説明

毛構成

【課題】歯の向上した洗浄を提供する、毛構成を提供する。
【解決手段】該毛パターンは、標準の歯ブラシの毛房を超える断面積を有する、大きな房を含む。該大きな房は、該大きな房を備える毛の上端が、全て同一の高さにならないように、曲線形状である。1つを超える隆起セクションが提供され、該隆起セクションは、互いから独立して機能するように、互いから空間的に分離される。好ましくは、該隆起セクションのうちの少なくとも1つは、好ましくは、該大きな房内の残りの毛が他の歯の表面を洗浄する間、その隆起セクションが、歯の歯間表面に到達し、洗浄するように、周囲の毛の上方に十分な高さ延在する毛を有する、十分なブラッシング表面積を有する。本発明の別の態様は、ジグザグ又は鋸歯状の毛輪郭に関し、該輪郭を作り出すそれぞれの房は、独自の独特の実質的に円錐形又は円錐台形の輪郭を有する。一実施形態では、円錐形又は円錐台形の毛房の高さは、該ヘッドの側から該ヘッドの中線に向かって増加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシの毛輪郭に関する。より具体的には、本発明は、独特の毛房輪郭に関する。
【背景技術】
【0002】
歯ブラシは、歯の表面から歯垢及びくずを除去するために、一般に、複数個の毛房を有し、それぞれの房は、複数本の毛を有する。典型的に、毛房は、歯の外側表面、即ち、歯の頬側(頬を向く)、舌側(舌を向く複数本の毛)、及び咬合(咀嚼)面をブラッシングするように構成される。デンタルフロスは、歯間又は隣接歯間表面から歯垢及びくずを除去するのに効果的である。しかしながら、全ての個人が、日常的にデンタルフロスを使用するわけではなく、一部の個人は、まったくほとんどフロスを使用しない。したがって、歯ブラシの毛輪郭(側面図から見られるような毛の歯と嵌合する、自由な洗浄/ブラッシング/端部の曲線形状)が、歯の外側表面からだけではなく、歯の歯間表面からも歯垢及びくずを除去するように設計されることが望ましい。また、歯肉をマッサージ及び刺激することも、歯の良い健康状態に有利であると考えられる。したがって、また、歯ブラシが、歯間の優れた洗浄に加えて、歯肉及び歯間の刺激を提供することも望ましい。
【0003】
平坦な毛輪郭(即ち、毛の全ての自由端部が、実質的に同一のレベル上にある、又は換言すれば、同一平面上にある)を有する市販の歯ブラシは、歯の外側表面を適切に洗浄するが、歯間表面の洗浄及び歯間の刺激の提供は、曲線形状の毛輪郭(異なる高さの自由端部を有する)を有する歯ブラシ程十分ではない。繰り返し「V」字型(即ち、鋸歯状又はジグザグ)輪郭等の様々な毛輪郭が、歯ブラシの洗浄及び歯肉刺激有効性を増加することで既知である。
【0004】
市販の歯ブラシは、典型的に、およそ25.4〜35.8mm(1〜1.25インチ)の長さ、及び7.9〜9.5mm(5/16〜3/8インチ)の幅のブラッシング表面積(毛の自由端部によって占領される表面積)を有する。毛は、一般に、1列当たり5〜14の房を有し、房当たりおよそ20〜50の毛を有する、縦方向に延在する(即ち、ヘッドの遠位端から近位端、又は、換言すれば、ヘッドの先端からハンドルに向かって)4〜6列の毛房に配設される。典型的な房は、直径がおよそ1.6mm(0.063インチ)であり、およそ2mm(0.079インチ)の断面積を有する。一般的に使用される毛の直径は、柔らかめの毛で0.15mm(0.006インチ)、中程度の毛で0.2mm(0.008インチ)、及び固めの毛で0.25mm(0.010インチ)である。ブラシに使用される毛の直径の増加、又は房域の増加は、一般に、毛又は房の硬さを増加し、一般に、ブラシの耐用期間を長くする。しかしながら、そのような増加は、一般に、毛が、容易に移動されない、又は歯間空間に適合するように曲げられないため、ブラシの歯間の洗浄、並びに歯肉上の摩擦に悪影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、特に、多くの個人がデンタルフロスを使用しないため、歯ブラシの歯間の洗浄能力を改善するという継続的な要望が存在する。更に、ブラシの耐用期間を増加させるという要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の原理に従って、優れた歯間の洗浄を提供する毛輪郭を有する、歯ブラシが形成される。本発明の一態様に従って、典型的な毛房を超える数の毛を有し、かつ典型的な毛房を超えるブラッシング表面積を有する、少なくとも1つの毛房が提供され、そのような大きな毛房は、優れた歯間の洗浄を提供するために、曲線形状である。具体的に、大きな毛房は、より短い毛によって互いから離され、これらの毛において少なくとも2つの隆起セクションを有する。大きな毛房は、より大きな域の毛房に典型的な増加された硬さ、剛性、及び洗浄力を付与するのに十分な数の毛を有する。しかしながら、隆起セクションが互いから分離されているため、そのようなセクションは、より大きな域の毛房より少ない毛を有する毛房に典型的な可撓性及び歯間への到達を有する。大きな毛房の隆起セクションは、歯の周囲を一掃し、隣接歯間域に到達することができ、大きな毛房のより低いセクションは、歯の外側表面を磨く。
【0007】
本発明の別の態様に従って、歯ブラシは、それぞれの毛房が、実質的に円錐形又は円錐台形の輪郭を有するように、曲線形状である、標準のブラッシング表面積の毛房で形成されてもよい。更に、円錐形の毛房内の最も丈の高い、又は最も高い毛の高さは、歯ブラシのブラッシング表面積に沿って変化する。したがって、そのような毛房は、歯間を洗浄しやすくするために、曲線形状であり、更に、ユーザーの歯の歯間表面に到達する、より優れた機会のために、異なる高さであり、かつ互いから離間されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書は、本発明を特定して指摘し、明確に主張する、請求項で結論とするが、本発明は、同様の参照番号が類似する要素を識別する添付図面と共に読まれる、以下の幾つかの特に好ましい実施形態の説明からより良く理解されると考えられ、添付図面は、以下の通りである。
【図1】本発明の原理が適用され得る、一例示的な歯ブラシの斜視図。
【図2】図1に示される歯ブラシのヘッドの分離側面図。
【図3】図2に示されるヘッドの分離斜視図。
【図4】本発明の原理に従って形成される、一例示的な毛房の概略的分離側面図。
【図5】図4の例示的な毛房の概略的分離平面図。
【図6】本発明の原理に従って形成される、別の例示的な毛房の概略的平面図。
【図7】本発明の原理に従って形成される、第1の例示的な3葉(tri-lobal)毛房の概略的分離平面図。
【図8】本発明の原理に従って形成される、第2の例示的な3葉(tri-lobal)毛房の概略的分離平面図。
【図9】本発明の原理に従って形成される、第3の例示的な3葉(tri-lobal)毛房の概略的分離平面図。
【図10】本発明の原理に従って形成される、第1のマルチブランチ型の例示的な毛房の概略的分離平面図。
【図11】本発明の原理に従って形成される、第2のマルチブランチ型の例示的な毛房の概略的分離平面図。
【図12】本発明の原理に従って形成される、第3のマルチブランチ型の例示的な毛房の概略的分離平面図。
【図13】本発明の原理に従って形成される、第1の円形の例示的な毛房の概略的分離平面図。
【図14】本発明の原理に従って形成される、第2の円形の例示的な毛房の概略的分離平面図。
【図15】遠位端から切り取られた、図2に示されるヘッドの別の分離斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の原理が適用され得る、図2及び図3に分離して示されるヘッド110を有する、一例示的な歯ブラシ100が図1に図示される。例示的な歯ブラシ100のハンドル部分102及びネック部分104は、互いに対して角度が付いているが、必ずしも本発明の目的のためではない。歯ブラシ100は、長手方向Lに沿って、近位端106(ユーザーが握るためのハンドル102が提供される)と、遠位端108(ヘッド110が提供される)とを有する。長手方向Lは、本明細書において、概して、歯ブラシ100の近位端106と遠位端108との間の長さに沿って延在する方向として定義される。長手方向Lは、ハンドル部分102若しくはネック部分104に沿って、又はそれらの間の方向に沿って延在してもよい。横断方向Tは、本明細書において、歯ブラシヘッド110の幅を横切って延在する方向等、長手方向Lを横断する方向として定義される。電動歯ブラシ等の用途では、ハンドル部分102は、近位端106に位置する、歯ブラシ100を電源又は駆動手段に固定するための好適な取り付け手段(図示せず)を有してもよい。
【0010】
歯ブラシヘッド110は、毛114が延在するヘッド表面112を有する。毛114は、ヘッド表面112の最近位端に、ユーザーの奥歯に到達するように構成された、つま先の房116を含んでもよい。典型的に、つま先の房は、好ましくは、図1〜図3の例示的な実施形態に図示されるもの等の角度の付いた曲線形状を有する、より大きな毛房である。所望により、ヘッド表面112から延在し、ユーザーの歯肉をマッサージするように、並びに/又は歯ブラシが、歯肉及び歯に対して過度の圧力がかかる状態で使用されているかを示すように構成された、歯肉マッサージ部118が提供されてもよい。歯肉マッサージ部118は、好ましくは、エラストマー等の柔らかく、弾力性の材料から形成される。歯肉マッサージ部118の高さは、ヘッド表面112から延在する洗浄毛のいずれもの高さより低くなるように選択されてもよい。
【0011】
図1〜図3に図示される例示的な歯ブラシは、大人用の普通サイズのヘッドである。次に詳細に記載される本発明の原理は、小型ヘッド、又は子供用の歯ブラシに使用される、より小さなサイズのヘッド等の他の種類のヘッドに適用されてもよいことが理解される。例として、つま先の房を含まないことによって、様々な毛房を排除することによって、及び/又は歯肉マッサージ部の幾つか若しくは全てを排除することによって、より小型のヘッド設計が得られてもよい。
【0012】
本発明の原理に従って形成される、歯ブラシの毛輪郭(即ち、側面図から見られるような毛の洗浄端部又は自由端部の輪郭)は、優れた歯間の洗浄を提供するように構成される。本発明の毛房輪郭を達成するために使用される個々の毛は、断面が概して円形であり、個々の毛の直径が約0.1mm(0.004インチ)〜約0.4mm(0.014インチ)であってもよい。しかしながら、また、楕円形、正方形、矩形、六角形、十字形、星形等の他の毛断面形状も熟考される。毛は、典型的に、ナイロン6.12等の合成繊維で作製される。毛の自由洗浄端部は、ストレートカットされる、丸められる、先細にされる、ないしは別の方法で曲線形状化される等、いずれかの所望の形に形成されてもよい。個々の毛は、全てが互いに対して同一である必要はないことが理解される。例として、本発明の原理に従って形成される、歯ブラシ100の歯ブラシヘッド112上に、異なる直径又は断面形状の毛が提供されてもよい。
【0013】
複数本の毛からなる典型的な平均又は標準の毛房は、直径がおよそ1.6mm(0.063インチ)であり、およそ2mm(0.079インチ)の断面積を有する。より大きな房は、一般に、歯ブラシヘッドの最遠位端につま先の房として(又はハンドルに最も近い歯ブラシヘッドの最近位端にかかと房として)提供されてもよく、より少ない毛を有する標準の毛房より強力な洗浄能力を提供するために、歯ブラシヘッドに沿った他の位置に見られてもよい。本発明の一態様に従って、標準の、又は典型的な歯ブラシの毛房より大きなブラッシング表面積(毛のブラッシング又は自由端部によって占領される表面積)を有する、少なくとも1つのそのような大きな房は、歯間の歯の表面に到達するように構成された隆起セクションを有する、曲線形状の大きな房120を形成するように、曲線形状化される。本発明の原理に従って形成される、曲線形状の大きな房120は、当該技術分野において既知の歯ブラシ上の平均の房より、域が大きい。平均の房は、約2mmの断面積を有する。本発明の曲線形状の房は、好ましくは少なくとも約4mmを超える、より好ましくは少なくとも約5mmを超える、及び最も好ましくは少なくとも約10mmを超える、断面積を有する。
【0014】
曲線形状の大きな房120が、平均又は標準の毛房によって提供されるものより大きなブラッシング表面積を有するため、曲線形状の大きな房120は、標準の毛房内に一般に提供されるより多くの毛を有し、したがって、標準の表面積を有し、曲線形状の大きな房120内のものと同一の直径の毛で形成される毛房程容易に、又はそれと同程度に屈曲しない。したがって、曲線形状の大きな房120の毛は、曲線形状の大きな房120を作り出す毛によって提供される横方向補強のため、より大きな房によって従来可能であったより標的化された洗浄作用を可能にする一方で、より大きな房の硬さ、剛性、及び洗浄力を有する。曲線形状の大きな房120は、曲線形状の大きな房120のより低いセクション124内の残りの毛の高さより上方に延在する高さを有する、これらの毛における少なくとも1つの隆起セクション122を有するように曲線形状化される。隆起セクション122の十分な数の毛は、曲線形状の大きな房120の他のより短い毛によって横方向に支持されておらず、かつ歯間空間に到達し、歯の歯間表面を効率的に洗浄するように、曲線形状の大きな房120内のこれらの他の毛の高さより上方に延在するブラッシング端部を有する。したがって、隆起セクション122の毛は、より小さな毛房の可撓性及び歯間の到達を有する。それにも関わらず、隆起セクション122の毛が、ヘッド表面112に近いレベルで(即ち、より低い領域で、又はこれらの毛の基部に隣接して)、曲線形状の大きな房120の他の毛によって、横方向に支持されるため、横方向移動は、平均して、そのような隆起セクションが独立して形成される歯間房である場合に生じ得るものより依然として低い。
【0015】
理解されるように、本発明の原理に従って形成される、曲線形状の大きな房120は、歯の周囲を一掃し、隣接歯間域に到達することができ(隆起セクション122を介して)、一方、また、同時に、歯の外側表面を磨くこともできる(より低いセクション124を介して)。本発明の目的のために、本発明の原理に従って形成される、曲線形状の大きな房120の隆起セクション122は、その房の他の毛の上方に延在する自由洗浄端部を有する、セクションである。また、本発明の目的のために、本発明の原理に従って形成される、曲線形状の大きな房120のより低いセクション124は、その房内のこれらの他の毛の自由洗浄端部より下方の自由洗浄端部を有する、セクションである。曲線形状の大きな房120が、様々な高さの毛(全ての毛が、最も丈が高いか、又は最も低いかのいずれかである必要はないが、最も丈が高い毛と最も低い毛との間の高さを有し得る)を含み得るため、また、最も低いセクションは、基部セクションとしても参照され得る。
【0016】
本発明の一態様に従って、曲線形状の大きな房120の隆起セクション122によって提供される断面洗浄域は、所望の洗浄、特に歯間の洗浄を達成するのに十分である。好ましくは、少なくとも約0.25mmのブラッシング表面積を有する隆起セクション122が、所望の歯間の洗浄を提供すると考えられる。好ましくは、隆起セクション122は、約4mm未満のブラッシング表面積を有する。約1.5mmのブラッシング表面積を有する隆起セクション122は、所望の改善された洗浄有効性を提供することを示した。
【0017】
上述の態様と組み合わせられても組み合わせられなくてもよい、本発明の別の態様に従って、曲線形状の大きな房120内に、1つを超える隆起セクション122が提供される。隆起セクション122が、所望の歯間の洗浄能力を有するようにするために、隆起セクション122は、好ましくは、より低いセクション124内の毛によって、互いから離間される。より具体的に、隆起セクション122の自由洗浄端部は、好ましくは、それぞれの隆起セクション122が、他の隆起セクション122から独立して機能し得るように、互いから空間的に分離される。好ましくは、別個の隆起セクションが独立して作用できるようにするのに十分な数のより低い毛が、隆起セクション間に提供される。あるいは、又は更に、別個かつ独立した隆起セクション122間の間隔は、別個かつ独立した隆起セクション122間に提供されるブラッシング表面積によって決定されてもよい。所望により、また、別個かつ独立した隆起セクション122間に提供される、より低い毛の数又は表面積は、隆起セクションが歯間表面を洗浄する一方、より低い毛が、歯の外側表面を効果的に洗浄することができるように選択される。好ましくは、隆起セクションは、少なくとも0.2mm、及び好ましくは少なくとも0.5mm、互いから離間される。また、より低いセクション124も、1つ又はそれ以上のセクションを有すると記載され得るように、より低いセクション124が、互いから分離された領域を有し得ることが理解される。しかしながら、簡略化のため、そのような参照が、単一のより低い毛の相互接続された群、並びにより低い毛の2つ又はそれ以上の分離されたセクションを含むという理解の下、「より低いセクション」のみ参照される。
【0018】
次に、図4及び図5を参照すると、様々な本発明の原理を更に図示するために、ここで、図1〜図3の一例示的な曲線形状の大きな房220が記載される。図4の概略的側面図から分かり得るように、隆起セクション222内の毛(概略的に示され、正確な描示ではない)は、より低いセクション224内の毛の自由洗浄端部225の上方に延在する自由洗浄端部223を有する。より具体的に、隆起セクション222の全ての自由洗浄端部223は、同一の高さではないが、全ての自由洗浄端部223は、それにも関わらず、より低いセクション224の自由洗浄端部225より高い。隆起セクション222の自由洗浄端部223は、全てが同一のレベル又は高さではなく、内向きかつ下向きに先細になっているが、全ての自由洗浄端部223を同一のレベル又は高さにすることは、本発明の範囲内であることが理解される。同様に、より低いセクション224の自由洗浄端部225は、全てが同一のレベル又は高さであるように示されておらず(しかし、全てが、隆起セクション222の最も低い自由洗浄端部224より低い)、したがって実質的に内向きかつ下向きに先細になる輪郭を形成するが、より低いセクションの自由洗浄端部225を同一のレベル又は高さにすることは、本発明の範囲内であることが理解される。
【0019】
図5の概略的平面図(毛が、正確な描示ではなく、概略的に示される)から分かり得るように、例示的な曲線形状の大きな房220は、概して「X」又は「+」字形状(制限することを意図することなく、便宜のために、以後、「十字形状」と称される)を有する、設置面積(平面図から分かるブラッシング表面積形状)を有する。少なくとも図3を参照して理解され得るように、腕若しくは足又はブランチ230の自由端部は、正方形である必要はなく、代わりに、丸められてもよい。十字形状の設置面積のブランチ230を作り出す毛は、曲線形状の大きな房220の隆起セクション222を形成し、一方、ブランチ230が延在する中心域232を作り出す毛は、曲線形状の大きな房220のより低いセクション224を形成する。理解され得るように、隆起セクション222は、毛が提供されない空隙領域234によって、少なくとも部分的に離される。そのように、隆起セクション222は、それぞれの隆起セクション222が他の隆起セクション222から独立して機能できるようにするため、及び所望の歯間の洗浄機能を達成するために、空隙領域234によって互いから分離される。隆起セクション222のそれぞれに隣接する、より低いセクション224の存在は、隆起セクション222のそれぞれに、所望の支持及び/又は剛性を付与して、隆起セクション222のそれぞれの洗浄有効性を向上する。
【0020】
もちろん、図6の例示的な概略の実施形態のような実質的に正方形の設置面積形状を形成するため等、毛が提供されない空隙領域234を有する代わりに、図5において空隙領域と示される域内に、より短い毛が提供されてもよい。正方形状の設置面積の角部は、図5の例示的な実施形態から形成され得るように、丸められてもよく、又は図6に図示されるように、より四角くされてもよい。図4及び図5の曲線形状の大きな房220と同様に、正方形の設置面積を有する曲線形状の大きな房320は、図6の例示的な実施形態に示されるように、好ましくは少なくとも角部領域に、隆起セクション322を形成する、より丈の高い毛(曲線形状の大きな房320を作り出す他の毛と比較して)と、隆起セクション322間に(及び所望により、中心域334内にも同様に)、より低いセクション324を形成する、より短い毛(曲線形状の大きな房320を作り出す他の毛と比較して)とを有する。本発明の原理に従って、隆起セクション322は、好ましくは、実質的に互いから空間的に分離され、互いから独立して機能するように、別個かつ互いから独立して提供される。隆起セクション322は、線A−Aに沿って、図4に示される曲線形状の大きな房220の房輪郭等の房輪郭、又は好ましくは、本発明の原理に従って、効果的な洗浄を達成する、いずれかの他の所望の輪郭を形成してもよい。隆起セクション322のそれぞれの設置面積形状は、正方形、又は曲線形状の大きな房320の実質的に正方形の設置面積形状内のいずれかの他の所望の形状であってもよい。隆起セクション322のうちの1つ又はそれ以上の毛は、異なる高さ(先細の輪郭を形成するもの等)であってもよく、又は全てが同一の高さであってもよい。
【0021】
本発明の原理に従って形成される、曲線形状の大きな房120は、図3及び図5の例示的な曲線形状の大きな房120の「X」又は「+」字形状以外の設置面積形状を有してもよいことが理解される。例として、例示的な曲線形状の大きな房220は、4つのブランチ230を有すると言ってもよい。本発明の原理に従って、曲線形状の大きな房は、曲線形状の大きな房220の4つ未満、又はそれを超えるブランチを有して形成されてもよい。2つより少ないブランチを有して形成される場合、曲線形状の大きな房220は、実質的に直線(棒のような設置面積形状を形成する)又は曲線(弓状若しくは正弦波形状、そうでなければ曲線等)のいずれかの形態の細長い設置面積を有すると言ってもよい。いずれかの所望の設置面積形状を有する、2つ又はそれ以上の隆起セクションは、そのような設置面積形状の範囲に沿って、好ましくは、少なくとも1つのより低いセクションによって互いから離されて、提供されてもよい。
【0022】
ブランチ状の曲線形状の大きな房は、上述されるもの以外の数のブランチを有して形成されてもよい。本発明の原理に従って、図7〜図9の例示的な曲線形状の大きな房420a、420b、及び420cは、それぞれ、各々が、3つのブランチ430(例えば、「3葉(tri-lobal)」設置面積パターン)のみを有する。図7〜図9に概略的に図示される実施形態のブランチ430は、互いから等距離だけ離間し、実質的に同一の長さで示されるが、ブランチ430の間隔及び長さに関する変形物は、本発明の範囲内であることが理解される。好ましくは、隆起セクションは、曲線形状の大きな房420a、420b、420cのブランチ430のうちの1つ又はそれ以上の少なくとも一部又は全てに沿って、いずれかの所望の設置面積形状を有して、本発明の原理に従って形成され、好ましくは、より低いセクション424によって離される。隆起セクションの位置及び形状の変形物は、図7〜図9の例示的な実施形態に図示される。例として、図7の例示的な曲線形状の大きな房420aは、図8の例示的な曲線形状の大きな房420b内の円形の隆起セクション422bより大きく、かつ曲線形状の大きな房420aの中心に近い、円形の隆起セクション422aを有する。対照的に、図9の例示的な曲線形状の大きな房420c内の隆起セクション422cは、ブランチ430のそれぞれの先端域を占領し、したがって、円形の設置面積形状を有さない。また、隆起セクションは、図8の曲線形状の大きな房420bの中心隆起セクション434b等、中心域に提供されてもよい(好ましくは、他の隆起セクション422bから離間されて)。好ましくは、曲線形状の大きな房420a、420b、420cの残りの領域からのより低いセクション424は、好ましくは、隆起セクションを互いから離間する。
【0023】
図10〜図12に概略的に図示される例示的な実施形態では、それぞれの例示的な曲線形状の大きな房520a、520b、520cは、実質的にアスタリスク()設置面積パターン等を形成するように、4つを超えるブランチ530を有して形成される。図10〜図12の実施形態のブランチ530は、互いから等距離だけ離間し、実質的に同一の長さで示されるが、ブランチ530の間隔及び長さの変形物は、本発明の範囲内であることが理解される。好ましくは、隆起セクションは、曲線形状の大きな房520a、520b、520cのブランチ530のうちの1つ若しくはそれ以上の少なくとも一部又は全てに沿って、いずれかの所望の設置面積形状を有して、本発明の原理に従って形成され、好ましくは、より低いセクション524によって離される。隆起セクションの位置及び形状の変形物は、図10〜図12の例示的な実施形態に図示される。例として、図10及び図11の例示的な曲線形状の大きな房520aは、それぞれ、それぞれのブランチ530の先端に、隆起セクション522a及び522bを有し、それぞれの隆起セクション522a、522bは、実質的に矩形の設置面積形状を有する。図11の例示的な曲線形状の大きな房520bでは、曲線形状の大きな房520bの中心域に、追加の中心隆起セクション534bが提供され、好ましくは、他の隆起セクション522bから離間される。対照的に、図12の例示的な曲線形状の大きな房520cの隆起セクション522cは、ブランチ530のそれぞれの設置面積域の実質的に全てを占領し、より低いセクション524は、曲線形状の大きな房520cの中心域534cにのみ形成される。より低いセクション524は、好ましくは、曲線形状の大きな房520a、520b、520cの残りの領域を形成し、好ましくは、隆起セクションを互いから離間する。
【0024】
したがって理解されるように、本発明の原理に従って形成される、曲線形状の大きな房の設置面積形状、並びにそのような曲線形状の大きな房の個々の隆起セクションは、所望の効果的な洗浄、及び好ましくは、特に、歯の外側表面に加えた、歯間の同時洗浄を達成する、いずれかの所望の形状(例えば、矩形、楕円形、星形形状、リング形状等)であってもよい。例として、本発明の原理に従って形成される、曲線形状の大きな房は、それぞれ、図13及び図14に概略的に図示される、例示的な曲線形状の大きな房620a、620b等の実質的に円形の設置面積形状を有してもよい。前述される例示的な曲線形状の大きな房と同様に、図13及び図14の曲線形状の大きな房620a並びに620bは、図12及び図13に図示されるように、隆起セクション622a及び622bを形成する、隆起した、又はより丈の高い毛(曲線形状の大きな房620a、620bを作り出す、他の毛と比較して)と、より低いセクション624を形成する、より短い毛(曲線形状の大きな房620a、620bを作り出す、他の毛と比較して)とを有する。それぞれの隆起セクション622a、622bは、いずれかの所望の設置面積形状(全てが同一の設置面積形状を有する、又はそれぞれが異なる設置面積形状を有する、所与の曲線形状の大きな房の隆起セクション)を有してもよく、図13及び図14に図示される卵形形状は、例示にすぎず、必須ではない。隆起セクション622a又は622bは、図13及び図14の例示的な実施形態のように、互いから等距離であってもよく、又はいずれかの他の所望の間隔であってもよい。しかしながら、上述されるように、隆起セクション622a及び622bは、好ましくは、実質的に互いから空間的に分離されるように、より低いセクション624によって、少なくとも互いから離間されることが理解される。隆起セクション622a及び622bは、例示的な曲線形状の大きな房620a及び620bの外側周辺に沿って提供されるように図示される。しかしながら、隆起セクションは、更に、又は代わりに、外側周辺の内部に提供されてもよい。図14に概略的に図示される、例示的な曲線形状の大きな房620bでは、中心隆起セクション634bは、曲線形状の大きな房620の中心域内に提供される。
【0025】
本発明の原理に従って、隆起セクション122、222、322、422a、422b、422c、522a、522b、522c、622a、及び622b(簡略化のため、類似の原理又は説明が、他の実施形態の他の隆起セクションに適用され得ることを理解し、以後、隆起セクション122のみを参照する)が、それぞれのより低いセクション124、224、324、424、424、424、524、524、524、624、624、624(簡略化のため、類似の原理又は説明が、他の実施形態の他のより低いセクションに適用され得ることを理解し、以後、より低いセクション124のみを参照する)の上方に十分に隆起され、これらの2つのセクションに異なる機能的性能を付与することによって、これらの2つのセクションを機能的に互いから区別することが望ましい。より低いセクション124の自由洗浄端部の上方に延在する隆起セクション122の毛の部分は、好ましくは、歯と歯との間の歯間空間に適切に到達するのに十分長く、一方(及び好ましくは、それと同時に)より低いセクション124の毛の自由洗浄端部は、歯の外側表面に到達する。本発明の原理に従って、曲線形状の大きな房120の周囲の毛が、歯間空間に到達し、歯間表面を洗浄するのに十分に上方に延在する隆起セクション122によって、十分なブラッシング表面積が提供される。本発明の原理に従って形成される、曲線形状の大きな房120の隆起セクション122のうちの少なくとも1つ内の最も高い毛は、その曲線形状の大きな房120のより低いセクション124内の毛の最も低い群より、好ましくは少なくとも約0.5mm高く、かつ約4mm以下高い、より好ましくは少なくとも約1又は2mm高い、及び最も好ましくは約1.8mm高い。
【0026】
本発明の原理に従って形成される、例示的な曲線形状の大きな房の上述の説明から理解され得るように、曲線形状の大きな房の隆起セクション内のこれらの毛の高さは、全てが同一の高さである必要はない。代わりに、隆起セクションのうちの1つ又はそれ以上は、先細の輪郭を有してもよい。そのような先細加工は、特定の機能的効果を達成するため等、いずれかの所望の方向に実施されてもよい。本発明の原理に従って形成される、曲線形状の大きな房のセクションの房輪郭は、同時にユーザーの歯に接触する毛の数を増加させるように選択されてもよい。例として、少なくとも隆起セクションの房輪郭は、隆起セクションの毛が、歯と歯との間の歯間に到達する際、隆起セクションの先細加工が、毛を曲線状の歯の表面に同時に接触できるようにするために、曲線状であってもよい。換言すれば、ブラシヘッド112は、一般に、歯の表面上のある点からの距離が、歯の表面上の別の点に関するものと同一にはならないが、異なる毛長さが、ブラシヘッド112と歯の表面に沿った点との間のそのような変化する距離を補填する。ブラッシング方向に関わらず、洗浄中に歯と接触する毛の自由洗浄端部を増加させるために、異なる方向の1つを超える先細が提供されてもよい。例として、図3に見られるように、曲線形状の大きな房120は、外側周辺から下向きにより中心のより低いセクション124に向かって先細になる、先細の隆起セクション122を有する。また、先細加工は、側から側(例えば、曲線形状の大きな房の周辺を中心に周囲方向)に実施されてもよい。好ましくは、所与の隆起セクション122の先細角度は、水平から(ヘッド表面112に対して等)少なくとも約20度、より好ましくは少なくとも約27度である。所与の隆起セクション122の先細角度は、好ましくは約70度未満、より好ましくは約50度未満、及び最も好ましくは約45度未満である。所望により、より低いセクション124内の毛は、全てが同一の高さである必要はない。より低いセクション124の毛の幾つかの先細加工、およそ少なくとも約10度、好ましくは約40度以下、及び好ましくは約20度の先細等は、本発明の範囲内である。十分なブラッシング表面積が、歯間空間に到達し、歯の歯間表面を洗浄するのに十分に、曲線形状の大きな房120の他の毛の上方に延在する限り、実質的に連続する曲線形状、又は内向きかつ下向きの先細が提供されてもよい。
【0027】
本発明の別個かつ独立した態様に従って、複数個の毛房は、それぞれが、曲線形状の輪郭を有し、様々な曲線形状の毛房が互いとは異なる高さとなるように形成されてもよい。そのような房は、標準の断面積であってもよい。毛房は、所望の洗浄効果又は有効性を達成するために、いずれかの所望の形に曲線形状化されてもよい。例として、所与の毛房内の毛は、歯間の洗浄を促進する、実質的に円錐形又は円錐台形の輪郭を形成するように、異なる高さであってもよい。他の毛房内の毛は、凸状の頬側及び舌側の歯の表面とより適合し得る凹状の輪郭を形成するように、異なる高さであってもよい。様々な曲線形状の毛房の高さの差は、所望の洗浄効果又は有効性も達成するように選択されてもよい。例として、歯間の洗浄には、より長い、又はより高い房が望ましく、一方、歯の外側表面、特に頬側及び舌側の歯の表面の洗浄には、より短い、又はより低い房が望ましい。そのような曲線形状の毛房間の高さの差は、例として、曲線形状の毛房の最も高い毛を比較することによって、測定されてもよい。様々な高さの曲線形状の毛房140間の高差は、少なくとも約1.5mm、及び好ましくは約1mmであってもよい。様々な高さの曲線形状の毛房140は、図3及び図8の例示的な歯ブラシヘッドに図示されるように、ブラッシング表面積の中心域内、又は歯ブラシヘッド110の設置面積内に配設されてもよい。好ましくは、様々な高さの曲線形状の毛房140は、ブラシヘッド110の中心70%〜90%内に位置する、中央領域内に提供され、最遠位端(つま先の房として既知の隆起セクションが提供され得る)又は最近位端(かかと房として既知の隆起セクションが提供され得る)から離間される。そのような配設は、奥歯を洗浄するために、歯ブラシヘッドの遠位端に提供され(つま先の房の代わり等)、かつユーザーの口の前側域内の歯を洗浄するようには容易に配設されていない、異なる高さの曲線形状の毛房のより限定的な典型的な使用とは対照的に、曲線形状の毛房が、歯ブラシ100の通常の、又は典型的な使用中に、歯の最も外側の表面を洗浄できるようにする。
【0028】
あるいは、又は更に、様々な高さの曲線形状の毛房140は、高差が、歯ブラシヘッド110の長手方向Lに沿ってのみ(従来技術において一般的な鋸歯状のパターン等)でなく、歯ブラシヘッド110の横断方向Tに沿っても生じるように、配設されてもよい。図3及び図15の例示的な実施形態は、曲線形状の毛房の高さが、歯ブラシヘッド110の中心又は中線M(ヘッドの両側から実質的に等距離である)に向かって増加する、様々な高さの曲線形状の毛房140の一配設を図示し、該配設は、側面図において、実質的に鋸歯状の輪郭を有する(図2を参照して理解され得るもの等)。
【0029】
本発明の更に別の態様に従って、様々な高さの曲線形状の毛房140は、異なる曲線形状を有する、若しくは曲線形状をまったく有さない(即ち、全ての毛の洗浄自由端部が、実質的に同一の高さである)毛房、及び/又は大きな房(曲線形状の大きな房120のような)等の異なるブラッシング表面積を有する毛房と共に散在されてもよい。図2、図3、及び図15の毛房配設は、例示であり、本発明の原理を適用することによって提供される、向上した有効性を達成するために、様々な他の毛房配設及び毛輪郭が本発明の原理に従って形成されてもよいことが理解される。
【0030】
歯ブラシは、1997年3月11にG.B.Boucherie N.V.に対して発行された米国特許第5,609,890号、又は2003年6月24日にMC Schiffer GmbHに対して発行された米国特許第6,582,028号に記載されるものと類似する方法を使用して、本発明の原理に従って形成されてもよく、これらの特許は、参照することによって、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0031】
本発明の原理に従って形成される歯ブラシの様々な実施形態が上述されてきた。それぞれの実施形態は、本発明を制限するためではなく、本発明を説明するために提供される。事実、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本発明に様々な修正及び変更を実施できることが当業者に明白であろう。例として、一実施形態の一部として図示又は記載される特徴は、更なる実施形態をもたらすために、別の実施形態に使用することができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内であるとして、そのような修正及び変更を包含することが意図される。
【0032】
本発明は、以下の実施例を参照することによって、より良く理解され得る。
【実施例】
【0033】
3つの歯ブラシが構築された。第1の歯ブラシは、全ての毛が実質的に同一の高さ(9.2mm)で、図3に提示されるように、3つの十字形状の房を用いて構築された。第2の歯ブラシは、第1のブラシと同一の構成及び毛密度の3つの十字形状の房を用いて構成されたが、隆起毛セクションと、1.2mm(9.2mm、8.0mm)の高差を有する低くなった毛セクションとを有する。第3の歯ブラシは、図1〜図3に提示される房を用いて構築されたが、歯肉マッサージ部はない。つま先の房、及び円錐台形形状の毛、並びに十字形状の房は、全体に繰り返し逆「V」字型パターンをもたらした。第4の歯ブラシは、図1〜図3及び図15に提示される円錐台形の房及びつま先の房を用いて構築されたが、歯肉マッサージ部又は大きな十字形状の房はない。
【0034】
ヒトの顎モデルの歯と歯との間の域に、模擬歯垢が適用された。それぞれのヘッドに、300グラムの力を適用し、毛を歯に押し付け、ブラッシングを模擬するために、歯ブラシを機械によって8秒間前後に移動させた。次いで、後に残った模擬歯垢の量が評価され、歯ブラシヘッドの設計に基づき、どれだけが除去されたかを判定するために、対照と比較された。以下の表は、結果を要約する。
【表1】

【0035】
表は、歯を洗浄するために、高差が1.2mmの毛を有する十字形状の房が使用される際の大幅な改善を示す。つま先及び円錐形房の追加は、歯垢除去をわずかに改善することを示す。
【0036】
図に図示される例示的な実施形態は、幾つかの別個かつ独立した独創的な特長を有し、これは、それぞれが、少なくとも単体で、本発明に望ましいが、依然として不可欠ではない、独自の利益を有する。したがって、本発明の様々な別個の特長は、本発明の所望の特徴及び/又は利益のうちの少なくとも幾つかを達成するために、全てが存在する必要はない。明確に示されているか否かに関わらず、本発明の原理に従って形成される歯ブラシにおいて、1つ又はそれ以上の別個の特長が組み合わせられてもよく、又は様々な特長のうちの1つのみが存在する必要があってもよい。したがって、本発明は、本明細書に具体的に記載される実施形態のみに制限されない。
【0037】
前述の説明及び図面は、本発明の代表的な実施形態を表すが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、それらに様々な追加、修正、及び置換を行い得ることが理解されよう。特に、本発明が、他の特定の形態、構造、配置、比率で、また他の要素、材料、及び構成要素を用いて、その趣旨又は本質的な特性から逸脱することなく具現化され得ることが、当業者には明らかとなるであろう。当業者は、本発明が、本発明の原理から逸脱することなく、特定の環境及び動作要件に特に適合される、本発明の実践において使用される、構造、配置、比率、材料、及び構成要素の多くの修正を伴って、並びに別の方法で、使用され得ることを認識するであろう。例えば、一体形成されたものとして示される要素は、一体形成され得る複数の部分として示される複数の部分又は要素で構築されてもよく、要素の動作は、反転される、ないしは別の方法で変化されてもよく、要素のサイズ又は寸法は、変化されてもよい。したがって、今般開示される実施形態は、あらゆる点において、限定的なものではなく、例示的なものであると見なされるべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、前述の説明に限定されることはない。
【0038】
〔実施の態様〕
(1) 歯ブラシであって、
長手方向に延在し、近位端と、遠位端とを有するハンドルと、
前記ハンドルの前記遠位端におけるヘッドと、
前記ヘッドから延在する、少なくとも1つの曲線形状の毛房とを備え、
ここで、
前記曲線形状の毛房が、共に束ねられた毛の単一の房であり、これらの毛における2つ又はそれ以上の隆起セクションと、これらの毛におけるより低いセクションとを有し、前記隆起セクション内の毛が、前記より低いセクション内の毛より高く、
前記曲線形状の毛房の前記2つ又はそれ以上の隆起セクションが、依然として同一の曲線形状の毛房の一部である一方、互いから独立して作用するように前記より低いセクションによって互いから離される、歯ブラシ。
(2) それぞれの前記隆起セクションが、少なくとも約0.25mmのブラッシング表面積を有する、実施態様1に記載の歯ブラシ。
(3) それぞれの隆起セクションが、約4mm未満のブラッシング表面積を有する、実施態様2に記載の歯ブラシ。
(4) それぞれの隆起セクションが、少なくとも約1.5mmのブラッシング表面積を有する、実施態様3に記載の歯ブラシ。
(5) 前記隆起セクションが、互いから少なくとも0.2mm離れている、実施態様1に記載の歯ブラシ。
(6) 前記隆起セクションが、互いから少なくとも0.5mm離れている、実施態様5に記載の歯ブラシ。
(7) より低いセクションが、前記隆起セクションを互いから分離するために、それぞれの隆起セクションを別の隆起セクションから離す、実施態様1に記載の歯ブラシ。
(8) 前記より低いセクションから前記隆起セクションに横方向の支持を付与するように、前記隆起セクションの毛が、前記より低いセクションの毛と束ねられる一方、前記隆起セクションが、独立して作用するように、互いから分離される、実施態様7に記載の歯ブラシ。
(9) 前記隆起セクション内の最も高い毛が、前記より低いセクション内の最も低い毛より、少なくとも約0.5mm高い、実施態様1に記載の歯ブラシ。
(10) 前記隆起セクション内の最も高い毛が、前記より低いセクション内の最も低い毛より、約4mm以下高い、実施態様9に記載の歯ブラシ。
【0039】
(11) 前記隆起セクション内の最も高い毛が、前記より低いセクション内の最も低い毛より、少なくとも約1又は2mm高い、実施態様1に記載の歯ブラシ。
(12) 前記2つ又はそれ以上の隆起セクションが、4つの隆起セクションを含む、実施態様1に記載の歯ブラシ。
(13) 前記曲線形状の毛房が、中心域から延在する3つ又はそれ以上のブランチを有する設置面積を有する、実施態様1に記載の歯ブラシ。
(14) 前記隆起セクションが、前記ブランチのうちの1つ又はそれ以上内に提供され、前記より低いセクションが、前記中心域内に提供される、実施態様13に記載の歯ブラシ。
(15) 前記隆起セクションのうちの少なくとも1つが、前記より低いセクションに向かって下向きに先細になっている、先細の輪郭を有する、実施態様14に記載の歯ブラシ。
(16) 前記曲線形状の毛房の輪郭とは異なる輪郭を有する、追加の毛房を更に含む、実施態様1に記載の歯ブラシ。
(17) 共に束ねられた複数本の毛で形成される、曲線形状の毛房であって、
前記曲線形状の毛房が、
約4mmを超える断面積と、
これらの毛におけるより低いセクションによって互いから離間した、これらの毛における2つ又はそれ以上の隆起セクションと、を有し、
前記隆起セクション内の最も高い毛が、前記より低いセクション内の最も低い毛より、少なくとも約0.5mm高い、曲線形状の毛房。
(18) 前記隆起セクション内の最も高い毛が、前記より低いセクション内の最も低い毛より、約4mm以下高い、実施態様17に記載の曲線形状の毛房。
(19) 前記隆起セクション内の最も高い毛が、前記より低いセクション内の最も低い毛より、少なくとも約1又は2mm高い、実施態様17に記載の曲線形状の毛房。
(20) 前記隆起セクションの毛が、前記より低いセクションから前記隆起セクションに横方向の支持を付与するように、前記より低いセクションの毛と束ねられる一方、前記隆起セクションが、独立して作用するように、少なくとも約0.2mm離間されることによって、互いから空間的に分離される、実施態様17に記載の曲線形状の毛房。
【0040】
(21) 前記隆起セクションが、少なくとも約0.5mm離間されることによって、互いから空間的に分離される、実施態様20に記載の曲線形状の毛房。
(22) 歯ブラシであって、
長手方向に延在し、近位端と、遠位端とを有するハンドルと、
前記ハンドルの前記遠位端におけるヘッドと、
前記ヘッドから延在する、複数個の曲線形状の毛房とを備え、
ここで、
それぞれの曲線形状の毛房が、実質的に円錐台形の曲線形状の毛房輪郭を形成する、異なる高さの複数本の毛を備え、
前記複数個の曲線形状の毛房が、前記曲線形状の毛房内の最も高い毛によって画定される高さを有し、
前記複数個の曲線形状の毛房が、異なる高さの曲線形状の毛房を含み、
前記曲線形状の毛房が共に、前記ヘッドの中心域で、鋸歯状の毛房輪郭を形成する、歯ブラシ。
(23) 前記鋸歯状の毛房輪郭が、前記長手方向に延在し、
前記曲線形状の毛房の高さが、前記ヘッドの両側から前記ヘッドの中線に向かって増加する、実施態様22に記載の歯ブラシ。
(24) 前記曲線形状の毛房のいずれのブラッシング表面積よりも大きなブラッシング表面積を有する、大きな毛房を更に備える、実施態様23に記載の歯ブラシ。
(25) 前記大きな毛房が、曲線形状の毛房輪郭を有する、実施態様24に記載の歯ブラシ。
(26) 前記ヘッドの最遠位端につま先の房を更に備え、前記曲線形状の毛房が、前記つま先の房から近位方向に離間される、実施態様22に記載の歯ブラシ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯ブラシであって、
長手方向に延在し、近位端と、遠位端とを有するハンドルと、
前記ハンドルの前記遠位端におけるヘッドと、
前記ヘッドから延在する、少なくとも1つの曲線形状の毛房とを備え、
ここで、
前記曲線形状の毛房が、共に束ねられた毛の単一の房であり、これらの毛における2つ又はそれ以上の隆起セクションと、これらの毛におけるより低いセクションとを有し、前記隆起セクション内の毛が、前記より低いセクション内の毛より高く、
前記曲線形状の毛房の前記2つ又はそれ以上の隆起セクションが、依然として同一の曲線形状の毛房の一部である一方、互いから独立して作用するように前記より低いセクションによって互いから離される、歯ブラシ。
【請求項2】
それぞれの前記隆起セクションが、少なくとも約0.25mmのブラッシング表面積を有する、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項3】
それぞれの隆起セクションが、約4mm未満のブラッシング表面積を有する、請求項2に記載の歯ブラシ。
【請求項4】
それぞれの隆起セクションが、少なくとも約1.5mmのブラッシング表面積を有する、請求項3に記載の歯ブラシ。
【請求項5】
前記隆起セクションが、互いから少なくとも0.2mm離れている、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項6】
前記隆起セクションが、互いから少なくとも0.5mm離れている、請求項5に記載の歯ブラシ。
【請求項7】
より低いセクションが、前記隆起セクションを互いから分離するために、それぞれの隆起セクションを別の隆起セクションから離す、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項8】
前記より低いセクションから前記隆起セクションに横方向の支持を付与するように、前記隆起セクションの毛が、前記より低いセクションの毛と束ねられる一方、前記隆起セクションが、独立して作用するように、互いから分離される、請求項7に記載の歯ブラシ。
【請求項9】
前記隆起セクション内の最も高い毛が、前記より低いセクション内の最も低い毛より、少なくとも約0.5mm高い、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項10】
前記隆起セクション内の最も高い毛が、前記より低いセクション内の最も低い毛より、約4mm以下高い、請求項9に記載の歯ブラシ。
【請求項11】
共に束ねられた複数本の毛で形成される、曲線形状の毛房であって、
前記曲線形状の毛房が、
約4mmを超える断面積と、
これらの毛におけるより低いセクションによって互いから離間した、これらの毛における2つ又はそれ以上の隆起セクションと、を有し、
前記隆起セクション内の最も高い毛が、前記より低いセクション内の最も低い毛より、少なくとも約0.5mm高い、曲線形状の毛房。
【請求項12】
歯ブラシであって、
長手方向に延在し、近位端と、遠位端とを有するハンドルと、
前記ハンドルの前記遠位端におけるヘッドと、
前記ヘッドから延在する、複数個の曲線形状の毛房とを備え、
ここで、
それぞれの曲線形状の毛房が、実質的に円錐台形の曲線形状の毛房輪郭を形成する、異なる高さの複数本の毛を備え、
前記複数個の曲線形状の毛房が、前記曲線形状の毛房内の最も高い毛によって画定される高さを有し、
前記複数個の曲線形状の毛房が、異なる高さの曲線形状の毛房を含み、
前記曲線形状の毛房が共に、前記ヘッドの中心域で、鋸歯状の毛房輪郭を形成する、歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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