説明

水性懸濁製剤

本発明は、(1)アミノ基上で(ヘテロ)アリール(ヘテロ)アルキル基でN置換された除草効果のある2,4−ジアミノ−s−トリアジンからなる群由来の1つ又はそれ以上の活性物質、(2)アミノ酸グリシン/ホモアラニンの除草活性のあるホスフェート含有誘導体の群由来の1つ又はそれ以上の活性物質、(3)非塩型の置換されたフェノールエーテルをベースとする1つ又はそれ以上の界面活性剤、(4)1つ又はそれ以上の増粘剤、好ましくはケイ酸アルミニウムベースの増粘剤、及び(5)適切な場合、さらなる製剤アジュバント、及び(6)適切な場合、成分(3)とは異なる他の界面活性剤を含有する水性懸濁製剤に関する。製剤において活性物質の高い安定性があるだけでなく、施用量を一定に保持しながら、改良された生物活性もある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の保護における使用のための活性物質の製剤の技術分野に関する。特に、本発明は、とりわけ、(アミノ基並びに芳香族及びヘテロ芳香族の両ラジカル等の)極性基を有する活性物質と、広範なスペクトルの非選択的活性物質とを含む活性物質の組み合わせのための製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
植物保護用組成物は、原理上、異なる方法で製剤されることが可能であり、活性物質の特性及び製剤の種類は、調製の簡便性、製剤の安定性、施用性及び有効性に関する問題をもたらし得る。このことは特に、異なる活性物質群から構成可能な活性物質の組み合わせを求める。さらに、幾つかの製剤は、経済的及び環境保護的理由のため、その他よりも利点があり、従って、好ましくあり得る。
【0003】
製剤されるべき活性物質群のうちの1つは、アミノ基上で(ヘテロ)アリール(ヘテロ)アルキル基でN置換された2,4−ジアミノ−s−トリアジンの新規の群に由来する数多くの化合物から構成される。これらの2,4−ジアミノ−s−トリアジンは、望ましくない植物の生長、例えば、植物農作物又はプランテーション又は非農作物区域における有害な植物への対処のための除草活性のある物質として周知であり、例えば、国際公開第97/08156(A)号、国際公開第97/29095(A)号、国際公開第97/31904(A)号、独国特許出願公開第19826670(A)号、国際公開第98/15536(A)号、国際公開第98/15537(A)号、国際公開第98/15538(A)号、国際公開第98/15539(A)号及びまた独国特許出願公開第19828519(A)号、国際公開第98/34925(A)号、国際公開第98/42684(A)号、国際公開第99/18100(A)号、国際公開第99/19309(A)号、国際公開第99/37627(A)号、国際公開第99/65882(A)号、国際公開第00/16627(A)号、国際公開第00/69854(A)号、国際公開第03/070710(A)号、欧州特許出願公開第1484324(A)号、国際公開第04/069814(A)号並びに刊行物中に引用される文献を参照されたい。
【0004】
化合物はまず、(シクロ)脂肪族架橋を介してアミノ基へ結合したアリール基又はヘテロアリール基においてN,N'−ジアルキル置換された、広く公知の旧い種類のアトラジン又はシマジン等の2,4−ジアミノトリアジンとは異なっており、前記アリール基又はヘテロアリール基は、本明細書において、(ヘテロ)アリール(ヘテロ)アルキル基として、省略形で架橋と共に記載されている。前記基は、アルキル架橋中にO、S及びNからなる群由来のヘテロ原子も含み得るアリールアルキル基及びヘテロアリールアルキル基を含んでおり、個々のアルキル架橋は、前記架橋又は(ヘテロ)アリールラジカルと環状架橋され、従って(ヘテロ)芳香化合物とともに二環式ラジカルを形成することも可能である。異なる化学構造のため、これらの2,4−ジアミノ−s−トリアジンは、上述の従来の2,4−ジアミノ−s−トリアジンとは異なる生物学的及び物理化学的特徴を呈する。
【0005】
製剤されるべき他の活性物質群は、例えば、化合物グルホシネート、ビアラフォス、グリホサート及びスルホサート等の、アミノ酸であるグリシン又はホモアラニン(グリシン/ホモアラニン)のリン酸基を含む誘導体からなる群由来の周知の広域スペクトルの非選択的除草剤に関する。
例えば、有害植物の具体的な種類に関して存在し得る有効性を網羅すること、除草施用の効果の期間の一般的な延長、特定の除草剤の比較的長い偏った、一般的には地理的に限定された施用と共に生じ得る有害植物の低下した感受性(除草剤耐性又は抵抗性)の克服、施用に必要な活性物質の量が減少するだけでなく製剤補助剤の量も減少する施用に必要な消費量を減少させることなど、施用における異なる活性物質群の組み合わせに関して種々の理由が存在する。
【0006】
高い製剤安定性及び起こり得る最大の相乗的な強化作用を備えた活性物質の組み合わせを有することが望ましい。それゆえ、相乗的な効果は、消費される個々の活性物質の量の減少、等量が消費される有害植物の同一種に対する亢進した作用強度、これまでに含まれていない種類の防除(有効性の欠乏)、施用期間の拡大及び/又は必要とされる個々の施用の数の減少(効果の持続)並びに、ユーザーに対する結果として経済的かつ生態学的により有利な雑草防除システムをもたらす。
【0007】
しかしながら、このため、個々の活性物質群間の量の特定の効果的な比を頻繁に維持し、それは、特異的な活性物質の組み合わせの製剤(同義語:混合製剤、共製剤)によってのみ理想的に保証できる。明らかに、物理的生物学的な混用不適合性の現象は、例えば、個々の又は全ての活性物質の分解による製剤の安定性の欠如など、幾つもの活性物質又は活性物質群の組み合わさった施用で頻繁に生じるが、施用後の活性物質の拮抗性効果も生じ、そのことが、生物学的有効性を低下させ得るか又は完全に排除し得る。
【発明の開示】
【0008】
本目的はいまや、特に上述の新規の2,4−ジアミノ−s−トリアジンからなる群及び製剤中で混合された成分の高い安定性と組み合わされたより良好な生物学的作用等の有利な特性を呈するアミノ酸であるグリシン/アラニンのリン酸基を含む誘導体からなる群に由来する活性物質の組み合わせに関して、特異的活性物質の組み合わせ製剤(同義語、混合製剤、共製剤)を利用可能とする。
【0009】
驚くべきことに、本発明の水性懸濁濃縮液によって本目的が達成されることが発見された。
【0010】
本発明の主題は、
(1)アミノ基に関して(ヘテロ)アリール(ヘテロ)アルキル基でN置換された除草効果のある2,4−ジアミノ−s−トリアジンからなる群由来の1つ又はそれ以上の活性物質、
(2)アミノ酸であるグリシン/アラニンのリン酸基を含む除草効果のある誘導体からなる群由来の1つ又はそれ以上の活性物質、
(3)非塩型の(non-salt-like)置換されたフェノールエーテルをベースとした1つ又はそれ以上の界面活性剤、
(4)1つ又はそれ以上の増粘剤、好ましくはケイ酸アルミニウムベースの増粘剤を含む水性懸濁濃縮液である。
さらに、本発明に従った水性懸濁濃縮液は、さらなる成分、例えば、
(5)さらなる製剤補助剤、及び
(6)成分(3)以外のさらなる界面活性剤を含み得る。
【0011】
水ベースの製剤は一般的に、ほとんど又は全く有機溶媒を必要としないという利点を有する。
【0012】
活性物質の製剤のための水性懸濁濃縮液は、農薬、医薬、動物学並びに塗料及びニスの分野から周知である。従って、植物保護剤の水性懸濁濃縮液は、例えば、欧州特許出願公開第0110174(A)号に開示されており、例えば、欧州特許出願公開第0220655(A)号における硫黄及び欧州特許出願公開第0620971(A)号におけるメタミトロン等のより高度に濃縮された水性懸濁濃縮液にちょうど類似している。ホルムアル
デヒド縮合生成物又はリグノスルホナートと湿潤剤との混合物は、本発明において好ましく使用される。
【0013】
「水性懸濁濃縮液」という語は、水をベースとした懸濁製剤を意味するものと理解されるべきである。本発明に従った懸濁製剤中の水の割合は、広範な範囲内で変動し得、好ましくは25〜98質量%、特に35〜85質量%であり、これに関係して、本発明及び本明細書を通じて、「質量%」という特定は、別段の記載がなければ、製剤の総重量をベースとした個々の成分の相対的な重量を指す。
上述の新規の2,4−ジアミノ−s−トリアジン(成分1)の種類の適切な活性物質は、既に引用されている特許公報に由来して公知の活性物質、特に2,4−ジアミノ−6−(ハロ)(シクロ)アルキル−s−トリアジン化合物であり、前記化合物は、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アリールアルコキシアルキル若しくはヘテロアリールアルコキシアルキルラジカル又は二環式ラジカルでアミノ基上で置換されていて、これに関係して、好ましくは、結合位置から遠くに存在する環が芳香族又は芳香族複素環である二環式ラジカルである。
【0014】
上述の群由来の適切な2,4−ジアミノ−s−トリアジンの例は、以下に記載される式(I)、(II)、(III)及び(IV)の化合物、すなわち、
1.式(I)
【化1】

の化合物及びその塩(式中、
1が、(C1−C6)アルキルであり、前記アルキルが、非置換であるか又は、非置換であるか又はハロゲン、シアノ、ニトロ、チオシアナト、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C2−C4)アルケニル、(C2−C4)アルキニル、フェニル、3〜6個の環原子及びN、O及びSからなる群由来の1〜3個の環へテロ原子を有するヘテロシクリルからなる群由来の1つ又はそれ以上のラジカルによって置換されており、前記環は、非置換であるか又は置換されることが可能であり、
2及びR3は、各場合において互いに独立して、水素、アミノ又は、アルキルラジカル中に1〜6個の炭素原子を各場合に有するアルキルアミノ若しくはジアルキルアミノ、各場合に1〜10個の炭素原子を有する非環状又は環状炭化水素ラジカル又はヒドロカルビルオキシラジカル又は各場合に3〜6個の環原子並びにN、O及びSからなる群由来の1〜3個の環へテロ原子を有するヘテロシクリルラジカル、ヘテロシクリルオキシラジカル又はヘテロシクリルアミノラジカルであり、最後に記載されている5個のラジカルは、非置換であるか又は置換されているか又はアシルラジカルであることが可能であり、又は R2及びR3は、NR23基の窒素原子と共に、3〜6個の環原子及び1〜4個の環へテロ原子を有する複素環式ラジカルであり、前記窒素原子に加えて、さらなる任意の環へテロ原子は、N、O及びSからなる群より選択され、前記ラジカルは、非置換であるか又は置換されており、
4が、各場合において水素、アミノ、アルキルラジカル中に1〜6個の炭素原子を有するアルキルアミノ又はジアルキルアミノ、各場合に1〜10個の炭素原子を有し、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する非環状又は環状炭化水素ラジカル又はヒドロカルビルオキシラジカル、又は各場合にN、O及びSからなる群由来の3〜6個の環原子及び1〜3個の環へテロ原子を有するヘテロシクリルラジカル、ヘテロシクリルオキシラジカル若しくはヘテロシクリルアミノラジカルであり、最後に記載されている5個のラジカルの各々は、非置換であるか又は置換されているか、又はアシルラジカルであり、
【0015】
5が、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、チオシアナト又は式−B1−Y1のラジカルであり、B1及びY1は、以下に定義されるとおりであり、
Aは、1〜5個の直鎖状に接続された炭素原子、又は各場合に2〜5個の直鎖状に接続された炭素原子を有するアルケニレン若しくはアルキニレンであり、最後に記載されている3個のラジカルは各々、非置換であるか又はハロゲン、ニトロ、シアノ、チオシアナト及び式−B2−Y2のラジカルからなる群由来の1つ又はそれ以上のラジカルによって置換されており、
(X)nは、n個の置換基Xであり、この関係において、Xは、各場合において互いに独立して、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、(C1−C6)アルコキシ、(C2−C6)アルケニルオキシ、(C2−C6)アルキニルオキシ、[(C1−C4)アルキル]カルボニル、[(C1−C4)アルコキシ]−カルボニル又は[(C1−C4)アルキルチオ]カルボニルであり、最後に記載されている9個のラジカル中の炭化水素を含む部分は、非置換であるか又は置換されており、又は式−B0−R0のラジカルであり、B0は、以下に定義されるとおりであり、R0は、芳香族、飽和又は部分的飽和の炭素環式又は複素環式ラジカルであり、環状ラジカルは、非置換であるか又は置換されており、又は2つの隣接したラジカルXは互いに、炭素環式であるか又は、O、S及びNからなる群由来の環へテロ原子を含み、非置換であるか又はハロゲン、(C1−C4)アルキル及びオキソからなる群由来の1つ又はそれ以上のラジカルによって置換されている、4〜6個の環原子を有する縮合環であり、
nは、0、1、2、3、4又は5であり、
【0016】
0、B1、B2は、各場合に互いに独立して、直接的な単結合又は、式−O−、−S(O)p−、−S(O)p−O−、−O−S(O)p−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−NR'−、−O−NR'−、−NR'−O−、−NR'−CO−又は−CO−NR'−の二価の基であり、pは、0、1又は2であり、R'は、水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、ベンジル、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、又は1〜6個の炭素原子を有するアルカノイルであり、Y1、Y2は、各場合に互いに独立して、H又は、例えば1〜20個の炭素原子を各々有する非環状炭化水素ラジカル、又は3〜8個の炭素原子を有する環状炭化水素ラジカル、又はN、O及びSからなる群由来の3〜9個の環原子及び1〜3個の環へテロ原子を有する複素環式ラジカルであり、最後に記載されている3つのラジカルは各々、非置換であるか又は置換されている)、
【0017】
2.式(II)
【化2】

の化合物及びその塩(式中、
1が、非置換であるか若しくは置換されたアリール、又は非置換であるか若しくは置換された(C3−C9)シクロアルキル、又は(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル若しくは(C2−C6)アルキニルであり、最後に記載されている3つのラジカルは、非置換であるか若しくはハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、チオシアナト、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C2−C4)アルケニルオキシ、(C2−C4)ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)ハロアルキルスルホニル及び(C3−C9)シクロアルキル、及び非置換であるか若しくは置換されたフェニル、及び非置換であるか若しくは置換されたヘテロシクリル、及び式R'−C(=Z')−、R'−C(=Z')−Z−、R'−Z−C(=Z')−、R'R”N−C(=Z')−、R'−Z−C(=Z')−O−、R'R”N−C(=Z')−Z−、R'−C(=Z')−NR”−及びR'R”N−C(=Z')−NR'''−のラジカルであり、式中、R'、R”及びR'''は、各場合に互いに独立して、(C1−C6)アルキル、アリール、アリール(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキル又は(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、最後に記載されている5つのラジカルは各々、非置換であるか又は置換されており、式中Z及びZ’は、互いに独立して、各場合において酸素原子又は硫黄原子であり、からなる群由来の1つ又はそれ以上のラジカルによって置換され、
【0018】
2が、非置換であるか若しくは置換された(C3−C9)シクロアルキル、非置換であ
るか若しくは置換された(C4−C9)シクロアルケニル、非置換であるか若しくは置換されたヘテロシクリル、又は非置換であるか若しくは置換されたフェニルであるか、又は
3が、式−N(B1−D1)(B2−D2)又は−NR'−N(B1−D1)(B2−D2)のラジカルであり、式中、各場合においてB1、B2、D1及びD2は、以下に定義されるとおりであり、R'は、水素、(C1−C6)アルキル又は[(C1−C4)アルキル]カルボニルであり、
4が、式−B3−D3のラジカルであり、B3及びD3は、以下に定義されるとおりであり、
1が、1〜5個の炭素原子を有する直鎖状アルキレン又は各場合に2〜5個の炭素原子を有する直鎖状アルケニレン若しくはアルキニレンであり、最後に記載されている3つのジラジカルは各々、非置換であるか又は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、チオシアナト及び式−B4−D4のラジカルからなる群由来の1つ又はそれ以上のラジカルによって置換され、B4及びD4は、以下に定義されるとおりであり、
2が、直接的な単結合、又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖状アルキレン、又は各場合に2〜5個の炭素原子を有する直鎖状アルケニレン若しくはアルキニレンであり、最後に記載されている3つのジラジカルは各々、非置換であるか又は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、チオシアナト及び式−B5−D5のラジカルからなる群由来の1つ又はそれ以上のラジカルによって置換され、又は式V1、V2、V3、V4若しくはV5の二価のラジカルであり、
【0019】
−CR67−W*−CR89− (V1
−CR1011−W*−CR1213−CR1415−(V2
−CR1617−CR1819−W*−CR2021−(V3
−CR2223−CR2425−W*− (V4
−CR2627−W*− (V5
ラジカルR6〜R27は各々、各場合に互いに独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、チオシアナト又は式−B6−D6のラジカルであり、
*は、各場合に、酸素原子、硫黄原子又は式N(B7−D7)の基であり及び
5、B6、B7、D5、D6及びD7は、以下に定義されるとおりであり、
【0020】
1、B2、B3及びB7が、各場合に互いに独立して、直接的な単結合又は式−C(=Z*)−、−C(=Z*)−Z**−、−C(=Z*)−NH−若しくは−C(=Z*)−NR*−の二価の基であり、Z*は、酸素原子又は硫黄原子であり、Z**は、酸素原子又は硫黄
原子であり、R*は、(C1−C6)アルキル、アリール、アリール(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキル又は(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、最後に記載されている5つのラジカルは各々、非置換であるか又は置換されており、
4、B5及びB6が、各場合に互いに独立して、直接的な単結合又は式−O−、−S(O)p−、−S(O)p−O−、−O−S(O)p−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CS−、−CS−S−、−O−CO−O−、−NRO−、−O−NRO−、−NRO−O−、−NRO−CO−、−CO−NRO−、−O−CO−NRO−又は−NRO−CO−O−の二価の基であり、最後に記載されている5つのラジカルは各々、非置換であるか又は置換されており、
1、D2、D3、D4、D5、D6及びD7が、各場合に互いに独立して、水素、(C1−C6)アルキル、アリール、アリール(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキル又は(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、最後に記載されている5つのラジカルは各々、非置換であるか若しくは置換されており、又は各場合において、炭素原子に結合した2つの基−B5−D5の2つのラジカルD5は、互いに結合して、非置換であるか若しくは(C1−C4)アルキル及び(C1−C4)アルコキシからなる群由来の1つ若しくはそれ以上のラジカルによって置換される2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基を生じ、
【0021】
(X)nが、n個の置換基Xであり、この関係において、Xは、各場合に互いに独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、ホルミル、カルボキシル、シアノ、チオシアナト、アミノカルボニル又は(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)アルキルチオ、モノ(C1−C6)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、[(C1−C6)アルキル]カルボニル、[(C1−C6)アルコキシ]カルボニル、モノ(C1−C6)アルキルアミノ−カルボニル、ジ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、N−(C1−C6)アルカノイルアミノ又はN−(C1−C4)アルカノイル−N−(C1−C4)アルキルアミノであり、最後に記載されている13個のラジカルは各々、非置換であるか又は置換されており、好ましくは非置換であるか又はハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、ホルミル、カルボキシル、シアノ、チオシアナト、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)ハロアルキルチオ、モノ(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、(C3−C9)シクロアルキル、(C3−C9)シクロアルキルアミノ、[(C1−C4)アルキル]カルボニル、[(C1−C4)アルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、フェニルカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ及びヘテロシクリルアミノからなる群由来の1つ若しくはそれ以上のラジカルによって置換され、最後に記載されている8個のラジカルは、非置換であるか又はハロゲン、ニトロ、シアノ、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)ハロアルコキシ、ホルミル、(C1−C4)アルキルカルボニル及び(C1−C4)アルコキシカルボニルからなる群由来の1つ若しくはそれ以上の置換基を示すか、又はX−(C3−C9)シクロアルキル、(C3−C9)シクロアルコキシ、(C3−C9)シクロアルキルアミノ、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、フェニルカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、若しくはヘテロシクリルアミノに戻り、最後に記載されている11個のラジカルは各々、非置換であるか又は置換されているか、又は2つの隣接しているラジカルXは、一緒に、炭素環式であるかO、S及びNからなる群由来の環へテロ原子を含み、非置換であるか又はハロゲン、(C1−C4)アルキル及びオキソからなる群由来の1つ若しくはそれ以上のラジカルによって置換された4〜6個の環原子を有する縮合環であり、
nが、0、1、3、4又は5であり、そして
【0022】
上述のラジカル中の「ヘテロシクリル」が、各場合に他のものとは独立して、3〜7個の環原子及びN、O及びSからなる群由来の1〜3個のヘテロ原子を有する複素環式ラジカルであり、
好ましくは、
a)ラジカルA1及びA2−R2中の炭素原子の総数が、少なくとも6個の炭素原子であり、又は
b)ラジカルA1及びA2−R2中の炭素原子の総数が、5個の炭素原子であり、A1が、式−CH2−又は−CH2CH2−の基であり、又R1が、非置換であるか又は置換された(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C2−C6)ハロアルケニル又は(C3−C9)シクロアルキルである)、
【0023】
3.式(III)
【化3】

の化合物及びその塩(式中、
1及びR2が、各場合において互いに独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ又は各場合にアルキルラジカル中に1〜6個の炭素原子を有するジアルキルアミノ、各場合に1〜10個の炭素原子を有する非環状又は環状炭化水素ラジカル又はヒドロカルビルオキシラジカル、又は各場合に3〜6個の環原子及びN、O及びSからなる群由来の1〜3個の環ヘテロ原子を有するヘテロシクリルラジカル、ヘテロシクリルオキシラジカル、ヘテロシクリルチオラジカル又はヘテロシクリルアミノラジカルであり、最後に記載されている5個のラジカルは各々、非置換であるか又は置換されているか又はアシルラジカルであり、又は
1及びR2が、NR12基の窒素原子と共に、3〜6個の環原子及び1〜4個の環へテロ原子を有する複素環式ラジカルであり、窒素原子に加えて任意のさらなる環へテロ原子は、N、O及びSからなる群より選択され、前記ラジカルは、非置換であるか又は置換されており、
3が、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、ニトロ又は式−Z1−R7のラジカルであり、
【0024】
4が、各場合において水素、アミノ、アルキルラジカル中に1〜6個の炭素原子を各場合に有するアルキルアミノ又はジアルキルアミノ、各場合に1〜10個の炭素原子を有する非環状又は環状炭化水素ラジカル又はヒドロカルビルオキシラジカル、又は各場合にN、O及びSからなる群由来の3〜6個の環原子及び1〜3個の環へテロ原子を有するヘテロシクリルラジカル、ヘテロシクリルオキシラジカル若しくはヘテロシクリルアミノラジカルであり、最後に記載されている5つのラジカルは各々、非置換であるか又は置換されているか、又はアシルラジカルであり、
5が、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、ニトロ又は式−Z2−R8のラジカルであり、
6が、n=1の場合、又はnが1よりも大きい場合、複数のラジカルR6が、各場合において互いに独立して、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、ニトロ又は式−Z3−R9の基であり、
【0025】
7、R8、R9が、各場合において互いに独立して、
水素又は
−非環状炭化水素ラジカル(鎖中の炭素原子は、N、O及びSからなる群由来のヘテロ原子によって置換されることが可能である)、又は
−環状炭化水素ラジカル又は
−複素環式ラジカル
であり、最後に記載されている3つのラジカルは各々、非置換であるか又は置換されており、
1、Z2、Z3が、各場合において互いに独立して、
直接的な単結合又は
−式−O−、−S(O)p−、−S(O)p−O−、−O−S(O)p−、−CO−、−CS−、−S−CO−、−CO−S−、−O−CS−、−CS−O−、−S−CS−、−CS−S−、−OCO−、−CO−O−、−NR'−、−O−NR'−、−NR'−O−、−NR'−CO−又は−CO−NR'−の二価の基(pは、0、1又は2であり、R'は、水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、ベンジル、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル又は1〜6個の炭素原子を有するアルカノイルである)であり、
1、Y2、Y3及びさらなる基Y2は、mが、2、3又は4である場合、各場合において互いに独立して、
−式CRabの二価の基(Ra及びRbは、同一又は異別であり、各場合において、R7〜R9に対して考えられるラジカルの群由来のラジカルである)、又は
−式−O−、−CO−、−C(=NR*)−、−S(O)q−、−NR*−又は−N(O)−の二価の基(qは、0、1又は2であり、R*は、水素又は1〜4個の炭素原子を有するアルキルである)、又は
−Y1又はY3は、直接的な単結合であり、
基Y2及びY3の2つの酸素原子は隣接しておらず、
mが、1、2、3又は4であり、
nが、0、1、2、3又は4である)、
【0026】
4.一般式(IV)
【化4】

の置換された2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン(式中、
1が、水素又は、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン若しくはC1−C4−アルコキシによって場合により置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、
2が、水素、ホルミル、各場合においてアルキル基中に1〜6個の炭素原子を有し、各場合において、シアノ、ハロゲン又はC1−C4−アルコキシによって場合により置換されたアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル又はアルキルスルホニル、又は各場合においてシアノ、ハロ−C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、ハロ−C1−C4−アルコキシ若しくはC1−C4−アルコキシカルボニルによって場合により置換されたフェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、フェニルスルホニル又はナフチルスルホニルであり、
3が、シアノ、ハロゲン若しくはC1−C4−アルコキシによって場合により置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル、又はシアノ、ハロゲン若しくはC1−C4−アルキルによって場合により置換された3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり、
【0027】
Xが、以下の群由来の置換基であり、すなわち
ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、各場合に1〜6個の炭素原子を有し、各場合にヒドロキシル、シアノ又はハロゲンによって場合により置換されるアルキル又はアルコキシ、各場合においてアルキル基中に1〜6個の炭素原子を有し、各場合においてハロゲンによって場合により置換されるアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル又はアルキルスルホニル、又は各場合においてヒドロキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C1−C4−アルキル、C1−C4−ハロアルキル、C1−C4−アルコキシ若しくはC1−C4−ハロアルコキシによって場合により置換されるフェニル若しくはフェノキシであり、及び
Zが、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、各場合においてアルキル基中に1〜6個の炭素原子を有し、各場合においてヒドロキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルキルカルボニル、C1−C4−アルコキシカルボニル、C1−C4−アルキルチオ、C1−C4−アルキルスルフィニル又はC1−C4−アルキルスルホニルによって場合により置換されるアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル又はアルキルスルホニル、各場合において2〜6個の炭素原子を有し、各場合においてハロゲンによって場合により置換されるアルケニル若しくはアルキニル、又はシアノ、ハロゲン若しくはC1−C4−アルキルによって場合により置換される3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキルである)である。
【0028】
水素、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)−ハロアルキル、(C3−C6)シクロアルキル及び(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキルからなる群由来のラジカルでトリアジン環の6位で置換されている式(I)〜(V)の上述の2,4−ジアミノ−s−トリアジンが好ましく、好ましくは(C1−C4)アルキル及び(C1−C4)ハロアルキルである。
【0029】
「ハロゲンにより置換されたアルキル」(=ハロアルキル)という語は、この関係において、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群由来の、好ましくはフッ素、塩素及び臭素からなる群由来の、特にフッ素及び塩素からなる群由来の1つ又はそれ以上のハロゲン原子によって置換されるアルキルを意味する。
【0030】
1つのアミノ基が非置換であり、すなわちNH2であり、その他のアミノ基が水素原子及び(ヘテロ)アリール(ヘテロ)アルキルラジカルを有する式(I)〜(V)の化合物が好ましい。
【0031】
活性物質として、例えば、式
【化5】

(式中、
Xが、(C1−C4)アルキル又は(C1−C4)ハロアルキルであり、
Yが、(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル又は(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキルであり及び
Aが、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−O−、−CH2CH2−O−又は−CH2CH2CH2−O−である)
の2,4−ジアミノ−s−トリアジンが好ましい。
国際公開第97/31904(A)号又は国際公開第04/069814(A)号から公知であるものなど、二環式ラジカルを有する式(III)の化合物も好ましい(表A参照)。
ジアミノトリアジンの群由来の好ましい活性物質は、以下の表Aにおける例によって列挙されている。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
【表3】

【0035】
【表4】

【0036】
【表5】

【0037】
【表6】

【0038】
【表7】

【0039】
表A由来の化合物の塩、好ましくは酸付加塩、例えば塩酸塩も好ましい。
本発明に従った懸濁製剤中の活性物質(成分1)の割合は、好ましくは0.1〜60質量%、特に0.5〜55質量%、さらに好ましくは0.5〜50質量%、さらに好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは1〜10質量%であるか又は、0.5〜10質量%、さらに好ましくは1〜5質量%の比較的により非常に効果的な物質を有する。
【0040】
リン酸基を含む、アミノ酸であるグリシン/ホモアラニン(成分2)の適切な誘導体の例は、以下に記載される式(V)及び(VI)の化合物である。すなわち、
1.式(V)
【化6】

(式中、Zが、式−OHのラジカルであるか又は式−NHCH(CH3)CONHCH(CH3)COOH若しくは−NHCH(CH3)CONHCH[CH2CH(CH3)2]COOHのペプチドラジカル、及びそれらのエステル及び塩であり、好ましくはグルホシネート及び酸及び塩基とのその塩、特にグルホシネートアルミニウム、L−グルホシネート又はその塩、ビアラホス及びその酸及び塩基との塩及び他のホスフィノトリシン誘導体である)。
【0041】
式(V)には、すべての立体異性体及びその混合物、特に各場合において生物学的に効果のあるラセミ化合物及び鏡像体、例えばL−グルホシネート及びその塩が含まれる。
【0042】
式(V)の化合物の好ましい例は、
(V.1)比較的狭義のグルホシネート、すなわちD,L−2−アミノ−4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィニル]ブタン酸
(V.2)グルホシネート一アルミニウム塩
(V.3)L−グルホシネート、L−又は(2S)−2−アミノ−4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィニル]−ブタン酸(ホスフィノトリシン)
(V.4)L−グルホシネート一アンモニウム塩
(V.5)ビアラホス(又はビラナホス)、すなわちL−2−アミノ−4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィニル]−ブタノイル−L−アラニル−L−アラニン、特にそのナトリウム塩である。
【0043】
上述の化合物(V.1)〜(V.5)は、植物の緑色部分を介して吸収され、広域スペクトルの除草剤又は全域除草剤として周知であり、前記化合物は、植物における酵素グルタミン合成酵素の阻害剤である(「The Pesticide Manual」、第11版、British Crop Protection Council 1997,
pp.643−645又は120−121参照)。使用の一分野が、イネ科雑草を含む雑
草を防除するための発生後処理方法からなる一方で、プランテーション農作物及び非農作物領域で、また、特別な施用技術によって、とりわけ、トウモロコシ、ワタ等の地表農作物における畝間防除に関し、耐性又は抵抗性のあるトランスジェニック植物農作物における選択的除草剤としての使用の重要性は増大しつつある。グルホシネートは一般的に、塩、好ましくはアンモニウム塩の形態で使用される。グルホシネート又はグルホシネートアンモニウムのラセミ化合物は通常、1ヘクタール当たり活性物質50〜2000gの薬量で単独で施用される。これらの薬量で、グルホシネートは、特に緑色植物部分を介して吸収される場合に効果的である。グルホシネートは、数日以内で土壌中で微生物によって分解されるため、土壌中に何ら持続性の効果はない。同様の状況は、使用される活性物質ビアラホスナトリウムに関しても適用される(ビアラホスナトリウムは、ビラノホスナトリウムとしても公知であり、「The Pesticide Manual」、第11版、British Crop Protection Council,1997,pp.120−121参照)。
【0044】
2.式(VI)
【化7】

の化合物並びにそのエステル及び塩、好ましくはそのグリホサート及びアルカリ金属塩又は、アミン、特にグリホサート−イソプロピルアンモニウムを有するその塩、並びにスルホサート。
【0045】
式(VI)の化合物の好ましい例は、
(VI.1)グリホサート、すなわちN−(ホスホノメチル)グリシン
(VI.2)グリホサートモノイソプロピルアンモニウム塩
(VI.3)グリホサートナトリウム塩
(VI.4)スルホサート、すなわちN−(ホスホノメチル)グリシントリメシウム塩=N−(ホスホノメチル)グリシントリメチルスルホキソニウム塩
である。
【0046】
グリホサートは通常、塩、好ましくはモノイソプロピルアンモニウム塩又はトリメチルスルホキソニウム塩(=トリメシウム塩=スルホサート)の形態で使用される。個々の用量は、遊離酸グリホサートをベースとして、1ヘクタールあたり活性物質0.050〜5kgの範囲である。グリホサートは、多くの性能の局面に関してグルホシネートと同様であるが、グルホシネートとは対照的に、植物において酵素5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸合成酵素の阻害剤である(「The Pesticide Manual」、第11版、British Crop Protection Council,1997,pp.646−649参照)。本発明においても、耐性又は抵抗性のトランスジェニック植物農作物における選択的な除草剤としての使用の重要性は増しつつある。
式(V)及び式(VI)の化合物は公知であるか又は、公知の方法と同様にして製造可能である。
【0047】
本発明に従った懸濁濃縮液中の活性物質(成分2)の割合は、好ましくは0.1〜65質量%、特に0.2〜50質量%、さらに好ましくは1〜45質量%、さらに好ましくは5〜30質量%である。
個々の場合において、成分(1)の化合物の1つ又はそれ以上を成分(2)の幾つもの化合物と組み合わせることは有用であり得、その逆の順序においても施用され得る。
【0048】
さらに、本発明に従った組み合わせは、例えば薬害軽減剤、殺眞菌剤、殺虫剤及び植物生長調節剤からなる群由来の、又は例えば肥料及び着色料等の植物保護における既存の添加物からなる群由来の他の活性物質と共に使用することが可能である。
【0049】
同様に、除草剤からなる群由来のさらになお付加的な活性物質も添加することが可能であるが、例えば、「The Pesticide Manual」、第13版、British Crop Protection Council,2005に記載されているものなどがあり、例えば、Mecoprop(番号503)などがある。
【0050】
非塩型の置換されたフェノールエーテルをベースとした界面活性剤(成分3)は、アルコキシ化、例えばエトキシ化及び/又はプロポキシ化及び/又はブトキシ化されることが可能である、例えば非イオン性一置換、二置換又は好ましくは三置換のフェノールである。この関係において、アルキレンオキシの単位数は、例えば1〜100、好ましくは3〜60、特に好ましくは5〜25の範囲である。フェノール誘導体のフェノール環における置換基は、好ましくはスチリルラジカル又はイソアルキルラジカルである。この関係において、「スチリルラジカル」という語は、スチレンによるフェノールの芳香族化合物の置換によって生じるラジカル、すなわち「1−フェニルエチルラジカル」を指す。例としては、例えば、フェニル(C1−C4)アルキルエーテル又は、例えば(ポリ)アルキレンオキシ部分中に1〜50個のアルキレンオキシ単位を有する(ポリ)アルコキシ化フェノール[=フェノール(ポリ)アルキレングリコールエーテル]があり、前記アルキレン部分は好ましくは、各場合に2〜4個の炭素原子を示し、好ましくは、酸化アルキレン3〜10モルと反応したフェノール、例えばアルキルラジカルあたり1〜12個の炭素原子及びポリアルキレンオキシ部分中の1〜150アルキレンオキシ単位を有する(ポリ)アルキルフェノール又はアルコキシル酸(ポリ)アルキルフェノール[=ポリアルキルフェノール(ポリ)アルキレングリコールエーテル]、好ましくは酸化エチレン、ポリアリールフェノール若しくはアルコキシ化ポリアリールフェノール[=ポリアリールフェノール(ポリ)アルキレングリコールエーテル]1〜50モルと反応したトリ(n−ブチル)フェノール若しくはトリイソブチルフェノール、例えばポリアルキレンオキシ部分中に1〜150アルキレンオキシ単位を有するトリスチリルフェノールポリアルキレングリコールエーテル、好ましくは酸化エチレン1〜50モルと反応したトリスチリルフェノール(1〜50のEO=エチレンオキシ単位を有するトリスチリルフェノール)である。
【0051】
記載された非イオン性界面活性剤は、例えばリン酸化又は硫酸化された官能基で修飾されることも可能である。しかしながら、前記非イオン性界面活性剤は、その中和した塩形態ではなく酸の形態で成分(3)として使用しなければならない。この関係において、製剤のさらなる適切な塩基性成分による最後に記載されている界面活性剤の塩の形成は排除されていないが、一般的には好ましくない。さらに、リン酸又は硫酸基が完全にエステル化されているリン酸化又は硫酸化された非イオン性界面活性剤は、同様に可能である。
【0052】
1〜30EOを有するトリ[(C1−C4)アルキル]フェノールアルコキシレート又は、10〜30EOを有するトリスチリルフェノールアルコキシレートが好ましい。非塩型(酸)形態の、対応するリン酸化された界面活性剤は同様に、好ましくは適切である。
成分(3)の界面活性剤の例は、Soprophor(登録商標)3D33(=16EOでエトキシ化されリン酸化されたトリスチリルフェノール)、Soprophor(登録商標)BSU(=16EOでエトキシ化されたトリスチリルフェノール)、Soprophor(登録商標)CY/8(Rhodia)(=20EOでエトキシ化されたトリスチリルフェノール)及びHoe(登録商標)S3474(=20EOでエトキシ化されたトリスチリルフェノール)であり、Sapogenat(登録商標)T製品(Clari
ant)、例えばSapogenat(登録商標)T100(=10EOでエトキシ化されたトリイソブチルフェノール)の形態にある。
また、成分(3)の非イオン性界面活性剤の例は、市販の、例えばAgrisol(登録商標)製品(Akcros)の形態にある、酸化エチレン4〜10モルと反応したフェノール、及び市販の、例えばArkopal(登録商標)製品(Clariant)の形態にある、酸化エチレン4〜50モルと反応したノニルフェノールである。
【0053】
化合物(3)の非塩型の界面活性剤の例は、Soprophor(登録商標)3D33又はSoprophor(登録商標)4D−384(Rhodia)など、酸化エチレン1〜50モルと反応したトリスチリルフェノールの酸性リン酸エステルである。
非塩型の置換されたフェノールエーテルからなる群由来の幾つもの界面活性剤の混合物も、成分(3)用に好ましい。
この関係において、成分(3)の上述の非イオン性界面活性剤の2つ又はそれ以上の混合物が好ましく、上述の非イオン性界面活性剤の1つ又はそれ以上と成分(3)の上述の非塩型の(酸性の)リン酸化された界面活性剤の1つ又はそれ以上との混合物も好ましい。
【0054】
ポリオキシアルキレン鎖において単位数において、例えば2〜10単位で異なる成分(3)の2つ又はそれ以上の界面活性剤の混合物が好ましい。
本発明に従った懸濁製剤中の成分(3)の界面活性剤の割合は、一般的に0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.1〜7質量%又はさらに1〜7質量%である。
【0055】
考えられる増粘剤(成分4)は一般的に、植物保護組成物中で使用されるか又は植物保護組成物に適したすべての増粘剤、例えば、ケイ酸アルミニウムベースの増粘剤等の無機(鉱物)増粘剤、有機増粘剤、例えば、カンテン、カラゲナン、トラガントゴム、アラビアゴム、アルギン酸塩、ペクチン、多糖類、グァーガム、ローカストビーン、デンプン、デキストリン、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロースエーテル、ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸化合物、ビニルポリマー、ポリエーテル又はポリアミド等の別の種類の増粘剤である。
【0056】
ケイ酸アルミニウムベースの考えられる増粘剤(成分4)は、例えば、ヘクトライト、モンモリロナイト、サポナイト、カオリナイト、ベントナイト、アタパルジャイトなどのものである。
【0057】
このような増粘剤の例は、Engelhardt Corp製のAttagels(登録商標)、例えば、含水ケイ酸マグネシウムアルミニウム(アタパルジャイト)であるAttagel50、Bentone EWなど含水ケイ酸マグネシウムアルミニウム(ベントナイト)であるElementis製Bentone(登録商標)シリーズである。
【0058】
好ましい有機増粘剤の例は、Rhodia製のRhodopol(登録商標)、例えば、Rhodopol50MC(キサンタンガム)又はRhodopol23(キサンタンへテロ多糖類)等の、キサンタン(ヘテロ多糖類)である。増粘剤は、組み合わせにおいて使用されることも可能である。この関係において、有機増粘剤と鉱物増粘剤との組み合わせも適し得る。
【0059】
増粘剤の適切な割合は、製剤の粘性及び個々の増粘剤に依存し、一般的には例えば製剤の重量をベースとして0.001〜10質量%、好ましくは0.005〜5質量%である。本発明に従った懸濁製剤中の計算アルミニウムをベースとした増粘剤の割合は、好ましくは0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜3.5質量%である。キサンタン種の増粘剤を
使用する場合、割合は、好ましくは0.001〜5質量%、特に0.005〜1質量%である。
【0060】
さらに、消泡剤、凍結防止剤、保存料、着色料又は肥料等のさらなる製剤補助剤(成分5)、及び成分(3)以外の界面活性剤(成分6)は、これらの製剤に添加されることが可能である。
【0061】
本発明に従った懸濁製剤中のこれらの製剤補助剤(成分5)の割合は、好ましくは0.1〜22質量%、特に0.5〜18質量%、さらに好ましくは1〜15質量%である。
【0062】
考えられる消泡剤は、Wacker Rhodia又はDow Corning製のシリコーンベースの消泡剤、及び例えばAir Productsなどによるアセチレンベースの消泡剤である。適切な消泡剤の典型的な代表は、とりわけ、Rhodia製のRhodorsil(登録商標)Silcolapse5020(水中油のポリジメチルシロキサン乳剤)及びRhodorsil(登録商標)481(ポリジメチルシロキサンとシリコンとの混合物)である。 考えられる凍結防止剤は、例えば、グリコール、プロピレングリコール、グリセロール及び尿素である。
【0063】
考えられる保存料は、標準的な殺生物化合物、例えば、Acticide(登録商標)MBS(1,2−ベンゾチアゾール−3(2H)−オンと2−メチル−2H−イソチアゾール−3−オンとの混合物)(Thor)である。
成分(3)以外のさらなる界面活性剤(成分6)の例は、以下に列挙されており、その中で、EO=酸化エチレン単位、PO=酸化プロピレン単位及びBO=酸化ブチレン単位である。
【0064】
1)例えば1〜60酸化アルキレン単位、好ましくは1〜60EO及び/又は1〜30PO及び/又は1〜15BOを使用して何れかの順序でアルコキシ化可能なC10−C24アルコール。これらの化合物の末端のヒドロキシル基は、1〜24個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル又はアシルのラジカルによって閉鎖された末端基であり得る。このような化合物の例は、
Clariant製のGenapol(登録商標)C、L、O、T、UD、UDD、X製品、BASF製のPlurafac(登録商標)及びLutensol(登録商標)A、AT、ON、TO製品、Condea製のMarlipal(登録商標)24及びO13製品、Henkel性のDehypon(登録商標)製品、Ethylan CD120等の、Akzo−Nobel製のEthylan(登録商標)製品である。
【0065】
2)カルボン酸、スルホン酸、硫酸及びリン酸のエーテルの形態にある、1)に記載されている製品の陰イオン性誘導体、並びに、Clariant製のGenapol(登録商標)LRO、Sandopan(登録商標)製品、Hostaphat/Hordaphos(登録商標)製品など、前記誘導体の無機(例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属)及び有機(例えば、アミン又はアルカノールアミンベース)の塩。例えばブロック共重合体等のEO、PO及び/又はBO単位からなる共重合体、例えば、BASF製のPluronic(登録商標)製品及びUniquema製の400〜108の分子量のSynperonic(登録商標)製品等。Uniquema製のAtlox(登録商標)5000又はClariant製のHoe(登録商標)S3510等の、C1−C9アルコールの酸化アルキレン付加物。
典型的なさらなる代表例にはとりわけ、Nufam製のGaloryl(登録商標)MT804(ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩)、Rhodia製のGeropon(登録商標)T36(ポリカルボン酸ナトリウム)、Supragil(登録商標)MNS90(メチルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩濃縮製品)、及びVanderb
ilt製の、分散剤として使用可能なDarvan(登録商標)No.3(重合体化したアリールアルキルスルホン酸のナトリウム塩)、並びにRhodia製の、湿潤剤として使用可能なGeronol(登録商標)CF/AR(エトキシ化アルコールのリン酸エステルのアンモニウム塩)及びSupragil(登録商標)WP(ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム)もある。
【0066】
3)Condea製のSerdox(登録商標)NOG製品等の脂肪酸及びアルコキシ化トリグリセリド、又は大豆油、アブラナ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、綿実油、亜麻仁油、ヤシ油、パーム油、アザミ油、クルミ油、ピーナツ油、オリーブ油又はヒマシ油、特にアブラナ油等のアルコキシ化した植物油。「植物油」という語は、そのエステル交換生成物トランスエステル化、例えばアブラナ油メチルエステル又はアブラナ油エチルエステル等のアルキルエステルをも意味するものとして理解され、例えばClariant製のEmulsogen(登録商標)製品、脂肪族、環状脂肪族及びオレフィンのカルボン酸及びポリカルボン酸、並びにHenkelから市販されているα−スルホ脂肪酸エステルがある。
【0067】
4)Henkel製のComperlan(登録商標)製品及びRhodia製のAmam(登録商標)製品等のアルコキシ化脂肪酸アミド。
Air Products製のSurfynol(登録商標)製品等のアルキンジオールのアルキレンオキシ付加物。Clariant製のアミノ糖及びアミド糖、Clariant製のグルシトール、Henkel製のAPG(登録商標)製品の形態のアルキルポリグリコシド等の、又はUniquema製のSpan(登録商標)又はTween(登録商標)の形態のソルビタンエステル、若しくはWacker製のシクロデキストリンエステル若しくはエーテル等の、糖誘導体。ここで、典型的な代表例はとりわけ、ICI製のAtplus(登録商標)435(アルキルポリグリコシド/アルキル多糖類混合物)でもあり、例えば、湿潤剤として使用可能である。
【0068】
5)Clariant製のTylose(登録商標)製品、Kelco製のManutex(登録商標)製品及びCesalpina製のグアー誘導体等の、界面活性セルロース並びにアルギン、ペクチン及びグアー誘導体。
Clariant製のPolyglykol(登録商標)製品等の、ポリオールベースの酸化アルキレン付加物。Clariant製の界面活性ポリグリセリド及びその誘導体。
【0069】
6)Clariant製のNetzer IS(登録商標)、Hoe(登録商標)S1728、Hostapur(登録商標)OS、Hostapur(登録商標)SAS、Union Carbide製のトリトン(登録商標)GR7ME及びGR5、Albright and Wilson製のEmpimin(登録商標)製品、Cdea製のMarlon(登録商標)PS65等のスルホスクシナート、アルカンスルホナート、パラフィンスルホナート及びオレフィンスルホナート。
【0070】
7)Cytec製のAerosol(登録商標)製品又はAlbright and Wilson製のEmpimin(登録商標)製品等の、スルホスクシナメート。
【0071】
8)脂肪族アミンの酸化アルキレン付加物、8〜22個の炭素原子(C8−C22)を有する第四級アンモニウム化合物、例えば、Clariant製のGenamin(登録商標)C、L、O、Tなど。
【0072】
9)Goldschmidt製のTegotain(登録商標)、Clariant製のHostapon(登録商標)T及びArkopon(登録商標)Tの形態にある、タウリド、ベタイン及びスルホベタイン等の、界面活性双性イオン化合物
【0073】
10)Goldschmidt製のTegopren(登録商標)及びWacker製のSE(登録商標)製品並びにRhodia(Dow Corning,Reliance,GE,Bayer)製のBevaloid(登録商標)、Rhodorsil(登録商標)及びSilcolapse(登録商標)製品等の、シリコーン又はシランベースの界面活性化合物。
【0074】
11)Clariant製のFluowet(登録商標)製品、Bayer製のBayowet(登録商標)製品、DuPont製のZonyl(登録商標)製品並びにダイキン及び旭硝子製のこの種の製品等、ペルフッ素置換された又はポリフッ素化された界面活性化合物。
12)例えばBayer製の界面活性スルホンアミド。
13)BASF製のSokalan(登録商標)製品などの、界面活性ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸誘導体
14)Bayer製の修飾されたゼラチン又は誘導体化されたポリアスパラギン酸並びにそれらの誘導体等の、界面活性ポリアミド。
15)BASF製のLuviskol(登録商標)製品及びISP製のAgrimer(登録商標)製品等の修飾されたポリビニルピロリドン、又はClariant製のMowilith(登録商標)製品等の誘導体化された酢酸ポリビニル、又はBASF製のLutonal(登録商標)製品、Wacker製のVinnapas(登録商標)及びPioloform(登録商標)等の酪酸ポリビニル、又はClariant製のMowiol(登録商標)製品等の修飾されたポリビニルアルコールなどの、界面活性ポリビニル化合物。
【0075】
16)無水マレイン酸及び/又は無水マレイン酸の反応生成物ベースの界面活性ポリマー、及びISP製のAgrimer(登録商標)VEMA製品等の、無水マレイン酸及び/又は無水マレイン酸反応生成物を含む共重合体。
17)Clariant製のHoechst(登録商標)ワックス又はLocowet(登録商標)製品等の、モンタン、ポリエチレン及びポリプロピレンワックスの界面活性誘導体。
18)Clariant製のFluowet(登録商標)PL等の、界面活性ホスホナート及びホスフィナート。
19)例えば、Clariant製のEmulsogen(登録商標)1557等の、ポリハロゲン化又はペルハロゲン化界面活性剤。
20)硫酸又はリン酸との成分(3)の上述のフェノールの形式上の反応生成物であり、適切な塩基(塩)で中和される陰イオン化合物、例えば、トリエトキシ化フェノールの、NaOHで中和される酸性リン酸エステル、酸化エチレン9モルと反応したノニルフェノールの、NaOHで中和される酸性リン酸エステル、及び酸化エチレン20モルとトリスチリルフェノール1モルとの反応生成物の、NaOHで中和されるリン酸エステル。
【0076】
21)アルキル−又はアリールベンゼンスルホン酸塩等のベンゼンスルホン酸塩、例えば、アルキルラジカルあたり1〜12個の炭素原子を有するか又はポリアリールラジカル中に3個までのスチレン単位を有する、酸性形態にあるか又は適切な塩基で中和された(ポリ)アルキル−及び(ポリ)アリールベンゼンスルホン酸、好ましくは(直鎖)ドデシルベンゼンスルホン酸又はその油溶性塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸のカルシウム塩又はイソプロピルアンモニウム塩など。このような界面活性剤の例は、例えばMarlon(登録商標)製品(Huls)の形態で市販されている酸性(直鎖)ドデシルベンゼンスルホン酸塩、又はドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムである。
【0077】
1,2−エチレンオキシ、1,2−プロピレンオキシ、1,2−ブチレンオキシ及び2,3−ブチレンオキシ単位、特に1,2−エチレンオキシ単位は、アルキレンオキシ単位に好ましい。
非芳香族ベースの界面活性剤からなる群由来の界面活性剤の例は、上述の群1)〜19)の、好ましくは群1)、2)、6)及び8)の界面活性剤である。
【0078】
芳香族ベースの界面活性剤からなる群由来の界面活性剤の例は、上述の群20)及び21)の界面活性剤、好ましくは、例えばSoprophor(登録商標)FL等のSoprophor(登録商標)シリーズ(Rhodia)由来の酸化エチレン1〜50モルと反応したトリスチリルフェノールの中和されたリン酸エステルである。成分(6)の界面活性剤の割合は、製剤の重量をベースにして界面活性剤の好ましくは0〜60質量%、特に1〜50質量%、さらに好ましくは10〜40質量%である。
成分(6)及びまた(3)の場合において、界面活性剤に関して示される量は、各場合において、(水含有量を含まない)洗剤の重量を指す。
好ましい懸濁製剤は、個々の又は幾つもの成分が好ましく付与される量で存在する量にある成分(1)〜(6)を含む。
本発明に従った懸濁製剤は、公知の方法(Winnacker−Kuchler,「Chemische Technologie(Chemical Technology)」、第7巻、C.Hanser Verlag、Munich、第4版、1986参照)で、例えば適切な粉砕機、例えばビーズ粉砕機(例えばDrais製の例えばバッチごとに作動するビーズ粉砕機、又は例えばBachofen製の連続的に稼動するビーズ粉砕機)又はコロイドミル粉砕機(例えばProbst+Claasen製の例えば鋸歯状のコロイドミル)中で実施され得る成分の湿式微粉砕によって調製されることが可能である。
本発明の好ましい実施態様において、粉砕は、製剤の粒子の50%が、4μm未満又は4μmに等しいサイズ(d50≦4μm)を呈するまで、粉砕が実施される。
【0079】
好ましくは、この関係において、製剤中の活性物質(成分1)は、4μm未満か又は4μmに等しいd50の粒子サイズを呈し、特に、活性物質粒子の60%又は非常に特別には80%が、1〜4μmの範囲の粒子サイズを呈する。
本発明はさらに、液体、好ましくは水による希釈によって本発明に従った懸濁製剤から得られ得る組成物に関する。
従って、さらなる活性物質、好ましくは(適切な製剤の形態にあるタンクミックスパートナーとしての)農薬活性物質及び/又は補助剤及び施用における付加的な標準物質、例えば植物油若しくはパラフィン油等の自己乳化油及び/又は肥料を使用して得られる組成物を処理することは利点があり得る。従って、本発明は、本発明に従った懸濁製剤をベースにしたそれらの組成物、好ましくは除草剤組成物にも関する。
【0080】
この関係において、「農薬活性物質」という語は、農業、園芸、林業、畜産の分野において、並びにまた家畜という領域において及び備蓄において使用される全ての物質を包含する。これらの農薬活性物質には、例えば、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺鼠剤、殺眞菌剤(fungicide)、殺菌剤(bacteriocide)、殺線虫剤、殺藻剤、軟体動物駆除剤、殺ウイルス剤、薬害軽減剤、植物の損傷に対する抵抗性を誘導する活性物質、忌避剤として効果的な活性物質及び生長調節剤として効果的な活性物質、生物体を有し生物体由来の活性物質、並びに肥料が含まれる。除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺眞菌剤(fungicide)、殺菌剤(bacteriocide)、殺ウイルス剤及び生長調節剤として、又は薬害軽減剤として効果的な活性物質が特に好ましい。除草剤、殺虫剤、殺眞菌剤(fungicide)及び薬害軽減剤が非常に特に好ましい、順番にそれらのうち、除草剤活性物質が好ましい。
【0081】
本発明の具体的な実施態様は、望ましくない植物の生長に対抗するための本発明に従った懸濁製剤から得られることの可能な組成物の使用に関するものであり、後に「除草剤組成物」として記載される。
除草剤組成物は、経済的に重要な有害単子葉及び双子葉植物の広域スペクトルに対して顕著な除草活性を示す。根茎、台木又は他の多年生器官を発芽し、撲滅することが困難である多年生の雑草でさえ、都合よく含まれる。この関係において、除草剤組成物は、例えば播種前、発芽前又は発芽後の方法において施用(使用)可能である。特に、例えば、特定の種に限定する指示ではなく、除草剤組成物によって防除可能な単子葉及び双子葉雑草フローラの幾つかの代表例に関して言及する。
【0082】
単子葉雑草種であるセイヨウヌカボ(Apera spica venti)の場合、アベナ(Avena)種、アロペクルス(Alopecurus)種、ブラキアリア(Brachiaria)種、ジギタリア(Digitaria)種、ロリウム(Lolium)種、エキノクロア(Echinochloa)種、パニクム(Panicum)種、ファラリス(Phalaris)種、ポア(Poa)種、セタリア(Setaria)種、並びにまた、ブロムス・カタルティクス(Bromus catharticus)、ブロムス・セカリヌス(Bromus secalinus)、ブロムス・エレクトゥス(Bromus erectus)、ブロムス・テクトラム(Bromus tectorum)及びブロムス・ジャポニクス(Bromus japonicus)等のブロムス(Bromus)種、及び一年生の群由来のキペルス(Cyperus)種、及び多年生種の場合、例えば、アグロピロン(Agropyron)、シノドン(Cynodon)、インペラータ(Imperata)並びにまたソルガム(Sorghum)及び多年生のシペルス(Cyperus)種でさえ、都合よく含まれる。
双子葉雑草種で、活性のスペクトルは、例えばアブチロン(Abutilon)種、アマランサス(Amaranthus)種、シェノポジウム(Chenopodium)種、クリサンテマム(Chrysanthemum)種、ガリウム・アパリン(Galium aparine)等のガリウム(Galium)種、イポモエア(Ipomoea)種、コキア(Kochia)種、ラミウム(Lamium)種、マトリカリア(Matricaria)種、ファービティス(Pharbitis)種、ポリゴナム(Polygonum)種、シダ(Sida)種、シナピス(Sinapis)種、ソラナム(Solanum)種、ステラリア(Stellaria)種、ベロニカ(Veronica)種、及びヴィオラ(Viola)種、一年生の場合、キサンチウム(Xanthium)種、多年生雑草のコンボルブルス(Convolvulus)、サーシウム(Cirsium)、ルメックス(Rumex)及びアルテミシア(Artemisia)等の種に施用される。
例えば、エキノクロア(Echinochloa)、サジッタリア(Sagittaria)、アリズマ(Alisma)、エレオカリス(Eleocharis)、スカープス(Scirpus)及びサイペルス(Cyperus)等の、コメにおける特異的栽培条件下で生じる有害な植物は同様に、除草剤組成物にょって顕著な形で撲滅される。
【0083】
除草剤組成物が、発芽前に土壌表面に適用される場合、雑草播種の出芽が完全に予防されるか又は、雑草が子葉段階に到達するまで生長するが、後にその生長が停止し、最終的には3〜4週間経過した後、完全に死滅するかの何れかである。
【0084】
発生後処理方法において植物の緑色部分に除草剤組成物を施用する際、生長の大幅な停止が同様に、処理後に非常に迅速に生じ、雑草植物は、施用時の生長段階に留まり、又は一定の時間後に完全に死滅し、それによりこのような方法で、農作物植物に対して有害な雑草による競合が、非常に早期に排除されると共に、効果が持続する。
除草剤組成物は、迅速に有効となり、持続性のある除草作用によって特徴付けられる。除草剤組成物中の活性物質の雨に対する抵抗性は、一般的に良好である。具体的な利点は、決定的であるのは、除草剤組成物中で使用され、効果的である除草化合物の薬量を、土壌作用が最適に低くなるよう低い値に調整し得ることである。従って、除草剤組成物の使用が、感受性のある農作物において最終的に可能であるだけでなく、地下水の汚染も事実上回避される。消費されなければならない活性物質の量の実質的な減少は、本発明に従った活性物質の組み合わせによって可能である。
記載された特性及び利点は、望ましくない競合植物から農作物を守り、従って質及び量の点で収率を保護及び/又は増大させるために、雑草の実際の撲滅において使用することにある。技術的な標準は、記載される特性に関して、これらの新たな除草剤組成物によって明らかに凌駕されるものである。
【0085】
除草剤組成物は、単子葉及び双子葉雑草に関して顕著な除草活性を呈するが、経済的に重要な農作物植物、例えば、ダイズ、ワタ、アブラナ、サトウダイコン等の双子葉農作物、又はコムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、アワ、コメ又はトウモロコシ等のイネ科農作物、又は好ましくはプランテーション農作物は、除草剤組成物中に存在する除草剤に関して耐性又は抵抗性を自然に又は遺伝子導入で獲得する限り、損傷を受けないか又は有意でない損傷のみを受ける。これらの理由のため、本除草剤組成物は、農業的に有用な植物において又は鑑賞用植物において望ましくない植物の生長を選択的に撲滅するのに非常に十分に適している。さらに、対応する除草剤組成物は、農作物植物に依存する顕著な生長調節特性を呈する。前記除草剤組成物は、植物の代謝において制御する形で干渉し、従って、植物量に選択的に影響を及ぼし、例えば乾燥及び阻止された生長を防除することなどによって、収穫をより簡単にするために使用可能である。さらに、前記除草剤組成物は、望ましくない植物界の生長を一般的に防除及び阻害するのに有力に適してもおり、この関係で植物体を死滅させない。倒伏が、植物界の生長の阻害を通じて減少又は完全に予防可能であるため、前記阻害は、多くの単子葉及び双子葉農作物において主要な役割を果たす。
【0086】
前記除草剤特性及び植物生長調節特性のため、既に記載のとおり、除草剤組成物は、遺伝的に修飾された公知の植物又はなおも開発されるべき遺伝的に修飾された植物の農作物において有害な植物を撲滅するためにも使用可能である。トランスジェニック植物は、具体的な有利な特性によって、例えば特定の農薬、主として特定の除草剤に対する抵抗性、植物の病気又は植物の病気の原因となる因子、例えば特定の昆虫又は、真菌、細菌若しくはウイルス等の微生物などに対する抵抗性によって一般的に特長付けられる。具体的な他の特性は、例えば、量、品質、貯蔵可能性、組成及び特別な成分に関して収穫された農作物に関する。従って、増大したデンプン含有量又はデンプンの修飾された品質を有するトランスジェニック植物、又は収穫された農作物の異なる脂肪酸組成を有するトランスジェニック植物が公知である。
【0087】
有用な及び鑑賞用の植物の、例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、アワ、コメ及びトウモロコシ等のイネ科の農作物の、又はサトウダイコン、ワタ、ダイズ、アブラナ、ジャガイモ、トマト、エンドウマメ及び野菜の他の種類の農作物の経済的に重要なトランスジェニック農作物における除草剤組成物の使用が好ましい。好ましくは、除草剤組成物は、除草剤の薬害効果に対して抵抗性があるか又は遺伝子工学によって抵抗性となった有用な植物の農作物において使用可能である。
【0088】
除草剤組成物が、トランスジェニック農作物において使用される場合、他の農作物において観察されるべき有害な植物に関する効果に加えて、個々のトランスジェニック農作物における施用に特異的な効果、例えば撲滅可能な修飾された又は特に広範になった雑草スペクトル、施用に使用可能な消費されるべき修飾された量、好ましくはトランスジェニック農作物が抵抗性であるさらなる除草活性物質と組み合わせられる良好な能力がしばしば生じる。
本発明の別の主題は、従って、望ましくない植物の生長を、好ましくは穀物類(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、コメ、トウモロコシ、アワ)、サトウダイコン、サトウキビ、アブラナ、ワタ及びダイズなどの農作物植物において、特に好ましくは穀物類、例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、それらのハイブリッド、ライコムギ、コメ、トウモロコシ及びアワなどの単子葉農作物において駆除するための方法であり、その中で、本発明に従った除草剤組成物は、有害な植物、植物の一部、植物の種子又は植物が生長している領域、例えば栽培下の領域に施用される。
本発明の別の主題は、プランテーション農作物において望ましくない植物の生長に対抗するための方法であり、その中で、本発明に従った除草剤組成物は、有害な植物、植物の一部、植物の種子又は植物が生長している領域、例えば栽培下の領域に施用される。
農作物植物は、遺伝子工学によって修飾されるか又は突然変異選別によって得られることも可能であり、好ましくは、アセト乳酸合成酵素(ALS)阻害剤(例えば、欧州特許出願公開第0257993(A)号、米国特許第5013699号参照)又はグリホサート除草剤(国際公開第92/00377号参照)又はグルホシネート除草剤(欧州特許出願公開第0242236(A)号、欧州特許出願公開第242246(A)号参照)に対して耐性がある。
本発明に従った懸濁製剤と共に、より良好な生物学的作用が、消費される同一量に関して達成可能である。
さらに、本発明に従った懸濁製剤は、特殊な活性物質の組み合わせ製剤(同義語:混合製剤、共製剤)としてさらなる利点、例えば、個々の活性物質が使用される場合よりも包装材料のより少ない消費を有し、それを通じて調製、輸送及び貯蔵の経費が削減され、農業において使用されるスプレー混合物の製剤化が、より少量並びに、例えば、測定及び混合操作などにおける量のあらかじめ調整された効果的な割合を通じてより良好に取り扱い可能である。
本発明に従った懸濁製剤はさらに、液体、好ましくは水でさらに希釈した後、驚くべきことに優れた分散特性及び安定特性を示す。さらに、本発明に従った懸濁製剤は、長期間にわたる貯蔵に関して安定であり、完全に機能する製剤を生成する。
本発明は、実施例によって本発明を限定せずに、実施例によってより完全に説明される。
【実施例】
【0089】
1.調製:
水を容器中に入れ、コロイドミルを通じてくみ出すことによって循環させた。増粘剤(例えば、Bentone(登録商標)、Rhodopol(登録商標))及び場合により、例えば、消泡剤(例えば、Rhodorsil(登録商標))及び/又は凍結防止剤(例えば、プロピレングリコール)等の製剤補助剤を添加した後、界面活性剤(例えば、Soprophor(登録商標)、Genapol(登録商標)、Geronol(登録商標)、Geropon(登録商標)、Galoryl(登録商標)、Supragil(登録商標)、Darvan(登録商標)、Atplus(登録商標))を添加した。最終的な成分として活性物質を添加した。次に、コロイドミルを介して、組み合わせた混合物をさらなる容器中に転移させた。次に、ビーズ粉砕機を使用する湿式粉砕によってこの混合物を粉砕した。
【0090】
2.組成物:
【表8】

【表9】

【0091】
3.貯蔵安定性に関する実験研究
試験製剤を40℃で8週間保存した後、それらの一貫性に関して試験した。製剤は、前記期間にわたって安定であった。
【0092】
4.生物学的比較試験
本発明に従った懸濁製剤は、水和剤(WP)、水溶性粉末(SP)、カプセル懸濁液(CS)、散粉可能な粉末(DP)、前面散布及び土壌施用のための顆粒、微小顆粒、スプレー顆粒、コーティングされた顆粒及び吸着顆粒の形態にある顆粒(GR)などの従来技術の標準的な製剤と比較して同一の施用量を使用して顕著に改良された生物学的作用を引き起こした。
さらに、4μm未満の比較的小さな平均粒子サイズは、本発明に従った懸濁製剤による有効性をさらに増大させる結果となることが確認できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)アミノ基上で(ヘテロ)アリール(ヘテロ)アルキル基でN置換された、除草効果のある2,4−ジアミノ−s−トリアジンからなる群由来の1つ又はそれ以上の活性物質、
(2)アミノ酸グリシン/ホモアラニンのリン酸基を含む除草効果のある誘導体からなる群由来の1つ又はそれ以上の活性物質、
(3)非塩型の置換されたフェノールエーテルをベースとした1つ又はそれ以上の界面活性剤、
(4)1つ又はそれ以上の増粘剤
を含む水性懸濁製剤。
【請求項2】
さらなる製剤補助剤(成分5)をさらに含む、請求項1に記載の懸濁製剤。
【請求項3】
成分(3)以外の界面活性剤(成分6)をさらに含む、請求項1又は2に記載の懸濁製剤。
【請求項4】
ケイ酸アルミニウムをベースにした1つ又はそれ以上の増粘剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の懸濁製剤。
【請求項5】
成分の湿式微粉砕を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の懸濁製剤の調製のための方法。
【請求項6】
液体、好ましくは水で希釈することによる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の懸濁製剤から得られることが可能な組成物。
【請求項7】
望ましくない植物の生長に対抗するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の懸濁製剤の、又は請求項6に記載の組成物の使用。
【請求項8】
有害な植物、植物の一部、植物の種子又は植物が生長している領域への、請求項1〜4のいずれか1項に記載の懸濁製剤の、又は請求項6に記載の組成物の施用を含む、望ましくない植物の生長を防除するための方法。

【公表番号】特表2009−529548(P2009−529548A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558670(P2008−558670)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001710
【国際公開番号】WO2007/104429
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】