氷削用氷、氷削用氷の製造方法、及びかき氷
【課題】 天然植物片の位置の偏りを抑えることにより、不公平感がなく、さらに体裁の優れた氷削用氷、及びこれを用いたかき氷の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
この発明の氷削用氷は、複数の天然植物片10を一積層面内に含んで冷凍された植物片含有層と、前記天然植物片10を積層面内に含まない氷単独層とを交互に積層してなることを特徴とする。また前記氷削用氷において、氷単独層は、糖類を含まない水からなることが好ましい。また、本発明のかき氷は、前記いずれかの氷削用氷を一定の氷削方向Bに面氷削してなるものであって、その積層方向Dが氷削方向Bと交わることを特徴とする。
【解決手段】
この発明の氷削用氷は、複数の天然植物片10を一積層面内に含んで冷凍された植物片含有層と、前記天然植物片10を積層面内に含まない氷単独層とを交互に積層してなることを特徴とする。また前記氷削用氷において、氷単独層は、糖類を含まない水からなることが好ましい。また、本発明のかき氷は、前記いずれかの氷削用氷を一定の氷削方向Bに面氷削してなるものであって、その積層方向Dが氷削方向Bと交わることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、氷削して主にかき氷用として用いる氷削用氷、及びこれを用いたかき氷に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の食用の氷製品として、食用可能な果実の一部をカットした上で、水と共に冷凍して氷ブロックを作成し、この果実入りの氷ブロックを用いたものが知られる。無味無臭な氷に対して、冷凍された果実と氷とを一緒に食することで、果実の酸味、風味ないしは香味を得ることが出来る。
【0003】
例えば、ぶつ切りにしたパイナップル天然果実10部を果汁と混合し、これを冷凍した氷ブロックの製造方法が知られる(特許文献1参照)。これは、パイナップルの円筒状又は果芯部3を除去しない円柱状の天然果実10部を、ぶつ切りにして生のぶつ切り片15とする。そして、ぶつ切り片とパイナップルの100%果汁とを1:1のwt%の比率で混合し、その混合物を業務冷凍用の容器に入れて冷凍して生パイナップル氷ブロックを作るものである。
【0004】
また他に、アロエ葉肉のフローズン加工方法として、適当なサイズにカットし、シロップ切りしたアロエ葉肉を、冷凍するか又は冷凍することなくかき氷類などの冷菓に混入して冷凍する旨が知られる(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、前記従来の氷製品では、氷ブロック内でアロエ或いはパイナップルの天然果実の位置が一箇所或いは複数箇所に偏りやすい。この場合、例えばひとつの氷ブロックから複数杯のかき氷を作ったとき、各杯間で天然果実の混入量が異なることで不公平感が発生してしまう。また、このような天然果実を混入されたブロック氷自体も、外部から視認できる天然果実が偏った位置にあると、体裁上良いものとはいえない。
【0006】
氷ブロックを用いたかき氷等の氷製品は路上や店頭で実演販売することが多いため、これら天然果実の偏りによる不公平感或いは体裁上の問題は、販売量への影響が大きい。
【特許文献1】特開平10−056957号公報
【特許文献2】特開2002−209544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、天然植物片の位置の偏りを抑えることにより、不公平感がなく、さらに体裁の優れた氷削用氷、及びこれを用いたかき氷を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、下記(1)ないし(6)の手段を採用する。
(1)この発明の氷削用氷は、複数の天然植物片10を一積層面内に含んで冷凍された植物片含有層(植物片冷凍層1の大部分)と、前記天然植物片10を積層面内に含まない氷単独層(水冷凍層2の大部分)とを交互に積層してなることを特徴とする。
【0009】
製造工程を考慮していえば、本発明の氷削用氷は、複数の天然植物片10と水20とを共に注入し冷凍してなる植物片冷凍層1と、水のみを注入し冷凍してなる水冷凍層2とを、交互に積層形成してなる。
【0010】
この様なものであれば、複数の植物片含有層の間に必ず氷単独層が介在することとなり、この氷単独層によって、氷削用氷全体で天然植物片10が積層方向Dへ均等に分配されるものとなり、天然植物片10の位置の偏りを効率的に抑えることができる。また、氷全体の外部から、距離を開けて設けられた複数の植物片含有層1を視認することができるため、体裁に優れ、食欲をそそりやすくまた美感に訴えやすいものとなる。
【0011】
(2)また前記氷削用氷において、氷単独層は、糖類を含まない水20からなることが好ましい。
【0012】
製造工程を考慮していえば、前記氷削用氷において、植物片冷凍層1で注入して使用する水20、及び、水冷凍層2で使用する水20のうち少なくとも後者、或いは好ましくは両方が糖類を含まない水20からなる。
【0013】
この様なものであれば、凍結の際に比較的白化が少なく、透視性の高い氷単独層となり、各植物片含有層の高い視認性によって見栄えのする氷削用氷となる。
【0014】
(3)また前記氷削用氷において、氷単独層は、いずれも所定範囲内の氷単独層厚さであり、氷削用氷の両側の最外部21を構成することが好ましい。
【0015】
製造工程を考慮していえば、前記氷削用氷において、収容して冷凍する深型容器41または浅型容器42にて、最初又は最後に水のみを注入して冷凍する水冷凍層2の形成工程が組み込まれることで、最も下層又は最も上層に水冷凍層2が形成されることとなる。
【0016】
この様なものであれば、複数の植物片含有層1が所定範囲内の一定の間隔で設けられ、またいずれも氷削用氷の内部に位置することとなり、透視性のある氷単独層を介して視認されることでさらに体裁に優れたものとなる。
【0017】
また、植物片含有層の一部を構成する、複数の凍結した天然植物片10は、氷単独層を構成する氷と比較して高粘度で、また低硬度、低結晶密度、及び低軟化点である。このため、例えば従来の氷ブロックのように、氷が少なく天然植物片10が密集した部分の氷を氷削すると、天然植物片10が軟化してかき氷の氷削結晶の体をなさず、氷削後のかき氷としての質感や食感を出すことに問題があった。これに対して上記構成の氷削用氷であれば、氷削後にカキ氷の氷削結晶を確実に構成する氷単独層を、少なくとも所定の氷単独層厚さの分だけ確保することができ、天然植物片10を多く含み過ぎることによる前記氷削後の質感や食感の問題が発生しにくいものとなる。さらに最外部21を氷単独層で構成するため、氷削用氷としても経時変化や温度変化による形態を比較的保持することができ、取り扱いやすいものとなる。
【0018】
(4)また、前記いずれかの氷削用氷の製造方法は、植物片含有層及び氷単独層の少なくともいずれか一層又は複数層からなる部品層を冷凍して複数個形成し、この複数個の冷凍された部品層を組み合わせて水20と共に収容し、この収容された複数の部品層と水20とを冷凍することを特徴とする。
【0019】
ここで部品層は、一層の場合、植物片含有層か氷単独層かのいずれか一層である。製造工程上は、植物片冷凍層1か水冷凍層2のいずれか一層である。複数層の場合、植物片含有層と氷単独層との複数層を意味する。製造工程上は、植物片冷凍層1か水冷凍層2を順次積層して冷凍形成した部品層を意味する。
【0020】
このようなものであれば、全ての層を必ずしも一層ずつ順に冷凍形成する必要がなく、例えば各部品層を同時に形成することで氷削用氷を迅速に得ることができる。或いは、複数種類の部品層を組み合わせて必要に応じた形状或いは構造の氷削用氷を形成することができる。
【0021】
(5)また、本発明のかき氷は、前記いずれか記載の氷削用氷を一定の氷削方向Bに向かって面氷削してなるかき氷であって、植物片含有層と氷単独層の積層方向Dが、前記氷削方向Bと交わることを特徴とする。
【0022】
但し本発明において、氷削方向Bは、氷削される氷削用氷からみた氷削面への方向とする。例えば氷削用氷の下面を氷削面とし、上方を向いた氷削刃によって氷削用氷が氷削されるとき、氷削方向Bは、氷削用氷が氷削面へ向かう下方となる。
【0023】
この様なかき氷は、積層方向Dが氷削方向Bと共通方向を向かない状態、換言すれば図5のような正面視にて積層面Pが氷削面Bpと平行でない状態の氷削によって得られる。なお、ここで積層面Pとは、積層方向Dを法線とする面をいう。
【0024】
例えば面氷削による水平な氷削面Bpに対して、氷削用氷をその積層方向Dが水平方向(或いは水平方向成分を含むように)配置して氷削することによって得られる(図5(イ)(ロ)参照)。積層方向Dが氷削方向Bと交わるため、氷単独層だけ、或いは植物片含有層だけを氷削することがなく、氷削面Bpには必ず氷単独層と植物片含有層の両方(複数の層)が含まれることとなる。これにより製造されるかき氷は、植物片含有層を略均一な割合で含み、植物片含有層の氷削結晶が偏らずにほぼ万遍なく広がる。これは不公平感がなく、体裁に優れたものである。
【0025】
(6)また前記かき氷において、天然植物片10は、有色果実であることが好ましい。なお、氷削用氷における少なくとも一部又は好ましくは全ての天然植物片10が有色果実であれば、これを氷削して得られるかき氷の天然植物片10の一部又は好ましくは全てが、有色果実となる。
【0026】
この様なものであれば、透過性を有する氷単独層あるいはその氷削結晶中で見栄えのする形態となり、体裁に優れたものとなる。
【発明の効果】
【0027】
この発明の氷削用氷は、天然植物片の位置の偏りを抑えることにより、不公平感がなく、さらに体裁の優れたものとなる。また、これを用いたかき氷も体裁の優れたものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明の好適な実施形態を、各実施形態を示す図面を参照して説明する。図1ないし図6は、本発明の実施例1の氷削用氷と実施例1のかき氷を示す。このうち図5はこの発明の氷削用氷の氷削方向Bと積層方向Dの関係を示す説明図であり、図6は、実施例1の氷削用氷によって得られる本発明のかき氷の一実施形態の概観写真である。図7ないし図9は、本発明の実施例2の氷削用氷を示す。図10、図11は、それぞれ本発明の実施例3、実施例4の氷削用氷を示す。
【0029】
この発明の氷削用氷は、食用可能な複数の天然植物片10を水中の積層面内にちりばめて、生の天然植物片10と水20とを同時に冷凍してなる植物片冷凍層1と、前記植物片冷凍層1の上下層にて、水20だけ(すなわち、生の天然植物片10をちりばめずに水20のみを注入して)冷凍してなる水冷凍層2と、を交互に積層してなる(図1等)。これによって、植物片冷凍層1の大部分は、複数の天然植物片10を一積層面P内に含んで冷凍された植物片含有層を構成する。また、水冷凍層2の大部分は、前記天然植物片10を積層面P内に含まない氷単独層を構成する。
【0030】
また、本発明のかき氷は、前記いずれかの氷削用氷を一定の氷削方向Bに面氷削して得られるものである(図3、図5参照)。このかき氷は、氷削用氷の積層方向Dが氷削方向Bと交わる状態で氷削されることによって得られることが好ましい(図5参照)。
【実施例1】
【0031】
(氷削用氷)
実施例1の氷削用氷は、天然植物片10を含む層(植物片含有層)と含まない層(氷単独層)との2種類の各層を交互に層化し、冷凍により一体化してなる(図1)。これは、植物片冷凍層1と水冷凍層2とを交互に積層形成することで形成される。より具体的には、2つの植物片冷凍層1の外側にそれぞれ最外部21の水冷凍層2が形成され、2つの植物片冷凍層1の間に中間部22の水冷凍層2が形成される。
【0032】
氷削用氷の全体形状は実施例1のように立方体であることが氷削時に転回しやすく転回後も転倒しにくく取り扱い易いため好ましいが、このほか、円筒、多角形の角柱等でもよい。
【0033】
(天然植物片10)
天然植物片10は、植物片冷凍層1の製造過程において浸された水20と共に凍結され、植物片含有層を構成する。冷凍された天然植物片10は、氷単独層を構成する氷と比較して高粘度で、また削れ易さに関して低硬度、低結晶密度、及び低軟化点である。
【0034】
天然植物片10の例として、植物の葉、茎、花、及び果実を用いることが出来る。例えば果実の場合、実施例1および2(図1ないし図9)のようなヘタを取ったイチゴの他、実施例3のような輪切りにしたレモン(図10)、実施例4のような放射状に切って皮を剥いた文旦(図11)、ゆず等の柑橘類、ぶどう、キウイフルーツ等が挙げられる。これら一種類を使用しても良いし、複数種類を使用しても良い。果実は2等品等の有効利用にもなる。また、列挙したように酸味のあるものが、かき氷や氷食品として好ましい。
【0035】
また種子(食用に適さない硬い種子)を含まない品種、あるいは皮むきが不要なものが作業上より好ましい。他に、天然植物片10の含有量を容易に調整できるよう、実施例1のイチゴ等のように比較的小粒なものが好ましい。これは各果実の大きさが不揃いでも、水20との割合を容易に調節することが出来、また積層面内に偏らないよう、容易に分散させることができるためである。
【0036】
また天然植物片10は、有色のもの、その中でも苺、葡萄のように色度の高い濃色のものを用いると、氷削用氷及びこれを用いたかき氷のいずれも見栄えがするため、体裁上好ましいものとなる(図4、図6参照)。また有色果実の場合、例えば苺などの、外表面が有色でかつ中実部が白色のものを用いると、氷削時にその氷削断面は、有色の外表面と白色の中実部とが混ざって外表面が薄くなるグラデーション模様を構成する。この氷削断面や氷削によるかき氷は色鮮やかで体裁上優れたものとなり、食欲だけでなく美感を喚起しうる。例えばイチゴ果実は、その外表面が鮮やかな赤色であり、その近傍内側がピンク色であり、その中実部が白色である。図4に示すように、氷削用氷の一切削面(切削途中の面)は透明な氷単独層2と共に美感に優れたグラデーション模様の果実断面を構成する。
【0037】
使用する天然植物片10は、小粒のものほど果実のカット面がきれいに出て、果実断面の形がスライスされた状態のまま折れたり曲がったりしにくく氷削中で保持されやすいため好ましい。小粒とは苺で言えば例えば10g以下のSサイズ或いはSSサイズのものをいう。
【0038】
(植物片冷凍層1、植物片含有層)
植物片冷凍層1は、複数の天然植物片10を、凍らせた水冷凍層2の表面たる積層面P上に満遍なくちりばめた上で、所定の植物片冷凍深さ1dとなるように水20を入れることで水20に浸した状態とし、これを凍らせてなる層である。複数の天然植物片10の一部は水面から浮いた状態で凍るため、植物片含有層1のうち、天然植物片10の上面を含む大部分の深さまでの積層面群が、植物片含有層を構成することとなる(図1参照)。
【0039】
各実施例のように、天然植物片10は一つの氷削用氷或いは一つの植物片冷凍層1にて一種類のものでも良いが、複数種類を組み合わせたものでも良い。例えば、互いに異なる天然植物片10を含む複数の植物片冷凍層1を用意し、この複数の植物片冷凍層1を組み合わせて氷削用氷を構成するものとしても良い。但し、一つの植物片冷凍層1内に含まれる複数の天然植物片10は同一種類であると、かき氷3にて均等なスライス植物片31を形成することができるため、好ましい。
【0040】
(水冷凍層2、氷単独層)
水冷凍層2は水20のみを注入し、これを冷凍してなる層である。水冷凍層2のうち植物片含有層を除いた、植物片を積層面P内にひとつも含まない部分が氷単独層である。水冷凍層2は、最下層或いは前記植物片冷凍層1の上面たる積層面P上に、水20を所定の水深(水冷凍層厚さ2dに相当する深さ)だけ入れて凍らせることで構成することとなる(図1参照)。ただし前記植物片冷凍層1の上面は前記の通り、天然植物片10が部分的に浮いて上方へ飛び出した状態で凍っているため、この天然植物片10の飛び出した部分の厚さを除く積層面P群が、氷単独層を構成することとなる。
【0041】
水冷凍層厚さ2dはいずれも所定範囲内、具体的には10mmないし50mm程度、好ましくは20mmないし40mmである。実施例ではまた水冷凍層2は、氷削用氷の両側の最外部21(すなわち、冷凍時の最下層及び最上層)を構成する。最外部21の水冷凍層厚さ2dのみ、それ以外の水冷凍層厚さ2dの略半分たる20mm程度で、それ以外の水冷凍層厚さ2dはいずれも40mm程度である。いずれもこのような所定範囲内の厚さとすることで、氷削用氷及びかき氷へ、天然植物片10が満遍なく適度な量をもって混入されることとなる。
【0042】
水冷凍層2を構成する水20のうち、少なくとも最外部21の氷単独層は糖類を含まない。さらにいえば、水冷凍層2を構成する水20が全て糖類を含まないことが好ましい。具体的には、少なくとも異種糖類からなる多糖類(マルトース、ラクトース、パラチノース等)を含まないこと、好ましくは多糖類及び単糖類のいずれも含まないことが好ましい。これにより下記に説明する溶融に伴う取り扱いの煩雑さや形態保持性の問題を抑制することができる。
【0043】
糖類、中でも多糖類(更に顕著なものは結晶化しにくいマルトース、ラクトース、パラチノース等の異種多糖類)は、凍結状態から水20よりも低い温度で融化を開始する。またその冷凍結晶は低密度であり、水20よりも大きく白化した線状の冷凍結晶となる。このため水20と比べてやわらかく、氷削したときに容易に崩れてしまい、かき氷としての質感ないしは食感を得にくい。たとえ部分的に得られたとしても水20よりも短時間で溶解しやすく、形態保持が極めて困難である。特に異種多糖類はゲル状あるいはジャム状にとけるため、少なくとも異種多糖類を含まないことで、かき氷のサラサラ感を得られる。水20として、ミネラル等が豊富な海洋深層水を用いることが出来る。
【0044】
(氷削用氷の製造方法)
実施例1の氷削用氷は例えば、図2に示すように、氷削用氷の全構成層に相当する完成大の深型容器41のみを使用して製造する。具体的には、深型容器41内に水冷凍層2の上に水冷凍層1を、また水冷凍層1の上に植物片冷凍層2を、それぞれ下層から順に配置し冷凍することで、積層方向Dに沿って一層ずつ積層形成するものである。なお他に、実施例2のように、複数の部品層を組み合わせて形成するものとしても良い。
【0045】
(各層の冷凍方法)
各層は、0℃ないし−15℃程度、好ましくは0℃ないし−10℃、更に好ましくは−3℃ないし−5℃程度の冷凍温度で凍らせる。−10℃よりも温度を下げると早く凍結する一方、層内に空気がこもり、凍結時に白くなって透視性に欠け、見栄えや体裁にやや劣る氷削用氷となる。例えば150mm四方の積層面P内で、層厚さ40mm程度となるように積層する場合、−10℃程度で2ないし3時間かけて凍結させる。苺を含む植物片含有層を2層含む合計5層の実施例1では、層厚さが小さく凍結し易い最外部21を含み、合計10時間程度の冷凍時間により凍削用氷が得られる。合計10時間以上、さらに好ましくは合計34時間以上かけてゆっくり凍らせると、より透視性の高い氷削用氷を得ることができる。
【0046】
(かき氷の製造方法)
本発明のかき氷は、例えば図3に示す氷削器Sによって、氷削方向Bに向かって面氷削することで製造される。氷削方向Bと積層方向Dとの関係は、図5の(イ)の状態であること、或いは図5の(ロ)の状態であることが好ましい。
【0047】
(氷削器S)
氷削器Sは、図3に示すように、氷削用氷を載置して下方孔からかき氷を排出する載置台S2と、載置した氷削用氷を上方から押圧固定する固定手段S1と、載置台S2の台上に高速回転可能に設置された回転テーブルS5と、回転テーブルS5の上面に嵌入固定された氷削刃S3と、これら氷削用氷、固定手段S1、回転テーブルS5、氷削刃S3及び載置台S2の側面を、少なくとも3方で覆う保護側板S4とを具備する。保護側板S4は、図3のように正面部及び両側面部の三面とも透視性のある板からなるものとすれば、色鮮やかな氷削用氷の氷削状態を安全に視認することが可能であり、街頭で野実演販売時にパフォーマンス性を加えることができる。本実施例のほか、保護側板S4は少なくとも正面部のみ透視性を有するものであればよい。
【0048】
(氷削方向Bと積層方向D、および氷削面Bpと積層面P)
本発明のかき氷は、積層方向Dが氷削方向Bと共通方向を向かない状態、換言すれば積層面Pが氷削面Bpと平行でない状態の氷削によって得られること、例えば面氷削による水平な氷削面Bpに対して、氷削用氷の積層方向Dが水平方向成分を含むように配置して氷削することが好ましい(図5(イ)(ロ)参照)。たとえば図5の(イ)では、氷削用氷の積層方向Dが水平方向すなわち幅方向を向くように配置され、この積層方向Dと垂直に交わるような氷削方向Bとして氷削している。また図5の(ロ)では、氷削用氷の積層方向Dが斜め方向を向くように配置して、この積層方向Dと斜めに交わるような氷削方向Bとして氷削している。積層方向Dが氷削方向Bと交わるため、氷単独層だけ、或いは植物片含有層だけを氷削することがなく、氷削面Bpには必ず氷単独層と植物片含有層の両方(複数の層)が含まれることとなる(図5)。
【0049】
(かき氷3)
これによって得られる本発明の実施例1のかき氷3は、図3および図6に示すように、各色を有する天然植物片10たる果肉が薄くスライスされてスライス植物片31となり、前記グラデーション模様の果実断面を有したままで切削氷内に分散し、天然色付きの美感に優れたものとなる。また、実施例1のような濃色を含む複数色を有する天然植物片10を含む氷削用氷は、図3に示すような透視性のある保護側板S4で囲んだ状態のまま街頭で氷削することで、パフォーマンス性に優れた実演販売が可能となる。またこれにより得られるかき氷3も、図6に示すように、グラデーション模様のスライス植物片31がちりばめられ、美感に優れるものとなる。
【0050】
また、水単独層は切削によって氷削片32になるところ、糖類を含まない水20からなる氷削片32は歯ごたえと形態保持性に優れ、スライス植物片31を柔らかく保持する。これにより独特の食感が得られると共に、例えばショ糖等を煮詰めて得られる無色シロップをかけて食することで、天然の酸味と甘味とが相俟って、あっさりした食味を得ることができる。
【実施例2】
【0051】
実施例2の氷削用氷は、図7に示すように、植物片冷凍層1と水冷凍層2とが交互に一の積層方向Dたる幅方向に沿って積層され、その各層間に補充層11が形成される。また、頭部23の水冷凍層2として、積層方向Dと垂直な方向へ厚さを有する別の水冷凍層2が形成される。この頭部23は、氷削器の固定部によって固定される部分である。
【0052】
実施例2の氷削用氷のような頭部23を有することで、かき氷3を作る際に、積層方向Dを幅方向とし、かつ氷削器Sの固定手段S1への押圧固定部を水冷凍層2として形成することができる。水冷凍層2は植物片冷凍層1よりも溶けにくいため、固定手段S1への押圧固定をより確実なものとすることができる。また、水冷凍層2からなる頭部23を氷削器Sの押圧固定部分とすることで、氷削用氷からかき氷3を形成し終えたときに残片となって最後に残る部分を、全て水20によって形成することができる。これは、天然植物片10の残渣がなく天然植物片10を効率的に使用できるため好ましい。更に、積層方向Dを幅方向としているため、天然植物片10を氷削面Bpに対して満遍なく配置することができ、スライス植物片31を偏りの少ないものとして形成することができる。
【0053】
実施例2の氷削用氷は、図8および図9に示すような以下各工程によって製造される。
【0054】
先ず、図8に示すように、積層する一部の構成層に相当する大きさよりも一回り小さな浅型容器42によって、予め一層又は複数層からなる部品層(実施例2では植物片冷凍層1、水冷凍層2それぞれの単独層)を複数個形成しておく。次に、図9に示すように、この複数個の部品層を、全構成層に相当する完成大の深型容器41の中に組み合わせて収容し、そこに水20を注入して全体を冷凍することで、各層間を繋ぐと共に、積層方向Dと交わる方向に頭部23の水冷凍層2を層形成している。
【0055】
実施例2の製造方法によって、各層の冷凍形成を部品層ごとに行うことで氷削用氷を効率的に製造することができる。その他特記しない構成は実施例1と同様である。
【0056】
なお、実施例2のような形態のほか、部品層の組み合わせ方によって、例えばかき氷3のスライス植物片31の形状や量、配列方向(実施例4を示す図11参照)を可変調整することができ、或いは異なる天然植物片10の植物片冷凍層1同士を組み合わせることによって、複数種の天然植物片10のスライス植物片31を有するかき氷3を得ることもできる。例えば採取時期の異なる天然植物片10を組み合わせる場合に、採取時期毎に植物片冷凍層1を冷凍保存しておくことで、異なる種類の植物片冷凍層1を組み合わせた氷削用氷を容易に得ることができる。
【実施例3】
【0057】
実施例3の氷削用氷は、図10に示すように、輪切りにしたレモンを天然植物片10とし、これを含む植物片冷凍層1と水冷凍層2とを交互に積層形成してなる。この氷削用氷は実施例1と同様の製造方法によって製造される。その他特記しない構成は実施例1と同様である。
【実施例4】
【0058】
実施例4の氷削用氷は、図11に示すように、植物片冷凍層1と水冷凍層2とを交互に積層形成してなるものであって、積層される複数の植物片冷凍層1間で、天然植物片10の配列方向が異なるものとしている。
【0059】
具体的には、放射状に切って皮を剥いた柑橘果実たる文旦(図11)を天然植物片10とし、複数の天然植物片10を一定方向に配列させてそれぞれの植物片冷凍層1内に含むものとしている。そして、一方の植物片冷凍層1では複数の天然植物片10たる文旦(図11)の切り口の向きがいずれも縦方向となり、他方の植物片冷凍層1では切り口の向きがいずれも横方向となるように積層している。積層する植物片冷凍層1間で複数の天然植物片10の向きを異なるものとすることで、積層方向Dと交わる氷削方向Bへ氷削したときに、天然植物片10が氷削面Bpにて均等に現れるものとしている。
【0060】
この氷削用氷は実施例1と同様の製造方法によって製造される。その他特記しない構成は実施例1と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
この発明の氷削用氷は、かき氷の他、かちわりなどの食用氷製品、また飲料水や他の食品の冷性保持に用いる定形あるいは不定形の氷として利用可能である。また、食用以外にも、低温保持機能製品や冷涼感を及ぼすオブジェとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施例1の氷削用氷を示す斜視概観図。
【図2】この発明の実施例1の氷削用氷の製造工程を示す斜視説明図。
【図3】実施例1の氷削用氷の氷削途中の状態及びこの氷削によって製造された実施例1のかき氷を示す斜視説明図。
【図4】氷削途中における実施例1の氷削用氷を反転させた状態を示す斜視概観図。
【図5】実施例1の氷削用氷の氷削方向Bと積層方向Dの関係を示す正面視説明図。
【図6】この発明の氷削用氷により製造されたかき氷を撮影した概観図。
【図7】この発明の実施例2の氷削用氷を示す斜視概観図。
【図8】実施例2の氷削用氷の各部品層の製造工程を示す斜視説明図。
【図9】図8の各部品層を用いた実施例2の氷削用氷の製造工程を示す斜視説明図。
【図10】この発明の実施例3の氷削用氷を示す斜視概観図。
【図11】この発明の実施例4の氷削用氷を示す斜視概観図。
【符号の説明】
【0063】
1 植物片冷凍層
1d 植物片冷凍層厚さ
10 天然植物片
2 水冷凍層
20 水
21 最外部
22 中間部
23 頭部
2d 水冷凍層厚さ
3 かき氷
31 スライス植物片
32 氷削片
41 深型容器
42 浅型容器
B 氷削方向
Bp 氷削面
D 積層方向
P 積層面
【技術分野】
【0001】
この発明は、氷削して主にかき氷用として用いる氷削用氷、及びこれを用いたかき氷に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の食用の氷製品として、食用可能な果実の一部をカットした上で、水と共に冷凍して氷ブロックを作成し、この果実入りの氷ブロックを用いたものが知られる。無味無臭な氷に対して、冷凍された果実と氷とを一緒に食することで、果実の酸味、風味ないしは香味を得ることが出来る。
【0003】
例えば、ぶつ切りにしたパイナップル天然果実10部を果汁と混合し、これを冷凍した氷ブロックの製造方法が知られる(特許文献1参照)。これは、パイナップルの円筒状又は果芯部3を除去しない円柱状の天然果実10部を、ぶつ切りにして生のぶつ切り片15とする。そして、ぶつ切り片とパイナップルの100%果汁とを1:1のwt%の比率で混合し、その混合物を業務冷凍用の容器に入れて冷凍して生パイナップル氷ブロックを作るものである。
【0004】
また他に、アロエ葉肉のフローズン加工方法として、適当なサイズにカットし、シロップ切りしたアロエ葉肉を、冷凍するか又は冷凍することなくかき氷類などの冷菓に混入して冷凍する旨が知られる(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、前記従来の氷製品では、氷ブロック内でアロエ或いはパイナップルの天然果実の位置が一箇所或いは複数箇所に偏りやすい。この場合、例えばひとつの氷ブロックから複数杯のかき氷を作ったとき、各杯間で天然果実の混入量が異なることで不公平感が発生してしまう。また、このような天然果実を混入されたブロック氷自体も、外部から視認できる天然果実が偏った位置にあると、体裁上良いものとはいえない。
【0006】
氷ブロックを用いたかき氷等の氷製品は路上や店頭で実演販売することが多いため、これら天然果実の偏りによる不公平感或いは体裁上の問題は、販売量への影響が大きい。
【特許文献1】特開平10−056957号公報
【特許文献2】特開2002−209544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、天然植物片の位置の偏りを抑えることにより、不公平感がなく、さらに体裁の優れた氷削用氷、及びこれを用いたかき氷を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、下記(1)ないし(6)の手段を採用する。
(1)この発明の氷削用氷は、複数の天然植物片10を一積層面内に含んで冷凍された植物片含有層(植物片冷凍層1の大部分)と、前記天然植物片10を積層面内に含まない氷単独層(水冷凍層2の大部分)とを交互に積層してなることを特徴とする。
【0009】
製造工程を考慮していえば、本発明の氷削用氷は、複数の天然植物片10と水20とを共に注入し冷凍してなる植物片冷凍層1と、水のみを注入し冷凍してなる水冷凍層2とを、交互に積層形成してなる。
【0010】
この様なものであれば、複数の植物片含有層の間に必ず氷単独層が介在することとなり、この氷単独層によって、氷削用氷全体で天然植物片10が積層方向Dへ均等に分配されるものとなり、天然植物片10の位置の偏りを効率的に抑えることができる。また、氷全体の外部から、距離を開けて設けられた複数の植物片含有層1を視認することができるため、体裁に優れ、食欲をそそりやすくまた美感に訴えやすいものとなる。
【0011】
(2)また前記氷削用氷において、氷単独層は、糖類を含まない水20からなることが好ましい。
【0012】
製造工程を考慮していえば、前記氷削用氷において、植物片冷凍層1で注入して使用する水20、及び、水冷凍層2で使用する水20のうち少なくとも後者、或いは好ましくは両方が糖類を含まない水20からなる。
【0013】
この様なものであれば、凍結の際に比較的白化が少なく、透視性の高い氷単独層となり、各植物片含有層の高い視認性によって見栄えのする氷削用氷となる。
【0014】
(3)また前記氷削用氷において、氷単独層は、いずれも所定範囲内の氷単独層厚さであり、氷削用氷の両側の最外部21を構成することが好ましい。
【0015】
製造工程を考慮していえば、前記氷削用氷において、収容して冷凍する深型容器41または浅型容器42にて、最初又は最後に水のみを注入して冷凍する水冷凍層2の形成工程が組み込まれることで、最も下層又は最も上層に水冷凍層2が形成されることとなる。
【0016】
この様なものであれば、複数の植物片含有層1が所定範囲内の一定の間隔で設けられ、またいずれも氷削用氷の内部に位置することとなり、透視性のある氷単独層を介して視認されることでさらに体裁に優れたものとなる。
【0017】
また、植物片含有層の一部を構成する、複数の凍結した天然植物片10は、氷単独層を構成する氷と比較して高粘度で、また低硬度、低結晶密度、及び低軟化点である。このため、例えば従来の氷ブロックのように、氷が少なく天然植物片10が密集した部分の氷を氷削すると、天然植物片10が軟化してかき氷の氷削結晶の体をなさず、氷削後のかき氷としての質感や食感を出すことに問題があった。これに対して上記構成の氷削用氷であれば、氷削後にカキ氷の氷削結晶を確実に構成する氷単独層を、少なくとも所定の氷単独層厚さの分だけ確保することができ、天然植物片10を多く含み過ぎることによる前記氷削後の質感や食感の問題が発生しにくいものとなる。さらに最外部21を氷単独層で構成するため、氷削用氷としても経時変化や温度変化による形態を比較的保持することができ、取り扱いやすいものとなる。
【0018】
(4)また、前記いずれかの氷削用氷の製造方法は、植物片含有層及び氷単独層の少なくともいずれか一層又は複数層からなる部品層を冷凍して複数個形成し、この複数個の冷凍された部品層を組み合わせて水20と共に収容し、この収容された複数の部品層と水20とを冷凍することを特徴とする。
【0019】
ここで部品層は、一層の場合、植物片含有層か氷単独層かのいずれか一層である。製造工程上は、植物片冷凍層1か水冷凍層2のいずれか一層である。複数層の場合、植物片含有層と氷単独層との複数層を意味する。製造工程上は、植物片冷凍層1か水冷凍層2を順次積層して冷凍形成した部品層を意味する。
【0020】
このようなものであれば、全ての層を必ずしも一層ずつ順に冷凍形成する必要がなく、例えば各部品層を同時に形成することで氷削用氷を迅速に得ることができる。或いは、複数種類の部品層を組み合わせて必要に応じた形状或いは構造の氷削用氷を形成することができる。
【0021】
(5)また、本発明のかき氷は、前記いずれか記載の氷削用氷を一定の氷削方向Bに向かって面氷削してなるかき氷であって、植物片含有層と氷単独層の積層方向Dが、前記氷削方向Bと交わることを特徴とする。
【0022】
但し本発明において、氷削方向Bは、氷削される氷削用氷からみた氷削面への方向とする。例えば氷削用氷の下面を氷削面とし、上方を向いた氷削刃によって氷削用氷が氷削されるとき、氷削方向Bは、氷削用氷が氷削面へ向かう下方となる。
【0023】
この様なかき氷は、積層方向Dが氷削方向Bと共通方向を向かない状態、換言すれば図5のような正面視にて積層面Pが氷削面Bpと平行でない状態の氷削によって得られる。なお、ここで積層面Pとは、積層方向Dを法線とする面をいう。
【0024】
例えば面氷削による水平な氷削面Bpに対して、氷削用氷をその積層方向Dが水平方向(或いは水平方向成分を含むように)配置して氷削することによって得られる(図5(イ)(ロ)参照)。積層方向Dが氷削方向Bと交わるため、氷単独層だけ、或いは植物片含有層だけを氷削することがなく、氷削面Bpには必ず氷単独層と植物片含有層の両方(複数の層)が含まれることとなる。これにより製造されるかき氷は、植物片含有層を略均一な割合で含み、植物片含有層の氷削結晶が偏らずにほぼ万遍なく広がる。これは不公平感がなく、体裁に優れたものである。
【0025】
(6)また前記かき氷において、天然植物片10は、有色果実であることが好ましい。なお、氷削用氷における少なくとも一部又は好ましくは全ての天然植物片10が有色果実であれば、これを氷削して得られるかき氷の天然植物片10の一部又は好ましくは全てが、有色果実となる。
【0026】
この様なものであれば、透過性を有する氷単独層あるいはその氷削結晶中で見栄えのする形態となり、体裁に優れたものとなる。
【発明の効果】
【0027】
この発明の氷削用氷は、天然植物片の位置の偏りを抑えることにより、不公平感がなく、さらに体裁の優れたものとなる。また、これを用いたかき氷も体裁の優れたものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明の好適な実施形態を、各実施形態を示す図面を参照して説明する。図1ないし図6は、本発明の実施例1の氷削用氷と実施例1のかき氷を示す。このうち図5はこの発明の氷削用氷の氷削方向Bと積層方向Dの関係を示す説明図であり、図6は、実施例1の氷削用氷によって得られる本発明のかき氷の一実施形態の概観写真である。図7ないし図9は、本発明の実施例2の氷削用氷を示す。図10、図11は、それぞれ本発明の実施例3、実施例4の氷削用氷を示す。
【0029】
この発明の氷削用氷は、食用可能な複数の天然植物片10を水中の積層面内にちりばめて、生の天然植物片10と水20とを同時に冷凍してなる植物片冷凍層1と、前記植物片冷凍層1の上下層にて、水20だけ(すなわち、生の天然植物片10をちりばめずに水20のみを注入して)冷凍してなる水冷凍層2と、を交互に積層してなる(図1等)。これによって、植物片冷凍層1の大部分は、複数の天然植物片10を一積層面P内に含んで冷凍された植物片含有層を構成する。また、水冷凍層2の大部分は、前記天然植物片10を積層面P内に含まない氷単独層を構成する。
【0030】
また、本発明のかき氷は、前記いずれかの氷削用氷を一定の氷削方向Bに面氷削して得られるものである(図3、図5参照)。このかき氷は、氷削用氷の積層方向Dが氷削方向Bと交わる状態で氷削されることによって得られることが好ましい(図5参照)。
【実施例1】
【0031】
(氷削用氷)
実施例1の氷削用氷は、天然植物片10を含む層(植物片含有層)と含まない層(氷単独層)との2種類の各層を交互に層化し、冷凍により一体化してなる(図1)。これは、植物片冷凍層1と水冷凍層2とを交互に積層形成することで形成される。より具体的には、2つの植物片冷凍層1の外側にそれぞれ最外部21の水冷凍層2が形成され、2つの植物片冷凍層1の間に中間部22の水冷凍層2が形成される。
【0032】
氷削用氷の全体形状は実施例1のように立方体であることが氷削時に転回しやすく転回後も転倒しにくく取り扱い易いため好ましいが、このほか、円筒、多角形の角柱等でもよい。
【0033】
(天然植物片10)
天然植物片10は、植物片冷凍層1の製造過程において浸された水20と共に凍結され、植物片含有層を構成する。冷凍された天然植物片10は、氷単独層を構成する氷と比較して高粘度で、また削れ易さに関して低硬度、低結晶密度、及び低軟化点である。
【0034】
天然植物片10の例として、植物の葉、茎、花、及び果実を用いることが出来る。例えば果実の場合、実施例1および2(図1ないし図9)のようなヘタを取ったイチゴの他、実施例3のような輪切りにしたレモン(図10)、実施例4のような放射状に切って皮を剥いた文旦(図11)、ゆず等の柑橘類、ぶどう、キウイフルーツ等が挙げられる。これら一種類を使用しても良いし、複数種類を使用しても良い。果実は2等品等の有効利用にもなる。また、列挙したように酸味のあるものが、かき氷や氷食品として好ましい。
【0035】
また種子(食用に適さない硬い種子)を含まない品種、あるいは皮むきが不要なものが作業上より好ましい。他に、天然植物片10の含有量を容易に調整できるよう、実施例1のイチゴ等のように比較的小粒なものが好ましい。これは各果実の大きさが不揃いでも、水20との割合を容易に調節することが出来、また積層面内に偏らないよう、容易に分散させることができるためである。
【0036】
また天然植物片10は、有色のもの、その中でも苺、葡萄のように色度の高い濃色のものを用いると、氷削用氷及びこれを用いたかき氷のいずれも見栄えがするため、体裁上好ましいものとなる(図4、図6参照)。また有色果実の場合、例えば苺などの、外表面が有色でかつ中実部が白色のものを用いると、氷削時にその氷削断面は、有色の外表面と白色の中実部とが混ざって外表面が薄くなるグラデーション模様を構成する。この氷削断面や氷削によるかき氷は色鮮やかで体裁上優れたものとなり、食欲だけでなく美感を喚起しうる。例えばイチゴ果実は、その外表面が鮮やかな赤色であり、その近傍内側がピンク色であり、その中実部が白色である。図4に示すように、氷削用氷の一切削面(切削途中の面)は透明な氷単独層2と共に美感に優れたグラデーション模様の果実断面を構成する。
【0037】
使用する天然植物片10は、小粒のものほど果実のカット面がきれいに出て、果実断面の形がスライスされた状態のまま折れたり曲がったりしにくく氷削中で保持されやすいため好ましい。小粒とは苺で言えば例えば10g以下のSサイズ或いはSSサイズのものをいう。
【0038】
(植物片冷凍層1、植物片含有層)
植物片冷凍層1は、複数の天然植物片10を、凍らせた水冷凍層2の表面たる積層面P上に満遍なくちりばめた上で、所定の植物片冷凍深さ1dとなるように水20を入れることで水20に浸した状態とし、これを凍らせてなる層である。複数の天然植物片10の一部は水面から浮いた状態で凍るため、植物片含有層1のうち、天然植物片10の上面を含む大部分の深さまでの積層面群が、植物片含有層を構成することとなる(図1参照)。
【0039】
各実施例のように、天然植物片10は一つの氷削用氷或いは一つの植物片冷凍層1にて一種類のものでも良いが、複数種類を組み合わせたものでも良い。例えば、互いに異なる天然植物片10を含む複数の植物片冷凍層1を用意し、この複数の植物片冷凍層1を組み合わせて氷削用氷を構成するものとしても良い。但し、一つの植物片冷凍層1内に含まれる複数の天然植物片10は同一種類であると、かき氷3にて均等なスライス植物片31を形成することができるため、好ましい。
【0040】
(水冷凍層2、氷単独層)
水冷凍層2は水20のみを注入し、これを冷凍してなる層である。水冷凍層2のうち植物片含有層を除いた、植物片を積層面P内にひとつも含まない部分が氷単独層である。水冷凍層2は、最下層或いは前記植物片冷凍層1の上面たる積層面P上に、水20を所定の水深(水冷凍層厚さ2dに相当する深さ)だけ入れて凍らせることで構成することとなる(図1参照)。ただし前記植物片冷凍層1の上面は前記の通り、天然植物片10が部分的に浮いて上方へ飛び出した状態で凍っているため、この天然植物片10の飛び出した部分の厚さを除く積層面P群が、氷単独層を構成することとなる。
【0041】
水冷凍層厚さ2dはいずれも所定範囲内、具体的には10mmないし50mm程度、好ましくは20mmないし40mmである。実施例ではまた水冷凍層2は、氷削用氷の両側の最外部21(すなわち、冷凍時の最下層及び最上層)を構成する。最外部21の水冷凍層厚さ2dのみ、それ以外の水冷凍層厚さ2dの略半分たる20mm程度で、それ以外の水冷凍層厚さ2dはいずれも40mm程度である。いずれもこのような所定範囲内の厚さとすることで、氷削用氷及びかき氷へ、天然植物片10が満遍なく適度な量をもって混入されることとなる。
【0042】
水冷凍層2を構成する水20のうち、少なくとも最外部21の氷単独層は糖類を含まない。さらにいえば、水冷凍層2を構成する水20が全て糖類を含まないことが好ましい。具体的には、少なくとも異種糖類からなる多糖類(マルトース、ラクトース、パラチノース等)を含まないこと、好ましくは多糖類及び単糖類のいずれも含まないことが好ましい。これにより下記に説明する溶融に伴う取り扱いの煩雑さや形態保持性の問題を抑制することができる。
【0043】
糖類、中でも多糖類(更に顕著なものは結晶化しにくいマルトース、ラクトース、パラチノース等の異種多糖類)は、凍結状態から水20よりも低い温度で融化を開始する。またその冷凍結晶は低密度であり、水20よりも大きく白化した線状の冷凍結晶となる。このため水20と比べてやわらかく、氷削したときに容易に崩れてしまい、かき氷としての質感ないしは食感を得にくい。たとえ部分的に得られたとしても水20よりも短時間で溶解しやすく、形態保持が極めて困難である。特に異種多糖類はゲル状あるいはジャム状にとけるため、少なくとも異種多糖類を含まないことで、かき氷のサラサラ感を得られる。水20として、ミネラル等が豊富な海洋深層水を用いることが出来る。
【0044】
(氷削用氷の製造方法)
実施例1の氷削用氷は例えば、図2に示すように、氷削用氷の全構成層に相当する完成大の深型容器41のみを使用して製造する。具体的には、深型容器41内に水冷凍層2の上に水冷凍層1を、また水冷凍層1の上に植物片冷凍層2を、それぞれ下層から順に配置し冷凍することで、積層方向Dに沿って一層ずつ積層形成するものである。なお他に、実施例2のように、複数の部品層を組み合わせて形成するものとしても良い。
【0045】
(各層の冷凍方法)
各層は、0℃ないし−15℃程度、好ましくは0℃ないし−10℃、更に好ましくは−3℃ないし−5℃程度の冷凍温度で凍らせる。−10℃よりも温度を下げると早く凍結する一方、層内に空気がこもり、凍結時に白くなって透視性に欠け、見栄えや体裁にやや劣る氷削用氷となる。例えば150mm四方の積層面P内で、層厚さ40mm程度となるように積層する場合、−10℃程度で2ないし3時間かけて凍結させる。苺を含む植物片含有層を2層含む合計5層の実施例1では、層厚さが小さく凍結し易い最外部21を含み、合計10時間程度の冷凍時間により凍削用氷が得られる。合計10時間以上、さらに好ましくは合計34時間以上かけてゆっくり凍らせると、より透視性の高い氷削用氷を得ることができる。
【0046】
(かき氷の製造方法)
本発明のかき氷は、例えば図3に示す氷削器Sによって、氷削方向Bに向かって面氷削することで製造される。氷削方向Bと積層方向Dとの関係は、図5の(イ)の状態であること、或いは図5の(ロ)の状態であることが好ましい。
【0047】
(氷削器S)
氷削器Sは、図3に示すように、氷削用氷を載置して下方孔からかき氷を排出する載置台S2と、載置した氷削用氷を上方から押圧固定する固定手段S1と、載置台S2の台上に高速回転可能に設置された回転テーブルS5と、回転テーブルS5の上面に嵌入固定された氷削刃S3と、これら氷削用氷、固定手段S1、回転テーブルS5、氷削刃S3及び載置台S2の側面を、少なくとも3方で覆う保護側板S4とを具備する。保護側板S4は、図3のように正面部及び両側面部の三面とも透視性のある板からなるものとすれば、色鮮やかな氷削用氷の氷削状態を安全に視認することが可能であり、街頭で野実演販売時にパフォーマンス性を加えることができる。本実施例のほか、保護側板S4は少なくとも正面部のみ透視性を有するものであればよい。
【0048】
(氷削方向Bと積層方向D、および氷削面Bpと積層面P)
本発明のかき氷は、積層方向Dが氷削方向Bと共通方向を向かない状態、換言すれば積層面Pが氷削面Bpと平行でない状態の氷削によって得られること、例えば面氷削による水平な氷削面Bpに対して、氷削用氷の積層方向Dが水平方向成分を含むように配置して氷削することが好ましい(図5(イ)(ロ)参照)。たとえば図5の(イ)では、氷削用氷の積層方向Dが水平方向すなわち幅方向を向くように配置され、この積層方向Dと垂直に交わるような氷削方向Bとして氷削している。また図5の(ロ)では、氷削用氷の積層方向Dが斜め方向を向くように配置して、この積層方向Dと斜めに交わるような氷削方向Bとして氷削している。積層方向Dが氷削方向Bと交わるため、氷単独層だけ、或いは植物片含有層だけを氷削することがなく、氷削面Bpには必ず氷単独層と植物片含有層の両方(複数の層)が含まれることとなる(図5)。
【0049】
(かき氷3)
これによって得られる本発明の実施例1のかき氷3は、図3および図6に示すように、各色を有する天然植物片10たる果肉が薄くスライスされてスライス植物片31となり、前記グラデーション模様の果実断面を有したままで切削氷内に分散し、天然色付きの美感に優れたものとなる。また、実施例1のような濃色を含む複数色を有する天然植物片10を含む氷削用氷は、図3に示すような透視性のある保護側板S4で囲んだ状態のまま街頭で氷削することで、パフォーマンス性に優れた実演販売が可能となる。またこれにより得られるかき氷3も、図6に示すように、グラデーション模様のスライス植物片31がちりばめられ、美感に優れるものとなる。
【0050】
また、水単独層は切削によって氷削片32になるところ、糖類を含まない水20からなる氷削片32は歯ごたえと形態保持性に優れ、スライス植物片31を柔らかく保持する。これにより独特の食感が得られると共に、例えばショ糖等を煮詰めて得られる無色シロップをかけて食することで、天然の酸味と甘味とが相俟って、あっさりした食味を得ることができる。
【実施例2】
【0051】
実施例2の氷削用氷は、図7に示すように、植物片冷凍層1と水冷凍層2とが交互に一の積層方向Dたる幅方向に沿って積層され、その各層間に補充層11が形成される。また、頭部23の水冷凍層2として、積層方向Dと垂直な方向へ厚さを有する別の水冷凍層2が形成される。この頭部23は、氷削器の固定部によって固定される部分である。
【0052】
実施例2の氷削用氷のような頭部23を有することで、かき氷3を作る際に、積層方向Dを幅方向とし、かつ氷削器Sの固定手段S1への押圧固定部を水冷凍層2として形成することができる。水冷凍層2は植物片冷凍層1よりも溶けにくいため、固定手段S1への押圧固定をより確実なものとすることができる。また、水冷凍層2からなる頭部23を氷削器Sの押圧固定部分とすることで、氷削用氷からかき氷3を形成し終えたときに残片となって最後に残る部分を、全て水20によって形成することができる。これは、天然植物片10の残渣がなく天然植物片10を効率的に使用できるため好ましい。更に、積層方向Dを幅方向としているため、天然植物片10を氷削面Bpに対して満遍なく配置することができ、スライス植物片31を偏りの少ないものとして形成することができる。
【0053】
実施例2の氷削用氷は、図8および図9に示すような以下各工程によって製造される。
【0054】
先ず、図8に示すように、積層する一部の構成層に相当する大きさよりも一回り小さな浅型容器42によって、予め一層又は複数層からなる部品層(実施例2では植物片冷凍層1、水冷凍層2それぞれの単独層)を複数個形成しておく。次に、図9に示すように、この複数個の部品層を、全構成層に相当する完成大の深型容器41の中に組み合わせて収容し、そこに水20を注入して全体を冷凍することで、各層間を繋ぐと共に、積層方向Dと交わる方向に頭部23の水冷凍層2を層形成している。
【0055】
実施例2の製造方法によって、各層の冷凍形成を部品層ごとに行うことで氷削用氷を効率的に製造することができる。その他特記しない構成は実施例1と同様である。
【0056】
なお、実施例2のような形態のほか、部品層の組み合わせ方によって、例えばかき氷3のスライス植物片31の形状や量、配列方向(実施例4を示す図11参照)を可変調整することができ、或いは異なる天然植物片10の植物片冷凍層1同士を組み合わせることによって、複数種の天然植物片10のスライス植物片31を有するかき氷3を得ることもできる。例えば採取時期の異なる天然植物片10を組み合わせる場合に、採取時期毎に植物片冷凍層1を冷凍保存しておくことで、異なる種類の植物片冷凍層1を組み合わせた氷削用氷を容易に得ることができる。
【実施例3】
【0057】
実施例3の氷削用氷は、図10に示すように、輪切りにしたレモンを天然植物片10とし、これを含む植物片冷凍層1と水冷凍層2とを交互に積層形成してなる。この氷削用氷は実施例1と同様の製造方法によって製造される。その他特記しない構成は実施例1と同様である。
【実施例4】
【0058】
実施例4の氷削用氷は、図11に示すように、植物片冷凍層1と水冷凍層2とを交互に積層形成してなるものであって、積層される複数の植物片冷凍層1間で、天然植物片10の配列方向が異なるものとしている。
【0059】
具体的には、放射状に切って皮を剥いた柑橘果実たる文旦(図11)を天然植物片10とし、複数の天然植物片10を一定方向に配列させてそれぞれの植物片冷凍層1内に含むものとしている。そして、一方の植物片冷凍層1では複数の天然植物片10たる文旦(図11)の切り口の向きがいずれも縦方向となり、他方の植物片冷凍層1では切り口の向きがいずれも横方向となるように積層している。積層する植物片冷凍層1間で複数の天然植物片10の向きを異なるものとすることで、積層方向Dと交わる氷削方向Bへ氷削したときに、天然植物片10が氷削面Bpにて均等に現れるものとしている。
【0060】
この氷削用氷は実施例1と同様の製造方法によって製造される。その他特記しない構成は実施例1と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
この発明の氷削用氷は、かき氷の他、かちわりなどの食用氷製品、また飲料水や他の食品の冷性保持に用いる定形あるいは不定形の氷として利用可能である。また、食用以外にも、低温保持機能製品や冷涼感を及ぼすオブジェとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施例1の氷削用氷を示す斜視概観図。
【図2】この発明の実施例1の氷削用氷の製造工程を示す斜視説明図。
【図3】実施例1の氷削用氷の氷削途中の状態及びこの氷削によって製造された実施例1のかき氷を示す斜視説明図。
【図4】氷削途中における実施例1の氷削用氷を反転させた状態を示す斜視概観図。
【図5】実施例1の氷削用氷の氷削方向Bと積層方向Dの関係を示す正面視説明図。
【図6】この発明の氷削用氷により製造されたかき氷を撮影した概観図。
【図7】この発明の実施例2の氷削用氷を示す斜視概観図。
【図8】実施例2の氷削用氷の各部品層の製造工程を示す斜視説明図。
【図9】図8の各部品層を用いた実施例2の氷削用氷の製造工程を示す斜視説明図。
【図10】この発明の実施例3の氷削用氷を示す斜視概観図。
【図11】この発明の実施例4の氷削用氷を示す斜視概観図。
【符号の説明】
【0063】
1 植物片冷凍層
1d 植物片冷凍層厚さ
10 天然植物片
2 水冷凍層
20 水
21 最外部
22 中間部
23 頭部
2d 水冷凍層厚さ
3 かき氷
31 スライス植物片
32 氷削片
41 深型容器
42 浅型容器
B 氷削方向
Bp 氷削面
D 積層方向
P 積層面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の天然植物片10を一積層面内に含んで冷凍された植物片含有層と、前記天然植物片10を積層面内に含まない氷単独層とを交互に積層してなることを特徴とする氷削用氷。
【請求項2】
氷単独層が、糖類を含まない水20からなる請求項1記載の氷削用氷。
【請求項3】
氷単独層が、いずれも所定範囲内の氷単独層厚さであり、氷削用氷の両側の最外部21を構成する請求項1または2記載の氷削用氷。
【請求項4】
植物片含有層及び氷単独層の少なくともいずれか一層又は複数層からなる部品層を冷凍して複数個形成し、この複数個の冷凍された部品層を組み合わせて水20と共に収容し、この収容された複数の部品層と水20とを冷凍することを特徴とする請求項1、2または3のいずれか記載の氷削用氷の製造方法。
【請求項5】
請求項1、2、3または4のいずれか記載の氷削用氷を一定の氷削方向Bに向かって面氷削してなるかき氷であって、植物片含有層と氷単独層の積層方向Dが、前記氷削方向Bと交わることを特徴とするかき氷。
【請求項6】
天然植物片10が有色果実である請求項5記載のかき氷。
【請求項1】
複数の天然植物片10を一積層面内に含んで冷凍された植物片含有層と、前記天然植物片10を積層面内に含まない氷単独層とを交互に積層してなることを特徴とする氷削用氷。
【請求項2】
氷単独層が、糖類を含まない水20からなる請求項1記載の氷削用氷。
【請求項3】
氷単独層が、いずれも所定範囲内の氷単独層厚さであり、氷削用氷の両側の最外部21を構成する請求項1または2記載の氷削用氷。
【請求項4】
植物片含有層及び氷単独層の少なくともいずれか一層又は複数層からなる部品層を冷凍して複数個形成し、この複数個の冷凍された部品層を組み合わせて水20と共に収容し、この収容された複数の部品層と水20とを冷凍することを特徴とする請求項1、2または3のいずれか記載の氷削用氷の製造方法。
【請求項5】
請求項1、2、3または4のいずれか記載の氷削用氷を一定の氷削方向Bに向かって面氷削してなるかき氷であって、植物片含有層と氷単独層の積層方向Dが、前記氷削方向Bと交わることを特徴とするかき氷。
【請求項6】
天然植物片10が有色果実である請求項5記載のかき氷。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図6】
【公開番号】特開2007−54051(P2007−54051A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−203982(P2006−203982)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(505282802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(505282802)
【Fターム(参考)】
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