説明

毛髪移植用の皮膚テンショナ

特に毛髪移植処置における毛包単位の除去および移植をするため、皮膚領域に張力を適用するデバイスおよび方法が提供されている。このデバイス(20、130、160、180、200、240、253、260、290、310)は、皮膚を保持する少なくとも2の皮膚接触部材を有するフレーム(22、132、162、204、262、292)を具えうる。皮膚接触部材を離れて移動させ、その結果、その間の皮膚に張力を生成する力を適用する様々な方法も開示されている。これらのデバイスおよび方法は、皮膚接触部材を皮膚に確実に固定する効果がある吸引を組み込んでもよい。鉤状部(28、72、98、116、194、172、152)またはマイクロ鉤状部を用いて、皮膚接触部材を皮膚に固定するのを助けることもできる。フレームは、複数の方向に外向きに適用される張力で皮膚領域を囲むことができる。調整部材および表示器(52)を設けて、皮膚に適用される張力の大きさを制御および表示してもよい。張力デバイスおよび方法は、ロボット毛髪移植システムに組み込むことができる。可撓性フレームを圧縮する器具(242)も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚または体表面の領域に張力を適用するデバイス、システムおよび方法に関し、特に、毛髪移植術と併用する皮膚テンショナおよび使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
皮膚領域の操作を伴う、多くの外科、美容整形、治療および皮膚科手術がある。毛髪移植はそのような手術の1つであり、「恵皮部」からドナーの植毛を採取して、禿部(「受皮部」)に移植するステップを通常は伴う。様々な針、穿孔機、および鉗子を含む、毛包単位(「FU」)を採取および移植するために使用される様々な既知の器具および機器がある。毛髪移植は、非常に労働集約型で、技術と精度を要する複雑な手術である。医師によって手作業で処置がされている間、毛髪を採取または移植する領域の皮膚表面を伸張させるため、2本の指を用いて圧力が対象位置の近位に通常は適用される。同様の皮膚伸張技法が、毛髪移植以外の様々な美容整形および皮膚科手術に用いられる。
【0003】
体表面から毛包単位を採取する自動システムの1つが、米国特許出願公開第2007/0078466号に開示されている。一実施形態では、2つの歯の形状をした皮膚テンショナが皮膚表面を圧迫し、その結果皮膚を伸張させて、FUを頭皮表面に対してより垂直に静置させることが可能となる。
【0004】
Lone Star Medical Products社で製造されているような手術領域から離れて組織を保持する商用の外科用レトラクタがある。しかしながら、このようなレトラクタは、毛髪移植のような手術に要する皮膚の伸張にはあまり適していない。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、様々な皮膚または体表面への張力デバイスおよび方法を開示しており、様々な医療、美容整形、または皮膚科手術の際に、頭皮、皮膚または他の体表面部位に適用することができる。このようなデバイスは、毛嚢または毛包単位(FU)を採取および/または移植するときなどに特に有用である。ある実施形態では、この皮膚張力デバイスは、皮膚に適用する張力の大きさをモニタし、必要に応じてそれを調整することが可能である。さらに、開示される張力デバイスは比較的簡単に一人または片手で適用され、容易に取り外したり再適用することができる。従って、これらのデバイスは治療領域から容易に取り外すことができ、患者が望む場合には処置の途中で起きあがったり動いたりすることが可能である。本書に記載される様々な実施形態の他の利点は、治療領域全体にわたり、ほぼ均一または均等な張力を皮膚にかけることができる点である。これらのデバイスは比較的安価で製造することができ、特定の部分は、清掃を容易にしたり消毒しやすい構成要素の再利用をやめるように使い捨てであってもよい。さらに、このデバイスには、血液を吸引して生理食塩水を流す機能を設けてもよい。さらにこのデバイスには、体表面に対して皮膚張力デバイスをより確実に保持するような吸引を設けてもよい。画像システムと併用して、張力デバイスが基準のプラットフォームを与えることもできる。
【0006】
一態様によると、体表面に張力を適用するデバイスは可撓性フレームを具え、この可撓性フレームは少なくとも1つの皮膚把持部を有する皮膚接触部材を具えている。この可撓性フレームは、フレーム固有の可撓性によって、圧縮構成と弛緩構成との間で遷移するよう構成される。可撓性フレームはさらに弛緩構成へと付勢され、弛緩構成において、少なくとも1つの皮膚把持部が体表面と結合しているときに可撓性フレームが体表面に張力を与えるよう構成される。フレームは、例えば、性質上弾性がある弾性材料のような選択肢の材料を選択することで本質的に可撓性であってもよい、および/またはフレームに可撓性を与える形状、構造、間隙、厚さ、または他のこのような設計の選択肢をフレームの一部または全体に組み込むことにより可撓性であってもよい。体表面の張力デバイスは、実施形態や所望の機能に応じて、体表面全体にほぼ均一に張力を適用してもよく、あるいは体表面にわたる1以上の方向に張力を適用してもよい。他の実施形態では、フレームは複数(例えば、少なくとも3)の側面部分を具えており、少なくとも3の側面部分のうち2つを圧縮すると、少なくとも3の側面部分を収束させる。様々な皮膚把持部は、例えば、鉤状部、マイクロ鉤状部、接着剤、粗い表面組織、または他の同様の構造または機構を含みうる。
【0007】
更なる態様によると、本願の張力デバイスと共に使用する圧縮器具が提供されている。この圧縮器具は、張力デバイスのフレームと係合し、当該フレームを圧縮構成と弛緩構成の間で遷移させるよう形成され、構成されている。圧縮器具の全体面は(フレームと係合し、圧縮構成と弛緩構成の間でフレームが遷移するように配置された場合に)張力デバイスのフレームの全体面とほぼ平行であってもよい、あるいは、フレームの平面に対してほぼ垂直というように異なる全体面であってもよい。
【0008】
更なる本開示の態様によると、体表面に張力を適用するデバイスは複数の皮膚把持部を有する皮膚接触部材を具えるフレームを具えており、当該フレームは圧縮構成と弛緩構成との間を遷移できるよう構成され、体表面上に圧縮構成に配置された場合に、複数の皮膚把持部の少なくとも1つは体表面に対して第1の角度に向けられ、弛緩構成において複数の皮膚把持部の少なくとも1つは、体表面に対して第2の異なる角度に向けられる。幾つかの実施形態では、第1の角度は体表面に対してほぼ垂直であってもよく、第2の角度は体表面に対してほぼ垂直以外の角度であってもよい。さらに、フレームは可撓性フレームであってもよく、圧縮構成と弛緩構成の間で柔軟に遷移できる。上述のデバイスは、上記のような圧縮器具と共に使用することができ、圧縮器具は可撓性フレームと係合するよう形成され、複数の皮膚把持部の少なくとも1つを第1の角度と第2の角度の間で遷移させるよう構成されている。他の記載された実施形態と同様に、上記デバイスのフレームは通常、第1の平面(湾曲面を含む)に位置し、フレームを圧縮構成と弛緩構成の間で遷移させた場合に圧縮器具が第2の平面にほぼ位置するよう構成されうる。第2の平面は、例えば、フレームの全体面に対してほぼ平行、または可撓性フレームの全体面に対してほぼ垂直であってもよい。
【0009】
更なる態様によると、体表面に張力を適用するデバイスが開示されている。このデバイスは圧縮構成と弛緩構成の間で遷移するよう構成されたフレームを具えており、当該フレームは少なくとも3の接触部材を具え、各接触部材は少なくとも1の皮膚把持部を有する。このフレームは更に、少なくとも3の接触部材のうち2つが圧縮すると少なくとも3の接触部材を圧縮構成へと収束させるよう構成されている。従って、フレームは、手動または圧縮器具を用いるかの何れかにより片手で便利に圧縮することができ、フレームは、少なくとも1の皮膚把持部が体表面と結合している場合に、弛緩構成において体表面に容易に張力がかかるよう構成されている。フレームは、体表面に合うよう構成されてもよい。幾つかの実施形態では、第1の少なくとも3の接触部材は第1の平面に位置し、第2の少なくとも3の接触部材は第1の平面以外の平面に位置していてもよい。
【0010】
一実施形態を参照して記載された皮膚テンショナの機構は、他の実施形態の1以上を参照して記載された1以上の機構と組み合わせることができる。さらに、記載された張力デバイスの何れかも、フレームの皮膚接触部材における1以上の開口部と流体連通している少なくとも1のチャネルをフレームに具え、皮膚に吸引を適用するように減圧源と流体連通するこれらの開口部を設置してもよい。代替的に、張力デバイスは、張力の強さを表示するような表示器をフレームに具えてもよく、あるいは、張力の強さを調整できる張力制御器をフレームに具えてもよい。
【0011】
さらに、毛髪の採取および/または移植の際に用いられるような、張力を体表面に適用する方法が開示されている。一態様によると、この方法は、可撓性フレームの固有の柔軟性を利用して、可撓性フレームを弛緩構成から圧縮構成に遷移させるステップを含む。この可撓性フレームは、少なくとも1の皮膚把持部を有する皮膚接触部材を具えてもよい。この方法は更に、少なくとも1の皮膚把持部が体表面と結合するように体表面上に可撓性フレームの皮膚接触部材を設置するステップと、張力が体表面の治療領域にわたって生じるように、フレームを圧縮構成から弛緩構成に遷移させるべく可撓性フレームを解放するステップとを含む。他の態様によると、張力を体表面に適用する方法は、フレームをN以上の方向に圧縮させるため、張力デバイスのフレームをN方向に圧縮するステップを含みうる。更に他の態様によると、張力を体表面に適用する方法は、フレームに設置された少なくとも1の皮膚把持部を体表面に対して第1の角度から体表面に対して第2の角度に遷移させるように、張力デバイスのフレームを圧縮構成から弛緩構成に遷移させるステップを含みうる。本書に記載された何れの方法はさらに、圧縮器具を用いて可撓性フレームと係合し、可撓性フレームを圧縮構成と弛緩構成の間で遷移させるステップを含んでもよい。同様に、何れの方法も、体表面から自毛植毛を採取するステップ、または自毛植毛を治療領域における体表面に移植するステップを含んでもよい。詳述から理解されるように、異なる実施形態を参照して本書に記載された、体表面に張力を適用する様々な方法の1以上のステップは組み合わせることができ、あるいは同一の方法で実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本書に記載された発明の特徴および利点は、明細書、特許請求の範囲、および添付の図面を参照するとさらに理解され、正しく認識されるであろう。
【図1】図1は、閉ループフレームと、複数の別個に調整できる皮膚接触部材と、張力制御機構とを有する皮膚テンショナの第1の実施形態の透視図である。
【図2】図2は、図1に示す皮膚接触部材の一例の拡大透視図である。
【図3】図3Aおよび図3Bは、皮膚テンショナと共に使用できる代替的な皮膚接触部材の透視図および側面図である。
【図4】図4Aおよび図4Bは、皮膚テンショナと共に使用できる、吸引と鉤状部を組み込んだ皮膚接触部材の透視図である。
【図5】図5Aおよび図5Bは、吸引と鉤状部などの皮膚把持部を組み込んだ代替的な皮膚接触部材の透視図である。
【図6A】図6Aは、脚部に吸引と鉤状部を組み込んだ皮膚接触部材をそれぞれ有する分岐脚部付のコンパス状のフレームを有する代替的な皮膚テンショナの透視図である。
【図6B】図6Bは、図6Aの皮膚接触部材の片方の下側の拡大透視図である。
【図7】図7は、脚部に鉤部を組み込んだ皮膚接触部材をそれぞれ有する分岐脚部付のコイルスプリングフレームを有する皮膚テンショナの透視図である。
【図8】図8は、脚部に鉤部を組み込んだ皮膚接触部材をそれぞれ有する分岐脚部付のコンパス状フレームを有する皮膚テンショナの透視図である。
【図9】図9Aおよび図9Bは、内側に圧縮および弛緩した状態がそれぞれ図示された、バタフライ型皮膚テンショナのフレームの透視図である。
【図10】図10Aおよび図10Bはそれぞれ、手術領域から血液を除去するべく流体を流す部分を組み込んだ代替的なバタフライ型皮膚テンショナのフレームの上部及び底部透視図である。
【図11】図11Aおよび図11Bは、圧縮器具と共に、更に他の代替的なバタフライ型皮膚テンショナの透視図である。
【図11C】図11Cは、更に代替的な皮膚テンショナの透視図である。
【図11D】図11Dは、代替的な圧縮器具と共に図11Cの代替的な皮膚テンショナの透視図である。
【図12】図12Aおよび図12Bはそれぞれ、閉ループフレームと、皮膚把持部をそれぞれ組み込んだ4の接触部材とを有する、更に代替的な皮膚テンショナの上部および底部透視図である。
【図13】図13は、弛緩構成における、更に代替的な体表面テンショナの上部透視図である。
【図14】図14Aおよび図14Bはそれぞれ、更にデバイスを固定して張力をかける溝部を組み込んだ、代替的なバタフライ型皮膚テンショナのフレームの上部および底部透視図である。
【図15】図15Aおよび図15Bは、フレームが圧縮および弛緩したときにほぼ同一となる、体表面に対する鉤状部の角度を示している。
【図16】図16Aおよび図16Bは、フレームが圧縮されたときの第1の角度、およびフレームが弛緩しているときの第1の角度以外の角度における、体表面に対する鉤状部の角度を示している。
【図17】図17は、他の代替的な体表面への張力デバイスの透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳述では、本発明を実施できる特定の実施形態を例示する添付の図面について説明している。これに関し、「上部」、「底部」、「前部」、「後部」、「側部」、「遠位」、「近位」等といった方向の用語は、記載されている図面の向きについて用いられている。本発明の構成要素または実施形態は多くの異なる方向に設置できるため、方向の用語は図示するために用いられており、限定するものではない。他の実施形態を利用してもよく、本発明の範囲から逸脱することなく構造または論理的な変更ができることを理解されたい。従って、以下の詳述は限定の意味で捉えるべきではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0014】
Lone Star Medical Products社で製造されているような商用の外科用レトラクタは、治療領域全体に均一かつ安定した皮膚の伸展をもたらさないことが分かっている。さらに、導入、除去および患者が休憩を必要とする場合に再導入するのが難しい。本願は、皮膚または体表面全体に張力を生成し、毛包単位(FU)の採取といった、体表面上での様々な処置を容易にするために用いる多くのシステムや方法を記載している。明確にするため、皮膚表面に張力を生成するとは、弛緩状態において存在する張力よりも大きい横方向の張力を皮膚表面が示すように、伸張力を適用することを意味する。通常、これには張力を受ける間の領域を含む、少なくとも2の離れた位置を別個に引っ張るか、そこに別個の力を加える必要がある。この張力は一軸に沿った単一の方向、または複数および全方向であってもよいと理解されたい。例えば、皮膚表面を全ての方向へと均一に引っ張る円形フレームは、円形領域の内側に全方向の張力を設ける。
【0015】
張力を皮膚表面に適用するため、本書に記載のシステムは少なくとも2またはそれ以上の間隔をあけて配置された皮膚接触部材を組み込んでいる。これらの皮膚接触部材はそれぞれ、皮膚表面と接して位置する皮膚接触面を規定している。この皮膚接触面は、特定の実施形態では吸引といった、皮膚接触部材を皮膚表面に保持する幾つかの手段を特徴としている。しかしながら、皮膚接触部材を皮膚表面に保持するため、このシステムは、外部から下方への圧力がない状態で滑らかな底部の部材が皮膚表面にわたって移動するのに必要な抵抗性から、皮膚表面全体にわたる皮膚接触部材の移動に対する側方への抵抗性を増加させる必要がある。
【0016】
皮膚接触部材の移動に対する側方への抵抗性を増加させる方法の1つは、皮膚接触面に鉤状部を設けることである。本願の文中における「鉤状部」とは、皮膚接触面の下側に皮膚接触部材から突出し、皮膚表面を穿刺するかくぼみを形成する小さい要素を意味する。すなわち、鉤状部は皮膚表面を穿刺できるように鋭利である必要はない。従って、用語「鉤状部」は、針、ピン、先端、フック、こぶ、突起部、および他の同様の用語を包含する。さらに、本発明の特定の実施形態および用途では、用語「マイクロ鉤状部」を用いることが有用である。用語「マイクロ鉤状部」は、最大サイズの特性、通常はその直径(または、形状に関係ない断面寸法であり、この文中での直径とは断面が円形である必要があることを意味するものではない)を有する小さい鉤状部を指している。例えば、一実施形態では、マイクロ鉤状部は約0.127乃至0.305mm(0.005乃至0.012インチ)の直径を有する鉤状部を含む。さらに、マイクロ鉤状部は、表面密度によって鉤状部について規定することもでき、例えば、マイクロ鉤状部のサイズによって、互いに1乃至5mm以内に配置して表面領域をより均一に覆うことが可能となる。一方、大きい鉤状部は、広い空間を必要とするため、低い密度のアレイを示す。
【0017】
鉤状部は、皮膚接触部材を皮膚に確実に上手く把持する主な手段として本書に記載されているが、摩擦係数を単に増加させる他の解決法も意図している。例えば、接着剤を有する皮膚接触部材を本書に記載の特定の態様と併用して上手く利用することもできる。他の可能性としては、片方を一時的に皮膚に接着して他方を皮膚接触部材に接着させて、ベルクロパッチを取り付けることである。このように、本書で使用されるような用語「皮膚把持部」は、滑らかな底部の表面と対称的に、皮膚表面全体における皮膚接触部材の移動に対する側方の抵抗性を増加させることにより、皮膚接触部材を皮膚表面に保持する様々な手段を包含している。すなわち、「皮膚把持部」は、鉤状部、マイクロ鉤状部、吸引、接着剤、ベルクロ、リブ、リッジ、ピン等、および粗い表面組織を包含する。皮膚に固定される要素のこのような構造の1以上(絆創膏など)があることは概念上では知られているが、治療領域にわたって張力を生じさせるものと併せて利用することは新しく、特に毛髪移植の状況においては新規であると考えられる。さらに、1以上のこれらの皮膚把持部を組み合わせた本書に記載の皮膚テンショナの様々な他の特徴も新規であると考えられる。
【0018】
システムまたはプロセスに関する形容詞「自動化された(automated)」とは概して、特定のシステムまたはプロセスにおけるステップの一部または全てが自律機構または機能、すなわち手動操作を必要としない機構または機能を含むことを意味する。最終的に、手順の1以上のステップは、手動入力を要する幾つかの部分を有しつつ、自動化または自律することができる。この定義は、ONスイッチを押す、または操作の予定を組むオペレータのみを要する自動システムを包含し、携帯用機器のシステムも使用されるが、システムの幾つかの機構は自動的、すなわち人の入力がなくても機能を実行するように機能する。幾つかの自動プロセスは、ロボット補助された、またはコンピュータ/ソフトウェア/マシン指示で制御されてもよい。本発明のデバイスや方法は、手動の手順やシステム、さらには自動の手順やシステムにおいて有用であり、ロボット補助されたシステムおよび手段に特に有用である。対照的に、システムの特定の構成要素またはプロセスにおける特定のステップで引用される場合の副詞「自動的に(automatically)」とは、自動的に、すなわちリアルタイムの手動補助がなくとも実行されるようなステップを意味する。本書で使用されるような用語「接続される」、「取り付けられる」、「連結される」または「装着される」は、直接的に、または1以上の干渉する構成要素を介するなどして間接的に接続、取り付け、組み込み、または装着されることを意味する。
【0019】
本願の一態様によると、張力の制御を可能にし、関連する治療領域全体にほぼ均一な張力をもたらす皮膚テンショナが提供されている。本願の第1の実施形態では、図1は、閉ループフレーム22と複数の別個に調整できる皮膚接触部材24を有する皮膚テンショナ20を示している。この実施形態では、フレーム22はほぼ四角形の内向きの壁26を特徴としており、この壁は皮膚接触部材24が内部に突出する同様の形状の開口部の外周を規定している。複数の皮膚接触部材24は2つの対向する壁26の平行な面からそれぞれ突出して図示されているが、4面全てに設けられてもよい。さらに、代替的な実施形態の記載から明らかなように、フレーム22は閉ループである必要はなく、直線の開口部を規定する、あるいは偶数の面を有する必要もない。例えば、この開口部は、円形、長円形、または三角形であってもよい。
【0020】
フレーム22は、可動の皮膚接触部材24を装着し、強固な支持をもたらす構造を提供している。図1は、フレーム内壁26の2つの対向する平行な面それぞれから内側に突出している3つの皮膚接触部材24を図示している。以下に説明するように、フレーム22は、張力を適用する、あるいはフレーム開口部内の皮膚を伸展する皮膚接触部材24を有しながら、皮膚表面に設置するよう設計されている。すなわち、各皮膚接触部材24がフレーム22から内側に延在し、皮膚表面と接触して、何らかの方法でそこに固定され、フレームの外側へと皮膚表面と平行に外向きの力を作用させる。
【0021】
一実施形態では、それぞれの皮膚接触部材24は、図2に拡大して見られるように、指部30の遠位端に鉤状部またはフック28を具えることができる。各指部30は更に、フレームの内壁26における開口部を通って外側に通っている、細長い柔軟なストランド32(または代替的に、金属製ワイヤ32)と接続する。鉤状部またはフック28は、皮膚接触部材24が外向きの力に晒された場合に張力を適用できるように、皮膚表面に形成された切開部を通って挿入することができる。代替的に、予め切開部を形成する必要がないように、フック28は皮膚表面を穿刺するのに適した鋭い先端部を有してもよい。さらに、皮膚表面と直接結合する代わりに、フック28は異なる皮膚接触部材と係合し、全体的な張力機構において単にリンクとして機能してもよい。
【0022】
皮膚テンショナ20は、それぞれの皮膚接触部材24における外向きの力を制御する機構を組み込んでいる。図示された実施形態では、各柔軟なストランド32は、フレーム22の開口部を通って外側に延在している。柔軟なストランド32、ひいては皮膚接触部材24に外向きの力を適用する多くの方法がある。例えば、各柔軟なストランド32は、対応する鉤状部またはフック28が皮膚表面と結合する前に伸展できるように弾性であって、フレーム22に固定されてもよい。図示された例では、各柔軟なストランド32は、フレーム22に装着されるか、フレームの外側に示されるような別個の要素として設けられた張力調整器40を通過している。単純な実施形態では、各張力調整器40は、ストランド32を受ける貫通孔を有するハウジング42と、摩擦力を内部のストランドに加える貫通孔と交差しているシャフト(図示せず)に接続されたノブ44とを具える。例えば、ノブ44はハウジング42における同様のねじ穴に収容されたねじ付きシャフトと接続し、これにより、留めねじの要領でシャフトはストランド32を締め付けることができる。ストランド32の自由端は、所望の張力が皮膚表面にかかるまで外側に手動で引っ張ることができ、その時点で、ユーザはノブ44を動かして、ハウジング42およびフレーム22に対するストランドの位置を固定する。これについて、ストランド32は上述のように柔軟であってもよく、あるいはステンレス鋼ワイヤのように比較的非弾性であってもよい。何れの場合でも、皮膚接触部材24を皮膚表面と結合して外側に引っ張ると、皮膚表面に張力を生成する。
【0023】
代替的な実施形態では、それぞれまたは任意の張力調整器40は、関連する柔軟なストランド32を引っ張る内側スプールまたは摩擦ホイール(図示せず)を組み込む。例えば、柔軟なストランド32をノブ44によって回転するスプールの周囲に巻きつけることができる。これは、ユーザが柔軟なストランドにおける張力の量を上手く制御できるようにする。
【0024】
本願の他の態様によると、皮膚テンショナ20は、例えば、柔軟なストランド32それぞれにおける張力の量を示すことができる。例えば、先に記載したスプールを有する張力調整器40の実施形態では、ノブ44はマーキングを有してもよく、これにより、回転の回数を回転の程度に対する張力レベルでモニタすることができる。図示された実施形態では、各ノブ44に依存しているシャフトは、ハウジング42における直線スロット50を介して、関連する柔軟なストランド32と係合する。柔軟なストランド32またはノブ44の何れかに接続されたピン52は、フレーム22における別の直線スロット54にを移動する。このピン52はスロット54内で外側にスプリング付勢されており、柔軟なストランド32の張力がスプリングの付勢を超えた場合に、スロット54に沿って内側に移動する。従って、ピン52が内側に移動すると、柔軟なストランド32における張力の量を視覚的に表示する。目盛付のマーキングをスロット54の隣にそれに沿って設けてもよい。
【0025】
当然ながら、より複雑で、通常はさらに高価なアナログ式またはデジタル式の数値的な力表示のように、柔軟なストランド32における張力を示す多くの他の方法がある。本願は、最も単純なものから最も複雑なものまで、多くの表示器を意図している。さらに、張力制御機構および張力表示器の何れかまたは双方は、本書に記載の任意の皮膚テンショナに組み込むことができ、図示されていない張力表示器または張力制御機構は排除されるものとして解釈すべきではない。張力表示器はユーザが適切な皮膚張力を確立するのに役立つ。特に、毛嚢を除去して皮膚表面を平滑にし、毛包単位が真っ直ぐ立つよう促すには、最小レベルの張力が望ましい。さらに、規定の最小レベルの張力は、毛包単位の周囲の皮膚の余分なフラップを切除せずに、皮膚に穴を開ける針のような除去器具に役立つ。しかしながら、張力は、皮膚表面への過度の外傷を防止する最大限まで制限すべきである。最終的に、各柔軟なストランドにおける張力の表示器は、ユーザが張力の量を釣り合わせられるようにして、ある位置または別の位置に過度に張力が加わるのを防止する。
【0026】
図3Aおよび図3Bは、本書に記載の皮膚テンショナと共に利用できる代替的な皮膚接触部材60の透視図および側面図である。上述のように、図2に示すフック28のような特定の鉤状部を利用することによって発生しうる創傷をなくす、あるいは減少させることは有益である。さらに、少数(6乃至10など)の比較的大きいフック28を用いる特定の用途では、治療領域全体にわたって皮膚を十分均一に伸展させることはできない。例えば、フックの位置周辺の領域における皮膚張力は十分かもしれないが、フックの間の空間では、毛髪の採取や移植といった処置に対して十分に張力がかかっていない、あるいは伸展していない場合がある。あるいは、比較的間隔が狭いフックによって生じた張力は均一でなく、幾つかの領域では最適以下となる場合もある。従って、図2のフック28は、完全に回避されるか、図3Aの60に示すように代替的な皮膚接触部材への中間リンクとして単に使用されうる。柔軟なストランド32を皮膚接触部材60に接続または連結する他の方法はフック28を使用しないものを意図しているが、前述の皮膚接触部材24におけるフック28をフレーム22全体が素早く除去できるように用いてもよい。さらに、フック28(または同様の手段)は一般的であり、任意の数の異なる皮膚接触部材に連結される。
【0027】
皮膚接触部材60の一例はカップリング本体62を具えており、このカップリング本体は、そこから延在し、底部に皮膚接触面65を規定するほぼ水平のフランジ64を有している。カップリング本体62は、フック28または他の代替的なコネクタ28によって係合できる穴部68へと通じる上部テーパ開口部66を具えている。開口部66のテーパ形状は、コネクタ28を素早く挿入するのに役立つ。フランジ64は、皮膚接触面65の下側から突出し、皮膚の広範囲にわたって力を分配することでより均一な伸展を生じる鋭い端部を有する(後述するような)複数のマイクロフックまたはマイクロ鉤状部72が通過する、複数の穴開け部または穿孔70を具えている。更なる利点として、マイクロ鉤状部72は、治療を要する創傷を作らない、あるいは減少させるように望ましい大きさに作られる。図示された実施形態では、穿孔70は基部の方へ下方に傾いて皮膚表面に固定するマイクロ鉤状部72の能力を高めているが、穿孔の角度は図示されたものに限定はされない。マイクロ鉤状部72は、穿孔70内に容易に挿入され、適切な接着剤などによって固定される直線のピンまたは針であってもよい。代替的には、マイクロ鉤状部72は湾曲または傾いていてもよく、鋳造プロセスの際にフランジ64の材料に固定されてもよい。閲覧者は、皮膚接触部材において下方に突出するマイクロ鉤状部を設ける多くの方法があることを理解するであろう。
【0028】
皮膚接触部材60には少なくとも1の鉤状部72が設けられるが、皮膚表面への把持効果を高めるため、好適には複数の鉤状部が具えられる。さらに、鉤状部72の数の増加は、サイズの減少と関連するのが望ましい。好適な実施形態では、前述のように本書では「マイクロ鉤状部」と称される少なくとも4、好適には10以上の鉤状部72がある。さらに、皮膚接触面65の下部から延在するマイクロ鉤状部72の長さは、約5mm、好適には1乃至4mmが望ましい。
【0029】
上述のように、「鉤状部」および「マイクロ鉤状部」は、皮膚接触面65から下方への任意の数の突出部を覆うように構成された様々な「皮膚把持部」または「皮膚捕捉部」の例である。このような下向きの突出部は、例えば、皮膚接触部材60の下側における成形ピン、ピンまたはリブであってもよい。皮膚表面を貫通する鉤状部72のような鋭い要素の利用は1つの代替例である。
【0030】
使用時、図1に示す例を参照すると、ユーザは2以上の皮膚接触部材60を皮膚表面に間隔をあけて配置し、部材が離れる方向に張力を適用する。例えば、6の皮膚接触部材60は、各カップリング本体62に取り付けられた6のフック28と共に、図1に図示された皮膚テンショナ20と併せて使用してもよい。フレーム22から柔軟なストランド32を引っ張ると、2列の3の皮膚接触部材60の間にある皮膚表面に張力が生じる。
【0031】
本願の他の態様によると、図4Aおよび図4Bは、図1の皮膚テンショナ20または他の変形物などと共に使用できる、吸引さらには鉤状部を組み込んだ皮膚接触部材80の透視図である。皮膚接触部材80は、中央カップリング本体82と、1組の反対方向のフランジ84を具えている。張力を適用する部材86はカップリング本体82の上面に接続する。この部材86は、図1および図2に関して上述した皮膚接触部材24などと同一であってもよく、従って、遠位フック90を有する指部88と、近位方向に延在している柔軟なストランド92を具えてもよい。フック90は、カップリング本体82の上面における小さい開口部94、または他の同様の機構と係合できる。代替的に、部材86はコネクタ90(フックの代わり)を有してもよく、あるいは皮膚接触部材80に装着または連結されてもよい。
【0032】
フランジ84はそれぞれ、下側から複数のマイクロ鉤状部98が突出している皮膚接触面96を有している。図示された実施形態では、全てが近位方向へ下方に傾いた、10のこのようなマイクロ鉤状部98が各フランジ84に設けられている。フランジ84およびマイクロ鉤状部98は、図3Aおよび図3Bに関して上述したものと類似していてもよい。鉤状部およびマイクロ鉤状部は複数の列に配置することができ、あるいは高密度を得るために互い違いに配置してもよい。さらに、鉤状部の一部は他の鉤状部と比較して異なる深さを有してもよく、例えば、鉤状部の深さは約1乃至4mmの範囲であってもよい。例えば、1列の鉤状部が同じ1mmの深さを有し、他の列の鉤状部は2mm以上の深さを有してもよい。
【0033】
マイクロ鉤状部98に加えて、吸引が皮膚表面全体の皮膚接触部材80の側方への移動に対する抵抗性を高める。より具体的には、図4Bに見られるように、カップリング本体82の下側は中央空洞部を規定する中空支持部100を具えている。カップリング本体82の上部から上方に突出しているニップル102は、中央空洞部へのアクセスをもたらす。管または導管がニップル102を介して中央空洞部内に減圧または吸引を送達する。中空支持部100はフランジ84の皮膚接触面96とほぼ同じ高さに延在しているため、この支持部も皮膚表面と接触してシールを形成し、中央空洞部内に真空を生成する。中空支持部100は、密閉性を高めるためにエラストマ材で形成されてもよい。
【0034】
図5Aおよび図5Bは、上述した部材80と類似する他の皮膚接触部材110を示している。部材80は近位および遠位を向いたフランジ84を有してほぼ直線であったが、皮膚接触部材110は平面図においてほぼ円形であり、円形の外側フランジ114に囲まれた円筒形のカップリング本体112を有している。円形アレイの鉤状部またはマイクロ鉤状部116は、フランジ114の下側にある皮膚接触面118から下方に延在する。中空の管状支持部120は、カップリング本体112内部の空間に皮膚接触面118の高さまで下方に突出している。やはり、吸引管を上部ニップル122に連結して、皮膚表面に接する管状支持部120内に真空を生成することができる。
【0035】
一形態では、管状支持部120が複数のポケットに分割され、各ポケットが自身の真空取付部を有し、自身の吸引ポートまたはニップル122(または、1つの吸引ポートと、異なるポケットとの連通を始める一種のセレクタとがあってもよい)に接続されてもよい。この方法は、管状支持部120の表面領域全体に真空を発生させる(および、処置が長引いた場合に、場合によっては血液を増加させて、「痣のような」黒く紫の跡の原因となる)代わりに、複数の真空領域を発生させて、繰り返しおよび/または連続して電源をオン、オフし、同一ポケット内の特定の皮膚表面に長時間圧力がかかるのを防ぐ。
【0036】
時として、張力を適用する部材86(図4A)は、皮膚表面に対して回転させるか傾けるように皮膚接触部材110を引っ張ることがある。この影響を軽減するため、図5Bに示すように、小さい穴部または開口部117を鉤状部116の近くに設けてもよい。弾力性がある管または同様の引張コネクタを穴部117を通して取り付けて、張力を適用する部材86に接続し、モーメントまたは回転を生じさせることなく、皮膚接触部材110の下部に力を適用してもよい。
【0037】
図6Aは、吸引および鉤状部の双方を組み込んだ皮膚接触部材136をそれぞれ有する分岐脚部134付のコンパス状のフレーム132を有する、上記のものと異なる皮膚テンショナ130である。フレーム132は、垂直軸142を中心に回動するよう連結された1組の基礎部材140a、140bを具えている。図示されてはいないが、フレーム132は、例えば図8に示すように、広がりやすい基礎部材140a、140bの間にスプリングまたは他のこのような付勢部材を組み込むのが好ましい。
【0038】
図6Bは、図6Aにおける皮膚接触部材136の片方の下側の拡大透視図である。各脚部134は、中央管腔に開口した複数のポート144を有する中空の管状部材である。各ポート144は、関連する皮膚接触部材136内に規定されたプレナムチャンバ146において開口している。プレナムチャンバ146は、皮膚接触面148へと下方に開口している。管状脚部134それぞれの近位端は、吸引管が取り付けられるニップル150で終端する。皮膚表面に皮膚接触面148を設置し、管状脚部134の管腔を吸引することにより、皮膚表面に接する皮膚接触部材136を保持するそれぞれのプレナムチャンバ146内に真空を発生させることができる。
【0039】
上記のように、分岐するフレーム132は、基礎部材140a、140bを引き離して、同様に皮膚接触部材136を引き離すスプリングまたは他の機構を具えている。皮膚表面に保持する皮膚接触部材136の能力を高めるため、鉤状部152のアレイがそれぞれに設けられる。図示された実施形態では、各皮膚接触部材136の皮膚接触面148それぞれの下側に突出した10の鉤状部152が設けられているが、この数は少なくて1つ程度であっても、10以上であってもよい。鉤状部152は、下方且つ反対側の皮膚接触部材136から離れる方に傾けられるのが望ましい。より具体的には、図6Bに見られるように、鉤状部152はそれぞれ、垂直の中央平面154に対して傾いている。一方の皮膚接触部材136の鉤状部152が他方から離れる方向に傾いていると、皮膚表面を固定し、張力を発生させる能力が高まる。
【0040】
図7は、分岐脚部164を有するフレーム162を組み込んでいる点で、図6Aのデバイスのような皮膚テンショナ160を示している。フレーム162の中央部は、ピボットのように機能し、弛緩構成から遷移する場合に脚部164に戻りのスプリング力を与えるコイルスプリング166を具えている。一実施形態では、弛緩構成は脚部164の遠位部分が平行に延在して図示されているが、他の構成も可能である。
【0041】
分岐脚部164はそれぞれ、下部皮膚接触面の下側に突出している鉤状部172を組み込んだ皮膚接触部材170の遠位端で終端する。前述の実施形態のように、1以上の皮膚接触部材170における鉤状部172は、他の皮膚接触部材から離れる方に下向きに傾けられてもよい。図7に示す皮膚テンショナ160は吸引部を具えていないが、当該技術分野における当業者は、前述の実施形態のように吸引部を設けられると理解するであろう。使用時、皮膚接触部材170を皮膚表面に押しつける前に、ユーザは互いの方へと分岐脚部164を圧迫する。コイルスプリング166により発生して得られた外側へのスプリング付勢は、(矢印で図示するように)皮膚接触部材170を広げて、その間の皮膚表面に張力を加えるようにする。
【0042】
図8は、皮膚接触部材184をそれぞれ有する分岐脚部182付のコンパス状のフレームを有する他の皮膚テンショナ180を図示している。図6Aの実施形態のように、フレームは垂直軸188を中心に回動するよう配置された1組の基礎部材186a、186bを具え、これらはその間の空間に配置されたスプリング187によって離れるよう付勢される。隙間の2つの側壁189は、脚部182と皮膚接触部材184の間の最小空間を固定する絶対的な停止位置を設ける。ユーザは、側壁189が接触するまで基礎部材186a、186bを共に圧迫し、間隔が空いた皮膚接触部材184を治療領域に適用して、フレームを解放する。スプリング187は、皮膚接触部材184の間の治療領域にわたって張力が生じる基礎部材186a、186bに外向きの力を作用する。スプリング187の強さ、およびスプリングが圧縮される範囲は、所望の張力を規定するよう調整される。
【0043】
それぞれの皮膚接触部材184は、皮膚接触面192から下方に突出している鉤状部またはマイクロ鉤状部194のアレイを具えている。前述の実施形態とは異なり、皮膚接触面192が患者の頭皮(仮にSと示す)などの曲面に上手く適合するように傾いている。より具体的には、皮膚接触面192はそれぞれ、垂直軸188に対して垂直な水平面にほぼ位置する、皮膚接触部材184の遠位端と交差して引かれた水平線に対して角度をなす。皮膚接触面192は平面であってもよく、あるいは僅かに湾曲していてもよい。
【0044】
図9Aおよび図9Bは、閉フレーム202を有する皮膚テンショナ200を再び図示しており、少し蝶と似ているため、「バタフライ型」と称される。図9Aは、内側に圧縮または潰れているフレーム202を示しており、図9Bは、外力を除去した後の弛緩構成におけるフレームを示している。フレーム202は柔軟であって、平面にほぼ位置しており、通常は成形材である1つの要素を好適には具えており、弛緩位置から内側に圧縮できるように構成される。一実施形態では、フレームは弾性材料を含み、性質上弾性がある。他の実施形態では、柔軟性は、例えば、フレームの一部またはフレーム全体に組み込まれる、構造、形状、隙間、厚さ、および/または材料の選択によって得られる。
【0045】
可撓性フレーム202は、図示された例では、対角線上に外側に突出した4のスプリングコーナー206によって連結された4の側面部分204を具えている。他の偶数のまたは奇数のフレームの側面部分やスプリングコーナーは本発明の範囲内であり、以下の説明は、図示を単純にするためだけに4の側面部分について言及している。4の側面部分204は直線且つほぼ四角形に配置されて図示されているが、弓形、あるいは様々な幾何学パターンに配置されてもよい。図示された実施形態では、4のスプリングコーナー206はそれぞれ、2の近接する側面部分204から外側に延在し、弓形の架橋部210によって接続された薄い梁208と厚い梁209を有している。これらのスプリングコーナーは、より狭くて柔軟な梁208と、架橋部210と、第2の(基礎)梁209から構成されたスプリング部を基本的に有している。
【0046】
図9Aは、各組の梁208の間の隙間が先細りまたは狭くなるように、互いに内側に向けて移動した4の側面部分204を示している。梁208の長さおよび弓形の架橋部210の材料や形状は、このようにフレーム202を非常に柔軟にしている。逆に、図9Bの弛緩構成では、各組の梁208の間の隙間はほぼ一定である。内向きの矢印211に示すように、2つの側面部分204を共に圧迫することにより、ユーザはフレーム202を圧縮し、さらに垂直な側面部分を内向きの凹面によって中央に収束させるということに留意されたい。側面部分204によって形成された開口部は、フレーム202が圧縮状態の場合に、弛緩状態よりも小さくなることが見て取れる。
【0047】
各側面部分204は、上述のように、鉤状部またはマイクロ鉤状部(図示せず)を受ける複数の穿孔212を特徴としている。図9Aおよび図9Bは双方とも、側面部分204それぞれの底部における皮膚接触面214を示すフレーム202の底面図である。鉤状部は皮膚接触面214を越えて延在し、皮膚表面上に側面部分204それぞれを固定する。幾つかの実施形態では、フレーム202は再利用できるように金属などで作ることができるが、鉤状部およびマイクロ鉤状部は、再利用可能なフレームに接着または仮に取り付けるよう使い捨てに作られてもよい。例えば、ピンのような複数の鉤状部を有するクリップをフレームまたは皮膚接触面に脱着できるように取り付けてもよい。他の態様では、接着剤またはベルクロを用いて鉤状部のアレイをフレームの表面に仮に取り付ける。さらに、画像誘導下で可視できる様々な基準が同様にフレームに取り付けられ、毛包単位の除去または移植器具の照準を定めるのに便利な基準構造を設けている。
【0048】
皮膚に張力をかける処置では、矢印211の方向に2つの対向する側面部分204を圧迫することにより、ユーザはフレーム202を図9Aに示す構成に圧縮する(上述のように、他の2つの側面も内側に曲がる)。従って、体表面に張力を適用する方法は、張力デバイスのフレームをN方向(例えば、N=2)に圧縮して、フレームをN以上の方向に圧縮するステップを含みうる。より具体的には、この方法は、張力デバイスのフレームを圧縮構成に圧縮するステップであって、当該張力デバイスは少なくとも3の接触部材を有し、各接触部材は少なくとも1の皮膚把持部を有しているステップと、フレームを弛緩構成に解放するステップとを含む場合があり、フレームを圧縮するステップは、少なくとも3の接触部材のうち2つを圧縮して少なくとも3の接触部材を収束させるステップを含み、フレームを弛緩構成に解放するステップは、少なくとも1の皮膚把持部が体表面と結合したときに体表面への張力の適用を容易にするステップを含む。
【0049】
対向する側面部分204はほぼ正方形に配置されているため、側面部分204のコーナーが互いに触れたときに、最終的に4の側面部分204がさらに移動するのを防ぐ。しかしながら、矢印211の方向に圧迫される対向する側面部分204が他の対向する側面204よりも短くなるように、対向する側面部分204が長方形の構成を形成するよう配置された場合、生じる張力は向上しうる。穿孔215、216、217および218が実質的な直線を形成する地点に達するまで、対向する側面部分204における端の穿孔216および217を内側に移動させるなどして、対向する側面の寸法をこのように変化させることは可能である。この方法では、穿孔は、コーナーにおいても等間隔の穿孔の長方形配置を形成するよう構成され、従って、より均一に張力を得るのが容易となる。鉤状部(または、同様の皮膚把持部の手段)が皮膚表面と結合するように、4の側面部分204を治療領域の周りの皮膚表面に押しつけることができる。フレーム202を解放した後、スプリングコーナー206の弾力性によって4の側面部分204は外側に付勢され、皮膚表面に張力をもたらす。図示されたフレーム202の構成のため、張力は主に2軸であるが、さらに全方向に張力を与えるため、環状、六角形、三角形等といったフレームの他の形状を用いてもよい。本発明のデバイスは、金属またはプラスチックを含む様々な材料で作ることができる。このデバイスは、使い捨て用に作ることもできる。
【0050】
図10Aおよび図10Bはそれぞれ、手術領域から血液を除去するために流体を流す部分を組み込んだ代替的なバタフライ型皮膚テンショナ220の上部および底部の透視図である。テンショナ220のフレーム222の要素は、図9Aおよび図9Bに関して上述したものと類似しており、繰り返さない。当然ながら、閲覧者は、流体を流す部分は本書に記載した任意の皮膚テンショナの設計に組み込むことができると理解するであろう。
【0051】
フレーム222の側面部分224の少なくとも1つは、流体の流路をその中に具えている。生理食塩水または他の不活性流体が、側面部分のポート226を通って供給され、側面部分224を通ってフレーム222内の治療領域に、あるいは全ての側面部分を通って治療領域の周囲から分配されうる。流体の灌注は治療領域における血液または他の流体を混合し、側面部分224のポート228を吸い込んで余分な流体を除去するよう吸引する。これに関して、側面部分224の下側にある側方凹部230が治療領域の片側に沿って吸引を分配するリザーバを設け、これにより勾配が形成されて余分な流体をより効果的に吸引する。図9A、図9B、図10Aおよび図10Bに示す実施形態の特定の有利な特徴の1つは、例えば2つの側面222を親指と他の指で押すことで、片手でのデバイスの操作を可能にし、適宜4つの側面を移動させる点である。
【0052】
図11Aおよび図11Bは、テンショナの展開を容易にする補助具または器具242と共に、代替的なバタフライ型皮膚テンショナ240を図示している。前述のように、皮膚テンショナ240はほぼ平面に位置し、例えば、対角線上に外側に突出した4のスプリングコーナー245によって連結された4の側面部分244を有するフレームを具えている。各側面部分244は、上述のような複数の鉤状部またはマイクロ鉤状部248といった皮膚把持部が配置された皮膚接触面246を特徴としている。凸状の皮膚表面の周囲に皮膚接触面を適合する、あるいは覆うのに役立つよう、皮膚テンショナ240のフレームの下側が僅かな凹面であることに閲覧者は気付くであろう。
【0053】
比較的に小さいサイズのバタフライ型フレームの場合、ユーザは、圧縮しながら、同時に治療領域の上にフレームを配置して鉤状部が結合するよう押し下げることが難しいと感じるかもしれない。従って、圧縮器具242を用いて処置を単純化してもよい。図11Aおよび図11Bに示す圧縮器具242の一例は、ヒンジ251で連結された2つの分岐脚部250を有するコンパス状のクランプを具えている。2つの分岐脚部250の間の距離は、小さな手に適応するよう縮小させる、あるいはユーザにとって適切なサイズに作ることができる。脚部250の自由端はブロック252で終端しており、この例ではそれぞれのブロックは、側面部分244の片側の外縁に適合する形状であり、適合することは上手く取り付けるには有益だが、必然ではない。図示された実施形態では、ブロック252はそれぞれ、対向する側面部分244における凹状のへり254を受ける凸面溝部256を有している。この特定の構成を使用すると、「頂部取付」法で、器具の全体面が体表面への張力デバイス240のフレームに対してほぼ直角となるように、ユーザは圧縮器具242を保持することができる。ユーザは、ブロック252を対向する側面部分244と係合させて、これによりこの器具は、片手で指グリップ258を内側に圧迫しながら、張力デバイスの外縁にわたって当該デバイスを保持し、その結果フレームを圧縮する。指グリップ258および指が握る範囲にわたる領域は、様々な手のサイズに適合し、操作時にユーザの手に作用する力を減少させるサイズおよび形状にすることができる。この方法で器具を用いる場合、ユーザは時に、体表面の形状に適合しているテンショナのフレームによって、フレームからの圧縮器具の取り外しが妨げられると気付く場合がある。
【0054】
図11Cに図示された代替的なテンショナの構成では、ほぼ平面のフレームにおける凹部によって、ユーザが張力デバイスから圧縮器具をさらに容易に取り外しできるようにしている。図11Cは、皮膚テンショナ253の外縁に形成された凹部255を有する皮膚テンショナ253を図示している。これらの凹部255は、適切に適合している圧縮器具が張力デバイス253を保持して圧縮できる特定の位置に設けられる。体表面の形状と適合するようにフレームが形状を変化させるか否かに関わらず、張力デバイスのフレームから器具を取り外す助けとなるように、器具をさらに容易に操作できる位置に凹部255を設ける。凹部の機構によって、ユーザは片手のみで、皮膚テンショナを容易に圧縮したり弛緩させることが可能となりうる。
【0055】
図11Dに示す器具は、皮膚張力デバイス261の外縁に位置する凹部259を介して皮膚張力デバイス257を保持するのに適合しているだけでなく、体表面への張力デバイス261のフレームに対してほぼ平行な圧縮器具257の全体面で使用するのにも適合している。凹部がある張力デバイス261と併せて、この「側部取付」圧縮器具257を使用すると、ユーザがフレームを圧縮したときに張力デバイス261に起こりうる変形を減少させることができる。
【0056】
図11Dに示す圧縮器具は、ヒンジ265で連結された2つの分岐脚部263を有するコンパス状のクランプを具えている。前述の器具と同様に、分岐脚部の間の距離、指グリップおよび指が握る範囲にわたる領域のサイズは、ユーザの意図に基づいてデバイスの性能を最適にするよう構成することができる。脚部263の自由端は端部267の遠位端で終端し、側面部分244の1つの外縁に対応するよう形成されてもよい。図示された実施形態では、この端部は、対向する側面部分244に位置する凹部またはノッチに対応するよう構成された突出部分と、対向する側面部分244に近接して配置されるよう構成された側面部分とを具えている。この特定の構成を使用する場合、器具257の全体面がほぼ体表面または皮膚の張力デバイス261のフレームを有する面となるように、ユーザは圧縮器具257を保持する。ユーザは、突出部分269を、例えば、対向する側面部分244における凹部またはノッチに係合し、片手で指グリップを内側に圧迫して、その結果フレームを圧縮する。体表面への張力デバイス267は体表面上に配置され、鉤状部などの皮膚把持部が体表面と結合している場合、ユーザは圧縮器具257の把持を解放し、張力デバイス261のフレームはその弛緩構成に戻り、突出部分269がフレームの凹部から取り外される。
【0057】
前述したように、圧縮器具を利用する方法は、張力デバイスのフレームの変形を減少させることにも役立ちうる。図示された双方の圧縮器具の分岐脚部はヒンジで連結されているため、脚部の端部がヒンジを中心に径方向に移動するのは自明である。頂部取付型の圧縮器具が使用される場合、使用時の半径方向の運動はフレームに伝わり、圧縮および/または解放されるにつれて、フレームの捩れといった形で平面を変形させる。側部取付型の圧縮器具を用いることにより、脚部の端部の半径方向の運動は、特に凹部がフレームに形成されている場合には、張力デバイスのフレームにあまり影響を与えない。更なる利点は、ユーザに対する治療領域への視覚的なアクセスが向上する点である。
【0058】
図12Aおよび図12Bはそれぞれ、閉ループフレーム262と鉤状部266をそれぞれ組み込んだ4の接触部材264とを有する、さらに代替的な皮膚テンショナ260の上部および底部の透視図である。このフレーム262は、4の同一の四半分を有するほぼ正方形の構成を有している。当然ながら、上述のように、この態様に組み込まれる原理は、他の形状、および閉鎖形状と対称的な開放型のフレームにも変更することができる。
【0059】
このフレーム262は、コーナーの間隙272にわたって互いに連結された側面部分270a−dを具えている。近接する側面部分270は、シャフト274を介して互いの方へおよび互いから離れるように移動し、スプリング276によって互いから離れるよう付勢されている。上述のバタフライ型のフレームのように、4の側面部分270a−dは、スプリング276の付勢に対してシャフト274に沿って互いの方へ内向きに圧縮することができる。親指タブ278が側面部分270a−dから上方に突出しており、操作を補助する。
【0060】
各側面部分270a−dは、可撓性の接合点282(リビングヒンジなど)を介して連結された内向きの接触部材264を具えている。可撓性の接合点282によって、側面部分270の平面から接触部材またはパッド264の回転や運動が可能となり、患者の頭部を扱う場合などに皮膚表面の湾曲に対応する。接触部材264は、側面部分270a−dによって規定された平面に対して垂直方向に湾曲可能であり、この平面に対してほぼ垂直となる。鉤状部266のアレイは、各パッド264の底部における皮膚接触面284から下方に突出している。図示された実施形態では、各接触部材264は、フレーム262の中心へと広がる曲線的な台形パッドを具えている。図12Bに見られるように、鉤状部266は、外側に引っ張られた場合に皮膚に大きいてこ作用を与えるべく、フレーム262の中心から外側へと傾いている。
【0061】
使用時、技術者またはユーザはフレーム262を圧縮し、これにより、側面部分270a−dは間隙272が狭くなるようにスプリング276に対して互いの方へと移動する。ユーザは次に患者に皮膚テンショナ260を押し付け、これによりフレーム262が治療部位を囲み、鉤状部266が皮膚表面と結合する。接触部材264の柔軟な性質は、パッドの集合体を頭皮のような曲面に適合させる効果がある。フレーム262を解放すると、側面部分270a−dは互いに離れる方に移動し、従って、接触部材264および鉤状部266が治療領域における皮膚表面に外向きの4方向へと張力を適用する。
【0062】
図13は、弛緩構成における、上部透視図として図示された「バタフライ型」体表面張力デバイスまたはテンショナ290の更に他の実施形態を示している。フレーム292は柔軟であって、弛緩位置から内側に圧縮できるよう構成されている。フレーム292は、例として、4の接触部材294a−dの図13に示す上面を具える。任意または各接触部材294a−dは、上述のような鉤状部またはマイクロ鉤状部(図示せず)などの皮膚把持部を受ける複数の任意の穿孔296を特徴とする場合がある。穿孔は接触部材294a−dの上面から底面まで延在しているように図示されているが、接触部材の上面まで全て延在しない接触部材の下側または底面における凹部のような他の形状をなしてもよい。代替的に、穿孔296はなくてもよく、皮膚把持部は、例えば、接触部材の下側(または底)面306に配置、形成、または連結されてもよい。鉤状部は接触部材の下側または底面306を越えて(下側に)延在し、体表面への固定を設ける。この特定の構成は、接触部材が接触するであろう体表面に対して接触部材294a−dの上面が傾いているか、傾斜していることを示している。開口部302の中心に向かってテーパする連続的な面として傾斜した上面が図示されているが、1以上の段または面取りといった傾斜を得る代替的な構成および他の形状を用いてもよい。この傾いた上面は、テンショナを治療器具(例えば、毛髪採取具)と併せて使用する場合に有効な場合があり、接触部材294a−dの内向きの縁部により形成された開口部302によって規定される治療領域に対して更に容易に器具を傾けることが可能となる。傾いた上面は、張力デバイス290がロボット、または自動器具と合わせて利用される場合に特に有用となりうる。さらに、自動またはロボットシステムを利用する場合、接触部材の上面の傾いた構成はさらに、更に開口または広角の視界をもたらし、使用される画像デバイスによって観察される。
【0063】
この実施形態における接触部材294a−dは全体面に位置するが、4の側面部分を連結する4の可撓性のコーナー298は、この全体面に対して(例えば、下方に)傾いていてもよい。傾いた可撓性のコーナー298によって形成されるフレームの湾曲は、使用時に、フレーム292が該体表面の近くにあるようにする。この湾曲は、フレーム292全体にわたって対称または非対称であってもよく、該体表面に適合するように適宜形成されうる。
【0064】
フレーム292は、内部にストランド(図示せず)を受ける1以上のチャネルまたは溝部300を具えてもよい。このストランドは、使用する目的に応じて、比較的柔軟、非柔軟性、比較的弾性、または非弾性であってもよい。図2に関して記載したストランド32と同様に、ストランドの可能な利用法は、例えば、体表面への接触部材294aまたは294bの結合を持続すること、および/または体表面全体に更なる張力を生成することを含む。張力デバイス290を用いて皮膚の恵皮部から毛髪を採取する場合には、フレーム292を体表面に設置したときに、接触部材294a−dの縁部によって形成された開口部302内の体表面から突出している毛包の角度をストランドを用いて変化させることができる。このフレームはさらに、接触部材の1以上にストランド(図示せず)を受ける1以上の更なる溝部304を有してもよい。これらは、例えば治療の際にフレーム292を所定の位置に固定するため使用することができる。
【0065】
図13に図示するように、表面306などの体表面と接触するよう構成された接触部材の底面はほぼ平坦である。しかしながら、図14Aおよび図14Bのテンショナ310における更に他の実施形態に示すように、接触部材312a−dの1以上の底面306は、使用時に、フレームが該体表面と上手く適合するように湾曲または形成されてもよい。この湾曲は、接触部材312a−dの底面にわたって対称または非対称であってもよく、該体表面に適合するよう適宜形成されてもよい。ある特定の構成では、例えば、頭皮の恵皮部からの毛髪採取を補助するために用いられる場合、接触部材312a−dの底面の1以上は頭皮の形状に近い球面半径を有しうる。しかしながら、一接触部材の底面の球面半径における中心は、他の近接する接触部材の底面の球面半径における中心と一致している必要はない。例えば、図14Aおよび図14Bの図示された実施形態では、1組の対向する接触部材が、他の組の対向する接触部材の前に、体表面、この場合では頭皮と接触するように、2組の対向する接触部材の底面が各球面半径をオフセットしてもよい。
【0066】
恵皮部から毛髪を採取する際にユーザを補助するために使用される張力デバイスの例では、本書に記載するような器具を用いて、ユーザは張力デバイス290の両側を共に圧迫することでフレームを圧縮する。圧迫しながら、ユーザは次に、鉤状部/皮膚把持部が体表面と結合するように、接触部材294a−dを体表面に押しつける。しかしながら、ユーザは、圧縮器具に関連する接触部材(例えば、図13における294cおよび294d)を介して、鉤状部を体表面と結合した状態にする十分な力を提供することは可能であるが、圧縮器具によって保持されない他の接触部材294aおよび294bが体表面から持ち上がる、あるいは体表面と確実に接触しないであろうことに気付く場合がある。ユーザは片手を用いて接触部材294aおよび294bを体表面の方へ押し、他方の手で張力デバイス290を保持して操作しなければならない。
【0067】
図14Bは、接触部材312a−dの底面を示す図14Aのテンショナ310の底面図である。図13に示す前述の実施形態とは異なり、接触部材312aおよび312bの可視できる底面は、接触部材312cおよび312dの可視できる底面とは異なる全体面(上述のように、湾曲した全体面であってもよい)に配置される。換言すると、これらの底面が身体の治療領域に配置された場合、(接触部材312aおよび312bなどの)これらの底面の対向する組の1つは、他の組の前にまず治療領域と接触する。この構成を得られる様々な方法があり、そのうちの1つを本書に記載する。図14Aおよび図14Bは、全ての接触部材312a−dの上面が第1の全体面にある構成を示している。接触部材312aおよび312bの底面は第2の全体面に位置し、接触部材312cおよび312dの底面は第3の全体面に位置する。使用時、この特定の構成は、ユーザがさらに容易に片手でテンショナを操作するのを補助する。図14Aおよび図14Bに図示された実施形態を利用すると、ユーザは、接触部材312cおよび312dの前に接触部材312aおよび312bが体表面と結合することに気付くであろう。この特定の実施形態では、上述の構成は、2つの接触部材312aおよび312bを他の2つの接触部材312cおよび312dに対して異なる高さに形成することにより得られる。実施形態に示すように、接触部材312aおよび312bの深さ314は、全ての接触部材312a−dの上面が位置する第1の面を基準として、接触部材312cおよび312dの深さよりも大きい。恵皮部から毛髪を採取するユーザを補助するために用いられる張力デバイスの例では、内向きの矢印320によって示す方向に、本書に記載の器具を用いて張力デバイス310の両側を共に圧迫することにより、ユーザはフレームを圧縮する。図14Aおよび図14Bに図示された実施形態では、接触部材312aおよび312bが他の接触部材312cおよび312dの前に体表面と結合することにユーザは気付くであろう。そうすることにより、受け取られる鉤状部は体表面を把持し、ユーザが残っている2つの接触部材312cおよび312dを押し続けて体表面と結合するように、体表面から持ち上がらないようにすることができる。前述のように、各接触部材と関連する(曲面を含む)底面の配置における差異は、本書に記載されていない他の方法においても役立つが、それらは本書に記載の発明の範囲内であることは自明である。
【0068】
張力をかけるプロセス、および治療行為の期間中に、バタフライ型のフレームデバイスの結合を適切に保持するため、記載された鉤状部は、体表面に対して垂直以外に通常は傾けられる。この向きでは、これらの鉤状部は体表面からの抵抗を生じさせ、さらに容易にに保持される。図15Aは、ほぼ平面的な張力デバイス330のフレームの側面図を示している。図15Aは、弛緩または非圧縮構成におけるデバイス330を示し、図15Bは圧縮構成におけるデバイス330を示している。フレームは、特定の図においては湾曲し、そこから延在する皮膚把持部334を有する接触部材332を具えている。使用時、図15Aの弛緩構成から図15Bの圧縮構成にフレーム構成を遷移させるため、ユーザはフレームに圧縮力を適用させねばならない。ユーザが図11Aまたは図11Bに示すものと同様の器具を利用する場合、上述の張力デバイスを握ることで、図15Bに示す地点336に圧縮力が通常は適用される。圧縮力を適用すると、鉤状部が弛緩または非圧縮構成とほぼ同一の角度のままとなるように、フレームを実質的にフレームの平面に圧縮する。図示のように、圧縮力が適用される地点336は、フレームの比較的高い位置である。結果として、この方法で圧縮された場合、この圧縮はテンショナのフレーム自体とほぼ同一の平面となる。従って、鉤状部の動作は実質的に平行移動であって、回転移動ではない。すなわち、体表面に対する鉤状部の向きはほぼ保持される。体表面に対する鉤状部の所望の角度は、通常は手順または手順のステップを終了させるために要する期間にわたって、体表面内に適切な保持を設けるよう最適化される。しかしながら、適切な保持を設けるように設計された鉤状部の同一の角度は、最初に鉤状部を体表面に結合する時にユーザが感じる難しさに寄与することがある。その結果、および比較的小型のバタフライ型のフレームにより、ユーザは、患者の体表面に鉤状部を押し下げて結合しながら、同時に治療領域にわたってフレームを圧縮して配置する難しさも感じるであろう。
【0069】
図16Aおよび図16Bは、テンショナと体表面の結合を向上させる代替的な実施形態を示している。図16Aは図15Aのものと類似している。鉤状部334などの皮膚把持部は、図15Aのように、体表面BSに対して第1の角度θで図示されているが、この図は、張力デバイス330のフレームの平面に対して低い地点338に適用される圧縮力を示している。このような圧縮力は、図11Cおよび図11Dに図示されるような圧縮器具を用いて適用することができる。この性質の器具は、側部からテンショナ330を容易に把持するようにするだけではなく、低地点での把持も容易にする。図11Aおよび図11Bに図示するような圧縮器具(直立位置で利用される器具)を用いて、所望の位置に圧縮力を適用するようにしてもよい。この方法で圧縮する場合、図示された構成ではフレームの部分340は高くなり、皮膚接触部材332は図示のように下方に押しやられる。各部材332および340の運動は、テンショナに対する鉤状部334の向きを第1の角度θ以外の角度θに変化させ、この例では体表面BSに対してより垂直となる。鉤状部334の向きの変化は、鉤状部を体表面と結合させるユーザを補助する。体表面に対してほぼ垂直な向きでは、鉤状部は体表面からの抵抗を小さくして、さらに容易に貫通するようにする。一旦結合すると、ユーザは把持を弛緩して圧縮力が解放される。各接触部材または部分332および340の動作は体表面張力デバイスに対する鉤状部334の向きを再び変化させ、第1の角度θに戻し、鉤状部が体表面に保持されるように、体表面BSに対してあまり垂直とならず、さらに抵抗が生じるようにする。上述の実施形態によると、体表面に張力を適用する方法は、圧縮構成から弛緩構成に張力デバイスのフレームを遷移させ、これにより、フレームに設置された鉤状部のような少なくとも1の皮膚把持部を、体表面に対して第1の角度から体表面に対して第2の角度に遷移させるステップを含む。特定の実施形態では、この方法は、張力デバイスのフレーム(当該フレームは複数の皮膚把持部を有する皮膚接触部材を含む)を圧縮構成に圧縮し、これにより複数の皮膚把持部のうち少なくとも1つを体表面に対して第1の角度に配置するステップと、フレームを解放して、複数の皮膚把持部のうち少なくとも1つを体表面に対して第1の角度から第1の角度以外の第2の角度に遷移させ、その結果、複数の皮膚把持部の間の治療領域における体表面にわたって張力を生成するステップとを含む。この方法は更に、張力下において体表面の領域から自毛植毛を除去するステップ、または張力下において体表面の領域に自毛植毛を移植するステップを含みうる。
【0070】
図17は、さらに他の代替的な張力デバイス342、および図16Aおよび図16Bに関して記載された性質を示す張力を適用する対応する方法を示している。図示された例は、4の接触部材346を具える可撓性フレーム342を示しており、接触部材346はそれぞれ、上述のような鉤状部またはマイクロ鉤状部(図示せず)を受ける複数の任意の穿孔348を特徴としている。図15Aに示すものに対応する弛緩構成では、接触部材346の上面は、体表面に対してフレーム342の中心へと下方に傾いている。穿孔348がある場合には、これらも傾いており、あるいは穿孔がない場合には、皮膚把持部が傾いている。
【0071】
皮膚に張力をかける処置では、凹部344を有する2つの対向する側面部分を圧迫することにより、ユーザはフレーム342を図17に示す構成に圧縮する。前述の実施形態のように、他の2つの側面も内側に湾曲する。側面が内側に移動すると、皮膚接触部材(または接触部材)346の更に中央部分が持ち上げられ、接触部材346の更に外側に位置する部分は、フレームの可撓性によってほぼ同じ高さに留まる。上記圧縮の結果として、最初に傾斜した皮膚把持部は体表面に対してほぼ垂直に方向づけられ、その結果、さらに容易に体表面と結合することができる。接触部材346は、新たに方向づけられた鉤状部(または同様の皮膚把持部の手段)が皮膚または体表面と結合するように、治療領域を囲んでいる体表面に押しつけられる。フレーム342を解放した後、接触部材346は弛緩構成に戻って鉤状部は本来の傾斜した構成になり、ひいては体表面へのテンショナの保持を高める。
【0072】
図15乃至図17の例を参照に上述したもの以外の手段によって、向きの変更を容易にできることは自明である。例えば、圧縮器具は、鉤状部の向きの変更を可能にするように圧縮力を張力デバイスに適用する特定の方法に構成することができる、あるいは張力デバイスの形状は、確実に圧縮力が所望の位置に適用されるよう構成することができる、あるいは材料はフレームを所望の方法で圧縮するよう選択することができる、あるいは張力デバイスおよび/または圧縮器具の全体的な設計は、全ての関係する要素が最終結果を容易にするようにできる、および/または任意の他の手段は鉤状部の向きの変更を容易にするよう考慮してもよい。
【0073】
使用されている用語は説明する用語であって限定ではなく、当該技術分野における当業者は、本書に記載の発明の範囲を越えることなく、様々な改変および変更をすることができることを理解されたい。さらに、一実施形態の個々の特徴が、本書に記載、あるいは一実施形態の図面に示され、他の実施形態には示されていないが、一実施形態の個々の特徴は、他の実施形態の1以上の特徴、または複数の実施形態の特徴と組み合わせられることは自明である。従って、本願の真の範囲を逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更をすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体表面に張力を適用するデバイスにおいて:
少なくとも1の皮膚把持部を有する皮膚接触部材を具える可撓性フレームを具えており;
前記可撓性フレームは、当該フレームの固有の柔軟性によって圧縮構成と弛緩構成の間を遷移するよう構成されており、前記可撓性フレームは前記弛緩構成に付勢され、前記弛緩構成において、前記少なくとも1の皮膚把持部が前記体表面と結合したときに、前記可撓性フレームが前記体表面に張力をもたらすよう構成されることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記可撓性フレームの少なくとも一部分が、弾性材料を含むことを特徴とするデバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記可撓性フレームが、当該可撓性フレームを柔軟にするよう形成された部分、および/またはそのような厚さの部分を具えることを特徴とするデバイス。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載のデバイスにおいて、前記フレームが、可撓性のコーナーによって連結された少なくとも3の側面部分を具えることを特徴とするデバイス。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載のデバイスにおいて、前記可撓性フレームが、互いに柔軟に相互連結された複数の皮膚接触部を具えることを特徴とするデバイス。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載のデバイスにおいて、前記可撓性フレームが、その中に開口部を規定している閉ループ構成を具えることを特徴とするデバイス。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載のデバイスにおいて、前記体表面上に前記弛緩構成で設置された場合に、前記可撓性フレームが前記体表面にわたってほぼ均一な張力をもたらすことを特徴とするデバイス。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかに記載のデバイスにおいて、前記可撓性フレームが、前記体表面に適合するよう構成されることを特徴とするデバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記可撓性フレームが少なくとも3の側面部分を具え、当該少なくとも3の側面部分のうち2つを圧縮すると、前記側面部分の少なくとも3つを収束させることを特徴とするデバイス。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れかに記載のデバイスにおいて、前記皮膚把持部が、鉤状部、マイクロ鉤状部、接着剤、または粗い表面組織の1以上を含むことを特徴とするデバイス。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れかに記載のデバイスにおいて、前記皮膚把持部が少なくとも第1の鉤状部と第2の鉤状部を具え、前記第1の鉤状部は前記第2の鉤状部から離れるように傾いていることを特徴とするデバイス。
【請求項12】
請求項1乃至10の何れかに記載のデバイスにおいて、前記皮膚把持部が鉤状部またはマイクロ鉤状部であって、前記体表面上に設置された場合に、前記圧縮構成では前記鉤状部は前記体表面に対し第1の角度に向けられ、前記弛緩構成では前記鉤状部は前記体表面に対し第2の角度に向けられることを特徴とするデバイス。
【請求項13】
請求項12に記載のデバイスにおいて、前記第1の角度は前記体表面に対してほぼ垂直であり、前記第2の角度は前記体表面に対してほぼ垂直以外の角度であることを特徴とするデバイス。
【請求項14】
請求項1に記載のデバイスにおいて、少なくとも3の接触部材を具え、前記体表面上に前記弛緩構成で設置された場合に、前記少なくとも3の皮膚接触部材が1より多い軸に沿って前記体表面に張力を適用することを特徴とするデバイス。
【請求項15】
請求項14に記載のデバイスにおいて、第1の前記少なくとも3の皮膚接触部材は第1の平面に位置し、第2の前記少なくとも3の皮膚接触部材は前記第1の平面以外の面に位置することを特徴とするデバイス。
【請求項16】
請求項4に記載のデバイスにおいて、前記フレームが2つのほぼ平行な側面部分を有するバタフライ型形状を有し、これらの側面部分は2つの他のほぼ平行な側面部分に対して垂直であって、前記可撓性のコーナーは前記側面部分によって規定された開口の中央からほぼ対角線上に外側へと延在することを特徴とするデバイス。
【請求項17】
請求項1乃至16の何れかに記載のデバイスにおいて、前記可撓性フレームは前記弛緩構成においてほぼ平面であって、前記可撓性フレームが圧縮された場合に当該フレームの一部が前記平面から湾曲するように当該フレームは構成されていることを特徴とするデバイス。
【請求項18】
請求項1乃至17の何れかに記載のデバイスがさらに、流体を前記体表面に送達する入力ポートと、前記体表面から流体を除去する出力ポートとを具えることを特徴とするデバイス。
【請求項19】
請求項1乃至18の何れかに記載のデバイスにおいて、前記皮膚接触部材がチャンバを具え、これにより、前記体表面上に設置された場合に、前記チャンバ内に真空を生成し、前記接触部材と前記体表面の間に吸引をもたらすことができることを特徴とするデバイス。
【請求項20】
請求項1乃至19の何れかに記載のデバイスにおいて、前記デバイスは毛嚢を含む前記体表面に張力をかけるよう構成され、そのような大きさに作られており、張力がかかった前記体表面からの毛嚢の採取を容易にすることを特徴とするデバイス。
【請求項21】
請求項1乃至20の何れかに記載のデバイスがさらに、前記可撓性フレーム上に前記体表面に適用されている前記張力の大きさを表示する表示器、および/または前記可撓性フレーム上に前記体表面に適用されている前記張力の大きさを調整可能な張力制御器を具えることを特徴とするデバイス。
【請求項22】
請求項1乃至21の何れかに記載のデバイスと共に使用する圧縮器具において、当該圧縮器具は前記可撓性フレームと係合するよう形成され、前記可撓性フレームを前記圧縮構成と前記弛緩構成の間で遷移させるよう構成されることを特徴とする器具。
【請求項23】
請求項22に記載の器具において、前記可撓性フレームは第1の平面にほぼ位置しており、前記可撓性フレームを前記圧縮構成と前記弛緩構成の間で遷移させた場合に、前記圧縮器具が第2の平面にほぼ位置するよう構成されることを特徴とする器具。
【請求項24】
請求項23に記載の器具において、前記第2の平面が、前記可撓性フレームの全体面に対してほぼ平行またはほぼ垂直であることを特徴とする器具。
【請求項25】
体表面に張力を適用する方法において:
可撓性フレームの固有の柔軟性を利用して、当該可撓性フレームを弛緩構成から圧縮構成に遷移させるステップであって、前記可撓性フレームは少なくとも1の皮膚把持部を有する皮膚接触部材を具えているステップと;
前記少なくとも1の皮膚把持部が前記体表面と結合するように、前記可撓性フレームの前記皮膚接触部材を前記体表面上に設置するステップと;
前記体表面における治療領域にわたって張力が生じるように、前記可撓性フレームを解放し、当該フレームを前記圧縮構成から前記弛緩構成に遷移させるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法がさらに、圧縮器具を用いて前記可撓性フレームと係合し、当該可撓性フレームを前記圧縮構成と前記弛緩構成との間で遷移させるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項25または26の何れかに記載の方法において、前記フレームを圧縮するステップが、当該フレームをN方向に圧縮して、前記フレームをNより多くの方向に圧縮するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項25または26の何れかに記載の方法において、前記圧縮構成から前記弛緩構成への前記可撓性フレームの動作が、前記少なくとも1の皮膚把持部を前記体表面に対する第1の角度から前記体表面に対する第2の角度に遷移させることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【公表番号】特表2012−515619(P2012−515619A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548053(P2011−548053)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/021353
【国際公開番号】WO2010/085438
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(507007418)レストレーション ロボティクス,インク. (13)
【Fターム(参考)】