H, d, J=7.9 Hz), 6.67−6.70 (2H, m), 6.04 (1H, d, J=7.9 Hz), 5.75 (1H, br.d, J=7.9 Hz), 4.06 (2H, q, J=7.1 Hz), 3.83 (3H, s), 2.94 (2H, t, J=7.1 Hz), 2.46−2.59 (2H, m), 2.36 (3H, s), 1.45 (3H, t, J=7.1 Hz)
【0045】
製造例8〔化合物(I−8)の製造例〕
3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパン酸塩化物0.30gと4−エチルベンジルアミン0.16gとを用いて製造例2と同様の操作を行い、N−(4−エチルベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド0.40gを得た
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.08−7.15 (4H, m), 6.94 (1H, d, J=8.1 Hz), 6.72−6.75 (2H, m), 5.55 (1H, br.s), 4.73 (2H, d, J=2.2 Hz), 4.37 (2H, d, J=5.6 Hz), 3.82 (3H, s), 2.95 (2H, t, J=7.3 Hz), 2.63 (2H, q, J=7 Hz), 2.47−2.50 (3H, m), 1.22 (3H, t, J=7 Hz)
【0046】
製造例9〔化合物(I−6)の製造例〕
製造例16と同様の方法で、4−メチルベンズアルデヒド5.0gから2−アミノ−2−(4−メチルフェニル)アセトニトリル塩酸塩2.2gを得た。
1H−NMR (CD3SOCD3, TMS) デルタ (ppm): 9.51 (3H, br.s), 7.54 (2H, d, J=8.2 Hz), 7.35 (2H, d, J=8.2 Hz), 5.90 (1H, s), 2.35 (3H, s)
【0047】
2−アミノ−2−(4−メチルフェニル)アセトニトリル塩酸塩0.40gと3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオン酸塩化物0.50gとを反応させることにより、N−{1−(4−メチルフェニル)−1−シアノメチル}−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオンアミド0.54gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.19−7.23 (4H, m), 6.94 (1H, d, J=7.8 Hz), 6.70−6.72 (2H, m), 6.04 (1H, d, J=8.2 Hz), 5.75 (1H, br.d, J=8.2 Hz), 4.73 (2H, d, J=2.2 Hz), 3.83 (3H, s), 2.95 (2H, t, J=7.5 Hz), 2.46−2.60 (3H, m), 2.36 (3H, s)
【0048】
製造例10〔化合物(I−10)の製造例〕
3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパン酸塩化物200mg、4−クロロベンジルアミン112mg、トリエチルアミン0.17ml及びテトラヒドロフラン5mlを混合し、室温で30分間攪拌した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をヘキサンで洗浄することにより、N−(4−クロロベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド212mgを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.25−7.27 (2H, m), 7.05 (2H, d, J=8.2 Hz), 6.94 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.71−6.74 (2H, m), 5.59 (1H, br.s), 4.73 (2H, d, J=2.5 Hz), 4.36 (2H, d, J=5.9 Hz), 3.82 (3H, s), 2.94 (2H, t, J=7.5 Hz), 2.45−2.52 (3H, m)
【0049】
製造例11〔化合物(I−11)の製造例〕
3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパン酸塩化物300mgと3,4−ジクロロベンジルアミン209mgとを用いて製造例10と同様の操作を行い、N−(3,4−ジクロロベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド430mgを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.35 (1H, d, J=8.2 Hz), 7.28 (1H, d, J=1.9 Hz), 6.93−6.99 (2H, m), 6.71−6.74 (2H, m), 5.64 (1H, br.s), 4.73 (2H, d, J=2.4 Hz), 4.34 (2H, d, J=6.1 Hz), 3.83 (3H, s), 2.95 (2H, t, J=7.5 Hz), 2.48−2.54 (3H, m)
【0050】
製造例12〔化合物(I−12)の製造例〕
3−{3−エトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパン酸塩化物0.81g、4−クロロベンジルアミン0.46g、トリエチルアミン0.64ml及びテトラヒドロフラン10mlとを混合し、室温で20分間攪拌した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで精製することにより、N−(4−クロロベンジル)−3−{3−エトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド0.79gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.24−7.26 (2H, m), 7.04−7.06 (2H, m), 6.95 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.70−6.74 (2H, m), 5.60 (1H, br.s), 4.74 (2H, d, J=2.4 Hz), 4.35 (2H, d, J=5.8 Hz), 4.02 (2H, q, J=7 Hz), 2.92 (2H, t, J=7.5 Hz), 2.27−2.51 (3H, m), 1.42 (3H, t, J=7 Hz)
【0051】
製造例13〔化合物(I−13)の製造例〕
N−(4−クロロベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド0.59g、ローソン試薬0.67g及びテトラヒドロフラン10mlを混合し、65℃で3時間攪拌した。その後、反応混合物を冷却し、減圧下濃縮した。残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を3%水酸化ナトリウム水、5%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで精製することにより、N−(4−クロロベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンチオアミド0.59gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.26−7.29 (2H, m), 6.99−7.06 (3H, m), 6.92 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.70−6.75 (2H, m), 4.73 (2H, d, J=2 Hz), 4.70 (2H, d, J=5.3 Hz), 3.82 (3H, s), 3.09 (2H, t, J=7.2 Hz), 2.97 (2H, t, J=7.2 Hz), 2.49 (1H, t, J=2 Hz)
【0052】
製造例14〔化合物(I−14)の製造例〕
N−(3,4−ジクロロベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド0.40g、ローソン試薬0.45g及びテトラヒドロフラン15mlを混合し、65℃で3時間攪拌した。その後、反応混合物を冷却し、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで精製することにより、N−(3,4−ジクロロベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンチオアミド0.42gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.34 (1H, d, J=8.2 Hz), 7.28 (1H, d, J=2.2 Hz), 7.12 (1H, br.s), 6.89−6.99 (2H, m), 6.71−6.75 (2H, m)4.70−4.73 (4H, m), 3.82 (3H, s), 3.09 (2H, t, J=7.5 Hz), 2.96 (2H, t, J=7.5 Hz), 2.49 (1H, t, J=2.1 Hz)
【0053】
製造例15〔化合物(I−15)の製造例〕
N−(4−クロロベンジル)−3−{3−エトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド425mgとローソン試薬330mgとを用いて製造例13と同様の操作を行い、N−(4−クロロベンジル)−3−{3−エトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンチオアミド360mgを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.41 (1H, br.s), 7.25 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.01 (2H, d, J=8.2 Hz), 6.91 (1H, d, J=8.2 Hz), 6.73 (1H, d, J=1.9 Hz), 6.69 (1H, dd, J=8.0 Hz, 1.9 Hz), 4.67−4.71 (4H, m), 3.99 (2H, q, J=7.0 Hz), 3.05 (2H, t, J=7.1 Hz), 2.91 (2H, t, J=7.1 Hz), 2.48 (1H, t, J=2.4 Hz), 1.40 (3H, t, J=6.9 Hz)
【0054】
製造例16〔化合物(I−16)の製造例〕
塩化アンモニウム22g、シアン化ナトリウム12g及び28%アンモニア水溶液300mlを混合し、0℃で4−クロロベンズアルデヒド30gを徐々に加えた。反応混合物を0℃で1時間、室温で8時間撹拌した後、水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をアセトニトリル300mlに溶解し、0℃で36%塩酸25mlを徐々に混合した。生成した固体を濾別し、アセトニトリル、tert−ブチルメチルエーテル及びヘキサンで洗浄した後、減圧下で乾燥することにより、2−アミノ−2−(4−クロロフェニル)アセトニトリル塩酸塩23gを得た。
1H−NMR (CD3SOCD3, TMS) デルタ (ppm): 9.54 (3H, br.s), 7.68−7.72 (2H, m), 7.61−7.64 (2H, m), 5.98 (1H, s)
得られた2−アミノ−2−(4−クロロフェニル)アセトニトリル塩酸塩8.0g、ジイソプロピルエチルアミン17mlおよびテトラヒドロフラン150mlを混合し、ここに0〜5℃で3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオン酸塩化物8.3gとテトラヒドロフラン30mlとの混合物を加え、室温で1時間攪拌した。その後、反応混合物を減圧下濃縮した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラム精製に付し、N−{1−(4−クロロフェニル)−1−シアノメチル}−3−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)プロピオンアミド8.6gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.35−7.38 (2H, m), 7.22−7.24 (2H, m), 6.94 (1H, d, J=7.8 Hz), 6.69−6.72 (2H, m), 6.08 (1H, d, J=8.5 Hz), 5.87 (1H, br. d, J=8.5 Hz), 4.73 (2H, d, J=2.4 Hz), 3.82 (3H, s), 2.95 (2H, t, J=7.3 Hz), 2.48-2.63 (3H, m)
【0055】
製造例17〔化合物(I−17)の製造例〕
2−アミノ−2−(4−クロロフェニル)アセトニトリル塩酸塩406mgと3−(3−メトキシ−4−エトキシフェニル)プロピオン酸448mgとを用いて製造例7と同様の操作を行い、N−{1−(4−クロロフェニル)−1−シアノメチル}−3−(3−メトキシ−4−エトキシフェニル)プロピオンアミド300mgを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.20−7.37 (4H, m), 6.65−6.78 (3H, m), 6.09 (1H, d, J=8.3 Hz), 5.83 (1H, br.d), 4.06 (2H, q, J=7.0 Hz), 3.83 (3H, s), 2.93 (2H, t, J=7.1 Hz), 2.45−2.64 (2H, m), 1.45 (3H, t, J=7.0 Hz)
【0056】
製造例18〔化合物(I−18)の製造例〕
3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパン酸塩化物200mgと4−ブロモベンジルアミン塩酸塩176mgとトリエチルアミン0.29ml及びテトラヒドロフラン5mlを混合し、室温で30分間攪拌した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をヘキサンで洗浄することにより、N−(4−ブロモベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド177mgを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.41 (2H, d, J=8 Hz), 7.00 (2H, d, J=8 Hz), 6.94 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.71−6.74 (2H, m), 5.59 (1H, br.s), 4.74 (2H, d, J=2.4 Hz), 4.34 (2H, d, J=5.8 Hz), 3.82 (3H, s), 2.94 (2H, t, J=7.5 Hz), 2.49−2.52 (3H, m)
【0057】
製造例19〔化合物(I−19)の製造例〕
N−(4−ブロモベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド660mgとローソン試薬435mgとを用いて製造例13と同様の操作を行い、N−(4−ブロモベンジル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンチオアミド463mgを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.39−7.43 (2H, m), 7.28 (1H, br.s), 6.95 (2H, d, J=8.4 Hz), 6.90 (1H, d, J=8.2 Hz), 6.74 (1H, d, J=1.7 Hz), 6.70 (1H, dd, J=7.9 Hz, 2.0 Hz), 4.71 (2H, d, J=2.4 Hz), 4.68 (2H, d, J=5.3 Hz), 3.79 (3H, s), 3.07 (2H, t, J=7.1 Hz), 2.93 (2H, t, J=7.1 Hz), 2.49 (1H, t, J=2.4 Hz)
【0058】
製造例20〔化合物(I−20)の製造例〕
製造例6と同様の方法で、4−ブロムベンズアルデヒド5.0gから2−アミノ−2−(4−ブロムフェニル)アセトニトリル塩酸塩1.5gを得た。
1H−NMR (CD3SOCD3, TMS) デルタ (ppm): 9.49 (3H, br.s), 7.75−7.77 (2H, m), 7.61−7.64 (2H, m), 5.96 (1H, s)
【0059】
2−アミノ−2−(4−ブロモフェニル)アセトニトリル塩酸塩0.73gと3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオン酸塩化物0.50gとを用いて製造例5と同様の操作を行い、N−{1−(4−ブロモフェニル)−1−シアノメチル}−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオンアミド0.67gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.50−7.54 (2H, m), 7.15−7.17 (2H, m), 6.94 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.69−6.71 (2H, m), 6.07 (1H, d, J=8.2 Hz), 5.92 (1H, br.d), 4.74 (2H, d, J=2.2 Hz), 3.82 (3H, s), 2.95 (2H, t, J=7.2 Hz), 2.47−2.62 (3H, m)
【0060】
製造例21〔化合物(I−21)の製造例〕
2−アミノ−2−(4−ブロムフェニル)アセトニトリル塩酸塩0.36gと3−(3−メトキシ−4−エトキシフェニル)プロピオン酸0.30gとを用いて製造例7と同様の操作を行い、N−{1−(4−ブロムフェニル)−1−シアノメチル}−3−(3−メトキシ−4−エトキシフェニル)プロピオンアミド0.34gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.51 (2H, d, J=8.7 Hz), 7.15 (2H, d, J=8.7 Hz), 6.75 (1H, d, J=7.9 Hz), 6.66−6.70 (2H, m), 6.07 (1H, d, J=8.3 Hz), 5.79 (1H, br.d J=8.3 Hz), 4.06 (2H, q, J=7.1 Hz), 3.83 (3H, s), 2.94 (2H, t, J=7.1 Hz), 2.47−2.63 (2H, m), 1.46 (3H, t, J=7.1 Hz)
【0061】
製造例22〔化合物(I−22)の製造例〕
塩化アルミニウム31g及び塩化メチレン150mlの混合物を氷冷し、エチルオキザリルクロライド30gを混合し、氷冷下で30分間撹拌した。得られた混合物を、インダン22g及び塩化メチレン200mlの混合物に氷冷下で徐々に加え室温で1時間撹拌した。反応混合物を氷水に徐々に混合し、有機層を分液した。有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより、インダン−5−イル−オキソ酢酸エチルの粗生成物37gを得た。
1H-NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.84 (1H, s), 7.78 (1H, d, J=7.8 Hz), 7.34 (1H, d, J=7.8 Hz), 4.44 (2H, q, J=7.1 Hz), 2.95-2.99 (4H, m), 2.09-2.17 (2H, m), 1.42 (3H, t, J=7.1 Hz)
【0062】
インダン−5−イルオキソ酢酸エチルエステルの粗生成物25g、水素化ホウ素ナトリウム7.0g及びエタノール250mlの混合物を室温で1時間、次いで60℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、減圧下で有機溶媒を留去したのち、36%塩酸でPH=2に調節し、クロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下有機溶媒を留去して、残渣をヘキサンで洗浄することにより、インダン−5−イルエタン−1,2−ジオール11gを得た。
1H-NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.22 (1H, s), 7.20 (1H, d, J=7.7 Hz), 7.11 (1H, d, J=7.7 Hz), 4.78 (1H, dd, J=8.2 Hz, 3.6 Hz), 3.62-3.75 (2H, m), 2.87-2.91 (4H, m), 2.5 (1H, br.s), 2.3 (1H, br.s), 2.03-2.10 (2H, m)
【0063】
インダン−5−イルエタン−1,2−ジオールの粗生成物11g、過ヨウ素酸18g、水100ml及びエタノール100mlの混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、水で2回洗浄した後、減圧下で有機溶媒を留去したのち、残渣をシリカゲルカラムで精製することにより、インダン−5−カルボアルデヒド8.1gを得た。
1H-NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 9.95 (1H, s), 7.73 (1H, s), 7.65 (1H, dd, J=7.7 Hz, 1.2 Hz), 7.36 (1H, d, J=7.7 Hz), 2.97 (4H, t, J=7.5 Hz), 2.08-2.17 (2H, m)
【0064】
インダン−5−カルボアルデヒド8.1g、ヒドロキシルアミン塩酸塩4.3g、酢酸ナトリウム5.0g、水25ml及びエタノール100mlの混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物に水を加え、メチル=tert−ブチルエーテルで抽出し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、減圧下で有機溶媒を留去した。得られた残渣をヘキサンで洗浄することにより、インダン−5−カルボアルデヒドオキシム6.3gを得た。
1H-NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 8.11 (1H, s), 7.45 (1H, s), 7.30-7.35 (2H, m), 7.22 (1H, d, J=7.7 Hz), 2.91 (4H, t, J=7.5 Hz), 2.05-2.13 (2H, m)
【0065】
インダン−5−カルボアルデヒドオキシム3.0g、10%パラジウム炭素0.8g、36%塩酸約3.8ml、エタノール90mlを水素雰囲気下で攪拌した。水素ガスの吸収が停止した後、濾過し、濾液を減圧下濃縮することにより、インダン−5−イル−メチルアミン塩酸塩3.2gを得た。
1H-NMR (CD3SOCD3, TMS) デルタ (ppm): 8.37 (3H, br.s), 7.34 (1H, s), 7.21-7.34 (2H, m), 3.94 (2H, s), 2.85 (4H, t, J=7.5 Hz), 1.98-2.05 (2H, m)
【0066】
3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパン酸塩化物0.50g、(インダン−5−イル)メチルアミン塩酸塩0.36g、トリエチルアミン0.8ml及びテトラヒドロフラン20mlを混合し、室温で20分間攪拌した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をヘキサンで洗浄することにより、N−{(インダン−5−イル)メチル}−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド0.34gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 6.71−7.16 (6H, m), 5.54 (1H, br.s), 4.72 (2H, m), 4.36 (2H, d, J=4.6 Hz), 3.82 (3H, s), 2.65−2.94 (6H, m), 2.48 (3H, m), 2.04−2.08 (2H, m)
【0067】
製造例23〔化合物(I−23)の製造例〕
N−(インダン−5−イルメチル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド500mgとローソン試薬627mgとを反応させることにより、N−(インダン−5−イルメチル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンチオアミド350mgを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.16 (1H, d, J=7.7 Hz), 6.86−7.10 (4H, m), 6.75 (1H, d, J=1.9 Hz), 6.72 (1H, dd, J=8.2 Hz, 1.9 Hz), 4.72 (2H, d, J=2.4 Hz), 4.65 (2H, d, J=4.8 Hz), 3.81 (3H, s), 3.08 (2H, t, J=7.4 Hz), 2.84−2.95 (6H, m), 2.47 (1H, t, J=2.4 Hz), 2.01−2.11 (2H, m)
【0068】
製造例24〔化合物(I−24)の製造例〕
インダン−5−カルボアルデヒド731mgと3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオン酸0.7gとを用いて製造例6と同様の操作を行い、N−{1−(インダン−5−イル)−1−シアノメチル}−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオンアミド250mgを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.20−7.25 (2H, m), 7.05−7.10 (1H, m), 6.94 (1H, d, J=7.9 Hz), 6.68−6.74 (2H, m), 6.01 (1H, d, J=8.2 Hz), 5.74 (1H, d, J=7.4 Hz), 4.72 (2H, d, J=2.4 Hz), 3.82 (3H, s), 2.85−2.98 (6H, m), 2.45−2.60 (3H, m), 2.03−2.14 (2H, m)
【0069】
製造例25〔化合物(I−25)の製造例〕
製造例22と同様の方法で、テトラリン58gから5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルオキソ酢酸エチルの粗生成物55gを得、
1H-NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.69-7.72 (2H, m), 7.17 (1H, d, J=7.8 Hz), 4.44 (2H, q, J=7.2 Hz), 2.75-2.83 (4H, m), 1.17-1.85 (4H, m), 1.42 (3H, t, J=7.2 Hz)
【0070】
5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルオキソ酢酸エチルエステルの粗生成物30gから5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルエタン−1,2−ジオール17gを得、
1H-NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.01-7.04 (3H, m), 4.76 (1H, dd, J=8.1 Hz, 3.7), 3.63-3.77 (2H, m), 2.75-2.76 (4H, m), 2.4 (1H, br.s), 2.0 (1H, br.s), 1.17-1.18 (4H, m)
【0071】
5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルエタン−1,2−ジオール16gから5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−カルボアルデヒド13gを得、
1H-NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 9.92 (1H, s), 7.57-7.59 (2H, m), 7.20 (1H, d, J=7.5 Hz), 2.82-2.85 (4H, m), 1.81-1.84 (4H, m)
【0072】
5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−カルボアルデヒド2.6gから5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−カルボアルデヒドオキシム1.5gを得、
1H-NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 8.08 (1H, s), 7.33 (1H, s), 7.26-7.31 (2H, m), 7.07 (1H, d, J=7.6 Hz), 2.75-2.79 (4H, m), 1.78-1.82 (4H, m)
【0073】
5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−カルボアルデヒドオキシム2.6gから5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル−メチルアミン塩酸塩1.5gを得た。
1H-NMR (CD3SOCD3, TMS) デルタ (ppm): 8.43 (3H, br.s), 7.17-7.19 (2H, m), 7.06-7.07 (1H, m), 3.89 (12H, d, J=5.1 Hz), 2.70 (4H, s), 1.72-1.73 (4H, m)
【0074】
3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパン酸塩化物0.30gと(5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)メチルアミン塩酸塩0.23gとトリエチルアミン0.42mlとを反応させることにより、N−{(5,6,7,8テトラヒドロナフタレン−2−イル)メチル}−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド0.41gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 6.89−7.02 (4H, m), 6.71−6.76 (2H, m), 5.52 (1H, br.s), 4.73 (2H, d, J=2.5 Hz), 4.33 (2H, d, J=5.4 Hz), 3.83 (3H, s), 2.92 (2H, t, J=7.8 Hz), 2.49−2.72 (4H, m), 2.45−2.49 (3H, m), 1.76−1.79 (4H, m)
【0075】
製造例26〔化合物(I−26)の製造例〕
N−(5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルメチル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド637mg、ローソン試薬769mg及びテトラヒドロフラン10mlを混合し、65℃で3時間攪拌した。その後、反応混合物を冷却し、減圧下濃縮した。残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで精製することにより、N−(5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルメチル)−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンチオアミド394mgを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 6.91−7.03 (3H, m), 6.85 (2H, d, J=7.5 Hz), 6.76 (1H, d, J=2.0 Hz), 6.72 (1H, dd, J=8.1 Hz, 2.0 Hz), 4.72 (2H, d, J=2.2 Hz), 4.62 (2H, d, J=4.6 Hz), 3.82 (3H, s), 3.08 (2H, t, J=7.3 Hz), 2.91 (2H, t, J=7.3 Hz), 2.69−2.77 (4H, m), 2.48 (1H, t, J=2.4 Hz), 1.75−1.81 (4H, m)
【0076】
製造例27〔化合物(I−27)の製造例〕
5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−カルボアルデヒド0.65gと3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオン酸塩化物0.50gとを用いて製造例6と同様の操作を行い、N−{1−(5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−1−シアノメチル}−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロピオンアミド0.27gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.07−7.09 (2H, m), 7.02 (1H, dd, J=8.0 Hz, 2.2 Hz), 6.95 (1H, d, J=7.8 Hz), 6.70−6.72 (2H, m), 5.89 (1H, d, J=8.3 Hz), 5.76 (1H, br.d, J=8.2 Hz), 4.73 (2H, d, J=2.4 Hz), 3.83 (3H, s), 2.94 (2H, t, J=7.5 Hz), 2.50−2.80 (4H, m), 2.49−2.58 (2H, m), 2.48 (1H, t, J=2.5 Hz), 1.77−1.80 (4H, m)
【0077】
製造例28〔化合物(I−28)の製造例〕
水素化アルミニウムリチウム7.58g及びテトラヒドロフラン100mlを混合して、2−ナフトニトリル15.3gのテトラヒドロフラン溶液を少しずつ滴下し、室温で3時間攪拌した。その後、反応混合物を0〜5℃に冷却し、苛性ソーダ水を少しずつ滴下した。滴下後、濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと水とを加え分液した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をヘキサンで洗浄することにより、C−ナフタレン−2−イル−メチルアミン12.5gを得た。
1H-NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.80-7.83 (3H, m), 7.74 (1H, s), 7.41-7.49 (3H, m), 4.03 (2H, s), 1.62 (2H, br.s)
【0078】
3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパン酸塩化物0.30gとC−ナフタレン−2−イル−メチルアミン0.19gとトリエチルアミン0.5mlとを反応させることにより、N−{(ナフタレン−2−イル)メチル}−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド0.25gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 7.76−7.82 (3H, m), 7.60 (1H, s), 7.44−7.49 (2H, m), 7.26−7.29 (1H, m), 6.89−6.90 (1H, m), 6.71−6.95 (2H, m), 5.74 (1H, br.s), 4.69 (2H, d, J=2.2 Hz), 4.55 (2H, d, J=5.9 Hz), 3.78 (3H, s), 2.96 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.46−2.54 (3H, m)
【0079】
製造例29〔化合物(I−29)の製造例〕
N−{(ナフタレン−2−イル)メチル}−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンアミド0.61gとローソン試薬745mgとを用いて製造例26と同様の操作を行い、N−{(ナフタレン−2−イル)メチル}−3−{3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル}プロパンチオアミド0.38gを得た。
1H−NMR (CDCl3, TMS) デルタ (ppm): 8.7−8.9 (3H, m), 7.60 (1H, s), 7.4−7.6 (2H, m), 7.20 (1H, dd, J=8.5 Hz, 1.7 Hz), 7.15 (1H, br), 6.88 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.77 (1H, d, J=1.9 Hz), 6.72 (1H, dd, J=8.2 Hz, 1.8 Hz), 4.88 (2H, d, J=5.1 Hz), 4.67 (2H, d, J=2.4 Hz), 3.80 (3H, s), 3.10 (2H, t, J=7.2 Hz), 2.96 (2H, t, J=7.2 Hz), 2.44 (1H, t, J=2.4 Hz)
【0080】
次に、化合物(II)について説明する。尚、下記において、化合物名の後に記載される各頁は、The Pesticide Manual, Thirteenth Edition (edited by Clive Tomlin,published by The British Crop Protection Council and The Royal Society of Chemistry、2003)の記載頁を意味している。本発明組成物において、アミノ酸アミドカーバメート化合物とは、イプロバリカルブ(一般名)(化学名1−メチルエチル[(1S)−2−メチル−1−[[[1−(4−メチルフェニル)エチル]=アミノ]カルボニル]プロピル]カーバメート、580頁)、又は、ベンチアバリカルブ−イソプロピル(一般名)(化学名1−メチルエチル[(1S)−1−[[[(1R)−1−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾルイル)エチル]=アミノ]カルボニル]−2−メチルプロピル]カーバメート、79頁)を意味する。
【0081】
本発明の殺菌剤組成物は、例えばブドウのべと病(Plasmopara viticola)、キュウリのべと病(Pseudoperonospora cubensis)、トマトの疫病(Phytophthora infestans)、エンドウのべと病(Peronospora pisi)、ソラマメのべと病(Peronospora viciae)、疫病(Phytophthora nicotianae ver. nicotianae)、ジャガイモの疫病(Phytophthora infestans)、イチゴの疫病(Phytophthora nicotianae ver. parasistica)、タバコの疫病(Phytophthora nicotianae ver. nicotianae)、バラの疫病(Phytophthora megasperma)、ピシウム菌(Pythium sp.)による藻菌(卵菌)類病害防除において、その優れた殺菌効果により卓効を示すものである。
【0082】
本発明組成物において、化合物(I)と化合物(II)との混合割合は特に限定されないが、化合物(I)1重量部に対して、化合物(II)は、通常0.1〜50 重量部、好ましくは0.2〜10重量部の範囲内である。
【0083】
本発明組成物は、化合物(I)と化合物(II)とを混合しただけでも用いることができるが、通常、化合物(I)と化合物(II)とを混合し、それと固体担体、液体担体又は/及びガス状担体と混合し、必要により界面活性剤、固着剤、分散剤、安定剤等の製剤用補助剤を添加して、水和剤、懸濁剤、粒剤、ドライフロアブル剤、乳剤、水性液剤、油剤、燻煙剤、エアゾール剤、マイクロカプセル剤等に製剤化して用いるか、或いは、化合物(I)と化合物(II)との各々を上記のように製剤化し、場合によりさらに水で希釈したのち、各々の製剤品を混合して用いる。これらの製剤中には、有効成分化合物が合計量で通常0.1〜99重量%、好ましくは、0.2〜90重量%含有される。
【0084】
固体担体としては、例えば粘土類(カオリンクレー、珪藻土、合成含水酸化珪素、アタパルジャイトクレー、ベントナイト、酸性白土等)、タルク類、その他の無機鉱物(セリサイト、石英粉末、硫黄粉末、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)などの微粉末又は粒状物が挙げられ、液体担体としては、例えば水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ケロシン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジオキサン、ジイソプロピルエーテル等)、酸アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロエタン、トリクロロエチレン、四塩化炭素等)などが挙げられ、ガス状担体としてはブタンガス、炭酸ガス、フルオロカーボンガスなどが挙げられる。界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類及びそのポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体などが挙げられる。固着剤や分散剤としては、カゼイン、ゼラチン、多糖類(澱粉、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)などが挙げられ、安定剤としては、PAP(酸性燐酸イソプロピル)、BHT(2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)、植物油、鉱物油、脂肪酸又はそのエステルなどが挙げられる。
【0085】
上記の製剤は、そのままで又は水等で希釈して植物体又は土壌に施用する。土壌施用の場合には、土壌表面へ散布してもよいし土壌と混和して施用してもよい。また、種子処理、ULV等種々の方法で施用することもできる。種子処理剤として用いる場合には、種子粉衣処理、種子浸漬処理、種子吹き付け処理等により用いられる。さらに、他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、種子消毒剤、肥料、土壌改良剤等と併用することもできる。本発明組成物の施用量は、有効成分化合物の種類、混合比、気象条件、製剤形態、施用時期、方法、場所、対象病害、対象作物等によっても異なるが有効成分化合物の合計量で、1アール当たり、通常0.001〜1000g、好ましくは0.1〜100gであり、乳剤、水和剤、懸濁剤、液剤等を水で希釈して施用する場合には、その施用濃度は通常0.0001〜1重量%、好ましくは0.001〜0.5重量%であり、粒剤、粉剤等は希釈することなくそのまま施用する。種子処理に際しては、種子1kgに対して有効成分化合物の合計量で通常0.001〜50g、好ましくは、0.01〜10g使用する。
【実施例】
【0086】
以下、製剤例及び試験例等にて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。尚、以下の例において、部は重量部を表す。まず、製剤例を示す。
【0087】
製剤例1
化合物(I−1)〜(I−29)のいずれかの化合物(I)1部;イプロバリカルブ又はベンチアバリカルブ−イソプロピル1部;合成含水酸化珪素1部;リグニンスルホン酸カルシウム2部;ベントナイト30部及びカオリンクレー65部をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合わせた後、造粒乾燥することにより粒剤を得る。
【0088】
製剤例2
化合物(I−1)〜(I−29)のいずれかの化合物(I)5部;イプロバリカルブ又はベンチアバリカルブ−イソプロピル5部;合成含水酸化珪素1部;リグニンスルホン酸カルシウム2部;ベントナイト30部及びカオリンクレー57部をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合わせた後、造粒乾燥することにより粒剤を得る。
【0089】
製剤例3
化合物(I−1)〜(I−29)のいずれかの化合物(I)0.5部;イプロバリカルブ又はベンチアバリカルブ−イソプロピル0.5部;カオリンクレー88部及びタルク11部をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0090】
製剤例4
化合物(I−1)〜(I−29)のいずれかの化合物(I)5部;イプロバリカルブ又はベンチアバリカルブ−イソプロピル5部;ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート3部;カルボキシメチルセルロース3部及び水84部を混合し、粒度が5ミクロン以下になるまで湿式粉砕することにより懸濁剤を得る。
【0091】
製剤例5
化合物(I−1)〜(I−29)のいずれかの化合物(I)10部;イプロバリカルブ又はベンチアバリカルブ−イソプロピル10部;リグニンスルホン酸カルシウム3部;ラウリル硫酸ナトリウム2部及び合成含水酸化珪素75部をよく粉砕混合することにより水和剤を得る。
【0092】
次に、本発明組成物が植物病害の防除に優れた効果を有することを試験例で示す。尚、一般に、与えられた2種類の有効成分化合物を混合して処理した際に期待される防除効果は、下記の数1で示されるColbyの計算式により求められる。
【0093】
【数1】

【0094】
X:有効成分化合物Aをm ppmで処理した時の防除価(%)
Y:有効成分化合物Bをn ppmで処理した時の防除価(%)
E:有効成分化合物Aをm ppmでBをn ppmで処理した時に期待される防除価(%)(以下、防除価期待値と記す。)
そして、一般に、実際に混合して処理した防除価(%)が防除価期待値(%)より小さくなければ、その組み合わせに拮抗的な作用はなくスペクトルの補完などによる混合効果があると言える。
【0095】
試験例1
プラスチックポットに砂壌土を詰め、これにブドウ(ベリーA)を播種した後、当該植物を温室内で40日間育成した。本葉が3枚展開したブドウの幼苗に、製剤例5に準じて水和剤にした供試薬剤を水で所定濃度に希釈し、葉面に充分付着するように茎葉散布した。次いで、ブドウベと病菌の遊走子嚢懸濁液を当該ブドウの幼苗の茎葉部に噴霧接種した。接種後、当該ブドウの幼苗を23℃多湿下に一夜放置し、さらに温室内で7日間育成した。このようにして得られたブドウの幼苗の茎葉部におけるブドウベと病の発病度(%)を調査し、当該調査結果から下記の数2で示される算式を用いて、実際の防除価(%)を求めた。
【0096】
【数2】

【0097】
その結果を表2及び3に示す。
【0098】
【表2】

【0099】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明組成物は、植物病害の防除に優れた効果を有し、特にべと病、疫病等の藻菌(卵菌)類による植物病害の防除に優れた効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)一般式 化1
【化1】

〔式中、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、R1は水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4アルキニル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4ハロアルコキシ基又はシアノ基を表し、R2は水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基若しくはC2−C4アルキニル基を表すか、又はR1とR2とが一緒になってC3−C5ポリメチレン基若しくは1,3−ブタジエン−1,4ジイル基を表し、R3は水素原子、C1−C3アルキル基又はシアノ基を表し、
R4はC1−C3アルキル基を表し、R5はC1−C4アルキル基、C3−C4アルケニル基又はC3−C4アルキニル基を表す。]
で示されるアミド化合物と、(II)アミノ酸アミドカーバメート化合物とを有効成分として含有することを特徴とする殺菌組成物。
【請求項2】
(I)請求項1記載の一般式 化1で示されるアミド化合物において、Xは酸素原子又は硫黄原子であり、R1はハロゲン原子又はC1−C2アルキル基であり、R2は水素原子、ハロゲン原子若しくはC1−C2アルキル基であるか、又はR1とR2とが一緒になってC3−C4ポリメチレン基若しくは1,3−ブタジエン−1,4ジイル基であり、R3は水素原子であり、R4はC1−C2アルキル基であり、R5はC3アルキニル基であるアミド化合物と、(II)アミノ酸アミドカーバメート化合物とを有効成分として含有することを特徴とする殺菌組成物。
【請求項3】
(I)請求項1記載の一般式 化1で示されるアミド化合物において、Xは酸素原子であり、R1は水素原子、ハロゲン原子又はC1−C2アルキル基であり、R2は水素原子若しくはハロゲン原子であるか、又はR1とR2とが一緒になってC3−C4ポリメチレン基若しくは1,3−ブタジエン−1,4ジイル基であり、R3はシアノ基であり、R4はC1−C2アルキル基であり、R5はC1−C2アルキル基、C3アルケニル基又はC3アルキニル基であるアミド化合物と、(II)アミノ酸アミドカーバメート化合物とを有効成分として含有することを特徴とする殺菌組成物。

【公開番号】特開2006−28166(P2006−28166A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−167880(P2005−167880)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】