説明

水洗式の電気かみそり

【課題】シール作用を発揮できる水洗式電気かみそりを提供する。
【解決手段】上端に組付口2が開口する本体ケース1と、組付口2の側から本体ケース1 に内装されるかみそりユニット3とを備えている。かみそりユニット3は、シャーシユニット10と、ヘッドユニット11とで構成されている。シャーシユニット10とヘッドユニット11とは、上下に接合されて固定されている。シャーシユニット10とヘッドユニット11との間に第1 防水シール70を設け、モータ12の出力軸12aのまわりとヘッドユニット11との間の隙間を封止するとともに、シャーシユニット10とヘッドユニット11との接合部分の周縁に第2防水シール71を設け、かみそりユニット3を本体ケース1に装填固定した状態において、本体ケース1とかみそりユニット3との間の隙間が、第2防水シール71の周縁部で封止されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗式の電気かみそりに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気かみそりは、例えば特許文献1に公知である。そこでは、水洗い時の水の侵入を防ぐために、ケースと刃物取付台との間にシールゴムを介装し、さらに、刃物取付台と押え板との間に別のシールゴムを介装している。
【0003】
本発明に関して、2個の内刃を内蔵するヘッドが首振り可能に構成してある電気かみそりは、特許文献2に公知である。この電気かみそりにおいては、本体ケースとヘッドケースとの間にシールゴムを設けているが、このシールは毛屑等が本体ケースへ侵入するのを防ぐために設けてあって、水洗いすることを意図したものではない。
【0004】
【特許文献1】特公昭62−58755号公報
【特許文献2】特開平9−38354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例の電気かみそりでは、モータの出力軸にシールゴムが設けられていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電気かみそりは、図2に示すように、少なくとも上端に組付口2が開口する本体ケース1と、組付口2の側から本体ケース1 に内装されるかみそりユニット3とを備えている。かみそりユニット3は、シャーシユニット10と、ヘッドユニット11とで構成されており、シャーシユニット10は、モータ12と、モータ12を収容可能なモータ収容部22を備えた主フレーム23を含み、ヘッドユニット11は、ベース30と、ベース30の上方に位置する逆門形のヘッドフレーム29と、ヘッドフレーム29で前後揺動可能に支持される首振りフレーム31と、首振りフレーム31に組まれる内刃15及び外刃16を含んでいる。シャーシユニット10とヘッドユニット11とは、上下に接合されて固定されている。シャーシユニット10とヘッドユニット11との間に第1 防水シール70を設け、モータ12の出力軸12aのまわりとヘッドユニット11との間の隙間を封止するとともに、シャーシユニット10とヘッドユニット11との接合部分の周縁に第2防水シール71を設け、かみそりユニット3を本体ケース1に装填固定した状態において、本体ケース1とかみそりユニット3との間の隙間が、第2防水シール71の周縁部で封止されている。
【発明の効果】
【0007】
ヘッドユニット11とシャーシユニット10とを組み合わせた構造体を本体ケース1の上方から組み込み挿着することで、第1 防水シール70及び第2防水シール71による防水を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1ないし図13は本発明に係るロータリ式の電気かみそりに適用した実施例を示す。図2において電気かみそりは、上面および下面が開口する筒状の本体ケース1を有し、上側の組付口2の側からかみそりユニット3をケース内へ組み、本体ケース1の外面の前後に、モータ起動用のスイッチノブ4と、きわ剃り刃を起伏操作する切換ノブ5とを配置し、本体ケース1の一側に首振りロック用のロックノブ6などを設けてなる。本体ケース1の下側の組付口7には、充電用の底ケース8が組付けられる。
【0009】
(かみそりユニット)図3において、かみそりユニット3は、シャーシユニット10とヘッドユニット11とに大別され、シャーシユニット10の側にモータ12、電池(二次電池)13および回路基板14等の電気部品を集約配置し、ヘッドユニット11の側に回転内刃(内刃)15、外刃16(図2参照)およびモータ12の動力を回転内刃15に伝える伝動機構17(図4参照)と、きわ剃り刃系の伝動機構18と、センター刃系の伝動機構19を集約配置する。
【0010】
(シャーシユニット)図3において、シャーシユニット10は、下半側に電池13用の装填凹部21を有し、上側にモータ収容部22を備えた主フレーム23と、モータ12が装填保持されるモータケース24とで構成する。モータケース24はモータ収容部22で上下遊動可能に支持されて、主フレーム23とモータケース24との間に介装した圧縮コイル形のばね25で浮力支持されている。モータケース24に一体に設けた4個の係合爪26を主フレーム23側の係合部に係合することにより、モータケース24の上方への浮動限界を規定し、その抜け出しを防止している。このように、モータケース24を浮動支持するのは、使用時のヘッドユニット11の上下動を許して、肌当たりを柔らかにし、さらに肌面への追従を確実なものとするためである。
【0011】
(ヘッドユニット)ヘッドユニット11は、下面側にギヤ室28を有する逆門形のヘッドフレーム29と、ギヤ室28の底部開口を塞ぐベース30と、ヘッドフレーム29で前後揺動可能に支持される首振りフレーム31などを基体にして、これらに内刃15、外刃16および各伝動機構17〜19等を組む。
【0012】
(内刃伝動系)図4において回転内刃15用の伝動機構17は、先の図3に示すギヤ室28に収容されてモータ12の動力を減速するギヤ群G1〜G3と、ヘッドフレーム29の一側に配置されるギヤ群G4〜G6と、首振りフレーム31の側に配置されて、後者ギヤ群の終段ギヤG6の回転力を一対の回転内刃15に伝えるギヤ群G7〜G9などで構成する。ギヤ室28内のギヤ群G1〜G3のうち、第1段目のギヤG1は内歯ギヤを備えており、この内歯ギヤにモータ12の出力軸12aに固定した原動ギヤG20を噛合させる。原動ギヤG20と内歯ギヤとによって、モータ12の回転数(8000〜9000rpm)は、一挙に駆動時における回転内刃15の回転数とほぼ同じ回転数である2500〜3000rpmに減速される。従って、複数の減速ギヤによって段階的にかつ徐々に減速される従来のロータリ式電気かみそりに比べて、使用時の振動を減少し、静音化できる。手ぶれも生じにくい。なお、ギヤ室28内のギヤ群の終段ギヤG3と、次段のギヤG4とは、後者ギヤG4の側面に突設したフェースギヤ歯を介して、回転方向を直交状に変換する。
【0013】
(きわ剃り伝動系)先のギヤG1は、きわ剃り刃の伝動機構18とセンター刃系の伝動機構19の駆動ギヤとを兼ねており、その上部に前者の伝動機構18用の偏心カム33と、後者の伝動機構19用の偏心ピン34とが一体に設けてある(図4参照)。図5に示すように偏心カム33は、ギヤ室28の上壁上面に配置した振動子35を往復駆動して、バリカン式のきわ剃り刃ユニット36を駆動する。この振動子35は一端が軸支され、他端に二又状の連続部37を有する。きわ剃り刃ユニット36は切換ノブ5の上部に装着されていて、切換ノブ5を下方の待機位置から上方にスライド操作すると、想像線で示すようにユニット36の全体が軸38を中心にして跳ね上がり揺動し、その可動刃に固定した受動片99が連結部37と係合して、振動子35の往復動作を受け継ぐように構成してある。
【0014】
(首振り機構及びセンター刃駆動系)図3において首振りフレーム31は、逆門形の上フレーム41と、上フレーム41に下面側から被さる状態で圧嵌係合される下フレーム42と、下フレーム42の上面開口を塞ぐ蓋体46(図5参照)とからなり、上フレーム41の両側壁の上部前後に、先の回転内刃15が回転自在に軸支してある。下フレーム42はヘッドフレーム29の上端において軸支される軸43を中心にして前後揺動でき、これにより首振りフレーム31の首振り動作が可能になっている。上フレーム41と下フレーム42との間の室の内部に、センター刃48(図5参照)を左右に往復操作する第2の振動子44を設け(図4参照)、これを先に説明した偏心ピン34で往復駆動できるようにしている。図4に示す偏心ピン34と係合する受動溝45は、首振りフレーム31の前後揺動範囲に対応して前後に長い弧状溝で形成してある(図5参照)。
【0015】
(センター刃)図4および図5において首振りフレーム31に外嵌装着される外刃ホルダー47に、各回転内刃15用の外刃16を装着し、さらに両外刃16・16の間にセンター刃48を設ける。センター刃48は、それぞれ櫛刃状に形成される外側の固定刃49と、内側を往復スライドする可動刃50とを一個のユニット部品としてまとめて構成したものである。外刃ホルダー47を首振りフレーム31に装着した状態において、可動刃50の下部に設けた連結片51が、先の振動子44の上面に突設した駆動軸52と係合して、振動子44の往復動作を受け継ぐようになっている。従って、駆動時における回転内刃15の回転数とセンター刃48の往復振動数とは、ほぼ同等の2500〜3000回/分で駆動されることとなる。駆動軸52と上フレーム41との間の隙間は、毛屑の侵入を防ぐゴムパッキン53でシールしてある。
【0016】
(首振りロック)図6に示すように、首振りフレーム31の首振り動作を規制するためにロックノブ6を設けている。ロックノブ6の内面上部には、ロック棒54が突設してある。このロック棒54の上端はヘッドフレーム29を上下に貫通して、首振りフレーム31の下面に臨んでいる。従って、ロックノブ6を下方の待機位置から上方へスライド操作すると、ロック棒54が下フレーム42の側壁下部に設けた係合溝58に接当係合して、前後揺動を規制できる。
【0017】
(外刃ホルダー用のロック及び安全スイッチ)外刃ホルダー47を首振りフレーム31から取り外すと、2個の回転内刃15が剥き出しになり、この状態でスイッチノブ4をオン操作すると、回転内刃15が駆動されて危険である。こうした事態を避けるために、図7に示すように、首振りフレーム31の内部にロックピース55を配置し、ヘッドフレーム29のサイドカバーに装着したロック解除用のボタン56でロックピース55をロック解除操作できるようにしている。さらに外刃ホルダー47の取り外し動作に連動して、モータ12(図4参照)への通電を阻止する安全スイッチ57を先のモータケース24に配置している。
【0018】
(ロックピース)図8においてロックピース55は、中途部に薄肉ヒンジ部59を備えた弾性枠60と、弾性枠60の両側端に設けた一対の爪腕61とを備えており、爪腕61の外側面の前後に合計4個のロック爪62を突設してなる。先のボタン56をばねの付勢力に抗して押し込み操作すると、その操作ピン63が首振りフレーム31(図3参照)の側壁に通設したピン穴を介してフレーム内へ進入し、一方の爪腕61を押し込み操作する。これにより、押し込み操作された側の2個のロック爪62と外刃ホルダー47との係合が解除される。このとき、弾性枠60の山形の側短部60aが首振りフレーム31の内部壁面によって受け止められているので、弾性枠60は薄肉ヒンジ部59の部分において屈曲し、その結果他方の爪腕61がボタン56の押し込み方向とは逆向きに引き寄せられ、その側面に設けたロック爪62と外刃ホルダー47との係合が解除される。
【0019】
(安全スイッチ)回路中の電池13(図3参照)とモータ12との間には、オン・オフ制御用の電源スイッチとは別に、図7に示すように安全スイッチ57が直列に配されている。図7において安全スイッチ57は、ギヤ室28内に組付けた動作中継用の中継ピース65と、首振りフレーム31の側面に上下スライド自在に装着した連動ピース66との動作によって切り換え操作される。中継ピース65はばね67で上向きに押し上げ付勢されていて、その上端が連動ピース66の下面に常に接当している。また連動ピース66は、外刃ホルダー47の側壁下端で受け止められて、上方へのスライドが規制されている。従って、外刃ホルダー47を首振りフレーム31から取り外すと、図6に示すように連動ピース66および中継ピース65はそれぞれ上方スライドし、その結果、安全スイッチ57がオン状態からオフ状態へ切り換わる。符号68はベース30の底壁を貫通して、安全スイッチ57と上下に対向する切換片である。
【0020】
(防水シール)上記のように構成したヘッドユニット11を水洗い可能とするために、図1に示すようにモータ12の出力軸12aのまわりとベース30との間に第1防水シール70を設けて、洗浄水がモータ12およびモータケース24の側へ浸入するのを防いでいる。さらに、ベース30の下面(接合面)とシャーシユニット10の上部周縁との間に第2防水シール71を設けて、洗浄水が主フレーム23、モータケース24および本体ケース1の内部へ浸入するのを防いでいる。
【0021】
(第1防水シール)図9において第1防水シール70は、ゴムまたは合成ゴム製の円形キャップ状の成形パッキンからなり、モータ12のボス部に外嵌する周側壁72と、断面波形の上壁73とを有する。上壁73の中央にシール孔74を通設し、シール孔74の内面に出力軸12aと密着するリップを設ける。ベース30の下面には、モータ12と協同して第1防水シール70を挟持保持する装填凹部75が設けてある。
【0022】
(第2防水シール)図10において第2防水シール71は、ゴムまたは合成ゴム製の成形パッキンからなり、モータケース24とベース30との間の隙間を封止する上側シール部77と、本体ケース1と主フレーム23との間の隙間を封止する周縁シール部78と、両シール部77・78を接続する膜壁79とでキャップ状に形成してある。第2防水シール71を適正に位置決めし、あるいはシャーシユニット11を本体ケース1に差し込み装填するときの周縁シール部78のめくれやずれを防ぐために、主フレーム23の上端に無端環状の外シール枠81を設け、その周側面に沿って係合溝82を周回状に凹み形成している。さらに、モータケース24の上端に無端環状の内シール枠83を設け、その内周面に沿って係合段部84を周回状に形成している。周縁シール部78の下部内縁には、係合溝82に密着状態で内嵌するリブ85が設けてある。上側シール部77の下面には係合段部84で受け止められて、内シール枠84に密着状態で外嵌する溝86が設けてある。
【0023】
上記のように第1防水シール70と第2防水シール71をシャーシユニット10の側に組んだ後、ベース30をモータケース24に組み、ビスで締結固定することにより、両シール70・71がベース30とモータ12およびモータケース24との間に挟持固定される。なおベース30とヘッドフレーム29は、ギヤ室28の上面側からねじ込まれるビスによって締結固定してある。安全スイッチ57と切換片68とは、第2防水シール71の膜壁79を介して上下に対向している( 図7参照) 。モータケース24は主フレーム23に対して上下遊動できる。この上下遊動を吸収するために、膜壁79の上側シール部77との隣接壁面を断面L字状に形成して、膜壁79が上下方向に屈曲変形できるようにしている。
【0024】
(第2防水シールと本体ケースの関係)シャーシユニット10を本体ケース1に差し込み装填し、先の周縁シール部78をケース内面に密着させることにより、両者10・1の間の隙間を封止する。この封止作用を確実なものとし、同時に組み込みを容易化するために、本体ケース1の組付口2の内面を下すぼまりテーパー状に形成し、その下端に下り傾斜するシール面壁90を設けている。このように、下り傾斜状のシール面壁90を設けると、図11に示すように、底ケース8の下面側からビス91を主フレーム23の下端のねじボスにねじ込むことにより、主フレーム23と本体ケース1とが分離不能に固定されるとともに、本体ケース1のシール面壁に対して周縁シール部78の圧着力が締め込めば締め込むほど強化されて密着性が向上する。洗浄水が底ケース8と本体ケース1との接合面からケース内部へ浸入するのを防ぐために、両者1・8の接合面間に成形パッキンからなるプラグシール92を挟持固定する。また、先のねじボスと底ケース8との接合面の間にはシールリング93を挟持固定する。
【0025】
(スイッチノブおよびガス抜き口)図2に示すように、スイッチノブ4は、ケース外面に固定した化粧枠94で上下スライド可能に支持する。スイッチノブ4の板面中央にはロックボタン95を設けてあり、このボタン95を押し込んだ状態でのみ、スイッチノブ4を上方スライドしてオン操作できる。スイッチノブ4のスライド動作は、化粧枠94の内面に設けた連動ピースと、本体ケース1に設けた切換片とを介して接続端子へ伝えられる。本体ケース1の周壁を内外に貫通する切換片の軸部にも、防水用のオイルリングが挟持固定してある。ケース本体1の下部一側には、図11に示すように、電池13への過充電等の異常充電時に生じるおそれのある水素ガスを放出するガス抜き口100が開口してある。このガス抜き口100は、ガスの通過のみを許し、水分の通過を許さない分離シート101で塞いであり、その外面周縁とパッキン押え102との間がオイルリング103で封止されている。パッキン押え102は本体ケース1に圧嵌装着する。
【0026】
(水洗い方式)ヘッドユニット11の回転内刃15およびその周辺を洗浄する場合には、外刃ホルダー47を取外して安全スイッチ57をオフ状態にし、流水を回転内刃15に流し掛ける。あるいは、外刃ホルダー47に換えて、図12に示す洗浄ブラシ104を内蔵する洗浄ケース105を首振りフレーム31に装着して、流水を流し掛けながら洗浄を行う。この場合には、安全スイッチ57がオン状態に切り換わるので、スイッチノブ4をオン操作して、回転内刃15を回転駆動しながら洗浄を行える。洗浄ブラシ104は一部スリップしながら回転内刃15と連れ回り回転するので、刃底部分に付着した毛屑を確実に除去できる。
【0027】
(排水構造)洗浄時には、ヘッドユニット11の各部に洗浄水が入り込む。ギヤ室28に入り込んだ洗浄水を効果的に排出するために、ベース30の底壁の一側寄り、詳しくは中継ピース65を配置した側の面壁前後に排水口106( 図5参照) を開口している。さらにベース30の底壁の上面は、排水口106の側から他側端のギヤ群の側へ向かって上り傾斜させて、ギヤ室28内に浸入した洗浄水の全てを排水口106から排出できるようにしている。排出口106から流れ出た排水は、第2防水シール71の上面を伝いながら、切換ノブ5を配置した側のケース周壁に通設した排水通口107を介してケース外へ案内され、切換ノブ5と本体ケース1との間の隙間を伝ってケース下方へ流れ落ちる。
【0028】
(充電部構造)電池13に対する充電は、図13に示すように、充電アダプター109と充電スタンド110とのいずれによっても行うことができる。そのために、図13に示すように底ケース8には2通りの接続端子112・113を一対ずつ設ける。一方の接続端子112は底ケース8の成形時にインサート固定されて、その下端が底ケース8の下面に露出している。接続端子112は、充電スタンド110の接続端子に対応して設けてあって、後述する接続端子113に比べて端子間のピッチが大きい。他方の接続端子113は、回路基板14(図3参照)の下端に固定されていて、底ケース8の底面に凹み形成した連結凹部114に突出する状態で底ケース8に挿嵌する。この接続端子113と底ケース8の内面壁との間には、シールリングを挟持しておく。充電アダプター109から導出したコネクター116を連結凹部114に差し込み係合することにより、充電アダプター109で変換した直流電流を電池13に印加できる。充電スタンド110を使用する際には、コネクタ116を、充電スタンド110の連結凹部117に差し込み係合する。
【0029】
上記のように電池13への充電が、充電アダプター109と充電スタンド110のいずれででも行えるようにすると、例えば旅行時に電気かみそりを携行する際には、充電アダプター109のみを携行すればよい。また、家庭等で使用する場合には、電気かみそりを充電スタンド110に差し込み装填するだけで、手軽に充電を行える。充電スタンド110に装填した電気かみそりは、切換ノブ5の側(きわ剃り刃側)へ向かって後傾する状態で起立保持される。そのため、充電を行う直前にヘッド部の水洗いを行っていたとしても、排水は切換ノブ5の側から流下するので、排水液がスタンド前面側へ流れ落ちるのを防止できる。
【0030】
(別の実施形態)ロータリ式の電気かみそりとしては、1個の回転内刃15を備えているもの、1個の回転内刃15と、上記の実施例におけるセンター刃48を隣接配置したものなどの実施形態を採ることができる。本発明は内刃15が往復駆動される電気かみそりにも適用できる。その場合には、モータ12の出力軸12aより上方に、回転運動を往復運動に変換する機構を配置する。上記の実施例における内刃15用の伝動機構17は、ギヤ群以外の伝動要素で構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】電気かみそりのシール構造を示す概略説明図である。
【図2】電気かみそりの正面図である。
【図3】かみそりユニットの分解図である。
【図4】動力伝動機構を示す説明図である。
【図5】ヘッドユニットの縦断側面図である。
【図6】首振りロック機構を示す縦断側面図である。
【図7】外刃ホルダーのロック機構とその関連部材を示す説明図である。
【図8】外刃ホルダーのロック機構の内部平面図である。
【図9】第1防水シールの断面図である。
【図10】第2防水シールの断面図である。
【図11】本体ケースの下部構造を示す縦断正面図である。
【図12】洗浄ケースの断面図である。
【図13】充電器の説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1 本体ケース
2 組付口
3 かみそりユニット
10 シャーシユニット
11 ヘッドユニット
12 モータ
12a 出力軸
13 電池
14 回路基板
15 内刃
16 外刃
17 伝動機構
70 第1防水シール
71 第2防水シール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも上端に組付口(2)が開口する本体ケース(1)と、組付口(2)の側から本体ケース(1) に内装されるかみそりユニット(3)とを備えており、
かみそりユニット(3)は、シャーシユニット(10)と、ヘッドユニット(11)とで構成されており、
シャーシユニット(10)は、モータ(12)と、モータ(12)を収容可能なモータ収容部(22)を備えた主フレーム(23)を含み、
ヘッドユニット(11)は、ベース(30)と、ベース(30)の上方に位置する逆門形のヘッドフレーム(29)と、ヘッドフレーム(29)で前後揺動可能に支持される首振りフレーム(31)と、首振りフレーム(31)に組まれる内刃(15)及び外刃(16)を含み、
シャーシユニット(10)とヘッドユニット(11)とは、上下に接合されて固定されており、
シャーシユニット(10)とヘッドユニット(11)との間に第1 防水シール(70)を設け、モータ(12)の出力軸(12a)のまわりとヘッドユニット(11)との間の隙間を封止するとともに、
シャーシユニット(10)とヘッドユニット(11)との接合部分の周縁に第2防水シール(71)を設け、かみそりユニット(3)を本体ケース(1)に装填固定した状態において、本体ケース(1)とかみそりユニット(3)との間の隙間が、第2防水シール(71)の周縁部で封止されている水洗式の電気かみそり。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−275621(P2007−275621A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170007(P2007−170007)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【分割の表示】特願平10−190878の分割
【原出願日】平成10年7月6日(1998.7.6)
【出願人】(000164461)九州日立マクセル株式会社 (338)
【Fターム(参考)】