説明

水洗大便器

【課題】連続して使用することができ、また、ポンプとタンクを接続する導水管内に圧損が生じない水洗大便器を提供する。
【解決手段】水洗大便器は、洗浄スイッチ63と、便器本体2と、貯水タンク20と、洗浄水を吐水口16,18に供給する加圧ポンプ22であって、この加圧ポンプが逆止弁を備えていない導水管42,142により貯水タンクと接続される加圧ポンプ22と、この加圧ポンプを駆動する電気モータ78と、電気モータを制御するモータ制御手段63,163と、を有し、モータ制御手段は、洗浄スイッチにより電気モータを駆動したとき、電気モータの出力を検出するモータ出力検出手段78cと、電気モータの出力が所定の出力状態であるか否かを判定するモータ出力判定手段(図10,図11)と、所定の出力状態の場合には電気モータの駆動を継続し、所定の出力状態で無い場合には電気モータの駆動を停止するように電気モータを駆動するモータ駆動手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗大便器に係り、特に、ポンプにより加圧した洗浄水によって洗浄される水洗大便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、貯水タンクを設け、この貯水タンクに貯水された洗浄水をポンプにより加圧して便器本体に供給して洗浄する水洗大便器が知られており、その一例が、特許文献1に記載されている。
この特許文献1の水洗大便器においては、ポンプの過度の動作と便器からのオーバーフローを防止するため、貯水タンクが満水状態となるまでポンプ起動を遅延させる時間遅延手段が設けられている。この時間遅延手段は、具合的には、貯水タンクが満水状態となるまでに必要な時間をタイマーで制御し、これにより、ポンプが駆動されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特許第3542622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、近年、水洗大便器は、節水化の要請から、洗浄水量が6リットル以下、特に、米国では、5リットル程度の便器が主流になりつつあり、さらに、将来的には、1ガロン(約3.8リットル)の便器になると予想されている。このような情況下では、1回の洗浄に利用される洗浄水の量は当然に少なくなる。特に、小洗浄のモードを有する水洗大便器では、その小洗浄のモード使用時には、さらに、洗浄水の量は少なくなる。
この結果、貯水タンクには、1回の洗浄で使用される洗浄水の量以上、即ち、2回以上の洗浄が可能な量の洗浄水を貯水することが可能となる。また、パブリックの便器(ビルのトイレ等)では、貯水タンクの満水を待たずに連続して使用(2回以上の洗浄)できることが要望されている。
【0005】
次に、ポンプの空転防止のため(即ち、ポンプ室が満水状態ではなく空気が残っている状態でインペラを駆動するのを防止するため)、ポンプ室内が常時水で充填されるように、ポンプを貯水タンク内に設けたり、貯水タンクの下方に設けることが提案されている。
【0006】
さらに、ポンプのメンテナンス性を向上させるため、ポンプを上方から交換できるように、貯水タンク内の水位の最高水位とほぼ同じレベルに配置することが考えられる。しかしながら、この場合には、ポンプ室内に水を充填させるために、タンクとポンプとを接続する導水管内に逆流防止手段(フラッパー弁等の逆止弁)を配置する必要がある。しかしながら、このような逆流防止手段を設けると、導水管内で圧力損失(圧損)となり、その分、ポンプに負荷がかかり、好ましくない。
【0007】
以上説明したように、貯水タンク内の洗浄水をポンプにより加圧して便器に供給するタイプの水洗大便器においては、貯水タンクの満水を待たずに連続して使用できるようにする要請があり、また、メンテナンス性を考慮してポンプを配置した場合には、逆流防止手段を設けたことによる圧損の問題があるが、このような要請を満たし且つ圧損の問題を解決した水洗大便器は未だに提案されていない。
【0008】
そこで、本発明は、従来からの要請を満たすためになされたものであり、連続して使用することができ、また、ポンプとタンクを接続する導水管内に圧損が生じない水洗大便器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、加圧した洗浄水によって洗浄される水洗大便器であって、使用者が操作して洗浄を開始する洗浄スイッチと、ボウル部と、洗浄水を吐出する吐水口と、排水トラップ管路とを備えた便器本体と、洗浄水を貯水する貯水タンクと、洗浄水を上記貯水タンクに補給する洗浄水供給手段と、貯水タンクの洗浄水を加圧して吐水口に供給する加圧ポンプであって、この加圧ポンプが逆流防止手段を備えていない導水管により上記貯水タンクと接続されると共に貯水タンクとほぼ同じレベルに配置された加圧ポンプと、この加圧ポンプを駆動する電気モータと、この電気モータを制御するモータ制御手段と、を有し、モータ制御手段は、洗浄スイッチの操作により電気モータを駆動したとき、電気モータの出力を検出するモータ出力検出手段と、このモータ出力手段により検出された電気モータの出力が所定の出力状態であるか否かを判定するモータ出力判定手段と、所定の出力状態の場合には電気モータの駆動を継続し、所定の出力状態で無い場合には上記電気モータの駆動を停止するように電気モータを駆動するモータ駆動手段と、を備えていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、使用者が洗浄スイッチを操作すると、電気モータが加圧ポンプを駆動し貯水タンクの洗浄水を加圧して便器本体の吐出口に供給し、便器本体を洗浄するようになっている。この電気モータを駆動したとき、モータ制御手段のモータ出力検出手段が、電気モータの出力を検出し、モータ出力判定手段が、所定の出力状態か、所定の出力状態で無いのかを判定し、モータ駆動手段が、電気モータの出力が所定の出力状態である場合には電気モータの駆動を継続し、所定の出力状態で無い場合には電気モータの駆動を停止するようにしている。この結果、本発明によれば、使用者は、連続して便器本体を洗浄することが可能となる。さらに、本発明によれば、加圧ポンプが逆流防止手段を備えていない導水管により貯水タンクと接続されているので、貯水タンクの洗浄水をこの導水管を経由して吐出口に供給するとき、導水管内に圧損が生じることがない。
【0010】
本発明において、好ましくは、便器本体の吐水口は、リム吐水口とジェット吐水口であり、洗浄水供給手段がリム吐水口に給水し、加圧ポンプがジェット吐水口に給水するようになっている。
このように構成された本発明においては、洗浄水供給手段がリム吐水口に供水し、加圧ポンプがジェット吐水口に給水するようになっているので、ジェット吐水が、水道圧の影響を受けることがなく、安定した洗浄力を得ることができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、便器本体の吐水口は、リム吐水口とジェット吐水口であり、加圧ポンプがリム吐水口及びジェット吐水口に給水するようになっている。
このように構成された本発明においては、加圧ポンプがリム吐水口及びジェット吐水口に給水するようになっているので、リム吐水及びジェット吐水の両方が、水道圧の影響を受けることがなく、安定した洗浄力を得ることができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、モータ出力検出手段は、電気モータの回転数を検出する。
このように構成した本発明においては、モータ出力検出手段は、電気モータの回転数を検出するので、電動モータの出力の検出を簡易且つ確実に検出することができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、モータ出力判定手段は、電気モータの回転数が目標回転数に所定の回転数を加算した値であるしきい値以下のとき所定の出力状態であると判定する。
このように構成された本発明においては、電気モータの回転数が目標回転数に所定の回転数を加算した値であるしきい値以下の状態のとき、電気モータの所定の出力状態であると判定するので、所定の出力状態か否かの判断を素早く(短時間)で行うことができる。
【0014】
本発明において、好ましくは、モータ出力判定手段は、電気モータの回転数が目標回転数に安定するまでの時間がしきい値以下のとき所定の出力状態であると判定する。
このように構成された本発明においては、電気モータの回転数が目標回転数に安定するまでの時間がしきい値以下の状態のとき、電気モータの所定の出力状態であると判定するので、所定の出力状態か否かの判断を確実(正確)に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の水洗大便器によれば、連続して使用することができ、また、ポンプとタンクを接続する導水管内に圧損が生じないという効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による水洗大便器を説明する。
先ず、図1乃至図5により、本発明の第1実施形態による水洗大便器の構造を説明する。ここで、図1は、本発明の第1実施形態による水洗大便器の側面図であり、図2は図1に示す水洗大便器の平面図であり、図3は本発明の第1実施形態による水洗大便器を示す全体構成図であり、図4は本発明の第1実施形態による水洗大便器に使用される加圧ポンプを示す部分断面図であり、図5は図4の加圧ポンプの電動モータ(DCブラシレスモータ)の回転数の制御方法を示すブロック図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態による水洗大便器1は、便器本体2と、この便器本体2の上面に配置された便座4と、便座4を覆うように配置されたカバー6と、便器本体2の後方上部に配置された局部洗浄装置8と、を備えている。さらに、便器本体2の後方には、機能部10が配置されており、この機能部10はサイドパネル11により覆われている。
【0018】
便器本体2には、汚物を受けるボウル部12と、このボウル部12の底部から延びる排水トラップ管路14と、ジェット吐水を行うジェット吐水口16と、リム吐水を行うリム吐水口18が形成されている。
ジェット吐水口16は、ボウル部12の底部に形成されており、排水トラップ管路14の入口に指向してほぼ水平に配置され、洗浄水を排水トラップ管路14に向けて吐出するようになっている。
リム吐水口18は、ボウル部12の左側上部後方に形成されており、ボウル部12の上縁に沿って洗浄水を吐出するようになっている。
【0019】
排水トラップ管路14は、入口部14aと、この入口部14aから上昇するトラップ上昇管14bと、このトラップ上昇管14bから下降するトラップ下降管14cとからなり、トラップ上昇管14bとトラップ下降管14cとの間が頂部14dとなっている。
ここで、排水トラップ管路14のトラップ下降管14cの下端には、排水管19が接続されている。
【0020】
本実施形態による水洗大便器1は、洗浄水を供給する水道に直結されており、水道の給水圧力によりリム吐水口18から洗浄水が吐出される。また、ジェット吐水に関しては、後述するように、機能部10に内蔵された貯水タンク20に貯水された洗浄水を加圧ポンプ22によって加圧して、大流量でジェット吐水口16から吐出させるようになっている。
【0021】
次に、図3により、第1実施形態による水洗大便器1の機能部10を詳細に説明する。
図3に示すように、機能部10には、水道から洗浄水が供給される給水路24が設けられ、この給水路24には、上流側から、止水栓26、ストレーナ28、分岐金具30、定流量弁32、ダイヤフラム式の電磁開閉弁34、給水路切替弁36がそれぞれ設けられている。
【0022】
これらの定流量弁32、電磁開閉弁34、及び、給水路切替弁36は、図3に示すように、バルブユニット37として、一体的に組立られたものとなっている。
また、給水路切替弁36の下流側には、リム吐水口18に洗浄水を供給するためのリム側給水路38、及び、貯水タンク20に洗浄水を供給するためのタンク側給水路40が接続されている。
【0023】
ここで、定流量弁32は、止水栓26、ストレーナ28、分岐金具30を介して流入した洗浄水を、所定の流量以下に絞るためのものである。また、定流量弁32を通過した洗浄水は、電磁開閉弁34に流入し、電磁開閉弁34を通過した洗浄水は、給水路切替弁36により、リム側であるリム側給水路38からリム吐水口18へ、又は、タンク側であるタンク側給水路40から貯水タンク20に供給されるようになっている。ここで、給水路切替弁36は、リム側給水路38とタンク側給水路40の両方に同じタイミングで洗浄水を供給可能であって、リム側とタンク側への給水量の割合を任意に変更できる切替弁である。
【0024】
また、貯水タンク20の下部には、ポンプ側給水路42が接続されており、このポンプ側給水路42の下流端にはポンプ室22aを備えた加圧ポンプ22が接続されている。さらに、加圧ポンプ22とジェット吐水口16はジェット側給水路44により接続されており、加圧ポンプ22が、貯水タンク20に貯水された洗浄水を加圧してジェット吐水口16まで供給するようになっている。
【0025】
ジェット側給水路44は、図3に示すように、上方に向けて凸型に形成されており、この凸型部分の頂部46aが最高位置(ジェット側給水路の最高位置L1)となっている。
【0026】
次に、上述したリム側給水路38には、リム吐水用バキュームブレーカ46が設けられており、給水路24に負圧が発生した時に洗浄水のリム吐水口18からの逆流を防止している。また、リム吐水用バキュームブレーカ46は、図3に示すように、ボウル部12の上端面よりも上方に配置され、これにより、逆流を確実に防止している。さらに、リム吐水用バキュームブレーカ46の大気開放部から溢れた洗浄水は、戻り管路48を通って貯水タンク20に流入するようになっている。
タンク側給水路40にも、逆止弁であるバキュームブレーカ50が設けられており、洗浄水の貯水タンク20からの逆流を防止している。
【0027】
ここで、貯水タンク20は、密閉タイプの貯水タンクであり、タンク側給水路40と貯水タンク20の接続部には、ボール式逆止弁52が設けられている。このボール式逆止弁52により、貯水タンク20が後述するオーバーフロー流路70の上端70aの位置を越えて満水状態になった場合でも、ボール52aが浮上して、タンク側給水路40との接続部を閉鎖するので、洗浄水がタンク側給水路40に逆流することがないようになっている。
【0028】
同様に、戻り管路50と貯水タンクの接続部にも、同様に、ボール式逆止弁54が設けられており、貯水タンク20が後述するオーバーフロー流路70の上端70aの位置を越えて満水状態になった場合でも、洗浄水が戻り管路48に逆流することはないようになっている。
【0029】
ここで、タンク側給水路42には、フラッパー弁等の逆止弁(逆流防止手段)は設けられておらず、水抜栓58のみが設けられている。この水抜栓58は、加圧ポンプ22よりも下方の、貯水タンク20の下端部付近の高さに配置されており、そのため、水抜栓58を開放することにより、メンテナンス時等に貯水タンク20内及び加圧ポンプ22内の洗浄水を排出することができるようになっている。
【0030】
さらに、タンク側給水路42には、逆止弁が設けられていないため、加圧ポンプ22により、貯水タンク20の洗浄水をジェット吐水口16に供給するとき、タンク側給水路42において圧力損失を生じることがない。なお、貯水タンク20内の洗浄水の水位が加圧ポンプ22により低下した場合には、加圧ポンプ22のポンプ室22a内の洗浄水が貯水タンク20に逆流して戻り、加圧ポンプ22のポンプ室22a内の洗浄水が抜け加圧ポンプ22が空運転するようになっている。
さらに、加圧ポンプ22の下方には、水受けトレイ60が配置されており、結露した水滴や漏水を受けるようになっている。
【0031】
機能部10には、電磁開閉弁34の開閉操作、給水路切替弁36の切替操作、及び、加圧ポンプ22の回転数や駆動時間等を制御するコントローラ62が内蔵されている。
さらに、便器使用者が洗浄時に使用する洗浄スイッチ63が設けられており、この洗浄スイッチ63がON操作されると、便器洗浄信号が、コントローラ62に送信され、コントローラ62は、加圧ポンプ22を始動させるようになっている。
【0032】
貯水タンク20の内部には、上端フロートスイッチ64a、及び、下端フロートスイッチ64bが配置されている。
上端フロートスイッチ64aは、貯水タンク20内の水位が通常使用時の最高水位L2より少しだけ低い所定位置L3に達するとオンに切り替わり、コントローラ62はこれを検知して、電磁開閉弁34を閉鎖させる。
下端フロートスイッチ64bは、貯水タンク20内の水位が通常使用時の最低水位L4より少しだけ高い所定の水位L5まで低下するとオンに切り替わり、コントローラ62はこれを検知して、加圧ポンプ22を停止させる。
【0033】
さらに、オーバーフロー流路70が設けられ、このオーバーフロー流路70の上端70aは貯水タンク20内に開口し、その下端70bは、ジェット側給水路44の最高位置L1よりも下流側(ジェット吐水口16側)に接続されている。
このオーバーフロー流路70には逆止弁であるフラッパー弁72が取り付けられている。このオーバーフロー流路70及びフラッパー弁72により、洗浄水のジェット吐水口16からの逆流を防止すると共に、これらの間の縁切りを行うことができるようになっている。
【0034】
ここで、本実施形態では、図3に示すように、ジェット側給水路44の最高位置L1が貯水タンク20内の通常使用時の最高水位L2と同じ位置又は高い位置に設定されている。このようにL1とL2が設定されることにより、貯水タンク20へタンク給水を行っているとき、貯水タンク20内に溜まった洗浄水がポンプ側給水路42とジェット側給水路44を経てボウル部12に供給されることがないので、タンク給水時に貯水タンク20内の最高水位L2を確保することができる。
【0035】
さらに、貯水タンク20内の通常使用時の最高水位L2が加圧ポンプ22のポンプ室22aの上端位置L6よりも高い位置に設定されているので、加圧ポンプ22の駆動時にポンプ室22aは洗浄水により満たされている状態が多くなり、この場合には、後述するように、連続して洗浄することが可能となる。
【0036】
コントローラ62は、使用者による洗浄スイッチ63の操作により、電磁開閉弁34、給水路切替弁36、加圧ポンプ22を順次作動させ、先ずリム吐水口18から吐水し、リム吐水を継続させながら、次にジェット吐水口16からの吐水を開始させて、ボウル部12を洗浄する。さらに、コントローラ62は、洗浄終了後、電磁開閉弁34を開放し、給水路切替弁36を貯水タンク20側に切り替えて洗浄水を貯水タンク20に補給する。貯水タンク20内の水位が上昇し、上端フロートスイッチ64aが規定の貯水量を検出すると、コントローラ62は、電磁開閉弁34を閉鎖して給水を停止する。
【0037】
次に、図4により、本実施形態の水洗大便器に使用される加圧ポンプ22について詳細に説明する。加圧ポンプ22は、ポンプ本体74を備え、このポンプ本体74は、回転軸76を介して電動モータであるDCブレシレスモータ78に直結されている。ポンプ本体74はインペラ74aを備えている。
【0038】
電動モータ(DCブラシレスモータ)78は、N極とS極とからなるローター78と、巻線を備えたステータ78bと、このステータ78bの内周側に円周方向に所定間隔で複数設けられたホールIC78cと、モータの回転数を制御するための駆動基板78dとを備えている。
ここで、ホールIC78cは、磁気センサであるホール素子と増幅、判別などの信号処理回路をワンチップ化したものであり、ローター78のN極とS極の角速度を磁気的に非接触で検知することにより、モータの回転数を検出するものである。
【0039】
次に図5により、加圧ポンプ22のDCブラシレスモータ78の回転数の制御方法を説明する。DCブラシレスモータ78には、入力電圧が印加される。この入力電圧の値は、例えば、モータ78を3700rpmで回転させたい場合、即ち、目標回転数が3700rpmの場合には、この回転数とするために必要な予め算出された電圧値(例えば4.0V)である。この入力電圧が印加されると、ローター78aが回転を始め、このローター78aの回転数が、ホールIC78cにより検出される。この検出された回転数が目標回転数となるように、この回転数の情報が駆動基板78dにフィードバックされ、この駆動基板78dが、目標回転数となるために必要な入力電圧を印加され、目標回転数となるようにフィードバック制御される。
【0040】
次に、図6乃至図9により、加圧ポンプ22の電動モータ(DCブラシレスモーター)78の、ポンプ室22aの残留空気量に応じた、出力状態(回転挙動)を説明する。
図6は加圧ポンプ22のポンプ室22a内が満水状態(空気量ゼロ)のときの電動モータの出力状態を示す線図であり、図7は加圧ポンプ22のポンプ室22a内の33%が残留空気のときの電動モータの出力状態を示す線図であり、図8は加圧ポンプ22のポンプ室22a内の50%が残留空気のときの電動モータの出力状態を示す線図であり、図9は加圧ポンプ22のポンプ室22a内の66%が残留空気のときの電動モータの出力状態を示す線図である。これらの図6乃至図9において、太線は回転数(左側縦軸参照)を示し、細線は入力電圧(右側縦軸参照)を示している。
【0041】
図6に示すように、加圧ポンプ22のポンプ室22a内が満水状態(空気量ゼロ)のときは、先ず、モーター78の目標回転数を1000rpmに設定して回転させる。このように、モーター78を比較的低速で回転させることにより、ジェット側給水路44内に残留する空気をゆっくりとジェット吐水口16から排出させ(下流のエアー抜き)、加圧ポンプ22(モーター78)をいきなり本来の高速回転で始動した場合に生じるジェット吐水口16からの空気の排出音の発生を防止することができる。
この後(始動から約0.5秒後)、モーター78は、その回転数がほとんど変動することなく、目標回転数の3700rpmとなって安定する。回転数が安定しているため、入力電圧もほぼ4.0Vとなり、安定している。これにより、貯水タンク20の洗浄水が、ポンプ側給水路42及びジェット側給水路44を経て、ジェット吐水口16に供給され、ジェット吐水が行われる。
【0042】
図7に示すように、加圧ポンプ22のポンプ室22a内の33%が残留空気のときも、同様に、先ず、モーター78の目標回転数を1000rpmに設定して回転させる。しかしながら、ポンプ室22a内にはその33%を占める残留空気が存在するため、回転数及び入力電流が大きく変化する。その後(始動から約1.2秒後)、モーター78は、その回転数がほとんど変動することなく、目標回転数の3700rpmとなって安定する。回転数が安定しているため、入力電圧もほぼ4.0Vとなり、安定している。これにより、貯水タンク20の洗浄水が、ポンプ側給水路42及びジェット側給水路44を経て、ジェット吐水口16に供給され、ジェット吐水が行われる。
【0043】
図8に示すように、加圧ポンプ22のポンプ室22a内の50%が残留空気のときも、同様に、先ず、モーター78の目標回転数を1000rpmに設定して回転させる。しかしながら、ポンプ室22a内にはその50%を占める残留空気が存在するため、回転数及び入力電流が33%のときよりも大きく変化する。その後(始動から約2.0秒後)、モーター78は、その回転数がほとんど変動することなく、目標回転数の3700rpmとなって安定する。回転数が安定しているため、入力電圧もほぼ4.0Vとなり、安定している。これにより、貯水タンク20の洗浄水が、ポンプ側給水路42及びジェット側給水路44を経て、ジェット吐水口16に供給され、ジェット吐水が行われる。
【0044】
図9に示すように、加圧ポンプ22のポンプ室22a内の66%が残留空気のときも、同様に、先ず、モーター78の目標回転数を1000rpmに設定して回転させる。しかしながら、ポンプ室22a内にはその66%を占める残留空気が存在するため、回転数及び入力電流が50%のときよりも大きく変化する。その後、モーター78は、目標回転数の3700rpmとなって安定するが、入力電圧は、4.0Vよりも低い3.7Vとなっている。これは、加圧ポンプ22のインペラ74aがポンプ室22a内で空運転しているため、貯水タンク20の洗浄水をジェット吐水口16に供給できない状態であることを示している。
【0045】
これらの図6乃至図9により示したようなポンプ室22a内を占める残留空気の量が多い状態で、加圧ポンプ22を駆動させるのは、磨耗部品であるメカニカルシール等が損傷しやすくなるので、好ましくないため、本実施形態においては、図8及び図9に示すような状態、即ち、加圧ポンプ22のポンプ室22a内を占める残留空気の量が50%以上のときには、使用者が、洗浄スイッチ63を操作して、加圧ポンプ22を一旦駆動させても、加圧ポンプ22の駆動を停止して、ジェット吐水を行わないようにし、加圧ポンプ22のポンプ室22a内を占める残留空気の量が50%未満のときのみ、加圧ポンプ22の駆動を継続して、ジェット吐水を連続して実行できるようにしている。
【0046】
本実施形態においては、この連続してジェット吐水を行う際、加圧ポンプ22の「駆動の停止」と「駆動の継続」の判定を、以下に説明する2つの例(図10に示す第1例、及び、図11に示す第2例)により実行している。
【0047】
図10は、その第1例を示すフローチャートである。図10において、Sは各ステップを示す。
先ず、S1において、待機状態において、使用者が洗浄スイッチ63を操作することにより、コントローラ62は便器信号を受け付ける。次に、S2において、前リム吐水が実行される。具体的には、給水切替弁36を、リム側給水路38に対し全開状態となる位置(リム側全開位置)に切り替え、洗浄水をリム吐水口18へ供給し、洗浄水をリム吐水口18から吐水する。このリム吐水は、後述するジェット吐水中も継続して行う。また、ジェット吐水中は行わないようにしても良い。
【0048】
次に、S3に進み、ジェット吐水のために加圧ポンプを駆動する。具体的には、目標回転数が例えば3700rpmの場合には、この目標回転数とするために必要な予め算出された電圧値(例えば4.0V)を入力電圧として印加する。
【0049】
次に、S4に進む。加圧ポンプを駆動したとき、上述した図6乃至図9を使用して説明したように、ポンプ室内に占める残留空気の量に応じて、電動モータ78の出力状態(回転挙動)が変化する。即ち、ポンプ室内に占める残留空気の量が多いほど、ポンプ駆動時の回転数は高くなる。そのため、S4では、電動モータの出力である回転数が「しきい値(=目標回転数+所定回転数α)」以上であるか否かを判定する。
ここで、しきい値を算出するための所定回転数αは、ポンプ室22a内を占める残留空気の量が50%のとき(図8参照)の電気モータの出力状態(回転挙動)に基づき、予め設定された値である。
【0050】
S4において、NO、即ち、回転数がしきい値未満と判定された場合には、S5に進み、加圧ポンプの駆動を継続する。このように、ポンプ室内に占める残留空気の量が少ない場合(50%未満)には、加圧ポンプの駆動を継続して、貯水タンク内の洗浄水をポンプ側給水路42及びジェット側給水路44を経由してジェット吐水口16に供給して、ジェット吐水を所定時間だけ実行する。
【0051】
S4において、YES、即ち、回転数がしきい値以上と判定された場合には、S6に進み、加圧ポンプの駆動を停止する。このように、ポンプ室内に占める残留空気の量が多い場合(50%以上)には、加圧ポンプの駆動を停止して、磨耗部品の損傷や空運転を防止するようにしている。
【0052】
S5及びS6の後は、S7に進む。S5においてジェット吐水を実行した場合には、ジェット吐水終了後に、前リム吐水から継続して、後リム吐水を実行する。なお、ジェット吐水中リム吐水を行わない場合には、ジェット吐水終了後に、リム吐水(後リム吐水)を行う。また、S6において、ジェット吐水を行わない場合には、直ちに、前リム吐水から継続して、後リム吐水を実行する。
【0053】
次に、S8に進み、後リム吐水を終了と同時に、タンク給水を実行する。具体的には、給水切替弁36をリム側全開からタンク側全開に切り替える。これにより、貯水タンク20内に洗浄水が貯水される。次に、貯水タンク20内の水位が上昇することにより、上端フロートスイッチ64aがONとなり、これにより、電磁開閉弁34がOFF(閉操作)となり、洗浄水の貯水タンク20内への流入が停止される。次に、給水切替弁36がリム側とタンク側の両方に連通する中立位置に戻り、待機状態に復帰する。
【0054】
次に、図11により、連続してジェット吐水を行う際、加圧ポンプ22の「駆動の停止」と「駆動の継続」を判定するための第2例を説明する。図11は、その第2例を示すフローチャートである。図11において、Sは各ステップを示す。
この図11の例では、S14のみが図10の例のS4と異なり、他のステップは、同様であるので、異なる部分のみ説明する。
【0055】
上述した図6乃至図9を使用して説明したように、ポンプ室内に占める残留空気の量に応じて、電動モータ78の出力である回転数が目標回転数に安定するまでの時間が変化する。即ち、ポンプ室内に占める残留空気の量が多いほど、電動モータ78のポンプ駆動時から目標回転数に安定するまでの時間が長くなる。そのため、S14では、電動モータの目標回転数に安定するまでの時間が「しきい値」以上であるか否かを判定する。
ここで、「しきい値」は、ポンプ室22a内を占める残留空気の量が50%のとき(図8参照)の電気モータの出力状態(回転挙動)に基づき、予め設定された値(例えば、2.0秒)である。
【0056】
以上説明したように、本実施形態では、連続して洗浄するとき、図10に示す第1例では、ポンプ駆動時の電動モータの回転数により判断しているので、判定までの時間が短時間となり、素早い判定が可能となる。
一方、図11に示す第2例では、ポンプ駆動時から目標回転数に安定する時間により判断しているので、判定までの時間は長くなるが、確実な判定が可能となる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態においては、ポンプ駆動時の電動モータの回転数により(図10の第1例参照)、又は、ポンプ起動時の目標回転数に安定するまでの時間により(図11の第2例参照)、ポンプ室内の残留空気の量を検知し、これにより、連続した洗浄が可能か否かを判定するようにしているので、磨耗部品の損傷等を引き起こすことなく、連続した洗浄が可能となる。また、貯水タンク20と加圧タンク22を接続するタンク側導水路42に逆止弁等の逆流防止手段を設けていないので、圧損によるポンプ負荷の増大を軽減することができる。
【0058】
次に、図12により、本発明の水洗大便器の第2実施形態を説明する。図12は本発明の第2実施形態による水洗大便器を示す全体構成図である。この第2実施形態の水洗大便器の基本構造は、図3に示すものと大部分は同じであるため、その部分には同一符号を付して説明は省略し、ここでは、異なる部分のみ説明する。
【0059】
図12に示すように、第2実施形態による水洗大便器100は、貯水タンク20の洗浄水を加圧ポンプ22により、リム吐水口18及びジェット吐水口16の両方に供給するタイプの水洗大便器である。
即ち、水洗大便器100は、水道から洗浄水が供給される給水路124を備え、この給水路124から、貯水タンク20に洗浄水を供給するようになっている。
【0060】
次に、貯水タンク120の下部には、ポンプ側給水路142が接続されており、このポンプ側給水路142の下流端にはポンプ室22aを備えた加圧ポンプ22が接続されている。さらに、加圧ポンプ22とジェット吐水口16はジェット側給水路144により接続されており、加圧ポンプ22が、貯水タンク120に貯水された洗浄水を加圧してジェット吐水口116まで供給するようになっている。
【0061】
このジェット側給水路144には、給水路切替弁136が取り付けられている。さらに、この給水路切替弁136には、リム吐水口18に洗浄水を供給するためのリム側給水路138が、ジェット側給水路146から分岐するように設けられている。この給水路切替弁136は、リム側給水路138とジェット側給水路146の両方に同じタイミングで洗浄水を供給可能であって、リム側とタンク側への給水量の割合を任意に変更できる切替弁である。
【0062】
機能部10には、電磁開閉弁34の開閉操作、給水路切替弁136の切替操作、及び、加圧ポンプ22の回転数や作動時間等を制御するコントローラ162が内蔵されている。
【0063】
コントローラ162は、使用者による洗浄スイッチ63のON操作により、電磁開閉弁34、加圧ポンプ22、給水路切替弁136を順次作動させ、先ずリム吐水口18から吐水し、このリム吐水を継続させながら、次にジェット吐水口16からの吐水を開始させて、ボウル部12を洗浄する。さらに、コントローラ162は、洗浄終了後も電磁開閉弁34を継続して開放し、洗浄水を貯水タンク20に補給する。貯水タンク120内の水位が上昇し、上端フロートスイッチ64aが規定の貯水量を検出すると、コントローラ162は、電磁開閉弁34を閉鎖して給水を停止する。
【0064】
この第2実施形態の水洗大便器にも、上述した図10に示す第1例及び図11に示す第2例が適用可能である。この結果、第2実施形態においても、第1実施形態同様に、磨耗部品の損傷等を引き起こすことなく、連続した洗浄が可能となる。また、貯水タンク20と加圧タンク22を接続するタンク側導水路142に逆止弁等の逆流防止手段を設けていないので、圧損によるポンプ負荷の増大を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1実施形態による水洗大便器の側面図である。
【図2】図1に示す水洗大便器の平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による水洗大便器を示す全体構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態による水洗大便器に使用される加圧ポンプを示す部分断面図である。
【図5】図4の加圧ポンプの電動モータ(DCブラシレスモータ)の回転数の制御方法を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1実施形態における水洗大便器における加圧ポンプのポンプ室内が満水状態(空気量ゼロ)のときの電動モータの出力状態を示す線図である。
【図7】本発明の第1実施形態における水洗大便器における加圧ポンプのポンプ室内の33%が残留空気のときの電動モータの出力状態を示す線図である。
【図8】本発明の第1実施形態における水洗大便器における加圧ポンプのポンプ室内の50%が残留空気のときの電動モータの出力状態を示す線図である。
【図9】本発明の第1実施形態における水洗大便器における加圧ポンプのポンプ室内の66%が残留空気のときの電動モータの出力状態を示す線図である。
【図10】本発明の第1実施形態における水洗大便器において、連続して洗浄を行う際の、加圧ポンプの「駆動の停止」と「駆動の継続」を判定するための第1例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1実施形態における水洗大便器において、連続して洗浄を行う際の、加圧ポンプの「駆動の停止」と「駆動の継続」を判定するための第2例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態による水洗大便器を示す全体構成図である。
【符号の説明】
【0066】
1,100 水洗大便器
2 便器本体
10 機能部
12 ボウル部
14 排水トラップ管路
16 ジェット吐水口
18 リム吐水口
20,80 貯水タンク
22 加圧ポンプ
24,124 給水路
32 定流量弁
34 電磁開閉弁
36,136 給水路切替弁
38,138 リム側給水路
40 タンク側給水路
42,142 ポンプ側給水路
44,144 ジェット側給水路
62,162 コントローラ
63 洗浄スイッチ
74 ポンプ本体
78 電動モータ(DCブラシレスモータ)
78a ローター
78b スタータ
78c ホールIC
78d 駆動基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧した洗浄水によって洗浄される水洗大便器であって、
使用者が操作して洗浄を開始する洗浄スイッチと、
ボウル部と、洗浄水を吐出する吐水口と、排水トラップ管路とを備えた便器本体と、
洗浄水を貯水する貯水タンクと、
洗浄水を上記貯水タンクに補給する洗浄水供給手段と、
上記貯水タンクの洗浄水を加圧して上記吐水口に供給する加圧ポンプであって、この加圧ポンプが逆流防止手段を備えていない導水管により上記貯水タンクと接続されると共に上記貯水タンクとほぼ同じレベルに配置された上記加圧ポンプと、
この加圧ポンプを駆動する電気モータと、
この電気モータを制御するモータ制御手段と、を有し、
上記モータ制御手段は、上記洗浄スイッチの操作により上記電気モータを駆動したとき、上記電気モータの出力を検出するモータ出力検出手段と、このモータ出力手段により検出された電気モータの出力が所定の出力状態であるか否かを判定するモータ出力判定手段と、所定の出力状態の場合には上記電気モータの駆動を継続し、所定の出力状態で無い場合には上記電気モータの駆動を停止するように上記電気モータを駆動するモータ駆動手段と、を備えていることを特徴とする水洗大便器。
【請求項2】
上記便器本体の吐水口は、リム吐水口とジェット吐水口であり、上記洗浄水供給手段が上記リム吐水口に給水し、上記加圧ポンプが上記ジェット吐水口に給水するようになっている請求項1に記載の水洗大便器。
【請求項3】
上記便器本体の吐水口は、リム吐水口とジェット吐水口であり、上記加圧ポンプが上記リム吐水口及びジェット吐水口に給水するようになっている請求項1に記載の水洗大便器。
【請求項4】
上記モータ出力検出手段は、上記電気モータの回転数を検出する請求項1乃至3の何れか1項に記載の水洗大便器。
【請求項5】
上記モータ出力判定手段は、電気モータの回転数が目標回転数に所定の回転数を加算した値であるしきい値以下のとき所定の出力状態であると判定する請求項4に記載の水洗大便器。
【請求項6】
上記モータ出力判定手段は、電気モータの回転数が目標回転数に安定するまでの時間がしきい値以下のとき所定の出力状態であると判定する請求項4に記載の水洗大便器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−84786(P2009−84786A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−251900(P2007−251900)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】