説明

泡入浴システム

【課題】泡生成室内の水、泡沫群等が空気供給源側へ逆流することを抑制させ、逆流物の過剰残留に起因して雑菌が繁殖することを抑制させるのに有利な泡入浴システムを提供する。
【解決手段】泡生成器3は、水、空気および薬剤が供給されて泡沫群を生成させるための泡生成室33と、水供給源5から供給される水を泡生成室33に供給させる給水口42と、泡生成器3のうちの上部において泡生成室33に連通するように設けられた給気口41と、泡生成室33に攪拌作動可能に設けられた攪拌要素36と、空気供給源6から給気口41を介して泡生成室33に向かう空気流れを許容させ且つ泡生成室33から給気口41を介して空気供給源6に向かう流れを阻止させる逆止弁48とを有する。逆止弁48は、泡生成器3のうちの攪拌要素36の軸線PAよりも上側に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は泡沫群を用いて入浴できる泡入浴システムに関する。入浴は浴槽入浴およびシャワー入浴を含む。
【背景技術】
【0002】
泡入浴システムは、泡沫群の原料となる水を供給させる水供給源と、泡沫群の原料となる空気を供給させる空気供給源と、水供給源から供給された水と空気供給源から供給された空気と薬剤とに基づいて泡沫群を生成させる泡生成器とを有する。
【0003】
特許文献1(特開2008-178547)は、ボンベに封入されているポンプに炭酸ガスをマイクロバルブとして生成させる炭酸泉生成装置を開示する。このものによれば、炭酸ガスと水とを混合する圧力容器の上部に排出弁が設けられ、排出弁の内部に逆止弁が設けられている。しかしながら、炭酸ガスと水とが混合した混合水を気体溶解装置に導入させる導入口が別途存在しており、この導入口自体には逆止弁が設けられていない。このため気体溶解装置の状況によっては、気体溶解装置内の混合水が導入口を介して逆流するおそれがある。
【0004】
特許文献2(特開2011-31190)は微細気泡発生装置を開示する。このものによれば、浴槽内の水を気体溶解部に導入させる導水管およびポンプが設けられている。更に空気を導入させる空気導入管が導水管に接続されている。これにより水および空気が気体溶解部に供給されて両者を混合させて微細気泡水を生成させる。微細気泡水は浴槽に供給され、泡入浴に利用される。導水管を流れる水が空気導入管に供給されないように、空気導入管には逆止弁が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-178547号公報
【特許文献2】特開2011-31190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した泡入浴システムによれば、泡生成器は、水、空気および薬剤が供給されて泡沫群を生成させるための泡生成室と、水供給源から供給される水を泡生成室に供給させる給水口と、空気供給源から供給される空気を泡生成室に供給させる給気口とを有する。しかし、泡生成器において泡沫群が形成されるとき、泡生成室に配置されたインペラ等の攪拌要素が作動するため、泡生成室において攪拌されている泡沫群の一部が、給気口から空気供給源側の通路に逆流するおそれがある。逆流物が過剰となり、システムの通路に残留すると、雑菌繁殖の要因となり得るおそれがある。
【0007】
上記した特許文献1に係る技術においても、気体溶解装置の状況によっては、気体溶解装置から導入口を介してポンプ側の通路に逆流するおそれがある。特許文献2に係る技術においても、気体溶解部の状況によっては、気体溶解部から導水管を介してポンプ側に逆流するおそれがある。この場合においても、逆流物の過剰の残留は、雑菌繁殖の要因となり得るおそれがある。
【0008】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、泡生成室内の水、泡沫群等が空気供給源側へ逆流することを抑制させ、逆流物の過剰残留に起因して雑菌が繁殖することを抑制させるのに有利であり、更に、薬剤を含む水や泡沫群と逆止弁との接触頻度を低下させて逆止弁の耐久性を向上させるのに有利な泡入浴システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の様相1に係る泡入浴システムは、泡沫群の原料となる水を供給させる水供給源と、泡沫群の原料となる空気を供給させる空気供給源と、水供給源から供給された水と空気供給源から供給された空気と薬剤とに基づいて泡沫群を生成させる泡生成器とを具備する泡入浴システムにおいて、泡生成器は、(i)水、空気および薬剤が供給されて泡沫群を生成させるための泡生成室と、(ii)泡生成室で生成させた泡沫群を外部に吐出させる吐出部と、泡生成室に連通するように設けられ水供給源から供給される水を泡生成室に供給させる給水口と、(iii)泡生成室に連通するように設けられ空気供給源から供給される空気を泡生成室に供給させる給気口と、(iv)泡生成室に攪拌作動可能に設けられ、攪拌作動に伴い水、空気および薬剤に基づいて泡沫群を生成させる攪拌要素と、(v)泡生成器のうちの攪拌要素の軸線よりも上側に設けられ空気供給源から給気口を介して泡生成室に向かう空気流れを許容させ且つ泡生成室から給気口を介して空気供給源に向かう流れを阻止させる逆止弁とを具備することを特徴とする。
【0010】
泡生成器の泡生成室には、水、空気および薬剤が供給される。水供給源から供給される水を給水口を介して泡生成室に供給させる。空気供給源から供給される空気を給気口を介して泡生成室に供給させる。この状態で泡生成室において攪拌要素が攪拌作用を果たす。このため泡生成室において泡沫群が形成される。泡生成器で生成された泡沫群は、吐出部から外部に吐出される。泡生成器のうちの上部には逆止弁が設けられている。逆止弁は、空気供給源から給気口を介して泡生成室に向かう空気流れを許容させる。このため空気供給源から供給される空気を給気口および逆止弁を介して泡生成室に供給させることができる。泡生成時には、泡生成室において攪拌要素が攪拌作用を発揮するため、泡生成室に供給されている水、薬剤、泡沫群が給気口を介して空気供給源に逆流せんとする。逆流物がシステムの通路において残留したままであると、雑菌繁殖の要因となり得る。この点本様相によれば、泡生成時において泡生成室において攪拌要素が攪拌作用を発揮するとしても、逆止弁は、泡生成室から給気口を介して空気供給源に向かう水、薬剤、泡沫群の流れを阻止させる。よって、逆流物が空気供給源側に過剰に残留することが長期にわたり抑制される。ひいては逆流物に起因する雑菌の繁殖が長期にわたり抑制される。
【0011】
逆止弁は弁泡生成器のうちの攪拌要素の軸線よりも上側に設けられている。このため、泡生成時には泡生成室において攪拌要素が攪拌作用を発揮するときであっても、逆止弁が弁泡生成器のうちの攪拌要素の軸線よりも下側に設けられている場合に比較して、泡生成室内の水、泡沫群等が逆止弁に接触する頻度を低下させることができる。特に、泡生成室に収容されている水や泡沫群が少量であるときには、泡生成室内の水、泡沫群等が逆止弁に接触する頻度を低下させることができる。よって、泡入浴システムが長期にわたり使用されるときであっても、水や泡沫群に含まれている薬剤に起因する逆止弁の劣化が抑制され、逆止弁の耐久性の向上、長寿命化を図り得る。
【0012】
本様相によれば、逆止弁は、泡生成器のうちの上部に設けられていることが好ましい。上部とは、泡生成室において水や泡沫群が攪拌される空間の全高さを100として相対表示するとき、その空間の最下底から80以上の高さをいう。90以上または95以上の高さが好ましい。
【0013】
泡生成室に空気を供給させるとき、逆止弁は開弁され、空気供給源からの空気が開弁状態の逆止弁を介して泡生成室に流入される。このとき、仮に、逆止弁が泡生成器の下部に設けられていると、泡生成室の水や泡沫群が逆止弁に接触する頻度が増加し、水や泡沫群に含まれる薬剤により逆止弁が劣化するおそれがある。更に、空気供給のために逆止弁が開弁するとき、泡生成室における薬剤を含む水や泡沫群が開弁状態の逆止弁から重力によって落下し、結果として、空気供給源側の通路に逆流してしまうおそれがある。この場合、前述したように、逆流物の過剰残留により雑菌繁殖の不具合が発生するおそれがある。
【0014】
この点本様相によれば、逆止弁は、泡生成器の攪拌要素の軸線よりも上側に設けられている。このため泡生成室の攪拌要素が水や泡沫群を攪拌させるときであっても、泡生成室の水や泡沫群が逆止弁に接触する頻度が低減される。特に、泡生成室に収容されている水や泡沫群が少量であるときには、泡生成室内の水、泡沫群等が逆止弁に接触する頻度を低下させることができる。従って、水や泡沫群に含まれる薬剤により逆止弁が劣化するおそれが抑制される。更に、空気供給源から空気を泡生成室に空気を供給させるために逆止弁が開弁されたとしても、開弁した逆止弁から、泡生成室における薬剤を含む水や泡沫群が重力によって空気供給源側の通路に流入することが抑制される。ひいては、逆流物が空気供給源側の通路に逆流してしまうおそれが抑制される。
【0015】
(2)本発明の様相2に係る泡入浴システムによれば、上記様相において、泡生成器は、泡生成室の他に、給気口および給水口に対面すると共に泡生成室に連通する連通室と、連通室と泡生成室とを仕切る仕切壁とを備えており、逆止弁は、泡生成器のうちの上部に位置するように給気口に設けられていることを特徴とする。本様相によれば、給気口が対面する連通室と泡生成室とを仕切る仕切壁が設けられている。このため、泡生成時において泡生成室において攪拌要素が強い攪拌作用を発揮するとしても、泡生成室から連通室に向かう水、薬剤、泡沫群の流れが仕切壁の遮蔽作用により抑制される。よって、水、薬剤、泡沫群が連通室から給気口および逆止弁を介して空気供給源側に逆流することは、仕切壁により抑制される。従って、この逆流物が空気供給源側に過剰に残留することは、抑制される。よって逆止物の過剰残留に起因する雑菌の繁殖が抑制される。
【0016】
(3)本発明の様相3に係る泡入浴システムによれば、上記様相において、給気口は、泡生成器を形成するハウジングにおいて上下方向に延びるように形成されており、逆止弁は、(i)給気口に嵌着され給気口を区画する内周壁面に対面する外周壁面と弁口を形成する内周壁面もつ筒体と、(ii)弁口を開閉するための弁体と、(iii)弁口を閉鎖する方向に弁体を付勢するための付勢部材と、(iv)給気口の通路に対面しないように筒体の外周壁面と泡生成器のハウジングとの間に介在するシール部材とを備えていることを特徴とする。シール部材の材質の如何によっては、シール部材は長期間にわたり薬剤に接触すると、シール部材の劣化が促進されるおそれがある。この点について本様相によれば、シール部材が給気口の通路に対面しないように筒体の外周壁面と泡生成器のハウジングとの間に介在する。このため薬剤を含む泡沫群がシール部材に接触することが抑制される。従って、シール部材の耐久性の向上、長寿命化に有利となる。
【0017】
(4)本発明の様相4に係る泡入浴システムによれば、上記様相において、泡生成器のハウジングは、逆止弁の筒体の軸長方向の一端部を係合させる第1係合部と、逆止弁の筒体の軸長方向の他端部を係合させる第2係合部とを有することを特徴とする。本様相によれば、逆止弁の脱落が確実に抑制され、逆止弁の逆止作用が長期にわたり良好に得られる。この点本様相によれば、泡生成時において泡生成室において攪拌要素が攪拌作用を発揮するとしても、長期間にわたり、逆止弁は、泡生成室から給気口を介して空気供給源に向かう水、薬剤、泡沫群の流れを良好に阻止させる。よって逆流物の残留に起因する雑菌の繁殖が抑制される。
【0018】
(5)本発明の様相5に係る泡入浴システムによれば、上記様相において、泡生成器は給気口を形成する筒部を有しており、逆止弁は筒部内に取り付けられており、逆止弁が閉弁されているとき、筒部のうち逆止弁よりも下方の空間は、水や泡沫群の侵入に対して抵抗となる空気を残留させることを特徴とする。本様相によれば、逆止弁が閉弁されているとき、筒部のうち逆止弁よりも下方の空間は空気を残留させる。空気は、水や泡沫群の侵入に対して抵抗となるため、薬剤を含む水や泡沫群が逆止弁に接触する頻度を一層抑制させることができる。このため逆止弁の耐久性および長寿命化に有利である。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る泡入浴システムによれば、空気供給源から給気口を介して泡生成室に向かう空気流れを許容させ且つ泡生成室から給気口を介して空気供給源に向かう流れを阻止させる逆止が設けられている。この逆止弁は弁泡生成器のうちの攪拌要素の軸線よりも上側に設けられている。このため、泡生成時には泡生成室において攪拌要素が攪拌作用を発揮するときであっても、泡生成室内の水、泡沫群等が逆止弁を介して空気供給源側へ逆流することを一層抑制させることができる。従ってシステムの通路において逆流物の過剰残留を抑制できる。よって、逆流物の過剰残留に起因して雑菌が繁殖することを抑制させるのに有利となる。
【0020】
逆止弁は弁泡生成器のうちの攪拌要素の軸線よりも上側に設けられているため、逆止弁が弁泡生成器のうちの攪拌要素の軸線よりも下側に設けられている場合に比較して、泡生成時には泡生成室において攪拌要素が攪拌作用を発揮するときであっても、泡生成室内の水、泡沫群等が逆止弁に接触する頻度を低下させることができる。よって、水や泡沫群に含まれている薬剤に起因する逆止弁の劣化が抑制される。従って、逆止弁の耐久性の向上、長寿命化を図り得る。
【0021】
仮に、逆止弁が弁泡生成器のうちの攪拌要素の軸線よりも重力作用方向における下側に設けられているときには、攪拌要素が作動せずとも、泡生成室内の薬剤を含む水、泡沫群等が逆止弁に接触する頻度が飛躍的に増加し、逆止弁の劣化が促進される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施形態1に係り、浴槽に取り付けた泡入浴システムを示す概念図である。
【図2】実施形態1に係り、泡入浴システムの要部を示す図である。
【図3】実施形態1に係り、泡入浴システムの側面図である。
【図4】実施形態1に係り、泡生成器のハウジングを給気口および給水口に沿った切断した断面図である。
【図5】実施形態1に係り、泡生成器のハウジングの給水口に取れ付けた逆止弁付近を示す拡大図である。
【図6】逆止弁を取り付ける位置を検討した模式図である。
【図7】制御部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
攪拌要素は、駆動軸を回転させる方式でも、駆動軸を往復移動させる方式でも良い。泡生成器で生成される泡沫群は、多数の気泡を有する。気泡サイズとしては、500マイクロメトール以下、400マイクロメトール以下にできるが、これに限定されるものではない。泡沫群において水/空気の比率としては、体積比で、1/2〜3/4が例示できるが、これに限定されるものではない。給水源としては、泡沫群の原料となる水を泡生成器に供給させるものであれば良く、水ポンプが例示される。空気供給源としては、泡沫群の原料となる空気を泡生成器に供給させるものであれば良く、コンプレッサ、空気ポンプが例示される。水供給源または空気供給源の構造としては、ダイヤフラム式、ロータ式、ピストン式等に限定されるものでは公知の構造を採用できる。
【0024】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について図1〜図5を参照して説明する。本実施形態に係る泡入浴システム1は、浴槽室20をもつ浴槽2を設置する入浴室、または、その隣室等の室に据え付けられており、液相の湯に微小気泡が混在する泡沫群を用いて入浴する泡入浴モードを実行できる。浴槽室20には、泡剤として機能する薬剤が投入された温かい水27が、泡沫群の原料水として貯留される。浴槽2は、泡沫群などを浴槽室20に吐出させる吐出口21と、浴槽室20の下側の水を吸入する吸入口22とをもつ。浴槽2の底壁23には排水口24および排水管25がドレイン部として設けられている。
【0025】
図1に示すように、泡入浴システム1は、泡入浴モードにおいて泡沫群を生成させるための泡生成器3と、泡生成器3で生成させた泡沫群を外部である浴槽室20に吐出口21から吐出させる吐出部として吐出通路30をもつ吐出管31と、泡沫群の原料となる水を泡生成器3に供給させる水供給源としての水ポンプ5と、泡沫群の原料となる空気を泡生成器3に供給させる空気供給源としてのコンプレッサ6と、これらを包囲するように浴槽2付近に設けられる筐体7とを有する。
【0026】
図2に示すように、泡生成器3は、浴槽内の水が供給されて泡沫群を生成させるための泡生成室33をもつハウジング32と、泡生成室33において回転するようにハウジング32に設けられ回転に伴い水および空気に基づいて泡沫群を生成させる攪拌要素36とをもつ。攪拌要素36は、ハウジング32内のシール部37を介して横軸形の軸線PA回りで回転可能に保持された駆動軸38と、駆動軸38の外周側に同軸的に保持された回転翼39と、駆動軸38を軸線PA回りで回転させるモータ40とをもつ。モータ40は駆動軸38に対して同軸的配置とされている。図2に示すように、回転翼39は、攪拌作用を発揮できる筒状部39a,39b,39cをもつ。
【0027】
図2に示すように、給水口42は、給水管51,水ポンプ5,水吸入管52に繋がる。更に図2に示すように、泡生成器3は、泡生成室33の他に連通室34を有する。泡生成室33および連通室34は横方向に隣接されており、仕切壁35で仕切られているものの、ハウジング32内において給水および給気のために互いに連通している。図4に示すように、連通室34は、給気口41および給水口42に対面して連通している。具体的には、給気口41は連通室34に上側から下向きに連通しており、上下方向(鉛直方向)に沿って延設されている。給水口42は、浴槽2の下側の液相状の水27(温水)を吸入口22(図1参照)および水吸入管50および給水管52(図1参照)を介して泡生成室33に供給させるものであり、ハウジング32の下部32dに形成されている。逆止弁48は、泡生成器3のハウジング32のうちの上部32uに位置するように給気口41に設けられている。図4から理解できるように、給気口41から連通室34に供給された空気と、給水口42から連通室34に供給された水とは、連通室34において予混合される。
【0028】
図2から理解できるように、給気口41は、コンプレッサ6の吐出ポート61から空気供給通路80を介して供給される空気を泡生成室33に供給させる。ここで、給気口41は連通室34を介して泡生成室33に連通しているものの、泡生成室33内の薬剤を含む水や泡沫群が給気口41からコンプレッサ6側に漏れることを抑制することが好ましい。このため、図5に示すように、給気口41はハウジング32の上部32uに位置するように、鉛直方向に沿って通路を延ばして形成された筒部410を形成するように設けられている。筒部410の先端開口410dは下向きであり、連通室34に連通している。筒部410においては、逆止弁48よりも下方に空間41wo(図5において寸法H5で示す空間)が形成されている。この場合、図5から理解できるように、矢印A8方向に沿って先端開口410dから筒部410内の給気口41に水や泡沫群が侵入しようとしても、逆止弁48が閉弁されている限り、筒部410のうち逆止弁48よりも下方の空間41woに空気が残留する。この残留空気が、楽剤を含む水や泡沫群が筒部410の空間41woに侵入することに対して抵抗体となる。よって、薬剤を含む水や泡沫群が逆止弁48の構成部品に接触することが抑制される。従って、逆止弁48の構成部品の劣化を促進させることが抑制される。但し、逆止弁48が開弁すれば、コンプレッサ6から供給された空気が矢印A1方向に流れ、逆止弁48の弁口480、筒部410内、空間41woを下方に流れ、先端開口410dから矢印A9方向(図5参照)に連通室34に流入される。
【0029】
本実施形態によれば、図2に示すように、コンプレッサ6は、泡生成器3の泡生成室33の駆動軸38の軸線PAおよび給気口41の双方よりも下方に位置するように、床壁200に設置されている。このようにコンプレッサ6が泡生成室33の下部よりも下側に設置されている関係で、空気供給通路80を形成する供給配管81の先端部81eは、コンプレッサ6の吐出ポート61から泡生成器3の給気口41に向かうにつれて矢印U1方向(上向き)に上昇するように配置されており、従って、コンプレッサ6の吐出ポート61から吐出された空気を泡生成器3の給気口41に向けて、重力に抗しつつ、上向き(矢印U1方向)に供給させる。コンプレッサ6は、床壁200に直接的に設置されていても良いし、防振性が高い他の部材を介して床壁200に設置されていても良い。床壁200は、浴槽2を設置する入浴室の床壁でも良いし、あるいは、システムの都合上、入浴室に隣接する部屋(入浴室以外の室)の床壁でも良い。
【0030】
さて本実施形態では、図4に示すように、泡生成器3の給気口41には逆止弁48が設けられている。逆止弁48は、コンプレッサ6の吐出ポート61から泡生成室33へ流れる(矢印A1方向)の空気の流れを許容し、且つ、その逆方向(矢印A2方向)の流れを遮断させるように設定されている。逆止弁48は、泡生成器3において空気供給通路80の先端側、つまり、泡生成室33の攪拌要素の軸線よりも上側に設けられた給気口41に設けられている。図4に示すように、逆止弁48は、給気口41に連通する弁口480を開閉する弁体481と、弁体481を閉鎖させるバネなどの付勢部材482とをもつ。
【0031】
逆止弁48について図5を参照しつつ更に説明を加える。図5に示すように、給気口41は、泡生成器3を形成するハウジング32の上部32uにおいて、上下方向(鉛直方向)に延びるように形成されている。逆止弁48は、攪拌要素36の軸線PAの上側に位置するように配置されている。具体的には、逆止弁48は、泡生成器3を形成するハウジング32の上部32uに位置するように、給気口41に嵌着されている。図5に示すように、逆止弁48は、弁口480をもつ円筒形状の筒体485と、弁口480を開閉するための弁体481と、弁口480を閉鎖する方向に弁体481を上向き(図5に示す矢印M方向)付勢するためのコイル状の付勢部材482と、給気口41の通路に対面しないように設けられたリング状のシール部材486とを備えている。
【0032】
前述したように、逆止弁48(の全体)は、攪拌要素36の軸線PAの重力方向の上側に位置するように、泡生成器3を形成するハウジング32の上部32uに位置する。ここで、上部32uとは、泡生成室33において水や泡沫群が攪拌される空間の全高さを100として相対表示するとき、その空間の最下底から80以上の高さをいう。90以上、95以上、または100以上の高さが好ましい。具体的に、図5から理解できるように、攪拌要素36が収容されている泡生成室33の内壁面のうち最高高さの部位を33maxとして示すと、逆止弁48の閉鎖時の弁体481の傘部481a(および下端48u)は、高さ方向(矢印H方向)において部位33maxとほぼ同じ高さ、または、部位33maxよりも上方に位置している。
【0033】
図5に示すように、筒体485は、給気口41に嵌着されており、給気口41を区画する内周壁面41iに対面する外周壁面485pと、弁口480を形成する内周壁面485iと有する。弁体481は、弁口480を開閉する傘部481aと、傘部481aと同軸的な軸部481cとを有する。シール部材486はリング状をなしており、給気口41の通路に対面しないように、筒体485の外周壁面485pと泡生成器3のハウジング32との間に介在している。ここで、シール部材486が長期間にわたり薬剤に接触すると、シール部材486の材質の如何によっては、シール部材486の劣化が促進されるおそれがあり、逆止弁48の逆止性が損なわれるおそれがある。この点本実施形態によれば、図5に示すように、シール部材486が給気口41の通路に対面しないように、シール部材486は筒体485の外周壁面485pと、泡生成器3のハウジング32に形成された給気口41の内周壁面485iとの間に介在する。このため薬剤を含む水や泡沫群がシール部材486に接触することが抑制される。よって、シール部材486の耐久性の向上、長寿命化に有利となり、逆止弁48の逆止性が長期にわたり良好に維持される利点が得られる。
【0034】
更に、図5に示すように、泡生成器3のハウジング32には、逆止弁48の筒体485の軸長方向の一端部485eを係合させる段状の第1係合部321がリング状に形成されている。ハウジング32のカバー32cには、逆止弁48の筒体485の軸長方向の他端部485fを係合させる段状の第2係合部322がリング状に形成されている。このため、カバー32cが被着されていれば、逆止弁48の脱落が確実に抑制され、逆止弁48の逆止作用が長期にわたり良好に得られる。
【0035】
従って、泡生成時において泡生成室33において攪拌要素36が強い攪拌作用を発揮させるとしても、長期間にわたり、逆止弁48のがたつきは抑えられる。従って、逆止弁48は、泡生成室33から給気口41を介して矢印A2方向にコンプレッサ6側に向かう水、薬剤、泡沫群の流れを長期にわたり良好に阻止させることができる。よって泡生成室33からコンプレッサ6側への逆流が抑制される。従って、逆流物の過剰残留に起因する雑菌の繁殖が良好に抑制される。
【0036】
更に本実施形態によれば、図5に示すように、給気口41は連通室34に直接的に対面するものの、泡生成室33には直接的には対面しない。すなわち、給気口41が対面する連通室34と泡生成室33とは互いに連通しつつも、仕切壁35で仕切られている。このため泡生成室33内の薬剤を含む水や泡沫群が逆止弁48に直接接触することが仕切壁35の遮蔽機能によって抑制される。この意味においても、薬剤による逆止弁48の劣化が抑制され、逆止弁48の長寿命化に有利となる。なお図5から理解できるように、筒体485の他端部485fは、弁体481の傘部481aの外周部を着座させる着座部を兼用する。
【0037】
図7に示すように、制御部9は、入力処理回路90と、CPU91と、記憶部として機能するメモリ92と、出力処理回路93と、操作部94とをもつ。操作部94は、筐体7に設けられていても良いし、筐体7と離間するリモコン式であっても良い。操作部94は、泡生成モードを開始および終了するための泡スイッチ95と、他のモードを開始および終了するためのスイッチ96とをもつ。スイッチ95,スイッチ96の信号は入力処理回路90を経て制御部9に入力される。制御部9は、出力処理回路93を経て、コンプレッサ6、水ポンプ5等の機器をそれぞれ駆動させる指令信号を出力する。
【0038】
さて、泡沫群を用いて入浴する泡入浴を行う場合について説明する。まず、薬剤(泡剤)を含む温水が水として浴槽2の浴槽室20に所定量入れられた状態で、泡入浴モードが実行されることが好ましい。泡入浴モードでは、浴槽室20の下側では液相状の温水である水27が溜まり、温水の水面28よりも上方で泡沫群26が存在する。この場合、泡入浴モードを開始すべくユーザが操作部94の泡スイッチ95をオン操作すると、制御部9は泡入浴モードを開始し、水ポンプ5は駆動され、浴槽室20の水27は水吸入管50、給水管52,51を介して給水口42(図4参照)から連通室34を介して泡生成室33に供給される。更に、制御部9は、駆動軸38と共に攪拌要素36を回転させて攪拌作用を発揮させるとともにコンプレッサ6を駆動させる。すると、大気は吸入ポート62からコンプレッサ6に吸引され、更にコンプレッサ6の吐出ポート61から矢印U1方向(上向き)に吐出され、空気供給通路80および逆止弁48(空気圧により開弁)を介して給気口41から泡生成器3の連通室34を介して泡生成室33に供給される。これにより泡生成室33において水が泡立ち、暖かい微小泡沫群が生成される。このように泡入浴モードにおいては、泡生成器3において生成された微小泡沫群は、泡生成器3の吐出通路30を介して吐出口21から浴槽室20に供給される。これによりユーザは浴槽室20において泡入浴が可能となる。
【0039】
本実施形態によれば、前述したように、コンプレッサ6は泡生成器3の泡生成室33の給気口41よりも下方に設置されており、コンプレッサ6の吐出ポート61から上向き(図1,図2に示す矢印U1方向)に泡生成器3の給気口41に向けて空気を供給させる空気供給通路80は、コンプレッサ6の吐出ポート61から泡生成器3の給気口41に向かうにつれて矢印U1方向に上昇するように配置されている(図1,図2参照)。このようにコンプレッサ6の吐出ポート61から送られる空気を、泡生成器3の給気口41に向けて上向きに供給させる。このため前述したようにコンプレッサ6が泡生成器3の泡生成室33の駆動軸38の軸線PAよりも下方に位置するように床壁200に設置されているとしても、コンプレッサ6から、コンプレッサ6の上側に位置する泡生成器3への泡生成用の空気の供給は良好に実行でき、泡入浴モードが良好に実行される。
【0040】
泡生成条件によっては、あるいは、システムの使用年数が過剰に長期化すると、泡生成室33の水または泡沫群が給気口41から空気供給通路80を介してコンプレッサ6の吐出ポート61に向けて(図1,図2に示す矢印A2方向)に逆流するおそれがある。この場合、コンプレッサ6が床壁200に設置されており、泡生成器3よりも低い位置に設置されているため、泡生成器3の給気口41および逆止弁48から、泡生成室33の水や泡沫群が重力によりアシストされて空気供給通路80を介してコンプレッサ6に向けて下方(図1,図2に示す矢印D1方向)に逆流するおそれがある。更に、入浴中のユーザが浴槽2の吐出口21を誤って閉鎖した場合に、泡生成室33の水または泡沫群が吐出口21から浴槽室20に吐出できにくくなるため、泡生成室33の水または泡沫群が給気口41から下向き(矢印D1方向)に空気供給通路80を介してコンプレッサ6の吐出ポート61に向けて逆流するおそれがある。この場合、コンプレッサ6に向けて逆流する泡生成室33の水または泡沫群は、重力にアシストされるため、空気供給通路80を下向き(矢印D1方向)に流下し易く、コンプレッサ6の吐出ポート61に到達し易い。この場合、逆流する水や泡沫群等の逆流物がコンプレッサ6から溢れ、コンプレッサ6を設置している床壁200が過剰に濡れるおそれがあり、好ましくない。
【0041】
この点について本実施形態によれば、コンプレッサ6から泡生成室33への空気(図1,図2に示す矢印A1方向)の流れを許容し且つその逆方向の流れ(図1,図2に示す矢印A2方向)を遮断させる逆止弁48が設けられている。逆止弁48は、泡生成器3のハウジング32の上部32uに形成されている給気口41において下向きに設けられている。上部32uはハウジング32の上壁部を意味する。本実施形態によれば、泡入浴モードにおいて、泡生成器3から水または泡沫群が矢印D1方向に空気供給通路80を介してコンプレッサ6に向けて逆流することは、逆止弁48によって抑制される。ひいては、コンプレッサ6を設置している床壁200が逆流した水または泡沫群によって過剰に濡れることが抑制される。逆流した水等は吸入ポート62から外気に漏れるためである。
【0042】
以上説明したように本実施形態によれば、泡生成器3のハウジング32の上部32uに、給水口42とは別に給気口41を配置し、その給気口41に逆止弁48を配置している。これにより泡生成時において、泡生成室33内部における薬剤を含む水や泡沫群に逆止弁48が直接接触する頻度が抑制される。よって、逆止弁48を構成する部品が薬剤に接触する頻度が抑制される。従って、逆止弁48における固着などの故障や劣化を抑制させることができる。また、逆止弁48を構成するシール部材486についても、薬剤を含む水や泡沫群が接触することが抑制されるため、シール部材486の劣化を抑制させることができる。また逆止弁48は複数ではなく、給気口41のみに設けられており、単数とされているため、部品点数、コストの削減を図り得る。更に逆止弁48の固着による閉弁不良、開弁不良といったトラブルの発生頻度が減少されるメリットがある。
【0043】
また、システムの性格上、システムのメンテナンスの際に、泡生成器3のハウジング32のカバー32c(図2参照)を取り外すなどの作業が必要になる。もし複数の逆止弁がハウジング32に装備されていると、そのすべての逆止弁をメンテナンスしやすい位置に配置することは、設計レイアウト上難しくなる。このため、逆止弁48を給気口41だけの単数とし、泡生成器3のハウジング32の上部32uに設置し、カバー32c(図5参照)で被着することにより、メンテナンスがしやすい上側の位置に配置することが容易になる。位置S3として示すように、逆止弁48を泡生成器3のハウジング32の下部に設けることも考えられる。位置S4として示すように、逆止弁48をコンプレッサ6の吐出ポート61付近に設けることも考えられる。位置S5として示すように、逆止弁48をコンプレッサ6の内部に設けることも考えられる。しかし逆止弁48が位置S3に設けられている場合には、薬剤を含む水や泡沫群に逆止弁48が必ず晒されることになる。この場合、逆止弁48の構成部品であるシール部材486の劣化が薬剤により促進され、逆止弁48の劣化に起因する漏水リスクが高まるおそれがある。更に逆止弁48が位置S3に設けられている場合には、コンプレッサ6からの空気を開弁した逆止弁48を介して泡生成室33に供給させるとき、泡生成室33における薬剤を含む水や泡沫群が重力によって落下し、コンプレッサ6側の通路に逆流して残留しまうおそれがある。この場合、逆流物の過剰残留により雑菌繁殖の不具合が発生するおそれがある。更に、逆止弁48が位置S4,S5に設けられている場合には、泡生成室33の水や泡沫群が給気口41を介してコンプレッサ6側に逆流するとき、空気供給通路80の長さ分だけ逆流物が残留するおそれがあるため、逆流物の体積が過剰に増加し、雑菌等が繁殖するおそれがある。
【0044】
この点本実施形態によれば、図6において位置S1として示すように、逆止弁48は、泡生成器3のハウジング32の上部32uに設けられているため、薬剤を含む水や泡沫群と逆止弁48との接触頻度が抑制される。更に、コンプレッサ6から空気を泡生成室33に空気を供給させるために逆止弁48が開弁されたとしても、開弁した逆止弁48から、泡生成室33における薬剤を含む水や泡沫群が重力によって逆止弁側に落下して流入することが抑制される。ひいては逆流物がコンプレッサ6側の通路に逆流してしまうおそれが抑制される。
【0045】
(実施形態2)
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1〜図5を準用する。制御部9は、泡入浴モードを終了した後、コンプレッサ6を所定時間Δt1駆動させ、コンプレッサ6の吐出ポート61から空気を、重力に抗して上向き(矢印U1方向)に、空気供給通路80を介して泡生成室33側に圧送させる。このときコンプレッサ6側に残留している水または泡沫群の逆流物を、圧送される空気と共に、逆止弁48および給気口41から泡生成室33に向けて吐出させることができる。Δt1としては必要に応じて選択され、例えば2〜200秒が例示されるが、これに限定されるものではない。上記したコンプレッサ6による空気の圧力は逆止弁48の付勢部材482(図5参照)の付勢力に勝つため、逆止弁48は開弁され、逆止弁48の弁体481等に付着している付着物(例えば毛髪、皮脂汚れ等)を、水または泡沫群の潤滑性を利用して清掃除去できる清掃効果を期待できる。このように逆止弁清掃処理を実行できる。
【0046】
一般的には、付着物(例えば毛髪、皮脂汚れ等)は、浴槽2の水が供給される泡生成室33側から逆止弁48に付着する。これに対して逆止弁清掃処理においてコンプレッサ6から圧送される空気は、泡生成室33側からではなく、空気供給通路80側から供給されるため、つまり、泡生成室33と異なる方向、すなわち、反対側から供給されるため、付着物(例えば毛髪、皮脂汚れ等)を逆止弁48から離脱させるのに有利である。
【0047】
このように本実施形態によれば、泡入浴モードの終了時には、制御部9は、コンプレッサ6を所定時間Δt1オンさせて逆止弁清掃処理を実行することができる。制御部9は、逆止弁清掃処理を泡入浴モードの終了毎に実行しても良いしあるいは、泡入浴モードの実行回数をカウントし、カウント数が所定回数に到達するとき、泡入浴モードの終了時に逆止弁清掃処理を実行しても良い。逆止弁清掃処理では、水ポンプ5はオフされていることが好ましいが、場合によってはオンされていても良い。
【0048】
上記した逆止弁清掃処理では、コンプレッサ6から圧送される空気圧を必要に応じて設定できる。泡入浴モードの空気圧と同一としても良いし、それよりも低圧としても良いし、それよりも高圧としても良い。高圧であれば、逆止弁清掃処理では、コンプレッサ6から圧送される空気圧が高いため、付着物(例えば毛髪、皮脂汚れ等)を逆止弁48から離脱させ易い。あるいは、逆止弁清掃処理では、コンプレッサ6から空気供給通路80に圧送される空気圧について、高圧および低圧を交互に複数回間欠的に繰り返す脈動駆動としても良い。この結果、逆止弁48に付着している付着物(例えば毛髪、皮脂汚れ等)が動き易く、付着物を逆止弁48から効果的に離脱させることを期待できる。高圧および低圧は相対的な圧力である。
【0049】
(その他)
上記した実施形態は、泡沫群を浴槽に供給させる浴槽入浴システムに適用されているが、これに限らず、泡沫群をシャワーとして吐出させるシャワー入浴システムに適用しても良く、更に泡沫群をブース内に吐出させるブース入浴システムに適用しても良い。空気供給源としてはコンプレッサに代えて空気ポンプとしても良い。攪拌要素36は横軸形とされているが、縦軸形としても良い。攪拌要素36は回転式に限らず、往復直動式でも良い。薬剤は浴槽2の水に含まれているが、これに限らず、薬剤を泡生成室に供給させる機構を筐体7内に設けても良い。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。本明細書の記載から次の技術的思想も把握できる。
[付記項1]泡沫群の原料となる水を供給させる水供給源と、泡沫群の原料となる空気を供給させる空気供給源と、水供給源から供給された水と空気供給源から供給された空気と薬剤とに基づいて泡沫群を生成させる泡生成器とを具備する泡入浴システムにおいて、前記泡生成器は、水、空気および薬剤が供給されて泡沫群を生成させるための泡生成室と、前記泡生成器で生成させた泡沫群を外部に吐出させる吐出部と、前記泡生成室に連通するように設けられ前記水供給源から供給される水を前記泡生成室に供給させる給水口と、泡生成器のうちの上部において前記泡生成室に連通するように設けられ前記空気供給源から供給される空気を前記泡生成室に供給させる給気口と、前記泡生成室に攪拌作動可能に設けられ攪拌作動に伴い水、空気および薬剤に基づいて泡沫群を生成させる攪拌要素とを具備することを特徴とする泡入浴システム。泡入浴モードが実行できる。空気供給源から給気口を介して泡生成室に向かう空気流れを許容させ且つ泡生成室から給気口を介して空気供給源に向かう流れを阻止させる逆止弁が、泡生成器に設けられていることが好ましい。
【符号の説明】
【0050】
1は泡入浴システム、2は浴槽、20は浴槽室、21は吐出口、22は吸入口、3は泡生成器、30は吐出通路(吐出部)、31は吐出管(吐出部)、32はハウジング、33は泡生成室、34は連通室、35は仕切壁、36は攪拌要素、37はシール部、38は駆動軸、PAは軸線、40はモータ、41は給気口、42は給水口、48は逆止弁、480は弁口、481は弁体、482は付勢部材、485は筒体、485iは内周壁面、485pは外周壁面、486はシール部材、5は水ポンプ(水供給源)、50は水吸入管、6はコンプレッサ(空気供給源)、61は吐出ポート、62は吸入ポート、7は筐体、80は空気供給通路、81は供給配管、9は制御部を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡沫群の原料となる水を供給させる水供給源と、泡沫群の原料となる空気を供給させる空気供給源と、前記水供給源から供給された水と前記空気供給源から供給された空気と薬剤とに基づいて泡沫群を生成させる泡生成器とを具備する泡入浴システムにおいて、
前記泡生成器は、
水、空気および薬剤が供給されて泡沫群を生成させるための泡生成室と、
前記泡生成室で生成させた泡沫群を外部に吐出させる吐出部と、
前記泡生成室に連通するように設けられ前記水供給源から供給される水を前記泡生成室に供給させる給水口と、
前記泡生成器のうちの上部において前記泡生成室に連通するように設けられ前記空気供給源から供給される空気を前記泡生成室に供給させる給気口と、
前記泡生成室に攪拌作動可能に設けられ攪拌作動に伴い水、空気および薬剤に基づいて泡沫群を生成させる攪拌要素と、
前記泡生成器のうちの前記攪拌要素の軸線よりも上側に設けられ、前記空気供給源から前記給気口を介して前記泡生成室に向かう空気流れを許容させ且つ前記泡生成室から前記給気口を介して前記空気供給源に向かう流れを阻止させる逆止弁とを具備することを特徴とする泡入浴システム。
【請求項2】
請求項1において、前記泡生成器は、前記泡生成室の他に、前記給気口および前記給水口に対面すると共に前記泡生成室に連通する連通室と、前記連通室と前記泡生成室とを仕切る仕切壁とを備えており、前記逆止弁は、前記泡生成器のうちの上部に位置するように前記給気口に設けられていることを特徴とする泡入浴システム。
【請求項3】
請求項1または2において、前記給気口は、前記泡生成器を形成するハウジングにおいて上下方向に延びるように形成されており、前記逆止弁は、前記給気口に嵌着され前記給気口を区画する内周壁面に対面する外周壁面と弁口を形成する内周壁面もつ筒体と、前記弁口を開閉するための弁体と、前記弁口を閉鎖する方向に前記弁体を付勢するための付勢部材と、前記給気口の通路に対面しないように前記筒体の外周壁面と前記泡生成器の前記ハウジングとの間に介在するシール部材とを備えていることを特徴とする泡入浴システム。
【請求項4】
請求項1〜3のうちのいずれか一項において、前記泡生成器の前記ハウジングは、前記逆止弁の前記筒体の軸長方向の一端部を係合させる第1係合部と、前記逆止弁の前記筒体の軸長方向の他端部を係合させる第2係合部とを有することを特徴とする泡入浴システム。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか一項において、前記泡生成器は前記給気口を形成する筒部を有しており、前記逆止弁は前記筒部内に取り付けられており、前記逆止弁が閉弁されているとき、前記筒部のうち前記逆止弁よりも下方の空間は、水や泡沫群の侵入に対して抵抗となる空気を残留させることを特徴とする泡入浴システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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