説明

水槽

【課題】水槽内からの組み立て作業を必要とせずに製造可能な水槽を提供すること。
【解決手段】少なくとも底板部材と、2つの側板部材と、対向する2枚の板状体とからなり、底板部材及び側板部材が連結され、底板部材及び側板部材に設けられた2本の凹溝にそれぞれ板状体が挿入されていることを特徴とする水槽。前記水槽において、前記対向する2枚の板状体の周縁部と、底板部材及び/又は側板部材とが、スペーサ枠材に接着されていることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水槽に関する。
【背景技術】
【0002】
水槽の作製には、板状体同士を1液型又は2液型重合型接着剤で接着したり、アクリル板状体を使用する場合には、接着部分を溶剤で溶解膨潤させてから締め付けて、乾燥固化させる膨潤接着法が使用されている。このような方法で水槽を作製する場合、水槽内部からの組み立て作業、例えば、接着、補強、シーリング等が必要であり、内部からの作業が困難な薄型の水槽は、漏水の問題があるために製造が困難であった。
【0003】
特許文献1には、図16に示すように、合成樹脂等からなる底板101の前後左右の辺縁部に形成された各溝(不図示)に、シリコン等の接着シール剤を注入してから、合成樹脂製又はガラス製の側壁板102、102、103、103の各下端を嵌着し、互いに隣接関係にある側壁板102、103の4つのコーナー部に断面形状がL系の4つの縦枠104を外側からそれぞれにあてがった状態で、合成樹脂等の四角形の天枠105を側壁板102、102、103、103の各上端に嵌着し、内側から各コーナー部にシリコン等の接着シール剤を塗布して水密に構成する方法が開示されている。
また、特許文献2には、薄型の水槽が記載されているものの、具体的な水槽の水密構造については開示されていない。
【0004】
【特許文献1】特開2002−115号公報
【特許文献2】特開平11−103716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の水槽は、水槽内部から接着シール剤を塗布する必要があり、内部からの組み立て作業が困難な薄型水槽の製造には使用することができない。特に、水槽の高さが高い場合、水槽に液体を入れた場合に大きな水圧がかかるため、水密性を付与することが困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、水槽内からの組み立て作業を必要とせずに製造可能な水槽を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記課題は下記の<1>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>から<6>とともに以下に記載する。
<1> スペーサ枠材を介して対向する2枚の板状体を有し、スペーサ枠材と板状体を固定する固定部材を有することを特徴とする水槽、
<2> スペーサ枠材と板状体が弾性接着剤にて接着された、上記<1>に記載の水槽、
<3> 前記弾性接着剤が、シリコン接着剤及び/又はブチルゴムである、上記<1>又は上記<2>に記載の水槽、
<4> 弾性接着剤が注入された断面コ字形の固定部材に、スペーサ枠材及び固定部材を嵌入して固定された、上記<1>〜上記<3>いずれか1つに記載の水槽、
<5> スペーサ枠材が板状体に対して外側にはみ出し部を有する、上記<1>〜上記<4>いずれか1つに記載の水槽、
<6> 固定部材が、ボルト及びナットによってスペーサ枠材に固定された、上記<5>に記載の水槽。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、水槽内からの組み立て作業を必要とせずに製造可能な水槽を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明を詳細に説明する。
<水槽>
本発明の水槽は、スペーサ枠材を介して対向する2枚の板状体を有し、スペーサ枠材と板状体を固定する固定部材を有することを特徴とする。
なお、以下の説明において、水槽の前後とは、対向する2枚の板状体の一方を前、他方を後とするものであり、水槽の上下とは、鉛直下方を下とするものである。
【0009】
本発明において、「水槽」とは、水等の液体を収容する容器を意味し、収容する液体は水に限定されるものではなく、いずれの液体を選択することもできる。これらの中で、収容する液体としては、水又は水性の液体並びにこれらの混合物が好ましい。水性の液体としては、ポリグリセリン、グリセロール、グリコール等が例示できる。また、収容する液体は、防腐剤、防かび剤等を含有してもよいし、着色されていてもよい。水を入れる場合、純水や硬度10以下の軟水を用いると、水中のミネラルの結晶化によるガラスや水槽汚染が防止できるので特に好ましい。
【0010】
また、水槽にRO処理(逆浸透膜処理)、又はイオン交換処理により作られたアメリカ硬度150以下の水を用いることが好ましい。海洋深層水をRO処理した低硬度水を入れることは最も好ましい態様の1つである。
海洋深層水とは、水深200メートル以上の海水である。海洋深層水は、細菌学的にも化学的にも清浄であり、ミネラル分が豊富であるとして知られている。海水淡水化プラントにより塩分を取り除いたものが上市されている。RO処理やイオン交換処理された水は、同一硬度の水道水に比べて、藻の発生を著しく抑制することをみいだした。
本発明の水槽は、薄型の水槽に好適であり、薄型とする場合には、人の手が届かず、清掃が困難である。海洋深層水等を使用することにより、カビや藻の発生を効果的に抑制できるので好ましい。
一方、蒸留水等でもカビや藻の発生は抑制することができるが、海洋深層水(特に淡水化処理後であり、低硬度の海洋深層水)は、安価で入手可能であるので好ましい。
また、水槽から水の蒸発が起きると、水槽内部壁面の水と空気との界面部において、白化が生じるという問題がある。脱イオン水や海洋深層水を使用することにより、これらの問題を解消・低減することができるので好ましい。
なお、魚等の水生動物の飼育には、RO処理海洋深層水や脱イオン水を使用しても特に問題を生じることはない。
【0011】
以下、図を参照しながら、本発明の水槽について詳述する。なお、以下の図において、同一の符号は、特に断りのない限り、同一の対象を表す。
図1は、本発明の水槽の一実施態様を示す組み立て斜視図である。
図1において、水槽1は、底部スペーサ枠材2と、2つの側部スペーサ枠材3、3と、対向する2枚の板状体4、4を有し、また、スペーサ枠材と板状体を固定する6つの固定部材5(5−1〜5−6)を有する。
【0012】
図1において、対向する2枚の板状体4、4の下部周縁部は、底部スペーサ枠材2に接着される。また、対向する2枚の板状体4、4の左右の周縁部は、側部スペーサ枠材3に接着される。
水槽の底部及び側部の周縁部において、板状体4及びスペーサ枠材2及び3は、固定部材5で固定され、板状体4とスペーサ枠材2及び3、3を、より水密に保つ。
【0013】
本発明の水槽の大きさは、適宜選択することができるが、特に薄型の水槽に好適である。本発明の水槽は、従来の水槽のように、水槽内部に人の手を入れての組み立て作業なしに製造することができるので、内部からの組み立て作業が困難な薄型の水槽に好適である。なお、組み立て作業とは、接着作業や、補強作業、シーリング作業等、水槽の製造時に必要とされる作業を広く意味するものである。
【0014】
本発明の水槽は、水槽外部の前後長さ(外部奥行き)は20mm以上であることが好ましく、より好ましくは30mm以上であり、さらに好ましくは40mm以上である。また、外部奥行きは、300mm以下であることが好ましく、より好ましくは150mm以下であり、さらに好ましくは120mm以下である。
また、対向する2枚の板状体間の間隔(水槽内部の前後長さ(内部奥行き))は、10mm以上であることが好ましく、より好ましくは20mm以上であり、さらに好ましくは30mm以上である。また、275mm以下であることが好ましく、より好ましくは125mm以下であり、さらに好ましくは100mm以下である。
従来、上記のような薄型水槽は、内部からシーリング等を行うことが困難であることから、十分な水密性を得ることができなかった。本発明の水槽は、内部からの組み立て作業なしに十分な水密性を得ることができるので、このような薄型の水槽に特に好適である。
【0015】
本発明の水槽の左右の外部長さ(外部幅)は、特に限定されず、いずれの大きさとすることもできるが、150〜3,600mmであることが好ましく、より好ましくは300〜1,500mmである。
水槽の左右の外部長さが上記範囲内であると、十分な水密性を得ることができるので好ましい。
【0016】
また、本発明の水槽の上下方向の長さ(高さ)は特に限定されず、いずれの大きさとすることができるが、本発明の水槽は、特に水槽外部の上下方向の長さ(外部高さ)が100mm以上の水槽に好適に使用することができる。
水槽の上下方向の外部長さ(外部高さ)は、100〜1,600mmであることが好ましく、より好ましくは200〜1,200mmである。
従来、水槽の上下方向の長さが100mm以上であると、水圧が高くなり、十分な水密性を得ることができなかった。本発明の水槽は、水密性が高く、上下方向の長さが100mm以上の水槽にも好適に使用することができる。
【0017】
本発明の水槽内部のアスペクト比、すなわち、(水槽内部の上下方向の長さ):(水槽内部の前後方向の長さ)((内部高さ):(内部奥行き))は、1,800:10〜100:275(180〜0.36)が好ましく、1,600:20〜100:125がより好ましく、1,200:30〜200:100がさらに好ましい。
アスペクト比が大きな水槽、すなわち、薄型の水槽は、上述の通り水槽内部からの作業が困難であり、従来の方法では水密性の高い水槽を得ることが困難であった。本発明の水槽は、上記のアスペクト比を有する水槽に特に好適である。
【0018】
以下、水槽を構成する部材について詳述する。
<スペーサ枠材>
本発明において、スペーサ枠材を介して2枚の板状体が対向して配置される。スペーサ枠材と板状体とが直接接着されていることが好ましい。これにより、水槽の強度が向上するので好ましい。
【0019】
スペーサ枠材の材質は、水槽に収容する液体を透過せず、収容する液体によって腐食されにくく、また、機械強度の高いものであることが好ましく、さらに加工に適する材質であることが好ましい。スペーサ枠材の材質としては、金属、ガラス、樹脂等が例示できる。また、耐水性向上等を目的として、スペーサ枠材に表面処理を行ってもよい。
これらの中でも、スペーサ枠材は金属製であることが好ましく、金属としては、アルミ(アルミニウム)、ステンレスが例示できる。これらの中でも、スペーサ枠材は、アルミ製であることが好ましい。アルミ製であると、スペーサ枠材は加工性に優れ、耐水性(水への耐腐食性)に優れるので好ましい。また、アルミ製のスペーサ枠材は強度に優れるので好ましい。
【0020】
図1に示す水槽では、スペーサ枠材の断面形状は水槽外向きコ字形である。スペーサ枠材の断面形状としては、略コ字形であることが好ましく、コ字形であることが特に好ましい。ここで、略コ字形としては、側部スペーサ枠材3の水槽内側面33を山型とすることが例示でき、また、逆に谷型とするものが例示できる。
スペーサ枠材と板状体との接着面積は広いことが好ましい。また、スペーサ枠材と底板部材、スペーサ枠材と側板部材との接着面積も広いことが好ましく、スペーサ枠材の断面形状がコ字形である場合には、外向きコ字形とすることが好ましい。
【0021】
図1では、スペーサ枠材は、底部スペーサ枠材2及び2つの側部スペーサ枠材3、3により構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図2に示すように、一体的に成形したスペーサ枠材7とすることもできる。
【0022】
<板状体>
本発明の水槽は、2枚の板状体が対向して配置されている。
板状体の少なくとも一方は透明又は半透明であり、外部から水槽内部が視認可能であることが好ましく、少なくとも一方が透明であることがより好ましく、両方が透明な板状体であることがさらに好ましい。ここで、透明であるとは、可視領域における光の透過率(透光率)が90%以上のことを意味し、95%以上であることがより好ましい。
なお、本発明において、板状体を着色された透明着色板状体とすることもできるし、板状体に模様が付されていてもよい。また、板状体の周縁部にのみ模様を付したり、着色することもできる。
【0023】
また、板状体の一方を透明とし、他方を型板ガラス又はフロストガラスとすることもできる。この場合、透明の板状体を使用した面からは水槽内を視認することができるが、他方に型板ガラスを使用しているため、水槽を通して他方の面をはっきりと視認することが困難となり、卓上や机上のパーティションとして好適に使用することができる。
【0024】
さらに、板状体の一方を透明とし、他方を反射板(例えば、鏡)とすることもできる、この場合、反射板は両面反射板でもよいし、片面反射板とすることもできるが、少なくとも水槽内側が反射性を有する反射板とすることが好ましい。
水槽内側が反射性を有することにより、水槽内に水生生物や水生植物を入れた場合に、反射板にそれらが映り込み、奥行き感が良好となるので好ましい。
【0025】
2枚の板状体の厚み(板状体の前後方向の長さ)は、それぞれ、1〜10mmであることが好ましく、より好ましくは3〜8mmであり、さらに好ましくは4〜7mmである。
板状体の厚みが上記範囲内であると、強度に優れ、かつ、水槽全体としての前後方向の長さを小さくすることができ、薄型の水槽とすることができるので好ましい。
【0026】
本発明において、板状体の材質は特に限定されるものではないが、必要とされる強度や性能(透視性、透光性)により、適宜選択することが好ましい。
板状体の材質としては、無機ガラス、有機ガラスが例示でき、有機ガラスとしてはアクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂等)及びポリカーボネート樹脂が例示できる。また、無機ガラスとしては、一般的な無機ガラスのほか、強化ガラスを併用することも好ましい。さらに、有機ガラス及び/又は無機ガラスを複数枚積層した、合わせガラスを使用することもでき、例えば、合わせガラスとしては無機ガラスの間に樹脂製の中間膜を挟んで接着したものが例示できる。
本発明の水槽は特に薄型の水槽に好適であり、この場合には板状体の厚みを薄くすることが肝要である。また、板状体表面に傷が生じにくい(耐傷性)であることが好ましい。これらの観点から、板状体としては、無機ガラス又は強化ガラスが特に好適である。
【0027】
また、板状体の表面(いずれかの面、又は両面、好ましくは外表面)に飛散防止フィルムを貼付することも好ましい。飛散防止フィルムを貼付することにより、板状体破損時の安全性を向上させることができ、また、板状体の強度を向上させることができるので好ましい。特に、飛散防止フィルムを貼付することにより、人体や物が板状体へ衝突した際や、地震等のガラスの歪みによって板状体が破損した場合に、板状体の破片による被害を少なくすることができるので好ましい。飛散防止フィルムとしては、ポリエステルフィルム又はポリ塩化ビニルフィルムに感圧粘着剤を塗布したものが例示でき、ポリエステルフィルムがより好ましい。また、飛散防止フィルムの外表面にさらにハードコート処理を行ってもよい。
各種の飛散防止フィルムが上市されており、具体的には、CLM−2HC、CLM−2X(三晶(株)製)が例示でき、CLM−2HC(ハードコート処理フィルム)が特に好ましい。
【0028】
<固定部材>
固定部材は、板状体とスペーサ枠材との密着性を高めるために必要とされる部材である。固定部材を使用しないと、板状体とスペーサ枠材とは、接着剤等によって接着されているのみとなり、高い水密性を維持することが困難である。例えば、図1において、固定部材を使用しないと、側部スペーサ枠材3と板状体4との接着は、側部スペーサ枠材3の水槽前後側面32と、板状体4の周縁部との接着のみとなり、底部スペーサ枠材2と板状体4との接着も、同様に底部スペーサ枠材2の水槽前後側面22と、板状体4の周縁部との接着のみによるものとなる。この場合、水槽内に水等を入れ、内部から水圧が掛かると、十分な水密性を維持することが困難である。
【0029】
図3に固定部材の断面図の例を示す。なお、図3の断面図は、図1における、X−X’断面である。
固定部材の形状は特に限定されないが、板状体及びスペーサ枠材を挟み込むことが可能な形状であることが好ましく、固定部材は板状体及びスペーサ枠材を挟持することが好ましい。固定部材の形状としては、図3(a)のような断面コ字形が例示できる。なお、図3(b)に示すように、固定部材の断面形状を、板状体と接する面又はスペーサ枠材と接する面の一方を、他方よりも長くするように構成することもできる。
また、図3(c)に示すように、固定部材の断面形状をU字形としてもよく、図3(d)に示すように、固定部材を板状体及びスペーサ枠材に嵌入すると、外から板状体及びスペーサ枠材を圧接できる形状とすることもできる。
また、固定部材を板状体の上部にも配置してもよい。このとき、固定部材は板状体のみを嵌入すればよく、これにより板状体の端部の安全性が向上するので好ましい。
固定部材がボルト及びナットでスペーサ枠材と固定される場合には、固定部材は断面L字形とすることもできる。詳細は後述する。
【0030】
固定部材の材質は特に限定されないが、強度の高いものであることが好ましく、さらに加工に適する材質であることが好ましい。固定部材の材質としては、金属、ガラス、樹脂等が例示できる。
これらの中でも、固定部材は金属製であることが好ましく、金属としては、アルミ、ステンレスが例示できる。これらの中でも、固定部材は、アルミ製であることが好ましい。アルミ製であると、加工性に優れ、高い強度が得られるので好ましい。
【0031】
<水槽の組み立て方法>
本発明の水槽の組み立て方法は特に限定されないが、本発明の好ましい組み立て方法の一実施形態について、図を参照しながら説明する。
図4は、底部スペーサ枠材と側部スペーサ枠材の組み立てを示す部分拡大図である。図4に示すように、図1に示す水槽の組み立てにおいて、底部スペーサ枠材2と側部スペーサ枠材を固定する。該固定の方法としては、スペーサ枠材同士を、L字の連結部材6で固定する方法が例示できる。連結部材とスペーサ枠材の接着は、上述の接着剤により行うことができる。
なお、底部スペーサ枠材と側部スペーサ枠材の連結方法はこれに限定されるものではなく、水密に連結できればよく、例えば、断面L字の連結部材を底部スペーサ枠材の下部から、底部スペーサ枠材及び側部スペーサ枠材に接着し、水槽内面側から底部スペーサ枠材と側部スペーサ枠材の連結部をシーリングする方法等が例示できる。
また、底部スペーサ枠材の側部スペーサ枠材と接する面に二液硬化型のアクリル系接着剤を塗布し、底部スペーサ枠材と側部スペーサ枠材を接着させるのみでもよい。この場合には、連結部材を使用しなくてもよい。
また、スペーサ枠材を図2に示すように一体に形成した場合にはこのようなスペーサ枠材の組み立ては不要である。
【0032】
次に、スペーサ枠材の前後側面22、32に板状体を接着させる。
図5は、板状体とスペーサ枠材の接着の一実施態様を示す部分拡大図である。なお、図5において、板状体4は透明である。したがって、板状体4とスペーサ枠材2及び3との接着箇所が視認可能である。
図5は、図4に示すように、連結部材6により連結されたスペーサ枠材2、3に、板状体4を接着し、水槽の前面から右下部を観察した正面図である。
【0033】
ここで、板状体とスペーサ枠材との接着は、接着剤により行うことが好ましく、接着剤はスペーサ枠材と板状体を接着する十分な接着力を有していれば特に限定されない。本発明において、接着剤としては、感圧接着剤、各種の有機合成接着剤を使用することができる。これらの中でも、弾性接着剤を使用することが好ましい。
ここで、弾性接着剤とは、接着層に弾性をもつ接着剤のことであり、周囲からの応力に対して、容易に弾性変形することのできる機能性接着剤である。具体的には、シリコン系、変性シリコン系、ウレタン系、エポキシ系、ポリサルファイド系、複合変性ポリマー系、ブチルゴム系などを挙げることができる。特にシリコン系、変性シリコン系樹脂、ブチルゴム系を主成分とする弾性接着剤は、外的要因の振動、衝撃などの応力の吸収、水圧による水槽の膨張に安定した弾性を示し、接着性能変化が少ない、などの性質を有しており、本発明の用途に適した接着剤である。
【0034】
有機合成接着剤としては、フェノール樹脂系、アミノ樹脂系、エチレン共重合体系、ポリ酢酸ビニル系、ポリビニルアセタール系、ポリウレタン系、エポキシ樹脂系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、ポリエステル系、シリコン系、ポリ塩化ビニル共重合体系、及び、それらを組み合わせたハイブリッド型シリコン系接着剤等を使用することもできる。
【0035】
感圧接着剤は、支持基材の両面に粘着剤を塗布した、所謂、両面テープが例示できる。支持基材としては、紙、ポリプロピレン、ガラス繊維で強化されたフィルムや紙、ポリエチレンを貼り合わせた布、アセテートフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、各種の不織布が例示できる。粘着剤の原材料としては、天然ゴム、ABA型のトリブロック共重合体(Aはポリスチレン、Bはポリジエン)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソブチレン、再生ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系(アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチル等)−酢酸ビニル共重合体、シリコンポリマー等が例示できるが、特に限定されない。
これらの中でも、両面テープ及びシリコン系接着剤を使用することが好ましく、両面テープを使用することがより好ましく、耐水性両面テープを使用することがさらに好ましい。
両面テープは上市されており、公知の両面テープから選択することができる。例えば、不織布にアクリル系接着剤が塗布された両面テープがあり、日東電工(株)製 500N(C)Bが例示できる。
また、シリコン系接着剤としては、公知のシリコン系接着剤から適宜選択することができ、例えば、セメダイン バスコークN(セメダイン(株)製)が例示できる。
【0036】
また、シーリング材として使用されている各種の樹脂を使用することもできる。シーリング材は、ポリマー系と、併用する充填材等との処方を選択することが好ましい。ポリマー系としてはシリコン系ポリマー、ポリスルフィド、ポリウレタン、アクリル系、ブチル系ポリマー、クロロスルホン化ポリエチレン、スチレントリブロック共重合体、嫌気性シール材、ビチューメン、マスチックなどが例示でき、例えば「高分子大辞典」、丸善、平成6年9月20日発行、第483〜485頁に記載されている。これらの中でも、ポリマー系としてはポリスルフィド及びブチル系ポリマーを使用することができる。また、ポリマー系と併用する成分としては、充填材の他に、架橋剤、触媒、可塑剤、酸化防止剤、溶媒、顔料、粘着付与剤、粘調剤、界面活性剤、チキソトロープ剤、防腐剤、防黴剤等が例示できる。
これらの中でも、シーリング材はポリマー系としてブチル系ポリマー、特にブチルゴムを含むものであることがより好ましい。ブチルゴムはイソブチレンと少量のイソプレンをカチオン重合して得られ、封止性が高く、また、加工性に優れるので好ましい。ブチルゴムを含むシーリング材としては、ホットメルト型のシーリング材が例示でき、HOTVER 2000(FENZI社製)、PHM−40(IPI POLYMER社製)が例示でき、HOTVER 2000を特に好適に使用することができる。ブチルゴムを含むシーリング材は、加工性に優れるとともに、水密性の高い水槽を得ることができるので好ましい。また、チオコール(商標名)を含むホットメルト型のポリスルフィド系シーリング材も例示できる。
【0037】
本発明において、接着剤は1種単独で使用することもでき、また、2種以上を併用することもできる。図5では、板状体とスペーサ枠材は、2種の接着剤を用いて接着されており、水槽内側に近い接着剤70として、ブチルゴムを使用し、その外周に、接着剤71としてシリコン系接着剤を使用している。
また、板状体とスペーサ枠材との間に、板状体→第1の接着剤→第2の接着剤→スペーサ枠材となるように、厚さ方向に2種以上の接着剤を併用することもできる。
【0038】
なお、図5に示すように、板状体4は、スペーサ枠材2及び3よりも内側に配置することが好ましい。すなわち、板状体4の外側に、スペーサ枠材2及び3がはみ出した領域を有することが好ましい。特に、後述するように固定部材とスペーサ枠材とを、ボルトとナットとを用いて固定する場合、ボルトの貫通孔を形成する必要がある。図5において、底部スペーサ枠材2には貫通孔20が設けられており、側部スペーサ枠材3には貫通孔30が設けられている。ここで、板状体4に貫通孔を形成することは技術的に困難な場合があり、また、板状体をボルト及びナットで締め付けると、亀裂や裂け目を生じる場合がある。したがって、板状体を水槽外側に突出させて、スペーサ枠材のみに貫通孔20、30を形成することが好ましい。
【0039】
次にスペーサ枠材2、3と板状体4を、固定部材5により圧接する。固定部材5は上述の通り、形状を選択することができる。また、板状体4の側部及び底部の全体に固定部材5が配置されていることが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、板状体4の側部又は底部の一部に固定部材5を有していてもよい。
固定部材5は、板状体4の側部及び底部の長さ全体の50%以上に設けられていることが好ましく、より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。
【0040】
図6は、本発明の水槽の横断面の部分拡大図の例である。図6は、図1におけるX−X断面の部分拡大図及びその他の実施態様である。
図6(a)では、固定部材5−1及び固定部材5−2は、中央部に挟持幅が短くなるようにくびれが形成されている。板状体4及びスペーサ枠材3を互いに接着後、固定部材5(図中、5−1、5−2)に嵌入すると、板状体4とスペーサ枠材3とを圧接させ、水密性を高めることができる。
図6(b)及び図6(c)では固定部材5(図中、5−1及び5−2)は、コ字形であり、図6(d)ではL字形である。図6(b)〜図6(d)において、固定部材5は、ボルト82及びナット83によってスペーサ枠材3に固定されている。固定部材5をボルト82及びナット83によってスペーサ枠材に固定すると、物理的な力により接着力を高めることができ、より水密性の高い水槽を得ることができるので好ましい。
【0041】
図6(b)では、ナット83は固定部材上5に係止されている。これに対し、図6(c)では、ナット83はスペーサ枠材3に係止されている。
本発明において、図6(c)のように、固定部材5とスペーサ枠材3とは、ボルト82とナット83を用いて締め付けられ、圧接されることが好ましい。図6(b)では、固定部材5を締め付けており、固定部材が弾性部材である場合に有効である。一方、弾性強度が高い固定部材を用いた場合(例えば、アルミ等)、ボルト82及びナット83によって外側から締め付けても、固定部材5に嵌入された板状体4及びスペーサ枠材3を締め付ける力が弱い場合があり、この場合には、十分な水密性を得ることが困難である。
一方、図6(c)及び図6(d)に示すように、板状体4を介して対向するスペーサ枠材3と固定部材5の締め付けが直接行われる場合には、板状体4とスペーサ枠材3との密着性を高め、水密性に優れた水槽を得ることができるので好ましい。
図6(c)では、固定部材5とスペーサ枠材3を直接螺合するために、固定部材5の水槽外側に設けられた貫通孔50に対し、内側に設けられた貫通孔51を大きくしている。
なお、図6(d)に示すL字状の固定部材を使用する場合、固定部材の高さ(図6(d)中のd)を板状体の厚さに応じて選択する必要がある。したがって、図6(a)〜図6(d)に示す態様では、図6(c)に示す態様が最も好ましい。
【0042】
上記の水槽の組み立て方法の他の実施態様を以下に図面を参照して説明する。
図7は、本発明の水槽の組み立て方法を示すための図1におけるX−X断面図の工程部分拡大図である。
図7(a)では、スペーサ枠材3の板状体と接する面の、水槽内側寄りに、接着剤70を貼付する。次に該接着剤70を介して板状体4をスペーサ枠材3に接着する。なお、接着剤70は、スペーサ枠材3と板状体4との間隔を好ましくは0.1〜3mm、より好ましくは0.5〜2mmに保持することが好ましく、このような観点から、接着剤として、ブチルゴム製の接着テープ(例えば、(株)ニトムズ製、発泡ブチルゴム強力両面テープ No.541)が例示できるが、これに限定されるものではなく、板状体とスペーサ枠材の間隔を上記範囲内とすることができるものであれば好適に使用することができる。板状体とスペーサ枠材の間隔が0.1mm以上であると図8に示すように接着剤を充填しやすく、また、3mm以下であると、水槽全体の奥行きを増やすことなく、高い水密製を得ることができるので好適である。また、板状体とスペーサ枠材の間隔が0.1μm未満であると、均一な塗布が困難となり、十分な水密性が得られない場合がある。
【0043】
次に、板状体4及びスペーサ枠材3の挿入部に接着剤71を注入された固定部材5−1を、板状体4及びスペーサ枠材3に嵌入する。固定部材5−1に注入されていた接着剤71の一部は、スペーサ枠材3と板状体4の隙間に入り、そこで接着作用を示す。
なお、ここで用いる接着剤71としては、ブチルゴム、変性シリコン接着剤、シリコン接着剤が例示できるが、これらの中でも変性シリコン接着剤、シリコン接着剤が好ましい。変性シリコン接着剤としてはセメダインスーパーXが例示でき、シリコン接着剤としてはバスコークが例示できる。
【0044】
図8は、本発明の水槽の組み立て方法の他の実施態様を示す工程部分拡大図であり、図1におけるX−X断面の部分拡大工程図である。
図8(a)及び(b)は、図7(a)及び(b)と同様の工程である。
上述のように、スペーサ枠材3と板状体4とは、接着剤70によって、間隔を有するように接着されている。このスペーサ枠材3と板状体4との間に、注射器75の針を挿入し、スペーサ枠材3と板状体4の間の間隙に接着剤71を充填する(図8(c))。なお、注射器に限定されるものではなく、スポイトやシリンジ等であってもよく、スペーサ枠材3と板状体4との間隙に接着剤71を注入可能であれば特に限定されない。また、図8では、スペーサ枠材と板状体との外端は揃っているが、スペーサ枠材を板状体に対して外側にはみ出し部を有する配置とし、スペーサ枠材のはみ出し部に沿って、スペーサ枠材と板状体との間に接着剤を注入することもできる。
次に、図7(c)及び(d)と同様にして接着剤71’を注入した固定部材5−1を板状体4及びスペーサ枠材3に陥入する。固定部材5−1に注入されていた接着剤71’の一部は、スペーサ枠材3と板状体4の空隙に入り込み、接着作用を示す。
図8に示す態様では、スペーサ枠材と板状体は、接着剤70と接着剤71とで接着されており、より高い水密性を維持することができる。また、図8に示す方法では、接着剤(好ましくはブチルゴムの両面テープ)によって形成されたスペーサ枠材と板状体の間に接着剤71を注入するので、気泡の混入を防ぐことができる。
【0045】
なお、図8では接着剤70としてブチルゴムの両面テープ(厚み1mm)、接着剤71及び71’として変性シリコン接着剤を使用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】
図9は、本発明の水槽の組み立て方法の他の実施態様を示す工程部分拡大図であり、図1におけるX−X断面の部分拡大図である。図9(a)では、空間保持部材72として、例えば、耐水性を有するアクリル樹脂を使用している。図7及び図8に示す実施態様との最も大きな差異点は、図9の空間保持部材72は、それ自体が接着性を有していないことである。例えば、アクリル樹脂の小さな板状体が例示できる。なお、空間保持部材72をシリコン接着剤等で板状体4及びスペーサ枠材3に接着させてもよく、特に限定されない。
図9(a)では、水槽の外側方向から、押しつけ部材73によって板状体4をスペーサ枠材3の方向に押しつけている。このとき、空間保持部材72が存在するので、板状体4とスペーサ枠材3とは、一定の間隔をもって対峙している。
上記の状態を保ったままで、注射器75等によりスペーサ枠材3と板状体4との間隙に接着剤を注入する。これにより、空間保持部材72の厚みにより決定されるスペーサ枠材3と板状体4の間隙が、接着剤71により充填される。
図9(c)及び(d)は、図7における(c)及び(d)と同様である。
なお、空間保持部材72は、接着剤71の注入後、任意の工程で除去することもできる。例えば、図10に示すように、空間保持部材72を水槽内側に突出させて配置し、固定部材5−1を嵌入後又は接着剤71の充填後固定部材5−1の嵌入前に空間保持部材72を抜き取ることもできる。
【0047】
また、図11(a)は、本発明の組み立て方法の他の実施態様を示す部分断面図であり、図11では、図7における接着剤70の代わりに、接着剤として、スペーサ枠材3から板状体4に向かって、変性シリコン接着剤→ブチルゴム→変性シリコン接着剤の順で積層して接着層が形成されている以外は、図7と同様である。
図11(b)は、本発明の水槽の他の実施態様を示す部分断面図である。図11(b)では、まず固定部材5−1及びスペーサ枠材3を、ボルト82及びナット83で固定した後、固定部材5−1とスペーサ枠材3により形成された溝に接着剤71を注入し、その後、板状体4を挿入している。
【0048】
本発明において、上述の通り、スペーサ枠材と板状体の接着方法や、固定部材によるスペーサ枠材と板状体との固定の方法は特に限定されず、上述の方法の中から、又は、適宜組み合わせて選択することができる。また、公知の接着方法や固定方法の中からも選択することができる。
これらの中でも、図8に示す態様が、高い水密性を得られる点で好ましい。
【0049】
また、本発明の水槽は、上部固定部材を有することも好ましい。上部固定部材とは、水槽の上部において、2枚の板状体を固定する部材を指す。特に、水槽高さが大きく、水槽内に液体を入れた場合に必要とされる耐圧性が大きい水槽(例えば、300mm以上)の場合には、上部固定部材を有することが好ましい。また、水槽幅が大きい場合にも、上部固定部材を有することが好ましい。一方、水槽に必要とされる耐圧性が低い場合には、必ずしも上部固定部材を必要としない。
【0050】
図12は、本発明の水槽に使用できる上部固定部材の例を示す斜視図である。
図12(a)は、上部固定部材90として使用できる蓋部材の斜視図である。蓋部材は、2枚の板状体(不図示)間の幅に合わせた2本の溝92、92を有する。水槽高さが小さく、水槽内に液体を入れた場合でも、必要とされる耐圧性が低い場合には、通常は蓋部材の溝92、92に板状体が挿入されるように、水槽上部に載置し、必要に応じて開閉してもよい。一方、水槽に必要とされる耐圧性が高い場合には、水槽左右長さの短い蓋部材を準備し、溝92、92に接着剤を注入し、これに板状体を挿入することで、板状体と蓋部材とを固着させてもよい。なお、一般に水槽は、上部に開口が必要とされるので、左右長さの短い蓋部材を使用することで、開口を確保することができる。この場合、水槽の中央部に蓋部材を固着することが特に好ましい。
【0051】
図12(b)は、上部固定部材90の他の例を示す斜視図である。図12(b)は、水槽上部の部分斜視図である。図12(b)では、上部固定部材90は、下向き断面コ字形であり、板状体4、4を外側から挟み込むように嵌入されている。これにより、水槽1内に水を入れた時に、水によって板状体4、4が外側へ広がろうとする力を抑制している。
【0052】
図12(c)は、上部固定部材90の他の例を示す斜視図である。図12(c)において、上部固定部材90の上面には、開口94が設けられている。また、上部固定部材90は、断面下向きコ字形である。上部固定部材90は、板状体(不図示)を外側から挟み込むように嵌入してもよいし、上部固定部材90の水槽前後側面96、96と、板状体とを固着させてもよい。上部固定部材90と板状体の固着は、いずれの方法で行ってもよく、特に限定されないが、接着剤で固着することが簡便であるので好ましい。
【0053】
図12(d)は、上部固定部材90の他の例を示す斜視図である。図12(d)において、上部固定部材90は、断面上向きコ字形であり、その下面に開口94が設けられている。上部固定部材90は、側面96、96と、板状体とを固着させることで水槽上部に固定される。
【0054】
本発明の水槽は、様々な用途に使用することができ、特に限定されない。
例えば、観賞用魚飼育用の水槽や、水中植物を配して観賞用水槽とすることができる。また、水槽の下部から気泡を発生させて、室内装飾具とすることもできる。室内装飾具としては、水槽内に水又は水と水混和性の溶媒(例えば、グリセリン、エチレングリコール等)に必要に応じて防腐剤、着色剤を添加し、水槽内に気泡を発生させる室内装飾具が例示できる。また、適宜照明を適用することも好ましい。
本発明の水槽は、そのままで壁掛けとしたり、水槽台に設置することも好ましい。また、座席同士の仕切りや、大型の間仕切り、パネル装置及びそれらの一部としても使用することができる。
本発明の水槽は、特に薄型の水槽として好適であり、従来、水槽の設置が困難であった、机の上や、卓(テーブル)上の衝立としても使用できる。また、水槽台に本発明の水槽を設置して室内に配置することにより、省スペースで室内に意匠性を付与することができる。
使用用途に応じて、照明を配したり、送気ポンプ、水循環ポンプ等を適宜設けることが好ましい。
【0055】
次に、本発明の水槽の好ましい一使用形態について説明する。
図13は、本発明の水槽1の好ましい一使用態様を示す概念平面図である。
図14は、図13における管状部材802及びコ字状部材801を示す斜視図である。
図13及び図14を参照すれば、水槽1は、本発明の水槽であり、温度制御手段820及び気体吹き込み手段822を有する。
温度制御手段820としては、投込型のヒーターが例示できる。図13では、自動温度調節器が内蔵された投げ込み型のヒーター810が使用されている。また、空気吹き込み手段822としては、公知のエアポンプが例示でき、必要とされる空気の流量等に応じて適宜選択することができる。
水槽1の内部底面には、コ字状部材801が載置されている。コ字状部材801の奥行き(前後方向長さ)は、水槽の内部奥行き(水槽の内部前後長さ)以下であれば特に限定されないが、水槽の内部奥行きとの差が0.05mm以上10mm以下であることが好ましく、0.1mm以上5mm以下であることがより好ましい。奥行き(前後長さ)の差が上記範囲内であると、その上面にフィルタを載置した場合に安定であり、また、美観に優れるので好ましい。また、コ字状部材の左右長さは、水槽内部の左右長さ以下であれば特に限定されないが、水槽内部の左右長さとの差が0.05mm以上20mm以下であることが好ましく、0.1mm以上10mm以下であることが特に好ましい。また、コ字状部材の高さは、特に限定されないが、5mm以上60mm以下であることが好ましく、10mm以上50mm以下であることがより好ましい。コ字状部材の高さが上記範囲内であると、その上面に載置されたフィルタ803との間に形成された空間に、安定した水流が形成されるので好ましい。
コ字状部材801の材質は特に限定されず、加工性及び耐水性の観点から適宜選択すればよいが、アルミ製であることが好ましい。
【0056】
コ字状部材801には、フィルタ803及び管状部材802が載置されている。なお、管状部材803は、直接コ字状部材801に載置されており、フィルタ803を介して載置されているものではない。
管状部材の前後長さは、コ字状部材の前後長さに合わせて選択すればよく、コ字状部材の前後長さと同一とすることが好ましい。すなわち、フィルタが載置されていない、コ字状部材の上部開口と、管状部材との間に空隙が生じないことが好ましい。コ字状部材と管状部材の前後長さが同一であると、フィルタが設けられていない領域のコ字状部材の上面と管状部材の底面とを空隙なしに連結することができるので好ましい。空隙を有していないと、フィルタ上に底砂を載置した場合にコ字状部材の上部空隙からコ字状部材内底面に底砂が落下することがないので好ましい。
【0057】
管状部材802について詳述する。
図14では管状部材802は、断面矩形の管状であるが、これに限定されるものではなく、円筒形(断面円形の管状)とすることもできる。この場合、フィルタが設けられていない領域のコ字状部材801の上面と、管状部材802との間に空隙が生じないように、適宜連結部材等を設けることが好ましい。
管状部材802は、少なくとも水槽内面814の上部がフィルタ部材805で形成されていることが好ましい。上記フィルタ部材805としては、金網、樹脂製メッシュ等が例示でき、耐水性に優れる点で、アルミ製のパンチングメタルが好ましい。
なお、管状部材802において、少なくとも水面がフィルタ部材805の存在する領域にあることが好ましく、水面の上下10mm以上にフィルタ部材が存在することが好ましい。後述するように空気吹き込み手段により管内に気泡を発生させると、気泡は管状内を上昇し、水面で割れて消滅する。このとき、管状部材の水面領域にフィルタ部材が存在すると、気泡の割れにより生じる音の発生を抑制することができるので好ましい。また、後述するように投げ込みヒータが管内に配置された場合、温度を制御するためには管内と水槽内との水の流動が必要であり、上部をフィルタとすることにより、温められた(又は冷やされた)水の流動を抑制しないので好ましい。
【0058】
上記管状部材の左右方向の長さは適宜選択することができ、エアホース(空気吹き込み管)及びヒーターを挿入することができれば特に限定されない。
管状部材の材質は、特に限定されず、加工性及び耐水性の観点から適宜選択することができ、例えば、アルミが例示できる。
【0059】
図13及び図14を参照すれば、コ字状部材801の上部には、フィルタ803が載置され、さらに該フィルタ803上には、底砂804が載置されている。
フィルタ803は、その上部に載置する底砂が通過しない大きさの開口を有するものであれば特に限定されず、金網、樹脂製メッシュ等を適宜選択すればよい。また、ハニカム状に開口を設けた金属板等であってもよい。また、上記のフィルタは、水槽内の対流に支障を生じないものであることが好ましく、水槽内からフィルタを介してコ字状部材へと流れ、さらに管状部材へと続く対流が生じるように、フィルタの開口及びその上部に載置される底砂の大きさを適宜選択することが好ましい。
【0060】
フィルタ上に載置される底砂は、公知の水槽用の底砂から適宜選択することができ、特に限定されない。本発明の水槽は薄型の水槽に好適であり、特に薄型の水槽では保持・点検作業等を行うことが困難であることから、底砂をバクテリア処理することが好ましい。例えば、プロバイオティクス効果を持つ、バイオマックス(濾過バクテリア)による底砂処理が例示でき、具体的には、MAX 35 BIO(バイオマックス社製)が挙げられる。
【0061】
また、予め処理した底砂を添加するのではなく、水槽にバクテリアを添加することも藻などの水槽の汚染を抑制できる点で好ましい。
該バクテリアとしては、光合成細菌(例えば、PSB(サンミューズ製))、水質浄化菌(例えば、MAX 35 BIO(バイオマックス社製))が例示できる。
【0062】
管状部材802の管内には、温度制御手段820が挿入されていることが好ましい。温度制御手段としては、投込型のヒーター810が例示できる。また、空気吹き込み手段822として、エアポンプ(不図示)から排出された空気を水槽内に導入する空気排出管812が、管状部材の管内に挿入されている。
本発明の水槽を上記の構成にすることにより、管内に発生した気泡は管内を上昇するので、管内には上昇流が生まれる。一方、ヒーターにより熱せられた(又冷やされた)水も、管内を上昇する。上昇流は、フィルタ部材805を介して水槽内へと続く流れとなる。また、水槽内からフィルタを介して管状部材の管内へと続く対流が生まれ、水槽内の温度を一定に保つとともに、フィルタ上に載置された底砂を介して流れが発生するために、底砂のバクテリアによって水槽内が清浄に保たれ、水槽内の洗浄頻度を少なくすることができる。
【0063】
次に、組み立て方法について説明すれば、一方の板状体のみをスペーサ枠材と接着し、コ字状部材801、フィルタ803及び管状部材802を載置した後、他方の板状体をスペーサ枠材と接着する態様が好ましく例示できるが、これに限定されず、水槽を作製した後にコ字状部材及び管状部材を配置してもよい。
なお、図13中、板状体の上部にも固定部材830が嵌入されている。これにより板状体上端部の安全性が向上するとともに、美観に優れるので好ましい。また、固定部材5−6と5−4、固定部材5−4と5−2、固定部材830と5−6、及び、固定部材830と5−4の接続部は、それぞれ45度の角度をもって形成されていることも好ましい。これにより、板状体に嵌入した時の美観が向上するので好ましい。
【0064】
特に、本発明の水槽は薄型かつ大型の水槽とすることが可能であり、パネル装置に一体に装着するために使用されることが好ましい。
パネル装置は、間仕切りとして使用することもできるし、装飾用の壁として使用することもできる。
本発明の水槽は、以下のパネル装置に特に好適に使用できる。
【0065】
<パネル装置>
本発明において、パネル装置は、左右1対の支柱を、上下方向に離間する複数の横フレームにより連結することによって、上下方向に1段又は多段状の方形の空間を有するパネル枠体を形成し、前記パネル枠体内に、少なくとも片側が透明な2枚の板状体を水密に対向させた水槽を装着したことを特徴とする。
【0066】
図15を参照して以下に詳述する。
図15は、本発明に好ましく使用できるパネル装置の一例を示す概略図である。
図15において、パネル装置600は、左右一対の支柱601、601’が、上下方向に離間する複数の横フレーム605〜608によって連結されており、上下方向に三段の方形空間を有するパネル枠体を形成している。ここで、パネル枠体とは、支柱と横フレームと必要に応じて天井又は床とで形成された方形空間を意味する。従って、図15では、パネル装置600は3つのパネル枠体を有している。
ここで、支柱601、601’の連結は、パネル装置の最端部で行う必要はなく、パネル枠の上部と天井や、パネル枠の下部と床の間に空間が存在してもよい。
支柱601、601’、横フレーム605〜608によりパネル枠体が形成され、図15において、パネル枠体に上下方向に3つのパネルが取り付けられている。
方形の空間は1以上であれば特に限定されるものではなく、適宜選択することができる。パネル装置に形成される方形の空間は、3〜6であることが好ましく、3〜5であることがさらに好ましい。方形の空間に取り付けられるパネルの数は特に限定されず、全ての方形の空間にパネルを取り付けることもできるし、枠材のみの空間を有していてもよい。
3以上の枠体とした場合には、図15に示すように、中央枠体内に水槽を装着して、隣接する上部枠体にエアポンプ660を収納することができ、また隣接する下部枠体内に、排水タンク640を収納することができるので便利である。
【0067】
また、本発明のパネル装置は、パネル枠体内に、少なくとも片側が透明な2枚の板状体を水密に対向させた水槽を装着している。図15において、パネル装置600は上下3つのパネル枠体に、それぞれ上部パネル610、中央部パネル620及び下部パネル630を有し、中央部パネル620は、透明な板状体を水密に対向させた水槽650を装着している。また、上部パネルには、エアポンプ660が配置されている。
【0068】
水槽を装着したパネル枠体の少なくとも前面周縁部には、不透光性の周縁枠が設けられていることが好ましい。図15中、中央部パネル620の前面には、周縁部が不透光性の周縁枠652が設けられている。
周縁枠を設けることにより、水槽に必要とされるエアポンプや排水等のための配管、配線等を目隠しすることができる。また、水槽のパネルへの固定部(下部受け座等)を目隠しすることもできるので好ましい。
また、図15では、周縁枠652は開口部を有する扉となっており、丁番656及び留め具658により開閉可能となっている。
周縁枠は少なくとも水槽が視認される側(前面)に設けられていることが好ましく、パネル装置の両面(前後)から水槽が視認可能である場合には、前後の両面に周縁枠を設けることが好ましい。
【0069】
また、水槽を装着したパネルの下に、水槽からの排水を貯留する排水タンクが備えられていることが好ましい。図15では、下部パネル630の内部に、水槽650からの排水を貯留する排水タンク640が設けられている。図15では、排水ポンプ645によって、水槽650から排水管646を通って、排水タンク640へと排水可能となっている。図15では、配水管は水槽の上部に取り付けられているが、水槽の底部に排水管を配置することも好ましい。
また、万が一、水槽が収容する液体の漏れが生じた場合にも、下部の排水タンク640に貯留させて、パネル装置外への液体の漏れを防止できるので好ましい。図15では、水槽の下部に排水タンク640へと液体を流す傾斜670が設けられている。
【0070】
なお、水槽650の前後の長さ(奥行き)は、パネル枠体の厚さ以下であることが好ましい。パネル枠体の厚さは特に限定されないが、30〜100mmであることが好ましく、50〜80mmであることがさらに好ましい。
従って、水槽650の外部厚さは、100mm以下であることが好ましく、より好ましくは80mm以下である。
【0071】
なお、パネル装置のその他の構成、例えば、パネルのパネル枠体への固定や、支柱とフレームの連結方法等は、公知のものを採用することができる。例えば、特開2004−316191号公報、特開2007−16492号公報等、オカムラ製作所「PUROVATO」パンフレット(YPCA−19−711、P.TP’07−01)(2007年版)等を参照することができる。
【0072】
パネルに装着される水槽は、撹拌手段、空気又は酸素供給手段、炭酸ガス供給手段、排水手段、餌供給手段、照明手段、水交換手段及び水質浄化手段よりなる群から選択される少なくとも1種を具備することが好ましい。
上記の手段は公知の水槽に使用されている各種の手段から適宜選択することができる。
【0073】
<水槽の維持管理方法>
水槽における水質の汚染(藻の発生等)、壁面の汚染等が進むと、水槽の洗浄や、水の交換等が必要となる。薄型の水槽では、水槽に手を入れて直接作業することが困難であり、また、工具を用いた場合であっても、水槽の洗浄や水の交換等には時間と手間を要する。
このように、特に薄型の水槽において、どのようにして水槽の維持管理を行うかは重要であり、水質の汚染、壁面の汚染等を抑制し、水槽の洗浄、水の交換等を長期間行わなくてもよい、水槽の維持管理方法が要求されている。
本発明において、RO(逆浸透膜処理)処理した水(以下、「RO水」という。)及びバクテリアを水槽内に存在せしめる工程を含むことを特徴とする水槽の維持管理方法が好適である。水槽内にRO水を入れてから、別途バクテリアを添加してもよく、バクテリア処理した底砂を水槽内に入れてから、RO水を入れるなど、特に水槽への添加の順序は問わない。また、バクテリアは、水浄化作用を有するバクテリアであることが好ましく、光合成細菌、水浄化菌等が例示できる。なお、上記の水槽の維持管理方法は、水槽内で水生生物を飼育する場合にも使用できるし、水槽内に気泡を発生させて意匠性を楽しむ、等の態様にも使用できる。また、防藻剤を加えるとさらに好ましい。防藻剤としては各種の公知の防藻剤から選択することができ、例えば、グリーンカット(タカラ工業(株)製)、木酢液、アルジーデストロイヤー((株)スドー製)等が例示できる。
本発明者は、様々な条件の水を使用して水槽の維持管理を行った結果、RO水とバクテリアとの併用により、水槽内の汚染が抑制でき、さらに、亜硝酸塩濃度の安定化までの期間が顕著に短縮できることを見いだしたものである。以下に詳述する。
【0074】
前後(奥行き)40mm×幅1,640mm×高さ689mmの水槽に上部から20mmの高さまでRO水(赤穂化成(株)製、海洋深層水から作製したRO水)又は水道水(神奈川県南足柄市水道水)を満たした。次に、市販のバクテリア(PSB:光合成細菌、サンミューズ社製、又は、MAX 35 BIO(水質浄化菌/生体腸内細菌、バイオマックス社製))を処方量で水槽に添加した。ここで、水槽内には、図13及び図14に示すように、コ字状部材801の上部にフィルタ803が載置され、さらに該フィルタ803の上には、底砂804が載置されている。
バクテリアは、週に一回追加するか、または、初回のみ添加した。
また、水槽内にはアカヒレ(10匹)を入れた。
水槽の観察結果を以下の表に示す。
【0075】
【表1】

【0076】
上記の結果から、亜硝酸塩濃度を指標として水質安定化までの時間の短縮を評価した結果、MAX 35 BIOとRO水を併用した場合に、安定化までの時間の顕著な短縮が観察された。
また、藻などの水槽の汚染の発生に関しては、RO水の使用による効果がみられ、さらにバイオマックスとRO水を併用することにより、顕著な汚染の抑制が観察された。
詳細な機構は不明であるが、RO処理により、汚染の原因となる藻の栄養源が絶たれ、さらにバクテリアによって有機物が分解されたと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の水槽の一実施態様を示す組み立て斜視図である。
【図2】スペーサ枠材の一実施態様を示す斜視図である。
【図3】固定部材の断面図である。
【図4】底部スペーサ枠材と側部スペーサ枠材の組み立てを示す部分拡大図である。
【図5】板状体とスペーサ枠材の接着の一実施態様を示す部分拡大図である。
【図6】本発明の水槽の横断面の部分拡大図の例である。
【図7】本発明の水槽の組み立て方法を示すための図1におけるX−X断面図の工程部分拡大図である。
【図8】本発明の水槽の組み立て方法の他の実施態様を示す工程部分拡大図である。
【図9】本発明の水槽の組み立て方法の他の実施態様を示す工程部分拡大図である。
【図10】本発明の水槽の組み立て方法の他の実施態様を示す工程部分拡大図である。
【図11】本発明の組み立て方法の他の実施態様を示す部分断面図である。
【図12】本発明の水槽に使用できる上部固定部材の例を示す斜視図である。
【図13】本発明の水槽の好ましい一使用態様を示す概念平面図である。
【図14】図13における管状部材及びコ字状部材を示す斜視図である。
【図15】本発明に好ましく使用できるパネル装置の一例を示す概略図である。
【図16】従来の水槽を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
1 水槽
2 底部スペーサ枠材
3 側部スペーサ枠材
4 板状体
5(5−1〜5−6) 固定部材
7 スペーサ枠材
20、30 貫通孔
50 貫通孔(外側)
51 貫通孔(内側)
70、71 接着剤
72 空間保持部材
75 注射器
82 ボルト
83 ナット
90 上部固定部材
92 溝
94 開口
96 側面
101 底板
102 側壁板
103 側壁板
104 縦枠
105 天枠
600 パネル装置
601、601’ 支柱
605、606、607、608 横フレーム
610 上部パネル
620 中央部パネル
630 下部パネル
640 排水タンク
645 排水ポンプ
646 排水管
650 水槽
652 周縁枠
656 丁番
658 留め具
660 エアポンプ
670 傾斜
801 コ字状部材
802 管状部材
803 フィルタ
804 底砂
805 フィルタ部材
810 ヒーター
814 水槽内面
820 温度制御手段
822 気体吹き込み手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペーサ枠材を介して対向する2枚の板状体を有し、
スペーサ枠材と板状体を固定する固定部材を有することを特徴とする
水槽。
【請求項2】
スペーサ枠材と板状体が弾性接着剤にて接着された、請求項1に記載の水槽。
【請求項3】
前記弾性接着剤が、シリコン接着剤及び/又はブチルゴムである、請求項1又は2に記載の水槽。
【請求項4】
弾性接着剤が注入された断面コ字形の固定部材に、スペーサ枠材及び固定部材を嵌入して固定された、請求項1〜3いずれか1つに記載の水槽。
【請求項5】
スペーサ枠材が板状体に対して外側にはみ出し部を有する、請求項1〜4いずれか1つに記載の水槽。
【請求項6】
固定部材が、ボルト及びナットによってスペーサ枠材に固定された、請求項5に記載の水槽。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−35473(P2010−35473A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201383(P2008−201383)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(507233626)
【Fターム(参考)】