説明

水酸基を有する変性ポリアセタール樹脂の製造方法

【課題】水酸基含有変性ポリアセタール樹脂を製造するための極めて効率的な分解処理剤や処理条件等を提供する。
【解決手段】エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)を調製し、該変性ポリアセタール樹脂(A1)を4級アンモニウム化合物及び塩基性複素環化合物から選ばれた加水分解処理剤の存在下に熱処理し、エステル結合を加水分解して水酸基を形成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水酸基が導入された変性ポリアセタール樹脂の効率的な製造方法に関する。さらに詳しくは、エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂を調製し、該変性ポリアセタール樹脂を極めて効率的に加水分解処理して水酸基を形成させる水酸基含有変性ポリアセタール樹脂の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアセタール樹脂は機械的性質、耐薬品性、摺動性等のバランスに優れ、且つ、その加工が容易であることにより代表的なエンジニアリングプラスチックとして、電気・電子部品、自動車部品その他の各種機械部品を中心として広く利用されている。しかし、ポリアセタール樹脂が利用される分野の拡大に伴い、その材料としての性質にも、更に特殊性が要求される場合が多い。
【0003】
一般にポリアセタール樹脂は、結晶性が高く他の材料との親和性や相溶性が極めて小さい。そのため、他の樹脂材料、添加剤、充填剤などとの複合化により改質することが困難であるとともに、塗料、印刷インキ、着色料や接着剤等との密着性を向上させることが困難である。例えば、耐衝撃性を改善するためエラストマーなどをブレンドすると、エラストマーとの親和性及び相溶性が悪いため、高い衝撃特性を付与できない。また、エラストマーなどの分散性不良により成形品の表面が剥離し、成形品の外観を著しく損なう。さらに、改質のために安定剤、潤滑剤などの添加剤をポリアセタール樹脂に添加すると、添加剤が成形品の表面に分離滲出し、表面の外観を損うとともに、添加剤の機能を有効に利用できないなどの問題がある。そのため、ポリアセタール樹脂の用途が大きく制限されることが少なくない。
【0004】
ポリアセタール樹脂の親和性を改善するためには、ポリアセタール樹脂に適当な官能基を導入して変性することが有効であり、その一つとして、水酸基を導入した変性ポリアセタール樹脂が挙げられる。このような水酸基含有変性ポリアセタール樹脂は、ガラス系無機充填材との密着性を高め機械的強度を改善する等の効果があり、特に、側鎖に水酸基を有する変性ポリアセタール樹脂は有効である。
【0005】
このように側鎖に水酸基を導入した変性ポリアセタール樹脂は、従来から知られたカチオン重合によるポリアセタール樹脂の製造において、水酸基含有反応性化合物をコモノマー成分として使用することによって調製することができるが、この重合反応においては水酸基含有反応性化合物が連鎖移動剤としても作用し、得られるポリアセタール樹脂は分岐構造を有するものとなり、また、分子量も不十分なものとなり易い。このような連鎖移動反応を防止するためには、当該反応性化合物の水酸基をアセチル基等の保護基で保護して重合に供し、共重合体を調製した後に塩基性化合物等を用いて共重合体の処理を行い、水酸基を保護していた保護基の脱保護を行ない水酸基を形成させる方法が望ましいが、水酸基を保護していた保護基を効率的に脱保護して水酸基を形成させるための処理方法は見出されていない。
【0006】
なお、特許文献1にはグリセロールホルマール又はそのエステル誘導体で変性した変性ポリアセタール樹脂を塩基性化合物で処理することが記載されているが、その主目的は変性ポリアセタール樹脂の不安定末端基の除去であり、エステル基の加水分解による水酸基の形成についての記載はなく、また、ここに開示された塩基性化合物による処理では、本発明の目的に対しては十分な加水分解効果は達成できない。また、特許文献2及び特許文献3には、不安定末端部を有するポリアセタール樹脂の不安定末端部の分解処理にあたり4級アンモニウム化合物を用いることが開示されているが、本発明が目的とする処理方法、即ち、上記の如き変性ポリアセタール樹脂の保護基を脱保護して水酸基を形成させる加水分解法については何も記載されていない。
【特許文献1】特開平3−47818号公報
【特許文献2】国際公開WO98/42781号公報
【特許文献3】特開2006−299107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、水酸基が導入された変性ポリアセタール樹脂の効率的な製造方法を提供することを目的とするものであり、より具体的には、エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂を調製し、該変性ポリアセタール樹脂を加水分解処理して水酸基含有変性ポリアセタール樹脂を製造するための極めて効率的な分解処理剤や処理条件等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らはかかる課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂を調製し、該変性ポリアセタール樹脂を4級アンモニウム化合物及び塩基性複素環化合物から選ばれた加水分解処理剤の存在下で熱処理することにより高い加水分解率が達成され、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)を調製し、該変性ポリアセタール樹脂(A1)を4級アンモニウム化合物及び塩基性複素環化合物から選ばれた加水分解処理剤の存在下に熱処理し、エステル結合を加水分解して水酸基を形成させることを特徴とする水酸基を有する変性ポリアセタール樹脂(A)の製造方法である。
【発明の実施の形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明は、エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)を調製し、該変性ポリアセタール樹脂(A1)を、4級アンモニウム化合物及び塩基性複素環化合物から選ばれた加水分解処理剤の存在下に熱処理することを特徴とし、これによって高い加水分解率が達成された水酸基含有変性ポリアセタール樹脂(A)の製造を可能にするものである。
【0011】
本発明においては、加水分解処理剤として、4級アンモニウム化合物及び塩基性複素環化合物から選ばれた化合物が用いられる。
【0012】
本発明に用いられる4級アンモニウム化合物は特に限定されるものではないが、好ましい4級アンモニウム化合物としては下記式(1)で表されるものが挙げられ、これらは複数組み合わせて使用してもよい。
【0013】
[R1R2R3R4N+]n Xn- (1)
(上記式中、R1、R2、R3、R4は、各独立に、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、該炭化水素基は直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルキルアリール基である。炭化水素基は、置換基を有していてもよく、置換基の種類としては水酸基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、ビニル基、アリル基、ヒドロキシアルキルオキシ基、アルコキシアルキルオキシ基、及びハロゲン原子である。Xn-は水酸基、又は下記(i)〜(ix)から選ばれた化合物に由来し4級アンモニウムと塩を形成するアニオンを表わす。nは1以上の整数を示す。n個の[R1R2R3R4N+]は互いに異なっていてもよい。)
(i)炭素数1〜20のカルボン酸、水素酸、オキソ酸、無機チオ酸もしくは炭素数1〜20の有機チオ酸
(ii)酸性環状アミド化合物
(iii)ポリカルボン酸
(iv)アミノカルボン酸
(v)炭酸モノエステル及び/又は炭酸水素金属塩
(vi)酸性エノール系化合物
(vii)フェノール系化合物及び/又はアルコール系化合物
(viii)酸性アゾール化合物
(ix)有機イオウ化合物、有機リン化合物および有機ホウ素化合物からなる群から選ばれた非カルボン酸系化合物
4級アンモニウム化合物は、上記一般式(1)で表わされるものであれば特に制限はない。例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、プロピルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム)、デカメチレン−ビス−(トリメチルアンモニウム)、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム、(2−ヒドロキシエチル)トリエチルアンモニウム、(2−ヒドロキシエチル)トリプロピルアンモニウム、(2−ヒドロキシエチル)トリ−n−ブチルアンモニウム、(2−ヒドロキシエチル)メチルジエチルアンモニウム、(2−ヒドロキプロピル)トリメチルアンモニウム、(2−ヒドロキシプロピル)トリエチルアンモニウム、(3−ヒドロキプロピル)トリメチルアンモニウム、(3−ヒドロキシプロピル)トリエチルアンモニウム、(4−ヒドロキブチル)トリメチルアンモニウム、(4−ヒドロキブチル)トリエチルアンモニウム、ジアリルジメチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、トリプロピルベンジルアンモニウム、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウム、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジエチルアンモニウム、ビス(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアンモニウム、ビス(2−ヒドロキシプロピル)ジエチルアンモニウム、トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、トリス(2−ヒドロキシエチル)エチルアンモニウム、トリス(2−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウム、トリス(2−ヒドロキシプロピル)エチルアンモニウム、トリス(2−ヒドロキシエチル)オクタデシルアンモニウム、テトラキス(ヒドロキシメチル)アンモニウム、テトラキス(メトキシメチル)アンモニウム、テトラキス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、(ポリ(エチレンオキシド))トリメチルアンモニウム、(ポリ(プロピレンオキシド))トリメチルアンモニウム、(ポリ(エチレンオキシド))トリエチルアンモニウム、(ポリ(プロピレンオキシド))トリエチルアンモニウム等の4級アンモニウムの水酸化物、又はかかる4級アンモニウムと前記(i)〜(ix)から選ばれた化合物に由来するアニオンとによって形成される4級アンモニウム塩が挙げられる。
【0014】
4級アンモニウム塩を形成する前記(i)に属する化合物としては、塩酸、臭酸などの水素酸;硫酸、硝酸、燐酸などのオキソ酸;チオ硫酸などのチオ酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸が、前記(ii)に属する酸性環状アミド化合物としては(イソ)シアヌル酸、フタルイミドなどが、前記(iii)に属するポリカルボン酸としては1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、或いはアクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマーを構成成分としてなる(共)重合体などが、前記(iv)に属するアミノカルボン酸としてはニトリロトリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸などが、前記(v)に属する炭酸モノエステル及び/又は炭酸水素金属塩としては炭酸モノメチルエステル、炭酸水素カルシウム塩などが、前記(vi)に属する酸性エノール系化合物としてはアセチルアセトン、アセト酢酸エチルなどが、前記(vii)に属するフェノール系化合物及び/又はアルコール系化合物としてはビスフェノールA、ハイドロキノンなどが、前記(viii)に属する酸性アゾール化合物としてはテオフィリン、ベンゾイミダゾールなどが、前記(ix)に属する有機イオウ化合物、有機リン化合物および有機ホウ素化合物からなる群から選ばれた非カルボン酸系化合物としてはメチル硫酸、メタンスルホン酸、ジメチルホスフィン酸、フェニルボロン酸などが挙げられる。4級アンモニウムと上記(i)〜(ix)の如き化合物の酸残基又はアニオン形成残基によって形成される4級アンモニウム塩については、国際公開WO98/42781号公報、特開2006-257166号公報、特開2006-282836号公報、特開2006-299107号公報に詳細な開示があり、本発明においてもこれらの4級アンモニウム塩を使用することができる。
【0015】
前記一般式(1)で表わされる4級アンモニウム化合物において、nは1以上の整数である。4級アンモニウム化合物の対アニオンを形成するXがポリカルボン酸の場合、nは通常4以上であり、対アニオンを形成するXがそれ以外の場合はnは一般的には1〜3である。
【0016】
また、本発明において別の加水分解処理剤として用いられる塩基性複素環化合物も特に限定されるものではないが、好ましくは1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン‐7、1,5‐ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン‐5が挙げられる。
【0017】
本発明において、加水分解処理剤として用いる4級アンモニウム化合物又は塩基性複素環化合物の使用量は、後述するエステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)の側鎖形成エステル基量(mol)に対して0.1〜1000当量であり、好ましくは5〜500当量、特に好ましくは10〜300当量である。0.1当量未満では効果が不十分であり、また1000当量を超えると、得られる水酸基含有変性ポリアセタール樹脂(A)が変色するため、いずれも好ましくない。
【0018】
次に、本発明において用いられるエステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)について詳細に説明する。本発明は、前述した如く、エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)を調製し、該変性ポリアセタール樹脂(A1)を前記加水分解処理剤の存在下に熱処理し、エステル結合を加水分解して水酸基を有する変性ポリアセタール樹脂(A)を得るものである。
【0019】
本発明において、かかるエステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)の調製方法は特に限定されるものではないが、好ましい調製方法として、トリオキサン(a)、水酸基を持たない環状エーテル及び環状ホルマールから選ばれた化合物(b)及び水酸基を有する重合性化合物の水酸基がアシル化又はシリル化によって保護された化合物(c)を共重合する方法が挙げられる。
【0020】
ここで、上記変性ポリアセタール樹脂(A1)の調製に使用されるトリオキサン(a)とは、ホルムアルデヒドの環状三量体であり、一般的には酸性触媒の存在下でホルムアルデヒド水溶液を反応させることによって得られ、これを蒸留等の方法で精製して用いられる。
【0021】
次に、上記変性ポリアセタール樹脂(A1)の調製に使用される水酸基を持たない環状エーテル及び環状ホルマールから選ばれた化合物(b)としては、エチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマール、ジエチレングリコールホルマールが好ましい化合物として挙げられる。
【0022】
化合物(b)はエステル結合による側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)の調製においては必須成分では無く、その割合はトリオキサン(a)100モルに対して0〜30モルとすることが可能であるが、得られる変性ポリアセタール樹脂の熱安定性等を考慮すると共重合成分として用いるのが好ましく、その割合は、トリオキサン(a)100モルに対して0.05〜30モルが好ましく、より好ましくはトリオキサン(a)100モルに対して0.1〜20モルである。
【0023】
次に、上記変性ポリアセタール樹脂(A1)の調製に使用される水酸基を有する重合性化合物の水酸基がアシル化又はシリル化によって保護された化合物(c)としては、水酸基含有環状ホルマール、水酸基含有グリシジルエーテル、水酸基含有オキセタン、水酸基含有スチレン及び水酸基含有ビニル化合物を水酸基含有重合性化合物とし、その水酸基がホルミル基、アセチル基等のアシル化又はシリル化によって保護された化合物が好ましい例として挙げられる。
【0024】
具体的には、水酸基を有する重合性化合物としてグリセロールホルマール、トリメチロールプロパンホルマール、トリメチロールエタンホルマール、5,5-ジヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン、5−ヒドロキシ1,3−ジオキセパン、グリシドール、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3,3−ジヒドロキシメチルオキセタン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン等が挙げられ、その水酸基がアシル化又はシリル化によって保護された化合物が前記化合物(c)として例示される。
【0025】
本発明においては、エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)を調製するにあたり、その分子量制御の容易さ、重合活性、変性単位の導入率等の観点から、前記化合物(c)としては水酸基含有環状ホルマールの水酸基がアシル化又はシリル化によって保護された化合物を使用するのが好ましく、より好ましくは、グリセロールホルマールの水酸基がアシル化又はシリル化によって保護された化合物である。その具体例としてはグリセロールホルマールアセテート等が挙げられる。
【0026】
本発明において、上記の如き水酸基を有する重合性化合物の水酸基がアシル化又はシリル化によって保護された化合物(c)の使用量は、得られる変性ポリアセタール樹脂の耐熱性等を考慮すると、トリオキサン100モルに対して0.01〜20モルの割合が好ましく、特に好ましくはトリオキサン100モルに対して0.1 〜10モルである。
【0027】
また、変性ポリアセタール樹脂(A1)の調製にあたり、上記成分の他に一般的には分子量を調整する成分が併用され、得られる重合体の分子量が調整される。分子量調整をする成分としては、不安定末端を形成することのない連鎖移動剤、例えば、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラール、オキシメチレンジ−n−ブチルエーテルの如きアルコキシ基を有する化合物が例示され、その1種または2種以上を使用することができる。その使用量は、好ましくはトリオキサン100重量部に対して0.001 〜0.5重量部である。
【0028】
本発明において、変性ポリアセタール樹脂(A1)の調製にあたり使用するカチオン重合触媒としては、四塩化鉛、四塩化スズ、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三塩化バナジウム、三塩化アンチモン、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネート、三フッ化ホウ素アセチックアンハイドレート、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯化合物等の三フッ化ホウ素配位化合物、過塩素酸、アセチルパークロレート、t−ブチルパークロレート、ヒドロキシ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の無機および有機酸、トリエチルオキソニウムテトラフロロボレート、トリフェニルメチルヘキサフロロアンチモネート、アリルジアゾニウムヘキサフロロホスフエート、アリルジアゾニウムテトラフロロボレート等の複合塩化合物、ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド等のアルキル金属塩、ヘテロポリ酸、イソポリ酸等の1種または2種以上が挙げられる。その中でも特に、変性ポリアセタールの重合性、反応性、及び、触媒の失活性の点で、ルイス酸系の触媒、特に、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネート、三フッ化ホウ素アセチックアンハイドレート、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯化合物等の三フッ化ホウ素配位化合物が好ましい。これらのカチオン重合触媒はそのままでも、有機溶剤等で予め希釈してもよく、その調製方法は特に限定されない。
【0029】
重合触媒として使用する量は、その種類によっても異なるが、一般にはトリオキサンに対し、1〜1000ppm(重量基準)の範囲であり、好ましくは1〜500ppm、特に好ましくは1〜200ppmであるが、重合速度や重合効率との兼ね合いで適宜選定すればよい。
【0030】
重合後の触媒の中和による失活は、重合反応後、重合機より排出される生成反応物、あるいは、重合機中の反応生成物に塩基性化合物、あるいは、その水溶液等を加えて行う。重合触媒を中和して失活するための塩基性化合物としては、アンモニア;トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、トリブタノールアミン等のアミン類;アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物塩類;その他公知の触媒失活剤が用いられる。また、重合反応後、生成物にこれらの水溶液を速やかに加え、失活させることが好ましい。
【0031】
上記のようにして調製され、エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)は、側鎖形成エステル基を30〜2000mmol/kg有するものであるのが好ましく、特に好ましくは50〜500mmol/kgの側鎖形成エステル基を有するものである。また、変性ポリアセタール樹脂(A1)は、それが溶融成形可能なものであればその分子量或いは溶融粘度は何ら限定されるものではないが、数平均分子量が1000〜100000、メルトインデックス(MI)が0.01〜200g/10min(ASTM D1238に準拠)程度のものが好ましい。
【0032】
かかる変性ポリアセタール樹脂(A1)は、次の工程での処理に供するにあたり、公知の方法によって末端安定化処理を行ってもよく、末端安定化処理を行わずに直接使用することも可能である。
【0033】
次に、上記のようにして調製され、エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)の加水分解法について説明する。本発明は、上記のようにして調製された変性ポリアセタール樹脂(A1)を4級アンモニウム化合物及び塩基性複素環化合物から選ばれた加水分解処理剤の存在下に熱処理し、エステル結合を加水分解して(即ち、けん化して)水酸基を形成させ、水酸基を有する変性ポリアセタール樹脂(A)を製造するものであり、かかる選択的な加水分解処理剤の使用によって、高い加水分解率を達成すると共に、水酸基を有する変性ポリアセタール樹脂(A)の安定な製造を可能にしたことを特徴とする。
【0034】
加水分解は、特に装置により限定されるものではなく、公知の装置が使用され、また、バッチ式、セミバッチ式、連続式等、いずれの方法も可能である。
【0035】
側鎖形成エステル基を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)の加水分解は、4級アンモニウム化合物及び塩基性複素環化合物から選ばれた加水分解処理剤の存在下に熱処理することを基本とするものであり、この基本に沿うものであれば各種の態様が可能であるが、好ましい加水分解方法としては、次の2つの方法が例示される。
【0036】
その1つ(第1の方法)は、エステル基を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)を媒体中に溶解させ、溶液状態で加水分解を行う方法である。加熱処理温度は80〜250℃程度が好ましく、特に好ましくは150℃〜200℃である。また、加熱時間は5分〜10時間が好ましく、特に好ましくは20分〜3時間である。加水分解処理剤の使用量は、変性ポリアセタール樹脂(A1)の側鎖形成エステル基量(mol)に対して0.1〜1000当量が好ましく、より好ましくは2〜200当量、特に好ましくは5〜100当量である。
【0037】
変性ポリアセタール樹脂(A1)を溶解させるための媒体の量は特に限定されるものではないが、変性ポリアセタール樹脂100gに対して0.1〜50リットル程度を使用するのが望ましい。変性ポリアセタール樹脂(A1)を溶解させるための媒体としては、上記加熱処理温度において変性ポリアセタール樹脂(A1)を溶解し得るものであれば特に限定されるものではないが、水とアルコールの混合溶液、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の使用が簡便であり、また処理後の分離も容易であり、好ましい。加熱処理は常圧又は加圧下で行う。理後、溶液を常温まで冷却することによって変性ポリアセタール樹脂を析出させ、その後、濾過、洗浄により分解して生じたホルムアルデヒド、未反応モノマー、オリゴマー、分解処理剤等を除去し、乾燥することによって、高い加水分解率を達成した変性ポリアセタール樹脂(A)を得ることができる。
【0038】
もう1つ(第2の方法)は、エステル基を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)を、変性ポリアセタール樹脂(A1)を溶解しない媒体中に分散させ、スラリー状態で加水分解を行う方法である。加熱処理温度は80℃以上変性ポリアセタール樹脂(A1)の融点未満の温度が好ましく、特に好ましくは80〜100℃である。また、加熱時間は1〜50時間が好ましく、特に好ましくは2〜10時間である。加水分解処理剤の使用量は、変性ポリアセタール樹脂(A1)の側鎖形成エステル基量(mol)に対して0.1〜1000当量が好ましく、より好ましくは5〜500当量、特に好ましくは20〜300当量である。
【0039】
変性ポリアセタール樹脂(A1)を分散させるための媒体の量は特に限定されるものではないが、変性ポリアセタール樹脂100gに対して0.1〜100リットル程度を使用するのが望ましい。変性ポリアセタール樹脂(A1)を分散させるための媒体としては、上記加熱処理温度において変性ポリアセタール樹脂(A1)をスラリー状態に分散させ得るものであれば特に限定されるものではないが、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の使用が簡便であり、また処理後の分離も容易であり、好ましい。このように、ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等は、加熱処理温度を選択すれば、変性ポリアセタール樹脂(A1)をスラリー状態で処理するための媒体としても使用できる。加熱処理は常圧又は加圧下で行う。処理後、溶液を常温まで冷却し、その後、濾過、洗浄により分解して生じたホルムアルデヒド、未反応モノマー、オリゴマー、分解処理剤等を除去し、乾燥することによって、高い加水分解率を達成した変性ポリアセタール樹脂(A)を得ることができる。
【0040】
本発明においては、選択的な加水分解処理剤の使用により極めて効率的で安定した加水分解が可能となり、70%以上の加水分解率を達成した水酸基含有変性ポリアセタール樹脂(A)を得ることができ、溶液状態での加水分解処理においては、90%以上の加水分解率を達成した水酸基含有変性ポリアセタール樹脂(A)を得ることも可能となる。
【0041】
加水分解処理によって得られた水酸基含有変性ポリアセタール樹脂(A)には、更に公知の各種安定剤・添加剤を配合し得る。安定剤としては、ヒンダートフェノール系化合物、メラミン、グアナミン、ヒドラジド、尿素等の窒素含有化合物、アルカリ或いはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩、カルボン酸塩等のいずれか1種または2種以上を挙げることができる。又、本発明で用いられる添加剤としては、熱可塑性樹脂に対する一般的な添加剤、例えば染料、顔料等の着色剤、滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤、界面活性剤のいずれか1種または2種以上を挙げることができる。
【0042】
本発明によって得られた水酸基含有変性ポリアセタール樹脂(A1)及びその組成物は、押出成形、射出成形、圧縮成形、真空成形、吹込成形、発泡成形の何れによっても成形可能である。
【実施例】
【0043】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1-1)の調製]
トリオキサン(水分含有量10ppm)94mol%と1,3−ジオキソラン(水分含有量10ppm)2mol%、グリセロールホルマールアセテート4mol%(全モノマーに対し)の混合物に、分子量調整剤としてメチラール50ppm(全モノマー重量に対し)を添加し、反応開始触媒として三フッ化ホウ素(BF3)20ppm(全モノマー重量に対し)を加えて重合を行った。得られた重合体は、トリエチルアミンを0.05重量%含有する水溶液に導入することにより触媒の失活化を行い、更に、分離、洗浄、乾燥を行ってエステル結合側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1-1)を得た。ポリアセタール樹脂側鎖へのアセチル基の導入量は、200mmol/kgであった。
[エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1-2)の調製]
トリオキサン(水分含有量10ppm)92mol%とグリセロールホルマールアセテート8mol%(全モノマーに対し)の混合物に、分子量調整剤としてメチラール50ppm(全モノマー重量に対し)を添加し、反応開始触媒として三フッ化ホウ素(BF3)20ppm(全モノマー重量に対し)を加えて重合を行った。得られた重合体は、トリエチルアミンを0.05重量%含有する水溶液に導入することにより触媒の失活化を行い、更に、分離、洗浄、乾燥を行ってエステル結合側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1-2)を得た。ポリアセタール樹脂側鎖へのアセチル基の導入量は、370mmol/kgであった。
[加水分解による水酸基含有変性ポリアセタール樹脂の製造(溶解法)]
実施例1〜8、比較例1〜2
エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1-1又はA1-2)1gに、表1に示す所定当量の4級アンモニウム化合物又は塩基性複素環化合物(B-1又はB-2)と、水/メタノール=16:84の混合比率の水溶液100mlを加え、170℃に加熱して溶解させ、その温度で2時間、加圧下で処理した。
【0044】
処理後、溶液を常温まで冷却することによって、処理された変性ポリアセタール樹脂を析出させ、その後、濾過、洗浄により分解して生じたホルムアルデヒド、未反応モノマー、オリゴマー、分解処理剤等を除去し、乾燥することによって、目的とする水酸基含有変性ポリアセタール樹脂を得た。
【0045】
加水分解率(%)は、1H−NMRにより、アセチル基のピーク(2.12ppm及び2.10ppm)から算出した。結果を表1に示す。
【0046】
一方、比較のため、4級アンモニウム化合物又は塩基性複素環化合物を添加せず、別の塩基性化合物を用いて同様に加水分解を行った場合についても、結果を表1に併せて示す。
<使用した4級アンモニウム化合物又は塩基性複素環化合物>
B−1:水酸化コリン
B−2:1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン‐7
<比較例で使用した塩基性化合物>
B−3:トリエチルアミン
【0047】
【表1】

【0048】
[加水分解による水酸基含有変性ポリアセタール樹脂の製造(スラリー法)]
実施例9〜11、比較例3〜4
エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1-1又はA1-2)1gに、表1に示す所定当量の4級アンモニウム化合物又は塩基性複素環化合物(B-1又はB-2)と水20mlを加えて撹拌することによりスラリー状態とし、常圧下、100℃で5時間、加熱処理した。
【0049】
処理後、溶液を常温まで冷却し、その後、濾過、洗浄により分解して生じたホルムアルデヒド、未反応モノマー、オリゴマー、分解処理剤等を除去し、乾燥することによって、目的とする水酸基含有変性ポリアセタール樹脂を得た。
【0050】
加水分解率(%)は、1H−NMRにより、アセチル基のピーク(2.12ppm及び2.10ppm)から算出した。結果を表2に示す。
【0051】
一方、比較のため、4級アンモニウム化合物又は塩基性複素環化合物を添加せず、別の塩基性化合物を用いて同様に加水分解を行った場合についても、結果を表2に併せて示す。
<使用した4級アンモニウム化合物又は塩基性複素環化合物>
B−1:水酸化コリン
B−2:1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン‐7
<比較例で使用した塩基性化合物>
B−4:水酸化ナトリウム
【0052】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)を調製し、該変性ポリアセタール樹脂(A1)を4級アンモニウム化合物及び塩基性複素環化合物から選ばれた加水分解処理剤の存在下に熱処理し、エステル結合を加水分解して水酸基を形成させることを特徴とする水酸基を有する変性ポリアセタール樹脂(A)の製造方法。
【請求項2】
4級アンモニウム化合物が下記一般式(1)で示されるものである請求項1記載の変性ポリアセタール樹脂(A)の製造方法。
[R1R2R3R4N+]n Xn- (1)
(上記式中、R1、R2、R3、R4は、各独立に、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、該炭化水素基は直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルキルアリール基である。炭化水素基は、置換基を有していてもよく、置換基の種類としては水酸基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、ビニル基、アリル基、ヒドロキシアルキルオキシ基、アルコキシアルキルオキシ基、及びハロゲン原子である。Xn-は水酸基、又は下記(i)〜(ix)から選ばれた化合物に由来し4級アンモニウムと塩を形成するアニオンを表わす。nは1以上の整数を示す。n個の[R1R2R3R4N+]は互いに異なっていてもよい。)
(i)炭素数1〜20のカルボン酸、水素酸、オキソ酸、無機チオ酸もしくは炭素数1〜20の有機チオ酸
(ii)酸性環状アミド化合物
(iii)ポリカルボン酸
(iv)アミノカルボン酸
(v)炭酸モノエステル及び/又は炭酸水素金属塩
(vi)酸性エノール系化合物
(vii)フェノール系化合物及び/又はアルコール系化合物
(viii)酸性アゾール化合物
(ix)有機イオウ化合物、有機リン化合物および有機ホウ素化合物からなる群から選ばれた非カルボン酸系化合物
【請求項3】
塩基性複素環化合物が、1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン‐7又は1,5‐ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン‐5である請求項1記載の変性ポリアセタール樹脂(A)の製造方法。
【請求項4】
エステル結合した側鎖を有する変性ポリアセタール樹脂(A1)が、トリオキサン(a)、水酸基を持たない環状エーテル及び環状ホルマールから選ばれた化合物(b)及び水酸基を有する重合性化合物の水酸基がアシル化又はシリル化によって保護された化合物(c)を、(a)/(b)/(c)=100/0〜30/0.01〜20(モル比)の割合で共重合することによって得られたものである請求項1〜3の何れか1項に記載の変性ポリアセタール樹脂(A)の製造方法。
【請求項5】
水酸基を有する重合性化合物が、水酸基含有環状ホルマール、水酸基含有グリシジルエーテル、水酸基含有オキセタン、水酸基含有スチレン及び水酸基含有ビニル化合物から選ばれたものである請求項4に記載の変性ポリアセタール樹脂(A)の製造方法。
【請求項6】
水酸基含有環状ホルマールが、グリセロールホルマールである請求項5に記載の変性ポリアセタール樹脂(A)の製造方法。
【請求項7】
変性ポリアセタール樹脂(A1)が、30〜2000mmol/kgの側鎖形成エステル基を有するものである請求項1〜6の何れか1項に記載の変性ポリアセタール樹脂(A)の製造方法。
【請求項8】
変性ポリアセタール樹脂(A1)の側鎖形成エステル基量(mol)に対して、0.1〜1000当量の加水分解処理剤を使用して処理する請求項1〜7の何れか1項に記載の変性ポリアセタール樹脂(A)の製造方法。
【請求項9】
変性ポリアセタール樹脂(A1)を溶解し得る媒体中に該変性ポリアセタール樹脂(A1)を溶解させ、加水分解処理剤の存在下、80℃〜250℃の温度で熱処理することを特徴とする請求項1記載の変性ポリアセタール樹脂(A)の製造方法。
【請求項10】
変性ポリアセタール樹脂(A1)を溶解しない媒体中に該変性ポリアセタール樹脂(A1)を分散させ、加水分解処理剤の存在下、80℃以上該変性ポリアセタール樹脂(A1)の融点未満の温度で、変性ポリアセタール樹脂(A1)がスラリーの状態で熱処理することを特徴とする請求項1記載の変性ポリアセタール樹脂(A)の製造方法。
【請求項11】
エステル結合の加水分解率が70%以上である請求項1〜10の何れか1項に記載の変性ポリアセタール樹脂(A)の製造方法。

【公開番号】特開2009−35576(P2009−35576A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−198587(P2007−198587)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(390006323)ポリプラスチックス株式会社 (302)
【Fターム(参考)】