水塊自己生成電解還元モジュール
【課題】酸化性物質を含む水塊に適用される水塊自己生成電解還元モジュールを提供する。
【解決手段】本水塊自己生成電解還元モジュールは自己生成ユニットと電気分解ユニットとを備える。該自己生成ユニットは該電気分解ユニットに結合されている。水塊は水輸送管路内を流れる時、該自己生成ユニットが電力を生成し該電力を該電気分解ユニットに送るよう駆動する。該電気分解ユニットは該電力を受け取って、該電気分解ユニットを流れる該水塊に電気分解を行う。これにより該水塊内の酸化性物質に還元反応が起こる。
【解決手段】本水塊自己生成電解還元モジュールは自己生成ユニットと電気分解ユニットとを備える。該自己生成ユニットは該電気分解ユニットに結合されている。水塊は水輸送管路内を流れる時、該自己生成ユニットが電力を生成し該電力を該電気分解ユニットに送るよう駆動する。該電気分解ユニットは該電力を受け取って、該電気分解ユニットを流れる該水塊に電気分解を行う。これにより該水塊内の酸化性物質に還元反応が起こる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解還元モジュール、特に、自己生成能力を有する水塊電解還元モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
工業用水又は家庭用水等の水塊の一般的な輸送又は貯蔵プロセスにおいて、人体に有害な多量の物質、例えば細菌、ウイルス、又は水質を悪化させる他の微生物が、輸送又は貯蔵環境における無機又は有機物汚染によって存在する。通常の家庭用水、例えば水道水、わき水、地下水、又は井戸水を例にとると、家庭用水は先ず水源から輸送管路を通って貯水池に溜められ、次に貯水池に接続された水輸送管路を通って水使用端に出力される。
【0003】
家庭用水が水使用端に出力された時に使用に適正な基準に達しているようにするために、化学薬品(殺菌剤又はスケール除去剤)が通常、貯水池の水塊に定期的に加えられる。例えば、次亜塩素酸ナトリウム又は塩素ガスが水塊に投入され、次亜塩素酸ナトリウム又は塩素ガスは水塊中で酸化されて、遊離残留塩素(HOCl+OCl-)等の酸化性物質が水塊中に存在する。これにより水使用端での使用の前に該水塊に細菌の繁殖又はその害がないことを保証する。遊離残留塩素は水塊において殺菌及び消毒効果を有するが、水塊に含まれる約2〜3ppm(mg/L)くらいの高い濃度の遊離残留塩素は水質を悪化させ、遊離残留塩素に特有の刺激臭を使用者に与える。従って、大多数の人々の感覚と遊離残留塩素の量による消毒効果とを考慮して、世界保健機関(WHO)は0.1ppm未満の濃度の遊離残留塩素を飲用適性を考慮して規定された基準として推奨し、各国が個別の国状に応じて自分達で調整するよう勧告してきた。
【0004】
しかし、幾つかの国において規定された遊離残留塩素規格はまだこのような規定された基準より高い。また、大雨に曝された地域では、水源汚染により水塊に含まれる遊離残留塩素の平均濃度は約10倍増加する。これは接触し飲用する人にとって、水は殺菌されているという保証にも拘わらず生活における高いリスクである。また、科学研究の結果によると、高い酸化力を有する遊離残留塩素は、食物摂取だけでなく皮膚吸収によっても人体に影響する可能性がある。僅かだけ、遊離残留塩素は酸性化され、毛髪と皮膚のタンパク質を破壊して毛髪と皮膚に損傷を与える可能性があり、重大な程度、遊離残留塩素は慢性疾患、例えば心臓病、動脈硬化症、高血圧症、アレルギー、及び他の人体への症状を引き起こす可能性がある。
【0005】
このことを考慮すると、殺菌及び消毒効果を達成するために、適切な量の遊離残留塩素が水塊中に必要であるが、水塊が水輸送管路を通って水使用端へ輸送される時、水塊に含まれる遊離残留塩素及び他の酸化性物質の濃度を最低に下げるか、又は水塊から可能な限り除去し、人体への害を避けなければならない。
【0006】
水塊中の遊離残留塩素又は他の酸化性物質を除去する現在の方法では、濾過(又は浄水)装置が通常、貯水池と水使用端との間に設置され、酸化性物質(例えば、遊離残留塩素)を含む水塊は先ず濾過装置へ流れ、酸化性物質は濾過装置に充填された吸着剤によって吸着される。例えば、酸化性物質は多孔質セラミックボール、活性炭、又は他の化学薬剤によって吸着され、反応することで水塊から除去される。
【0007】
しかし、従来の濾過装置の使用時、濾過装置は複雑な構造を有し、ある容積を占めるので、濾過装置はある特定のエリアにだけ設置されうる。例えば、たいてい普通の家庭の水タンク下の収容空間に飲用水を濾過するために設置される。従って、濾過装置は、その容積の制限のために他の水輸送設備に広く適用することが出来ない。
【0008】
また、濾過装置に充填された吸着剤は、水塊との長期接触後、水質を汚染する可能性があるので、定期的交換が必要である。また、濾過装置の円滑な動作のために動作電源も設けなければならないので、濾過装置の使用費用はかなり増加し、過大なエネルギーが消費される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、従来の水塊浄化装置に比べて改善された、水塊内の酸化性物質を濾過(又は除去)するための水塊自己生成電解還元モジュールを提供するものであり、従来の装置は構造が複雑で容積が大きく、追加の動作電源を必要とする問題を緩和し、従来の水塊浄化装置の(製造だけでなく使用時も)過度に高いコスト、困難な組み立て、及び過大なエネルギー消費の問題を解決すると共に、従来の水塊浄化装置は吸着剤及び/又は化学薬品を使用して水塊内の酸化性物質を除去するので吸着剤及び/又は化学薬品が水質を汚染する可能性があるがこの可能性を取り除くことができる水塊自己生成電解還元モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は酸化性物質を含む水塊が流れる水輸送管路に適用される水塊自己生成電解還元モジュールを提供する。この水塊自己生成電解還元モジュールは自己生成ユニットと電気分解ユニットとを備える。該自己生成ユニットは羽根を有し、該羽根が回転する時、電力を生成する。該自己生成ユニットと該電気分解ユニットとは該水輸送管路内に配置され、該電気分解ユニットは該自己生成ユニットに結合されている。水塊が該水輸送管路内を流れる時、該水塊が該自己生成ユニットの該羽根を駆動し回転させ、電力を生成する。該電気分解ユニットは該電力を受け取って、該電気分解ユニットを流れる該水塊に電気分解を行う。これにより該水塊内の酸化性物質に還元反応が起こる。
【0011】
本発明の水塊自己生成電解還元モジュールでは、該自己生成ユニットと該電気分解ユニットとは水輸送管路内に配置され、該自己生成ユニットは水輸送管路内の処理対象の酸化性物質を含む水塊の流れによって駆動され、電力を生成する。該電気分解ユニットは該電力によって作動され該水塊内の該酸化性物質を除去し、該酸化性物質の濃度を下げる。
【0012】
本発明の水塊自己生成電解還元モジュールは、追加の電力と吸着剤及び/又は化学薬品とを必要とせずに水塊内の酸化性物質を除去する(又は減少させる)ので、外部供給電力の消費を効果的に低減できかつ、吸着剤及び化学薬品の使用による水質汚染の問題を回避できる。また、本水塊自己生成電解還元モジュールの自己生成特徴と簡単な構造のために、本水塊自己生成電解還元モジュールは電源のない様々な環境に広く設置(適用)することが出来、本水塊自己生成電解還元モジュールの使用における適用性と便利さが向上する。
本発明は下記の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。下記の説明は例示だけのためであり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態の概略展開図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の概略組立体図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の中空管の外表面上に配置された自己生成ユニットの誘導コイルを例示する概略組立体図である。
【図4】本発明の電気分解を実行可能な電気分解ユニットの領域を例示する概略断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の内壁表面にねじ山を有する中空管を例示する概略断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の外表面にねじ山を有する中空管を例示する概略断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の遊離残留塩素の除去率を例示する概略図である。
【図8】本発明の第1の実施形態の出力電力を例示する概略図である。
【図9】本発明の第1の実施形態の一様でない直径を有する中空管を例示する概略断面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態のメッシュ構造を有するカソード部を例示する概略断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の概略展開図である。
【図12】本発明の第2の実施形態の概略組立体図である。
【図13】本発明の第2の実施形態の一つだけのストッパーの配置を例示する概略組立体図である。
【図14】本発明の第2の実施形態の複数の電気分解ユニットの配置を例示する概略断面図である。
【図15】本発明の第2の実施形態の複数のカソード部とアノード部とを有する電気分解ユニットを例示する概略断面図である。
【図16】本発明の第3の実施形態の概略断面図である。
【図17】本発明の第3の実施形態の2つのストッパーを有する電気分解ユニットの概略断面図である。
【図18】本発明の第4の実施形態の概略展開図である。
【図19】本発明の第4の実施形態の概略組立体図である。
【図20】本発明の第4の実施形態に含まれる接続管を例示する概略展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の水塊自己生成電解還元モジュールは、家庭用又は工業用の水輸送管路、又は水塊を輸送するための任意の管路内に配置され、水輸送管路によって輸送される水塊に含まれる酸化性物質の含有量を減らすか又は除去してもよい。酸化性物質は、これらに限定されないが、過塩素酸(HClO4)、塩素酸(HClO3)、亜塩素酸(HClO2)、次亜塩素酸(HClO)、二酸化水素、過酢酸、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、重硫酸ナトリウム(NaHSO3)、硫化ナトリウム(Na2S)、次亜硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、又は水塊中で酸化物を容易に形成する他の不純物、又はHClO4、HClO3、HClO2、HClOの電離により生成される酸性基及び化合物塩であってよい。
【0015】
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態の水塊自己生成電解還元モジュールは、自己生成ユニット20、電気分解ユニット30、及び複数の固定部材40を備える。自己生成ユニット20は第1ケースを備え、電気分解ユニット30は第2ケースを備え、該第1ケースは該第2ケースと接続され中空管10を形成する。中空管10は第1端110、第2端120、内壁表面130、外表面140、及び収容空間150を有する。内壁表面130と外表面140は中空管10の互いに反対側に位置し、それぞれ第1端110から第2端120へ延在する。内壁表面130と外表面140とを貫通する複数の結合孔160が中空管10に設けられている。
【0016】
自己生成ユニット20は第1端110に近接する位置に配置され、電気分解ユニット30は第2端120に近接する位置に配置される。収容空間150内の自己生成ユニット20と電気分解ユニット30の配置は、自己生成ユニット20は第2端120に近接し、電気分解ユニット30は第1端110に近接する配置であってもよい。第1の実施形態では、自己生成ユニット20は第1端110に近接し、電気分解ユニット30は第2端120に近接する配置を例示のために採用しているが、本発明はこれに限定されない。
【0017】
自己生成ユニット20は枠210、本体220、及び羽根230を有する。枠210の外径は中空管10の内径に一致し、中空管10の収容空間150内に配置された時、枠210は中空管10の内壁表面130にぴったりと当接し、収容空間150内に固定される。また、複数のリブ(又はこぶ)が枠210の外表面上に配置され、対応するトレンチ(又は溝)(不図示)が内壁表面130に配置されており、該リブを該トレンチに嵌めることで、枠210を収容空間150内に固定することが出来る。
【0018】
本体220は固定子、回転子、及び整流回路モジュール(不図示)を内部に有する。固定子は該整流回路モジュールに接続され、誘導コイルを有する。回転子は永久磁石を有し、該誘導コイル内に可動に挿入される。本体220は回転シャフト221、負引き出し線222、及び正引き出し線223を更に有する。回転シャフト221の一端は本体220内に可動に挿入されて、回転子に接続され、回転シャフト221の他端は本体220から突出して羽根230に接続される。羽根230はスクリュー羽根又はタービン羽根として構成されてよい。負引き出し線222及び正引き出し線223はそれぞれ一端が本体220の該整流回路モジュールに接続され、他端が電気分解ユニット30に接続される。
【0019】
自己生成ユニット20は回転シャフト221を駆動して羽根230を回転させ、該回転子は固定子に対して回転して、磁気電力生成により電力を生成する。この電力は該整流回路モジュールにより直流に変換され、負引き出し線222と正引き出し線223を通って電気分解ユニット30へ出力される。また、図3に示すように、本発明の他の実施形態では、自己生成ユニット20が永久磁石224と誘導コイル225とにより電力を生成する構成において、誘導コイル225は中空管10の外表面140上に巻かれ、永久磁石224は誘導コイル225に対応するよう回転シャフト221上で中空管10の内壁表面130の近くに配置されてもよい。また、整流回路モジュール226は中空管10の外表面140上に配置され、誘導コイル225は整流回路モジュール226に結合され、整流回路モジュール226を介して電気分解ユニット30に結合される。従って、回転シャフト221は回転する時、永久磁石224を駆動して誘導コイル225に対して回転させ、電力を生成する。電力は整流回路モジュール226に出力され、整流回路モジュール226を介して電気分解ユニット30に送られる。
【0020】
永久磁石と誘導コイルが相互作用して電力を生成する磁気電力生成の原理と、自己生成部の構造構成は従来技術に属するので、詳細な構造及び動作原理の説明は行わない。
【0021】
図1及び図2を参照すると、電気分解ユニット30はカソード部310、アノード部320、及びジャケット330を有する。カソード部310は自己生成ユニット20の負引き出し線222に結合され、アノード部320は自己生成ユニット20の正引き出し線223に結合される。カソード部310を構成する材料は、これらに限定されないが国際番号316以上のステンレス鋼材料、黒鉛、又は還元反応が容易に起こる他の材料である。アノード部320を構成する材料は、これらに限定されないが白金、白金化金属、又は酸化反応が容易に起こる他の材料、例えばイリジウム、ルテニウム、及びパラジウムである。ギャップdがカソード部310とアノード部320との間に存在する。カソード部310とアノード部320はそれぞれ板状構造体と柱状構造体、又は両方とも板状構造体として構成されるか、又はカソード部及び/又はアノード部は帯状、螺旋状、多巻き状、多シート状、波状、又は網状構成を有してもよい。カソード部310の全表面積は最大化され、アノード部320の全表面積は最小化される。
【0022】
カソード部310とアノード部320はそれぞれ効果的な反応領域314と321を有する。カソード部310の効果的な反応領域314とアノード部320の効果的な反応領域321は、領域370内のカソード部310とアノード部とのそれぞれの表面領域であって、カソード部310とアノード部320との間で電気分解を実行できる表面領域である(図4に示す)。また、カソード部310の効果的な反応領域314とアノード部320の効果的な反応領域321との比は4.5:1と10:1の間、特に8:1未満であり、電気分解ユニット30の電気分解効率を向上させる。
【0023】
本実施形態では、例示としてカソード部310は板状構造を有するカソード板であり、アノード部320は柱状構造を有するアノード棒であるが、本発明はこれに限定されない。カソード部310は収容空間150内に環状に中空管10の内壁表面130に沿って配置され、アノード部320と中空管10の内壁表面130との間に位置する。カソード部310は中空管10の複数の結合孔160にそれぞれ対応する複数の貫通孔311を有する。アノード部320はジャケット330に挿入固定され、ジャケット330は複数の固定穴331を有する。
【0024】
電気分解ユニット30の構成において、固定部材40は中空管10の結合孔160と、カソード部310の貫通孔311とを順に通り、ジャケット330の固定穴331に挿入固定されることで、電気分解ユニット30は収容空間150内に固定され、アノード部320は固定部材40によってクランプされ収容空間150内につるされる。本実施形態では、例示として2つの固定部材40が中空管10の収容空間150内に電気分解ユニット30を固定するが、他の実施形態では、1つだけの固定部材40が中空管10の結合孔160とカソード部310の貫通孔311とを順に通り、ジャケット330の固定穴331に固定されることで、電気分解ユニット30が収容空間150内に固定されてもよい。上記は電気分解ユニット30を中空管10内に配置し固定する方法を例示しているだけであり、本発明を限定するものではない。
【0025】
アノード部320の位置は、アノード部320がカソード部310が囲む円の中心に位置する(アノード部320とカソード部310の間のギャップdが均等である)か、又はアノード部320がカソード部310が囲む円の中心からずれるように、異なる長さの固定部材40を使用して調整してもよい。また、固定部材40は電気分解ユニット30を中空管10内にクランプし固定するためのネジ、ボルト、又はスタッドの形態であってもよい。一方、ワッシャー又はオーリング(不図示)を固定部材40に装着して、固定部材40と中空管10の外表面140との間の密着性を増加させてもよい。
【0026】
図2に示すように、水塊自己生成電解還元モジュールの使用時、水塊自己生成電解還元モジュールは水輸送管路(不図示)に直列に、例えば中空管10の第1端110(又は第2端120)にゴムホースを介して直接接続され、該水塊自己生成電解還元モジュールは水道の蛇口の出口に直列に接続されるか、又は図5及び図6に示すように水塊自己生成電解還元モジュールは、中空管10の内壁表面130又は外表面140上の第1端110及び/又は第2端120に隣接してねじ山170を設け、ねじ山170とプラスチック又は金属等の硬い材料でできた水輸送管のねじ山(不図示)とを係合させることで、水輸送管路に直列に接続される。また、内壁表面130上にねじ山170を有する中空管10と、外表面140上にねじ山170を有する中空管10とを先ず互いに係合させ、次に水塊自己生成電解還元モジュールを水輸送管路に直列に接続してもよい。上記は水塊自己生成電解還元モジュールを水輸送管路に結合する方法を例示しているだけであり、本発明を限定するよう意図されていない。水塊自己生成電解還元モジュールのサイズを、このモジュールを接続する水輸送管路の管直径に応じて調整してもよく、様々なサイズの水塊自己生成電解還元モジュールが作製される。
【0027】
本実施形態では、例示として水塊自己生成電解還元モジュールは一般家庭用1/2インチ管(不図示)に適用され、水塊に含まれる遊離残留塩素(HOCl+OCl-)を除去するために使用される。水塊自己生成電解還元モジュールの中空管10の長さは約14センチメートル(cm)で、中空管10の直径は1/2インチ管の直径に等しい(約1.6cm)。電気分解ユニット30のカソード部310とアノード部320の長さは約10cmで、カソード部310の直径は約1.2cmである。
【0028】
図2に示すように、動作時、遊離残留塩素を含む水塊(不図示)が中空管10の第1端110から収容空間150内に流れ込む時、遊離残留塩素を含む水塊は自己生成ユニット20の羽根230に衝突し、羽根230を駆動し回転させることで、自己生成ユニット20が電力を生成するよう駆動する。また、自己生成ユニット20の出力電力は、遊離残留塩素を含む水塊の流量の増加とともに増加する。
【0029】
図8を参照すると、遊離残留塩素を含む水塊の流量が初期流量0L/分から12.5L/分に増加すると、自己生成ユニット20が生成する出力電力は0mWから1100mW近くまで増加する。水塊の流量(x)と自己生成ユニット20の出力電力(y)との関係は多項式回帰演算により次式Iのように得られる。
【0030】
【数1】
(式I)
【0031】
従って、水塊の流量が6.6L/分を超えると、電気分解ユニットが遊離残留塩素に電解還元を行うのに必要な電気量139mWを供給できる。
【0032】
自己生成ユニット20が生成する電力は遊離残留塩素を含む水塊の流量に比例するので、自己生成ユニット20が生成する電力は自己生成ユニット20の固定子の誘導コイルのコイル密度を変えることで増加する可能性がある。或いは、図9に示すように、自己生成ユニット20が生成する電力は、中空管10の第1端110の管直径を大きくするか、又はベンチュリ管形状の中空管10を配置して、自己生成ユニット20へ流れる遊離残留塩素を含む水塊の流量を増加させることでも、増加する可能性がある。
【0033】
次に、電力が負引き出し線222及び正引き出し線223を通って電気分解ユニット30に出力され、電気分解ユニット30のカソード部310とアノード部320が受け取った後、電気分解が実行されるので、遊離残留塩素を含む水塊が電気分解ユニット30に流れる時、還元反応が水塊に含まれる遊離残留塩素にカソード部310において起こり、安定で人体に害を与えにくい塩化物イオンを形成する。これにより水塊に含まれる遊離残留塩素の含有量が減少する。遊離残留塩素を含む水塊が酸性水である場合、その酸化還元反応式を下記に示す。
【0034】
【化1】
【0035】
遊離残留塩素を含む水塊がアルカリ水である場合、その酸化還元反応式を下記に示す。
【0036】
【化2】
【0037】
遊離残留塩素の除去率を更に試験するために、図7を参照する。自己生成ユニット20から電力を受け取り、電気分解ユニット30が遊離残留塩素を含む水塊を電圧1.5ボルト(V)〜6Vで電気分解する時、水塊に含まれる遊離残留塩素の濃度は約0.36ppmから0.1ppm未満に下がる可能性がある。即ち、遊離残留塩素を含む水塊が水塊自己生成電解還元モジュールを通過すると、水塊内の遊離残留塩素の除去率は約40%〜80%のレベルに達し、特に電気分解ユニット30の電圧が4V以上になると、遊離残留塩素の除去率を約80%に維持できる。従って、この水塊自己生成電解還元モジュールは水塊内の酸化性物質の良好な除去効率を有することが分かる。
【0038】
また、遊離残留塩素の電解還元は電気分解ユニット30のカソード部310において起こるので、カソード部310は複数の網目313を有するメッシュ構造体として構成されてもよい(図10に示す)し、又は複数の孔(不図示)がカソード部310に開けられていてもよい。従って、遊離残留塩素を含む水塊が自己生成ユニット20に接触した後、遊離残留塩素を含む水塊の中空管10内の流路は電気分解ユニット30内と、電気分解ユニット30と中空管10との間の空間であり、全て電気分解ユニット30内の空間を通り、次にカソード部310の複数の網目又は孔を通って電気分解ユニット30と中空管10との間の空間に出る。遊離残留塩素の除去効率は、カソード部310と遊離残留塩素を含む水塊との接触面積を増加させることで向上する。これにより、遊離残留塩素を含む水塊が中空管10の第2端120から流出する時、水塊に含まれる遊離残留塩素の濃度は電気分解ユニット30の電気分解により大きく減少し、水塊内に存在する遊離残留塩素の人体への有害度は最低に減少する。
【0039】
図11と図12は本発明の第2の実施形態の概略展開図と概略組立体図である。本発明の第2と第1の実施形態の構造と動作原理はほぼ同じであり、違いだけを下記に示す。
【0040】
本発明の第2の実施形態では、ねじ山170が中空管10の外表面140上に第1端110と第2端120に隣接してそれぞれ設けられ、ねじ山170とプラスチック又は金属等の硬い材料でできた水輸送管のねじ山(不図示)とを係合させることで、該モジュールは水輸送管路に直列に接続される。中空管10の内壁表面130は第1端110と第2端120にそれぞれ隣接する位置に結合部131を有する。また、結合部131の直径は中空管10内の他の領域の直径より大きいので、当接面132(図11に示す)が結合部131と他の領域との接続位置に形成されている。
【0041】
自己生成ユニット20は結合部131に第1端110に隣接して配置され、自己生成ユニット20の枠210の外径は結合部131の直径に一致し、自己生成ユニット20は枠210により結合部131に当接して固定される。電気分解ユニット30は第2端120に隣接した位置に配置される。本実施形態では、電気分解ユニット30のカソード部310は複数の網目を有するカソード板であり、アノード部320は柱状構造を有するアノード棒である。また、導電帯312が自己生成ユニット20と向き合うカソード板310の端に設けられ、自己生成ユニット20の負引き出し線222と結合される。自己生成ユニット20の正引き出し線223は電気分解ユニット30のアノード部320に結合される。
【0042】
本発明の第2の実施形態は2つのストッパー50を更に備える。2つのストッパー50は楕円形支持リング構造を有し、その外径は中空管10の結合部131の直径に一致する。2つのストッパー50がそれぞれ結合部131に配置されると、2つのストッパー50は当接面132に当接し、それらの外面が結合部131に当接した状態で中空管10内に固定される。また、2つのストッパー50は結合部131に接着剤(不図示)で接着されてもよい。又は合致するトレンチとリブ(不図示)をストッパー50と結合部131にそれぞれ配置しリブをトレンチに嵌合することで、ストッパー50を結合部131に固定してもよい。上記はストッパー50を結合部131に固定する方法を例示しているだけであり、本発明を限定するよう意図されていない。
【0043】
2つのストッパー50が中空管10内に配置された時、一方のストッパー50は自己生成ユニット20と電気分解ユニット30との間に位置し、他方のストッパー50は電気分解ユニット30の自己生成ユニット20と反対の側に位置する。
【0044】
各ストッパー50の自己生成ユニット20(又は電気分解ユニット30)に向き合う面は打抜き孔510と、複数の位置決め孔520と、複数の流れ孔530とを有し、これら全ての孔はストッパー50を貫通している。打抜き孔510はストッパー50の中心に配置され、複数の位置決め孔520と複数の流れ孔530は打抜き孔510を囲んでいる。水塊(不図示)が中空管10の第1端110から第2端120の方へ流れる時、水塊は複数の位置決め孔520と複数の流れ孔530を通って中空管10内に広がる。また、電気分解ユニット30が2つのストッパー50によって固定される時、電気分解ユニット30のアノード部320の両端はそれぞれ2つのストッパー50の打抜き孔510に挿入固定され、カソード部310の両端はそれぞれ2つのストッパー50の位置決め孔520に挿入固定される。
【0045】
また、図13に示すように、単一のストッパー50が本発明の第2の実施形態において使用されてもよい。電気分解ユニット30のアノード部320とカソード部310がそれぞれ中空管10内でストッパー50の打抜き孔510と位置決め孔520に挿入固定される。また、図14に示すように、ストッパー50の打抜き孔510と位置決め孔520の数を増やして、複数の電気分解ユニット30を中空管10内に配置してもよい。又は図15に示すように、電気分解ユニット30のカソード部310とアノード部320の数を増やして、アノード部320とカソード部310を交互に、即ち、アノード部320、カソード部310、アノード部320、カソード部310、・・・とストッパー50の中心から中空管10に向って順に配置してもよい。これによりカソード部310の全体表面積が増加し、電気分解ユニット30の電気分解効率が向上する。
【0046】
同様に、第2の実施形態の水塊自己生成電解還元モジュールが組み立てられた後、水塊自己生成電解還元モジュールの電力生成率が試験される。遊離残留塩素を含む水塊が1/2インチ管(不図示)を通って中空管10の第1端110から収容空間150内に流れ込む時、遊離残留塩素を含む水塊は自己生成ユニット20の羽根230に衝突し、羽根230を駆動して回転させることで、自己生成ユニット20が電力を生成するよう駆動する。また、自己生成ユニット20の出力電力は、遊離残留塩素を含む水塊の流量の増加とともに増加する。
【0047】
遊離残留塩素を含む水塊の流量が初期流量0L/分から12.5L/分に増加すると、自己生成ユニット20が生成する出力電力は0mWから1100mW近くまで増加する。また、水塊の流量が6.6L/分を超えると、電気分解ユニットが遊離残留塩素に電解還元を行うのに必要な電気量139mWを供給できる。従って、本発明の水塊自己生成電解還元モジュールでは、電気分解ユニット30を中空管10内に固定する方法を変えることで、自己生成ユニット20の電力生成率を大きく増加させることが出来る。低水塊流量でも電解還元動作に必要な電気量が得られるので、水消費量が減少する。
【0048】
図16に示すように、本発明の第3の実施形態の水塊自己生成電解還元モジュールが水輸送管路(不図示)内に配置されている。この水塊自己生成電解還元モジュールは自己生成ユニット20と電気分解ユニット30とを備える。自己生成ユニット20は第1ケース240、本体220、及び羽根230を有している。第1ケース240は中空管である。第1ケース240の両端はそれぞれ水入口241と水出口242とを有し、枠210が第1ケース240内に配置されている。
【0049】
本体220は枠210に配置され、第1ケース240内につるされている。本体220は固定子、回転子、及び整流回路モジュール(不図示)を内部に有する。固定子は該整流回路モジュールに接続され、誘導コイルを有する。回転子は永久磁石を有し、該誘導コイル内に可動に挿入される。本体220は回転シャフト221、負引き出し線222、及び正引き出し線223を更に有する。回転シャフト221の一端は本体220内に可動に挿入されて、回転子に接続され、回転シャフト221の他端は本体220から突出し羽根230に接続される。羽根230はスクリュー羽根又はタービン羽根として構成されてよい。負引き出し線222及び正引き出し線223はそれぞれ一端が本体220の該整流回路モジュールに接続され、他端が電気分解ユニット30に接続される。
【0050】
自己生成ユニット20は回転シャフト221を駆動して羽根230を回転させ、該回転子は固定子に対して回転して、磁気電力生成により電力を生成する。この電力は該整流回路モジュールにより直流に変換され、負引き出し線222と正引き出し線223を通って電気分解ユニット30へ出力される。永久磁石と誘導コイルが相互作用して電力を生成する磁気電力生成の原理と、自己生成部20の構造構成は従来技術に属するので、詳細な構造及び動作原理の説明は行わない。
【0051】
電気分解ユニット30は第2ケース340、カソード部310、アノード部320、ジャケット330、及び固定部材350を有する。第2ケース340は別の中空管である。第2ケース340は水入口341と水出口342とを有し、側面に結合孔343を備える。カソード部310、アノード部320、及びジャケット330が第2ケース340内に配置されている。カソード部310とアノード部320は自己生成ユニット20の負引き出し線222と正引き出し線223にそれぞれ結合される。カソード部310を構成する材料は、還元反応が容易に起こる金属(例えば、ステンレス鋼)又は黒鉛である。一方、アノード部320を構成する材料は、酸化反応が容易に起こる金属(例えば、イリジウム、ルテニウム、及びパラジウム)である。カソード部310は板状構造の波状カソード板であり、アノード部320は柱状構造のアノード棒である。カソード部310は第2ケース340内に環状にアノード部320と第2ケース340との間に配置される。
【0052】
更に、カソード部310は第2ケース340の複数の結合孔343とそれぞれ対応する複数の貫通孔311を有する。アノード部320はジャケット330に挿入固定され、ジャケット330は複数の固定穴331を有する。固定部材350が第2ケース340の結合孔343と、カソード部310の貫通孔311とを順に通り、ジャケット330の固定穴331に挿入固定されることで、電気分解ユニット30は第2ケース340内に固定される。
【0053】
図16を参照すると、水塊自己生成電解還元モジュールの使用時、自己生成ユニット20と電気分解ユニット30は水輸送管(不図示)内に配置される。例えば、自己生成ユニット20は水輸送管の水入口端に配置され、電気分解ユニット30は水輸送管の水出口端に配置されるか、又は自己生成ユニット20と電気分解ユニット30はそれぞれ水出口端と水入口端に配置される。上記は自己生成ユニット20と電気分解ユニット30を水輸送管内に配置する方法を例示しているだけであり、本発明を限定するものではない。本発明の第3の実施形態では、例示として自己生成ユニット20と電気分解ユニット30がそれぞれ水輸送管の水入口端と水出口端に配置される。
【0054】
従って、遊離残留塩素を含む水塊(不図示)が水輸送管を流れ、自己生成ユニット20と電気分解ユニット30を通って流れる時、遊離残留塩素を含む水塊は自己生成ユニット20の羽根230に衝突し、羽根230を駆動し回転させることで、自己生成ユニット20が電力を生成するよう駆動する。次に、電力が負引き出し線222及び正引き出し線223を通って電気分解ユニット30に出力され、電気分解ユニット30のカソード部310とアノード部320が受け取り、電気分解を実行するので、還元反応が水塊に含まれる遊離残留塩素にカソード部310において起こり、安定で人体に害を与えにくい塩化物イオンを形成する。従って、遊離残留塩素を含む水塊が水輸送管の水出口端から流れ出す時、水塊に含まれる遊離残留塩素の含有量は大きく減少し、水塊内に存在する遊離残留塩素の人体への有害度は最低に減少する。
【0055】
また、本発明の第3の実施形態において、電気分解ユニット30のカソード部310とアノード部320は第2ケース340内に他の方法で固定されてもよい。図17に示すように、電気分解ユニット30は第2ケース340、2つのストッパー360、カソード部310、及びアノード部320を備える。結合部344が第2ケース340の水入口341と水出口342にそれぞれ隣接する位置に配置される。また、2つの結合部344の直径は第2ケース340内の他の領域の直径より大きいので、当接面345が結合部344と他の領域との接続位置に形成されている。
【0056】
2つのストッパー360は楕円形支持リング構造を有し、その外径は第2ケース340の結合部344の直径に一致する。2つのストッパー360がそれぞれ結合部344に配置されると、2つのストッパー360は当接面345に当接し、それらの外面が結合部344に当接した状態で第2ケース340内に固定される。ストッパー360は打抜き孔361と、複数の位置決め孔362と、複数の流れ孔363とを有し、これら全ての孔はストッパー360を貫通している。打抜き孔361はストッパー360の中心に配置され、複数の位置決め孔362と複数の流れ孔363は打抜き孔361を囲んでいる。水塊(不図示)が第2ケース340の水入口341から水出口342の方へ流れると、水塊は複数の位置決め孔362と、複数の流れ孔363を通って第2ケース340内に広がる。
【0057】
電気分解ユニット30のアノード部320の両端はそれぞれ2つのストッパー360の打抜き孔361に挿入固定され、カソード部310の両端はそれぞれ2つのストッパー360の位置決め孔362に挿入固定され、これによりカソード部310とアノード部320は2つのストッパー360によってクランプされ、第2ケース340内に固定される。
【0058】
図18と図19は本発明の第4の実施形態の概略展開図と概略組立体図である。本発明の第4の実施形態は第3の実施形態と構造がほぼ同じであり、違いだけを下記に示す。本発明の第4の実施形態の水塊自己生成電解還元モジュールは自己生成ユニット20と電気分解ユニット30とを備える。ねじ山243が自己生成ユニット20の第1ケース240の外表面上の水入口241に隣接して設けられ、2つのスナップ部材244が第1ケース240の端面に水出口242に隣接して設けられている。2つのスナップ部材244は両端を有し、第1ケース240に接続された一方の端の直径は他方の端の直径より小さい。本実施形態では、2つのスナップ部材244は2つの電気コネクターであり、負引き出し線222と正引き出し線223にそれぞれ結合される。
【0059】
更に、ねじ山346が電気分解ユニット30の第2ケース340の外表面上の水出口342に隣接して設けられ、2つの留めスロット347が第2ケース340の端面に水入口341に隣接して設けられている。各留めスロット347は両端を有し、一方の端の開口は他方の端の開口より小さく、電気接点348がより小さい開口を有する端に配置されている。2つの留めスロット347の電気接点348は電気分解ユニット30のカソード部310とアノード部320にそれぞれ結合されている。
【0060】
従って、水塊自己生成電解還元モジュールの構成において、自己生成ユニット20の2つのスナップ部材244は、電気分解ユニット30の留めスロット347に挿入され、次に自己生成ユニット20を電気分解ユニット30に対してある角度だけ回転させることで、2つのスナップ部材244は留めスロット347にそれぞれ固定され、電気接点348に接触する。これにより自己生成ユニット20が電気分解ユニット30に、自己生成ユニット20の水出口242が電気分解ユニット30の水入口341に接続された状態で接続され、自己生成ユニット20と電気分解ユニット30とが結合される。
【0061】
水輸送管路(不図示)内に配置された時、本水塊自己生成電解還元モジュールは、自己生成ユニット20と電気分解ユニット30のねじ山243及び346を水輸送管のねじ山と係合させることで水輸送管路に直列に接続される。遊離残留塩素を含む水塊が自己生成ユニット20と電気分解ユニット30を通って流れる時、自己生成ユニット20は電力を生成し、自己生成ユニット20が生成した電力を電気分解ユニット30が受け取ると、遊離残留塩素を含む水塊に電気分解が実行されるので、水塊に含まれる遊離残留塩素の含有量は大きく減少する。
【0062】
図20に示すように、本発明の第4の実施形態において、水塊自己生成電解還元モジュールは、接続管60を更に備え、水塊自己生成電解還元モジュールの長さが接続管60で調整可能であってもよい。接続管60は中空管である。2つの電気接続穴610が接続管60の自己生成ユニット20に向き合う一端に設けられ、2つの電気コネクター620が接続管60の電気分解ユニット30に向き合う一端に設けられている。2つの電気接続穴610は電気接続線630を通して電気コネクター620にそれぞれ結合されている。電気接続穴610の形状は、電気分解ユニット30の留めスロット347の形状と同じであり、電気コネクター620の形状は、自己生成ユニット20のスナップ部材244の形状と同じである。
【0063】
従って、水塊自己生成電解還元モジュールの構成において、接続管60の電気接続穴610は自己生成ユニット20のスナップ部材244に固定され、接続管60の電気コネクター620は電気分解ユニット30の留めスロット347にパチンと嵌り、自己生成ユニット20と電気分解ユニット30とが接続管60を介して結合される。
【0064】
また、整流器70が電気分解ユニット30の第2ケース340内に配置されてもよく、整流回路モジュールは自己生成ユニット20から省かれてもよい。整流器70は電気分解ユニット30の電気接点348に結合され、接続管60を通して整流器70に交流の形態で送られた自己生成ユニット20が生成した電力を直流に変換し、この直流をカソード部310とアノード部320に供給する。従って、送電における電力損失が低減され、自己生成ユニット20のスナップ部材244と、接続管60の電気接続穴610及び電気コネクター620と、電気分解ユニット30の電気接点348との分極を防止し、その結果、遊離残留塩素を含む水塊に電気分解を行うのに十分な電力が電気分解ユニット30に供給される。
【0065】
本発明の水塊自己生成電解還元モジュールでは、自己生成ユニットと電気分解ユニットが中空管内に配置され、該中空管、自己生成ユニット、及び電気分解ユニットのサイズは該モジュールを直列に接続する水輸送管のサイズに応じて決められるか、又は自己生成ユニットと電気分解ユニットは水輸送管内に直接配置され、該中空管を省略する。その結果、本水塊自己生成電解還元モジュールは様々なサイズの水輸送管、例えば工業用水又は家庭用水の水輸送管に広く適用できる。また、本水塊自己生成電解還元モジュールは水輸送管に直列に直接接続又は配置されるので、直列接続又は配置後、周辺環境の利用空間を占めることがない。
【0066】
一方、処理対象の酸化性物質を含む水塊が中空管又は水輸送管路内を流れる時、水塊は自己生成ユニットが電力を生成するよう駆動し、電気分解ユニットが水塊内の酸化性物質に電解還元作用を行うようにして、酸化性物質を含む水塊の輸送中に水塊内の酸化性物質を除去する。他の吸着剤又は化学薬品はこの処理において不必要であるので、吸着剤又は化学薬品が水質を汚染する問題を効果的に避けることが出来る。
【0067】
また、その自己生成特徴と簡単な構造のために、本水塊自己生成電解還元モジュールは電源のない様々な環境に広く設置(適用)することが出来、本水塊自己生成電解還元モジュールの使用における適用性と便利さが向上する。
【符号の説明】
【0068】
10 中空管
20 自己生成ユニット
30 電気分解ユニット
40 固定部材
130 内壁表面
140 外表面
150 収容空間
210 枠
220 本体
222 負引き出し線
223 正引き出し線
230 羽根
310 カソード部
320 アノード部
330 ジャケット
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解還元モジュール、特に、自己生成能力を有する水塊電解還元モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
工業用水又は家庭用水等の水塊の一般的な輸送又は貯蔵プロセスにおいて、人体に有害な多量の物質、例えば細菌、ウイルス、又は水質を悪化させる他の微生物が、輸送又は貯蔵環境における無機又は有機物汚染によって存在する。通常の家庭用水、例えば水道水、わき水、地下水、又は井戸水を例にとると、家庭用水は先ず水源から輸送管路を通って貯水池に溜められ、次に貯水池に接続された水輸送管路を通って水使用端に出力される。
【0003】
家庭用水が水使用端に出力された時に使用に適正な基準に達しているようにするために、化学薬品(殺菌剤又はスケール除去剤)が通常、貯水池の水塊に定期的に加えられる。例えば、次亜塩素酸ナトリウム又は塩素ガスが水塊に投入され、次亜塩素酸ナトリウム又は塩素ガスは水塊中で酸化されて、遊離残留塩素(HOCl+OCl-)等の酸化性物質が水塊中に存在する。これにより水使用端での使用の前に該水塊に細菌の繁殖又はその害がないことを保証する。遊離残留塩素は水塊において殺菌及び消毒効果を有するが、水塊に含まれる約2〜3ppm(mg/L)くらいの高い濃度の遊離残留塩素は水質を悪化させ、遊離残留塩素に特有の刺激臭を使用者に与える。従って、大多数の人々の感覚と遊離残留塩素の量による消毒効果とを考慮して、世界保健機関(WHO)は0.1ppm未満の濃度の遊離残留塩素を飲用適性を考慮して規定された基準として推奨し、各国が個別の国状に応じて自分達で調整するよう勧告してきた。
【0004】
しかし、幾つかの国において規定された遊離残留塩素規格はまだこのような規定された基準より高い。また、大雨に曝された地域では、水源汚染により水塊に含まれる遊離残留塩素の平均濃度は約10倍増加する。これは接触し飲用する人にとって、水は殺菌されているという保証にも拘わらず生活における高いリスクである。また、科学研究の結果によると、高い酸化力を有する遊離残留塩素は、食物摂取だけでなく皮膚吸収によっても人体に影響する可能性がある。僅かだけ、遊離残留塩素は酸性化され、毛髪と皮膚のタンパク質を破壊して毛髪と皮膚に損傷を与える可能性があり、重大な程度、遊離残留塩素は慢性疾患、例えば心臓病、動脈硬化症、高血圧症、アレルギー、及び他の人体への症状を引き起こす可能性がある。
【0005】
このことを考慮すると、殺菌及び消毒効果を達成するために、適切な量の遊離残留塩素が水塊中に必要であるが、水塊が水輸送管路を通って水使用端へ輸送される時、水塊に含まれる遊離残留塩素及び他の酸化性物質の濃度を最低に下げるか、又は水塊から可能な限り除去し、人体への害を避けなければならない。
【0006】
水塊中の遊離残留塩素又は他の酸化性物質を除去する現在の方法では、濾過(又は浄水)装置が通常、貯水池と水使用端との間に設置され、酸化性物質(例えば、遊離残留塩素)を含む水塊は先ず濾過装置へ流れ、酸化性物質は濾過装置に充填された吸着剤によって吸着される。例えば、酸化性物質は多孔質セラミックボール、活性炭、又は他の化学薬剤によって吸着され、反応することで水塊から除去される。
【0007】
しかし、従来の濾過装置の使用時、濾過装置は複雑な構造を有し、ある容積を占めるので、濾過装置はある特定のエリアにだけ設置されうる。例えば、たいてい普通の家庭の水タンク下の収容空間に飲用水を濾過するために設置される。従って、濾過装置は、その容積の制限のために他の水輸送設備に広く適用することが出来ない。
【0008】
また、濾過装置に充填された吸着剤は、水塊との長期接触後、水質を汚染する可能性があるので、定期的交換が必要である。また、濾過装置の円滑な動作のために動作電源も設けなければならないので、濾過装置の使用費用はかなり増加し、過大なエネルギーが消費される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、従来の水塊浄化装置に比べて改善された、水塊内の酸化性物質を濾過(又は除去)するための水塊自己生成電解還元モジュールを提供するものであり、従来の装置は構造が複雑で容積が大きく、追加の動作電源を必要とする問題を緩和し、従来の水塊浄化装置の(製造だけでなく使用時も)過度に高いコスト、困難な組み立て、及び過大なエネルギー消費の問題を解決すると共に、従来の水塊浄化装置は吸着剤及び/又は化学薬品を使用して水塊内の酸化性物質を除去するので吸着剤及び/又は化学薬品が水質を汚染する可能性があるがこの可能性を取り除くことができる水塊自己生成電解還元モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は酸化性物質を含む水塊が流れる水輸送管路に適用される水塊自己生成電解還元モジュールを提供する。この水塊自己生成電解還元モジュールは自己生成ユニットと電気分解ユニットとを備える。該自己生成ユニットは羽根を有し、該羽根が回転する時、電力を生成する。該自己生成ユニットと該電気分解ユニットとは該水輸送管路内に配置され、該電気分解ユニットは該自己生成ユニットに結合されている。水塊が該水輸送管路内を流れる時、該水塊が該自己生成ユニットの該羽根を駆動し回転させ、電力を生成する。該電気分解ユニットは該電力を受け取って、該電気分解ユニットを流れる該水塊に電気分解を行う。これにより該水塊内の酸化性物質に還元反応が起こる。
【0011】
本発明の水塊自己生成電解還元モジュールでは、該自己生成ユニットと該電気分解ユニットとは水輸送管路内に配置され、該自己生成ユニットは水輸送管路内の処理対象の酸化性物質を含む水塊の流れによって駆動され、電力を生成する。該電気分解ユニットは該電力によって作動され該水塊内の該酸化性物質を除去し、該酸化性物質の濃度を下げる。
【0012】
本発明の水塊自己生成電解還元モジュールは、追加の電力と吸着剤及び/又は化学薬品とを必要とせずに水塊内の酸化性物質を除去する(又は減少させる)ので、外部供給電力の消費を効果的に低減できかつ、吸着剤及び化学薬品の使用による水質汚染の問題を回避できる。また、本水塊自己生成電解還元モジュールの自己生成特徴と簡単な構造のために、本水塊自己生成電解還元モジュールは電源のない様々な環境に広く設置(適用)することが出来、本水塊自己生成電解還元モジュールの使用における適用性と便利さが向上する。
本発明は下記の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。下記の説明は例示だけのためであり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態の概略展開図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の概略組立体図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の中空管の外表面上に配置された自己生成ユニットの誘導コイルを例示する概略組立体図である。
【図4】本発明の電気分解を実行可能な電気分解ユニットの領域を例示する概略断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の内壁表面にねじ山を有する中空管を例示する概略断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の外表面にねじ山を有する中空管を例示する概略断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の遊離残留塩素の除去率を例示する概略図である。
【図8】本発明の第1の実施形態の出力電力を例示する概略図である。
【図9】本発明の第1の実施形態の一様でない直径を有する中空管を例示する概略断面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態のメッシュ構造を有するカソード部を例示する概略断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の概略展開図である。
【図12】本発明の第2の実施形態の概略組立体図である。
【図13】本発明の第2の実施形態の一つだけのストッパーの配置を例示する概略組立体図である。
【図14】本発明の第2の実施形態の複数の電気分解ユニットの配置を例示する概略断面図である。
【図15】本発明の第2の実施形態の複数のカソード部とアノード部とを有する電気分解ユニットを例示する概略断面図である。
【図16】本発明の第3の実施形態の概略断面図である。
【図17】本発明の第3の実施形態の2つのストッパーを有する電気分解ユニットの概略断面図である。
【図18】本発明の第4の実施形態の概略展開図である。
【図19】本発明の第4の実施形態の概略組立体図である。
【図20】本発明の第4の実施形態に含まれる接続管を例示する概略展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の水塊自己生成電解還元モジュールは、家庭用又は工業用の水輸送管路、又は水塊を輸送するための任意の管路内に配置され、水輸送管路によって輸送される水塊に含まれる酸化性物質の含有量を減らすか又は除去してもよい。酸化性物質は、これらに限定されないが、過塩素酸(HClO4)、塩素酸(HClO3)、亜塩素酸(HClO2)、次亜塩素酸(HClO)、二酸化水素、過酢酸、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、重硫酸ナトリウム(NaHSO3)、硫化ナトリウム(Na2S)、次亜硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、又は水塊中で酸化物を容易に形成する他の不純物、又はHClO4、HClO3、HClO2、HClOの電離により生成される酸性基及び化合物塩であってよい。
【0015】
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態の水塊自己生成電解還元モジュールは、自己生成ユニット20、電気分解ユニット30、及び複数の固定部材40を備える。自己生成ユニット20は第1ケースを備え、電気分解ユニット30は第2ケースを備え、該第1ケースは該第2ケースと接続され中空管10を形成する。中空管10は第1端110、第2端120、内壁表面130、外表面140、及び収容空間150を有する。内壁表面130と外表面140は中空管10の互いに反対側に位置し、それぞれ第1端110から第2端120へ延在する。内壁表面130と外表面140とを貫通する複数の結合孔160が中空管10に設けられている。
【0016】
自己生成ユニット20は第1端110に近接する位置に配置され、電気分解ユニット30は第2端120に近接する位置に配置される。収容空間150内の自己生成ユニット20と電気分解ユニット30の配置は、自己生成ユニット20は第2端120に近接し、電気分解ユニット30は第1端110に近接する配置であってもよい。第1の実施形態では、自己生成ユニット20は第1端110に近接し、電気分解ユニット30は第2端120に近接する配置を例示のために採用しているが、本発明はこれに限定されない。
【0017】
自己生成ユニット20は枠210、本体220、及び羽根230を有する。枠210の外径は中空管10の内径に一致し、中空管10の収容空間150内に配置された時、枠210は中空管10の内壁表面130にぴったりと当接し、収容空間150内に固定される。また、複数のリブ(又はこぶ)が枠210の外表面上に配置され、対応するトレンチ(又は溝)(不図示)が内壁表面130に配置されており、該リブを該トレンチに嵌めることで、枠210を収容空間150内に固定することが出来る。
【0018】
本体220は固定子、回転子、及び整流回路モジュール(不図示)を内部に有する。固定子は該整流回路モジュールに接続され、誘導コイルを有する。回転子は永久磁石を有し、該誘導コイル内に可動に挿入される。本体220は回転シャフト221、負引き出し線222、及び正引き出し線223を更に有する。回転シャフト221の一端は本体220内に可動に挿入されて、回転子に接続され、回転シャフト221の他端は本体220から突出して羽根230に接続される。羽根230はスクリュー羽根又はタービン羽根として構成されてよい。負引き出し線222及び正引き出し線223はそれぞれ一端が本体220の該整流回路モジュールに接続され、他端が電気分解ユニット30に接続される。
【0019】
自己生成ユニット20は回転シャフト221を駆動して羽根230を回転させ、該回転子は固定子に対して回転して、磁気電力生成により電力を生成する。この電力は該整流回路モジュールにより直流に変換され、負引き出し線222と正引き出し線223を通って電気分解ユニット30へ出力される。また、図3に示すように、本発明の他の実施形態では、自己生成ユニット20が永久磁石224と誘導コイル225とにより電力を生成する構成において、誘導コイル225は中空管10の外表面140上に巻かれ、永久磁石224は誘導コイル225に対応するよう回転シャフト221上で中空管10の内壁表面130の近くに配置されてもよい。また、整流回路モジュール226は中空管10の外表面140上に配置され、誘導コイル225は整流回路モジュール226に結合され、整流回路モジュール226を介して電気分解ユニット30に結合される。従って、回転シャフト221は回転する時、永久磁石224を駆動して誘導コイル225に対して回転させ、電力を生成する。電力は整流回路モジュール226に出力され、整流回路モジュール226を介して電気分解ユニット30に送られる。
【0020】
永久磁石と誘導コイルが相互作用して電力を生成する磁気電力生成の原理と、自己生成部の構造構成は従来技術に属するので、詳細な構造及び動作原理の説明は行わない。
【0021】
図1及び図2を参照すると、電気分解ユニット30はカソード部310、アノード部320、及びジャケット330を有する。カソード部310は自己生成ユニット20の負引き出し線222に結合され、アノード部320は自己生成ユニット20の正引き出し線223に結合される。カソード部310を構成する材料は、これらに限定されないが国際番号316以上のステンレス鋼材料、黒鉛、又は還元反応が容易に起こる他の材料である。アノード部320を構成する材料は、これらに限定されないが白金、白金化金属、又は酸化反応が容易に起こる他の材料、例えばイリジウム、ルテニウム、及びパラジウムである。ギャップdがカソード部310とアノード部320との間に存在する。カソード部310とアノード部320はそれぞれ板状構造体と柱状構造体、又は両方とも板状構造体として構成されるか、又はカソード部及び/又はアノード部は帯状、螺旋状、多巻き状、多シート状、波状、又は網状構成を有してもよい。カソード部310の全表面積は最大化され、アノード部320の全表面積は最小化される。
【0022】
カソード部310とアノード部320はそれぞれ効果的な反応領域314と321を有する。カソード部310の効果的な反応領域314とアノード部320の効果的な反応領域321は、領域370内のカソード部310とアノード部とのそれぞれの表面領域であって、カソード部310とアノード部320との間で電気分解を実行できる表面領域である(図4に示す)。また、カソード部310の効果的な反応領域314とアノード部320の効果的な反応領域321との比は4.5:1と10:1の間、特に8:1未満であり、電気分解ユニット30の電気分解効率を向上させる。
【0023】
本実施形態では、例示としてカソード部310は板状構造を有するカソード板であり、アノード部320は柱状構造を有するアノード棒であるが、本発明はこれに限定されない。カソード部310は収容空間150内に環状に中空管10の内壁表面130に沿って配置され、アノード部320と中空管10の内壁表面130との間に位置する。カソード部310は中空管10の複数の結合孔160にそれぞれ対応する複数の貫通孔311を有する。アノード部320はジャケット330に挿入固定され、ジャケット330は複数の固定穴331を有する。
【0024】
電気分解ユニット30の構成において、固定部材40は中空管10の結合孔160と、カソード部310の貫通孔311とを順に通り、ジャケット330の固定穴331に挿入固定されることで、電気分解ユニット30は収容空間150内に固定され、アノード部320は固定部材40によってクランプされ収容空間150内につるされる。本実施形態では、例示として2つの固定部材40が中空管10の収容空間150内に電気分解ユニット30を固定するが、他の実施形態では、1つだけの固定部材40が中空管10の結合孔160とカソード部310の貫通孔311とを順に通り、ジャケット330の固定穴331に固定されることで、電気分解ユニット30が収容空間150内に固定されてもよい。上記は電気分解ユニット30を中空管10内に配置し固定する方法を例示しているだけであり、本発明を限定するものではない。
【0025】
アノード部320の位置は、アノード部320がカソード部310が囲む円の中心に位置する(アノード部320とカソード部310の間のギャップdが均等である)か、又はアノード部320がカソード部310が囲む円の中心からずれるように、異なる長さの固定部材40を使用して調整してもよい。また、固定部材40は電気分解ユニット30を中空管10内にクランプし固定するためのネジ、ボルト、又はスタッドの形態であってもよい。一方、ワッシャー又はオーリング(不図示)を固定部材40に装着して、固定部材40と中空管10の外表面140との間の密着性を増加させてもよい。
【0026】
図2に示すように、水塊自己生成電解還元モジュールの使用時、水塊自己生成電解還元モジュールは水輸送管路(不図示)に直列に、例えば中空管10の第1端110(又は第2端120)にゴムホースを介して直接接続され、該水塊自己生成電解還元モジュールは水道の蛇口の出口に直列に接続されるか、又は図5及び図6に示すように水塊自己生成電解還元モジュールは、中空管10の内壁表面130又は外表面140上の第1端110及び/又は第2端120に隣接してねじ山170を設け、ねじ山170とプラスチック又は金属等の硬い材料でできた水輸送管のねじ山(不図示)とを係合させることで、水輸送管路に直列に接続される。また、内壁表面130上にねじ山170を有する中空管10と、外表面140上にねじ山170を有する中空管10とを先ず互いに係合させ、次に水塊自己生成電解還元モジュールを水輸送管路に直列に接続してもよい。上記は水塊自己生成電解還元モジュールを水輸送管路に結合する方法を例示しているだけであり、本発明を限定するよう意図されていない。水塊自己生成電解還元モジュールのサイズを、このモジュールを接続する水輸送管路の管直径に応じて調整してもよく、様々なサイズの水塊自己生成電解還元モジュールが作製される。
【0027】
本実施形態では、例示として水塊自己生成電解還元モジュールは一般家庭用1/2インチ管(不図示)に適用され、水塊に含まれる遊離残留塩素(HOCl+OCl-)を除去するために使用される。水塊自己生成電解還元モジュールの中空管10の長さは約14センチメートル(cm)で、中空管10の直径は1/2インチ管の直径に等しい(約1.6cm)。電気分解ユニット30のカソード部310とアノード部320の長さは約10cmで、カソード部310の直径は約1.2cmである。
【0028】
図2に示すように、動作時、遊離残留塩素を含む水塊(不図示)が中空管10の第1端110から収容空間150内に流れ込む時、遊離残留塩素を含む水塊は自己生成ユニット20の羽根230に衝突し、羽根230を駆動し回転させることで、自己生成ユニット20が電力を生成するよう駆動する。また、自己生成ユニット20の出力電力は、遊離残留塩素を含む水塊の流量の増加とともに増加する。
【0029】
図8を参照すると、遊離残留塩素を含む水塊の流量が初期流量0L/分から12.5L/分に増加すると、自己生成ユニット20が生成する出力電力は0mWから1100mW近くまで増加する。水塊の流量(x)と自己生成ユニット20の出力電力(y)との関係は多項式回帰演算により次式Iのように得られる。
【0030】
【数1】
(式I)
【0031】
従って、水塊の流量が6.6L/分を超えると、電気分解ユニットが遊離残留塩素に電解還元を行うのに必要な電気量139mWを供給できる。
【0032】
自己生成ユニット20が生成する電力は遊離残留塩素を含む水塊の流量に比例するので、自己生成ユニット20が生成する電力は自己生成ユニット20の固定子の誘導コイルのコイル密度を変えることで増加する可能性がある。或いは、図9に示すように、自己生成ユニット20が生成する電力は、中空管10の第1端110の管直径を大きくするか、又はベンチュリ管形状の中空管10を配置して、自己生成ユニット20へ流れる遊離残留塩素を含む水塊の流量を増加させることでも、増加する可能性がある。
【0033】
次に、電力が負引き出し線222及び正引き出し線223を通って電気分解ユニット30に出力され、電気分解ユニット30のカソード部310とアノード部320が受け取った後、電気分解が実行されるので、遊離残留塩素を含む水塊が電気分解ユニット30に流れる時、還元反応が水塊に含まれる遊離残留塩素にカソード部310において起こり、安定で人体に害を与えにくい塩化物イオンを形成する。これにより水塊に含まれる遊離残留塩素の含有量が減少する。遊離残留塩素を含む水塊が酸性水である場合、その酸化還元反応式を下記に示す。
【0034】
【化1】
【0035】
遊離残留塩素を含む水塊がアルカリ水である場合、その酸化還元反応式を下記に示す。
【0036】
【化2】
【0037】
遊離残留塩素の除去率を更に試験するために、図7を参照する。自己生成ユニット20から電力を受け取り、電気分解ユニット30が遊離残留塩素を含む水塊を電圧1.5ボルト(V)〜6Vで電気分解する時、水塊に含まれる遊離残留塩素の濃度は約0.36ppmから0.1ppm未満に下がる可能性がある。即ち、遊離残留塩素を含む水塊が水塊自己生成電解還元モジュールを通過すると、水塊内の遊離残留塩素の除去率は約40%〜80%のレベルに達し、特に電気分解ユニット30の電圧が4V以上になると、遊離残留塩素の除去率を約80%に維持できる。従って、この水塊自己生成電解還元モジュールは水塊内の酸化性物質の良好な除去効率を有することが分かる。
【0038】
また、遊離残留塩素の電解還元は電気分解ユニット30のカソード部310において起こるので、カソード部310は複数の網目313を有するメッシュ構造体として構成されてもよい(図10に示す)し、又は複数の孔(不図示)がカソード部310に開けられていてもよい。従って、遊離残留塩素を含む水塊が自己生成ユニット20に接触した後、遊離残留塩素を含む水塊の中空管10内の流路は電気分解ユニット30内と、電気分解ユニット30と中空管10との間の空間であり、全て電気分解ユニット30内の空間を通り、次にカソード部310の複数の網目又は孔を通って電気分解ユニット30と中空管10との間の空間に出る。遊離残留塩素の除去効率は、カソード部310と遊離残留塩素を含む水塊との接触面積を増加させることで向上する。これにより、遊離残留塩素を含む水塊が中空管10の第2端120から流出する時、水塊に含まれる遊離残留塩素の濃度は電気分解ユニット30の電気分解により大きく減少し、水塊内に存在する遊離残留塩素の人体への有害度は最低に減少する。
【0039】
図11と図12は本発明の第2の実施形態の概略展開図と概略組立体図である。本発明の第2と第1の実施形態の構造と動作原理はほぼ同じであり、違いだけを下記に示す。
【0040】
本発明の第2の実施形態では、ねじ山170が中空管10の外表面140上に第1端110と第2端120に隣接してそれぞれ設けられ、ねじ山170とプラスチック又は金属等の硬い材料でできた水輸送管のねじ山(不図示)とを係合させることで、該モジュールは水輸送管路に直列に接続される。中空管10の内壁表面130は第1端110と第2端120にそれぞれ隣接する位置に結合部131を有する。また、結合部131の直径は中空管10内の他の領域の直径より大きいので、当接面132(図11に示す)が結合部131と他の領域との接続位置に形成されている。
【0041】
自己生成ユニット20は結合部131に第1端110に隣接して配置され、自己生成ユニット20の枠210の外径は結合部131の直径に一致し、自己生成ユニット20は枠210により結合部131に当接して固定される。電気分解ユニット30は第2端120に隣接した位置に配置される。本実施形態では、電気分解ユニット30のカソード部310は複数の網目を有するカソード板であり、アノード部320は柱状構造を有するアノード棒である。また、導電帯312が自己生成ユニット20と向き合うカソード板310の端に設けられ、自己生成ユニット20の負引き出し線222と結合される。自己生成ユニット20の正引き出し線223は電気分解ユニット30のアノード部320に結合される。
【0042】
本発明の第2の実施形態は2つのストッパー50を更に備える。2つのストッパー50は楕円形支持リング構造を有し、その外径は中空管10の結合部131の直径に一致する。2つのストッパー50がそれぞれ結合部131に配置されると、2つのストッパー50は当接面132に当接し、それらの外面が結合部131に当接した状態で中空管10内に固定される。また、2つのストッパー50は結合部131に接着剤(不図示)で接着されてもよい。又は合致するトレンチとリブ(不図示)をストッパー50と結合部131にそれぞれ配置しリブをトレンチに嵌合することで、ストッパー50を結合部131に固定してもよい。上記はストッパー50を結合部131に固定する方法を例示しているだけであり、本発明を限定するよう意図されていない。
【0043】
2つのストッパー50が中空管10内に配置された時、一方のストッパー50は自己生成ユニット20と電気分解ユニット30との間に位置し、他方のストッパー50は電気分解ユニット30の自己生成ユニット20と反対の側に位置する。
【0044】
各ストッパー50の自己生成ユニット20(又は電気分解ユニット30)に向き合う面は打抜き孔510と、複数の位置決め孔520と、複数の流れ孔530とを有し、これら全ての孔はストッパー50を貫通している。打抜き孔510はストッパー50の中心に配置され、複数の位置決め孔520と複数の流れ孔530は打抜き孔510を囲んでいる。水塊(不図示)が中空管10の第1端110から第2端120の方へ流れる時、水塊は複数の位置決め孔520と複数の流れ孔530を通って中空管10内に広がる。また、電気分解ユニット30が2つのストッパー50によって固定される時、電気分解ユニット30のアノード部320の両端はそれぞれ2つのストッパー50の打抜き孔510に挿入固定され、カソード部310の両端はそれぞれ2つのストッパー50の位置決め孔520に挿入固定される。
【0045】
また、図13に示すように、単一のストッパー50が本発明の第2の実施形態において使用されてもよい。電気分解ユニット30のアノード部320とカソード部310がそれぞれ中空管10内でストッパー50の打抜き孔510と位置決め孔520に挿入固定される。また、図14に示すように、ストッパー50の打抜き孔510と位置決め孔520の数を増やして、複数の電気分解ユニット30を中空管10内に配置してもよい。又は図15に示すように、電気分解ユニット30のカソード部310とアノード部320の数を増やして、アノード部320とカソード部310を交互に、即ち、アノード部320、カソード部310、アノード部320、カソード部310、・・・とストッパー50の中心から中空管10に向って順に配置してもよい。これによりカソード部310の全体表面積が増加し、電気分解ユニット30の電気分解効率が向上する。
【0046】
同様に、第2の実施形態の水塊自己生成電解還元モジュールが組み立てられた後、水塊自己生成電解還元モジュールの電力生成率が試験される。遊離残留塩素を含む水塊が1/2インチ管(不図示)を通って中空管10の第1端110から収容空間150内に流れ込む時、遊離残留塩素を含む水塊は自己生成ユニット20の羽根230に衝突し、羽根230を駆動して回転させることで、自己生成ユニット20が電力を生成するよう駆動する。また、自己生成ユニット20の出力電力は、遊離残留塩素を含む水塊の流量の増加とともに増加する。
【0047】
遊離残留塩素を含む水塊の流量が初期流量0L/分から12.5L/分に増加すると、自己生成ユニット20が生成する出力電力は0mWから1100mW近くまで増加する。また、水塊の流量が6.6L/分を超えると、電気分解ユニットが遊離残留塩素に電解還元を行うのに必要な電気量139mWを供給できる。従って、本発明の水塊自己生成電解還元モジュールでは、電気分解ユニット30を中空管10内に固定する方法を変えることで、自己生成ユニット20の電力生成率を大きく増加させることが出来る。低水塊流量でも電解還元動作に必要な電気量が得られるので、水消費量が減少する。
【0048】
図16に示すように、本発明の第3の実施形態の水塊自己生成電解還元モジュールが水輸送管路(不図示)内に配置されている。この水塊自己生成電解還元モジュールは自己生成ユニット20と電気分解ユニット30とを備える。自己生成ユニット20は第1ケース240、本体220、及び羽根230を有している。第1ケース240は中空管である。第1ケース240の両端はそれぞれ水入口241と水出口242とを有し、枠210が第1ケース240内に配置されている。
【0049】
本体220は枠210に配置され、第1ケース240内につるされている。本体220は固定子、回転子、及び整流回路モジュール(不図示)を内部に有する。固定子は該整流回路モジュールに接続され、誘導コイルを有する。回転子は永久磁石を有し、該誘導コイル内に可動に挿入される。本体220は回転シャフト221、負引き出し線222、及び正引き出し線223を更に有する。回転シャフト221の一端は本体220内に可動に挿入されて、回転子に接続され、回転シャフト221の他端は本体220から突出し羽根230に接続される。羽根230はスクリュー羽根又はタービン羽根として構成されてよい。負引き出し線222及び正引き出し線223はそれぞれ一端が本体220の該整流回路モジュールに接続され、他端が電気分解ユニット30に接続される。
【0050】
自己生成ユニット20は回転シャフト221を駆動して羽根230を回転させ、該回転子は固定子に対して回転して、磁気電力生成により電力を生成する。この電力は該整流回路モジュールにより直流に変換され、負引き出し線222と正引き出し線223を通って電気分解ユニット30へ出力される。永久磁石と誘導コイルが相互作用して電力を生成する磁気電力生成の原理と、自己生成部20の構造構成は従来技術に属するので、詳細な構造及び動作原理の説明は行わない。
【0051】
電気分解ユニット30は第2ケース340、カソード部310、アノード部320、ジャケット330、及び固定部材350を有する。第2ケース340は別の中空管である。第2ケース340は水入口341と水出口342とを有し、側面に結合孔343を備える。カソード部310、アノード部320、及びジャケット330が第2ケース340内に配置されている。カソード部310とアノード部320は自己生成ユニット20の負引き出し線222と正引き出し線223にそれぞれ結合される。カソード部310を構成する材料は、還元反応が容易に起こる金属(例えば、ステンレス鋼)又は黒鉛である。一方、アノード部320を構成する材料は、酸化反応が容易に起こる金属(例えば、イリジウム、ルテニウム、及びパラジウム)である。カソード部310は板状構造の波状カソード板であり、アノード部320は柱状構造のアノード棒である。カソード部310は第2ケース340内に環状にアノード部320と第2ケース340との間に配置される。
【0052】
更に、カソード部310は第2ケース340の複数の結合孔343とそれぞれ対応する複数の貫通孔311を有する。アノード部320はジャケット330に挿入固定され、ジャケット330は複数の固定穴331を有する。固定部材350が第2ケース340の結合孔343と、カソード部310の貫通孔311とを順に通り、ジャケット330の固定穴331に挿入固定されることで、電気分解ユニット30は第2ケース340内に固定される。
【0053】
図16を参照すると、水塊自己生成電解還元モジュールの使用時、自己生成ユニット20と電気分解ユニット30は水輸送管(不図示)内に配置される。例えば、自己生成ユニット20は水輸送管の水入口端に配置され、電気分解ユニット30は水輸送管の水出口端に配置されるか、又は自己生成ユニット20と電気分解ユニット30はそれぞれ水出口端と水入口端に配置される。上記は自己生成ユニット20と電気分解ユニット30を水輸送管内に配置する方法を例示しているだけであり、本発明を限定するものではない。本発明の第3の実施形態では、例示として自己生成ユニット20と電気分解ユニット30がそれぞれ水輸送管の水入口端と水出口端に配置される。
【0054】
従って、遊離残留塩素を含む水塊(不図示)が水輸送管を流れ、自己生成ユニット20と電気分解ユニット30を通って流れる時、遊離残留塩素を含む水塊は自己生成ユニット20の羽根230に衝突し、羽根230を駆動し回転させることで、自己生成ユニット20が電力を生成するよう駆動する。次に、電力が負引き出し線222及び正引き出し線223を通って電気分解ユニット30に出力され、電気分解ユニット30のカソード部310とアノード部320が受け取り、電気分解を実行するので、還元反応が水塊に含まれる遊離残留塩素にカソード部310において起こり、安定で人体に害を与えにくい塩化物イオンを形成する。従って、遊離残留塩素を含む水塊が水輸送管の水出口端から流れ出す時、水塊に含まれる遊離残留塩素の含有量は大きく減少し、水塊内に存在する遊離残留塩素の人体への有害度は最低に減少する。
【0055】
また、本発明の第3の実施形態において、電気分解ユニット30のカソード部310とアノード部320は第2ケース340内に他の方法で固定されてもよい。図17に示すように、電気分解ユニット30は第2ケース340、2つのストッパー360、カソード部310、及びアノード部320を備える。結合部344が第2ケース340の水入口341と水出口342にそれぞれ隣接する位置に配置される。また、2つの結合部344の直径は第2ケース340内の他の領域の直径より大きいので、当接面345が結合部344と他の領域との接続位置に形成されている。
【0056】
2つのストッパー360は楕円形支持リング構造を有し、その外径は第2ケース340の結合部344の直径に一致する。2つのストッパー360がそれぞれ結合部344に配置されると、2つのストッパー360は当接面345に当接し、それらの外面が結合部344に当接した状態で第2ケース340内に固定される。ストッパー360は打抜き孔361と、複数の位置決め孔362と、複数の流れ孔363とを有し、これら全ての孔はストッパー360を貫通している。打抜き孔361はストッパー360の中心に配置され、複数の位置決め孔362と複数の流れ孔363は打抜き孔361を囲んでいる。水塊(不図示)が第2ケース340の水入口341から水出口342の方へ流れると、水塊は複数の位置決め孔362と、複数の流れ孔363を通って第2ケース340内に広がる。
【0057】
電気分解ユニット30のアノード部320の両端はそれぞれ2つのストッパー360の打抜き孔361に挿入固定され、カソード部310の両端はそれぞれ2つのストッパー360の位置決め孔362に挿入固定され、これによりカソード部310とアノード部320は2つのストッパー360によってクランプされ、第2ケース340内に固定される。
【0058】
図18と図19は本発明の第4の実施形態の概略展開図と概略組立体図である。本発明の第4の実施形態は第3の実施形態と構造がほぼ同じであり、違いだけを下記に示す。本発明の第4の実施形態の水塊自己生成電解還元モジュールは自己生成ユニット20と電気分解ユニット30とを備える。ねじ山243が自己生成ユニット20の第1ケース240の外表面上の水入口241に隣接して設けられ、2つのスナップ部材244が第1ケース240の端面に水出口242に隣接して設けられている。2つのスナップ部材244は両端を有し、第1ケース240に接続された一方の端の直径は他方の端の直径より小さい。本実施形態では、2つのスナップ部材244は2つの電気コネクターであり、負引き出し線222と正引き出し線223にそれぞれ結合される。
【0059】
更に、ねじ山346が電気分解ユニット30の第2ケース340の外表面上の水出口342に隣接して設けられ、2つの留めスロット347が第2ケース340の端面に水入口341に隣接して設けられている。各留めスロット347は両端を有し、一方の端の開口は他方の端の開口より小さく、電気接点348がより小さい開口を有する端に配置されている。2つの留めスロット347の電気接点348は電気分解ユニット30のカソード部310とアノード部320にそれぞれ結合されている。
【0060】
従って、水塊自己生成電解還元モジュールの構成において、自己生成ユニット20の2つのスナップ部材244は、電気分解ユニット30の留めスロット347に挿入され、次に自己生成ユニット20を電気分解ユニット30に対してある角度だけ回転させることで、2つのスナップ部材244は留めスロット347にそれぞれ固定され、電気接点348に接触する。これにより自己生成ユニット20が電気分解ユニット30に、自己生成ユニット20の水出口242が電気分解ユニット30の水入口341に接続された状態で接続され、自己生成ユニット20と電気分解ユニット30とが結合される。
【0061】
水輸送管路(不図示)内に配置された時、本水塊自己生成電解還元モジュールは、自己生成ユニット20と電気分解ユニット30のねじ山243及び346を水輸送管のねじ山と係合させることで水輸送管路に直列に接続される。遊離残留塩素を含む水塊が自己生成ユニット20と電気分解ユニット30を通って流れる時、自己生成ユニット20は電力を生成し、自己生成ユニット20が生成した電力を電気分解ユニット30が受け取ると、遊離残留塩素を含む水塊に電気分解が実行されるので、水塊に含まれる遊離残留塩素の含有量は大きく減少する。
【0062】
図20に示すように、本発明の第4の実施形態において、水塊自己生成電解還元モジュールは、接続管60を更に備え、水塊自己生成電解還元モジュールの長さが接続管60で調整可能であってもよい。接続管60は中空管である。2つの電気接続穴610が接続管60の自己生成ユニット20に向き合う一端に設けられ、2つの電気コネクター620が接続管60の電気分解ユニット30に向き合う一端に設けられている。2つの電気接続穴610は電気接続線630を通して電気コネクター620にそれぞれ結合されている。電気接続穴610の形状は、電気分解ユニット30の留めスロット347の形状と同じであり、電気コネクター620の形状は、自己生成ユニット20のスナップ部材244の形状と同じである。
【0063】
従って、水塊自己生成電解還元モジュールの構成において、接続管60の電気接続穴610は自己生成ユニット20のスナップ部材244に固定され、接続管60の電気コネクター620は電気分解ユニット30の留めスロット347にパチンと嵌り、自己生成ユニット20と電気分解ユニット30とが接続管60を介して結合される。
【0064】
また、整流器70が電気分解ユニット30の第2ケース340内に配置されてもよく、整流回路モジュールは自己生成ユニット20から省かれてもよい。整流器70は電気分解ユニット30の電気接点348に結合され、接続管60を通して整流器70に交流の形態で送られた自己生成ユニット20が生成した電力を直流に変換し、この直流をカソード部310とアノード部320に供給する。従って、送電における電力損失が低減され、自己生成ユニット20のスナップ部材244と、接続管60の電気接続穴610及び電気コネクター620と、電気分解ユニット30の電気接点348との分極を防止し、その結果、遊離残留塩素を含む水塊に電気分解を行うのに十分な電力が電気分解ユニット30に供給される。
【0065】
本発明の水塊自己生成電解還元モジュールでは、自己生成ユニットと電気分解ユニットが中空管内に配置され、該中空管、自己生成ユニット、及び電気分解ユニットのサイズは該モジュールを直列に接続する水輸送管のサイズに応じて決められるか、又は自己生成ユニットと電気分解ユニットは水輸送管内に直接配置され、該中空管を省略する。その結果、本水塊自己生成電解還元モジュールは様々なサイズの水輸送管、例えば工業用水又は家庭用水の水輸送管に広く適用できる。また、本水塊自己生成電解還元モジュールは水輸送管に直列に直接接続又は配置されるので、直列接続又は配置後、周辺環境の利用空間を占めることがない。
【0066】
一方、処理対象の酸化性物質を含む水塊が中空管又は水輸送管路内を流れる時、水塊は自己生成ユニットが電力を生成するよう駆動し、電気分解ユニットが水塊内の酸化性物質に電解還元作用を行うようにして、酸化性物質を含む水塊の輸送中に水塊内の酸化性物質を除去する。他の吸着剤又は化学薬品はこの処理において不必要であるので、吸着剤又は化学薬品が水質を汚染する問題を効果的に避けることが出来る。
【0067】
また、その自己生成特徴と簡単な構造のために、本水塊自己生成電解還元モジュールは電源のない様々な環境に広く設置(適用)することが出来、本水塊自己生成電解還元モジュールの使用における適用性と便利さが向上する。
【符号の説明】
【0068】
10 中空管
20 自己生成ユニット
30 電気分解ユニット
40 固定部材
130 内壁表面
140 外表面
150 収容空間
210 枠
220 本体
222 負引き出し線
223 正引き出し線
230 羽根
310 カソード部
320 アノード部
330 ジャケット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化性物質を含む水塊が流れる水輸送管路に適用される水塊自己生成電解還元モジュールであって、
羽根を有し、該羽根が回転する時、電力を生成する自己生成ユニットであって、該水輸送管路内に配置され、該水塊が該水輸送管路内を流れる時、該水塊が該羽根を駆動し回転させる自己生成ユニットと、
該水輸送管路内に配置され、該水塊が流れる電気分解ユニットであって、該自己生成ユニットに結合され、該電力を受け取って、還元反応が該酸化性物質に起こるよう該水塊を電気分解する電気分解ユニットと
を備える水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項2】
前記自己生成ユニットは負引き出し線及び正引き出し線を有し、前記電気分解ユニットは1つ以上のカソード部と1つ以上のアノード部とを有し、該負引き出し線と該正引き出し線は該カソード部と該アノード部にそれぞれ結合され、該電気分解ユニットは前記電力を該負引き出し線と該正引き出し線とを通して受け取る請求項1に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項3】
前記電気分解ユニットはケースを更に有し、前記カソード部と前記アノード部は該ケース内に配置され、該ケースは水入口と水出口とを有し、該ケースは前記水輸送管路内に配置され、前記水塊は該水入口から水出口へ流れる請求項2に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項4】
前記電気分解ユニットは1つ以上の固定部材を更に有し、該固定部材は前記ケースと前記カソード部とを貫通して前記アノード部に固定される請求項3に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項5】
前記電気分解ユニットは前記ケース内の前記アノード部の位置を前記固定部材により調整する請求項4に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項6】
前記電気分解ユニットは複数の前記固定部材を有し、該複数の固定部材は前記ケースと前記カソード部とを貫通して、前記アノード部の両側を保持し固定する請求項4に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項7】
前記電気分解ユニットは前記ケース内に配置された1つ以上のストッパーを更に備え、前記カソード部と前記アノード部は該ストッパーに固定される請求項3に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項8】
前記ストッパーは1つ以上の打抜き孔と1つ以上の位置決め孔とを有し、前記アノード部の一端は該打抜き孔に挿入固定され、前記カソード部の一端は該位置決め孔に挿入固定される請求項7に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項9】
前記打抜き孔は前記ストッパーの中心に位置し、前記位置決め孔は該打抜き孔を囲う請求項8に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項10】
前記ストッパーは1つ以上の流れ孔を有し、前記水塊は該流れ孔を通って前記カソード部及び前記アノード部へ広がることができる請求項7に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項11】
前記電気分解ユニットは複数の前記ストッパーを備え、該複数のストッパーは前記ケースの端に前記水入口と前記水出口とに近接して配置され、前記カソード部と前記アノード部は該2つのストッパーの間に配置される請求項7に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項12】
前記カソード部は前記ケース内に環状に配置され、該ケースと該アノード部との間に位置する請求項3に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項13】
前記自己生成ユニットは前記羽根を収容するためのケースと前記負引き出し線と前記正引き出し線とを更に有し、該自己生成ユニットの該ケースは前記電気分解ユニットの前記ケースと接続され中空管を形成し、前記水塊は前記水輸送管路から該中空管内に流れる請求項3に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項14】
前記自己生成ユニットは2つのスナップ部材を更に有し、前記電気分解ユニットは2つの留めスロットを有し、該2つのスナップ部材を該2つの留めスロットに取り外し可能に嵌合することで、該自己生成ユニットは該電気分解ユニットに接続される請求項2に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項15】
前記2つのスナップ部材は電気コネクターであり、それぞれ前記負引き出し線と前記正引き出し線とに結合され、電気接点が前記2つの留めスロット内にそれぞれ配置され、前記カソード部と前記アノード部が該2つの電気接点にそれぞれ結合され、前記自己生成ユニットを前記電気分解ユニットに接続する時、該2つのスナップ部材は該2つの電気接点に結合される請求項14に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項16】
接続管を更に備え、
該接続管は前記自己生成ユニットと前記電気分解ユニットとの間に取り外し可能に接続され、該自己生成ユニットは該電気分解ユニットに該接続管を介して結合される請求項15に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項17】
2つの電気接続穴が前記接続管の一端に設けられ、2つの電気コネクターが該接続管の他端に設けられ、該2つの電気接続穴は該2つの電気コネクターに結合され、前記自己生成ユニットの前記2つのスナップ部材が該2つの電気接続穴に嵌合され、該2つの電気コネクターは前記電気分解ユニットの前記2つの留めスロットに嵌合される請求項16に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項18】
整流器を更に備え、前記負引き出し線と前記正引き出し線はそれぞれ前記カソード部と前記アノード部に該整流器を介して結合される請求項2に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項19】
前記カソード部と前記アノード部との間にギャップが存在する請求項2に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項20】
前記カソード部はメッシュ構造を有する請求項2に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項21】
前記カソード部と前記アノード部はそれぞれ実効的な反応面積を有し、該カソード部の該実効的な反応面積と該アノード部の該実効的な反応面積との比は4.5:1と10:1の間である請求項2に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項22】
前記カソード部はカソード板であり、前記アノード部はアノード棒である請求項2に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項1】
酸化性物質を含む水塊が流れる水輸送管路に適用される水塊自己生成電解還元モジュールであって、
羽根を有し、該羽根が回転する時、電力を生成する自己生成ユニットであって、該水輸送管路内に配置され、該水塊が該水輸送管路内を流れる時、該水塊が該羽根を駆動し回転させる自己生成ユニットと、
該水輸送管路内に配置され、該水塊が流れる電気分解ユニットであって、該自己生成ユニットに結合され、該電力を受け取って、還元反応が該酸化性物質に起こるよう該水塊を電気分解する電気分解ユニットと
を備える水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項2】
前記自己生成ユニットは負引き出し線及び正引き出し線を有し、前記電気分解ユニットは1つ以上のカソード部と1つ以上のアノード部とを有し、該負引き出し線と該正引き出し線は該カソード部と該アノード部にそれぞれ結合され、該電気分解ユニットは前記電力を該負引き出し線と該正引き出し線とを通して受け取る請求項1に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項3】
前記電気分解ユニットはケースを更に有し、前記カソード部と前記アノード部は該ケース内に配置され、該ケースは水入口と水出口とを有し、該ケースは前記水輸送管路内に配置され、前記水塊は該水入口から水出口へ流れる請求項2に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項4】
前記電気分解ユニットは1つ以上の固定部材を更に有し、該固定部材は前記ケースと前記カソード部とを貫通して前記アノード部に固定される請求項3に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項5】
前記電気分解ユニットは前記ケース内の前記アノード部の位置を前記固定部材により調整する請求項4に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項6】
前記電気分解ユニットは複数の前記固定部材を有し、該複数の固定部材は前記ケースと前記カソード部とを貫通して、前記アノード部の両側を保持し固定する請求項4に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項7】
前記電気分解ユニットは前記ケース内に配置された1つ以上のストッパーを更に備え、前記カソード部と前記アノード部は該ストッパーに固定される請求項3に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項8】
前記ストッパーは1つ以上の打抜き孔と1つ以上の位置決め孔とを有し、前記アノード部の一端は該打抜き孔に挿入固定され、前記カソード部の一端は該位置決め孔に挿入固定される請求項7に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項9】
前記打抜き孔は前記ストッパーの中心に位置し、前記位置決め孔は該打抜き孔を囲う請求項8に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項10】
前記ストッパーは1つ以上の流れ孔を有し、前記水塊は該流れ孔を通って前記カソード部及び前記アノード部へ広がることができる請求項7に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項11】
前記電気分解ユニットは複数の前記ストッパーを備え、該複数のストッパーは前記ケースの端に前記水入口と前記水出口とに近接して配置され、前記カソード部と前記アノード部は該2つのストッパーの間に配置される請求項7に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項12】
前記カソード部は前記ケース内に環状に配置され、該ケースと該アノード部との間に位置する請求項3に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項13】
前記自己生成ユニットは前記羽根を収容するためのケースと前記負引き出し線と前記正引き出し線とを更に有し、該自己生成ユニットの該ケースは前記電気分解ユニットの前記ケースと接続され中空管を形成し、前記水塊は前記水輸送管路から該中空管内に流れる請求項3に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項14】
前記自己生成ユニットは2つのスナップ部材を更に有し、前記電気分解ユニットは2つの留めスロットを有し、該2つのスナップ部材を該2つの留めスロットに取り外し可能に嵌合することで、該自己生成ユニットは該電気分解ユニットに接続される請求項2に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項15】
前記2つのスナップ部材は電気コネクターであり、それぞれ前記負引き出し線と前記正引き出し線とに結合され、電気接点が前記2つの留めスロット内にそれぞれ配置され、前記カソード部と前記アノード部が該2つの電気接点にそれぞれ結合され、前記自己生成ユニットを前記電気分解ユニットに接続する時、該2つのスナップ部材は該2つの電気接点に結合される請求項14に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項16】
接続管を更に備え、
該接続管は前記自己生成ユニットと前記電気分解ユニットとの間に取り外し可能に接続され、該自己生成ユニットは該電気分解ユニットに該接続管を介して結合される請求項15に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項17】
2つの電気接続穴が前記接続管の一端に設けられ、2つの電気コネクターが該接続管の他端に設けられ、該2つの電気接続穴は該2つの電気コネクターに結合され、前記自己生成ユニットの前記2つのスナップ部材が該2つの電気接続穴に嵌合され、該2つの電気コネクターは前記電気分解ユニットの前記2つの留めスロットに嵌合される請求項16に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項18】
整流器を更に備え、前記負引き出し線と前記正引き出し線はそれぞれ前記カソード部と前記アノード部に該整流器を介して結合される請求項2に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項19】
前記カソード部と前記アノード部との間にギャップが存在する請求項2に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項20】
前記カソード部はメッシュ構造を有する請求項2に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項21】
前記カソード部と前記アノード部はそれぞれ実効的な反応面積を有し、該カソード部の該実効的な反応面積と該アノード部の該実効的な反応面積との比は4.5:1と10:1の間である請求項2に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【請求項22】
前記カソード部はカソード板であり、前記アノード部はアノード棒である請求項2に記載の水塊自己生成電解還元モジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−125844(P2011−125844A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205850(P2010−205850)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】
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