説明

水槽用敷石

【課題】従来よりも長期に渡って水を浄化するとともに水の硬度を安定させることができ、水生生物の飼育における負担を大幅に軽減することができる水槽用敷石を提供する。
【解決手段】本発明は、上記課題を解決するため、粒状及び球状マグネシウムと黒砂と五色石と珪砂と炭(黒色)とを混合したことを特徴とする水槽用敷石とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水生生物特に魚類や水草類を飼育する水槽の底等に敷いて使用する水槽用敷石に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
図6に示すように、従来、水槽8内に水生生物、例えば、魚類11や水草11aを飼育する際には、水槽8の底に砂、砂利又は小石10を敷き詰めていた。水槽8中の水8aの汚れを浄化するためにバクテリアを繁殖させたり浄化剤を使用していた。
【0003】
しかしながら、従来のような水槽8内で魚類11や水草11aを飼育する方法では、長期的に水8aを綺麗に保つことはできず、月に1度、また、飼育魚類11の数や水草11aの量によっては、週に1度の間隔で水槽の清掃をしなければ苔や藻9〜9cが水槽8内の水8aや水槽8の水槽壁面内8bに発生してしまい極めて手間のかかるものであった。
【0004】
また、水槽8内の魚類11にとっては、水の浄化とともに水の硬度(GH値)を安定させることが大切であるため、苔や藻9、9aの発生を抑制することに重点を置いてしまうと、魚類11に適したGH値を維持することが難しくなり、これを解消するために別途GH値を整える調整剤を使用しなければならず、やはり手間のかかるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−98979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明である水槽用敷石5は、従来よりも長期に渡って水を浄化するとともに水の硬度(GH値)を安定させることができ、水生生物の飼育における負担を大幅に軽減することができる水槽用敷石を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、マグネシウムと黒砂と五色石と珪砂と炭(黒色)とを混合したことを特徴とする水槽用敷石、マグネシウムを粒状又は球状に形成した水槽用敷石、前記マグネシウムを一昼夜水に浸漬したことを特徴とする水槽用敷石、前記粒状マグネシウム5dを0.015Kg〜0.02Kg(0.59%〜0.79%)としたことを特徴とする水槽用敷石及び前記マグネシウムの大きさを直径1cmから1.5cmとしたことを特徴とする水槽用敷石とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、上記のような構成であるため、長期間に渡ってマグネシウムから水素が発生して水を浄化するため苔や藻の発生を抑制することができ、水の取り替え等の水槽内の頻繁な清掃の負担を軽減することができる。
【0009】
また、図5に示すように、本願発明である水槽用敷石5は、同時に水の硬度(GH値)を安定させるため、水槽6内で飼育されている魚類11や水草11aが活き活きとしている。そして、水槽6内に飼育されている魚類11をも長生きさせることができる。
【0010】
更に、本発明である水槽用敷石5を水槽6の底7に敷き詰めることにより水槽内壁面6aに苔や藻9、9aが発生して付着しないために、水槽内壁面6aが常時透き通っているので水槽内の魚類を何時も外側から良く見えて観賞するには最も良い状態を保持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明である水槽用敷石の製造及びその使用効果を示したフローチャートである。
【図2】本願発明である水槽用敷石を製造するための原材料を示した図である。
【図3】本願発明の水槽用敷石の原材料である粒状及び球体状マグネシウムを一昼夜浸漬している状態を示した図である。
【図4】本発明である水槽用敷石を原材料を混合した状態を示した図である。
【図5】本発明である水槽用敷石を使用した水槽を示す図である。
【図6】従来の水槽の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照し、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明である水槽用敷石の製造及びその使用効果等を示したフローチャート、図2は本願発明である水槽用敷石を製造するための原材料を示した図、図3は本願発明の水槽用敷石の原材料である粒状及び球体状マグネシウムを一昼夜浸漬している状態を示した図、図4は本発明である水槽用敷石を原材料を混合した状態を示した図、図5は本発明である水槽用敷石を使用した水槽を示す図である。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明である水槽用敷石の製造及びその使用効果をフローチャートである。図に示すように、本願発明である水槽用敷石5は、黒砂5a、五色石5b、
珪砂5c、粒状及び又は球体状に形成したのマグネシウム5dと炭(黒色)5eを混合したものであり、図1に示す工程で製造される。即ち、準備工程1a、加工工程1b、浸漬工程1c及び混合工程1dの各工程を経て製造する。
【0014】
準備工程1aとは、本願発明である水槽用敷石5に用いられる材料を用意する工程である。即ち、本願発明である水槽用敷石5の材料として使用するために準備するのは、黒砂5a、五色石5b、珪砂5c、炭(黒色)5e及びマグネシウム5d等である。
【0015】
黒砂5a、五色石5b及び珪砂5cは、日本玉石株式会社(東京都板橋区高島平7−13−8)製造販売している砂及び石を使用する。そして、炭(黒色)5eは、関東燃料組合(群馬県前橋市二之宮)が製造販売している炭(黒色)を使用する。
【0016】
上記、黒砂5a、五色石5b、珪砂5cは、磁気を帯びていない石又は砂であることが必要である。即ち、準備した黒砂5a、五色石5b、珪砂5cをそのまま使用することは出来ない。
【0017】
本願発明である水槽用敷石5として使用するためには、準備した所定量の黒砂5a、五色石5b、珪砂5cの各々に磁石を入れて入れた磁石に磁着を帯びている黒砂5a、五色石5b、珪砂5cから磁石に磁着する砂及び石は取り除き、磁石に磁着しない黒砂5a、五色石5b、珪砂5cのみを本願発明である水槽用敷石5の原材料に使用する。
【0018】
また、準備する粒状及び球体状マグネシウム5dは、マグネシウム自体の純度が95%から99.95%であることが必要である。最も好ましい純度は、99.95%以上であることが良い。これは、純度が高いほど水を浄化する働きが強くしかも浄化作用も長いからである。
【0019】
加工工程1bとは、前記準備工程1aで準備したマグネシウム5dを一定の大きさの粒状及び球体状のマグネシウムに加工処理する工程である。
【0020】
粒状とは、直方体形状、楕円形状、立方体状等の粒に成形されたマグネシウムの粒であり、大きさは長さ又は径等が約4mm乃至10mmのに成形した粒状マグネシウムである。球体状とは、球体状に成形されたマグネシウムの粒である。球体状の粒の大きさは、径が約4mmから10mmの大きさに成形された球体状マグネシウムの粒である。
【0021】
浸漬工程1cとは、マグネシウムが加工処理されて粒状及び球体状マグネシウム5dを、図3に示すように容器2に入れた後に粒状及び球体状マグネシウム5dの全てが水面下3になるまで水道水4を容器2内に入れる。
【0022】
そして、浸漬させた状態で一昼夜即ち24時間浸漬させて置く。水道水4は常温で良い。勿論、水は、水道水以外の純水に浸漬させてもよいし、また純水ではなく井戸水に粒状粒状及び球体状マグネシウムを浸漬させても良い。
【0023】
混合工程1dとは、本願発明である水槽用敷石の材料として準備した黒砂5a、五色石5b、珪砂5c、炭(黒色)5e及び加工処理した粒状及び球状マグネシウム5dとを一定割合で混合する工程である。
【0024】
磁気を帯びていない黒砂5a、五色石5b、珪砂5c、炭(黒色)5e及び粒状及び球体状マグネシウム5aの混合比率は下記の通りである。即ち、本願発明である水槽用敷石5を1袋1.62Kg入り〜3.65Kg入りの水槽用敷石5を製造する場合の混合比率を示したものである。
【0025】
本願発明である水槽用敷石5を製造するには、
(1)黒砂5aを0.3Kg〜0.8Kgと
(2)五色石5bを0.3Kg〜0.8Kgと
(3)珪砂5cを1.0Kg〜2Kgと
(4)粒状及び球体状マグネシウム5dを0.015Kg〜0.02Kgと
(5)炭(黒)5eを0.01Kg〜0.03Kgとを混合する。
【0026】
しかしながら、本願発明である水槽用敷石5を製造する場合に、黒砂5a、五色石5b、珪砂5c、粒状及び球体状マグネシウム5d及び炭(黒色)5e等の混合比率が最も好ましい水槽用敷石5は下記の水槽用敷石である。
【0027】
(1)黒砂5a 0.5 Kg( 500g)(19.80%)
(2)五色石5b 0.5 Kg( 500g)(19.80%)
(3)珪砂5c 1.5 Kg(1500g)(59.40%)
(4)粒状及び球体状マク゛ネシュウム5d
0.015Kg( 15g)( 0.59%)
(5)炭(黒) 0.010Kg( 10g)( 0.39%)
【0028】
粒状及び球体状マグネシウム5dと黒砂5a、五色石5b、珪砂5c、炭(黒色)5eを混合し、その総重量5.252Kgに対して粒状及び球体状マグネシウム5dは15g〜20gを混合させることが良い。また、粒状及び球体状マグネシウム5dの大きさを直径0.4mm〜15mmの大きさの粒状及び球体状マグネシウムとするとより良いが、最適な大きさは、4mm〜10mmの大きさが最も良い効果が得られる。
【0029】
敷詰工程1eとは、粒状及び球体状のマグネシウム5dと黒砂5a、五色石5b、珪砂5c、炭(黒色)5eが混合して製造された水槽用敷石5を水槽6の底7に敷き詰める工程である。このように、水槽6の底7に敷き詰めて使用する。敷き詰めした混合水槽用敷石5の間隙の上に水草11a等を植え付けることもできる。
【0030】
ここで、重要なことは、粒状及び球体状のマグネシウム5dと炭(黒色)5e以外の
黒砂5a、五色石5b及び珪砂5cは、磁石は、磁石を近づけても磁石に磁着することがない砂、石である。即ち、磁石に磁着しない黒砂5a、五色石5b及び珪砂5cのみを用いることが大切である。
【0031】
水素発生工程1fとは、水槽6の底7に敷き詰められた水槽用敷石5から水素が発生する工程である。敷き詰められて水槽用敷石5の粒状及び球体状マグネシウム5dからは自然に水素が発生し、発生した水素により水槽6内の水が浄化される。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明である水槽用敷石5は、長期間に渡って水を浄化し続け、硬度(GH値)を安定させるため水槽内を清掃する手間を省くことができ、水生生物を扱うペット業界及び水生生物愛好者にに多大な貢献をもたらす。
【符号の説明】
【0033】
1〜1d 水槽用敷石製造及び使用効果を示したフローチャート
1a 準備工程
1b 加工工程
1c 浸漬工程
1d 混合工程
1e 敷詰工程
1f 水素発生工程
2 容器
3 水面下
4 水道水
5 水槽用敷石
5a 黒砂
5b 五色石
5c 珪砂
5d 粒状及び球体状マグネシウム
5e 炭(黒)
6 水槽
6a 水槽内壁面
7 底
8 水槽
8a 水
8b 水槽内壁面
9〜9c 苔や藻
10 砂利や小石
11 魚類
11a 水草

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネシウムと黒砂と五色石と珪砂と炭(黒色)とを混合したことを特徴とする水槽用 敷石。
【請求項2】
マグネシウムを粒状及び球体状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の水槽用敷石。
【請求項3】
前記粒状及び球体状マグネシウムを一昼夜水に浸漬したことを特徴とする請求項1又は2に記載の水槽用敷石。
【請求項4】
混合した前記粒状及び球体状マグネシウムの重量を総重量の15gから20gとしたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3としたことを特徴とする水槽用敷石。
【請求項5】
前記マグネシウムの大きさを直径1cmから1.5cmとしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の水槽用敷石。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−5393(P2012−5393A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142848(P2010−142848)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(510089292)ITコンセプト株式会社 (1)
【Fターム(参考)】