泡立てネット及びその製造方法
【課題】固形石鹸を内蔵させて、この固形石鹸を使って泡を作ることができるだけでなく、固形石鹸を取り出して使用したときに使用者にソフトな使用感を提供する。
【解決手段】スカート部分12の上部で包囲された袋部分14を有し、袋部分14を固形石鹸を収容できる。スカート部分12の開放した上端部に袋部分14の開放端部が縫い目16によって連結されて、周方向に連続する縫い目16によって紐挿通通路22が形成されている。紐挿通通路22には、スカート部分12の上端部の開口24を通じて紐20が挿入される。スカート部分12と袋部分14は共通の一体成形プラスチック製の筒状ネット材料で作られており、この筒状ネット材料を折り返すことで、スカート部分12及び袋部分14は共に二層構造を有している。
【解決手段】スカート部分12の上部で包囲された袋部分14を有し、袋部分14を固形石鹸を収容できる。スカート部分12の開放した上端部に袋部分14の開放端部が縫い目16によって連結されて、周方向に連続する縫い目16によって紐挿通通路22が形成されている。紐挿通通路22には、スカート部分12の上端部の開口24を通じて紐20が挿入される。スカート部分12と袋部分14は共通の一体成形プラスチック製の筒状ネット材料で作られており、この筒状ネット材料を折り返すことで、スカート部分12及び袋部分14は共に二層構造を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔や身体の泡洗浄のために微細な泡を大量に生成するための泡立てネット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の泡立てネットとして、一体成形のプラスチック製のネット材料を袋に形作り、その上端にリングを装着した泡立てネットが知られている(特許文献1)。
【0003】
この種の泡立てネットは、適量の固形石鹸や液体石鹸などを付着させた状態で、空気を上手く巻き込むように手揉みを繰り返すことで微細な泡を大量に生成することができ、これにより生成された泡の塊を手に移し替えて、この泡で洗顔することができ、また、身体を洗浄することができる。
【0004】
特許文献2には、釣り鐘状のスカート部分を有する泡立てネットが開示され、この泡立てネットの釣り鐘状のスカート部分の頂部に吊り下げ手段としてのフックやボタンを設け、このフックやボタンを使ってスカート部分の内側に、固形石鹸を収容した固形石鹸収納具を脱着可能に吊り下げることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−276928号公報
【特許文献2】特開2009−119096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2の泡立てネットは固形石鹸を内蔵することができるため、この固形石鹸に由来する石鹸成分を使って泡を作ることができる。しかし、この泡立てネットは、釣り鐘状のスカート部分の頂部に、硬質のフックなどの吊り下げ手段がぶら下がっているため、泡を作るために手で揉むときに硬質のフックの存在を手で感じることになり、このことは使用者にとって好ましい感触であるとは言えない。また、固形石鹸収納具を使わないときにあっても、手で泡立てネットを揉むときに硬いフックの存在が手に伝わるため、使用者にとって必ずしも印象(使用感)が良くない。
【0007】
本発明の目的は、固形石鹸を内蔵させて、この固形石鹸を使って泡を作ることができるだけでなく、固形石鹸を取り出して使用したときに使用者にソフトな使用感を提供することのできる泡立てネット及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の技術的課題は、本発明の第1の観点によれば、
ネット材料で構成され、両端が開放した筒状のスカート部分と、
該スカート部分の上端に連結され且つネット材料で構成された有底の袋部分であって、前記スカート部分の内側に配設されて固形石鹸を収容するための袋部分とを有する泡立てネットであって、
前記スカート部分の上端部と前記袋部分の開放した上端部とを連結する周方向に延びる連結手段と、
該連結手段によって前記スカート部分の上端部と前記袋部分の上端部との間に形成された紐挿通通路と、
該紐挿通通路に挿入された紐と、
前記スカート部分に形成され、前記紐を前記紐挿通通路から外部に延出させる開口とを有し、
前記紐を引き絞ることで、前記スカート部分と前記袋部分の上端開口を閉じることができる泡立てネットを提供することにより達成される。
【0009】
袋部分は、典型的な固形石鹸を収容するのに適した大きさを有し、スカート部分は袋部分の閉塞端よりも下方に延びている。換言すると、袋部分はスカート部分の一部とオーバーラップし、この袋部分の下方は、スカート部分の下端の開放端に通じて外部に開放している。
【0010】
袋部分に固形石鹸を収容して紐を引き絞ることで、泡立てネットは巾着のように上端が閉じた状態になる。また、泡立てネットから固形石鹸を取り出すときには、スカート部分及び袋部分のすぼまった上端を、巾着の口を広げるのと同じ操作を行うことで袋部分を開放することで、袋部分の中の固形石鹸を取り出すことができる。
【0011】
このように本発明の泡立てネットは、従来のように硬質のフックのような要素を含んでいないため、固形石鹸を内蔵させて使用したときであっても、あるいは固形石鹸を入れないで使用したときであっても、使用者にソフトな感触を提供することができる。
【0012】
本発明の技術的課題は、本発明の別の観点によれば、
両端が開放した筒状のネット材料の一端を閉じて閉塞端を作る第1工程と、
該閉塞端を有する筒状ネット材料の前記閉塞端を前記筒状のネット材料の内側に折り返して、外側に位置するスカート部分と、該スカート部分の内側に位置する袋部分を備えた泡立てネットの原型を作る第2工程と、
該泡立てネットの原型の折り返し端部において、前記スカート部分の上端部と前記袋部分の上端部の間に紐挿通通路を形成するために、前記スカート部分の上端部と前記袋部分の上端部とを互いに連結する第3工程と、
前記スカート部分の上端部に形成され前記紐挿通通路に通じる開口を形成する第4工程と、
前記開口を通じて前記紐挿通通路に紐を通す第5工程とを有する泡立てネットの製造方法を提供することにより、上述した本発明の泡立てネットを比較的容易に作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例の泡立てネットの斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】実施例の泡立てネットの製造工程を説明する図であり、一体成形プラスチック製の筒状のネット材料の半分を折り返して二層構造の筒状ネット材料を作る工程を示す。
【図4】二層構造の筒状ネット材料の一端部を束ねて該一端を熱溶着により閉塞する工程を示す図である。
【図5】図4に続いて、一端を閉塞した筒状のネット材料の閉塞端を内側に折り込んで泡立てネットの原型を作る工程を示す図である。
【図6】泡立てネットの原型に含まれるスカート部分の上端部と袋部分の上端部とをミシン掛けして縫い目を作ることで紐挿通通路を形成すると共に、この紐挿通通路に通じる開口を形成する工程を示す図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿った断面図である。
【図8】泡立てネットの変形例を説明するための断面図である。
【図9】第2実施例の泡立てネットの製造工程を説明するための図であり、オーガンジーなどの布製のネット材料を2つ折りして縫い合わせることにより筒状(スリーブの状態)にする工程を示す。
【図10】図9の工程に続いて、表裏を反転させる工程を説明するための図である。
【図11】図10の表裏を裏返す工程に続いて、スリーブの長手方向一端をミシン掛けして閉塞端を作る工程を説明するための図である。
【図12】第2実施例の泡立てネットの断面構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0014】
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
【0015】
図1は、実施例の泡立てネットの斜視図である。泡立てネット10は、両端が開放した筒状のスカート部分12と、スカート部分12で包囲され且つ有底の袋部分14とを有し、その全体が通孔を有するネット材料で構成されている。ネット材料としては、ポリエチレンなどの一体成形プラスチック製ネットや、レーヨン、ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維を使ったチュールやオーガンジーなどの織り製品やニット製品であってもよい。オーガンジーは透孔が極小であり且つ肌触りも良好である。また、チュールは、一般的に言えば透孔は極小であるが、オーガンジーよりも相対的に大きな透孔を備えている。チュールは、オーガンジーと同様に裂けにくく、また、使用の際の透孔の変形もプラスチック一体成形ネットに比べて僅かである。
【0016】
後に説明するように泡立てネット10は、二層構造など複数の層構造を有しているのがよく、これに含まれる例えば最外層(典型的にはスカート部分12の最外層)に天然繊維からなるネット材料を採用してもよい。なお、この実施例では、一体成形プラスチック材料からなるネット材料が採用されている。
【0017】
両端が開放した筒状のスカート部分12には、図1を参照して、その長手方向の一方の側の内側に袋部分14が配設され、この袋部分14は一端が開放され、他端が閉塞されている。図1に袋部分14の閉じた端を参照符号14aで示す。袋部分14の開放端14bは、スカート部分12の上端に連結されている。すなわち、図1を参照して説明すれば、スカート部分12の開放した上端部に袋部分14の開放端部が、周方向に連続する縫い目16によって連結されていると共に、この周方向に連続する縫い目16によって一本の連続した紐20を通過させるための紐挿通通路22が形成されている(図2)。縫い目16はミシン掛けすることで作られる。勿論、プラスチック一体成形ネット材料の場合には、縫い目16を形成するミシン掛けに代えて、熱溶着の技術を使ってスカート部分12と袋部分14とを連結すると共に紐挿通通路22を形成するようにしてもよい。したがって、以下の説明において、「縫い目16」のタームは糸で縫う場合を典型例として示すものであり、変形例として熱溶着によって紐挿通通路22を形成する場合も包含し、これを包括する言葉として「周方向に延びる連結手段」を使用する。
【0018】
図1の参照符号24は、紐挿通通路22から紐20の両端部分を外部の延出させるための開口を示し、この開口24はスカート部分12の上端部に形成される。周方向に連続する縫い目16は、袋部分14の上端部と、スカート部分12の上端部との間に紐挿通通路22を形成するためのものであるが、縫い目16は、また、袋部分14とスカート部分12との上端部同士を互いに連結するための手段としても機能している。
【0019】
袋部分14の閉塞端14aはスカート部分12の長手方向中間部分に位置しており、この袋部分14の閉塞端14aよりも下方領域には何も存在しておらず、スカート部分12の下端の開放端に通じて外部に開放している。
【0020】
外部に露出している紐20の端部は、その両端を糸26などを使って結束しておくのがよい。また、泡立てネット10を掛けておくことのできるツールとして、紐20の端部に吸盤28などの係止具を配設するのがよい。勿論、係止具として、吸盤28の代わりにフックでもよい。泡立てネット10を使用していないときには、浴室の側壁に吸盤28を吸着させることで、泡立てネット10を浴室の側壁に掛けておくことができる。
【0021】
泡立てネット10の袋部分14は、この中に固形石鹸を入れるために用意されている。したがって、袋部分14の大きさは、市販の通常目にする大きさの固形石鹸を収容するのに都合の良い大きさに設定されるのがよい。袋部分14の中に固形石鹸を入れた後に、紐20を引っ張ることで、袋部分14の開放端14bをすぼめて閉じることができる。勿論、紐20を引っ張ると、巾着のように、袋部分14の開放端14bと一体化しているスカート部分12の上端も、袋部分14の上端と一緒にすぼまった状態となり、泡立てネット10は釣り鐘の形状になる。
【0022】
固形石鹸30を袋部分14に収容することで、泡立てネット10は、その袋部分14が石鹸成分の供給源となり、また、スカート部分12は、袋部分14よりも下方領域が微細な泡を作る役割を果たす。すなわち、固形石鹸を収容した袋部分14よりも下方領域は、固形石鹸を収容する袋部分を備えていない従来の泡立てネットと同じ機能を果たす。例えば、スカート部分12の下端開口から空気を取り込んで、このスカート部分12の中に空気で満たしながらスカート部分12の下方領域を手で揉むことで空気を取り込んだシルキーな泡を大量に生成することができる。適当な量の泡ができたら、スカート部分12の下方領域を引き絞るようにすることで、生成した泡を手の平に移すことができ、この泡を使って顔や身体を洗浄することができる。
【0023】
泡立てネット10から固形石鹸30を取り出したいのであれば、引き絞った紐20で巾着のようにすぼまっている泡立てネット10の上端を広げる操作を行うことで、図1に図示のように袋部分14及びスカート部分12の上端が開放した状態に変化させることができ、これにより袋部分14の中の固形石鹸30を取り出すことができる。
尚、泡立てネット10の袋部分14は上端の紐20を引き絞ることにより閉じた状態に維持することができるので、使用によって小さくなった固形石鹸を複数個まとめて保持するのに都合がよく、石鹸を最後まで使い切ることができる。泡立てネット10を使用する都度一時的に石鹸を収容する場合は、袋部分14の代わりにスカート部分12を石鹸の一時的収容に利用して泡立てを行うことができる。
【0024】
また、この泡立てネット10は、袋部分14に何も入れない状態で使用することもできる。例えば液体石鹸を泡立てネット10に滴下し、そして泡立てネット10を両手で揉むことで、袋部分14及びスカート部分12が協働して微細な泡を作ることができる。このとき、泡立てネット10は図1の状態つまり両端が開放した状態で使用してもよいし、紐20を引き絞って、上端をすぼませた釣り鐘の状態で使用してもよい。
【0025】
実施例の泡立てネット10は、上述したようにスカート部分12と袋部分14が、互いに連続する共通のネット材料で作られており(一体成形のプラスチック材料)、その具体的な作り方は後に説明するが、変形例として、スカート部分12と袋部分14とを別々に作り、縫い目16を上下に離間して2本の縫い目で構成することで、この上下に離間した2本の縫い目16、16の間に紐挿通通路22を形成すると共に、この2本の縫い目16でスカート部分12と袋部分14の上端部同士を連結することで、内側に袋部分14を備えた泡立てネット10を作るようにしてもよい。勿論、スカート部分12と袋部分14とを別々に作るときに、スカート部分12と袋部分14とを別のネット材料で構成するようにしてもよい。また、スカート部分12と袋部分14とを別々に作るときには、スカート部分12は円筒状に限らず、任意の形態を採用することができる。例えば、スカート部分12が下端に向かうに従って広がったフレアースカートのような形状を有していてもよい。
【0026】
また、実施例の泡立てネット10は、後に詳しく説明するとおり、スカート12及び袋部分14が共に二層構造(図2)となっているが、スカート部分12と袋部分14を別々に作るのであれば、スカート部分12や袋部分14を夫々何層構造にするかは任意である。例えばスカート部分12を二層構造にし、袋部分14を一層構造にしてもよい。勿論、少なくともスカート部分12又は袋部分14を複数の層で構成した場合には、各層を構成するネット材料の選択は任意である。例えば、スカート部分12を二層構造にする場合、外側の層をチュールやオーガンジーで構成し、内側の層を一体成形プラスチック製のネット材料で構成してもよい。
【0027】
図3以降の図面は、実施例の泡立てネット10の作り方の一例を説明するための図である。先ず、一体成形プラスチック製のネット材料、例えばポリエチレンの一体成形ネットは筒状の状態で入手可能である。この筒状のネット材料100を所定長さに切断して、一方の端部を内側又は外側に引っ張り込むことで折り返して内外二層のスリーブ102となり、スリーブ102の一端が、ネット材料100の折り返し部100aで構成され、他端が、ネット材料100の切断端100bで構成される。
【0028】
図4は、スリーブ102の他端を構成するネット材料の切断端100bを束ねて熱溶着することによりスリーブ102の他端を閉じた状態を示す。次いで、この閉じた端102aをスリーブ102の中に入れることで図5に示す原型つまり泡立てネット10の原型106ができる。図4の参照符号108は折り返し線を示し、この折り返し線108が泡立てネット10の上端縁を構成する(図7)。
【0029】
次いで、図6に示すように、折り返し線108に隣接して、これに平行にミシン掛けすることにより縫い目16を形成することで紐挿通通路22を作ると共に、この紐挿通通路22に通じる開口24を形成する。この開口24は、ネット材料100の透孔を利用して、これに開口24を規定するリング部材を固定することで開口24を形成するようにしてもよい。
【0030】
紐挿通通路22は、図7から分かるように、二層構造のスカート部分12の上端部と、同じく二層構造の袋部分14の上端部との間の空間で構成され、この紐挿通通路22に通じる開口24の中に紐20が挿入される。そして、その後、紐20の両端が糸26で結束され、また、この紐20の端部に吸盤28を取付けることで、前述した泡立てネット10が完成する。
【0031】
以上、本発明の泡立てネット10の作り方の一例を説明したが、泡立てネット10は一層構造であってもよい。また、ネット材料100が、上述した筒状の一体成形プラスチック製のネット材料でなくて、オーガンジーのように布シート状のネット材料であるときには、この布シート状のネット材料を2つ折りして筒状にミシン掛けすることで、筒状の一体成形プラスチック製のネット材料と同様の手法を使って泡立てネット10を作ることができる。
【0032】
図8は変形例であり、図示の変形例の泡立てネット200は、第1の筒状のネット材料202と、第2の筒状のネット材料204とで構成され、第1のネット材料202の中に第2のネット材料204を収容した構造が採用されている。この構造は、当業者であれば、図3〜図7を参照して前述した作り方に準拠することで容易に作ることができる。
【0033】
第1のネット材料202は、両端が開放した筒状のスカート部分12を構成すると共に、これに連続した袋部分14を構成する。他方、第2のネット材料204はスカート部分12を構成し、好ましくは、スカート部分12と袋部分14の上端部まで延びて、縫い目16で第1のネット材料202と一体化するのがよい。図示の例では、スカート部分12が二層の第1のネット材料202の中に二層の第2のネット材料204が収容された構成となっており、また、有底の袋部分14が二層の第1のネット材料202で構成されているが、この構成は任意であり、例えば、第2のネット材料204を一層構造としてもよい。また、第1ネット材料202を一層構造としてもよい。例えば、第1、第2のネット材料202、204を共に一層構造とした場合には、スカート部分12の下端縁を縫い合わせる又はほつれ止めの処理を施すのが好ましい。また、一層構造の場合には、スカート部分12の形状は任意であり、フレアースカートのように下端に向かうに従って拡開した形状を有していてもよい。
【0034】
図9〜図12は、第2実施例を示す。第2実施例の泡立てネット300は、多孔性の布(例えばオーガンジー)をネット材料として選択されている。図9を参照して、適当な矩形の大きさのオーガンジー302を2つ折りして、その側縁部をミシン掛けすることにより長手方向に延びる縫い目304によってスリーブ306を作る。そして、このスリーブ306を図10に示すようにして表裏を反転させる。表裏を反転させたスリーブ306の長手方向一端をミシン掛けして閉塞する。図11の参照符号308は、スリーブ306の閉塞端を作る縫い目を示す。この縫い目308は、直線状に延びていてもよいし、湾曲していてもよい。この後の作り方は前述した方法と実質的に同じであるが、スカート部分12はスリーブ306の開放端側を折り込むことにより二層構造となっており、他方、袋部分14は一層構造である(図12)。なお、図12において、前述した第1実施例と同じ要素には同一の参照符号を付してある。
【符号の説明】
【0035】
10 泡立てネット
12 筒状のスカート部分
14 袋部分
14a 袋部分の閉じた端
14b 袋部分の開放した端
16 縫い目(連結手段)
20 紐
22 紐挿通通路
24 紐を外部に延出されるための開口
30 固形石鹸
100 ネット材料
102 スリーブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔や身体の泡洗浄のために微細な泡を大量に生成するための泡立てネット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の泡立てネットとして、一体成形のプラスチック製のネット材料を袋に形作り、その上端にリングを装着した泡立てネットが知られている(特許文献1)。
【0003】
この種の泡立てネットは、適量の固形石鹸や液体石鹸などを付着させた状態で、空気を上手く巻き込むように手揉みを繰り返すことで微細な泡を大量に生成することができ、これにより生成された泡の塊を手に移し替えて、この泡で洗顔することができ、また、身体を洗浄することができる。
【0004】
特許文献2には、釣り鐘状のスカート部分を有する泡立てネットが開示され、この泡立てネットの釣り鐘状のスカート部分の頂部に吊り下げ手段としてのフックやボタンを設け、このフックやボタンを使ってスカート部分の内側に、固形石鹸を収容した固形石鹸収納具を脱着可能に吊り下げることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−276928号公報
【特許文献2】特開2009−119096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2の泡立てネットは固形石鹸を内蔵することができるため、この固形石鹸に由来する石鹸成分を使って泡を作ることができる。しかし、この泡立てネットは、釣り鐘状のスカート部分の頂部に、硬質のフックなどの吊り下げ手段がぶら下がっているため、泡を作るために手で揉むときに硬質のフックの存在を手で感じることになり、このことは使用者にとって好ましい感触であるとは言えない。また、固形石鹸収納具を使わないときにあっても、手で泡立てネットを揉むときに硬いフックの存在が手に伝わるため、使用者にとって必ずしも印象(使用感)が良くない。
【0007】
本発明の目的は、固形石鹸を内蔵させて、この固形石鹸を使って泡を作ることができるだけでなく、固形石鹸を取り出して使用したときに使用者にソフトな使用感を提供することのできる泡立てネット及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の技術的課題は、本発明の第1の観点によれば、
ネット材料で構成され、両端が開放した筒状のスカート部分と、
該スカート部分の上端に連結され且つネット材料で構成された有底の袋部分であって、前記スカート部分の内側に配設されて固形石鹸を収容するための袋部分とを有する泡立てネットであって、
前記スカート部分の上端部と前記袋部分の開放した上端部とを連結する周方向に延びる連結手段と、
該連結手段によって前記スカート部分の上端部と前記袋部分の上端部との間に形成された紐挿通通路と、
該紐挿通通路に挿入された紐と、
前記スカート部分に形成され、前記紐を前記紐挿通通路から外部に延出させる開口とを有し、
前記紐を引き絞ることで、前記スカート部分と前記袋部分の上端開口を閉じることができる泡立てネットを提供することにより達成される。
【0009】
袋部分は、典型的な固形石鹸を収容するのに適した大きさを有し、スカート部分は袋部分の閉塞端よりも下方に延びている。換言すると、袋部分はスカート部分の一部とオーバーラップし、この袋部分の下方は、スカート部分の下端の開放端に通じて外部に開放している。
【0010】
袋部分に固形石鹸を収容して紐を引き絞ることで、泡立てネットは巾着のように上端が閉じた状態になる。また、泡立てネットから固形石鹸を取り出すときには、スカート部分及び袋部分のすぼまった上端を、巾着の口を広げるのと同じ操作を行うことで袋部分を開放することで、袋部分の中の固形石鹸を取り出すことができる。
【0011】
このように本発明の泡立てネットは、従来のように硬質のフックのような要素を含んでいないため、固形石鹸を内蔵させて使用したときであっても、あるいは固形石鹸を入れないで使用したときであっても、使用者にソフトな感触を提供することができる。
【0012】
本発明の技術的課題は、本発明の別の観点によれば、
両端が開放した筒状のネット材料の一端を閉じて閉塞端を作る第1工程と、
該閉塞端を有する筒状ネット材料の前記閉塞端を前記筒状のネット材料の内側に折り返して、外側に位置するスカート部分と、該スカート部分の内側に位置する袋部分を備えた泡立てネットの原型を作る第2工程と、
該泡立てネットの原型の折り返し端部において、前記スカート部分の上端部と前記袋部分の上端部の間に紐挿通通路を形成するために、前記スカート部分の上端部と前記袋部分の上端部とを互いに連結する第3工程と、
前記スカート部分の上端部に形成され前記紐挿通通路に通じる開口を形成する第4工程と、
前記開口を通じて前記紐挿通通路に紐を通す第5工程とを有する泡立てネットの製造方法を提供することにより、上述した本発明の泡立てネットを比較的容易に作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例の泡立てネットの斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】実施例の泡立てネットの製造工程を説明する図であり、一体成形プラスチック製の筒状のネット材料の半分を折り返して二層構造の筒状ネット材料を作る工程を示す。
【図4】二層構造の筒状ネット材料の一端部を束ねて該一端を熱溶着により閉塞する工程を示す図である。
【図5】図4に続いて、一端を閉塞した筒状のネット材料の閉塞端を内側に折り込んで泡立てネットの原型を作る工程を示す図である。
【図6】泡立てネットの原型に含まれるスカート部分の上端部と袋部分の上端部とをミシン掛けして縫い目を作ることで紐挿通通路を形成すると共に、この紐挿通通路に通じる開口を形成する工程を示す図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿った断面図である。
【図8】泡立てネットの変形例を説明するための断面図である。
【図9】第2実施例の泡立てネットの製造工程を説明するための図であり、オーガンジーなどの布製のネット材料を2つ折りして縫い合わせることにより筒状(スリーブの状態)にする工程を示す。
【図10】図9の工程に続いて、表裏を反転させる工程を説明するための図である。
【図11】図10の表裏を裏返す工程に続いて、スリーブの長手方向一端をミシン掛けして閉塞端を作る工程を説明するための図である。
【図12】第2実施例の泡立てネットの断面構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0014】
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
【0015】
図1は、実施例の泡立てネットの斜視図である。泡立てネット10は、両端が開放した筒状のスカート部分12と、スカート部分12で包囲され且つ有底の袋部分14とを有し、その全体が通孔を有するネット材料で構成されている。ネット材料としては、ポリエチレンなどの一体成形プラスチック製ネットや、レーヨン、ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維を使ったチュールやオーガンジーなどの織り製品やニット製品であってもよい。オーガンジーは透孔が極小であり且つ肌触りも良好である。また、チュールは、一般的に言えば透孔は極小であるが、オーガンジーよりも相対的に大きな透孔を備えている。チュールは、オーガンジーと同様に裂けにくく、また、使用の際の透孔の変形もプラスチック一体成形ネットに比べて僅かである。
【0016】
後に説明するように泡立てネット10は、二層構造など複数の層構造を有しているのがよく、これに含まれる例えば最外層(典型的にはスカート部分12の最外層)に天然繊維からなるネット材料を採用してもよい。なお、この実施例では、一体成形プラスチック材料からなるネット材料が採用されている。
【0017】
両端が開放した筒状のスカート部分12には、図1を参照して、その長手方向の一方の側の内側に袋部分14が配設され、この袋部分14は一端が開放され、他端が閉塞されている。図1に袋部分14の閉じた端を参照符号14aで示す。袋部分14の開放端14bは、スカート部分12の上端に連結されている。すなわち、図1を参照して説明すれば、スカート部分12の開放した上端部に袋部分14の開放端部が、周方向に連続する縫い目16によって連結されていると共に、この周方向に連続する縫い目16によって一本の連続した紐20を通過させるための紐挿通通路22が形成されている(図2)。縫い目16はミシン掛けすることで作られる。勿論、プラスチック一体成形ネット材料の場合には、縫い目16を形成するミシン掛けに代えて、熱溶着の技術を使ってスカート部分12と袋部分14とを連結すると共に紐挿通通路22を形成するようにしてもよい。したがって、以下の説明において、「縫い目16」のタームは糸で縫う場合を典型例として示すものであり、変形例として熱溶着によって紐挿通通路22を形成する場合も包含し、これを包括する言葉として「周方向に延びる連結手段」を使用する。
【0018】
図1の参照符号24は、紐挿通通路22から紐20の両端部分を外部の延出させるための開口を示し、この開口24はスカート部分12の上端部に形成される。周方向に連続する縫い目16は、袋部分14の上端部と、スカート部分12の上端部との間に紐挿通通路22を形成するためのものであるが、縫い目16は、また、袋部分14とスカート部分12との上端部同士を互いに連結するための手段としても機能している。
【0019】
袋部分14の閉塞端14aはスカート部分12の長手方向中間部分に位置しており、この袋部分14の閉塞端14aよりも下方領域には何も存在しておらず、スカート部分12の下端の開放端に通じて外部に開放している。
【0020】
外部に露出している紐20の端部は、その両端を糸26などを使って結束しておくのがよい。また、泡立てネット10を掛けておくことのできるツールとして、紐20の端部に吸盤28などの係止具を配設するのがよい。勿論、係止具として、吸盤28の代わりにフックでもよい。泡立てネット10を使用していないときには、浴室の側壁に吸盤28を吸着させることで、泡立てネット10を浴室の側壁に掛けておくことができる。
【0021】
泡立てネット10の袋部分14は、この中に固形石鹸を入れるために用意されている。したがって、袋部分14の大きさは、市販の通常目にする大きさの固形石鹸を収容するのに都合の良い大きさに設定されるのがよい。袋部分14の中に固形石鹸を入れた後に、紐20を引っ張ることで、袋部分14の開放端14bをすぼめて閉じることができる。勿論、紐20を引っ張ると、巾着のように、袋部分14の開放端14bと一体化しているスカート部分12の上端も、袋部分14の上端と一緒にすぼまった状態となり、泡立てネット10は釣り鐘の形状になる。
【0022】
固形石鹸30を袋部分14に収容することで、泡立てネット10は、その袋部分14が石鹸成分の供給源となり、また、スカート部分12は、袋部分14よりも下方領域が微細な泡を作る役割を果たす。すなわち、固形石鹸を収容した袋部分14よりも下方領域は、固形石鹸を収容する袋部分を備えていない従来の泡立てネットと同じ機能を果たす。例えば、スカート部分12の下端開口から空気を取り込んで、このスカート部分12の中に空気で満たしながらスカート部分12の下方領域を手で揉むことで空気を取り込んだシルキーな泡を大量に生成することができる。適当な量の泡ができたら、スカート部分12の下方領域を引き絞るようにすることで、生成した泡を手の平に移すことができ、この泡を使って顔や身体を洗浄することができる。
【0023】
泡立てネット10から固形石鹸30を取り出したいのであれば、引き絞った紐20で巾着のようにすぼまっている泡立てネット10の上端を広げる操作を行うことで、図1に図示のように袋部分14及びスカート部分12の上端が開放した状態に変化させることができ、これにより袋部分14の中の固形石鹸30を取り出すことができる。
尚、泡立てネット10の袋部分14は上端の紐20を引き絞ることにより閉じた状態に維持することができるので、使用によって小さくなった固形石鹸を複数個まとめて保持するのに都合がよく、石鹸を最後まで使い切ることができる。泡立てネット10を使用する都度一時的に石鹸を収容する場合は、袋部分14の代わりにスカート部分12を石鹸の一時的収容に利用して泡立てを行うことができる。
【0024】
また、この泡立てネット10は、袋部分14に何も入れない状態で使用することもできる。例えば液体石鹸を泡立てネット10に滴下し、そして泡立てネット10を両手で揉むことで、袋部分14及びスカート部分12が協働して微細な泡を作ることができる。このとき、泡立てネット10は図1の状態つまり両端が開放した状態で使用してもよいし、紐20を引き絞って、上端をすぼませた釣り鐘の状態で使用してもよい。
【0025】
実施例の泡立てネット10は、上述したようにスカート部分12と袋部分14が、互いに連続する共通のネット材料で作られており(一体成形のプラスチック材料)、その具体的な作り方は後に説明するが、変形例として、スカート部分12と袋部分14とを別々に作り、縫い目16を上下に離間して2本の縫い目で構成することで、この上下に離間した2本の縫い目16、16の間に紐挿通通路22を形成すると共に、この2本の縫い目16でスカート部分12と袋部分14の上端部同士を連結することで、内側に袋部分14を備えた泡立てネット10を作るようにしてもよい。勿論、スカート部分12と袋部分14とを別々に作るときに、スカート部分12と袋部分14とを別のネット材料で構成するようにしてもよい。また、スカート部分12と袋部分14とを別々に作るときには、スカート部分12は円筒状に限らず、任意の形態を採用することができる。例えば、スカート部分12が下端に向かうに従って広がったフレアースカートのような形状を有していてもよい。
【0026】
また、実施例の泡立てネット10は、後に詳しく説明するとおり、スカート12及び袋部分14が共に二層構造(図2)となっているが、スカート部分12と袋部分14を別々に作るのであれば、スカート部分12や袋部分14を夫々何層構造にするかは任意である。例えばスカート部分12を二層構造にし、袋部分14を一層構造にしてもよい。勿論、少なくともスカート部分12又は袋部分14を複数の層で構成した場合には、各層を構成するネット材料の選択は任意である。例えば、スカート部分12を二層構造にする場合、外側の層をチュールやオーガンジーで構成し、内側の層を一体成形プラスチック製のネット材料で構成してもよい。
【0027】
図3以降の図面は、実施例の泡立てネット10の作り方の一例を説明するための図である。先ず、一体成形プラスチック製のネット材料、例えばポリエチレンの一体成形ネットは筒状の状態で入手可能である。この筒状のネット材料100を所定長さに切断して、一方の端部を内側又は外側に引っ張り込むことで折り返して内外二層のスリーブ102となり、スリーブ102の一端が、ネット材料100の折り返し部100aで構成され、他端が、ネット材料100の切断端100bで構成される。
【0028】
図4は、スリーブ102の他端を構成するネット材料の切断端100bを束ねて熱溶着することによりスリーブ102の他端を閉じた状態を示す。次いで、この閉じた端102aをスリーブ102の中に入れることで図5に示す原型つまり泡立てネット10の原型106ができる。図4の参照符号108は折り返し線を示し、この折り返し線108が泡立てネット10の上端縁を構成する(図7)。
【0029】
次いで、図6に示すように、折り返し線108に隣接して、これに平行にミシン掛けすることにより縫い目16を形成することで紐挿通通路22を作ると共に、この紐挿通通路22に通じる開口24を形成する。この開口24は、ネット材料100の透孔を利用して、これに開口24を規定するリング部材を固定することで開口24を形成するようにしてもよい。
【0030】
紐挿通通路22は、図7から分かるように、二層構造のスカート部分12の上端部と、同じく二層構造の袋部分14の上端部との間の空間で構成され、この紐挿通通路22に通じる開口24の中に紐20が挿入される。そして、その後、紐20の両端が糸26で結束され、また、この紐20の端部に吸盤28を取付けることで、前述した泡立てネット10が完成する。
【0031】
以上、本発明の泡立てネット10の作り方の一例を説明したが、泡立てネット10は一層構造であってもよい。また、ネット材料100が、上述した筒状の一体成形プラスチック製のネット材料でなくて、オーガンジーのように布シート状のネット材料であるときには、この布シート状のネット材料を2つ折りして筒状にミシン掛けすることで、筒状の一体成形プラスチック製のネット材料と同様の手法を使って泡立てネット10を作ることができる。
【0032】
図8は変形例であり、図示の変形例の泡立てネット200は、第1の筒状のネット材料202と、第2の筒状のネット材料204とで構成され、第1のネット材料202の中に第2のネット材料204を収容した構造が採用されている。この構造は、当業者であれば、図3〜図7を参照して前述した作り方に準拠することで容易に作ることができる。
【0033】
第1のネット材料202は、両端が開放した筒状のスカート部分12を構成すると共に、これに連続した袋部分14を構成する。他方、第2のネット材料204はスカート部分12を構成し、好ましくは、スカート部分12と袋部分14の上端部まで延びて、縫い目16で第1のネット材料202と一体化するのがよい。図示の例では、スカート部分12が二層の第1のネット材料202の中に二層の第2のネット材料204が収容された構成となっており、また、有底の袋部分14が二層の第1のネット材料202で構成されているが、この構成は任意であり、例えば、第2のネット材料204を一層構造としてもよい。また、第1ネット材料202を一層構造としてもよい。例えば、第1、第2のネット材料202、204を共に一層構造とした場合には、スカート部分12の下端縁を縫い合わせる又はほつれ止めの処理を施すのが好ましい。また、一層構造の場合には、スカート部分12の形状は任意であり、フレアースカートのように下端に向かうに従って拡開した形状を有していてもよい。
【0034】
図9〜図12は、第2実施例を示す。第2実施例の泡立てネット300は、多孔性の布(例えばオーガンジー)をネット材料として選択されている。図9を参照して、適当な矩形の大きさのオーガンジー302を2つ折りして、その側縁部をミシン掛けすることにより長手方向に延びる縫い目304によってスリーブ306を作る。そして、このスリーブ306を図10に示すようにして表裏を反転させる。表裏を反転させたスリーブ306の長手方向一端をミシン掛けして閉塞する。図11の参照符号308は、スリーブ306の閉塞端を作る縫い目を示す。この縫い目308は、直線状に延びていてもよいし、湾曲していてもよい。この後の作り方は前述した方法と実質的に同じであるが、スカート部分12はスリーブ306の開放端側を折り込むことにより二層構造となっており、他方、袋部分14は一層構造である(図12)。なお、図12において、前述した第1実施例と同じ要素には同一の参照符号を付してある。
【符号の説明】
【0035】
10 泡立てネット
12 筒状のスカート部分
14 袋部分
14a 袋部分の閉じた端
14b 袋部分の開放した端
16 縫い目(連結手段)
20 紐
22 紐挿通通路
24 紐を外部に延出されるための開口
30 固形石鹸
100 ネット材料
102 スリーブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネット材料で構成され、両端が開放した筒状のスカート部分と、
該スカート部分の上端に連結され且つネット材料で構成された有底の袋部分であって、前記スカート部分の内側に配設されて固形石鹸を収容するための袋部分とを有する泡立てネットであって、
前記スカート部分の上端部と前記袋部分の開放した上端部とを連結する周方向に延びる連結手段と、
該連結手段によって前記スカート部分の上端部と前記袋部分の上端部との間に形成された紐挿通通路と、
該紐挿通通路に挿入された紐と、
前記スカート部分に形成され、前記紐を前記紐挿通通路から外部に延出させる開口とを有し、
前記紐を引き絞ることで、前記スカート部分と前記袋部分の上端開口を閉じることができる泡立てネット。
【請求項2】
前記スカート部分と前記袋部分とが共通のネット材料で構成されている、請求項1に記載の泡立てネット。
【請求項3】
少なくとも前記スカート部分と前記袋部分の何れか一方が複数の層構造を有し、前記スカート部分及び前記袋部分の少なくとも一層が共通のネット材料で構成されている、請求項1に記載の泡立てネット。
【請求項4】
両端が開放した筒状のネット材料の一端を閉じて閉塞端を作る第1工程と、
該閉塞端を有する筒状ネット材料の前記閉塞端を前記筒状のネット材料の内側に折り返して、外側に位置するスカート部分と、該スカート部分の内側に位置する袋部分を備えた泡立てネットの原型を作る第2工程と、
該泡立てネットの原型の折り返し端部において、前記スカート部分の上端部と前記袋部分の上端部の間に紐挿通通路を形成するために、前記スカート部分の上端部と前記袋部分の上端部とを互いに連結する第3工程と、
前記スカート部分の上端部に形成され前記紐挿通通路に通じる開口を形成する第4工程と、
前記開口を通じて前記紐挿通通路に紐を通す第5工程とを有する泡立てネットの製造方法。
【請求項5】
前記筒状のネット材料が二層構造を有する、請求項4に記載の泡立てネットの製造方法。
【請求項6】
前記紐挿通通路に通じる開口から外部に延出する紐の両端部に吸盤が設けられ、該吸盤によって前記泡立てネットを壁に掛けことができる、請求項4又は5に記載の泡立てネットの製造方法。
【請求項1】
ネット材料で構成され、両端が開放した筒状のスカート部分と、
該スカート部分の上端に連結され且つネット材料で構成された有底の袋部分であって、前記スカート部分の内側に配設されて固形石鹸を収容するための袋部分とを有する泡立てネットであって、
前記スカート部分の上端部と前記袋部分の開放した上端部とを連結する周方向に延びる連結手段と、
該連結手段によって前記スカート部分の上端部と前記袋部分の上端部との間に形成された紐挿通通路と、
該紐挿通通路に挿入された紐と、
前記スカート部分に形成され、前記紐を前記紐挿通通路から外部に延出させる開口とを有し、
前記紐を引き絞ることで、前記スカート部分と前記袋部分の上端開口を閉じることができる泡立てネット。
【請求項2】
前記スカート部分と前記袋部分とが共通のネット材料で構成されている、請求項1に記載の泡立てネット。
【請求項3】
少なくとも前記スカート部分と前記袋部分の何れか一方が複数の層構造を有し、前記スカート部分及び前記袋部分の少なくとも一層が共通のネット材料で構成されている、請求項1に記載の泡立てネット。
【請求項4】
両端が開放した筒状のネット材料の一端を閉じて閉塞端を作る第1工程と、
該閉塞端を有する筒状ネット材料の前記閉塞端を前記筒状のネット材料の内側に折り返して、外側に位置するスカート部分と、該スカート部分の内側に位置する袋部分を備えた泡立てネットの原型を作る第2工程と、
該泡立てネットの原型の折り返し端部において、前記スカート部分の上端部と前記袋部分の上端部の間に紐挿通通路を形成するために、前記スカート部分の上端部と前記袋部分の上端部とを互いに連結する第3工程と、
前記スカート部分の上端部に形成され前記紐挿通通路に通じる開口を形成する第4工程と、
前記開口を通じて前記紐挿通通路に紐を通す第5工程とを有する泡立てネットの製造方法。
【請求項5】
前記筒状のネット材料が二層構造を有する、請求項4に記載の泡立てネットの製造方法。
【請求項6】
前記紐挿通通路に通じる開口から外部に延出する紐の両端部に吸盤が設けられ、該吸盤によって前記泡立てネットを壁に掛けことができる、請求項4又は5に記載の泡立てネットの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−19690(P2011−19690A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166688(P2009−166688)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(597066197)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(597066197)
【Fターム(参考)】
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