説明

水滴除去装置

【目的】 本発明は雨水等の水滴が付着したガラス面の水滴を除去するための水滴除去装置に関し、自動車や電車の車両の車外に配設されるミラー,上記車両や建築物等の窓ガラス,車両の車外に取付られる照明具のプラグを覆うレンズ等の雨滴付着部材に、雨水等の水滴が付着した場合に敏速にこの水滴を除去せしめて、視認性,透過性を向上することを目的とする。
【構成】 上記車両の車外に取付られた上記雨滴付着部材である、ミラー部26に付着した雨水等の水滴を、上記のミラー部26の上部24a又は側部24bの少なくとも何れか一方に配設された高周波発生装置30の高周波用スピーカ32により除去せしめる構造である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動二輪車,自動四輪車,トラクタ等の自動車や電車の車両の車外に取付られたミラーのミラー部、該車両や建築物等の室内と室外を限界する窓,戸,ショーウインド等のガラス、車両の前照灯,フオグランプ等の照明具の外表面のガラスに、雨水等の水滴が付着した場合の該水滴を除去する水滴除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、自動二輪車,自動四輪車,トラクタ等の自動車や電車等のように、車外を走行する車両においては走行安全上、該車体の外側にバックミラーが取付られている。上記の車両のバックミラーのミラー部や該車室内から室外を視認できるサイドガラス,リアーガラス,フロントガラス等は雨天時に、上記のミラー部やガラスの外表面に雨水がかかり、多数の水滴が滞留し該水滴に阻害されるため、運転者は該バックミラーのミラー部の像が乱れたり、該ガラスを透過しての視認性が落ち、該室外を確認しにくくなる虞がある。
【0003】又、該車両の前照灯,フオグランプ等は上記水滴が滞留すると光の透過性を悪くする虞がある。例えば、従来の上記の車両の窓ガラス,バックミラーのミラー部,照明具のガラス等に滞留した多数の水滴を払拭するために、ワイパ方式,空気を流すブロワ方式,該ミラー部に微振動を与えて除去する振動方式等が採用されている。
【0004】一方、従来から例えば上記車両の窓ガラス,ミラー部,上記建築物の窓ガラスや室内のミラー部等の曇りを除去するため電熱ヒータが使用されているが、少量の小さな水滴であれば、この電熱ヒータでも視界を確認できる程度に該水滴を除去することは可能であるが、少し多量の水滴になると除去することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ワイパ方式は腕部と払拭部とを有するため、上記の窓や照明具のガラスやミラー部の視界面積の一部を上記の腕部,拭払部が専有してしまうので、上記ミラー部又はガラスの有効視界面積を妨げている。又、上記ワイパーの腕部,払拭部が上記のミラー部やガラスの表面を絶えず連続的に往復動すので、該払拭部の上記往復動の間に、滞留する該水滴は除去することができず該視界性が落ちる虞がある。
【0006】又、微振動で飛ばす方式では、ミラーに取付られた加振棒等によって該ミラー部に微振動を与えて飛ばしているが、該ミラー部の表面の水膜や微粒の水滴群が、微流波となって波うつため、該ミラー部の像が波うち、該視界が乱れ視認性が落ちると共に、加振発生装置を該ミラー本体の内部に収納しなければならず、修理時には分解する必要があるなどそのメンテナンスに工数と費用を要する。
【0007】又、上記ブロワ方式は上記滞留した水滴を除去するための空気流を発生させるためには該ブロワが大きくなり重量も増え、該ブロワから発生する騒音も高くなる虞がある。本発明は上記課題に鑑み創案されたもので、自動二輪車,自動四輪車,トラクタ等の自動車や電車等の車両の車外に取付られたミラーのミラー部、上記の車両や建築物等の室内と室外を限界する窓,戸,ショーウインド等のガラス、車両の車外に取付られる照明具のプラグを覆うレンズ等の雨滴付着部材において、上記雨滴付着部材の上部又は側部の少なくともいずれか一方のに配設された高周波発生装置の高周波用スピーカを備えることにより、音圧で雨等の水滴を効果的に除去することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載の本発明の水滴除去装置は、車両の車外に取付られたミラーのミラー部、車両や建築物等の室内と室外を限界する窓,戸,ショーウインド等のガラス、車両の車外に取付られる前照灯,フオグランプ等の照明具のプラグを覆うレンズ等の雨滴付着部材において、上記雨滴付着部材の外表面の上部又は側部の少なくともいずれか一方に設けられる高周波発生装置の高周波用スピーカを備えたことを特徴としている。
【0009】請求項2記載の本発明の水滴除去装置は、請求項1記載の構成において、上記高周波発生装置は高周波電流を発振する発振器,該発振器からの高周波電流を増幅するアンプ,該アンプからの高周波電流を音波に変える高周波用スピーカとを有する高周波発生回路と、該高周波発生回路に接続される電源回路とを備えたことを特徴とている。
【0010】請求項3記載の本発明の水滴除去装置は、請求項1又は2記載の構成において、上記高周波発生装置を該高周波発生装置に接続されたスイッチ、又は上記雨滴付着部材に付着した水滴を検知するセンサからの信号の入力で開閉するスイッチにより作動させるようにしたことを特徴としている。請求項4記載の本発明の水滴除去装置は、請求項3記載の構成において、上記水滴の量を検知するセンサを上記雨滴付着部材に配設し、上記発振器からの高周波電流の振幅を該センサからの信号の入力により変える制御装置を設けたことを特徴としている。
【0011】請求項5記載の本発明の水滴除去装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成において、上記高周波発生装置からの信号で作動するスピーカからの音域は人の非可聴域にしたことを特徴としている。請求項6記載の本発明の水滴除去装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の構成において、上記スピーカからの音量は略160dB以上に設定したことを特徴としている。
【0012】請求項7記載の本発明の水滴除去装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の構成において、上記高周波発生装置は上記ミラーのケーシング内部、上記の車両や建築物の室内と室外を限界する窓,戸,ショーウインド等のガラス支持部の内部、上記照明具の本体内部に収納されたことを特徴としている。
【0013】
【作用】上述の請求項1記載の本発明の水滴除去装置では、車両の車外に取付られたミラーのミラー部、車両や建築物等の室内と室外を限界する窓,戸,ショーウインド等のガラス、車両の車外に取付られる前照灯,フオグランプ等の照明具のプラグを覆うレンズ等の雨滴付着部材において、上記ミラー部又はガラスの外表面の上部又は側部の少なくともいずれか一方に設けられる高周波発生装置の高周波用スピーカを備えているので、上記高周波スピーカを作動することにより音圧で上記ミラー部又ガラスに滞留している水滴を下方へ効果的に押し流すことができる。
【0014】請求項2記載の本発明の水滴除去装置では、上記高周波発生装置は高周波電流を発振する発振器,該発振器からの高周波電流を増幅するアンプ,該アンプからの高周波電流を音波に変える高周波用スピーカとを有する高周波発生回路と、該高周波発生回路に接続される電源回路とを備えているので、高周波電流も容易に発振してアンプを介して高周波用スピーカから音波を該上記ミラー部又はガラス外表面全体の下方へ押し流すことができる。
【0015】請求項3記載の本発明の水滴除去装置では、上記高周波発生装置を該高周波発生装置に接続されたスイッチ、又は上記雨滴付着部材等に付着した水滴を検知するセンサからの信号の入力で開閉するスイッチにより作動させるようにしたので、手動で必要な時に上記高周波発生装置を作動することができるか、又は上記センサの信号の入力により、自動的に上記高周波発生装置を作動することができる。
【0016】請求項4記載の本発明の水滴除去装置では、上記水滴の量を検知するセンサを上記ミラー部又はガラスに配設し、上記発振器からの高周波電流の振幅を該センサからの信号の入力により変える制御装置を設けたので、上記ミラー部又はガラス上の上記水滴の水量に対応した音圧を発生させることができ、上記水滴を除去することができる。
【0017】請求項5記載の本発明の水滴除去装置では、上記高周波発生装置からの信号で作動する高周波用スピーカからの音域は人の非可聴域にしたので、人に対して可聴音波にならない。請求項6記載の本発明の水滴除去装置では、上記高周波用スピーカからの音量は略160dB以上に設定したので、上記ミラー部又はガラス上に滞留した水滴を下方へ押し流す力を発揮することができる。
【0018】請求項7記載の本発明の水滴除去装置では、上記高周波発生装置は上記ミラーのケーシング内部、上記の車両や建築物等の室内と室外を限界する窓,戸,ショーウインド等のガラス支持枠の内部、上記照明具の本体内部に収納されるように形成されている。
【0019】
【実施例】以下、図面について実施例を説明する。
(第1実施例)図1,2により、本発明を車両の車外に取付られたバックミラーに適用した場合の第1実施例について説明する。
【0020】図1は本発明の第1実施例を示すものでバックミラーの概略斜視図、図2は図1のバックミラーに装着される高周波発生装置の概略の回路図である。図1において、車体の車外に取付られ、後方の視界を確保するバックミラー20はリヤー側に開口部22を有するケーシング24と、このケーシング24の開口22を閉塞すると共に、後方視界を写す鏡面を有する雨滴付着部材であるミラー部26とから構成されている。
【0021】このケーシング24の上部24aには、ケーシング24の幅方向に沿って延在するように、高周波発生装置30の小型高周波用スピーカ32のBOX34が設けられている。高周波発生装置30は、上記の小型高周波用スピーカ32に接続されるアンプ36、アンプ36へ高周波を供給するアンプ36に接続されている発振器38とを有する高周波発生回路31aと、該高周波発生回路31aのアンプ36はスイッチ40を介して電源42に接続される電源回路31bとから構成されいる。
【0022】このスッチ40は図1,2に示したように、上記ミラー部26に設けられた上記水滴を検知するセンサ44により自動的に作動するスイッチ40aでもよい。上記小型高周波用32スピーカは耐水性のある薄膜金属性のコーンスピーカ33がミラー部26の正面の幅に沿うように、上記ケーシング24の上部24aに位置するように小型高周波用スピーカBOX34内に設けられるように形成されている。
【0023】この小型高周波スピーカ32の取付位置は上記のように、ケーシング24の上部24aでなくてもよく、二点鎖線で示したように、ケーシング24の左右側部24bの少なくともいずれか一方の側部24bに設けてもよく、又ケーシング24の上部24aと側部24bに跨がる32bのように小型高周波スピーカ32を傾斜せしめて設けてもよいことは言うまでもない。
【0024】又、上記水滴を下方へ飛ばすための音域と音量の幅については、該音域としては騒音にならないようにすることを考慮すると、人の非可聴域の約20KHz以上が良く、又音量としては該水滴に圧力を加えるため、この圧力が小さいと該水滴を飛ばすことができない。上記のように、本発明の実施例では音圧レベルは上記小型高周波用スピーカへの入力により決まり音の高低とは基本的に無関係であることに着眼したものである。
【0025】例えば、上記の必要とする音量を160dBとして、その必要な圧力Pを検討すると、160=20・logP/2×10-5P=2000Pa=2000N/m2 上記水滴の面積を0.2cm2 すると該水滴を押し流す力は、0.04・N→4・gfとなり、160dB程度以上は必要であると考えられる。
但し、dB: デシベルPa: パスカルN : ニュートンm : メートルgf: 重力単位(10-3kgf)
である。
【0026】本実施例は上記のように構成されているので、雨が降り上記ミラー部26に水滴が溜まると、上記のセンサ44が該水滴を感知してスイッチ40aを閉にするか、運転者が必要に応じてスイッチ40を閉にすると、発振器38から高周波電流がアンプ36に供給されて増幅され小型高周波スピーカ32の薄膜金属製のコーンスピーカ33に供給される。
【0027】この薄膜金属製のコーンスピーカ33は図1R>1のように、該ミラー部26の横幅に沿い該ミラー部26の下方向に向かって音波が伝播されので、該ミラー部26に滞留している水滴を上記音の圧力により下方に飛ばすことができる。従って、本実施例の場合には、従来に前記ワイパ方式のような腕部,払拭部の連続的に往復運動をしないので、該ミラー部26の外表面を100%使用することができ、視界を妨げられるものがなく、効果的なバックミラーを得ることができる。
【0028】又、上記ブロワ方式,振動方式のように、振動が発生したり、該装置全体が大型化することがない。次に、第2実施例について説明する。
(第2実施例)図3は本発明の第2実施例を示す上記高周波発振装置30の概略回路図である。
【0029】上記第1実施例と同一部位には同一符号を付して説明する。図3に示すように、上記雨滴付着部材としてのミラー部26の滞留水滴の量を、例えばその水量や湿度等として検知するセンサ46を該ミラー部26に設け、該センサ46からの信号は上記高周波電流の振幅を変えるための制御装置48を介してアンプ36へ供給されるものである。
【0030】この制御装置48はアンプ36の中に一体に組み込まれたものであっても良い。尚、上記センサ44,46は両者が一体の互いに兼用するセンサでもよい。本実施例は上記のように構成されているので、雨が降り上記水滴が滞留し始めるとセンサ44,46が感知してスイッチ40aに信号が入力され閉じると共に、センサ46からの該水滴量に応じた信号が制御装置48に入力される該信号に応じてアンプ36において、上記の発振器38からの高周波電流の振幅が変えられ、該小型高周波用スピーカ34へ入力されるものである。
【0031】従って、発振器38からの高周波電流の振幅を、制御装置48により小雨,大雨等に対応した振幅に変えることにより、小型高周波用スピーカ34へ入力の大きさを変えて、上記水滴にかかる圧力を変えることにより、上記小雨時や大雨時などに的確に、且つ効果的に素早く除去せしめることができる。又、制御装置48により上記入力電流が制御されるので消費電流を節減することができる。
【0032】又、図示しないが、任意の公知の例えば変速機の車速取出口や種々のセンサ等により、車速,走行風力,風向き等を検知して、図3に示すように、制御装置48に入力し、上記車速,走行風力,風向き等の大きさに応じて上記のように、発振器38からの高周波電流の振幅を変えることにより、小型高周波用スピーカ34への入力の大きさを変え、更に効果的な上記水滴除去を達成することがきる。
【0033】又、本実施例では高周波としたのは、低周波とすると低い音は大口径のスピーカとなるので、これを防止するため、小口径の小型の高周波用スピーカにせしめて上記高周波発振装置をコンパクトに構成できる効果を狙ったものである。上記実施例に使用される音は、人の可聴域外のものを使用しているので、騒音公害の虞もなく、若し該音が多少可聴できる場合があったとしても、車両の搭乗者への影響は、上記高周波は指向性が強い範囲であるので、該音波が該搭乗者に届く虞がない。
【0034】上記実施例ではバックミラーに適用した場合について説明したが、前記した窓,戸,ショーウインド等のガラス、車両の照明具のプラグを覆うレンズ等を雨滴付着部材とし、その表面の上部や側部等に上記高周波発生装置を上記と同様に設けても、上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】上述の請求項1の本発明の水滴除去装置よれば、車両の車外に取付られたミラーのミラー部、車両や建築物の室内と室外を限界する窓,戸,ショーウインド等のガラス、車両の車外に取付られる前照灯,フオグランプ等の照明具のブラグを覆うレンズ等の雨滴付着部材において、上記雨滴付着部材の上部又は側部の少なくともいずれか一方に設けられる高周波発生装置の高周波用スピーカを備えているので、上記高周波用スピーカを作動することにより音圧で上記ミラー部又ガラスに滞留している水滴を下方へ効果的に押し流すことができる。
【0036】又、本実施例では高周波としたのは、低周波とすると低い音は大口径の高周波用スピーカとなるので、これを防止するため、小口径の小型の高周波用スピーカにせしめて上記高周波発振装置をコンパクトに構成できる効果を狙ったものである。又、前記従来のワイパ方式のように腕部や払拭部が該上記ミラー部又はガラスの該表面を連続的に往復運動をして視界を妨害されないので、該視界を実質的に向上させることができる。
【0037】請求項2記載の本発明の水滴除去装置によれば、請求項1記載の構成において、上記高周波発生装置は高周波電流を発振する発振器,該発振器からの高周波電流を増幅するアンプ,該アンプからの高周波電流を音波に変える高周波用スピーカとを有する高周波発生回路と、該高周波発生回路に接続される電源回路とを備えているので、高周波電流も容易に発振してアンプを介して該高周波用スピーカカから音波を上記ミラー部又はガラスの外表面全体の下方へ押し流すことができる。
【0038】上記のように高周波用スピーカなので、低周波用スピーカに比較して遙に小型であり、従来の空気を流すブロワ等にくらべ小型軽量であり、更に可動部分も少ないので耐久性も優れている。請求項3記載の本発明の水滴除去装置によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の構成において上記高周波発生装置を該高周波発生装置に接続されたスイッチ、又は上記雨滴付着部材に付着した水滴を検知するセンサからの信号の入力で開閉するスイッチにより作動させるようにしたので、手動で必要な時に上記高周波発生装置を作動することができると共に、上記センサの信号の入力により、自動的に上記高周波発生装置を作動することができる。
【0039】従って、人が必要な時に、必要な音波を発生させることができるので、電力を節減できると共に、上記水滴を除去し視認性を向上させることができる。請求項4記載の本発明の水滴除去装置によれば、請求項3記載の構成において、上記水滴の量を検知するセンサを上記雨滴付着部材に配設し、上記発振器からの高周波電流の振幅を該センサからの信号の入力により変える制御装置を設けたので、上記雨滴付着部材上の上記水滴量に対応した音圧を発生させて、上記水滴を除去することができる。
【0040】即ち、発振器38からの高周波電流の振幅を、制御装置48により小雨,大雨等に対応した振幅に変えることにより、高周波用スピーカ34へ入力の大きさを変えて上記水滴にかかる圧力を変えることにより、上記小雨時や大雨時などの上記水滴を効果的に素早く除去せしめることができる。従って、人が必要な時に、必要な音波を発生させることができるので、電力を節減できると共に、上記水滴を除去し視認性を向上させることができる。
【0041】請求項5記載の本発明の水滴除去装置によれば、上記高周波発生装置からの信号で作動する該高周波用スピーカからの音域は人の非可聴域にしたので、人に対して可聴音波にならない。従って、上記音波は環境に対して騒音となる虞もない。又、若し該音が多少可聴できる場合があったとしても、車両の搭乗者への影響は上記高周波の指向性が強い範囲であるので、該音波が該搭乗者に届く虞がない。
【0042】請求項6記載の本発明の水滴除去装置によれば、上記高周波用スピーカからの音量は略160dB以上に設定したので、上記音量の略160dBは上記雨滴付着部材の外表面上に滞留した水滴を下方へ押し流す力を発揮することができ、上記滞留した水滴を効果的に除去せしめ視界範囲を確実に確保することができる。請求項7記載の本発明の水滴除去装置によれば、請求項1〜6のいずれかに記載の構成において、上記高周波発生装置は上記ミラーのケース内部、上記の窓枠,戸枠等の車体内の内部、上記照明具の本体内部に収納されているので、全体構成とてコンパクトに形成することができ、車両の場合には走行抵抗とならず上記水滴を効果的に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す水滴除去装置付ミラーの概略説明図である。
【図2】図1の高周波発生装置の模式的に示した概略回路図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す水滴除去装置付ミラーの高周波発生装置の模式的な概略回路図である。
【符号の説明】
20 バックミラー
22 開口部
24 ケーシング
24a 上部
24b 側部
26 雨滴付着部材(ミラー部)
30 高周波発生装置
31a 高周波発生回路
34b 電源回路
32 高周波用スピーカ
33 薄膜金属性コーンスピーカ
34 小型高周波スピーカBOX
36 アンプ
38 発振器
40 スイッチ
40a スイッチ
42 電源
44 センサ
46 水滴量感知センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両の車外に取付られたミラーのミラー部、車両や建築物等の室内と室外を限界する窓,戸,ショーウインド等のガラス、車両の車外に取付られる前照灯,フオグランプ等の照明具のプラグを覆うレンズ等の雨滴付着部材において、上記雨滴付着部材の外表面の上部又は側部の少なくともいずれか一方に設けられる高周波発生装置の高周波用スピーカを備えたことを特徴とする、水滴除去装置。
【請求項2】 上記高周波発生装置は高周波電流を発振する発振器,該発振器からの高周波電流を増幅するアンプ,該アンプからの高周波電流を音波に変える高周波用スピーカとを有する高周波発生回路と、該高周波発生回路に接続される電源回路とを備えたことを特徴とする、請求項1記載の水滴除去装置。
【請求項3】 上記高周波発生装置を該高周波発生装置に接続されたスイッチ、又は上記雨滴付着部材に付着した水滴を検知するセンサからの信号の入力で開閉するスイッチにより作動させるようにしたことを特徴とする、請求項1又は2記載の水滴除去装置。
【請求項4】 上記水滴の量を検知するセンサを上記雨滴付着部材に配設し、上記発振器からの高周波電流の振幅を該センサからの信号の入力により変える制御装置を設けたことを特徴とする、請求項3記載の水滴除去装置。
【請求項5】 上記高周波発生装置からの信号で作動する高周波用スピーカからの音域は人の非可聴域にしたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の水滴除去装置。
【請求項6】 上記高周波用スピーカからの音量は略160dB以上に設定したことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の水滴除去装置。
【請求項7】 上記高周波発生装置は上記ミラーのケーシング内部、上記の車両や建築物等の室内と室外を限界する窓,戸,ショーウインド等のガラス支持枠の内部、上記照明具の本体内部に収納されたことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の水滴除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開平8−295204
【公開日】平成8年(1996)11月12日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−106147
【出願日】平成7年(1995)4月28日
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)