説明

気相流からの含酸素化合物の除去プロセス

本発明は二酸化炭素をも含む気相流から含酸素化合物を除去するためのプロセスであって、該プロセスは下記のa)乃至c)を含む。
a)一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、100ppm以上(質量基準)の一種もしくは二種以上の含酸素化合物及び0.1質量%以上の二酸化炭素を含む第一気相流を供給し、
b)第一気相流を処理して、一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、少なくとも0.1質量%以上の二酸化炭素及び含有率が処理前より減少した含酸素化合物を含む第二気相流を生成し、ここで該処理工程は第一気相流と第一水相流及び第一液体炭化水素流とを接触させることを含み、
c)次いで、第二気相流を処理して、その中に含まれる二酸化炭素を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種もしくは二種以上のモノオレフィン類と二酸化炭素を含む気相流から含酸素化合物を除去するプロセスに関し、特に自動熱分解(autothermal cracking)プロセスの生成物流から、含酸素化合物を除去するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
自動熱分解は、炭化水素フィード原料を酸素と混合後、自動熱分解触媒上を通過させることによりオレフィンを得る工程である。触媒表面上で燃焼が開始されることにより、反応物温度をプロセス温度まで上昇させ、吸熱分解プロセスが進行するのに必要な燃焼熱がその場で生成供給される。自動熱分解プロセスから出る生成物流は、典型的に、一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、含酸素化合物、二酸化炭素及び一酸化炭素を含む気相流を生成する。かようなプロセスの例は、EP3322289B、EP-529793B、EP-A-0709446、及びWO00/14035に記載されている。
二酸化炭素除去システムにおいて含酸素化合物が存在することに伴う問題点は知られている。例えば、WO01/64609では、アルカノールアミンを利用して二酸化炭素を除去する酸性ガス回収ユニットにおいてポリマーが生成する問題点を指摘している。WO01/64609では、酸性ガス回収ユニットにおいて重質芳香族系溶剤を水性アルカノールアミン溶液と組み合せて用いることにより、生成するポリマーを除去し、該回収ユニットからの排出物(overheads)による汚染を極力低下させる方法を記載している。
US2005/224394及びEP0264280A2のいずれも、二酸化炭素除去に従来用いられてきた苛性アルカリもしくはアミン洗浄ユニットにおける、アセトアルデヒドの様なカルボニル化合物やポリマーの生成の問題点について言及している。これら2件共、二酸化炭素除去ユニットに直接インヒビターを添加して、ポリマー生成を防止しつつ、含酸素化合物を除去する方法を記載している。US2005/224394で記載されている様に、このようなユニットにおける芳香族系溶剤やインヒビターを用いることに伴う多くの問題点がある。例えば、重質芳香族系溶剤は苛性アルカリやアルカノールアミンの様な塩基性物質によって汚染されるので、該溶剤のさらなる処理・利用(further processing)を妨げている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、二酸化炭素除去工程の前に含酸素化合物の除去工程を分離して設置することにより、上記した様な当業界の従来技術の問題点を避けることができる。
苛性アルカリ洗浄により含酸素化合物を反応除去する方法は当業界で良く知られている。しかしながら、この様な反応流は二酸化炭素との反応もし易いので、多量の二酸化炭素が存在する場合は実用に適さない。
アルデヒドの様な含酸素化合物を、亜硫酸水素ナトリウムを用いて、錯体形成(complex for-mation)を経由して分離することも当業界で良く知られており、例えば、US3,816,478、US5,157,205、US6,037,516に記載されている。しかしながら、この方法を相当量の二酸化炭素を含む気相流に適用する際には、克服すべき課題が存在する。
かようにして、二酸化炭素をも含む気相流から含酸素化合物を除去して、含酸素化合物含有率がより低い気相流を製造する代替法が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
よって、本発明は二酸化炭素も含む気相流から含酸素化合物を除去するためのプロセスを提供し、該プロセスは以下を含む:
a)一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、100ppm(質量基準、以下同様)以上の一種もしくは二種以上の含酸素化合物及び0.1質量%(以下、単に%と略記する場合もある)以上の二酸化炭素を含む第一気相流を供給し、
b)第一気相流を処理することにより、一種もしくは二種以上のモノオレフィン類と0.1質量%以上の二酸化炭素及び含有率が処理前より減少した含酸素化合物を含む第二気相流を製造し、且つ該処理工程は第一気相流に第一水相流及び第一液体炭化水素流と接触させることを含み、
c)次いで、第二気相流を処理して、その中に含有される二酸化炭素を除去する。
好ましくは、一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、100ppm以上の一種もしくは二種以上の含酸素化合物、及び0.1%以上の二酸化炭素を含む第一気相流を、5bar(ゲージ圧)以上、例えば5-35bar(ゲージ圧)、最も好ましくは10-30bar(ゲージ圧)の圧力で供給する。第一気相流と第一水相流及び第一気相流と第一液体炭化水素流との接触は、若干の圧力低下が通常避けられないものの、いずれもこの近辺の圧力で実施することが好ましい。かようにして、第一気相流と第一水相流及び第一気相流と第一液体炭化水素流との接触は、いずれの場合も5bar(ゲージ圧)以上、例えば5-35bar(ゲージ圧)、さらには10-35bar(ゲージ圧)の圧力で供給することが最も好ましい。
本発明の好ましい実施態様としては、一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、100ppm以上の一種もしくは二種以上の含酸素化合物、及び0.1%以上の二酸化炭素を含む第一気相流が自動熱分解プロセスの生成物流であって、該自動熱分解プロセスは、通常の燃料リッチにおける引火限界を超えても燃焼を維持できる触媒との接触下において、炭化水素フィードと分子状酸素含有ガスとの混合物を部分的に燃焼させることを含む。
典型的には、自動熱分解反応の生成物流には、エテン、プロペン、ブテン、高級モノオレフィン、ジエン類、含酸素化合物、一酸化炭素及び二酸化炭素が含まれる。さらに、生成物流には、通常、メタンやエタンの様なアルカン類、アセチレン、芳香族化合物、水及び水素も含まれる。
【0005】
よって、好ましい実施態様において、本発明は一種もしくは二種以上のモノオレフィン類を製造するための自動熱分解プロセスを提供し、該プロセスは以下を含む:
a)炭化水素フィードと分子状酸素含有ガスとの混合物を、通常の燃料リッチにおける引火限界を超えても燃焼を維持できる触媒と接触させることにより自動熱分解し、一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、100ppm以上の一種もしくは二種以上の含酸素化合物、及び0.1%以上の二酸化炭素を含む第一気相流を提供する工程、
b)第一気相流を処理することにより、一種もしくは二種以上のモノオレフィン類と0.1%以上の二酸化炭素、及び含有率が処理前より減少した含酸素化合物を含む第二気相流を生成し、且つ該処理工程は第一気相流に第一水相流及び第一液体炭化水素流と接触させることを含み、
c)次いで、第二気相流を処理して、その中に含まれる二酸化炭素を除去する。
好ましくは、自動熱分解プロセスは5bar(ゲージ圧)以上、例えば5-35bar(ゲージ圧)、もっとも好ましくは10-35bar(ゲージ圧)の圧力で操作して、これらの範囲の圧力である第一気相流を生成させる。第一気相流と第一水相流、及び該気相流と第一液体炭化水素流との接触も、前記した圧力に可能な限り近い圧力で実施することが好ましい。
【0006】
自動熱分解反応からの第一気相(生成物)流は、通常主成分として、含酸素化合物に加えて、水素1-5%、酸素0.5%未満、メタン5-30%、一酸化炭素10-25%、二酸化炭素0.1-5%、エテン20-40%、エタン10-40%、プロペン1-15%を含む。(特に明記しない限り、本明細書中での濃度はすべて質量基準の質量%又はppm(w)で示す。)
かようにして、一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、一種もしくは二種以上の含酸素化合物及び二酸化炭素を含む第一気相流は分子状酸素も含んでもよい。例えば、第一気相流が自動熱分解プロセスの生成物流である場合、もし該プロセスに供給される分子状酸素が自動熱分解反応工程で完全に消費されない場合は、該生成物流には分子状酸素も含まれる。
【0007】
本発明プロセスのステップ(b)に従い、第一気相流と第一水相流及び第一液体炭化水素流との接触後、含酸素化合物の含有率が低下した第二気相流が得られ、その第二気相流は酸素除去(必要に応じて)や二酸化炭素除去、オレフィン分離工程の様な通常の分解ガス処理工程を通過させることが可能であろう。
本発明のステップ(b)は、気相流と、第一水相流や第一液体炭化水素流もしくは適宜下記に記載する様な他の液体流を含む各液体流との多くの接触工程を含む。それら種々の接触工程は、夫々接触塔にて実施されてもよいが、少なくとも幾つかの接触工程は、各接触工程が起こり得る多段セクションが存在する接触塔で実施されるのが好ましい。さらには、全接触工程が多段接触セクションを備えた単一の接触塔で実施されることがより好ましい。
よって、念のため、本発明の各接触工程における接触操作を今後「接触塔」を基にして記載することもあるが、同様にその記載は多段接触セクションを備えた単一の接触塔における単一セクションにも適用される。
【0008】
各接触塔は、好ましくは充填型カラムもしくはトレー型カラムを含む。各接触塔は1もしくはそれ以上の理論段数を有し、好ましくは1段よりも多く、より好ましくは5段よりも多い。
典型的には、各接触塔は、各接触工程において、例えば500mbarもしくはそれより圧力低下が小さくなる様に設計されている。各接触塔は、液体流速がトレー型カラムの場合は溢流無しでトレー上の液体レベルを維持し、一方、充填型カラムの場合は、溢流が無い場合は充填物が適当な濡れを維持し、典型的には20%〜80%の溢流速度を維持する様に設計されている。
【0009】
念のため、ステップ(b)における二酸化炭素の除去量は一般にできるだけ少なくして、大部分の二酸化炭素は次の工程であるステップ(c)で除去される。かようにして、第一水相流と第一液体炭化水素流には、ステップ(b)中の二酸化炭素と反応するか或いは錯体を形成する成分は実質的に含まれるべきではない、即ち、該第一水相流と第一液体炭化水素流にはその様な成分の含有率は2%未満にするべきである、という意味である。例えば、第一水相流は適切には比較的クリーンな水であり、即ち水の含有率は95%以上、例えば98%以上という意味である。同様に、第一液体炭化水素流には適切には95%以上の液体炭化水素が含まれ、例えば98%以上が液体炭化水素である。
【0010】
本発明プロセスのステップ(c)において、一種もしくは二種以上のモノオレフィン類及び二酸化炭素を含み、且つ含酸素化合物含有率が削減された第二気相流が次に処理されて、その中の二酸化炭素が除去される。
二酸化炭素除去は適当な方法で可能であるが、MEA、DGAジグリコールアミンもしくはTEA(もしくはそれらの混合物)を用いるようなアミンベース吸収システムとの接触法が好ましい。
即ち、本発明プロセスは、含酸素化合物と二酸化炭素双方を除去して、望ましいモノオレフィン類を含む生成物流を製造するものである。
一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、一種もしくは二種以上の含酸素化合物及び二酸化炭素を含む第一気相流中に存在する含酸素化合物には、通常一種以上のエーテル、アルデヒド、ケトン、エステル、カルボン酸、アルコール、もしくはそれらの混合物が含まれる。
【0011】
好ましくは、該含酸素化合物には一種以上のアルデヒド、ケトン、エステル、カルボン酸、もしくはそれらの混合物が含まれる。
該含酸素化合物がケトンである場合、該含酸素化合物はアセトン、2-ブタノン、2-ペンタノン、3-ペンタノンのいずれか一種以上である。
該含酸素化合物がアルデヒドである場合、該含酸素化合物はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、もしくはそれらの混合物のいずれか一種以上である。
該含酸素化合物がエステルである場合、該含酸素化合物はギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、もしくはそれらの混合物のいずれか一種以上である。
該含酸素化合物がカルボン酸である場合、該含酸素化合物はギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、もしくはそれらの混合物のいずれか一種以上である。
好ましくは、一種もしくは二種以上の含酸素化合物は一種もしくは二種以上のアルデヒドから成り、最も好ましくは、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、クロトンアルデヒド、もしくはそれらの混合物である。
【0012】
一種もしくは二種以上の含酸素化合物は通常第一気相流(処理前の)中に、合計200ppm以上の濃度、例えば500ppm以上で存在する。該一種もしくは二種以上の含酸素化合物は、典型的には第一気相流(処理前の)中に合計10,000ppmの濃度まで、例えば5,000ppmまで存在する。例えば、一種もしくは二種以上の含酸素化合物が一種もしくは二種以上のアルデヒドを含む場合、個々のアルデヒドは典型的には次に記す濃度範囲で存在する;ホルムアルデヒド:10-200ppm、アセトアルデヒド:100-1,000ppm、アセトン:10-500ppm、クロトンアルデヒド<1-200ppm。
本発明プロセスのステップ(b)は、典型的には、第一気相流中に存在する含酸素化合物を80%以上除去し、好ましくは95%除去する。
二酸化炭素は第一気相流中に存在して0.1%以上の量が処理され、通常0.25%以上である。処理される第一気相流中に典型的に存在する二酸化炭素の量は最大5%である。
同様に、二酸化炭素は第二気相流中に0.1%以上の量が存在し、通常0.25%以上である。第二気相流中に典型的に存在する二酸化炭素の量は最大5%である。
【0013】
本発明の好ましい実施態様として、本発明のステップ(b)は、第一水相流及び第一液体炭化水素流による処理工程の前の、予備的含酸素化合物除去工程として、第一気相流(それは自動熱分解プロセスの生成物流でもあり得る)と水との接触工程をも含む。この予備的含酸素化合物除去工程は幾分かの含酸素化合物を除去して、一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、残存含酸素化合物、及び二酸化炭素を含む気相流を生成するが、それは次いで、第一水相流及び第一液体炭化水素流で処理される。一般に、予備的含酸素化合物除去工程は水に易溶性の含酸素化合物成分を除去し、次の処理工程において必要な含酸素化合物の除去量を減少させる。
一般に、水洗温度が低いほど、多量の含酸素化合物がこの工程で除去され、次工程で除去されるべき含酸素化合物の量が少なくなる。
典型的には、予備的含酸素化合物除去工程は5℃-190℃の温度範囲(冷却水温度)で運転され、好ましくは50℃未満、最も好ましくは25℃-40℃の範囲である。
【0014】
予備的含酸素化合物除去工程の運転圧力は、多少の圧力低下はあり得るが、好ましく且つ本質的には供給される第一気相流の圧力と同等である。かようにして、予備的含酸素化合物除去工程は典型的には5bar(ゲージ圧)以上の圧力で運転され、例えば5-35bar(ゲージ圧)であり、最も好ましくは10-35bar(ゲージ圧)の範囲である。
予備的含酸素化合物除去工程で除去される水には含酸素化合物が含まれる。そして、その水がリサイクルされて予備的含酸素化合物除去工程に再度洗浄用水として再使用される前に、その一部を処理して含有する含酸素化合物を少なくとも幾らか除去することが好ましい。好適な処理方法は、含酸素化合物を含有する水を、空気や窒素或いは最も好ましくは水蒸気のようなストリッピングガスと接触させて、該含酸素化合物の少なくとも一部を除去するウォーターストリッパー(water stripper)を通過させる方法である。除去した含酸素化合物は、例えば適当な焼却炉(incinerator)中で焼却できる。ウォーターストリッパーは、150℃以下、例えば120℃〜150℃の低圧蒸気を用いて、典型的には5bar以下の圧力(流出物を適当な燃焼システムもしくは焼却炉にフィードするのに適した圧力である)で運転される。
【0015】
含酸素化合物を含有する水をウォーターストリッパーに通す前に、その中に存在する可能性のある有機相を除去するのが好ましく、例えば、水を第一気相流と接触させる際に水に移行した炭化水素類を除去する処理を行うのが好ましい。この操作は典型的にはデキャンタを用いて行われる。
含酸素化合物を除去する処理の前に、予備的含酸素化合物除去工程で除去された含酸素化合物を含む水は、本発明プロセスで得られる含酸素化合物を含む他の水相流と合体可能であり(その例は下記に示すが)、その合体した流れを処理してその中に含まれる含酸素化合物を、好ましくはデカンテーション法により有機相を除去した後、上記したウォーターストリッパー(water stripper)によるストリッピング工程にかけて除去する。
本発明のプロセスにおいて、一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、100ppm以上の一種もしくは二種以上の含酸素化合物及び0.1%以上の二酸化炭素を含む第一気相流は、適宜予備的含酸素化合物除去工程の後、第一水相流及び第一液体炭化水素流と向流(countercurrently)状態で接触させることが好ましい。この接触は如何なる適当な順序で実施しても良い。即ち、第一気相流は最初に第一液体炭化水素流と(好ましくは、向流で)接触させ、次いで、第一水相流と(好ましくは、向流で)接触させてもよい。その代りに、好ましくは第一気相流を第一水相流と最初に(好ましくは、向流で)接触させ、次いで第一液体炭化水素流と(好ましくは、向流で)接触させてもよい。
【0016】
一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、含酸素化合物及び二酸化炭素を含む第一気相流と第一水相流とを接触させる際に、第一水相流は含酸素化合物を吸収して含酸素化合物の含有率が増した第二水相流と含酸素化合物の含有率が削減された気相流を生成するであろう。
既に述べた様に、第一水相流は、水が95%以上、例えば98%以上である適宜比較的クリーンな水であって、ステップ(b)において二酸化炭素と反応するか或いは錯体形成が可能な如何なる成分も実質的に含んではならない。しかし、この様な成分が、接触工程の条件下、多量に二酸化炭素と反応するか或いは錯体を形成しない限り、水は含酸素化合物除去を助長する成分を含有可能である。
典型的には、第一液体炭化水素流は第一気相流中に存在する可能性のある低極性の含酸素化合物を吸収し、該低極性含酸素化合物は恐らく第一水相流によって吸収され、含酸素化合物含有率が増大した第二液体炭化水素流と含酸素化合物含有率が低下した気相流とを生成するであろう。これらの含酸素化合物は典型的には長鎖炭化水素鎖を有するものであり、短鎖の含酸素化合物より一般的に親油性である。
【0017】
第一液体炭化水素流は、好ましくは、40℃(大気圧下で)で液体である一種もしくは二種以上の炭化水素類の流れである。即ち、第一液体炭化水素流は単一の(液体の)炭化水素であってもよい。しかしながら、炭化水素類の混合物を用いることが好ましい。該炭化水素類は低揮発性であることが好ましい。適当な混合物はガソリン、ディーゼルオイル及びガスオイル、及びこれらの流れと性質が類似した混合物である。(ここから後は、ガソリン、ディーゼルオイル及びガスオイルへの引用はこれらの流れと類似した性質を有する混合物への引用も含む。)
第一気相流が自動熱分解プロセスの生成物流である場合、第一液体炭化水素流は、少なくとも一部は、好ましくは自動熱分解プロセス自体で生成する重質留分(heavy end)炭化水素であり、即ち、それは自動熱分解プロセスにおいて生成する物質を意味しており、下記する様に、沸点が40℃以上である。
【0018】
第一液体炭化水素流は第一気相流中に存在する少なくとも幾分かの重質留分炭化水素成分を吸収することもあろう。第一気相流が自動熱分解プロセスの生成物流である場合、存在するかも知れない典型的な重質留分成分は、例えばヘキサン、トルエン、ナフタレンやベンゼンの様なC5よりも大きい重質なパラフィン性、芳香族性及びオレフィン性炭化水素類を含む。もし、第一気相流から除去されなければ、これらの成分は次のプロセス工程で蓄積する傾向がある。本発明プロセスに従って第一液体炭化水素流を用いると、この様な重質留分成分は一般的に水よりも第一液体炭化水素流へ溶解し易くなり、よって、水を用いる場合より第一気相流から効果的に除去し易くなる、という優位性がある。
一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、含酸素化合物及び二酸化炭素を含む気相流と第一水相流とをこの様な塔において接触させると、第二水相流中の含酸素化合物含有率が増して、その塔から除去することが必要になるという結果になる。
【0019】
第二水相流はこの様な塔の如何なる位置からも除去できる。第二水相流は気相流と第一水相流との接触が実施される塔底(the base of the tower)から除去されることが好ましい。第二水性溶液(含酸素化合物を含む)は第一水相流として塔にリサイクルされる。該リサイクル流の一部はパージして除去され、除去された溶液は新鮮な水で置換して、含酸素化合物の蓄積を防止し、溶液の体積が維持される。
この第二水相流の少なくとも一部は、リサイクルして第一水相流として再利用される前に、処理して少なくとも幾分かの含酸素化合物を除去することが好ましい。好適な処理方法は、含酸素化合物を含む第二水相流をウォーターストリッパーに通過させることであり、その装置で該ウォーターは空気や窒素、好ましくは水蒸気の様なストリッピングガスと接触させて、最初の予備的含酸素化合物除去工程で除去された含酸素化合物を含有する水の処理で記載した様に、少なくとも幾分かの該含酸素化合物を除去する。含酸素化合物を含む第二水相流をウォーターストリッパーに通過させる前に、存在する可能性のある有機相を典型的にはデキャンタを用いて処理し除去することが好ましい。
最も好ましくは、含酸素化合物を除去する処理工程の前に、含酸素化合物を含む第二水相流を本発明のプロセスで得られる含酸素化合物を含む他の水相流と合体させた上で、合体流を処理してそこに含まれる含酸素化合物を除去する方法である。
【0020】
一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、含酸素化合物及び二酸化炭素を含む第一気相流と第一液体炭化水素流とを塔において接触させる結果、その塔から除去する必要がある含酸素化合物の含有率が増した第二液体炭化水素流が生成する。
第二液体炭化水素流は塔の如何なる位置からも除去可能である。好ましくは、第二液体炭化水素流は、第一気相流と第一液体炭化水素流とが接触する塔底から除去される。第二液体炭化水素流(含酸素化合物及び重質粒分炭化水素成分を含む)は第一液体炭化水素流として塔にリサイクルされる。この第二液体炭化水素流の少なくとも一部を処理して、その中に含まれる少なくとも幾分かの含酸素化合物を除去してから、リサイクルして第一液体炭化水素流として再利用することが好ましい。例えば、該リサイクル流の一部はパージして除去され、除去された溶液は新鮮な液体炭化水素流によって置換して含酸素化合物の蓄積を防止する。
除去した液体炭化水素流(パージ部分)は焼却炉(incinerator)中で焼却することができる。しかし、単に燃焼するよりできるだけ沢山の液体炭化水素流を利用することが望ましい。例えば、第一液体炭化水素流がガソリンもしくはディーゼルオイルの流れである場合、除去される第二液体炭化水素流は処理して、そこに含まれる含酸素化合物を除去した後、再利用が可能である。
【0021】
第二液体炭化水素流の最も好ましい処理方法は、第二液体炭化水素流を充填型カラムかトレー型カラムを含む適当な接触塔を通過させる方法であり、その流れは好ましくは向流で水と接触させてから蒸留カラムにフィードされる。
接触塔の理論段数は1もしくは2以上であって、好ましくは1よりも多くの、より好ましくは5よりも多くの理論段数である。この塔から除去される水流は含酸素化合物を含み、少なくともその一部は処理して含有される含酸素化合物が除去される。前記した様に、その流れを空気や窒素、好ましくは水蒸気であるストリッピングガスと接触させるウォーターストリッパーに通過させて該含酸素化合物を除去することが好ましい。含酸素化合物を含む水流をウォーターストリッパーに移す前に、典型的にはデキャンタを用いて、存在し得る全ての有機相を除去する処理を行うことが好ましい。最も好ましくは、含酸素化合物を除去する処理の前に、水は本発明プロセスで得られる含酸素化合物を含む他の水性流と合体し、しかる後、該合体流を処理して、その中に含まれる含酸素化合物を除去する。
第一気相流との接触の際、第一液体炭化水素流はそこから少なくとも幾分かの軽質留分(light end)成分を吸収するが、その軽質留分成分は大気圧下の沸点が15℃未満の成分である。その典型的な成分としては、C2-C4のオレフィン類及びアルカン類であり、例えば、エタンとエチレンである。該成分は回収することが望ましいが、好ましい実施態様では、水と接触後、第二液体炭化水素流を蒸留カラムに移して、第一液体炭化水素流及び精製された液体炭化水素流との接触時に吸収される第一気相流からの軽質留分を含む軽質カット流を生成する。
【0022】
好ましくは、精製された液体炭化水素流は蒸留カラムで二相として除去される。即ち、本プロセスから除去されるこの精製された液体炭化水素流の少なくとも一部と残余の精製液体炭化水素流とであり、後者は好ましくは少なくともより重質なカットの一部であり、第一液体炭化水素流としてリサイクルされる。
これは、他の用途、例えばモーターガソリンに適する自動熱分解プロセスの生成物流の中にある有用な重質留分炭化水素成分は本プロセスから分離利用できる利点を有する。
このカットされた流れは、本発明プロセスに従って第一気相流と第一水相流及び第一液体炭化水素流との接触後に得られる、含酸素化合物含有率を削減した第二気相流と再度合体されることもある。その軽質カット流は含酸素化合物含有率を削減した第二気相流と適当な段階で再度合体し、その生成物流は、例えば二酸化炭素除去やオレフィン分離工程の様な通常の分解ガス処理工程に移す。しかしながら、軽質カット流は含酸素化合物も含まず、しかも二酸化炭素も含まないので、軽質留分は、含酸素化合物含有率を削減した該第二気相流を例えばアミンユニットの様な二酸化炭素除去工程を通した後、含酸素化合物含有率を削減した第二気相流と合流させることが好ましい。
前述した様に、重質留分は大気圧下の40℃よりも高い沸点の成分を含み、それらは典型的にはC5よりも大きいパラフィン系、芳香族系及びオレフィン系炭化水素であり、例えばヘキサン、ベンゼン、トルエン及びナフタレンである。
蒸留カラムでの分離性を高めるため、第一液体炭化水素流の沸点範囲は好ましくは分離するべき軽質留分成分と差があり、大気圧下で60〜120℃である。
【0023】
第一気相流と第一水相流との接触温度は典型的には5℃〜100℃の範囲であり、好ましくは50℃未満、最も好ましくは15℃〜40℃の範囲内である。
第一気相流と第一液体炭化水素流との接触温度は典型的には5℃〜100℃の範囲であり、好ましくは50℃未満、最も好ましくは15℃〜40℃の範囲内である。
第一気相流と第一水相流及び第一液体炭化水素流との接触は同一温度か或いは存在する可能性のある予備的含酸素化合物除去工程より低い温度で行われるのが好ましいので、該接触の前に付加的加熱は必要ない。
第二液体炭化水素流と水との接触温度は典型的には5℃〜100℃の範囲内であり、好ましくは5℃〜60℃、最も好ましくは15℃〜40℃の範囲内である。
圧力は、第一液体炭化水素流と第一気相流との接触圧力と類似な圧力であり、5〜35bar(ゲージ圧)が好ましく、最も好ましくは10〜35bar(ゲージ圧)の範囲内である。
典型的には、第二液体炭化水素流の蒸留は、水との接触後、第二液体炭化水素流と水との接触工程と同様の圧力で行われ、5〜35bar(ゲージ圧)が好ましく、最も好ましくは10〜35bar(ゲージ圧)の範囲内である。
【0024】
一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、含酸素化合物及び二酸化炭素を含む第一気相流が自動熱分解プロセスからの生成物流である場合、自動熱分解反応器へのパラフィン系炭化水素原料としては、エタン、プロパンもしくはブタンが適当であろう。それらは実質的に純分であってもよいし、適宜他の炭化水素や他の物質、例えば、メタン、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気もしくは水素などとの混合物であってもよい。
分子状酸素含有ガスは酸素もしくは空気が適当である。
水素を炭化水素原料、分子状酸素含有ガス及び他のフィード原料成分と一緒に自動熱反応へフィードすることが好ましい。水素対酸素のモル比は0.2〜4の範囲内であり、好ましくは0.2〜3の範囲内である。
炭化水素と酸素含有ガスは、オレフィン類を含む自動熱分解(ATC:Automatic Thermal Cracking)生成物流を生成する場合は、適当なモル比で触媒と接触させてもよい。炭化水素対酸素の好ましい化学量論比は、炭化水素が二酸化炭素と水になる完全燃焼に必要な炭化水素対酸素の5〜16倍であり、より好ましくは5〜13.5倍、さらに好ましくは6〜10倍である。
【0025】
典型的に、反応物は、触媒上を通過させる圧力依存性ガスの時間当たり空間流速は10,000h-1bar(ゲージ圧)-1超であり、好ましくは20,000 h-1bar(ゲージ圧)-1超であり、最も好ましくは100,000h-1bar(ゲージ圧)-1超である。例えば、圧力20bar(ゲージ圧)において、ガスの時間当たり空間流速は2,000,000 h-1超であることが最も好ましい。
自動熱分解工程は触媒出口温度として600℃〜1,200℃の範囲内で実施されることが適当である。触媒出口温度は適宜720℃以上、例えば750℃以上である。自動熱分解工程は触媒出口温度として850℃〜1,050℃の範囲内で実施されることが好ましく、850℃〜1,000℃の範囲内が最も好ましい。
予備的含酸素化合物除去工程の最も好ましい圧力や、第一気相(生成物)流と第一水相流及び第一液体炭化水素流との接触、及びここで述べる次の他処理工程は、一般に自動熱分解反応の圧力を基準とする。下流工程での圧力は自動熱分解反応の圧力にできるだけ近いことが好ましく、その結果、自動熱分解反応に対する次のリサイクル流(例えば、未反応炭化水素類)の圧縮が最小限となり、しかし実際に、本質的な圧力低下に基づき、現実の圧力は気相流が処理工程を通過する際に減少するであろう。
【0026】
自動熱分解触媒は、燃料リッチにおける引火限界を超えても燃焼を維持できるものであれば如何なる触媒でもよい。その触媒は成分としてVIII属金属を含んでもよい。適当なVIII属金属としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウムである。ロジウム、特に、白金とパラジウムが好ましい。
生成物流は、さらなる反応が起こるのを避けるため、反応器から出る時点で急冷(quench)するのが通常であり、その温度は750〜600℃に低下される。
本発明の好ましい態様として、一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、一種もしくは二種以上の含酸素化合物及び二酸化炭素を含む第一気相流が自動熱反応器からの生成物流である場合、気相流は、本発明プロセスのステップ(b)で処理する前に、熱交換器を通す。
【0027】
次に、本発明については図1を引用してさらに述べるが、図1は本発明に従う好ましい態様に関する図式ダイアグラムである。
図1においては、主としてエタンを含む高圧のパラフィン系炭化水素原料がライン(1)を通じて自動熱分解反応器(2)に供給される。酸素もライン(3)を通じて自動熱分解反応器に供給される。自動熱分解反応器(2)は、反応がエテン、プロペン、メタン、エタン、二酸化炭素、一酸化炭素、水素及び含酸素化合物を含む生成物流を生成するに相応しい条件下に保持される。生成物流はライン(4)を経由して自動熱分解反応器(2)から出て、急冷カラム(5)を通じて生成ガス温度を約600℃まで低下させて、次いでさらに約30℃まで冷却される。そして、冷却された生成物流の気体部分は4箇所の接触セクションを含む急冷塔(quench tower)(7)に導かれる。最初の接触セクション(7a)では、冷却された気相流は予備的含酸素化合物除去工程として充填カラムにおいて水(8a,8b)と接触し、一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、残存含酸素化合物及び二酸化炭素を含む流れを生成する。二番目の接触セクション(7b)では、冷却された気相流を充填カラムにおいて向流状態で第一炭化水素流と直接接触させる。そして、この流れは充填カラムを含む三番目の接触セクション(7c)に導かれ、そこで第一水相流(10a,10b)と向流状態で直接接触させ、次いで第四の接触セクション(7d)では、さらなる水相流(11a,11b)と接触させる。エテン、プロペン、メタン、エタン、二酸化炭素、一酸化炭素、水素及び含有率が低下した含酸素化合物類を含む気相生成物流は塔頂から(at the top of the tower)出て、二酸化炭素除去ゾーン(13)に導かれる。
【実施例】
【0028】
実施例では図1に示す装置を用いた。パラフィン系炭化水素としてエタンを、圧力10bar(ゲージ圧)で水素及び酸素共存下で自動熱分解反応をさせた。生成物流を急冷し冷却した後、気相部分(約30℃)を図1で記載した様な4つの接触セクションから成るカラムを通した。接触カラムの夫々のセクションの圧力と温度は、夫々およそ10bar(ゲージ圧)、30℃で運転した。
炭化水素接触工程で用いた炭化水素はディーゼルオイルであった。
結果を表1に示すが、そこでは4つの接触セクションから成るカラムに入る冷却気相流中の含酸素化合物含有率(ppm)とカラムから出るオーバーヘッド気相流の分析結果を示す。
【0029】
【表1】

【0030】
水とディーゼルオイルとを処理した結果、生成物流中の含酸素化合物含有率は相当削減された(>85%)。実質的に、全ての二酸化炭素とエチレン(>99%)がオーバーヘッド気相流中に残存し、含酸素化合物除去の処理工程では二酸化炭素とエチレンが殆ど除去されないことを示した。
上記のデータと一致して、接触後の水の分析結果は、アセトアルデヒド、アセトン、プロパナール、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノールを含む)、酸(酢酸、プロピオン酸を含み)を含む軽質(lighter)含酸素化合物を吸着していることを示した。
接触後のディーゼルオイルの分析結果によれば、軽質含酸素化合物は水中で低濃度であるにも拘わらず、トルエン、エチルベンゼン、キシレン及びスチレンを含む高級炭化水素の吸着と同様、ある程度の吸着現象を起こすことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に従う好ましい態様に関する図式ダイアグラムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素をも含む気相流から含酸素化合物を除去するためのプロセスであって、下記のa)乃至c)を含む該プロセス。
a)一種もしくは二種以上のモノオレフィン(類)、100ppm以上(質量基準)の一種もしくは二種以上の含酸素化合物及び0.1質量%以上の二酸化炭素を含む第一気相流を供給し、
b)第一気相流を処理して、一種もしくは二種以上のモノオレフィン(類)、0.1質量%以上の二酸化炭素及び含有率が処理前より減少した含酸素化合物を含む第二気相流を生成し、ここで該処理工程は第一気相流に第一水相流と第一液体炭化水素流とを接触させることを含み、
c)次いで、第二気相流を処理して、その中に含まれる二酸化炭素を除去する。
【請求項2】
一種もしくは二種以上のモノオレフィン(類)、100ppm以上(質量基準)の一種もしくは二種以上の含酸素化合物及び0.1質量%以上の二酸化炭素を含む第一気相流が自動熱分解プロセスから生じる生成物の流れであって、該自動熱分解プロセスは、通常の燃料リッチにおける引火限界を超えても燃焼を維持できる触媒との接触下において、炭化水素フィードと分子状酸素含有ガスとの混合物を部分的に燃焼させることを含む、請求項1記載のプロセス。
【請求項3】
一種もしくは二種以上のモノオレフィン(類)と、100ppm以上(質量基準)の一種もしくは二種以上の含酸素化合物及び0.1質量%以上の二酸化炭素を含む第一気相流が5bar(ゲージ圧)以上の圧力で供給され、第一気相流と第一水相流との接触及び第一気相流と第一液体炭化水素流との接触が夫々圧力5bar(ゲージ圧)以上で実施される、請求項1又は2記載のプロセス。
【請求項4】
一種もしくは二種以上のモノオレフィン類、100ppm以上(質量基準)の一種もしくは二種以上の含酸素化合物及び0.1質量%以上の二酸化炭素を含む第一気相流が分子状酸素も含有する、前記請求項1乃至3のいずれかに記載のプロセス。
【請求項5】
含酸素化合物がアルデヒド、ケトン、エステルもしくはカルボン酸の一種以上、もしくはこれらの混合物である、前記請求項1乃至4のいずれかに記載のプロセス。
【請求項6】
第一液体炭化水素流がガソリン、ディーゼルオイル、もしくはガスオイルのいずれかである、前記請求項1乃至5のいずれかに記載のプロセス。

【図1】
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【公表番号】特表2009−520862(P2009−520862A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546574(P2008−546574)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【国際出願番号】PCT/GB2006/004650
【国際公開番号】WO2007/071926
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(507391775)イネオス ユーロープ リミテッド (19)
【Fターム(参考)】