説明

治療薬のターゲティング

被験者に対してターゲティングさせた治療薬投与を行うための装置、システム、および方法が提供される。例えば、尿道周囲充填剤の投与をターゲティングするための装置、システム、および方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2009年8月3日に出願した米国仮特許出願第61/230,905号の利益を主張し、その開示全体は参照によりここに援用される。
【0002】
本開示は、治療薬をターゲティングするための装置(device)、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
数々の疾患を治療するため、被験者らへの治療薬の投与は一般的に行なわれている。改善された治療結果を実現するためには、被験者の体内で治療薬をターゲティングすることが望ましいこともしばしばある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被験者に対してターゲティングした治療薬投与を行うための装置、システム、および方法が提供される。例えば、尿道周囲充填剤投与をターゲティングするための装置、システム、および方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記装置、システムおよび方法の1つまたは複数の態様の詳細を、添付の図面および以下の説明に示す。その他の特徴、目的、および利点については以下の説明および図面と特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】収縮位置にある例示的なターゲティング装置およびシステムの概略図である。
【図2】伸展位置にある例示的なターゲティング装置およびシステムの概略図である。
【図3】治療薬を投与するための針が前進した、伸展位置にある例示的なターゲティング装置およびシステムの概略図である。
【図4】収縮位置にある図1の装置およびシステムの正面概略図である。
【図5】伸展位置にある図2、図3の装置およびシステムの正面概略図である。
【図6】伸展位置にある、被験者に挿入された図2、図3の装置およびシステムの正面概略図である。
【図7】尿道測定装置の概略図である。
【図8A】収縮位置にある例示的なターゲティング装置およびシステムの概略図である。
【図8B】伸展位置にある例示的なターゲティング装置およびシステムの概略図である。
【図9A】例示的なターゲティング装置およびシステムの概略図である。
【図9B】例示的なターゲティング装置およびシステムの概略図である。
【図9C】例示的なターゲティング装置およびシステムの斜視概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明は、各図面を参照して読まれるべきである。各図面において、異なる図面中の同じ要素には同じ番号が付されている。各図面は必ずしも尺度通りではなく、例示的な態様を示すものであって、特許請求の範囲に記載されている範囲を限定するものではない。
【0008】
図1は、例示的なターゲティング装置100の概略図である。この装置100は、部分的に、被験者の器官の管腔(lumen)の内部に配置することができる。上記装置は、治療薬投与のターゲティングに使用可能である。例えば上記装置は、治療的効果をもたらすように、器官の管腔の外表面に近接した所望の位置への治療薬のターゲティングに使用可能である。任意選択的に、上記装置は、1回以上の尿道周囲充填剤注入のターゲティングに使用することもできる。尿道周囲充填剤をターゲティングして注入することにより、内因性括約筋不全(ISD)、すなわちタイプIIIの腹圧性尿失禁を含む尿失禁を治療することができる。充填剤の非限定的な例としては、コンチゲン(CONTIGEN(商標))(シー.アール.バード社、ニュージャージー州マリーヒル)、デュラスフィア(DURASPHERE(商標))(カーボンメディカルテクノロジーズ社、ミネソタ州セントポール)、コープタイト(COAPTITE(商標))(バイオフォームメディカル社、カリフォルニア州サンマテオ)、テグレス(TEGRESS(商標))(シー.アール.バード社、ニュージャージー州マリーヒル)、ブルカミド(BULKAMID(商標))(コンツーラ社、デンマーク セーボー)、マクロプラスティック(MACROPLASTIQUE(商標))(ウロプラスティ(Uroplasty)社、ミネソタ州ミネアポリス)、およびズイデックス(ZUIDEX(商標))(キューメッド社、スウェーデン ウプサラ)が含まれる。この治療薬はまた、エネルギー源からのエネルギーを含むことができる。例えば、レーザ光エネルギーまたは電気エネルギーは、上述の装置、システムおよび方法を使用してターゲティングできる治療薬である。
【0009】
装置100は、末端部分および基部部分を有する硬質または半硬質のスリーブ104を備えることができる。上記スリーブの硬質または半硬質の性質により、上記装置またはその一部分を被験者の器官内腔に挿入して前進させることが可能になる。上記スリーブの長手には空洞(lumen)が延びることができ、また、上記スリーブはその末端および基端で開口していてもよい。スリーブの空洞は、光学レンズ装置112を受け入れるサイズに形成できる。光学レンズ装置112は、スリーブの空洞内部に配置されて、摺動式に移動可能である。上記レンズはまた、スリーブの空洞内部の所望の位置に選択的に固定することもできる。例えば、レンズ112は、上記スリーブの基端の開口から挿入可能である。上記スリーブ末端の開口の方へとレンズ112を前進させて通すことができる。任意選択的には、レンズは0度の短い膀胱鏡レンズである。このレンズは、外側のコーティングと、膀胱鏡等の医療用レンズで一般的な内側の光学部品と、を有することができる。上記レンズは、器官内腔のさらなる可視化のために、撮像装置と結合することができる。上記レンズは、例えば、カメラ、ビデオ装置、超音波撮像装置、または別の撮像装置と結合することができる。
【0010】
装置100はさらに、展開可能なフレームを備える。このフレームは、第1の収縮構造から第2の伸展構造へ展開することができる。第1の収縮位置は、器官内腔への挿入に適しており、第2の伸展位置は、器官の外壁に凹部を形成するのに適している。図6には、凹部712の例が略図で示されている。
【0011】
上記フレームは、先端部分およびベース部分をそれぞれ有する硬質または半硬質のアーム102を複数備えることができる。各アームは、硬質であるか、または収縮構造から伸展構造に展開された際に、アームが中に配置されている器官の形状を変えることができる場合には半硬質である。例えば、硬質または半硬質のアームにより、器官の外壁に凹部を形作ることができる。各アーム102のベース部分は、スリーブ104の末端開口の周りに旋回可能に固定することができる。各アーム102は、その先端がスリーブ104の長手方向の中心軸(A)に近接する第1の収縮構造(図1)と、これよりも中心軸から離れて配置される伸展構造(図2)との間で旋回可能である。アームはスリーブの周りに隔置することができ、アームの収縮位置においてスリーブの端部と反対側の箇所で、各先端が長手方向の軸(A)の周りに集まって互いに略近接するようになっている。このスリーブ末端への旋回式固定は、ヒンジピン付きのヒンジを含むことができるが、これに限定されない。また、上記旋回式固定は、収縮構造と伸展構造の間におけるアームの移動を可能にするその他の連結をアームとスリーブとの間に含むこともできる。例えば、アームとスリーブの間の連結点は、収縮構造と伸展構造の間で屈曲できるように柔軟であってもよい。
【0012】
アーム102を収縮構造から伸展構造まで押しやるには、レンズ112をスリーブの空洞に通して摺動可能に前進させて、末端のスリーブ開口から外へ出せばよい。レンズ112が末端のスリーブ開口を通って前進すると、レンズ112がアームに接触して、アームの先端を長手方向の軸(A)から押し離して伸展位置に押しやることができる。アームの伸展にはその他の機構を使用してもよい。例えば、電子式アクチュエータ、マイクロモータ、ギアベースの機構、またはスリーブ通路に通して移動するように構成された別の非レンズ装置をアームの伸展に用いてもよい。
【0013】
図4に示されているように収縮位置で3つの先端が互いに近接するように、上記装置は任意選択的に、末端のスリーブ周囲に隔置されたベースをそれぞれ有する3本のアームを備える。任意選択的には、レンズが前進してアームが伸展構造になった後、レンズは定位置に選択的に固定される。例えば、レンズ112は、レンズ112の外側表面に配置されたノッチを備えていてもよい。このノッチは、スリーブ104の空洞の内側壁に配置されたタブと対にすることができる。タブとノッチが近接するとタブがノッチ内に弾んで、レンズ112をスリーブ104内部の所望の位置に固定することができる。例えば、タブとノッチを近接させるために、レンズとスリーブを互いに対して回転させることができる。
【0014】
装置100はさらに、案内装置(apparatus)を備えることができる。案内装置は、スリーブ104と一体的に、またはスリーブ104に固定された案内部分108を有していてもよい。案内装置はさらに、スリーブ104上を基端方向にも末端方向にも摺動可能な案内部材106を備えることができる。スリーブ104の断面形状は三角形にすることができる。スリーブの三角断面形状上での摺動可能に移動可能なように、摺動可能な案内部材106も同様に対応する三角形の空洞を有していてもよい。案内部分108は、案内部材106に近接して配置される。摺動可能な案内部材106はまた、スリーブに沿った位置に選択的に固定することができる。スリーブの空洞内部にレンズを固定するために、例えば上で説明したものと同様の固定機構を使用することができる。案内部材106をスリーブ上の所望の位置に固定するために、案内部材106とスリーブ104を対にすることが可能である。案内部材106と案内部分108は共に、1つ以上の案内突起(107、109)を含むことができる。上記装置が3本のアームを有する場合は、案内部材と案内部分は任意選択的にそれぞれ3つの案内突起を有する。
【0015】
各案内突起は、針110またはその他の投与装置が当該突起を通過可能な案内穴を有する。案内突起は互いに対して位置合わせすることができ、これにより突起109の案内穴に針を通してから突起107の案内穴に通して方向付けできる。この位置合わせされた案内突起はさらに、図3、図4に最も良く示されているように、伸展アーム102同士の間にあるスペースとも位置合わせすることができる。各突起(107、109)の高さとそれに対応する案内穴の高さは、被験者の組織内に針110が挿入されたときに器官壁の外側に入って、器官外壁付近へ治療薬を投与できるようなものとなっている。針は、市販の尿道周囲充填剤キットの針であってよい。
【0016】
次に図8A、8Bを参照すると、例示的な装置800が示されている。装置800は、上述のように展開可能なフレームを備えることができる。装置800はさらに、弾性を有するOリング806等、アームを非展開位置の方へ付勢するための機構を備えることができる。Oリングは、尿道などの器官の管腔内へのフレームの挿入中に、アームを大まかに非展開位置に保つよう機能することができる。Oリングはまた、本明細書で説明すると共に図8Bに示すように、アームを展開させることもできる。Oリングに加えて、またはOリングの代わりに、その他の付勢機構を使用することもできる。例えば、ばねを使用して、アームをその収縮位置の方に付勢してもよい。
【0017】
装置800は、案内部分108に画成された案内スロット804を含む。案内部材106も、案内スロット802を含むことができる。案内スロット802は、案内部材106の末端に向かって延びて案内部材の末端のところで開口している空洞と連通する。上記案内スロットおよび空洞により、針などの投与装置を被験者へ通過させることができ、その通過が案内される。スロット、空洞および開口の方向は、尿道周囲充填剤などの治療薬を投与するように形作られた凹部の近傍に針110などの投与装置を案内できるように位置合わせすることができる。いくつかの態様では、フレームの長手中心軸に対して垂直に測った様々な距離のところに、複数の空洞と開口があってもよい。これにより、フレームの長手中心軸から色々な距離のところで治療薬を投与可能となる。案内部材106および/または案内部分におけるスロットを使用することによって、被験者への投与装置の配置効率を高めることができる。
【0018】
上記装置800はまた、尿道腔内の様子を可視化するために、スコープ814、816と共に使用することもできる。例えば、上記スコープを使用して、尿道内に形作られた1つ以上の凹部を可視化することができる。停止機構812により、スコープの末端の尿道に通される深さは制限可能である。停止機構812については、図9A〜9Cを参照して以下に詳細に説明する。
【0019】
図9A〜9Cに、例示的なターゲティング装置900の概略図が示されている。この装置900は、部分的に被験者の器官内腔に配置することができる。装置100、800と同様に、装置900は、治療薬投与のターゲティングに使用することができる。例えば上記装置は、治療的効果をもたらすように、器官の管腔外表面に近接した所望の位置への治療薬のターゲティング等に使用可能である。任意選択的に、上記装置は1回以上の尿道周囲充填剤注入のターゲティングに使用可能である。ターゲティングした尿道周囲充填剤の注入により、内因性括約筋不全(ISD)すなわちタイプIIIの腹圧性尿失禁を含む尿失禁を治療することができる。
【0020】
充填剤の非限定的な例としては、コンチゲン(CONTIGEN(商標))(シー.アール.バード社、ニュージャージー州マリーヒル)、デュラスフィア(DURASPHERE(商標))(カーボンメディカルテクノロジーズ社、ミネソタ州セントポール)、コープタイト(COAPTITE(商標))(バイオフォームメディカル社、カリフォルニア州サンマテオ)、テグレス(TEGRESS(商標))(シー.アール.バード社、ニュージャージー州マリーヒル)、ブルカミド(BULKAMID(商標))(Contura社、デンマーク セーボー)、マクロプラスティック(MACROPLASTIQUE(商標))(ウロプラスティ社、ミネソタ州ミネアポリス)、およびズイデックス(ZUIDEX(商標))(キューメッド社、スウェーデン ウプサラ)が含まれる。この治療薬はまた、エネルギー源からのエネルギーを含むことができる。例えば、レーザ光エネルギーまたは電気エネルギーは、上述の装置、システムおよび方法を使用してターゲティングできる治療薬である。
【0021】
装置900は、少なくとも1つのリブ部材904を有する硬質または半硬質のフレームを備えることができる。例えば、図9A〜9Cに示されているように、装置900は、3つ以上のリブ部材を有することができる。各リブ部材は、スリーブ104の末端部分908から延びることができる。上述したように、スリーブ104は、基部および末端の開口と、開口間に延びる通路を有することができる。リブ部材904は、スリーブ104の末端部分から末端方向に延びることができ、フレーム902の基部部分のところで終端することができる。フレーム902の末端部分は先端906を有していてもよい。先端906は、被験者の尿道管腔へのフレームの挿入と前進を補助することができる。
【0022】
1つ以上のリブ部材、または任意選択的に全てのリブ部材同士の間に、1つ以上の空間910が画成される。リブ部材904は、尿道内腔にピンと張ったところを2箇所設けることによって、尿道の外壁に凹部を形作るように機能することができる。尿道管腔壁の、2つのリブ部材の間にある部分は、空間910内に垂れ下がるか弛み得る。この垂れ下がりまたは弛みに対応する尿道の外壁に、尿道周囲充填剤をターゲティングすることができる。
【0023】
装置900はさらに、案内装置を備えることができる。案内装置は、形作られた凹部内に尿道周囲充填剤を案内する際に使用できる案内部材106および案内部分を含む。その際、案内部材106はスリーブ104に摺動可能に配置することができる。案内部材は、スリーブ104の長手に沿って基部方向と末端方向に摺動することができる。案内部材106は、スリーブの長手に対して任意の所望の位置で、定位置に固定することができる。例えば止めねじ808を使用して、スリーブ104の長手に沿った所望の位置に、案内部材を恒久的または一時的に固定することができる。
【0024】
案内装置はさらに、案内部材106に近接して配置された案内部分108を備えることができる。装置100について述べたように、案内部分108はスリーブ104に固定可能である。上述したように、案内部材106を末端方向へ移動させることによって尿道へフレームをより深く挿入することが可能になり、案内部材106を基部方向へ移動させることによって尿道へフレームをより浅く挿入することが可能になる。したがって、スリーブ104の長手に沿った案内部材106の配置を調節することによって、尿道におけるフレームの深さを調節することができる。
【0025】
尿道におけるフレームの深さが調節できることから、尿道の長手に沿った凹部の配置を調節することができる。また、フレームは回転可能であり、またフレームを様々な回転位置で尿道に挿入することもできることから、尿道の様々な長さのところにかつ様々な回転位置に凹部を配置することができる。
【0026】
装置900は、案内部分108に画成された案内スロット804を含む。案内部材106も、案内スロット802を含むことができる。案内スロット802は、案内部材106の末端に向かって延びて末端の開口914で開口している空洞と連通する。上記案内スロットおよび空洞により、針などの投与装置を被験者へ通過させることができ、その通過が案内される。スロット、空洞および開口914の方向は、針110などの投与装置を、尿道周囲充填剤などの治療薬を投与するように形作られると共に空間910の上に位置する凹部の近傍に案内できるように位置合わせすることができる。いくつかの態様では、フレームの長手中心軸に対して垂直に測った様々な距離のところに、複数の空洞および開口があってもよい。これにより、フレームの長手中心軸から色々な距離のところで治療薬を投与可能となる。案内部材106および/または案内部分におけるスロットを使用することによって、被験者への投与装置の配置効率を高めることができる。
【0027】
例示的な装置800について述べたように、装置900は、スコープ814、816と共に使用することができる。尿道の内腔および管腔内壁を可視化するために、上記スコープの末端を尿道内に前進させることができる。例えば、上記スコープを使用して、1つ以上の形作られた凹部を可視化することができる。器官内腔にスコープを通す深さは、停止機構812で制御することができる。
【0028】
停止機構は、開口を有する末端と、開口を有する基端と、末端開口と基部開口を接続する通路と、を備える。この両開口および通路は、スコープが部分的に摺動可能に通過するために十分な直径を有する。ただし、停止機構は、スリーブ104の一部分と接触してそれを停止させるように寸法決めされる。例えば、停止機構の末端は、図9B、9Cに示されているようにスリーブ104の基端と当接することができる。停止機構812はさらに、スコープに固定するための機構を含む。例えば、この停止機構は、停止機構と係合して停止機構をスコープに対して係合、固定するための止めねじ912を備えていてもよい。このようにしてスコープと停止機構の相対運動が阻止される。さらに、スリーブに対する停止機構の相対的な移動がそのスリーブとの当接によって妨げられることから、スコープを器官内の末端方向にさらに挿入することができない。したがって、停止機構812は、器官内腔へのスコープの所望の貫通深さの選択に使用することができる。
【0029】
上述の例示的ターゲティング装置と共に使用するための、針110等の投与装置は、被験者に治療薬を注入するための任意の装置を含むことができる。1つの例示的な装置としてシリンジ装置がある。針は、シリンジ装置の構成部品である場合もある。全体にわたり、例として針を使用しているが、上記の装置、システムおよび方法を使用してターゲティングした投与を行うために、カニューレや、被験者に治療薬を投入または適用するように構成された投与装置のあらゆる部分を案内することができる。シリンジ装置はさらに、ハブ部分116、外筒部分111、およびプランジャ部分を備えることができる。外筒部分111には、被験者に投与するための治療薬を装填することができる。例えば、外筒111には、尿失禁を治療するために尿道周囲へ投与するための充填剤を装填することができる。
【0030】
シリンジにおいて典型的なように、プランジャを押し下げることにより、治療薬を針を通して被験者の組織内に押し入れることができる。したがって展開可能なフレーム装置では、アーム102が伸展したときに、針を案内突起に通して被験者の組織内に前進させることができる。図3に示されているように、ハブが案内突起109に対してあたるまで、針は末端方向に前進可能である。また、図8B、9Bおよび9Cに示されているように、ハブが案内部分108の一部分に対してあたるまで、針を前進させてもよい。案内部分108は、スリーブと一体的であるか、またはスリーブに固定されている。案内穴はシリンジハブが通過できるほど大きくないため、これにより、針の末端方向への前進は、案内突起109または案内部分108と当接するハブによって制限される。
【0031】
針の先端は、完全に前進すると、案内部分108から所定の距離に位置する。アーム102またはリブ904もまた、スリーブ104および案内部分108に対して固定されていることから、完全に前進したときの針の先端も、アームの長手またはリブの長手に沿って所定の距離のところに配置される。ただし、摺動可能な案内部材106が案内部分108およびアーム102またはリブ904に対して移動可能なので、針110が被験者の組織内に突出する距離と、アームまたはリブが器官内腔に突出する距離は、変化しうる。したがって、摺動可能な案内部材106の位置をスリーブ104の長手に沿って変更することによって、被験者への治療薬投与の所望の深さを変えることができる。
【0032】
上述の装置は、尿失禁のある被験者に対して尿道充填剤の投与をターゲティングするために使用することができる。例えば、操作中(in operation)、上記装置の一部分は、器官内腔へ方向付けることができる。上記装置は、管腔外位置への治療薬の投与に使用することもできる。例えば、上記装置の一部分を被験者の尿道内腔へ方向付け、尿失禁の治療のために尿道充填剤を管腔外投与することなどができる。この管腔外投与は、充填剤の尿道周囲への注入を含むことができる。治療は、被験者が経験する任意の失禁症状の部分的または全面的な緩和を含んだ、尿失禁症状の緩和を含むことができる。したがって、治療薬とは、尿失禁などの疾患の1つ以上の症状を緩和するために使用されるものである。
【0033】
上記装置は、管腔を含む他の器官の治療にも使用することができる。例えば、上記装置は部分的に食道、気管、肛門、または直腸に挿入することができ、それらの器官に対しても管腔外位置に薬剤を投与することができる。したがって、食道周囲、気管周囲、肛門周囲および直腸周囲に、ターゲティングした投与を行うことができる。単なる例として、尿道については、アーム102またはリブ904を尿道口へ方向付け、尿道内腔へと前進させることができる。アームまたはリブの先端が膀胱頸部に達するような程度の所望の距離のところに、このアームまたはリブを前進させることができる。
【0034】
投与をターゲティングするために、尿道の長さが測定される。尿道の長さの測定に、例えば図7に略図で示されている測定装置800を使用することができる。測定装置800は、末端および基端を有する導管802を備える。上記装置はさらに、開口している装置の基端812と、導管の空洞と流体連通する開口806と、を備える。
【0035】
上記末端は、被験者の尿道内に挿入され、膀胱の方へと前進する。上記末端は最終的に膀胱に入り、上記装置は開口806が膀胱に入るまで前進する。開口806が膀胱に入ると、尿が開口806内に流れ、導管の空洞を通って、装置の開口している基端812から出る。装置の開口している基端812から流れ出る尿により、開口806が膀胱に入ったことが示される。開口806が近位尿道の内部に配置されるとちょうど上記流れは停止し、末端表面814が被験者の外尿道口に接してあたるまで、摺動式ブロック810が導管802に対して末端方向に動かされる。摺動式ブロック810の末端表面814と、開口806の末端縁部816と、の間の距離は、被験者の尿道の長さに近似する。任意選択的には、摺動式ブロック810は、案内部材106と同じ形状を有する。任意選択的には、摺動式ブロックは案内部材106である。
【0036】
尿道の長さの測定は、従来のフォーリーカテーテルの構造を使用して行ってもよい。摺動式ブロックをカテーテルシャフトに配置してもよく、そのカテーテルシャフトの目盛尺に沿って動かしてもよい。このカテーテルは、尿道に通して膀胱内に挿入することができる。カテーテルのバルーンを膀胱内で膨張させることができ、そのバルーンが膀胱底に載るように、カテーテルを引き戻すことができる。次いで、摺動式ブロックを外尿道口に前進させることができる。膨張させたバルーンと摺動式ブロックの間の距離は、尿道の長さに近似させることができる。
【0037】
尿道充填剤の尿道に沿った所望の投与位置に基づき、この近似された尿道の長さを使用して、案内部材106をスリーブ104に沿って固定すべき位置を決定することができる。完全に前進すると針はアーム102またはリブ904およびスリーブ104に対して決まった距離まで延びることから、案内部材106の位置をスリーブ104に沿って変更することによって、被験者体内における針110の先端の位置を変えることができる。したがって、案内部材106をスリーブ104に沿って案内部分108の方へ基部寄りに固定した場合、アーム102またはリブ904および針110は被験者の体内のさらに奥へと延びる。案内部材106をスリーブ104に沿って案内部分108から末端寄りに離して固定した場合、アーム102またはリブ904および針110の被験者の体内への延びは浅くなる。
【0038】
測定された尿道の長さと、尿道の長手に沿った所望の治療薬投与位置とを考慮あすると、スリーブの長手に沿って案内部材106を固定するための位置は、容易に決定することができる。案内部材106のための適切な位置が決定されると、スリーブ上にある目盛表示に沿って、案内部材をスリーブ104に固定することができる。
【0039】
展開可能なフレームを備える例示的な装置では、当該装置を適切に配置することによって、伸展位置までのアームの展開を作動させるため、レンズ112をスリーブ空洞内に装入することができる。
【0040】
上記装置のフレームは外尿道口に挿入することができる。その装置は、案内部材106の末端表面105が外尿道口に当接するまで、尿道に前進させることができる。展開可能なフレームを備える例示的な装置では、レンズ112をスリーブの空洞に通して末端方向に前進させて、尿道管腔内の伸展位置へとアームを押しやることができる。このアームの伸展により、尿道管腔の形状が変わる。3本のアームを使用する場合、アームにより被験者の尿道は三角形になる傾向がある。レンズ112を前進させてアームを伸展させることにより、そのレンズを定位置に固定することができる。この固定は、アーム102をその伸展位置に固定するようにも機能する。レンズ112は、尿道の内部を可視化するための撮像装置に結合することができる。
【0041】
アーム102が伸展されると、アーム同士の間にある尿道組織710がたるんで、図6に示されるように、器官外壁に窪みすなわち凹部712が形成され、共に、各伸展アーム同士の間の対応する内向きの凸面が形成される。この内向きの凸面は、器官の管腔内部から上記レンズおよび結合された撮像装置を使用して可視化することができる。上記器官外壁の窪みすなわち凹部は、所望の治療用充填剤の投与位置に対応する。図9A〜9Cに示した例示的装置など、展開可能ではないフレームを使用した場合でも、尿道組織に対する同様の解剖学的変化が実現される。
【0042】
ハブ116が突起109の基部表面113または案内部分108に当接するまで完全に前進すると、針110の先端は、上記窪みすなわち凹部における投与薬剤が堆積する尿道管腔外に配置される。この投与は、凹部の器官壁または凹部における器官壁の外部に行うことができる。任意選択的に、針は、アーム同士の中間にある凹部の低い地点に配置される。任意選択的に、針は斜角が付けられており、斜角が付いた先端が凹部の方に方向付けられる。針はまた、斜角が付いていないタイプであってもよい。針を上記位置に前進させたら、シリンジのプランジャを前進させることによって薬剤を投与することができる。
【0043】
投与部位と形作られる凹部との間の距離もやはり、スリーブ104の長手中心軸(A)に対して垂直な方向に変化させることができる。例えば、針110などの投与装置を上下させて、スリーブ104の外側表面から離したり近づけたりすることによって、この距離を変更することができる。針をスリーブの外側表面からさらに持ち上げれば、そのスリーブの外側表面に対して針が低い位置の場合よりも、形作られた凹部の上方の高いところに治療薬をターゲティングすることができる。いくつかの例では、スリーブ104の長手中心軸(A)と略垂直な平面に沿って測定されるスリーブ104の外側表面と針110との間の距離は、約1.0ミリメートル(mm)〜7.0ミリメートル(mm)にすることができる。例えば、この距離は、約2.0mm〜約4.5mmにすることも、約3.0mm〜2.5mmにすることもできる。これらの測定値は、凹部712の下端と投与部位との間の距離に対応させることができる。例えば、これらの測定値は、図6に示されているように、案内穴402または針110と、凹部712の下端との間の距離に対応させることもできる。
【0044】
凹部または窪みの識別または位置決めは、レンズ112および撮像装置および/またはスコープ814、816を使用して、対応する内向きの凸面を尿道の内部から可視化することによって行うことができる。2本のアームの間における窪みすなわち凹部内に所望の量の薬剤を投与後、針を取り除くことができる。その針は、位置合わせされた案内部分の突起109と案内部材の突起107の第2のセット、または位置合わせされた案内スロット804、802の第2のセットを介して、挿入することができる。これにより、第1の投与と同じ深さまでだが、他の少なくとも1つのアーム102または他の少なくとも1つのリブ904によって形成された異なる窪みすなわち凹部に、針110がターゲティングされる。
【0045】
3本のアームまたは3本のリブを備える装置については、このプロセスを再度繰り返して、3本の伸展したアームまたは3本のリブによって作り出された第3の窪みすなわち凹部内に、薬剤を投与することができる。4本のアームまたはリブを使用する場合は4つの窪みを作り出すことができ、各窪みに薬剤を投与することができる。投与は、作り出された窪みすなわち凹部の総数より少ない回数まで行うことができる。任意選択的には、およそ5時、8時および1時の位置に、3回の充填剤投与を行うことができる。
【0046】
針110を被験者から引き戻すことによって、上記装置は取り除くことができる。レンズ112もスリーブ104から固定解除でき、基部側に戻してスリーブの空洞から出すことができる。展開可能なフレームの装置を使用する場合には、装置を管腔から戻すときにアームをその収縮位置に戻すことができ、その装置を被験者から取り除くことができる。
【0047】
被験者に対する治療薬投与をターゲティングするためのシステムも提供される。このシステムは、器官の管腔内に挿入されるようなサイズに形成された展開可能なフレームを有する装置を備えることができる。上記フレームは、器官に凹部を形作ることができる。任意選択的には、上記フレームが第1の収縮構造および第2の伸展構造を有する。第2の伸展構造は、器官の外壁に凹部を形作るのに適していてもよい。上記システムの上記装置はさらに、投与装置から投与された治療薬が上記形作られた凹部に位置するように、上記投与装置を器官の管腔外部の上記形作られた凹部に近接した位置に案内するのに適した案内装置を備えることができる。上記システムはさらに、展開可能なフレームをその第1の収縮構造から第2の伸展構造へ押しやるためのアクチュエータを備えることができる。任意選択的に、上記アクチュエータは、レンズなどの光学装置を備える。上記システムはさらに、尿道周囲充填剤を含んだシリンジなどの投与装置を備えることができる。
【0048】
上述した装置は、成型プラスチックやステンレス鋼など、その他任意の適当な材料で形成することができる。使用可能な一般的な材料は、内科的/外科的装置で日常的に使用されている。上記装置は、滅菌状態で包装可能であり、毎使用後、使い捨て可能である。
【0049】
本発明のシステム、装置および方法の種々の態様について説明したが、本明細書の開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることが理解されるだろう。したがって、その他の態様も以下の特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者への治療薬の投与をターゲティングするための装置であって、
器官の管腔内に挿入して前記器官の外壁に凹部を形作るように構成された硬質または半硬質のフレームと、
投与装置から投与された治療薬が前記形作られた凹部に位置するように、前記投与装置を前記器官の管腔外部へ前記形作られた凹部に近接して案内するように構成された案内装置と、を備える装置。
【請求項2】
前記フレームが基部部分および末端部分を備え、
前記基部部分と前記末端部分との間に、少なくとも2つの硬質または半硬質のリブ部材が延びる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記リブ部材の少なくとも2つが、前記基部部分と前記末端部分の間における前記リブ部材の長手の少なくとも部分に沿って互いから隔置されている、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
互いから隔置されている前記リブ部材の前記部分の間に、空間が画成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
互いから隔置されている前記リブ部材の前記部分の間に、前記器官の外壁に形作られた前記凹部が形成される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記凹部が前記空間内に形作られる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
基端および末端で開口して空洞を画成する硬質または半硬質のスリーブをさらに備え、
前記フレームの前記基部部分が、前記スリーブの前記末端の周りに固定される、請求項1、2または3に記載の装置。
【請求項8】
前記スリーブの前記空洞内に光学装置が配置可能かつ摺動可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記基部部分が略円錐形状を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
基端および末端で開口した空洞を画成する硬質または半硬質のスリーブをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記スリーブの長軸方向において前記スリーブの前記末端から末端方向に延びる少なくとも2つの硬質または半硬質のリブ部材をさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記リブ部材の少なくとも2つが、前記基部部分と前記末端部分の間における前記リブ部材の長手の少なくとも部分に沿って互いから隔置されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
互いから隔置されている前記リブ部材の前記部分の間に、空間が画成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
互いから隔置されている前記リブ部材の前記部分の間に、前記器官の外壁に形作られた前記凹部が形成される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記凹部が前記空間内に形作られる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
末端部分をさらに備え、
前記リブ部材の少なくとも2つが、最先端部に近接した前記末端部分で終端する、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも2つのリブ部材が末端領域で互いに突き当たって終端して末端部分を形成する、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記フレームが、前記被験者の尿道に適合した寸法に形成される、請求項1〜17に記載の装置。
【請求項19】
前記凹部が、前記尿道の外壁に形作られる、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記治療薬が、前記尿道の前記形作られた凹部に近接して投与される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記治療薬が尿道周囲充填剤である、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記フレームが第1の収縮構造および第2の伸展構造を有し、
前記第1の収縮構造は、前記器官の管腔内に挿入されるように構成され、
第2の伸展構造は、前記器官の外壁に凹部を形作るように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記展開可能なフレームを前記第1の収縮構造から前記第2の伸展構造まで押しやるためのアクチュエータをさらに備える、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記展開可能なフレームが、前記器官の外壁に複数の凹部を形作るように構成される、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記フレームが、末端の先端部分および基部のベース部分をそれぞれ有する複数の硬質または半硬質のアームを備える、請求項22〜24に記載の装置。
【請求項26】
前記各アームをまとめて前記フレームの前記収縮構造の方に押しやる付勢力を付与するように、前記アームの前記周縁部の周りに弾性リングが配置される、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
基端および末端で開口した空洞を画成する硬質または半硬質のスリーブをさらに備え、
各アームの前記ベース部分が、前記スリーブの前記末端の周りに旋回可能に固定される、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記スリーブの管腔内部に光学装置が配置可能かつ摺動可能である、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記光学装置を前記スリーブの開口した前記末端に通して摺動させることによって、前記第1の収縮構造から前記第2の伸展構造までの前記フレームの展開が作動される、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記光学装置がレンズである、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記器官の管腔内部における可視化を可能にするために、前記レンズが撮像装置に結合するよう構成される、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記案内装置が、前記スリーブの外壁と一体型のまたは前記スリーブの外壁に固定された案内部分を備え、
前記案内部分が、前記スリーブの前記外壁から隔置された穴を有し、前記穴に通して前記投与装置を通過させるように構成される、請求項27に記載の装置。
【請求項33】
前記案内装置がさらに前記スリーブの前記外壁に沿って摺動可能な案内部材を備え、
前記案内部材が前記案内部分と反対側の前記スリーブの周りに配置される、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記案内部材が、前記スリーブの前記外壁から隔置された穴を備え、前記穴に通して前記投与装置を通過させるように構成される、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記投与装置がシリンジの針である、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記案内部材が、前記スリーブの周りの所望の位置に固定されるように構成される、請求項34に記載の装置。
【請求項37】
尿道の長さを測定するための測定装置をさらに備える、請求項1〜35に記載の装置。
【請求項38】
被験者への治療薬の投与をターゲティングするためのシステムであって、
器官の管腔内に挿入される寸法に形成された展開可能なフレームにおいて、前記フレームが第1の収縮構造および第2の伸展構造を有し、前記第1の収縮構造が前記器官の管腔内に挿入されるように構成され、前記第2の伸展構造が前記器官の外壁に凹部を形作るように構成された、展開可能なフレームと、
投与装置から投与された治療薬が前記形作られた凹部に位置するように、前記投与装置を前記器官の管腔外部の前記形作られた凹部に近接して案内するように構成された案内装置と、
前記展開可能なフレームを前記第1の収縮構造から前記第2の伸展構造まで押しやるためのアクチュエータと、を備えるシステム。
【請求項39】
前記展開可能なフレームが、前記器官の外壁に複数の凹部を形作るように構成される、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記フレームが、末端の先端部分および基部のベース部分をそれぞれ有する複数の硬質または半硬質のアームを備える、請求項38または39に記載のシステム。
【請求項41】
基端および末端で開口した空洞を画成する硬質または半硬質のスリーブをさらに備え、
各アームの前記ベース部分が、前記スリーブの前記末端の周りに旋回可能に固定される、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記アクチュエータが、前記スリーブの空洞内に配置可能かつ摺動可能な光学装置である、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記光学装置を前記スリーブの前記開口した末端に通して摺動させることによって、前記第1の収縮構造から前記第2の伸展構造までの前記フレームの展開が作動される、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記光学装置がレンズである、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記器官の管腔内部における可視化を可能にするために、前記レンズが撮像装置に結合するよう構成される、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記案内装置が、前記スリーブの外壁と一体型のまたは前記スリーブの外壁に固定された案内部分を備え、
前記案内部分が、前記スリーブの前記外壁から隔置された穴を有し、前記穴に通して前記投与装置を通過させるように構成される、請求項41に記載のシステム。
【請求項47】
前記案内装置が前記スリーブの前記外壁に沿って摺動可能な案内部材をさらに備え、
前記案内部材が前記案内部分と反対側の前記スリーブの周りに配置される、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記案内部材が、前記スリーブの前記外壁から隔置された穴を備え、前記穴に通して前記投与装置を通過させるように構成される、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記投与装置がシリンジの針を備える、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記案内部材が、前記スリーブの周りの所望の位置に固定されるように構成される、請求項48に記載のシステム。
【請求項51】
前記投与装置が、前記被験者に投与される前記治療薬が充填されたシリンジ外筒をさらに備える、請求項49に記載のシステム。
【請求項52】
前記治療薬が尿道周囲充填剤である、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
尿道の長さを測定するための測定装置をさらに備える、請求項38〜52に記載のシステム。
【請求項54】
被験者への治療薬の投与をターゲティングする方法であって、
前記器官の外壁に凹部を形作る硬質または半硬質のフレームを器官の管腔内に挿入するステップと、
前記器官の管腔外部の前記形作られた凹部に近接して投与装置を案内するステップと、
前記形作られた凹部に治療薬を投与するステップと、を含む方法。
【請求項55】
前記フレームが第1の収縮構造および第2の伸展構造を有し、前記第1の収縮構造が前記器官の管腔内に挿入されるように適合され、前記第2の伸展構造が前記器官の外壁に前記凹部を形作るように構成される、請求項54に記載の方法であって、
前記フレームを前記第1の収縮構造から前記第2の伸展構造まで作動させて、前記凹部を前記器官の外壁に形作るステップと、
前記器官の管腔外部の前記形作られた凹部に近接して投与装置を案内するステップと、
前記形作られた凹部に治療薬を投与するステップと、をさらに含む方法。
【請求項56】
前記器官が尿道である、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記治療薬が尿道周囲充填剤である、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記フレームが伸展構造において前記器官の外壁に複数の凹部を形作る、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
複数の前記形作られた凹部に治療薬を投与するステップをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記尿道の長さを判定するステップをさらに含む、請求項59に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【公表番号】特表2013−500831(P2013−500831A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523693(P2012−523693)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/044224
【国際公開番号】WO2011/017306
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(504391260)エモリー ユニバーシティー (6)
【出願人】(504317824)ファセット・テクノロジーズ・エルエルシー (12)
【Fターム(参考)】