説明

水切りボウルで使用する旋回可能な脚部アセンブリ

水切りボウル本体に係合する係合端部を有するハウジングと、ハウジングに旋回可能に係合された脚部と、脚部に結合され、ハウジング内に位置決めされた偏倚機構とを備えた水切りボウルで使用する旋回可能な脚部アセンブリが開示されており、偏倚機構は第1の位置又は第2の位置のいずれかからの脚部の旋回に対して弾力偏倚を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、食品を濾してすすぐことを意図した装置に関し、より詳細には複数の位置で水切りボウルを支持することができる水切りボウルで使用するための旋回可能な脚部アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
果物、野菜などから汚染物質をすすぎ、調理後にパスタ及び他の食品から水又は他の液体を排水させる目的で水切りボウル又は濾し器を使用することは良く知られている。普通、従来技術の水切りボウルは、すすぎ水、調理水又は他の液体が水切りボウルの内容物を処分及び/又はその汚染を防ぐように排水される流し台ボウルの上への水切りボウルの内容物の懸下を可能にする構造を有する。このような装置の例としては、流し台ボウルの底部に置かれる基部を含む水切りボウル又は濾し器が挙げられる。別の例は、水栓に取り付ける又はその上にわたすように水切りボウル又は濾し器から上向きに延びているハンガなどの要素を組み込むことができる。さらに別の例では、水切りボウル又は濾し器、又はそのハンドルは、その対向する端部が流し台ボウル内又はその上で水切りボウル又は濾し器のボウル部を懸下させるように、流し台の対向する縁又は縁部上に載ることができるような十分な寸法をしている可能性がある。
【0003】
このような既存の水切りボウル及び濾し器は、特に基部が汚染された流し台ボウル内に配置され、その後、調理台、卓上などの上に配置され、汚染物質が調理台又は卓上に運ばれる可能性がある場合に特定の欠点を有する。上記第2の例では、水栓から流し台上に水切りボウルを懸下させる垂下手段を望ましくないように摺動して、水切りボウル内への物の配置を干渉する可能性がある。加えて、水栓から水切りボウルを懸下させることにより、栓を使用することが難しくなる可能性もある。第3の例に関して、水切りボウル又はそのハンドルの寸法が大きいことにより、食器洗い機などへの積み込み及び配置の際に困難がしばしばある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、水切りボウル本体に係合する係合端部を有するハウジングと、ハウジングに旋回可能に係合される脚部と、脚部に結合され、ハウジング内に位置決めされた偏倚機構とを備えた水切りボウルで使用する旋回可能な脚部アセンブリを開示しており、偏倚機構は脚部を第1の位置と第2の位置の間で旋回させるように弾力偏倚を与える。
【課題を解決するための手段】
【0005】
水切りボウルの特性は、脚部が第1又は第2の位置から不注意に移動されないように、第1の位置と第2の位置の間で脚部を移動させる場合に弾力偏倚を与える偏倚機構を組み込んでいる旋回可能な脚部アセンブリを提供することである。
【0006】
別の特性は、脚部が第1の位置にある場合に表面上で支持されることもでき、脚部が第2の位置にある場合に流し台ボウルの上に懸下させることもできる水切りボウルを提供することである。
【0007】
開示された水切りボウルは、従来の水切りボウルの典型的な構成をかなり向上させたものであり、偏倚機構を組み込んでいる対向する旋回可能な脚部アセンブリが水切りボウルに連結されている。
【実施例】
【0008】
保護を求める主題の理解を容易にする目的で、以下の説明、保護を求める主題、その構成及び動作、及びその利点の多くを合わせて考えた場合にその検討により容易に理解し分かるべきであるその実施例が添付の図面に示されている。
【0009】
次に図1及び6を参照すると、図2、3、4A及び5Aに関して本明細書で詳細に説明するように、脚部30がハウジング12に対して旋回するように互いに係合されたハウジング12及びほぼU字形の脚部30を備えた旋回可能な脚部アセンブリ10が示されている。
【0010】
ハウジング12は、ハウジング12を水切りボウル50(図2及び3参照)などの構造物に固定させる係合部14を備えている。ハウジング12は、側壁19によって結合される上下壁面15及び17を有する。ハウジング12は、上側脚部留め具16及び下側脚部留め具18を画定するようにその両側で切り欠く又は窪ませることができる。上側脚部留め具16は、脚部30がハウジング12の上壁面15の方向に離れ過ぎて回転するのを防ぐ。同様に、下側脚部留め具18は脚部30が、ハウジング12の下壁面17の方向に離れ過ぎて回転するのを防ぐ。図2及び4Aに関してさらに詳細に記載するように、脚部30が下側脚部留め具18によって止められる前に旋回することができる最も遠い点は第1の位置「A」であるが、図3及び5Aに示すように、脚部30が上側脚部留め具16によって止められる前に旋回することができる最も遠い点は第2の位置「B」である。ハウジング12の上壁面15と下壁面17の間に、ブラケット20及び22と、キャビティ24が位置決めされている。キャビティ24は、それぞれ切り欠き21及び23(図6)でブラケット20及び22に係合されたシャフト26を備えた偏倚機構25を含んでいるハウジング12に内部領域を提供する。偏倚機構25はまた、シャフト26の対向端部をそれぞれ受ける偏心開口27をそれぞれ有する偏倚ホイール42を備えている。偏倚ホイール42は、脚部30の旋回動作により偏倚ホイール42を回転させるように、脚部30に結合されている。
【0011】
図1にさらに示すように、脚部30は下端部32、及び1対の上端部34を形成する湾曲部を備えている。下端部32は、接触する基板(流し台、テーブル、カウンタなど)上を脚部30があまり摺動しないように端部32の摩擦係数を大きくする、適切なエラストマーなどの材料で覆うことができる。このような摩擦強化材料としては、これに限らないが、ゴム又はプラスチック材料が挙げられる。
【0012】
加えて、図6に示すように、ハウジング12は脚部端部34のペグ35を受けるために開口28を組み込んでいる。ペグ35は開口28を通過し、偏倚ホイール42の脚部係合開口29と噛み合う。ペグ35と開口28の間の係合により、脚部30をハウジング12に対して旋回させることが可能になる。
【0013】
次に図2を参照すると、旋回可能な脚部アセンブリ10の2つが、あらゆる適切な手段によって水切りボウル50に係合されているのが示されている。図示するように、脚部30は水切りボウル50に隣接して脚部30を配置する第1の位置「A」にある。このように、脚部30の下端部32は水切りボウル50用スタンドとして働いて、下端部32が接触する基板(図示せず)の上に間隔を置いて配置された水切りボウル50の底部を保持することができる。さらに図示するように、各脚部30はハウジング12の下側脚部留め具18と接触する内側表面36を備えており、それによって脚部30の過回転を防ぐ。
【0014】
次に図3を参照すると、2つの旋回可能な脚部アセンブリ10のハウジング12がまた、水切りボウル50に係合されているのが示されている。図示するように、脚部30は、脚部30の下端部32を水切りボウル50から離れるように配置する第2の位置「B」にある。このように、脚部30の下端部32は、水切りボウル50を例えば流し台ボウル(図示せず)の上に懸下させるように働く。下端部32は、2つの側部で台所調理台などの流しボウルを支持する基板と接触し、それによって流し台ボウルの底部の上に流し台ボウル50を持ち上げる。脚部30はさらに、脚部30の脚部留め具40とハウジング12の上側脚部留め具16の間の接触によって過回転しないようにされる。
【0015】
図4及び4Aはさらに、図2に関して記載した第1の位置「A」を示している。図示するように、ハウジング12のブラケット20及び22は、偏倚機構25のシャフト26を支持する。偏倚機構25は、当業界で知られるように、第1の位置「A」又は第2の位置「B」のいずれかからの脚部30の移動に弾性的に抵抗する過中心ばねとして働くことができる。シャフト26と偏倚ホイール42の間の噛み合い係合は、位置A’によって示すように偏倚ホイール42の中心から等しくずれていることが好ましく、それによってシャフト26は、第1の位置「A」にある場合にA’とB’の間の中間位置にあるより大きな偏倚力を受ける。このように、脚部30の下端部32は、脚部30を移動させる不注意な試みが行われる場合に加えられる力に偏倚機構25の抵抗によって第1の位置「A」に十分維持される。図4Aに示すように、偏倚機構25の一部はブラケット20の切り欠き21内に支持され、図6に加えて示すホイール42の中心ずれ開口27に一端部で噛み合っている。また、脚部30が第1の位置「A」から第2の位置「B」まで移動するときに伸びるように、偏倚機構25が中心ずれ開口27に噛み合っていることが好ましい。偏倚機構25のそれぞれの端部はそれぞれブラケット20及び22の切り欠き21及び23に対して偏倚ホイール42にずれて取り付けられているので、偏倚機構25は「過中心」であり、第1の位置「A」及び第2の位置「B」の両方で脚部30を保持、又はしっかり弾力偏倚させるように働き、それによって脚部30がその2つの極度操作位置(第1の位置「A」及び第2の位置「B」)にある場合に、本発明の旋回可能な脚部アセンブリ10の安定性を維持する。このようにして、シャフト26は、脚部30が旋回及び結合されたときに、第1の位置「A」から第2の位置「B」に向かった移動に対する弾力偏倚を与え、偏倚ホイール42はそれによって回転される。
【0016】
次に図5及び5Aを参照すると、図2を参照して説明した第2の位置「B」が示されている。また、ハウジング12のブラケット20及び22は、各端部で偏倚ホイール42に噛み合わされた偏倚機構25を支持する。前に記したように、偏倚機構は第2の位置「B」と第1の位置「A」の間で移動する場合に抵抗を与える過中心ばねであることが好ましい。偏倚機構25と偏倚ホイール42の間の噛み合い係合は、位置B’に示すように、偏倚ホイール42の中心から等しくずれていることが好ましく、それによって偏倚機構25は第2の位置「B」にある場合に、B’とA’の間の中間位置にあるより大きな偏倚力を受ける。このように、脚部30の下端部32は、脚部30を移動させる不注意な試みが行われる場合に加えられる力に偏倚機構25の抵抗によって第2の位置「B」に十分維持される。図5Aに示すように、偏倚機構25の一部はブラケット20の切り欠き21内に支持され、図6に加えて示すホイール42の中心ずれ開口27に一端部で噛み合っている。また、脚部30が第2の位置「B」から第1の位置「A」まで移動するときに伸びるように、偏倚機構25が中心ずれ開口27に噛み合っていることが好ましい。偏倚機構25のそれぞれの端部はそれぞれブラケット20及び22の切り欠き21及び23に対して偏倚ホイール42にずれて取り付けられているので、偏倚機構25は「過中心」であり、第1の位置「A」及び第2の位置「B」の両方で脚部30を保持、又はしっかり弾力偏倚させるように働き、それによって脚部30がその2つの極度操作位置(第1の位置「A」及び第2の位置「B」)にある場合に、本発明の旋回可能な脚部アセンブリ10の安定性を維持する。このようにして、偏倚機構25は、脚部30が旋回及び結合されたときに、第2の位置「B」から第1の位置「A」に向かった移動に対する弾力偏倚を与え、偏倚ホイール42はそれによって回転される。
【0017】
第1の位置「A」と第2の位置「B」の間で脚部30を旋回させる際に加えられる力に対する偏倚機構25の抵抗は、脚部30が第1の位置「A」と第2の位置「B」の間で不注意に移動しないようにするのに十分であり、脚部30を第1の位置「A」又は第2の位置「B」のいずれかに解放可能に固定することを可能にすることを理解すべきである。脚部30を所望の第1の位置「A」又は第2の位置「B」に配置するために、ユーザの強度を利用して偏倚機構25の抵抗を克服する。
【0018】
本発明を好ましい実施例と合わせて記載したが、開示した脚部アセンブリの他の目的及び改良が保護される主題の視野及び範囲内で行なうことができることは当業者には自明のことであろう。
【0019】
脚部アセンブリは、その様々な態様及び開示した形態で、その他のものの記した特性及び利点の到達に十分適応されている。開示した詳細は、これらの詳細を添付の特許請求の範囲に含めることができることを除いて、保護を求める主題の限定として解釈すべきではない。排他的な性質又は特権を請求する実施例は、添付の特許請求の範囲の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】旋回脚部アセンブリの好ましい実施例の斜視図である。
【図2】第1の位置「A」にあり、水切りボウルに取り付けられた、図1の1対の脚部アセンブリの縮小側平面図である。
【図3】第2の位置「B」に脚部アセンブリを備えた、図2と同様の図である。
【図4】図1の脚部アセンブリの端部平面図である。
【図4A】図4の線4A−4Aにほぼ沿った断片断面図である。
【図5】図3の位置「B」に脚部アセンブリを備えた、図4と同様の図である。
【図5A】図5の線5A−5Aにほぼ沿った断面図である。
【図6】図1に示す脚部アセンブリの展開斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水切りボウル本体に係合する係合端部を有するハウジングと、
前記ハウジングに旋回可能に係合される脚部と、
前記脚部に結合され、前記ハウジング内に位置決めされた偏倚機構とを備えた水切りボウルで使用する旋回可能な脚部アセンブリであって、
前記偏倚機構は第1の位置又は第2の位置のいずれかからの前記脚部の旋回に対して弾力偏倚を与える旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項2】
前記ハウジングは下側脚部留め具を組み込んでいる、請求項1に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項3】
前記下側脚部留め具は、第1の方向への前記脚部の過回転を防ぐ、請求項2に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項4】
前記ハウジングは上側脚部留め具を組み込んでいる、請求項1に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項5】
前記上側脚部留め具は、第2の方向への前記脚部の過回転を防ぐ、請求項4に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項6】
前記脚部は、上端部で前記ハウジングに旋回可能に係合されている、請求項1に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項7】
前記偏倚機構は、シャフト及び少なくとも1つの偏倚ホイールを備えている、請求項1に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの偏倚ホイールは、前記シャフトの端部を受ける偏心開口を有する、請求項7に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項9】
ハウジングがそこに結合された水切りボウルと、
前記ハウジングに旋回可能に係合された脚部と、
前記脚部に結合され、前記ハウジング内に位置決めされた偏倚機構とを備えた水切りボウル・アセンブリであって、
前記偏倚機構は第1の位置又は第2の位置のいずれかからの前記脚部の旋回に対して弾力偏倚を与えるアセンブリ。
【請求項10】
前記ハウジングは下側脚部留め具を組み込んでいる、請求項9に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項11】
前記下側脚部留め具は、第1の方向への前記脚部の過回転を防ぐ、請求項10に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項12】
前記ハウジングは上側脚部留め具を組み込んでいる、請求項9に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項13】
前記上側脚部留め具は、第2の方向への前記脚部の過回転を防ぐ、請求項12に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項14】
前記脚部は、上端部で前記ハウジングに旋回可能に係合されている、請求項9に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項15】
前記脚部は前記第1の位置で、前記水切りボウルに隣接する下端部を有する、請求項9に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項16】
前記脚部は前記第2の位置で、前記水切りボウルから離れた下端部を有する、請求項9に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項17】
前記偏倚機構は、シャフト及び少なくとも1つの偏倚ホイールを備えている、請求項9に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの偏倚ホイールは、前記シャフトの端部を受ける偏心開口を有する、請求項17に記載の旋回可能な脚部アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図5A】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−502323(P2009−502323A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523947(P2008−523947)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/027702
【国際公開番号】WO2007/015813
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(506410110)ヘレン オブ トロイ リミテッド (23)
【Fターム(参考)】