説明

水処理

水を浄化する、消毒するまたは殺菌するために水を処理するための組成物ならびに該組成物の使用方法であって、該組成物が活性酸素化合物と二酸化塩素(ClO)を発生させるための1つまたは複数の前駆体とを含み、該方法が活性酸素化合物とClOを発生させるための前駆体とを含む固体組成物と水を接触させる工程を含み、そして接触時に、少なくとも10グラムの該組成物が25℃の約3.8リットルの水に約60分未満で溶解することができ、それによって少なくとも約40ppmのClOを含有する溶液を生成することを特徴とする組成物および方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性酸素化合物と二酸化塩素を発生させる前駆体とを含む組成物を用いる水の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水の殺菌は塩素処理によって実施することができる。しかしながら、地表水が塩素処理された時、報告によれば発がん性であるクロロホルムなどのトリハロメタンが生成される。米国環境保護庁(EPA)によって設定された、10億当たり100部の最大トリハロメタン・レベルを超える都市用水システムは、代わりの殺菌システムに切り替えるように義務づけられる。
【0003】
二酸化塩素(ClO)は、プール、温泉、ならびに他のリクレーションおよび観賞用水などの水を処理するための抗菌剤および/または脱臭剤として使用することができるが、それは誤用された時に毒性であり得る。いかなる人間または動物暴露も安全なレベルに低く保つために高度の注意が払われなければならない。代替案として、制御された条件下にClOを発生させるために酸性化を用いて、金属亜塩素酸塩が用いられてもよい。
【0004】
例えば、(特許文献1)は、レドックス開始剤(ペルオキシ二硫酸塩またはシュウ酸など)の存在下に酸性水溶液中で亜塩素酸塩をペルオキシ一硫酸塩と反応させることによる酸素と混合されたClOの製造方法を開示している。塩化物塩、好ましくは塩化ナトリウム、および/または硫酸水素塩が低温で反応を加速するために添加されてもよい。該出願はまた、この反応を実施するためのキットであって、一組成物が亜塩素酸塩を含有し、第2の別個の組成物がレドックス開始剤と混合されたペルオキシ一硫酸塩を含有するキットを開示している。一実施形態では、2つの乾燥組成物は2つの別個の錠剤の形状にあってもよい。すべての実施例は、高温を有する水中への上の2つの組成物の別々の導入を示している。ClOと酸素との混合物を発生させるこの方法は、単一の容易に溶解できる組成物を提供しない。
【0005】
それ故、水への溶解時に短時間で脱臭および殺菌目的に好適な活性酸素と安全な濃度のClOとを含有する水溶液を生成する単一投与パッケージ形状が必要とされている。あらかじめ測定された、好ましい用量を提供することによる特殊な費用のかかるClO発生装置用の代替品であって、一貫して安定な取り扱いレベルで溶液にClOを供給するために、使いやすく、取り扱いおよび貯蔵に安全であり、不溶性物質を全く残さない代替品を有することが望ましい。さらに、ClO発生用の多量の亜塩素酸ナトリウムおよび酸を貯蔵する必要性をなくすことが望ましい。本発明は、ClOへの亜塩素酸ナトリウムの効率的な変換のためのかかる単一投与組成物を提供する。
【0006】
【特許文献1】国際公開第03/055797号パンフレット
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、a)活性酸素化合物と二酸化塩素を発生させるための1つまたは複数の前駆体とを含む固体組成物と水を接触させる工程と、b)前記組成物を約25℃の前記水に約60分未満で溶解させる工程と、(c)少なくとも約40ppmの二酸化塩素を含有する溶液を生成する工程とを含む水の処理方法を含む。好ましくは前記組成物は錠剤の形状にあり、前記水には、プール水、温泉水、またはリクレーションおよび観賞用水が含まれ、前記リクレーションおよび観賞用水には、泉水、反射池水、または観賞用池水が含まれる。
【0008】
本発明はまた、活性酸素化合物と二酸化塩素を発生させるための1つまたは複数の前駆体とを含む組成物であって、約25℃の水に約60分未満で溶解し、少なくとも約40ppmの二酸化塩素を含有する溶液を生成する組成物を含む。
【0009】
本発明はまた、重量で
a)約20%〜約90%の硫黄含有オキシ酸、
b)約3%〜約25%の可溶性の亜塩素酸塩、
c)約3%〜約12%のアルカリ金属ハロゲン化物もしくはアルカリ土類金属ハロゲン化物、またはそれらの混合物、
d)約0.001〜約37%の充填剤、
e)約0.001〜約5%の炭水化物、および
f)任意選択的に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、もしくはそれらの混合物;バインダー;滑剤;パンチ面抗粘着剤(punch face anti−adherent);香気増強剤(fragrance enhancer);該オキシ酸以外の酸;またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み;
ただし、前記アルカリ金属ハロゲン化物、前記アルカリ土類金属ハロゲン化物、前記アルカリ金属炭酸塩、前記アルカリ土類金属炭酸塩、前記アルカリ金属炭酸水素塩、前記アルカリ土類金属炭酸水素塩、または前記アルカリ土類炭酸水素塩のカチオンが水中1%未満の溶解度の硫酸塩を形成しない組成物を含む。
【0010】
本発明は、a)活性酸素化合物と二酸化塩素を発生させるための1つまたは複数の前駆体とを含む組成物と水を接触させる工程と、b)前記固体組成物を約25℃の前記水に約60分未満で溶解させる工程と、c)少なくとも約40ppmの二酸化塩素を含有する溶液を生成する工程とを含む水の消毒または殺菌方法をさらに含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
商標は本明細書では大文字化によって示される。用語「錠剤」は本明細書で用いるところでは、ブリケット、ディスク、ブロックまたはユニットなどの様々な物理的形状の、通常圧縮された、成形された、または押し出された固体材料のコンパクトな塊を意味する。錠剤は、取り扱い中の破損に耐えるのに十分な硬度を有することで特徴づけられる。
【0012】
用語「ppm」は本明細書で用いるところではグラム当たりのマイクログラム(μg/g)を意味する。
【0013】
用語「微生物」は本明細書で用いるところでは任意の非細胞または単細胞(群体を含む)生物を意味する。微生物にはすべての原核生物が含まれる。微生物には、細菌(シアノバクテリアおよびマイコバクテリアをはじめとする)、苔癬、真菌類、糸状菌、原生動物、ビリノ、ウイロイド、ウイルス、およびある藻類が含まれる。本明細書で用いるところでは、用語「病原菌」は微生物と同義語である。
【0014】
用語「抗菌剤」は本明細書で用いるところでは、微生物の増殖を抑えるだけでなく、微生物を滅ぼすまたは無能にする試剤を意味する。
【0015】
用語「消毒剤」は本明細書で用いるところでは、抗菌活性を提供する試剤を意味する。US EPA標準は30秒に細菌の5−log殺生を要求している。
【0016】
用語「殺菌剤」は本明細書で用いるところでは、抗菌活性を提供する試剤を意味する。US EPA標準は10分に特定病原菌の3log殺生を要求している。これらの病原菌は黄色ブドウ球菌(S.aureus)、緑膿菌(P.aeruginosa)および豚コレラ菌(S.choleraesuis)である。
【0017】
本発明は組成物および水の処理方法に関する。本組成物は活性酸素化合物と1つまたは複数の二酸化塩素発生化合物とを含む。本方法は、水を該組成物と接触させる工程と、前記組成物を溶解させる工程と、溶液中に少なくとも40ppmの二酸化塩素を発生させる工程とを含む。少なくとも10g、または50g、またはさらに100gの組成物が約15〜約50℃の、好ましくは約20〜約45℃の、より好ましくは約25℃の水で、約60分以下の時間で少なくとも約3.8リットルの水に溶解されて活性酸素化合物と二酸化塩素とを含有する溶液を生成する。好ましくは、本組成物は約50分以下の時間で、より好ましくは約30分以下の時間で、さらにより好ましくは約25分以下の時間で溶解される。生成される二酸化塩素の濃度は約40ppm以上である。好ましくは少なくとも約50ppm、より好ましくは少なくとも約75ppm、より好ましくは少なくとも約100ppmの二酸化塩素が発生させられる。最適な組成物および錠剤化条件を用いると、20分のまたはそれより短い溶解時間を達成することができ、少なくとも50ppmの濃度で溶液中に二酸化塩素を発生させる。
【0018】
いかなる水も処理することができるが、本方法は好ましくは、プール、温泉、ならびに例えば泉、反射プール、および観賞用池をはじめとする他のリクレーションおよび観賞用水を処理するために用いられる。
【0019】
本発明の方法で使用される組成物は、例えば、粉末、ゲル、錠剤、またはそれらの2つ以上の組み合わせなどの任意の物理的形状におよび任意の形にあることができる。例えば、容易に溶解できる錠剤は、水の汎用滅菌剤および脱臭剤としての使用のための二酸化塩素と活性酸素との水溶液を生成するために簡単に使用される。本組成物は、活性酸素化合物と二酸化塩素を発生させるための1つまたは複数の(少なくとも1つの)前駆体とを含み、ここで、前記組成物は約25℃の水に約60分未満で溶解し、少なくとも約40ppmの二酸化塩素を含有する溶液を生成する。本発明の組成物は、すべての原料または成分が水溶性であり、その結果不溶性残渣が殺菌された表面上に全く残らないという利点を有する。
【0020】
好適な活性酸素化合物は、活性酸素の源を提供するものであり、そしてまた消毒作用の源を提供するかもしれない。ペルオキシ硫酸およびそれらの塩などの硫黄含有オキシ酸が好ましい。例には、ペルオキシ一硫酸およびペルオキシ二硫酸ならびにそれらの塩が挙げられる。二酸化塩素を発生させるための好適な前駆体には、可溶性の亜塩素酸塩、アルカリ金属塩またはアルカリ土類ハロゲン化物塩、および酸が含まれる。
【0021】
好ましくは本組成物は、百分率が合計100%になるという条件で、重量パーセントで、次の原料
a)約20%〜約90%の硫黄含有オキシ酸、
b)約3%〜約25%の可溶性の亜塩素酸塩、および
c)約3%〜約12%のアルカリ金属ハロゲン化物もしくはアルカリ土類金属ハロゲン化物、ただし、アルカリ金属ハロゲン化物もしくはアルカリ土類金属ハロゲン化物のカチオンが25℃水中1%未満の溶解度の硫酸塩を形成しない、
d)約0.001〜約5%の炭水化物、例えば水溶性デンプンまたは変性デンプンなど、ならびに
e)約0.001〜約37%の充填剤、例えば、アルカリ金属(またはアルカリ土類金属)硫酸塩
を含む。
【0022】
任意選択的に、本組成物はまた、
f)組成物の約0.001〜約10重量%、または好ましくは0.1重量%〜約5重量%のアルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、またはアルカリ土類金属炭酸水素塩、ただし、金属炭酸塩または炭酸水素塩のカチオンが25℃水中1%未満の溶解度の硫酸塩を形成しない、
f)約0.001〜約15%の水溶性の錠剤バインダー、例えば糖アルコール、マルトデキストリンまたはコーンシロップ固形分など、
g)約0.001〜約5%の滑剤、例えば錠剤滑剤、好ましくは水溶性の錠剤滑剤など、
h)約0.001〜約5%のパンチ面抗粘着剤、好ましくは水溶性のパンチ面抗粘着剤、
i)約0.001〜約5%の香気増強剤、または
j)約0.001〜約20%のオキシ酸以外の酸
を含む。
【0023】
本組成物の主成分は、活性酸素を供給し、そしてまた可溶性の亜塩素酸塩と反応して二酸化塩素を発生させる硫黄含有オキシ酸(a)からなる。硫黄含有オキシ酸は、モノ過硫酸カリウムなどのアルカリモノ過硫酸塩および/またはジ過硫酸塩、または式2KHSO・KHSO・KSOによって近似的に表され、そしてオキソーン(OXONE)の商品名で、本願特許出願人から入手可能である、モノ過硫酸カリウム、硫酸水素カリウムおよび硫酸カリウムのトリプル塩を含む。それは、約20重量%〜約90重量%、または約20重量%〜約80重量%、または約20重量%〜約75重量%、または約23重量%の量で組成物中に存在する。
【0024】
本組成物はまた、水中でオキシ酸と反応して二酸化塩素を発生させることができる、可溶性の亜塩素酸塩(b)を含む。かかる可溶性の亜塩素酸塩の例には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩が挙げられる。より好ましくは、可溶性の亜塩素酸塩は亜塩素酸ナトリウムである。それは、約3重量%〜約25重量%、または好ましくは約3重量%〜約20重量%の量で組成物中に存在する。
【0025】
本組成物は、そのカチオンが25℃水中1%未満の溶解度の硫酸塩を形成しないという条件で、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物(c)をさらに含む。ハロゲン化物塩は好ましくは、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。より好ましくは、可溶性ハロゲン化物は塩化マグネシウムである。ハロゲン化物塩は、二酸化塩素の発生を加速するための触媒として働くことができる。塩化マグネシウムなどの、ある種のハロゲン化物塩が使用される時、それらはまた、それらの溶解熱のために局所加熱効果を提供することができ、従ってまた錠剤溶解および二酸化塩素発生を促進する。ハロゲン化物塩は、約3重量%〜約12重量%、または好ましくは約5重量%〜約10重量%、またはより好ましくは約8重量%の量で錠剤中に存在する。
【0026】
本組成物は約0.001〜約5重量%。または好ましくは約1重量%〜約3重量%、またはより好ましくは約1〜約2重量%の水溶性デンプンまたは変性デンプンなどの炭水化物(d)をさらに含む。トウモロコシ、小麦、大豆、米、ジャガイモ、またはセルロースに由来するデンプンをはじめとする任意の入手可能なかかるデンプンが使用されてもよい。デンプンは、水のための入口ポイントを提供することができ、そのため水への錠剤の溶解を助ける。
【0027】
本組成物は充填剤(e)をさらに含むことができる。約0.001〜約37重量%の範囲の、例えば、アルカリ金属(またはアルカリ土類金属)硫酸塩などの様々な充填剤が使用に好適である。硫酸カリウムおよび硫酸ナトリウムがかかる充填剤の例である。
【0028】
本組成物はまた任意選択的に、そのカチオンが約25℃の水で1%未満の溶解度の硫酸塩を形成しないという条件で、アルカリ金属炭酸塩もしくは炭酸水素塩またはアルカリ土類金属炭酸塩もしくは炭酸水素塩(g)をさらに含む。例には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸マグネシウム、およびそれらの2つ以上の組み合わせが挙げられる。好ましくは、それは炭酸水素ナトリウムである。それは、組成物の約0.001重量%〜約10重量%、または好ましくは約0.01重量%〜約10重量%、またはより好ましくは約0.1〜約10重量%の量で存在することができる。理論によって縛られることを意図しないが、溶液pHの調整でのその効果に加えて、炭酸塩または炭酸水素塩は水性酸媒体中で反応して二酸化炭素を発生させ、こうして組成物の溶解をさらに促進すると考えられる。
【0029】
本組成物は任意選択的に、水への錠剤溶解度を上げ、そして錠剤の硬度を上げるための錠剤化バインダーとして働くための、0.001〜約15%の水溶性錠剤バインダーなどのバインダー(g)を含む。任意の入手可能なかかるバインダーが使用されてもよい。糖アルコール、マルトデキストリンまたはコーンシロップ固形分などのバインダーが好ましい。好ましくは、バインダーは糖アルコールである。より好ましくは、糖アルコールはソルビトールである。錠剤バインダーは、約1重量%〜約10重量%、または好ましくは約4〜約5重量%の量で存在することができる。
【0030】
本組成物はまた任意選択的に、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、スクロースステアレートなどのステアレート、鉱油、およびシリコーン滑剤をはじめとする約0.001〜約5重量%の、例えば、錠剤滑剤(h)を含む。滑剤および圧縮助剤は、錠剤ダイからの錠剤などの固体の良好な剥離を確実にすることができ、当該技術分野でよく知られている。例えば、約1重量%〜約2重量%の量の水溶性ポリエチレングリコールを使用することができる。好ましくは、それは、ポリエチレングリコール180(ダウ・ケミカルズ、ミッドランド、ミシガン州(Dow Chemicals,Midland,Michigan)から入手可能な、PEG180)などの、約3000〜約10000、またはより好ましくは約3000〜約9000,またはより好ましくは約7000〜約9000の分子量を有する。滑剤はまた、錠剤化プロセス中に側壁に作用することもでき、それによって錠剤化装置でのメンテナンス問題を回避し、そして適切な錠剤剥離および錠剤完全性を保証するのを助ける。
【0031】
本組成物はまた任意選択的に約0.001〜約5重量%、または好ましくは1〜約2重量%のパンチ面抗粘着剤(i)を含有する。安息香酸ナトリウムなどの水溶性のパンチ面抗粘着剤が好ましい。これは、例えば、最上部および底部パンチ面潤滑を提供することによって錠剤化プロセスに役立つ。これは、錠剤化装置でのメンテナンス問題を回避するのを助け、適切な錠剤剥離および錠剤完全性を保証するのを助ける。
【0032】
本組成物はまた任意選択的に0.001〜約5重量%、または0.001〜約0.5重量%の香気増強剤(j)を含有する。任意の入手可能な香気増強剤、特に酸化剤の存在下で安定であるものが使用されてもよい。
【0033】
本組成物はまた任意選択的に、ClOの最適発生のため、必要に応じて、溶液pHを約2.5〜約5.0に調整するために、約0.001〜約20重量%の共酸(k)、オキシ酸以外の酸を含有する。共酸はアジピン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、クエン酸、酒石酸、硫酸水素ナトリウム、またはそれらの2つ以上の組み合わせであることができる。
【0034】
本組成物は、約15〜約50℃の温度の水に容易に溶解させることができる。例えば、スイミングプール水は様々な温度にあり得る。水に溶解するために特定の組成物に必要とされる時間は、例えば、組成物の物理的形状、サイズ、数、および形、その表面および内部硬度、その表面粗さまたはつや、その含水率、溶解水温度、水の量、撹拌の程度、ブレンド中の個々の成分の粒度およびブレンドの均一性などの因子に依存して変わるかもしれない。
【0035】
例えば、混合、混練、ブレンド化、ペレット化、錠剤化、または押出などの当業者に公知の任意の方法を用いて本組成物を製造することができる。錠剤化が例として本明細書に開示される。本組成物の製造方法は、周囲温度および圧力などの任意の好適な手段下に約1分〜約数時間実施される。例えば、錠剤化は、水に容易に溶解することができ、それでも包装および取り扱い中に破損を減らすのに十分な硬度を有する錠剤を製造するために用いることができ、かかる方法の詳細な説明は、簡潔さのために本明細書では省略される。例えば、成分を量り、凝集体(もしあれば)のサイズを減らすために篩にかけ、物理的に組み合わせ、そして例えばホバート(Hobart)ミキサーを用いて混合してブレンドを製造することができる。もし存在するならば、香料は典型的には、損失を減らし、そしてブレンド化を容易にするために、他の成分の1つまたは複数とあらかじめ混合することができる。ブレンドは錠剤プレス、例えば、DTコンバーティング・テクロノジーズ、400キッズ・ヒル・ロード、ハイアンニス、マサチューセッツ州(DT Converting Technologies,400 Kidd’s Hill Road,Hyannis,Massachusetts)から入手可能なストークス(Stokes)DD2回転プレス中へ供給することができる。プレスは、所望のサイズおよび硬度の錠剤を生成するために調節することができる。
【0036】
本発明は、活性酸素とClOを発生させるための1つまたは複数の前駆体とを含む上記のような組成物と水を接触させる工程と、前記組成物を溶解させる工程と、少なくとも40ppmの二酸化塩素を含有する溶液を生成する工程とを含む、水の浄化、消毒、または殺菌方法をさらに含む。本方法は、水の曇りまたは不透明さを減らしまたはなくして清澄性を達成する。本方法はまた、本組成物が抗菌剤として働くから、水を消毒し、殺菌する。水温、溶解時間および生じる二酸化塩素濃度は、本発明の水の処理方法について上に開示されている通りである。
【実施例】
【0037】
次の実施例は例示的なものであり、本発明の範囲を不当に限定するものと解釈されるべきではない。
【0038】
(分析)
二酸化塩素濃度および活性酸素は次の通り測定した。錠剤を先ず3.785リットルの脱イオン水に溶解させた。二酸化塩素濃度は、ハッハ・カンパニー、P.O.ボックス389、ラブランド、コロラド州80539(The Hach Company,P.O.Box 389,Loveland,Colorado 80539)から入手可能なハッハDR/890シリーズ比色計(Hach DR/890 Series Colorimeter)およびハッハ方法(Hach Method)8345を用いて測定した。「ppm AO(ClO)」と略記される、二酸化塩素による活性酸素のppmを求めるために、上の結果に0.593を乗じた。
【0039】
「ppm AO(オキソーン)」と略記される、オキソーンによる活性酸素のppmは次の通り測定した。先ず、上の溶液の全活性酸素含有率を測定した。錠剤を3.785リットルの脱イオン水に溶解させた。溶液の50gサンプルに、10mlの20%硫酸と10mlの25%ヨウ化カリウムとを加えた。溶液を次に、本願特許出願人から入手可能な、オキソーンについての本願特許出願人技術公報に、およびインターネット上に「http://www.dupont.com/oxone/techinfo/」で開示されているようにチオ硫酸ナトリウムで滴定した。この値を次に、上に測定したようなppm AO(ClO)を差し引くことによって補正してppm AO(オキソーン)を求めた。
【0040】
(実施例1)
サンプル錠剤を製造した。あらゆる100gの錠剤は、オキソーン(72.6g)、塩化マグネシウム(8g)、ソルビトール(4g)、亜塩素酸ナトリウム(5g)、炭酸水素ナトリウム(5g)、デンプン(2.6g)、ポリエチレングリコールPEG−180(1.5g)、安息香酸ナトリウム(0.9g)、および香料(0.4g)を含んだ。原料を、大きなフロアスケールを用いて量り取った。減少した粒度を有する、あらかじめ粉砕した亜塩素酸ナトリウムおよび香料を、移送を容易にするためにソルビトールと共に混合し、全10kg混合物を、櫂付き「キッチン型」ホバート・ミキサーを用いて10分間ブレンドした。ブレンドした粉末をストークスDD2回転プレスへ供給した。錠剤「硬度」は5であり、商業包装目的にとって最低の硬度を示した。錠剤を、錠剤当たり2.6gのおよその重量にサイズを合わせた。
【0041】
26℃水に溶解させることによって試験した時、錠剤溶解時間は5分未満であった。当初27ppmのClOおよび766ppmのオキソーン(37ppmのAO(オキソーン)および16ppmのAO(ClO))を有した錠剤を安定性について試験した。室温で5週間後に、錠剤は、27.3ppmのClOおよび860ppmのオキソーン(41ppmのAO(オキソーン)および16ppmのAO(ClO))を有し、組成物が非常に安定であることを示した。5、6.5、および11の硬度を有する3サンプル錠剤を製造した。錠剤(それぞれ5g)の溶解試験は、硬度5のものが約5分で溶解し(3.785リットルの水)、約27ppmのClOを発生させたが、硬度11を有するものもまた約5分で溶解し、約11.5ppmのClOを発生させた。
【0042】
それぞれ5gおよび同じ組成物を有する一連の錠剤をまた、1250ポンド〜20000ポンドの異なる圧力下に製造した。すべての錠剤は約25〜27℃の3.785リットルの水に約9分(1250ポンド下に製造した錠剤)〜約20分(20000ポンド下に製造した錠剤)で溶解し、錠剤の化学的性能が錠剤化圧力を問わず非常に一定であること、そして唯一の顕著な効果は、特に圧力スケールの下端で、溶解時間に関してであることを示した。
【0043】
(実施例2〜6および比較例A〜D)
一連の錠剤(それぞれ2.6g)を、等量の様々な化学薬品を塩化マグネシウムの代わりに使用したことを除いて実施例1におけるように製造した。表1に示すように、ハロゲン化物塩のみが10ppmより多いClOを生成し、塩化マグネシウムが試験された他のハロゲン化物よりも優れていることが分かった。塩化亜鉛および臭化亜鉛組成物もまた満足のいくものであった。
【0044】
【表1】

【0045】
(実施例7〜9)
試験錠剤を、過硫酸カリウムまたは過硫酸ナトリウムをオキソーンの代わりに使用したことを除いて実施例1の組成物を使用して製造した。混合物の5グラムを、カーバー(Carver)プレスを用いておよそ同じサイズの3錠剤にした。錠剤を1ガロン(3.785リットル)の水に入れ、溶解するに任せた。表2に示すように、過硫酸ナトリウムおよび過硫酸カリウムの両方とも溶液中にClOを発生させた。
【0046】
【表2】

【0047】
(実施例10、比較例A)
すべての錠剤を実施例1におけるように製造した。50gバッチを製造し、10gを取り出し、各例についてカーバー・プレスで錠剤へプレスした。結果を下の表3に示す。
【0048】
【表3】

【0049】
表3は、塩化マグネシウムなしでは、製造された錠剤が所望の時間内に水に溶解しなかったことを示す。
【0050】
(実施例11)
実施例1の調合物を有する錠剤を上に記載したように調製した。溶液を、2錠を2ガロン(約3.5リットル)の脱イオン水に溶解させることによって調製し、微生物効能について試験した。
【0051】
接種剤調製:試験細菌には、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ATCC6538、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)ATCC15442、および豚コレラ菌(Salmonella choleraesuis)ATCC10708が含まれた。各培養物を3日間毎日トリプチケース・ソイ・アガー(TRYPTICASE Soy Agar)(TSA)上に移す修正AOAC(公認分析化学者協会)プロトコール965.13を用いた。懸濁液を、5mlの滅菌したバターフィールド(Butterfield)緩衝液(BB)をTSAプレートに加え、そして滅菌したL形状の接種棒を用いてコロニーを懸濁させることによって各細菌で作った。これを滅菌したネファロ(Nephalo)フラスコへ取り出した。別の5mlのBBをプレートに加え、プレートを旋回させ、生じた懸濁液を同じネファロ・フラスコに加えた。クレット(Klett)読みを取り、懸濁液を、約24〜29(〜89%T;これは〜1.0E+08CFU/mlに相当する)のクレット読みを与えるためにBBでさらに希釈した。ストック接種剤を、表4に示すような密度を与えるためにさらに1:100希釈した。
【0052】
試験システム:0.1mlアリコートの試験接種剤を9.9mlの試験物質に加え、チューブを混合し、タイマーをスタートさせた。10分暴露時間後に、連続希釈法プレート・カウントをTSAで行った。D/E(デイ/エングレー(Dey/Engley))中和ブロス(Neutralizing Broth)(ベクトン・ディッキンソン、ビレリカ、マサチューセッツ州(Becton Dickinson,Billerica,MA)から入手可能な)を第1連続希釈法チューブでの中和のために使用した。接種剤対照もまた、0.1mlの試験接種剤を9.9mlのBBに加えることによって行い、10分暴露時間後にTSA上に板状に広げた。すべてのプレートを35℃で18〜24時間培養し、コロニーをカウントし、密度を計算した。中和を検証するために、24時間TSAプレートからの1コロニーを9.9mlBBチューブに加え、このチューブから1μl白金耳量を、増殖を全く示さない各デイ/エングレー管へ接種した。0.1mlアリコートをTSA上に板状に広げ、35℃で48時間培養し、コロニーをカウントした。0.1mlアリコートをTSAプレート上へ板状に広げ、プレート当たりおよそ200コロニーをもたらした。これを、各試験細菌について行った。
【0053】
ClO対照溶液を、濃HClで酸性化したアンチウム・ダイオキサイド(Anthium Dioxide)(IDI、ノース・キングストン、ロードアイランド州(IDI,North Kingston,RI)から入手可能な安定化亜塩素酸ナトリウム)を使用してフィルター滅菌ミリポア(MILLIPORE)水で調製した。調製した溶液のClO濃度を、0〜50ppmハッハ(Hach)キットを用いて測定した。3通りの測定を行った:(1)23.2mg/l、(2)23.0mg/l、および(3)23.5mg/l、そして平均ClO濃度は23.2ppmであった。結果を表4に示す。
【0054】
【表4】

【0055】
厳密に調べた細菌の密度および細菌効能結果を、各細菌について下に表5A〜5Cに示す。表4、5A、5Bおよび5Cにおいて、E±2数字の記法は指数を意味し、それについて2数字はEに先行する数が乗じられる10のべき指数を示す。例えば、1.1E+08は1.1×10である。
【0056】
【表5】

【0057】
【表6】

【0058】
【表7】

【0059】
本発明の錠剤は2ガロン(約7.6リットル)の水に溶解し、30秒で□5−log減少ですべての細菌を殺すのに非常に有効であった。黄色ブドウ球菌については、このレベルの活性は、ClO対照もまた30秒で同じレベルの殺生を実証したので、溶液中のClO(23.2ppm)の発生におそらく起因すると考えられた(表5Aを参照されたい)。同様に緑膿菌についても、1,008ppmでのオキソーン単独からの効能がまた10分暴露で実証されたけれども、5−log殺生は30秒暴露でのClOの発生におそらく起因すると考えられた(表5Bを参照されたい)。ClO対照は30秒で完全な殺生(すなわち、5−log減少)を実証した。一方、10分でオキソーンもまた完全な殺生(すなわち、5.1−log減少)を実証した。豚コレラ菌については、このレベルの活性もまた、完全な殺生(すなわち、5.1−log減少)を実証した30秒暴露でのClOの発生におそらく起因すると考えられた。1,008ppmでのオキソーン単独からの幾らかの効能(すなわち、2.9−log殺生)は10分暴露で実証された(表5Cを参照されたい)。
【0060】
(実施例12)
このアッセイは、公表されたAOAC殺菌剤の抗真菌活性プロトコール(Fungicidal Activity of Disinfectants Protocol)、方法955.17から幾つかの修正を有した。アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)ATCC1098を、マルト・エクストラクト・アガー(Malt Extract Agar)(ベクトン・ディッキンソン、ビレリカ、マサチューセッツ州から入手可能な)プレート上で増殖させ、胞子を採取した。胞子をフィルター滅菌ミリポア水中−20℃で貯蔵した。この実験のために使用される胞子調製物は下に詳述する。A.フミガーツスのフリーザー・ストックを解凍し、希釈してこの実験のための接種剤懸濁液を得た。接種剤調製物はおよそ5×10分生子/mlであると推定された。次の試験溶液を、スチーム滅菌4Lボトル中でフィルター滅菌ミリポア水を使用して調製した。
水対照:(フィルター滅菌水のみ)、pH6.28。
オキソーン対照:0.98gのNaHCOおよび5.25gの10%HSOを使用してpH4.43に酸性度を調整された、1ガロン(約3.8リットル)滅菌水中の3.78gオキソーン。
亜塩素酸塩対照:pH4.55に酸性度を調整された(1.8gの10%HSO)1ガロン滅菌水中の0.26gの亜塩素酸ナトリウム。
緩衝液対照:pHを4.4に調整された炭酸水素ナトリウム。
二酸化塩素:アンチウム・ダイオキサイド(IDI、ノース・キングストン、ロードアイランド州から入手可能な安定化亜塩素酸ナトリウム)をHClで酸性化した。
クロロックス(CLOROX)対照:4.17mlのクロラックス漂白剤と100ml全容量への水とを混合することによるミリポア水中のクロロックス・カンパニー、オークランド、カリフォルニア州(Clorox Company,Oakland,CA)から入手可能な4.17%(v/v)クロロックス漂白剤。
【0061】
錠剤試験溶液(実施例12):実施例1の2錠を1ガロン(約3.8リットル)の脱イオン水に溶解させた。全錠剤重量は5.13gであった。生じた溶液のpHは5.2であった。
【0062】
反応管:5mlの各試験溶液を25×150mm試験培養物チューブ中へ等分し、キャップし、表6に従ってラベルした。9mlのD/E(デイ/エングレー)中和ブロス(ベクトン・ディッキンソン、ビレリカ、マサチューセッツ州から入手可能な)を28試験管のそれぞれに加え、試験管にキャップした。バターフィールド緩衝液ブランクを、中和したサンプルの希釈のために用意し、マルト・エクストラクト・アガー・プレートに、希釈し、中和したサンプルの胞子枚挙のために番号を付けた。目盛り付きピペットで、0.5mlの胞子接種剤(約10分生子/ml)を試験溶液の第1チューブに加え、穏やかに振盪した。それぞれの試験溶液への5分および15分暴露後に、サンプルを穏やかに振盪し、1mlサンプルを各反応混合物(胞子試験溶液)からエッペンドルフ(Eppendorf)ピペットを用いて取り出し、9mlのD/E(デイ/エングレー)中和ブロスに入れた。接種剤をおよそ10分生子/mlへさらに希釈した。反応管中10分生子/mlの最終接種剤密度に対して錠剤溶液の効能を評価するために、もう2つの反応管(水およびオキソーン−亜塩素酸塩)および4つのデイ/エングレー中和管を準備した。サンプルを15分間だけ反応させた。中和したサンプルの希釈物を調製した。D/E(デイ/エングレー)中和ブロス中の全サンプルの2つの100μlアリコートをマルト・エクストラクト・アガー上に板状に広げ、コロニーの出現まで25℃で培養した。コロニーが出現した後に、およそ4日間培養後にプレートをカウントした。接種剤胞子懸濁液の幾つかの希釈物もまた、接種剤として使用した生存能力のある胞子の正確なカウントを得るためにマルト・エクストラクト・アガー上に板状に広げた。サンプルを25℃で培養し、コロニーの出現後に、約4日間の培養後にカウントした。
【0063】
A.フミガーツス胞子を対照および試験溶液中へ、水および緩衝液対照によって確認した、約5.6〜6.25×10分生子/mlの最終密度まで接種した。接種剤溶液をまた平板培養し、カウントし、そしてカウントに容量(0.5ml)を乗じ、対照および試験溶液に加算して密度を推定し、2.57×10分生子/mlの接種剤密度は水および緩衝液対照とよく一致した。緩衝液対照データは15分後に採取した。クロロックス対照データは処理の5分後に採取した。
【0064】
結果は、本発明の錠剤、ClO(約23ppm)、および4.17%クロロックス溶液が5分以内に5−logA.フミガーツス胞子を殺すことができることを示し、ClOおよびクロロックスは対照であった。別に、オキソーン対照および亜塩素酸塩対照は処理の15分以内にバイオ負荷量を減らすことができなかった。
【0065】
効能はバイオ負荷密度および有機質土壌によって影響を受ける。より低い密度、約6.7×10分生子/mlの接種剤を調製し、錠剤試験溶液(2錠/ガロン)で15分間厳密に調べた。この試験は、より高い接種剤密度(10分生子/ml)が処理によって影響を受けないという場合に行った。実施例12の錠剤試験溶液処理は、このより低い接種剤を同様にうまく殺した。
【0066】
本発明の錠剤の溶液は、すべてのA.フミガーツス胞子(5〜6×10分生子/ml)を5分以内に完全に殺すことができた。対照は、錠剤溶液中に見いだされる量と等しいオキソーン溶液および亜塩素酸ナトリウム溶液が菌のバイオ負荷量を減らすのに効果がないことを示した。二酸化塩素溶液を、錠剤によって生成されるものと同じ濃度で対照として調製し、23ppmのClO溶液もまた5分以内にA.フミガーツス接種剤を完全に殺すことができた。
【0067】
実施例12の錠剤溶液は、接種剤を完全に殺すのに十分なClOを発生させた。錠剤の独立した成分、すなわち、オキソーンおよび亜塩素酸ナトリウム溶液は別々に、バイオ負荷量を減らすことができなかったが、溶液中でのそれらの反応の結果は、A.フミガーツスに対して強く殺菌性である。結果を表6に示す。
【0068】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)活性酸素化合物と二酸化塩素を発生させるための1つまたは複数の前駆体とを含む固体組成物と水を接触させる工程と、b)前記固体組成物を約25℃の前記水に約60分未満で溶解させる工程と、c)少なくとも約40ppmの二酸化塩素を含有する溶液を生成する工程とを含むことを特徴とする水の処理方法。
【請求項2】
前記組成物が、重量で
a)約20%〜約90%の硫黄含有オキシ酸、
b)約3%〜約25%の可溶性の亜塩素酸塩、
c)約3%〜約12%のアルカリ金属ハロゲン化物もしくはアルカリ土類金属ハロゲン化物、またはそれらの混合物、
d)約0.001〜約37%の充填剤、
e)約0.001〜約5%の炭水化物、および
f)任意選択的に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、もしくはそれらの混合物;バインダー;滑剤;パンチ面抗粘着剤;香気増強剤;該オキシ酸以外の酸;またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み;
ただし、前記アルカリ金属ハロゲン化物、前記アルカリ土類金属ハロゲン化物、前記アルカリ金属炭酸塩、前記アルカリ土類金属炭酸塩、前記アルカリ金属炭酸水素塩、前記アルカリ土類金属炭酸水素塩、または前記アルカリ土類炭酸水素塩のカチオンが水中1%未満の溶解度の硫酸塩を形成しないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記硫黄含有オキシ酸がモノ過硫酸カリウム、ジ過硫酸カリウム、またはそれらの混合物を含み、そして好ましくは2KHSO・KHSO・KSOの式を有するトリプル塩を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記可溶性の亜塩素酸塩が亜塩素酸ナトリウムであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類ハロゲン化物塩が塩化マグネシウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化ナトリウム、またはそれらの混合物であり、そして好ましくは塩化マグネシウムであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記アルカリ金属塩またはアルカリ土類炭酸塩もしくは炭酸水素塩が炭酸水素ナトリウムであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物が、重量で、約0.001〜約10%のアルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、もしくはそれらの混合物;約0.001〜約15%のバインダー;約0.001〜約5%の滑剤;約0.001〜約5%のパンチ面抗粘着剤;約0.001〜約5%の香気増強剤;約0.001〜約20%の該オキシ酸以外の酸、またはそれらの2つ以上の組み合わせをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記糖アルコールがソルビトールであり、そして前記滑剤が約3000〜約10000の分子量を有するポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記水がプール水、温泉水、泉水、反射池水、または観賞用池水であることを特徴とする請求項1または7に記載の方法。
【請求項10】
活性酸素化合物と前記接触時に二酸化塩素を発生させるための1つまたは複数の前駆体とを含む組成物と水を接触させる工程を含み、そして前記組成物が約25℃の前記水に約60分未満で溶解し、それによって少なくとも約40ppmの二酸化塩素を含有する溶液を生成する工程を含むことを特徴とする水の浄化、消毒または殺菌方法。
【請求項11】
前記組成物が重量で
a)約20%〜約90%の硫黄含有オキシ酸、
b)約3%〜約25%の可溶性の亜塩素酸塩、
c)約3%〜約12%のアルカリ金属ハロゲン化物もしくはアルカリ土類金属ハロゲン化物、またはそれらの混合物、
d)約0.001〜約37%の充填剤、
e)約0.001〜約5%の炭水化物、および
f)任意選択的に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、もしくはそれらの混合物;バインダー;滑剤;パンチ面抗粘着剤;香気増強剤;該オキシ酸以外の酸;またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み;
ただし、前記アルカリ金属ハロゲン化物、前記アルカリ土類金属ハロゲン化物、前記アルカリ金属炭酸塩、前記アルカリ土類金属炭酸塩、前記アルカリ金属炭酸水素塩、前記アルカリ土類金属炭酸水素塩、または前記アルカリ土類炭酸水素塩のカチオンが水中1%未満の溶解度の硫酸塩を形成しないことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
活性酸素化合物と前記接触時に二酸化塩素を発生させるための1つまたは複数の前駆体とを含む組成物であって、約25℃の前記水に約60分未満で溶解し、それによって少なくとも約40ppmの二酸化塩素を含有する溶液を生成することを特徴とする組成物。
【請求項13】
重量で
a)約20%〜約90%の硫黄含有オキシ酸、
b)約3%〜約25%の可溶性の亜塩素酸塩、
c)約3%〜約12%のアルカリ金属ハロゲン化物もしくはアルカリ土類金属ハロゲン化物、またはそれらの混合物、
d)約0.001〜約37%の充填剤、
e)約0.001〜約5%の炭水化物、および
f)任意選択的に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、もしくはそれらの混合物;バインダー;滑剤;パンチ面抗粘着剤;香気増強剤;該オキシ酸以外の酸;またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み;
ただし、前記アルカリ金属ハロゲン化物、前記アルカリ土類金属ハロゲン化物、前記アルカリ金属炭酸塩、前記アルカリ土類金属炭酸塩、前記アルカリ金属炭酸水素塩、前記アルカリ土類金属炭酸水素塩、または前記アルカリ土類炭酸水素塩のカチオンが水中1%未満の溶解度の硫酸塩を形成しないことを特徴とする請求項12に記載の組成物。

【公表番号】特表2008−507399(P2008−507399A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522691(P2007−522691)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/025718
【国際公開番号】WO2006/014719
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】