水田作業機
【課題】各種子供給装置における播種ミスの有無を精度よく検出できるようにし、かつ走行機体の左右傾斜の有無にかかわらず良好な点播精度で播種作業できるようにする。
【解決手段】種子タンク32に貯留された種子を駆動回転自在な繰出し回転体52によって設定量ずつ間欠的に繰出して圃場に向けて落下させる種子供給装置Aの複数を走行機体横方向に並べて備える作業部Sを、走行機体の後部に走行機体前後向きのローリング軸芯Xまわりにローリング自在に連結してある。複数の種子供給装置Aのそれぞれにおける繰出し回転体52の配置高さをローリング軸芯Xの配置高さにほぼ等しく設定してある。複数の種子供給装置Aのそれぞれが繰出し回転体52からの種子を圃場に向けて落下させるように備える落下供給路における種子の落下を検出する光学式センサ90を設けてある。
【解決手段】種子タンク32に貯留された種子を駆動回転自在な繰出し回転体52によって設定量ずつ間欠的に繰出して圃場に向けて落下させる種子供給装置Aの複数を走行機体横方向に並べて備える作業部Sを、走行機体の後部に走行機体前後向きのローリング軸芯Xまわりにローリング自在に連結してある。複数の種子供給装置Aのそれぞれにおける繰出し回転体52の配置高さをローリング軸芯Xの配置高さにほぼ等しく設定してある。複数の種子供給装置Aのそれぞれが繰出し回転体52からの種子を圃場に向けて落下させるように備える落下供給路における種子の落下を検出する光学式センサ90を設けてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種子タンクに貯留された種子を駆動回転自在な繰出し回転体によって設定量ずつ間欠的に繰出して圃場に向けて落下させる種子供給装置の複数を走行機体横方向に並べて備える作業部を、走行機体の後部に連結した水田作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した水田作業機として、従来、たとえば特許文献1,2に記載されたものがあった。
特許文献1に記載された水田作業機では、乗用走行機体の後部に昇降リンク機構を介して播種装置が連結されている。播種装置の前部に、昇降リンク機構の後端に連結される縦長の連結枠が備えられ、連結枠の下端ボスに主フレームが前後向き軸芯まわりにローリング自在に連結支持されている。主フレームに、種子タンクとしてのホッパが支持され、ホッパの下端部に、種子供給装置としての繰出し機構が装備されている。繰出し機構は、繰出し回転体としての繰出しロールを備えている。
【0003】
特許文献2に記載されたものでは、走行車体の後方に昇降リンク装置を介して播種装置が設けられている。昇降リンク装置の上リンク及び左右一対の下リンクの後端部に連結枠が枢結され、連結枠に、播種装置の基部フレームに回転自在に支承されたローリング軸の前端部が連結されている。繰出しロールを備えた種子繰出し部と種子放出部とを接続する接続ブーツに顆粒物用通路が形成され、顆粒物用通路に光学式の顆粒物検出センサが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−209260号公報
【特許文献2】特開2004−105104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した水田作業機において、繰出し回転体によって繰出された種子を圃場に供給するように繰出し回転体から圃場に至る落下供給路が長くなれば、繰出し回転体による種子の繰出しが間欠的であるにもかかわらず、繰出し回転体から纏めて排出された設定量の種子が落下供給路で分散し、圃場に種子が走行機体の進行方向に分散して落下しがちになる。
【0006】
本発明の目的は、各種子供給装置における播種ミスの有無を精度よく検出できるのみならず、走行機体の左右傾斜の有無にかかわらず良好な点播精度で播種作業を行なうことができる水田作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明は、水田作業機であって、
種子タンクに貯留された種子を駆動回転自在な繰出し回転体によって設定量ずつ間欠的に繰出して圃場に向けて落下させる種子供給装置の複数を走行機体横方向に並べて備える作業部を、走行機体の後部に走行機体前後向きのローリング軸芯まわりにローリング自在に連結し、
前記複数の種子供給装置のそれぞれにおける前記繰出し回転体の配置高さを前記ローリング軸芯の配置高さに等しく又はほぼ等しく設定し、
前記複数の種子供給装置のそれぞれが前記繰出し回転体からの種子を圃場に向けて落下させるように備える落下供給路における種子の落下を検出する光学式センサを設けてある。
【0008】
本第1発明の構成によると、走行機体に対する作業部の自由ローリングあるいはローリング制御を行わせ、走行機体に左右傾斜が発生しても、作業部が走行機体横方向で水平又は水平に近い姿勢に維持されるようにできる。ローリング軸芯は、作業部がローリングした場合の作業部の走行機体に対する走行機体横方向での位置ずれを抑制するなどのために極力低い対地高さに配置するものであり、複数の種子供給装置のそれぞれにおける繰出し回転体の配置高さをローリング軸芯の配置高さに等しく又はほぼ等しく設定したものであるから、複数の種子供給装置のそれぞれにおける繰出し回転体から圃場に至る落下供給路を極力短く設定することができ、かつ走行機体に左右傾斜が発生した場合でも、作業部の走行機体に対するローリングによって繰出し回転体が余り対地上昇しなくて、複数の種子供給装置のそれぞれにおける落下供給路を極力短いままの状態になっているようにできる。
落下供給路における種子の落下を検出する光学式センサを設けたものだから、繰出し回転体から間欠的に設定量ずつ纏めて排出される種子がその纏まり状態で落下供給路を圃場に落下するように、落下供給路を落下する種子に落下抵抗を付与しないで落下供給路における種子の落下を検出することができる。落下供給路を種子が纏まり状態で落下することにより、光学式センサによる検出を行なわせやすい。
【0009】
従って、各種子供給装置における落下供給路における種子の落下を光学式センサによって検出して各種子供給装置に播種ミスが発生していないか否かを精度よく検出することができるものでありながら、走行機体の左右傾斜が発生していない場合においても発生した場合においても、各種子供給装置における落下供給路が極力短いものになっており、各種子供給装置によって供給される種子が圃場に点状に落下するように良好な点播精度で播種することができる。
【0010】
本第2発明は、前記落下供給路を形成する筒状体を、前記繰出し回転体を収容する繰出しケースに対して脱着自在に構成し、前記光学式センサを前記繰出しケースに対して前記筒状体と共に脱着されるように前記筒状体に取り付けてある。
【0011】
本第2発明の構成によると、筒状体を繰出しケースに対して脱着すれば、光学式センサを筒状体と共に繰出しケースに対して脱着できる。
【0012】
従って、光学式センサを取り外して清掃や点検するなどの作業を行うに当り、筒状体と光学式センサの取り外し及び付け戻しを一挙に行なって楽にできる。
【0013】
本第3発明は、前記繰出し回転体を、繰出し凹部が周面に設けられた繰出しロールによって構成し、前記光学式センサを支持して、前記落下供給路を形成する筒状体の内面側に取付けられるセンサ支持体の上部を、上細り形状に形成して、前記繰出し回転体を収容する繰出しケースの壁部と前記繰出し回転体の間に入り込ませてある。
【0014】
本第3発明の構成によると、繰出し回転体の周辺に飛散した種子がセンサ支持体の上に落下しても、センサ支持体の上部の上細り形状によってセンサ支持体から滑落してセンサ支持体の上に載ったままにならないようにできる。
センサ支持体の上部が繰出しケースの壁部と繰出し回転体の間に入り込でいることにより、光学式センサを、繰出し回転体に極力近付けて、繰出し回転体から落下した距離がまだわずかで散り乱れがない状態の種子に検出作用するようにできる。
【0015】
従って、筒状体の内部に光学式センサを設けるものでありながら、種子がセンサ支持体の上に溜まってセンサ支持体と繰出し回転体の間に詰まるなどのトラブルが発生することを回避でき、また、そのための上細り形状を利用して繰出し回転体からの落下距離がわずかな種子に光学式センサを検出作用させて検出を精度よく行なわせることができる。
【0016】
本第4発明は、前記繰出し回転体を収容する繰出しケースに点検用開口を、前記繰出し回転体に対して前記光学式センサを構成する受光部が位置する側とは反対側に配置して設けてある。
【0017】
本第4発明の構成によると、点検用開口から繰出しケースの内部を清掃や点検する作業が行われる際、受光部に触れて汚れや傷が付けられることを回避しやすい。
【0018】
従って、繰出しケースの内部点検などの作業を点検用開口から行なうことができるのみならず、受光部に汚れや傷を付けてしまうトラブルを起こしにくくて、全体として楽に作業を行なうことができる。
【0019】
本第5発明は、前記繰出しケースの外部から前記点検用開口を介して前記落下供給路に向かう光が前記受光部に到達することを防止する遮光部を設けてある。
【0020】
本第5発明の構成によると、点検用開口から繰出しケースの内部に落下経路に向けて光が入っても、遮光部によって遮光されて受光部に到達しにくく、点検用開口からの光による光学センサの誤作動を回避しながらテスト検出などを行なわせることができる。
【0021】
従って、繰出しケースの内部点検などの作業を点検用開口から簡便に行なうことができるのみならず、点検用開口を開けたままでのテスト検出などを精度よく行なわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】水田作業機の全体を示す側面図である。
【図2】作業部の全体を示す後面図である。
【図3】作業部の全体を示す平面図である。
【図4】作業部の一部を示す側面図である。
【図5】作業部の一部を示す後面図である。
【図6】種子供給装置を示す縦断側面図である。
【図7】種子供給装置の一部を示す縦断後面図である。
【図8】繰出しケースのメンテナンス要領を示す説明図である。
【図9】筒状体及び光学式センサの取り外し状態を示す縦断側面図である。
【図10】(a)は、繰出し量が最少量に調節された状態で種籾が落下する部位と光学式センサの検出域との関係を示す説明図、(b)は、繰出し量が最多量に調節された状態で種籾が落下する部位と光学式センサの検出域との関係を示す説明図である。
【図11】センサ支持体、投光部及び受光部の全体を示す斜視図である。
【図12】報知装置の制御系を示すブロック図である。
【図13】受光部の受光構造を構成する条件を示す説明図である。
【図14】第2実施構造を備えた種子供給装置を示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
〔第1実施例〕
図1は、本発明の実施形態に係る水田作業機の全体を示す側面図である。この図に示すように、水田作業機は、左右一対の操向操作及び駆動自在な前車輪1,1と左右一対の駆動自在な後車輪2,2とによって自走する自走車と、この自走車の車体フレーム3の後部にリンク機構Lを介して連結された作業部Sと、自走車の車体後部に配置された肥料タンク71を有する施肥装置Cとを備えて構成してある。
【0025】
自走車は、車体前部に設けたエンジン5を備え、このエンジン5が出力する駆動力を車体前部に位置するミッションケース6に入力し、このミッションケース6に入力した駆動力をミッションケース6の内部に位置する走行ミッションから前輪駆動ケース7に伝達して左右一対の前車輪1,1を駆動し、ミッションケース6に入力したエンジン5からの駆動力を前記走行ミッションから回転軸8を介して車体後部に位置する後輪駆動ケース9に伝達して左右一対の後車輪2,2を駆動する。自走車は、車体後部に位置する運転座席4aを有した運転部4を備え、この運転部4に搭乗して運転するように乗用型になっている。自走車は、前記ミッションケース6に入力したエンジン5からの駆動力を、ミッションケース6の内部に位置する作業ミッションから車体フレーム3の下方に位置する回転軸11と、この回転軸11の後端部から車体後方向きに延出する伝動軸12とを介して作業部Sの駆動機構Dの入力軸42(図4参照)に伝達する。
【0026】
図2は、作業部Sの全体を示す後面図である。図3は、作業部Sの全体を示す平面図である。図4は、作業部Sの一部を示す側面図である。図5は、作業部Sの一部を示す後面図である。これらの図及び図1に示すように、作業部Sは、リンク機構Lにおける後部リンク17の下端部に前端部が連結された作業部フレーム25と、作業部フレーム25の下部に車体横方向に並べて取り付けられた4つの接地フロート20と、作業部フレーム25が備える支持フレーム26に車体横方向に並べて取り付けられた6つの種子供給装置Aと、作業部フレーム25が備える支柱66に取り付けられた薬剤散布装置Bと、作業部フレーム25の前部に装着された左右一対の作溝体F,Fとを備えている。
【0027】
リンク機構Lは、車体フレーム3の後部から後方向きに上下揺動自在に延出する上部リンク15及び下部リンク16と、上部リンク15と下部リンク16の後端部に連結された後部リンク17を備えている。後部リンク17には、作業部フレーム25が連結されており、リンク機構Lは、車体フレーム3と後部リンク17に亘って連結された油圧シリンダ13によって車体フレーム3に対して上下に揺動操作されて、作業部Sを、4つの接地フロート20が圃場に接地した下降作業位置と各接地フロート20が圃場から上昇した上昇非作業位置とに昇降操作する。
【0028】
水田作業機は、作業部Sを下降作業位置に下降させて自走車を走行させると、6つの種子供給装置Aによって稲の種籾であって、鉄コーティング処理が施された鉄コーティング種籾a(以下、単に種籾aと呼称する)を6条供給で圃場に供給する播種作業と、施肥装置Cによって6条の種籾aに対する肥料供給を行なう施肥作業と、薬剤散布装置Bによって雑草防止などの薬剤を圃場に散布する薬剤散布作業と、左右一対の作溝体F,Fによって圃場に排水溝を形成する作溝作業とを行なう。各粉粒体供給装置Aによって供給される種籾aは、接地フロート20の通過によって整地された箇所に供給される。
【0029】
作業部フレーム25は、後部リンク17に車体前後向きのローリング軸芯Xまわりにローリング自在に連結されており、作業部Sは、自走車が左右に傾斜しても、接地フロート20の接地によって自走車に対してローリング軸芯Xまわりに自然にローリング(自由ローリング)して、車体横方向で水平又はほぼ水平な姿勢を維持する。
【0030】
作業部Sは、自走車に対してローリングした際、後部リンク17に設けたバネ支持部17aと作業部フレーム25に設けた左右一対のバネ掛け支柱27とに亘って連結された復元バネ28を伸長側に弾性変形させ、復元バネ28によって水平姿勢に復帰付勢される。
【0031】
施肥装置Cについて説明する。
図1〜5に示すように、施肥装置Cは、前記肥料タンク71を備える他、この肥料タンク71の下部に連設された肥料繰出し機構73、この肥料繰出し機構73の肥料排出部に送風管76を介して接続された電動ブロワ75を備えて構成してある。肥料繰出し機構73は、車体横方向に並んだ6つの肥料排出口(図示せず)を備えている。肥料繰出し機構73の各肥料排出口は、作業部Sの下部に車体横方向に並べて設けた6つの作溝施肥器77に各別に肥料供給ホース74を介して接続されている。肥料繰出し機構73は、走行トランスミッションからの駆動力を入力軸78によって入力して駆動される。
【0032】
施肥装置Cは、肥料タンク71に貯留された粒状の肥料を肥料繰出し機構73によって肥料タンク71から各肥料排出口に繰出し、各肥料排出口に繰出した肥料を電動ブロワ75によって供給される搬送風によって肥料供給ホース74を介して作溝施肥器77に供給する。6つの作溝施肥器77は、各種子供給装置Aが備える筒状体56のやや横側でかつやや前側に一つずつ位置するように配置してある。各作溝施肥器77は、種子供給装置Aが筒状体56から圃場に供給する種籾aの横側近くで圃場に溝を形成し、形成した溝に肥料供給ホース74からの肥料を供給する。
【0033】
薬剤散布装置Bについて説明する。
図1,2に示すように、薬剤散布装置Bは、前記支柱66の上端部に散布機ケースが連結された電動散布機62と、電動散布機62の上部に取付けられた薬剤タンク61とを備えて構成してある。電動散布機62は、散布機ケースの内部に駆動回転自在に設けられた繰出し皿63及び回転散布体64を備え、薬剤タンク61に貯留された薬剤を、繰出し皿63及び回転散布体64によって散布機ケースの外部に飛散させて、各種子供給装置Aによって種籾aが供給された後の圃場に散布する。
【0034】
種子供給装置Aについて説明する。
6つの種子供給装置Aは、同じ構造を備えるよう構成されている。図1,2,4,5に示すように、種子供給装置Aは、種子タンク32の底部に形成されたロート部32aに上端部が連結された繰出しケース51、及び繰出しケース51の下端部に装着された筒状体56を備えて構成してある。作業部左側の3つの種子供給装置Aのための種子タンク32及び作業部右側の3つの種子供給装置Aのための種子タンク32のそれぞれは、対応する3つの種子供給装置Aに共用の一つのタンクに構成されている。
【0035】
図6は、種子供給装置Aを示す縦断側面図である。図7は、種子供給装置Aを示す縦断後面図である。これらの図及び図4,5に示すように、繰出しケース51は、作業部フレーム25における支持フレーム26に連結ボルト21によって脱着自在に連結された連結部51dを有した前壁部51aと、点検用開口108を有した後壁部51bと、回転体支持部51eを有した左右一対の横壁部51c,51cとを樹脂素材で一体成形した状態で備えて構成してあり、樹脂製の上下向きの筒状になっており、上側で粉粒体タンク32のロート部32aに連通し、下側で筒状体56に連通している。点検用開口108は、蓋体107の脱着によって開閉される。
【0036】
図6,7に示すように、繰出しケース51の内部に、点検用開口108と同じ配置高さに位置する繰出しロール形の繰出し回転体52、繰出し回転体52の上側に繰出し回転体52の周方向に分散させて配置した一対の摺り切り体53,54、一対の摺り切り体53,54のうちの繰出し回転体回転方向下手側に位置する下手側の摺り切り体54のブラシ部54aに対して繰出し回転体回転方向下手側に位置する箇所に繰出し回転体52の周面52sに沿わせた配置した繰出しガイド80、繰出し回転体52の上方に配置した流下案内板57を設けてある。
【0037】
繰出し回転体52は、圃場に対して極力近い箇所から種籾aを落下させるように、ローリング軸芯Xの配置高さにほぼ等しい配置高さに配置した状態で、回転支軸59、及び回転支軸59と左右一対の横壁部51c,51cの回転体支持部51eの間に介装されたボス部材51fを介して左右一対の横壁部51c,51cに回転自在に支持されている。繰出し回転体52は、回転支軸59の車体横向き軸芯で成る回転軸芯Pまわりに回転支軸59によって回転方向F(図6参照)に回転駆動される。繰出し回転体52の周面52sに、4つの繰出し凹部58を繰出し回転体52の回転方向Fに所定間隔を隔てて並ぶ配置で設けてある。
【0038】
一対の摺り切り体53,54のうちの繰出し回転体回転方向上手側に位置する上手側の摺り切り体53と繰出しケース51の内側に一体成形した壁体51gとにより、繰出し回転体52の繰出し凹部58に対する種籾供給を行なう供給スペース50を繰出し回転体52の上端側の上方に繰出し回転体52の周面52sに臨ませた状態で形成してある。
【0039】
流下案内板57は、傾斜姿勢の案内面57aを備え、種子タンク32に貯留され、ロート部32aの底部内に装着された格子体45の種子流通孔から流下した種籾aを、案内面57aによって一対の摺り切り体53,54の間には流下しないで供給スペース50に流下するように案内する。
【0040】
繰出しガイド80は、繰出し回転体52の周面52sに沿って位置する案内部81及び案内部81の下端側に連なる連結部82を備え、下流側の摺り切り体54のブラシ支持部54bから下方向きに延出された支持体70の下端部に連結部82で支持されている。繰出しガイド80は、繰出し回転体52の繰出し凹部58に入り込んで繰出し回転体52の下端側に設置してある排出箇所Zに移動する種籾aに対して案内部81によって案内作用する。すなわち、繰出しガイド80は、繰出し凹部58が下手側の摺り切り体54のブラシ部54aを通過してから排出箇所Zに至るまでは、繰出し凹部58が横向きや下向きになっても種籾aが繰出し凹部58からこぼれ出ないで繰出し凹部58に滞留し、繰出し凹部58が排出箇所Zに到達して下向きになると、種籾aが繰出し凹部58から落下して排出されるように種籾aに対して案内作用する。
【0041】
図6に示すように、上流側の摺り切り体53は、流下案内板57の下端部に支持されたブラシ支持部53bと、このブラシ支持部53bに植設されたブラシ部53aとを備えて構成してある。下流側の摺り切り体54は、繰出しケース51に回転支軸72を介して支持されるブラシ支持部54bと、このブラシ支持部54bに植設されたブラシ部54aとを備えて構成してある。一対の摺り切り体53,54は、繰出し回転体52の繰出し凹部58に入り込んだ種籾aに対してブラシ部53a,54aによって摺り切り作用する。
【0042】
従って、種子供給装置Aは、回転支軸59の一端部に一体回転自在に設けた駆動ギヤ86に駆動機構Dによって動力伝達されて回転支軸59が回転駆動されることにより、繰出し回転体52を回転支軸59によって回転方向Fに駆動し、種子タンク32に貯留された種籾aを回転する繰出し回転体52によって供給スペース50を介して、繰出し凹部58の容積によって設定される設定量ずつ間欠的に繰出し、繰出し回転体52が繰出した種籾aを圃場に落下させて点播供給の形態で供給する。
【0043】
つまり、種子タンク32に貯留され、ロート部32aに装着された格子体45の種子流通孔から流下した種籾aを、流下案内板57による流下案内によって供給スペース50に流下させて滞留させる。繰出し回転体52を回転方向Fに駆動することにより、各繰出し凹部58が供給スペース50と排出箇所Zの間を移動する。繰出し凹部58は、供給スペース50に位置すると、供給スペース50の種籾aを流入させて収容する。種籾aを収容した繰出し凹部58は、上手側及び下手側の摺り切り体53,54のブラシ部53a,54aを通ってブラシ部53a,54aによる摺り切り作用を受け、この後、繰出しガイド80が位置する移動経路を下降移動する。このとき、繰出し凹部58が横向きや下向きになっても、繰出しガイド80の案内部81による種籾aに対する案内作用によって種籾aが繰出し凹部58からこぼれ出ない。繰出し凹部58が排出箇所Zに至ると、繰出し凹部68が下向きになるとともに繰出しガイド80の案内部81による案内作用が解除され、繰出し凹部58に収容されていた種籾aが繰出し凹部58から筒状体56の内部に落下する。繰出し凹部58から落下した種籾aは、筒状体56が形成している落下供給路88を、風を受けて分散しないように筒状体56によって防風されながら落下して、作溝施肥器77よりもやや後側でかつやや横側で圃場に落下する。
【0044】
下流側の摺り切り体54は、回転支軸72を介して繰出しケース51に揺動操作自在に支持されている。図8は、繰出しケース51の内部のメンテナンス要領を示す説明図である。この図に示すように、繰出しケース51の外部に配置して回転支軸72の端部に取り付けてある開閉レバー100によって回転支軸72を回転操作することにより、摺り切り体54及び繰出しガイド80を開放姿勢に切換えることができ、繰出し回転体52の外周側に排出経路101を形成したり、繰出し回転体52の周面52sを点検用開口108に向けて開放できる。繰出し回転体52の外周側に排出経路101を形成すれば、粉粒体タンク32に残留した種籾aを、排出経路101を介して筒状体56の内部に排出することができる。
【0045】
図7に示すように、繰出し回転体52は、4つの繰出し凹部58が設けられた繰出し回転体本体52aと、4つの繰出し凹部58に各別に係入する4つのバー形の容量設定部58aが設けられた容量調整体52bとを備えて構成してある。容量調整体52bの内周側に設けてある操作ネジ部が、回転支軸59に相対回転自在に外嵌している調整筒軸59aの外周側に設けた送りネジ部59bに係合している。容量調整体52bは、繰出しケース51の外部に配置して調整筒軸59aの端部に一体回転自在に設けてある調節ダイヤル59cによって調節筒軸59aが回転操作されることにより、送りネジ部59bによる送り作用によって繰出し回転体本体52aに対して繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向に摺動調節されて各容量設定部58aを繰出し凹部58に対して出退させ、各繰出し凹部58に対する容量設定部58aの係入量を変更する。これにより、繰出し回転体52の各繰出し凹部58の容量及び開口面積が変更され、繰出し回転体52の各繰出し凹部58による種籾aの繰出し量を変更できる。
【0046】
図5,6,7に示すように、6つの種子供給装置Aのそれぞれの筒状体56の内側に、筒状体56によって形成されている落下供給路88における種籾aの落下を検出する光学式センサ90を取り付けてある。図12に示すように、各種子供給装置Aに設けた光学式センサ90を制御装置110に連係させるとともに、この制御装置110を報知装置111に連係させてある。報知装置111は、運転部4の運転パネルに設置してある。
【0047】
制御装置110は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、報知制御手段112を備えている。報知制御手段112は、6つの光学式センサ90による検出情報を基に、6つの種子供給装置Aのそれぞれが播種状態であるか否かを判断し、判断結果を基に報知装置111を作動させる制御を実行する。報知制御手段112は、光学式センサ90が検出状態になった後に非検出状態に切り換っても、検出状態になってから所定時間内に次の検出状態になった場合、所定時間を継ぎ足して報知装置111を作動させるように、検出時間が短くても、マイクロコンピュータの処理ルーチン内に検出できるようにしてある。
【0048】
報知装置111は、6つの種子供給装置Aのそれぞれに設けてある光学式センサ90による検出情報に基づく報知制御手段112による作動制御によって作動し、6つの種子供給装置Aのそれぞれが播種の実行状態と停止状態のいずれにあるかを報知して作業者に認知を促す。
【0049】
種子供給装置Aの繰出し部としての繰出し回転体52が駆動されていない検出と、粉粒体存否センサとしての光学式センサ90の検出が同時検出状態であると、光学式センサ90の投受光部91,95が汚れていると判断し、作業者に報知するよう構成すると、光学式センサ90の適切なメンテナンス時期を知ることができる。
【0050】
光学式センサ90について説明する。
6つの種子供給装置Aに設けた光学式センサ90は、同じ構造を備えて構成してある。図6,7に示すように、光学式センサ90は、落下供給路88を挟む配置で筒状体56の上端部の内側に支持させた投光部91と受光部95を備えて構成してある。
【0051】
投光部91及び受光部95は、筒状体56の上端部の内側に取り付けた一つのセンサ支持体120の両端側に振り分けて取り付けてある。
【0052】
投光部91は、落下供給路88及び繰出し回転体52に対して点検用開口108が位置する側に配置してある。受光部95は、点検用開口108から繰出しケース内のメンテナンス作業が行なわれる際に触れられることを防止するように、落下供給路88及び繰出し回転体52に対して点検用開口108が位置する側とは反対側に配置してある。
【0053】
図11は、センサ支持体120、投光部91及び受光部95を示す斜視図である。この図及び図6に示すように、投光部91は、センサ支持体120が備える一対のセンサケース部121,121の一方に収容される矩形の制御基板92と、この制御基板92の表面側に繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向に並べて設けた3個の投光素子93とを備えて構成してある。受光部95は、一対のセンサケース部121,121の他方に収容される矩形の制御基板96と、この制御基板96の表面側に繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向に並べて設けた3個の受光素子97とを備えて構成してある。3個の投光素子93と3個の受光素子97は、3個の投光素子93によって照射される3本の検出光が3個の受光素子97に各別に向かう配置関係になっている。
【0054】
センサ支持体120は、落下供給路88を挟んで位置する一対のセンサケース部121,121と、落下供給路88を挟んで位置する状態で一対のセンサケース部121,121を連結する一対の板状の連結部122,122とを樹脂材によって一体成形した状態で備えて構成してある。センサ支持体120は、樹脂製になり、かつ落下供給路88を全周に亘って囲う環状形状になっている。
【0055】
一対のセンサケース部121,121のそれぞれは、落下供給路88に向かう前壁123と、連結部122が連結している左右一対の横壁124,124と、前壁123及び各横壁124の上端に連なる上壁125と、前壁123及び各横壁1124の下端に連なる下壁126とを備えて構成してある。各センサケース部121は、投光部91、受光部95の出し入れを行なう開口の両側に分かれて位置する一対の係止爪127,127を備え、一対の係止爪127,127によって制御基板92,96を脱着自在に係止する。投光部91を収容するセンサケース部121の前壁123に投光孔128を形成し、受光部95を収容するセンサケース部121の前壁123に受光孔129を形成してある。図8に示すように、各センサケース部121は、投光孔128や受光孔129を覆って投光素子93や受光素子97を保護する透明の保護プレート130、及び、前壁123と制御基板92,96の間に介装されたスペーサ131を収容している。
【0056】
従って、光学式センサ90は、落下供給路88における種籾aの落下を次の如く検出する。
投光部91が制御基板92による投光制御によって3個の投光素子93のそれぞれから1本の検出光を、合計3本の検出光を、平面視で繰出し回転体52の回転軸芯Pに対して直交する方向で落下供給路88を横断するように照射する。投光部91からの検出光が落下供給路88を落下する種籾aに当たると、受光素子97が種籾aによる遮光によって投光部91からの検出光を受けず、非受光状態になる。投光部91からの検出光が種籾aに当たらなければ、あるいは、投光部91からの検出光が種籾aに当たっても、検出光が当たる種籾aの範囲が狭ければ、受光素子97が投光部91からの検出光を受けて、受光状態になる。受光部95が制御基板96による検出制御によって3個の受光素子97のそれぞれが非受光状態にあるか否かを判断し、3個の受光素子97のうちの少なくとも1つの受光素子97が非受光状態にあると判断した場合、光学式センサ90は、落下供給路88を種籾aが落下しているとの検出状態としての種籾存在の検出状態になる。受光部95が3個の受光素子97の全てが非受光状態ではないと判断した場合、光学式センサ90は、非検出状態になる。
【0057】
投光部91を収容するセンサケース部121の前壁123に、投光孔128の下方に配置した貫通孔129aを形成し、受光部95を収容するセンサケース部121の前壁123に、受光孔129の下方に配置した貫通孔128aを形成してあり、各センサケース部121,121を投光部用と受光部用に兼用できる。
【0058】
つまり、投光部91を収容するセンサケース部121は、投光素子93が制御基板92の上部に位置する取付け姿勢で投光部91を収容する。投光部91を収容するセンサケース部121に受光部95を収容する場合、受光素子97が制御基板96の下部に位置する取付け姿勢で受光部95を装着する。すると、投光部91を収容するセンサケース部121の貫通孔129aと受光素子97が合致し、貫通孔129aが受光孔になる。
受光部95を収容するセンサケース部121は、受光素子97が制御基板96の上部に位置する取付け姿勢で受光部95を収容する。受光部95を収容するセンサケース部121に投光部91を収容する場合、投光素子93が制御基板92の下部に位置する取付け姿勢で投光部91を装着する。すると、受光部95を収容するセンサケース部121の貫通孔128aと投光素子93が合致し、貫通孔128aが投光孔になる。
すなわち、繰出し回転体52に対して点検用開口108が位置する側に受光部95を配置する場合、貫通孔129aを受光孔として使用し、貫通孔128aを投光孔として使用する。
【0059】
繰出し回転体52に対して点検用開口108が位置する側とは反対側に受光部95を配置する場合において、投光素子93及び受光素子97をセンサケース部121の下部に配置するよう構成して実施してもよい。また、繰出し回転体52に対して点検用開口108が位置する側に受光部95を配置する場合において、投光素子93及び受光素子97がセンサケース部121の上部に配置するよう構成して実施してもよい。
【0060】
光学式センサ90(粉粒体存否センサ)は、連結部材としてのセンサ支持体120によって投光部91と受光部95が連結されてユニット化されている。光学式センサ90をケース部材としての筒状体56に対してユニット状態で組み付けることができる。投光部91と受光部95の相対位置決めが容易である。センサ支持体120を遮光部材として活用し、外乱光による誤検出を防ぐことができ、筒状体56を透明にすることができる。センサ支持体120に配線溝を設けると、センサ支持体120をハーネスの取付け部材として兼用できる。
【0061】
非接触粉粒体存否センサとしての光学式センサ90を、スポット検出タイプの複数のセンサ素子(投光素子93及び受光素子97)を備えて構成するので、比較的低コストで、広いエリアをカバーできる。
【0062】
落下供給路88には、点播形態で播種するように種籾aが間欠的に通るのであり、正常時であっても落下供給路88に種籾aの落下途切れが発生する。報知制御手段112は、落下供給路88に発生する落下途切れの時間を設定経過時間として設定し、光学式センサ90が検出状態になると、光学式センサ90が検出状態になってから設定経過時間が経過するまでの間、光学式センサ90が検出状態にあると見なす信号処理の形態で光学式センサ90が検出状態にあるか否かを判断する。
【0063】
図10(a)は、各繰出し凹部58による繰出し量が最少量に調節された状態において繰出し回転体52からの種籾aが落下する落下供給路88の部位と、光学式センサ90の検出域90Wとの関係を示す説明図である。図10(b)は、各繰出し凹部58による繰出し量が最多量に調節された状態において繰出し回転体52からの種籾aが落下する落下供給路88の部位と、光学式センサ90の検出域90Wとの関係を示す説明図である。これらの図に示すように、各繰出し凹部58による繰出し量が最少量に調節された状態では、落下供給路88のうち、繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向(繰出し凹部58の容積を変更するよう容量調節体52bを摺動調節する方向)に落下供給路88を横断した方向での一部の部位であって、繰出し量が最多量に調節された場合よりも狭い部位88Bにおいて種籾aが落下する。各繰出し凹部58による繰出し量が最多量に調節された状態では、落下供給路88のうち、繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向(繰出し凹部58の容積を変更するよう容量調節体52bを摺動調節する方向)に落下供給路88を横断した方向での一部の部位であって、繰出し量が最少量に調節された場合よりも広く、かつ繰出し量が最少量に調節された場合の部位88Bを含んだ部位88Aにおいて種籾aが落下する。図10(a)、(b)に示す光学式センサ90の検出域90Wは、繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向(繰出し凹部58の容積を変更するよう容量調節体52bを摺動調節する方向)に落下供給路88を横断する方向での光学式センサ90の検出域である。
【0064】
図7は、繰出し凹部58による繰出し量が最少量に調節された状態での繰出し回転体52を示している。図7、図10(a)、(b)に示すように、繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向(繰出し凹部58の容積を変更するよう容量調節体52bを摺動調節する方向)に落下供給路88を横断する方向での光学式センサ90の検出域90Wを、繰出し凹部58による繰出し量が最多量に調節された状態において種籾aが落下する落下供給路88の繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向での部位88Aよりも小の部位であって、繰出し凹部58による繰出し量が最少量に調節された状態において種籾aが落下する落下供給路88の繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向での部位88Bに位置するよう設定するべく、投光素子93及び受光素子97を落下供給路88の繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向(繰出し凹部58の容積を変更するよう容量調節体52bを摺動調節する方向)での中心88Cに対して容量設定部58aが位置する側とは反対側に偏倚させてある。
【0065】
従って、光学式センサ90の検出域90Wを、落下供給路88のうちの繰出し量が最多量に調節された場合に種籾aが落下する部位88Aの全体に亘って位置するよう設定するに比して投光素子93及び受光素子97の数が少ない簡素な光学式センサ90を採用しながら、繰出し凹部58による繰出し量が最少量から最多量の全調節範囲のいずれの量に変更調節されても、繰出し回転体52から落下する種籾aに検出光を作用させて光学式センサ90による検出を確実に行なわせることができる。平面視で繰出し量調節方向と交差する方向に投受光部93,97をレイアウトしたので、種籾aに遠心力が作用しても検出域90wに種籾aが入りやすい。
【0066】
図13は、受光部95の受光構造を構成する条件を示す説明図である。この図に示すWは、検出域90Wの幅(以下、検出幅Wと称する。)であり、Daは、種子(種籾a)の径(以下、種子径Daと称する。)であり、97Dは、受光素子97の受光幅であり、97Pは、受光素子97の配列ピッチである。受光素子97の受光窓の1/3程度が種子によってふさがれると検知可能であると設定すると、
97D(受光幅)×1/3=97K(受光素子97のふさがれる幅)
97D(受光幅)+[Da(種子径)−97K(受光素子のふさがれる幅)]=97P(配列ピッチ)
検出幅Wをカバーするための最少の受光素子数をYとすると、
W(検出幅)<97P(配列ピッチ)×Y(受光素子数) となる。
【0067】
図7,8に示すように、筒状体56は、繰出しケース51の両横外側に振り分けて設けた一対の筒体連結手段135によって繰出しケース51に脱着自在に取り付けるようになっている。
【0068】
一対の筒体連結手段135のそれぞれは、筒状体56の上端部から横外側に向けて突設した連結突起136と、この連結突起136に対してフック部137a(図9参照)で係脱するように構成した状態で繰出しケース51の横外側に揺動操作自在に取り付けた連結アーム137とを備えて構成してある。
【0069】
図6,7,11に示すように、センサ支持体120は、センサ支持体120の外周側に設けられた一対の連結突起140と、筒状体56の上端部に上向きに開口するよう形成して設けられた一対の係止凹部141,141(図9参照)とを備えて構成したセンサ連結手段142によって筒状体56に取り付けられるようになっている。
【0070】
すなわち、一対の連結突起140,140が筒状体56の上方から係止凹部141に係入されることによってセンサ連結手段142が連結状態になり、一対のセンサケース部121,121の下端側及び一対の連結部122,122が筒状体56に内側に入り込むとともに入り込み量が設定量になるように一対の係止凹部141,141によって受け止め支持されて、センサ支持体120が筒状体56に対する所定の取り付け状態になり、光学式センサ90が筒状体56に取り付けられた状態になる。
【0071】
図9は、筒状体56及び光学式センサ90の取り外し状態を示す縦断側面図である。この図に示すように、筒状体56を、筒体連結手段135による繰出しケース51に対する連結が解除された状態にして下げ操作すると、筒状体56の上端側が繰出しケース51の連結筒部51hから抜け外れて、筒状体56が繰出しケース51から外れる。筒状体56が繰出しケース51から外れても、センサ連結手段142が連結状態になっていてセンサ支持体120が筒状体56と共に繰出しケース51から外れ、光学式センサ90が繰出しケース51から外れる。繰出しケース51から外れた状態の筒状体56からセンサ支持体120を引き上げ操作すると、センサ支持体120の一対の連結突起140,140が筒状体56の係止凹部141から抜け外れてセンサ連結手段142が解除状態になり、光学式センサ90を筒状体56から取り出すことができる。
【0072】
図8に示すように、繰出し回転体52に対して点検用開口108が位置する側とは反対側に位置するセンサ支持体120のセンサケース部121における上部121Uを、上細り形状に形成して繰出し回転体52の周面52sと繰出しケース51の前壁部51aとの間に入り込ませてある。上部121Uの繰出し回転体52に向かう面を、繰出し回転体52の周面52sに沿った傾斜面121aに形成してある。
従って、繰出し凹部58に収容された種籾aが排出箇所Zで繰出し凹部58から出ないでセンサケース部121の上方に付いて上がってから落下することがあり、落下した種籾aが上部121Uに落ちても上部121Uの傾斜面121aに沿って上部121Uと繰出し回転体52の周面52sの隙間を下降して上部121Uに堆積しない。また、光学式センサ90を繰出し回転体52に近付けて、繰出し回転体52から落下して離れた距離が小である種籾aに検出光が作用するように検出エリアを限定できる。また、受光素子97と受光孔129の隔離距離を大にして、外乱光の入射を防ぐことができる。
【0073】
投光部90を支持するセンサ支持体120のセンサケース部121の上部を、点検用開口108から落下供給路88に向かう光に対する遮光部121bになるように点検用開口108の下部に臨ませて、点検用開口108を開けても、繰出しケース51の外部の光が点検用開口108から受光部95の受光素子97に到達することが遮光部121bによって防止されるようにしてある。繰出し回転体52に対して点検用開口108と反対側に位置するセンサ支持体120の上部121Uが繰出し回転体52の周面52sと繰出しケース51の前壁部51aとの間に入り込んでいることにより、点検用開口108から入射する光を繰出し回転体52が遮光して、どの方向から光が入射しても常に受光部95が影になる。従って、点検用開口108を開けて試運転するなどの場合、光学式センサ90が外乱光を受けなくて誤作動しない。
【0074】
〔第2実施例〕
図14は、第2実施構造を備えた種子供給装置Aを示す縦断側面図である。第2実施構造を備えた種子供給装置Aでは、投光部91を繰出し回転体52及び落下供給路88に対して点検用開口108が位置する側とは反対側に配置してある。
【0075】
受光部95を繰出し回転体52及び落下供給路88に対して点検用開口208が位置する側に配置してあり、点検用開口108の蓋体107が内部目視のために透明又は半透明であっても、点検用開口108からの外乱光が受光部95に当らず、誤検出を防止できる。受光部95を点検用開口108の付近に配置してあり、点検用開口108から受光部95を清掃しやすい。受光部95を繰出し回転体52の回転方向上手側に配置してあり、繰出し回転体52の回転によって発生する埃が受光部95に付き難い。受光部95を繰出しガイド80の背面側に配置してあり、受光素子97及び投光素子93を繰出しガイド80の終端に極力接近させることができる。
【0076】
第2実施構造を備えた種子供給装置Aでは、センサケース部121における投光孔及び受光孔の配置の点において第1実施例に示した種子供給装置Aに設けたセンサ支持体120とは異なる構造を備えたセンサ支持体120を設けている。
【0077】
第2実施構造を備えた種子供給装置Aにおいて、投光素子93及び受光素子97をセンサケース部121の下部に配置するよう構成して実施してもよい。
【0078】
〔別の実施形態〕
(1)上記した実施例では、繰出し回転体52の配置高さをローリング軸芯Xの配置高さにほぼ等しく設定した例を示したが、ローリング軸芯Xの配置高さに等しく設定して実施してもよい。
【0079】
(2)上記した実施例では、投光部91及び受光部95を繰出しケース51及び筒状体56に対して脱着自在に構成した例を示したが、投光部91及び受光部95を繰出しケース51や筒状体56に一体形成して実施してもよい。この場合、投光部91と受光部95の相対位置決めが容易となる。
【0080】
(3)上記した実施例では、ロール形の繰出し回転体52を採用した例を示したが、上下向き軸芯まわりで回転駆動される目皿形の繰出し回転体を採用して実施してもよい。
【0081】
(4)上記した実施例では、平面視で繰出し回転体52の回転軸芯Pに対して直交する方向に検出光を照射する例を示したが、回転軸芯Pに対して直交するのではなく、回転軸芯Pに対して交差する方向に検出光を照射するように構成して実施してもよい。また、平面視で繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向に検出光を照射するよう構成して実施してもよい。
【0082】
(5)上記した実施例では、3本の検出光を照射する例を示したが、4本など、3本以外の検出光を照射するよう構成して実施してもよい。
【0083】
(6)上記した実施例では、光学式センサ90の検出域90Wを落下供給路88のうちの繰出し量が最多量に調節された場合に種籾aが落下する部位88Aよりも小の部位に位置するよう設定した例を示したが、繰出し量が最多量に調節された場合に種籾aが落下する部位88Aの全体にわたって位置するよう設定して実施してもよい。
【0084】
(7)上記した実施例では、走行機体に対して作業部Sが自由ローリングする例を示したが、走行機体の左右傾斜を検出する傾斜検出センサ、及び作業部Sをローリング操作する駆動機構を備え、傾斜検出センサによる検出結果を基に作業部Sがローリング制御されるよう構成して実施してもよい。
【0085】
(8)上記した実施例では、6条供給の形態で種籾aの供給を行なう例を示したが、4条供給や8条供給など、6条以外の条数での供給形態で種籾aを供給するように構成して実施してもよい。
【0086】
(9)上記した実施例では、鉄コーティング処理が施された種籾aの供給を行なうよう構成した例を示したが、カルパーコーティング処理が施された種籾、鉄コーティング処理やカルパーコーティング処理が施されていない種籾の供給を行なうように構成して実施してもよい。この場合、粉粒体供給装置Aからの種籾が溝に供給されるように圃場に溝を形成する作溝器、及び供給された種籾に対する覆土を行なう覆土器を設けて実施するとよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、種籾以外の各種の種子を供給する種子供給装置を有する作業部を備えた水田作業機にも利用できる。
【符号の説明】
【0088】
32 種子タンク
51 繰出しケース
51a 繰出しケースの壁部
52 繰出し回転体
56 筒状体
58 繰出し凹部
88 落下供給路
90 光学式センサ
95 受光部
108 点検用開口
120 センサ支持体
121U センサ支持体の上部
121b 遮光部
A 種子供給装置
a 種子
S 作業部
X ローリング軸芯
【技術分野】
【0001】
本発明は、種子タンクに貯留された種子を駆動回転自在な繰出し回転体によって設定量ずつ間欠的に繰出して圃場に向けて落下させる種子供給装置の複数を走行機体横方向に並べて備える作業部を、走行機体の後部に連結した水田作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した水田作業機として、従来、たとえば特許文献1,2に記載されたものがあった。
特許文献1に記載された水田作業機では、乗用走行機体の後部に昇降リンク機構を介して播種装置が連結されている。播種装置の前部に、昇降リンク機構の後端に連結される縦長の連結枠が備えられ、連結枠の下端ボスに主フレームが前後向き軸芯まわりにローリング自在に連結支持されている。主フレームに、種子タンクとしてのホッパが支持され、ホッパの下端部に、種子供給装置としての繰出し機構が装備されている。繰出し機構は、繰出し回転体としての繰出しロールを備えている。
【0003】
特許文献2に記載されたものでは、走行車体の後方に昇降リンク装置を介して播種装置が設けられている。昇降リンク装置の上リンク及び左右一対の下リンクの後端部に連結枠が枢結され、連結枠に、播種装置の基部フレームに回転自在に支承されたローリング軸の前端部が連結されている。繰出しロールを備えた種子繰出し部と種子放出部とを接続する接続ブーツに顆粒物用通路が形成され、顆粒物用通路に光学式の顆粒物検出センサが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−209260号公報
【特許文献2】特開2004−105104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した水田作業機において、繰出し回転体によって繰出された種子を圃場に供給するように繰出し回転体から圃場に至る落下供給路が長くなれば、繰出し回転体による種子の繰出しが間欠的であるにもかかわらず、繰出し回転体から纏めて排出された設定量の種子が落下供給路で分散し、圃場に種子が走行機体の進行方向に分散して落下しがちになる。
【0006】
本発明の目的は、各種子供給装置における播種ミスの有無を精度よく検出できるのみならず、走行機体の左右傾斜の有無にかかわらず良好な点播精度で播種作業を行なうことができる水田作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明は、水田作業機であって、
種子タンクに貯留された種子を駆動回転自在な繰出し回転体によって設定量ずつ間欠的に繰出して圃場に向けて落下させる種子供給装置の複数を走行機体横方向に並べて備える作業部を、走行機体の後部に走行機体前後向きのローリング軸芯まわりにローリング自在に連結し、
前記複数の種子供給装置のそれぞれにおける前記繰出し回転体の配置高さを前記ローリング軸芯の配置高さに等しく又はほぼ等しく設定し、
前記複数の種子供給装置のそれぞれが前記繰出し回転体からの種子を圃場に向けて落下させるように備える落下供給路における種子の落下を検出する光学式センサを設けてある。
【0008】
本第1発明の構成によると、走行機体に対する作業部の自由ローリングあるいはローリング制御を行わせ、走行機体に左右傾斜が発生しても、作業部が走行機体横方向で水平又は水平に近い姿勢に維持されるようにできる。ローリング軸芯は、作業部がローリングした場合の作業部の走行機体に対する走行機体横方向での位置ずれを抑制するなどのために極力低い対地高さに配置するものであり、複数の種子供給装置のそれぞれにおける繰出し回転体の配置高さをローリング軸芯の配置高さに等しく又はほぼ等しく設定したものであるから、複数の種子供給装置のそれぞれにおける繰出し回転体から圃場に至る落下供給路を極力短く設定することができ、かつ走行機体に左右傾斜が発生した場合でも、作業部の走行機体に対するローリングによって繰出し回転体が余り対地上昇しなくて、複数の種子供給装置のそれぞれにおける落下供給路を極力短いままの状態になっているようにできる。
落下供給路における種子の落下を検出する光学式センサを設けたものだから、繰出し回転体から間欠的に設定量ずつ纏めて排出される種子がその纏まり状態で落下供給路を圃場に落下するように、落下供給路を落下する種子に落下抵抗を付与しないで落下供給路における種子の落下を検出することができる。落下供給路を種子が纏まり状態で落下することにより、光学式センサによる検出を行なわせやすい。
【0009】
従って、各種子供給装置における落下供給路における種子の落下を光学式センサによって検出して各種子供給装置に播種ミスが発生していないか否かを精度よく検出することができるものでありながら、走行機体の左右傾斜が発生していない場合においても発生した場合においても、各種子供給装置における落下供給路が極力短いものになっており、各種子供給装置によって供給される種子が圃場に点状に落下するように良好な点播精度で播種することができる。
【0010】
本第2発明は、前記落下供給路を形成する筒状体を、前記繰出し回転体を収容する繰出しケースに対して脱着自在に構成し、前記光学式センサを前記繰出しケースに対して前記筒状体と共に脱着されるように前記筒状体に取り付けてある。
【0011】
本第2発明の構成によると、筒状体を繰出しケースに対して脱着すれば、光学式センサを筒状体と共に繰出しケースに対して脱着できる。
【0012】
従って、光学式センサを取り外して清掃や点検するなどの作業を行うに当り、筒状体と光学式センサの取り外し及び付け戻しを一挙に行なって楽にできる。
【0013】
本第3発明は、前記繰出し回転体を、繰出し凹部が周面に設けられた繰出しロールによって構成し、前記光学式センサを支持して、前記落下供給路を形成する筒状体の内面側に取付けられるセンサ支持体の上部を、上細り形状に形成して、前記繰出し回転体を収容する繰出しケースの壁部と前記繰出し回転体の間に入り込ませてある。
【0014】
本第3発明の構成によると、繰出し回転体の周辺に飛散した種子がセンサ支持体の上に落下しても、センサ支持体の上部の上細り形状によってセンサ支持体から滑落してセンサ支持体の上に載ったままにならないようにできる。
センサ支持体の上部が繰出しケースの壁部と繰出し回転体の間に入り込でいることにより、光学式センサを、繰出し回転体に極力近付けて、繰出し回転体から落下した距離がまだわずかで散り乱れがない状態の種子に検出作用するようにできる。
【0015】
従って、筒状体の内部に光学式センサを設けるものでありながら、種子がセンサ支持体の上に溜まってセンサ支持体と繰出し回転体の間に詰まるなどのトラブルが発生することを回避でき、また、そのための上細り形状を利用して繰出し回転体からの落下距離がわずかな種子に光学式センサを検出作用させて検出を精度よく行なわせることができる。
【0016】
本第4発明は、前記繰出し回転体を収容する繰出しケースに点検用開口を、前記繰出し回転体に対して前記光学式センサを構成する受光部が位置する側とは反対側に配置して設けてある。
【0017】
本第4発明の構成によると、点検用開口から繰出しケースの内部を清掃や点検する作業が行われる際、受光部に触れて汚れや傷が付けられることを回避しやすい。
【0018】
従って、繰出しケースの内部点検などの作業を点検用開口から行なうことができるのみならず、受光部に汚れや傷を付けてしまうトラブルを起こしにくくて、全体として楽に作業を行なうことができる。
【0019】
本第5発明は、前記繰出しケースの外部から前記点検用開口を介して前記落下供給路に向かう光が前記受光部に到達することを防止する遮光部を設けてある。
【0020】
本第5発明の構成によると、点検用開口から繰出しケースの内部に落下経路に向けて光が入っても、遮光部によって遮光されて受光部に到達しにくく、点検用開口からの光による光学センサの誤作動を回避しながらテスト検出などを行なわせることができる。
【0021】
従って、繰出しケースの内部点検などの作業を点検用開口から簡便に行なうことができるのみならず、点検用開口を開けたままでのテスト検出などを精度よく行なわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】水田作業機の全体を示す側面図である。
【図2】作業部の全体を示す後面図である。
【図3】作業部の全体を示す平面図である。
【図4】作業部の一部を示す側面図である。
【図5】作業部の一部を示す後面図である。
【図6】種子供給装置を示す縦断側面図である。
【図7】種子供給装置の一部を示す縦断後面図である。
【図8】繰出しケースのメンテナンス要領を示す説明図である。
【図9】筒状体及び光学式センサの取り外し状態を示す縦断側面図である。
【図10】(a)は、繰出し量が最少量に調節された状態で種籾が落下する部位と光学式センサの検出域との関係を示す説明図、(b)は、繰出し量が最多量に調節された状態で種籾が落下する部位と光学式センサの検出域との関係を示す説明図である。
【図11】センサ支持体、投光部及び受光部の全体を示す斜視図である。
【図12】報知装置の制御系を示すブロック図である。
【図13】受光部の受光構造を構成する条件を示す説明図である。
【図14】第2実施構造を備えた種子供給装置を示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
〔第1実施例〕
図1は、本発明の実施形態に係る水田作業機の全体を示す側面図である。この図に示すように、水田作業機は、左右一対の操向操作及び駆動自在な前車輪1,1と左右一対の駆動自在な後車輪2,2とによって自走する自走車と、この自走車の車体フレーム3の後部にリンク機構Lを介して連結された作業部Sと、自走車の車体後部に配置された肥料タンク71を有する施肥装置Cとを備えて構成してある。
【0025】
自走車は、車体前部に設けたエンジン5を備え、このエンジン5が出力する駆動力を車体前部に位置するミッションケース6に入力し、このミッションケース6に入力した駆動力をミッションケース6の内部に位置する走行ミッションから前輪駆動ケース7に伝達して左右一対の前車輪1,1を駆動し、ミッションケース6に入力したエンジン5からの駆動力を前記走行ミッションから回転軸8を介して車体後部に位置する後輪駆動ケース9に伝達して左右一対の後車輪2,2を駆動する。自走車は、車体後部に位置する運転座席4aを有した運転部4を備え、この運転部4に搭乗して運転するように乗用型になっている。自走車は、前記ミッションケース6に入力したエンジン5からの駆動力を、ミッションケース6の内部に位置する作業ミッションから車体フレーム3の下方に位置する回転軸11と、この回転軸11の後端部から車体後方向きに延出する伝動軸12とを介して作業部Sの駆動機構Dの入力軸42(図4参照)に伝達する。
【0026】
図2は、作業部Sの全体を示す後面図である。図3は、作業部Sの全体を示す平面図である。図4は、作業部Sの一部を示す側面図である。図5は、作業部Sの一部を示す後面図である。これらの図及び図1に示すように、作業部Sは、リンク機構Lにおける後部リンク17の下端部に前端部が連結された作業部フレーム25と、作業部フレーム25の下部に車体横方向に並べて取り付けられた4つの接地フロート20と、作業部フレーム25が備える支持フレーム26に車体横方向に並べて取り付けられた6つの種子供給装置Aと、作業部フレーム25が備える支柱66に取り付けられた薬剤散布装置Bと、作業部フレーム25の前部に装着された左右一対の作溝体F,Fとを備えている。
【0027】
リンク機構Lは、車体フレーム3の後部から後方向きに上下揺動自在に延出する上部リンク15及び下部リンク16と、上部リンク15と下部リンク16の後端部に連結された後部リンク17を備えている。後部リンク17には、作業部フレーム25が連結されており、リンク機構Lは、車体フレーム3と後部リンク17に亘って連結された油圧シリンダ13によって車体フレーム3に対して上下に揺動操作されて、作業部Sを、4つの接地フロート20が圃場に接地した下降作業位置と各接地フロート20が圃場から上昇した上昇非作業位置とに昇降操作する。
【0028】
水田作業機は、作業部Sを下降作業位置に下降させて自走車を走行させると、6つの種子供給装置Aによって稲の種籾であって、鉄コーティング処理が施された鉄コーティング種籾a(以下、単に種籾aと呼称する)を6条供給で圃場に供給する播種作業と、施肥装置Cによって6条の種籾aに対する肥料供給を行なう施肥作業と、薬剤散布装置Bによって雑草防止などの薬剤を圃場に散布する薬剤散布作業と、左右一対の作溝体F,Fによって圃場に排水溝を形成する作溝作業とを行なう。各粉粒体供給装置Aによって供給される種籾aは、接地フロート20の通過によって整地された箇所に供給される。
【0029】
作業部フレーム25は、後部リンク17に車体前後向きのローリング軸芯Xまわりにローリング自在に連結されており、作業部Sは、自走車が左右に傾斜しても、接地フロート20の接地によって自走車に対してローリング軸芯Xまわりに自然にローリング(自由ローリング)して、車体横方向で水平又はほぼ水平な姿勢を維持する。
【0030】
作業部Sは、自走車に対してローリングした際、後部リンク17に設けたバネ支持部17aと作業部フレーム25に設けた左右一対のバネ掛け支柱27とに亘って連結された復元バネ28を伸長側に弾性変形させ、復元バネ28によって水平姿勢に復帰付勢される。
【0031】
施肥装置Cについて説明する。
図1〜5に示すように、施肥装置Cは、前記肥料タンク71を備える他、この肥料タンク71の下部に連設された肥料繰出し機構73、この肥料繰出し機構73の肥料排出部に送風管76を介して接続された電動ブロワ75を備えて構成してある。肥料繰出し機構73は、車体横方向に並んだ6つの肥料排出口(図示せず)を備えている。肥料繰出し機構73の各肥料排出口は、作業部Sの下部に車体横方向に並べて設けた6つの作溝施肥器77に各別に肥料供給ホース74を介して接続されている。肥料繰出し機構73は、走行トランスミッションからの駆動力を入力軸78によって入力して駆動される。
【0032】
施肥装置Cは、肥料タンク71に貯留された粒状の肥料を肥料繰出し機構73によって肥料タンク71から各肥料排出口に繰出し、各肥料排出口に繰出した肥料を電動ブロワ75によって供給される搬送風によって肥料供給ホース74を介して作溝施肥器77に供給する。6つの作溝施肥器77は、各種子供給装置Aが備える筒状体56のやや横側でかつやや前側に一つずつ位置するように配置してある。各作溝施肥器77は、種子供給装置Aが筒状体56から圃場に供給する種籾aの横側近くで圃場に溝を形成し、形成した溝に肥料供給ホース74からの肥料を供給する。
【0033】
薬剤散布装置Bについて説明する。
図1,2に示すように、薬剤散布装置Bは、前記支柱66の上端部に散布機ケースが連結された電動散布機62と、電動散布機62の上部に取付けられた薬剤タンク61とを備えて構成してある。電動散布機62は、散布機ケースの内部に駆動回転自在に設けられた繰出し皿63及び回転散布体64を備え、薬剤タンク61に貯留された薬剤を、繰出し皿63及び回転散布体64によって散布機ケースの外部に飛散させて、各種子供給装置Aによって種籾aが供給された後の圃場に散布する。
【0034】
種子供給装置Aについて説明する。
6つの種子供給装置Aは、同じ構造を備えるよう構成されている。図1,2,4,5に示すように、種子供給装置Aは、種子タンク32の底部に形成されたロート部32aに上端部が連結された繰出しケース51、及び繰出しケース51の下端部に装着された筒状体56を備えて構成してある。作業部左側の3つの種子供給装置Aのための種子タンク32及び作業部右側の3つの種子供給装置Aのための種子タンク32のそれぞれは、対応する3つの種子供給装置Aに共用の一つのタンクに構成されている。
【0035】
図6は、種子供給装置Aを示す縦断側面図である。図7は、種子供給装置Aを示す縦断後面図である。これらの図及び図4,5に示すように、繰出しケース51は、作業部フレーム25における支持フレーム26に連結ボルト21によって脱着自在に連結された連結部51dを有した前壁部51aと、点検用開口108を有した後壁部51bと、回転体支持部51eを有した左右一対の横壁部51c,51cとを樹脂素材で一体成形した状態で備えて構成してあり、樹脂製の上下向きの筒状になっており、上側で粉粒体タンク32のロート部32aに連通し、下側で筒状体56に連通している。点検用開口108は、蓋体107の脱着によって開閉される。
【0036】
図6,7に示すように、繰出しケース51の内部に、点検用開口108と同じ配置高さに位置する繰出しロール形の繰出し回転体52、繰出し回転体52の上側に繰出し回転体52の周方向に分散させて配置した一対の摺り切り体53,54、一対の摺り切り体53,54のうちの繰出し回転体回転方向下手側に位置する下手側の摺り切り体54のブラシ部54aに対して繰出し回転体回転方向下手側に位置する箇所に繰出し回転体52の周面52sに沿わせた配置した繰出しガイド80、繰出し回転体52の上方に配置した流下案内板57を設けてある。
【0037】
繰出し回転体52は、圃場に対して極力近い箇所から種籾aを落下させるように、ローリング軸芯Xの配置高さにほぼ等しい配置高さに配置した状態で、回転支軸59、及び回転支軸59と左右一対の横壁部51c,51cの回転体支持部51eの間に介装されたボス部材51fを介して左右一対の横壁部51c,51cに回転自在に支持されている。繰出し回転体52は、回転支軸59の車体横向き軸芯で成る回転軸芯Pまわりに回転支軸59によって回転方向F(図6参照)に回転駆動される。繰出し回転体52の周面52sに、4つの繰出し凹部58を繰出し回転体52の回転方向Fに所定間隔を隔てて並ぶ配置で設けてある。
【0038】
一対の摺り切り体53,54のうちの繰出し回転体回転方向上手側に位置する上手側の摺り切り体53と繰出しケース51の内側に一体成形した壁体51gとにより、繰出し回転体52の繰出し凹部58に対する種籾供給を行なう供給スペース50を繰出し回転体52の上端側の上方に繰出し回転体52の周面52sに臨ませた状態で形成してある。
【0039】
流下案内板57は、傾斜姿勢の案内面57aを備え、種子タンク32に貯留され、ロート部32aの底部内に装着された格子体45の種子流通孔から流下した種籾aを、案内面57aによって一対の摺り切り体53,54の間には流下しないで供給スペース50に流下するように案内する。
【0040】
繰出しガイド80は、繰出し回転体52の周面52sに沿って位置する案内部81及び案内部81の下端側に連なる連結部82を備え、下流側の摺り切り体54のブラシ支持部54bから下方向きに延出された支持体70の下端部に連結部82で支持されている。繰出しガイド80は、繰出し回転体52の繰出し凹部58に入り込んで繰出し回転体52の下端側に設置してある排出箇所Zに移動する種籾aに対して案内部81によって案内作用する。すなわち、繰出しガイド80は、繰出し凹部58が下手側の摺り切り体54のブラシ部54aを通過してから排出箇所Zに至るまでは、繰出し凹部58が横向きや下向きになっても種籾aが繰出し凹部58からこぼれ出ないで繰出し凹部58に滞留し、繰出し凹部58が排出箇所Zに到達して下向きになると、種籾aが繰出し凹部58から落下して排出されるように種籾aに対して案内作用する。
【0041】
図6に示すように、上流側の摺り切り体53は、流下案内板57の下端部に支持されたブラシ支持部53bと、このブラシ支持部53bに植設されたブラシ部53aとを備えて構成してある。下流側の摺り切り体54は、繰出しケース51に回転支軸72を介して支持されるブラシ支持部54bと、このブラシ支持部54bに植設されたブラシ部54aとを備えて構成してある。一対の摺り切り体53,54は、繰出し回転体52の繰出し凹部58に入り込んだ種籾aに対してブラシ部53a,54aによって摺り切り作用する。
【0042】
従って、種子供給装置Aは、回転支軸59の一端部に一体回転自在に設けた駆動ギヤ86に駆動機構Dによって動力伝達されて回転支軸59が回転駆動されることにより、繰出し回転体52を回転支軸59によって回転方向Fに駆動し、種子タンク32に貯留された種籾aを回転する繰出し回転体52によって供給スペース50を介して、繰出し凹部58の容積によって設定される設定量ずつ間欠的に繰出し、繰出し回転体52が繰出した種籾aを圃場に落下させて点播供給の形態で供給する。
【0043】
つまり、種子タンク32に貯留され、ロート部32aに装着された格子体45の種子流通孔から流下した種籾aを、流下案内板57による流下案内によって供給スペース50に流下させて滞留させる。繰出し回転体52を回転方向Fに駆動することにより、各繰出し凹部58が供給スペース50と排出箇所Zの間を移動する。繰出し凹部58は、供給スペース50に位置すると、供給スペース50の種籾aを流入させて収容する。種籾aを収容した繰出し凹部58は、上手側及び下手側の摺り切り体53,54のブラシ部53a,54aを通ってブラシ部53a,54aによる摺り切り作用を受け、この後、繰出しガイド80が位置する移動経路を下降移動する。このとき、繰出し凹部58が横向きや下向きになっても、繰出しガイド80の案内部81による種籾aに対する案内作用によって種籾aが繰出し凹部58からこぼれ出ない。繰出し凹部58が排出箇所Zに至ると、繰出し凹部68が下向きになるとともに繰出しガイド80の案内部81による案内作用が解除され、繰出し凹部58に収容されていた種籾aが繰出し凹部58から筒状体56の内部に落下する。繰出し凹部58から落下した種籾aは、筒状体56が形成している落下供給路88を、風を受けて分散しないように筒状体56によって防風されながら落下して、作溝施肥器77よりもやや後側でかつやや横側で圃場に落下する。
【0044】
下流側の摺り切り体54は、回転支軸72を介して繰出しケース51に揺動操作自在に支持されている。図8は、繰出しケース51の内部のメンテナンス要領を示す説明図である。この図に示すように、繰出しケース51の外部に配置して回転支軸72の端部に取り付けてある開閉レバー100によって回転支軸72を回転操作することにより、摺り切り体54及び繰出しガイド80を開放姿勢に切換えることができ、繰出し回転体52の外周側に排出経路101を形成したり、繰出し回転体52の周面52sを点検用開口108に向けて開放できる。繰出し回転体52の外周側に排出経路101を形成すれば、粉粒体タンク32に残留した種籾aを、排出経路101を介して筒状体56の内部に排出することができる。
【0045】
図7に示すように、繰出し回転体52は、4つの繰出し凹部58が設けられた繰出し回転体本体52aと、4つの繰出し凹部58に各別に係入する4つのバー形の容量設定部58aが設けられた容量調整体52bとを備えて構成してある。容量調整体52bの内周側に設けてある操作ネジ部が、回転支軸59に相対回転自在に外嵌している調整筒軸59aの外周側に設けた送りネジ部59bに係合している。容量調整体52bは、繰出しケース51の外部に配置して調整筒軸59aの端部に一体回転自在に設けてある調節ダイヤル59cによって調節筒軸59aが回転操作されることにより、送りネジ部59bによる送り作用によって繰出し回転体本体52aに対して繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向に摺動調節されて各容量設定部58aを繰出し凹部58に対して出退させ、各繰出し凹部58に対する容量設定部58aの係入量を変更する。これにより、繰出し回転体52の各繰出し凹部58の容量及び開口面積が変更され、繰出し回転体52の各繰出し凹部58による種籾aの繰出し量を変更できる。
【0046】
図5,6,7に示すように、6つの種子供給装置Aのそれぞれの筒状体56の内側に、筒状体56によって形成されている落下供給路88における種籾aの落下を検出する光学式センサ90を取り付けてある。図12に示すように、各種子供給装置Aに設けた光学式センサ90を制御装置110に連係させるとともに、この制御装置110を報知装置111に連係させてある。報知装置111は、運転部4の運転パネルに設置してある。
【0047】
制御装置110は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、報知制御手段112を備えている。報知制御手段112は、6つの光学式センサ90による検出情報を基に、6つの種子供給装置Aのそれぞれが播種状態であるか否かを判断し、判断結果を基に報知装置111を作動させる制御を実行する。報知制御手段112は、光学式センサ90が検出状態になった後に非検出状態に切り換っても、検出状態になってから所定時間内に次の検出状態になった場合、所定時間を継ぎ足して報知装置111を作動させるように、検出時間が短くても、マイクロコンピュータの処理ルーチン内に検出できるようにしてある。
【0048】
報知装置111は、6つの種子供給装置Aのそれぞれに設けてある光学式センサ90による検出情報に基づく報知制御手段112による作動制御によって作動し、6つの種子供給装置Aのそれぞれが播種の実行状態と停止状態のいずれにあるかを報知して作業者に認知を促す。
【0049】
種子供給装置Aの繰出し部としての繰出し回転体52が駆動されていない検出と、粉粒体存否センサとしての光学式センサ90の検出が同時検出状態であると、光学式センサ90の投受光部91,95が汚れていると判断し、作業者に報知するよう構成すると、光学式センサ90の適切なメンテナンス時期を知ることができる。
【0050】
光学式センサ90について説明する。
6つの種子供給装置Aに設けた光学式センサ90は、同じ構造を備えて構成してある。図6,7に示すように、光学式センサ90は、落下供給路88を挟む配置で筒状体56の上端部の内側に支持させた投光部91と受光部95を備えて構成してある。
【0051】
投光部91及び受光部95は、筒状体56の上端部の内側に取り付けた一つのセンサ支持体120の両端側に振り分けて取り付けてある。
【0052】
投光部91は、落下供給路88及び繰出し回転体52に対して点検用開口108が位置する側に配置してある。受光部95は、点検用開口108から繰出しケース内のメンテナンス作業が行なわれる際に触れられることを防止するように、落下供給路88及び繰出し回転体52に対して点検用開口108が位置する側とは反対側に配置してある。
【0053】
図11は、センサ支持体120、投光部91及び受光部95を示す斜視図である。この図及び図6に示すように、投光部91は、センサ支持体120が備える一対のセンサケース部121,121の一方に収容される矩形の制御基板92と、この制御基板92の表面側に繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向に並べて設けた3個の投光素子93とを備えて構成してある。受光部95は、一対のセンサケース部121,121の他方に収容される矩形の制御基板96と、この制御基板96の表面側に繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向に並べて設けた3個の受光素子97とを備えて構成してある。3個の投光素子93と3個の受光素子97は、3個の投光素子93によって照射される3本の検出光が3個の受光素子97に各別に向かう配置関係になっている。
【0054】
センサ支持体120は、落下供給路88を挟んで位置する一対のセンサケース部121,121と、落下供給路88を挟んで位置する状態で一対のセンサケース部121,121を連結する一対の板状の連結部122,122とを樹脂材によって一体成形した状態で備えて構成してある。センサ支持体120は、樹脂製になり、かつ落下供給路88を全周に亘って囲う環状形状になっている。
【0055】
一対のセンサケース部121,121のそれぞれは、落下供給路88に向かう前壁123と、連結部122が連結している左右一対の横壁124,124と、前壁123及び各横壁124の上端に連なる上壁125と、前壁123及び各横壁1124の下端に連なる下壁126とを備えて構成してある。各センサケース部121は、投光部91、受光部95の出し入れを行なう開口の両側に分かれて位置する一対の係止爪127,127を備え、一対の係止爪127,127によって制御基板92,96を脱着自在に係止する。投光部91を収容するセンサケース部121の前壁123に投光孔128を形成し、受光部95を収容するセンサケース部121の前壁123に受光孔129を形成してある。図8に示すように、各センサケース部121は、投光孔128や受光孔129を覆って投光素子93や受光素子97を保護する透明の保護プレート130、及び、前壁123と制御基板92,96の間に介装されたスペーサ131を収容している。
【0056】
従って、光学式センサ90は、落下供給路88における種籾aの落下を次の如く検出する。
投光部91が制御基板92による投光制御によって3個の投光素子93のそれぞれから1本の検出光を、合計3本の検出光を、平面視で繰出し回転体52の回転軸芯Pに対して直交する方向で落下供給路88を横断するように照射する。投光部91からの検出光が落下供給路88を落下する種籾aに当たると、受光素子97が種籾aによる遮光によって投光部91からの検出光を受けず、非受光状態になる。投光部91からの検出光が種籾aに当たらなければ、あるいは、投光部91からの検出光が種籾aに当たっても、検出光が当たる種籾aの範囲が狭ければ、受光素子97が投光部91からの検出光を受けて、受光状態になる。受光部95が制御基板96による検出制御によって3個の受光素子97のそれぞれが非受光状態にあるか否かを判断し、3個の受光素子97のうちの少なくとも1つの受光素子97が非受光状態にあると判断した場合、光学式センサ90は、落下供給路88を種籾aが落下しているとの検出状態としての種籾存在の検出状態になる。受光部95が3個の受光素子97の全てが非受光状態ではないと判断した場合、光学式センサ90は、非検出状態になる。
【0057】
投光部91を収容するセンサケース部121の前壁123に、投光孔128の下方に配置した貫通孔129aを形成し、受光部95を収容するセンサケース部121の前壁123に、受光孔129の下方に配置した貫通孔128aを形成してあり、各センサケース部121,121を投光部用と受光部用に兼用できる。
【0058】
つまり、投光部91を収容するセンサケース部121は、投光素子93が制御基板92の上部に位置する取付け姿勢で投光部91を収容する。投光部91を収容するセンサケース部121に受光部95を収容する場合、受光素子97が制御基板96の下部に位置する取付け姿勢で受光部95を装着する。すると、投光部91を収容するセンサケース部121の貫通孔129aと受光素子97が合致し、貫通孔129aが受光孔になる。
受光部95を収容するセンサケース部121は、受光素子97が制御基板96の上部に位置する取付け姿勢で受光部95を収容する。受光部95を収容するセンサケース部121に投光部91を収容する場合、投光素子93が制御基板92の下部に位置する取付け姿勢で投光部91を装着する。すると、受光部95を収容するセンサケース部121の貫通孔128aと投光素子93が合致し、貫通孔128aが投光孔になる。
すなわち、繰出し回転体52に対して点検用開口108が位置する側に受光部95を配置する場合、貫通孔129aを受光孔として使用し、貫通孔128aを投光孔として使用する。
【0059】
繰出し回転体52に対して点検用開口108が位置する側とは反対側に受光部95を配置する場合において、投光素子93及び受光素子97をセンサケース部121の下部に配置するよう構成して実施してもよい。また、繰出し回転体52に対して点検用開口108が位置する側に受光部95を配置する場合において、投光素子93及び受光素子97がセンサケース部121の上部に配置するよう構成して実施してもよい。
【0060】
光学式センサ90(粉粒体存否センサ)は、連結部材としてのセンサ支持体120によって投光部91と受光部95が連結されてユニット化されている。光学式センサ90をケース部材としての筒状体56に対してユニット状態で組み付けることができる。投光部91と受光部95の相対位置決めが容易である。センサ支持体120を遮光部材として活用し、外乱光による誤検出を防ぐことができ、筒状体56を透明にすることができる。センサ支持体120に配線溝を設けると、センサ支持体120をハーネスの取付け部材として兼用できる。
【0061】
非接触粉粒体存否センサとしての光学式センサ90を、スポット検出タイプの複数のセンサ素子(投光素子93及び受光素子97)を備えて構成するので、比較的低コストで、広いエリアをカバーできる。
【0062】
落下供給路88には、点播形態で播種するように種籾aが間欠的に通るのであり、正常時であっても落下供給路88に種籾aの落下途切れが発生する。報知制御手段112は、落下供給路88に発生する落下途切れの時間を設定経過時間として設定し、光学式センサ90が検出状態になると、光学式センサ90が検出状態になってから設定経過時間が経過するまでの間、光学式センサ90が検出状態にあると見なす信号処理の形態で光学式センサ90が検出状態にあるか否かを判断する。
【0063】
図10(a)は、各繰出し凹部58による繰出し量が最少量に調節された状態において繰出し回転体52からの種籾aが落下する落下供給路88の部位と、光学式センサ90の検出域90Wとの関係を示す説明図である。図10(b)は、各繰出し凹部58による繰出し量が最多量に調節された状態において繰出し回転体52からの種籾aが落下する落下供給路88の部位と、光学式センサ90の検出域90Wとの関係を示す説明図である。これらの図に示すように、各繰出し凹部58による繰出し量が最少量に調節された状態では、落下供給路88のうち、繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向(繰出し凹部58の容積を変更するよう容量調節体52bを摺動調節する方向)に落下供給路88を横断した方向での一部の部位であって、繰出し量が最多量に調節された場合よりも狭い部位88Bにおいて種籾aが落下する。各繰出し凹部58による繰出し量が最多量に調節された状態では、落下供給路88のうち、繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向(繰出し凹部58の容積を変更するよう容量調節体52bを摺動調節する方向)に落下供給路88を横断した方向での一部の部位であって、繰出し量が最少量に調節された場合よりも広く、かつ繰出し量が最少量に調節された場合の部位88Bを含んだ部位88Aにおいて種籾aが落下する。図10(a)、(b)に示す光学式センサ90の検出域90Wは、繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向(繰出し凹部58の容積を変更するよう容量調節体52bを摺動調節する方向)に落下供給路88を横断する方向での光学式センサ90の検出域である。
【0064】
図7は、繰出し凹部58による繰出し量が最少量に調節された状態での繰出し回転体52を示している。図7、図10(a)、(b)に示すように、繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向(繰出し凹部58の容積を変更するよう容量調節体52bを摺動調節する方向)に落下供給路88を横断する方向での光学式センサ90の検出域90Wを、繰出し凹部58による繰出し量が最多量に調節された状態において種籾aが落下する落下供給路88の繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向での部位88Aよりも小の部位であって、繰出し凹部58による繰出し量が最少量に調節された状態において種籾aが落下する落下供給路88の繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向での部位88Bに位置するよう設定するべく、投光素子93及び受光素子97を落下供給路88の繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向(繰出し凹部58の容積を変更するよう容量調節体52bを摺動調節する方向)での中心88Cに対して容量設定部58aが位置する側とは反対側に偏倚させてある。
【0065】
従って、光学式センサ90の検出域90Wを、落下供給路88のうちの繰出し量が最多量に調節された場合に種籾aが落下する部位88Aの全体に亘って位置するよう設定するに比して投光素子93及び受光素子97の数が少ない簡素な光学式センサ90を採用しながら、繰出し凹部58による繰出し量が最少量から最多量の全調節範囲のいずれの量に変更調節されても、繰出し回転体52から落下する種籾aに検出光を作用させて光学式センサ90による検出を確実に行なわせることができる。平面視で繰出し量調節方向と交差する方向に投受光部93,97をレイアウトしたので、種籾aに遠心力が作用しても検出域90wに種籾aが入りやすい。
【0066】
図13は、受光部95の受光構造を構成する条件を示す説明図である。この図に示すWは、検出域90Wの幅(以下、検出幅Wと称する。)であり、Daは、種子(種籾a)の径(以下、種子径Daと称する。)であり、97Dは、受光素子97の受光幅であり、97Pは、受光素子97の配列ピッチである。受光素子97の受光窓の1/3程度が種子によってふさがれると検知可能であると設定すると、
97D(受光幅)×1/3=97K(受光素子97のふさがれる幅)
97D(受光幅)+[Da(種子径)−97K(受光素子のふさがれる幅)]=97P(配列ピッチ)
検出幅Wをカバーするための最少の受光素子数をYとすると、
W(検出幅)<97P(配列ピッチ)×Y(受光素子数) となる。
【0067】
図7,8に示すように、筒状体56は、繰出しケース51の両横外側に振り分けて設けた一対の筒体連結手段135によって繰出しケース51に脱着自在に取り付けるようになっている。
【0068】
一対の筒体連結手段135のそれぞれは、筒状体56の上端部から横外側に向けて突設した連結突起136と、この連結突起136に対してフック部137a(図9参照)で係脱するように構成した状態で繰出しケース51の横外側に揺動操作自在に取り付けた連結アーム137とを備えて構成してある。
【0069】
図6,7,11に示すように、センサ支持体120は、センサ支持体120の外周側に設けられた一対の連結突起140と、筒状体56の上端部に上向きに開口するよう形成して設けられた一対の係止凹部141,141(図9参照)とを備えて構成したセンサ連結手段142によって筒状体56に取り付けられるようになっている。
【0070】
すなわち、一対の連結突起140,140が筒状体56の上方から係止凹部141に係入されることによってセンサ連結手段142が連結状態になり、一対のセンサケース部121,121の下端側及び一対の連結部122,122が筒状体56に内側に入り込むとともに入り込み量が設定量になるように一対の係止凹部141,141によって受け止め支持されて、センサ支持体120が筒状体56に対する所定の取り付け状態になり、光学式センサ90が筒状体56に取り付けられた状態になる。
【0071】
図9は、筒状体56及び光学式センサ90の取り外し状態を示す縦断側面図である。この図に示すように、筒状体56を、筒体連結手段135による繰出しケース51に対する連結が解除された状態にして下げ操作すると、筒状体56の上端側が繰出しケース51の連結筒部51hから抜け外れて、筒状体56が繰出しケース51から外れる。筒状体56が繰出しケース51から外れても、センサ連結手段142が連結状態になっていてセンサ支持体120が筒状体56と共に繰出しケース51から外れ、光学式センサ90が繰出しケース51から外れる。繰出しケース51から外れた状態の筒状体56からセンサ支持体120を引き上げ操作すると、センサ支持体120の一対の連結突起140,140が筒状体56の係止凹部141から抜け外れてセンサ連結手段142が解除状態になり、光学式センサ90を筒状体56から取り出すことができる。
【0072】
図8に示すように、繰出し回転体52に対して点検用開口108が位置する側とは反対側に位置するセンサ支持体120のセンサケース部121における上部121Uを、上細り形状に形成して繰出し回転体52の周面52sと繰出しケース51の前壁部51aとの間に入り込ませてある。上部121Uの繰出し回転体52に向かう面を、繰出し回転体52の周面52sに沿った傾斜面121aに形成してある。
従って、繰出し凹部58に収容された種籾aが排出箇所Zで繰出し凹部58から出ないでセンサケース部121の上方に付いて上がってから落下することがあり、落下した種籾aが上部121Uに落ちても上部121Uの傾斜面121aに沿って上部121Uと繰出し回転体52の周面52sの隙間を下降して上部121Uに堆積しない。また、光学式センサ90を繰出し回転体52に近付けて、繰出し回転体52から落下して離れた距離が小である種籾aに検出光が作用するように検出エリアを限定できる。また、受光素子97と受光孔129の隔離距離を大にして、外乱光の入射を防ぐことができる。
【0073】
投光部90を支持するセンサ支持体120のセンサケース部121の上部を、点検用開口108から落下供給路88に向かう光に対する遮光部121bになるように点検用開口108の下部に臨ませて、点検用開口108を開けても、繰出しケース51の外部の光が点検用開口108から受光部95の受光素子97に到達することが遮光部121bによって防止されるようにしてある。繰出し回転体52に対して点検用開口108と反対側に位置するセンサ支持体120の上部121Uが繰出し回転体52の周面52sと繰出しケース51の前壁部51aとの間に入り込んでいることにより、点検用開口108から入射する光を繰出し回転体52が遮光して、どの方向から光が入射しても常に受光部95が影になる。従って、点検用開口108を開けて試運転するなどの場合、光学式センサ90が外乱光を受けなくて誤作動しない。
【0074】
〔第2実施例〕
図14は、第2実施構造を備えた種子供給装置Aを示す縦断側面図である。第2実施構造を備えた種子供給装置Aでは、投光部91を繰出し回転体52及び落下供給路88に対して点検用開口108が位置する側とは反対側に配置してある。
【0075】
受光部95を繰出し回転体52及び落下供給路88に対して点検用開口208が位置する側に配置してあり、点検用開口108の蓋体107が内部目視のために透明又は半透明であっても、点検用開口108からの外乱光が受光部95に当らず、誤検出を防止できる。受光部95を点検用開口108の付近に配置してあり、点検用開口108から受光部95を清掃しやすい。受光部95を繰出し回転体52の回転方向上手側に配置してあり、繰出し回転体52の回転によって発生する埃が受光部95に付き難い。受光部95を繰出しガイド80の背面側に配置してあり、受光素子97及び投光素子93を繰出しガイド80の終端に極力接近させることができる。
【0076】
第2実施構造を備えた種子供給装置Aでは、センサケース部121における投光孔及び受光孔の配置の点において第1実施例に示した種子供給装置Aに設けたセンサ支持体120とは異なる構造を備えたセンサ支持体120を設けている。
【0077】
第2実施構造を備えた種子供給装置Aにおいて、投光素子93及び受光素子97をセンサケース部121の下部に配置するよう構成して実施してもよい。
【0078】
〔別の実施形態〕
(1)上記した実施例では、繰出し回転体52の配置高さをローリング軸芯Xの配置高さにほぼ等しく設定した例を示したが、ローリング軸芯Xの配置高さに等しく設定して実施してもよい。
【0079】
(2)上記した実施例では、投光部91及び受光部95を繰出しケース51及び筒状体56に対して脱着自在に構成した例を示したが、投光部91及び受光部95を繰出しケース51や筒状体56に一体形成して実施してもよい。この場合、投光部91と受光部95の相対位置決めが容易となる。
【0080】
(3)上記した実施例では、ロール形の繰出し回転体52を採用した例を示したが、上下向き軸芯まわりで回転駆動される目皿形の繰出し回転体を採用して実施してもよい。
【0081】
(4)上記した実施例では、平面視で繰出し回転体52の回転軸芯Pに対して直交する方向に検出光を照射する例を示したが、回転軸芯Pに対して直交するのではなく、回転軸芯Pに対して交差する方向に検出光を照射するように構成して実施してもよい。また、平面視で繰出し回転体52の回転軸芯Pに沿う方向に検出光を照射するよう構成して実施してもよい。
【0082】
(5)上記した実施例では、3本の検出光を照射する例を示したが、4本など、3本以外の検出光を照射するよう構成して実施してもよい。
【0083】
(6)上記した実施例では、光学式センサ90の検出域90Wを落下供給路88のうちの繰出し量が最多量に調節された場合に種籾aが落下する部位88Aよりも小の部位に位置するよう設定した例を示したが、繰出し量が最多量に調節された場合に種籾aが落下する部位88Aの全体にわたって位置するよう設定して実施してもよい。
【0084】
(7)上記した実施例では、走行機体に対して作業部Sが自由ローリングする例を示したが、走行機体の左右傾斜を検出する傾斜検出センサ、及び作業部Sをローリング操作する駆動機構を備え、傾斜検出センサによる検出結果を基に作業部Sがローリング制御されるよう構成して実施してもよい。
【0085】
(8)上記した実施例では、6条供給の形態で種籾aの供給を行なう例を示したが、4条供給や8条供給など、6条以外の条数での供給形態で種籾aを供給するように構成して実施してもよい。
【0086】
(9)上記した実施例では、鉄コーティング処理が施された種籾aの供給を行なうよう構成した例を示したが、カルパーコーティング処理が施された種籾、鉄コーティング処理やカルパーコーティング処理が施されていない種籾の供給を行なうように構成して実施してもよい。この場合、粉粒体供給装置Aからの種籾が溝に供給されるように圃場に溝を形成する作溝器、及び供給された種籾に対する覆土を行なう覆土器を設けて実施するとよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、種籾以外の各種の種子を供給する種子供給装置を有する作業部を備えた水田作業機にも利用できる。
【符号の説明】
【0088】
32 種子タンク
51 繰出しケース
51a 繰出しケースの壁部
52 繰出し回転体
56 筒状体
58 繰出し凹部
88 落下供給路
90 光学式センサ
95 受光部
108 点検用開口
120 センサ支持体
121U センサ支持体の上部
121b 遮光部
A 種子供給装置
a 種子
S 作業部
X ローリング軸芯
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種子タンクに貯留された種子を駆動回転自在な繰出し回転体によって設定量ずつ間欠的に繰出して圃場に向けて落下させる種子供給装置の複数を走行機体横方向に並べて備える作業部を、走行機体の後部に走行機体前後向きのローリング軸芯まわりにローリング自在に連結し、
前記複数の種子供給装置のそれぞれにおける前記繰出し回転体の配置高さを前記ローリング軸芯の配置高さに等しく又はほぼ等しく設定し、
前記複数の種子供給装置のそれぞれが前記繰出し回転体からの種子を圃場に向けて落下させるように備える落下供給路における種子の落下を検出する光学式センサを設けてある水田作業機。
【請求項2】
前記落下供給路を形成する筒状体を、前記繰出し回転体を収容する繰出しケースに対して脱着自在に構成し、
前記光学式センサを前記繰出しケースに対して前記筒状体と共に脱着されるように前記筒状体に取り付けてある請求項1記載の水田作業機。
【請求項3】
前記繰出し回転体を、繰出し凹部が周面に設けられた繰出しロールによって構成し、
前記光学式センサを支持して、前記落下供給路を形成する筒状体の内面側に取付けられるセンサ支持体の上部を、上細り形状に形成して、前記繰出し回転体を収容する繰出しケースの壁部と前記繰出し回転体の間に入り込ませてある請求項1又は2記載の水田作業機。
【請求項4】
前記繰出し回転体を収容する繰出しケースに点検用開口を、前記繰出し回転体に対して前記光学式センサを構成する受光部が位置する側とは反対側に配置して設けてある請求項1〜3のいずれか一項に記載の水田作業機。
【請求項5】
前記繰出しケースの外部から前記点検用開口を介して前記落下供給路に向かう光が前記受光部に到達することを防止する遮光部を設けてある請求項4記載の水田作業機。
【請求項1】
種子タンクに貯留された種子を駆動回転自在な繰出し回転体によって設定量ずつ間欠的に繰出して圃場に向けて落下させる種子供給装置の複数を走行機体横方向に並べて備える作業部を、走行機体の後部に走行機体前後向きのローリング軸芯まわりにローリング自在に連結し、
前記複数の種子供給装置のそれぞれにおける前記繰出し回転体の配置高さを前記ローリング軸芯の配置高さに等しく又はほぼ等しく設定し、
前記複数の種子供給装置のそれぞれが前記繰出し回転体からの種子を圃場に向けて落下させるように備える落下供給路における種子の落下を検出する光学式センサを設けてある水田作業機。
【請求項2】
前記落下供給路を形成する筒状体を、前記繰出し回転体を収容する繰出しケースに対して脱着自在に構成し、
前記光学式センサを前記繰出しケースに対して前記筒状体と共に脱着されるように前記筒状体に取り付けてある請求項1記載の水田作業機。
【請求項3】
前記繰出し回転体を、繰出し凹部が周面に設けられた繰出しロールによって構成し、
前記光学式センサを支持して、前記落下供給路を形成する筒状体の内面側に取付けられるセンサ支持体の上部を、上細り形状に形成して、前記繰出し回転体を収容する繰出しケースの壁部と前記繰出し回転体の間に入り込ませてある請求項1又は2記載の水田作業機。
【請求項4】
前記繰出し回転体を収容する繰出しケースに点検用開口を、前記繰出し回転体に対して前記光学式センサを構成する受光部が位置する側とは反対側に配置して設けてある請求項1〜3のいずれか一項に記載の水田作業機。
【請求項5】
前記繰出しケースの外部から前記点検用開口を介して前記落下供給路に向かう光が前記受光部に到達することを防止する遮光部を設けてある請求項4記載の水田作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−100608(P2012−100608A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253193(P2010−253193)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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