水質調査装置
【課題】 消火栓ボックス内に収容可能なコンパクトな構成で、長時間にわたって調査可能な水質調査装置の提供。
【解決手段】 補修弁5に着脱可能に取り付けられる取付部材25と、取付部材25に水密状態で上下動可能に設けられる筒状の挿入部材27と、挿入部材27の下端部に設けられ、配水管内の水を採水する採水具29と、採水具29から送られてきた水の残留塩素濃度を測定する測定器31と、水温を測定する温度センサ33と、測定器31および温度センサ33からの各データを記憶するデータロガー35と、濃度測定器31およびデータロガー35に電力を供給するバッテリー37,39を備え、バッテリー37付きデータロガー35、測定器31、およびバッテリー39は、それぞれ防水ケース139,141,143に収容されて消火栓ボックス内に配置される。
【解決手段】 補修弁5に着脱可能に取り付けられる取付部材25と、取付部材25に水密状態で上下動可能に設けられる筒状の挿入部材27と、挿入部材27の下端部に設けられ、配水管内の水を採水する採水具29と、採水具29から送られてきた水の残留塩素濃度を測定する測定器31と、水温を測定する温度センサ33と、測定器31および温度センサ33からの各データを記憶するデータロガー35と、濃度測定器31およびデータロガー35に電力を供給するバッテリー37,39を備え、バッテリー37付きデータロガー35、測定器31、およびバッテリー39は、それぞれ防水ケース139,141,143に収容されて消火栓ボックス内に配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上水道配水管内を流れる水の水質を調査する装置であり、特に上水道配水管内の水の残留塩素濃度を測定するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上水道配水管内を流れる水に対して、水質調査の一環として、残留塩素濃度を測定することがあり、たとえば、配水管に設けられた縦管部などから採水して、残留塩素濃度測定器に水を送っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の測定装置は大型であり、配水管内の縦管部から採水して、残留塩素濃度を測定しようとする場合、地上に装置を構成する機器を設置する必要があり、車や通行人の邪魔となっていた。
そのため、長時間連続して測定を行うことが困難であった。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、消火栓ボックス内に収容可能なコンパクトな構成で、長時間にわたって調査可能な水質調査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、請求項1に記載の発明は、消火栓ボックス内に収容された消火栓または補修弁に取り付けられる筒状の取付部材と、この取付部材の上部において前記取付部材との隙間が封止されて、前記取付部材に対して水密状態を維持して上下に進退可能に設けられる筒状の挿入部材と、この挿入部材を介して採水した水の残留塩素濃度を測定し、記憶する測定機器と、前記測定機器に電力を供給するバッテリーとを備え、前記測定機器および前記バッテリーは、防水ケース内に収容されて消火栓ボックス内に配置されることを特徴とする水質調査装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記測定機器は、前記消火栓または補修弁に接続された配水管内の水の残留塩素濃度を測定する測定機器本体と、この測定機器本体で測定された残留塩素濃度を記憶するデータロガーとを備え、前記測定機器本体および前記データロガーは、防水ケース内に収容されて消火栓ボックス内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の水質調査装置である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記配水管内の水温を測定する温度センサをさらに備え、この温度センサにより測定された水温も前記データロガーに記憶されることを特徴とする請求項2に記載の水質調査装置である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、前記温度センサは、前記挿入部材の下端部に設けられることを特徴とする請求項3に記載の水質調査装置である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、前記配水管内の水圧を測定する圧力センサをさらに備え、この圧力センサにより測定された水圧も前記データロガーに記憶されることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれかに記載の水質調査装置である。
【0010】
請求項6に記載の発明は、前記挿入部材を介して前記配水管から採水された水は、減圧弁および流量調整弁を介して前記測定機器へ送られることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の水質調査装置である。
【0011】
請求項7に記載の発明は、前記挿入部材は、複数の構成材が互いに連結されて構成され、その接続本数を変更することで長さ調整可能とされることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の水質調査装置である。
【0012】
請求項8に記載の発明は、前記取付部材には、消火用ホースが接続可能な分岐管が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の水質調査装置である。
【0013】
請求項9に記載の発明は、前記取付部材は、アダプタを介してバラフライ式補修弁に偏心して取り付けられることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載の水質調査装置である。
【0014】
さらに、請求項10に記載の発明は、前記挿入部材には、前記配水管内の水を採水する採水具が設けられており、この採水具の下端部から前記測定機器に水が送られることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の水質調査装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の装置によれば、消火栓ボックス内に収容可能なコンパクトな構成で、長時間にわたって水質調査が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の水質調査装置について、図面に基づき更に詳細に説明する。
本実施例の水質調査装置は、上水道配水管内を流れる水の残留塩素濃度を、配水管を断水することなく測定することができ、特に、地下に設けられた消火栓ボックス内に収容された消火栓や補修弁から配水管内の水を採水して残留塩素濃度を測定することができる。
【0017】
図1は、配水管に消火栓が設けられた状態を示す縦断面図である。
【0018】
図1に示すように、横管からなる配水管1には、適宜、上方へ分岐して縦管3が設けられており、この縦管3に補修弁5などを介して消火栓Hが接続されている。
そして、補修弁5や消火栓Hなどは、地下に形成された消火栓ボックスB内に収容されており、この消火栓ボックスBは蓋Fにより上部開口が塞がれる。
また、消火栓ボックスB内には、雨天時などに消火栓ボックスBから雨水が溢れないように、排水溝が設けられていたり、底が土や砂利などとされて、排水処理が可能とされている。
【0019】
本実施例の水質調査装置は、これら消火栓Hや補修弁5から配水管1内の水を採水し、残留塩素濃度を測定することが可能であるが、ここでは、本実施例の装置を使用して補修弁5から採水し、残留塩素濃度を測定する場合について説明する。
【0020】
まず、本実施例の水質調査装置が、ボール式補修弁5に取り付けられて使用される場合について説明する。
【0021】
図2は、本発明の水質調査装置の一実施例を示す図であり、補修弁に取り付けられた状態を示す縦断面図である。
また、図3は、図2の要部縦断面図である。なお、以下の説明においては、図3に示す状態において、上下左右を定義し、紙面に垂直な方向を前後方向とする。
【0022】
ボール式補修弁5は、弁箱7と、この弁箱7に回転可能に収容されるボール9とを有する。弁箱7には、上下両端部にフランジ11,13が形成されており、下側のフランジ13は、縦管3の上端部のフランジ15に接続される。
一方、弁箱7の上側のフランジ11は、本実施例の挿入具の設置前には、図1に示すように、通常、消火栓Hが接続されている。また、弁箱7には、図3に示すように、上下方向に貫通して管路17が設けられており、この管路17の中途にボール9が回転可能に配置されている。ボール9には、直径方向に貫通穴19が形成されており、この貫通穴19の直径は、前記管路17の直径と対応している。このような構成であるから、ボール9を開閉操作するレバー21によりボール9の貫通穴19の向きを弁箱7の管路17に沿って上下方向に配置するか(図9)、あるいは管路17と垂直な横方向に配置するかにより(図3)、補修弁5の開閉が可能とされる。
【0023】
本実施例の水質調査装置は、補修弁5を閉じて縦管3を止水し、その状態で補修弁5から消火栓Hが取り外された後に、補修弁5に取り付けられる。
【0024】
図4は、本実施例の水質調査装置の主要部を示す縦断面図である。図5は、本実施例の水質調査装置の概略構成図である。図6は、取付部材の平面図である。
【0025】
本実施例の水質調査装置は、補修弁5に着脱可能に取り付けられる取付部材25と、この取付部材25に水密状態で上下動可能に設けられる筒状の挿入部材27と、この挿入部材27の下端部に設けられ、配水管内の水を採水する採水具29と、この採水具29から送られてきた水の残留塩素濃度を測定する濃度測定器31とを主要部に備える。
また、本実施例の水質調査装置は、挿入部材27の下端部に設けられ、配水管内の水温を測定する温度センサ33と、濃度測定器31および温度センサ33からの各データ(ログ)を記憶するデータロガー35と、このデータロガー35および濃度測定器31に電力を供給する2つのバッテリー37,39を備える。
さらに、本実施例の水質調査装置は、配水管1内の水圧を測定する圧力センサ41が、取付部材25に設けられている。
【0026】
取付部材25は、円筒状とされ、軸線を上下に配置して補修弁5に取り付けられる。
具体的には、取付部材25の下端部には、径方向外側へ延出してフランジ43が形成されている。
また、取付部材25のフランジ43には、図6に示すように、一部を除いて周方向等間隔に複数の貫通穴45,45,…,45が形成されている。
本実施例では、取付部材25のフランジ43には、平面視で4等分された各領域に、周方向等間隔にそれぞれ複数の貫通穴45が形成されており、図示例では、各領域に貫通穴45が5個ずつ形成されている。
【0027】
取付部材25は、図3に示すように、その下端部のフランジ43が補修弁5の上側のフランジ11に重ね合わされて、ボルト・ナット(不図示)により補修弁5に固定される。
この際、補修弁5の上側のフランジ11には、通常、周方向等間隔に4個の貫通穴が形成されており、これに対して取付部材25のフランジ43には複数の貫通穴45が形成されていることで、補修弁5に対して取付部材25を周方向複数個所で位置決めすることができ、所望位置で補修弁5に固定することができる。
また、補修弁5の上側のフランジ11と取付部材25の下側のフランジ43との間にはシール材(不図示)が配置され、補修弁5と取付部材25とは水密で固定される。
【0028】
取付部材25の軸方向中途部には、図5および図6に示すように、分岐管47が一体的に接続されている。本実施例では、分岐管47は、取付部材25の中途部から水平に延出した後、上方へ延出する略L字形状とされ、その先端部には、消火栓ホースが接続可能な町の口金49が一体的に設けられている。
本実施例では、この分岐管47の内、水平部分にエルボ管51が接続されており、このエルボ管51の先端部に、圧力センサ41が取り付けられている。
圧力センサ41は、データロガー35にケーブル53で接続されている。
また、分岐管47には、エルボ管51より先端側にレバー55により開閉可能な弁が設けられている。
【0029】
取付部材25の上端部には、水圧に耐える止水部57が設けられており、この止水部57を介して挿入部材27が取付部材25に水密状態で差し込まれる。
【0030】
図7は、止水部を示す概略図である。
止水部57は、取付部材25の上端部に載せ置かれる蓋体59と、この蓋体59に設けられるパッキン61と、このパッキン61を固定するパッキン押え63とを有する。
【0031】
蓋体59は、略円柱形状とされ、取付部材25の内径に対応した外径とされる。
また、蓋体59の上端部には、径方向外側へ延出してフランジ65が形成されている。
なお、図示例では、蓋体59の下端部は、下方へ行くに従って縮径する円錐台状に形成されている。蓋体59は、取付部材25内にはめ込まれ、そのフランジ65が取付部材25の上面に載せ置かれて取付部材25に固定される。
蓋体59の中央部には、軸方向に沿って段付き穴67が貫通して形成されている。この段付き穴67の内、上側の大径穴67aにパッキン61が収容される。
【0032】
本実施例のパッキン61は、複数のシール材69により構成される。各シール材69は、同一形状とされ、それぞれ合成樹脂により形成されている。また、各シール材69は、V字形状断面で円環状に形成されており、この各シール材69の中央穴に後述するように挿入部材27が通される。
各シール材69には周方向の一部に、斜めに切込みが入れられて切断されており、この切込みを利用して、挿入部材27の外周面から各シール材69の着脱が可能とされる。
【0033】
各シール材69は、そのV字形状の開口を下方へ向けて重ね合わされる。なお、上下に隣接する各シール材69は、前記斜めの切込みの向きが逆方向とされている。
具体的には、図7において、上下両端部と中央部の三つのシール材69Aは、右下へ向けて切込み69aが入れられており、それらの間の二つのシール材69Bは、右上へ向けて切込みが入れられている。なお、図示例では、上下両端部と中央部の三つのシール材69Aの切込み61aと、それらの間の二つのシール材69Bの切込みとは直径方向に対向して配置されており、シール材69Bの切込みは図7において図示されていない。
【0034】
そして、そのように重ね合わされたシール材69の上下両端部には、アダプタ71,73が重ね合わされる。下部のアダプタ73は、シール材69と略同径の円環状であり、下端面が水平面に形成され上端部が山形に上方へ突出した断面形状の円環状である。
この上方への突出部に一番下側のシール材69のV字形状溝が配置される。
一方、上部のアダプタ71は、シール材69と略同径の円環状であり、上端面が水平面に形成され、下端部は、山形に上方へ凹んで形成された断面形状の円環状である。この上方への凹部に、一番上側のシール材69のV字形状の凸部が配置される。
【0035】
このようにして、上下にアダプタ71,73を配置された重合状態のシール材69,69,…は、全体として円筒形状とされ、蓋体59の大径穴67aに保持される。
そして、上下にアダプタ71,73を配置された重合状態のシール材69,69,…の上方から段付き円筒状のパッキン押え63が載せ置かれて、蓋体59にパッキン押え63がネジ64で固定される。
これにより、シール材69が蓋体59に対して位置決めされて保持される。
【0036】
挿入部材27は、図3および図4に示すように、円筒形状の挿入本体75と、この挿入本体75の下端部に設けられる挿入ヘッド77と、挿入本体75の上端部に設けられる挿入キャップ79とを備える。
また、本実施例では、挿入本体75は、複数本の円筒状の構成材が軸方向に着脱可能に連結されて構成される。図示例では、2本の円筒状の構成材81,83が軸方向に着脱可能に連結されて構成されており、下側の第一構成材81の下端部に挿入ヘッド77が設けられ、上側の第二構成材83の上端部に挿入キャップ79が設けられる。
【0037】
第一構成材81は、円筒体85と、この円筒体85の下端部に固定される第一接続材87と、円筒体85の上端部に固定される第二接続材89とを有する。
【0038】
図8は、挿入部材の下端部を示す断面図である。
第一接続材87は、円筒状とされ、軸線を上下に配して円筒体85の下端部に設けられる。
第一接続材87は、その内穴の上下両端部が、それぞれ若干拡径して第一拡径部87aおよび第二拡径部87bとされており、内穴の軸方向中央部はネジ穴87cとされている。第一接続材87は、その第一拡径部87a内に、円筒体85の下端部がはめ込まれて円筒体85に固定されている。
【0039】
第二接続材89は、円筒体85より小径な円筒状とされ、軸線を上下に配して円筒体85の上端部に設けられる。
第二接続材89は、その軸方向中途に径方向外側へ延出してフランジ91が形成されており、このフランジ91の外径は円筒体85の外径と同じとされている。また、第二接続材89の上端部外周面には、ネジ89aが形成されており、このネジ89aの下側には、Oリングがはめ込まれる環状溝89bが形成されている。
第二接続材89は、その下端部が、円筒体85の上端部にはめ込まれて円筒体85に固定されている。この際、第二接続材89のフランジ91が、円筒体85の上面に当接している。
なお、図示例では、第二接続材89の内穴の下端部は、下方へ行くに従って拡径する円錐台状穴に形成されている。
【0040】
第二構成材83は、円筒体93と、この円筒体93の下端部に固定される第三接続材95と、円筒体93の上端部に固定される第四接続材97とを有する。
第三接続材95は、円筒体93と同径の円筒状とされ、軸線を上下に配して円筒体93の下端部に設けられる。本実施例では、第三接続材95は、その上端部が若干縮径しており、その上端部95aが、円筒体93の下端部にはめ込まれて円筒体93に固定される。第三接続材95の内穴95bの下端部は、若干拡径して第三拡径部95cが形成されており、この第三拡径部95cの下端部がさらに拡径して第四拡径部95dが形成されている。そして、第三拡径部95cはネジ穴とされている。
なお、図示例では、第三接続材95の内穴95bの上端部は、上方へ行くに従って拡径する円錐台状穴に形成されている。
【0041】
第四接続材97は、円筒体93より小径な円筒状とされ、軸線を上下に配して円筒体93の上端部に設けられる。
第四接続材97は、その軸方向中途に径方向外側へ延出してフランジ99が形成されており、このフランジ99の外径は円筒体93の外径と同じとされている。
また、第四接続材97の上端部外周面には、ネジ97aが形成されており、このネジ97aの下側には、Oリングがはめ込まれる環状溝97bが形成されている。
第四接続材97は、その下端部が、円筒体93の上端部にはめ込まれて円筒体93に固定されている。この際、第四接続材97のフランジ99が、円筒体93の上面に当接している。
本実施例では、第二接続材89と第四接続材97は同形状とされている。
【0042】
第一構成材81と第二構成材83とは、第一構成材81の第二接続材89が、第二構成材83の第三接続材95にねじ込まれて互いに連結される。なお、連結される際には、第二接続材89の環状溝89bにOリング101がはめ込まれる。
【0043】
図8に示すように、挿入ヘッド77は、段付き円柱形状とされ、その上側の小径部77aの上端部外周面には、ネジ77bが形成されている。また、挿入ヘッド77の小径部77aには、ネジ77bより若干下方位置に、Oリングがはめ込まれる環状溝77cが形成されている。
【0044】
挿入ヘッド77の下端部中央には、下方へ開口する穴103が形成されており、これにより挿入ヘッド77の下端部は下方へ開口する円筒状に形成されている。また、この中央穴103に連通するように、挿入ヘッド77の下端部周側壁には、4つの矩形状の貫通穴105が周方向等間隔に形成されている。
【0045】
さらに、挿入ヘッド77の上端部には、左右に離間して、下端部の中央穴103に連通する2つの貫通穴107,109が上下方向に沿って形成されている。
2つの貫通穴の内、左側の貫通穴107は、ネジ穴とされ、右側の貫通穴109は、上端部109aおよび下端部109bがそれぞれネジ穴に形成されている。
挿入ヘッド77は、環状溝77cにOリング111がはめ込まれた状態で、その上端部が、第一接続材87にねじ込まれて、第一構成材81に固定される。
【0046】
挿入キャップ79は、円柱形状とされ、その中央部には、軸方向に沿って貫通穴113が形成されている。この貫通穴113は、下端部が若干拡径して第五拡径部113aが形成されており、さらにこの第五拡径部113aの下端部が拡径して第六拡径部113bとされて、段付き穴に形成されている。
挿入キャップ79は、その第五拡径部113aがネジ穴とされており、第二構成材83の第四接続材97にねじ込まれて挿入部材27に取り付けられる。この際、第四接続材97の環状溝97bにOリング115がはめ込まれている。
【0047】
ところで、本実施例では、第四接続材97と第二接続材89とが同形状とされていることで、第一構成材81の上端部に挿入キャップ79を取り付けることも可能である。
また、本実施例では、第二接続材89と第四接続材97とが同形状とされると共に、第三接続材95と第四接続材97が連結可能な構成であることから、第二構成材83を複数本接続することが可能である。つまり、図3および図4において、第二構成材83の上端部にさらに第二構成材83を接続することが可能であり、挿入本体75は、第二構成材83を継ぎ足すことで軸方向に長さを調整することができる。
【0048】
このような構成の挿入部材27は、止水部57の蓋体59の段付き穴67に差し込まれて、水密状態で取付部材25に上下に進退可能に設けられる。
つまり、挿入部材27は、パッキン押え63の中央穴、およびシール材69の中央穴に差し込まれて取付部材25内へ導入される。この状態では、蓋体59の内周面と、挿入部材27の外周面との間がパッキン61により水密状態に維持され、しかも挿入部材27は、蓋体59および取付部材25に対して上下に進退可能である。
【0049】
図8に示すように、採水具29は、細長い円筒状とされ、その上端部外周面にはネジ29aが形成されている。
採水具29は、その上端部が挿入ヘッド77の右側の貫通穴109の下側のネジ穴109bに、下方からねじ込まれて挿入ヘッド77に固定される。
【0050】
そして、挿入ヘッド77の右側の貫通穴109の上側のネジ穴109aに、挿入部材27内に導入されるホース119の一端部が取り付けられる。
本実施例では、ホース119の一端部にホース金具121が取り付けられ、このホース金具121を介してホース119の一端部が挿入ヘッド77に取り付けられる。
具体的には、ホース金具121は、段付き円筒状とされ、その上側の大径部123にホース119の一端部がはめ込まれて固定されている。
また、ホース金具121は、その下側の小径部125の外周面にネジが形成されており、この小径部125が挿入ヘッド77の右側の貫通穴109の上側のネジ穴109aに上方からねじ込まれて挿入ヘッド77に取り付けられる。
【0051】
このように、挿入ヘッド77に、採水具29およびホース119の一端部が取り付けられた状態では、採水具29の中空部とホース119の中空部とが、挿入ヘッド77の貫通穴109を介して連通している。
【0052】
ホース119は、図5に示すように、挿入部材27から外方へ延出し、採水具29側から順に、減圧弁127および流量調整弁129を介して残留塩素濃度測定器31に接続されている。本実施例では流量調整弁129にニードル弁が使用される。
このような構成により、採水具29の下端部から進入した水は、挿入ヘッド77の貫通穴109を介してホース119に送られ、さらに減圧弁127およびニードル弁129を介して残留塩素濃度測定器31へ供給される。
【0053】
図8に示すように、温度センサ33は、挿入ヘッド77に取り付けられるカバー131内に収容される。
カバー131は、細長い円柱形状とされ、その下端部は半球面状に形成されている。また、カバー131の中央部には、上方へ開口する穴131aが上下方向に沿って形成されている。さらに、カバー131の上端部131bは若干拡径しており、その外周面にはネジが形成されている。
カバー131は、その上端部131bが挿入ヘッド77の左側のネジ穴107に下方からねじ込まれて挿入ヘッド77に取り付けられる。
【0054】
このカバー131内に収容された温度センサ33は、挿入部材27に導入されたケーブル133の一端部が接続されている。
このように、温度センサ33にケーブル133の一端部が接続された状態で、カバー131内にエポキシ樹脂Eが流し込まれて固められている。
なお、本実施例の温度センサ33は、IC温度センサ33が用いられる。
そして、挿入部材27から外方へ延出するケーブル133の他端部は、データロガー35に接続されている。
【0055】
本実施例では、採水具29の下端部およびカバー131の下端部は、挿入ヘッド77の下端部とほぼ同じ高さ位置に配置され、採水具29と温度センサ33を収容したカバー131は隣接して配置される。なお、図3に示すように、挿入ヘッド77が取付部材25内に収容された状態では、挿入ヘッド77は取付部材25から下方へ延出しない。
【0056】
本実施例では、図5に示すように、データロガー35および残留塩素濃度測定器31に、それぞれバッテリー(DC電源)37,39が接続されて各機器に電力が供給される。
そして、本実施例では、データロガー35およびこれに電力を供給するバッテリー37が一つのケース139内に収容されている。
また、残留塩素濃度測定器31もケース141に収容されており、これに電力を供給するバッテリー39もケース143に収容されている。
【0057】
各ケース139,141,143は、開閉可能なトランク形状とされ、これら各ケース139,141,143は、各機器を収容し、ケーブル133やホース119を外部へ導出して閉じた状態において、外部との間で水密性が維持可能な防水ケースとされる。
【0058】
また、残留塩素濃度測定器31は、測定後の水を排出する排水管(不図示)がケース141の外部に設けられており、この排水管からの水は消火栓ボックスB内に排水される。
そして、これら各ケース139,141,143は、図2に示すように、消火栓ボックスB内に収容される。
【0059】
次に、ボール式補修弁5に取り付けられた本実施例の装置により、配水管1を断水することなく、配水管1内へ挿入部材27を挿入し、配水管1内を流れる水の残留塩素濃度を測定する方法について説明する。
なお、本実施例の装置により、配水管1内の水の残留塩素濃度を測定する際には、予め、補修弁5から配水管1の中央部までの距離が測定されるなどして把握されている。
【0060】
まず、図3に示すように、取付部材25を補修弁5に固定した後、補修弁5を開ける。これにより、補修弁5を介して取付部材25内に水が進入する。
取付部材25と挿入部材27との間は、パッキン61により封止されていることで、外部に対する水密性が維持され、水が外部に漏れ出ることはない。
また、本実施例では、挿入ヘッド77に対して、採水具29およびカバー131がそれぞれ螺着されていることで、これらの取付箇所から水が外部に漏れ出ることはない。
なお、分岐管47の開閉弁は閉鎖状態とされる。
【0061】
そして、補修弁5を開けた状態で、挿入部材27を取付部材25に対して下方へ押し込んでいく。この際、挿入部材27を押し込んでいくことで、ホース119およびケーブル133も下方へ導入されていく。
【0062】
図9は、図3の状態から挿入部材27が押し込まれ、補修弁を通過している状態を示す図である。
【0063】
挿入部材27を押し込んでいくことで、図9に示すように、挿入ヘッド77は、補修弁5のボール9の貫通穴19を通過し、縦管3を通って配水管1内へ進入する。
本実施例では、第二構成材83が継ぎ足し可能であることから、配水管1の大きさや状況に応じて挿入部材27の長さを調整しながら押し込んでいくことが可能である。
【0064】
図10は、挿入部材27の挿入ヘッド77が、配水管1内に配置された状態を示す概略図である。
挿入部材27を押し込んでいき、その挿入ヘッド77が、配水管1内のほぼ中央部に配置されたなら、挿入部材27の押し込みを止める。そして、挿入ヘッド77が、配水管1内の中央部に到達した状態で、挿入部材27の上下動を規制する。
本実施例では、この挿入部材27の上下動の規制に略環状の規制部材151が用いられる。規制部材151は、図3に示すように、挿入部材27が取付部材25に挿入される際に、予め、挿入部材27に通されている。
【0065】
図11は、規制部材を示す斜視図である。
規制部材151は、一対の略半円弧状の係止片153,155と、この係止片153,155の一端部同士を連結する連結片157と、係止片153,155の他端部同士を近接・離間させるレバー159とを有する。
一対の係止片153,155は、その開放両端部同士を付き合わせて配され、その一端部には、それぞれ厚さ方向中央部に、溝153a,155aが形成されている。
また、各係止片153,155の中央部には、上下方向に沿って貫通穴153b,155bが形成されている。
【0066】
連結片157は、略矩形状の板片とされ、その両端部が各係止片153,155の溝153a,155aに差し込まれる。そして、各係止片153,155の一端部に上下方向に沿ってはめ込まれるピン161により、回動可能に各係止片153,155に保持される。
【0067】
また、一方の係止片153の他端部には貫通穴153cが形成されており、他方の係止片155の他端部にはネジ穴155cが形成されており、一方の係止片153の貫通穴153cから他方の係止片155のネジ穴155cに向けてネジ棒163の一端部がねじ込まれている。そして、このネジ棒163の他端部にレバー159が固定されている。
本実施例では、レバー159は、一方の係止片153の他端部に形成された矩形状の切欠き部153dに配置されている。
このような構成により、レバー159を回転させることで、ネジ棒163がねじ込まれてレバー159が一方の係止片153を他方の係止片155側へ押圧し、各係止片153,155の他端部同士が近接して、一対の係止片153,155により構成される中央穴が収縮する。
【0068】
規制部材151は、図3に示すように、挿入部材27が取付部材25に挿入される際に、予め、挿入部材27に通されて、各係止片153,155の貫通穴153b,155bにボルト167が差し込まれて、蓋体59にねじ込まれている。
そして、挿入部材27の挿入ヘッド77が、配水管1内の中央部に配置された状態で、規制部材151のレバー159を回転させて挿入部材27に規制部材151を固定する。
これにより、挿入部材27が水圧により上方へ押し上げられようとしても、規制部材151がボルト167の頭部に当接することで、挿入部材27の上方への移動が規制される。また、挿入部材27が下方へ移動しようとしても、規制部材151がパッキン押え63に当接することで、下方への移動も規制される。
【0069】
このように、挿入ヘッド77を配水管1内の中央部に配置し、挿入部材27の上下動を規制した状態で、残留塩素濃度の測定を開始し、消火栓ボックスBの蓋Fを閉じる。
【0070】
本実施例では、配水管1内の水が挿入ヘッド77の各穴103,105を介して採水具29内に入り込む。そして、採水具29に入り込んだ水は、挿入ヘッド77の貫通穴109を介してホース119へ送られ、減圧弁127およびニードル弁129を通過して残留塩素濃度測定器31に送られる。
本実施例では、減圧弁127およびニードル弁129を通過させることで水圧を低下させると共に、残留塩素濃度測定器31に送られる流量を一定にしており、安定した測定を可能としている。
そして、測定器31により測定された残留塩素濃度は、測定器31に接続されたデータロガー35に送られて記憶される。
本実施例では、一定間隔ごとに、データロガー35に記憶され、たとえば1分ごとに測定された残留塩素濃度がデータロガー35に記憶される。
【0071】
なお、残留塩素濃度の測定中は、測定器31に配水管1からの水が常時送られてくるが、測定器31に送られて濃度が測定された水は、測定器31に設けられた排水管から消火栓ボックスB内へ排水される。
また、本実施例では、測定器31に送られる水の量を少なくしており、測定後に消火栓ボックスB内に排水されたとしても消火栓ボックスBの排水機能により充分に排水処理が可能とされる。たとえば、測定器31には、200ml/minの水が送られてくる。
【0072】
また、本実施例では、温度センサ33による検出データもデータロガー35に送られて記憶される。
さらに、本実施例では、圧力センサ41による検出データもデータロガー35に記憶される。なお、これら残留塩素濃度、水温、および水圧の各測定データは、日時と対応付けられてデータロガー35により記憶される。
【0073】
本実施例では、残留塩素濃度測定器31やデータロガー35などが、蓋Fを閉じた消火栓ボックスB内に収容されることで、車や通行人の邪魔にならない。したがって、短い測定間隔で長時間連続して測定することができ、たとえば一分間隔で一週間にわたってデータをデータロガー35に蓄積させることが可能である。
また、本実施例では、取付部材25に消火ホースが接続可能な分岐管47が設けられていることで、火災などの緊急時には、分岐管47に消火ホースを接続して、従来どおり消火活動を行うことができる。
さらに、残留塩素濃度は、水温により影響を受け易いが、本実施例では、採水する箇所近傍の水温を測定可能な構成により、より正確なデータを得ることができる。
また、各機器を防水ケースに収容していることで、雨天時にも測定することが可能である。このように、本実施例の水質調査装置は、持ち運びが可能で、かつ、消火栓内に収容して長期間にわたって調査が可能である。
【0074】
次に、本実施例の水質調査装置をバタフライ式補修弁に取り付けて残留塩素濃度を測定する方法について説明する。
【0075】
図12は、本実施例の水質調査装置がバタフライ式補修弁に取り付けられて、挿入部材27が差し込まれている状態を示す断面図である。
【0076】
バタフライ式補修弁201は、図12に示すように、弁箱203に上下方向に貫通して管路205が設けられ、その管路205の中途に円板状の弁体207が回転可能に配置されてなる。この弁体207は、前後方向に沿って配置された回転軸209に固定されており、弁体207はレバー(不図示)により開閉される。
そして、弁体207の板面を垂直な方向に配置するか(図12)、あるいは水平な方向に配置するかにより、バタフライ式補修弁201の開閉が可能とされる。
【0077】
バタフライ式補修弁201は、ボール式補修弁5と同様に、その弁箱203の上下両端部にそれぞれフランジ211,213が形成されている。下側のフランジ213は、縦管3の上側のフランジに接続される。一方、上側のフランジ211は、本実施例の装置が設置される前は、消火栓Hに接続されている。
【0078】
そして、本実施例の水質調査装置は、バタフライ式補修弁201にアダプタ215を介して取り付けられる。図13は、アダプタを示す平面図である。
【0079】
アダプタ215は、円板形状とされ、その軸心から偏心した位置に貫通穴217が形成されている。この貫通穴217は、バタフライ式補修弁201の管路205の直径に対応している。
本実施例では、この貫通穴217の中心O1は、平面視において、アダプタ215の軸心から右側へずれた位置とされる。そして、この貫通穴217の周囲には、貫通穴217の中心O1から同一距離で、周方向等間隔4箇所にネジ穴219が貫通して形成されており、この4つのネジ穴219はアダプタ215をバタフライ式補修弁201に取り付ける際に使用される。
【0080】
また、アダプタ215には、貫通穴217の中心O1から左側に移動した点O2を中心とした円上で、周方向等間隔4箇所にネジ穴221が貫通して形成されている。
さらに、アダプタ215には、前記点O2よりさらに左側に移動した点O3を中心とした円上で、周方向等間隔4箇所にネジ穴223が貫通して形成されている。
これら4個で1組の各ネジ穴221,223は、それぞれアダプタ215に取付部材25が取り付けられる際に使用される。
【0081】
アダプタ215は、4つのネジ穴219に、それぞれネジ棒225の一端部がねじ込まれ、他端部がバタフライ式補修弁201のフランジ211の貫通穴211aに差し込まれる。
そして、ネジ棒225の他端部にナット227がねじ込まれて、補修弁201にアダプタ215が取り付けられる。
【0082】
このように補修弁201に固定されたアダプタ215に取付部材25が取り付けられる。本実施例では、アダプタ215に4個で1組のネジ穴221,223が2組形成されており、このいずれかの組のネジ穴221,223を使用して、アダプタ215に取付部材25が取り付けられる。
この際、一方の組の4つのネジ穴221を使用してアダプタ215に取付部材25を取り付けた場合、挿入部材27は、補修弁201の管路205の軸線より左側を通過することになる。また、他方の組の4つのネジ穴223を使用してアダプタ215に取付部材25を取り付けた場合には、挿入部材27は、一方の組の4つのネジ穴221の場合よりさらに補修弁201の管路205の軸線より左側を通過することになる。
【0083】
取付部材25をアダプタ215に取り付ける場合には、アダプタ215のいずれかの組のネジ穴221,223にネジ棒229をねじ込んで立設し、このネジ棒229を取付部材25のフランジ43に形成された貫通穴45に差し込んでネジ棒229にナット231をねじ込めばよい。
このように、アダプタ215を介してバタフライ式補修弁201に取付部材25を固定した状態で、バタフライ式補修弁201を開き、ボール式補修弁5の場合と同様に、挿入部材27を押し込んでいくことで、採水具29および温度センサ33を配水管内へ送り込むことができる。
【0084】
本実施例では、取付部材25がアダプタ215を介してバタフライ式補修弁201に取り付けられることで、取付部材25は、バタフライ式補修弁201に対して偏心して取り付けられ、取付部材25に差し込まれる挿入部材27は、バタフライ式補修弁201の管路205の軸線からずれた位置を通過する。
これにより、バタフライ式補修弁201の弁体207や回転軸209に阻止されることなく、配水管内へ採水具29や温度センサ33を送り込むことが可能となる。
【0085】
本発明の水質調査装置は、上記実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。
たとえば、上記実施例では、補修弁に水質調査装置を取り付けて残留塩素濃度を測定したが、取付部材の下端部を口金形状として、消火栓に取り付けるようにしてもよい。
また、上記実施例では、取付部材25のフランジ43に複数の貫通穴45を形成して、補修弁に対して周方向複数個所で位置決めを可能としたが、図14に示すように、取付部材25に円弧状の貫通穴235を周方向等間隔4箇所に形成することで、補修弁に対して周方向複数個所で位置決めを可能としてもよい。
【0086】
また、上記実施例では、アダプタ215に取付部材25を取り付けるネジ穴を2組形成したが、1組または3組以上を形成してもよい。
さらに、上記実施例では、バッテリーを2個使用したが、1個のバッテリーで各機器に電力を供給するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】配水管に補修弁を介して消火栓が設けられた状態を示す縦断面図である。
【図2】本発明の水質調査装置の一実施例の使用状態を示す正面図であり、補修弁に取り付けられた状態を示している。
【図3】図2の要部縦断面図である。
【図4】図2の水質調査装置の主要部を示す縦断面図である。
【図5】図2の水質調査装置の概略構成図である。
【図6】図2の水質調査装置の取付部材の平面図である。
【図7】図2の水質調査装置の止水部を示す概略図である。
【図8】図2の水質調査装置の挿入部材の下端部を示す縦断面図である。
【図9】図3の状態から挿入部材が押し込まれ、補修弁を通過している状態を示す図である。
【図10】図9の状態からさらに挿入部材が押し込まれ、挿入ヘッドが、配水管内に配置された状態を示す概略図である。
【図11】規制部材を示す斜視図である。
【図12】図2の水質調査装置をバタフライ式補修弁にアダプタを介して取り付けた状態を示す縦断面図である。
【図13】図12のアダプタの一例を示す平面図である。
【図14】図6の取付部材の変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0088】
1 配水管
5 ボール式補修弁
25 取付部材
27 挿入部材
29 採水具
31 残留塩素濃度測定器(測定機器本体)
33 温度センサ
35 データロガー
37,39 バッテリー
41 圧力センサ
81,83 構成材
【技術分野】
【0001】
本発明は、上水道配水管内を流れる水の水質を調査する装置であり、特に上水道配水管内の水の残留塩素濃度を測定するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上水道配水管内を流れる水に対して、水質調査の一環として、残留塩素濃度を測定することがあり、たとえば、配水管に設けられた縦管部などから採水して、残留塩素濃度測定器に水を送っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の測定装置は大型であり、配水管内の縦管部から採水して、残留塩素濃度を測定しようとする場合、地上に装置を構成する機器を設置する必要があり、車や通行人の邪魔となっていた。
そのため、長時間連続して測定を行うことが困難であった。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、消火栓ボックス内に収容可能なコンパクトな構成で、長時間にわたって調査可能な水質調査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、請求項1に記載の発明は、消火栓ボックス内に収容された消火栓または補修弁に取り付けられる筒状の取付部材と、この取付部材の上部において前記取付部材との隙間が封止されて、前記取付部材に対して水密状態を維持して上下に進退可能に設けられる筒状の挿入部材と、この挿入部材を介して採水した水の残留塩素濃度を測定し、記憶する測定機器と、前記測定機器に電力を供給するバッテリーとを備え、前記測定機器および前記バッテリーは、防水ケース内に収容されて消火栓ボックス内に配置されることを特徴とする水質調査装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記測定機器は、前記消火栓または補修弁に接続された配水管内の水の残留塩素濃度を測定する測定機器本体と、この測定機器本体で測定された残留塩素濃度を記憶するデータロガーとを備え、前記測定機器本体および前記データロガーは、防水ケース内に収容されて消火栓ボックス内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の水質調査装置である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記配水管内の水温を測定する温度センサをさらに備え、この温度センサにより測定された水温も前記データロガーに記憶されることを特徴とする請求項2に記載の水質調査装置である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、前記温度センサは、前記挿入部材の下端部に設けられることを特徴とする請求項3に記載の水質調査装置である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、前記配水管内の水圧を測定する圧力センサをさらに備え、この圧力センサにより測定された水圧も前記データロガーに記憶されることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれかに記載の水質調査装置である。
【0010】
請求項6に記載の発明は、前記挿入部材を介して前記配水管から採水された水は、減圧弁および流量調整弁を介して前記測定機器へ送られることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の水質調査装置である。
【0011】
請求項7に記載の発明は、前記挿入部材は、複数の構成材が互いに連結されて構成され、その接続本数を変更することで長さ調整可能とされることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の水質調査装置である。
【0012】
請求項8に記載の発明は、前記取付部材には、消火用ホースが接続可能な分岐管が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の水質調査装置である。
【0013】
請求項9に記載の発明は、前記取付部材は、アダプタを介してバラフライ式補修弁に偏心して取り付けられることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載の水質調査装置である。
【0014】
さらに、請求項10に記載の発明は、前記挿入部材には、前記配水管内の水を採水する採水具が設けられており、この採水具の下端部から前記測定機器に水が送られることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の水質調査装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の装置によれば、消火栓ボックス内に収容可能なコンパクトな構成で、長時間にわたって水質調査が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の水質調査装置について、図面に基づき更に詳細に説明する。
本実施例の水質調査装置は、上水道配水管内を流れる水の残留塩素濃度を、配水管を断水することなく測定することができ、特に、地下に設けられた消火栓ボックス内に収容された消火栓や補修弁から配水管内の水を採水して残留塩素濃度を測定することができる。
【0017】
図1は、配水管に消火栓が設けられた状態を示す縦断面図である。
【0018】
図1に示すように、横管からなる配水管1には、適宜、上方へ分岐して縦管3が設けられており、この縦管3に補修弁5などを介して消火栓Hが接続されている。
そして、補修弁5や消火栓Hなどは、地下に形成された消火栓ボックスB内に収容されており、この消火栓ボックスBは蓋Fにより上部開口が塞がれる。
また、消火栓ボックスB内には、雨天時などに消火栓ボックスBから雨水が溢れないように、排水溝が設けられていたり、底が土や砂利などとされて、排水処理が可能とされている。
【0019】
本実施例の水質調査装置は、これら消火栓Hや補修弁5から配水管1内の水を採水し、残留塩素濃度を測定することが可能であるが、ここでは、本実施例の装置を使用して補修弁5から採水し、残留塩素濃度を測定する場合について説明する。
【0020】
まず、本実施例の水質調査装置が、ボール式補修弁5に取り付けられて使用される場合について説明する。
【0021】
図2は、本発明の水質調査装置の一実施例を示す図であり、補修弁に取り付けられた状態を示す縦断面図である。
また、図3は、図2の要部縦断面図である。なお、以下の説明においては、図3に示す状態において、上下左右を定義し、紙面に垂直な方向を前後方向とする。
【0022】
ボール式補修弁5は、弁箱7と、この弁箱7に回転可能に収容されるボール9とを有する。弁箱7には、上下両端部にフランジ11,13が形成されており、下側のフランジ13は、縦管3の上端部のフランジ15に接続される。
一方、弁箱7の上側のフランジ11は、本実施例の挿入具の設置前には、図1に示すように、通常、消火栓Hが接続されている。また、弁箱7には、図3に示すように、上下方向に貫通して管路17が設けられており、この管路17の中途にボール9が回転可能に配置されている。ボール9には、直径方向に貫通穴19が形成されており、この貫通穴19の直径は、前記管路17の直径と対応している。このような構成であるから、ボール9を開閉操作するレバー21によりボール9の貫通穴19の向きを弁箱7の管路17に沿って上下方向に配置するか(図9)、あるいは管路17と垂直な横方向に配置するかにより(図3)、補修弁5の開閉が可能とされる。
【0023】
本実施例の水質調査装置は、補修弁5を閉じて縦管3を止水し、その状態で補修弁5から消火栓Hが取り外された後に、補修弁5に取り付けられる。
【0024】
図4は、本実施例の水質調査装置の主要部を示す縦断面図である。図5は、本実施例の水質調査装置の概略構成図である。図6は、取付部材の平面図である。
【0025】
本実施例の水質調査装置は、補修弁5に着脱可能に取り付けられる取付部材25と、この取付部材25に水密状態で上下動可能に設けられる筒状の挿入部材27と、この挿入部材27の下端部に設けられ、配水管内の水を採水する採水具29と、この採水具29から送られてきた水の残留塩素濃度を測定する濃度測定器31とを主要部に備える。
また、本実施例の水質調査装置は、挿入部材27の下端部に設けられ、配水管内の水温を測定する温度センサ33と、濃度測定器31および温度センサ33からの各データ(ログ)を記憶するデータロガー35と、このデータロガー35および濃度測定器31に電力を供給する2つのバッテリー37,39を備える。
さらに、本実施例の水質調査装置は、配水管1内の水圧を測定する圧力センサ41が、取付部材25に設けられている。
【0026】
取付部材25は、円筒状とされ、軸線を上下に配置して補修弁5に取り付けられる。
具体的には、取付部材25の下端部には、径方向外側へ延出してフランジ43が形成されている。
また、取付部材25のフランジ43には、図6に示すように、一部を除いて周方向等間隔に複数の貫通穴45,45,…,45が形成されている。
本実施例では、取付部材25のフランジ43には、平面視で4等分された各領域に、周方向等間隔にそれぞれ複数の貫通穴45が形成されており、図示例では、各領域に貫通穴45が5個ずつ形成されている。
【0027】
取付部材25は、図3に示すように、その下端部のフランジ43が補修弁5の上側のフランジ11に重ね合わされて、ボルト・ナット(不図示)により補修弁5に固定される。
この際、補修弁5の上側のフランジ11には、通常、周方向等間隔に4個の貫通穴が形成されており、これに対して取付部材25のフランジ43には複数の貫通穴45が形成されていることで、補修弁5に対して取付部材25を周方向複数個所で位置決めすることができ、所望位置で補修弁5に固定することができる。
また、補修弁5の上側のフランジ11と取付部材25の下側のフランジ43との間にはシール材(不図示)が配置され、補修弁5と取付部材25とは水密で固定される。
【0028】
取付部材25の軸方向中途部には、図5および図6に示すように、分岐管47が一体的に接続されている。本実施例では、分岐管47は、取付部材25の中途部から水平に延出した後、上方へ延出する略L字形状とされ、その先端部には、消火栓ホースが接続可能な町の口金49が一体的に設けられている。
本実施例では、この分岐管47の内、水平部分にエルボ管51が接続されており、このエルボ管51の先端部に、圧力センサ41が取り付けられている。
圧力センサ41は、データロガー35にケーブル53で接続されている。
また、分岐管47には、エルボ管51より先端側にレバー55により開閉可能な弁が設けられている。
【0029】
取付部材25の上端部には、水圧に耐える止水部57が設けられており、この止水部57を介して挿入部材27が取付部材25に水密状態で差し込まれる。
【0030】
図7は、止水部を示す概略図である。
止水部57は、取付部材25の上端部に載せ置かれる蓋体59と、この蓋体59に設けられるパッキン61と、このパッキン61を固定するパッキン押え63とを有する。
【0031】
蓋体59は、略円柱形状とされ、取付部材25の内径に対応した外径とされる。
また、蓋体59の上端部には、径方向外側へ延出してフランジ65が形成されている。
なお、図示例では、蓋体59の下端部は、下方へ行くに従って縮径する円錐台状に形成されている。蓋体59は、取付部材25内にはめ込まれ、そのフランジ65が取付部材25の上面に載せ置かれて取付部材25に固定される。
蓋体59の中央部には、軸方向に沿って段付き穴67が貫通して形成されている。この段付き穴67の内、上側の大径穴67aにパッキン61が収容される。
【0032】
本実施例のパッキン61は、複数のシール材69により構成される。各シール材69は、同一形状とされ、それぞれ合成樹脂により形成されている。また、各シール材69は、V字形状断面で円環状に形成されており、この各シール材69の中央穴に後述するように挿入部材27が通される。
各シール材69には周方向の一部に、斜めに切込みが入れられて切断されており、この切込みを利用して、挿入部材27の外周面から各シール材69の着脱が可能とされる。
【0033】
各シール材69は、そのV字形状の開口を下方へ向けて重ね合わされる。なお、上下に隣接する各シール材69は、前記斜めの切込みの向きが逆方向とされている。
具体的には、図7において、上下両端部と中央部の三つのシール材69Aは、右下へ向けて切込み69aが入れられており、それらの間の二つのシール材69Bは、右上へ向けて切込みが入れられている。なお、図示例では、上下両端部と中央部の三つのシール材69Aの切込み61aと、それらの間の二つのシール材69Bの切込みとは直径方向に対向して配置されており、シール材69Bの切込みは図7において図示されていない。
【0034】
そして、そのように重ね合わされたシール材69の上下両端部には、アダプタ71,73が重ね合わされる。下部のアダプタ73は、シール材69と略同径の円環状であり、下端面が水平面に形成され上端部が山形に上方へ突出した断面形状の円環状である。
この上方への突出部に一番下側のシール材69のV字形状溝が配置される。
一方、上部のアダプタ71は、シール材69と略同径の円環状であり、上端面が水平面に形成され、下端部は、山形に上方へ凹んで形成された断面形状の円環状である。この上方への凹部に、一番上側のシール材69のV字形状の凸部が配置される。
【0035】
このようにして、上下にアダプタ71,73を配置された重合状態のシール材69,69,…は、全体として円筒形状とされ、蓋体59の大径穴67aに保持される。
そして、上下にアダプタ71,73を配置された重合状態のシール材69,69,…の上方から段付き円筒状のパッキン押え63が載せ置かれて、蓋体59にパッキン押え63がネジ64で固定される。
これにより、シール材69が蓋体59に対して位置決めされて保持される。
【0036】
挿入部材27は、図3および図4に示すように、円筒形状の挿入本体75と、この挿入本体75の下端部に設けられる挿入ヘッド77と、挿入本体75の上端部に設けられる挿入キャップ79とを備える。
また、本実施例では、挿入本体75は、複数本の円筒状の構成材が軸方向に着脱可能に連結されて構成される。図示例では、2本の円筒状の構成材81,83が軸方向に着脱可能に連結されて構成されており、下側の第一構成材81の下端部に挿入ヘッド77が設けられ、上側の第二構成材83の上端部に挿入キャップ79が設けられる。
【0037】
第一構成材81は、円筒体85と、この円筒体85の下端部に固定される第一接続材87と、円筒体85の上端部に固定される第二接続材89とを有する。
【0038】
図8は、挿入部材の下端部を示す断面図である。
第一接続材87は、円筒状とされ、軸線を上下に配して円筒体85の下端部に設けられる。
第一接続材87は、その内穴の上下両端部が、それぞれ若干拡径して第一拡径部87aおよび第二拡径部87bとされており、内穴の軸方向中央部はネジ穴87cとされている。第一接続材87は、その第一拡径部87a内に、円筒体85の下端部がはめ込まれて円筒体85に固定されている。
【0039】
第二接続材89は、円筒体85より小径な円筒状とされ、軸線を上下に配して円筒体85の上端部に設けられる。
第二接続材89は、その軸方向中途に径方向外側へ延出してフランジ91が形成されており、このフランジ91の外径は円筒体85の外径と同じとされている。また、第二接続材89の上端部外周面には、ネジ89aが形成されており、このネジ89aの下側には、Oリングがはめ込まれる環状溝89bが形成されている。
第二接続材89は、その下端部が、円筒体85の上端部にはめ込まれて円筒体85に固定されている。この際、第二接続材89のフランジ91が、円筒体85の上面に当接している。
なお、図示例では、第二接続材89の内穴の下端部は、下方へ行くに従って拡径する円錐台状穴に形成されている。
【0040】
第二構成材83は、円筒体93と、この円筒体93の下端部に固定される第三接続材95と、円筒体93の上端部に固定される第四接続材97とを有する。
第三接続材95は、円筒体93と同径の円筒状とされ、軸線を上下に配して円筒体93の下端部に設けられる。本実施例では、第三接続材95は、その上端部が若干縮径しており、その上端部95aが、円筒体93の下端部にはめ込まれて円筒体93に固定される。第三接続材95の内穴95bの下端部は、若干拡径して第三拡径部95cが形成されており、この第三拡径部95cの下端部がさらに拡径して第四拡径部95dが形成されている。そして、第三拡径部95cはネジ穴とされている。
なお、図示例では、第三接続材95の内穴95bの上端部は、上方へ行くに従って拡径する円錐台状穴に形成されている。
【0041】
第四接続材97は、円筒体93より小径な円筒状とされ、軸線を上下に配して円筒体93の上端部に設けられる。
第四接続材97は、その軸方向中途に径方向外側へ延出してフランジ99が形成されており、このフランジ99の外径は円筒体93の外径と同じとされている。
また、第四接続材97の上端部外周面には、ネジ97aが形成されており、このネジ97aの下側には、Oリングがはめ込まれる環状溝97bが形成されている。
第四接続材97は、その下端部が、円筒体93の上端部にはめ込まれて円筒体93に固定されている。この際、第四接続材97のフランジ99が、円筒体93の上面に当接している。
本実施例では、第二接続材89と第四接続材97は同形状とされている。
【0042】
第一構成材81と第二構成材83とは、第一構成材81の第二接続材89が、第二構成材83の第三接続材95にねじ込まれて互いに連結される。なお、連結される際には、第二接続材89の環状溝89bにOリング101がはめ込まれる。
【0043】
図8に示すように、挿入ヘッド77は、段付き円柱形状とされ、その上側の小径部77aの上端部外周面には、ネジ77bが形成されている。また、挿入ヘッド77の小径部77aには、ネジ77bより若干下方位置に、Oリングがはめ込まれる環状溝77cが形成されている。
【0044】
挿入ヘッド77の下端部中央には、下方へ開口する穴103が形成されており、これにより挿入ヘッド77の下端部は下方へ開口する円筒状に形成されている。また、この中央穴103に連通するように、挿入ヘッド77の下端部周側壁には、4つの矩形状の貫通穴105が周方向等間隔に形成されている。
【0045】
さらに、挿入ヘッド77の上端部には、左右に離間して、下端部の中央穴103に連通する2つの貫通穴107,109が上下方向に沿って形成されている。
2つの貫通穴の内、左側の貫通穴107は、ネジ穴とされ、右側の貫通穴109は、上端部109aおよび下端部109bがそれぞれネジ穴に形成されている。
挿入ヘッド77は、環状溝77cにOリング111がはめ込まれた状態で、その上端部が、第一接続材87にねじ込まれて、第一構成材81に固定される。
【0046】
挿入キャップ79は、円柱形状とされ、その中央部には、軸方向に沿って貫通穴113が形成されている。この貫通穴113は、下端部が若干拡径して第五拡径部113aが形成されており、さらにこの第五拡径部113aの下端部が拡径して第六拡径部113bとされて、段付き穴に形成されている。
挿入キャップ79は、その第五拡径部113aがネジ穴とされており、第二構成材83の第四接続材97にねじ込まれて挿入部材27に取り付けられる。この際、第四接続材97の環状溝97bにOリング115がはめ込まれている。
【0047】
ところで、本実施例では、第四接続材97と第二接続材89とが同形状とされていることで、第一構成材81の上端部に挿入キャップ79を取り付けることも可能である。
また、本実施例では、第二接続材89と第四接続材97とが同形状とされると共に、第三接続材95と第四接続材97が連結可能な構成であることから、第二構成材83を複数本接続することが可能である。つまり、図3および図4において、第二構成材83の上端部にさらに第二構成材83を接続することが可能であり、挿入本体75は、第二構成材83を継ぎ足すことで軸方向に長さを調整することができる。
【0048】
このような構成の挿入部材27は、止水部57の蓋体59の段付き穴67に差し込まれて、水密状態で取付部材25に上下に進退可能に設けられる。
つまり、挿入部材27は、パッキン押え63の中央穴、およびシール材69の中央穴に差し込まれて取付部材25内へ導入される。この状態では、蓋体59の内周面と、挿入部材27の外周面との間がパッキン61により水密状態に維持され、しかも挿入部材27は、蓋体59および取付部材25に対して上下に進退可能である。
【0049】
図8に示すように、採水具29は、細長い円筒状とされ、その上端部外周面にはネジ29aが形成されている。
採水具29は、その上端部が挿入ヘッド77の右側の貫通穴109の下側のネジ穴109bに、下方からねじ込まれて挿入ヘッド77に固定される。
【0050】
そして、挿入ヘッド77の右側の貫通穴109の上側のネジ穴109aに、挿入部材27内に導入されるホース119の一端部が取り付けられる。
本実施例では、ホース119の一端部にホース金具121が取り付けられ、このホース金具121を介してホース119の一端部が挿入ヘッド77に取り付けられる。
具体的には、ホース金具121は、段付き円筒状とされ、その上側の大径部123にホース119の一端部がはめ込まれて固定されている。
また、ホース金具121は、その下側の小径部125の外周面にネジが形成されており、この小径部125が挿入ヘッド77の右側の貫通穴109の上側のネジ穴109aに上方からねじ込まれて挿入ヘッド77に取り付けられる。
【0051】
このように、挿入ヘッド77に、採水具29およびホース119の一端部が取り付けられた状態では、採水具29の中空部とホース119の中空部とが、挿入ヘッド77の貫通穴109を介して連通している。
【0052】
ホース119は、図5に示すように、挿入部材27から外方へ延出し、採水具29側から順に、減圧弁127および流量調整弁129を介して残留塩素濃度測定器31に接続されている。本実施例では流量調整弁129にニードル弁が使用される。
このような構成により、採水具29の下端部から進入した水は、挿入ヘッド77の貫通穴109を介してホース119に送られ、さらに減圧弁127およびニードル弁129を介して残留塩素濃度測定器31へ供給される。
【0053】
図8に示すように、温度センサ33は、挿入ヘッド77に取り付けられるカバー131内に収容される。
カバー131は、細長い円柱形状とされ、その下端部は半球面状に形成されている。また、カバー131の中央部には、上方へ開口する穴131aが上下方向に沿って形成されている。さらに、カバー131の上端部131bは若干拡径しており、その外周面にはネジが形成されている。
カバー131は、その上端部131bが挿入ヘッド77の左側のネジ穴107に下方からねじ込まれて挿入ヘッド77に取り付けられる。
【0054】
このカバー131内に収容された温度センサ33は、挿入部材27に導入されたケーブル133の一端部が接続されている。
このように、温度センサ33にケーブル133の一端部が接続された状態で、カバー131内にエポキシ樹脂Eが流し込まれて固められている。
なお、本実施例の温度センサ33は、IC温度センサ33が用いられる。
そして、挿入部材27から外方へ延出するケーブル133の他端部は、データロガー35に接続されている。
【0055】
本実施例では、採水具29の下端部およびカバー131の下端部は、挿入ヘッド77の下端部とほぼ同じ高さ位置に配置され、採水具29と温度センサ33を収容したカバー131は隣接して配置される。なお、図3に示すように、挿入ヘッド77が取付部材25内に収容された状態では、挿入ヘッド77は取付部材25から下方へ延出しない。
【0056】
本実施例では、図5に示すように、データロガー35および残留塩素濃度測定器31に、それぞれバッテリー(DC電源)37,39が接続されて各機器に電力が供給される。
そして、本実施例では、データロガー35およびこれに電力を供給するバッテリー37が一つのケース139内に収容されている。
また、残留塩素濃度測定器31もケース141に収容されており、これに電力を供給するバッテリー39もケース143に収容されている。
【0057】
各ケース139,141,143は、開閉可能なトランク形状とされ、これら各ケース139,141,143は、各機器を収容し、ケーブル133やホース119を外部へ導出して閉じた状態において、外部との間で水密性が維持可能な防水ケースとされる。
【0058】
また、残留塩素濃度測定器31は、測定後の水を排出する排水管(不図示)がケース141の外部に設けられており、この排水管からの水は消火栓ボックスB内に排水される。
そして、これら各ケース139,141,143は、図2に示すように、消火栓ボックスB内に収容される。
【0059】
次に、ボール式補修弁5に取り付けられた本実施例の装置により、配水管1を断水することなく、配水管1内へ挿入部材27を挿入し、配水管1内を流れる水の残留塩素濃度を測定する方法について説明する。
なお、本実施例の装置により、配水管1内の水の残留塩素濃度を測定する際には、予め、補修弁5から配水管1の中央部までの距離が測定されるなどして把握されている。
【0060】
まず、図3に示すように、取付部材25を補修弁5に固定した後、補修弁5を開ける。これにより、補修弁5を介して取付部材25内に水が進入する。
取付部材25と挿入部材27との間は、パッキン61により封止されていることで、外部に対する水密性が維持され、水が外部に漏れ出ることはない。
また、本実施例では、挿入ヘッド77に対して、採水具29およびカバー131がそれぞれ螺着されていることで、これらの取付箇所から水が外部に漏れ出ることはない。
なお、分岐管47の開閉弁は閉鎖状態とされる。
【0061】
そして、補修弁5を開けた状態で、挿入部材27を取付部材25に対して下方へ押し込んでいく。この際、挿入部材27を押し込んでいくことで、ホース119およびケーブル133も下方へ導入されていく。
【0062】
図9は、図3の状態から挿入部材27が押し込まれ、補修弁を通過している状態を示す図である。
【0063】
挿入部材27を押し込んでいくことで、図9に示すように、挿入ヘッド77は、補修弁5のボール9の貫通穴19を通過し、縦管3を通って配水管1内へ進入する。
本実施例では、第二構成材83が継ぎ足し可能であることから、配水管1の大きさや状況に応じて挿入部材27の長さを調整しながら押し込んでいくことが可能である。
【0064】
図10は、挿入部材27の挿入ヘッド77が、配水管1内に配置された状態を示す概略図である。
挿入部材27を押し込んでいき、その挿入ヘッド77が、配水管1内のほぼ中央部に配置されたなら、挿入部材27の押し込みを止める。そして、挿入ヘッド77が、配水管1内の中央部に到達した状態で、挿入部材27の上下動を規制する。
本実施例では、この挿入部材27の上下動の規制に略環状の規制部材151が用いられる。規制部材151は、図3に示すように、挿入部材27が取付部材25に挿入される際に、予め、挿入部材27に通されている。
【0065】
図11は、規制部材を示す斜視図である。
規制部材151は、一対の略半円弧状の係止片153,155と、この係止片153,155の一端部同士を連結する連結片157と、係止片153,155の他端部同士を近接・離間させるレバー159とを有する。
一対の係止片153,155は、その開放両端部同士を付き合わせて配され、その一端部には、それぞれ厚さ方向中央部に、溝153a,155aが形成されている。
また、各係止片153,155の中央部には、上下方向に沿って貫通穴153b,155bが形成されている。
【0066】
連結片157は、略矩形状の板片とされ、その両端部が各係止片153,155の溝153a,155aに差し込まれる。そして、各係止片153,155の一端部に上下方向に沿ってはめ込まれるピン161により、回動可能に各係止片153,155に保持される。
【0067】
また、一方の係止片153の他端部には貫通穴153cが形成されており、他方の係止片155の他端部にはネジ穴155cが形成されており、一方の係止片153の貫通穴153cから他方の係止片155のネジ穴155cに向けてネジ棒163の一端部がねじ込まれている。そして、このネジ棒163の他端部にレバー159が固定されている。
本実施例では、レバー159は、一方の係止片153の他端部に形成された矩形状の切欠き部153dに配置されている。
このような構成により、レバー159を回転させることで、ネジ棒163がねじ込まれてレバー159が一方の係止片153を他方の係止片155側へ押圧し、各係止片153,155の他端部同士が近接して、一対の係止片153,155により構成される中央穴が収縮する。
【0068】
規制部材151は、図3に示すように、挿入部材27が取付部材25に挿入される際に、予め、挿入部材27に通されて、各係止片153,155の貫通穴153b,155bにボルト167が差し込まれて、蓋体59にねじ込まれている。
そして、挿入部材27の挿入ヘッド77が、配水管1内の中央部に配置された状態で、規制部材151のレバー159を回転させて挿入部材27に規制部材151を固定する。
これにより、挿入部材27が水圧により上方へ押し上げられようとしても、規制部材151がボルト167の頭部に当接することで、挿入部材27の上方への移動が規制される。また、挿入部材27が下方へ移動しようとしても、規制部材151がパッキン押え63に当接することで、下方への移動も規制される。
【0069】
このように、挿入ヘッド77を配水管1内の中央部に配置し、挿入部材27の上下動を規制した状態で、残留塩素濃度の測定を開始し、消火栓ボックスBの蓋Fを閉じる。
【0070】
本実施例では、配水管1内の水が挿入ヘッド77の各穴103,105を介して採水具29内に入り込む。そして、採水具29に入り込んだ水は、挿入ヘッド77の貫通穴109を介してホース119へ送られ、減圧弁127およびニードル弁129を通過して残留塩素濃度測定器31に送られる。
本実施例では、減圧弁127およびニードル弁129を通過させることで水圧を低下させると共に、残留塩素濃度測定器31に送られる流量を一定にしており、安定した測定を可能としている。
そして、測定器31により測定された残留塩素濃度は、測定器31に接続されたデータロガー35に送られて記憶される。
本実施例では、一定間隔ごとに、データロガー35に記憶され、たとえば1分ごとに測定された残留塩素濃度がデータロガー35に記憶される。
【0071】
なお、残留塩素濃度の測定中は、測定器31に配水管1からの水が常時送られてくるが、測定器31に送られて濃度が測定された水は、測定器31に設けられた排水管から消火栓ボックスB内へ排水される。
また、本実施例では、測定器31に送られる水の量を少なくしており、測定後に消火栓ボックスB内に排水されたとしても消火栓ボックスBの排水機能により充分に排水処理が可能とされる。たとえば、測定器31には、200ml/minの水が送られてくる。
【0072】
また、本実施例では、温度センサ33による検出データもデータロガー35に送られて記憶される。
さらに、本実施例では、圧力センサ41による検出データもデータロガー35に記憶される。なお、これら残留塩素濃度、水温、および水圧の各測定データは、日時と対応付けられてデータロガー35により記憶される。
【0073】
本実施例では、残留塩素濃度測定器31やデータロガー35などが、蓋Fを閉じた消火栓ボックスB内に収容されることで、車や通行人の邪魔にならない。したがって、短い測定間隔で長時間連続して測定することができ、たとえば一分間隔で一週間にわたってデータをデータロガー35に蓄積させることが可能である。
また、本実施例では、取付部材25に消火ホースが接続可能な分岐管47が設けられていることで、火災などの緊急時には、分岐管47に消火ホースを接続して、従来どおり消火活動を行うことができる。
さらに、残留塩素濃度は、水温により影響を受け易いが、本実施例では、採水する箇所近傍の水温を測定可能な構成により、より正確なデータを得ることができる。
また、各機器を防水ケースに収容していることで、雨天時にも測定することが可能である。このように、本実施例の水質調査装置は、持ち運びが可能で、かつ、消火栓内に収容して長期間にわたって調査が可能である。
【0074】
次に、本実施例の水質調査装置をバタフライ式補修弁に取り付けて残留塩素濃度を測定する方法について説明する。
【0075】
図12は、本実施例の水質調査装置がバタフライ式補修弁に取り付けられて、挿入部材27が差し込まれている状態を示す断面図である。
【0076】
バタフライ式補修弁201は、図12に示すように、弁箱203に上下方向に貫通して管路205が設けられ、その管路205の中途に円板状の弁体207が回転可能に配置されてなる。この弁体207は、前後方向に沿って配置された回転軸209に固定されており、弁体207はレバー(不図示)により開閉される。
そして、弁体207の板面を垂直な方向に配置するか(図12)、あるいは水平な方向に配置するかにより、バタフライ式補修弁201の開閉が可能とされる。
【0077】
バタフライ式補修弁201は、ボール式補修弁5と同様に、その弁箱203の上下両端部にそれぞれフランジ211,213が形成されている。下側のフランジ213は、縦管3の上側のフランジに接続される。一方、上側のフランジ211は、本実施例の装置が設置される前は、消火栓Hに接続されている。
【0078】
そして、本実施例の水質調査装置は、バタフライ式補修弁201にアダプタ215を介して取り付けられる。図13は、アダプタを示す平面図である。
【0079】
アダプタ215は、円板形状とされ、その軸心から偏心した位置に貫通穴217が形成されている。この貫通穴217は、バタフライ式補修弁201の管路205の直径に対応している。
本実施例では、この貫通穴217の中心O1は、平面視において、アダプタ215の軸心から右側へずれた位置とされる。そして、この貫通穴217の周囲には、貫通穴217の中心O1から同一距離で、周方向等間隔4箇所にネジ穴219が貫通して形成されており、この4つのネジ穴219はアダプタ215をバタフライ式補修弁201に取り付ける際に使用される。
【0080】
また、アダプタ215には、貫通穴217の中心O1から左側に移動した点O2を中心とした円上で、周方向等間隔4箇所にネジ穴221が貫通して形成されている。
さらに、アダプタ215には、前記点O2よりさらに左側に移動した点O3を中心とした円上で、周方向等間隔4箇所にネジ穴223が貫通して形成されている。
これら4個で1組の各ネジ穴221,223は、それぞれアダプタ215に取付部材25が取り付けられる際に使用される。
【0081】
アダプタ215は、4つのネジ穴219に、それぞれネジ棒225の一端部がねじ込まれ、他端部がバタフライ式補修弁201のフランジ211の貫通穴211aに差し込まれる。
そして、ネジ棒225の他端部にナット227がねじ込まれて、補修弁201にアダプタ215が取り付けられる。
【0082】
このように補修弁201に固定されたアダプタ215に取付部材25が取り付けられる。本実施例では、アダプタ215に4個で1組のネジ穴221,223が2組形成されており、このいずれかの組のネジ穴221,223を使用して、アダプタ215に取付部材25が取り付けられる。
この際、一方の組の4つのネジ穴221を使用してアダプタ215に取付部材25を取り付けた場合、挿入部材27は、補修弁201の管路205の軸線より左側を通過することになる。また、他方の組の4つのネジ穴223を使用してアダプタ215に取付部材25を取り付けた場合には、挿入部材27は、一方の組の4つのネジ穴221の場合よりさらに補修弁201の管路205の軸線より左側を通過することになる。
【0083】
取付部材25をアダプタ215に取り付ける場合には、アダプタ215のいずれかの組のネジ穴221,223にネジ棒229をねじ込んで立設し、このネジ棒229を取付部材25のフランジ43に形成された貫通穴45に差し込んでネジ棒229にナット231をねじ込めばよい。
このように、アダプタ215を介してバタフライ式補修弁201に取付部材25を固定した状態で、バタフライ式補修弁201を開き、ボール式補修弁5の場合と同様に、挿入部材27を押し込んでいくことで、採水具29および温度センサ33を配水管内へ送り込むことができる。
【0084】
本実施例では、取付部材25がアダプタ215を介してバタフライ式補修弁201に取り付けられることで、取付部材25は、バタフライ式補修弁201に対して偏心して取り付けられ、取付部材25に差し込まれる挿入部材27は、バタフライ式補修弁201の管路205の軸線からずれた位置を通過する。
これにより、バタフライ式補修弁201の弁体207や回転軸209に阻止されることなく、配水管内へ採水具29や温度センサ33を送り込むことが可能となる。
【0085】
本発明の水質調査装置は、上記実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。
たとえば、上記実施例では、補修弁に水質調査装置を取り付けて残留塩素濃度を測定したが、取付部材の下端部を口金形状として、消火栓に取り付けるようにしてもよい。
また、上記実施例では、取付部材25のフランジ43に複数の貫通穴45を形成して、補修弁に対して周方向複数個所で位置決めを可能としたが、図14に示すように、取付部材25に円弧状の貫通穴235を周方向等間隔4箇所に形成することで、補修弁に対して周方向複数個所で位置決めを可能としてもよい。
【0086】
また、上記実施例では、アダプタ215に取付部材25を取り付けるネジ穴を2組形成したが、1組または3組以上を形成してもよい。
さらに、上記実施例では、バッテリーを2個使用したが、1個のバッテリーで各機器に電力を供給するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】配水管に補修弁を介して消火栓が設けられた状態を示す縦断面図である。
【図2】本発明の水質調査装置の一実施例の使用状態を示す正面図であり、補修弁に取り付けられた状態を示している。
【図3】図2の要部縦断面図である。
【図4】図2の水質調査装置の主要部を示す縦断面図である。
【図5】図2の水質調査装置の概略構成図である。
【図6】図2の水質調査装置の取付部材の平面図である。
【図7】図2の水質調査装置の止水部を示す概略図である。
【図8】図2の水質調査装置の挿入部材の下端部を示す縦断面図である。
【図9】図3の状態から挿入部材が押し込まれ、補修弁を通過している状態を示す図である。
【図10】図9の状態からさらに挿入部材が押し込まれ、挿入ヘッドが、配水管内に配置された状態を示す概略図である。
【図11】規制部材を示す斜視図である。
【図12】図2の水質調査装置をバタフライ式補修弁にアダプタを介して取り付けた状態を示す縦断面図である。
【図13】図12のアダプタの一例を示す平面図である。
【図14】図6の取付部材の変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0088】
1 配水管
5 ボール式補修弁
25 取付部材
27 挿入部材
29 採水具
31 残留塩素濃度測定器(測定機器本体)
33 温度センサ
35 データロガー
37,39 バッテリー
41 圧力センサ
81,83 構成材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火栓ボックス内に収容された消火栓または補修弁に取り付けられる筒状の取付部材と、
この取付部材の上部において前記取付部材との隙間が封止されて、前記取付部材に対して水密状態を維持して上下に進退可能に設けられる筒状の挿入部材と、
この挿入部材を介して採水した水の残留塩素濃度を測定し、記憶する測定機器と、
前記測定機器に電力を供給するバッテリーとを備え、
前記測定機器および前記バッテリーは、防水ケース内に収容されて消火栓ボックス内に配置される
ことを特徴とする水質調査装置。
【請求項2】
前記測定機器は、前記消火栓または補修弁に接続された配水管内の水の残留塩素濃度を測定する測定機器本体と、この測定機器本体で測定された残留塩素濃度を記憶するデータロガーとを備え、
前記測定機器本体および前記データロガーは、防水ケース内に収容されて消火栓ボックス内に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の水質調査装置。
【請求項3】
前記配水管内の水温を測定する温度センサをさらに備え、
この温度センサにより測定された水温も前記データロガーに記憶される
ことを特徴とする請求項2に記載の水質調査装置。
【請求項4】
前記温度センサは、前記挿入部材の下端部に設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載の水質調査装置。
【請求項5】
前記配水管内の水圧を測定する圧力センサをさらに備え、
この圧力センサにより測定された水圧も前記データロガーに記憶される
ことを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれかに記載の水質調査装置。
【請求項6】
前記挿入部材を介して前記配水管から採水された水は、減圧弁および流量調整弁を介して前記測定機器へ送られる
ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の水質調査装置。
【請求項7】
前記挿入部材は、複数の構成材が互いに連結されて構成され、その接続本数を変更することで長さ調整可能とされる
ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の水質調査装置。
【請求項8】
前記取付部材には、消火用ホースが接続可能な分岐管が設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の水質調査装置。
【請求項9】
前記取付部材は、アダプタを介してバラフライ式補修弁に偏心して取り付けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載の水質調査装置。
【請求項10】
前記挿入部材には、前記配水管内の水を採水する採水具が設けられており、この採水具の下端部から前記測定機器に水が送られる
ことを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の水質調査装置。
【請求項1】
消火栓ボックス内に収容された消火栓または補修弁に取り付けられる筒状の取付部材と、
この取付部材の上部において前記取付部材との隙間が封止されて、前記取付部材に対して水密状態を維持して上下に進退可能に設けられる筒状の挿入部材と、
この挿入部材を介して採水した水の残留塩素濃度を測定し、記憶する測定機器と、
前記測定機器に電力を供給するバッテリーとを備え、
前記測定機器および前記バッテリーは、防水ケース内に収容されて消火栓ボックス内に配置される
ことを特徴とする水質調査装置。
【請求項2】
前記測定機器は、前記消火栓または補修弁に接続された配水管内の水の残留塩素濃度を測定する測定機器本体と、この測定機器本体で測定された残留塩素濃度を記憶するデータロガーとを備え、
前記測定機器本体および前記データロガーは、防水ケース内に収容されて消火栓ボックス内に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の水質調査装置。
【請求項3】
前記配水管内の水温を測定する温度センサをさらに備え、
この温度センサにより測定された水温も前記データロガーに記憶される
ことを特徴とする請求項2に記載の水質調査装置。
【請求項4】
前記温度センサは、前記挿入部材の下端部に設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載の水質調査装置。
【請求項5】
前記配水管内の水圧を測定する圧力センサをさらに備え、
この圧力センサにより測定された水圧も前記データロガーに記憶される
ことを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれかに記載の水質調査装置。
【請求項6】
前記挿入部材を介して前記配水管から採水された水は、減圧弁および流量調整弁を介して前記測定機器へ送られる
ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の水質調査装置。
【請求項7】
前記挿入部材は、複数の構成材が互いに連結されて構成され、その接続本数を変更することで長さ調整可能とされる
ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の水質調査装置。
【請求項8】
前記取付部材には、消火用ホースが接続可能な分岐管が設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の水質調査装置。
【請求項9】
前記取付部材は、アダプタを介してバラフライ式補修弁に偏心して取り付けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載の水質調査装置。
【請求項10】
前記挿入部材には、前記配水管内の水を採水する採水具が設けられており、この採水具の下端部から前記測定機器に水が送られる
ことを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の水質調査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−222440(P2009−222440A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64848(P2008−64848)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(506046470)日本水機調査株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(506046470)日本水機調査株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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