説明

汚水漏れ防止具

【課題】腰掛式便器の便器本体と便座との隙間からの汚水の漏れを防止できる汚水漏れ防止具を提供する。

【解決手段】腰掛式便器の便器本体と便座との隙間からの汚水の漏れを防止する汚水漏れ防止具であって、前記汚水漏れ防止具は、汚水を受ける帯状の汚水受け部および前記汚水受け部を便器本体に着脱可能に取り付ける装着部よりなり、前記汚水受け部と前記便器本体との間に汚水排出用の間隙部を形成することを特徴とする。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰掛式便器使用に際する、便器本体と便座との隙間からの汚水漏れの予防に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、腰掛式便器は、便器本体と、その便器本体の後端近くに回動可能に取り付けられた便座とを備えている。腰掛式便器は、現在もっとも普及している便器であり、その使用方法は、座位での使用と立位での使用とがある。このうち、立位使用は男性の排尿に用いられるものの、近年では男性で座位使用を習慣とする人も増えており、また、高齢化や下肢等の障害に伴い立位使用が困難になる場合も少なくないため、腰掛式便器の全般的な使用頻度としては、座位使用が多いといえる。
【0003】
しかし、便器本体と便座との間には、便座裏面に取り付けられた脚部によってできる隙間があり、座位での腰掛式便器使用時に排泄した尿が漏れることがある。また、人体局部洗浄機能をもつ腰掛式便器を使用した場合、その人体局部洗浄水が前記隙間から漏れることもある。
ここで、以下、腰掛式便器の便器本体と便座との隙間から漏れる尿や人体局部洗浄水を簡略に汚水と表現する。
【0004】
前記のような汚水漏れの問題を解決する方法として、腰掛式便器の形状を工夫する提案もなされているが、既設の腰掛式便器を変更することは費用や手間がかかる。そこで、汚水漏れを防止する部材を腰掛式便器に取り付ける提案がなされている。
【0005】
特許文献1は、弾性を有する帯板とフィン部とからなる便器用飛散防止材を、便器のリム上縁に前記フィン部を重ねるだけで着脱可能に設けることができるとされる。特許文献2では、便座裏面に隙間をカバーする部材を前後方向に位置変更可能に設けている。特許文献3は、便座の上面に重ねるのみで装着できる便座の被装体が、便座の内縁に沿って垂下する壁部を有していることにより、汚水の飛散を防止できる。特許文献4は、隙間を埋める厚さにした略U字型の吸水シートを便器に接着するものであり、使用後はトイレに流すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−147829号公報
【特許文献2】特開2006−230888号公報
【特許文献3】特開2002−506号公報
【特許文献4】特開2008−229301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1は、部材の弾性によって、隙間を塞ぐよう部材が密着することで効果を発揮するものであるため、例えば、特定の便器本体および便座に合わせて部材が提供される場合は適合すると考えられるが、既存の便器本体と便座との隙間に適した部材を判断する必要がある場合は、サイズの違いで部材が密着せずに本来の効果を発揮できない恐れがある。特に、便座下面の形状が凹状の場合は、どの部分に部材が当たるかによっても、必要な部材の大きさや形状は異なると考えられ、判断が難しい。部材が密着しない部分が存在すると、便器本体外側面への伝い漏れにつながり、不都合である。また、設置に関しては、便器本体上面に載せるフィン部は平面状であり、清掃や設置時に部材の位置がずれると、容易に便器本体開口部内に落とす恐れがある。
【0008】
特許文献2は、便器本体と便座との形状があっていない場合にも対応するとされるが、部材を便座に固定して設けるため、例えば賃貸住宅等では利用しがたく、清掃も行いにくい。また、便座に取り付ける形式は、立位排尿や清掃で便座を起立させた際に、汚水が垂れる心配がある。
【0009】
特許文献3の便器の被装体は、便器本体および便座の形状には影響されにくいと考えられるが、同じ便器を立位使用する人がいる場合は、便器の被装体を外す必要があり、置き場所等考慮すると、やや煩雑である。また、便座上面に重ねる形式は、暖房機能付き便座の機能を十分に生かせない恐れがあり、また、多くの一般家庭で、インテリアや使用感等の好みに応じた便座カバーを用いている現状にはそぐわないものである。
【0010】
特許文献4は、例えば幼児や認知症のある高齢者等、実際に便器を汚すことの多い使用者が自分で吸水シートを交換することは困難と考えられるため、別の人が気づいて清掃するまでは、吸水シートに汚水が蓄積してしまいがちであり、かえって不衛生となる恐れもある。また、立位使用する人が便座を起立させた際、吸水シートに汚水が蓄積していた場合は不快感につながる。
【0011】
ここで、汚水漏れの起こる要因および汚水漏れ防止に取り組む意義について取り上げる。
腰掛式便器での座位排泄に伴って尿が便器本体と便座との隙間から漏れる場合、尿が隙間から直接飛び散る場合と、隙間付近の便器本体や便座裏面にあたった尿が伝い漏れする場合とがあり、筆者の経験する範囲では、便器本体内周縁から内側面にあたった尿が便器本体外側面に伝い漏れすることが頻度としては多い。しかし、インターネット上の困りごと相談等のサイトには、幼児や高齢者のいる家庭において、直接尿が飛び散る場合の頻度や量が多く、悩んでいる声も少なからず見受けられる。
【0012】
尿が隙間から漏れるのは、排尿時の尿道の向きや位置の影響が大きいと考えられ、一般的には、まず使用方法の工夫で対処しようと試みる。例えば、男性の場合は陰茎を下向きにして排尿すること、女性の場合は便座後方に深く腰掛け、姿勢よく、あるいはやや前傾姿勢で排尿すること等があげられ、これらを実行することによって汚水漏れが減ることは、日常生活で実感できることである。
【0013】
しかし、上述した幼児や高齢者において、そのような注意点を実行し難い場合は、汚水漏れが続きやすいと考えられる。また、身体の障害等によって適切な姿勢を取りにくい場合や、高次脳機能障害等によって、座る位置の認知や、適切な注意を払うことが困難な場合もある。特に障害がなくても、体調の変化等によって、汚水漏れを起こす事態は誰にでも起こりうるものである。
また、排泄は生涯欠かせないものであり、かつ頻度の高い行為である。汚水漏れを起こした使用者が注意や叱責を受ける例は多いと考えられるが、排泄は人間の尊厳に関わるといわれており、精神的負担は非常に大きい。
【0014】
さらに、汚水漏れは清掃を担当する人の負担を増すものである。例えば、認知症介護等に伴って清掃頻度が極端に多い場合は、介護者を心身ともに疲弊させる深刻な問題であり、被介護者の排泄自立支援の妨げとなりかねない。また、汚水によって便器周辺の床面が濡れて滑りやすくなった場合は、転倒事故の誘因になる。例えば、座位からの起立や歩行に障害を有する人や高齢者等、もともと転倒の可能性が高い人にとっては非常に危険である。
【0015】
このような事情を考慮すると、座る位置や姿勢が多少違う程度で汚水漏れがおこるような構造になっていること自体が問題であり、早急に改善できるよう、簡便な方法で解決できることが求められる。また、腰掛式便器を快適に使用することを妨げることなく、利用できることが望ましい。
【0016】
本発明では、便器本体と便座との隙間から汚水が漏れることを防止する汚水漏れ防止具を、簡便に着脱可能で、便器本体および便座および便座カバーの機能や形状、使用感に影響することなく使用可能な汚水漏れ防止具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述の課題を解決するために、次のような汚水漏れ防止具を発明した。
請求項1の汚水漏れ防止具においては、腰掛式便器の便器本体と便座との隙間からの汚水の漏れを防止する汚水漏れ防止具であって、前記汚水漏れ防止具は、汚水を受ける帯状の汚水受け部および前記汚水受け部を前記便器本体に着脱可能に取り付ける装着部よりなり、前記汚水受け部と前記便器本体との間に汚水排出用の間隙部を形成することを特徴とする汚水漏れ防止具である。
【0018】
請求項2の汚水漏れ防止具においては、前記便座を前記便器本体に載置した状態において、前記汚水受け部の上端は、平面視で前記便座外周縁より内側に位置し、かつ、側面視で前記便器本体上端の高さより上側に位置しており、前記汚水受け部の下端は、平面視で前記便器本体内周縁より内側に位置し、かつ、側面視で前記便器本体上端の高さより下側に位置することを特徴とする請求項1に記載の汚水漏れ防止具である。
【0019】
請求項3の汚水漏れ防止具においては、前記汚水受け部は柔軟性を有することを特徴とする請求項2に記載の汚水漏れ防止具である。
【0020】
請求項4の汚水漏れ防止具においては、前記装着部の一部または全部に線状の金属材料を用いることを特徴とする請求項2又は3に記載の汚水漏れ防止具である。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の汚水漏れ防止具においては、腰掛式便器の便器本体と便座との隙間からの汚水の漏れを防止する汚水漏れ防止具であって、前記汚水漏れ防止具は、汚水を受ける帯状の汚水受け部および前記汚水受け部を前記便器本体に着脱可能に取り付ける装着部よりなることにより、汚水は前記汚水受け部にあたり、前記便器本体の開口部内へ流れ落ちるため、前記隙間からの汚水漏れを防止でき、汚水が前記汚水漏れ防止具に蓄積することもない。
【0022】
同じく、前記汚水漏れ防止具は、汚水を受ける帯状の汚水受け部および前記汚水受け部を前記便器本体に着脱可能に取り付ける装着部よりなることにより、立位排尿や清掃の際に便座を起立させても汚水が垂れる心配はない。
【0023】
同じく、前記汚水漏れ防止具は、汚水を受ける帯状の汚水受け部および前記汚水受け部を前記便器本体に着脱可能に取り付ける装着部よりなることにより、既存の腰掛式便器に設置可能であり、取り外して清掃することも容易である。
【0024】
同じく、前記汚水漏れ防止具は、汚水を受ける帯状の汚水受け部および前記汚水受け部を前記便器本体に着脱可能に取り付ける装着部よりなることにより、暖房機能付き便座の機能を妨げることなく使用でき、便座カバーの使用にも影響しない。
【0025】
前記汚水受け部と前記便器本体との間に汚水排出用の間隙部を形成することにより、汚水が前記汚水受け部の上端を超えて前記汚水受け部外側面に伝わった場合も、汚水は前記間隙部から前記便器本体開口部内に流れ落ちるため、前記便器本体と便座との隙間からの汚水漏れを防止できる。
【0026】
同じく、前記汚水受け部と前記便器本体との間に汚水排出用の間隙部を形成することにより、前記汚水漏れ防止具を前記便器本体に取り付けたまま、立位排尿が可能であり、前記汚水受け部に尿があたった場合であっても、尿は前記間隙部から前記便器本体開口部内に流れ落ちるため、前記汚水漏れ防止具を設置したことによる前記便器本体外側面への伝い漏れが生じることはない。
【0027】
請求項2の汚水漏れ防止具においては、前記便座を前記便器本体に載置した状態において、前記汚水受け部の上端は、平面視で前記便座外周縁より内側に位置し、かつ、側面視で前記便器本体上端の高さより上側に位置しており、前記汚水受け部の下端は、平面視で前記便器本体内周縁より内側に位置し、かつ、側面視で前記便器本体上端の高さより下側に位置することにより、前記汚水漏れ防止具を前記便器本体に取り付ける際の適応範囲は広く、作業が容易となり、かつ、汚水漏れを防止できる。
【0028】
請求項3の汚水漏れ防止具においては、前記汚水受け部が柔軟性を有することにより、
前記便器本体および前記便座の形状に応じて前記汚水受け部を変形でき、多様な腰掛式便器に対応可能である。
【0029】
同じく、前記汚水受け部が柔軟性を有することにより、前記汚水受け部の上端が前記便座裏面に接するように取り付ける場合、密着しやすく、汚水漏れを防止できる。
【0030】
請求項4の汚水漏れ防止具においては、前記装着部の一部または全部を線状の金属材料で形成することにより、前記装着部は曲げることができ、かつ、曲げた形状を保持できるため、装着部を便器本体の形状にあわせて変形可能であり、安定して取り付けることができる。
【0031】
同じく、前記装着部の一部または全部を線状の金属材料で形成することにより、前記装着部は曲げることができ、かつ、曲げた形状を保持できるため、前記装着部は、前記便器本体および便座の隙間に応じて、前記汚水受け部の傾きや位置を自在に変更でき、多様な腰掛式便器に対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による実施例1の形態を示す斜視図である。
【図2】図1において便座を起立させた状態を示す斜視図である。
【図3】図1A−A線における矢視断面図である。
【図4】図2における平面図である。
【図5】同実施例における応用例を示す図3相当図である。
【図6】本発明による実施例2の形態を示す斜視図である。
【図7】図6において便座を起立させた状態を示す斜視図である。
【図8】図6B−B線における矢視断面図である。
【図9】同実施例における変形例を示す図8相当図である。
【図10】図9において便座を起立させた状態を示す平面図である。
【図11】同実施例における変形例を示す図8相当図である。
【図12】同実施例における変形例を示す図8相当図である。
【図13】本発明による実施例3の形態を示す平面図である。
【図14】同実施例の形態を、図13C−C線において示す矢視断面図である。
【図15】本発明によつ実施例4の汚水漏れ防止具を示す斜視図である。
【図16】同実施例の応用例を示す斜視図である。
【図17】本発明による実施例5の汚水漏れ防止具を示す斜視図である。
【図18】同実施例の形態を、図17D−D線において示す矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の実施の形態を図で説明する。
【実施例1】
【0034】
本発明の第1の実施例の形態を図1〜図4により説明する。図1は、本発明の実施の形態を示す斜視図、図2は、図1において便座を起立させた状態を示す斜視図、図3は、図1A−A線における矢視断面図、図4は図2における平面図である。
【0035】
腰掛式便器6は、便器本体30とその便器本体30の後端近くに回動可能に取り付けられた便座40とを備えている。便座40は略O型をなし、便座裏面41は内周縁42と外周縁43の間が凹状をなす形状であり、その便座裏面41に脚部44が適当個数固定されている。便器本体30と便座40との間には、隙間7が存在している。
【0036】
なお、図示した腰掛式便器6は例示したものであり、便器本体30の形状が異なっていてもよいし、便座40の形状が異なっていてもよく、人体局部洗浄機能や暖房機能等の設備を有する腰掛式便器であってもよい。また、室内に置いて使用する介護用ポータブルトイレであってもよい。
【0037】
汚水漏れ防止具1は、汚水を受ける帯状の汚水受け部10、およびその汚水受け部10に連接する装着部20とからなる。なお、図示した装着部20の個数は例示したものであり、この個数に限定するものではない。
【0038】
装着部20は便器本体30に着脱可能に取り付けるよう形成しており、便器本体30の上端32および内側面33および外側面34に沿う略コの字型をなす便器装着部23、およびその便器装着部23に連接し、細い棒状をなす連結部21とからなり、その連結部21は汚水受け部10の下端12の一部に連接している。
【0039】
汚水受け部10は帯状の部材を円弧状に曲げてなり、その上端11付近には、汚水受け部10の内側面13が凹状となるよう形成したC型部15を設けている。汚水受け部10の上端11は、平面視で便座40の外周縁43と内周縁42の間に位置し、かつ、側面視で便座40の内周縁42の高さ以上に位置している。
【0040】
汚水受け部10の下端12は、平面視で便器本体30の内周縁35より内側に位置し、かつ、側面視で便器本体30の上端32の高さより下側に位置している。また、汚水受け部10と便器本体30とは接しておらず、汚水排水用の間隙部22を形成している。また、汚水漏れ防止具1は、全体に撥水加工および抗菌加工を施している。
【0041】
なお、汚水受け部10の形状は前記に限定するものではない。例えば、汚水受け部10が便器本体内周縁35の全周に及ぶ円形をなしていてもよいし、C型部15がなくてもよく、内側面13および外側面14に凹凸状部を形成してもよい。
【0042】
装着部20の形状および構造は前記に限定するものではなく、装着部20を便器本体30に取り付ける方法が、別の方法でもよい。また、汚水漏れ防止具1は撥水加工および抗菌加工をしなくてもよく、防汚加工等の別の加工を施すことも特に限定しない。
【0043】
素材について、汚水受け部10のC型部15はエラストマー樹脂とした。この他、シリコン等、柔軟性を有する材料が望ましい。前記C型部15を除く汚水受け部10および装着部20はポリプロピレン樹脂とした。この他、シリコン、エラストマー樹脂等の樹脂材料、ステンレス等の金属材料等、特に限定しない。
【0044】
サイズは、汚水受け部10は 高さ2cm〜4cm程度、長さ30cm〜50cm程度、厚さ2mm〜5mm程度としたが、この例に限定するものではない。装着部20は、連結部21は直径5mm程度の円柱で長さ5mm〜1cm程度、便器装着部23は、幅1cm〜3cm程度、便器本体内側面33に接する部分の長さ1cm〜2cm程度、便器本体外側面34に接する部分の長さ4cm〜6cm程度としたが、この例に限定するものではない。
【0045】
以上の構成よりなる汚水漏れ防止具1は、汚水が便器本体30と便座40との間の隙間7の方向に飛んだ場合に、汚水は汚水受け部10にあたり、隙間7から漏れることはない。汚水は汚水受け部10の内側面13を流れて便器開口部31内へ流れ落ちるだけでなく、汚水受け部上端11を超えるように伝わった汚水も、汚水受け部10の外側面14を流れ、汚水排水用の間隙部22から便器開口部31内へ流れ落ちることができる。
【0046】
これにより、例示した便座40のように、略O型をなし、便座裏面41が凹状をなす形状の便座においては、汚水受け部上端11が便座裏面41に接していなくても、便座内周縁42の高さ以上に位置していれば、便器本体30と便座40との隙間7からの汚水漏れは充分防ぐことができる。そのため、汚水漏れ防止具1は、便器本体30と便座40との隙間7の高さが多少違っていても適応しやすい。
【0047】
また、後述する図5のように、汚水受け部上端11を便座裏面41に接するように位置させてもよいが、例えば汚水の勢いが強い場合や量が多い場合は、行き場を失った汚水が使用者側にあふれるように伝ってきたり、跳ね返りが増える恐れがある。図4に示すように、汚水受け部上端11が便座裏面41に接しない設置方法のほうが、汚水はスムーズに流れることができ、便座裏面41への汚水付着も少なく、好ましい。便座裏面41の形状が凹状である便座は、暖房機能等のない普通便座では比較的多くみられるタイプであるため、利便性が高い。
【0048】
図5は、腰掛式便器6の便座40の裏面41が平面状である場合の設置例を示している。
汚水が隙間7に達しないよう、汚水受け部上端11は便座裏面41に接するように設置しており、本例においては、C型部15が柔軟性を有する材料としたため、便座裏面41に汚水受け部上端11が接しやすく、汚水漏れを防止できる。
【0049】
さらに、仮に便座裏面41と汚水受け部上端11との間が密着せずに隙間が生じた場合でも、汚水は汚水受け部外側面14に伝わり、汚水排出用の間隙部22から流れ落ちることができ、確実に汚水漏れを防止することができる。
【0050】
腰掛式便器6を立位使用する場合については、汚水受け部10は便器本体30の内周縁35のやや内側に位置しており、汚水受け部上端11は便器本体上端32の高さより数cm上側に位置する程度であるので、汚水漏れ防止具1を取り付けたままでも立位排尿の支障にはならない。立位排尿時に汚水漏れ防止具1に尿があたったとしても、尿は汚水排出用間隙部22から便器開口部31内へ流れ落ちることができ、便器本体外側面34に伝い漏れすることはない。
【0051】
このように、汚水は汚水漏れ防止具1によって、便器本体開口部31内に流れ落ち、便器本体30と便座40との隙間7から汚水が漏れることはなく、汚水漏れ防止具1に汚水が蓄積することもない。汚水漏れ防止具1に汚水が付着していても、座位使用時は便座40の下方に位置しているため、目立たず、不快感をおこしにくい。
【0052】
また、汚水漏れ防止具1は便器本体30に取り付けているため、便座40を起立させた際に汚水が垂れる心配はない。また、便座40が暖房機能付き便座であった場合でも、暖房機能に影響することはなく、また、便座カバーは従来通り好みのものを選ぶことができ、便座40の上に載置するタイプの補高便座や子ども用補助便座を装着することの支障にもならない。
【0053】
また、汚水漏れ防止具1は着脱可能であるため、はずして便器本体30を清掃することや、汚水漏れ防止具1を丸洗いすることも可能であり、再度取り付けることも容易である。
【0054】
このように、本実施例は、腰掛式便器6を快適に利用することを妨げずに、簡便に汚水漏れを防止できる。さらに、C型部15を設けることにより、便器本体30と便座40との隙間7の高さの多少の違いには対応できるよう形成することも可能である。そのため、本実施例の具体的な用途としては、特定の便器本体30に複数の便座40、例えば、普通便座や暖房機能付き便座や局部洗浄機能付き便座等の複数の組み合わせが想定される場合に、それらの隙間7にあう汚水漏れ防止具1を製造販売する場合に適する。
【実施例2】
【0055】
本発明の実施の形態を図6〜図8により説明する。なお、実施例1と共通する構成要素については同一符号を付し、その説明は省略する。
図6は、本発明による実施の形態を示す斜視図、図7は、便座を起立させた状態を示す斜視図、図8は、図6B−B線における矢視断面図である。
【0056】
汚水漏れ防止具2は、便器本体30に着脱可能に取り付けできる装着部120およびその装着部120に連接する汚水受け部110とからなる。
汚水受け部110は柔軟性を有する材料117よりなり、帯状の部材を円弧状に曲げてなり、その上端111付近には、汚水受け部110の内側面113が凹状となるよう形成したC型部115を設けている。また、汚水受け部110は、全体に撥水加工および抗菌加工を施している。
【0057】
なお、汚水受け部110の形状は前記に限定するものではない。例えば、汚水受け部110が便器本体内周縁35の全周に及ぶ円形をなしていてもよいし、C型部115がなくてもよく、内側面113および外側面114に凹凸状部を形成してもよい。撥水加工および抗菌加工をしなくてもよく、防汚加工等の別の加工を施すことも特に限定しない。
【0058】
装着部120は、1本の線状の金属材料125よりなり、その両端部126,126を汚水受け部110の下端112に設けた穴部116,116に挿入して固定している。なお、図示した装着部120の個数は例示したものであり、この個数に限定するものではないが、安定した装着のためには、3個以上であることが望ましい。
【0059】
また、装着部120の形状および構造は前記に限定するものではない。例えば、汚水受け部110と装着部120との連結方法や連結位置が異なっていてもよく、装着部120の線状の金属材料125が被覆されていてもよい。
【0060】
素材について、汚水受け部110はシリコンとした。この他、エラストマー樹脂等の柔軟性を有し、比較的軽量な樹脂材料等が望ましい。また、ステンレス、アルミニウム等の金属材料でもかまわないが、その場合は手で曲げることができる程度の柔軟性を有するよう、厚さや形状を工夫する。装着部120の金属材料125はアルミニウムとした。この他、アルミ合金、ステンレス等、特に限定しない。
【0061】
サイズは、汚水受け部110は 高さ2cm〜4cm程度、長さ30cm〜50cm程度、厚さ5mm〜8mm程度としたが、この例に限定するものではない。装着部120の線状の金属材料125は、直径2〜4mm程度、端部126−126の長さ18cm〜22cm程度としたが、この例に限定するものではない。
【0062】
以上の構成よりなる汚水漏れ防止具2は、装着部120に線状の金属材料125を用いたことにより、曲げることができ、かつ曲げた形状を保持できるため、装着部120を便器本体30の形状にあわせて変形して設置することが可能である。また、汚水受け部110が柔軟性を有することにより、汚水受け部110は曲げることができ、便器本体30および便座40の形状にあわせて変形することが可能である。
【0063】
次に、汚水漏れ防止具2を腰掛式便器6に設置する方法を説明する。
まず、装着部120のうち、汚水受け部110付近の部分121を曲げた後、装着部120を便器本体30の内側面33に沿わせる。汚水受け部110の上端111は、平面視で前記便座外周縁43より内側に位置し、かつ、側面視では少なくとも前記便器本体上端32の高さより上側に位置するように、望ましくは便座内周縁42の高さ以上に位置するようにして、装着部120のうち、便器本体内周縁35に接する部分123を曲げる。装着部120が便器本体30の上端32および外側面34に沿うようにして、便器本体外周縁36に接する部分124を曲げる。
【0064】
この状態において、汚水受け部110の下端112は、平面視で便器本体30の内周縁35より内側に位置し、側面視で便器本体上端32より下側の高さに位置することを確認し、不適切な場合は、装着部120の曲げ方で調節する。
複数の装着部120を同様に曲げて設置した後、便座40を便器本体30の上に載置し、汚水受け部110が汚水を受ける適切な傾きおよび位置になるよう、装着部120の曲げ方を微調整して、設置は終了である。
【0065】
なお、汚水受け部110と便器本体30との間には、装着部120が存在することによって、汚水排水用の間隙部22が形成されている。汚水排出促進のために間隙部22を広くするよう、装着部120の曲げ方を調節することも可能である。
【0066】
汚水受け部110の位置については、図8に示した例に限定するものではない。例えば、図8における腰掛式便器6において、汚水受け部110の上端111が便器本体30の上端32とほぼ同じ位置に設置した場合、汚水が隙間7から直接とび出す方向に飛ぶ場合は汚水漏れの恐れがあるが、便器本体30の内周縁35から内側面33にあたる汚水が原因の伝い漏れは、間隙部22があることによって、充分防止可能である。よって、汚水受け部110の細かい位置調節ができなかった場合でも、汚水漏れ防止具2は一定以上の効果を有する。
【0067】
また、伝い漏れに効果的である点は、例えば介護用ポータブルトイレに応用することもできる。ポータブルトイレにおいては、汚水漏れ防止のために便器本体上端32が凹状に形成されていることが多いが、そこに汚水が溜まることはあるため、本実施例を利用して伝い漏れを防止することは有用である。
【0068】
図9は、便器本体30の形状および大きさ、および便器本体30と便座40との隙間7の高さが図8と異なっており、便座裏面41が平面状である例を示している。
【0069】
装着部120は変形自在な線状の金属材料125よりなるため、装着部120は便器本体上端32および内側面33および外側面34の形状に沿うよう変形でき、安定して取り付けることが可能であり、また、装着部120は便器本体30と便座40との隙間7の形状や大きさに応じて曲げて調節することが可能である。
【0070】
また、汚水受け部110が柔軟性を有するため、便器本体30の内周縁35の大きさおよび形状が異なっていても、それに応じて汚水受け部110は曲げることができる。
【0071】
このように、本実施例においては、前述した実施例1に比べ、様々な便器本体および便座の形状に応じて、汚水漏れ防止具2を設置することが可能である。
【0072】
図11、12は、腰掛式便器6の前端部において、便器本体内周縁35が、便座内周縁42よりやや内側に位置する場合の設置例を示している。このような例は、便器本体内周縁35が小さいタイプの腰掛式便器6において、便座40のみを局部洗浄機能付き便座等に交換した場合にみられることが多い。本来であれば、腰掛式便器6の前端部において、便器本体内周縁35は便座内周縁42よりやや外側に位置するように、適切な組み合わせであることが望ましいが、やむを得ない場合は汚水漏れ防止具2を用いることもできる。
【0073】
図11では、汚水受け部上端111が便座上面45の高さよりやや低い程度の高さで、便器本体内周縁35よりやや内側に位置するよう、間隙部122を設けて設置している。上述してきた設置例に比べて、汚水受け部110が腰掛式便器使用者に近く、見えやすい位置にあるため、精神的にはやや負担であるが、汚水は汚水受け部内側面113および外側面114から効率よく流れ落ちることができる。便座裏面41に汚水が付着することもほとんどなく、清掃が容易である。
【0074】
図12は、図11において、汚水受け部110の傾きおよび位置を変えた設置例である。図11に比べて、汚水受け部110の傾き等の関係上、やや汚水が使用者に跳ね返りやすくなるが、汚水が直接隙間7から漏れることは防止でき、汚水受け部110の位置も便座40の下方でやや見えにくくすることができる。
【0075】
上述してきた例に限らず、腰掛式便器6の形状や、使用者の状況にあわせて、汚水漏れ防止具2を設置し、使用することが可能である。
本実施例は、前記実施例1の効果に加えて、既存の多様な腰掛式便器6に使用することが可能であるため、便器本体30と便座40との隙間7の形状との不適合を心配することなく、汚水漏れ防止具2を導入でき、汚水漏れの問題を早期に解決することができる。構造も単純であり、安価に提供することが可能である。
【実施例3】
【0076】
本発明の実施の形態を図13、14により説明する。なお、実施例1、2と共通する構成要素については同一符号を付し、その説明は省略する。
図13は本発明の実施の形態を、便座を起立させた状態で示す平面図、図14は、図13C−C線における矢視断面図を、便座を便器本体に載置した状態で示している。
【0077】
汚水漏れ防止具3は、汚水漏れ防止具2において、汚水受け部110のC型部115の下方に、線状の金属材料118を汚水受け部110の長辺方向に向かって埋設した例である。なお、線状の金属材料118の両端は汚水受け部110から出ないように埋設している。
【0078】
線状の金属材料118は、直径2mm〜4mm程度のアルミニウムとした。この他、アルミ合金、ステンレス等、特に限定しない。また、線状の金属材料118の本数や埋設する位置は前記に限定するものではない。
【0079】
以上の構成よりなる汚水漏れ防止具3は、汚水受け部110に線状の金属材料118を埋設したことにより、汚水受け部110を便器本体30および便座40の形状に応じて、曲げることができ、かつ、その形状を保持することができる。そのため、汚水受け部110の位置も適切に保持されやすくなり、望ましい。また、清掃等で汚水漏れ防止具3を取り外した後、再度取り付けることも簡便に可能である。
【実施例4】
【0080】
本発明の実施の形態を図15により説明する。なお、実施例1、2と共通する構成要素については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0081】
図15に示す汚水漏れ防止具4は、汚水漏れ防止具2において、汚水受け部110の穴部116をあらかじめ多数設け、装着部120を着脱可能に構成している。そのため、汚水受け部110の適切な穴部116を選んで装着部120を挿入することにより、装着部120の位置調節が可能である。
【0082】
以上の構成よりなる汚水漏れ防止具4は、例えば、便座脚部44と装着部120が接触しないように、装着部120の位置を調節して便器本体30に取り付けることができ、安定した設置が可能となる。
【0083】
また、図16は、汚水漏れ防止具4を便座40がU型である場合に応用した例を示す斜視図である。本実施例において、汚水受け部110の柔軟性を有する材料117はシリコンとしており、U型開口部46にあう長さに切断した汚水受け部110に装着部120を連結して便器本体30に取り付けている。
【0084】
なお、汚水受け部上端111は便座内周縁42よりやや高い位置にしているが、この例に限定するものではない。この他、U型開口部46の側方の便座40の下方にも汚水漏れ防止具4を設置してもよいし、U型開口部46に関係なく、O型便座の場合と同様な設置をすることもできる。
【0085】
このように、本実施例においては、装着部120の位置調節が可能であり、また、汚水受け部110の材料117を切断が容易な素材とすることにより、腰掛式便器6の形状や使用者の都合にあわせて、汚水漏れ防止具4を容易に加工することができ、簡便に汚水漏れを防止することができる。汚水漏れ防止具4は単純な構造で安価に提供可能であるので、加工することへの精神的負担も少なく、利便性が高い。
【実施例5】
【0086】
本発明の実施の形態を図17、18により説明する。なお、実施例1乃至4と共通する構成要素については同一符号を付し、その説明は省略する。
図17は、本発明による汚水漏れ防止具5を示す斜視図、図18は、図D−D線における矢視断面図を便器本体および便座とともに示している。
【0087】
汚水漏れ防止具5は、便器本体30に着脱可能に取り付けできる装着部220およびその装着部220に連接する汚水受け部110とからなる。なお、図示した装着部220の個数は例示したものであり、この個数に限定するものではない。
【0088】
汚水受け部110は、実施例3に準じ、線状の金属材料118を埋設しているが、穴部116は形成していない構造である。
【0089】
装着部220は、クリップ部221および変形部223よりなる。変形部223は、線状の金属材料125を樹脂材料127で被覆した部材よりなり、一方の端部224には保護キャップ225を装着し、他端部226はクリップ部221に固定している。
クリップ部221は内側に凹凸部222を有しており、汚水受け部110の一部119をクリップ部221に挟んで保持した際、凹凸部222がすべりどめの機能を有するようになっている。
【0090】
なお、図示した装着部220の個数は例示したものであり、この個数に限定するものではないが、安定した装着のためには、3個以上であることが望ましい。また、図示した装着部220が保持する汚水受け部110の一部119は例示したものであり、この位置に限定するものではない。また、装着部220が汚水受け部110を保持する方法は前記に限定するものではなく、他の方法でもよい。
【0091】
素材について、汚水受け部110の金属材料118、および装着部220の変形部223の金属材料228はアルミニウムとした。この他、アルミ合金、ステンレス等、比較的軽量で、さびにくいものが望ましい。変形部223の樹脂材料227は、シリコンとした。この他、エラストマー樹脂等、柔軟性を有し、比較的軽量である材料が望ましい。
【0092】
サイズは、装着部220の変形部223の線状の金属材料228は直径2mm〜4mm程度、樹脂材料227を含めた変形部223の直径は3mm〜8mm程度、変形部223の長さ18cm〜22cm程度としたが、この例に限定するものではない。クリップ部221は高さ2cm〜4cm程度、長さ2cm〜3cm程度としたが、この例に限定するものではない。
【0093】
次に、汚水漏れ防止具5を腰掛式便器6に設置する方法を説明する。
まず、汚水受け部110を便器本体30の内周縁35に概ね沿う形状に曲げて変形した後に、装着部220のクリップ部221に汚水受け部110の一部119を挟んで保持する。
【0094】
装着部220の変形部223は、便器本体30に沿うように変形して使用する。変形部223のうち、クリップ部221付近の部分231を曲げた後、変形部223を便器本体30の内側面33に沿わせる。
汚水受け部110の上端111が、平面視で前記便座外周縁43より内側に位置し、かつ、側面視で少なくとも前記便器本体上端32の高さより上側に位置するように、望ましくは便座内周縁42の高さ以上に位置するようにして、変形部223のうち、便器本体内周縁35に接する部分232を曲げる。変形部223が便器本体30の上端32および外側面34に沿うようにして、便器本体外周縁36に接する部分233を曲げる。
【0095】
汚水受け部110の下端112の位置の確認、汚水受け部110の傾きおよび位置調整および間隙部22の広さの調整については、実施例2の装着部120と同様に可能である。
【0096】
なお、図17,18では、変形部223のうち、符号233で示す部分から端部224までの部分も便器本体30に沿うように曲げて、安定するよう設置しているが、この形状に限定するものではなく、自由に設置可能である。
【0097】
以上の構成よりなる汚水漏れ防止具5は、汚水受け部110が柔軟性を有する樹脂材料117を主体とし、線状の金属材料118を用いていることにより、汚水受け部110を変形可能で、かつ、その形状を保持可能であり、また、装着部220とは着脱可能に形成されているため、便器本体30および便座40の形状に応じて汚水受け部110の形状を調節することが容易である。
【0098】
装着部220はクリップ部221で汚水受け部110の一部119を保持するため、装着部220の位置の調節が自由に可能である。また、装着部220を汚水受け部110から外して、それぞれを洗うことも容易である。
【0099】
変形部223は樹脂材料227で被覆されているため、金属材料228のみの場合に比べ、便器本体30を傷つけることなく、外観にすぐれ、汚れても清掃しやすく、かつ、変形の自由度は保持されている。樹脂材料227の素材や表面の形状によって、すべりどめ機能を付加することもでき、汚水漏れ防止具5をさらに安定して設置することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明による汚水漏れ防止具は、製造についてはトイレ用品産業、販売についてはトイレ用品および介護用品および幼児向け用品等を扱う産業において利用可能性がある。
【符号の説明】
【0101】
1…汚水漏れ防止具、2…汚水漏れ防止具、3…汚水漏れ防止具、4…汚水漏れ防止具、5…汚水漏れ防止具、6…腰掛式便器、7…隙間、10…汚水受け部、11…上端、12…下端、13…内側面、14…外側面、15…C型部、20…装着部、21…連結部、22…間隙部、23…便器装着部、30…便器本体、31…便器開口部、32…上端、33…内側面、34…外側面、35…内周縁、36…外周縁、40…便座、41…便座裏面、42…内周縁、43…外周縁、44…脚部、45…上面、46…U型開口部、110…汚水受け部、111…上端、112…下端、113…内側面、114…外側面、115…C型部、116…穴部、117…材料、118…金属材料、119…一部、120…装着部、121…部分、122…間隙部、123…部分、124…部分、125…金属材料、126…端部、220…装着部、221…クリップ部、222…凹凸部、223…変形部、224…端部、225…保護キャップ、226…端部、227…樹脂材料、228…金属材料、231…部分、232…部分、233…部分


【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰掛式便器の便器本体と便座との隙間からの汚水の漏れを防止する汚水漏れ防止具であって、前記汚水漏れ防止具は、汚水を受ける帯状の汚水受け部および前記汚水受け部を前記便器本体に着脱可能に取り付ける装着部よりなり、前記汚水受け部と前記便器本体との間に汚水排出用の間隙部を形成することを特徴とする汚水漏れ防止具。
【請求項2】
前記便座を前記便器本体に載置した状態において、前記汚水受け部の上端は、平面視で前記便座外周縁より内側に位置し、かつ、側面視で前記便器本体上端の高さより上側に位置しており、前記汚水受け部の下端は、平面視で前記便器本体内周縁より内側に位置し、かつ、側面視で前記便器本体上端の高さより下側に位置することを特徴とする請求項1に記載の汚水漏れ防止具。
【請求項3】
前記汚水受け部は柔軟性を有することを特徴とする請求項2に記載の汚水漏れ防止具。
【請求項4】
前記装着部の一部または全部に線状の金属材料を用いることを特徴とする請求項2又は3に記載の汚水漏れ防止具。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−234767(P2011−234767A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106141(P2010−106141)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【特許番号】特許第4620801号(P4620801)
【特許公報発行日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(310002374)
【Fターム(参考)】