説明

水素含有材料からの不純物の除去

水素含有材料を精製する方法が記載される。該方法は、シリカを含む精製剤材料を用意するステップを含んでいてよい。シリカは、約100℃以上の温度で乾燥雰囲気において加熱され、活性化されたシリカを形成することができる。活性化されたシリカは、出発水素含有材料と接触することができ、ここで、活性化されたシリカは、出発水素含有材料に由来する1種または複数の不純物の濃度を低減して、精製された水素含有材料を形成し、そして、活性化されたシリカは、精製された水素含有材料を分解しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する出願との相互参照)
本願は、「REMOVAL OF IMPURITIES FROM METAL HYDRIDES」と題された、米国仮特許出願第61/053,990号(2008年5月16日出願)および「REMOVAL OF IMPURITIES FROM HYDROGEN−CONTAINING MATERIALS」と題された、米国非仮特許出願第12/466,272号(2009年5月14日出願)への優先権を主張し、これらは、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
半導体デバイス用材料を作製するために広範囲の水素化物ガスが用いられている。これらのデバイスは、複雑さおよび精度が増大し続けているため、これらを作製するために用いられる出発材料の純度要求もまた増大している。
【0003】
シラン(すなわち、シリコンの水素化物ガス)などの金属水素化物は、シリコンウェハ基板を作製するためのシリコン金属膜のエピタキシャル成長を含めた種々の半導体製造プロセスに用いられている。気相エピタキシー(VPE)では、ハロゲン化シリコンおよび/または水素化シリコン(シラン)のガスが、基板表面において化学的に分解されて、シリコン金属、および気相の排出生成物、例えば、水素ガス(H)およびハロゲン化水素(例えば、シリコン前駆体が塩化シリコンであるときはHCl(g))を堆積する。
【0004】
VPEによるシリコン層の成長の間に、水分レベルが注意深く監視されて制御される。シリコン酸化物のようなシリコン誘電体膜の化学気相堆積とは違って、水分汚染物質が比較的低いレベルであってもシリコンVPEには問題となる、なぜなら、シリコン金属膜の酸化は、膜の電気的特性にかなり大きな悪影響を与えるからである。水蒸気は、最も一般的なものの1つであり、シランのようなプロセスガスから除去するにはさらに最も困難な不純物である。大部分の乾燥プロセスは、シラン中の水分レベルを100万分の1(ppm)の範囲まで低減することを試みる。しかし、モデム半導体および電子部品用のシリコン膜を作製するためのシリコンVPEプロセスは、10〜100ppb(10億分の1)の範囲の低減された水分レベルを非常にしばしば必要とする。
【0005】
残念なことに、低いレベルの水分汚染を含む超高純度のシランガスの送達は、多くの課題に直面する。シラン中の水分および他の汚染物質は、供給源ガス自体の製造から、ならびに、その後の該ガスのパッケージング、積み込み、貯蔵、および取り扱いの間に生じ得る。シランガスの製造者は、ガスが生産設備から離れるときの汚染物質分析を一般に提供しているが、これらの純度レベルは、さらなる汚染物質が、ガス放出に由来して容器(例えば、ガスシリンダ)によって、ならびに漏れおよび下流の送達装置に存在する残りの汚染物質によって導入されるため、しばしば変化する。
【0006】
周囲の雰囲気に水分が存在すると、高純度のシランおよび他の金属水素化物をこれらの最終使用時点に到達する前に水分によって汚染する多くの機会を与える。したがって、シランなどの金属水素化物がモデム電子および半導体製造プロセスでの使用に許容される時点までにこれらを精製する方法および材料の必要性が依然として存在する。この課題および他の課題は、本発明の実施形態によって対処される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
例えばシランガスなどの水素含有ガスから水分および他の不純物を除去するための精製方法、材料、およびシステムを記載する。本発明の実施形態において用いられるシランガスの一例は、トリシラン(Si)である。トリシランを用いて純粋なシリコン(Si)およびシリコン−ゲルマニウム(Si−Ge)合金の薄膜をシラン(SiH)よりも低い温度で成長させることができる。ここで、シラン(SiH)は、水素化シリコン化合物Si(式中、x=1以上、およびy=2x+2である)のクラスを称する用語「シラン」との混同を回避するために、本明細書においては「モノシラン」と称される場合がある。
【0008】
トリシランは、特に、低い熱収支要件を満たすことに関して、モノシランをしのぐいくつかの利点を提示することができるが、精製するにはより困難であり得る。水分除去に主に用いられる多くの従来のモノシラン精製材料はまた、トリシランをモノシランおよびジシランのようなより小さいシランに大幅に分解する可能性もある。したがって、精製剤材料および活性化方法は、多金属水素化物(例えば、M=2以上であった)をより小さい水素化物および/または他の分解生成物に実質的に分解することなく、水分除去という目標を達成するように、注意深く選択される必要がある。
【0009】
さらに、多金属水素化物生成方法はまた、いくらかの分率の高次金属水素化物も典型的に生成する。例えば、トリシランの生成は、テトラシラン(例えば、n−テトラシランおよびイソテトラシラン)不純物を典型的に生成する。実施形態は、これらの高次金属水素化物を多金属水素化物よりも速い速度で除去する(例えば、分解する)ことができる方法および材料を含み、精製された生成物中の多金属水素化物の相対濃度を増大させる。
【0010】
本発明の実施形態は、水素含有材料を精製する方法を含む。該方法は、シリカを含む精製剤材料を用意するステップを含んでいてよい。シリカは、約100℃以上の温度で乾燥雰囲気において加熱されて、活性化されたシリカを形成することができる。活性化されたシリカは、出発水素含有材料と接触することができ、ここで、活性化されたシリカは、出発水素含有材料に由来する1種または複数の不純物の濃度を低減して、精製された水素含有材料を形成し、また、活性化されたシリカは、精製された水素含有材料を分解しない。
【0011】
本発明の実施形態はまた、多金属水素化物中の不純物を低減する方法も含む。該方法は、シリカを含みかつ1000を超えるSiO:Alモル比を有する精製剤材料を用意するステップを含んでいてよい。精製剤材料は多金属水素化物と接触してよく、ここで、精製剤材料は、多金属水素化物よりも多くの金属原子を有する、高次金属水素化物の濃度を低減する。実施形態はまた、精製剤材料に、多金属水素化物における、低次金属水素化物の濃度を低減させること含んでいてもよく、ここで、低次金属水素化物は、精製されている多金属水素化物よりも少数の金属原子を有する。
【0012】
本発明の実施形態は、精製された水素含有材料を生成するシステムをさらに含む。該システムは、1種または複数の不純物を含む出発水素含有材料の供給源を含んでいてよい。該システムはまた、活性化されたシリカを含む精製剤ユニットを含んでいてもよい。活性化されたシリカは、シリカを約100℃以上の温度で乾燥雰囲気において加熱することによって形成され得る。該システムは、精製された水素含有材料を精製剤ユニットから放出するための、精製剤ユニットから下流にある出口をさらに含んでいてよく、ここで、精製された水素含有材料は、低減された濃度の1種または複数の不純物を有する。
【0013】
さらなる実施形態および特徴を以下の詳細な説明において部分的に記載するが、これらは、部分的に、本明細書の実施の際に当業者に明らかになるであろうし、あるいは、本発明の実行によって習得され得る。本発明の特徴および利点は、本明細書に記載の手段、組合せおよび方法によって実現および達成され得る。
【0014】
本発明の性質および利点のさらなる理解は、本明細書の残りの部分および図面を参照することによって実現され得る。ここで、同様の構成要素を称するためにいくつかの図面を通して同様の参照番号が用いられる。いくつかの場合において、サブラベルが参照番号と関連付けられ、ハイフンに続き、複数の同様の構成要素の1つを表している。存在するサブラベルについて特定することなく参照番号で参照しているときは、すべてのこのような複数の同様の構成要素を称することが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施形態による水素含有組成物を精製する方法における選択されたステップを示すフローチャートである。
【図2】図2は、本発明の実施形態による水素含有組成物中の不純物を低減する方法における選択されたステップを示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の実施形態による水素含有組成物を精製するシステムの簡略図である。
【図4】図4は、トリシラン精製剤材料試験システムの概略図である。
【図5】図5は、シリカゲル活性化温度の関数としてのシラノール基密度のプロットである。
【図6】図6は、トリシランサンプル中の水分不純物濃度のグラフである。
【図7】図7は、トリシランサンプルのクロマトグラムである。
【図8】図8は、種々の不純物濃度のグラフであり、生成されるトリシランの純度への精製剤材料の影響をプロットする。
【発明を実施するための形態】
【0016】
不純物(例えば、水分)を水素含有材料(例えば、金属水素化物)から除去するための方法およびシステムを記載する。精製剤材料は、これらが、多量の水素含有材料をより小さい種に分解することなく大部分の不純物を除去するように選択されて、処理される。例えば、水素含有材料が多金属水素化物であるとき、精製剤材料は、多金属水素化物から、より少ない数の金属原子を含有する低次水素化物への分解(例えば、トリシランからモノおよびジシランへの分解)を低減するように選択されて処理される。
【0017】
精製された水素含有材料中の水分レベルは、実質的に低減された量の水分を有し、90%以上の水分濃度の低減が達成可能である。該材料を使用時点においてインサイチュで精製することによって、精製された水素含有材料の再汚染を低減することもできる。ガス送達装置への輸送、貯蔵時間、および暴露が低減することにより、精製された水素含有材料が、例えば、半導体製造装置において直ちに消費されるため、不純物濃度を低く保つことができる。
【0018】
精製することができる水素含有材料として、一水素化物(例えば、1個の金属原子を有する水素化物)、および一緒に結合している2個以上の非水素原子を有する多水素化物を挙げることができる。例えば、多水素化物として、一緒に結合している2個以上の金属元素を有する多金属水素化物を挙げることができる。また、多金属水素化物として、異性体構造の水素化物(例えば、n−テトラシラン対イソテトラシラン)を挙げることもできる。
【0019】
水素含有材料として、1個または複数の水素原子と結合している第III族(例えば、B、Al、Ga、In、Tl)、第IV族(例えば、C、Si、Ge、Sn、Pb)、および第V族(例えば、N、P、As、Sb、Bi)の元素を含めた種々の材料を挙げることができる。また、該材料として、これらの元素の2種以上の組合せを挙げることもできる。水素含有材料が金属水素化物であるとき、該水素化物は、少なくとも部分的に安定な水素化物を形成することができる任意の金属元素を含んでいてよい。これらは、他の金属の中でも、周期表の第III族(例えば、B、Al、Ga、In、Tl)、第IV族(例えば、Si、Ge、Sn、Pb)、および/または第V族(例えば、P、As、Sb、Bi)からの金属を含んでいてもよい。金属水素化物はまた、2種以上の異なる金属元素の組合せ(例えば、SiおよびGe、SiおよびP、Si+P+Geなどを含む水素化物)を含んでいてもよい。金属水素化物サンプルはまた、2種以上の金属水素化物化合物の組合せ、(例えば、トリシランおよびポリゲルマニウム水素化物)を含んでいてもよい。
【0020】
例示的方法
図1は、本発明の実施形態の水素含有材料を精製する方法100における選択されたステップを示す。方法100は、シリカ(例えば、シリカゲルおよび/またはより結晶性のシリケート)であってよい精製剤材料を用意すること102を含んでいてよい。次いで、精製剤材料は、加熱されて水素含有材料を活性化する104。精製剤材料がシリカであるとき、加熱ステップは、シリカの温度を乾燥雰囲気(すなわち、水蒸気のレベルが低減された雰囲気)において上昇させることを含んでいてよい。加熱温度は、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、または600℃以上であってよい。例えば、加熱温度は、他の温度範囲の中でも、約150℃〜約400℃、または約400℃〜約600℃の範囲であってよい。
【0021】
乾燥雰囲気は、不活性ガス、希ガス、還元ガス、および/またはこれらのガスの組合せからなっていてよい。不活性ガスは、乾燥窒素(N)を含んでいてよく、希ガスは、ヘリウム、アルゴン、クリプトンなどを含んでいてよい。還元ガスは、他の還元ガスの中でも、水素(H)および/またはアンモニア(NH)を含んでいてよい。実施形態はまた、真空(すなわち、減圧雰囲気)下で精製剤材料を加熱することを含んでいてもよい。
【0022】
乾燥雰囲気は、静的であっても動的(すなわち、流動性)であってもよい。例えば、乾燥雰囲気を作り上げるガス(複数可)は、加熱ステップの一部または全継続期間(例えば、約3、6、9、12、15、18、21、24時間など)にわたって精製剤材料を通って連続して流動していてもよい。
【0023】
精製剤材料の活性化の後に、温度は、水素含有材料の精製の前または間に、例えば室温以下(例えば、約25℃以下、約0℃など)に場合により調整されてよい106。代替的には、精製剤は、活性化温度、または室温と活性化温度との間の温度で維持されてよい。さらに他の実施形態において、精製剤材料は、精製剤システムの周囲温度に適応する。精製剤材料の温度が周囲温度と異なる温度に調整されるとき、その温度を維持するために冷却または加熱システムが水素含有材料と熱的に接触して配置されていてよい。
【0024】
活性化された精製剤材料は、出発水素含有材料と接触して108、該材料から1種または複数の不純物を除去することができる。これらの不純物として、他のタイプの不純物の中でも、水蒸気(すなわち、水分)、シロキサン、ゲルモキサン、シリルゲルモキサン、および/または炭化水素を挙げることができる。精製された水素含有材料中の水蒸気の低減された濃度は、出発水素含有材料と比較して、90重量%以上であり得る。例えば、出発トリシランサンプル中の水蒸気濃度(例えば、約3000〜6500ppb)は、精製剤材料を通って流れた精製されたトリシラン中で、約1ppm以下、約500ppb以下、約300ppb以下、約100ppb以下、約50ppb以下などまで低減され得る。また、不純物として、精製される水素含有材料の分解生成物を挙げることもできる。例えば、金属水素化物がポリシラン(例えば、式Si(式中、x=2以上、およびy=2x+2である)を有するシラン)であるとき、分解生成物として、シラノール、およびより少ないSi原子を含むシラン(例えば、モノシラン)を挙げることができる。
【0025】
水素含有材料が金属水素化物であるとき、不純物として、所望の金属水素化物よりも多数および/または少数の金属原子を有する高次および/または低次金属水素化物を挙げることもできる。高次金属水素化物は、合成および/または貯蔵の間に所望の金属水素化物を組み合わせるまたは分割することによって形成され得る。所望の金属水素化物が化学式M(式中、x=1以上、およびy=2x+2である)を有するとき、高次金属水素化物は、Mx+zy+2zの式(式中、z=1以上)を有し得る。例えば、所望の金属水素化物がトリシラン(Si)であるとき、高次ポリシラン不純物として、直鎖または異性体形のテトラシラン、ペンタシラン、ヘキサシラン、ヘプタシランなどを挙げることができる。同様に、低次金属水素化物は、Mx−zy−2zの式(式中、x=2以上、かつz=1以上)を有し得る。
【0026】
ここで図2を参照すると、本発明の実施形態による、水素含有材料、例えば、金属組成物中の不純物を低減する方法200における選択されたステップを有するフローチャートが示されている。方法200は、ある一定の数以上であり得るSiO:Al比(すなわち、シリカ対アルミナ比)を有するシリカ精製剤材料を選択するステップ202を含んでいてよい。例えば、SiO:Alは、約1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、11000、12000、13000、14000、または15000以上であってよい。
【0027】
閾値比は、異なるタイプの金属水素化物で変動し得る。例えば、金属水素化物がトリシランのようなポリシランであるとき、シリカ対アルミナ比は、約1000以上(例えば、約12000以上)であってよい。シリカ対アルミナ比が約1000未満に降下すると、精製剤材料中のアルミナの相対濃度が高く、かなり多くのトリシランをモノおよびジシランのような低次シランに分解し得る。
【0028】
次いで、選択されたシリカ精製剤は、精製されるべき出発金属水素化物と接触し得る204。上記のように、シリカ精製剤は、より低いSiO:Al比を有する精製剤と比較して金属水素化物の分解速度を大幅に低減するように選択されてきた。分解は、金属水素化物を低次水素化物および/または非水素化分解生成物に分割することを含み得る。例えば、金属水素化物の化学式が、M(式中、x=1以上、およびy=2x+2である)であるとき、分解生成物は、Mx−zy−2zの式(式中、z=1以上)を有する低次金属水素化物を含み得る。例えば、金属水素化物がトリシラン(Si)であるとき、分解生成物として、モノシラン(SiH)およびジシラン(Si)を挙げることができる。
【0029】
シリカ精製剤と出発金属水素化物との間の接触は、金属水素化物からの不純物の除去をもたらす206。上記のように、これらの不純物として、他のタイプの不純物の中でも、水蒸気、シロキサン、炭化水素などを挙げることができる。また、これらの不純物として、所望の金属水素化物よりも多数の金属原子を有する高次金属水素化物を挙げることもできる。
【0030】
出発金属水素化物は、他の流体成分(すなわち、他のガスおよび/または液体)と予め混合されて貯蔵されても、精製剤材料を通って接触する(例えば、流動する)前に混合されてもよい。これらのさらなる成分として、キャリアガスおよび/または還元ガスを挙げることができ、その濃度および組成は、金属水素化物の最終用途に依存し得る。キャリアガスとして、不活性ガスおよび/または希ガス、例えば、窒素(N)、ヘリウム、アルゴン、クリプトンなどを挙げることができる。還元ガスとして、他の還元ガスの中でも、水素(H)および/またはアンモニア(NH)を挙げることができる。
【0031】
例示的システム
図3は、本発明の実施形態による、水素含有材料、例えば、金属水素化物を精製するシステム300の簡略図を示す。システム300は、1種または複数の不純物を含む出発水素含有材料の供給源302を含んでいてよい。システム300はまた、精製剤材料306を含有する精製剤ユニット304を含んでいてもよい。システムは、乾燥雰囲気において活性化温度(例えば、約100℃以上、約150℃以上など)に加熱することによって精製剤材料を活性化するための構成要素をさらに含んでいてよい。これらの構成要素は、精製剤材料306および精製剤ユニット304と熱的に接触する乾燥雰囲気供給源ガス308および温度制御ユニット310を含んでいてよい。
【0032】
システム300の実施形態は、精製剤ユニットを活性化段階と精製段階とに切り替えることができるバルブおよびガス流導管を含んでいてよい。活性化段階の間、バルブは、温度制御ユニット310によって活性化温度に加熱されている乾燥雰囲気供給源308からのガスのみが精製剤ユニット内に流入するように調整され得る。乾燥雰囲気ガスは、水分および他の不純物を精製剤材料から拾い上げた後に、場合によってはポンピングシステム314の助けによって、精製剤ユニット304における下流出口312を介してポンピングされ得る。下流出口312と流体連通しているバルブは、調整されて、適用構成要素316または精製された水素材料の貯蔵ユニット318ではなく、システム300の外に乾燥雰囲気を移動させることができる。
【0033】
(活性化ステップが必要である場合)精製剤材料が活性化された後、システム300は、精製段階用に構成されてよい。この段階の間、バルブは、水素含有材料供給源302からの出発水素含有材料が精製剤材料306を介して精製剤ユニット304に流入可能になるように調整され得る。場合により、温度制御ユニット310は、精製剤材料306の温度を精製段階の間に調整してよい(例えば、精製剤材料の温度を約25℃以下に調整する)。バルブは、下流出口312を出る精製された水素含有材料が適用構成要素316または精製された材料の貯蔵ユニット318に場合により送達され得るように調整され得る。適用構成要素316は、化学気相堆積を用いて基板にシリコン層を形成するための例えば、シリコンエピタキシャル成長室を含んでいてよい。精製された材料の貯蔵ユニットは、該材料を貯蔵位置または使用地点に運ぶことができるように、システム300から可逆的に切り離すことができる貯蔵タンクまたはシリンダを含んでいてもよい。
【0034】
システム300は、水素含有材料の精製および精製剤材料の活性化の多重サイクルを可能にするように構成され得る。これにより、システム300のインサイチュ適用において、精製剤ユニット304からの精製剤材料306を物理的に置き換える必要なく精製期間の後に精製剤材料を再投入することを可能にすることができる。さらなる実施形態において、精製剤ユニット304は、新たな精製剤材料によって補充され得るかまたは置き換えられ得るように、精製剤材料306をアクセス可能とするように構成され得る。
【実施例】
【0035】
実験
具体的な水素含有材料:トリシラン(Si)において、この出発ガスのサンプルを種々の精製剤材料に暴露した後の組成変化を測定する実験を行った。出発トリシランの組成は、既に約99.999%の純度であり、これに、種々の組成および/または種々の活性化温度を有する精製剤材料を通過させた。精製されたサンプル中の水分レベルを、キャビティリングダウン分光法(CRDS)を用いて測定し、未精製サンプルの水分レベルと互いに比較した。モノ−、ジ−、およびテトラシランを含めた、トリシランサンプル中のさらなる不純物のレベルの比較もまた、ガスクロマトグラフィ/質量スペクトル(GC−MS)を用いて行った。
【0036】
水分分析計およびGCガスマニホールドの実験設定
トリシランサンプル中の不純物レベルを測定するための実験設定の概略図を図4に示す。概略図は、トリシランのサンプルをレクチャーボトル402から採取するように設計されたガスマニホールドを示す。トリシランサンプルが窒素(N)と混合されるとき(例えば、サンプルのGC−MS分析を実施するとき)、窒素は窒素供給源404によって供給される。精製されたトリシランサンプル蒸気は、1種または複数の精製剤材料406a〜bを通って該サンプルを送達することによって生成され得る。マニホールドはまた、未精製サンプルに精製剤材料406a〜bをバイパスさせて不純物レベルの比較測定をするようにも構成される。
【0037】
トリシランサンプルは、精製剤材料を通過またはバイパスした後、不純物測定のための分析装置に流れる。マニホールドバルブは、サンプルがキャビティリングダウン分光計408に向かって流れサンプル中の含水量を測定するように構成されてよい。代替的には、マニホールドバルブは、サンプルがガスクロマトグラム−質量分析計(図示せず)に流入して、トリシランおよび他のシラン(例えば、モノシラン、ジシラン、イソテトラシラン、n−テトラシランなど)の相対量を測定するように構成されてもよい。次いで、サンプルは、GC−MSから戻ってCRDSにおいてさらに測定されても、マニホールドの排出セクション410に流れてもよい。
【0038】
マニホールドの排出セクション410において、サンプルは、一連の冷却トラップ412を通り抜けて、濃縮可能な廃棄材料を捕捉し、次いでスクラバ414を通過した後に、マニホールドの外に放出され得る。
【0039】
水分およびGC分析
トリシランの水分の測定の準備をするために、精製されたNを用いてマニホールドをパージして完全に乾燥し、マニホールド圧を約1000torrに維持する。リングダウンキャビティの圧力を250torr、30℃に設定して最大量のNがキャビティセルを通って流れることを可能にした。マニホールドおよびCRDSは、1日または2日以内に通常は完全に乾燥する。
【0040】
測定の間、トリシランサンプルの蒸気は、マニホールドを通って移動し、精製剤材料を通過もしくはバイパスする。トリシランサンプルはまた、GCを通過またはバイパスし、水分分析計に向かって直接進んでもよい。測定値を水分分析計において採取した後、トリシランサンプルの蒸気はスクラバを通る。GC分析も実施するとき、トリシランサンプルの蒸気は、水分分析計に入る前にGCサンプルループを通過することができる。GC応答は、ヘリウム標準において10ppmのジシランを用いて較正される。
【0041】
試験される精製剤材料の説明
試験される精製剤材料は、3種の材料、アモルファス構造を有するシリケート(材料A)、ならびに結晶性シリケート(材料BおよびC)を含んでいた。試験されるシリカゲルおよび結晶性シリケートのいくつかの物理的特性、容量および効率のデータを表1に示す。
【0042】
【表1】

材料Bは、製造者から既に活性化された状態であった。材料Cを、別個のマニホールドにおいて異なる位置で実験する前に、1slpmのNにおいて400℃で24時間活性化させた。材料Aの活性化処理は、1slpmのNにおいて2種の異なる温度:150℃および400℃での24時間の熱的活性化を含む。シリカ材料の水分容量および効率を、水分センサを用いて別個のマニホールドにおいて測定した。
【0043】
実験結果
予想通り、すべてのシリコン含有材料がトリシラン精製に理想的というわけではなかった。試験した精製剤材料のうち、1slpmのNにおいて400℃で24時間活性化させた材料Aは、トリシラン蒸気ストリームにおける水分およびテトラシランのレベルを低減するのに最も効果的であることがわかった。材料Aに関しては、150℃を超える熱的活性化が水分除去を促進し、トリシランの分解を低減した。どのように熱的活性化プロセスが機能するかについて特定の理論に拘束されることを望まないが、これらの材料を150℃超で加熱することで、材料の表面の反応性シラノール(Si−OH)基があまり反応性でないSi−O−Si基に変換されると考えられる。
【0044】
図5は、材料Aの活性化温度の関数としてのSi−OH基の減少する表面密度(原子/nm)のプロットを示す。Si−OHの量は、活性化温度を約200℃〜約400℃に設定したときに大幅に減少することが観察された。Si−OH基がトリシランと容易に反応して、Siの分解生成物および水素ガスを形成すると考えられる。したがって、精製剤表面におけるSi−OH基の密度を熱的活性化によって低下させることにより、トリシランの分解を低減し、さらにはトリシラン蒸気中の水分を捕捉するのに利用可能な部位を増加させる。
【0045】
多くのトリシラン精製剤材料中に存在する別の反応性種は、アルミニウム(Al)であり、通常は、アルミナ(Al)として酸化形態で生じる。アルミニウムは、シラン化合物と非常に反応性であり、トリシランのような高次シランを迅速に分解することができる。アルミナ(Al)は、シランおよびアルキルシランを分解することが示されている。したがって、トリシランの精製結果もまた、精製剤材料中のシリカ(SiO)対アルミナ(Al)の相対量(すなわち、SiO:Al比)と比較した。材料Aは、約12000の高いSiO:Al比を有したが、材料BおよびCは、実質的により低いSiO:Al比を有した:材料Bは、約10の比を有し、材料Cは、約800〜1000の比を有した。
【0046】
水分負荷試験の結果
上記のように、検査される精製剤材料の容量を、水分発生器を用いて1slpmのNにおいて900ppmのHO負荷によって測定した。400℃で活性化された材料Aは、精製剤材料1リットルあたり2.79LのHO(L/L)で、最も低い容量を有した。150℃で活性化した同じ材料Aは、9.11L/Lでより良好な容量を有し、材料Cは、約5.0L/Lの容量を有した。材料Bの容量は測定しなかった。
【0047】
材料A、BおよびCは、上掲の表1にまとめたように、10ppb以下の水分効率を有した。
【0048】
実験結果
1.材料A
精製剤材料をバイパスした純な/純粋なトリシラン蒸気中の水濃度は、約6500ppbであった。トリシランサンプルを、400℃で活性化された材料Aを通して代わりに流したとき、水蒸気不純物の濃度は、精製されたトリシランストリーム中、6500ppbから約35ppbまで降下し、100倍を超える低減であった。図6は、未精製トリシランおよび精製されたトリシランが活性化した材料Aを通過するサイクルに対しての、水蒸気濃度の時間プロットのスペクトルを示す。
【0049】
2.材料B
上記のように、精製剤材料をバイパスしたときの純な/純粋なトリシラン蒸気中の水濃度は、約6500ppbであった。次いで、トリシランを、材料B精製剤を通して流したとき、水濃度は約300ppbに降下し、水蒸気濃度の減少は1桁を超えた。
【0050】
3.材料C
Matheson Tri−Gas製のトリシラン供給源を用いると、未精製の純な供給源サンプル中の水蒸気濃度は、精製剤材料をバイパスしたサンプルにおいて測定したとき、約500ppbであった。次いでトリシランが材料Cを通して流れたとき、水蒸気濃度は、実際には約2000ppbに増大した。
【0051】
GC−MS実験結果
精製剤材料をバイパスした純なトリシランをGCによって分析すると、図7に示される得られたクロマトグラムは、最大ピーク(ピーク5)がトリシランであることを示した。他の不純物は、保持時間および分子量によって同定した。クロマトグラム中のピーク1、3、6、および7は、モノシラン、ジシラン、イソテトラシラン、およびn−テトラシランにそれぞれ相当する。ピーク2および4は、シロキサンである。He標準において10ppmのジシランを用いた較正に基づき、トリシランは、約27.5ppmのモノシランおよび191ppmのジシランを含有した。シロキサン、イソテトラシラン、およびn−テトラシランの濃度は、同じジシラン較正標準を用いて、2.5、2.7、および5.1ppmであると評価された。受け取ったすべてのトリシランサンプルを分析して、不純物のレベルを確認した。Matheson Tri−Gas製の別のトリシラン供給源は、より高い不純物レベルを示し、これは、経時的な自然分解の結果であると考えられた。表2は、用いたトリシラン供給源における、GCによって測定した不純物レベルをまとめる。
【0052】
【表2A】

【0053】
【表2B】

1.材料A
1slpmのNにおいて400℃で24時間活性化した材料Aを通過したトリシランサンプルにおいてGC−MSによる不純物分析を行った。活性化された材料Aを通過したトリシランサンプルのGC−MS分析は、実質的にすべてのイソテトラシランおよびn−テトラシランが除去されたことを示した。分析はまた、モノシラン濃度が約12ppmから約17ppmに僅かに増大し、ジシランが約251ppmから約666ppmに増大したことも示した。モノ−およびジシランのこれらの増大は、シリカゲル上でSi−OH基と接触したであろう高次シラン(トリシランを含む)の分解によって部分的に引き起こされると考えられた。図8は、400℃で熱的に活性化した材料A精製剤をバイパスまたは通過したトリシランサンプルについての種々の不純物の濃度変化を示すグラフである。
【0054】
材料Aについて、不純物レベルに対する活性化温度の影響を測定する比較実験も実施した。1slpmのNにおいて150℃で24時間活性化した材料Aは、より高い温度で活性化した材料Aよりも高濃度のモノシラン(約4500ppm)およびジシラン(約12,000ppm)を生成した。しかし、低温で活性化した材料Aはまた、検出レベル未満のテトラシランも除去した。150℃および400℃の温度で活性化した材料Aの比較は、より高温で加熱すると、より多くのSi−OH基がSi−O−Siに変換されるという理論を支持している。400℃でのより低いSi−OH基密度は、モノ−およびジシランに変換されるトリシランがより少ないという結果をもたらす。
【0055】
2.材料B
トリシランを材料Bに暴露すると、相当量の不純物がトリシランから生成された。この材料は、トリシランを相当量のモノシラン(約100ppm)、ジシラン(約500ppm)に分解し、同様にトリシランをイソテトラシラン(約200ppm)およびn−テトラシラン(約700ppm)、ならびにより高分子量の不純物(約400ppm)に変換した。材料Bは、試験された全精製剤材料のうち、最も高いアルミニウム濃度を有した。したがって、高次シランへのトリシランの分解および変換の程度は、Alが反応性シラン種(恐らくはSiHおよび/またはSiH・)を形成する役割をするという考えを支持している。これらの反応性シランイオンおよびラジカルは、トリシランから、イソテトラシラン、n−テトラシラン、およびペンタシラン(Si12)のような高次シランを含めた他の化合物への分解および変換を大幅に促進する。クロマトグラムにおいて観察されるイソテトラシラン対n−テトラシランの比は、1:2であり、この反応が選択性でないことを示している。
【0056】
3.材料C
材料C精製剤は、約95%のテトラシランを除去したが、相当量のモノシラン(約150ppm)およびジシラン(約1400ppm)、ならびにいくつかのより高分子量の不純物(約400ppm)を生成した。
【0057】
精製剤のコンディショニング試験
コンディショニング試験の間、純なトリシランについて、400℃で活性化された材料A精製剤をコンディショニングするのに約25分間を要した。シリカゲル精製剤の温度は、コンディショニング試験の継続期間にわたって室温で保持した。比較して、純なトリシランを材料C精製剤に30分を超えて暴露することによって、別のコンディショニング試験を実施した。この間、材料C精製剤は、トリシランを連続して化学的に吸収し、CRDSは、トリシランの蒸気が精製剤を通して流れないことを示した。一方で、精製剤の温度は、室温(約25℃)から約40℃に上昇した。この温度上昇は、材料Cがトリシランを吸収していることを示しており、なぜ、より多くの水蒸気が、この精製剤材料から除去されているというよりは放出されているように見えるかを説明することもできる。
【0058】
実験のまとめ
以下の表3は、これらの実験における3種の精製剤材料の分析についての性能結果をまとめる。
【0059】
【表3A】

【0060】
【表3B】

400℃で活性化された材料A精製剤は、試験されたすべてのトリシラン精製剤材料の中で最も良好な性能を示したが、他の精製剤材料の多くはまた、トリシラン中の水分および他の不純物を多くの現代の電子および半導体製造用途に許容されるレベルまで低減するのに好適でもある。例えば、様々な用途において使用され得る、より低い温度(例えば、150℃)で活性化されたシリカゲル、および材料B精製剤は、低次シラン(例えば、モノシランおよびジシラン)のレベルが増大することよりも水分が低減することの方が重要であるということであった。
【0061】
試験されたすべての精製剤材料は、トリシランをある程度まで分解した。(より低いSiO:Al比によって反映されるように)アルミニウム中でより濃縮された材料は、トリシランをより高い程度まで分解する傾向があった。より高いSiO:Al比を有する材料は、トリシランに対して、より不活性であった。上記のように、トリシラン精製剤材料の選択は、トリシランの基本的な最終用途、および、水分レベルの低下と低次シランのレベルの増大との間でトレードオフが行われ得る程度に依存し得る。
【0062】
いくつかの実施形態を記載したが、本発明の精神から逸脱することなく種々の変形物、代替の構造、および等価物が用いられ得ることが当業者によって認識されよう。加えて、本発明を不必要に曖昧にすることを回避するために、多くの周知のプロセスおよび要素を記載していない。したがって、上の記載は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0063】
値の範囲が提供されているとき、文脈が別途明確に指示しない限り、該範囲の上限および下限の間で、下限の単位の10分の1まで、それぞれ間にある値もまた具体的に開示されていることが理解される。記述した範囲内の記述した任意の値または間にある値と、該記述した範囲内の任意の他の記述した値または間にある値との間のそれぞれより狭い範囲も包含される。これらのより狭い範囲の上限および下限は、独立して、該範囲内に含まれていても除外されていてもよく、上限および下限のいずれかがより小さい範囲に含まれる、または両方が含まれるもしくは両方とも含まれないそれぞれの範囲もまた本発明の範囲内に包含され、該記述した範囲にある具体的に除外された任意の制限に従う。記述した範囲が上下限の一方または両方を含むとき、これらの含まれる上下限のいずれかまたは両方を除外した範囲もまた含まれる。
【0064】
本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるとき、単数形「a(1つの)」、「an(1つの)」、および「the(該)」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「プロセス」への言及は、複数の該プロセスを含み、「精製剤」への言及は、1種または複数の精製剤および当業者に公知のその等価物などを含む。
【0065】
また、用語「comprise(含む)」、「comprising(含む)」、「include(含む)」、「including(含む)」および「includes(含む)」は、本明細書および続いての特許請求の範囲において用いるとき、記述した特徴、整数値、構成要素、またはステップの存在を特定することを意図しているが、1種または複数の他の特徴、整数値、構成要素、ステップ、作用またはグループの存在または付加を排除していない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素含有材料を精製する方法であって、
シリカを含む精製剤材料を用意するステップと、
前記シリカを約100℃以上の温度で乾燥雰囲気において加熱して、活性化されたシリカを形成するステップと、
前記活性化されたシリカを出発水素含有材料と接触させるステップと
を含み、前記活性化されたシリカは、前記出発水素含有材料に由来する1種または複数の不純物の濃度を低減して、前記精製された水素含有材料を形成し、そして、前記活性化されたシリカは、前記精製された水素含有材料を分解しない方法。
【請求項2】
前記シリカが、約150℃以上の温度で乾燥雰囲気において加熱されて、前記活性化されたシリカを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水素含有材料が、1種または複数の第III、IV、またはV族元素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記水素含有材料が、ホウ素、炭素、窒素、アルミニウム、シリコン、リン、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、インジウム、スズ、アンチモン、タリウム、鉛、およびビスマスからなる群から選択される1種または複数の原子を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記水素含有材料が、2種以上の異なる第III、IV、またはV族元素を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記水素含有材料が、1種または複数の水素化シリコンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記水素化シリコンが、式Si(式中、x=2以上、およびy=2x+2である)を有する水素化ポリシリコンを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記水素化シリコンが、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、またはペンタシランを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記水素化シリコンが、トリシランを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記シリカが、約150℃〜約400℃の温度に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記シリカが、約600℃以上の温度に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記シリカが、約400℃〜約600℃の温度に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記シリカが、シリカゲルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
シリカを含む前記精製剤材料を用意する前記ステップが、1000を超えるSiO:Alモル比を有するシリカを選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記不純物が、水蒸気を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記精製された水素含有材料が、約1ppm以下の水蒸気濃度を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記精製された水素含有材料が、約50ppb以下の水蒸気濃度を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記不純物が、炭化水素、シロキサン、ゲルモキサン、およびシリルゲルモキサンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記不純物が、前記水素含有材料の分解生成物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記不純物が、式Si(式中、x=2以上、およびy=2x+2である)を有するポリシランを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記乾燥雰囲気が、少なくとも1種の不活性ガスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記不活性ガスが、窒素(N)、ヘリウム(He)、またはアルゴン(Ar)を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記乾燥雰囲気が、少なくとも1種の還元ガスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記還元ガスが、水素(H)またはアンモニア(NH)を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記水素含有材料が、分子水素(H)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、または窒素(N)を含むキャリアガスによって、前記活性化されたシリカの中を通過する、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記活性化されたシリカが、前記出発水素含有材料と接触するとき、前記活性化されたシリカが、約25℃以下の精製温度に冷却される、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
多金属水素化物中の不純物を低減する方法であって、
シリカを含みかつ1000を超えるSiO:Alモル比を有する精製剤材料を用意するステップと、
前記精製剤材料を前記多金属水素化物と接触させるステップと
を含み、前記精製剤材料が、前記多金属水素化物よりも多くの金属原子を有する高次金属水素化物の濃度を低減する方法。
【請求項28】
前記精製剤材料が、前記多金属水素化物よりも少ない金属原子を有する低次金属水素化物の濃度も低減する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記多金属水素化物が、2種以上の異なる金属を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記多金属水素化物が、炭素、窒素、または炭素および窒素の両方を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記多金属水素化物が、式M(式中、x=2以上、およびy=2x+2である)を有するポリシランを含み、前記高次金属水素化物が、Mx+zy+2zの式(式中、z=1以上)を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記多金属水素化物がトリシランを含み、前記高次金属水素化物がテトラシランを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
精製剤材料が、約12000以上のSiO:Alモル比を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記精製剤材料が、シリカゲルを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記精製剤材料が、約100℃以上の温度で加熱される、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
前記精製剤材料が、約400℃以上の温度で加熱される、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
前記シリカが、約150℃〜約400℃の温度に加熱される、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
前記シリカが、約600℃以上の温度に加熱される、請求項27に記載の方法。
【請求項39】
前記シリカが、約400℃〜約600℃の温度に加熱される、請求項27に記載の方法。
【請求項40】
前記精製剤材料が、前記金属水素化物中の水の濃度を約1ppm以下に低減する、請求項27に記載の方法。
【請求項41】
前記精製剤材料が、前記金属水素化物中の水の濃度を約50ppb以下に低減する、請求項27に記載の方法。
【請求項42】
多金属水素化物中の不純物を低減する方法であって、
シリカを含みかつ1000を超えるSiO:Alモル比を有する精製剤材料を用意するステップと、
前記精製剤材料を前記多金属水素化物と接触させるステップと
を含み、前記精製剤材料が、前記多金属水素化物よりも多くの金属原子を有する高次金属水素化物の形成を低減する方法。
【請求項43】
前記精製剤材料が、前記多金属水素化物よりも少ない金属原子を有する低次金属水素化物の濃度も低減する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記高次金属水素化物が、前記多金属水素化物と1種または複数のさらなる金属含有種との組合せによって形成される、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
精製された水素含有材料を生成するシステムであって、
1種または複数の不純物を含む出発水素含有材料の供給源と、
活性化されたシリカを含む精製剤ユニットにおいて、前記活性化されたシリカが、該シリカを約100℃以上の温度に乾燥雰囲気において加熱することによって形成される、ユニットと、
前記精製された水素含有材料を前記精製剤ユニットから放出するための、前記精製剤ユニットから下流にある出口において、前記精製された水素含有材料が、低減された濃度の前記1種または複数の不純物を有する出口と
を含むシステム。
【請求項46】
前記水素含有材料が、式Si(式中、x=2以上、およびy=2x+2である)を有するシランを含む、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記シランが、トリシランまたはテトラシランを含む、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記出口が、基板におけるシリコンのエピタキシャル成長のための装置と流体的に連結されている、請求項45に記載のシステム。
【請求項49】
前記活性化されたシリカが、シリカゲルを含む、請求項45に記載のシステム。
【請求項50】
前記活性化されたシリカが、約12000以上のSiO:Alモル比を有する、請求項45に記載のシステム。
【請求項51】
前記活性化されたシリカが、シリカを約600℃以上の温度に加熱することによって形成される、請求項45に記載のシステム。
【請求項52】
前記不純物が、水蒸気を含む、請求項45に記載のシステム。
【請求項53】
前記精製された金属水素化物が、約1ppm以下の水蒸気濃度を有する、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記精製されたトリシランが、約50ppb以下の水蒸気濃度を有する、請求項52に記載のシステム。
【請求項55】
前記不純物が、テトラシランを含む、請求項45に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−525467(P2011−525467A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509775(P2011−509775)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/044223
【国際公開番号】WO2009/140645
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(510303006)マセソン トライ−ガス, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】