治療剤配送のためのシクロデキストリン基材重合体
本発明は、小分子治療剤の配送用のキャリアとして設計された治療用シクロデキストリン含有重合体化合物の新規な組成物及びその製薬組成物に関する。これらのシクロデキストリン含有重合体は、インビボで使用したときに小分子治療剤の薬剤安定性及び溶解度を改善し、そしてその毒性を低下させる。更に、様々なリンカー基及びターゲット配位子から選択することによって、かかる重合体は、治療剤の制御された配送の方法を可能にする。また、本発明は、患者をここに記載した治療用組成物で処置する方法にも関する。更に本発明は、ここに記載した重合体化合物を含有する又はそれに関するキットを製造し、ライセンス供与し、又は分配することを含む製薬ビジネスの実施法に関する。
【化1】
【化1】
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
[式中、
Pは線状又は分枝状重合体鎖を表わし、
CDはシクロデキストリン部分を表わし、
L1、L2及びL3は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
Dは、それぞれ互いに独立して、治療剤又はそのプロドラッグを表わし、
Tは、それぞれ互いに独立して、ターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
a、m及びvは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、
n及びwは、それぞれ互いに独立して、0〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そして
bは1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、しかも、
Pはシクロデキストリン部分を含むか、又はnは少なくとも1である]によって表わされる化合物。
【請求項2】
重合体鎖がUのn’単位を含み、ここでn’は1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そしてUは、一般式:
【化2】
[式中、
CDはシクロデキストリン分子又はその誘導体を表わし、
L4、L5、L6及びL7は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
D及びD’は、それぞれ互いに独立して、同種若しくは異種の治療剤又はそのプロドラッグを表わし、
T及びT’は、それぞれ互いに独立して、同種若しくは異種のターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
f及びyは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、そして
g及びzは、それぞれ互いに独立して、0〜10の範囲にある整数を表わす]によって表わされる請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式II:
【化3】
[式中、
Pは重合体の単量体単位を表わし、
Tは、それぞれ互いに独立して、ターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
L6、L7、L8、L9及びL10は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
CDは、それぞれ互いに独立して、シクロデキストリン部分又はその誘導体を表わし、
Dは、それぞれ互いに独立して、治療剤又はそのプロドラッグ形態を表わし、
mは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、
oは1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そして
p、n及びqは、それぞれ互いに独立して、0〜10の範囲にある整数を表わし、しかも、
CD及びDはそれぞれ本化合物中に少なくとも一度存在する]によって表わされる化合物。
【請求項4】
式III:
【化4】
[式中、
CDはシクロデキストリン分子又はその誘導体を表わし、
L4、L5、L6及びL7は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
D及びD’は、それぞれ互いに独立して、同種若しくは異種の治療剤又はそのプロドラッグを表わし、
T及びT’は、それぞれ互いに独立して、同種又は異種のターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
f及びyは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、
hは1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そして
g及びzは、それぞれ互いに独立して、0〜10の範囲にある整数を表わし、しかも、
gの少なくとも1個の存在は0よりも大きい整数を表わす]によって表わされる化合物。
【請求項5】
リンカー基がヒドロカルビレン基(ここで、1個又はそれ以上のメチレン基が随意にY基によって置換されるが、但し、Y基のうち互いに隣接するものはないものとする)を表わし、各Y基は、それぞれ互いに独立して、置換又は非置換アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−O−、又はC(=X)(ここで、XはNR1、O又はSである)、−OC(O)−、−C(=O)O、−NR1−、−NR1CO−、−C(O)NR1−、−S(O)n−(ここで、nは0、1又は2である)、−O(C)NR1、−NR1−C(O)NR1、−NR1−C(NR1)NR1−、及び−B(OR1)−から選択され、そしてR1は、それぞれ互いに独立して、H又は低級アルキルを表わす請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
リンカー基がアミノ酸若しくはペプチド又はその誘導体を表わす請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
治療剤が小分子、ペプチド、たん白質又は治療活性を有する重合体である請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
治療剤が疎水性(IogP>0.4、0.6、0.8、1)である請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
治療剤が低い水溶性を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
治療剤又はターゲット配位子が生物加水分解性結合を介してリンカー基に共有結合されている請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項11】
生物加水分解性結合がエステル、アミド、カーボネート又はカルバメートから選択される請求項10記載の化合物。
【請求項12】
治療剤が抗癌薬、抗菌薬、抗バクテリア薬、抗真菌薬又は抗ウイルス薬から選択される請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
治療剤がレセプターアゴニストである請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
治療剤がレセプターアンタゴニストである請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
化合物が生物分解性又は生物侵食性である請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項16】
1,000〜500,000amuの数平均(Mn)分子量を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項17】
5,000〜200,000amuの数平均(Mn)分子量を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項18】
10,000〜100,000amuの数平均(Mn)分子量を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項19】
製薬賦形剤及び請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物又は製薬上許容できるエステル、塩若しくはその水和物を含む製薬調合物。
【請求項20】
請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物のうちの1種又はそれ以上を製薬的有効量で含む製薬投与形態。
【請求項21】
請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物のうちの1種又はそれ以上を治療的有効量で投与することを含む動物の処置法。
【請求項22】
請求項1、2、3又は4記載の化合物を製造する方法。
【請求項23】
正確に2個のヒドロキシル部分がアミノ酸の窒素又は硫黄原子によって置換されている変性シクロデキストリン環。
【請求項24】
アミノ酸がα−アミノ酸である請求項23記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項25】
アミノ酸が、システイン、トリプトファン、グルタミン酸,アスパラギン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジン又はアルギニンである請求項24記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項26】
アミノ酸が、2〜50個のアミノ酸残基を含むオリゴペプチド中に含められている請求項23記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項27】
オリゴペプチドが2〜30個のアミノ酸残基を含む請求項26記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項28】
オリゴペプチドが2〜15個のアミノ酸残基を含む請求項26記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項29】
線状で水溶性のシクロデキストリン含有重合体であって、複数の生物活性部分が該重合体に、生物学的条件下に開裂されて生物活性部分を離脱する結合部を介して共有結合されてなるシクロデキストリン環。
【請求項30】
治療剤が、抗無食欲症薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗痙れん薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、制吐薬、抗新生物薬、止痒薬、抗精神病薬、解熱薬、鎮痙薬、心臓血管作用薬、抗高血圧症薬、利尿薬、血管拡張薬、中枢神経系刺激薬、咳及び風邪調合薬、充血除去薬、診断薬、ホルモン、骨発達刺激薬、骨吸収抑制薬、免疫抑制薬、筋弛緩薬、精神興奮薬、鎮静薬、精神安定薬、抗炎症薬、抗てんかん薬、麻酔薬、睡眠薬、鎮静薬、神経遮断薬、抗うつ薬、不安緩解薬、抗痙れん薬、ニューロンブロッキング薬、抗コリン作用薬、コリン様作用薬、抗ムスカリン薬、ムスカリン様作用薬、抗アドレナリン作用薬、抗不整脈薬及び抗高血圧症薬から選択される請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
[式中、
Pは線状又は分枝状重合体鎖を表わし、
CDはシクロデキストリン部分を表わし、
L1、L2及びL3は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
Dは、それぞれ互いに独立して、治療剤又はそのプロドラッグを表わし、
Tは、それぞれ互いに独立して、ターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
a、m及びvは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、
n及びwは、それぞれ互いに独立して、0〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そして
bは1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、しかも、
Pはシクロデキストリン部分を含むか、又はnは少なくとも1である]によって表わされる化合物。
【請求項2】
重合体鎖がUのn’単位を含み、ここでn’は1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そしてUは、一般式:
【化2】
[式中、
CDはシクロデキストリン分子又はその誘導体を表わし、
L4、L5、L6及びL7は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
D及びD’は、それぞれ互いに独立して、同種若しくは異種の治療剤又はそのプロドラッグを表わし、
T及びT’は、それぞれ互いに独立して、同種若しくは異種のターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
f及びyは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、そして
g及びzは、それぞれ互いに独立して、0〜10の範囲にある整数を表わす]によって表わされる請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式II:
【化3】
[式中、
Pは重合体の単量体単位を表わし、
Tは、それぞれ互いに独立して、ターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
L6、L7、L8、L9及びL10は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
CDは、それぞれ互いに独立して、シクロデキストリン部分又はその誘導体を表わし、
Dは、それぞれ互いに独立して、治療剤又はそのプロドラッグ形態を表わし、
mは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、
oは1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そして
p、n及びqは、それぞれ互いに独立して、0〜10の範囲にある整数を表わし、しかも、
CD及びDはそれぞれ本化合物中に少なくとも一度存在する]によって表わされる化合物。
【請求項4】
式III:
【化4】
[式中、
CDはシクロデキストリン分子又はその誘導体を表わし、
L4、L5、L6及びL7は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
D及びD’は、それぞれ互いに独立して、同種若しくは異種の治療剤又はそのプロドラッグを表わし、
T及びT’は、それぞれ互いに独立して、同種又は異種のターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
f及びyは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、
hは1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そして
g及びzは、それぞれ互いに独立して、0〜10の範囲にある整数を表わし、しかも、
gの少なくとも1個の存在は0よりも大きい整数を表わす]によって表わされる化合物。
【請求項5】
リンカー基がヒドロカルビレン基(ここで、1個又はそれ以上のメチレン基が随意にY基によって置換されるが、但し、Y基のうち互いに隣接するものはないものとする)を表わし、各Y基は、それぞれ互いに独立して、置換又は非置換アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−O−、又はC(=X)(ここで、XはNR1、O又はSである)、−OC(O)−、−C(=O)O、−NR1−、−NR1CO−、−C(O)NR1−、−S(O)n−(ここで、nは0、1又は2である)、−O(C)NR1、−NR1−C(O)NR1、−NR1−C(NR1)NR1−、及び−B(OR1)−から選択され、そしてR1は、それぞれ互いに独立して、H又は低級アルキルを表わす請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
リンカー基がアミノ酸若しくはペプチド又はその誘導体を表わす請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
治療剤が小分子、ペプチド、たん白質又は治療活性を有する重合体である請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
治療剤が疎水性(logP>0.4、0.6、0.8、1)である請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
治療剤が低い水溶性を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
治療剤又はターゲット配位子が生物加水分解性結合を介してリンカー基に共有結合されている請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項11】
生物加水分解性結合がエステル、アミド、カーボネート又はカルバメートから選択される請求項10記載の化合物。
【請求項12】
治療剤が抗癌薬、抗菌薬、抗バクテリア薬、抗真菌薬又は抗ウイルス薬から選択される請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
治療剤がレセプターアゴニストである請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
治療剤がレセプターアンタゴニストである請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
化合物が生物分解性又は生物侵食性である請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項16】
1,000〜500,000amuの数平均(Mn)分子量を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項17】
5,000〜200,000amuの数平均(Mn)分子量を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項18】
10,000〜100,000amuの数平均(Mn)分子量を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項19】
製薬賦形剤及び請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物又は製薬上許容できるエステル、塩若しくはその水和物を含む製薬調合物。
【請求項20】
請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物のうちの1種又はそれ以上を製薬的有効量で含む製薬投与剤。
【請求項21】
請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物のうちの1種又はそれ以上を治療的有効量で含む動物の処置剤。
【請求項22】
請求項1、2、3又は4記載の化合物を製造する方法。
【請求項23】
正確に2個のヒドロキシル部分がアミノ酸の窒素又は硫黄原子によって置換されている変性シクロデキストリン環。
【請求項24】
アミノ酸がα−アミノ酸である請求項23記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項25】
アミノ酸が、システイン、トリプトファン、グルタミン酸,アスパラギン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジン又はアルギニンである請求項24記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項26】
アミノ酸が、2〜50個のアミノ酸残基を含むオリゴペプチド中に含められている請求項23記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項27】
オリゴペプチドが2〜30個のアミノ酸残基を含む請求項26記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項28】
オリゴペプチドが2〜15個のアミノ酸残基を含む請求項26記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項29】
線状で水溶性のシクロデキストリン含有重合体であって、複数の生物活性部分が該重合体に、生物学的条件下に開裂されて生物活性部分を離脱する結合部を介して共有結合されてなるシクロデキストリン環。
【請求項30】
治療剤が、抗無食欲症薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗痙れん薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、制吐薬、抗新生物薬、止痒薬、抗精神病薬、解熱薬、鎮痙薬、心臓血管作用薬、抗高血圧症薬、利尿薬、血管拡張薬、中枢神経系刺激薬、咳及び風邪調合薬、充血除去薬、診断薬、ホルモン、骨発達刺激薬、骨吸収抑制薬、免疫抑制薬、筋弛緩薬、精神興奮薬、鎮静薬、精神安定薬、抗炎症薬、抗てんかん薬、麻酔薬、睡眠薬、鎮静薬、神経遮断薬、抗うつ薬、不安緩解薬、抗痙れん薬、ニューロンブロッキング薬、抗コリン作用薬、コリン様作用薬、抗ムスカリン薬、ムスカリン様作用薬、抗アドレナリン作用薬、抗不整脈薬及び抗高血圧症薬から選択される請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項1】
式I:
【化1】
[式中、
Pは線状又は分枝状重合体鎖を表わし、
CDはシクロデキストリン部分を表わし、
L1、L2及びL3は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
Dは、それぞれ互いに独立して、治療剤又はそのプロドラッグを表わし、
Tは、それぞれ互いに独立して、ターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
a、m及びvは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、
n及びwは、それぞれ互いに独立して、0〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そして
bは1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、しかも、
Pはシクロデキストリン部分を含むか、又はnは少なくとも1である]によって表わされる化合物。
【請求項2】
重合体鎖がUのn’単位を含み、ここでn’は1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そしてUは、一般式:
【化2】
[式中、
CDはシクロデキストリン分子又はその誘導体を表わし、
L4、L5、L6及びL7は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
D及びD’は、それぞれ互いに独立して、同種若しくは異種の治療剤又はそのプロドラッグを表わし、
T及びT’は、それぞれ互いに独立して、同種若しくは異種のターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
f及びyは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、そして
g及びzは、それぞれ互いに独立して、0〜10の範囲にある整数を表わす]によって表わされる請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式II:
【化3】
[式中、
Pは重合体の単量体単位を表わし、
Tは、それぞれ互いに独立して、ターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
L6、L7、L8、L9及びL10は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
CDは、それぞれ互いに独立して、シクロデキストリン部分又はその誘導体を表わし、
Dは、それぞれ互いに独立して、治療剤又はそのプロドラッグ形態を表わし、
mは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、
oは1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そして
p、n及びqは、それぞれ互いに独立して、0〜10の範囲にある整数を表わし、しかも、
CD及びDはそれぞれ本化合物中に少なくとも一度存在する]によって表わされる化合物。
【請求項4】
式III:
【化4】
[式中、
CDはシクロデキストリン分子又はその誘導体を表わし、
L4、L5、L6及びL7は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
D及びD’は、それぞれ互いに独立して、同種若しくは異種の治療剤又はそのプロドラッグを表わし、
T及びT’は、それぞれ互いに独立して、同種又は異種のターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
f及びyは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、
hは1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そして
g及びzは、それぞれ互いに独立して、0〜10の範囲にある整数を表わし、しかも、
gの少なくとも1個の存在は0よりも大きい整数を表わす]によって表わされる化合物。
【請求項5】
リンカー基がヒドロカルビレン基(ここで、1個又はそれ以上のメチレン基が随意にY基によって置換されるが、但し、Y基のうち互いに隣接するものはないものとする)を表わし、各Y基は、それぞれ互いに独立して、置換又は非置換アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−O−、又はC(=X)(ここで、XはNR1、O又はSである)、−OC(O)−、−C(=O)O、−NR1−、−NR1CO−、−C(O)NR1−、−S(O)n−(ここで、nは0、1又は2である)、−O(C)NR1、−NR1−C(O)NR1、−NR1−C(NR1)NR1−、及び−B(OR1)−から選択され、そしてR1は、それぞれ互いに独立して、H又は低級アルキルを表わす請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
リンカー基がアミノ酸若しくはペプチド又はその誘導体を表わす請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
治療剤が小分子、ペプチド、たん白質又は治療活性を有する重合体である請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
治療剤が疎水性(IogP>0.4、0.6、0.8、1)である請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
治療剤が低い水溶性を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
治療剤又はターゲット配位子が生物加水分解性結合を介してリンカー基に共有結合されている請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項11】
生物加水分解性結合がエステル、アミド、カーボネート又はカルバメートから選択される請求項10記載の化合物。
【請求項12】
治療剤が抗癌薬、抗菌薬、抗バクテリア薬、抗真菌薬又は抗ウイルス薬から選択される請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
治療剤がレセプターアゴニストである請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
治療剤がレセプターアンタゴニストである請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
化合物が生物分解性又は生物侵食性である請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項16】
1,000〜500,000amuの数平均(Mn)分子量を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項17】
5,000〜200,000amuの数平均(Mn)分子量を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項18】
10,000〜100,000amuの数平均(Mn)分子量を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項19】
製薬賦形剤及び請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物又は製薬上許容できるエステル、塩若しくはその水和物を含む製薬調合物。
【請求項20】
請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物のうちの1種又はそれ以上を製薬的有効量で含む製薬投与形態。
【請求項21】
請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物のうちの1種又はそれ以上を治療的有効量で投与することを含む動物の処置法。
【請求項22】
請求項1、2、3又は4記載の化合物を製造する方法。
【請求項23】
正確に2個のヒドロキシル部分がアミノ酸の窒素又は硫黄原子によって置換されている変性シクロデキストリン環。
【請求項24】
アミノ酸がα−アミノ酸である請求項23記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項25】
アミノ酸が、システイン、トリプトファン、グルタミン酸,アスパラギン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジン又はアルギニンである請求項24記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項26】
アミノ酸が、2〜50個のアミノ酸残基を含むオリゴペプチド中に含められている請求項23記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項27】
オリゴペプチドが2〜30個のアミノ酸残基を含む請求項26記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項28】
オリゴペプチドが2〜15個のアミノ酸残基を含む請求項26記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項29】
線状で水溶性のシクロデキストリン含有重合体であって、複数の生物活性部分が該重合体に、生物学的条件下に開裂されて生物活性部分を離脱する結合部を介して共有結合されてなるシクロデキストリン環。
【請求項30】
治療剤が、抗無食欲症薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗痙れん薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、制吐薬、抗新生物薬、止痒薬、抗精神病薬、解熱薬、鎮痙薬、心臓血管作用薬、抗高血圧症薬、利尿薬、血管拡張薬、中枢神経系刺激薬、咳及び風邪調合薬、充血除去薬、診断薬、ホルモン、骨発達刺激薬、骨吸収抑制薬、免疫抑制薬、筋弛緩薬、精神興奮薬、鎮静薬、精神安定薬、抗炎症薬、抗てんかん薬、麻酔薬、睡眠薬、鎮静薬、神経遮断薬、抗うつ薬、不安緩解薬、抗痙れん薬、ニューロンブロッキング薬、抗コリン作用薬、コリン様作用薬、抗ムスカリン薬、ムスカリン様作用薬、抗アドレナリン作用薬、抗不整脈薬及び抗高血圧症薬から選択される請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
[式中、
Pは線状又は分枝状重合体鎖を表わし、
CDはシクロデキストリン部分を表わし、
L1、L2及びL3は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
Dは、それぞれ互いに独立して、治療剤又はそのプロドラッグを表わし、
Tは、それぞれ互いに独立して、ターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
a、m及びvは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、
n及びwは、それぞれ互いに独立して、0〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そして
bは1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、しかも、
Pはシクロデキストリン部分を含むか、又はnは少なくとも1である]によって表わされる化合物。
【請求項2】
重合体鎖がUのn’単位を含み、ここでn’は1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そしてUは、一般式:
【化2】
[式中、
CDはシクロデキストリン分子又はその誘導体を表わし、
L4、L5、L6及びL7は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
D及びD’は、それぞれ互いに独立して、同種若しくは異種の治療剤又はそのプロドラッグを表わし、
T及びT’は、それぞれ互いに独立して、同種若しくは異種のターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
f及びyは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、そして
g及びzは、それぞれ互いに独立して、0〜10の範囲にある整数を表わす]によって表わされる請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式II:
【化3】
[式中、
Pは重合体の単量体単位を表わし、
Tは、それぞれ互いに独立して、ターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
L6、L7、L8、L9及びL10は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
CDは、それぞれ互いに独立して、シクロデキストリン部分又はその誘導体を表わし、
Dは、それぞれ互いに独立して、治療剤又はそのプロドラッグ形態を表わし、
mは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、
oは1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そして
p、n及びqは、それぞれ互いに独立して、0〜10の範囲にある整数を表わし、しかも、
CD及びDはそれぞれ本化合物中に少なくとも一度存在する]によって表わされる化合物。
【請求項4】
式III:
【化4】
[式中、
CDはシクロデキストリン分子又はその誘導体を表わし、
L4、L5、L6及びL7は、それぞれ互いに独立して、存在しなくてもよく又はリンカー基を表わし、
D及びD’は、それぞれ互いに独立して、同種若しくは異種の治療剤又はそのプロドラッグを表わし、
T及びT’は、それぞれ互いに独立して、同種又は異種のターゲット配位子又はその前駆物質を表わし、
f及びyは、それぞれ互いに独立して、1〜10の範囲にある整数を表わし、
hは1〜約30,000の範囲にある整数を表わし、そして
g及びzは、それぞれ互いに独立して、0〜10の範囲にある整数を表わし、しかも、
gの少なくとも1個の存在は0よりも大きい整数を表わす]によって表わされる化合物。
【請求項5】
リンカー基がヒドロカルビレン基(ここで、1個又はそれ以上のメチレン基が随意にY基によって置換されるが、但し、Y基のうち互いに隣接するものはないものとする)を表わし、各Y基は、それぞれ互いに独立して、置換又は非置換アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−O−、又はC(=X)(ここで、XはNR1、O又はSである)、−OC(O)−、−C(=O)O、−NR1−、−NR1CO−、−C(O)NR1−、−S(O)n−(ここで、nは0、1又は2である)、−O(C)NR1、−NR1−C(O)NR1、−NR1−C(NR1)NR1−、及び−B(OR1)−から選択され、そしてR1は、それぞれ互いに独立して、H又は低級アルキルを表わす請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
リンカー基がアミノ酸若しくはペプチド又はその誘導体を表わす請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
治療剤が小分子、ペプチド、たん白質又は治療活性を有する重合体である請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
治療剤が疎水性(logP>0.4、0.6、0.8、1)である請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
治療剤が低い水溶性を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
治療剤又はターゲット配位子が生物加水分解性結合を介してリンカー基に共有結合されている請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項11】
生物加水分解性結合がエステル、アミド、カーボネート又はカルバメートから選択される請求項10記載の化合物。
【請求項12】
治療剤が抗癌薬、抗菌薬、抗バクテリア薬、抗真菌薬又は抗ウイルス薬から選択される請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
治療剤がレセプターアゴニストである請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
治療剤がレセプターアンタゴニストである請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
化合物が生物分解性又は生物侵食性である請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項16】
1,000〜500,000amuの数平均(Mn)分子量を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項17】
5,000〜200,000amuの数平均(Mn)分子量を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項18】
10,000〜100,000amuの数平均(Mn)分子量を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項19】
製薬賦形剤及び請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物又は製薬上許容できるエステル、塩若しくはその水和物を含む製薬調合物。
【請求項20】
請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物のうちの1種又はそれ以上を製薬的有効量で含む製薬投与剤。
【請求項21】
請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物のうちの1種又はそれ以上を治療的有効量で含む動物の処置剤。
【請求項22】
請求項1、2、3又は4記載の化合物を製造する方法。
【請求項23】
正確に2個のヒドロキシル部分がアミノ酸の窒素又は硫黄原子によって置換されている変性シクロデキストリン環。
【請求項24】
アミノ酸がα−アミノ酸である請求項23記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項25】
アミノ酸が、システイン、トリプトファン、グルタミン酸,アスパラギン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジン又はアルギニンである請求項24記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項26】
アミノ酸が、2〜50個のアミノ酸残基を含むオリゴペプチド中に含められている請求項23記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項27】
オリゴペプチドが2〜30個のアミノ酸残基を含む請求項26記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項28】
オリゴペプチドが2〜15個のアミノ酸残基を含む請求項26記載の変性シクロデキストリン環。
【請求項29】
線状で水溶性のシクロデキストリン含有重合体であって、複数の生物活性部分が該重合体に、生物学的条件下に開裂されて生物活性部分を離脱する結合部を介して共有結合されてなるシクロデキストリン環。
【請求項30】
治療剤が、抗無食欲症薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗痙れん薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、制吐薬、抗新生物薬、止痒薬、抗精神病薬、解熱薬、鎮痙薬、心臓血管作用薬、抗高血圧症薬、利尿薬、血管拡張薬、中枢神経系刺激薬、咳及び風邪調合薬、充血除去薬、診断薬、ホルモン、骨発達刺激薬、骨吸収抑制薬、免疫抑制薬、筋弛緩薬、精神興奮薬、鎮静薬、精神安定薬、抗炎症薬、抗てんかん薬、麻酔薬、睡眠薬、鎮静薬、神経遮断薬、抗うつ薬、不安緩解薬、抗痙れん薬、ニューロンブロッキング薬、抗コリン作用薬、コリン様作用薬、抗ムスカリン薬、ムスカリン様作用薬、抗アドレナリン作用薬、抗不整脈薬及び抗高血圧症薬から選択される請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2006−502301(P2006−502301A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−569982(P2004−569982)
【出願日】平成15年9月4日(2003.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2003/027588
【国際公開番号】WO2004/022099
【国際公開日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願人】(503220244)インサート セラピューティクス インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年9月4日(2003.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2003/027588
【国際公開番号】WO2004/022099
【国際公開日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願人】(503220244)インサート セラピューティクス インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
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