水上船舶の停船方法及び装置
【課題】 目標船舶を乗員に危害を加えることなく確実に停船させるようにする。
【解決手段】 柔軟な素材からなる機体20に、無線操縦装置、エンジン、推進用プロペラ30等を備えた無人操縦室26を取り付け、無人飛行船19とする。無人飛行船19の機体20の一部に破裂機構としてガス急速放出装置25を設け、機体20を破裂させると機体20そのものが膜状になるようにする。目標船舶4に無人飛行船19を接近させてから至近距離で機体20を破裂させる。無人飛行船19は機体20そのものが膜状になることから、目標船舶4を覆うことができ、該目標船舶4を乗員に危害を与えることなく停船させることができる。
【解決手段】 柔軟な素材からなる機体20に、無線操縦装置、エンジン、推進用プロペラ30等を備えた無人操縦室26を取り付け、無人飛行船19とする。無人飛行船19の機体20の一部に破裂機構としてガス急速放出装置25を設け、機体20を破裂させると機体20そのものが膜状になるようにする。目標船舶4に無人飛行船19を接近させてから至近距離で機体20を破裂させる。無人飛行船19は機体20そのものが膜状になることから、目標船舶4を覆うことができ、該目標船舶4を乗員に危害を与えることなく停船させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水上船舶を航行できないように強制的に停船させるようにする水上船舶の停船方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、我国の領海内に侵入する密漁船や不審船は後を絶たない。これらの不審船に対しては停船の呼びかけを行っているが、停船に応じない場合が多く、中には、威嚇射撃等の警告を発しても停船しないで逃走するものがある。このような停船させるための警告を無視しても停船しない不審船を何等かの手段で停船させることが必要である。その一手段として、確実に停船させるために射撃・爆撃を加えることにより目標船舶の航行機能を奪うようにすることがあるが、乗員に危害を与えるか、あるいは目標船舶を撃沈させる可能性もある。そのため、近年では、できるだけ乗員に危害を加えないで停船させるようにすることが望まれている。
【0003】
従来、このような密漁船や不審船などの水上船舶を乗員に危害を加えずに停船させる方法としては、種々のものが提案されている。その中には、高速で移動する水上船舶を停止させる方法として、追跡する船舶や航空機等からネットやロープなどを目標船舶の進路上に投下してスクリューや舵に絡ませて停船させるようにする方法が知られている。たとえば、追跡する船舶から放出したネットで目標船舶を包み込み停船させようとするものとして、図8に示す如く、追跡する船舶1にネット2で繋がれている2基のロケット3を搭載し、目標船舶4より少し大きめのネット2が目標船舶4上で広げられるように上記ロケット3を発射させて、広げられたネット2で目標船舶4を包み込むようにすると共に、該ネット2の一部を該目標船舶4のスクリュー等に絡ませて目標船舶4を停止させようとするものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
又、航空機を利用するものとしては、図9に示す如く、浮力を有する所要長さのロープ5の一端をコンテナ6に接続すると共に、他端をパラシュート7に接続して、上記コンテナ6内に上記ロープ5とパラシュート7を収納した状態で航空機8により目標船舶4の進行方向の前方位置へ上記コンテナ6を投下させ、この投下中にパラシュート7が開くことによりコンテナ6から引き出されるロープ5を目標船舶4の前方へ着水させて海面上に浮かせ、該ロープ5を上記目標船舶4のスクリュー等に絡ませて停止させようとするものが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。又、同様な考え方として、図10(イ)(ロ)(ハ)に示す如く、パラシュート12の吊索に結着した複数のロープ10の他端部にそれぞれ飛翔体9aを連結し、該複数個の飛翔体9aを集合して円筒状のウェイト9を形成し、更に、ウェイト9の中央部に、海面着水検出センサ11を収納しておくようにしたものを、航空機より目標船舶4に対して投下させるようにしてある。投下によりウェイト9が重力で落下し、パラシュート12が開いてロープ10が伸びた状態になり、海面着水検出センサ11が着水して信号を発することからウェイト9の各飛翔体9aが四方へ飛散放出されるようにしてある。これによりロープ10は展張させられて、そのまま着水して浮上し、このロープ10が目標船舶4のスクリューに絡み、停船させるようにしたものが提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
【0005】
更に、潜水により水中を航送して目標船舶4に近づきネット等を発射するものも提案されている。図11に示す如く、上部にネット発射装置14を有する水中航走体13を、母船である潜水艦(図示せず)から発射されて、目標船舶4を追尾させ、目標船舶4のスクリュー15等の下方位置近傍まで近づき、上記ネット発射装置14よりネット等の捕獲部材16を該目標船舶4に向けて発射して、該ネット等の捕獲部材16を該目標船舶4のスクリュー15等に絡ませて停止させようとするものが提案されている(たとえば、特許文献4参照)。
【0006】
又、図12に示す如く、複数のブイ17をロープ18等に装着したものを目標船舶4の前方における水面近傍に浮遊させて展開しておき、上記ブイ17により浮遊された妨害部としてのロープ18等を上記目標船舶4のスクリューに絡ませて停止させようとするものが提案されている(たとえば、特許文献5参照)。
【0007】
【特許文献1】特表2003−522933号公報
【特許文献2】特開2001−349698号公報
【特許文献3】特開2000−292094号公報
【特許文献4】特開2001−50698号公報
【特許文献5】特開2002−53094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1に記載されている如き追跡する船舶1からネット2を放出させるものや、特許文献2、特許文献3に記載されている如き航空機から投下するロープを着水させるようにするものでは、いずれも乗員に危害を与えることなく目標船舶4を停船させようとするものであるが、目標船舶4から目視やレーダーで容易に回避されるおそれがあるという問題がある。又、特許文献1に記載されたものでは、目標船舶4をネット2で確実に捕獲するためには、目標船舶4に或る程度接近する必要があり、目標船舶4から攻撃を受けるおそれもある。特許文献2、特許文献3に記載のものでは、航空機からパラシュートを用いて投下させるものであるため、目標船舶4の近くに着水させるまでに時間がかかり、目標船舶4が高速船の場合、容易に逃げられてしまうというおそれがある。
【0009】
又、特許文献4に記載されているものは、水中航走体13を潜水艦から発射させて目標船舶4の下へ入り込ませてから、ネット等の捕獲部材16を発射するものであるため、それまでに発見され易く、容易に回避される問題がある。
【0010】
更に、特許文献5に記載されたものは、妨害部としてのロープ18を妨害態勢から解除できるようにして、煩雑な回収作業を行う必要をなくしたものであるが、目標船舶4を追跡して停船させるようにしたものではない。
【0011】
そこで、本発明は、乗員に危害を与えることなく水上船舶を停船させる場合に、より確実に水上船舶を停船させることができるようにしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決するために、無人飛行船を目標とする水上船舶に接近させた後、該無人飛行船を破裂させて膜状にして降下させ、水上船舶を覆って停船させるようにする水上船舶の停船方法及び装置とする。
【0013】
又、無人飛行船の機体自体を柔軟な素材で製作して、破裂すると機体そのものが膜状になるようにして、水上船舶を覆うことができるようにした構成とする。
【0014】
更に、無人飛行船に装備させる破裂機構を、ガス急速放出装置あるいは大口径バルブ構造とするようにする。
【0015】
更に、上記無人飛行船に引掛金具を取り付けて、膜状になって水上船舶を覆うとき、引掛金具が水上船舶側に引掛かるようにする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の水上船舶の停船方法及び装置によれば、次の如き優れた効果を発揮する。
(1)無人飛行船を飛ばして目標の水上船舶に接近させ、その後、無人飛行船を破裂させて膜状にして水上船舶を覆うようにするので、膜状になって覆い被さった無人飛行船そのもので水上船舶の視界を遮り、航路の維持や武器の使用ができないようにすることができる。又、水上船舶を覆った無人飛行船により水上船舶を減速させることができる。
(2)上記(1)により水上船舶の乗員に危害を加えることなく、確実に停船させることが可能となる。
(3)無人飛行船は柔軟な素材よりなる機体からなっているので、機体を破裂させることにより、機体そのものを膜にして確実に水上船舶を包み込むことができる。
(4)破裂機構をガス急速放出装置又は大口径バルブとすることにより、機体内のガスを直ちに放出することができて、機体を素早く膜状にできる。
(5)無人飛行船に引掛金具を装備させておくことにより、無人飛行船を破裂させて膜状にして水上船舶を覆うようにするとき、引掛金具が水上船舶側の固定物に引掛かることにより、無人飛行船を水上船舶から離れにくいようにすることができて、より確実に水上船舶を覆うようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1(イ)(ロ)(ハ)、図2は本発明の実施の一形態を示すもので、無線操縦されるようにした軟式構造の無人飛行船19を用い、該無人飛行船19を水上船舶としての目標船舶4に接近させ、該目標船舶4の船首部を覆って目標船舶4を包み込むようにして停船させるようにする。
【0019】
詳述すると、本発明で用いる無人飛行船19は、図1(イ)(ロ)(ハ)、図2に示す如く、目標船舶4よりも少し大きい機体20を有し、該機体20は、その内部にたとえば、ヘリウムの如き浮揚性ガス21を充填すると膨張して浮上することができ、且つ内部の浮揚性ガス21を放出させると収縮して膜状に変形することができるようにしてあり、そのために、薄くて軽くて柔軟な素材で製作された中空形状としてある。又、該機体20には、後端部に方向安定板と方向舵22を備え、又、前後両側部の下部位置に、飛行時の姿勢調整のための前部空気房23と後部空気房24を設けると共に、上部の所要位置に、内部の浮揚性ガス21を瞬時に放出させるようにするための破裂機構としてガス急速放出装置25を設けた構成としてあり、該ガス急速放出装置25を遠隔操作で作動させてガスを放出させることにより、機体20を破裂させて膜状に変形させて降下させるようにしてある。
【0020】
更に、上記構成としてある機体20の下面に、金属製の如き剛性のある素材で作られた無人の操縦室26を設置し、該無人操縦室26には、エンジン27、無線操縦装置28のほかに図示していない燃料タンク、無線カメラ等を搭載してあり、エンジン27に連結されている前側プロペラ用と後側プロペラ用のプロペラシャフト29に推進装置としての二重反転プロペラ30を取り付け、無線操縦装置28により制御されるエンジン27により二重反転プロペラ30を回転させることにより、無人飛行船19が、高速飛行、たとえば、約130km/h以上で飛行できるようにする。
【0021】
上記無人飛行船19のガス急速放出装置25は、機体20の一部を破断させたり切断させることにより内部のガス21を放出させて瞬時に収縮させて降下させるようにするもので、図3及び図4に示す如き方式とする。
【0022】
図3は爆破方式を示すもので、ガス急速放出装置25を設ける所定位置の機体20の一部に、たとえば、楕円形状に火薬線31を配置して、該火薬線31の一部に着火装置32を設置し、無線で着火装置32を作動させて火薬線31に着火させることにより、該火薬線31に沿い破裂しガス放出用開口33を形成させ、ガス21を一気に放出させるようにしたものである。
【0023】
又、図4は電熱方式を示すもので、図3の場合と同様に機体20の一部に、電熱線34をクロスさせて配置して、該電熱線34の交点の部分に制御装置35を設置し、無線操縦装置28からの指令で制御装置35により電熱線34に通電して機体20の一部を切断しガス放出用開口36を形成させてガス21を一気に放出させるようにしたものである。
【0024】
本発明で用いる無人飛行船19は、上記のような構成としてあり、通常時は機体20の内部に浮揚性ガス21を注入し、充分な浮力を有するようにしておく。又、非使用時は、各地の港湾等の建屋内に格納された状態にしてある。
【0025】
不審船が発見されて通報がなされると、不審船の発見場所に比較的近い港湾の建屋に格納されて保管されている無人飛行船19を無線操縦により制御させて離陸させ、目標船舶4の方向へ飛行させるようにする。無人飛行船19に装備されている無線操縦装置28は遠隔操作させるが、無線信号の伝達がより確実に行えて無人飛行船19を確実に目標船舶4の至近距離まで導くようにするため、ヘリコプターや船舶を利用するようにする。
【0026】
ヘリコプターを利用する場合は、図5に示す如く、ヘリコプター37に搭乗した操作員が遠隔操作で無人飛行船19を無線操縦するようにする。そのために、ヘリコプター37を無人飛行船19から少し離れたところを飛行させながら無人飛行船19を無線操縦して目標船舶4に接近させるようにする。
【0027】
目標船舶4の航行速度は、高速船であっても最大で60ノット(約110km/h)と考えられるのに対し、無人飛行船19の飛行速度は70ノット(約130km/h)以上とするようにしてあるので、目標船舶4に接近することができる。この際、万一、目標船舶4の乗員が無人飛行船19に気付いて進路を変更しようとしても、無人飛行船19は自在に方向を変えることができるので、目標船舶4を追跡することができる。
【0028】
一方、船舶を利用する場合は、図6に示す如く、多数の船舶38a,38b,38cに乗船している操作者にそれぞれ遠隔操作装置を持たせておき、目標船舶4に遠い位置にある船舶38aから順に無人飛行船19を無線操縦して誘導させ、無人飛行船19が徐々に目標船舶4に近付いて来るに従い、遠隔操作する船舶38a,38b,38cを、38aから38bへ、更に38bから38cへリレーさせるようにする。このようにして無人飛行船19を遠距離からでも複数の船舶38a,38b,38cによる遠隔操作をリレーさせることにより目標船舶4に接近させ、追跡させることができる。
【0029】
上記のようにヘリコプター37による誘導や、複数の船舶38a,38b,38cによる誘導で無人飛行船19を目標船舶4の至近距離まで接近させると、図1(イ)の如く、目標船舶4よりも進行方向の前方へ出たときに破裂機構としてのガス急速放出装置25を作動させて機体20を破裂させるようにする。ガス急速放出装置25は、機体20の上部の複数個所にあり、これらの各ガス急速放出装置25が同時に且つ瞬時に図3、図4のように破裂するので、無人飛行船19は、図1(ロ)に示す如く、機体20が収縮して膜状になり、且つ無人操縦室26の重量が加わることにより急降下し、膜状になった機体20により図1(ハ)に示す如く目標船舶4を船首部から包み込むことができる。
【0030】
上記膜状になった無人飛行船19の機体20は、予め、目標船舶4よりも大きくしてあるため、機体20が膜状になって目標船舶4に覆い被さると、目標船舶4は航行時の空気抵抗、水中抵抗が増大して減速させられ、又、機体20で包み込まれることにより視界を遮られ、航路維持あるいは武器の使用ができなくなる。これにより乗員に危害を加えることなく目標船舶4を停船させることができる。
【0031】
上記において、無人飛行船19を、ガス急速放出装置25の破裂により急速降下させて、目標船舶4に衝突させる際、無人操縦室26の部分を除いて機体20は柔軟な素材で製作されているため、目標船舶4を破壊させるおそれはなく、又、無人操縦室26の部分が船首部よりも前側に落下するようになれば、該無人操縦室26が船首部に引掛かることによって、より確実に機体20が目標船舶4から離れることなく該目標船舶4を包み込むことができるようになる。
【0032】
次に、図7(イ)(ロ)は本発明の実施の他の形態を示すもので、図2に示した無人飛行船19と同様な構成としてある無人飛行船19の機体20の下側における外表面所要個所に、引掛金具39の取付部40を設け、該各取付部40に、たとえば、図7(ロ)に示す如くフック形状とした引掛金具39を取り付けて吊り下げておくようにしたものである。
【0033】
この実施の形態によれば、前記した実施の形態と同様に目標船舶4の至近距離から降下して該目標船舶4を包み込むことができるほかに、該目標船舶4を包み込むとき、同時に吊り下げられた引掛金具39が目標船舶4の上甲板上の機材や手摺り等に引掛かることにより、機体20を目標船舶4に、より確実に絡らみつかせることが可能となる。又、機体20が膜状になって目標船舶4を包み込むときに、機体20が真上から目標船舶4に被せられることなく、左右に多少ずれたとしても、上記引掛金具39が目標船舶4の何かに引掛けることができて、目標船舶4からずれて落ちるようなことを防止することが可能となる。
【0034】
なお、本発明は、上記実施の形態のみに限定されるものではなく、たとえば、ガス急速放出装置25は複数個所に設けた場合を説明したが、1個所でもよいこと、又、ガス急速放出装置25として、破裂させる形式に代えて、大口径のバルブを設け、該バルブを開放させるようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の一形態を示すもので、(イ)は無人飛行船を目標船舶に接近させた状態図、(ロ)は無人飛行船の機体を膜状にして目標船舶に衝突させた状態図、(ハ)は機体で目標船舶を包み込んだ状態図である。
【図2】本発明の実施の一形態における無人飛行船の概略図である。
【図3】図2に示すガス急速放出装置を破裂させる状態の一例を示す概略図である。
【図4】図2に示すガス急速放出装置を破裂させる状態の他の例を示す概略図である。
【図5】本発明における無人飛行船を誘導する一例を示す概要図である。
【図6】本発明における無人飛行船を誘導する他の例を示す概要図である。
【図7】本発明の実施の他の形態を示すもので、(イ)は図2に対応する図、(ロ)は引掛金具の拡大図である。
【図8】従来の船舶を停船させる方法の一例を示す図である。
【図9】従来の船舶を停船させる方法の他の例を示す図である。
【図10】従来の船舶を停船させる方法の別の例を示す図である。
【図11】従来の船舶を停船させる方法の更に他の例を示す図である。
【図12】従来の船舶を停船させる方法の更に別の例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
4 目標船舶(水上船舶)
19 無人飛行船
20 機体
21 浮揚性ガス
25 ガス急速放出装置(破裂機構)
26 無人操縦室
31 火薬線
33 ガス放出用開口
34 電熱線
36 ガス放出用開口
39 引掛金具
【技術分野】
【0001】
本発明は、水上船舶を航行できないように強制的に停船させるようにする水上船舶の停船方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、我国の領海内に侵入する密漁船や不審船は後を絶たない。これらの不審船に対しては停船の呼びかけを行っているが、停船に応じない場合が多く、中には、威嚇射撃等の警告を発しても停船しないで逃走するものがある。このような停船させるための警告を無視しても停船しない不審船を何等かの手段で停船させることが必要である。その一手段として、確実に停船させるために射撃・爆撃を加えることにより目標船舶の航行機能を奪うようにすることがあるが、乗員に危害を与えるか、あるいは目標船舶を撃沈させる可能性もある。そのため、近年では、できるだけ乗員に危害を加えないで停船させるようにすることが望まれている。
【0003】
従来、このような密漁船や不審船などの水上船舶を乗員に危害を加えずに停船させる方法としては、種々のものが提案されている。その中には、高速で移動する水上船舶を停止させる方法として、追跡する船舶や航空機等からネットやロープなどを目標船舶の進路上に投下してスクリューや舵に絡ませて停船させるようにする方法が知られている。たとえば、追跡する船舶から放出したネットで目標船舶を包み込み停船させようとするものとして、図8に示す如く、追跡する船舶1にネット2で繋がれている2基のロケット3を搭載し、目標船舶4より少し大きめのネット2が目標船舶4上で広げられるように上記ロケット3を発射させて、広げられたネット2で目標船舶4を包み込むようにすると共に、該ネット2の一部を該目標船舶4のスクリュー等に絡ませて目標船舶4を停止させようとするものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
又、航空機を利用するものとしては、図9に示す如く、浮力を有する所要長さのロープ5の一端をコンテナ6に接続すると共に、他端をパラシュート7に接続して、上記コンテナ6内に上記ロープ5とパラシュート7を収納した状態で航空機8により目標船舶4の進行方向の前方位置へ上記コンテナ6を投下させ、この投下中にパラシュート7が開くことによりコンテナ6から引き出されるロープ5を目標船舶4の前方へ着水させて海面上に浮かせ、該ロープ5を上記目標船舶4のスクリュー等に絡ませて停止させようとするものが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。又、同様な考え方として、図10(イ)(ロ)(ハ)に示す如く、パラシュート12の吊索に結着した複数のロープ10の他端部にそれぞれ飛翔体9aを連結し、該複数個の飛翔体9aを集合して円筒状のウェイト9を形成し、更に、ウェイト9の中央部に、海面着水検出センサ11を収納しておくようにしたものを、航空機より目標船舶4に対して投下させるようにしてある。投下によりウェイト9が重力で落下し、パラシュート12が開いてロープ10が伸びた状態になり、海面着水検出センサ11が着水して信号を発することからウェイト9の各飛翔体9aが四方へ飛散放出されるようにしてある。これによりロープ10は展張させられて、そのまま着水して浮上し、このロープ10が目標船舶4のスクリューに絡み、停船させるようにしたものが提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
【0005】
更に、潜水により水中を航送して目標船舶4に近づきネット等を発射するものも提案されている。図11に示す如く、上部にネット発射装置14を有する水中航走体13を、母船である潜水艦(図示せず)から発射されて、目標船舶4を追尾させ、目標船舶4のスクリュー15等の下方位置近傍まで近づき、上記ネット発射装置14よりネット等の捕獲部材16を該目標船舶4に向けて発射して、該ネット等の捕獲部材16を該目標船舶4のスクリュー15等に絡ませて停止させようとするものが提案されている(たとえば、特許文献4参照)。
【0006】
又、図12に示す如く、複数のブイ17をロープ18等に装着したものを目標船舶4の前方における水面近傍に浮遊させて展開しておき、上記ブイ17により浮遊された妨害部としてのロープ18等を上記目標船舶4のスクリューに絡ませて停止させようとするものが提案されている(たとえば、特許文献5参照)。
【0007】
【特許文献1】特表2003−522933号公報
【特許文献2】特開2001−349698号公報
【特許文献3】特開2000−292094号公報
【特許文献4】特開2001−50698号公報
【特許文献5】特開2002−53094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1に記載されている如き追跡する船舶1からネット2を放出させるものや、特許文献2、特許文献3に記載されている如き航空機から投下するロープを着水させるようにするものでは、いずれも乗員に危害を与えることなく目標船舶4を停船させようとするものであるが、目標船舶4から目視やレーダーで容易に回避されるおそれがあるという問題がある。又、特許文献1に記載されたものでは、目標船舶4をネット2で確実に捕獲するためには、目標船舶4に或る程度接近する必要があり、目標船舶4から攻撃を受けるおそれもある。特許文献2、特許文献3に記載のものでは、航空機からパラシュートを用いて投下させるものであるため、目標船舶4の近くに着水させるまでに時間がかかり、目標船舶4が高速船の場合、容易に逃げられてしまうというおそれがある。
【0009】
又、特許文献4に記載されているものは、水中航走体13を潜水艦から発射させて目標船舶4の下へ入り込ませてから、ネット等の捕獲部材16を発射するものであるため、それまでに発見され易く、容易に回避される問題がある。
【0010】
更に、特許文献5に記載されたものは、妨害部としてのロープ18を妨害態勢から解除できるようにして、煩雑な回収作業を行う必要をなくしたものであるが、目標船舶4を追跡して停船させるようにしたものではない。
【0011】
そこで、本発明は、乗員に危害を与えることなく水上船舶を停船させる場合に、より確実に水上船舶を停船させることができるようにしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決するために、無人飛行船を目標とする水上船舶に接近させた後、該無人飛行船を破裂させて膜状にして降下させ、水上船舶を覆って停船させるようにする水上船舶の停船方法及び装置とする。
【0013】
又、無人飛行船の機体自体を柔軟な素材で製作して、破裂すると機体そのものが膜状になるようにして、水上船舶を覆うことができるようにした構成とする。
【0014】
更に、無人飛行船に装備させる破裂機構を、ガス急速放出装置あるいは大口径バルブ構造とするようにする。
【0015】
更に、上記無人飛行船に引掛金具を取り付けて、膜状になって水上船舶を覆うとき、引掛金具が水上船舶側に引掛かるようにする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の水上船舶の停船方法及び装置によれば、次の如き優れた効果を発揮する。
(1)無人飛行船を飛ばして目標の水上船舶に接近させ、その後、無人飛行船を破裂させて膜状にして水上船舶を覆うようにするので、膜状になって覆い被さった無人飛行船そのもので水上船舶の視界を遮り、航路の維持や武器の使用ができないようにすることができる。又、水上船舶を覆った無人飛行船により水上船舶を減速させることができる。
(2)上記(1)により水上船舶の乗員に危害を加えることなく、確実に停船させることが可能となる。
(3)無人飛行船は柔軟な素材よりなる機体からなっているので、機体を破裂させることにより、機体そのものを膜にして確実に水上船舶を包み込むことができる。
(4)破裂機構をガス急速放出装置又は大口径バルブとすることにより、機体内のガスを直ちに放出することができて、機体を素早く膜状にできる。
(5)無人飛行船に引掛金具を装備させておくことにより、無人飛行船を破裂させて膜状にして水上船舶を覆うようにするとき、引掛金具が水上船舶側の固定物に引掛かることにより、無人飛行船を水上船舶から離れにくいようにすることができて、より確実に水上船舶を覆うようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1(イ)(ロ)(ハ)、図2は本発明の実施の一形態を示すもので、無線操縦されるようにした軟式構造の無人飛行船19を用い、該無人飛行船19を水上船舶としての目標船舶4に接近させ、該目標船舶4の船首部を覆って目標船舶4を包み込むようにして停船させるようにする。
【0019】
詳述すると、本発明で用いる無人飛行船19は、図1(イ)(ロ)(ハ)、図2に示す如く、目標船舶4よりも少し大きい機体20を有し、該機体20は、その内部にたとえば、ヘリウムの如き浮揚性ガス21を充填すると膨張して浮上することができ、且つ内部の浮揚性ガス21を放出させると収縮して膜状に変形することができるようにしてあり、そのために、薄くて軽くて柔軟な素材で製作された中空形状としてある。又、該機体20には、後端部に方向安定板と方向舵22を備え、又、前後両側部の下部位置に、飛行時の姿勢調整のための前部空気房23と後部空気房24を設けると共に、上部の所要位置に、内部の浮揚性ガス21を瞬時に放出させるようにするための破裂機構としてガス急速放出装置25を設けた構成としてあり、該ガス急速放出装置25を遠隔操作で作動させてガスを放出させることにより、機体20を破裂させて膜状に変形させて降下させるようにしてある。
【0020】
更に、上記構成としてある機体20の下面に、金属製の如き剛性のある素材で作られた無人の操縦室26を設置し、該無人操縦室26には、エンジン27、無線操縦装置28のほかに図示していない燃料タンク、無線カメラ等を搭載してあり、エンジン27に連結されている前側プロペラ用と後側プロペラ用のプロペラシャフト29に推進装置としての二重反転プロペラ30を取り付け、無線操縦装置28により制御されるエンジン27により二重反転プロペラ30を回転させることにより、無人飛行船19が、高速飛行、たとえば、約130km/h以上で飛行できるようにする。
【0021】
上記無人飛行船19のガス急速放出装置25は、機体20の一部を破断させたり切断させることにより内部のガス21を放出させて瞬時に収縮させて降下させるようにするもので、図3及び図4に示す如き方式とする。
【0022】
図3は爆破方式を示すもので、ガス急速放出装置25を設ける所定位置の機体20の一部に、たとえば、楕円形状に火薬線31を配置して、該火薬線31の一部に着火装置32を設置し、無線で着火装置32を作動させて火薬線31に着火させることにより、該火薬線31に沿い破裂しガス放出用開口33を形成させ、ガス21を一気に放出させるようにしたものである。
【0023】
又、図4は電熱方式を示すもので、図3の場合と同様に機体20の一部に、電熱線34をクロスさせて配置して、該電熱線34の交点の部分に制御装置35を設置し、無線操縦装置28からの指令で制御装置35により電熱線34に通電して機体20の一部を切断しガス放出用開口36を形成させてガス21を一気に放出させるようにしたものである。
【0024】
本発明で用いる無人飛行船19は、上記のような構成としてあり、通常時は機体20の内部に浮揚性ガス21を注入し、充分な浮力を有するようにしておく。又、非使用時は、各地の港湾等の建屋内に格納された状態にしてある。
【0025】
不審船が発見されて通報がなされると、不審船の発見場所に比較的近い港湾の建屋に格納されて保管されている無人飛行船19を無線操縦により制御させて離陸させ、目標船舶4の方向へ飛行させるようにする。無人飛行船19に装備されている無線操縦装置28は遠隔操作させるが、無線信号の伝達がより確実に行えて無人飛行船19を確実に目標船舶4の至近距離まで導くようにするため、ヘリコプターや船舶を利用するようにする。
【0026】
ヘリコプターを利用する場合は、図5に示す如く、ヘリコプター37に搭乗した操作員が遠隔操作で無人飛行船19を無線操縦するようにする。そのために、ヘリコプター37を無人飛行船19から少し離れたところを飛行させながら無人飛行船19を無線操縦して目標船舶4に接近させるようにする。
【0027】
目標船舶4の航行速度は、高速船であっても最大で60ノット(約110km/h)と考えられるのに対し、無人飛行船19の飛行速度は70ノット(約130km/h)以上とするようにしてあるので、目標船舶4に接近することができる。この際、万一、目標船舶4の乗員が無人飛行船19に気付いて進路を変更しようとしても、無人飛行船19は自在に方向を変えることができるので、目標船舶4を追跡することができる。
【0028】
一方、船舶を利用する場合は、図6に示す如く、多数の船舶38a,38b,38cに乗船している操作者にそれぞれ遠隔操作装置を持たせておき、目標船舶4に遠い位置にある船舶38aから順に無人飛行船19を無線操縦して誘導させ、無人飛行船19が徐々に目標船舶4に近付いて来るに従い、遠隔操作する船舶38a,38b,38cを、38aから38bへ、更に38bから38cへリレーさせるようにする。このようにして無人飛行船19を遠距離からでも複数の船舶38a,38b,38cによる遠隔操作をリレーさせることにより目標船舶4に接近させ、追跡させることができる。
【0029】
上記のようにヘリコプター37による誘導や、複数の船舶38a,38b,38cによる誘導で無人飛行船19を目標船舶4の至近距離まで接近させると、図1(イ)の如く、目標船舶4よりも進行方向の前方へ出たときに破裂機構としてのガス急速放出装置25を作動させて機体20を破裂させるようにする。ガス急速放出装置25は、機体20の上部の複数個所にあり、これらの各ガス急速放出装置25が同時に且つ瞬時に図3、図4のように破裂するので、無人飛行船19は、図1(ロ)に示す如く、機体20が収縮して膜状になり、且つ無人操縦室26の重量が加わることにより急降下し、膜状になった機体20により図1(ハ)に示す如く目標船舶4を船首部から包み込むことができる。
【0030】
上記膜状になった無人飛行船19の機体20は、予め、目標船舶4よりも大きくしてあるため、機体20が膜状になって目標船舶4に覆い被さると、目標船舶4は航行時の空気抵抗、水中抵抗が増大して減速させられ、又、機体20で包み込まれることにより視界を遮られ、航路維持あるいは武器の使用ができなくなる。これにより乗員に危害を加えることなく目標船舶4を停船させることができる。
【0031】
上記において、無人飛行船19を、ガス急速放出装置25の破裂により急速降下させて、目標船舶4に衝突させる際、無人操縦室26の部分を除いて機体20は柔軟な素材で製作されているため、目標船舶4を破壊させるおそれはなく、又、無人操縦室26の部分が船首部よりも前側に落下するようになれば、該無人操縦室26が船首部に引掛かることによって、より確実に機体20が目標船舶4から離れることなく該目標船舶4を包み込むことができるようになる。
【0032】
次に、図7(イ)(ロ)は本発明の実施の他の形態を示すもので、図2に示した無人飛行船19と同様な構成としてある無人飛行船19の機体20の下側における外表面所要個所に、引掛金具39の取付部40を設け、該各取付部40に、たとえば、図7(ロ)に示す如くフック形状とした引掛金具39を取り付けて吊り下げておくようにしたものである。
【0033】
この実施の形態によれば、前記した実施の形態と同様に目標船舶4の至近距離から降下して該目標船舶4を包み込むことができるほかに、該目標船舶4を包み込むとき、同時に吊り下げられた引掛金具39が目標船舶4の上甲板上の機材や手摺り等に引掛かることにより、機体20を目標船舶4に、より確実に絡らみつかせることが可能となる。又、機体20が膜状になって目標船舶4を包み込むときに、機体20が真上から目標船舶4に被せられることなく、左右に多少ずれたとしても、上記引掛金具39が目標船舶4の何かに引掛けることができて、目標船舶4からずれて落ちるようなことを防止することが可能となる。
【0034】
なお、本発明は、上記実施の形態のみに限定されるものではなく、たとえば、ガス急速放出装置25は複数個所に設けた場合を説明したが、1個所でもよいこと、又、ガス急速放出装置25として、破裂させる形式に代えて、大口径のバルブを設け、該バルブを開放させるようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の一形態を示すもので、(イ)は無人飛行船を目標船舶に接近させた状態図、(ロ)は無人飛行船の機体を膜状にして目標船舶に衝突させた状態図、(ハ)は機体で目標船舶を包み込んだ状態図である。
【図2】本発明の実施の一形態における無人飛行船の概略図である。
【図3】図2に示すガス急速放出装置を破裂させる状態の一例を示す概略図である。
【図4】図2に示すガス急速放出装置を破裂させる状態の他の例を示す概略図である。
【図5】本発明における無人飛行船を誘導する一例を示す概要図である。
【図6】本発明における無人飛行船を誘導する他の例を示す概要図である。
【図7】本発明の実施の他の形態を示すもので、(イ)は図2に対応する図、(ロ)は引掛金具の拡大図である。
【図8】従来の船舶を停船させる方法の一例を示す図である。
【図9】従来の船舶を停船させる方法の他の例を示す図である。
【図10】従来の船舶を停船させる方法の別の例を示す図である。
【図11】従来の船舶を停船させる方法の更に他の例を示す図である。
【図12】従来の船舶を停船させる方法の更に別の例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
4 目標船舶(水上船舶)
19 無人飛行船
20 機体
21 浮揚性ガス
25 ガス急速放出装置(破裂機構)
26 無人操縦室
31 火薬線
33 ガス放出用開口
34 電熱線
36 ガス放出用開口
39 引掛金具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人飛行船を目標とする水上船舶に接近させた後、該無人飛行船を破裂させて膜状にして降下させ、水上船舶を覆って停船させるようにすることを特徴とする水上船舶の停船方法。
【請求項2】
軟式構造として無線操縦されるようにした無人飛行船の一部に破裂機構を備え、且つ該破裂機構で破裂させた無人飛行船が膜状になるようにし、目標の水上船舶を膜状になった無人飛行船自体で覆って停船させることができるようにした構成を有することを特徴とする水上船舶の停船装置。
【請求項3】
軟式構造とした無人飛行船は、柔軟な素材よりなる機体を有してなり、該機体を破裂させて機体そのものが膜状になるようにした請求項2記載の水上船舶の停船装置。
【請求項4】
破裂機構を、ガス急速放出装置又は大口径バルブ構造とした請求項2又は3記載の水上船舶の停船装置。
【請求項5】
無人飛行船に引掛金具を備え、水上船舶を覆う際、引掛金具を水上船舶側に引掛けるようにした請求項2、3又は4記載の水上船舶の停船装置。
【請求項1】
無人飛行船を目標とする水上船舶に接近させた後、該無人飛行船を破裂させて膜状にして降下させ、水上船舶を覆って停船させるようにすることを特徴とする水上船舶の停船方法。
【請求項2】
軟式構造として無線操縦されるようにした無人飛行船の一部に破裂機構を備え、且つ該破裂機構で破裂させた無人飛行船が膜状になるようにし、目標の水上船舶を膜状になった無人飛行船自体で覆って停船させることができるようにした構成を有することを特徴とする水上船舶の停船装置。
【請求項3】
軟式構造とした無人飛行船は、柔軟な素材よりなる機体を有してなり、該機体を破裂させて機体そのものが膜状になるようにした請求項2記載の水上船舶の停船装置。
【請求項4】
破裂機構を、ガス急速放出装置又は大口径バルブ構造とした請求項2又は3記載の水上船舶の停船装置。
【請求項5】
無人飛行船に引掛金具を備え、水上船舶を覆う際、引掛金具を水上船舶側に引掛けるようにした請求項2、3又は4記載の水上船舶の停船装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−105532(P2006−105532A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−294887(P2004−294887)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(502422351)株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド (159)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(502422351)株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド (159)
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