説明

水処理装置

【課題】簡単な構成で強力な磁力線と広範囲の磁場を付与することができ、水などの流体に対し磁気処理を充分に且つ効果的に施すことが可能な水処理装置を提供する。
【解決手段】流入口5と流出口7を備えた内部中空状のケーシング3と、該ケーシング内に配設される4個の磁気発生部15と、複数個の通水孔24を備え、前記磁気発生部の流入口側上方位置に配設される支持板22とからなり、前記磁気発生部は、前記支持板と、ケーシング内底面10とにわたって立設固定される防水性筒体16と、該筒体内に組み込まれるガウス量の高い永久磁石21とで構成され、夫々の磁気発生部は、所定の間隙をもって隣設することで、該間隙が強力な磁力線を有すると共に広範囲の磁場を有する通水路25に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道水などの流体を磁気処理する水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、家庭用洗濯機は、水道の吐水口(給水部)と洗濯機のホース取付部(給水部取付け口)との間をホースで接続し、前記ホース取付け口を介して水道水を直接洗濯機の洗濯槽に流し込み、かつ衣服のしみ・汚れなどを落とすために、洗濯槽内に所定量の洗濯石鹸(洗剤)を投入するのが一般的である。
しかし、このように所定量の洗濯石鹸を使用することは汚染された排出水が排水され、水質汚染を招く原因ともなっている。そこで、本発明者は、洗濯時における洗濯石鹸の使用量を出来る限り少なく抑えても衣服のしみ・汚れなどが落ちないものかと考え、磁気処理した活性水の効能に着目した。すなわち、水道水などの流体に磁気処理を施すことによりその水の分子集団が細分化され、この細分化された分子集団が水道管内のスケールや藻などを剥離させ水道管内をスケールや藻のない綺麗な状態にできることが知られている。そこで本発明者は、このような磁気処理を施し、分子集団を細分化した磁気処理水(活性水)を衣服などの洗濯水として用いれば、その分子集団を細分化した磁気処理水が衣服の繊維間に容易に入り込み、こびり付いた汚れを浮き上がらせて綺麗に洗い落とすことが可能ではないかと考え鋭意研究・開発を行った。
【0003】
従来、磁気処理を施す家庭用の水処理装置として、例えば水道の蛇口の吐水パイプ(吐水口)外周に、複数個の永久磁石を巻き付けるようにして取り付けることにより、該吐水パイプ内に磁場を形成しようとしているものが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、永久磁石の磁力をそのまま効果的に水に作用させるためには、永久磁石の間に障害物を介在させないことが好ましい。すなわち、永久磁石の間に障害物が存在していると、障害物の外側で数千ガウスもあった磁力線も、障害物の内側では僅か数百ガウス程度に下がってしまい(例えば7000ガウスの磁力線も260ガウス程度に下がってしまう)、また水が通過する磁力線の接点も僅かしかないため磁力線も小さく、通過接点も狭いためである。
しかし、上述したような従来の水処理装置では、永久磁石の間に吐水パイプ(障害物)が介在しているため、永久磁石の磁力は吐水パイプで減ぜられてしまう。この場合、上述の理由により吐水パイプ内を流れる水全体に対して高い磁力を万遍無く均一に作用させることができないため、水全体に対する磁気処理を充分に且つ効果的に施すことができず、磁気処理した活性水の効能を活用し得なかった。
【特許文献1】特開2003−340459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術の有するこのような問題を解決するためになされており、その目的は、簡単な構成で強力な磁力線と広範囲の磁場を付与することができ、水などの流体に対し磁気処理を充分に且つ効果的に施すことが可能な水処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、第1の発明は、流入口と流出口を備えた内部中空状のケーシングと、該ケーシング内に配設される複数個の磁気発生部と、複数個の通水孔を備え、前記磁気発生部の流入口側上方位置に配設される支持板とからなり、前記磁気発生部は、前記支持板と、ケーシング内底面とにわたって立設固定される防水性筒体と、該筒体内に組み込まれるガウス量の高い永久磁石とで構成され、夫々の磁気発生部は、所定の間隙をもって隣設することで、該間隙が強力な磁力線を有すると共に広範囲の磁場を有する通水路に形成されていることを特徴とする水処理装置としたことである。
このような技術的手段によれば、強力な磁力線と広範囲の磁場が、水道水の通過するケーシング内に直接形成することができるため、水道水などの流体の水分子集団が細分化され効果的な磁気処理水を簡単かつ低コストで提供することができる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、永久磁石が、防水性筒体内に密閉して組み込まれるネオジウム磁石であることを特徴とする水処理装置としたことである。このような技術的手段によれば、ガウス量が高いが、水に弱い性質を有しているネオジウム磁石であっても、水中内で配設することができる。
【0008】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、永久磁石は複数個組み込まれ、夫々の永久磁石は同極同士を対向させて防水性筒体内に積層収容されていることを特徴とする水処理装置としたことである。このような技術的手段によれば、元々ガウス量の高い永久磁石が、同極同士を対向させて複数個積層させることで、さらにガウス量が高くなり、かつ多くの磁力線を各磁気発生装置間の間隙に形成することができる。
【0009】
第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、横方向に隣り合う磁気発生部の永久磁石が異極同士で対向していることを特徴とする水処理装置としたことである。このような技術的手段によれば、隣り合う磁気発生部間で多くの磁力線が形成される。
【0010】
第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、支持板は、夫々の磁気発生部の上端を固定して、該夫々の磁気発生部を所定位置に立設支持した際に、各通水孔には前記磁気発生部の一部が臨んだ状態で配設されると共に、該支持板と流入口との間には、流入口からケーシング内に流れ込んだ水を滞留させながら各通水孔に臨んでいる磁気発生部の一部に接触させつつ各磁気発生部間の通水路へと誘導する流入規制空間が設けられていることを特徴とする水処理装置としたことである。
このような技術的手段によれば、水道の吐水口から本発明の水処理装置内に流入した水道水は、前記支持板と流入口との間に形成される空間により流入規制空間が形成される。従って、水道水は、前記流入規制空間内に滞留しつつ、支持板の各通水孔から磁気発生部を配設した空間へと流れ込む。この時水道水は、通水孔から流れ込む際に、該通水孔に臨む夫々の磁気発生部に接触しながら各隣り合う磁気発生部間に形成されている高い磁力線を有し広範囲な磁場を有する空間(通水路)を通過する。
【0011】
第6の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、流入口側が給水部の吐水口に接続され、流出口側が洗濯機の給水部取付け口に接続されて配設されることを特徴とする水処理装置としたことである。
このような技術的手段によれば、本発明の水処理装置から洗濯機の洗濯槽内に流入した水道水は、水分子集団が細分化された磁気処理水(活性水)であるため、洗濯石鹸などの使用量を極めて微量に抑えたとしても、この磁気処理水の細分化された水分子が衣服の繊維間に容易に入り込み、こびり付いた汚れを浮き上がらせて綺麗に洗い落とすことができる。
また、本発明の水処理装置で磁気処理された水道水を洗濯槽内に供給することで、アトピーやアレルギーの要因となっている洗濯槽のカビや汚れをきれいに洗い落とすことができるため、別途洗濯槽の清掃を行わなくとも、購入当時と同様な衛生的で快適な洗濯槽を提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、強力な磁力線と広範囲の磁場が得られるため、水道水などの流体の水分子集団が細分化され効果的な磁気処理水を提供することができる。
本発明の構成によれば、低コストでかつコンパクトな仕様にできるため、家庭用の水処理装置として広く普及させることができ実用性のきわめて高いものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明水処理装置を実施するための最良の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施形態は、本発明水処理装置の一実施形態にすぎずなんら限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で適宜設計変更可能である
【0014】
図面は水道Aの吐水口(給水部)1と洗濯機Bの給水部取付口2との間に接続されて配設される本発明水処理装置の一実施形態について説明する。図1は水処理装置の縦断面図で、ケーシング3内に磁気発生部15を組み込んで構成されている。
【0015】
ケーシング3は、例えば磁性体からなる任意形状の中空筒体で、中空部4は筒体上端に開口した流入口5と、該筒体下端に開口した流出口7と連通している。流入口5の外周には水道Aの吐水口1に一端を連結した給水ホースCの他端を連結するための締め付け連結部材D(図9参照)を螺合するネジ部6が形成されている。また、流出口7の内周には、洗濯機Bの所定箇所に突設された給水部取付口2(図9参照)に螺合するネジ部8が形成されている。また、磁性体の材料としては、例えば400番系(403,405,410,430,434)のステンレス(SUS)を適用することができるが、特にステンレス430が好ましい。
ケーシング3の全体形状は特に限定されず本発明の範囲内で設計変更可能であり、例えば中空角筒体、中空球体など、あるいは内壁面に螺旋溝などの流水案内溝を形成し、流入口5から流れ込んできた水道水を、該案内溝を介して流すことで磁気処理時間を長くする構成を採用するなど任意である。
前記流出口7内周のネジ部8は、本実施形態では、ケーシング3内に別途取り付けられた底部構成部材9の内周に形成されるネジ部によって構成されている。
【0016】
前記底部構成部材9は、図1及び図5に示すように、前記ケーシング3の中空部4内径に密着可能な外径とした短尺円筒形状で、ケーシング3内に取り付けた時の内底面10となる頂面の略中心位置には通水孔(第2通水孔)11が形成され、そして該第2通水孔11を囲む周囲には後述する磁気発生部15を立設固定する複数個(本実施形態では4個)の取付凹部12が形成されている。そして、この内底面10の裏側には前記第2通水孔11よりも大径な流出口7が形成され、該流出口7の内周にネジ部8が形成されている。
前記取付凹部12は、本実施形態では、図5に示すように、前記第2通水孔11と同心円で大径の仮想円の円周上に4箇所形成され、夫々等間隔(90°毎)で位置している。
図中13は、ケーシング3内周と底部構成部材9外周との間に周設されたパッキンで、また14は底部構成部材9の内周のネジ部8上方に周設されたパッキンを示す。
【0017】
なお、本実施形態では締め付け連結部材Dを流入口5の外周に螺合するタイプであるため流入口5の外周にネジ部6を形成しているが、流入口5の内周に螺合するタイプの場合にあっては、流入口5の内周にネジ部6を形成し、また前記給水部取付口2の内周に螺合するタイプの場合には、流出口7の外周にネジ部8を形成するものとする。
【0018】
磁気発生部15は、ケーシング3の中空部4に対して小径の防水性筒体16と、該筒体16内に組み込まれるガウス量の高い永久磁石21とで構成されており、本実施形態では前記ケーシング内底面10の各取付凹部12と支持板22とにわたって4本立設固定される。
4本の磁気発生部15は、所定の間隙をもって隣設することで、該間隙が強力な磁力線を有すると共に広範囲の磁場を有する通水路25に形成されている
【0019】
前記防水性筒体16は、上端に位置決め兼用固定突起17を突設した中空円筒体で、下端側開口18にキャップ19を嵌合させて、中空内部を密閉している。このキャップ19は、前記位置決め兼用固定突起17と同軸で下端側の位置決め兼用固定突起20を設けている。
また、防水性筒体16の材料は、永久磁石21を防水できるものであれば任意の材料(例えば、樹脂、ゴムなど)を適用することが可能であるが、永久磁石21の磁力を減ずることの無い非磁性体で形成することが望ましい。
防水性筒体16は、永久磁石21の形状にもよるが、例えば、角筒形状・螺旋筒形状など特にその形状に限定はされず本発明の範囲内で任意の形状が選択可能である。
隣り合う防水性筒体16の形状を異にする形態であってもよい。
また、隣り合う防水性筒体16間に形成される通水路25の幅Wを小さくすれば、該通水路25を流れる水道水に対する磁気処理効果を向上させることができるが、あまり小さくすると水道水の流動効率が低下してしまうため、適宜最適な幅を選択する。
【0020】
永久磁石21は、例えば本実施形態では、ガウス量の高い短尺円柱状の永久磁石が、前記防水性筒体16の中空内部に5個積層されている。なお、永久磁石21の形状・厚みなども任意で本発明の範囲内で設計変更可能である。
永久磁石21の一例としては、例えばネオジウム磁石を適用することが好ましい。ネオジウム磁石は、市販されている永久磁石の中では最も強力な磁石であり、その磁力は、通常のフェライト磁石の10倍以上、アルニコ磁石の6〜7倍である。この結果、ネオジウム磁石を用いた本実施形態の磁気発生部15では、略7000ガウス程度の強力な磁力を発生させることが可能となる。ただし、ネオジウム磁石は水に弱いため、本実施形態では密閉される防水性筒体16内に収納されるものとしている。
またネオジウム磁石は、熱にも弱く、一定の温度を超過すると磁力が低下する場合がある。そのような場合を考慮すると、耐熱ネオジウム磁石を適用しても良い。
本実施形態では、図7に示すように、一本中に収容されている各永久磁石21が夫々異極(SとN)同士を対向させて積層させる構成とし、そして隣り合う各磁気発生部15同士の水平方向で対向する永久磁石21も異極(SとN)同士である。また、この場合、隣り合う各磁気発生部15同士で対向する永久磁石21は、同極(SとS、NとN)同士が対向するように配列されているものであっても良い。
【0021】
支持板22は、前記各磁気発生部15の上端の位置決め兼用固定突起17を夫々位置決め固定する各位置決め固定孔23と、複数個の通水孔(第1通水孔)24とを備えた円盤状に形成され、前記磁気発生部15の流入口5側上方位置に配設される。
前記位置決め固定孔23は、例えば図6に示すように、支持板22の中心を始点として描かれる仮想円の円周上に4箇所形成され、夫々等間隔(90°毎)で位置している。すなわち、本実施形態では、支持板22の各位置決め固定孔23と、底部構成部材9の各取付凹部12とは、夫々同軸上に位置するように設計されている。
そして、第1通水孔24は、本実施形態では、4個の大径状の通水孔(第1大径通水孔)24aと、4個の小径状の通水孔(第1小径通水孔)24bとを備えている。
【0022】
第1大径通水孔24aは、図6に示すように、P.C.D.(Pitch Circle Diameter ピッチ円直径ともいう)が、前記位置決め固定孔23のP.C.D.よりも支持板22外径寄りで、各位置決め固定孔23の間に設けられている。
第1小径通水孔24bは、前記位置決め固定孔23・第1大径通水孔24aよりも支持板22中心寄りに、前記位置決め固定孔23・第1大径通水孔24aと同心円で設けられている。また、本実施形態では、この第1小径通水孔24bが前記位置決め固定孔23と同一線上にくるように設けられ、第1大径通水孔24aとは位相が略45°程ずれている構成を採用している。
【0023】
さらに本実施形態では、図1及び図2に示すように、隣接する位置決め固定孔23と第1大径通水孔24a・第1小径通水孔24bの間隔は、磁気発生部15の防水性筒体16が第1大径通水孔24aと第1小径通水孔24bから臨むように設計されると共に、該支持板22と流入口5との間には、流入口5からケーシング3内に流れ込んだ水を滞留させながら各通水孔24a,24bに臨んでいる磁気発生部15の一部に接触させつつ各磁気発生部15間の通水路25へと誘導する流入規制空間26が設けられている。
このような構成とした結果、流入口5から流入した水は、前記流入規制空間26に滞留しつつ、各通水孔24a,24bから順次磁気発生部15方向へと流入する際に、磁気発生部15に触れながら流入されるため、磁気処理効率に優れている。
また、本実施形態では、支持板22は、図1に示すように、中央部が盛り上がった湾曲状に形成されており、このような構成とした結果、流入口5から流入規制空間26に流入した水は、該支持板22の傾斜に沿って外側に位置する第1大径通水孔24aへも案内されやすい。
【0024】
なお、本実施形態以外の永久磁石としては、例えば、フェライト磁石(Baフェライト、Srフェライト)、アルニコ磁石、サマリウム系磁石を適用することができる。このようなネオジウム磁石以外を使用する場合には、図8のように構成するのが望ましい。
ネオジウム磁石以外の磁石を使用する場合の一例を説明すると、本実施形態では、図8に示すように、ヨーク材(ステンレス板などの磁性体)27を永久磁石21間に介在して同極同士が対向するように配列されている。このように、ヨーク材27を介して永久磁石21の同極(N極)同士を対向させることにより、ガウス量が大きくなり、強力な磁力線が発生するため好ましい。
また、本実施形態では、隣り合う磁気発生部の永久磁石は、S極同士が対向するように積層配列されており、さらに水平方向で隣り合う永久磁石は異極(S極とN極)同士が対向している。
【0025】
また、永久磁石21の個数や配列は、図7又は図8に示された枚数や配列に限定されることは無く、使用目的や使用環境に応じて任意の枚数や配列にすることができることは言うまでも無い。例えば、永久磁石21間にヨーク材27を介在させる形態の場合、一部の永久磁石21のみ同極同士対向させ、他の永久磁石21は異極同士対向させる配列形態を採用することも本発明の範囲内であり適宜設計変更可能である。
なお、前記本実施形態の磁気発生部15と共に、前記ケーシング3内面に所定の永久磁石を貼設する構成を採用することも可能である。
【0026】
次に、例えば図9に示すように、水処理装置を水道Aの吐水口(給水部)1と洗濯機Bの給水部取付口2との間に接続して配設し、洗濯槽内に供給する水道水に磁気処理を施すプロセスについて説明する。
吐水口1を通って水処理装置内に取り込まれた水道水は、流入口5から流入規制空間26に導入された後、該流入規制空間26で滞留しながら、支持板22の複数の第1通水孔24を通って、4本の磁気発生部15間の通水路25に流れ込む。
そして、この時水道水は、第1通水孔24から流れ込む際に、該第1通水孔24に臨む夫々の磁気発生部15に接触しながら、該磁気発生部15間の通水路25に流れ込み、強力な磁力線を有すると共に広範囲の磁場を有する前記4本の磁気発生部15間で滞留しながら流動する間に磁力作用を受けることにより磁気処理が施される。
【0027】
磁気処理とは、磁界の中で導体(水)が動くと導体に電流が流れる現象(電磁誘導現象)を利用した処理方法であり、水に磁気処理する際には、水が磁界(磁場)に対して直角に通過することが条件になる。これはフレミングの右手の法則により、磁界、電流、水流(力)が互いに直角に作用することで磁気処理が成立するからである。
そして、通水路25内を流動し磁気処理が施された水道水(磁気を帯びた水)は、第2通水孔11から流出口7を通って洗濯機Bの給水部取付口2に流れ込み、該給水部取付口2から洗濯槽内に供給される。
【0028】
このように本発明の水処理装置から洗濯機Bの洗濯槽内に流入した水道水は、水分子集団が細分化された磁気処理水(活性水)であるため、洗濯石鹸などの使用量を極めて微量に抑えたとしても、この磁気処理水の細分化された水分子が衣服の繊維間に容易に入り込み、こびり付いた汚れ・しみ等を浮き上がらせて綺麗に洗い落とすことができる。
また、上述の通り、洗濯石鹸等の排水量を減らすことができ、水質汚染を大幅に減らすこととなり自然環境保護に寄与する。また、洗濯石鹸が少ないということで濯ぎに用いられる水量も少なくて済み節水・節電効果も向上する。
このような磁気処理プロセスによれば、例えば錆やスケールといった障害の原因となり得る各種成分(例えば、カルシウムイオン、塩化物イオン、硫酸イオン、二酸化炭素など)の結晶構造が変化し、その結晶が大きくならない安定した平衡形になる。
また、本発明によれば、強力な磁力線により、アトピー・アレルギーの要因となっている洗濯槽のカビや汚れを落とし、衛生的で快適な洗濯槽を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係る水処理装置の縦断面図。
【図2】図1に記載の水処理装置の平面図。
【図3】図1に記載の水処理装置の底面図。
【図4】支持板の平面図。
【図5】底部構成部材の平面図。
【図6】支持板の平面図で、通水孔のP.C.D.と位置決め固定孔P.C.D.との関係を示す。
【図7】永久磁石の積層状態を示す概略斜視図。
【図8】永久磁石の他の積層状態を示す概略斜視図。
【図9】本発明水処理装置を水道の吐水口と洗濯機の給水部取付口との間に接続した使用状態を一部省略して示す概略図。
【符号の説明】
【0030】
3:ケーシング
4:中空部
5:流入口
7:流出口
10:内底面
15:磁気発生部
16:防水性筒体
21:永久磁石
22:支持板
24:通水孔(第1通水孔)
25:通水路
26:流入規制空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入口と流出口を備えた内部中空状のケーシングと、
該ケーシング内に配設される複数個の磁気発生部と、
複数個の通水孔を備え、前記磁気発生部の流入口側上方位置に配設される支持板とからなり、
前記磁気発生部は、前記支持板と、ケーシング内底面とにわたって立設固定される防水性筒体と、
該筒体内に組み込まれるガウス量の高い永久磁石とで構成され、
夫々の磁気発生部は、所定の間隙をもって隣設することで、該間隙が強力な磁力線を有すると共に広範囲の磁場を有する通水路に形成されていることを特徴とする水処理装置。
【請求項2】
永久磁石が、防水性筒体内に密閉して組み込まれるネオジウム磁石であることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
永久磁石は複数個組み込まれ、夫々の永久磁石は同極同士を対向させて防水性筒体内に積層収容されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水処理装置。
【請求項4】
横方向に隣り合う磁気発生部の永久磁石が異極同士で対向していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の水処理装置。
【請求項5】
支持板は、夫々の磁気発生部の上端を固定して、該夫々の磁気発生部を所定位置に立設支持した際に、各通水孔には前記磁気発生部の一部が臨んだ状態で配設されると共に、
該支持板と流入口との間には、流入口からケーシング内に流れ込んだ水を滞留させながら各通水孔に臨んでいる磁気発生部の一部に接触させつつ各磁気発生部間の通水路へと誘導する流入規制空間が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の水処理装置。
【請求項6】
流入口側が給水部の吐水口に接続され、流出口側が洗濯機の給水部取付け口に接続されて配設されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の水処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−823(P2006−823A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182857(P2004−182857)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(504186529)株式会社 日本磁化学研究所 (10)
【Fターム(参考)】