決済装置及びプログラム
【課題】顧客満足度を高めるための付加価値サービスを提供する。
【解決手段】実施形態の決済装置は、決済処理を実行する。また、決済装置は、ゲーム実行手段と、報知手段と、を有する。ゲーム実行手段は、一取引毎の決済前に、当該一取引の決済に係わる金額情報を用いたゲーム画面を表示装置に表示し、前記ゲーム画面の選択操作に応じて、当該一取引に係わる客に対する特典結果を出力する特典付与ゲームを実行する。報知手段は、前記ゲーム実行手段による前記特典結果を報知する。
【解決手段】実施形態の決済装置は、決済処理を実行する。また、決済装置は、ゲーム実行手段と、報知手段と、を有する。ゲーム実行手段は、一取引毎の決済前に、当該一取引の決済に係わる金額情報を用いたゲーム画面を表示装置に表示し、前記ゲーム画面の選択操作に応じて、当該一取引に係わる客に対する特典結果を出力する特典付与ゲームを実行する。報知手段は、前記ゲーム実行手段による前記特典結果を報知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の登録処理及び決済処理を実行するPOS(Point Of Sales System)端末が一般的に良く知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のPOS端末にあっては、顧客満足度を高めるための付加価値サービスを提供する機能を有していなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の決済装置は、決済処理を実行する。また、決済装置は、ゲーム実行手段と、報知手段と、を有する。ゲーム実行手段は、一取引毎の決済前に、当該一取引の決済に係わる金額情報を用いたゲーム画面を表示装置に表示し、前記ゲーム画面の選択操作に応じて、当該一取引に係わる客に対する特典結果を出力する特典付与ゲームを実行する。報知手段は、前記ゲーム実行手段による前記特典結果を報知する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、本実施形態に係るPOS端末の概略構成を説明するための概要図である。
【図2】図2は、POS端末のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図3は、店員用のディスプレイに表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【図4】図4は、店員用のディスプレイに表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【図5】図5は、客用のディスプレイに表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【図6】図6は、客用のディスプレイに表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【図7】図7は、客用のディスプレイに表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【図8】図8は、客用のディスプレイに表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【図9】図9は、POS端末における機能的構成を説明するためのブロック図である。
【図10】図10は、POS端末で実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図11】図11は、図10のステップの詳細な処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図12】図12は、POS端末がストアサーバが保持する複数種類のゲームの中から選択されたゲームを実行することが可能な点を説明するための概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0007】
なお、以下では、本実施形態の決済装置として、コンビニエンスストアなどの店舗の決済カウンタに設置され、商品の登録処理及び決済処理を実行するPOS端末であり、現金支払による決済処理を実行するPOS端末に適用した場合について説明する。
【0008】
図1は、本実施形態に係るPOS端末1の概略構成を説明するための概要図である。
【0009】
図1に示すように、このPOS端末1は、店舗の決済カウンタに設置されたドロワ2の上面に載置されており、本体ハウジング(筐体)10の上面に、キーボード11、店員用のディスプレイ12、客用のディスプレイ13、レシート発行口14などを備えているとともに、通信ケーブルCを介して手持ち式のスキャナ装置3とデータ通信可能に接続されている。また、このPOS端末1は、本体ハウジング10の内部に、取引単位のレシート及びジャーナルを印字発行するプリンタ15(図2参照)を備えている。
【0010】
なお、店員用のディスプレイ12及び客用のディスプレイ13は、表示面上にマルチタイプのタッチパネルが積層配置されたタッチパネル式のディスプレイである。
【0011】
図2は、POS端末1のハードウェア構成を説明するためのブロック図であり、特に、本体ハウジング10内のハードウェア構成を示している。
【0012】
図2に示すように、このPOS端末1は、本体ハウジング10内に、CPU(Central Processing Unit)16と、このCPU16とバスラインBLを介して接続されるROM(Read Only Memory)17、RAM(Random Access Memory)18、時計部19、通信I/F20、LANI/F21、キーボードコントローラ22、第1表示/入力コントローラ23、第2表示/入力コントローラ24、プリンタコントローラ25、音声処理部26及びI/O(Input/Output)ポート27と、電力供給部28などを備えている。
【0013】
ここで、CPU16は、POS端末1全体の制御、即ち、各種演算や各構成要素部に対する各種処理を制御する。また、ROM17は、POS端末1における各種処理(後述の図10、図11に示す処理など)を実行するための処理プログラムPやその処理プログラムPで用いる画像データや、売上ファイルF1などの各種ファイルを記憶する。また、RAM18は、入力データや表示データなどの作業中のデータを一時的に記憶したり、POS端末1の起動時にROM17から読み出された制御プログラムや売上ファイルF1などを一時的に記憶したりする。
【0014】
時計部19は、現在の日時を計時するとともに、特定の時刻からの計時を行う。
【0015】
通信I/F(インタフェース)20は、通信ケーブルCを介して接続されたスキャナ装置3と商品コードなどの各種データを送受信する。また、LANI/F(インタフェース)21は、LANなどの内部ネットワークN(図12参照)を介して接続されたストアサーバ4(図12参照)と商品コードに対応した商品情報(商品名や単価)などの各種データを送受信する。
【0016】
キーボードコントローラ22は、キーボード11の各種操作キー毎に対応したキー信号を入力し、その入力したキー信号をCPU16に出力する。また、第1表示/入力コントローラ23は、店員用のディスプレイ12の画面表示を制御するとともに、タッチパネルからのタッチ信号を入力し、その入力したタッチ信号をCPU16に出力する。また、第2表示/入力コントローラ24は、客用のディスプレイ13の画面表示を制御するとともに、タッチパネルからのタッチ信号を入力し、その入力したタッチ信号をCPU16に出力する。また、プリンタコントローラ25は、プリンタ15のレシートやジャーナルの印字を制御する。
【0017】
音声処理部26は、スピーカ29から警告音などの各種音を鳴動させる。
【0018】
I/Oポート27は、決済時にドロワ2に引き出しの開放を命令する開放信号を出力する。なお、前記開放信号を受信したドロワ2は、貨幣を収納する引き出し(不図示)を開放する。
【0019】
電力供給部28は、コンセントなどの商用電源にプラグなどの差込み器具が接続されることで、商用電源からの電力を各負荷部に必要な電力に変換して供給する。
【0020】
図3及び図4は、店員用のディスプレイ12に表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【0021】
図3に示す預り金額入力画面S1は、後述の図10のステップS5で実行される値引き額決定ゲームの実行前の段階で、一取引で客に請求する支払合計金額(請求金額)と、その支払合計金額に対応して客が店員に預ける可能性のある複数の予想預り金額の候補とを店員に表示するための画面である。
【0022】
なお、本実施形態の預り金額入力画面S1では、前記支払合計金額であり、値引き額決定ゲームによる値引きがされる前の支払合計金額を表示する支払合計金額表示欄I1と、その支払合計金額表示欄I1に表示した支払合計金額に対応して客が店員に預ける可能性のある複数の予想預り金額候補を示し、選択ボタンとして機能する選択アイコンI2とを表示する。
【0023】
なお、図3の例では、支払合計金額表示欄I1に、値引き前の支払合計金額としての「¥1,050」が表示され、その支払合計金額「¥1,050」に対応して客が店員に預ける可能性のある複数の予想預り金額候補としての「¥1,050」、「¥1,100」、「¥1,500」、「¥2,050」、「¥2,100」、「¥2,500」、「¥5,050」、「¥5,100」、「¥5,500」、「¥10,050」、「¥10,100」、「¥10,500」などの複数の選択アイコンI2が表示されている場合を示している。
【0024】
図4に示す預り金額入力画面S2は、値引き額決定ゲームの実行後の段階で、一取引で客に請求する支払合計金額と、その支払合計金額に対応して客が店員に預ける可能性のある複数の予想預り金額の候補とを店員に表示するための画面である。
【0025】
なお、本実施形態の預り金額入力画面S2では、値引き額決定ゲームによる値引きがされた後の支払合計金額を表示する支払合計金額表示欄I3と、その支払合計金額表示欄I3に表示した支払合計金額に対応して客が店員に預ける可能性のある複数の予想預り金額候補を示し、選択ボタンとして機能する選択アイコンI4とを表示する。
【0026】
なお、図4の例では、支払合計金額表示欄I3に、値引き後の支払合計金額としての「¥1,000」が表示され、その支払合計金額「¥1,000」に対応して客が店員に預ける可能性のある複数の予想預り金額候補としての「¥1,000」、「¥2,000」、「¥5,000」、「¥10,000」などの複数の選択アイコンI4が表示されている場合を示している。
【0027】
図5〜図8は、客用のディスプレイ13に表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【0028】
図5に示すゲーム実行選択画面S3は、値引き額決定ゲームの実行の有無を客に選択させるための画面である。
【0029】
なお、本実施形態のゲーム実行選択画面S3では、「抽選で値引き額を決定する値引きゲームを実行しますか?」という客にゲームの実行の有無を問う文字情報表示領域I5と、ゲームの実行の有無を選択するための「YES」選択アイコンI6及び「NO」選択アイコンI7とを表示する。
【0030】
図6に示すゲーム画面S4は、値引き額を決定するゲームを実行するための画面である。
【0031】
なお、本実施形態のゲーム画面S4では、預り金額入力画面S1で表示される支払合計金額と同様の金額を表示する支払合計金額表示欄I8と、同じく選択アイコンI2と同様の金額を示す複数の選択アイコンI9とを表示するとともに、それら複数の選択アイコンI9のいずれか一つの選択を客に促す文字情報を表示する文字情報表示欄I10とを表示する。
【0032】
図7に示す値引き額抽選画面S5は、値引き額を抽選している様子を客に表示するための画面である。
【0033】
なお、本実施形態の値引き額抽選画面S5では、予め設定されている複数の値引き額候補(例えば、「100円」、「50円」、「30円」、「0円」など)が回転していずれの値引き額候補に停止するかを客に表示するための抽選表示領域I11を表示する。
【0034】
図8に示す値引き額表示画面S6は、決定した値引き額を客に表示するための画面であり、図7の値引き額抽選画面S5の抽選表示領域I11で回転後に停止した値引き額候補を、値引き額として客に表示する値引き額表示領域I12を表示する画面である。
【0035】
図9は、POS端末1における機能的構成を説明するためのブロック図である。
【0036】
図9に示すように、本実施形態では、後述の図10及び図11の処理を実行するための機能的構成として、一取引毎の商品登録処理を制御する商品登録制御部110と、一取引毎の決済処理を制御する決済制御部120と、一取引毎のレシートの印字発行を制御するレシート発行制御部130とを有している。
【0037】
また、決済制御部120は、会計処理部121、予想預り金額候補決定部122、店員用画面表示部123、客用画面表示部124、ゲーム実行部125及び預り金額入力部126を有している。
【0038】
ここで、会計処理部121は、決済処理を実行するものであり、一取引、即ち、店員による商品登録の開始の宣言操作が行われ、スキャナ装置3による商品の登録処理が行われ、合計キーが押下される度の、後述のゲーム実行部125による値引き額決定ゲームの実行前の支払合計金額を算出したり、ゲーム実行部125による値引き額決定ゲームの実行後の支払合計金額を算出したりする請求金額算出部121aと、その請求金額算出部121aで算出された支払合計金額情報と、後述の預り金額入力部125で入力処理されて確定された預り金額情報とから、客に支払う釣銭額を算出する釣銭処理部121bとを有している。
【0039】
予想預り金額候補決定部122は、一取引毎の支払合計金額をもとに、所定の条件に応じて、客が店員に預ける可能性のある予想預り金額候補を算出する。具体的には、例えば、この予想預り金額候補決定部122は、前記所定の条件として、釣銭が少なくなるような予想預り金額候補を算出する。
【0040】
店員用画面表示部123は、店員用のディスプレイ12に、店員用の画面(例えば、図3及び図4で示した預り金額入力画面S1、S2など)を表示する。
【0041】
客用画面表示部124は、客用のディスプレイ13に、客用の画面(例えば、図5〜図8で示したゲーム実行選択画面S3、ゲーム画面S4、値引き額抽選画面S5、値引き額表示画面S6など)を表示する。
【0042】
ゲーム実行部125は、顧客満足度を高めるための付加価値サービスを提供するためのゲーム機能としての値引き額決定ゲームを実行する。
【0043】
より具体的には、このゲーム実行部125は、所定の範囲内の乱数値(例えば、0〜100)を発生する乱数発生部Rと、前記乱数値の所定範囲毎に各値引き額の値を対応付けた抽選テーブルTとを有する値引き額決定部125aを有している。
【0044】
具体的には、例えば、抽選テーブルTは、「0〜5」の乱数値の範囲に値引き額「100円」を関連付け、「6〜15」の乱数値の範囲に値引き額「50円」を関連付け、「16〜50」の乱数値の範囲に値引き額「30円」を関連付け、「51〜100」の乱数値の範囲に値引き額「0円」を関連付けした情報を登録したテーブルである。
【0045】
そして、ゲーム実行部125が、ゲーム画面S4(図6参照)の複数の選択アイコンI9のいずれか一つの選択アイコンI9が客により選択操作されたことを検知した場合に、値引き額決定部125aが、乱数発生部Rで発生した数値と、抽選テーブルTの参照値(即ち、乱数値の範囲)と照らし合わせることにより、値引き額を決定する。
【0046】
預り金額入力部126は、店員が客から預った預り金額の入力処理を実行する。具体的には、この預り金額入力部126は、預り金額入力画面S1、S2において店員によりタッチ選択された選択アイコンI2、I4で特定される金額情報や、キーボード11において店員により選択押下されたテンキー(不図示)で特定される金額情報や、それら両者の金額情報などに基づいて、預り金額の入力処理を実行する。
【0047】
レシート発行制御部130は、決済制御部120から受取った決済情報に基づいてレシートRをプリンタ15で印字発行する。
【0048】
なお、図9に示した各機能構成部(商品登録制御部110、決済制御部120及びレシート発行制御部130)は、CPU16がROM17などの記憶手段に記憶されているプログラムをRAM18上に展開して実行することにより実現される。
【0049】
次に、前記した構成のPOS端末1における処理動作について図10及び図11を用いて説明する。
【0050】
なお、図10は、POS端末1で実行される処理の流れを説明するためのフローチャートであり、図11は、図10のステップS5の詳細な処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0051】
図10に示すように、POS端末1では、まず、ステップS1において、店員によるスキャナ装置3の読取操作により、客が決済カウンタに持ち込んだ商品のバーコードが読み取られることにより、商品登録制御部110が、一取引毎の商品登録処理、即ち、売上ファイルF1への登録処理を実行する。
【0052】
続いて、ステップS2において、店員用画面表示部123が、支払合計金額及び予想預り金額を表示する画面(預り金額入力画面S1または預り金額入力画面S2)を表示する。
【0053】
続いて、ステップS3において、決済制御部120が、当該一取引において値引き額決定ゲームが実行されたか否かの判定を行い、この判定の結果、未だ値引き額決定ゲーム機能が使用されていないと判定された場合(ステップS3:NO)、続いて、ステップS4において、客によりゲーム機能を使用する選択がされたか否かの判定を行う。
【0054】
この判定の結果、客によりゲーム機能を使用する選択がされたと判定された場合(ステップS4:YES)、続いて、ステップS5において、ゲーム実行部125が、値引き額決定ゲームを実行する(図11参照)。
【0055】
即ち、このステップS5の処理では、図11に示すように、まず、ゲーム実行部125が、ROM17に格納されている処理プログラムPに含まれるゲームプログラムGPをRAM18上で展開実行することにより、ステップS51及びステップS52において、客用のディスプレイ13にゲーム画面S4を表示して、客による選択アイコンI9の選択操作の待受け処理を行う。
【0056】
その待受け処理において、客による選択アイコンI9の選択操作を検知した場合に(ステップS52:YES)、続いて、ステップS53において、乱数発生部Rが乱数値を発生し、その発生した乱数値と抽選テーブルTの参照値とを照らし合わせることにより、値引き額を抽選する。
【0057】
続いて、ステップS54において、前記ステップS53の処理で抽選された値引き額(例えば、「50円」)を、客の支払合計金額から値引きする値引き金額(例えば、「50円」)として確定する。
【0058】
図10に戻って、続いて、ステップS6において、会計処理部121が、ステップS5の処理で決定した値引き額(例えば、「50円」)を、ゲーム実行前の客の支払合計金額から減算する会計処理を実行し、それ以降、処理をステップS2に移行して以下同様の処理を行う。
【0059】
一方、ステップS3の判定処理において、当該一取引においてゲームが既に実行されていると判定された場合(ステップS3:YES)や、ステップS4の判定処理において、客によりゲーム機能を使用する選択操作が行われなかった場合(ステップS4;NO)には、続いて、ステップS7において、預り金額入力部126が、預り金額の入力処理を実行するとともに、会計処理部121が決済処理を実行する。
【0060】
即ち、このステップS7の処理では、預り金額入力部126が、預り金額入力画面S1、S2における選択アイコンI2、I4のタッチ操作や、キーボード11のテンキー(不図示)の押下操作や、それら両操作の組合せ操作などと、その操作に続いたキーボード11における預り金額の入力を確定させるための確定キー(不図示)の押下操作に応じて、預り金額情報の入力確定処理を実行し、会計処理部121の釣銭処理部121bが、請求金額算出部121aで算出した支払合計金額情報と、預り金額入力部126で確定した預り金額情報とから、釣銭額を算出して決済処理を実行する。
【0061】
なお、ここで、ステップS7の具体的な処理例として、例えば、支払合計金額(請求金額)が、「1000円」で、客が店員に「1000円」分の現金を預けた場合に、店員が、預り金額入力画面S2を用いて、「¥1、000」の選択アイコンI4をタッチ操作して、前記確定キーを押下操作したとすると、預り金額入力部126が、「¥1、000」選択アイコンI4で特定される金額情報「1000」を預り金額情報として確定する。そして、会計処理部121の釣銭処理部121bが、預り金額入力部126で確定した預り金額の値「1000」から、支払合計金額の値「10000」を差し引いた値「0」を釣銭額として算出する。
【0062】
続いて、ステップS8において、釣銭処理部121bが、釣銭金額を表示する表示画面(不図示)を店員用のディスプレイ12や客用のディスプレイ13に表示するとともに、ステップS9において、釣銭処理部121bが、ドロワ2に対して開放信号を出力してドロワ2の引き出しを開放させる。これにより、店員が引き出し内に収容されている貨幣を使用して客に釣銭を支払う。
【0063】
続いて、ステップS10において、レシート発行制御部130が、店舗名、客が購入した商品名、支払合計金額、預り金額、釣り金額などを印字した領収書として機能するレシートをプリンタ15を用いて発行し、ここでの処理を終了する。
【0064】
以上説明した実施形態によれば、POS端末において顧客満足度を高めるための付加価値サービスを提供することができる。
【0065】
特に、本実施形態のPOS端末では、決済前に、客に対して値引き額を決定するゲームを行うように構成したため、客の興味を引くとともに、客の購買意欲を高めることが可能となる。
【0066】
以上、例示的な実施形態に基づいて説明したが、本実施形態は、前記した実施形態により限定されるものではない。
【0067】
例えば、前記した実施形態では、値引き額(値引き率)を決定するゲームを実行する形態について説明したが、これ以外にも、予め定められた固定的な値引き額(例えば、「50円」など)の値引きをする/しないのいずれかを決定するゲームを実行するような形態とすることも可能である。
【0068】
また、それら以外にも、例えば、ポイント率またはポイントを付与する/しないを決定するゲームや、商品券またはクーポンを与える/与えないを決定するゲームを実行するような形態とすることも可能である。
【0069】
また、前記した実施形態では、POS端末が予めROM17などに格納している単一のゲームプログラムGPに基づいて、一種類のゲームを実行する場合について説明したが、これ以外にも、例えば、図12に示すように、POS端末1とLANなどの内部ネットワークNで接続されるストアサーバ4などの外部装置に格納されている複数のゲームプログラム(GP1、GP2、GP3など)を用いて、客または店員の選択設定により選択されたゲームを実行するような形態とすることも可能である。
【0070】
また、前記した実施形態のPOS端末1で実行される各種プログラムP1は、ROMなどの記憶手段に予め組み込むように提供しても良いし、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良いし、インターネットなどのネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
【0071】
その他、前記した実施形態における決済装置の外観、ハードウェア構成及びソフトウェア構成や、ディスプレイに表示される画面構成や、処理手順や、ゲームの内容などは、単なる例として記載したものであり、本実施形態は、これらにより限定されない。
【符号の説明】
【0072】
1 決済端末
12 店員用のディスプレイ(店員用の表示装置)
13 客用のディスプレイ(客用の表示装置)
110 商品登録制御部
120 決済制御部
121 会計処理部(値引き手段)
122 予想預り金額候補決定部
123 店員用画面表示部
124 客用画面表示部(報知手段)
125 ゲーム実行部(ゲーム実行手段)
125a 値引き額決定部
126 預り金額入力部(預り金額入力手段)
130 レシート発行制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開2002−133524号公報
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の登録処理及び決済処理を実行するPOS(Point Of Sales System)端末が一般的に良く知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のPOS端末にあっては、顧客満足度を高めるための付加価値サービスを提供する機能を有していなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の決済装置は、決済処理を実行する。また、決済装置は、ゲーム実行手段と、報知手段と、を有する。ゲーム実行手段は、一取引毎の決済前に、当該一取引の決済に係わる金額情報を用いたゲーム画面を表示装置に表示し、前記ゲーム画面の選択操作に応じて、当該一取引に係わる客に対する特典結果を出力する特典付与ゲームを実行する。報知手段は、前記ゲーム実行手段による前記特典結果を報知する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、本実施形態に係るPOS端末の概略構成を説明するための概要図である。
【図2】図2は、POS端末のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図3は、店員用のディスプレイに表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【図4】図4は、店員用のディスプレイに表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【図5】図5は、客用のディスプレイに表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【図6】図6は、客用のディスプレイに表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【図7】図7は、客用のディスプレイに表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【図8】図8は、客用のディスプレイに表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【図9】図9は、POS端末における機能的構成を説明するためのブロック図である。
【図10】図10は、POS端末で実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図11】図11は、図10のステップの詳細な処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図12】図12は、POS端末がストアサーバが保持する複数種類のゲームの中から選択されたゲームを実行することが可能な点を説明するための概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0007】
なお、以下では、本実施形態の決済装置として、コンビニエンスストアなどの店舗の決済カウンタに設置され、商品の登録処理及び決済処理を実行するPOS端末であり、現金支払による決済処理を実行するPOS端末に適用した場合について説明する。
【0008】
図1は、本実施形態に係るPOS端末1の概略構成を説明するための概要図である。
【0009】
図1に示すように、このPOS端末1は、店舗の決済カウンタに設置されたドロワ2の上面に載置されており、本体ハウジング(筐体)10の上面に、キーボード11、店員用のディスプレイ12、客用のディスプレイ13、レシート発行口14などを備えているとともに、通信ケーブルCを介して手持ち式のスキャナ装置3とデータ通信可能に接続されている。また、このPOS端末1は、本体ハウジング10の内部に、取引単位のレシート及びジャーナルを印字発行するプリンタ15(図2参照)を備えている。
【0010】
なお、店員用のディスプレイ12及び客用のディスプレイ13は、表示面上にマルチタイプのタッチパネルが積層配置されたタッチパネル式のディスプレイである。
【0011】
図2は、POS端末1のハードウェア構成を説明するためのブロック図であり、特に、本体ハウジング10内のハードウェア構成を示している。
【0012】
図2に示すように、このPOS端末1は、本体ハウジング10内に、CPU(Central Processing Unit)16と、このCPU16とバスラインBLを介して接続されるROM(Read Only Memory)17、RAM(Random Access Memory)18、時計部19、通信I/F20、LANI/F21、キーボードコントローラ22、第1表示/入力コントローラ23、第2表示/入力コントローラ24、プリンタコントローラ25、音声処理部26及びI/O(Input/Output)ポート27と、電力供給部28などを備えている。
【0013】
ここで、CPU16は、POS端末1全体の制御、即ち、各種演算や各構成要素部に対する各種処理を制御する。また、ROM17は、POS端末1における各種処理(後述の図10、図11に示す処理など)を実行するための処理プログラムPやその処理プログラムPで用いる画像データや、売上ファイルF1などの各種ファイルを記憶する。また、RAM18は、入力データや表示データなどの作業中のデータを一時的に記憶したり、POS端末1の起動時にROM17から読み出された制御プログラムや売上ファイルF1などを一時的に記憶したりする。
【0014】
時計部19は、現在の日時を計時するとともに、特定の時刻からの計時を行う。
【0015】
通信I/F(インタフェース)20は、通信ケーブルCを介して接続されたスキャナ装置3と商品コードなどの各種データを送受信する。また、LANI/F(インタフェース)21は、LANなどの内部ネットワークN(図12参照)を介して接続されたストアサーバ4(図12参照)と商品コードに対応した商品情報(商品名や単価)などの各種データを送受信する。
【0016】
キーボードコントローラ22は、キーボード11の各種操作キー毎に対応したキー信号を入力し、その入力したキー信号をCPU16に出力する。また、第1表示/入力コントローラ23は、店員用のディスプレイ12の画面表示を制御するとともに、タッチパネルからのタッチ信号を入力し、その入力したタッチ信号をCPU16に出力する。また、第2表示/入力コントローラ24は、客用のディスプレイ13の画面表示を制御するとともに、タッチパネルからのタッチ信号を入力し、その入力したタッチ信号をCPU16に出力する。また、プリンタコントローラ25は、プリンタ15のレシートやジャーナルの印字を制御する。
【0017】
音声処理部26は、スピーカ29から警告音などの各種音を鳴動させる。
【0018】
I/Oポート27は、決済時にドロワ2に引き出しの開放を命令する開放信号を出力する。なお、前記開放信号を受信したドロワ2は、貨幣を収納する引き出し(不図示)を開放する。
【0019】
電力供給部28は、コンセントなどの商用電源にプラグなどの差込み器具が接続されることで、商用電源からの電力を各負荷部に必要な電力に変換して供給する。
【0020】
図3及び図4は、店員用のディスプレイ12に表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【0021】
図3に示す預り金額入力画面S1は、後述の図10のステップS5で実行される値引き額決定ゲームの実行前の段階で、一取引で客に請求する支払合計金額(請求金額)と、その支払合計金額に対応して客が店員に預ける可能性のある複数の予想預り金額の候補とを店員に表示するための画面である。
【0022】
なお、本実施形態の預り金額入力画面S1では、前記支払合計金額であり、値引き額決定ゲームによる値引きがされる前の支払合計金額を表示する支払合計金額表示欄I1と、その支払合計金額表示欄I1に表示した支払合計金額に対応して客が店員に預ける可能性のある複数の予想預り金額候補を示し、選択ボタンとして機能する選択アイコンI2とを表示する。
【0023】
なお、図3の例では、支払合計金額表示欄I1に、値引き前の支払合計金額としての「¥1,050」が表示され、その支払合計金額「¥1,050」に対応して客が店員に預ける可能性のある複数の予想預り金額候補としての「¥1,050」、「¥1,100」、「¥1,500」、「¥2,050」、「¥2,100」、「¥2,500」、「¥5,050」、「¥5,100」、「¥5,500」、「¥10,050」、「¥10,100」、「¥10,500」などの複数の選択アイコンI2が表示されている場合を示している。
【0024】
図4に示す預り金額入力画面S2は、値引き額決定ゲームの実行後の段階で、一取引で客に請求する支払合計金額と、その支払合計金額に対応して客が店員に預ける可能性のある複数の予想預り金額の候補とを店員に表示するための画面である。
【0025】
なお、本実施形態の預り金額入力画面S2では、値引き額決定ゲームによる値引きがされた後の支払合計金額を表示する支払合計金額表示欄I3と、その支払合計金額表示欄I3に表示した支払合計金額に対応して客が店員に預ける可能性のある複数の予想預り金額候補を示し、選択ボタンとして機能する選択アイコンI4とを表示する。
【0026】
なお、図4の例では、支払合計金額表示欄I3に、値引き後の支払合計金額としての「¥1,000」が表示され、その支払合計金額「¥1,000」に対応して客が店員に預ける可能性のある複数の予想預り金額候補としての「¥1,000」、「¥2,000」、「¥5,000」、「¥10,000」などの複数の選択アイコンI4が表示されている場合を示している。
【0027】
図5〜図8は、客用のディスプレイ13に表示される画面の一構成例を説明するための図である。
【0028】
図5に示すゲーム実行選択画面S3は、値引き額決定ゲームの実行の有無を客に選択させるための画面である。
【0029】
なお、本実施形態のゲーム実行選択画面S3では、「抽選で値引き額を決定する値引きゲームを実行しますか?」という客にゲームの実行の有無を問う文字情報表示領域I5と、ゲームの実行の有無を選択するための「YES」選択アイコンI6及び「NO」選択アイコンI7とを表示する。
【0030】
図6に示すゲーム画面S4は、値引き額を決定するゲームを実行するための画面である。
【0031】
なお、本実施形態のゲーム画面S4では、預り金額入力画面S1で表示される支払合計金額と同様の金額を表示する支払合計金額表示欄I8と、同じく選択アイコンI2と同様の金額を示す複数の選択アイコンI9とを表示するとともに、それら複数の選択アイコンI9のいずれか一つの選択を客に促す文字情報を表示する文字情報表示欄I10とを表示する。
【0032】
図7に示す値引き額抽選画面S5は、値引き額を抽選している様子を客に表示するための画面である。
【0033】
なお、本実施形態の値引き額抽選画面S5では、予め設定されている複数の値引き額候補(例えば、「100円」、「50円」、「30円」、「0円」など)が回転していずれの値引き額候補に停止するかを客に表示するための抽選表示領域I11を表示する。
【0034】
図8に示す値引き額表示画面S6は、決定した値引き額を客に表示するための画面であり、図7の値引き額抽選画面S5の抽選表示領域I11で回転後に停止した値引き額候補を、値引き額として客に表示する値引き額表示領域I12を表示する画面である。
【0035】
図9は、POS端末1における機能的構成を説明するためのブロック図である。
【0036】
図9に示すように、本実施形態では、後述の図10及び図11の処理を実行するための機能的構成として、一取引毎の商品登録処理を制御する商品登録制御部110と、一取引毎の決済処理を制御する決済制御部120と、一取引毎のレシートの印字発行を制御するレシート発行制御部130とを有している。
【0037】
また、決済制御部120は、会計処理部121、予想預り金額候補決定部122、店員用画面表示部123、客用画面表示部124、ゲーム実行部125及び預り金額入力部126を有している。
【0038】
ここで、会計処理部121は、決済処理を実行するものであり、一取引、即ち、店員による商品登録の開始の宣言操作が行われ、スキャナ装置3による商品の登録処理が行われ、合計キーが押下される度の、後述のゲーム実行部125による値引き額決定ゲームの実行前の支払合計金額を算出したり、ゲーム実行部125による値引き額決定ゲームの実行後の支払合計金額を算出したりする請求金額算出部121aと、その請求金額算出部121aで算出された支払合計金額情報と、後述の預り金額入力部125で入力処理されて確定された預り金額情報とから、客に支払う釣銭額を算出する釣銭処理部121bとを有している。
【0039】
予想預り金額候補決定部122は、一取引毎の支払合計金額をもとに、所定の条件に応じて、客が店員に預ける可能性のある予想預り金額候補を算出する。具体的には、例えば、この予想預り金額候補決定部122は、前記所定の条件として、釣銭が少なくなるような予想預り金額候補を算出する。
【0040】
店員用画面表示部123は、店員用のディスプレイ12に、店員用の画面(例えば、図3及び図4で示した預り金額入力画面S1、S2など)を表示する。
【0041】
客用画面表示部124は、客用のディスプレイ13に、客用の画面(例えば、図5〜図8で示したゲーム実行選択画面S3、ゲーム画面S4、値引き額抽選画面S5、値引き額表示画面S6など)を表示する。
【0042】
ゲーム実行部125は、顧客満足度を高めるための付加価値サービスを提供するためのゲーム機能としての値引き額決定ゲームを実行する。
【0043】
より具体的には、このゲーム実行部125は、所定の範囲内の乱数値(例えば、0〜100)を発生する乱数発生部Rと、前記乱数値の所定範囲毎に各値引き額の値を対応付けた抽選テーブルTとを有する値引き額決定部125aを有している。
【0044】
具体的には、例えば、抽選テーブルTは、「0〜5」の乱数値の範囲に値引き額「100円」を関連付け、「6〜15」の乱数値の範囲に値引き額「50円」を関連付け、「16〜50」の乱数値の範囲に値引き額「30円」を関連付け、「51〜100」の乱数値の範囲に値引き額「0円」を関連付けした情報を登録したテーブルである。
【0045】
そして、ゲーム実行部125が、ゲーム画面S4(図6参照)の複数の選択アイコンI9のいずれか一つの選択アイコンI9が客により選択操作されたことを検知した場合に、値引き額決定部125aが、乱数発生部Rで発生した数値と、抽選テーブルTの参照値(即ち、乱数値の範囲)と照らし合わせることにより、値引き額を決定する。
【0046】
預り金額入力部126は、店員が客から預った預り金額の入力処理を実行する。具体的には、この預り金額入力部126は、預り金額入力画面S1、S2において店員によりタッチ選択された選択アイコンI2、I4で特定される金額情報や、キーボード11において店員により選択押下されたテンキー(不図示)で特定される金額情報や、それら両者の金額情報などに基づいて、預り金額の入力処理を実行する。
【0047】
レシート発行制御部130は、決済制御部120から受取った決済情報に基づいてレシートRをプリンタ15で印字発行する。
【0048】
なお、図9に示した各機能構成部(商品登録制御部110、決済制御部120及びレシート発行制御部130)は、CPU16がROM17などの記憶手段に記憶されているプログラムをRAM18上に展開して実行することにより実現される。
【0049】
次に、前記した構成のPOS端末1における処理動作について図10及び図11を用いて説明する。
【0050】
なお、図10は、POS端末1で実行される処理の流れを説明するためのフローチャートであり、図11は、図10のステップS5の詳細な処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0051】
図10に示すように、POS端末1では、まず、ステップS1において、店員によるスキャナ装置3の読取操作により、客が決済カウンタに持ち込んだ商品のバーコードが読み取られることにより、商品登録制御部110が、一取引毎の商品登録処理、即ち、売上ファイルF1への登録処理を実行する。
【0052】
続いて、ステップS2において、店員用画面表示部123が、支払合計金額及び予想預り金額を表示する画面(預り金額入力画面S1または預り金額入力画面S2)を表示する。
【0053】
続いて、ステップS3において、決済制御部120が、当該一取引において値引き額決定ゲームが実行されたか否かの判定を行い、この判定の結果、未だ値引き額決定ゲーム機能が使用されていないと判定された場合(ステップS3:NO)、続いて、ステップS4において、客によりゲーム機能を使用する選択がされたか否かの判定を行う。
【0054】
この判定の結果、客によりゲーム機能を使用する選択がされたと判定された場合(ステップS4:YES)、続いて、ステップS5において、ゲーム実行部125が、値引き額決定ゲームを実行する(図11参照)。
【0055】
即ち、このステップS5の処理では、図11に示すように、まず、ゲーム実行部125が、ROM17に格納されている処理プログラムPに含まれるゲームプログラムGPをRAM18上で展開実行することにより、ステップS51及びステップS52において、客用のディスプレイ13にゲーム画面S4を表示して、客による選択アイコンI9の選択操作の待受け処理を行う。
【0056】
その待受け処理において、客による選択アイコンI9の選択操作を検知した場合に(ステップS52:YES)、続いて、ステップS53において、乱数発生部Rが乱数値を発生し、その発生した乱数値と抽選テーブルTの参照値とを照らし合わせることにより、値引き額を抽選する。
【0057】
続いて、ステップS54において、前記ステップS53の処理で抽選された値引き額(例えば、「50円」)を、客の支払合計金額から値引きする値引き金額(例えば、「50円」)として確定する。
【0058】
図10に戻って、続いて、ステップS6において、会計処理部121が、ステップS5の処理で決定した値引き額(例えば、「50円」)を、ゲーム実行前の客の支払合計金額から減算する会計処理を実行し、それ以降、処理をステップS2に移行して以下同様の処理を行う。
【0059】
一方、ステップS3の判定処理において、当該一取引においてゲームが既に実行されていると判定された場合(ステップS3:YES)や、ステップS4の判定処理において、客によりゲーム機能を使用する選択操作が行われなかった場合(ステップS4;NO)には、続いて、ステップS7において、預り金額入力部126が、預り金額の入力処理を実行するとともに、会計処理部121が決済処理を実行する。
【0060】
即ち、このステップS7の処理では、預り金額入力部126が、預り金額入力画面S1、S2における選択アイコンI2、I4のタッチ操作や、キーボード11のテンキー(不図示)の押下操作や、それら両操作の組合せ操作などと、その操作に続いたキーボード11における預り金額の入力を確定させるための確定キー(不図示)の押下操作に応じて、預り金額情報の入力確定処理を実行し、会計処理部121の釣銭処理部121bが、請求金額算出部121aで算出した支払合計金額情報と、預り金額入力部126で確定した預り金額情報とから、釣銭額を算出して決済処理を実行する。
【0061】
なお、ここで、ステップS7の具体的な処理例として、例えば、支払合計金額(請求金額)が、「1000円」で、客が店員に「1000円」分の現金を預けた場合に、店員が、預り金額入力画面S2を用いて、「¥1、000」の選択アイコンI4をタッチ操作して、前記確定キーを押下操作したとすると、預り金額入力部126が、「¥1、000」選択アイコンI4で特定される金額情報「1000」を預り金額情報として確定する。そして、会計処理部121の釣銭処理部121bが、預り金額入力部126で確定した預り金額の値「1000」から、支払合計金額の値「10000」を差し引いた値「0」を釣銭額として算出する。
【0062】
続いて、ステップS8において、釣銭処理部121bが、釣銭金額を表示する表示画面(不図示)を店員用のディスプレイ12や客用のディスプレイ13に表示するとともに、ステップS9において、釣銭処理部121bが、ドロワ2に対して開放信号を出力してドロワ2の引き出しを開放させる。これにより、店員が引き出し内に収容されている貨幣を使用して客に釣銭を支払う。
【0063】
続いて、ステップS10において、レシート発行制御部130が、店舗名、客が購入した商品名、支払合計金額、預り金額、釣り金額などを印字した領収書として機能するレシートをプリンタ15を用いて発行し、ここでの処理を終了する。
【0064】
以上説明した実施形態によれば、POS端末において顧客満足度を高めるための付加価値サービスを提供することができる。
【0065】
特に、本実施形態のPOS端末では、決済前に、客に対して値引き額を決定するゲームを行うように構成したため、客の興味を引くとともに、客の購買意欲を高めることが可能となる。
【0066】
以上、例示的な実施形態に基づいて説明したが、本実施形態は、前記した実施形態により限定されるものではない。
【0067】
例えば、前記した実施形態では、値引き額(値引き率)を決定するゲームを実行する形態について説明したが、これ以外にも、予め定められた固定的な値引き額(例えば、「50円」など)の値引きをする/しないのいずれかを決定するゲームを実行するような形態とすることも可能である。
【0068】
また、それら以外にも、例えば、ポイント率またはポイントを付与する/しないを決定するゲームや、商品券またはクーポンを与える/与えないを決定するゲームを実行するような形態とすることも可能である。
【0069】
また、前記した実施形態では、POS端末が予めROM17などに格納している単一のゲームプログラムGPに基づいて、一種類のゲームを実行する場合について説明したが、これ以外にも、例えば、図12に示すように、POS端末1とLANなどの内部ネットワークNで接続されるストアサーバ4などの外部装置に格納されている複数のゲームプログラム(GP1、GP2、GP3など)を用いて、客または店員の選択設定により選択されたゲームを実行するような形態とすることも可能である。
【0070】
また、前記した実施形態のPOS端末1で実行される各種プログラムP1は、ROMなどの記憶手段に予め組み込むように提供しても良いし、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良いし、インターネットなどのネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
【0071】
その他、前記した実施形態における決済装置の外観、ハードウェア構成及びソフトウェア構成や、ディスプレイに表示される画面構成や、処理手順や、ゲームの内容などは、単なる例として記載したものであり、本実施形態は、これらにより限定されない。
【符号の説明】
【0072】
1 決済端末
12 店員用のディスプレイ(店員用の表示装置)
13 客用のディスプレイ(客用の表示装置)
110 商品登録制御部
120 決済制御部
121 会計処理部(値引き手段)
122 予想預り金額候補決定部
123 店員用画面表示部
124 客用画面表示部(報知手段)
125 ゲーム実行部(ゲーム実行手段)
125a 値引き額決定部
126 預り金額入力部(預り金額入力手段)
130 レシート発行制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開2002−133524号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済処理を実行する決済装置であって、
一取引毎の決済前に、当該一取引の決済に係わる金額情報を用いたゲーム画面を表示装置に表示し、前記ゲーム画面の選択操作に応じて、当該一取引に係わる客に対する特典結果を出力する特典付与ゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記ゲーム実行手段による前記特典結果を報知する報知手段と、
を有する決済装置。
【請求項2】
前記ゲーム実行手段は、
前記ゲーム画面の選択操作に応じて、当該一取引において客に請求する請求金額から値引きする値引き金額を決定する前記特定付与ゲームを実行し、
前記報知手段は、前記ゲーム実行手段のゲーム実行により決定された値引き金額を報知する、請求項1に記載の決済装置。
【請求項3】
前記ゲーム実行手段で決定された値引き金額に応じて、前記請求金額から前記値引き金額を減ずる値引き手段を、更に有する請求項2に記載の決済装置。
【請求項4】
前記表示装置は、客用の表示装置であり、
前記ゲーム実行手段は、
前記客用の表示装置に、前記一取引毎の予想預り金額の金額候補を示す選択アイコンを複数表示する前記ゲーム画面を表示し、客による前記選択アイコンの選択操作に応じて、前記特典結果を出力する特典付与ゲームを実行する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の決済装置。
【請求項5】
店員用の表示装置と、
前記店員用の表示装置に、一取引毎の客の請求金額から予想される予想預り金額の金額候補を示す選択アイコンを複数表示する預り金額入力画面を表示し、店員による前記選択アイコンの選択操作に応じて預り金額を入力する預り金額入力手段と、
を更に有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の決済装置。
【請求項6】
決済処理を実行する決済装置に実装されたコンピュータを、
一取引毎の決済前に、当該一取引の決済に係わる金額情報を用いたゲーム画面を表示装置に表示し、前記ゲーム画面の選択操作に応じて、当該一取引に係わる客に対する特典結果を出力する特典付与ゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記ゲーム実行手段による前記特典結果を報知する報知手段と、
して機能させるプログラム。
【請求項1】
決済処理を実行する決済装置であって、
一取引毎の決済前に、当該一取引の決済に係わる金額情報を用いたゲーム画面を表示装置に表示し、前記ゲーム画面の選択操作に応じて、当該一取引に係わる客に対する特典結果を出力する特典付与ゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記ゲーム実行手段による前記特典結果を報知する報知手段と、
を有する決済装置。
【請求項2】
前記ゲーム実行手段は、
前記ゲーム画面の選択操作に応じて、当該一取引において客に請求する請求金額から値引きする値引き金額を決定する前記特定付与ゲームを実行し、
前記報知手段は、前記ゲーム実行手段のゲーム実行により決定された値引き金額を報知する、請求項1に記載の決済装置。
【請求項3】
前記ゲーム実行手段で決定された値引き金額に応じて、前記請求金額から前記値引き金額を減ずる値引き手段を、更に有する請求項2に記載の決済装置。
【請求項4】
前記表示装置は、客用の表示装置であり、
前記ゲーム実行手段は、
前記客用の表示装置に、前記一取引毎の予想預り金額の金額候補を示す選択アイコンを複数表示する前記ゲーム画面を表示し、客による前記選択アイコンの選択操作に応じて、前記特典結果を出力する特典付与ゲームを実行する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の決済装置。
【請求項5】
店員用の表示装置と、
前記店員用の表示装置に、一取引毎の客の請求金額から予想される予想預り金額の金額候補を示す選択アイコンを複数表示する預り金額入力画面を表示し、店員による前記選択アイコンの選択操作に応じて預り金額を入力する預り金額入力手段と、
を更に有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の決済装置。
【請求項6】
決済処理を実行する決済装置に実装されたコンピュータを、
一取引毎の決済前に、当該一取引の決済に係わる金額情報を用いたゲーム画面を表示装置に表示し、前記ゲーム画面の選択操作に応じて、当該一取引に係わる客に対する特典結果を出力する特典付与ゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記ゲーム実行手段による前記特典結果を報知する報知手段と、
して機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−14250(P2012−14250A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147628(P2010−147628)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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