説明

水分を吸収すると使用可能になる有機電池

【課題】水分を吸収すると使用可能になる有機電池を提供する。
【解決手段】水分を吸収すると使用可能になる有機電池は、容器、電解液および二つの電極を備える。容器は内部に有機材質から組成される電解質を有する。電解液は容器に繰り返して注入され、かつ電解質と混合する。二つの電極は電解質と電解液との混合物に電気的に接続される。二つの電極の間は絶縁状態を呈するため、本発明は電池の電極に消耗または腐食現象が生ぜず、充放電を繰り返して行なうことが可能なだけでなく、電解質内に含有された有機物組成によって環境汚染問題を引き起こさず環境保護の効果を果たす目的を達成することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池に関し、詳しくは水分を吸収すると使用可能になる有機電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的によく見掛けられている電池には、一次乾電池、鉛蓄電池または充放電可能な二次電池があり、電池の内部に化学電解質を充満させ、電解質の電気化学反応によって電気を生成させることが可能である。導線および電子ユニットによって電池の陰極および陽極の間を接続すれば、電池内の電子を陰極から陽極へ流動させ、電子ユニットを駆動することが可能である。
【0003】
上述した電池内の電気化学反応が起こらなくなった時、電池は電力を提供できなくなるため廃棄物として処理されてしまう。しかし、電池は内部の化学電解質が極めて高い毒性を有するため、環境中に放置され、電解質を土地に漏出させてしまうと、環境汚染問題を容易に引き起こし、人間の居住環境を破壊するという事態を招く。
【0004】
台湾実用新案第M275542号により掲示される環境を保護可能な水電池は、電池内部に水を注入し、スポンジ内に含有された活性炭と水とを混合することによって電力供給効果を達成するものである。
【0005】
しかし、上述した実用新案により掲示される電池の電極はステンレス材質から構成されるため、長時間をわたってステンレスを水に接触させると、ステンレス製の電極を消耗するだけでなく、電極を腐食し、電池の正常作用に影響を与えてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾実用新案第M275542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、電極の消耗または腐食現象が比較的発生しにくく、環境汚染問題を起こさないことを可能にし、かつ水分を吸収すると使用可能になる有機電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明による水分を吸収すると使用可能になる有機電池は、容器、電解液および二つの電極を備える。容器は内部に電解質を有し、電解質は有機材質である。電解液は容器に繰り返して注入され、かつ電解質と混合する。二つの電極は電解質と電解液との混合物に電気的に接続される。二つの電極の間は絶縁状態を呈するため、本発明は電池の電極に消耗または腐食現象が生ぜず、充放電を繰り返して行なうことが可能なだけでなく、電解質内に含有された有機物組成によって環境汚染問題を引き起こさず環境保護の効果を果たす目的を達成することが可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明において、電解質は有機電解質であるため、電池の寿命がきた電池が廃棄される場合、電解質は土壌に完全に吸収・分解されるため、有毒物質を発生して環境を汚染するという事態は発生しない。
従来の乾電池の欠点と比べて本発明は、充放電効果および環境保護の効果を兼ね備えるだけでなく、電極の消耗または腐食現象が生ぜず、水などの電解液を繰り返して容器内に注入することによって放電を繰り返すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態による水分を吸収すると使用可能になる有機電池の前面図である。
【図2】本発明の実施形態による水分を吸収すると使用可能になる有機電池の立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態および図面に基づいて本発明の構成および効果を詳細に説明する。
【0012】
図1および図2に示すように、本発明の実施形態による水分を吸収すると使用可能になる有機電池は、容器10、電解液および二つの電極20を備える。
【0013】
容器10は、内部空間に連絡する開口部12を有する。容器10は内部に有機電解質を有し、有機電解質は葉緑素または塩類のイオンを含有した有機体にすることが可能である。本実施形態において、有機電解質の成分比は50パーセントが葉緑素、50パーセントがグラファイトである。
【0014】
電解液は、容器10の開口部12から容器10内に注入される。電解液は水、塩類溶液、茶、コーラー、オレンジジュースまたはコーヒーなどの液体にすることが可能である。本実施形態において、電解液は塩化ナトリウムの飽和水溶液である。容器10に電解液を注入すると、電解液と電解質との化学反応が生じる。
【0015】
二つの電極20は、容器10の開口部12から電解質と電解液との混合物内に別々に配置されるため、別々に電解質に電気的に接続される。二つの電極20の間は絶縁物体22を有するため、絶縁状態を呈する。そのうちの一つの電極20は電池の陰極としてマグネシウム金属材質から構成することが可能である。もう一つの電極20は、電池の陽極としてグラファイト棒から構成することが可能である。本発明は、導電材質から容器10を構成し、一つの電極を容器10内に配置し、容器10と電極とを互いに絶縁させることによって本発明の効果を達成することも可能である。
【0016】
上述した特徴説明により、導線によって二つの電極20と電子ユニットとを接続すれば、二つの電極20は導線によって電子を伝送することが可能である。かつ電解質と電解液との混合物に化学反応が生じ、電流回路を生成させれば電子ユニットを駆動することが可能であるため、本発明は、特に低消費電力の電気ユニットに適し、かつ電池寿命がくるまで働きを果たすことが可能である。
【0017】
本発明は、電解質内に含有された有機物組織によって環境汚染問題を引き起こさず環境保護の効果を果たす目的を達成することが可能である。
【0018】
上述した実施形態により提示された本発明の内容は、説明のための一例に過ぎず、本発明の請求範囲を制限するものではなく、効果が同等な技術内容に取り替えるか差し替えることも本発明の請求範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0019】
10:容器、 12:開口部、 20:電極、 22:絶縁物体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に有機材質から組成される電解質を有する容器と、
前記容器に繰り返して注入され、かつ前記電解質と混合する電解液と、
前記電解質と前記電解液との混合物に電気的に接続される二つの電極と、を備え、二つの前記電極の間は絶縁状態を呈することを特徴とする有機電池。
【請求項2】
前記電解質は、葉緑素を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機電池。
【請求項3】
前記電解質は、塩類のイオンを含有することを特徴とする請求項1に記載の有機電池。
【請求項4】
前記電解質に含有された前記葉緑素の成分比は、50パーセントであることを特徴とする請求項2に記載の有機電池。
【請求項5】
前記電解質は、成分比が50パーセントのグラファイトを含有することを特徴とする請求項4に記載の有機電池。
【請求項6】
前記電解液は、塩化ナトリウム水溶液であることを特徴とする請求項1に記載の有機電池。
【請求項7】
一つの前記電極は、マグネシウム金属材質から構成されることを特徴とする請求項1に記載の有機電池。
【請求項8】
一つの前記電極は、グラファイト材質から構成されることを特徴とする請求項1に記載の有機電池。
【請求項9】
内部に有機材質から組成される電解質を有する導電性容器と、
前記容器に繰り返して注入され、かつ前記電解質と混合する電解液と、
前記電解質と前記電解液との混合物に電気的に接続される電極と、を備え、
前記電極と前記導電性容器との間は絶縁状態を呈することを特徴とする有機電池。

【図1】
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【図2】
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