説明

殺虫化合物

一般式(I)の化合物:


(ただしA1、A2、A3、A4、R1、R2、G1、G2、Q1、及びQ2は、請求項1で定義した通りである)またはその塩またはそのN-オキシド。本発明はさらに、一般式(I)の化合物を調製するための方法および中間体と、その化合物から成る殺虫用、ダニ駆除用、殺陸貝用、及び殺線虫用の組成物と、その化合物を用いて有害な昆虫、ダニ目、陸貝、及び線虫を防除する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある種の芳香族ビスアミド誘導体と、その誘導体を調製するための方法および中間体と、その誘導体を含む殺虫用、ダニ駆除用、殺陸貝用、殺線虫用の組成物と、その誘導体を用いて有害な昆虫、ダニ、陸貝、線虫と闘って制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
殺虫特性を有する芳香族ビスアミド誘導体は、例えば、ヨーロッパ特許第1,714,958号、日本国特開2006/306771、WO 06/137376、WO 06/137395、WO 07/017075に開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
驚くべきことに、シアノ、チオシアナト、アミノチオカルボニル、N-C1〜C4アルキル-アミノチオカルボニル、又はN,N-ジ- C1〜C4アルキル-アミノチオカルボニルのいずれかの置換基を中央の芳香族環に少なくとも1つ有するある種の芳香族ビスアミド誘導体は、殺虫特性を有することが見いだされた。
【0004】
したがって本発明により、一般式(I)の化合物:
【化1】


またはその塩、またはそのN-オキシドが提供される。ただし一般式(I)において、
A1、A2、A3、及びA4は、互いに独立に、C-R3、C-R5、又は窒素のいずれかだが、A1、A2、A3、及びA4のうちの少なくとも1つはC-R3であり、A1、A2、A3、及びA4のうちの2つ以下が窒素であり;
R1とR2は、互いに独立に、水素、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C1〜C4アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1〜C4アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシのいずれかであるか、アリール環が、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシの中から独立に選択された1〜5個の置換基で置換されたアリールカルボニルオキシであり;
G1とG2は、互いに独立に、酸素またはイオウであり;
各R3は、独立に、シアノ、チオシアナト、アミノチオカルボニル、N-C1〜C4アルキル-アミノ-チオカルボニル、N,N-ジ-C1〜C4アルキル-アミノチオカルボニルのいずれかであり;
各R5は、独立に、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシのいずれかであり;
Q1は、アリール、または1〜5個の置換基R6(同じでも異なっていてもよい)で置換されたアリールであるか、Q1は、ヘテロシクリル、または1〜5個の置換基R6(同じでも異なっていてもよい)で置換されたヘテロシクリルであり、その中の
各R6は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ-C1〜C4アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6アルキニル、C2〜C6ハロアルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C4アルコキシ-C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、N-C1〜C6アルキルアミノ、N,N-ジ-(C1〜C6アルキル)アミノ、N,N-ジ-(C1〜C6アルキル)アミノカルボニル、N,N-ジ-(C1〜C6アルキル)アミノスルホニル、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6アルキルカルボニルオキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6アルキルカルボニルアミノ、アリール、1〜5個の置換基で置換されたアリール(ただし置換基は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、又はC1〜C6ハロアルコキシの中から選択される)、ヘテロアリール、1〜5個の置換基で置換されたヘテロアリール(ただし置換基は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、又はC1〜C6ハロアルコキシの中から選択される)のいずれかであり;
Q2は、一般式(II)または(III)という部分:
【化2】

であり、その中の
Y1とY5は、互いに独立に、シアノ、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ-C1〜C4アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3ハロアルキルチオ、C1〜C3アルキルスルフィニル、C1〜C3ハロアルキルスルフィニル、C1〜C3アルキルスルホニル、C1〜C3ハロアルキルスルホニルのいずれかであり;
Y3は、C2〜C6ペルフルオロアルキル、C1〜C6ペルフルオロアルキルチオ、C1〜C6ペルフルオロアルキルスルフィニル、C1〜C6ペルフルオロアルキルスルホニルのいずれかであり;
Y2とY4は、互いに独立に、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキルのいずれかであり;
Y6とY9は、互いに独立に、シアノ、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ-C1〜C4アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3ハロアルキルチオ、C1〜C3アルキルスルフィニル、C1〜C3ハロアルキルスルフィニル、C1〜C3アルキルスルホニル、C1〜C3ハロアルキルスルホニルのいずれかであり;
Y8は、C1〜C4ハロアルコキシ、C2〜C6ペルフルオロアルキル、C1〜C6ペルフルオロアルキルチオ、C1〜C6ペルフルオロアルキルスルフィニル、C1〜C6ペルフルオロアルキルスルホニルのいずれかであり;
Y7は、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキルのいずれかである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
一般式(I)の化合物は、さまざまな幾何異性体、光学異性体、又は互変異性体として存在することができる。本発明には、そのようなすべての異性体および互変異性体と、これらのあらゆる割合の混合物のほか、同位体の形態(例えば重水素化合物)が含まれる。
【0006】
各アルキル部分は、単独で、またはより大きな基(例えばアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル)の一部として、直鎖または分岐鎖になっており、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソ-プロピル,n-ブチル、s-ブチル、イソ-ブチル、t-ブチルなどがある。アルキル基はC1〜C6アルキル基であることが好ましく、C1〜C4アルキル基であることがより好ましく、C1〜C3アルキル基であることが最も好ましい。
【0007】
アルケニル部分とアルキニル部分(単独で、またはより大きな基(例えばアルケニルオキシまたはアルキニルオキシ)の一部として)は、直鎖または分岐鎖の形態が可能である。アルケニル部分は、適切な場合には、(E)-配置または(Z)配置が可能である。例として、ビニル、アリル、及びプロパルギルがある。アルケニル基とアルキニル基は、C2〜C6アルケニル基またはC2〜C6アルキニル基が好ましく、C2〜C4アルケニル基またはC2〜C4アルキニル基がより好ましく、C2〜C3アルケニル基またはC2〜C3アルキニル基が最も好ましい。
【0008】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいずれかである。
【0009】
ハロアルキル基(単独で、またはより大きな基(例えばハロアルコキシまたはハロアルキルチオ)の一部として)は、1個又は複数個の同じまたは異なるハロゲン原子で置換されたアルキル基であり、例えば、-CF3、-CF2Cl、-CH2CF3、又は-CH2CHF2がある。ペルフルオロアルキル基(単独で、またはより大きな基(例えばペルフルオロアルキルチオ)の一部として)は、特別なタイプのハロアルキル基である。ペルフルオロアルキル基は、フッ素原子で完全に置換されたアルキル基であり、例えば、-CF3、-CH2CF3、又は-CF(CF3)2がある。
【0010】
ハロアルケニル基とハロアルキニル基(単独で、またはより大きな基(例えばハロアルケニルオキシまたはハロアルキニルオキシ)の一部として)は、1個又は複数個の同じまたは異なるハロゲン原子で置換されたそれぞれアルケニル基とアルキニル基であり、例えば、-CH=CF2、-CCl=CClF、又は-CClC≡CHがある。
【0011】
シクロアルキル基は、単環または二環の形態が可能であり、任意に1個又は複数個のメチル基で置換されていてもよい。シクロアルキル基は、3〜8個の炭素原子を含んでいることが好ましく、3〜6個の炭素原子を含んでいることがより好ましい。単環シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、1-メチルシクロプロピル、2-メチルシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルである。
【0012】
ハロシクロアルキル基は、1個又は複数個の同じまたは異なるハロゲン原子で置換されたシクロアルキル基であり、任意に1個又は複数個のメチル基で置換されていてもよい。単環ハロシクロアルキル基の例は、2,2-ジクロロ-シクロプロピル、2,2-ジクロロ-1-メチル-シクロプロピル、及び2-クロロ-4-フルオロシクロヘキシルである。
【0013】
この明細書の文脈では、“アリール”という用語は環系を意味し、単環、二環、又は三環が可能である。そのような環の例として、フェニル、ナフタレニル、アントラセニル、インデニル、フェナントレニルなどがある。好ましい1つのアリール基はフェニルである。
【0014】
“ヘテロアリール”という用語は、少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいて、単環からなるか、2つ以上の縮合環からなる芳香族環系を意味する。単環は、3個までのヘテロ原子を含んでいること、二環系は4個までのヘテロ原子を含んでいることが好ましい。ヘテロ原子は、窒素、酸素、及びイオウの中から選択することが好ましい。このような基の例として、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、フラニル、チオフェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、及びテトラゾリルなどがある。好ましい1つのヘテロアリール基はピリジンである。二環基の例は、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリニル、シンノリニル、キノキサリニルである。
【0015】
“ヘテロシクリル”という用語の定義には、ヘテロアリールと、その不飽和な類似体、または一部が不飽和な類似体が含まれる。例として、4,5,6,7-テトラヒドロ-ベンゾチオフェニル、9H-フルオレニル、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ-1,4-ジオキセピニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、ピペリジニル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジオキサニル、4,5-ジヒドロ-イソオキサゾリル、テトラヒドロフラニル、モルホリニルがある。
【0016】
A1、A2、A3、A4、R1、R2、G1、G2、R3、R5、Q1、R6、Q2、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、及びY9の好ましい値は、どのような組み合わせであれ、以下に示す通りである。
【0017】
A1は、C-R3またはC-R5であることが好ましい。
【0018】
A2は、C-R3またはC-R5であることが好ましい。
【0019】
A3は、C-R3またはC-R5であることが好ましい。
【0020】
A4は、C-R3またはC-R5であることが好ましい。
【0021】
A1、A2、A3、及びA4のうちの1つ、または2つ、または3つはC-R3であることが好ましい。
【0022】
より好ましいのは、A1、A2、A3、及びA4のうちの1つまたは2つがC-R3であることである。
【0023】
最も好ましいのは、A1、A2、A3、及びA4のうちの1つがC-R3であることである。
【0024】
R1は、水素、メチル、エチル、アリル、プロパルギル、アセチル、ヒドロキシ、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシのいずれかであることが好ましい。
【0025】
より好ましいのは、R1が、水素、メチル、エチル、アリル、プロパルギル、アセチル、ヒドロキシのいずれかであることである。
【0026】
さらに好ましいのは、R1が、水素、メチル、エチルのいずれかであることである。
【0027】
より一層好ましいのは、R1が水素またはメチルであることである。
【0028】
最も好ましいのは、R1が水素であることである。
【0029】
R2は、水素、メチル、エチル、アリル、プロパルギル、アセチル、ヒドロキシ、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシのいずれかであることが好ましい。
【0030】
より好ましいのは、R2が、水素、メチル、エチル、アリル、プロパルギル、アセチル、ヒドロキシのいずれかであることである。
【0031】
さらに好ましいのは、R2が、水素、メチル、エチルのいずれかであることである。
【0032】
より一層好ましいのは、R2が水素またはメチルであることである。
【0033】
最も好ましいのは、R2が水素であることである。
【0034】
G1は酸素であることが好ましい。
【0035】
G2は酸素であることが好ましい。
【0036】
各R3は、独立に、シアノ、チオシアナト、アミノチオカルボニルのいずれかであることが好ましい。
【0037】
より好ましいのは、R3が、独立に、シアノまたはチオシアナトであることである。
【0038】
最も好ましいのは、R3がシアノであることである。
【0039】
各R5は、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシのいずれかであることが好ましい。
【0040】
より好ましいのは、R5が、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチルのいずれかであることである。
【0041】
より一層好ましいのは、R5が、独立に、水素、フルオロ、メチル、トリフルオロメチルのいずれかであることである。
【0042】
それ以上に好ましいのは、R5が、独立に、水素またはフルオロであることである。
【0043】
最も好ましいのは、R5が水素であることである。
【0044】
Q1は、アリール、または1〜5個の置換基R6(同じでも異なっていてもよい)で置換されたアリールであることが好ましい。あるいはQ1は、ヘテロアリール、または1〜5個の置換基R6(同じでも異なっていてもよい)で置換されたヘテロアリールであることが好ましい。
【0045】
より好ましいのは、Q1が、フェニル、ピリジル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、1,2,3-チアジアゾリルのいずれかであるか、1〜4個の置換基(ただし置換基は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ブロモ、クロロ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、又はフェニルの中から選択される)で置換されたフェニル、ピリジル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、又は1,2,3-チアジアゾリルであることである。Q1としてより好ましいそのような基の例は、5-ブロモ-フラン-2-イル、2-ブロモ-フェニル、5-ブロモ-ピリド-3-イル、2-クロロ-4-フルオロ-フェニル、3-クロロ-2-フルオロ-フェニル、5-クロロ-2-フルオロ-フェニル、3-クロロ-2-メチル-フェニル、2-クロロ-4-ニトロ-フェニル、2-クロロ-5-ニトロ-フェニル、2-クロロ-フェニル、3-クロロ-フェニル、2-クロロ-ピリド-3-イル、2-クロロ-ピリド-4-イル、6-クロロ-ピリド-3-イル、5-クロロ-チオフェン-2-イル、3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリド-2-イル、4-シアノ-2-フルオロ-フェニル、4-シアノ-フェニル、2,5-ジクロロ-フェニル、2,3-ジフルオロ-フェニル、1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-イル、2-フルオロ-フェニル、4-フルオロ-フェニル、2-フルオロ-ピリド-3-イル、2-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニル、2-フルオロ-5-トリフルオロメチル-フェニル、4-フルオロ-3-トリフルオロ-メチル-フェニル、フラン-2-イル、2-メトキシ-フェニル、2-メチル-フェニル、3-メチル-ピリド-2-イル、4-メチル-1,2,3-チアジアゾル-5-イル、4-メチルチオ-フェニル、2-メチルチオ-ピリド-3-イル、4-ニトロ-フェニル、フェニル、ピリド-3-イル、ピリド-4-イル、1,2,3-チアジアゾル-4-イル、チオフェン-2-イル、2-トリフルオロメトキシ-フェニル、4-トリフルオロメトキシ-フェニル、2-トリフルオロメチル-フェニル、及び4-トリフルオロメチル-フェニルである。
【0046】
さらに好ましいのは、Q1が、フェニル、ピリジル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、1,2,3-チアジアゾリルのいずれかであるか、1〜3個の置換基(ただし置換基は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ブロモ、クロロ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、又はフェニルの中から選択される)で置換されたフェニル、ピリジル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、又は1,2,3-チアジアゾリルであることである。
【0047】
より一層好ましいのは、Q1が、フェニルまたはピリジルであるか、1〜2個の置換基(ただし置換基は、独立に、シアノ、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、又はフェニルの中から選択される)で置換されたフェニルまたはピリジルであることである。
【0048】
最も好ましいのは、Q1が、1〜2個の置換基(ただし置換基は、クロロ、フルオロ、又はメチルの中から選択される)で置換されたフェニルであることである。
【0049】
好ましい一実施態様では、Q1は2-クロロ-4-フルオロ-フェニルである。
【0050】
好ましい一実施態様では、Q1は3-クロロ-2-フルオロ-フェニルである。
【0051】
好ましい一実施態様では、Q1は5-クロロ-2-フルオロ-フェニルである。
【0052】
好ましい一実施態様では、Q1は3-クロロ-2-メチル-フェニルである。
【0053】
好ましい一実施態様では、Q1は2-クロロ-フェニルである。
【0054】
好ましい一実施態様では、Q1は3-クロロ-フェニルである。
【0055】
好ましい一実施態様では、Q1は4-シアノ-フェニルである。
【0056】
好ましい一実施態様では、Q1は2,5-ジクロロ-フェニルである。
【0057】
好ましい一実施態様では、Q1は2,3-ジフルオロ-フェニルである。
【0058】
好ましい一実施態様では、Q1は2-フルオロ-フェニルである。
【0059】
好ましい一実施態様では、Q1は4-フルオロ-フェニルである。
【0060】
好ましい一実施態様では、Q1は2-メチル-フェニルである。
【0061】
化合物の特に好ましい1つのグループは、一般式(I)において、Q1が、アリール、または1〜5個の置換基R6(同じでも異なっていてもよい)で置換されたアリールである化合物である。
【0062】
Q1は、フェニルであるか、1〜4個の置換基(ただし置換基は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ブロモ、クロロ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、又はフェニルの中から選択される)で置換されたフェニルであることが好ましい。
【0063】
より好ましいのは、Q1が、フェニルであるか、1〜3個の置換基(ただし置換基は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ブロモ、クロロ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、又はフェニルの中から選択される)で置換されたフェニルであることである。
【0064】
より一層好ましいのは、Q1が、フェニルであるか、1〜2個の置換基(ただし置換基は、独立に、シアノ、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、又はフェニルの中から選択される)で置換されたフェニルであることである。
【0065】
化合物の特に好ましい別の1つのグループは、一般式(I)において、Q1が、ヘテロシクリル、または1〜5個の置換基R6(同じでも異なっていてもよい)で置換されたヘテロシクリルである化合物である。ヘテロシクリル基は、ヘテロアリール基であることが好ましい。
【0066】
Q1は、ピリジル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、1,2,3-チアジアゾリルのいずれかであるか、1〜4個の置換基(ただし置換基は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ブロモ、クロロ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、又はフェニルの中から選択される)で置換されたピリジル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、又は1,2,3-チアジアゾリルであることが好ましい。
【0067】
より好ましいのは、Q1が、ピリジル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、1,2,3-チアジアゾリルのいずれかであるか、1〜3個の置換基(ただし置換基は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ブロモ、クロロ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、又はフェニルの中から選択される)で置換されたピリジル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、又は1,2,3-チアジアゾリルであることである。
【0068】
より一層好ましいのは、Q1が、ピリジルであるか、1〜2個の置換基(ただし置換基は、独立に、シアノ、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、又はフェニルの中から選択される)で置換されたピリジルであることである。
【0069】
最も好ましいのは、Q1が、1〜2個の置換基(ただし置換基は、独立に、クロロ、フルオロ、又はメチルの中から選択される)で置換されたピリジルであることである。
【0070】
各R6は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ-C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C4アルコキシ-C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、N,N-ジ-(C1〜C6アルキル)アミノ、N,N-ジ-(C1〜C6アルキル)アミノカルボニル、N,N-ジ-(C1〜C6アルキル)アミノスルホニル、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6アルキルカルボニルオキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6アルキルカルボニルアミノのいずれかであることが好ましい。
【0071】
より好ましいのは、各R6が、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、メチル、エチル、n-プロピル、プロプ-2-イル、n-ブチル、t-ブチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、メトキシメチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-メトキシ-エトキシ、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、n-ブチルチオ、メチルスルホニル、プロプ-2-イルスルホニル、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジメチルアミノカルボニル、N,N-ジメチルアミノスルホニル、メチルカルボニル、メチルカルボニルオキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、メチルカルボニルアミノ、アリール、又は1〜5個の置換基(ただし置換基は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシの中から選択される)で置換されたアリール、ヘテロアリール、又は1〜5個の置換基(ただし置換基は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシの中から選択される)で置換されたヘテロアリールであることである。
【0072】
最も好ましいのは、各R6が、独立に、シアノ、ニトロ、クロロ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、N,N-ジメチルアミノ、メトキシカルボニルのいずれかであることである。
【0073】
Q2は、一般式(II)という部分であることが好ましい。
【0074】
Y1は、シアノ、ハロゲン、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシメチルのいずれかであることが好ましい。
【0075】
より好ましいのは、Y1が、シアノ、ブロモ、クロロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシメチルのいずれかであることである。
【0076】
さらに好ましいのは、Y1が、ブロモ、クロロ、メチル、エチル、メトキシメチルのいずれかであることである。
【0077】
より一層好ましいのは、Y1が、ブロモ、メチル、エチルのいずれかであることである。
【0078】
それ以上に好ましいのは、Y1がメチルまたはエチルであることである。
【0079】
最も好ましいのは、Y1がメチルであることである。
【0080】
Y2は、水素、クロロ、フルオロ、メチルのいずれかであることが好ましい。
【0081】
最も好ましいのは、Y2が水素であることである。
【0082】
Y3は、ヘプタフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロプ-2-イル、ヘプタフルオロプロピルチオ、ヘプタフルオロプロピルスルフィニル、ヘプタフルオロプロピルスルホニル、ヘプタフルオロプロプ-2-イルチオ、ヘプタフルオロプロプ-2-イルスルフィニル、ヘプタフルオロプロプ-2-イルスルホニル、ノナフルオロブト-2-イルのいずれかであることが好ましい。
【0083】
一実施態様では、Y3はC2〜C6ペルフルオロアルキルである。より好ましいのは、Y3が、ヘプタフルオロプロプ-2-イルまたはノナフルオロブト-2-イルであることである。
【0084】
一実施態様では、Y3はヘプタフルオロプロプ-2-イルである。
【0085】
一実施態様では、Y3はノナフルオロブト-2-イルである。
【0086】
Y4は、水素、クロロ、フルオロ、メチルのいずれかであることが好ましい。
【0087】
最も好ましいのは、Y4が水素であることである。
【0088】
Y5は、シアノ、ハロゲン、メチル、エチル、トリフルオロメチルのいずれかであることが好ましい。
【0089】
より好ましいのは、Y5が、シアノ、ブロモ、クロロ、メチル、エチル、トリフルオロメチルのいずれかであることである。
【0090】
さらに好ましいのは、Y5が、ブロモ、クロロ、メチル、エチルのいずれかであることである。
【0091】
より一層好ましいのは、Y5が、ブロモ、メチル、エチルのいずれかであることである。
【0092】
それ以上に好ましいのは、Y5がメチルまたはエチルであることである。
【0093】
最も好ましいのは、Y5がメチルであることである。
【0094】
Y6は、シアノ、ハロゲン、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシメチルのいずれかであることが好ましい。
【0095】
より好ましいのは、Y6が、シアノ、ブロモ、クロロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシメチルのいずれかであることである。
【0096】
さらに好ましいのは、Y6が、ブロモ、クロロ、メチル、エチル、メトキシメチルのいずれかであることである。
【0097】
より一層好ましいのは、Y6が、ブロモ、メチル、エチルのいずれかであることである。
【0098】
それ以上に好ましいのは、Y6がメチルまたはエチルであることである。
【0099】
最も好ましいのは、Y6がメチルであることである。
【0100】
Y7は、水素、クロロ、フルオロ、メチルのいずれかであることが好ましい。
【0101】
最も好ましいのは、Y7が水素であることである。
【0102】
Y8は、ヘプタフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロプ-2-イル、ヘプタフルオロプロピルチオ、ヘプタフルオロプロピルスルフィニル、ヘプタフルオロプロピルスルホニル、ヘプタフルオロプロプ-2-イルチオ、ヘプタフルオロプロプ-2-イルスルフィニル、ヘプタフルオロプロプ-2-イルスルホニル、ノナフルオロブト-2-イルのいずれかであることが好ましい。
【0103】
一実施態様では、Y8はC2〜C6ペルフルオロアルキルである。より好ましいのは、Y8が、ヘプタフルオロプロプ-2-イルまたはノナフルオロブト-2-イルであることである。
【0104】
一実施態様では、Y8はヘプタフルオロプロプ-2-イルである。
【0105】
一実施態様では、Y8はノナフルオロブト-2-イルである。
【0106】
Y9は、シアノ、ハロゲン、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシメチルのいずれかであることが好ましい。
【0107】
より好ましいのは、Y9が、シアノ、ブロモ、クロロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシメチルのいずれかであることである。
【0108】
さらに好ましいのは、Y9が、ブロモ、クロロ、メチル、エチル、メトキシメチルのいずれかであることである。
【0109】
より一層好ましいのは、Y9が、ブロモ、メチル、エチルのいずれかであることである。
【0110】
それ以上に好ましいのは、Y9がメチルまたはエチルであることである。
【0111】
最も好ましいのは、Y9がメチルであることである。
【0112】
好ましい一実施態様は、一般式(Ia)においてA1がC-CNであり、A2、A3、及びA4がCHである化合物である。
【0113】
好ましい一実施態様は、一般式(Ib)においてA2がC-CNであり、A1、A3、及びA4がCHである化合物である。
【0114】
好ましい一実施態様は、一般式(Ic)においてA3がC-CNであり、A1、A2、及びA4がCHである化合物である。
【0115】
好ましい一実施態様は、一般式(Id)においてA4がC-CNであり、A1、A2、及びA3がCHである化合物である。
【0116】
好ましい一実施態様は、一般式(Ie)においてA1がC-CNであり、A4がC-Fであり、A2とA3がCHである化合物である。
【0117】
好ましい一実施態様は、一般式(If)においてA1がC-CNであり、A2とA4がC-Fであり、A3がCHである化合物である。
【0118】
好ましい一実施態様では、Q2は、2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ-2-イル)-フェニルである。
【0119】
好ましい一実施態様では、Q2は、2-エチル-6-メチル-4-(ヘプタフルオロプロプ-2-イル)-フェニルである。
【0120】
好ましい一実施態様では、Q2は、2,6-ジエチル-4-(ヘプタフルオロプロプ-2-イル)-フェニルである。
【0121】
好ましい一実施態様では、Q2は、2-メトキシメチル-6-メチル-4-(ヘプタフルオロプロプ-2-イル)-フェニルである。
【0122】
好ましい一実施態様では、Q2は、2-ブロモ-6-メチル-4-(ヘプタフルオロプロプ-2-イル)-フェニルである。
【0123】
好ましい一実施態様では、Q2は、2-ブロモ-6-エチル-4-(ヘプタフルオロプロプ-2-イル)-フェニルである。
【0124】
好ましい一実施態様では、Q2は、2,6-ジクロロ-4-(ヘプタフルオロプロプ-2-イル)-フェニルである。
【0125】
好ましい一実施態様では、Q2は、2,6-ジブロモ-4-(ヘプタフルオロプロプ-2-イル)-フェニルである。
【0126】
好ましい一実施態様では、Q2は、2,6-ジメチル-4-(ノナフルオロブト-2-イル)-フェニルである。
【0127】
好ましい一実施態様では、Q2は、2-エチル-6-メチル-4-(ノナフルオロブト-2-イル)-フェニルである。
【0128】
好ましい一実施態様では、Q2は、2,6-ジエチル-4-(ノナフルオロブト-2-イル)-フェニルである。
【0129】
好ましい一実施態様では、Q2は、2-メトキシメチル-6-メチル-4-(ノナフルオロブト-2-イル)-フェニルである。
【0130】
好ましい一実施態様では、Q2は、2-ブロモ-6-メチル-4-(ノナフルオロブト-2-イル)-フェニルである。
【0131】
好ましい一実施態様では、Q2は、2-ブロモ-6-エチル-4-(ノナフルオロブト-2-イル)-フェニルである。
【0132】
好ましい一実施態様では、Q2は、2,6-ジクロロ-4-(ノナフルオロブト-2-イル)-フェニルである。
【0133】
好ましい一実施態様では、Q2は、2,6-ジブロモ-4-(ノナフルオロブト-2-イル)-フェニルである。
【0134】
本発明の一実施態様では、R1とR2は、互いに独立に、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルキルカルボニルのいずれかである。好ましいR1とR2は、一般式(I)の化合物に関して示したのと同じだが、R1とR2は、アリル、プロパルギル、ヒドロキシ、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシになることはできない。
【0135】
本発明の一実施態様では、各R3は、独立に、シアノ、チオシアナト、N-C1〜C4アルキル-アミノチオカルボニルのいずれかである。好ましいR3は、一般式(I)の化合物に関して示したのと同じだが、R3は、アミノチオカルボニルになることはできない。
【0136】
本発明の一実施態様では、各R5は、独立に、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、トリフルオロメチルのいずれかである。好ましいR5は、一般式(I)の化合物に関して示したのと同じだが、R5は、メトキシになることはできない。
【0137】
本発明の一実施態様では、各R6は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4ハロアルケニル、C2〜C4アルキニル、C2〜C4ハロアルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3ハロアルキルチオ、C1〜C3アルキルスルフィニル、C1〜C3ハロアルキルスルフィニル、C1〜C3アルキルスルホニル、C1〜C3ハロアルキルスルホニル、N-C1〜C4アルキルアミノ、N,N-ジ-(C1〜C4アルキル)アミノ、C1〜C4アルキルカルボニル、C1〜C4アルキルカルボニルオキシ、C1〜C4アルコキシカルボニル、C1〜C4アルキルカルボニルアミノ、フェニルのいずれかである。好ましいR6は、一般式(I)の化合物に関して示したのと同じである。
【0138】
本発明の一実施態様では、Y1とY5は、互いに独立に、シアノ、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3ハロアルキルチオ、C1〜C3アルキルスルフィニル、C1〜C3ハロアルキルスルフィニル、C1〜C3アルキルスルホニル、C1〜C3ハロアルキルスルホニルのいずれかである。好ましいY1とY5は、一般式(I)の化合物に関して示したのと同じだが、Y1は、メトキシメチルになることはできない。
【0139】
本発明の一実施態様では、Y6とY9は、互いに独立に、シアノ、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3ハロアルキルチオ、C1〜C3アルキルスルフィニル、C1〜C3ハロアルキルスルフィニル、C1〜C3アルキルスルホニル、C1〜C3ハロアルキルスルホニルのいずれかである。好ましいY6とY9は、一般式(I)の化合物に関して示したのと同じだが、Y6とY9は、メトキシメチルになることはできない。
【0140】
いくつかの中間体は新規であり、そのままで本発明のさらに別の特徴を形成する。新規な中間体の1つのグループは、一般式(XIII)の化合物:
【化3】


またはその塩、またはそのN-オキシドである。ただしA1、A2、A3、A4、R2、G2、及びQ2は、一般式(I)に関して定義した通りである。好ましいA1、A2、A3、A4、R2、G2、Q2は、一般式(I)の化合物の対応する置換基に関して示した好ましいものと同じである。
【0141】
新規な中間体の別のグループは、一般式(IX')の化合物:
【化4】


またはその塩、またはそのN-オキシドである。ただしA1、A2、A3、A4、R2、G2、及びQ2は、一般式(I)に関して定義した通りである。好ましいA1、A2、A3、A4、R2、G2、及びQ2は、一般式(I)の化合物の対応する置換基に関して示した好ましいものと同じである。
【0142】
新規な中間体のさらに別のグループは、一般式(IX)の化合物:
【化5】


またはその塩、またはそのN-オキシドである。ただしA1、A2、A3、A4、R1、R2、G2、及びQ2は、一般式(I)に関して定義した通りである。好ましいA1、A2、A3、A4、R1、R2、G2、及びQ2は、一般式(I)の化合物の対応する置換基に関して示した好ましいものと同じである。
【0143】
新規な中間体の別のグループは、一般式(XI)の化合物:
【化6】


またはその塩、またはそのN-オキシドである。ただしA1、A2、A3、A4、R2、G2、及びQ2は、一般式(I)に関して定義した通りであり、LGは離脱基である。好ましいA1、A2、A3、A4、R2、G2、及びQ2は、一般式(I)の化合物の対応する置換基に関して示した好ましいものと同じである。LGはハロゲンであることが好ましく、フルオロまたはクロロであることがより好ましく、フルオロであることが最も好ましい。
【0144】
以下の表1〜63の化合物は、本発明の化合物の例である。
【0145】
表1:表1には、一般式(Ia)において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が以下の表に示した値である38種類の化合物を示してある。
【0146】
【化7】

【0147】
【表1】

【0148】
表2:表2は、一般式(Ia)において、Q2が2-エチル-6-メチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0149】
表3:表3は、一般式(Ia)において、Q2が2,6-ジエチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0150】
表4:表4は、一般式(Ia)において、Q2が2-メトキシメチル-6-メチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0151】
表5:表5は、一般式(Ia)において、Q2が2-ブロモ--6-メチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0152】
表6:表6は、一般式(Ia)において、Q2が2-ブロモ--6-エチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0153】
表7:表7は、一般式(Ia)において、Q2が2,6-ジクロロ-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0154】
表8:表8は、一般式(Ia)において、Q2が2,6-ジブロモ-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0155】
表9:表9は、一般式(Ia)において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0156】
表10:表10は、一般式(Ia)において、Q2が2-エチル-6-メチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0157】
表11:表11は、一般式(Ia)において、Q2が2,6-ジエチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0158】
表12:表12は、一般式(Ia)において、Q2が2-メトキシメチル-6-メチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0159】
表13:表13は、一般式(Ia)において、Q2が2-ブロモ-6-メチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0160】
表14:表14は、一般式(Ia)において、Q2が2-ブロモ-6-エチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0161】
表15:表15は、一般式(Ia)において、Q2が2,6-ジクロロ-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0162】
表16:表16は、一般式(Ia)において、Q2が2,6-ジブロモ-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0163】
表17:表17は、一般式(Ia')において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0164】
【化8】

【0165】
表18:表18は、一般式(Ia')において、Q2が2-エチル-6-メチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0166】
表19:表19は、一般式(Ia')において、Q2が2,6-ジエチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0167】
表20:表20は、一般式(Ia')において、Q2が2-メトキシメチル-6-メチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0168】
表21:表21は、一般式(Ia')において、Q2が2-ブロモ--6-メチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0169】
表22:表22は、一般式(Ia')において、Q2が2-ブロモ--6-エチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0170】
表23:表23は、一般式(Ia')において、Q2が2,6-ジクロロ-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0171】
表24:表24は、一般式(Ia')において、Q2が2,6-ジブロモ-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0172】
表25:表25は、一般式(Ia')において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0173】
表26:表26は、一般式(Ia')において、Q2が2-エチル-6-メチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0174】
表27:表27は、一般式(Ia')において、Q2が2,6-ジエチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0175】
表28:表28は、一般式(Ia')において、Q2が2-メトキシメチル-6-メチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0176】
表29:表29は、一般式(Ia')において、Q2が2-ブロモ-6-メチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0177】
表30:表30は、一般式(Ia')において、Q2が2-ブロモ-6-エチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0178】
表31:表31は、一般式(Ia')において、Q2が2,6-ジクロロ-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0179】
表32:表32は、一般式(Ia')において、Q2が2,6-ジブロモ-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0180】
表33:表33は、一般式(Ib)において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0181】
【化9】

【0182】
表34:表34は、一般式(Ic)において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0183】
【化10】

【0184】
表35:表35は、一般式(Id)において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0185】
【化11】

【0186】
表36:表36は、一般式(Ie)において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0187】
【化12】

【0188】
表37:表37は、一般式(Ie)において、Q2が2-エチル-6-メチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0189】
表38:表38は、一般式(Ie)において、Q2が2,6-ジエチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0190】
表39:表39は、一般式(Ie)において、Q2が2-メトキシメチル-6-メチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0191】
表40:表40は、一般式(Ie)において、Q2が2-ブロモ--6-メチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0192】
表41:表41は、一般式(Ie)において、Q2が2-ブロモ--6-エチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0193】
表42:表42は、一般式(Ie)において、Q2が2,6-ジクロロ-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0194】
表43:表43は、一般式(Ie)において、Q2が2,6-ジブロモ-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0195】
表44:表44は、一般式(Ie)において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0196】
表45:表45は、一般式(Ie)において、Q2が2-エチル-6-メチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0197】
表46:表46は、一般式(Ie)において、Q2が2,6-ジエチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0198】
表47:表47は、一般式(Ie)において、Q2が2-メトキシメチル-6-メチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0199】
表48:表48は、一般式(Ie)において、Q2が2-ブロモ-6-メチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0200】
表49:表49は、一般式(Ie)において、Q2が2-ブロモ-6-エチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0201】
表50:表50は、一般式(Ie)において、Q2が2,6-ジクロロ-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0202】
表51:表51は、一般式(Ie)において、Q2が2,6-ジブロモ-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0203】
表52:表52は、一般式(If)において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0204】
【化13】

【0205】
表53:表53は、一般式(If)において、Q2が2-エチル-6-メチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0206】
表54:表54は、一般式(If)において、Q2が2,6-ジエチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0207】
表55:表55は、一般式(If)において、Q2が2-メトキシメチル-6-メチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0208】
表56:表56は、一般式(If)において、Q2が2-ブロモ--6-メチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0209】
表57:表57は、一般式(If)において、Q2が2-ブロモ--6-エチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0210】
表58:表58は、一般式(If)において、Q2が2,6-ジクロロ-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0211】
表59:表59は、一般式(If)において、Q2が2,6-ジブロモ-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0212】
表60:表60は、一般式(If)において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0213】
表61:表61は、一般式(If)において、Q2が2-エチル-6-メチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0214】
表62:表62は、一般式(If)において、Q2が2,6-ジエチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0215】
表63:表63は、一般式(If)において、Q2が2-メトキシメチル-6-メチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0216】
表64:表64は、一般式(If)において、Q2が2-ブロモ-6-メチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0217】
表65:表65は、一般式(If)において、Q2が2-ブロモ-6-エチル-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0218】
表66:表66は、一般式(If)において、Q2が2,6-ジクロロ-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0219】
表67:表67は、一般式(If)において、Q2が2,6-ジブロモ-4-(ノナフルオロ-ブト-2-イル)-フェニルであり、Q1が表1に示した値である38種類の化合物を示している。
【0220】
表68:表68には、一般式(XIIIa)において、Q2が以下の表に示した値である16種類の化合物を示してある。
【0221】
【化14】

【0222】
【表2】

【0223】
表69:表69は、一般式(XIIIb)において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルである1種類の化合物を示している。
【0224】
【化15】

【0225】
表70:表70は、一般式(XIIIc)において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルである1種類の化合物を示している。
【0226】
【化16】

【0227】
表71:表71は、一般式(XIIId)において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルである1種類の化合物を示している。
【0228】
【化17】

【0229】
表72:表72は、一般式(XIIIe)において、Q2が表68に示した値である16種類の化合物を示している。
【0230】
【化18】

【0231】
表73:表73は、一般式(XIIIf)において、Q2が表68に示した値である16種類の化合物を示している。
【0232】
【化19】

【0233】
表74:表74は、一般式(IXa)において、Q2が以下の表に示した値である16種類の化合物を示している。
【0234】
【化20】

【0235】
【表3】

【0236】
表75:表75は、一般式(IXb)において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルである1種類の化合物を示している。
【0237】
【化21】

【0238】
表76:表76は、一般式(IXc)において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルである1種類の化合物を示している。
【0239】
【化22】

【0240】
表77:表77は、一般式(IXd)において、Q2が2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ2-イル)-フェニルである1種類の化合物を示している。
【0241】
【化23】

【0242】
表78:表78は、一般式(IXe)において、Q2が表74に示した値である16種類の化合物を示している。
【0243】
【化24】

【0244】
表79:表79は、一般式(IXf)において、Q2が表74に示した値である16種類の化合物を示している。
【0245】
【化25】

【0246】
本発明の化合物はさまざまな方法で製造することができる。
【0247】
1)一般式(I)においてG1とG2が酸素である化合物は、一般式(V)においてG1が酸素であり、Rが、OH、C1〜C6アルコキシ、又はCl、F、Brのいずれかである化合物を、一般式NHR2Q2のアミンで処理することによって製造できる。
【0248】
【化26】

【0249】
RがOHである場合には、この反応は、通常、カップリング試薬(例えばDCC(N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド)、EDC(1-エチル-3-[3-ジメチルアミノ-プロピル]-カルボジイミドヒドロクロリド)、又はBOP-Cl(ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスホン酸クロリド))と塩基(例えばピリジン、トリエチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-ピリジン、又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下で、さらに任意の求核触媒(例えばヒドロキシベンゾトリアゾール)の存在下で実施される。RがClの場合には、この反応は、通常、塩基性条件にて(例えばピリジン、トリエチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-ピリジン、ジイソプロピルエチルアミンいずれかの存在下で)、やはり任意の求核触媒の存在下で実施される。あるいはこの反応を、有機溶媒(酢酸エチルが好ましい)と水性溶媒(炭酸水素ナトリウムの溶液が好ましい)を含む二相系の中で行なわせることも可能である。RがC1〜C6アルコキシの場合には、熱プロセスにおいてエステルとアミンを一緒に加熱することにより、エステルをアミドに直接変換できる場合がある。
【0250】
2)一般式(V)においてG1が酸素であり、RがCl、F、Brのいずれかである酸ハロゲン化物は、一般式(V)においてG1が酸素であり、RがOHであるカルボン酸から、標準的な条件下(例えば塩化チオニルまたは塩化オキサリルを用いた処理)で製造することができる。
【0251】
3)一般式(V)においてG1が酸素であり、RがOHであるカルボン酸は、一般式(V)においてG1が酸素であり、RがC1〜C6アルコキシであるエステルから形成することができる。当業者には、アルコキシ基の性質に応じてこのようなエステルを加水分解する多くの方法が存在することが知られている。このような変換を実現するのに広く利用されている1つの方法は、溶媒(例えばエタノールおよび/または水)の中でエステルをアルカリ金属の水酸化物(例えば水酸化ナトリウム)で処理するというものである。
【0252】
4)一般式(V)においてG1が酸素であり、RがC1〜C6アルコキシであるエステルは、一般式(IV)においてRがC1〜C6アルコキシである化合物を、1)に記載したような標準的な条件下で、一般式Q1-COOHのカルボン酸または一般式Q1-COHalの酸ハロゲン化物(ここにHalはCl、F、Brのいずれかである)を用いてアシル化処理することによって製造できる。
【0253】
5)一般式(IV)においてRがC1〜C6アルコキシである化合物は、一般式(VI)の化合物を酸性条件下でアルコールR-OHを用いて処理した後、N-R1結合を形成するという逐次処理によって製造することができる。当業者には、置換基R1の性質に応じてこの結合を形成する多くの方法があることが知られている。
【0254】
【化27】

【0255】
あるいは酸化されたアルコール(例えば対応するアルデヒドとケトン)に基づいた反応、またはアルコールのより活性化された類似体(例えば対応するハロゲン化物またはスルホン酸塩)に基づいた反応を利用することができる。例えばアルデヒドまたはケトンと還元剤(例えばシアノホウ水素化ナトリウムまたはホウ水素化ナトリウム)を用いてアミンを処理することによって還元的アミノ化を実現できる。あるいはアルキル化剤(例えばハロゲン化アルキル)を用い、任意の塩基の存在下でアミンを処理することによってアルキル化を実現できる。あるいは適切な触媒/リガンド系(パラジウム(0)錯体であることがしばしばある)の存在下でハロゲン化アリールまたはスルホン酸アリールを用いてアミンを処理することによってアリール化を実現できる。一般式(VI)の化合物と一般式R-OHのアルコールは、公知の化合物であるか、当業者に知られている方法によって製造できる。
【0256】
6)あるいは一般式(IV)においてRがC1〜C6アルコキシである化合物は、一般式(VII)においてRがC1〜C6アルコキシであり、LGが離脱基(例えばフルオロ、クロロ、スルホン酸塩)である化合物から、一般式R1-NH2のアミンによる離脱基の求核置換反応を通じて製造することができる。
【0257】
【化28】

【0258】
一般式(VII)の化合物と一般式R1-NH2のアミンは、公知の化合物であるか、当業者に知られている公知の方法によって製造できる。
【0259】
7)一般式(I)においてG1とG2がイオウである化合物は、一般式(I)においてG1とG2が酸素である化合物から、チオ移動試薬(例えばローソン試薬または五硫化リン)を用いた処理によって製造することができる。
【0260】
8)一般式(I)においてG1がイオウであり、G2が酸素である化合物は、一般式(V)においてG1が酸素であり、RがOHまたはC1〜C6アルコキシである化合物から、チオ移動試薬(例えばローソン試薬または五硫化リン)を用いて処理した後、一般式NHR2Q2のアミンを用いたカップリングによって製造することができる。
【0261】
9)あるいは一般式(I)においてG1とG2が酸素である化合物は、一般式(IX)においてG2が酸素である化合物を、1)に記載したように標準的な条件下で、一般式Q1-COOHのカルボン酸または一般式Q1-COHalの酸ハロゲン化物(ここにHalはCl、F、Brのいずれかである)を用いて処理することによって製造できる。
【0262】
【化29】

【0263】
10)一般式(IX)においてG2が酸素である化合物は、一般式(VIII)においてPが適切な保護基であり、RがOH、Cl、C1〜C6アルコキシのいずれかである化合物から、1)に記載したような標準的な条件下で一般式NHR2Q2のアミンを用いてアミド結合を形成した後、標準的な条件下で保護基Pを除去することによって形成できる。
【0264】
【化30】

【0265】
11)一般式(VIII)においてRがOHまたはC1〜C6アルコキシである化合物は、一般式(IV)においてRがOHまたはC1〜C6アルコキシである化合物のアミン基を保護することによって製造できる。適切な保護基として、カルバミン酸塩(例えばt-ブチルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル)、トリアルキルシリル基(例えばt-ブチルジメチルシリル)、及びアシル基(例えばアセチル)などがある。このような基の形成と除去は文献に広く報告されており、当業者に知られている。
【0266】
12)一般式(VIII)の化合物と一般式(IV)の化合物に関しては、溶媒(例えばエタノール)の中でアルカリ金属の水酸化物(例えば水酸化ナトリウム)を用いた処理によってエステル(ただしRはC1〜C6アルコキシである)を加水分解して酸(ただしRはOHである)にすることができる。この酸(ただしRはOHである)は、2)または3)に記載したように塩化チオニルまたは塩化オキサリルを用いた処理によって酸塩化物(ただしRはClである)に変換することができる。
【0267】
13)あるいは一般式(IV)においてRがOH、Cl、F、Br又はC1〜C6アルコキシのいずれかである化合物は、1)に記載したように標準的な条件下で一般式NHR2Q2のアミンを用いてアミド結合を形成することによって直接一般式(IX)の化合物に変換することができる。
【0268】
14)あるいは一般式(IX)においてG2が酸素である化合物は、一般式(XI)においてG2が酸素であり、LGが離脱基(例えばフルオロ、クロロ、スルホン酸塩)である化合物から、離脱基を一般式R1-NH2のアミンで置換することによって製造できる。このような反応は、通常、塩基性条件下で実施される。
【0269】
15)一般式(XI)の化合物は、一般式(X)においてRがClまたはOHであり、且つLGが14)に記載したような離脱基である化合物から、1)に記載したような標準的な条件下でアミド結合を形成することを通じて製造できる。一般式(X)の化合物と一般式(IV)の化合物は、公知の化合物であるか、当業者に知られている方法によって製造できる。
【0270】
【化31】

【0271】
16)一般式(I)においてG1が酸素であり、G2がイオウである化合物は、一般式(XI)においてG2が酸素であり、LGが離脱基である化合物、または一般式(IX)においてG2が酸素である化合物から、8)に記載したようにしてチオ移動試薬(例えばローソン試薬または五硫化リン)を用いて処理した後、一般式(I)においてG1が酸素であり、G2がイオウである化合物にすることによって製造できる。
【0272】
17)あるいは一般式(IX)においてG2が酸素である化合物は、5)に記載した方法を利用し、一般式(IX’)においてG2が酸素である化合物にN-R1結合を形成することによって調製できる。
【0273】
【化32】

【0274】
18)一般式(IX’)においてG2が酸素である化合物は、一般式(XIII)においてG2が酸素であるニトロ化合物の還元によって製造できる。このような変換を実現するための多数の方法が文献に存在しており、例えば、酸性条件下で塩化スズを用いた処理、または貴金属(例えば活性炭担持パラジウム)を触媒とする水素化などの方法がある。
【0275】
19)一般式(XIII)においてG2が酸素である化合物は、一般式(XII)においてRがOH、Cl、C1〜C6アルコキシのいずれかである化合物から、1)に記載したように標準的な条件下で一般式NHR2Q2のアミンを用いてアシル化することを通じて得ることができる。
【0276】
20)一般式(XII)の化合物に関しては、3)に記載したように溶媒(例えばエタノール)の中でアルカリ金属の水酸化物(例えば水酸化ナトリウム)を用いた処理によってエステル(ただしRはC1〜C6アルコキシである)を加水分解して酸(ただしRはOHである)にすることができる。この酸(ただしRはOHである)は、2)に記載したように塩化チオニルまたは塩化オキサリルを用いた処理によって酸塩化物(ただしRはClである)に変換することができる。一般式(XII)の化合物は、公知の化合物であるか、当業者に知られている方法によって製造できる。
【0277】
21)一般式(XII)においてR3がシアノである化合物は、一般式(XII’)においてLGがハロゲン(例えばフッ化物または塩化物)である化合物を任意の塩基(例えば炭酸カリウム)の存在下でシアン化物(例えばシアン化カリウム)と反応させることによって製造できる。
【0278】
【化33】

【0279】
ハロゲンのシアン化物による置換は、一般式(XIII)の中間体で実施することもできる。どちらの場合にも、ニトロ基が存在することでシアン化物イオンによる離脱基の置換が容易になる。同様に、一般式(XII)と(XIII)においてR3がチオシアナトである化合物は、一般式(XII’)または(XIII’)においてLGがハロゲン(例えばヨウ素、フッ素、塩素)である化合物を、例えばJournal of the Chemical Society、Chemical Communications、(2)、8102ページ、1989年、またはSynthetic Communications、第10巻(8)、633〜636ページ、1980年に記載されているようにしてチオシアナト塩(例えばチオシアン酸カリウムまたはチオシアン酸銅)と反応させることによって製造できる。
【0280】
22)一般式(XII)においてR3がシアノである化合物は、一般式(XII’)においてLGがアミンである化合物を、シアン化物(例えばシアン化銅)との反応させることによるジアゾ化反応を通じて製造することができる。シアン化物を用いたアミンの離脱は、一般式(XIII)の中間体で実施することもできる。
【0281】
23)一般式(I)においてG1とG2が酸素であり、R3がアミノチオカルボニルである化合物は、例えば一般式(IV)、(VI)、(VII)、(VIII)、(X)、(XII)においてR3がシアノである化合物を、例えばJournal of Fluorine Chemistry、2006年、第127巻(1)、63〜67ページと、Synthesis、2006年、(2)、224〜226ページまたはSynthetic Communications、2003年、第33巻(24)、4279〜4284ページに記載されているようにP4S10またはH2Sで処理することによって製造できる。あるいは一般式(I)においてG1とG2が酸素であり、R3がアミノチオカルボニルである化合物は、例えば一般式(I)においてR3がシアノである化合物を、例えばSynthetic Communications、2005年、第35巻(5)、761〜764ページに記載されているように硫化水素ナトリウムおよび塩化マグネシウムと反応させる処理によって製造できる。
【0282】
24)一般式(I)においてG1とG2が酸素であり、R3がN-C1〜C4アルキル-アミノカルボニルである化合物は、例えば一般式(I)においてG1とG2が酸素であり、R3がアミノチオカルボニルである化合物を、例えばアメリカ合衆国特許第5,049,669号またはJournal of Sulfur Chemistry、2006年、第27巻(3)、203〜212ページに記載されているようにN-C1〜C4アルキルアミンと反応させる処理によって製造できる。
【0283】
25)一般式(I)においてG1とG2が酸素であり、R3がN,N-ジC1〜C4アルキル-アミノチオカルボニルである化合物は、例えばSynthetic Communications、2003年、第33巻(24)、4279〜4284ページに記載されているように、例えば一般式(I)においてG1とG2が酸素であり、R3がシアノである化合物をイオウの存在下で好ましくはマイクロ波を照射してN,N-ジC1〜C4アルキル-アミンと反応させる処理によって製造できる。あるいは一般式(I)においてG1とG2が酸素であり、R3がN,N-ジC1〜C4アルキル-アミノチオカルボニルである化合物は、例えばBulletin of the Chemical Society of Japan、1967年、第40巻(9)、2209ページに記載されているように一般式(I)においてG1とG2が酸素であり、R3がシアノである化合物をN,N-ジC1〜C4アルキル-ジチオカルバメートと反応させる処理によって製造することができる。
【0284】
一般式(I)の化合物を用いることにより、被害を及ぼす害虫を防除することができる。被害を及ぼす昆虫としては、鱗翅目、双翅目、半翅目、総翅類、直翅類、網翅類、鞘翅目、隠翅目、膜翅類、及び等翅目や、無脊椎の他の害虫(例えばダニ、線虫、及び陸貝)が挙げられる。今後は、昆虫、ダニ、線虫、及び陸貝をまとめて害虫と呼ぶことにする。本発明の化合物を用いて防除、制御することのできる害虫としては、農業(この用語は、食物および繊維のための作物を成長させることを意味する)、園芸、畜産、ペット、林業、及び植物起源の製品(果実、穀物、及び木材など)の保存に関係する害虫;人工構造物の損傷、ヒトと動物の病気の伝染に関係する害虫;邪魔になる害虫(ハエなど)が挙げられる。
【0285】
一般式(I)の化合物によって制御できる害虫の例として以下のものが挙げられる:ミズス・ペルシカエ(モモアカアブラムシ)、アフィス・ゴシピイ(ワタワタアブラムシ)、アフィス・ファバエ(アブラムシ)、リグス属(メクラカメムシ)、ディスデルクス属(メクラカメムシ)、ニラパルヴァータ・ルーゲンス(トビイロウンカ)、ネフォティクス・インクティケプス(ヨコバイ)、ネザラ属(カメムシ)、エウスキストゥス属(カメムシ)、レプトコリサ属(カメムシ)、フランクリニエラ・オクシデンタリス(ミカンキイロアザミウマ)、アザミウマ属(アザミウマ)、レプティノタルサ・デケムリネアータ(コロラドハムシ)、アントノムス・グランディス(メキシコワタノミゾウムシ)、アオニディエラ属(カイガラムシ)、トリアレウロデス属(コナジラミ)、ベミシア・タバキ(タバココナジラミ)、オストリニア・ヌビラリス(アワノメイガ)、スポドプテラ・リトラリス(エジプトヨトウ)、ヘリオティス・ヴィレスケンス(タバコガ)、ヘリコヴェルパ・アルミゲラ(ワタキバガ)、ヘリコヴェルパ・ゼア(ワタキバガ)、シレプタ・デロガータ(ワタハマキムシ)、ピエリス・ブラシカエ(オオモンシロチョウ)、プルテラ・キシロステラ(コナガ)、アグロティス属(ネキリムシ)、キロ・スプレサリス(ニカメイガ)、ロクスタ・ミグラトリア(トノサマバッタ)、コルティオケテス・テルミニフェラ(バッタ)、ディアブロティカ属(ウリハムシ)、パノニクス・ウルミ(リンゴハダニ)、パノニクス・キトリ(ミカンハダニ)、テトラニクス・ウルティカエ(ナミハダニ)、テトラニクス・キンナバリヌス(ニセナミハダニ)、フィロコプトゥルータ・オレイヴォラ(ミカンサビダニ)、ポリファゴタルソネムス・ラトゥス(チャノホコリダニ)、ブレヴィパルプス属(ハダニ)、ボオフィルス・ミクロプルス(ウシダニ)、デルマケントール・ヴァリアビリス(アメリカイヌダニ)、クテノケファリデス・フェリス(ネコダニ)、リリオミザ属(ハモグリムシ)、ムスカ・ドメスティカ(イエバエ)、アエデス・アエギプティ(ネッタイシマカ)、アノフェレス属(蚊)、クレックス属(蚊)、ルキリア属(クロバエ)、ブラテラ・ゲルマニカ(チャバネゴキブリ)、ペリプラネタ・アメリカーナ(ワモンゴキブリ)、ブラッタ・オリエンタリス(トーヨーゴキブリ)、ムカシシロアリ科(例えばマストテルメス属)、レイビシロアリ科(例えばネオテルメス属)、ミゾガシラシロアリ科(例えばコプトテルメス・フォルモサヌス(イエシロアリ)、レティクリテルメス・フラヴィペス、R. スペラトゥ(ヤマトシロアリ)、R. ヴィルギニクス、R. ヘスペルス、R. サントネンシス)、シロアリ科(例えばグロビテルメス・スルフレウス)、ソレノプシス・ゲミナータ(アカカミアリ)、モノモリウム・ファラオニス(イエヒメアリ)、ダマリニア属とリノグナトゥス属(噛みつき、吸いつくノミ)、メロイドギネ属(ネコブセンチュウ)、グロボデラ属とヘテロデラ属(シストセンチュウ)、プラティレンクス属(キタネグサレセンチュウ)、ロドフォルス属(バナナに潜伏するセンチュウ)、ティレンクルス属(ミカンセンチュウ)、ハエモンクス・コントルトゥス(捻転胃虫)、カエノラブディティス・エレガンス(スセンチュウ)、トリコストロンギルス属(胃腸センチュウ)、及びデロケラス・レティクラトゥム(ナメクジ)。
【0286】
したがって本発明により、昆虫、ダニ、線虫、又は陸貝を防除する方法であって、害虫、害虫がいる場所(植物が好ましい)、害虫にやられやすい植物のいずれかに対し、一般式(I)の化合物または一般式(I)の化合物を含む組成物を、殺虫、ダニ駆除、殺線虫、又は殺陸貝に有効な量施用する操作を含む方法が提供される。一般式(I)の化合物は、昆虫、ダニ、又は線虫に対して使用することが好ましい。
【0287】
この明細書では、“植物”という用語に、苗、潅木、及び木が含まれる。
【0288】
一般式(I)の化合物を、害虫、害虫がいる場所、害虫にやられやすい植物のいずれかに対して殺虫剤、ダニ駆除剤、殺線虫剤、又は殺陸貝剤として使用するには、通常は一般式(I)の化合物を組成物にする。その組成物には、一般式(I)の化合物に加え、適切な不活性な希釈剤または基剤と、必要に応じて界面活性剤(SFA)が含まれている。SFAは、界面の張力を低下させることによって界面(例えば液体/固体、液体/空気、又は液体/液体の界面)の性質を変え、そのことによって他の性質(例えば分散性、乳化性、及び湿潤性)を変化させることのできる化学物質である。どの組成物(固体製剤と液体製剤の両方)も、一般式(I)の化合物を0.0001〜95重量%、より好ましくは1〜85重量%、例えば5〜60重量%含んでいることが好ましい。組成物は、一般に害虫を制御するのに使用され、一般式(I)の化合物を、1ヘクタールにつき0.1g〜10kg、好ましくは1ヘクタールにつき1g〜6kg、より好ましくは1ヘクタールにつき1g〜1kgの割合で散布する。
【0289】
種子のコーティングに用いる場合には、一般式(I)の化合物を、種子1kgにつき0.0001g〜10g(例えば0.001g〜0.05g)、好ましくは0.005g〜10g、より好ましくは0.005g〜4g使用する。
【0290】
本発明の別の特徴によれば、殺虫、ダニ駆除、殺線虫、又は殺陸貝に有効な量の一般式(I)の化合物と、適切な基剤または希釈剤とを含む殺虫用、またはダニ駆除用、または殺線虫用、または殺陸貝用の組成物が提供される。この組成物は、殺虫用、ダニ駆除用、殺線虫用、殺陸貝用いずれかの組成物であることが好ましい。
【0291】
この組成物は、多くのタイプの製剤の中から選択することができる。選択肢として、例えば、ダスト化可能な粉末(DP)、可溶性粉末(SP)、水溶性顆粒(SG)、水に分散可能な顆粒(WG)、湿潤化可能な粉末(WP)、顆粒(GR)(徐放性または早放性)、可溶性濃縮物(SL)、油混和性液体(OL)、超小容積液体(UL)、乳化可能濃縮物(EC)、分散可能な濃縮物(DC)、エマルジョン(水中油型(EW)と油中水型(EO)の両方)、マイクロエマルジョン(ME)、懸濁濃縮液(SC)、エーロゾル、噴霧/噴煙製剤、カプセル懸濁液(CS)、及び種子処理用製剤などがある。選択する製剤のタイプは、いずれの場合にも、個々の目的と、一般式(I)で表わされる化合物の物理的、化学的、及び生物学的な性質によって異なる。
【0292】
ダスト化可能な粉末(DP)は、一般式(I)の化合物を1又は複数種類の固体希釈剤(例えば天然の粘土、カオリン、葉蝋石、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、チョーク、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、イオウ、石灰、小麦粉、タルク、ならびにその他の有機および無機の固体基剤)と混合し、その混合物を機械的にすりつぶして細かい粉末にすることによって調製できる。
【0293】
可溶性粉末(SP)は、一般式(I)の化合物を1又は複数種類の水溶性無機塩(例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム)もしくは1又は複数種類の水溶性有機固体(例えば多糖)と混合し、水に対する分散性/可溶性を改善するために必要に応じて1又は複数種類の湿潤剤、もしくは1又は複数種類の分散剤、またはこれら湿潤剤と分散剤の混合物とも混合することによって調製できる。次に、この混合物をすりつぶして細かい粉末にする。同様の組成物をすりつぶして水溶性顆粒(SG)にすることもできる。
【0294】
湿潤化可能な粉末(WP)は、一般式(I)の化合物を1又は複数種類の希釈剤または基剤、ならびに1種類以上の湿潤剤と混合し、液体に分散させやすくするために好ましくは1種類以上の分散剤、ならびに任意の1又は複数種類の懸濁剤とも混合することによって調製できる。次に、この混合物をすりつぶして細かい粉末にする。同様の組成物をすりつぶして分散可能な顆粒(WG)にすることもできる。
【0295】
顆粒(GR)は、一般式(I)の化合物と、1又は複数種類の固体希釈剤または基剤の粉末との混合物をすりつぶすことによって、あるいはあらかじめ形成した未完成の顆粒から形成することができる。後者の場合、多孔性粒状材料(例えば、軽石、アタパルジャイト粘土、フーラー土、珪藻土、すりつぶしたトウモロコシの穂軸)に一般式(I)の化合物(またはそれを適切な媒体に溶かした溶液)を吸収させるか、硬いコア材料(例えば砂、ケイ酸塩、鉱物状炭酸塩、鉱物状硫酸塩、鉱物状リン酸塩)の表面に一般式(I)の化合物(またはそれを適切な媒体に溶かした溶液)を吸着させ、必要に応じてそれを乾燥させる。吸収または吸着を助けるのに一般に用いられる物質としては、溶媒(例えば脂肪族および芳香族の石油溶媒、アルコール、エーテル、ケトン、エステル)、固着剤(例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖、植物油)などが挙げられる。1又は複数種類の他の添加物(例えば乳化剤、湿潤剤、分散剤)も顆粒の中に含まれていてよい。
【0296】
分散可能な濃縮物(DC)は、一般式(I)の化合物を水または有機溶媒(例えばケトン、アルコール、グリコールエーテル)に溶かすことによって調製できる。この溶液は、(例えば水への希釈性を改善するため、またはスプレー・タンク内での結晶化を防止するために)界面活性剤を含んでいてもよい。
【0297】
乳化可能な濃縮物(EC)または水中油型エマルジョン(EW)は、一般式(I)の化合物を有機溶媒(任意の1又は複数種類の湿潤剤、1又は複数種類の乳化剤、またはこれら湿潤剤と乳化剤の混合物を含んでいる)に溶かすことによって調製できる。ECで使用するのに適した有機溶媒としては、芳香族炭化水素(例えばアルキルベンゼンまたはアルキルナフタレン、具体的にはSOLVESSO 100、SOLVESSO 150、SOLVESSO 200;SOLVESSOは登録商標)、ケトン(例えばシクロヘキサノンまたはメチルシクロヘキサノン)、アルコール(例えばベンジルアルコール、フルフリルアルコール、ブタノール)、N-アルキルピロリドン(例えばN-メチルピロリドンまたはN-オクチルピロリドン)、脂肪酸のジメチルアミド(例えばC8〜C10脂肪酸ジメチルアミド)、及び塩素化炭化水素などが挙げられる。EC製品は、水に添加すると自発的に乳化して十分な安定性のあるエマルジョンになるため、適切な装置を通じてスプレーすることができる。EWの調製には、一般式(I)の化合物を液体状(室温で液体になっていない場合には、適切な温度(一般には70℃未満)で融解させるとよい)または(適切な溶媒に溶かすことによって)溶液にした後、得られた液体または溶液を、1又は複数種類のSFAを含む水の中で高剪断力のもとで乳化してエマルジョンにする操作が含まれる。EWで使用するのに適した有機溶媒としては、植物油、塩素化炭化水素(例えばクロロベンゼン)、芳香族溶媒(例えばアルキルベンゼンまたはアルキルナフタレン)、及び水への溶解度が小さい他の適切な有機溶媒などが挙げられる。
【0298】
マイクロエマルジョン(ME)は、1又は複数種類の溶媒と1又は複数種類のSFAの混合物を水と混合することによって調製でき、その結果として熱力学的に安定な等張液体製剤が自発的に得られる。一般式(I)の化合物は、最初は水または溶媒/SFA混合物の中に存在している。MEで使用するのに適した溶媒としては、ECまたはEWで使用される上記のものが挙げられる。MEは、水中油系でも油中水系でもよく(どちらの系が存在しているかは、導電率を測定することによってわかる)、同じ製剤中で水溶性殺虫剤と油溶性殺虫剤を混合するのに適している可能性がある。あるMEは水に希釈するのに適しており、マイクロエマルジョンとして残るか、従来の水中油型エマルジョンを形成する。
【0299】
懸濁濃縮液(SC)は、一般式(I)の化合物からなる細かく分割した不溶性固体粒子の水性懸濁液または非水性懸濁液を含むことができる。SCは、一般式(I)の固体化合物を、任意の1又は複数種類の分散剤とともに適切な媒体中でボール・ミルまたはビーズ・ミルすることによって調製でき、その結果としてその化合物の微粒子懸濁液が得られる。この組成物には1又は複数種類の湿潤剤が含まれていてよく、粒子が沈殿する速度を遅くするために懸濁剤が含まれていてもよい。別の方法として、一般式(I)の化合物を乾燥状態ですりつぶした後、上記の物質が含まれた水に添加することにより、望む最終生成物にすることもできる。
【0300】
エーロゾル製剤は、一般式(I)の化合物と、適切な推進剤(例えばn-ブタン)を含んでいる。一般式(I)の化合物は、適切な媒体(例えば水、または水に混和する液体(例えばn-プロパノール))に溶かすことにより、あるいは分散させることにより、手で作動させる非加圧式のスプレー・ポンプで使用するための組成物にすることもできる。
【0301】
一般式(I)の化合物は、乾燥状態で火工混合物と混合することにより、閉鎖空間でこの化合物を含む煙を発生させるのに適した組成物にすることができる。
【0302】
カプセル懸濁液(CS)は、EW製剤の調製と同様にして調製することができるが、油滴の水性分散液を得るための重合段階が付加される。それぞれの油滴は、ポリマーのシェルに包まれており、一般式(I)の化合物と、任意の基剤または希釈剤を含んでいる。ポリマーのシェルは、界面重縮合反応またはコアセルベーション法によって作ることができる。得られた組成物は、一般式(I)の化合物を制御放出することができ、種子の処理に使用できる。一般式(I)の化合物は、生物分解性ポリマー・マトリックスの中で製剤化し、一般式(I)の化合物がゆっくりと制御された状態で放出されるようにすることもできる。
【0303】
組成物は、(例えば表面上の湿潤状態、保持状態、分布状態;処理した表面での雨に対する抵抗力;一般式(I)の化合物の取り込みまたは移動性を改善することによって)生物学的性能を改善するため、1又は複数種類の添加物を含むことができる。そのような添加物としては、界面活性剤、油をベースとしたスプレー添加物(例えばある種の鉱物油または天然の植物油(ダイズ油、ナタネ油))や、これらの油とそれ以外の生体促進性アジュバント(一般式(I)で表わされる化合物の作用を助ける、あるいは変化させることのできる成分)の混合物などが挙げられる。
【0304】
一般式(I)の化合物は、種子処理用の製剤にすることができる。製剤としては、例えば、粉末組成物(例えば種子を乾燥処理するための粉末(DS)、水溶性粉末(SS)、スラリー処理のため水に分散可能な粉末(WS))、液体組成物(例えば流動可能な濃縮液(FS)、溶液(LS)、又はカプセル懸濁液(CS))などが挙げられる。DS、SS、WS、FS、及びLSという組成物は、それぞれ、すでに説明したDP、SP、WP、SC、及びDCという組成物と非常によく似ている。種子を処理するための組成物は、この組成物を種子に付着させるのを助ける物質(例えば鉱物油、又はフィルム形成障壁)を含むことができる。
【0305】
湿潤剤、分散剤、及び乳化剤としては、カチオン・タイプ、アニオン・タイプ、両性タイプ、又は非イオン・タイプのSFAが可能である。
【0306】
カチオン・タイプの適切なSFAとしては、第四級アンモニウム化合物(例えばセチルトリメチルアンモニウムブロミド)、イミダゾリン、及びアミン塩などが挙げられる。
【0307】
適切なアニオンSFAとしては、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族モノエステルの塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化された芳香族化合物の塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、スルホン酸ブチルナフタレン、ジ-イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムとトリ-イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの混合物)、エーテルサルフェート、アルコールエーテルサルフェート(例えばラウレス-3-硫酸ナトリウム)、エーテルカルボキシレート(例えばラウレス-3-炭酸ナトリウム)、リン酸エステル(1又は複数種類の脂肪アルコールとリン酸の反応による生成物(大部分がモノエステル)、または五酸化リン(大部分がジエステル)で、具体的例としてはラウリルアルコールと四リン酸の反応;生成物は、さらにエトキシル化することができる)、スルホスクシンアミド酸塩、スルホン酸パラフィン、スルホン酸オレフィン、パラフィンタウレート、オレフィンタウレート、リグノスルホン酸パラフィン、リグノスルホン酸オレフィンなどが挙げられる。
【0308】
両性タイプの適切なSFAとしては、ベタイン、プロピオン酸塩、及びグリシン酸塩などが挙げられる。
【0309】
非イオン・タイプの適切なSFAとしては、アルキレンオキシド(例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物)と、脂肪アルコール(例えばオレイルアルコール、セチルアルコール)またはアルキルフェノール(例えばオクチルフェノール、ノニルフェノール、又はオクチルクレゾール)との縮合生成物;長鎖の脂肪酸またはヘキシトール無水物に由来する部分エステル;前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物;(エチレンオキシドとプロピレンオキシドから成る)ブロック・ポリマー;アルカノールアミド;単純なエステル(例えば脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(例えばラウリルジメチルアミンオキシド);及びレシチンなどが挙げられる。
【0310】
適切な懸濁剤としては、親水性コロイド(例えば多糖類、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、膨潤する粘土(例えばベントナイト又はアタパルジャイト)などが挙げられる。
【0311】
一般式(I)の化合物は、殺虫化合物を散布するための公知のあらゆる手段を用いて散布することができる。一般式(I)の化合物は、例えば、害虫、または害虫がいる場所(害虫の住処、害虫にやられやすい成長中の植物など)、または植物のあらゆる部位(葉、茎、枝、又は根など)、または播く前の種子、または植物を育てたり植えたりするための他の媒体(根を取り囲む土、土壌全般、泥水、又は水耕用培養系など)に対し、製剤化した形態またはしていない形態で直接に散布することや、スプレーすること、ダスト化したものを付着させること、浸漬によって塗布すること、クリームまたはペーストとして塗布すること、蒸気として付着させること、土または水性環境への組成物(顆粒状組成物、または水溶性バッグの中に入れた組成物として)の分布または組み込みを通じて散布することが可能である。
【0312】
一般式(I)の化合物は、植物の中に注入すること、電気力学的スプレー技術を利用して植物の表面にスプレーすること、これら以外の小体積法、あるいは土地または空中の灌漑システムによって散布することも可能である。
【0313】
水性調製物(水溶液または分散液)として使用される組成物は、一般に、活性成分を大きな割合で含む濃縮物の形態で供給され、使用前にその濃縮物に水を添加する。濃縮物は、DC、SC、EC、EW、ME、SG、SP、WP、WG、及びCSを含むことができる。この濃縮物に対してしばしば要求されるのは、長期にわたって保存できること、しかもそのような保存期間が経過した後に水に添加したとき、従来のスプレー装置で散布できるくらいに十分な期間にわたって均一な状態に留まっている水性調製物にできることである。このような水性調製物は、使用目的に応じ、一般式(I)の化合物をさまざまな量(例えば0.0001〜10重量%)含むことができる。
【0314】
一般式(I)の化合物は、肥料(例えば窒素含有肥料、カリウム含有肥料、又はリン含有肥料)との混合物として使用することができる。適切な製剤のタイプとしては、肥料の顆粒が挙げられる。この混合物は、一般式(I)の化合物を25重量%まで含むことができる。
【0315】
したがって本発明により、肥料と一般式(I)の化合物から成る肥料組成物も提供される。
【0316】
本発明の組成物は、生物活性を有する他の化合物(例えば微量栄養素)、殺真菌活性を有する化合物、植物の成長調節活性、除草活性、殺虫活性、殺線虫活性、又はダニ駆除活性を有する化合物を含んでいてもよい。
【0317】
一般式(I)の化合物は、組成物中の唯一の活性成分であってもよいし、必要に応じて1又は複数種類の追加活性成分(例えば殺虫剤、殺真菌剤、相乗剤、除草剤、又は植物成長調節剤)と混合してもよい。追加活性成分は、ある場所においてより広い活性スペクトルまたは増大した持続力を有する組成物を提供すること;(例えば効果が早く現われるようにすること、あるいは撥水性に打ち勝つことによって)一般式(I)の化合物の活性を増大させる、あるいは補足すること;又は個々の成分に対する抵抗力が大きくなるのに打ち勝つ、あるいはそれを防止するのを助けることができる。具体的な追加活性成分は、組成物の用途が何であるかに応じて異なる。適切な殺虫剤の具体例としては、以下のものが挙げられる:
a)ピレトロイド(例えばペルメトリン、シペルメトリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、デルタメトリン、シハロトリン(中でもラムダ-シハロトリン)、ビフェントリン、フェンプロパトリン、シフルトリン、テフルトリン、魚にとって安全なピレトロイド(例えばエトフェンプロックス)、天然のピレトリン、テトラメトリン、s-ビオアレトリン、フェンフルトリン、プラレトリン、又は5-ベンジル-3-フリルメチル-(E)-(1R,3S)-2,2-ジメチル-3-(2-オキソチオラン-3-イリデンメチル)シクロプロパンカルボキシレート);
b)有機リン酸塩(例えばプロフェノホス、スルプロホス、アセフェート、メチルパラチオン、アジンホス-メチル、デメトン-s-メチル、ヘプテノホス、チオメトン、フェナミホス、モノクロトホス、プロフェノホス、トリアゾホス、メタミドホス、ジメトエート、ホスファミドン、マラチオン、クロルピリホス、ホサロン、テルブホス、フェンスルホチオン、ホノホス、ホレート、ホキシム、ピリミホス-メチル、ピリミホス-エチル、フェニトロチオン、ホスチアゼート、又はジアジノン);
c)カルバメート(カルバミン酸アリールを含む)(例えばピリミカルブ、トリアザメート、クロエトカルブ、カルボフラン、フラチオカルブ、エチオフェンカルブ、アルジカルブ、チオフロックス、カルボスルファン、ベンジオカルブ、フェノブカルブ、プロポキスル、メトミル、又はオキサミル);
d)ベンゾイルウレア(例えばジフルベンズロン、トリフルムロン、ヘキサフルムロン、フルフェノクスロン、又はクロルフルアズロン);
e)有機スズ化合物(例えばシヘキサチン、フェンブタチンオキシド、又はアゾシクロチン);
f)ピラゾール(例えばテブフェンピラド及びフェンピロキシメート);
g)マクロライド(例えばアベルメクチンまたはミルベマイシン(例えばアバメクチン、エマメクチン、安息香酸塩、イベルメクチン、ミルベマイシン、スピノサド、又はアザジラクチン));
h)ホルモンまたはフェロモン;
i)有機塩素化合物(例えばエンドスルファン、ベンゼンヘキサクロリド、DDT、クロルダン、又はジエルドリン);
j)アミジン(例えばクロルジメフォルム又はアミトラズ);
k)燻蒸剤(例えばクロロピクリン、ジクロロプロパン、臭化メチル、又はメタム);
l)ネオニコチノイド化合物(例えばイミダクロプリド、チアクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、ジノテフラン、又はチアメトキサム);
m)ジアシルヒドラジン(例えばテブフェノジド、クロマフェノジド、又はメトキシフェノジド);
n)ジフェニルエーテル(例えばジオフェノラン又はピリプロキシフェン);
o)インドキサカルブ;
p)クロルフェナピル;
q)ピメトロジン;
r)スピロテトラマト、スピロジクロフェン、又はスピロメシフェン;あるいは
s)フルベンジアミド、リナキシピル。
【0318】
組成物の目的に合っている場合には、殺虫剤に関する上記の主要な化合物のクラスに加え、特定の標的を有する他の殺虫剤も組成物の中で使用することができる。例えば特定の作物に対する選択的殺虫剤(例えばイネで用いられる、茎に孔を開ける害虫専用の殺虫剤(例えばカルタップ)や、バッタ専用の殺虫剤(例えばブプロフェジン)を使用することができる。あるいは特定の昆虫種/期に対して特異的な殺虫剤またはダニ駆除剤も組成物の中に含めることができる(例えばダニの卵-幼虫駆除剤(例えばクロフェンテジン、フルベンジミン、ヘキシチアゾックス、又はテトラジホン);ダニの運動阻害剤(例えばジコフォル又はプロパルギット);ダニ駆除剤(例えばブロモプロピレート又はクロロベンジレート);成長調節剤(例えばヒドラメチルノン、シロマジン、メトプレン、クロルフルアズロン、又はジフルベンズロン)。
【0319】
本発明の組成物に含まれていてもよい殺真菌化合物の例は、 (E)-N-メチル-2-[2-(2,5-ジメチルフェノキシメチル)フェニル]-2-メトキシ-イミノアセトアミド(SSF-129)、4-ブロモ-2-シアノ-N,N-ジメチル-6-トリフルオロメチルベンズイミダゾール-1-スルホンアミド、α-[N-(3-クロロ-2,6-キシリル)-2-メトキシアセトアミド]-γ-ブチロラクトン、4-クロロ-2-シアノ-N,N-ジメチル-5-p-トリルイミダゾール-1-スルホンアミド(IKF-916、シアミダゾスルファミド)、3,5-ジクロロ-N-(3-クロロ-1-エチル-1-メチル-2-オキソプロピル)-4-メチルベンズアミド(RH-7281、ゾキサミド)、N-アリル-4,5-ジメチル-2-トリメチルシリルチオフェン-3-カルボキサミド(MON65500)、N-(1-シアノ-1,2-ジメチルプロピル)-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)プロピオンアミド(AC382042)、N-(2-メトキシ-5-ピリジル)-シクロプロパンカルボキサミド、アシベンゾラル(CGA245704)、アラニカルブ、アルジモルフ、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノミル、ビロキサゾール、ビテルタノール、ブラスチシジンS、ブロムコナゾール、ブピリメート、キャプタフォル、キャプタン、カルベンダジム、カルベンダジム塩酸塩、カルボキシン、カルプロパミド、カルボーン、CGA 41396、CGA 41397、キノメチオネート、クロロタロニル、クロロゾリネート、クロジラコン、銅含有化合物(例えば銅オキシクロリド、銅オキシキノレート、硫酸銅、銅タレート、及びボルドー混液)、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、デバカルブ、ジ-2-ピリジルジスルフィド1,1'-ジオキシド、ジクロフルアニド、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾコート、ジフルメトリム、O,O-ジ-イソ-プロピル-S-ベンジルチオホスフェート、ジメフルアゾール、ジメトコナゾール、ジメトモルフ、ジメチリモル、ジニコナゾール、ジノカップ、ジチアノン、ドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ドデモルフ、ドジン、ドグアジン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エチリモール、エチル(Z)-N-ベンジル-N([メチル(メチル-チオエチリデンアミノオキシカルボニル)アミノ]チオ)-β-アラニネート、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン(PRA407213)、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド(KBR2738)、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、酢酸フェンチン、水酸化フェンチン、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトーバー、フルオロイミド、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトラニル、フルトリアフォル、フォルペット、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒドロキシイソオキサゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、三酢酸イミノクタジン、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ(SZX0722)、イソプロパニルブチルカルバメート、イソプロチオラン、カスガマイシン、クレソキシム-メチル、LY 186054、LY 211795、LY 248908、マンコゼブ、マネブ、メフェノキサム、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メチラム、メチラム-亜鉛、メトミノストロビン、ミクロブタニル、ネオアソジン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタール-イソプロピル、ヌアリモル、オフレース、有機水銀化合物、オキサジキシル、オキサスルフロン、オキソリニック酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、フェナジンオキシド、ホセチル-Al、亜リン酸、フサライド、ピコキシストロビン(ZA1963)、ポリオキシンD、ポリラム、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロピオン酸、ピラゾホス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、ピロキシフル、ピロルニトリン、第四級アンモニウム化合物、キノメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、シプコナゾール(F-155)、ペンタクロロフェン酸ナトリウム、スピロキサミン、ストレプトマイシン、イオウ、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、2-(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、チオファネート-メチル、チラム、チミベンコナゾール、トルクロホス-メチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアズブチル、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン(CGA279202)、トリホリン、トリフルミゾール、トリチコナゾール、バリダマイシンA、バパム、ビンクロゾリン、ジネブ、及びジラムである。
【0320】
一般式(I)の化合物は、植物を、種子が媒介する真菌による病気、土が媒介する真菌による病気、真菌による葉の病気から保護するため、土、ピート、またはそれ以外の根を張る媒体と混合することができる。
【0321】
組成物中で使用するのに適した相乗剤の例としては、ピペロニルブトキシド、セサメックス、サフロキサン、及びドデシルイミダゾールなどが挙げられる。
【0322】
組成物に含めるのに適した除草剤および植物成長調節剤は、目的とする標的が何であるかと、要求される効果が何であるかによって異なる。
【0323】
含めることのできるイネ選択的除草剤の一例は、プロパニルである。ワタで使用される植物成長調節剤の一例はPIX(登録商標)である。
【0324】
混合物によっては、物理的、化学的、又は生物学的な性質が顕著に異なるために容易には従来と同じタイプの製剤にできない活性成分を含むことができる。そのような場合には、他のタイプの製剤を調製するとよい。例えば1つの活性成分が水に溶けない固体であり、他方の活性成分が水に溶けない液体である場合には、(SCと同様の調製物を用いて)固体活性成分を懸濁液として分散させるが、(EWと同様の調製物を用いて)液体活性成分はエマルジョンとして分散させることにより、それぞれの活性成分を同じ連続水相に分散させることができる。得られる組成物は、懸濁エマルジョン(SE)製剤である。
【0325】
以下の実施例は本発明を説明するものだが、本発明を限定するものではない。
【0326】
調製物の例
【0327】
実施例I1:4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-ニトロ-ベンズアミドの調製
【0328】
【化34】

【0329】
(WO 05/073165に従って調製した)N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-4-フルオロ-3-ニトロ-ベンズアミド(2.008g、4.4ミリモル)をN,N-ジメチルホルムアミド(25ml)に溶かした溶液にシアン化ナトリウム(0.237g、4.84ミリモル)を添加した。この反応混合物を周囲温度にて48時間にわたって撹拌した。次に水(20ml)を添加し、有機相を酢酸エチル(3×100ml)で3回抽出した。1つにまとめた有機抽出液を水とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラム・クロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル=1:4)によって精製すると、4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-ニトロ-ベンズアミドが得られた(1.0g、収率49%)。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.85 (d, 1H)、8.38 (q, 1H)、8.11 (d, 1H)、7.55 (s, 1H)、7.40 (s, 2H)、2.33 (s, 6H) ppm。
【0330】
同様の方法を利用して以下の化合物を調製した。
【0331】
4-シアノ-N-[2,6-ジエチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-ニトロ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.84 (s, 1H)、8.38 (q, 1H)、8.10 (d, 1H)、7.57 (bs, 1H)、7.43 (s, 2H)、2.68 (q, 4H)、1.24 (t, 6H) ppm。
【0332】
4-シアノ-N-[2-メトキシメチル-6-メチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-ニトロ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):9.18 (s, 1H)、8.88 (s, 1H)、8.39 (d, 1H)、8.11 (d, 1H)、7.55 (s, 2H)、7.40 (s, 1H)、4.55 (s, 2H)、3.45 (s, 3H)、2.39 (s, 3H) ppm。
【0333】
N-[2-ブロモ-6-メチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-4-シアノ-3-ニトロ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.88 (s, 1H)、8.40 (d, 1H)、8.11 (d, 1H)、7.78 (s, 2H)、7.52 (s, 1H)、2.44 (s, 3H) ppm。
【0334】
N-[2-ブロモ-6-エチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-4-シアノ-3-ニトロ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.87 (s, 1H)、8.39 (d, 1H)、8.10 (d, 1H)、7.80 (s, 1H)、7.74 (s, 1H)、7.56 (s, 1H)、2.77 (q, 2H)、1.29 (t, 3H) ppm。
【0335】
4-シアノ-N-[2,6-ジブロモ-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-ニトロ-ベンズアミド。これはさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0336】
4-シアノ-N-[2-エチル-6-メチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-3-ニトロ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.86 (s, 1H)、8.39 (q, 1H)、8.10 (d, 1H)、7.80 (s, 1H)、7.39 (s, 2H)、2.68 (q, 2H)、2.32 (s, 3H)、1.20 (t, 3H) ppm。
【0337】
4-シアノ-N-[2,6-ジエチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-3-ニトロ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.84 (s, 1H)、8.38 (q, 1H)、8.11 (d, 1H)、7.63 (s, 1H)、7.26 (s, 2H)、2.67 (q, 4H)、1.23 (t, 6H) ppm。
【0338】
N-[2-ブロモ-6-メチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-4-シアノ-3-ニトロ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.90 (s, 1H)、8.40 (d, 1H)、8.10 (d, 1H)、7.92 (s, 1H)、7.74 (s, 1H)、7.51 (s, 1H)、2.43 (s, 3H) ppm。
【0339】
N-[2-ブロモ-6-エチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-4-シアノ-3-ニトロ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.89 (s, 1H)、8.40 (d, 1H)、8.10 (d, 1H)、7.82 (s, 1H)、7.78 (s, 1H)、7.55 (s, 1H)、2.75 (q, 2H)、1.26 (t, 3H) ppm。
【0340】
2-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-5-ニトロ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.81 (m, 1H)、8.69 (m, 1H)、8.33 (d, 1H)、7.49 (s, 2H)、2.21 (s, 6H) ppm。
【0341】
2-シアノ-N-[2,6-ジエチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-ニトロ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):10.67 (s, 1H)、8.58 (d, 1H)、8.40 (d, 1H)、8.02 (t, 1H)、7.49 (s, 2H)、2.53 (q, 4H)、1.17 (t, 6H) ppm。
【0342】
実施例I2:3-アミノ-4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミドの調製
【0343】
【化35】

【0344】
4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-ニトロ-ベンズアミド(1.0g、2.16ミリモル)(実施例I1)をジエチレングリコールジメチルエーテル(“ジグリム”)(25ml)に溶かした後、塩化スズ(1.229g、6.48ミリモル)を添加した。この混合物を0℃に冷却し、(濃)塩酸水溶液(4ml)をゆっくりと添加した。この反応混合物を80℃にて0.5時間にわたって撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(30%w/v)(80ml)を添加してpHを7〜8に調節した。水相を酢酸エチル(200ml)で3回抽出した。1つにまとめた有機抽出液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラム・クロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル=1:1〜0:1)によって精製すると、3-アミノ-4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド(0.48g、収率51%)が得られた。1H-NMR (400MHz, CDCl3):7.54 (s, 1H)、7.49 (d, 2H)、7.36 (m, 3H)、7.15 (q, 1H)、2.3 (s, 6H) ppm。
【0345】
同様の方法、またはよく知られた方法(パラジウム触媒の存在下での水素化(例えばJournal of Medicinal Chemistry、2005年、第48巻(24)、7560ページと、Journal of Medicinal Chemistry、2005年、第48巻(6)、1729ページに記載)や、硫化水素ナトリウムを相間移動触媒としての臭化テトラブチルアンモニウム(実施例I3参照)との二相系で用いた還元(例えばJournal of Medicinal Chemistry、2006年、第49巻(3)、955〜970ページに記載))を利用し、以下の化合物を調製した。
【0346】
3-アミノ-4-シアノ-N-[2,6-ジエチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):7.53 (d, 1H)、7.40 (s, 2H)、7.33 (m, 2H)、4.65 (bs, 2H)、2.67 (q, 4H)、1.19 (t, 6H) ppm。
【0347】
3-アミノ-4-シアノ-N-[2-メトキシメチル-6-メチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.78 (s, 1H)、7.53 (m, 2H)、7.38 (s, 1H)、7.18 (d, 1H)、4.65 (s, 2H)、4.49 (s, 2H)、3.40 (s, 3H)、2.38 (s, 3H) ppm。
【0348】
3-アミノ-N-[2-ブロモ-6-メチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-4-シアノ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):7.72 (s, 1H)、7.60 (s, 1H)、7.54 (d, 1H)、7.50 (s, 1H)、7.35 (s, 1H)、7.21 (d, 1H)、4.65 (s, 2H)、2.40 (s, 3H) ppm。
【0349】
3-アミノ-N-[2-ブロモ-6-エチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-4-シアノ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, アセトンd6):7.70 (s, 1H)、7.54 (s, 1H)、7.46 (d, 1H)、7.39 (s, 1H)、7.18 (d, 1H)、5.70 (s, 2H)、2.70 (q, 2H)、1.10 (t, 3H) ppm。
【0350】
3-アミノ-4-シアノ-N-[2,6-ジブロモ-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.88 (s, 2H)、7.63 (s, 1H)、7.54 (d, 1H)、7.35 (s, 1H)、7.21 (d, 1H)、4.67 (bs, 2H) ppm。
【0351】
3-アミノ-4-シアノ-N-[2-エチル-6-メチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):7.53 (d, 1H)、7.33 (m, 4H)、7.15 (q, 1H)、4.64 (bs, 2H)、2.67 (q, 2H)、2.33 (s, 3H)、1.21 (t, 3H) ppm。
【0352】
3-アミノ-4-シアノ-N-[2,6-ジエチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):7.74 (d, 1H)、7.38 (s, 2H)、7.34 (m, 2H)、7.15 (q, 1H)、4.66 (bs, 2H)、2.66 (q, 4H)、1.21 (t, 6H) ppm。
【0353】
3-アミノ-N-[2-ブロモ-6-メチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-4-シアノ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):7.71 (s, 1H)、7.60 (s, 1H)、7.53 (d, 1H)、7.48 (s, 1H)、7.35 (s, 1H)、7.21 (d, 1H)、4.65 (s, 2H)、2.41 (s, 3H) ppm。
【0354】
3-アミノ-N-[2-ブロモ-6-エチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-4-シアノ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, アセトンd6):7.70 (s, 1H)、7.53 (s, 1H)、7.44 (d, 1H)、7.40 (s, 1H)、7.19 (d, 1H)、5.70 (s, 2H)、2.70 (q, 2H)、1.08 (t, 3H) ppm。
【0355】
5-アミノ-2-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):7.7 (s, 1H)、7.43 (s, 2H)、7.14 (d, 1H)、7.98 (m, 1H)、4.3 (s, 2H)、2.2 (s, 6H) ppm。
【0356】
3-アミノ-2-シアノ-N-[2,6-ジエチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):7.5〜7.44 (m, 4H)、7.28 (s, 1H)、6.94 (d, 1H)、5.60 (s, 2H)、2.50 (q, 4H)、1.13 (t, 6H) ppm。
【0357】
実施例I3:3-アミノ-N-[2-ブロモ-6-エチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-4-シアノ-ベンズアミドの別の調製法
【0358】
【化36】

【0359】
N-[2-ブロモ-6-エチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-4-シアノ-3-ニトロ-ベンズアミド(63.9g、102.6ミリモル)をテトラヒドロフラン(1200ml)に溶かした。水酸化ナトリウム水溶液(0.1M、550ml)、硫化水素ナトリウム(65.3g、307.7ミリモル)、臭化テトラブチルアンモニウム(“TBAB”)(3.4g、10.3ミリモル)を添加した。この混合物を65℃にて激しく撹拌した。硫化水素ナトリウムを20分後(65.3g、307.7ミリモル)と80分後(32.7g、153.8ミリモル)にさらに添加した。この反応混合物を65℃にて30分間にわたって撹拌した。次にこの反応混合物を25℃まで冷却し、酢酸エチル(1300ml)で希釈した。相が分離し、有機相を酢酸エチル(300ml)で抽出した。1つにまとめた有機相を水、炭酸水素ナトリウム水溶液(10%w/v)(400ml)、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮すると、3-アミノ-N-[2-ブロモ-6-エチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-4-シアノ-ベンズアミドが黄色の固形物として得られた(63.1g)。それをさらに精製することなく次のステップで使用した。
【0360】
実施例I4:4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-メチルアミノ-ベンズアミドの調製
【0361】
【化37】

【0362】
3-アミノ-4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド(3.01g、6.95ミリモル)(実施例I2)をアセトニトリル(50ml)に溶かし、ホルムアミド水溶液(36.5%w/v)(0.64ml、6.95ミリモル)と酢酸(30ml)を順番に添加した。この反応混合物を周囲温度にて45分間にわたって撹拌した。次に、ホウ水素化ナトリウム(0.44g、6.95ミリモル)と追加の酢酸(5ml)を添加した。この反応混合物を周囲温度にて2時間にわたって撹拌した。この反応混合物を濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶かし、得られた溶液を水酸化ナトリウム水溶液(1N)で洗浄した。水相を酢酸エチル(200ml)で3回抽出した。1つにまとめた有機抽出液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラム・クロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル=1:5)によって精製すると、4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-メチルアミノ-ベンズアミドが得られた(1.80g、収率58%)。融点:204〜206℃。1H-NMR (400MHz, CDCl3):7.53 (d, 1H)、7.37 (s, 3H)、7.23 (s, 1H)、7.10 (q, 1H)、5.88 (d, 1H)、3.02 (d, 3H)、2.35 (s, 6H) ppm。
【0363】
同様の方法を利用して以下の化合物を調製した。
【0364】
4-シアノ-N-[2,6-ジエチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-メチルアミノ-ベンズアミド。融点199〜202℃。1H-NMR (400MHz, CDCl3):7.53 (d, 1H)、7.40 (s, 2H)、7.31 (s, 1H)、7.23 (s, 1H)、7.08 (q, 1H)、5.88 (d, 1H)、3.02 (d, 3H)、2.69 (q, 4H)、1.24 (t, 6H) ppm。
【0365】
次に、実施例P2に記載した一般的な方法を利用して多数の化合物を並列して調製した(表Cの化合物C1〜C40)。
【0366】
同様の方法を利用して以下の化合物を調製した。
【0367】
試薬としてアセトアルデヒドを用いた4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-エチルアミノ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):7.52 (d, 1H)、7.37 (s, 2H)、7.35 (s, 1H)、7.23 (s, 1H)、7.08 (m, 1H)、4.69 (t, 1H)、3.35 (m, 2H)、2.35 (s, 6H)、1.24 (t, 3H) ppm。
【0368】
実施例I5:3-シアノ-5-ニトロ-安息香酸の調製
【0369】
【化38】

【0370】
溶液1:3-アミノ-5-ニトロ-安息香酸(10g、54.9ミリモル)を(濃)塩酸水溶液(55ml)に溶かし、水(200ml)で希釈した。亜硝酸ナトリウム(3.788g、54.90ミリモル)を水(30ml)に溶かした溶液を0〜5℃にて添加した。
【0371】
溶液2:硫酸銅水和物(28.786g、115.29ミリモル)を水(120ml)に溶かした溶液に、シアン化カリウム(27.528g、422.73ミリモル)を水(30ml)に溶かした溶液を添加した。
【0372】
溶液2を65℃に加熱した。0〜5℃の(飽和)炭酸ナトリウム水溶液を用いて溶液1のpHを6〜7に調節した。溶液1を一滴ずつ65℃の溶液2に添加した。得られた反応混合物を40分間にわたって還流温度に加熱した。この反応混合物を放置して周囲温度まで冷却した後、塩酸水溶液(2N)を用いて酸性化した。水相を酢酸エチル(3×200ml)で3回抽出した。1つにまとめた有機抽出液を(飽和)亜リン酸ナトリウム水溶液、水、ブラインで洗浄し、濃縮すると、3-シアノ-5-ニトロ-安息香酸が得られた(7.2g、収率68%)。それをさらに精製することなく使用した。1H-NMR (400MHz, DMSO-d6):9.0 (s, 1H)、8.82 (s, 1H)、8.70 (s, 1H) ppm。
【0373】
同様に、4-シアノ-3-ニトロ-安息香酸を4-アミノ-3-ニトロ-安息香酸から調製した。1H-NMR (400MHz, DMSO-d6):8.79 (s, 1H)、8.40 (d, 1H)、8.31 (d, 1H) ppm。
【0374】
実施例I6:4-シアノ-3-ニトロ-安息香酸の別の調製法
【0375】
【化39】

【0376】
4-ヒドロキシ-3-ニトロ-安息香酸メチルエステル(55.9g、283ミリモル)とピリジン(67g、849ミリモル)をジクロロメタン(1100ml)に溶かした。この黄色の混合物を0℃まで冷却し、スルホン酸トリフルオロメタン無水物(87.8g、311ミリモル)を0℃〜5℃にて一滴ずつ60分以内に添加した。90分間にわたって5℃にした後、この反応混合物を塩酸水溶液(2M)で洗浄し、次いで炭酸水素ナトリウム水溶液(10%w/v)で、そして最後にブラインで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮すると、3-ニトロ-4-トリフルオロメタンスルホニルオキシ-安息香酸メチルエステル(89.7g)が黄色い油として得られた。それをさらに精製することなく次のステップで使用した。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.80 (s, 1H)、8.40 (d, 1H)、7.58 (d, 1H)、4.00 (s, 3H) ppm。
【0377】
3-ニトロ-4-トリフルオロメタンスルホニルオキシ-安息香酸メチルエステル(89.7g、272ミリモル)と、シアン化亜鉛(19.2g、163ミリモル)と、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(15g)をN,N-ジメチルホルムアミド(2500ml)の中に懸濁させた。この反応混合物を不活性雰囲気下で100℃にて3時間にわたって撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲル上のカラム・クロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル=3:1)によって精製すると、4-シアノ-3-ニトロ-安息香酸メチルエステルが得られた(34.0g、収率60.7%)。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.92 (s, 1H)、8.48 (d, 1H)、8.04 (d, 1H)、4.03 (s, 3H) ppm。
【0378】
4-シアノ-3-ニトロ-安息香酸メチルエステル(13.4g、61.6ミリモル)をテトラヒドロフラン(74ml)に溶かし、水酸化ナトリウム水溶液(1M)(73.9ml)を添加した。得られた反応混合物を25℃にて4時間にわたって撹拌した。次にこの反応混合物を水(700ml)で希釈し、塩酸水溶液(1M)で酸性化した。この混合物を酢酸エチルで抽出した。1つにまとめた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。4-シアノ-3-ニトロ-安息香酸(12.0g)をさらに精製することなく次のステップで使用した。1H-NMR (400MHz, DMSO-d6):13.00 (bs, 1H)、8.79 (s, 1H)、8.40 (d, 1H)、8.30 (d, 1H) ppm。
【0379】
実施例I7:4-シアノ-3-ニトロ-安息香酸の別の調製法
【0380】
【化40】

【0381】
不活性雰囲気下で過ヨウ素酸(492g、2.17モル)を、激しく撹拌しているアセトニトリル(7.7リットル)に溶かしてから15分後、酸化クロム(VI)(25g、0.25モル)と4-メチル-2-ニトロ-ベンゾニトリル(100g、0.62モル)を順番に添加した。得られた反応混合物を周囲温度にて16時間にわたって撹拌した。この反応混合物をデカントし、上清を濾過した。濾液を濃縮し、残留物を炭酸水素ナトリウム水溶液(1M)とジクロロメタンに分けた。沈殿物を濾過によって分離すると、4-シアノ-3-ニトロ-安息香酸が得られた(150g)。濾液をジクロロメタンで2回抽出した後、塩酸水溶液(4N)を添加して酸性化してpHを1にした。次に、酸性化された濾液をジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機抽出液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。この残留物を炭酸水素ナトリウム水溶液(1M)とジクロロメタンに分けた。沈殿物を濾過によって分離すると、4-シアノ-3-ニトロ-安息香酸が得られた(26.67g)。全収量:150g+26.67g=176.67g;収率74.5%。
【0382】
実施例I8:3-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-5-ニトロベンズアミドの調製
【0383】
【化41】

【0384】
3-シアノ-5-ニトロ-安息香酸(7.2g、37.5ミリモル)(実施例I5)をジクロロメタン(40ml)に懸濁させた懸濁液に塩化オキサリル(3.808ml、45ミリモル)を周囲温度にて添加した後、N,N-ジメチルホルムアミド(0.2ml)を添加した。得られた反応混合物を周囲温度にて1時間にわたって撹拌した後、3時間にわたって還流温度に加熱した。この反応混合物を放置して周囲温度まで冷却した後、濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(50ml)に懸濁させた。(ヨーロッパ特許第1,006,102号に従って調製した)2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ-2-イル)アニリン(9.761g、33.7ミリモル)をテトラヒドロフラン(50ml)に溶かした後、ピリジン(6.035ml、75ミリモル)を添加した。得られた混合物を0℃まで冷却し、2-フルオロ-5-ニトロ-ベンゾイルクロリドの溶液を添加した。得られた反応混合物を周囲温度にて12時間にわたって撹拌した。次に、(飽和)炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)を添加し、有機相を酢酸エチル(2×200ml)で2回抽出した。1つにまとめた有機抽出液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラム・クロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル=6:1)によって精製すると、3-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-5-ニトロベンズアミドが得られた(12g、収率77%)。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.99 (m, 1H)、8.72 (m, 1H)、8.6 (m, 1H)、7.80 (s, 1H)、7.4 (s, 2H)、2.33 (s, 6H) ppm。
【0385】
同様に、別の合成法として、N-[2-ブロモ-6-エチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-4-シアノ-3-ニトロ-ベンズアミドを4-シアノ-3-ニトロ-安息香酸(実施例I5、I6、I7)から調製した。
【0386】
実施例I9:5-アミノ-3-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミドの調製
【0387】
【化42】

【0388】
3-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-5-ニトロベンズアミド(12.0g、25.9ミリモル)(実施例I8)をイソプロパノール(200ml)に溶かした後、塩化スズ(14.73g、77.7ミリモル)を添加した。得られた混合物を0℃まで冷却し、(濃)塩酸水溶液(30ml)をゆっくりと添加した。得られた反応混合物を80℃にて0.5時間にわたって撹拌した。イソプロパノールの全体積の1/3を蒸発させた。濃縮した混合物に水(100ml)を添加した後、水酸化ナトリウム水溶液(4N)を添加してpHを7〜8に調節した。水相を酢酸エチル(3×200ml)で3回抽出した。1つにまとめた有機抽出液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラム・クロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル=4:1〜0:1)によって精製すると、5-アミノ-3-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミドが得られた(10.6g、収率94.4%)。1H-NMR (400MHz, CDCl3):7.47 (s, 1H)、7.44 (s, 2H)、7.36 (s, 2H)、7.07 (s, 1H)、4.11 (bs, 2H)、2.32 (s, 6H) ppm。
【0389】
実施例I10:4-シアノ-2,3-ジフルオロ-安息香酸の調製
【0390】
【化43】

【0391】
窒素雰囲気下で過ヨウ素酸(4.787g、21ミリモル)をアセトニトリル(75ml)に溶かした溶液を周囲温度にて15分間にわたって撹拌した後、酸化クロム(VI)(120mg、1.2ミリモル)と2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンゾニトリル(0.919g、6ミリモル)を添加した。得られた反応混合物を周囲温度にて1時間にわたって撹拌した。この反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残留物を炭酸ナトリウム水溶液(1M)の中に入れ、ジクロロメタンで2回洗浄した。塩酸水溶液(4M)を用いて水相を酸性化し、ジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮すると、4-シアノ-2,3-ジフルオロ-安息香酸が得られた(0.77g、収率70%)。それをさらに精製することなく使用した。
【0392】
実施例I11:4-シアノ-2,3-ジフルオロ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミドの調製
【0393】
【化44】

【0394】
窒素雰囲気下で4-シアノ-2,3-ジフルオロ-安息香酸(623mg、3.4ミリモル)(実施例I10)とN,N-ジメチルホルムアミド(2滴)をジクロロメタン(17ml)に溶かした溶液に塩化オキサリル(0.3455ml、4.08ミリモル)を添加した。得られた反応混合物を周囲温度にて1時間にわたって撹拌し、次いで60℃にて1.5時間にわたって撹拌した。この反応混合物を濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(5ml)に溶かした。この溶液を、2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ-2-イル)アニリン(ヨーロッパ特許第1,006,102号に従って調製)(787mg、2.72ミリモル)とピリジン(547μl、6.8ミリモル)をテトラヒドロフラン(12ml)に溶かした溶液に一滴ずつ添加した。得られた反応混合物を周囲温度にて16時間にわたって撹拌した。次に、この反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液(1M)の中に注ぎ、得られた混合物を酢酸エチルで3回抽出した。1つにまとめた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィ(溶離液:トリフルオロ酢酸/水/アセトニトリル=1:4:5〜1:1:8)によって精製すると、4-シアノ-2,3-ジフルオロ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミドが得られた(0.675g、収率44%)。1H-NMR (400MHz, CDCl3):2.35 (6H, s)、7.38 (2H, s)、7.57 (1H, m)、7.79 (1H, d)、8.03 (1H, m) ppm。
【0395】
同様に、(市販されている)4-シアノ-3-フルオロ-安息香酸からN-[2-ブロモ-6-エチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-4-シアノ-3-フルオロ-ベンズアミドを調製した。1H-NMR (400MHz, CDCl3):7.81 (m, 3H)、7.76 (s, 1H)、7.63 (s, 1H)、7.52 (s, 1H)、2.75 (q, 2H)、1.23 (t, 3H) ppm。
【0396】
同様に、(市販されている)4-シアノ-3-フルオロ-安息香酸から4-シアノ-3-フルオロ-N-[2-メトキシメチル-6-メチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-ベンズアミドを調製した。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.95 (s, 1H)、7.82 (m, 2H)、7.53 (s, 1H)、7.36 (s, 1H)、4.5 (s, 2H)、3.39 (s, 3H)、2.37 (s, 3H) ppm。
【0397】
実施例I12:3-アミノ-4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-2-フルオロ-ベンズアミドの調製
【0398】
【化45】

【0399】
4-シアノ-2,3-ジフルオロ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド(0.693g、1.53ミリモル)(実施例I11)をジメチルスルホキシド(2.32ml)に溶かした溶液に炭酸アンモニウム(69mg、1.75ミリモル)を添加した。得られた反応混合物を16時間にわたって100℃に加熱した。この反応混合物を放置して周囲温度まで冷却した後、水と酢酸エチルに分けた。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラム・クロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル=7:3)によって精製すると、3-アミノ-4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-2-フルオロ-ベンズアミドが得られた(290mg、収率42%)。1H-NMR (400MHz, CDCl3):2.35 (6H, s)、4.68 (1H, bs)、7.35〜7.41 (4H, m)、7.74 (1H, d) ppm。
【0400】
同様の方法を利用して以下の化合物を調製した。
【0401】
3-アミノ-4-シアノ-N-[2,6-ジエチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-2-フルオロ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.73 (1H, d)、7.42〜7.32 (4H, m)、4.7 (2H, s)、4.70 (2H, s)、2.70 (4H, q)、1.23 (6H, t) ppm。
【0402】
3-アミノ-4-シアノ-2-フルオロ-N-[2-メトキシメチル-6-メチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.82 (1H, d)、7.52 (1H, s)、7.43〜7.32 (3H, m)、4.7 (2H, s)、4.5 (2H, s)、3.40 (3H, s)、2.37 (3H, s) ppm。
【0403】
同様に、別の合成法として、N-[2-ブロモ-6-エチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-4-シアノ-3-フルオロ-ベンズアミド(実施例I11)から3-アミノ-N-[2-ブロモ-6-エチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-4-シアノ-ベンズアミドを調製した。
【0404】
実施例I13:3-アミノ-4-シアノ-N-[2-メトキシメチル-6-メチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-ベンズアミドの調製
【0405】
【化46】

【0406】
4-シアノ-3-フルオロ-N-[2-メトキシメチル-6-メチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-ベンズアミド(0.981g、1.90ミリモル)(実施例I11)をジメチルスルホキシド(20ml)に溶かした溶液にアンモニア・ガスを30分間にわたって添加した。得られた反応混合物を16時間にわたって100℃に加熱した。この反応混合物を放置して周囲温度まで冷却した後、追加のアンモニア・ガスを添加した。この反応混合物をさらに16時間にわたって100℃に加熱した。この反応混合物を放置して周囲温度まで冷却した後、水と酢酸エチルに分けた。水相を酢酸エチルで3回抽出した。1つにまとめた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラム・クロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル=3:1)によって精製すると、3-アミノ-4-シアノ-N-[2-メトキシメチル-6-メチル-4-(1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-トリフルオロメチル-プロピル)-フェニル]-ベンズアミドが得られた(640mg、収率66%)。1H-NMR (400MHz, CDCl3):8.77 (s, 1H)、7.51 (m, 2H)、7.37 (m, 2H)、7.18 (d, 1H)、4.63 (s, 2H)、4.49 (s, 2H)、3.37 (s, 3H)、2.36 (s, 3H) ppm。
【0407】
実施例I14:3-アミノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-2,4,5-トリフルオロ-ベンズアミドの調製
【0408】
【化47】

【0409】
(市販されている)3-アミノ-2,4,5-トリフルオロ-安息香酸(12.5g、65.50ミリモル)を窒素雰囲気下で塩化チオニル(110ml)とともに2時間にわたって90℃に加熱した。過剰な塩化チオニルを真空中で除去した。残留物(13.37g、52.30ミリモル)を窒素雰囲気下でジクロロメタン(218ml)に溶かした溶液に、2,6-ジメチル-4-(ヘプタフルオロプロプ-2-イル)アニリン(ヨーロッパ特許第1,006,102号に従って調製)(15.12g、52.30ミリモル)をピリジン(4.2ml、52.30ミリモル)に溶かした溶液を添加した。得られた反応混合物を周囲温度にて2時間にわたって撹拌した後、塩酸水溶液(1M)で抽出した。水相をジクロロメタンで2回抽出した。1つにまとめた有機相を炭酸水素ナトリウム水溶液(1M)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラム・クロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル=7:3)によって精製すると、3-アミノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-2,4,5-トリフルオロ-ベンズアミドが得られた(18.4g、収率76%)。1H-NMR (400MHz, CDCl3):2.35 (6H, s)、4.07 (2H, bs)、7.3〜7.35 (1H, m)、7.36 (2H, s)、7.83 (1H, d) ppm。
【0410】
実施例I15:N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-ニトロ-2,4,5-トリフルオロ-ベンズアミドの調製
【0411】
【化48】

【0412】
3-アミノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-2,4,5-トリフルオロ-ベンズアミド(32.8g、71ミリモル)(実施例I14)とトリフルオロ酢酸(237ml)をクロロホルム(118ml)に溶かした溶液に過酸化水素水溶液(67ml)(35%w/v)を一滴ずつ添加した。得られた反応混合物を外部冷却により約50℃に維持した。この反応混合物を55℃にて30分間にわたって撹拌した後、氷と水の混合物の中に注いだ。この混合物をジクロロメタンで2回抽出した。1つにまとめた有機相を炭酸水素ナトリウム水溶液(1M)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラム・クロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル=7:3)によって精製すると、N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-ニトロ-2,4,5-トリフルオロ-ベンズアミドが得られた(23.94g、収率68.5%)。1H-NMR (400MHz, CDCl3):2.35 (6H, s)、7.38 (2H, s)、7.68 (1H, d)、8.25 (1H, m) ppm。
【0413】
実施例I16:4-シアノ-2,5-ジフルオロ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-ニトロ-ベンズアミドの調製
【0414】
【化49】

【0415】
N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-ニトロ-2,4,5-トリフルオロ-ベンズアミド(6.77g、13.75ミリモル)(実施例I15)を0℃でN,N-ジメチルホルムアミド(137ml)に溶かした溶液にシアン化ナトリウム(740mg、15.13ミリモル)を添加した。得られた反応混合物を0℃にて1時間にわたって撹拌した後、周囲温度にて16時間にわたって撹拌した。この反応混合物を濃縮し、残留物を水とジクロロメタンに分けた。1つにまとめた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラム・クロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル=8:2)によって精製すると、4-シアノ-2,5-ジフルオロ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-ニトロ-ベンズアミドが得られた(3.2g、収率46.6%)。1H-NMR (400MHz, CDCl3):2.35 (6H, s)、7.38 (2H, s)、7.83 (1H, d)、8.29 (1H,m) ppm。
【0416】
実施例I17:3-アミノ-4-シアノ-2,5-ジフルオロ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミドの調製
【0417】
【化50】

【0418】
4-シアノ-2,5-ジフルオロ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-ニトロ-ベンズアミド(5.99g、12ミリモル)(実施例I16)をメタノールに溶かした溶液を活性炭担持10%パラジウムの存在下で16時間にわたって水素と反応させた(40バール、40℃)。得られた反応混合物を濾過して触媒を除去し、濾液を濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラム・クロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル=7:3)によって精製すると、3-アミノ-4-シアノ-2,5-ジフルオロ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミドが得られた(0.953g、収率17%)。1H-NMR (400MHz, CDCl3):2.36 (6H, s)、4.82 (2H, bs)、7.12 (1H, d)、7.38 (2H, s)、7.78 (1H, m) ppm。
【0419】
同様の方法を利用して以下の化合物を調製した。
【0420】
3-アミノ-4-シアノ-N-[2,6-ジエチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-2,5-ジフルオロ-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):1.22 (6H, t)、2.68 (4H, q)、4.85 (2H, s)、7.12 (1H, m)、7.41 (2H, s)、7.77 (1H, d) ppm。
【0421】
3-アミノ-4-シアノ-2,5-ジフルオロ-N-[2-メトキシメチル-6-メチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド。1H-NMR (400MHz, CDCl3):2.35 (3H, s)、3.41 (3H, s)、4.49 (2H, s)、4.84 (2H, s)、7.12 (1H, m)、7.41 (1H, s)、7.52 (1H, s)、8.89 (1H, d) ppm。
【0422】
実施例P1:4-シアノ-3-(4'-シアノ-ベンゾイルアミノ)-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド(表Aの化合物番号A1)の調製
【0423】
【化51】

【0424】
3-アミノ-4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド(65mg、0.15ミリモル)(実施例I2)を、酢酸エチル(3ml)と炭酸水素ナトリウム水溶液(1N)(3ml)の二相混合物に溶かした。激しく撹拌しながら4-シアノ-ベンゾイルクロリド(50mg、0.30ミリモル)を添加した。得られた反応混合物を周囲温度にて3時間にわたって撹拌した。相が分離した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラム・クロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル=2:1)によって精製すると、表Aの化合物番号A1が得られた(81.5mg、収率97%)。1H-NMR (400MHz, CHCl3):9.15 (s, 1H)、8.5 (s, 1H)、8.05 (m, 2H)、7.88 (m, 4H)、7.7 (s, 1H)、7.4 (m, 2H)、2.4 (s, 6H) ppm。
【0425】
実施例P2:アミノ-ベンズアミドを並列にアシル化する一般的な方法
【0426】
【化52】

【0427】
アミノ-ベンズアミド(0.65ミリモル)と3-アミノ-4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド(実施例I2)(表Aの化合物番号A3の場合)をトルエン(7.8ml)に溶かすことにより、溶液Aを調製した。酸の塩化物(1.0モル)と2-フルオロ-ベンゾイルクロリド(表Aの化合物番号A3の場合)をトルエン(8ml)に溶かすことにより、溶液Bを調製した。
【0428】
溶液A(0.3ml、25μモル)をウエルの中に入れ、溶液B(0.4ml、50μモル)とジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)(30μl、150μモル)を順番に添加した。得られた混合物を55℃にて16時間にわたって撹拌した。この混合物を、アセトニトリル(0.6ml)とN,N-ジメチルアセトアミド(0.2ml)の混合物で希釈した後、HPLCによって精製すると、望む化合物が得られた。
【0429】
この一般的な方法を利用して多数の化合物を並列に調製した(表Aの化合物番号A3〜A220、表Bの化合物番号B2〜B15、表Dの化合物番号D1〜D56)。
【0430】
実施例P3:アミノ-ベンズアミドを並列にアシル化する別の一般的な方法
【0431】
【化53】

【0432】
アミノ-ベンズアミド(0.65ミリモル)と3-アミノ-4-シアノ-2,5-ジフルオロ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド(実施例I17)(表Eの化合物番号E43の場合)をN,N-ジメチルアセトアミド(18.2ml)に溶かすことにより、溶液Aを調製した。水素化ナトリウムの粉末(9.6mg、0.4ミリモル)をN,N-ジメチルアセトアミド(2ml)に添加することにより、溶液Bを調製した。酸塩化物(0.025モル)と2-フルオロ-ベンゾイルクロリド(表Eの化合物番号E43の場合)をN,N-ジメチルアセトアミド(0.2ml)に添加することにより、溶液Cを調製した。
【0433】
溶液A(0.7ml、25μモル)をウエルに入れ、溶液B(0.5ml、100μモル)を添加した。得られた混合物を周囲温度にて30分間にわたって撹拌した。次に、溶液C(0.2ml、25μモル)を添加し、得られた混合物を周囲温度にて16時間にわたって撹拌した。この混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。有機相を1つにまとめ、濾過し、濃縮した。残留物をHPLCによって精製すると、望む化合物が得られた。
【0434】
この一般的な方法を利用して多数の化合物を並列に調製した(表Eの化合物番号E1〜E59)。
【0435】
実施例P4:3-シアノ-5-(4'-シアノ-ベンゾイルアミノ)-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド(表Bの化合物番号B1)の調製
【0436】
【化54】

【0437】
5-アミノ-3-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド(0.199mg、0.46ミリモル)(実施例I9)をテトラヒドロフラン(3ml)に溶かした溶液にピリジン(0.117ml、1.45ミリモル)と4-シアノ-ベンゾイルクロリド(80mg、0.48ミリモル)を順番に添加した。得られた反応混合物を周囲温度にて2時間にわたって撹拌した。(飽和)炭酸水素ナトリウム水溶液を添加すると相が分離した。水相を酢酸エチルで2回抽出した。1つにまとめた有機抽出液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラム・クロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル=2:1)によって精製すると、表Bの化合物番号B1が得られた(0.186g、収率71.9%)。1H-NMR (400MHz, CHCl3):8.45 (s, 1H)、8.36 (s, 1H)、8.27 (s, 1H)、8.00 (m, 3H)、7.84 (m, 2H)、7.63 (s, 1H)、7.37 (s, 2H)、2.34 (s, 6H) ppm。
【0438】
同様の方法を利用して以下の化合物を調製した:表Fの化合物番号F1とF2、表Gの化合物番号G1〜G3。
【0439】
実施例P5:4-シアノ-3-[(4'-シアノ-ベンゾイル)-エチル-アミノ]-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド(表Cの化合物番号C43)の調製
【0440】
【化55】

【0441】
4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-3-エチルアミノ-ベンズアミド(198mg、0.43ミリモル)(実施例I4)をテトラヒドロフラン(5ml)に溶かした溶液にピリジン(0.138ml、1.72ミリモル)と4-シアノ-ベンゾイルクロリド(0.214mg、1.29ミリモル)を順番に添加した。得られた反応混合物を50℃にて16時間にわたって撹拌した。この反応混合物を放置して周囲温度まで冷却した。4-シアノ-ベンゾイルクロリド(0.107mg、0.645ミリモル)とピリジン(0.138ml、1.72ミリモル)の2回目の添加を行ない、90℃にて2時間にわたって加熱した。得られた反応混合物を放置して周囲温度まで冷却した後、炭酸水素ナトリウム水溶液(1M)と酢酸エチルに分けた。水相を酢酸エチルで2回抽出した。1つにまとめた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラム・クロマトグラフィ(溶離液:酢酸エチル/シクロヘキサン=1:4)によって精製すると、表Cの化合物番号C43が得られた(0.24g、収率94%)。
【0442】
同様の方法を利用して表Cの化合物番号C41とC42を調製した。
【0443】
実施例P6:3-ベンゾイルアミノ-4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-2-フルオロ-ベンズアミド(表Dの化合物番号D15)の別の調製法
【0444】
【化56】

【0445】
3-アミノ-4-シアノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-2-フルオロ-ベンズアミド(68mg、0.15ミリモル)(実施例I12)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶かした溶液にピリジン(36μl、0.45ミリモル)と塩化ベンゾイル(21μl、0.18ミリモル)を添加した。得られた反応混合物をマイクロ波で30分間にわたって140℃に加熱した。この反応混合物を放置して周囲温度まで冷却した。塩化ベンゾイル(21μl、0.18ミリモル)の2回目の添加を行なった後、再び30分間にわたって140℃に加熱した。得られた反応混合物を放置して周囲温度まで冷却した後、炭酸水素ナトリウム水溶液(1M)と酢酸エチルに分けた。水相を酢酸エチルで2回抽出した。1つにまとめた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィ(溶離液:トリフルオロ酢酸/水/アセトニトリル=1:4:5〜1:1:8)によって精製すると、表Dの化合物番号D15が得られた(0.024g、収率28%)。1H-NMR (400MHz, CDCl3):2.28 (6H, s)、7.33 (2H, s)、7.45〜7.96 (9H, m) ppm。
【0446】
実施例P7:3-ベンズアミド-4-シアノ-2,5-ジフルオロ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド(表Eの化合物番号E36)の別の調製法
【0447】
【化57】

【0448】
3-アミノ-4-シアノ-2,5-ジフルオロ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ベンズアミド(70mg、0.15ミリモル)(実施例I17)をクロロホルム(0.75ml)に溶かした溶液に1,8-ジアザビシクロウンデス-7-エン(“DBU”)(49μl、0.33ミリモル)と塩化ベンゾイル(17μl、0.15ミリモル)を添加した。得られた反応混合物をマイクロ波で30分間にわたって140℃に加熱した。塩化ベンゾイル(17μl、0.15ミリモル)をさらに2回添加し、それぞれ30分間にわたって140℃に加熱した。得られた反応混合物を水とクロロホルムに分けた。水相をクロロホルムで2回抽出した。1つにまとめた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィ(溶離液:トリフルオロ酢酸/水/アセトニトリル=1:4:5〜1:1:8)によって精製すると、表Eの化合物番号E36が灰白色の固形物として得られた(0.013g、収率15%)。融点:245〜248℃。1H-NMR (400MHz, CDCl3):2.28 (6H, s)、7.38 (2H, s)、7.15〜8.1 (8H, m) ppm。
【0449】
以下の方法を利用してHPLC-MS分析を行なった。
【0450】
方法A:以下のHPLC勾配条件(溶媒A:0.1%のギ酸を含む水/アセトニトリル(9:1);溶媒B:0.1%のギ酸を含むアセトニトリル)を利用した方法(ウォーター・アライアンス2795 LC)
時間(分) A(%) B(%) 流量(ml/分)
0 90 10 1.7
2.5 0 100 1.7
2.8 0 100 1.7
2.9 90 10 1.7
カラムのタイプ:ウォーター・アトランティスdc18;カラムの長さ:20mm;カラムの内径:3mm;粒径:3ミクロン;温度:40℃。
【0451】
方法B:以下のHPLC勾配条件(溶媒A:0.1%のギ酸を含む水/アセトニトリル(9:1);溶媒B:0.1%のギ酸を含むアセトニトリル;溶媒C:0.1%のギ酸を含む水;溶媒D:0.1%のギ酸を含む水)を利用した方法(アジレント1100erシリーズ)
時間(分) A(%) B(%) C(%) D(%) 流量(ml/分)
0 90 10 0 0 1.7
2.5 0 100 0 0 1.7
2.8 0 100 0 0 1.7
2.9 90 10 0 0 1.7
カラムのタイプ:ウォーター・アトランティスdc18;カラムの長さ:20mm;カラムの内径:3mm;粒径:3ミクロン;温度:40℃。
【0452】
各化合物で得られた特徴的な値は、表AとBに示した保持時間(“RT”、分を単位として記録)と分子イオン(典型的にはカチオンMH+)であった。
【0453】
表A:一般式(Ia)の化合物:
【0454】
【化58】

【0455】
【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【0456】
表B:一般式(Ib)の化合物:
【0457】
【化59】

【0458】
【表19】

【0459】
表C:一般式(Ia')の化合物:
【0460】
【化60】

【0461】
【表20】

【表21】

【表22】

【0462】
表D:一般式(Ie)の化合物:
【0463】
【化61】

【0464】
【表23】

【表24】

【表25】

【表26】

【0465】
表E:一般式(If)の化合物:
【0466】
【化62】

【0467】
【表27】

【表28】

【表29】

【0468】
表F:一般式(Ic)の化合物:
【0469】
【化63】

【0470】
【表30】

【0471】
表G:一般式(Id)の化合物:
【0472】
【化64】

【0473】
【表31】

【0474】
生物での実施例
【0475】
この実施例では、一般式(I)の化合物の殺害虫/殺虫特性を示す。テストは以下のようにして行なった。
【0476】
スポドプテラ・リトラリス(エジプトヨトウ):
【0477】
円板状にしたワタの葉を24ウエルのマイクロタイタープレート内の寒天の上に置き、テスト溶液を200ppmの割合でスプレーした。乾燥後、円板状の葉にL1齢の幼虫を5匹付着させた。処理(DAT)の3日後、そのサンプルについて死亡率、採餌行動、成長制御を調べた。
【0478】
以下の化合物がスポドプテラ・リトラリスを少なくとも80%制御した:A1、A3、A4、A5、A6、A7、A9、A10、A11、A12、A13、A15、A16、A17、A18、A20、A23、A24、A25、A26、A28、A29、A30、A32、A33、A34、A35、A36、A37、A41、A42、A43、A44、A45、A46、A47、A48、A49、A51、A52、A53、A54、A55、A56、A57、A58、A61、A62、A63、A64、A65、A66、A67、A68、A69、A71、A72、A73、A74、A75、A76、A77、A78、A81、A82、A83、A84、A85、A86、A87、A88、A89、A90、A91、A94、A95、A96、A97、A98、A99、A101、A102、A103、A104、A105、A106、A107、A108、A109、A110、A111、A112、A114、A115、A116、A117、A118、A120、A121、A122、A123、A124、A125、A126、A127、A128、A134、A135、A136、A137、A138、A139、A142、A143、A144、A145、A146、A147、A148、A151、A152、A154、A155、A156、A157、A158、A159、A162、A163、A164、A165、A166、A167、A168、A169、A175、A176、A178、A179、A180、A182、A183、A184、A186、A187、A188、A189、A190、A191、A192、A194、A195、A196、A197、A198、A199、A200、A205、A206、A209、A210、A211、A212、A213、A214、A215、A216、A217、A218、A219、A220、B1、B3、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C21、C24、C25、C26、C27、C29、C30、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、D1、D2、D3、D4、D5、D6、D8、D9、D10、D11、D12、D13、D15、D16、D17、D18、D19、D21、D22、D23、D24、D25、D28、D29、D30、D34、D36、D39、D42、E4、E16、E26、E36、E45、E54、G3。
【0479】
ヘリオティス・ヴィレスケンス(タバコガ):
【0480】
卵(産んでから0〜24時間)を人工栄養状態の24ウエルのマイクロタイタープレートに入れ、テスト溶液をピペットで200ppmの割合(ウエル内の濃度18ppm)で散布することにより処理した。4日間インキュベートした後、各サンプルについて、卵の死亡率、幼虫の死亡率、成長制御を調べた。
【0481】
以下の化合物がヘリオティス・ヴィレスケンスを少なくとも80%制御した:A1、A4、A9、A13、A16、A20、A23、A25、A32、A33、A34、A35、A36、A37、A41、A42、A43、A44、A45、A46、A47、A48、A49、A51、A52、A53、A54、A55、A56、A57、A58、A61、A62、A63、A64、A65、A66、A67、A68、A69、A71、A72、A73、A74、A75、A76、A77、A78、A80、A81、A82、A83、A84、A85、A86、A87、A88、A89、A90、A91、A92、A94、A95、A96、A97、A98、A99、A100、A101、A102、A103、A104、A105、A106、A107、A108、A109、A110、A111、A112、A113、A114、A115、A116、A117、A118、A120、A121、A122、A123、A124、A125、A126、A127、A128、A129、A131、A132、A134、A135、A136、A137、A138、A139、A141、A142、A143、A144、A145、A146、A147、A148、A151、A152、A154、A155、A156、A157、A158、A159、A160、A161、A162、A163、A164、A165、A166、A167、A168、A169、A170、A171、A172、A173、A175、A176、A177、A178、A179、A180、A182、A183、A184、A186、A187、A188、A189、A190、A191、A192、A193、A194、A195、A196、A197、A198、A199、A200、A202、A203、A204、A205、A206、A207、A209、A210、A211、A212、A213、A214、A215、A216、A217、A218、A219、A220、B1、B2、B3、B4、B6、B9、B11、B12、C1、C2、C3、C4、C5、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C23、C24、C25、C26、C27、C29、C30、C31、C32、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、D1、D2、D3、D4、D5、D8、D9、D10、D11、D13、D15、D16、D17、D18、D19、D20、D21、D22、D23、D24、D25、D27、D28、D29、D30、D31、D34、D35、D36、D37、D38、D39、D40、D41、D42、D43、D44、D45、D46、D47、D48、D49、D50、D52、D53、D55、E4、E16、E26、E36、E45、E54。
【0482】
プルテラ・キシロステラ(コナガ):
【0483】
人工栄養状態の24ウエルのマイクロタイタープレート(MTP)を、テスト溶液をピペットで200ppmの割合(ウエル内の濃度18ppm)で散布することにより処理した。乾燥後、MTPにL2齢の幼虫(ウエル1つにつき7〜12匹)を付着させた。6日間インキュベートした後、各サンプルについて、幼虫の死亡率と成長制御を調べた。
【0484】
以下の化合物がプルテラ・キシロステラを少なくとも80%制御した:A1、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A11、A12、A13、A15、A16、A17、A18、A20、A23、A24、A25、A26、A29、A30、A31、A32、A33、A34、A35、A36、A37、A41、A42、A43、A44、A45、A46、A47、A48、A50、A51、A52、A53、A54、A55、A56、A58、A61、A62、A63、A64、A65、A66、A67、A68、A69、A71、A72、A73、A74、A75、A76、A77、A78、A81、A82、A83、A84、A85、A87、A88、A89、A90、A91、A94、A95、A96、A97、A98、A99、A101、A102、A103、A104、A105、A106、A107、A108、A109、A110、A111、A112、A114、A115、A116、A117、A118、A121、A122、A123、A124、A125、A126、A127、A128、A129、A131、A132、A134、A135、A136、A137、A138、A139、A141、A142、A143、A144、A145、A146、A147、A148、A149、A151、A152、A154、A155、A156、A157、A158、A159、A160、A161、A162、A163、A164、A165、A166、A167、A168、A169、A171、A172、A175、A176、A177、A178、A179、A180、A182、A183、A186、A187、A188、A189、A190、A191、A192、A193、A194、A195、A196、A197、A198、A199、A200、A202、A203、A205、A206、A207、A209、A210、A211、A212、A213、A214、A215、A216、A217、A218、A219、A220、B1、B2、B3、B11、B12、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C8、C9、C11、C12、C13、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C24、C25、C26、C27、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C41、C42、C43、D1、D2、D3、D4、D5、D8、D9、D11、D12、D13、D15、D16、D17、D18、D19、D21、D22、D23、D24、D25、D27、D28、D29、D30、D31、D34、D36、D38、D47、D48、D49、D52、D53、D55、D56、E4、E16、E26、E36、E45、E54。
【0485】
ディアブロティカ・バルテアタ(トウモロコシの根を食べるハムシ):
【0486】
人工栄養状態の24ウエルのマイクロタイタープレート(MTP)を、テスト溶液をピペットで200ppmの割合(ウエル内の濃度18ppm)で散布することにより処理した。乾燥後、MTPに幼虫(L2)(ウエル1つにつき6〜10匹)を付着させた。5日間インキュベートした後、各サンプルについて、幼虫の死亡率と成長制御を調べた。
【0487】
以下の化合物がディアブロティカ・バルテアタを少なくとも80%制御した:A1、A3、A4、A5、A6、A8、A9、A11、A12、A13、A15、A16、A17、A18、A20、A23、A24、A25、A26、A28、A29、A30、A31、A32、A33、A34、A35、A36、A37、A41、A42、A43、A44、A46、A47、A48、A51、A52、A53、A54、A55、A56、A58、A61、A62、A63、A64、A65、A66、A67、A68、A69、A71、A72、A73、A74、A75、A76、A77、A78、A80、A81、A82、A83、A84、A85、A86、A87、A89、A90、A91、A92、A94、A95、A96、A97、A98、A99、A100、A101、A102、A103、A104、A105、A106、A107、A108、A109、A110、A111、A112、A114、A115、A116、A117、A118、A120、A121、A122、A123、A124、A125、A126、A127、A128、A129、A131、A132、A134、A135、A136、A137、A138、A139、A141、A142、A143、A144、A145、A146、A147、A148、A149、A151、A152、A154、A155、A156、A157、A158、A159、A162、A163、A164、A165、A166、A167、A168、A169、A171、A172、A175、A176、A177、A178、A179、A180、A181、A182、A183、A186、A187、A188、A189、A190、A191、A192、A193、A194、A196、A198、A199、A200、A202、A206、A207、A210、A211、A212、A213、A214、A215、A216、A217、A218、A219、B1、B4、B6、B9、B11、B12、C1、C2、C4、C5、C6、C8、C9、C11、C12、C13、C16、C17、C19、C21、C23、C24、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、D1、D2、D3、D4、D5、D8、D9、D11、D12、D15、D16、D17、D18、D19、D22、D23、D24、D25、D27、D28、D29、D31、D34、D36、D38、D42、D45、D47、D49、D52、D53、D55、E4、E16、E26、E36、E45、E54。
【0488】
ミズス・ペルシカエ(モモアカアブラムシ):
【0489】
円板状にしたヒマワリの葉を24ウエルのマイクロタイタープレート内の寒天の上に置き、テスト溶液を200ppmの割合でスプレーした。乾燥後、円板状の葉にさまざまな齢のアブラムシの集団を付着させた。6DATのインキュベーション期間の後、そのサンプルについて死亡率を調べた。
【0490】
以下の化合物がミズス・ペルシカエを少なくとも80%制御した:A1、A41、A42、A43、A44、A45、A46、A48、A51、A52、A53、A54、A55、A58、A62、A63、A64、A66、A68、A71、A72、A74、A75、A76、A81、A103、A104、A105、A114、A122、A142、A143、A154、A176、A189、A190、A192、A194、A195、A210、A211、A212、A213、A215、A216、A218、C41。
【0491】
トリプス・タバキ(ネギアザミウマ):
【0492】
円板状にしたヒマワリの葉を24ウエルの微量滴定プレート内の寒天の上に置き、テスト溶液を200ppmの割合でスプレーした。乾燥後、円板状の葉にさまざまな齢のネギアザミウマの集団を付着させた。7日間のインキュベーション期間の後、そのサンプルについて死亡率を調べた。
【0493】
以下の化合物がトリプス・タバキを少なくとも80%制御した:A3、A4、A15、A24、A25、A26、A32、A33、A34、A35、A41、A42、A43、A44、A45、A46、A47、A48、A51、A52、A53、A54、A55、A57、A61、A62、A63、A64、A65、A66、A67、A68、A71、A72、A73、A74、A75、A76、A77、A82、A83、A85、A87、A91、A94、A95、A97、A98、A99、A102、A103、A104、A105、A107、A108、A109、A111、A114、A115、A116、A117、A118、A122、A123、A124、A125、A127、A134、A135、A137、A138、A142、A143、A144、A145、A146、A147、A148、A149、A151、A154、A155、A156、A157、A158、A160、A162、A167、A168、A176、A182、A183、A187、A188、A189、A190、A191、A192、A194、A195、A196、A197、A198、A199、A210、A211、A212、A213、A215、A216、A218、A219、C17、C24、C25、C26、C27、C29、C30、C35、C36、C38、C39、C41、D4、D5、D9、D22、D24、D25、D29、D34、D36、D39、D40、D44、D52、D53、E16、E54。
【0494】
テトラニクス・ウルティカエ(ナミハダニ):
【0495】
円板状にしたマメの葉を24ウエルのマイクロタイタープレート内の寒天の上に置き、テスト溶液を200ppmの割合でスプレーした。乾燥後、円板状の葉にさまざまな年齢のナミハダニの集団を付着させた。8日後、円盤状の葉について、卵の死亡率、幼虫の死亡率、成虫の死亡率を調べた。
【0496】
以下の化合物がテトラニクス・ウルティカエを少なくとも80%制御した:A1、A4、A5、A6、A11、A13、A16、A17、A18、A23、A24、A26、A34、A42、A43、A44、A52、A54、A55、A62、A63、A64、A65、A66、A68、A71、A72、A73、A74、A75、A77、A82、A83、A84、A85、A87、A88、A89、A91、A94、A95、A96、A97、A98、A99、A102、A103、A104、A105、A107、A108、A110、A114、A115、A116、A117、A122、A123、A124、A125、A127、A135、A137、A138、A142、A143、A144、A147、A155、A157、A158、A164、A165、A166、A167、A168、A171、A175、A176、A177、A179、A182、A183、A186、A187、A188、A189、A190、A191、A192、A194、A195、A197、A198、A199、A200、A205、A206、A207、A209、A210、A211、A212、A213、A214、A215、A216、A218、A219、A220、C5、C9、C25、C27、C30、C34、C36、C40、C42、C43、D1、D2、D3、D4、D5、D6、D8、D9、D17、D18、D24、D25、D29、D36、D42、D53、D55、E26、E36、E54。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物:
【化1】


またはその塩、またはそのN-オキシド(ただし一般式(I)において、
A1、A2、A3、及びA4は、互いに独立に、C-R3、C-R5、又は窒素のいずれかだが、A1、A2、A3、及びA4のうちの少なくとも1つはC-R3であり、A1、A2、A3、及びA4のうちの2つ以下が窒素であり;
R1とR2は、互いに独立に、水素、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C1〜C4アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1〜C4アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシのいずれかであるか、又はアリール環が、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシの中から独立に選択された1〜5個の置換基で置換されたアリールカルボニルオキシであり;
G1とG2は、互いに独立に、酸素またはイオウであり;
各R3は、独立に、シアノ、チオシアナト、アミノチオカルボニル、N-C1〜C4アルキル-アミノ-チオカルボニル、又はN,N-ジ-C1〜C4アルキル-アミノチオカルボニルのいずれかであり;
各R5は、独立に、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、又はC1〜C4アルコキシのいずれかであり;
Q1は、アリール、または1〜5個の置換基R6(同じでも異なっていてもよい)で置換されたアリールであるか、あるいはQ1は、ヘテロシクリル、または1〜5個の置換基R6(同じでも異なっていてもよい)で置換されたヘテロシクリルであり、その中の
各R6は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ-C1〜C4アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6アルキニル、C2〜C6ハロアルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C4アルコキシ-C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、N-C1〜C6アルキルアミノ、N,N-ジ-(C1〜C6アルキル)アミノ、N,N-ジ-(C1〜C6アルキル)アミノカルボニル、N,N-ジ-(C1〜C6アルキル)アミノスルホニル、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6アルキルカルボニルオキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6アルキルカルボニルアミノ、アリール、又は1〜5個の置換基で置換されたアリール(ただし置換基は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、又はC1〜C6ハロアルコキシの中から選択される)、ヘテロアリール、又は1〜5個の置換基で置換されたヘテロアリール(ただし置換基は、独立に、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、又はC1〜C6ハロアルコキシの中から選択される)のいずれかであり;
Q2は、一般式(II)または(III)という部分:
【化2】

であり、その中の
Y1とY5は、互いに独立に、シアノ、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ-C1〜C4アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3ハロアルキルチオ、C1〜C3アルキルスルフィニル、C1〜C3ハロアルキルスルフィニル、C1〜C3アルキルスルホニル、又はC1〜C3ハロアルキルスルホニルのいずれかであり;
Y3は、C2〜C6ペルフルオロアルキル、C1〜C6ペルフルオロアルキルチオ、C1〜C6ペルフルオロアルキルスルフィニル、又はC1〜C6ペルフルオロアルキルスルホニルのいずれかであり;
Y2とY4は、互いに独立に、水素、ハロゲン、又はC1〜C4アルキルのいずれかであり;
Y6とY9は、互いに独立に、シアノ、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ-C1〜C4アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3ハロアルキルチオ、C1〜C3アルキルスルフィニル、C1〜C3ハロアルキルスルフィニル、C1〜C3アルキルスルホニル、又はC1〜C3ハロアルキルスルホニルのいずれかであり;
Y8は、C1〜C4ハロアルコキシ、C2〜C6ペルフルオロアルキル、C1〜C6ペルフルオロアルキルチオ、C1〜C6ペルフルオロアルキルスルフィニル、又はC1〜C6ペルフルオロアルキルスルホニルのいずれかであり;
Y7は、水素、ハロゲン、又はC1〜C4アルキルのいずれかである)。
【請求項2】
A1が、C-R3またはC-R5である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
A2が、C-R3またはC-R5である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
A3が、C-R3またはC-R5である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
A4が、C-R3またはC-R5である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
A1、A2、A3、及びA4のうちの1つ、または2つ、または3つがC-R3である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
R1が、水素、メチル、エチル、アリル、プロパルギル、アセチル、ヒドロキシ、アセチルオキシ、又はベンゾイルオキシのいずれかである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
R2が、水素、メチル、エチル、アリル、プロパルギル、アセチル、ヒドロキシ、アセチルオキシ、又はベンゾイルオキシのいずれかである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
G1が酸素である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
G2が酸素である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
各R3が、独立に、シアノ、チオシアナト、又はアミノチオカルボニルのいずれかである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
各R5が、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル、又はメトキシのいずれかである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
Q1が、アリール、または1〜5個の置換基R6(同じでも異なっていてもよい)で置換されたアリールであるか、あるいはQ1が、ヘテロアリール、または1〜5個の置換基R6(同じでも異なっていてもよい)で置換されたヘテロアリールである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
Q2が一般式(II)で表わされる部分である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
一般式(XIII)の化合物:
【化3】

(ただしA1、A2、A3、A4、R2、G2、及びQ2は、請求項1で定義した通りである)、またはその塩、またはそのN-オキシド;または
一般式(IX’)の化合物:
【化4】

(ただしA1、A2、A3、A4、R2、G2、及びQ2は、請求項1で定義した通りである)、またはその塩、またはそのN-オキシド;または
一般式(IX)の化合物:
【化5】

(ただしA1、A2、A3、A4、R1、R2、G2、及びQ2は、請求項1で定義した通りである)、またはその塩、またはそのN-オキシド;または
一般式(XI)の化合物:
【化6】

(ただしA1、A2、A3、A4、R2、G2、及びQ2は、請求項1で定義した通りであり、LGは離脱基である)、またはその塩、またはそのN-オキシド。
【請求項16】
昆虫、ダニ、線虫、又は陸貝とを防除する方法であって、害虫、害虫がいる場所、又は害虫にやられやすい植物のいずれかに対し、請求項1〜14のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物を、殺虫、ダニ駆除、殺線虫、又は殺陸貝に有効な量を施用する操作を含む方法。
【請求項17】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物を、殺虫、ダニ駆除、殺線虫、又は殺陸貝に有効な量を含む、殺虫用、ダニ駆除用、殺陸貝用、殺線虫用の組成物。

【公表番号】特表2010−513346(P2010−513346A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541840(P2009−541840)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010852
【国際公開番号】WO2008/074427
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】