説明

汚染土無害化システム

【課題】減圧還元加熱分解装置を建屋の内部に収容して減圧還元加熱分解脱塩素化処理を行う場合において、浄化装置の設置コストやランニングコストを低減できる、汚染土無害化システムを提供すること。
【解決手段】建屋115の内部に収容された減圧還元加熱装置24を用いた汚染土無害化システムであって、汚染物質の漏洩危険状態の有無を検知する漏洩検知手段と、建屋115の気体を外部へ排出する換気装置111と、汚染物質を含有する気体を浄化して建屋115の外部へ排出する浄化装置112と、漏洩危険状態でない時には、建屋115内の気体が換気装置111を介して浄化装置112を通過することなく排出され、漏洩危険状態である時には、建屋115内の気体が換気装置111及び浄化装置112を介して排出されるように、換気装置111及び浄化装置112を切り替える切替ダンパー113とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染物質を減圧還元加熱にて分解することにより汚染土を無害化するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有害物質による土壌汚染が顕在化し、人の健康や自然環境への影響について懸念が拡大しており、汚染土を無害化するための技術の必要性が高まっている。特に、汚染土の最終処分場の確保が困難になりつつあることもあり、様々な汚染現場に対応可能かつ低コストなオンサイト型の汚染土無害化技術が求められている。
【0003】
このような要求に対して、ダイオキシン類やPCB(ポリ塩化ビフェニル)等の有機塩素系の汚染物質を無害化する方法として、減圧還元加熱分解脱塩素化処理が知られている。減圧還元加熱分解脱塩素化処理とは、減圧雰囲気下で汚染土を加熱処理することにより、当該汚染土中のダイオキシン類やPCB等の有機塩素系の汚染物質を還元・分解して無害化する処理をいう。また、減圧還元加熱分解脱塩素化処理における処理時間の短縮や処理効率の向上を図った処理システムとして、汚染土を乾燥及び粉砕する気流乾燥機、気流乾燥機から排出された汚染土を粒径によって分別する分級機、及び、分別された汚染土を加熱して汚染物質を還元・分解する減圧還元加熱分解装置を備えた処理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−275973号公報
【0005】
このような処理システムにおいては、減圧還元加熱分解装置内で発生した粉塵が、当該減圧還元加熱分解装置外に漏洩することがないように、漏洩防止策を講じることが求められる。このような漏洩防止策の一つとして、減圧還元加熱分解装置を建屋の内部に収容すると共に、この建屋に換気装置及び浄化装置を設けることが提案されている。ここで、換気装置は、減圧還元加熱分解装置の発熱によって高温となった建屋内の気体を建屋の外部に排出したり、建屋の外部から外気を取り入れたりすることで、建屋内の気体の換気を行う装置である。また、浄化装置は、減圧還元加熱分解装置内の粉塵が減圧還元加熱分解装置外に漏洩した場合に、この粉塵を含んだ建屋内の気体を浄化して建屋の外部に排出するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の処理システムでは、減圧還元加熱分解装置内の粉塵が減圧還元加熱分解装置外に漏洩する可能性があることを前提としており、建屋内の気体を常に浄化装置を介して建屋の外部に排出させていたので、浄化装置の浄化能力として、建屋の全容積に対応する大きな能力を必要としており、浄化装置の設置コストを増加させる一因となっていた。特に、浄化装置を構成する活性炭やフィルタに常時気体を通過させていたので、汚染粉塵以外の物質も活性炭やフィルタに大量に吸着され、活性炭やフィルタの交換コストを増加させる一因となっていた。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、減圧還元加熱分解装置を建屋の内部に収容して減圧還元加熱分解脱塩素化処理を行う場合において、浄化装置の設置コストやランニングコストを低減できる、汚染土無害化システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、収容体の内部に収容された汚染土処理装置において汚染土に含有されている汚染物質を分解することで、当該汚染土を無害化する汚染土無害化システムであって、前記汚染物質が前記汚染土処理装置の外部に漏洩する可能性が生じ得る漏洩危険状態の有無を検知するための漏洩検知手段と、前記収容体内の気体を当該収容体の外部へ排出する換気手段と、前記汚染土処理装置の外部に漏洩した前記汚染物質を含有する前記収容体内の気体を、浄化して当該収容体の外部へ排出する浄化手段と、前記漏洩検知手段を介して前記漏洩危険状態の有無を判定し、前記漏洩危険状態でない時には、前記収容体内の気体が前記換気手段を介して前記浄化手段を通過することなく当該収容体外に排出され、前記漏洩危険状態である時には、前記収容体内の気体が前記換気手段及び前記浄化手段を介して当該収容体外に排出されるように、前記換気手段及び前記浄化手段を切り替える切替手段とを備える。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記漏洩危険状態でない時における前記換気手段の所要の第1の処理能力に対して、前記漏洩危険状態である時における前記換気手段の所要の第2の処理能力が低い場合において、前記換気手段として、前記第1の処理能力以上の処理能力を有する換気手段を設け、前記浄化手段として、前記第1の処理能力未満の処理能力であって、前記第2の処理能力以上の処理能力を有する浄化手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の本発明において、前記汚染物質が前記汚染土処理装置の外部に漏洩することを防止する漏洩防止手段を備え、前記切替手段は、前記漏洩危険状態である時には、前記漏洩防止手段を起動することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の本発明において、前記換気手段は、前記収容体内に外気を取り入れるための外気口を備え、前記切替手段は、前記漏洩危険状態でない時には、前記外気口を開放し、前記漏洩危険状態である時には、当該外気口を閉鎖するように、前記換気手段を切り替えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の本発明において、前記漏洩検知手段は、前記汚染土処理装置の内部圧力を測定するための測定手段であり、前記切替手段は、前記測定手段にて測定された圧力を所定圧力と比較することによって前記漏洩危険状態の有無を判定し、前記漏洩危険状態でない時には、前記収容体内の気体が前記換気手段を介して前記浄化手段を通過することなく当該収容体外に排出され、前記漏洩危険状態である時には、前記収容体内の気体が前記換気手段及び前記浄化手段を介して当該収容体外に排出されるように、前記換気手段及び前記浄化手段を切り替えることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の本発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の本発明において、前記浄化手段は、前記汚染物質を活性炭に吸着させるための活性炭吸着手段、又は、前記汚染物質をフィルタを介して捕集するためのフィルタ捕集手段を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の本発明によれば、漏洩危険状態でない時には、収容体の内部の気体を浄化手段に通過させないため、浄化手段を通過する気体の量を低減でき、浄化手段のフィルタ交換等の維持管理コストが削減できる。また、浄化手段については漏洩危険状態である時にのみ使用することで、この場合には汚染土処理装置も停止等しているために換気量を低減できることから、浄化手段の処理能力を従来よりも低減でき、浄化手段の設置コストが低減できる。
【0015】
また、請求項2に記載の本発明によれば、浄化手段の処理能力を、換気手段の正常運転時の処理能力未満とすることで、浄化手段の設置コストが低減できる。
【0016】
また、請求項3に記載の本発明によれば、漏洩危険状態である時には、漏洩防止手段を起動することで、汚染物質が汚染土処理装置の外部に漏洩することを効果的に防止することができる。
【0017】
また、請求項4に記載の本発明によれば、切替手段が外気口の開閉の切り替えを行うので、粉塵が外気口から建屋の外部へ漏洩することを防止することができる。
【0018】
また、請求項5に記載の本発明によれば、汚染土処理装置の内部圧力が所定圧力以上になった場合には自動的に浄化装置を機能させるので、汚染土処理装置の内部圧力に基づいて浄化装置の自動切替制御を行うことができる。
【0019】
また、請求項6に記載の本発明によれば、活性炭吸着手段やフィルタ捕集手段といった浄化手段を備えることで、粉塵を含んだ気体を清浄な空気に浄化させてから収容体の外部に排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る汚染土無害化システムの各実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る汚染土無害化システムは、汚染物質を含有する汚染土の無害化を目的とするものである。
【0022】
各実施の形態に係る汚染土無害化システムの設置対象は任意であり、例えば、化学工場などの工場跡地や、廃棄物処分場、河口等に設置し、汚染土に含まれるダイオキシン類やPCB等の有機塩素系の汚染物質を無害化させることができる。
【0023】
各実施の形態では、汚染物質を漏洩させる可能性がある装置が建屋の内部に収容されていることを前提としている。この汚染物質としては、汚染土の粉塵や上述した蒸気ガスを挙げることができ、これら汚染物質を漏洩させる可能性がある装置としては、汚染土を乾燥させる乾燥機や、乾燥された汚染土の減圧還元加熱処理を行う減圧還元加熱装置を挙げることができる。以下の各実施の形態では、建屋に少なくとも減圧還元加熱装置を収容するものとして説明するが、収容対象は任意に変更可能である。また以下の各実施の形態では、浄化対象になる汚染物質が汚染土から発せられる粉塵であるものとして説明する。
【0024】
本実施の形態に係る汚染土無害化システムの特徴の一つは、概略的に、収容体の内部に収容された汚染土処理装置において汚染土に含有されている汚染物質を分解することで、当該汚染土を無害化する汚染土無害化システムであって、汚染土処理装置内で発生した粉塵が当該汚染土処理装置外に漏洩する可能性が生じ得る漏洩危険状態の有無を判定する漏洩検知手段を備え、漏洩危険状態である時にのみ、収容体内の気体が浄化手段を介して当該収容体外に排出されるように切り替え制御を行う点にある。このことにより、漏洩危険状態でない時には、収容体内の気体を浄化装置を通過させる必要がなくなり、浄化手段のフィルタ交換等の維持管理コストが削減できる。さらに、浄化手段については、漏洩危険状態である時にのみ使用すればよく、この場合には汚染土処理装置も停止等しているために換気量を低減できることから、浄化手段の処理能力を従来よりも低減でき、浄化手段の設置コストが低減できる。
【0025】
〔II〕各実施の形態の具体的内容
次に、本発明に係る各実施の形態の具体的内容について説明する。
【0026】
〔実施の形態1〕
最初に実施の形態について説明する。この形態は、浄化装置の切替を行う基本的形態であり、漏洩防止手段として二重化フードを設けた形態である。まず、汚染土無害化システムの全体構成、及び、当該汚染土無害化システムによる汚染土無害化処理の概略を説明する。次に、実施の形態1に係る汚染土無害化システムの特徴である、汚染土処理装置を収容する建屋の換気システムの構成について詳細を説明する。
【0027】
(汚染土無害化システムの構成)
図1は本実施の形態に係る汚染土無害化システムの概略図である。図1に示すように、汚染土無害化システム1は、主に白抜きのブロックで示された装置を含む汚染土処理系統、主に斜線のブロックで示された装置を含む蒸気ガス処理系統、及び、主に格子のブロックで示された装置を含む乾留ガス処理系統の3系統に大別される。これらの系統の内の複数系統、あるいは全ての系統において共通して用いられる装置として、熱交換器50、活性炭吸着槽60、燃料供給装置70、排熱利用配管80、及び、制御盤90を備えている。
【0028】
(汚染土無害化システムの構成−汚染土処理系統)
汚染土処理系統は、汚染土無害化システム1に投入された汚染土の処理を行うための処理系統であり、土壌ホッパー20、乾燥機21、吹込装置22、搬送装置23、減圧還元加熱装置24、及び、冷却装置25を備えている。
【0029】
(汚染土無害化システムの構成−汚染土処理系統−土壌ホッパー20)
土壌ホッパー20は、汚染土を乾燥機21に供給するためのものである。土壌ホッパー20の具体的な構成は公知であるので説明は省略するが、例えば、作業者によって当該土壌ホッパー20に投入された汚染土を所定の送出量で送出し、図示しない移送装置を介して乾燥機21に供給するように構成されている。
【0030】
(汚染土無害化システムの構成−汚染土処理系統−乾燥機21)
乾燥機21は、土壌ホッパー20から供給された汚染土を乾燥させるためのものである。乾燥機21の具体的な構成は任意であり、例えば、ロータリーキルン式や、ベルトコンベヤ式、あるいはバッチ式等の乾燥機を用いることができるが、実施の形態1ではロータリーキルン式の乾燥機を例に挙げて説明する。図2は本実施の形態に係る乾燥機21の構成の概略を示した図であり、図2(a)は乾燥機21の全体の側面図(一部を破断して示す)、図2(b)は図2(a)における領域Aの拡大図、図2(c)は図2(a)における領域Bの拡大図である。図2に示すように、乾燥機21は、燃焼室21a、加熱部21b、回転炉21c、及び、駆動部21dを備えている。
【0031】
燃焼室21aは、加熱部21bの燃焼スペースを確保するためのものであり、回転炉21cを覆うように設けられている。また、燃焼室21aには排熱利用配管80が接続されており、減圧還元加熱装置24からの排熱が当該燃焼室21aに導入される。また、燃焼室21aは、燃焼室21aの内部の気体を排出するための排気出口21eを備えている。
【0032】
加熱部21bは、乾燥機21における汚染土を加熱するものである。具体的には、燃焼室21a内部で燃料を燃焼させ、発生した熱によって、回転炉21cの炉壁を介して当該回転炉21cの内部の汚染土を間接加熱する。
【0033】
回転炉21cは、内部に投入された汚染土を移動させながら乾燥させる略円筒形の炉であり、燃焼室21aの内部を貫通するように回転自在に設置されている。回転炉21cの一方の端部には汚染土の供給口21fが設けられており、他方の端部には汚染土の排出口21gが設けられている。供給口21f及び排出口21gの周囲には、汚染土の粉塵や汚染土から蒸発・揮発した蒸気ガスが乾燥機21の外部に漏出することの無いよう、フード21hが設けられている。供給口21f側のフード21hは、後述する蒸気ガス配管30を介して蒸気ガス処理系統に接続されている。また、蒸気ガス配管30との接続部近傍には図示しない蒸気ガス温度計測器が設けられており、当該蒸気ガス温度計測器によって回転炉21cの内部から蒸気ガス配管30に排出される蒸気ガスの温度が計測される。排出口21g側のフード21hは、搬送装置23と接続されている。
【0034】
また、回転炉21cは、その長軸方向が水平から所定角度の傾斜を有するように配置されており、内部の汚染土は回転による滑りによって供給口21fから排出口21gまで移動し、排出される。回転炉21cは、燃焼室21a内部に供給された燃焼ガス等によって外周面側から加熱されており、回転炉21cの外周から内周に伝達された熱によって、当該回転炉21cの内部の汚染土が加熱される。
【0035】
また、回転炉21cの内部における排出口21gの近傍には図示しない温度計測器が設置されている。この温度計測器は、排出口21gから排出される直前の汚染土の温度を計測し、計測したデータを制御盤90に出力する。
【0036】
駆動部21dは、回転炉21cを所定の回転速度で回転させるものであり、チェーンやギア等を介して回転炉21cと連結されている。
【0037】
(汚染土無害化システムの構成−汚染土処理系統−吹込装置22)
図1において、吹込装置22は、乾燥機21における回転炉21cの内部に冷却用気体を吹き込むためのものである。吹込装置22は、図示しない送風ファン及び図示しない吹込管を備えている。送風ファンは、冷却用気体を送風する。吹込管は、一端が送風ファンに接続され、他端は乾燥機21の回転炉21cに接続されている。これにより、送風ファンから送風された冷却用気体は、吹込管を通過して回転炉21cの内部に向かって吹き込まれ、汚染土を直接冷却する。なお、冷却用気体として用いられる気体は任意であるが、例えば、外気を冷却用気体として送風ファンから送風させることができる。
【0038】
(汚染土無害化システムの構成−汚染土処理系統−搬送装置23)
搬送装置23は、乾燥機21から排出された汚染土を減圧還元加熱装置24に搬送するためのものである。搬送装置23の具体的な構成は任意であるが、例えば、密閉型のベルトコンベヤ等を用いることで、汚染土を外部に飛散させることなく搬送を行うことが出来る。
【0039】
(汚染土無害化システムの構成−汚染土処理系統−減圧還元加熱装置24)
減圧還元加熱装置24は、乾燥機21で乾燥された汚染土を無害化するためのものであり、特許請求の範囲における汚染土処理装置に対応している。減圧還元加熱装置24としては、ロータリーキルン方式の加熱炉を用いることができる。図3は本実施の形態に係る減圧還元加熱装置24の構成の概略を示した図であり、図3(a)は減圧還元装置の全体の側面図(一部を破断して示す)、図3(b)は図3(a)における領域Cの拡大図、図3(c)は図3(a)における領域Dの拡大図である。また、図4は、本実施の形態に係る減圧還元加熱装置24の回転炉24cの内部構造を表した側面図である。図3に示すように、減圧還元加熱装置24は、燃焼室24a、加熱部24b、回転炉24c、及び、駆動部24dを備えている。
【0040】
燃焼室24aは、加熱部24bの燃焼スペースを確保するためのものであり、回転炉24cを覆うように設けられている。燃焼室24aは、当該燃焼室24a内部の気体を外部に排出するための排気出口24eを備えている。この排気出口24eには、排熱利用配管80(図3では省略)が接続されており、回転炉24cを加熱した後の燃焼ガスが、当該排気出口24eから当該排熱利用配管80を経由して乾燥機21へと供給される。
【0041】
加熱部24bは、減圧還元加熱装置24における汚染土を加熱するものである。具体的には、燃焼室24a内部でLPG等の燃料を燃焼させ、発生した熱によって、回転炉24cの炉壁を介して当該回転炉24cの内部の汚染土を間接加熱する。
【0042】
回転炉24cは、当該回転炉24cの内部に投入された汚染土を移動させながら加熱する略円筒形の炉であり、燃焼室24aの内部を貫通するように略水平状に、かつ、回転自在に設置されている。回転炉24cの一方の端部には汚染土の供給口24f、他方の端部には汚染土の排出口24gが設けられており、これら供給口24f及び排出口24gの周囲には、粉塵や乾留ガスの漏出防止のための二重化フード24hが設けられている。
【0043】
二重化フード24hは、減圧還元加熱装置24内で発生した粉塵が当該減圧還元加熱装置24外に漏洩することを防止するためのものであり、特許請求の範囲における漏洩防止手段に対応している。この二重化フード24hは、図3(b)及び図3(c)に示したように、一次フード24k、二次フード24m、図示しない局所集塵機、及び、図示しない吸引装置を備えている。
【0044】
一次フード24kは、回転炉24cの内部と外部との相互間の直接的な気体の流動を防止するものである。一次フード24kは、供給口24fと排出口24gとをそれぞれ覆うように、回転炉24cに対して摺動自在に設けられている。供給口24f側の一次フード24kは、乾留ガス配管40(図3において図示せず)が接続されている。排出口24g側の一次フード24kは、冷却装置25(図3において図示せず)と接続されている。
【0045】
二次フード24mは、一次フード24kの内部と外部との相互間の直接的な気体の流動を防止するものである。二次フード24mは、一次フード24kと回転炉24cとの間隙を覆うように、回転炉24cに対して摺動自在に設けられており、配管24nを介して、図示しない局所集塵機と接続されている。
【0046】
局所集塵機は、吸引装置の吸引力によって二次フード24mの内部から吸引された排出ガスに含有された粉塵を捕集するものである。
【0047】
吸引装置は、一次フード24k及び二次フード24mを介して排出される粉塵を吸引するものである。吸引装置と二次フード24mとの間に、上述の局所集塵機が配置されている。この吸引装置を動作させた場合には、減圧還元加熱装置24が負圧状態となり、二次フード24mと回転炉24cの外周との間に存在する気体が当該吸引装置によって局所集塵機まで吸引され、吸引された気体に含まれている粉塵が当該局所集塵機によって除去された後、当該気体が大気に排出される。
【0048】
また、図4に示すように、回転炉24cの内周面には螺旋状の送り羽根24iが設けられており、回転炉24cの内部の汚染土は当該回転炉24cの回転に伴って送り羽根24iによって回転炉24cの一方の端部から他方の端部まで移動し、排出される。また、回転炉24cの内部には、汚染土の温度計測のための温度計測器24jが設置されている。
【0049】
さらに、回転炉24cの内部における供給口24f及び排出口24gの近傍には、図示しない圧力センサが設置されている。この圧力センサは回転炉24cの内部の圧力を計測するものであり、特許請求の範囲における測定手段に対応している。この圧力センサによって計測されたデータは、後述する切替部93に出力される。
【0050】
図3において、駆動部24dは、回転炉24cを所定の回転速度で回転させるものであり、チェーンやギア等を介して回転炉24cと連結されている。
【0051】
ここで、回転炉24cの内部の気体は、乾留ガス処理系統へと吸引されているため、回転炉24cの内部は減圧還元性雰囲気が保たれている。また、回転炉24cは、燃焼室24aの内部に供給された燃焼ガスによって外周面側から加熱されており、回転炉24cの外周から内周に伝達された熱によって、当該回転炉24cの内部の汚染土が加熱される。このように、減圧還元性雰囲気の中で汚染土が所定温度範囲に加熱及び保持されることにより、当該汚染土が無害化される。
【0052】
(汚染土無害化システムの構成−汚染土処理系統−冷却装置25)
図1において、冷却装置25は、減圧還元加熱装置24で無害化された汚染土を冷却するものである。汚染土にダイオキシン類が含まれている場合、減圧還元加熱装置24において所定温度まで加熱後保持されることで一旦無害化された場合でも、その後の温度低下時に一定の温度範囲で長時間放置されることによって、汚染土中の金属が触媒となってダイオキシン類が再合成されることがある。そこで、無害化された汚染土を冷却装置25によって急速に冷却することによりダイオキシン類の再合成を防止することができる。
【0053】
(汚染土無害化システムの構成−蒸気ガス処理系統)
図1において、蒸気ガス処理系統は、乾燥機21において乾燥された汚染土から蒸発した水分等を含む蒸気ガスの処理を行うための処理系統であり、蒸気ガス配管30、緊急用配管31、集塵機32、活性炭供給装置33、保温ガス配管34、集塵ダスト配管35、集塵ダスト回収機36、蒸気ガス洗浄槽37、及び、脱臭触媒装置38を備えている。ここで、実施の形態1の説明における「蒸気ガス」とは、乾燥機21において乾燥された汚染土から蒸発した蒸気、当該汚染土から揮発したPCBや臭気分等のガス、当該汚染土から飛散した粉塵や、当該粉塵に付着しているダイオキシン等を含み、あるいは、これらの物質のうちの一部が除去・分解等された、ガス状物質をいう。
【0054】
(汚染土無害化システムの構成−蒸気ガス処理系統−蒸気ガス配管30)
蒸気ガス配管30は、蒸気ガスを上述の蒸気ガス処理系統に属する装置に所定の順序で導入させるためのものであり、前後に連続した処理を行う装置を相互に接続する。
【0055】
(汚染土無害化システムの構成−蒸気ガス処理系統−緊急用配管31)
緊急用配管31は、乾燥機21おいて加熱された土壌の温度が所定温度範囲を上回った場合や、乾燥機21から蒸気ガス配管30に排出された蒸気ガスが所定温度を下回った場合等の緊急時において、蒸気ガスを集塵機32へと導入させずに、乾留ガス処理系統における後述する高温集塵機41へと導入させるためのものである。
【0056】
(汚染土無害化システムの構成−蒸気ガス処理系統−集塵機32)
集塵機32は、蒸気ガスに含まれる粉塵を捕集するためのものである。集塵機32は、蒸気ガス配管30を介して乾燥機21と接続されており、乾燥機21の内部で発生した蒸気ガスが当該集塵機32へと導入される。また、集塵機32は集塵ダスト配管35を介して集塵ダスト回収機36と接続されており、集塵機32において捕集された粉塵は、集塵ダスト配管35を経由して集塵ダスト回収機36へと搬送される。
【0057】
(汚染土無害化システムの構成−蒸気ガス処理系統−活性炭供給装置33)
活性炭供給装置33は、所定量の活性炭を集塵機32に吹き込むためのものであり、集塵機32の入り口側において蒸気ガス配管30に接続されている。蒸気ガスに含まれる粉塵を活性炭に吸着させ、粉塵が吸着した活性炭を集塵機32によって捕集させることにより、粉塵の捕集率を高めることができる。
【0058】
(汚染土無害化システムの構成−蒸気ガス処理系統−保温ガス配管34)
保温ガス配管34は、集塵機32を所定温度以上に保持するために、集塵機32の周囲を覆っている図示しない保温ジャケットの内部に保温ガスを供給し、集塵機32の周囲に対流させる。
【0059】
(汚染土無害化システムの構成−蒸気ガス処理系統−集塵ダスト回収機36)
集塵ダスト回収機36は、集塵ダスト配管35によって搬送された粉塵を回収するためのものであり、例えば、バグフィルタ式の集塵機32が用いられる。
【0060】
(汚染土無害化システムの構成−蒸気ガス処理系統−蒸気ガス洗浄槽37)
蒸気ガス洗浄槽37は、集塵機32を通過した蒸気ガスに微量に含まれている粉塵やダイオキシン等を除去するためのものである。ダイオキシンは粉塵に吸着しているため、この粉塵を蒸気ガス洗浄槽37によって除去することにより、蒸気ガスからダイオキシンを除去することができる。
【0061】
(汚染土無害化システムの構成−蒸気ガス処理系統−脱臭触媒装置38)
脱臭触媒装置38は、蒸気ガス洗浄槽37を通過した蒸気ガスに含まれている微量の臭気分やPCB等を除去するためのものである。脱臭触媒装置38は、所定温度以上に昇温された蒸気ガスと触媒とを接触させることにより、蒸気ガスに含まれている臭気分やPCB等を酸化させる。
【0062】
(汚染土無害化システムの構成−乾留ガス処理系統)
図1において、乾留ガス処理系統は、減圧還元加熱処理の過程で汚染土から分離したダイオキシン類やPCB等の有機塩素系の汚染物質を含む乾留ガスの処理を行うための処理系統であり、乾留ガス配管40、高温集塵機41、消石灰供給装置42、造粒機43、バイパス配管44、排ガス酸化装置45、排ガス冷却装置46、集塵機47、及び、脱硫装置48を備えている。
【0063】
(汚染土無害化システムの構成−乾留ガス処理系統−乾留ガス配管40)
乾留ガス配管40は、乾留ガスを上述の乾留ガス処理系統に属する装置に所定の順序で導入させるためのものであり、前後に連続した処理を行う装置を相互に接続する。また、図1の減圧還元加熱装置24と高温集塵機41との間において、蒸気ガス処理系統における緊急用配管31の一端が乾留ガス配管40に接続されており、緊急時には蒸気ガスが乾留ガス処理系統に導入される。
【0064】
(汚染土無害化システムの構成−乾留ガス処理系統−高温集塵機41)
高温集塵機41は、高温の乾留ガスに含まれる粉塵を捕集するためのものであり、乾留ガス配管40を介して減圧還元加熱装置24の回転炉24cと接続されているとともに、乾留ガス配管40を介して排ガス酸化装置45と接続されている。回転炉24cの内部において汚染土から分離された乾留ガスは、乾留ガス配管40を経由して高温集塵機41へと導入され、当該乾留ガスに含まれる粉塵が除去された後、排ガス酸化装置45へと排出される。
【0065】
(汚染土無害化システムの構成−乾留ガス処理系統−消石灰供給装置42)
消石灰供給装置42は、乾留ガスに含まれている酸性ガスを中和するために、当該乾留ガスに消石灰を投入する。
【0066】
(汚染土無害化システムの構成−乾留ガス処理系統−造粒機43)
造粒機43は、高温集塵機41によって捕集された粉塵を、所定の大きさを有する粒体として形成するためのものである。高温集塵機41によって捕集された粉塵は、図示しない混練機においてバインダー及び水と混練された後、造粒機43によって粒体に形成され、減圧還元加熱装置24に投入される。
【0067】
(汚染土無害化システムの構成−乾留ガス処理系統−バイパス配管44)
バイパス配管44は、高温集塵機41への導入前における乾留ガスの温度が所定温度以下となった場合において、当該乾留ガスを高温集塵機41に導入させず、当該高温集塵機41の後段にある排ガス酸化装置45に導入させるものである。具体的には、消石灰供給装置42と乾留ガス配管40との接続部よりも減圧還元加熱装置24側において、切替ダンパー49(図5にのみ図示)を介してバイパス配管44の一方の端部と乾留ガス配管40とが接続されている。また、バイパス配管44の他方の端部は、乾留ガス配管40を介して排ガス酸化装置45と接続されている。
【0068】
(汚染土無害化システムの構成−乾留ガス処理系統−排ガス酸化装置45)
排ガス酸化装置45は、高温集塵機41を通過した乾留ガスに含まれるダイオキシン類やPCB等の有機塩素系の汚染物質を高温焼却処理する。
【0069】
(汚染土無害化システムの構成−乾留ガス処理系統−排ガス冷却装置46)
排ガス冷却装置46は、熱交換器50を通過した乾留ガスを冷却するためのものである。排ガス冷却装置46における乾留ガスの流入側は、乾留ガス配管40を介して熱交換器50に接続されており、流出側は、乾留ガス配管40を介して集塵機47に接続されている。
【0070】
(汚染土無害化システムの構成−乾留ガス処理系統−集塵機47)
集塵機47は、排ガス冷却装置46を通過した乾留ガスに微量に残留している粉塵を捕集するためのものである。集塵機47における乾留ガスの流入側は、乾留ガス配管40を介して排ガス冷却装置46と接続されており、流出側は、乾留ガス配管40を介して脱硫装置48と接続されている。
【0071】
(汚染土無害化システムの構成−乾留ガス処理系統−脱硫装置48)
脱硫装置48は、集塵機47を通過した乾留ガスに含まれる硫黄酸化物や窒素酸化物を除去するためのものである。脱硫装置48における乾留ガスの流入側は、乾留ガス配管40を介して集塵機47と接続されており、流出側は、乾留ガス配管40を介して活性炭吸着槽60に接続されている。
【0072】
(汚染土無害化システムの構成−乾留ガス処理系統−熱交換器50)
熱交換器50は、乾留ガス処理系統において排ガス酸化装置45を通過した乾留ガスと、蒸気ガス処理系統において蒸気ガス洗浄槽37を通過した蒸気ガスとの間で、熱交換を行わせる。
【0073】
(汚染土無害化システムの構成−乾留ガス処理系統−活性炭吸着槽60)
図1において、活性炭吸着槽60は、蒸気ガス処理系統における脱臭触媒装置38を通過した蒸気ガス及び乾留ガス処理系統における脱硫装置48を通過した乾留ガスに、微量に粉塵や臭気分等が残留していた場合に、これを吸着し、浄化されたガスを煙突100から外部に排気する。
【0074】
(汚染土無害化システムの構成−乾留ガス処理系統−燃料供給装置70)
燃料供給装置70は、乾燥機21、減圧還元加熱装置24、及び、排ガス酸化装置45に、燃料及び助燃空気を供給するためのものである。
【0075】
(汚染土無害化システムの構成−乾留ガス処理系統−排熱利用配管80)
排熱利用配管80は、減圧還元加熱装置24の排熱を乾燥機21において利用させるためのものである。具体的には、排熱利用配管80の一方の端部は減圧還元加熱装置24の燃焼室24aに設けられた排気ファンに接続され、他方の端部は乾燥機21の燃焼室21aに接続されている。
【0076】
(汚染土無害化システムの構成−制御盤90)
制御盤90は、汚染土無害化システム1の動作の制御を行うためのものである。図5は、本実施の形態に係る制御盤90の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。図5に示すように、制御盤90は、乾燥機制御部91、減圧還元加熱装置制御部92、切替部93、冷却装置制御部94、蒸気ガス処理制御部95、乾留ガス処理制御部96、入力部97、及び、記憶部98を備えている。
【0077】
乾燥機制御部91は、乾燥機21、吹込装置22の制御を行うものである。減圧還元加熱装置制御部92は、減圧還元加熱装置24及び後述する吸引装置の制御を行う。切替部93は、後述する切替ダンパー113の切替制御、並びに換気装置111に備えられた外気口111eの開閉に対する切替制御を行う。この切替部93は、特許請求の範囲における切替手段に対応している。なお、切替部93の詳細については、換気処理の説明にて後述する。冷却装置制御部94は、冷却装置25の制御を行う。蒸気ガス処理制御部95は、蒸気ガス処理系統の緊急用配管31に対する切替ダンパー39の切替制御を行う。乾留ガス処理制御部96は、乾留ガス処理系統のバイパス配管44に対する切替ダンパー49の切替制御を行う。入力部97は、汚染土の含水率等の性状や投入量等、制御盤90による制御に用いられる運転情報を当該制御盤90に入力させるためのものである。記憶部98は、入力部97を介して制御盤90に入力された運転情報を格納する。
【0078】
なお、制御盤90の具体的構成は任意であるが、例えば、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラム、所要データを格納するための内部メモリ、及び、これらのプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)を備えて構成される。
【0079】
(汚染土無害化システムによる処理の流れ)
次に、汚染土無害化システム1によって行われる汚染土無害化処理の概略を説明する。図6は、本実施の形態に係る汚染土無害化処理の流れを示したフローチャートである。なお、汚染土無害化システム1では、乾燥機21における汚染土の乾燥時に当該汚染土から蒸発した蒸気ガスの処理、及び減圧還元加熱装置24における汚染土の減圧還元加熱処理時に当該汚染土から分離された乾留ガスの処理が行われるが、ここでは説明を省略する。
【0080】
(汚染土無害化システムによる処理の流れ−汚染土)
まず、汚染土の処理の流れについて説明する。土壌ホッパー20に投入された汚染土は、移送装置によって乾燥機21に移送される(ステップSA−1)。乾燥機21では、汚染土の温度及び乾燥機21から排出される蒸気ガスの温度が所定温度範囲内に保持され、当該汚染土が乾燥される(ステップSA−2)。回転炉21cの内部を排出口21gまで移送された汚染土は、排出口21gから排出される(ステップSA−3)。
【0081】
乾燥機21から排出された汚染土は、搬送装置23によって、減圧還元加熱装置24へと搬送される(ステップSA−4)。減圧還元加熱装置24に搬送された汚染土は、供給口24fから回転炉24cの内部に投入される(ステップSA−5)。回転炉24cに投入された汚染土は、当該回転炉24cの炉壁を介して、燃焼室24aにおける燃焼ガス等から加熱される(ステップSA−6)。このことにより、汚染土に含まれるダイオキシン類やPCB等の有機塩素系の汚染物質が当該汚染土から分離され、減圧還元加熱にて分解される。この時に汚染土から分離したダイオキシン類やPCB等の有機塩素系の汚染物質を含む乾留ガスは、回転炉24cの供給口24f側の二重化フード24hから、乾留ガス配管40へと排出される。回転炉24cの内部を排出口24gまで移動した汚染土は、排出口24gから排出される(ステップSA−7)。
【0082】
減圧還元加熱装置24の回転炉24cから排出された汚染土は、冷却装置25の回転体へと投入される(ステップSA−8)。回転体の供給口から回転体の内部に投入された汚染土は、回転体の外周面に放水されている冷却水によって、当該回転体の壁面を介して間接冷却される(ステップSA−9)。冷却装置制御部94は、回転体の内部の汚染土の温度上昇等に基づいて、冷却装置25の冷却能力が低下していると判定した場合には(ステップSA−10、Yes)、水噴霧装置によって汚染土に対して冷却水の噴霧を行わせ、当該汚染土を直接冷却させる(ステップSA−11)。回転体の内部を排出口まで移動した汚染土は、排出口から排出される(ステップSA−12)。排出された汚染土は、無害化された土として所定の搬出手段により搬出される。これにて汚染土無害化処理が終了する。
【0083】
(換気システム110の構成)
次に、建屋115の換気を行うための換気システム110の構成について説明する。図7は実施の形態1に係る正常時の建屋115内の換気システム110の概略図であり、図8は実施の形態1に係る緊急時の建屋115内の換気システム110の概略図である。ここでは、少なくとも減圧還元加熱装置24が建屋115に収容されており、この建屋115を換気するために換気システム110が設けられている。
【0084】
以下の説明において、正常時とは、建屋115内が漏洩危険状態でない時(粉塵漏洩が正常に防止できている時)であり、緊急時とは、建屋115内が漏洩危険状態である時(粉塵漏洩が正常に防止できていない可能性がある時)である。この粉塵漏洩の防止の正常性は、実施の形態1においては、減圧還元加熱装置24の回転炉24cの圧力に基づいて判定している。すなわち、当該圧力が所定圧力以下である場合には粉塵漏洩の可能性がないと判定し、当該圧力が所定圧力以上になった場合には粉塵漏洩の可能性があると判定している。
【0085】
図7及び図8に示すように、換気システム110は、換気装置111、浄化装置112、及び、切替ダンパー113を備えて構成されている。
【0086】
(換気装置111の構成)
換気装置111は、建屋115内の気体を建屋115の外部へ排出したり、建屋115へ外気を取り入れたりすることで、建屋115を換気するものであり、特許請求の範囲における換気手段に対応している。この換気装置111は、通気路111a、通気路111b、排気路111c、送風機111d、及び、外気口111eを備えて構成されている。
【0087】
通気路111aは、建屋115内の気体を建屋115の内部から送風機111d又は浄化装置112へ送るものである。具体的には、通気路111aは、建屋115の内部における天井近傍位置から建屋115の外部における送風機111dに至る長尺の中空管路として構成されており、建屋115の内部において形成された開口端部111fから当該建屋115の内部の空気を吸引し、当該吸引した空気を当該建屋115の外部の送風機111dに導入する。通気路111bは、送風機111dから送風された空気を、切替ダンパー113を介して、浄化装置112又は排気路111cに導入する中空管路である。排気路111cは、通気路111bから切替ダンパー113を介して導入された空気を、建屋115の外部に向けて排出する中空管路である。送風機111dは、建屋115内の気体を通気路111aを介して送風することで、建屋115の内部の換気を行う。外気口111eは、建屋115の内部に外気を取り入れるための開口部であり、建屋115の壁側等に設置される。この外気口111eには、開閉シャッター111gが設けられており、この開閉シャッター111gを開閉制御することで、外気口111eを開閉することができる。この開閉シャッター111gの開閉は切替部93によって制御されるが、この切替部93の詳細については後述する。この開閉シャッター111gは、特許請求の範囲における切替手段に対応している。
【0088】
ここで、換気装置111の処理能力は、正常時における必要能力に基づいて決定される。すなわち正常時には、減圧還元加熱装置24が運転されているために建屋115内の気体の温度上昇が比較的大きいのに対して、緊急時には、減圧還元加熱装置24の運転が停止されているために建屋115内の気体の温度上昇が比較的小さいため、正常時の処理能力の方が緊急時の処理能力より大きくなる。従って、ここでは、換気装置111の処理能力を、大きい方の処理能力である正常時の必要能力を満たすように決定する。ただし、このように換気装置111の処理能力を正常時における必要能力とした場合、緊急時には換気装置111の処理能力が余るため、換気装置111の一部の機能を停止させてもよい。例えば、送風機111dを複数台配置しておき、正常時には全ての送風機111dを稼働させて換気を行い、緊急時には一部の送風機111dのみを稼働させて換気を行うようにしてもよい。なお、正常時の処理能力は特許請求の範囲における第1の処理能力、緊急時の処理能力は特許請求の範囲における第2の処理能力にそれぞれ対応している。
【0089】
(浄化装置112の構成)
浄化装置112は、減圧還元加熱装置24外に漏洩した粉塵を含有する建屋115内の気体を、浄化して建屋115の外部へ排出するものであり、特許請求の範囲における浄化手段に対応している。この浄化装置112は、活性炭吸着槽112a、HEPAフィルタ112b、及び、通気路112cを備える。活性炭吸着槽112aは、粉塵を活性炭に吸着させるもので、特許請求の範囲における活性炭吸着手段に対応する。HEPAフィルタ112bは、粉塵をフィルタを介して捕集するもので、特許請求の範囲におけるフィルタ捕集手段に対応する。通気路112cは、活性炭吸着槽112aとHEPAフィルタ112bとの相互間に配置され、活性炭吸着槽112aから排出された空気をHEPAフィルタ112bに導入する中空管路である。
【0090】
ここで、浄化装置112の処理能力は、緊急時における必要能力に基づいて決定される。すなわち正常時には、建屋115内に汚染粉塵が漏洩していないため浄化装置112による浄化は不要であり、浄化装置112は緊急時にのみ使用すれば良いので、浄化装置112の処理能力は、緊急時の換気装置111の処理能力と同等以上であればよい。例えば、換気システム110の送風機111dを3台備えた場合、この送風機111dによる送風能力と同等の処理能力を有する浄化装置112を1台のみ備えればよい。
【0091】
(切替ダンパー113の構成)
切替ダンパー113は、換気装置111及び浄化装置112の切り替えを行うものであり、特許請求の範囲における切替手段に対応している。具体的には、切替ダンパー113は、送風機111dから浄化装置112に至る通気路111bに配置される通気経路切替手段であり、送風機111dから送風された空気を、浄化装置112又は排気路111cのいずれか一方に選択的に導入する。
【0092】
(気体の換気処理)
次に、気体の換気処理の流れについて説明する。図9は、実施の形態1に係る気体の換気処理のフローチャートである。まず、減圧還元加熱処理をする前の準備として、建屋115内の換気が行われる。すなわち、制御盤90の切替部93は、換気処理の開始が任意の方法で指示された場合に、建屋115の内部に外気を取り込むために外気口111eの開閉シャッター111gを開放させる(ステップSB−1)。そして、切替部93は、建屋115内の気体を浄化装置112を通過させずに換気装置111のみを介して当該建屋115の外部へ排出させるように、切替ダンパー113を制御する(ステップSB−2)。
【0093】
その後、切替部93は、減圧還元加熱装置24による汚染土の減圧還元加熱処理の開始と同時に(ステップSB−3)、減圧還元加熱装置24の供給口24f及び排出口24gの近傍に設置した圧力センサからの出力を所定周期で取得し(ステップSB−4)、当該取得した圧力値を記憶部98に記憶されている基準の圧力値と比較する(ステップSB−5)。
【0094】
ここで、取得した圧力値が基準値を下回っている場合(ステップSB−5、Yes)、切替部93は、正常時であると判定し、換気処理及び減圧還元加熱処理を続行させる(ステップSB−6)。なお、(ステップSB−4)から(ステップSB−6)は、減圧還元加熱処理が終了するまで繰り返し行われる。
【0095】
一方、取得した圧力値が基準値以上になった場合(ステップSB−5、No)、切替部93は、緊急時であると判定し、直ちに減圧還元加熱処理を停止させると共に(ステップSB−7)、吸引装置を動作させる(ステップSB−8)。吸引装置は局所集塵機を介して二次フード24mと回転炉24cの外周との間に存在する気体を吸引し、局所集塵機によって当該気体に含まれている粉塵を捕集させる。
【0096】
さらに切替部93は、建屋115の外部に粉塵が漏れるのを防ぐために外気口111eの開閉シャッター111gを閉鎖させると共に(ステップSB−9)、建屋115内の気体を換気装置111及び浄化装置112を介して建屋115の外部に排出させるように、切替部93を制御する(ステップSB−10)。その後、管理者が異常状態を解除し、換気処理の再開を任意の方法で指示すると、切替部93は、ステップSB−1に移行して、換気処理を再開する。たたし、換気処理再開は自動的に行うようにしてもよく、例えば、建屋115内にダイオキシン類やPCB等を検知するセンサを設け、このセンサにてダイオキシン類やPCB等が一定時間経っても検知されなかった場合に、正常時に復帰したと判定し、ステップSB−1に自動的に移行するようにしてもよい。
【0097】
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、浄化装置112を常時使用させる必要がなくなることから、浄化装置112のフィルタ交換等の維持管理コストが削減できる。また、浄化装置112は、緊急時にのみ使用すればよく、この場合には減圧還元加熱装置24も停止等しているために換気量を低減できることから、浄化装置112の処理能力を従来よりも低減でき、浄化装置112の設置コストが低減できる。
【0098】
また、切替部93が、緊急時には二重化フード24hの局所集塵機を起動することで、粉塵が減圧還元加熱装置24の二重化フード24hから漏洩することを防止することができる。
【0099】
また、切替部93が、正常時には外気口111eを開放し、緊急時には外気口111eを閉鎖するように、開閉シャッター111gを切り替えることで、粉塵が外気口111eから建屋115の外部に漏洩することを防止することができる。
【0100】
また、切替ダンパー113が、減圧還元加熱装置24の内部圧力を測定するための圧力センサにて測定された圧力を所定圧力と比較することにより、正常時であるか否かを判定する。これにより、切替ダンパー113や開閉シャッター111gを自動的に制御することができる。
【0101】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2は、実施の形態1で備えていた吸引装置の代わりにエアバリアを備える形態である。この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0102】
(エアバリアの構成)
図10は、実施の形態2に係る減圧還元加熱装置の構成の概略を示した図であり、図10(a)は減圧還元装置の全体の側面図(一部を破断して示す)、図10(b)は図10(a)における領域Eの拡大図、図10(c)は図10(a)における領域Fの拡大図である。減圧還元加熱装置24は、エアバリア114を備えて構成されている。このエアバリア114は、減圧還元加熱装置24内で発生した粉塵の漏洩部分を加圧することで、当該減圧還元加熱装置24外への粉塵の漏洩を防止するものであり、特許請求の範囲における漏洩防止手段に対応している。
【0103】
具体的には、エアバリア114は、圧力タンク114a、空気管114b及び、噴射口114cを備えている。
【0104】
圧力タンク114aは、密閉された容器に圧縮空気を貯蔵したものであり、空気管114bと接続されている。この圧力タンク114aの具体的形状、大きさ、及び、台数は任意であり、減圧還元加熱装置24の処理能力等を考慮して決定される。
【0105】
空気管114bは、圧力タンク114aに貯められた圧縮空気を噴射口114cに送るための中空管路であり、圧力タンク114aと噴射口114cとの相互間に配置されている。圧力タンク114aと空気管114bとの接続方法は任意であるが、例えば、1台の圧力タンク114aに対して複数の空気管114bを接続させても良い。
【0106】
噴射口114cは、圧力タンク114aから空気管114bを介して導入された圧縮空気を外部に向けて噴射するための開口部である。この噴射口114cは、二重化フード24hの内部において、回転炉24cの供給口24f及び排出口24gの近傍に配置されており、当該噴射口114cから噴射された圧縮空気によって、これら供給口24f及び排出口24gの開口端部が遮断される。この噴射口114cには、図示しない開閉栓が設けられており、この開閉栓を開閉制御することで、噴射口114cを開閉することができる。この開閉栓の開閉は、切替部93によって制御されるが、この切替部93の詳細については後述する。
【0107】
(気体の換気処理)
次に、気体の換気処理の流れについて説明する。図11は、実施の形態2に係る気体の換気処理のフローチャートである。ただし、ステップSC−8以外は、図9において同一処理名称を付した各ステップと同一であるため、その説明を省略する。制御盤90の切替部93は、取得した圧力値が基準値以上になった場合(ステップSC−5、No)、減圧還元加熱処理を停止させると共に(ステップSC−7)、エアバリア114から圧縮空気を噴射させるように開閉栓を制御する(ステップSC−8)。このエアバリア114は、二重化フード24hの内部において、噴射した圧縮空気により供給口24f及び排出口24gの開口端部を遮断し、粉塵がこれら供給口24fや排出口24gから外部に漏洩することを防止する。
【0108】
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、実施の形態1と略同様の効果に加えて、切替部93が、緊急時にはエアバリア114の開閉栓を開放することで、粉塵が減圧還元加熱装置24の二重化フード24hから漏洩することを防止することができる。
【0109】
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0110】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0111】
(収容対象について)
実施の形態1、2では、上述の実施の形態では、減圧還元加熱装置24を収容する建屋115内の気体の換気システム110について説明したが、乾燥機21を収容する建屋115内の気体の換気システム110としてもよい。
【0112】
(漏洩危険状態の有無の判定について)
漏洩危険状態の有無の判定方法は、減圧還元加熱装置24の回転炉24cの圧力に基づく判定以外にも各種の方法を採用することができ、例えば、建屋115内にダイオキシン類やPCB等を検知するセンサを設け、このセンサにてダイオキシン類やPCB等が検知された場合に、緊急時であると判定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
この発明に係る汚染土無害化システムは、汚染物質を減圧還元加熱することにより汚染土を無害化するシステム及び方法に適用でき、特に減圧還元加熱装置を建屋の内部に収容して減圧還元加熱処理を行う場合において、浄化装置の設置コストを低減することに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態1に係る汚染土無害化システムの概略図である。
【図2】乾燥機の構成の概略を示した図であり、図2(a)は乾燥機の全体の側面図、図2(b)は図2(a)における領域Aの拡大図、図2(c)は図2(a)における領域Bの拡大図である。
【図3】減圧還元加熱装置の構成の概略を示した図であり、図3(a)は減圧還元装置の全体の側面図、図3(b)は図3(a)における領域Cの拡大図、図3(c)は図3(a)における領域Dの拡大図である。
【図4】減圧還元加熱装置の回転炉の内部構造を表した側面図である。
【図5】制御盤の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。
【図6】汚染土無害化処理のフローチャートである。
【図7】正常時の建屋内の換気システムの概略図である。
【図8】緊急時の建屋内の換気システムの概略図である。
【図9】気体の換気処理のフローチャートである。
【図10】実施の形態2に係る減圧還元加熱装置の構成の概略を示した図であり、図10(a)は減圧還元装置の全体の側面図、図10(b)は図10(a)における領域Eの拡大図、図10(c)は図10(a)における領域Fの拡大図である。
【図11】気体の換気処理の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0115】
1 汚染土無害化システム
20 土壌ホッパー
21 乾燥機
21a、24a 燃焼室
21b、24b 加熱部
21c、24c 回転炉
21d、24d 駆動部
21e、24e 排気出口
21f、24f 供給口
21g、24g 排出口
21h フード
22 吹込装置
23 搬送装置
24 減圧還元加熱装置
24h 二重化フード
24i 送り羽根
24j 温度計測器
24k 一次フード
24m 二次フード
24n 配管
25 冷却装置
30 蒸気ガス配管
31 緊急用配管
32、47 集塵機
33 活性炭供給装置
34 保温ガス配管
35 集塵ダスト配管
36 集塵ダスト回収機
37 蒸気ガス洗浄槽
38 脱臭触媒装置
39 切替ダンパー
40 乾留ガス配管
41 高温集塵機
42 消石灰供給装置
43 造粒機
44 バイパス配管
45 排ガス酸化装置
46 排ガス冷却装置
48 脱硫装置
49 切替ダンパー
50 熱交換器
60、112a 活性炭吸着槽
70 燃料供給装置
80 排熱利用配管
90 制御盤
91 乾燥機制御部
92 減圧還元加熱装置制御部
93 切替部
94 冷却装置制御部
95 蒸気ガス処理制御部
96 乾留ガス処理制御部
97 入力部
98 記憶部
100 煙突
110 換気システム
111 換気装置
111a、111b、112c 通気路
111c 排気路
111d 送風機
111e 外気口
111f 開口端部
112 浄化装置
112b HEPAフィルタ
113 切替ダンパー
114 エアバリア
114a 圧力タンク
114b 空気管
114c 噴射口
115 建屋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容体の内部に収容された汚染土処理装置において汚染土に含有されている汚染物質を分解することで、当該汚染土を無害化する汚染土無害化システムであって、
前記汚染物質が前記汚染土処理装置の外部に漏洩する可能性が生じ得る漏洩危険状態の有無を検知するための漏洩検知手段と、
前記収容体内の気体を当該収容体の外部へ排出する換気手段と、
前記汚染土処理装置の外部に漏洩した前記汚染物質を含有する前記収容体内の気体を、浄化して当該収容体の外部へ排出する浄化手段と、
前記漏洩検知手段を介して前記漏洩危険状態の有無を判定し、前記漏洩危険状態でない時には、前記収容体内の気体が前記換気手段を介して前記浄化手段を通過することなく当該収容体外に排出され、前記漏洩危険状態である時には、前記収容体内の気体が前記換気手段及び前記浄化手段を介して当該収容体外に排出されるように、前記換気手段及び前記浄化手段を切り替える切替手段と、
を備えることを特徴とする汚染土無害化システム。
【請求項2】
前記漏洩危険状態である時における前記換気手段の所要の第1の処理能力に対して、前記漏洩危険状態でない時における前記換気手段の所要の第2の処理能力が低い場合において、
前記換気手段として、前記第1の処理能力以上の処理能力を有する換気手段を設け、
前記浄化手段として、前記第1の処理能力未満の処理能力であって、前記第2の処理能力以上の処理能力を有する浄化手段を設けたこと、
を特徴とする請求項1に記載の汚染土無害化システム。
【請求項3】
前記汚染物質が前記汚染土処理装置の外部に漏洩することを防止する漏洩防止手段を備え、
前記切替手段は、前記漏洩危険状態である時には、前記漏洩防止手段を起動すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の汚染土無害化システム。
【請求項4】
前記換気手段は、前記収容体内に外気を取り入れるための外気口を備え、
前記切替手段は、前記漏洩危険状態でない時には、前記外気口を開放し、前記漏洩危険状態である時には、当該外気口を閉鎖するように、前記換気手段を切り替えること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の汚染土無害化システム。
【請求項5】
前記漏洩検知手段は、前記汚染土処理装置の内部圧力を測定するための測定手段であり、
前記切替手段は、前記測定手段にて測定された圧力を所定圧力と比較することによって前記漏洩危険状態の有無を判定し、前記漏洩危険状態でない時には、前記収容体内の気体が前記換気手段を介して前記浄化手段を通過することなく当該収容体外に排出され、前記漏洩危険状態である時には、前記収容体内の気体が前記換気手段及び前記浄化手段を介して当該収容体外に排出されるように、前記換気手段及び前記浄化手段を切り替えること、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の汚染土無害化システム。
【請求項6】
前記浄化手段は、前記汚染物質を活性炭に吸着させるための活性炭吸着手段、又は、前記汚染物質をフィルタを介して捕集するためのフィルタ捕集手段を含むこと、
を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の汚染土無害化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−165969(P2009−165969A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−7427(P2008−7427)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【出願人】(000150110)株式会社竹中土木 (101)
【Fターム(参考)】