説明

決済処理装置

【課題】アンテナ部の通信可能領域に記録媒体を翳した状態で決済サービス情報の選択を許容することにより、利便性の向上を図ることができる決済処理装置を提供すること。
【解決手段】適用対象となる決済サービス情報毎に設けられ、かつ決済サービス情報を選択するための電子決済選択ボタン31と、所定のアクセス領域に翳された電子マネーカード40との間で、電子決済選択ボタン31を通じて選択された決済サービス情報に応じてデータの読み出し及び書き込みを行うアンテナ部32とを備え、選択された決済サービス情報に基づいて決済処理を実施する決済処理装置30において、電子決済選択ボタン31は、電子マネーカード40を保持する手で操作される場合に、電子マネーカード40がアンテナ部32のアクセス領域に翳されるような位置に配置してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済処理装置に関し、より詳細には、例えばICカード等の記録媒体との間で決済処理を実施する決済処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆる「電子マネーカード」と称されるICカード等の記録媒体に有価価値情報を記録させ、この有価価値情報を用いて商品やサービスの代価を決済するようにした電子決済システムが種々提供されている。これらの電子決済システムは、決済に際して現金を持ち合わせる必要がないため、利用者側の利便性のみならず、店舗側においても決済処理を容易化することができる等の利点がある。しかも、セキュリティの面も考慮されており、電子決済端末機器に用意された電子決済モジュールとの間において相互認証処理を実施し、相互認証が成立した場合にのみ電子マネーカードに対して電子決済処理が実施されることになる。つまり、電子マネーカードにおいては、相互認証が成立した電子決済モジュールのみが読み書きを行うことのできるセキュアな記憶領域に有価価値情報を記録することによって所定のセキュリティが確保されている。
【0003】
ここで、上述の電子決済モジュールは、それぞれの電子決済システムで独自に開発されたものが殆どであり、電子決済システムが相違する電子マネーカードとの間において相互認証が成立することはなく、当然に有価価値情報の読み書きを行うことも不可能である。従って、例えば、利用者が一の電子決済事業者の電子決済システムに対応した電子マネーカードを所有しているとしても、店舗側の電子決済端末機器が他の電子決済事業者の電子決済システムに対応した電子決済モジュールを備えたものである場合には、利用者の提示した電子マネーカードを取り扱うことができず、電子決済を行うこともできない。
【0004】
近年、複数の決済サービス情報が記録された記録媒体(ICカード、携帯電話等)が普及しており、かかる記録媒体に対応するために、適用対象となる決済サービス情報を択一的に選択させ、選択された決済サービス情報に応じて所定の通信可能領域に翳された記録媒体との間で決済処理を実施するような自動販売機(決済処理装置)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2008−65799号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上述したような自動販売機では、所定の通信可能領域に翳されたICカードとの間で通信を行うアンテナ部(リーダライタ部)と、決済サービス情報の選択を行う電子決済ボタン(選択手段)とが離隔しているために、利用者は、一度電子決済選択ボタンを押下して決済サービス情報を選択した後に、アンテナ部の通信可能領域にICカードを翳す必要がある。つまり、利用者が決済処理を行うためには、決済サービス情報の選択を行う動作と、その後にアンテナ部の通信可能領域にICカードを翳す動作との2つの動作(以下、2アクションとも称する)が必要になる。そのため利用者にとってはこれらの動作が煩雑なものとなる虞れがあり、利便性の向上が求められている。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて、アンテナ部の通信可能領域に記録媒体を翳した状態で決済サービス情報の選択を許容することにより、利便性の向上を図ることができる決済処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る決済処理装置は、適用対象となる決済サービス情報毎に設けられ、かつ決済サービス情報を選択するための選択手段と、所定の通信可能領域に翳された記録媒体との間で、前記選択手段を通じて選択された決済サービス情報に応じてデータの読み出し及び書き込みを行うアンテナ部とを備え、選択された決済サービス情報に基づいて決済処理を実施する決済処理装置において、前記選択手段は、前記記録媒体を保持する手で操作される場合に、該記録媒体が前記アンテナ部の通信可能領域に翳されるような位置に配置してあることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る決済処理装置は、上述した請求項1において、前記選択手段は、前記アンテナ部に近接する上方域、あるいは前記アンテナ部に近接する奥方域に配置してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、選択手段が、記録媒体を保持する手で操作される場合に、該記録媒体がアンテナ部の通信可能領域に翳されるような位置に配置してあるので、かかる手で保持される記録媒体がアンテナ部の通信可能領域に翳されることになる。これにより利用者は1アクションで決済サービス情報の選択及び決済処理を行うことが可能になり、煩雑なものとなる虞れがない。従って、アンテナ部の通信可能領域に記録媒体を翳した状態で決済サービス情報の選択を許容することにより、利便性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る決済処理装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態である決済処理装置が適用された自動販売機を模式的に示したものであり、図1は斜視図であり、図2は内部構成を簡略的に示した説明図である。また、図3は本発明の実施の形態である決済処理装置が適用された自動販売機の制御系を示すブロック図である。ここに例示する自動販売機は、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を販売するためのもので、本体キャビネット1を備えている。 本体キャビネット1は、前面が開口した直方状の断熱筐体として形成したものである。この本体キャビネット1の内部には、複数のコラム2が左右、前後に並設してある。各コラム2には、同一種類の商品が上下方向に沿って収納してある。コラム2の下方部には、商品搬出機3が設けてある。商品搬出機3は、指令が与えられた場合に、対応するコラム2に収納された商品群のうち最下段にあるものを1つずつ搬出するものである。搬出された商品は、商品シュータ(図示せず)等を転動した後に、後述する商品取出口10に至る。
【0013】
上記自動販売機には、本体キャビネット1の一側縁部に外扉4が設けてある。外扉4は、本体キャビネット1の前面開口を開閉するものであり、前面側にディスプレイウィンドウ5、硬貨投入口6、紙幣挿入口7、金額表示器8、硬貨返却口9、商品取出口10、商品選択ボタン11が設けてある一方、外扉4の後面側には、硬貨処理機12(図3参照)、硬貨回収箱(図示せず)、紙幣処理機13(図3参照)が設けてある。
【0014】
ディスプレイウィンドウ5は、商品見本14を利用者に視認させるための窓である。硬貨投入口6は、利用者が硬貨を投入するための開口である。この硬貨投入口6を通じて投入された硬貨は、硬貨処理機12においてその金種が識別され、その後硬貨回収箱に収容される。紙幣挿入口7は、利用者が紙幣を挿入するための開口である。この紙幣挿入口7を通じて挿入された紙幣は、紙幣処理機13においてその金種が識別される。また、上記紙幣挿入口7は、紙幣処理機13において識別できなかった紙幣を返却するための機能を有している。金額表示器8は、貨幣の投入金額等を表示するためのものである。硬貨返却口9は、硬貨処理機12において識別できなかった硬貨、あるいは釣銭となる硬貨を利用者に返却するための開口である。また、硬貨返却口9は、利用者が返却レバー15を操作することにより、硬貨投入口6を通じて投入された硬貨を返却するための機能を有している。商品取出口10は、商品搬出機3により搬出されたコラム2内の商品を利用者が取り出すための開口である。
【0015】
商品選択ボタン11は、利用者が購入商品を選択するための押ボタンスイッチであり、ディスプレイウィンドウ5を通じて視認される商品見本14毎に用意してある。かかる商品選択ボタン11は、押下された場合には、割り付けられた商品等に関する情報を商品信号として後述する基本動作制御部20に出力するものである。
【0016】
上記自動販売機は、上記構成要素の他に、基本動作制御部20及び決済処理装置30を有している。
【0017】
基本動作制御部20は、基本動作メモリ21に予め格納されたプログラムやデータ等により自動販売機の基本動作、すなわち商品選択、金銭処理及び商品搬出等の各動作の統括的な制御を行うものである。特に基本動作制御部20は、押下された商品選択ボタン11から商品信号が出力された場合には、かかる商品信号に含まれる商品の決済金額を決済金額信号として決済処理装置30の電子決済制御部33に対して出力するものであり、また、決済処理装置30の電子決済制御部33からの決済処理終了信号が与えられることにより、商品搬出動作の制御を行うものである。
【0018】
決済処理装置30は、電子決済選択ボタン(選択手段)31、アンテナ部32及び電子決済制御部33を備えて構成してある。電子決済選択ボタン31は、図4に示すように、適用対象となる決済サービス情報毎に設けられ、決済サービス情報を選択するため押ボタンスイッチである。本実施の形態における自動販売機は、例えば決済サービス情報A、B、C、Dの合計4つを適用対象としており、電子決済選択ボタン31が4つ設けてある。電子決済選択ボタン31は、押下されて決済サービス情報が選択されると、選択された決済サービス情報を電子決済選択信号として電子決済制御部33に出力するものである。
【0019】
アンテナ部32は、略円形状の形態を成している。このアンテナ部32は、所定のアクセス領域(通信可能領域)に電子マネーカード40が配置された場合に、後述する電子マネーカード40のICメモリ41に対して情報の読み書きが可能になるとともに、IC制御部42に対して情報の送受信を行うことが可能になるものである。また、アンテナ部32は、電子マネーカード40が所定のアクセス領域に翳されると、電子マネーカード40が保持された旨を保持信号として電子決済制御部33に出力するものである。
【0020】
ここで、上記電子決済選択ボタン31と上記アンテナ部32との配置関係について説明する。図4に示すように、電子決済選択ボタン31は、それぞれアンテナ部32の上方域に配置してある。より詳細に説明すると、アンテナ部32の中心Oから上方に約10cm離隔した点O′を中心にして、アンテナ部32におけるアクセス領域の半径rに略等しい大きさの半径r′内に入るよう、電子決済選択ボタン31がそれぞれ配置してある。つまり、電子決済選択ボタン31は、電子マネーカード40を保持する手で操作される場合に、該電子マネーカード40がアンテナ部32のアクセス領域に翳されるような位置にそれぞれ配置してある。尚、ここでいう「手」とは、一般成人の手をいうものとし、約10cmは、一般成人の人差し指の指先から手のひら中央までの長さの一例として示しただけである。
【0021】
上記電子マネーカード40は、ICチップを備えた非接触式のICカードであり、図5に示すように、ICメモリ41及びIC制御部42を備えている。ICメモリ41は、決済処理を実施する場合に必要となる決済サービス情報43を記録したものである。本実施の形態では、事業者識別情報43aと有価価値情報43bとによって決済サービス情報43が構成してあり、事業者の異なる複数の決済サービス情報43が電子マネーカード40のICメモリ41に各別に記録してある。事業者識別情報43aは、電子決済事業者を識別するためのものであり、ICメモリ41の共有領域に平文の状態で記録されている。有価価値情報43bは、決済処理を実施する場合に代金として用いられる電子的有価価値であり、事業者毎に個別の認証が必要となるICメモリ41のセキュアなメモリ領域にそれぞれ事業者毎に異なる暗号化処理が施された状態で記録してある。IC制御部42は、ICメモリ41に記録された決済サービス情報43の管理を主機能とするものである。本実施の形態における電子マネーカード40は、複数(例えば3つ)の決済サービス情報43が記録された記録媒体である。具体的には、A、B、Cの合計3つの決済サービス情報43が記録されている。これにより本実施の形態においては、電子マネーカード40のICメモリ41に対して非接触の状態で情報の読み書きを行うことができるアンテナ部32を適用している。
【0022】
電子決済制御部33は、予め電子決済メモリ34に記録されたプログラムやデータ、並びに基本動作制御部20を通じて与えられた指令や情報にしたがって、電子決済処理の統括的な制御を行うものであり、決済処理部331、表示処理部332及びタイマー部333を備えて構成してある。
【0023】
決済処理部331は、アンテナ部32を通じて電子マネーカード40の決済サービス情報43が与えられた場合、この決済サービス情報43が対応するものであることを条件に、決済処理の実施が可能になるものである。決済処理部331の実施する決済処理とは、決済金額が与えられた場合に決済サービス情報43に含まれた事業者識別情報43aに基づいて対応する有価価値情報43bの減算処理を実施し、その後、決済処理が終了した旨を決済処理終了信号として上述した基本動作制御部20に出力するものである。尚、ICメモリ41に記録された有価価値情報43bに対して減算処理を行う場合に必要となる事業者毎の認証鍵、暗号鍵及び復号鍵は、予め決済処理部331に用意されているものとする。また本実施の形態では、決済処理部331がA、B、C、Dの合計4つの決済サービス情報43に対応しているものとする。
【0024】
表示処理部332は、決済処理部331を通じての電子決済処理が可能である場合には、アンテナ部32に内蔵されるLED(図示せず)を点灯させ、電子決済処理が可能である旨を表示させる一方、決済処理部331を通じての電子決済処理が不可能な場合には、LEDを消灯させたままにして電子決済処理が不可能である旨を表示させるものである。ここに、決済処理部331を通じての電子決済処理が可能であるか否かの判断は、電子決済メモリ34に格納してあるデータやプログラム等に基づいて行われる。タイマー部333は、時間を計測するものである。
【0025】
図6は、上述した電子決済制御部33が実施する電子決済処理の内容を示すフローチャートである。以下、この図6を参照しながら、本実施の形態である決済処理装置30(が適用された自動販売機)において商品の代金を電子マネー決済処理する場合について説明する。尚、以下においては、説明の便宜上、決済サービス情報C(43)が選択されたものとして説明する。
【0026】
この自動販売機では、商品選択待機状態となっており、利用者により商品選択ボタン11が押下されると商品信号が出力され、これにより基本動作制御部20は、商品信号を入力すると、該商品信号に含まれる商品の決済金額を決済金額信号として電子決済制御部33に対して出力する。このようにして決済金額信号が電子決済制御部33に与えられると(ステップS101:Yes)、電子決済制御部33によって電子決済選択ボタン31が押下待機状態となる(ステップS102、ステップS103)。電子決済制御部33は、タイマー部333を通じて予め設定した時間が経過すると(ステップS103:Yes)、後述の処理を実施することなく手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0027】
これに対し電子決済選択ボタン31の押下待機状態において決済サービス情報C(43)に対応する電子決済選択ボタン31が押下されると、すなわち決済サービス情報C(43)が選択されると(ステップS102:Yes)、電子決済制御部33は、表示処理部332を通じて電子決済処理が可能であるか否かを判断する(ステップS104)。そして、電子決済処理が不可能であると判断した場合には(ステップS104:No)、アンテナ部32のLEDを消灯させたままにして電子決済処理が不可能である旨を表示させる(ステップS105)。これにより利用者は選択した決済サービス情報C(43)での電子決済処理ができない旨を認識することができる。上記ステップS105で電子決済処理が不可能である旨を表示した後、後述の処理を実施することなく手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0028】
一方、上記ステップS104において電子決済処理が可能であると判断した場合には(ステップS104:Yes)、電子決済制御部33は、表示処理部332を通じてアンテナ部32のLEDを点灯させて電子決済処理が可能である旨を表示させる(ステップS106)。これにより利用者は選択した決済サービス情報C(43)での電子決済処理が可能であることを認識することができる。
【0029】
電子決済処理が可能である旨を表示させると、電子決済制御部33によってアンテナ部32が電子マネーカード40の読取待機状態となる(ステップS107、ステップS108)。電子決済制御部33は、タイマー部333を通じて予め設定した時間が経過すると(ステップS108:Yes)、後述の処理を実施することなく手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0030】
これに対し読取待機状態においてアンテナ部32のアクセス領域に電子マネーカード40が翳され、IC制御部42からのカードセンス応答によりこれを確認すると(ステップS107:Yes)、上記ステップS102で選択された決済サービス情報C(43)に基づき、決済処理部331を通じて決済処理を実施する(ステップS109)。この決済処理の実施により、電子マネーカード40に記録された決済サービス情報C(43)の有価価値情報43bが減算処理される。このような決済処理が行われると、手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0031】
このようにして決済処理が行われると、決済処理装置30の電子決済制御部33から基本動作制御部20に決済処理終了信号が出力される。その結果、決済処理信号が与えられた基本動作制御部20は、商品搬出機3を通じて選択された商品を搬出させる。これにより搬出された商品は商品取出口10に導かれ、利用者が商品取出口10より商品を受け取ることができる。
【0032】
ところで、上述したように電子決済選択ボタン31が、電子マネーカード40を保持する手で操作される場合に、該電子マネーカード40がアンテナ部32のアクセス領域に翳されるような位置にそれぞれ配置してあるので、図7に示すように利用者が例えば右手人差し指で決済サービス情報C(43)に対応する電子決済選択ボタン31が押下される場合に、この右手で保持される電子マネーカード40がアンテナ部32のアクセス領域に翳されることになる。これにより上述したステップS102〜ステップS109の処理の際に、利用者は右手を動かす必要がなく、1つの動作、すなわち1アクションで済むことになる。
【0033】
以上説明したように、本発明の実施の形態である決済処理装置30によれば、電子決済選択ボタン31が電子マネーカード40を保持する手で操作される場合に、該電子マネーカード40がアンテナ部32のアクセス領域に翳されるような位置にそれぞれ配置してあるので、利用者は1アクションで決済サービス情報43の選択及び決済処理を行うことが可能になり、煩雑なものとなる虞れがない。従って、アンテナ部32のアクセス領域に電子マネーカード40を翳した状態で決済サービス情報43の選択を許容することにより、利便性の向上を図ることができる。
【0034】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0035】
例えば、上述した実施の形態の決済処理装置30は、自動販売機に適用されるものであったが、本発明は自動販売機以外の機器に適用されるものであっても構わないし、決済処理装置単体のものであっても構わない。
【0036】
また、上述した実施の形態では、自動販売機の外扉4の前面に設けられたアンテナ部32と電子決済選択ボタン31とを備えた決済処理装置30であったが、本発明の決済処理装置は、アンテナ部と選択手段(電子決済選択ボタン31)が水平面に設けられて成るものであってもよい。この場合、選択手段は、アンテナ部に近接する奥方域に設けられるもので、より詳細には、選択手段が記録媒体(電子マネーカード40)を保持する手で操作される場合に、該記録媒体がアンテナ部の通信可能領域に翳されるような位置に配置してある。このような構成によっても、利用者は1アクションで決済サービス情報の選択及び決済処理を行うことが可能になり、煩雑なものとなる虞れがない。従って、アンテナ部の通信可能領域に記録媒体を翳した状態で決済サービス情報の選択を許容することにより、利便性の向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように、本発明に係る決済処理装置は、例えばICカード等の電子マネーカードとの間で決済処理を実施するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態である決済処理装置が適用された自動販売機を模式的に示した斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態である決済処理装置が適用された自動販売機の内部構成を簡略的に示した説明図である。
【図3】本発明の実施の形態である決済処理装置が適用された自動販売機の制御系を示すブロック図である。
【図4】図1に示した外扉に配設された電子決済選択ボタン及びアンテナ部を拡大して示す説明図である。
【図5】図1に示した電子マネーカードの構成を模式的に示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態である決済処理装置の電子決済制御部が実施する電子決済処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】本実施の形態である決済処理装置を構成する電子決済選択ボタン及びアンテナ部に対する利用者の操作の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1 本体キャビネット
4 外扉
30 決済処理装置
31 電子決済選択ボタン
32 アンテナ部
33 電子決済処理部
331 決済処理部
332 表示処理部
333 タイマー部
34 電子決済メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適用対象となる決済サービス情報毎に設けられ、かつ決済サービス情報を選択するための選択手段と、
所定の通信可能領域に翳された記録媒体との間で、前記選択手段を通じて選択された決済サービス情報に応じてデータの読み出し及び書き込みを行うアンテナ部と
を備え、
選択された決済サービス情報に基づいて決済処理を実施する決済処理装置において、
前記選択手段は、前記記録媒体を保持する手で操作される場合に、該記録媒体が前記アンテナ部の通信可能領域に翳されるような位置に配置してあることを特徴とする決済処理装置。
【請求項2】
前記選択手段は、前記アンテナ部に近接する上方域、あるいは前記アンテナ部に近接する奥方域に配置してあることを特徴とする請求項1に記載の決済処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−152486(P2010−152486A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327603(P2008−327603)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】