説明

汎用フードベースを備えた搾乳ポンプ及び交換可能な吸引フード

【課題】互いに異なる寸法及び形状の乳房及び乳首に容易に対応することができる搾乳ポンプ組立体を提供する。
【解決手段】本発明は、母乳用搾乳ポンプであって、スリーブ部分を備えた吸引フードベースと、少なくとも第1及び第2の乳房覆いとを有し、各乳房覆いは、乳房受け具部分及び乳房受け具部分から下流側に延びる管状部分を有し、第1の乳房覆いの管状部分は、第2の乳房覆いの管状部分とは異なる寸法の内径を有し、前記搾乳ポンプは、各乳房覆いとフードベースのスリーブ部分との間に実質的に気密シールを形成するようになった連結機構と、各乳房覆い内に絞り出された母乳を集める母乳受け具と、絞り出された母乳を管状部分から母乳受け具内へ運ぶ導管構造部材と、周期的な空気圧の減少状態を生じさせるポンプ機構と、前記空気圧減少状態を各乳房覆いにもたらす真空連結部とを更に有することを特徴とする搾乳ポンプである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、搾乳ポンプに関し、特に、インサート又はアダプタを必要としないで(ただし、汎用性を更に高めるにはこれらも使用するのがよい)、例えば乳首受入れ部分について種々の内径、種々の乳首挿通孔長さ等を有する多種多様な寸法形状の吸引フード(覆い)に用いることができる搾乳ポンプ用吸引フードベースに関する。
【背景技術】
【0002】
搾乳ポンプは周知であり、かかる搾乳ポンプは一般に、乳房に被さるフード(又は覆い)、覆いに連結されていて、間欠的な真空(又は負圧)状態を覆い内に生じさせる真空ポンプ及び絞り出した母乳の受け具で構成されている。真空ポンプの間欠的な吸引作用は、乳房及び乳首を引っ張り、それにより授乳を思い出させるような動作で母乳を絞り出すのに役立つ。絞り出された母乳は代表的には、覆いから収集容器内に流れ、保存されたり後で使用される。上記形式の搾乳ポンプは、ラーソン氏の米国特許第4,857,051号に示されており、かかる米国特許の開示内容を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
【0003】
一般に、搾乳ポンプ用吸引フードは、実質的に剛性のプラスチックで作られた漏斗状の覆いである。これらフードは耐久性が極めて高く且つ洗浄が容易である。また、場合によっては、ポンプ作動中に乳房をマッサージすると、乳房からの母乳の絞り出しの助長が可能であることは知られている。剛性プラスチック製の覆いは、母親が母乳を出している間、乳房をマッサージすることはない。というのは、これら覆いは、それを行うに足るほど撓まないからである。
【0004】
搾乳ポンプを利用する際、乳房及び乳首における寸法、形状、堅さ及び他の性状が多種多様なので、一サイズの乳房覆いで誰にでも間に合わせようとする場合には問題が生じることも分かっている。それにもかかわらず、たいていの搾乳ポンプと関連して用いられる覆いは、一般的な乳房及び乳首に使用されるものとして設計されるのが通例である。
【0005】
吸引フードの大きさを変える既存の方法は種々の欠点を持っている。例えば、形状が覆いの主要漏斗状部分の全体的な漏斗状構造に類似した少なくとも1つの調整部品を有する覆いを用いることが知られている。調整部品は、主要覆い内に挿入でき、漏斗状部分の直径をその底部のところで効果的に減少させ、したがって乳房又は乳首の小さな婦人がフードを都合よく使うことができるようになっている。
【0006】
したがって、互いに異なる寸法及び形状の乳房及び乳首に容易に対応することができる搾乳ポンプ組立体を提供することが望ましい。これは、末端ユーザ及び臨床医のためだけでなく、製造の際にも有用である。また、特殊な乳房覆い、例えば、非対称の形態又は特定の課題に合わせて改造され、或いは特定の結果を得ようとする他の特徴を備えた乳房覆いに使える搾乳ポンプを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主目的は、部品又はアダプタを追加することによって搾乳ポンプの動作状態を複雑にしてしまうことなく、多種多様な乳房に用いることができる搾乳ポンプを提供することにある。この目的は、単一の汎用フードベース及び一組の互いに異なる覆いを用いることによって達成され、これらは全て汎用ベースに容易に取り付けることができる。本発明の顕著な利点は、母親にとって適切な装着具合及びこれに伴う快適さが得られることにあり、しかも特定の状況、例えば充血状態に容易に適合できる。
【0008】
本発明の吸引フードは一般に、漏斗状覆いであり、これは漏斗の円錐形部分から見て下流側に延びる円筒形部分を備えている。汎用フードベースが、覆いの円筒形部分と嵌合するようになったスリーブを有している。本発明の覆いは、多種多様な乳房及び乳首に対応するよう円錐形と円筒形部分の両方において直径の長さ及び角度(勾配)が様々であるのがよい。しかしながら、フードベースのスリーブの直径は、様々である必要はない。その代わり、覆いの円筒形部分は、連続した圧力嵌めシール又は締り嵌め状態を形成するようフードベースのスリーブに挿入され、変形例としてこの上に嵌まるようになっている。搾乳ポンプを使用すると、このシールにより、負圧を覆い内に生じさせることができ、これにより乳房及び乳首が引っ張られて、母親の乳房からの母乳の絞り出しが可能になる。
【0009】
実際には、搾乳ポンプ製造業者は、一組の互いに異なる覆いを備えたポンプ組立体を提供することができる。母親は、どれが一番快適か及びどれが自分にとって最も効果的に働くかを決めるために異なる覆いを一つずつ試着する場合がある。さらに、もし母親が搾乳ポンプを使って自分の子供に母乳を飲ませている間に母親の乳房のサイズ又は形状が例えば充血により変わると、母親は再度、別の覆いを色々と試すことができ、その中の一つが快適であると共に(或いは)効果的に働く場合がある。
【0010】
本発明の別の目的は、改良型覆いを提供することにある。一実施形態では、改良型覆いは、軟質且つ可撓性のある円錐形部材に一体成形された比較的剛性のプラスチックから成るフレームを有している。覆いの可撓性円錐形部材は、或る母親にとっては使用して快適である。さらに、使用中、乳房は主として、円錐形部材に接触し、この円錐形部材は、乳房の周りに接触してこれをやさしく押し、それにより乳房をマッサージすることができるので、或る母親にとっては母乳の絞り出しが助長される。
【0011】
改良型乳房覆いの別の実施形態では、上述の可撓性円錐形部材は、1又は2以上の薄肉領域を更に備えている。これら薄肉領域は、可撓性が高く、真空源からの負圧の作用を受けて一層内方に引っ張られるようになる。これにより、マッサージの局部的領域が別途得られる。また、かかる可撓性薄肉領域を乳首又はその周囲の乳房のマッサージが行えるよう覆いの円筒形部分に設けるのがよい。
本発明の上記の目的は、添付の図面と関連して本発明の実施形態に関する以下の詳細な説明を読むと一層よく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による搾乳ポンプ用覆い及び汎用フードベースの2つの実施形態の側面図である。
【図2】本発明の覆いについての図1の2−2線矢視拡大断面図である。
【図3】図1の覆いの実施形態と類似しているが、マッサージのための薄肉領域を備えた別の実施形態の側面図である。
【図4】図3の4−4線矢視拡大断面図である。
【図5】覆いを上に置くのが望ましくない領域、例えば炎症又は膿瘍が生じた領域のある乳房に使用できるよう特に改造された覆いの更に別の実施形態を示す図である。
【図6】図5の覆いの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明と関連して用いられる搾乳ポンプの全体設計が、米国特許第4,857,051号に示されており、搾乳ポンプの詳細及びその動作原理についてはかかる米国特許を参照されたい。添付の図1で分かるように、搾乳ポンプ装置又は組立体は、吸引フード又は覆い1及びフードベース7を有している。覆い1は、2つの部品又は部分を有している。覆い1の第1の部分3は、実質的に広い(直径が大きい)横断面を有し、円錐形の形をしている。搾乳ポンプの作動中、円錐体3は、ユーザの乳房に当てられて、乳房の受け具として役立つ。この場合、これは円錐形の形である必要はない。
【0014】
覆い1の第2の部分5は、漏斗の全体として円筒形の延長部を構成し、円錐形部分の横断面よりも小さい横断面(直径)を有している。搾乳ポンプの作動中、フードの円錐形部分の端部8は、締り嵌めによりベース7に取り付けられ、これにより、円錐形部分3と搾乳ポンプの真空源15とを互いに連通させることができる。当然のことながら、ねじ係合、スナップ嵌め方式等を用いることができるが、締り嵌めが、簡単且つ望ましい方式であると考えられる。これは、例えば覆いが非対称の構造の場合に覆いが回転できることが望ましい場合に特に当てはまる。
【0015】
特に、フードベース7は、汎用又は共通ベースであり、この汎用ベースを、例えば様々な直径、形状及び角度の円錐形部分3及び(又は)円筒形部分5を備えた一組の互いに異なる覆いと関連して使用することができる。ベース7は、漏斗の端部8と嵌合するようになった中空スリーブ9を備えている。ベース7は、第1のカラー11を真空源12に取り付けると共に第2のカラー13を収集容器14に取り付ける或る種の連結機構を更に備えている。好ましい実施形態では、カラー11,13は、シールを形成するよう真空源(例えば、手動ピストンポンプ15)及び収集容器14(例えば、プラスチック製母乳びん)に取り付けられるようねじ山付きのものである。
【0016】
上述したように、婦人の乳房及び乳首は互いに異なるので搾乳ポンプの多くのサイズの覆いが必要である。例えば、婦人の乳首が大きい場合には大きな覆いが必要である。覆いが大きければ、円錐形部分及び円筒形部分も大きい。かくして、大きな覆いの円筒形部分5は、フードベースのスリーブ9の内径よりも大きな直径を有するのがよい。その結果、かかる実施形態の円筒形端部8は、スリーブ9内に嵌まるのではなく、フードベース7のスリーブ9上に嵌まってシールを形成する。
【0017】
図1に示すように、円錐形セグメント6をコーン3から下流側に円筒形端部形成することにより覆い1の円筒形部分5の直径をステップダウン(段階的に縮径)するのがよい。セグメント6は、円筒形部分5の細くなった端部8に隣接して位置する。端部8は、フードベースのスリーブ9の直径よりも僅かに小さな直径を有するが、上流側では僅かに広くなって締り嵌め状態を形成する。円筒形部分5は又、スリーブ9の内径よりも僅かに小さな直径まで下流側に向かって内方に単純に次第にテーパするのがよい。円錐形部分5の直径のこの減少により、円筒形端部8をスリーブ9に挿入して端部8から見て上流側で、スリーブ9の内壁と実質的に気密の連続圧力嵌めシール又は締り嵌め関係を形成することができる(図1の想像線16参照)。搾乳ポンプを作動させると、この圧力嵌めシールにより、負圧(真空)を覆い1内に生じさせることができる。すると、覆い内の負圧は、乳房及び乳首を引っ張って母乳を絞り出す。
【0018】
当業者には理解されるように、覆いが小さい場合には、これはスリーブ9の内径よりも小さな直径を備えた円筒形部分5を備えるのがよい。かかる場合、小さな覆いの円筒形部分5は、スリーブ9の内部と嵌合する外周部まで上流側へ肉厚が漸増することになる。
【0019】
さらに図1に示すように、別の覆い2が、スリーブ9の内径よりも大きな外径を備えた円筒形部分5′(プライム記号付き番号は、プライム記号の付いていない対応部品と類似した構造を示している)を有している。したがって、覆い2の円筒形部分5′は、スリーブ9の外部上にぴったりと嵌まるよう設計されており、スリーブ9の外壁と圧力嵌めシール又は締り嵌め状態を形成している。例えば端部8のところでスリーブ9の外部と嵌合するよう内径が次第に減少した円筒形部分5′の内部にはテーパが付けられている。
【0020】
当業者であれば、必要なシールを形成するために覆いを汎用ベースに取り付ける他の方法があることは理解されよう。例えば、スリーブ9を内方へテーパさせ、円筒形部品5,5′にはテーパを付けない。この場合も又、覆いの円筒形端部8は、ねじ係合方式によりフードベースのスリーブに取り付けるのがよい。変形例として、覆いの円筒形端部及びベースのスリーブをスナップ嵌め方式を用いることにより取り付けてもよい。フードベースのスリーブの周りにぐるりとビード(bead)を形成し、これを円筒形端部に形成された環状凹部に嵌め込むようにしてスナップ嵌めを形成するのがよい。中間継手要素も又、使用することができる。これらの取付け方法及び他の変形取付け方法により、覆いをフードベースから容易且つ迅速に取り外すことができる。
【0021】
本発明のさらに別の特徴が、図1に覆い2で示された改良型覆いの構造にある。覆い2は、管状延長部17及びリング19を備えた比較的剛性のフレームを有している。延長部17及びリング19は、剛性アーム又は支柱23によって互いに連結されており、これらアームは、リング19を延長部17から離隔状態に保つのに役立つ。覆い2の漏斗の残部は、軟質の弾性材料である。軟質漏斗状メンブレン(membrane)21を、熱可塑性エラストマー、ゴム、ラテックス又はシリコーンから作るのがよい。図2の2−2線矢視断面図に示すように、メンブレン21は、リング19の内壁に一体成形されている。この好ましい実施形態では、漏斗状メンブレン21も同様に、延長部17の内部に一体成形され、リング19の最も外側に位置した縁部25の上方に延びている。
【0022】
支持部材23は又、覆い2の側部上にループを形成している。支持部材及びその下に位置するメンブレン21を貫通してストラップを設けても良く、ポンプ作動中、母親がこの組立体を自分の乳房にストラップでくくって取り付けることができ、それにより自分の手が自由になって幼児の世話をすることができるようになる。搾乳ポンプ用覆い組立体を婦人の乳房上に支持する種々の方法が、メデラ・インコーポレイテッドに譲渡された米国特許第5,514,166号に開示されている。婦人の乳房への覆い組立体の支持の仕方に関する詳細については、この米国特許を参照するのがよい。
【0023】
使用にあたり、ポンプを作動させた状態で覆い2を乳房に軽く押し当てる。負圧を覆い2内に間欠的に生じさせる。覆いを乳房に当て、負圧を覆い内に生じさせると、覆いの可撓性円錐形部分(メンブレン21)は、内方に引き寄せられて乳房に当たり、他方、負圧を減少させると、可撓性漏斗は離れる。可撓性漏斗のこの作用により、乳房はポンプ作動中マッサージが施され、それにより、母親の母乳の絞り出しが促進される。
【0024】
覆い2の変形実施形態が、図3及び図4に示されている。この変形実施形態は、円筒形延長部17の中に形成された薄肉領域だけでなく、漏斗状メンブレン21の中に形成された薄肉領域も有している。覆い2′はかくして、メンブレン21中に示すように薄肉領域21aを有し、実際には、この覆い2′の円錐形部分の周りに間隔を置いて多数のかかる薄肉領域21が設けられる。同様に、別の薄肉領域17aが、延長部17に設けられている(薄肉領域17aは上述したように剛性プラスチック製延長部17と一体成形されている)。同様に、延長部の周りには多数のかかる薄肉領域17aを設けるのがよい。
【0025】
真空の作用を受けて、薄肉領域21a,17aは、覆い2′内の負圧によって内方へ引かれることになる。薄肉領域21aの場合、この現象は、メンブレン21の周囲の可撓性材料よりも非常に顕著である。これは、領域21aに関して局所的な乳房のマッサージ領域及び領域17aに関する限り乳首のマッサージ領域を生じさせるのに役立つ。他の覆い1,2の場合と同様、覆い2′を、一組の覆いの一部として設けてもよく、或いは、特殊アタッチメントとして別個に利用してもよい。これは又、マッサージのユニークな構造を依然として得た上で固定覆いとして作ってもよく(即ち、製造の際にフードベースと一体に形成してもよい。ただし、本発明の別の特徴として望ましい互換性は得られない。薄肉領域の他にも、マッサージ用の局所圧力を得るための同一コンセプトの可動部分をもたらすように乳房覆いに設けることができる他の手法がある。
【0026】
図5及び図6を参照すると、改良型乳房覆いの更に別の実施形態が示されている。この覆い27も又、本発明の特徴に合致して互換性を持つように作られている。ただし、必ずしもそのようにする必要はない。しかしながら、この覆い27を脱着自在に取り付けることは、円錐形部分3に設けられた切欠き領域3aに鑑みて最も望ましいと考えられる。この切欠き3aは、円錐形部分3を乳房上の特定箇所に位置させることが不快感を生じさせる、或いは望ましくない乳房の状態にとって有用である。これは、乳房に膿瘍等ができている場合に当てはまる。かくして、覆い27は、交換可能なので必要な場合に共通のフードベース7にすぐに使え、しかも、覆い27をベース7上で回すことができるので、覆いを所望に応じて正しい向きにすることができるようになる。
【0027】
かくして、本発明を或る特定の実施形態を参照して説明したが、当業者であれば、本発明に関して構造、配置、組成等の設計変更例を想到でき、これらが特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に属することは理解されよう。
【0028】
また、本発明を以下のように構成することもできる。
1. 母乳用搾乳ポンプであって、スリーブ部分を備えた吸引フードベースと、少なくとも第1及び第2の乳房覆いとを有し、各乳房覆いは、乳房受け具部分及び乳房受け具部分から下流側に延びる管状部分を有し、第1の乳房覆いの管状部分は、第2の乳房覆いの管状部分とは異なる寸法の内径を有し、前記搾乳ポンプは、各乳房覆いとフードベースのスリーブ部分との間に実質的に気密シールを形成するようになった連結機構と、各乳房覆い内に絞り出された母乳を集める母乳受け具と、絞り出された母乳を管状部分から母乳受け具内へ運ぶ導管構造部材と、周期的な空気圧の減少状態を生じさせるポンプ機構と、前記空気圧減少状態を各乳房覆いにもたらす真空連結部とを更に有することを特徴とする搾乳ポンプ。
2. スリーブ部分は、内部側壁及び外部側壁を有し、少なくとも1つの管状部分は、スリーブ部分内に嵌まってスリーブ部分の内部側壁と係合し、それによりスリーブ部分の内部側壁と実質的に気密嵌合状態を生じさせるようその外部に沿ってテーパしていることを特徴とする上記1記載の搾乳ポンプ。
3. 少なくとも1つの管状部分は、スリーブ部分の外部側壁上に嵌まってスリーブ部分の外部側壁と係合し、それによりスリーブ部分の外部側壁と実質的に気密嵌合状態を生じさせるようその内部に沿ってテーパしていることを特徴とする上記2記載の搾乳ポンプ。
4. 第1の乳房覆いの乳房受け具部分は、第2の乳房覆いの乳房受け具部分とは異なる形状のものであることを特徴とする上記1記載の搾乳ポンプ。
5. 第1の乳房覆いの管状部分は、第2の乳房覆いの管状部分とは異なる半径方向断面形状のものであることを特徴とする上記4記載の搾乳ポンプ。
6. 第1の乳房覆いの乳房受け具部分及び管状部分のうち一方は、これと対応関係にある第2の乳房覆いの部分とは異なる材料で作られていることを特徴とする上記1記載の搾乳ポンプ。
7. 母乳用搾乳ポンプであって、吸引フードベースと、少なくとも第1及び第2の乳房覆いとを有し、各乳房覆いは、乳房受入れ部分及び乳房受入れ部分から下流側に延びる管状部分を有し、第1の乳房覆いの乳房受入れ部分と管状部分のうち少なくとも一方は、第2の乳房覆いの乳房受入れ部分とは異なる寸法と形状のうち少なくとも一方を有し、前記搾乳ポンプは、各乳房覆いとフードベースとの間に実質的に気密シールを形成するようになった連結機構と、各乳房覆い内に絞り出された母乳を集める受け具と、絞り出された母乳を管状部分から受け具内へ運ぶ導管構造部材と、周期的な空気圧の減少状態を生じさせるポンプ機構と、前記空気圧減少状態を各乳房覆いにもたらす真空連結部とを更に有することを特徴とする搾乳ポンプ。
8. 第1の乳房覆いの管状部分の内径は、第2の乳房覆いの管状部分の内径とは異なっていることを特徴とする上記7記載の搾乳ポンプ。
9. 第1の乳房覆いの乳房受入れ部分の寸法は、第2の乳房覆いの乳房受入れ部分の寸法とは異なっていることを特徴とする上記7記載の搾乳ポンプ。
10. 第1の乳房覆いの乳房受け具部分及び管状部分のうち一方は、これと対応関係にある第2の乳房覆いの部分とは異なる材料で作られていることを特徴とする上記7記載の搾乳ポンプ。
11. 母乳を絞り出すための搾乳ポンプ組立キットであって、吸引フードベースと、少なくとも第1及び第2の交換可能な乳房覆いとを有し、各乳房覆いは、円錐形部分を備えた漏斗状部分及び円錐形部分から下流側に延びる管状部分を有し、第1の乳房覆いは、第2の乳房覆いとは異なる構造のものであり、前記搾乳ポンプ組立キットは、各乳房覆いとフードベースとの間に実質的に気密シールを形成する解除可能な連結機構を更に有することを特徴とする搾乳ポンプ組立キット。
12. 第1の乳房覆いの円錐形部分の形状は、第2の乳房覆いの円錐形部分の形状とは異なっていることを特徴とする上記11記載の搾乳ポンプ組立キット。
13. 第1の乳房覆いの管状部分の内寸は、第2の乳房覆いの管状部分の内寸とは異なっていることを特徴とする上記11記載の搾乳ポンプ組立キット。
14. 一方の乳房覆いの円錐形部分は、切欠き部分を有し、前記切欠き部分付きの乳房覆いは、フードベースに回転自在に取り付けられることを特徴とする上記12記載の搾乳ポンプ組立キット。
15. 搾乳ポンプ組立体用の乳房覆いであって、乳房を受け入れる全体として剛性の受け具部分と、前記受け具部分と一体に形成されていて、前記受け具部分内に受け入れられた乳房に対して内方に動くことができ、それにより乳房にマッサージを施す前記受け具部分の少なくとも1つの領域とを有することを特徴とする乳房覆い。
16. 搾乳ポンプ組立体用の乳房覆いであって、可撓性材料で作られていて、乳房を受け入れる部分と、肉厚の減少した前記部分の少なくとも1つの領域とを有し、該肉厚減少領域は、乳房にマッサージを施すよう前記部分の中心軸線に対して内方に動くことができることを特徴とする乳房覆い。
17. 前記部分と一体に形成されたリングを有する剛性フレームと、前記部分と一体に形成された剛性管状延長部とを有し、該管状延長部は、前記部分に設けられていて、乳房の乳首を前記管状延長部内へ通すことができる開口部から延びており、更に、前記リング及び管状延長部と一体に形成されていて、前記リングと前記管状延長部を離隔させる少なくとも1つの剛性支柱部材を有することを特徴とする上記16記載の乳房覆い。
18. 可撓性部材から成る少なくとも1つの領域が、前記管状延長部と一体に形成されており、可撓性部材の前記領域は、前記管状延長部内に受け入れられた乳首に対して内方に動くことができ、それにより乳首にマッサージを施すことを特徴とする上記17記載の乳房覆い。
19. 前記部分と一体に形成されたリングを有する剛性フレームと、前記部分と一体に形成された剛性管状延長部とを有し、該管状延長部は、前記部分に設けられていて、乳房の乳首を前記管状延長部内へ通すことができる開口部から延びており、更に、前記リング及び管状延長部と一体に形成されていて、前記リングと前記管状延長部を離隔させる少なくとも1つの剛性支柱部材を有することを特徴とする上記15記載の乳房覆い。
20. 可撓性部材から成る少なくとも1つの領域が、前記管状延長部と一体に形成されており、可撓性部材の前記領域は、前記管状延長部内に受け入れられた乳首に対して内方に動くことができ、それにより乳首にマッサージを施すことを特徴とする上記15記載の乳房覆い。
21. 搾乳ポンプ組立体の乳房覆いであって、乳房を受け入れる円錐形部分を有し、前記円錐形部分は、切欠き部分を有していて、前記切欠き部分は、乳房覆いの使用中、乳房に接触しないようになっていることを特徴とする乳房覆い。
22. 前記搾乳ポンプ組立体は、フードベースを有し、乳房覆いは、前記円錐形部分を前記フードベースに回転自在に取り付ける乳房覆い用連結機構を更に有していることを特徴とする上記21記載の乳房覆い。
23. 搾乳ポンプ用覆いであって、リング、管状延長部及びリングと管状延長部を互いに離隔させる少なくとも1つの支柱部材を備えた剛性フレームと、前記リング及び管状延長部に一体成形された可撓性漏斗状メンブレンとを有することを特徴とする覆い。
24. 前記可撓性漏斗状メンブレンは、前記リング及び管状延長部の内周部内に一体成形されていることを特徴とする上記23記載の吸引フード。
25. 前記可撓性漏斗状メンブレンは、前記管状延長部から遠ざかる方向に前記リングを越えて延びていることを特徴とする上記24記載の吸引フード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搾乳ポンプ組立体用の乳房覆いであって、
乳房を受け入れる概ね剛性の受け具部分と、
前記受け具部分と一体に形成されていて、前記受け具部分の中心軸線に対して内方に動くことができ、それにより乳房にマッサージを施す前記受け具部分の少なくとも1つの領域と、を有し、
前記概ね剛性の受け具部分は、前記受け具部分と一体に形成されたリングを有する剛性フレームと、前記受け具部分と一体に形成された剛性管状延長部とを有し、該管状延長部は、前記受け具部分に設けられていて、乳房の乳首を前記管状延長部内へ通すことができる開口部から延びており、更に、前記リング及び管状延長部と一体に形成されていて、前記リングと前記管状延長部を離隔させる少なくとも1つの剛性支柱部材を有し、前記乳房覆いは、搾乳ポンプ組立体が異なる形態の複数の乳房覆いに適合するように、他の乳房覆いと更なる互換性があることを特徴とする乳房覆い。
【請求項2】
前記管状延長部が、前記管状延長部と一体に形成された可撓性部材から成る少なくとも1つの領域を有し、可撓性部材の前記領域は、前記管状延長部の中心軸線に対して内方に動くことができ、それにより乳房の乳首にマッサージを施すことを特徴とする請求項1記載の乳房覆い。
【請求項3】
搾乳ポンプ組立体用の乳房覆いであって、
可撓性材料で作られていて、乳房を受け入れる部分と、
肉厚の減少した前記部分の少なくとも1つの領域とを有し、該肉厚減少領域は、乳房にマッサージを施すよう前記部分の中心軸線に対して内方に動くことができ、
前記部分は、前記部分と一体に形成されたリングを有する剛性フレームと、前記部分と一体に形成された剛性管状延長部とを有し、該管状延長部は、前記部分に設けられていて、乳房の乳首を前記管状延長部内へ通すことができる開口部から延びており、更に、前記リング及び管状延長部と一体に形成されていて、前記リングと前記管状延長部を離隔させる少なくとも1つの剛性支柱部材を有し、前記乳房覆いは、搾乳ポンプ組立体が異なる形態の複数の乳房覆いに適合するように、他の乳房覆いと更なる互換性があることを特徴とする乳房覆い。
【請求項4】
前記管状延長部が、前記管状延長部と一体に形成された可撓性部材から成る少なくとも1つの領域を有し、可撓性部材の前記領域は、前記管状延長部の中心軸線に対して内方に動くことができ、それにより乳首にマッサージを施すことを特徴とする請求項3記載の乳房覆い。
【請求項5】
搾乳ポンプ用覆いであって、
リング、管状延長部及びリングと管状延長部を互いに離隔させる少なくとも1つの支柱部材を備えた剛性フレームと、
前記リング及び管状延長部に一体成形された可撓性漏斗状メンブレンとを有し、前記覆いは、搾乳ポンプが異なる形態の複数の覆いに適合するように、他の覆いと更なる互換性があることを特徴とする覆い。
【請求項6】
前記可撓性漏斗状メンブレンは、前記リング及び管状延長部の内周部内に一体成形されていることを特徴とする請求項5記載の覆い。
【請求項7】
前記可撓性漏斗状メンブレンは、前記管状延長部から遠ざかる方向に前記リングを越えて延びていることを特徴とする請求項6記載の覆い。
【請求項8】
搾乳ポンプ組立体の乳房覆いであって、乳房を受け入れる円錐形部分を有し、前記円錐形部分は、この円錐形部分の直径の半分よりも短い距離、前記円錐形部分の縁から延びている切欠き部分を有し、前記切欠き部分は、乳房覆いの使用中、前記円錐形部分の乳房への接触を防止することを特徴とする乳房覆い。
【請求項9】
前記搾乳ポンプ組立体は、フードベースを有し、乳房覆いは、前記円錐形部分を前記フードベースに回転自在に取り付ける乳房覆い用連結機構を更に有していることを特徴とする請求項8記載の乳房覆い。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−233363(P2009−233363A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165614(P2009−165614)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【分割の表示】特願2000−586387(P2000−586387)の分割
【原出願日】平成11年12月2日(1999.12.2)
【出願人】(503134413)メデラ ホールディング アクチェンゲゼルシャフト (9)
【Fターム(参考)】