河川の水質浄化用河床ブロック
【課題】 単位空間当りの水質浄化効率に優れ、水質浄化能力に優れ、水質浄化能力の永続性に優れ、且つ、実用に供し得るほどの極めて経済的な水質浄化用河床ブロックを提供することを目的とする。
【解決手段】 上面が上方に突出した多孔質の直立体であって、且つ、その多孔質の直立体が、多数の細孔を有する多孔質粒子をセメントで互いに結合して、多孔質粒子間に多孔質粒子の有する細孔よりも大きな空隙を海綿網目状に連通して形成した多孔質体である水質浄化用河床ブロックが提供提供される。更に好ましくは、直立体上面に凹部を設けると共に側部に横方向の通水用の空洞部が凹部に連通する形状の水質浄化用河床ブロックが提供提供される。
【解決手段】 上面が上方に突出した多孔質の直立体であって、且つ、その多孔質の直立体が、多数の細孔を有する多孔質粒子をセメントで互いに結合して、多孔質粒子間に多孔質粒子の有する細孔よりも大きな空隙を海綿網目状に連通して形成した多孔質体である水質浄化用河床ブロックが提供提供される。更に好ましくは、直立体上面に凹部を設けると共に側部に横方向の通水用の空洞部が凹部に連通する形状の水質浄化用河床ブロックが提供提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川における水質の浄化に寄与する河床に用いる水質浄化用河床ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
河川の生活排水などによる汚濁が進行している水域の水質浄化法として、接触材充填水路浄化法、礫間接触酸化法等の直接浄化法が期待されている。しかしながら、浄化効率に優れ、実用に供し得る程度に経済的であって、耐久性のある浄化技術はまだ確立されていない。
【0003】
金網袋に炭や礫を詰めたものを河川の床に敷設し、微生物の働きで有機物を分解する方法も試みられているが、炭の使用は高価となり、実用には供し得ない。また、礫の使用は単位空間当たりの生物膜の存在がそれほど大きくはないので浄化効率が悪いとの問題がある。焼成によって製造する多孔質ブロックの研究開発も試みられてきたが、焼成技術による空隙の制御が困難であり、かつ高価となるため実用には供し得ない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はかかる問題点を解決するものであり、単位空間当たりの水質浄化効率に優れ、水質浄化能力に優れ、水質浄化能力の永続性に優れ、且つ、実用に供し得るほどの極めて経済的な水質浄化用河床ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、上面と側面と底面を有する直立体であって、該上面の少なくとも一部が上方に突出していると共に該直立体が多数の細孔を有する多孔質粒子がセメントで互いに結合されて、該多孔質粒子間に多孔質粒子の細孔よりも大きな空隙を海綿網目状に連通して形成された多孔質体であることを特徴とする河川の水質浄化用河床ブロックが提供される。
【0006】
又、本発明においては、前記直立体の上面中央部が周縁部よりも上方に突出していることが好ましい。更に、前記直立体の上面断面形状が台形であることが好ましい。又、前記直立体が上面に少なくとも1個以上の凹部を設けていることが好ましい。さらに、前記直立体が上面に少なくとも1個以上の凹部を設けていると共に側部には横方向の通水用の空洞部が前記凹部に連通する状態に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の河川の水質浄化用河床ブロック(以下、本発明のブロックと称する。)は、多孔質粒子の細孔に着床した好気性微生物膜の酸化作用により水を浄化するものであり、水質浄化に寄与する好気性微生物膜の単位空間当りの表面積が極めて大きい。その結果、本発明のブロックは単位空間当りの水質浄化効率に優れている。
【0008】
又、海綿網目状に連通する孔径の大きい多孔質粒子間の空隙から溶存酸素に富んだ水が好気性微生物膜に供給されるから、好気性微生物膜の活性が高まり、本発明の水質浄化能力は高水準に達する。更に、本発明のブロックは、その上面に突出部を設けているから、水流は乱流状態となり、酸素に富んだ水が多孔質粒子間の空隙に流入しやすくなり、絶えず酸素に飛んだ水が微生物膜に供給されるから、微生物膜の水質浄化作用は永く維持される。その結果、本発明のブロックの水質浄化能力は衰えることなく永く維持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明のブロックを図1、図2に基づいて説明する。図1は本発明のブロックの一例を示す。本発明のブロックは上面の断面形状が台形であると共に多孔質体であって、図2は本発明のブロックの切断面の局部拡大図を模式的に示した図である。
【0010】
各多孔質粒子2がセメント4で互いに結合され、多孔質粒子間空隙5が形成された微構造からなる多孔質体である。
各多孔質粒子2は、孔径が3mm以下の極めて多数の細孔3を有している。そして、各多孔質粒子2を接合するセメント4は多孔質粒子2の多孔性を極力低下させない程度でかつ必要な強度を発現する程度に各多孔質粒子間を接合している。
【0011】
したがって、多孔質粒子2に存在する細孔3の大部分は細孔3よりも孔径の大きい多孔質粒子間空隙5と連通した状態で構成されている。多孔質粒子間空隙5は海綿網目状に連通しており、本発明のブロック1の表面へと繋がっている
【0012】
図3は本発明のブロックを河川の河床に敷設した状態を示す図である。
河川水が多孔質粒子間空隙5に浸透し、更に多孔質粒子が有する細孔3へと浸透する。好気性生物膜は空隙5の孔壁および細孔3の孔壁にそれぞれ着床する。好気性生物膜は孔径の小さい細孔を好むので細孔3の孔壁に特に着床し易い。
【0013】
したがって、本発明のブロック1に存在する単位体積当たりの生物膜の表面積は著しく大きいとの特徴を有する。
更に、多孔質粒子間空隙5は、例えば5mm以上の比較的大きな孔径の空隙であるから、通水性に優れ、溶存酸素に富んだ水を細孔3に着床している好気性バクテリアに供給するから、好気性バクテリアは活性化し、好気性バクテリアの水質浄化能力は高い水準で好適に維持される。
【0014】
その結果、本発明のブロックの水質浄化能力は高い水準で好適に維持される。又、図1に示す本発明のブロックは、その上面が断面台形状であるから、河床に敷設された本発明のブロック域を流れる水流は乱流状態となり、河川水に酸素が溶け込み易くなると共に河川水が本発明のブロック内部に流入し易くなるとの効果をもたらす。
【0015】
更に、本発明のブロックが上面に凹部、側部に凹部に連通する横方向の空洞部を有する実施形態の場合は、本発明のブロックの各部に溶存酸素に富んだ水をより一層供給し、その結果、本発明のブロックの浄化能力及び浄化能力の永続性はより一層向上するとの効果が得られる。
【実施例】
【0016】
以下、本発明の実施例を更に詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
多孔質粒子として火力発電所の第1集塵機から発生するクリンカーアッシュを用いた本発明のブロックについて説明する。
通常のコンクリート製品の製造は成形時に混練物の充填不良を発生させないように出来るだけ緻密に充填することが行われている。ところが本発明のブロックの製造においては、従来のコンクリート製品とは製造する技術課題が全く異なる。
【0017】
本発明のブロックの製造における技術課題は、混練時から硬化時に至る過程において過剰のセメントスラリーを発生させないことである。即ち、多孔質粒子間を接合するセメントスラリーが必要充分な量であって、かつセメントスラリーが本発明ブロックの表面へと浸み出さないことである。
【0018】
クリンカーアッシュが有する細孔を閉塞させることなく本発明のブロックを製造する方法を図4に示した製造工程図に基づいて説明する。
火力発電所の第1集塵機から排出するクリンカーアッシュを篩を通して分級する。使用のクリンカーアッシュの組成は火力発電所で使用される石炭の種類(産地)によって変動する。アルミナ分の最大値は29.9%、最小値は18.0%、平均値は24.9%であった。シリカ分の最大値は67.8%、最小値は52.2%、平均値は58.5%であった。これらクリンカーアッシュを水中に浸漬した場合の水のPHは8.2であった。又、1g当たりの細孔容積は0.15〜0.06立方メートルであった。
【0019】
5〜15mmに分級されたクリンカーアッシュを1000kg秤量し、1000kgのクリンカーアッシュにクリンカーアッシュの含水率の25%に相当する水を加え混合する。所定量の水を含んだクリンカーアッシュを混合機に投入する。
【0020】
一方、砂100〜200kgとセメント280〜320kgを混合し、均一な混合体を得る。この均一混合体を前記クリンカーアッシュを投入した混合機に入れ混合する。
次いで30〜100gの水を加え、混練する。
均一に混練された混練物を図1に示す上面が断面台形状となる型枠内に投入し、棒で突っつきながら型枠内に充填する。いわゆるかちこみ成形をする。所定時間後硬化が完了してから離型し、本発明のブロックを得る。
【0021】
クリンカーアッシュに予め所定量の水を加え、含水させるのは混練時にクリンカーアッシュの有する細孔がセメントで閉塞されることを防止すると共に混練状態の急激な変化を緩和するためである。また、飽和状態まで含水させないのは混練時に過剰なセメントスラリーを発生させないためである。従って、クリンカーアッシュの含水率を50%以下の範囲で含水させておくのが好ましい。
【0022】
混練時の混練物の状態は団子状に握っても湿った混練物が数分割されるか又はばらばらと壊れる状態が良い。この様な混練状態であれば成形の際、多孔質粒子内に含まれている水が浸み出し、成形時に多孔質粒子間を接合するに適したセメントスラリー状態になる。型枠の表面にセメント硬化遅延剤を塗布することは成形体の表面に浸み出したセメントスラリーを硬化させないので好ましい。
【0023】
5〜15mmの大きなクリンカーアッシュを用いているので、多孔質粒子間に5mm以上の空隙が海綿網目状に形成される。又、クリンカーアッシュの細孔の大部分はセメントによって閉塞されること無く、更に離型後は硬化体としての必要強度を有する。
【0024】
セメントは早強セメントが好ましい。混練物を型枠内に投入し、かちこみ成形し、硬化するまでの間に流動性を有するセメントスラリーがクリンカアッシュ表面を被覆することが防止されるので好ましい。硬化促進剤を加えることはセメントスラリーの流動性が短時間で低下し、セメントスラリーが必要以上にクリンカアッシュ表面を被覆することが防止されるので好ましい、従って、早強セメントと硬化促進剤を併用することが更に好ましい。
【0025】
このことによりクリンカアッシュの細孔の大部分はクリンカーアッシュ間に形成される5mm以上の海綿網目状の空隙と連通される。
セメントと共に砂を加えると強度が増すので好ましい。
得られた本発明のブロックの物性は空隙率VC≧20%、圧縮強度σ≧10N/mm2、透水係数KC≧1×10−1である。
【0026】
ここで、多孔質粒子2に存在する細孔3の孔径、多孔質粒子間空隙の孔径及び多孔質粒子の大きさについて説明する。
図5(5a)はクリンカーアッシュの局部断面の一例であって、多孔質粒子2に存在する細孔3の孔径は図5(5b)に示す通り、細孔の断面積と同一の断面積となる円の直径D(円相当直径)で示す。
多孔質粒子群とセメントで囲われた多孔質粒子間空隙の孔径も同じく多孔質粒子間空隙の断面積と同一断面積となる円の直径で示す。
更に又、多孔質粒子の大きさについても同様に、多孔質粒子の断面積と同一断面積となる円の直径で示す。
【0027】
河川用の河床ブロックとしては河川の水の流速によって1個当たりの河床ブロックの重量が所定以上必要である場合もあり、この場合は、図6に示す通り、通常の緻密なコンクリートブロック8を矩形状に成形したコンクリートブロック基台8の片面にセメントモルタル9を塗布し、本発明のブロック1を接合した2層構造の水質浄化用河床ブロック10が好ましい。
【0028】
又、本発明のブロック1とコンクリートブロック8を一つの型内で連続成形し、一体化した2層構造の水質浄化用河床ブロック10が好ましい。この方法で製造した河床ブロック10の接合部は本発明のブロック1の多孔部分にコンクリート8が食い込み、アンカー効果となり接合強度が向上するので好ましい。
【0029】
図6に示す形状の水質浄化用河床ブロックを河川に10平方メートル(10個)敷設し、本発明ブロック1に生物膜を着床させ、20日間経過後河川より取り外し、室内に設置した人工水路の床に設置し、河川より採取した水を循環ポンプで循環し、本発明のブロック1による河川水の浄化データを測定した。
【0030】
尚、水の循環経路の途中に水車を設け、水中の溶存酸素が浄化によって消費され減少することに対し、水中に酸素を補給し、極力自然の河川に近い状況にして経過日数ごとに水を採取して、BOD、COD、アンモニウムイオン、燐、窒素、PHのそれぞれの推移について測定した。その結果を表1〜表6及び図7〜図12に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
図7〜図12に本発明の実施例と共に示した比較例は、本実施例に使用した本発明のブロック1の製造方法において、骨材のクリンカアッシュの代わりに礫を使用した点以外は全て本実施例と同一の条件と方法で作成した比較体を用いて、本実施例と同一の方法で測定した浄化データ結果である。
【0038】
図7はBOD値と経過日数の関係を示す。図8はCOD値と経過日数の関係を示す。図9はアンモニアイオン値と経過日数の関係を示す。
図10は全燐値と経過日数の関係を示す。図11は全窒素値と経過日数の関係を示す。図12はPH値と経過日数の関係を示す。
BODなどの測定はJIS規格に沿って測定した。
【実施例2】
【0039】
実施例1と同一の方法で作成した混練物を型枠内に投入し、図13に示す形状の本発明のブロック11を作成する。図13(13a)は本発明のブロック11の中央部の断面図であり、(13b)は斜視図である。
【0040】
本発明のブロック11の上面中央部に凹部12が設けられているのが特徴である。この凹部12が設けられていることにより河川の水はより広く本発明のブロック11の各部の細孔に浸透しやすくなるから、本発明のブロックの底面側においても水質浄化能力は高水準に維持される。
【実施例3】
【0041】
実施例1と同一の方法で作成した混練物を型枠内に投入し、図14に示す形状の本発明のブロック13を作成する。図14(14a)は本発明のブロック13の中央部の断面図である。(14b)は斜視図である。
【0042】
本発明のブロック13の上面の中央部に設けた凹部12の側部に連通する横穴14を本発明のブロック13の側部に設け、横穴が設けられた側部の位置に上下に伸びる切り欠け部15が設けられている構造の本発明のブロック13である。この本発明のブロック13の多数を河川の河床に水質浄化用硬化体として敷設した状況を図14(14c)に示す。
【0043】
図14(14c)は上面図である。図14(14c)に示す通り、隣り合う本発明のブロック13の側部に設けられた上下に伸びる切り欠け部15が互いに一致するする位置に設けられていることにより、上流からの水が本発明のブロック13の上面に設けられた凹部12のみでなく本発明のブロック13の側部に設けられた横穴14にも通水し、多孔質粒子間の空隙に通水し、河川の水はより広く本発明のブロック13の各部の細孔に浸透しやすくなる。
【0044】
又、本発明のブロック13の側部に設けられた切り欠け部15と横穴14と凹部12が小動物のすみかとなり、良好な食物連鎖を促すことによって自然に優しい環境を創り出すとの効果も併せ得られるので好ましい。本発明のブロック13の各部の細孔3に着床している生物膜に絶えず溶存酸素に富んだ水が供給され、生物膜の浄化能力が活性化され、永くその能力が維持される。
【実施例4】
【0045】
実施例1と同一の方法で作成した混練物を型枠内に投入し、図15に示す形状の本発明のブロック16を作成する。本発明のブロック16の四隅に上方に突出する柱状体17が本発明のブロック16の中央部の凹部12を囲む形状であることにより、この形状の硬化体を河床ブロックとして使用した場合、水流に対して柱状体17が抵抗体となるので水の流れが変化し、水の滞留時間が長くなることにより硬化体細孔内の生物膜による水質の浄化効果が向上するとの効果が得られる。
【実施例5】
【0046】
本発明は前記実施例に限定されるものではない。本発明のブロックとして各種の実施態様の例を図16〜図19に示す。図16は円柱状の本発明のブロック18を河川の河床に敷設した場合の上面図を示す。本発明のブロック18は上面中央部に凹部12を有し、凹部12に連通する横穴14を有する構造である。図17は6角柱形状の本発明のブロック19を多数河川の河床に敷設した場合の上面図である。
【0047】
本発明のブロック19は上面中央部に凹部12と凹部12に連通する横穴14と、横穴14が硬化体19の側部とつながる位置に上下に伸びる切り欠け部15が設けられた構造である。
【0048】
図18は5角柱形状の本発明のブロック20を前記と同じく多数敷設した上面図である。隣り合う硬化体20の切り欠け部15の位置は一致しないが、横穴14と隣接する硬化体の切り欠け部15の位置が一致する実施例である。図19は直方体の本発明のブロック21を前記と同じく多数敷設した上面図である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の河川の水質浄化用河床ブロックは、河川の水質浄化能力、浄化効率及び水質浄化の永続性に優れていると共に実用に供し得る程度にコスト低減が可能であるから、河川の水質浄化用として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】上部の断面が台形状の本発明の水質浄化用河床ブロックの斜視図を示す。
【図2】本発明のブロックの切断面の局部拡大図を模式的に示した図である。
【図3】本発明のブロックを多数河川の河床に敷設した斜視図を示す。
【図4】本発明のブロックの製造工程図である。
【図5】(5a)本発明で使用する多孔質粒子がクリンカーアッシュの場合の局部断面の一例である。(2b)多孔質粒子に存在する細孔の孔径を示す図である。
【図6】本発明のブロックを用いた2層構造の河床ブロックを示す。
【図7】本発明のブロックによる河川水の水質浄化データ、BOD値と経過日数の関係を示す。
【図8】COD値と経過日数の関係を示す。
【図9】アンモニアイオン値と経過日数の関係を示す。
【図10】全燐値と経過日数の関係を示す。
【図11】全窒素値と経過日数の関係を示す。
【図12】PH値と経過日数の関係を示す。
【図13】本発明のブロックの別の実施態様を示す図、(13a)は中央断面図(13b)は斜視図を示す。
【図14】本発明のブロックの更に別の実施態様を示す図、(14a)は中央断面図(14b)は斜視図を示す。(14c)は多数の本発明のブロックを河床に敷設した場合の上面図を示す。
【図15】本発明のブロックの別の実施態様を示す図、(15a)は斜視図、(15b)は多数の本発明のブロックを河川の河床に敷設した場合の上面図を示す。
【図16】本発明のブロックを多数河床に敷設した1実施例の上面図を示す。
【図17】本発明のブロックを多数河床に敷設した1実施例の上面図を示す。
【図18】本発明のブロックを多数河床に敷設した1実施例の上面図を示す。
【図19】本発明のブロックを多数河床に敷設した1実施例の上面図を示す。
【符号の説明】
【0051】
1……本発明の水質浄化用河床ブロック 2……多孔質粒子 3……多孔質粒子の細孔 4……セメント 5……多孔質粒子間空隙 6……砂粒子 10…2層構造の河床ブロック 11…上面中央部に凹部が設けられている本発明のブロック 12…凹部 13…凹部と横穴を有する本発明のブロック 14…横穴 15…切り欠け部 17…柱状体
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川における水質の浄化に寄与する河床に用いる水質浄化用河床ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
河川の生活排水などによる汚濁が進行している水域の水質浄化法として、接触材充填水路浄化法、礫間接触酸化法等の直接浄化法が期待されている。しかしながら、浄化効率に優れ、実用に供し得る程度に経済的であって、耐久性のある浄化技術はまだ確立されていない。
【0003】
金網袋に炭や礫を詰めたものを河川の床に敷設し、微生物の働きで有機物を分解する方法も試みられているが、炭の使用は高価となり、実用には供し得ない。また、礫の使用は単位空間当たりの生物膜の存在がそれほど大きくはないので浄化効率が悪いとの問題がある。焼成によって製造する多孔質ブロックの研究開発も試みられてきたが、焼成技術による空隙の制御が困難であり、かつ高価となるため実用には供し得ない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はかかる問題点を解決するものであり、単位空間当たりの水質浄化効率に優れ、水質浄化能力に優れ、水質浄化能力の永続性に優れ、且つ、実用に供し得るほどの極めて経済的な水質浄化用河床ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、上面と側面と底面を有する直立体であって、該上面の少なくとも一部が上方に突出していると共に該直立体が多数の細孔を有する多孔質粒子がセメントで互いに結合されて、該多孔質粒子間に多孔質粒子の細孔よりも大きな空隙を海綿網目状に連通して形成された多孔質体であることを特徴とする河川の水質浄化用河床ブロックが提供される。
【0006】
又、本発明においては、前記直立体の上面中央部が周縁部よりも上方に突出していることが好ましい。更に、前記直立体の上面断面形状が台形であることが好ましい。又、前記直立体が上面に少なくとも1個以上の凹部を設けていることが好ましい。さらに、前記直立体が上面に少なくとも1個以上の凹部を設けていると共に側部には横方向の通水用の空洞部が前記凹部に連通する状態に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の河川の水質浄化用河床ブロック(以下、本発明のブロックと称する。)は、多孔質粒子の細孔に着床した好気性微生物膜の酸化作用により水を浄化するものであり、水質浄化に寄与する好気性微生物膜の単位空間当りの表面積が極めて大きい。その結果、本発明のブロックは単位空間当りの水質浄化効率に優れている。
【0008】
又、海綿網目状に連通する孔径の大きい多孔質粒子間の空隙から溶存酸素に富んだ水が好気性微生物膜に供給されるから、好気性微生物膜の活性が高まり、本発明の水質浄化能力は高水準に達する。更に、本発明のブロックは、その上面に突出部を設けているから、水流は乱流状態となり、酸素に富んだ水が多孔質粒子間の空隙に流入しやすくなり、絶えず酸素に飛んだ水が微生物膜に供給されるから、微生物膜の水質浄化作用は永く維持される。その結果、本発明のブロックの水質浄化能力は衰えることなく永く維持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明のブロックを図1、図2に基づいて説明する。図1は本発明のブロックの一例を示す。本発明のブロックは上面の断面形状が台形であると共に多孔質体であって、図2は本発明のブロックの切断面の局部拡大図を模式的に示した図である。
【0010】
各多孔質粒子2がセメント4で互いに結合され、多孔質粒子間空隙5が形成された微構造からなる多孔質体である。
各多孔質粒子2は、孔径が3mm以下の極めて多数の細孔3を有している。そして、各多孔質粒子2を接合するセメント4は多孔質粒子2の多孔性を極力低下させない程度でかつ必要な強度を発現する程度に各多孔質粒子間を接合している。
【0011】
したがって、多孔質粒子2に存在する細孔3の大部分は細孔3よりも孔径の大きい多孔質粒子間空隙5と連通した状態で構成されている。多孔質粒子間空隙5は海綿網目状に連通しており、本発明のブロック1の表面へと繋がっている
【0012】
図3は本発明のブロックを河川の河床に敷設した状態を示す図である。
河川水が多孔質粒子間空隙5に浸透し、更に多孔質粒子が有する細孔3へと浸透する。好気性生物膜は空隙5の孔壁および細孔3の孔壁にそれぞれ着床する。好気性生物膜は孔径の小さい細孔を好むので細孔3の孔壁に特に着床し易い。
【0013】
したがって、本発明のブロック1に存在する単位体積当たりの生物膜の表面積は著しく大きいとの特徴を有する。
更に、多孔質粒子間空隙5は、例えば5mm以上の比較的大きな孔径の空隙であるから、通水性に優れ、溶存酸素に富んだ水を細孔3に着床している好気性バクテリアに供給するから、好気性バクテリアは活性化し、好気性バクテリアの水質浄化能力は高い水準で好適に維持される。
【0014】
その結果、本発明のブロックの水質浄化能力は高い水準で好適に維持される。又、図1に示す本発明のブロックは、その上面が断面台形状であるから、河床に敷設された本発明のブロック域を流れる水流は乱流状態となり、河川水に酸素が溶け込み易くなると共に河川水が本発明のブロック内部に流入し易くなるとの効果をもたらす。
【0015】
更に、本発明のブロックが上面に凹部、側部に凹部に連通する横方向の空洞部を有する実施形態の場合は、本発明のブロックの各部に溶存酸素に富んだ水をより一層供給し、その結果、本発明のブロックの浄化能力及び浄化能力の永続性はより一層向上するとの効果が得られる。
【実施例】
【0016】
以下、本発明の実施例を更に詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
多孔質粒子として火力発電所の第1集塵機から発生するクリンカーアッシュを用いた本発明のブロックについて説明する。
通常のコンクリート製品の製造は成形時に混練物の充填不良を発生させないように出来るだけ緻密に充填することが行われている。ところが本発明のブロックの製造においては、従来のコンクリート製品とは製造する技術課題が全く異なる。
【0017】
本発明のブロックの製造における技術課題は、混練時から硬化時に至る過程において過剰のセメントスラリーを発生させないことである。即ち、多孔質粒子間を接合するセメントスラリーが必要充分な量であって、かつセメントスラリーが本発明ブロックの表面へと浸み出さないことである。
【0018】
クリンカーアッシュが有する細孔を閉塞させることなく本発明のブロックを製造する方法を図4に示した製造工程図に基づいて説明する。
火力発電所の第1集塵機から排出するクリンカーアッシュを篩を通して分級する。使用のクリンカーアッシュの組成は火力発電所で使用される石炭の種類(産地)によって変動する。アルミナ分の最大値は29.9%、最小値は18.0%、平均値は24.9%であった。シリカ分の最大値は67.8%、最小値は52.2%、平均値は58.5%であった。これらクリンカーアッシュを水中に浸漬した場合の水のPHは8.2であった。又、1g当たりの細孔容積は0.15〜0.06立方メートルであった。
【0019】
5〜15mmに分級されたクリンカーアッシュを1000kg秤量し、1000kgのクリンカーアッシュにクリンカーアッシュの含水率の25%に相当する水を加え混合する。所定量の水を含んだクリンカーアッシュを混合機に投入する。
【0020】
一方、砂100〜200kgとセメント280〜320kgを混合し、均一な混合体を得る。この均一混合体を前記クリンカーアッシュを投入した混合機に入れ混合する。
次いで30〜100gの水を加え、混練する。
均一に混練された混練物を図1に示す上面が断面台形状となる型枠内に投入し、棒で突っつきながら型枠内に充填する。いわゆるかちこみ成形をする。所定時間後硬化が完了してから離型し、本発明のブロックを得る。
【0021】
クリンカーアッシュに予め所定量の水を加え、含水させるのは混練時にクリンカーアッシュの有する細孔がセメントで閉塞されることを防止すると共に混練状態の急激な変化を緩和するためである。また、飽和状態まで含水させないのは混練時に過剰なセメントスラリーを発生させないためである。従って、クリンカーアッシュの含水率を50%以下の範囲で含水させておくのが好ましい。
【0022】
混練時の混練物の状態は団子状に握っても湿った混練物が数分割されるか又はばらばらと壊れる状態が良い。この様な混練状態であれば成形の際、多孔質粒子内に含まれている水が浸み出し、成形時に多孔質粒子間を接合するに適したセメントスラリー状態になる。型枠の表面にセメント硬化遅延剤を塗布することは成形体の表面に浸み出したセメントスラリーを硬化させないので好ましい。
【0023】
5〜15mmの大きなクリンカーアッシュを用いているので、多孔質粒子間に5mm以上の空隙が海綿網目状に形成される。又、クリンカーアッシュの細孔の大部分はセメントによって閉塞されること無く、更に離型後は硬化体としての必要強度を有する。
【0024】
セメントは早強セメントが好ましい。混練物を型枠内に投入し、かちこみ成形し、硬化するまでの間に流動性を有するセメントスラリーがクリンカアッシュ表面を被覆することが防止されるので好ましい。硬化促進剤を加えることはセメントスラリーの流動性が短時間で低下し、セメントスラリーが必要以上にクリンカアッシュ表面を被覆することが防止されるので好ましい、従って、早強セメントと硬化促進剤を併用することが更に好ましい。
【0025】
このことによりクリンカアッシュの細孔の大部分はクリンカーアッシュ間に形成される5mm以上の海綿網目状の空隙と連通される。
セメントと共に砂を加えると強度が増すので好ましい。
得られた本発明のブロックの物性は空隙率VC≧20%、圧縮強度σ≧10N/mm2、透水係数KC≧1×10−1である。
【0026】
ここで、多孔質粒子2に存在する細孔3の孔径、多孔質粒子間空隙の孔径及び多孔質粒子の大きさについて説明する。
図5(5a)はクリンカーアッシュの局部断面の一例であって、多孔質粒子2に存在する細孔3の孔径は図5(5b)に示す通り、細孔の断面積と同一の断面積となる円の直径D(円相当直径)で示す。
多孔質粒子群とセメントで囲われた多孔質粒子間空隙の孔径も同じく多孔質粒子間空隙の断面積と同一断面積となる円の直径で示す。
更に又、多孔質粒子の大きさについても同様に、多孔質粒子の断面積と同一断面積となる円の直径で示す。
【0027】
河川用の河床ブロックとしては河川の水の流速によって1個当たりの河床ブロックの重量が所定以上必要である場合もあり、この場合は、図6に示す通り、通常の緻密なコンクリートブロック8を矩形状に成形したコンクリートブロック基台8の片面にセメントモルタル9を塗布し、本発明のブロック1を接合した2層構造の水質浄化用河床ブロック10が好ましい。
【0028】
又、本発明のブロック1とコンクリートブロック8を一つの型内で連続成形し、一体化した2層構造の水質浄化用河床ブロック10が好ましい。この方法で製造した河床ブロック10の接合部は本発明のブロック1の多孔部分にコンクリート8が食い込み、アンカー効果となり接合強度が向上するので好ましい。
【0029】
図6に示す形状の水質浄化用河床ブロックを河川に10平方メートル(10個)敷設し、本発明ブロック1に生物膜を着床させ、20日間経過後河川より取り外し、室内に設置した人工水路の床に設置し、河川より採取した水を循環ポンプで循環し、本発明のブロック1による河川水の浄化データを測定した。
【0030】
尚、水の循環経路の途中に水車を設け、水中の溶存酸素が浄化によって消費され減少することに対し、水中に酸素を補給し、極力自然の河川に近い状況にして経過日数ごとに水を採取して、BOD、COD、アンモニウムイオン、燐、窒素、PHのそれぞれの推移について測定した。その結果を表1〜表6及び図7〜図12に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
図7〜図12に本発明の実施例と共に示した比較例は、本実施例に使用した本発明のブロック1の製造方法において、骨材のクリンカアッシュの代わりに礫を使用した点以外は全て本実施例と同一の条件と方法で作成した比較体を用いて、本実施例と同一の方法で測定した浄化データ結果である。
【0038】
図7はBOD値と経過日数の関係を示す。図8はCOD値と経過日数の関係を示す。図9はアンモニアイオン値と経過日数の関係を示す。
図10は全燐値と経過日数の関係を示す。図11は全窒素値と経過日数の関係を示す。図12はPH値と経過日数の関係を示す。
BODなどの測定はJIS規格に沿って測定した。
【実施例2】
【0039】
実施例1と同一の方法で作成した混練物を型枠内に投入し、図13に示す形状の本発明のブロック11を作成する。図13(13a)は本発明のブロック11の中央部の断面図であり、(13b)は斜視図である。
【0040】
本発明のブロック11の上面中央部に凹部12が設けられているのが特徴である。この凹部12が設けられていることにより河川の水はより広く本発明のブロック11の各部の細孔に浸透しやすくなるから、本発明のブロックの底面側においても水質浄化能力は高水準に維持される。
【実施例3】
【0041】
実施例1と同一の方法で作成した混練物を型枠内に投入し、図14に示す形状の本発明のブロック13を作成する。図14(14a)は本発明のブロック13の中央部の断面図である。(14b)は斜視図である。
【0042】
本発明のブロック13の上面の中央部に設けた凹部12の側部に連通する横穴14を本発明のブロック13の側部に設け、横穴が設けられた側部の位置に上下に伸びる切り欠け部15が設けられている構造の本発明のブロック13である。この本発明のブロック13の多数を河川の河床に水質浄化用硬化体として敷設した状況を図14(14c)に示す。
【0043】
図14(14c)は上面図である。図14(14c)に示す通り、隣り合う本発明のブロック13の側部に設けられた上下に伸びる切り欠け部15が互いに一致するする位置に設けられていることにより、上流からの水が本発明のブロック13の上面に設けられた凹部12のみでなく本発明のブロック13の側部に設けられた横穴14にも通水し、多孔質粒子間の空隙に通水し、河川の水はより広く本発明のブロック13の各部の細孔に浸透しやすくなる。
【0044】
又、本発明のブロック13の側部に設けられた切り欠け部15と横穴14と凹部12が小動物のすみかとなり、良好な食物連鎖を促すことによって自然に優しい環境を創り出すとの効果も併せ得られるので好ましい。本発明のブロック13の各部の細孔3に着床している生物膜に絶えず溶存酸素に富んだ水が供給され、生物膜の浄化能力が活性化され、永くその能力が維持される。
【実施例4】
【0045】
実施例1と同一の方法で作成した混練物を型枠内に投入し、図15に示す形状の本発明のブロック16を作成する。本発明のブロック16の四隅に上方に突出する柱状体17が本発明のブロック16の中央部の凹部12を囲む形状であることにより、この形状の硬化体を河床ブロックとして使用した場合、水流に対して柱状体17が抵抗体となるので水の流れが変化し、水の滞留時間が長くなることにより硬化体細孔内の生物膜による水質の浄化効果が向上するとの効果が得られる。
【実施例5】
【0046】
本発明は前記実施例に限定されるものではない。本発明のブロックとして各種の実施態様の例を図16〜図19に示す。図16は円柱状の本発明のブロック18を河川の河床に敷設した場合の上面図を示す。本発明のブロック18は上面中央部に凹部12を有し、凹部12に連通する横穴14を有する構造である。図17は6角柱形状の本発明のブロック19を多数河川の河床に敷設した場合の上面図である。
【0047】
本発明のブロック19は上面中央部に凹部12と凹部12に連通する横穴14と、横穴14が硬化体19の側部とつながる位置に上下に伸びる切り欠け部15が設けられた構造である。
【0048】
図18は5角柱形状の本発明のブロック20を前記と同じく多数敷設した上面図である。隣り合う硬化体20の切り欠け部15の位置は一致しないが、横穴14と隣接する硬化体の切り欠け部15の位置が一致する実施例である。図19は直方体の本発明のブロック21を前記と同じく多数敷設した上面図である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の河川の水質浄化用河床ブロックは、河川の水質浄化能力、浄化効率及び水質浄化の永続性に優れていると共に実用に供し得る程度にコスト低減が可能であるから、河川の水質浄化用として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】上部の断面が台形状の本発明の水質浄化用河床ブロックの斜視図を示す。
【図2】本発明のブロックの切断面の局部拡大図を模式的に示した図である。
【図3】本発明のブロックを多数河川の河床に敷設した斜視図を示す。
【図4】本発明のブロックの製造工程図である。
【図5】(5a)本発明で使用する多孔質粒子がクリンカーアッシュの場合の局部断面の一例である。(2b)多孔質粒子に存在する細孔の孔径を示す図である。
【図6】本発明のブロックを用いた2層構造の河床ブロックを示す。
【図7】本発明のブロックによる河川水の水質浄化データ、BOD値と経過日数の関係を示す。
【図8】COD値と経過日数の関係を示す。
【図9】アンモニアイオン値と経過日数の関係を示す。
【図10】全燐値と経過日数の関係を示す。
【図11】全窒素値と経過日数の関係を示す。
【図12】PH値と経過日数の関係を示す。
【図13】本発明のブロックの別の実施態様を示す図、(13a)は中央断面図(13b)は斜視図を示す。
【図14】本発明のブロックの更に別の実施態様を示す図、(14a)は中央断面図(14b)は斜視図を示す。(14c)は多数の本発明のブロックを河床に敷設した場合の上面図を示す。
【図15】本発明のブロックの別の実施態様を示す図、(15a)は斜視図、(15b)は多数の本発明のブロックを河川の河床に敷設した場合の上面図を示す。
【図16】本発明のブロックを多数河床に敷設した1実施例の上面図を示す。
【図17】本発明のブロックを多数河床に敷設した1実施例の上面図を示す。
【図18】本発明のブロックを多数河床に敷設した1実施例の上面図を示す。
【図19】本発明のブロックを多数河床に敷設した1実施例の上面図を示す。
【符号の説明】
【0051】
1……本発明の水質浄化用河床ブロック 2……多孔質粒子 3……多孔質粒子の細孔 4……セメント 5……多孔質粒子間空隙 6……砂粒子 10…2層構造の河床ブロック 11…上面中央部に凹部が設けられている本発明のブロック 12…凹部 13…凹部と横穴を有する本発明のブロック 14…横穴 15…切り欠け部 17…柱状体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と側面と底面を有する直立体であって、該上面の少なくとも一部が上方に突出していると共に該直立体が多数の細孔を有する多孔質粒子がセメントで互いに接合されて、該多孔質粒子間に多孔質粒子の細孔よりも大きな空隙を海綿網目状に連通して形成された多孔質体であることを特徴とする河川の水質浄化用河床ブロック
【請求項2】
該直立体の上面中央部が周縁部よりも上方に突出していることを特徴とする請求項1に記載の河川の水質浄化用河床ブロック
【請求項3】
該直立体の上面断面形状が台形であることを特徴とする請求項1に記載の河川の水質浄化用河床ブロック。
【請求項4】
該直立体が上面に少なくとも1個以上の凹部を設けていることを特徴とする請求項1に記載の河川の水質浄化用河床ブロック。
【請求項5】
該直立体の上面に少なくとも1個以上の凹部を設けていると共に側部には横方向の通水用の空洞部が該凹部に連通する状態に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の河川の水質浄化用河床ブロック。
【請求項6】
該多孔質粒子がクリンカーアッシュであることを特徴とする請求項1に記載の河川の水質浄化用河床ブロック。
【請求項1】
上面と側面と底面を有する直立体であって、該上面の少なくとも一部が上方に突出していると共に該直立体が多数の細孔を有する多孔質粒子がセメントで互いに接合されて、該多孔質粒子間に多孔質粒子の細孔よりも大きな空隙を海綿網目状に連通して形成された多孔質体であることを特徴とする河川の水質浄化用河床ブロック
【請求項2】
該直立体の上面中央部が周縁部よりも上方に突出していることを特徴とする請求項1に記載の河川の水質浄化用河床ブロック
【請求項3】
該直立体の上面断面形状が台形であることを特徴とする請求項1に記載の河川の水質浄化用河床ブロック。
【請求項4】
該直立体が上面に少なくとも1個以上の凹部を設けていることを特徴とする請求項1に記載の河川の水質浄化用河床ブロック。
【請求項5】
該直立体の上面に少なくとも1個以上の凹部を設けていると共に側部には横方向の通水用の空洞部が該凹部に連通する状態に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の河川の水質浄化用河床ブロック。
【請求項6】
該多孔質粒子がクリンカーアッシュであることを特徴とする請求項1に記載の河川の水質浄化用河床ブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−57449(P2006−57449A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−270946(P2005−270946)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【分割の表示】特願2000−204392(P2000−204392)の分割
【原出願日】平成12年6月1日(2000.6.1)
【出願人】(599104716)大有コンクリート工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【分割の表示】特願2000−204392(P2000−204392)の分割
【原出願日】平成12年6月1日(2000.6.1)
【出願人】(599104716)大有コンクリート工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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