説明

水変色性玩具セット

【課題】 簡便に繰り返し文字や絵柄を形成することができると共に、種々の音声を発する意外性と変化性を付与した水変色性玩具セットを提供する。
【解決手段】 電源5と、スピーカー6と、音声記憶回路7と、音声切替部8と、水を塗布する塗布体4とを備えた塗布具2と、支持体11表面に、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた吸液状態と非吸液状態で透明性を異にする多孔質層12と設け、且つ、前記塗布具の音声切替部に所定の音声を選択させる複数の音声選択部13を備えた水変色性シート材10とからなる水変色性玩具セット1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水変色性玩具セットに関する。更には、水を塗布する塗布具と、水変色性シート材とからなる水変色性玩具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、支持体上に低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、吸液状態と非吸液状態で透明性が異なる多孔質層を設けた水変色性玩具が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記玩具は、多孔質層が乾燥状態(非吸液状態)では下層が隠蔽され、水を付着させるペンやスタンプを用いて多孔質層に水を付着させて吸液状態にすると透明化して下層の色調による像を現出させることができ、しかも、乾燥により元の状態に戻るため、簡便に繰り返し文字や絵柄を形成することのできる玩具である。
しかしながら、前記水変色性玩具は長期間使用すると文字や絵柄を形成するのみでは遊戯が単調になりがちで飽きのくることがあった。
【特許文献1】特開2001−104661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、文字や絵柄を形成できると共に、選択的に音声を発する意外性、変化性を付加した、長期間使用しても飽きることがない水変色性玩具セットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、電源と、スピーカーと、音声記憶回路と、音声切替部と、水を塗布する塗布体とを備えた塗布具と、支持体表面に、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた吸液状態と非吸液状態で透明性を異にする多孔質層を設け、且つ、前記塗布具の音声切替部に所定の音声を選択させる複数の音声選択部を備えた水変色性シート材とからなる水変色性玩具セットを要件とする。
更には、前記塗布具は感圧装置を備えてなり、水を塗布する際の塗布体の筆圧により感圧装置が作動して音声を発すること、前記塗布具の音声切替部は複数の感圧体を備えてなり、水変色性シート材の音声選択部は、塗布具の音声切替部と接触時に該音声切替部の感圧体を択一的に押圧する突状体を備えてなること、前記水変色性シート材の音声選択部は、音声情報をコード化した像であり、前記塗布具の音声切替部は、前記像の音声情報を光学方式で読取る読取装置であること、前記水変色性シート材の音声選択部は、音声情報が記憶された非接触型ICタグであり、前記塗布具の音声切替部は、前記非接触型ICタグの音声情報を非接触方式で読取る読取装置であること、前記塗布具の塗布体がペン体であること、前記塗布具の塗布体がスタンプであること、前記塗布具は、水を収容する容器を有し、該容器内の水を塗布体に供給すること等を要件とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、簡便に繰り返し文字や絵柄を形成することができると共に、種々の音声を選択的に発する意外性と変化性を付与した水変色性玩具セットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
前記塗布具は、電源と、スピーカーと、音声記憶回路と、音声切替部と、水を塗布する塗布体とを備えてなる。
前記塗布具本体の材質としてプラスチック、ゴム、金属、木材、陶磁器、石材等の材質が挙げられるが、好適にはプラスチックが用いられる。前記塗布具本体の形状は特に限定されるものではないが、円柱形状、角柱形状、円錐形状、角錘形状、球形状、円盤形状、これらの形状の組み合わせの他、乗物、人形、動物等の形状を例示できる。
前記電源としては、外部電力をコンセントから供給したり、或いは、塗布具本体内に収容した乾電池等の電源を利用する方法が挙げられるが、本体内に電源を収容する構成が電気を供給するコードが邪魔にならず好適である。前記乾電池は一次電池或いは二次電池のいずれであってもよい。
前記スピーカーは、音声記憶回路に記憶された音声を発する。前記音声としては、人の声、動物の鳴き声、乗り物の音、音楽、メロディー、或いはこれらを複合した音声を例示できる。
前記スピーカーから音声を発生させるための音声記憶回路を具体的に例示すると、回路基盤に少なくとも音声を記憶する部分を有してなり、その他、回路全体の制御を行なう部分と、音声を記憶する部分から読み出された音声データを音声信号に変換して出力してスピーカーに伝える部分を必要により有してなる。又、前記回路から音声記憶部分を着脱自在にすることもでき、前記音声記憶回路を取り替えることによって、様々な音声を出力させることもでき、より応用性の高い玩具を得ることもできる。
前記音声切替部は、水変色性シート材に設けた音声選択部から所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達し、スピーカーから所定の音声を報知する。
前記塗布具の音声切替部と、水変色性シート材の音声選択部の具体的な構成としては、塗布具の音声切替部は複数の感圧体を備え、水変色性シート材の音声選択部は、塗布具の音声切替部と接触時に該音声切替部の感圧体を択一的に押圧する突起等の突状体を備えた構成、前記水変色性シート材の音声選択部は音声情報をコード化した像であり、塗布具の音声切替部は、前記像の音声情報を光学方式で読取る読取装置である構成、或いは、前記水変色性シート材の音声選択部は音声情報が記憶された非接触型ICタグであり、前記塗布具の音声切替部は、前記非接触型ICタグの音声情報を非接触方式で読取る読取装置である構成を例示できる。
前記電源、スピーカー、音声記憶回路、音声切替部は、それぞれが電気的に接続されてなり、必要により電源を接続又は切断するスイッチを介在させることもできる。
前記塗布体としてはペン体やスタンプが挙げられる。
前記ペン体は、プラスチック多孔体又は繊維加工体が用いられる。
なお、プラスチック多孔体又は繊維加工体は、適宜量の水を吸収し、吐出させるものであればよく、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、その他各種プラスチックの連続気孔体や繊維を集束させた毛筆状のもの、繊維の樹脂加工又は熱溶着加工によるもの、フェルト、不織布形態のものを挙げることができ、形状、寸法は目的に応じて任意に設定できる。
前記スタンプは、平面状の印面を有するスタンプ、円筒状の印面を有するローラー形態のスタンプが挙げられる。
前記塗布具は、水変色性シート材の音声選択部から所定の音声に関する情報を入手した際、スピーカーから所定の音声を報知する構成であってもよいが、塗布体を水変色性シート材に接触させた際の筆圧を感知する感圧装置(感圧スイッチ)を有し、塗布時に所定の音声を報知する構成が好ましく、前記構成により遊戯性を高めることができる。
更に、水変色性シート材の音声選択部から所定の音声に関する情報を入手した時点でスピーカーから所定の音声を報知し、塗布体を水変色性シート材に接触させた際の筆圧を感知して塗布時に前記とは異なる所定の音声を報知することもできる。
なお、塗布体に水を供給する方法としては、塗布体に直接水を付着させる構成の他、塗布具内に水を収容可能な容器を有し、前記容器内の水を塗布体に導出する構成が挙げられる。
また、前記塗布体がペン体の場合、ペン体の外周面を保持するホルダーを介して前記ペン先を容器の開口部に着脱自在に設けることが好ましく、容器内への水の充填、補充を容易なものとすることができる。
【0007】
前記水変色性シート材は、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を支持体表面に設けた、吸液状態と非吸液状態で前記多孔質層の透明性を異にするシート材である。
前記支持体は印刷適性を備えた基材であれば全て有効であり、例えば、紙、合成紙、織物、編物、組物、不織布等の布帛、天然又は合成皮革、プラスチック、ガラス、陶磁器、金属、木材、石材等が用いられる。又、形状としては平面状のものが好ましいが、凹凸状の形態であってもよい。
【0008】
前記低屈折率顔料としては、珪酸及び/又は珪酸塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは屈折率が1.4〜1.8の範囲にあり、水を吸液すると良好な透明性を示すものである。
なお、前記珪酸塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
又、前記低屈折率顔料は2種以上を併用することもできる。
前記低屈折率顔料の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
なお、好適に用いられる低屈折率顔料としては珪酸及び/又は珪酸塩が挙げられる。
前記珪酸は、乾式法により製造させる珪酸であってもよいが、湿式法により製造される珪酸(以下、湿式法珪酸と称する)が特に効果的であり、この点を説明すると、珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるものとに大別され、乾式法珪酸と湿式法珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法珪酸は珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、湿式法珪酸は、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。
従って、前記乾式法珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、よって、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
又、前記多孔質層においては、水を吸液させるものであるから、湿式法珪酸は乾式法珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、親水性の度合いが大であり、好適に用いられる。
尚、前記多孔質層の常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を調整するために、湿式法珪酸と共に、他の汎用の低屈折率顔料を併用することもできる。
【0009】
前記多孔質層中の低屈折率顔料は、粒子径、比表面積、吸油量等の性状に左右されるが、常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗布量が1〜30g/mであることが好ましく、より好ましくは、5〜20g/mである。1g/m未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、又、30g/mを越えると吸液時に十分な透明性を得ることが困難である。
前記低屈折率顔料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、支持体に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記低屈折率顔料とバインダー樹脂の混合比率は、低屈折率顔料の種類及び性状に左右されるが、好ましくは、低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分0.5〜2質量部であり、より好ましくは、0.8〜1.5質量部である。低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5質量部未満の場合には、前記多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2質量部を越える場合には、前記多孔質層内部への水の浸透性が悪くなる。
前記多孔質層は、一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、耐擦過強度を高めるために、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂又はウレタン系樹脂を用いると効果的である。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用することもできる。又、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
尚、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、本発明においては水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、支持体の種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分質量比率で30%以上含有させることが好ましい。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、水との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤や界面活性剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
【0010】
前記多孔質層は、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等により形成できる。
前記多孔質層の上層、下層、近傍には着色層を配設して様相変化を更に多様化させることができる。
【0011】
前記のようにして得られる水変色性シート材には、塗布具の音声切替部に所定の音声を選択させる複数の音声選択部を設ける。
前記音声選択部は、塗布具の音声切替部と接触する押圧スイッチや、音声情報をコード化した像の場合には、シート材表面に設けられるが、音声情報が記憶された非接触型ICタグの場合は、シート材表面に設ける他、シート材裏面に設けたり、シート材内部に埋設してもよい。
【0012】
前記塗布具は、水変色性シート材のいずれかの音声選択部に塗布具の音声切替部を接触或いは近づけることにより、所定の音声に関する情報が音声切替部を介して入手され、音声記憶回路に伝達され、所定の音声がスピーカーから報知される。
また、感圧装置を設けた塗布具の場合は、塗布具の塗布体を水変色性シート材に接触させて文字や絵柄等の像を形成する際、音声記憶回路から伝達された所定の音声がスピーカーから報知される。
再び、水変色性シート材の別の音声選択部に塗布具の音声切替部を接触或いは近づけることにより、前記とは異なる音声に関する情報が音声切替部を介して入手され、前記とは異なる音声がスピーカーから報知される。
【実施例】
【0013】
実施例1(図1乃至3参照)
塗布具の作製
塗布具本体3の一端に、塗布体4として繊維束の樹脂加工体からなるペン体を設け、且つ、本体内には電源5として乾電池、スピーカー6、音声記憶回路7を収容してなる。
本体の他端には、中心部に円筒形状の感圧体と、偏心部に円筒形状の感圧体とからなる押圧により音声記憶回路に情報を伝達する音声切替部8を設けてなる。
なお、前記ペン体4は、水を収容する円筒形状の容器41の一端にホルダー42を介して着脱自在に設けてなり、容器の後端には感圧装置9を設けてなる。
前記電源、スピーカー、音声記憶回路、音声切替部、感圧装置はそれぞれ電気的に接続し、通電可能に構成して塗布具2を得た。
【0014】
水変色性シート材の作製
支持体11として白色ナイロンタフタ生地の上面に、青色の非変色性インキを用いて着色層を形成し、前記着色層上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて正方形の多孔質層12を形成した。
前記多孔質層の周囲には、「イヌ」、「トリ」、「カエル」の絵柄を印刷してなり、且つ、「イヌ」の絵柄近傍には音声切替部に設けた中心部の感圧体のみを押圧する音声選択部13(突状体)、「トリ」の絵柄近傍には音声切替部に設けた偏心部の感圧体のみを押圧する音声選択部13(突状体)、「カエル」の絵柄近傍には音声切替部に設けた中心部の感圧体と偏心部の感圧体を共に押圧する音声選択部13(突状体)を設けて水変色性シート材10を得た。
【0015】
前記塗布具2と、水変色性シート材10を組み合わせて水変色性玩具セット1を得た。
前記塗布具の容器内に水を収容し、「イヌ」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達する。
前記塗布具を用いて水変色性シート材に筆記すると、青色の文字や絵柄を描くことができると共に、感圧装置が作動して音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、「イヌ」の鳴き声を聞くことができる。
次いで、「トリ」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達する。
前記塗布具を用いて水変色性シート材に筆記すると、青色の文字や絵柄を描くことができると共に、感圧装置が作動して音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、「トリ」の鳴き声を聞くことができる。
更に、「カエル」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達する。
前記塗布具を用いて水変色性シート材に筆記すると、青色の文字や絵柄を描くことができると共に、感圧装置が作動して音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、「カエル」の鳴き声を聞くことができる。
前記水変色性シート材に形成された青色の文字や絵柄は、水が蒸発すると、再び元の白色に戻り、前記様相変化は繰り返し行うことができ、水の適用により何度も繰り返し行うことができた。
【0016】
実施例2
塗布具の作製(図4乃至6参照)
塗布具本体3の一端に、塗布体4として繊維束の樹脂加工体からなるペン体を設け、且つ、本体内には電源5として乾電池、スピーカー6、音声記憶回路7を収容してなる。
本体の他端には、円筒形状の感圧体と、前記円筒形状の周囲にリング状の感圧体とからなる押圧により音声記憶回路に情報を伝達する音声切替部8を設けてなる。
なお、前記ペン体は、水を収容する円筒形状の容器41の一端にホルダー42を介して着脱自在に設けてなり、容器の後端には感圧装置9を設けてなる。
前記電源、スピーカー、音声記憶回路、音声切替部、感圧装置はそれぞれ電気的に接続し、通電可能に構成して塗布具2を得た。
【0017】
水変色性シート材の作製
支持体11として白色ナイロンタフタ生地の上面に、ピンク色の非変色性インキを用いて着色層を形成し、前記着色層上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて正方形の多孔質層12を形成した。
前記多孔質層の周囲には、「イヌ」、「トリ」、「カエル」の絵柄を印刷してなり、且つ、「イヌ」の絵柄近傍には音声切替部に設けた円筒形状の感圧体のみを押圧する音声選択部13(突状体)、「トリ」の絵柄近傍には音声切替部に設けたリング状の感圧体のみを押圧する音声選択部13(突状体)、「サカナ」の絵柄近傍には円筒形状の感圧体と、リング状の感圧体を押圧する音声選択部13(突状体)を設けて水変色性シート材10を得た。
【0018】
前記塗布具2と、水変色性シート材10を組み合わせて水変色性玩具セット1を得た。
前記塗布具の容器内に水を収容し、「イヌ」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達する。
前記塗布具を用いて水変色性シート材に筆記すると、ピンク色の文字や絵柄を描くことができると共に、感圧装置が作動して音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、「イヌ」の鳴き声を聞くことができる。
次いで、「トリ」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達する。
前記塗布具を用いて水変色性シート材に筆記すると、ピンク色の文字や絵柄を描くことができると共に、感圧装置が作動して音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、「トリ」の鳴き声を聞くことができる。
更に、「カエル」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達する。
前記塗布具を用いて水変色性シート材に筆記すると、ピンク色の文字や絵柄を描くことができると共に、感圧装置が作動して音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、「カエル」の鳴き声を聞くことができる。
前記水変色性シート材に形成されたピンク色の文字や絵柄は、水が蒸発すると、再び元の白色に戻り、前記様相変化は繰り返し行うことができ、水の適用により何度も繰り返し行うことができた。
【0019】
実施例3
塗布具の作製
塗布具本体の一端に、塗布体として繊維束の樹脂加工体からなるペン体を設け、且つ、本体内には電源として乾電池、スピーカー、音声記憶回路を収容してなる。
本体の他端には、円筒形状の感圧体と、前記円筒形状の周囲にリング状の感圧体と、更に前記円筒形状の周囲に大径のリング状の感圧体とからなる押圧により音声記憶回路に情報を伝達する音声切替部を設けてなる。
なお、前記ペン体は、水を収容する円筒形状の容器の一端にホルダーを介して着脱自在に設けてなり、容器の後端には感圧装置を設けてなる。
前記電源、スピーカー、音声記憶回路、音声切替部、感圧装置はそれぞれ電気的に接続し、通電可能に構成して塗布具を得た。
【0020】
水変色性シート材の作製
支持体として白色ナイロンタフタ生地の上面に、ピンク色の非変色性インキを用いて着色層を形成し、前記着色層上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて正方形の多孔質層を形成した。
前記多孔質層の周囲には、「イヌ」、「トリ」、「サカナ」、「ピアノ」、「ジドウシャ」、「カエル」、「エホン」の絵柄を印刷してなり、且つ、「イヌ」の絵柄近傍には音声切替部に設けた円筒形状の感圧体のみを押圧する音声選択部(突状体)、「トリ」の絵柄近傍には音声切替部に設けたリング状の感圧体のみを押圧する音声選択部(突状体)、「サカナ」の絵柄近傍には音声切替部に設けた大径のリング状の感圧体のみを押圧する音声選択部(突状体)、「ピアノ」の絵柄近傍には音声切替部に設けた円筒形状の感圧体と、リング状の感圧体を押圧する音声選択部(突状体)、「ジドウシャ」の絵柄近傍には音声切替部に設けた円筒形状の感圧体と、大径のリング状の感圧体を押圧する音声選択部(突状体)、「カエル」の絵柄近傍には音声切替部に設けたリング状の感圧体と、大径のリング状の感圧体を押圧する音声選択部(突状体)、「エホン」の絵柄近傍には音声切替部に全ての感圧体を押圧する音声選択部(突状体)を設けて水変色性シート材を得た。
【0021】
前記塗布具と、水変色性シート材を組み合わせて水変色性玩具セットを得た。
前記塗布具の容器内に水を収容し、「イヌ」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達する。
前記塗布具を用いて水変色性シート材に筆記すると、ピンク色の文字や絵柄を描くことができると共に、感圧装置が作動して音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、「イヌ」の鳴き声を聞くことができる。
次いで、「トリ」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達する。
前記塗布具を用いて水変色性シート材に筆記すると、ピンク色の文字や絵柄を描くことができると共に、感圧装置が作動して音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、「トリ」の鳴き声を聞くことができる。
同様に、「サカナ」、「ピアノ」、「ジドウシャ」、「カエル」、「エホン」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させた後、水変色性シート材に筆記すると、ピンク色の文字や絵柄を描くことができると共に、鳴き声やメロディーを聞くことができる。
前記水変色性シート材に形成されたピンク色の文字や絵柄は、水が蒸発すると、再び元の白色に戻り、前記様相変化は繰り返し行うことができ、水の適用により何度も繰り返し行うことができた。
【0022】
実施例4
塗布具の作製
塗布具本体の一端に、塗布体として繊維束の樹脂加工体からなるペン体を設け、且つ、本体内には電源として乾電池、スピーカー、音声記憶回路を収容してなる。
本体の他端には、光学方式で読み取る読取装置からなる音声切替部を設けてなる。
なお、前記ペン体は、水を収容する円筒形状の容器の一端にホルダーを介して着脱自在に設けてなり、容器の後端には感圧装置を設けてなる。
前記電源、スピーカー、音声記憶回路、音声切替部、感圧装置はそれぞれ電気的に接続して塗布具を得た。
【0023】
水変色性シート材の作製
支持体として白色ナイロンタフタ生地の上面に、ピンク色の非変色性インキを用いて着色層を形成し、前記着色層上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて正方形の多孔質層を形成した。
前記多孔質層の周囲には、「イヌ」、「ネコ」、「ライオン」、「ウマ」の絵柄を印刷してなり、且つ、それぞれの絵柄近傍に音声情報をコード化したバーコードを印刷して複数の音声選択部を設けて水変色性シート材を得た。
【0024】
前記塗布具と、水変色性シート材を組み合わせて水変色性玩具セットを得た。
前記塗布具の容器内に水を収容し、「イヌ」の絵柄近傍に設けた音声選択部(バーコード)に音声切替部を近接させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達する。
前記塗布具を用いて水変色性シート材に筆記すると、ピンク色の文字や絵柄を描くことができると共に、感圧装置が作動して音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、「イヌ」の鳴き声を聞くことができる。
次いで、「ネコ」の絵柄近傍に設けた音声選択部(バーコード)に音声切替部を近接させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達する。
前記塗布具を用いて水変色性シート材に筆記すると、ピンク色の文字や絵柄を描くことができると共に、感圧装置が作動して音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、「ネコ」の鳴き声を聞くことができる。
同様に、「ライオン」、「ウマ」の絵柄近傍に設けた音声選択部(バーコード)に音声切替部を近接させた後、水変色性シート材に筆記すると、ピンク色の文字や絵柄を描くことができると共に、「ライオン」、「ウマ」の鳴き声を聞くことができる。
前記水変色性シート材に形成されたピンク色の文字や絵柄は、水が蒸発すると、再び元の白色に戻り、前記様相変化は繰り返し行うことができ、水の適用により何度も繰り返し行うことができた。
【0025】
実施例5
塗布具の作製
塗布具本体の一端に、塗布体として繊維束の樹脂加工体からなるペン体を設け、且つ、本体内には電源として乾電池、スピーカー、音声記憶回路を収容してなる。
本体の他端には、非接触方式で電波を読み取る読取装置からなる音声切替部を設けてなる。
なお、前記ペン体は、水を収容する円筒形状の容器の一端にホルダーを介して着脱自在に設けてなり、容器の後端には感圧装置を設けてなる。
前記電源、スピーカー、音声記憶回路、音声切替部、感圧装置はそれぞれ電気的に接続し、通電可能に構成して塗布具を得た。
【0026】
水変色性シート材の作製
支持体として白色ナイロンタフタ生地の上面に、緑色の非変色性インキを用いて着色層を形成し、前記着色層上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて正方形の多孔質層を形成した。
前記多孔質層の周囲には、「自動車」、「船」、「飛行機」、「ヘリコプター」、「オートバイ」の絵柄を印刷してなり、且つ、それぞれの絵柄近傍に音声情報を内蔵した非接触型ICタグを埋設して複数の音声選択部を設けて水変色性シート材を得た。
【0027】
前記塗布具と、水変色性シート材を組み合わせて水変色性玩具セットを得た。
前記塗布具の容器内に水を収容し、「自動車」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を近づけることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達する。
前記塗布具を用いて水変色性シート材に筆記すると、緑色の文字や絵柄を描くことができると共に、感圧装置が作動して音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、「自動車」のエンジン音を聞くことができる。
次いで、「船」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を近接させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達する。
前記塗布具を用いて水変色性シート材に筆記すると、緑色の文字や絵柄を描くことができると共に、感圧装置が作動して音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、「船」の汽笛の音を聞くことができる。
同様に、「飛行機」、「ヘリコプター」、「オートバイ」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を近づけた後、水変色性シート材に筆記すると、緑色の文字や絵柄を描くことができると共に、「飛行機」、「ヘリコプター」、「オートバイ」のエンジン音を聞くことができる。
前記水変色性シート材に形成された緑色の文字や絵柄は、水が蒸発すると、再び元の白色に戻り、前記様相変化は繰り返し行うことができ、水の適用により何度も繰り返し行うことができた。
【0028】
実施例6
塗布具の作製
電車形態の塗布具本体の下部に、塗布体として回転可能な円筒形状のスタンプを設け、且つ、本体内には電源として乾電池、スピーカー、音声記憶回路を収容してなる。
塗布具本体の下部には、円筒形状の感圧体と、前記円筒形状の周囲にリング状の感圧体とからなる押圧により音声記憶回路に情報を伝達する音声切替部を設けてなる。
なお、前記スタンプは、水を収容する容器からスタンプ表面に水を供給するよう構成してなり、容器の後端には感圧装置を設けてなる。
前記電源、スピーカー、音声記憶回路、音声切替部、感圧装置はそれぞれ電気的に接続し、通電可能に構成して塗布具を得た。
【0029】
水変色性シート材の作製
支持体として白色ナイロンタフタ生地の上面に、青色の非変色性インキを用いて着色層を形成し、前記着色層上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて正方形の多孔質層を形成した。
前記多孔質層の周囲には、「駅」、「踏切」、「車庫」の絵柄を印刷してなり、且つ、「駅」の絵柄近傍には音声切替部に設けた円筒形状の感圧体のみを押圧する音声選択部(突状体)、「踏み切り」の絵柄近傍には音声切替部に設けたリング状の感圧体のみを押圧する音声選択部(突状体)、「車庫」の絵柄近傍には音声切替部に設けた円筒形状の感圧体とリング状の感圧体を共に押圧する音声選択部(突状体)を設けて水変色性シート材を得た。
【0030】
前記塗布具と、水変色性シート材を組み合わせて水変色性玩具セットを得た。
前記塗布具を用いて水変色性シート材にスタンプを接触させると、青色の線路の像を描くことができると共に、「駅」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達し、音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、駅のアナウンスを聞くことができる。
次いで、水変色性シート材に線路の像を描きながら「踏切」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達し、音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、警報機の音を聞くことができる。
更に、水変色性シート材に線路の像を描きながら「車庫」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達し、音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、清掃時の音を聞くことができる。
前記水変色性シート材に形成された青色の線路の像は、水が蒸発すると、再び元の白色に戻り、前記様相変化は繰り返し行うことができ、水の適用により何度も繰り返し行うことができた。
【0031】
実施例7
塗布具の作製
塗布具本体の一端に、塗布体として繊維束の樹脂加工体からなるペン体を設け、且つ、本体内には電源として乾電池、スピーカー、音声記憶回路を収容してなる。
本体の他端には、円筒形状の感圧体と、前記円筒形状の周囲にリング状の感圧体とからなる押圧により音声記憶回路に情報を伝達する音声切替部を設けてなる。
なお、前記ペン体の後部には感圧装置を設けてなる。
前記電源、スピーカー、音声記憶回路、音声切替部、感圧装置はそれぞれ電気的に接続し、通電可能に構成して塗布具を得た。
【0032】
水変色性シート材の作製
支持体として白色ナイロンタフタ生地の上面に、青色の非変色性インキを用いて着色層を形成し、前記着色層上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて正方形の多孔質層を形成した。
前記多孔質層の周囲には、「イヌ」、「ネコ」、「ライオン」の絵柄を印刷してなり、且つ、「イヌ」の絵柄近傍には音声切替部に設けた円筒形状の感圧体のみを押圧する音声選択部(突状体)、「ネコ」の絵柄近傍には音声切替部に設けたリング状の感圧体のみを押圧する音声選択部(突状体)、「ライオン」の絵柄近傍には音声切替部に設けた円筒形状の感圧体とリング状の感圧体を共に押圧する音声選択部(突状体)を設けて水変色性シート材を得た。
【0033】
前記塗布具と、水変色性シート材を組み合わせて水変色性玩具セットを得た。
前記塗布具のペン体に水を含浸させた後、「イヌ」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達する。
前記塗布具を用いて水変色性シート材に筆記すると、青色の文字や絵柄を描くことができると共に、感圧装置が作動して音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、「イヌ」の鳴き声を聞くことができる。
次いで、「ネコ」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達する。
前記塗布具を用いて水変色性シート材に筆記すると、青色の文字や絵柄を描くことができると共に、感圧装置が作動して音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、「ネコ」の鳴き声を聞くことができる。
更に、「ライオン」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達する。
前記塗布具を用いて水変色性シート材に筆記すると、青色の文字や絵柄を描くことができると共に、感圧装置が作動して音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、「ライオン」の鳴き声を聞くことができる。
前記水変色性シート材に形成された青色の文字や絵柄は、水が蒸発すると、再び元の白色に戻り、前記様相変化は繰り返し行うことができ、水の適用により何度も繰り返し行うことができた。
【0034】
実施例8
塗布具の作製
アヒル形態の塗布具本体の下部に、塗布体として平面状のスタンプを設け、且つ、本体内には電源として乾電池、スピーカー、音声記憶回路を収容してなる。
塗布具本体の側面には、円筒形状の感圧体と、前記円筒形状の周囲にリング状の感圧体とからなる押圧により音声記憶回路に情報を伝達する音声切替部を設けてなる。
前記電源、スピーカー、音声記憶回路、音声切替部はそれぞれ電気的に接続し、通電可能に構成して塗布具を得た。
【0035】
水変色性シート材の作製
支持体として白色ナイロンタフタ生地の上面に、青色の非変色性インキを用いて着色層を形成し、前記着色層上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて正方形の多孔質層を形成した。
前記多孔質層の周囲には、「トリ」、「池」、「サカナ」の絵柄を印刷してなり、且つ、「トリ」の絵柄近傍には音声切替部に設けた円筒形状の感圧体のみを押圧する音声選択部(突状体)、「池」の絵柄近傍には音声切替部に設けたリング状の感圧体のみを押圧する音声選択部(突状体)、「サカナ」の絵柄近傍には音声切替部に設けた円筒形状の感圧体とリング状の感圧体を共に押圧する音声選択部(突状体)を設けて水変色性シート材を得た。
【0036】
前記塗布具と、水変色性シート材を組み合わせて水変色性玩具セットを得た。
前記塗布具のスタンプに水を含浸させた後、水変色性シート材にスタンプを接触させると、青色の足跡の像を描くことができると共に、「トリ」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達し、音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、トリの鳴き声を聞くことができる。
次いで、水変色性シート材に足跡の像を描きながら「池」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達し、音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、水音を聞くことができる。
更に、水変色性シート材に足跡の像を描きながら「サカナ」の絵柄近傍に設けた音声選択部に音声切替部を接触させることにより、音声切替部は所定の音声に関する情報を入手し、それを音声記憶回路に伝達し、音声記憶回路から読み出された音声データがスピーカーから報知されるため、サカナの跳ねる音を聞くことができる。
前記水変色性シート材に形成された青色の足跡の像は、水が蒸発すると、再び元の白色に戻り、前記様相変化は繰り返し行うことができ、水の適用により何度も繰り返し行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に用いられる塗布具の説明図である。
【図2】図1の塗布具の縦断面説明図である。
【図3】本発明の一実施例の水変色性玩具セットの説明図である。
【図4】本発明に用いられる他の塗布具の説明図である。
【図5】図4の塗布具の縦断面説明図である。
【図6】本発明の他の実施例の水変色性玩具セットの説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1 水変色性玩具セット
2 塗布具
3 本体
4 塗布体
41 容器
42 ホルダー
5 電源
6 スピーカー
7 音声記憶回路
8 音声切替部
9 感圧装置
10 水変色性シート材
11 支持体
12 多孔質層
13 音声選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と、スピーカーと、音声記憶回路と、音声切替部と、水を塗布する塗布体とを備えた塗布具と、支持体表面に、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた吸液状態と非吸液状態で透明性を異にする多孔質層を設け、且つ、前記塗布具の音声切替部に所定の音声を選択させる複数の音声選択部を備えた水変色性シート材とからなる水変色性玩具セット。
【請求項2】
前記塗布具は感圧装置を備えてなり、水を塗布する際の塗布体の筆圧により感圧装置が作動して音声を発する請求項1記載の水変色性玩具セット。
【請求項3】
前記塗布具の音声切替部は複数の感圧体を備えてなり、水変色性シート材の音声選択部は、塗布具の音声切替部と接触時に該音声切替部の感圧体を択一的に押圧する突状体を備えてなる請求項1又は2記載の水変色性玩具セット。
【請求項4】
前記水変色性シート材の音声選択部は、音声情報をコード化した像であり、前記塗布具の音声切替部は、前記像の音声情報を光学方式で読取る読取装置である請求項1又は2記載の水変色性玩具セット。
【請求項5】
前記水変色性シート材の音声選択部は、音声情報が記憶された非接触型ICタグであり、前記塗布具の音声切替部は、前記非接触型ICタグの音声情報を非接触方式で読取る読取装置である請求項1又は2記載の水変色性玩具セット。
【請求項6】
前記塗布具の塗布体がペン体である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の水変色性玩具セット。
【請求項7】
前記塗布具の塗布体がスタンプである請求項1乃至5のいずれか一項に記載の水変色性玩具セット。
【請求項8】
前記塗布具は、水を収容する容器を有し、該容器内の水を塗布体に供給する請求項6又は7記載の水変色性玩具セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−279287(P2009−279287A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136157(P2008−136157)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000111890)パイロットインキ株式会社 (832)
【Fターム(参考)】