説明

気送管設備

【課題】開閉可能な蓋および蓋を施解錠するためのラッチを備える気送子に対し、搬送物の出し入れを自動的に行うために、蓋とラッチの自動開閉,自動施解錠機能を有する移載ユニットを備えた気送管設備を提供する。
【解決手段】開閉可能な蓋22を施解錠するラッチ25を有する気送子21と気送子21を搬送する気送管12とを含み、その気送管12の任意の中間部に、気送子21のラッチを開閉する施解錠手段34と、気送子21の蓋22を開閉する蓋開閉手段35と、ラッチと施解錠手段34の位置を一致させると共に蓋22と蓋開閉手段35の位置を一致させる位置決め手段33と、施解錠手段34および蓋開閉手段35から気送子21を搬出側の気送管12に移送する移送手段とからなる気送子開閉装置を備えた移載ユニットを配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気送子の自動開閉装置を有する移載ユニットを備えた気送管設備に係わり、さらに詳しくは、開閉可能な蓋を備え、かつ蓋を施解錠できるようにした気送子に対する蓋と錠(ラッチ)の開閉装置を主体とする移載ユニットを備えた気送管設備に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送手段の一つである気送管設備は一回の搬送量は限られるが、迅速かつ正確な搬送を必要とされるところで利用されている。また、そのような気送管設備において気送子に対して搬送物を出し入れするための移載装置や移載ユニットについては多数提案されている。
【0003】
例えば、気送子が気送子本体とこれにスライド可能に収容したサンプルケースを備えた気送管設備において、圧送されてきた気送子を把持し、ロッドによってサンプルケースを気送子本体から押し出すことにより、サンプルをサンプルケースから落下させるようにした移載機能を備えた気送管設備がある(特許文献1参照)。他の例としては、気送子が気送子本体とサンプルケースとを備え、チャックによって気送子本体を回転させて、サンプルケースを気送子本体から外し、気送子のサンプルケース側を支持する受け台を下降させて、サンプルケースを気送子本体から分離するようにした移載ユニットもある(特許文献2参照)。
【0004】
これらの移載機構における気送子開閉は、いずれも、気送子に収容したサンプル等を搬送物を自動取り出しするためのものであって、各々のサンプル等に合わせた特定構造をもつ気送子の併用を必須としている。このため、気送子が、開閉可能な蓋および蓋を施錠するラッチを有し、ラッチを外して、蓋を開けてから、搬送物を積み込む構造の移載機構(特許文献3参照)であると、搬送物の出し入れを自動的に行うことができない。
【特許文献1】特開平1−110426号公報
【特許文献2】特開平9−166521号公報
【特許文献3】特開2004−75230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明では、開閉可能な蓋および蓋を施解錠するためのラッチを備える気送子に対し、搬送物の出し入れを自動的に行うために、蓋とラッチの自動開閉,自動施解錠機能を有する移載ユニットを備えた気送管設備を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明気送管設備の構成は、開閉可能な蓋および蓋を施解錠するラッチを有する気送子と気送子を搬送する気送管とを含み、その気送管の任意の中間部に、気送子のラッチを開閉する施解錠手段と、気送子の蓋を開閉する蓋開閉手段と、ラッチと施解錠手段の位置を一致させると共に蓋と蓋開閉手段の位置を一致させる位置決め手段と、施解錠手段および蓋開閉手段から気送子を搬出側の気送管に移送する移送手段とからなる気送子開閉装置を備えた移載ユニットを配置したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明気送管設備は、開閉可能な蓋および蓋を施解錠するラッチを有する気送子と気送子を搬送する気送管とを含み、その気送管の任意の中間部に、気送子のラッチを開閉する施解錠手段と、気送子の蓋を開閉する蓋開閉手段と、ラッチと施解錠手段の位置を一致させると共に蓋と蓋開閉手段の位置を一致させる位置決め手段と、施解錠手段および蓋開閉手段から気送子を搬出側の気送管に移送する移送手段とからなる気送子開閉装置を備えた移載ユニットを具備させたので、施解錠手段および蓋開閉手段の作用によって気送子の蓋を開閉し、搬送物を気送子に積み込み、移送手段によって搬出側の気送管に気送子を送り込むことができ、しかも、気送子の蓋の開閉とラッチの施解錠を単純化した複数の手段に分割しているため、これらの動作を純機械的機構によって行わせることができる。このため、開閉可能な蓋および蓋を施錠するラッチを備える気送子に対して移載位置での搬送物の出し入れの自動化を行うことができ、そして、薬品などのサンプルを搬送物として搬出乃至搬入する装置などと組み合わせて、自動化された移載機構を備えた気送子の搬送システムを簡単に構築することができる。
【0008】
本発明気送管設備において、気送子開閉装置の施解錠手段および蓋開閉手段への気送子の供給は、搬入側気送管と搬出側気送管の間に、気送子の長さよりも大きな間隔を形成して段違い配置された搬出側気送管と、搬入側の気送管によって搬送された気送子を停止させるストッパと移送手段とを備え、移送手段が搬入側と搬出側の気送管の間で搬送物を気送子開閉装置まで移送可能に構成されているので、搬入側気送管によって気送子を移送手段まで圧送すれば、移送手段がその気送子を施解錠手段および蓋開閉手段まで移送する。
【0009】
気送子開閉装置においては、位置決め手段が、移送手段の搬送路に配置され、ラッチと施解錠手段の位置が一致すると共に蓋と蓋開閉手段の位置が一致したとき、気送子の移送を止める気送子停止機構を備えているので、メンテナンスや他の機械との整合性を採り易い気送管から離れた位置において、気送子の施解錠と蓋の開閉を行うことができる。
【0010】
気送子の蓋の開閉は、気送子の蓋が開閉用のピン孔を備えているので、蓋開閉手段がラッチと施解錠手段の位置が一致すると共に蓋と蓋開閉手段の位置が一致したとき、開閉ピン孔に嵌る開閉ピンと、その開閉ピンを蓋の開閉軸を中心に移動させる駆動機構とにより行うことができる。なお、蓋の開閉は、蓋を真空吸着してその吸着パッドを動かすとことにより行うことができる。また、気送子が磁性金属からなる場合、磁石によって蓋を吸着し、磁石を動かすことにより行うようにしてもよい。
【0011】
また、気送子停止機構は、移送手段によって移送される略円筒形の気送子を自転させるローラと、ラッチと施解錠手段の位置が一致すると共に蓋と蓋開閉手段の位置が一致したとき、位置決めピン孔に嵌る位置決めピンを備えているので、これらによって気送子と解錠施錠手段および蓋開閉手段との位置合わせを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施例について、添付図を参照して説明する。
図において、図1は本発明気送管設備における気送子開閉装置の一実施例を示す斜視図、図2は図1の2−2線に沿う断面図、図3は図1に示す気送子開閉装置における気送子と位置決め手段との関係を示す説明図、図4は図1に示す気送子開閉装置における気送子のラッチと施解錠手段との関係を示す説明図、図5は図4の5−5線に沿う拡大断面図、図6は図1に示す気送子開閉装置における気送子の搬送状態を示す説明図、図7は気送子の位置決め状態を示す説明図、図8は図1に示す気送子開閉装置における気送子のラッチの解錠状態を示す説明図、図9は図1に示す気送子開閉装置における気送子の蓋の開放状態を示す説明図、図10は図1に示す気送子開閉装置における気送子の搬出状態を示す説明図である。
【0013】
本発明気送管設備において、移載ユニットの主体をなす気送子開閉装置は、図1に示すように、気送子21と、この気送子21を圧送する搬入側の気送管11と搬出側の気送管12をもつ気送管部と、気送子21を解錠しかつ蓋を開ける気送子開閉部31および気送子21に搬送物を供給する積み込み手段14とを有している。
【0014】
気送管部は中空円筒状の形態を有する搬入側の気送管11および搬出側の気送管12を備え、搬入側気送管11と搬出側気送管12の対向する端部間には、気送子21の1本分の長さよりも少し広い間隔を形成すると共に、搬出側気送管12の軸線を、搬入側気送管11の軸線から気送子の外径程度ずらして配置、つまり搬入側気送管11と段違い配置されている。
【0015】
搬入側と搬出側の気送管11,12の間において、搬出側気送管12に対しては、立壁状の案内部材13が気送子21を当該気送管12に送り込むように作用する。この案内部材13は、図10に示すように、断面略J字状をなす部材からなり、立壁側が搬出側気送管12を外側から抱くように位置すると共に、凹状をなす他辺側が移動手段たるベルトコンベア41の端部に対面した下方に位置するように配置されている。
【0016】
気送子21は、特開2004−75230号公報に記載されているものと同様で、筒状容器を180度展開可能に分割することによって形成された蓋22および気送子本体23を備えている。蓋22および気送子本体23は、図8および図9に示されているように、一側縁をヒンジ24によって連結され、該ヒンジ24において開閉自在である。蓋22の他側縁はラッチ25によって気送子本体23に結合されている。気送子本体23前端に位置する一方の端壁26は、気送子本体23と一体に形成されており、外側面にここでは2個を一対とする位置決めピン孔27が設けられている。なお、2つのピン孔27のうち、一つの孔27の端壁26の中心に位置付けている。一方、蓋22と一体に形成されている他方(気送子の後端)の端壁28の外側面には、図6および図7に示されているように、蓋開閉用のピン孔29が設けられている。
【0017】
気送子開閉部31は、搬送方向を搬入側気送管11および搬出側気送管12に対して直交させて気送管11,12の間に配置される後述する移送手段(ベルトコンベア41)の先端側に配置される。即ち、この気送子開閉部31は、搬入側気送管11の端部に配置された気送子21を停止させるストッパ32と、気送子21のラッチ25を開閉する施解錠手段34と、気送子21の蓋22を開閉する蓋開閉手段35と、これらの手段34,35が配置された位置で気送子21を留める位置決め手段33と、ストッパ32と前記両手段34,35との間で気送子21を往復移送する移送手段41とを具備している。
【0018】
ストッパ32は、チャネル材などにより形成され、搬入側気送管11の開口端の軸上に、送出される気送子21の全長よりも大きい距離離間した位置に対面配置されていると共に、移載ユニットのフレーム36に固定されている。なお、搬入側気送管11を向いた面にはクッション材37が固定されている。
【0019】
移送手段41は図に表れないベルト車をフレーム36に保持させたベルトコンベアからなる。そして、一例としてサーボモータ(図示せず)により一方のベルト車を回転させ、気送子21を搬入側気送管11と直交する方向に移動させる。以下、移送手段41はベルトコンベア41又はコンベア41ともいう。
【0020】
位置決め手段33は、前記コンベア41による搬送路を移送されて来る気送子21に接触してその気送子21を摩擦回転させる気送子自転機構と、当該気送子21の回転位置を決める気送子停止機構とからなる。
【0021】
このうち、気送子自転機構は、ベルトコンベア41の幅方向において搬送端に配置された左右一対のローラ42と、気送子21の端壁26に設けた一対の位置決めピン孔27に嵌る一対の位置決めピン43とを備えている。そして、位置決めピン43は、進退用のプランジャ47を備えている。
【0022】
左右一対のローラ42は、ベルトコンベア41の端部に搬送方向と直交して配置され、かつ軸端をフレーム36に保持されたローラシャフト44に嵌合,固定されている。左右のローラ42の回転は、図示していないが、ローラシャフト44に結合された例えばサーボモータなどの回転駆動源によってなされる。
【0023】
位置決めピン43はローラシャフト44の延長線上に配置された位置決めサポート45に保持されている。位置決めサポート45に対する取り付けは、図3の平面要部図に示すように、2本の位置決めピン43を位置決めサポート45を貫通させると共に、このピン43をケース46に挿入されたプランジャ47に接続し、位置決めサポート45からの脱落を阻止する一方、当該ピン43の反対端を位置決めサポート45から突出させて設けられている。これらの位置決めピン43は、気送子21の位置決めのために、プランジャ47によって気送子21の位置決めピン孔27に遊嵌される。
【0024】
施解錠手段は気送子21のラッチ25に対応して構成されている。気送子21のラッチ25は、ラッチレバー25aが下方に回転されることで、蓋22の施錠を外すものである。施解錠手段34を構成するL字状をなす解錠アーム48は、ラッチ25の解除をおこなうためのもので、後端部がアームシャフト49に固定されている。アームシャフト49は、フレーム36に固定立設されたプランジャ状のサポート51に設けたカム溝52に、このシャフト49の丸首部49aにおいて遊嵌されると共に、後述するラック53の背面に固定したラックアーム50に形成した横長のガイド溝50aに、このシャフト49に形成した角首部49bにおいて遊嵌されている(図4,図5参照)。
前記のカム溝52は、図4に示すように、解錠アーム48の先端がラッチレバー25aから離間する動作とラッチレバー25aに係合する動作を行うプロファイルを与えられている。アームシャフト49の移動は、サポート51に上下動自在に支持されたラック53とこのラック53にかみ合う固定位置のピニオン54とこのピニオン54を回転させるサーボモータ55と、前記ラック53と一体でその背面(図の左方)に延びたラックアーム50によって実現される。
【0025】
即ち、ラックアーム50はラック53の背面の両側に当該ラック53と一体に設けられ、両側のラックアーム50には水平に延びる横長のガイド溝51aが設けられていると共に、アームシャフト49が、図5に示すように、両端付近に形成したカム溝52に遊嵌した断面円柱状の丸首部49aと、長溝51aに遊嵌した断面角状の各首部49bとを具備しているので、ピニオン54によりラック53が降下すると、解錠アーム48は図4のほぼ水平姿勢のままカム溝52に倣って進出しつつ降下し、やがて後退す動作を行うことにより、ラッチレバー25aをその先端48aで引掛けて後退しつつ降下し、ラッチ25を解錠する。
【0026】
解錠は、サーボモータ55が作動し、ラック53が図4の矢印のように下方に移動すると、解錠アーム48が水平姿勢を変えずにラックアーム50の長溝52を直線移動しつつカム溝52に沿って下降して、ラッチ25のラッチレバー25aを下動させ、ラッチ25を解錠する態様でなされる。
【0027】
気送子21のラッチ25が解錠されると、蓋開閉手段が作動する。この蓋開閉手段は、気送子21の開閉ピン孔29に嵌る開閉ピン56を備えている。この開閉ピン56は進退用のプランジャ(図示せず)を備えて開閉アーム57の一端に固定されている。開閉アーム57はその他端にあるシャフトがフレーム36に軸受などを介して回転可能に保持されていると共にサーボモータ58の回転軸に連結されている。気送子21の開閉ピン孔29は、気送子21がピン43の作用で位置決めされたとき開閉ピン56の軌跡円上の定位置にあるように設置されているため、気送子21が位置決めピン43によって位置決め固定されると、同時に開閉ピン56も開閉ピン孔29に嵌る。そして、サーボモータ58の回転によってアーム57が回転され、開閉ピン56がここでは反時計回り方向に旋回し、気送子21の蓋22がヒンジ24を中心とする開動作を行う。
【0028】
本発明気送管設備では、気送管11,12を含む気送子開閉装置を備えた移載ユニットが、薬品やその他のサンプルなどの積込み手段14に接続される形態で配置される。気送子開閉装置に接続される積込み手段14はロボットやベルトコンベアなどから形成される。この実施例では、積込み手段14はベルトコンベアから形成し、該コンベアの一端を気送子開閉装置の施解錠手段と蓋開閉手段に位置決めされて開蓋されている気送子21に対面させておき、サンプル等の搬送物の管理装置の搬出部から積込み手段14のコンベアに供給される搬送物を気送子21に移載するのである。
【0029】
次に、本発明気送管設備における全体の動作態様例について説明する。いま、気送子21が搬入側気送管11によって圧送されてくると、ストッパ32に当たり、気送子21は停止する。このタイミングにおいてベルトコンベア41が作動し、図6に示すように、気送子21はローラ42に向かって搬送されるが、図7に示すようにローラ42に接触するとコンベア41が停止して、気送子21がローラ42の回転に従動して自転する。このとき2本の位置決めピン43がプランジャ47によって前方へ押し出されるので、このピン43の先端は気送子21の端壁26に接触する。ここで、気送子21の2つの位置決めピン孔27のうち1つは、端壁26の中心に形成され、また、2本の位置決めピン43のうち1本は前記中心のピン孔27と対向しているので、この関係の位置決めピン43と孔27とが一致すると、残りの位置決めピン43も気送子21の回転によってもう一つの孔27と一致し、プランジャ47の作用によって両方のピン43が2つの位置決めピン孔27に嵌り、この気送子21が位置決めされる。この位置決めにより前記ローラ42の回転は停止され、コンベア41も停止する。同時に、図8に示すように、施解錠手段34の解錠アーム48がラック53の下動、およびアームシャフト49の水平移動と該シャフト49のカム溝52に沿う運動によって、解錠アーム48の先端が気送子21のラッチレバー25aに係合し、蓋22のラッチを解錠する。解錠すると、サーボモータ55は停止される。
【0030】
一方、上述したように、コンベア41に移送されて来た気送子21がローラ42の作用で回転させられ、その気送子21の位置決めピン孔27と位置決めピン43とが一致すると、蓋開閉手段35の開閉ピン56もプランジャの作用で気送子21の開閉ピン孔29に嵌合する。従って、気送子21のラッチ25が上記のようにして解錠されると、サーボモータ58が作動し、図9に示すように、開閉アーム57が回転し、気送子21の蓋22がヒンジ24を中心に開放される。
【0031】
気送子21の蓋22が開くと、ベルトコンベア14が作動し、薬品などの搬送物の管理装置(図示せず)において抽出された搬送物が気送子21の気送子本体23に送り込まれる。
【0032】
搬送物が気送子21内に送り込まれると、上記の開蓋時とは逆方向にサーボモータ58が作動し、開閉アーム57が反対方向に回転して、気送子21の蓋22が閉じられる。蓋22を閉じると、サーボモータ55が上述のラッチ解錠時とは逆方向に作動し、解錠アーム48がカム溝52に沿って上昇方向に移動し、ラッチレバー25aを解除時とは反対方向に動かして、蓋22を施錠する。施錠されると、蓋開閉ピン56がプランジャの作用で開閉ピン孔29から外れると共に、位置決めピン43もプランジャ47の作用で位置決めピン孔27から外れる。そうすると、ベルトコンベア41が先の例とは反対方向に走行し、気送子21が搬出側気送管12に向かって搬送される。搬送端に到達すると、図10に示すように、気送子21は案内部材13に落下し、案内部材13によって搬出側気送管12に送り込まれ、指定場所まで搬出側気送管12によって搬送される。
【0033】
これらの作動に際して、ベルトコンベア41を駆動しているモータ、ローラ42を回転させているモータ、解錠アーム48を動かしているモータ55、開閉アーム57を回転させているモータ58、気送子21に薬品サンプル等の搬送物を送り込むベルトコンベア14を駆動しているモータ、ピン43,56のプランジャ47などの作動タイミングや作動方向,作動時間などは、たとえば光センサによって関係部材の位置検出をすることにより、自動的に起動,停止を含む制御がされる。
【0034】
以上のように、本発明気送管設備に挿入した気送子開閉装置を主体とする移載ユニットは、気送子21の蓋22の開閉とラッチ25の施解錠とを自動的に行えるので、積込み手段14を用意することによって、薬品などの搬送物の管理装置と一緒に搬送物の搬送を自動的に行えるシステムなどを構築することができる。
【0035】
また、本発明気送管設備では、気送子21における蓋22を自動開閉とラッチの自動施解錠をすることができるので、この種の気送子の利用範囲を広げることができる。薬品以外の製品や商品、或は、それらのサンプルなどの搬送などにも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明気送管設備における気送子開閉装置の一実施例を示す斜視図。
【図2】図2は図1の2−2線に沿う断面図。
【図3】図1に示された気送子開閉装置における気送子と位置決め手段との関係を示す説明図。
【図4】図1に示す気送子開閉装置における気送子のラッチと解錠施錠手段との関係を示す説明図。
【図5】図4の5−5線に沿う拡大断面図。
【図6】図1に示す気送子開閉装置における気送子の搬送状態を示す説明図。
【図7】図1に示す気送子開閉装置における気送子の位置決め状態を示す説明図。
【図8】図1に示す気送子開閉装置における気送子のラッチの解錠状態を示す説明図。
【図9】図1に示す気送子開閉装置における気送子の蓋の開放状態を示す説明図。
【図10】図1に示す気送子開閉装置における気送子の搬出状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0037】
11 搬入側気送管
12 搬出側気送管
13 案内部材
14 積込み手段
21 気送子
22 蓋
23 気送子本体
24 ヒンジ
25 ラッチ
26 端壁
27 位置決めピン孔
28 端壁
29 開閉ピン孔
31 気送子開閉部
32 ストップ
33 位置決め手段
34 解錠施錠手段
35 蓋開閉手段
36 フレーム
37 クッション材
41 搬送手段(ベルトコンベア)
42 ローラ
43 位置決めピン
44 ローラシャフト
45 位置決めサポート
46 ピンサポート
47 プランジャ
48 解錠アーム
49 アームシャフト
50 ラックアーム
51 解錠サポート
52 カム溝
53 ラック歯車
54 ピニオン歯車
55 サーボモータ
56 開閉ピン
57 開閉アーム
58 サーボモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な蓋および蓋を施解錠するラッチを有する気送子と気送子を搬送する気送管とを含み、その気送管の任意の中間部に、気送子のラッチを開閉する施解錠手段と、気送子の蓋を開閉する蓋開閉手段と、ラッチと施解錠手段の位置を一致させると共に蓋と蓋開閉手段の位置を一致させる位置決め手段と、施解錠手段および蓋開閉手段から気送子を搬出側の気送管に移送する移送手段とからなる気送子開閉装置を備えた移載ユニットを配置したことを特徴とする気送管設備。
【請求項2】
気送子開閉装置は、気送子の長さよりも大きな間隔を有して搬入側の気送管と段違い配置された搬出側の気送管と、搬入側の気送管によって搬送されて来る気送子を停止させるストッパとを備え、移送手段が搬入された気送管を位置決め手段に向け移送すると共に該位置決め手段の位置から搬出側の気送管へ移送するように構成されている請求項1に記載の気送管設備。
【請求項3】
位置決め手段は、移送手段の搬送路に配置され、ラッチと施解錠手段との位置が一致すると共に、蓋と蓋開閉手段の位置が一致したとき、気送子の移送を止める気送子停止機構を備える請求項1又は請求項2に記載の気送管設備。
【請求項4】
気送子の蓋は開閉用ピン孔を備えており、蓋開閉手段が、ラッチと施解錠手段の位置が一致すると共に蓋と蓋開閉手段の位置が一致したとき、前記開閉用ピン孔に嵌る開閉ピンと、当該開閉ピンを蓋の開閉軸を中心にして移動させる駆動機構とを備える請求項3に記載の気送管設備。
【請求項5】
気送子停止機構は、移送手段によって移送された略円筒状の気送子を自転させるローラと、ラッチと施解錠手段の位置が一致すると共に蓋と蓋開閉手段との位置が一致したとき、位置決めピン孔に嵌る位置決めピンとを備える請求項4に記載の気送管設備。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−137587(P2006−137587A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−330472(P2004−330472)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(391059425)シーメンス株式会社 (5)