波力
【課題】
【解決手段】波力式のウォータビークルが、表面のフロートと、沈むスウィマと、フロートとスウィマを連結する連係具とを具えており、スウィマは、波の動作により上下に移動する。スウィマは、スウィマが上下に移動するときに水と相互作用し、ビークルを前方に進ませる力を生成する1以上のフィンを具えている。人を必要としないビークルは、通信及び制御装置を具えることができ、これにより、ビークルは送信された信号により案内されるコースを進むことができ、ビークル上のセンサからのデータを記録又は送信することができる。
【解決手段】波力式のウォータビークルが、表面のフロートと、沈むスウィマと、フロートとスウィマを連結する連係具とを具えており、スウィマは、波の動作により上下に移動する。スウィマは、スウィマが上下に移動するときに水と相互作用し、ビークルを前方に進ませる力を生成する1以上のフィンを具えている。人を必要としないビークルは、通信及び制御装置を具えることができ、これにより、ビークルは送信された信号により案内されるコースを進むことができ、ビークル上のセンサからのデータを記録又は送信することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本出願は、2006年1月20日に出願された米国暫定特許出願第60/760,893(登録簿 JUP 001)、2006年5月18日に出願された米国暫定特許出願第11/4306447(登録簿 JUP 001−1)、2006年9月1日に出願された米国暫定特許出願第60/841,834(登録簿 JUP 001−2)の優先権を主張する。これらの各出願の開示全体は、参照によりここに組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
本発明は、水中の波力(ここでは「波力」と称する)を利用する装置及び方法に関する。
【0003】
水が水面に沿って移動するときに、水の垂直運動は生じるが、水の水平運動は実際には生じない。垂直運動の大きさは深さとともに対数的に減少し、深さが波長の約半分の場合には垂直運動はほとんどない。また、風により誘発される流速は、深さに応じて急激に減少する。波力を利用して有用な仕事をするために、多くの提案が成されている。例えば、米国特許第986,627、1,315,267、3,312,186、3,453,981、3,508,516、3,845,733、3,872,819、3,928,967、4,332,571、4,371,347、4,389,843、4,598,547、4,684,350、4,842,560、4,988,273、5,084,630及び6,561,856が参照される。これらの各特許の開示全体は、参照によりここに組み込まれている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明では、我々は新しい波力装置と、新しい波力装置を利用する方法を発見した。本発明は、水面を移動する波を有する水(以降、「波を伝える水(wave-bear water)」と称する)に配置されたときに、水面を移動するウォータビークルを参照して主に説明される。このようなビークルでは、波力の一部がフロートを水面上で移動させる(残りの波力は、もしあれば、他の有用な形態に変換され、又は衰える)。しかしながら、本発明は、フロートが例えばアンカ又は他の取り付け具により固定位置に保持されるときに有用である。好適な実施例では、本発明により、無人のウォータビークルが、退屈で、費用が高く、人間が操作するビークルで実行するには危険なタスクを実行することができる。
【0005】
第1の態様では、本発明は(1)フロートと、(2)スウィマと、(3)前記フロートと前記スウィマを連結する連係具と、を具える新しい波力式装置を提供し、
前記フロート、スウィマ及び連係具は、前記ビークルが水中にある場合に、(i)前記フロートが水面上又は水面近くにあり、(ii)前記スウィマが前記フロートより下に位置し、(iii)前記連係具が張力を受けることができるように構成されており、
前記スウィマが、
(2a)長さ方向の軸を有するスウィマ本体部と、
(2b)フィンシステムであって、(a)前記本体部に固定され、(b)フィンを具え、(c)装置が波を伝える水の中にある場合に、
(i)前記波の運動により変化する構成を有し、
(ii)水と相互作用して、前記スウィマを水平成分を有する方向(以降、単に「水平方向」と称する)に移動させる力を生成するフィンシステムとを具える。
【0006】
「フィン」の語はここでは、波力装置が波を伝える水の中にあるときに、水が実質的にスウィマの動作に影響を与えるのに十分な圧力を加える概略薄板表面を具える構成要素を示すのに用いられる。多くの場合、ウォータビークルは、同一でも異なってもよく、且つスウィマ本体部の異なる位置に固定される2以上のフィンを具えている。スウィマ本体部の「長さ方向の軸」は、装置が波を伝える水の中にあるときにスウィマが移動する概略的に垂直な面上に存在する。
【0007】
フィンシステムは、以下の少なくとも1の特徴(すなわち、1またはそれ以上)を有するこが好適である。
(A)フィンシステムがフィン、例えば、回転軸(例えば、スウィマ本体部の長さ方向の軸を概略的に横断する回転軸)を中心に回転する概略薄板状のフィンを具え、前記回転軸が、前記装置が波を伝える水の中にあるときに変化する前記スウィマ本体部との空間的な関係を有すること。
(B)前記フィンシステムが、(i)フィン、例えば、回転軸(例えば、スウィマ本体部の長さ方向の軸を概略的に横断する回転軸)を中心に回転する概略薄板状のフィンと、(ii)前記フィンの一部ではない弾性要素であって、弾性的に変形し、前記ビークルが波を伝える水の中にあるときに前記フィンシステムの構成の変化に影響を与える弾性要素(例えば、金属製のコイルばね、金属製の板ばね、金属製のトーションバー、又は天然又は人工のゴムバンドなどの弾性の構成要素)を具えること。
(C)前記フィンシステムが、フィン、例えば(i)(中心部が、スウィマ本体部と所定の空間的な関係を有する回転軸を中心に回転する可能性を有する)前記スウィマ本体部と所定の空間的な関係を有する相対的に硬質の中心部と、(ii)相対的に変形可能な船外部とを具える先端を有する概略薄板状で弾性的に変形可能なフィンを具えること。
(D)前記フィンシステムが、2つの概略薄板状のフィン、例えば、それぞれが左右対称である2つの概略薄板状で弾性的に変形可能なフィンを具え、各フィンが、前記スウィマ本体部の長さ方向の軸と概略的に整列した回転軸を中心に回転すること(このようなフィンは、魚の胸びれ又は鳥の翼と同じような方法で作動し、ここでは「「胸」びれ(フィン)」と称する)。
前記連係具は、以下の特徴の一方又は双方を有することが好適である。
(E)前記連係具が、弾性的に変形可能な部材を具えること。
(F)前記連係具が、データ及び/又は電力を送る構成要素を具えること。
前記スウィマ本体部は、以下の特徴の1又はそれ以上を有することが好適である。
(G)前記スウィマ本体部が、実質的に硬質の前部と、相対的に可撓性のある垂直面上の中央部と、実質的に硬質の船尾部とを具え、前記連係具が、例えば前部に固定され、前記フィンシステムが、例えば前部に取り付けられること。
(H)前記スウィマ本体部が、電気設備、通信設備、記録設備、制御電子機器、ステアリング装置、及びセンサから選択した1又はそれ以上の要素を具えること。
(I)前記スウィマ本体部が、水平面上の前記スウィマ本体部の方向に影響を及ぼす実質的に垂直なフィンを具えること。このようなフィンは、抵抗力をバランスさせ、連係具により一方へ引っ張られたときにスウィマの回転を制限するのに有用である。一実施例では、スウィマ本体部は、スウィマを操舵するために作動可能な所定の前方のフィンと後方のフィンを具えている。同様の実施例では、スウィマ本体部の一部は、相対的に小さな水平領域と、相対的に大きな垂直領域、例えば、スウィマ本体部の後方端部におけるスウィマを操舵するのに作動可能な部材などを有する。
(J)前記スウィマ本体部が、概略管状ハウジングを具え、前記フィンシステムが前記ハウジングの両サイドに延在する胸びれ(フィン)を具えること。
フィン又は回転軸を中心に回転する他の構成要素、又は回転可能に取り付けられ、又は回転可能に固定される構成要素について言及する場合、これは単一の軸についての回転の可能性だけでなく、(必要に応じて互いに平行でもよい)2つ以上の軸についての回転から生じる回転の可能性や、例えば、可撓性のあるフィンの一部が固定され、可撓性のあるフィンの残りが固定位置に対して移動するときに、回転がフィン又は他の構成要素の隣接する部分の連続的な相対運動に関連する可能性を含む。
【0008】
好適な第2の態様では、本発明は波力式のウォータビークルを提供し、このウォータビークルは、(1)フロートと、(2)スウィマと、(3)フロートとスウィマを連結する連係具と、(4)コンピュータシステムとを具えており、このフロート、スウィマ及び連係具は、ビークルが水中にあるときに、(i)フロートが水面上又は水面近くにあり、(ii)スウィマがフロートの下に沈み、(iii)連係具が張力を受けるように構成されており、
前記スウィマが、ビークルが波を伝える水の中にあるときに、水と相互作用してビークルを水平方向に移動させる力を生じさせ、
前記フロートが、衛星を利用した位置センサを具えており、
前記スウィマが、(a)水平面上の方向を検知するセンサと、(b)ステアリングアクチュエータとを具えており、
前記コンピュータシステムが、(a)位置センサ、水平センサ、及び舵に接続され、(b)(b)前記位置センサ及び前記水平センサから受信した信号に応じて、あるいは前記ビークル上のセンサから受信した信号に応じて、前記ステアリングアクチュエータを制御する命令を含む、あるいは含むようにプログラム可能である。本発明の第2の態様のウォータビークルでは、スウィマは、本発明の第1の態様に係る本体部及びフィンシステムを具えることが好適であるが、ビークルを水平方向に移動させる力を生じさせる別の手段を具えることができる。
【0009】
本発明のウォータビークルはしばしば、単一のフロートと単一のスウィマとを具えており、本発明は主に、このようなウォータビークルを参照して説明される。しかしながら、本発明は1以上のフロート及び/又は1以上のスウィマ、例えば、複数のスウィマに取り付けられた単一のフロートを具える可能性があり、スウィマは複数の連係具により軸方向に整列されるのが好適である。
【0010】
第3の好適な態様では、本発明は、本発明の好適な第1又は第2の態様に係る装置を水塊の表面に沿って移動する水波を有する、あるいは有する可能性のある水塊に配置するステップを具える波力を利用する方法を提供する。
【0011】
好適な第4の態様では、本発明は、本発明の第1又は第2の好適な態様に係る装置からの信号、例えば、複数のこのような装置、例えば、2から10,000又は10から1000の装置の一部又は総てからの信号を受信するステップを具える情報を取得する方法を提供する。
【0012】
好適な第5の態様では、本発明は、本発明の好適な第1又は第2の態様に係る装置により記録される信号、例えば、複数のこのような装置、例えば、2から10,000又は10から1000の装置の一部又は総てにより記録される信号を調べるステップを具える情報を取得する方法を提供する。
【0013】
好適な第6の態様では、本発明は、本発明の好適な第1又は第2の態様に係る装置の機能を制御する方法を提供し、この方法は、信号を装置に送信するステップを具えている。
【0014】
好適な第7の態様では、本発明は、本発明の好適な第1又は第2の態様の使用と他の目的に好適な新しいフロートと、本発明の好適な第1又は第2の態様の使用と他の目的に好適な新しいスウィマと、本発明の好適な第1又は第2の態様の使用と他の目的に好適な新しいフィンシステムと、本発明の好適な第1又は第2の態様の使用と他の目的に好適な新しいフィンとを提供する。
【0015】
好適な第8の態様では、本発明は、本発明の好適な第1又は第2の態様に係る装置を組み立てるのに必要な2以上の構成要素を具える部材のキットを提供する。
【0016】
添付図面に示す本発明は概略であり、寸法が正しいわけではない。
【0017】
いくつかの図では、フィンシステムは、0,1,2,3又は4の番号が付されている。構成に0が付されている場合は、ビークルが水中にあるときに採用される可能性のある構成である。構成に1が付されている場合は、フロートが波高点の後方に落ち、連係具の張力が低下(0でもよい)したときに採用される可能性のある構成である。構成に2が付されている場合は、フロートが波の谷に落ち、連係具の張力が増加し始めるときに採用される可能性のある構成である。構成に3が付されている場合は、フロートが波の頂点に向かって上昇し、連係具の張力がこの周期で最大あるいは最大近くになるときに採用される可能性のある構成である。構成に4が付されている場合は、フロートが波の頂点近くにあり、連係具の張力が減少したときに採用される可能性のある構成である。しかしながら、実施例に係るフィンシステムの構成は、これらの図に必ずしも示されていないことを理解すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
前述した本発明の概要、後述する本発明の詳細、及び添付図面では、本発明の特定の特徴が参照されている。本明細書における本発明の開示は、このような特有の特徴の総ての可能な組み合わせを含むと理解すべきである。例えば、特定の特徴が特定の態様、特定の実施例、又は特定の図に開示されている場合、この特徴は、適切な範囲で、本発明の他の特有の態様、実施例及び図面で一般的に使用される。本発明は、ここに開示されている総ての新規な特徴を有し、前述した本発明の好適な態様に限定されないことを理解すべきである。
【0019】
「具える」の語及びこれと文法的に同等の語は、他の要素(即ち、構成要素、材料、ステップ等)が任意で存在することを意味するために本明細書で使用されている。例えば、構成要素A、B及びCを「具えている」(あるいは「具える」)ウォータビークルは、構成要素A、B及びCのみを具えることができ、または構成要素A、B及びCだけでなく、1またはそれ以上の他の構成要素を具えることができる。数字が後に続く「少なくとも」の語は、その数字で始まる範囲(定義される変数に応じて、上限を有する範囲または上限を有さない範囲)の始まりを表すために本明細書で用いられる。例えば、「少なくとも1」は、1又は1よりも多いことを意味し、「少なくとも80%」は、80%又は80%よりも多いことを意味する。数字が後に続く「多くても」の語は、その数字で終わる範囲(定義される変数に応じて、下限として1又は0を含む範囲または下限を有さない範囲)の終わりを表すために本明細書で用いられる。例えば、「多くても4」は、4又は4よりも少ないことを意味し、「多くても40%」は、40%又は40%よりも少ないことを意味する。本明細書において、範囲が「(第1の数字)から(第2の数字)」又は「(第1の数字)−(第2の数字)」で与えられている場合、これは、下限が第1の数字であり、上限が第2の数字である範囲を意味する。例えば、「5から15フィート」又は「5−15フィート」は、下限が5フィートであり、上限が15フィートであることを意味する。「複数の」、「多数の」、「複数」及び「多数」の語は、2つ又は2つよりも多いアイテムを表すために本明細書で用いられている。
【0020】
本明細書において2又はそれ以上のステップを具える方法について言及する場合、定義されたステップは、(文脈がその可能性を排除する場合を除き)任意の順序で又は同時に実行でき、この方法は、(文脈がその可能性を排除する場合を除き)定義されたステップの前に、定義された2つのステップの間に、定義された総てのステップの後に、任意で1又はそれ以上の他のステップを具えることができる。本明細書で「第1」及び「第2」の要素について言及する場合、これは通常、文脈が要求しない限り特定するために行われ、第1及び第2の要素は同一又は異なってもよく、第1の要素の参照は、(第2の要素が存在してもよいが)第2の要素が必ず存在することを意味しない。本明細書で「1」の要素について言及する場合、これは、(文脈がその可能性を排除する場合を除き)2つ又はそれ以上のこのような要素が存在する可能性を排除するものではない。例えば、1のフィン又は1のフィンシステムについて言及する場合、スウィマは(しばしば)、同じ又は異なる2又はそれ以上のフィン又はフィンシステムを具えることができる。本明細書で2又はそれ以上の要素について言及する場合、これは、2つ又はそれ以上の要素が、同じ機能を提供するより少ない数の要素又はより多くの数の要素と置換される可能性を排除するものではない。例えば、スウィマ本体部とフィンシステムは、全体として単一の統一した本体部を形成する。本明細書で用いられる数字は、その文脈及び表現に適した範囲で解釈すべきであり、例えば各数字は、当業者により従前から利用されている方法により判断することができる正確性に応じて変更される。
【0021】
他に示さない限り、ビークルの構成要素の位置及び形状についての言及は、ビークルが水中にある場合の位置及び形状についての言及である。前述した定義及びさらに後述する定義により、様々な語が本明細書で用いられる。
【0022】
「先端(又は先端部)」及び「後端(又は後端部)」は、波力がビークルを前方に移動させるときのフィン又は他の構成要素の前面及び後面それぞれを意味する。
【0023】
「船首」及び「船尾」は、先端及び後端(又は先端部及び後端部)それぞれに相対的に近い位置を意味する。
【0024】
「整列した」は通常、スウィマの長さ方向の軸を有する垂直面に平行な垂直面上の方向を意味する。「軸方向に整列した」は、スウィマの長さ方向の軸を有する垂直面上の方向を意味する。
【0025】
「延在する」は通常、スウィマの軸方向の中心線を含む垂直面と直交する垂直面上の方向を意味する。
【0026】
特定の定義に「概略的」に準拠する特徴、例えば「概略的に垂直面上に」、「概略薄板状」、又は「概略的に水平」を本明細書で参照する場合、特徴は当該特定の定義に厳密に準拠する必要はなく、本発明の原理に係る有効な作用が可能な程度だけ厳密な定義から逸脱することができると理解すべきである。
【0027】
ビークルの総ての構成要素、特に電気接続は、塩水に対して耐性がある素材で構成することが好適であり、及び/又はこのような素材の防水性の被覆物(jacket)で覆うことが好適である。水にさらされる素材は、生物の付着(bio-fouling)に対して耐性があるのが好適であり、海洋動物、例えば鮫にとって魅力的でなく、または不快であることが好ましい。例えば、好適な素材は、銅を含む塗装やポリテトラフルオロエチレンなどの界面エネルギーが低いポリマーを含む金属及び高分子組成から選択できる。ビークルがバッテリーやソーラーパネルを(又は他の電気生成手段)を具える場合、バッテリー又はソーラーパネルの電力を用いてビークルの導電体を簡単に帯電させることにより、及び/又は生物が付着する素材を除去する振動器に電力を供給することにより、生物の付着を防止することができる。海草が絡むことがある先端は、任意で鋭利でもよく、または鋸歯状でもよい。
【0028】
ビークルは、スウィマがビークルを前方に引っ張る動作に伴う抵抗を最小にし、ビークルを横方向に移動させる風及び水の流れの影響を最小にするように設計することが好適である。フロート若しくはスウィマ又はこれら双方は、フロート又はスウィマが前方に移動するときに折り畳まれて抵抗の影響を受けることがないフラップであって、フロート又はスウィマが後方に移動するときに展開して抵抗を増加させるフラップを具えることができる。このようなフラップは、フロート及び/又はスウィマが後方に移動した場合にこれらを所望の方向に保持することができるように配置することが好適である。
【0029】
例えば、前述した特徴(B)を有する好適な装置は、(1)複数のフィン、例えば3−10又は4−6のフィン、例えば5のフィンと、(2)スウィマ本体部に取り付けられ、各フィンが回転可能に取り付けられる硬質のバーと、(3)(B)で定義したような弾性の構成要素とを具えるフィンシステムを具えることができる。硬質のバーは、スウィマ本体部の長さ方向の軸と整列することが好適である。同一でも異なってもよいフィンは、(任意で同じ水平面上に)一列に配置するのが好適であり、各フィンは、スウィマ本体部の長さ方向の軸を概略的に横断する横軸を中心に回転するのが好適である。弾性の構成要素は、各構成要素が接続されるフィンの速度及び/又は回転の程度に影響を与える。例えば、弾性の構成要素は、硬質のバーの固定位置、例えばフィンの横軸の船尾から、フィンの固定位置、例えばフィンの横軸の船尾へ延在する。
【0030】
例えば、前述した特徴(A)及び(B)を有する好適な装置は、(i)スウィマ本体部に取り付けられ、任意で回転可能に取り付けられる硬質のバーに直接又は間接的に取り付けられ、任意で回転可能に取り付けられる概略薄板状のフィンと、(ii)フィン及び/又は硬質のバーに直接的又は間接的に接続され、システムの構成が部分的又は全体的に変更する間に、フィン及び/又は硬質のバーの回転速度及び/又は程度、及び/又は(b)スウィマ本体部と回転軸との空間的な関係に影響を与えるばね及び/又はねじり棒と、を具える。
【0031】
例えば、前述した特徴(C)を有する好適な装置は、概略薄板状及び弾性的に変化可能なフィン(このようなフィンは、任意でフィンシステムの単一の弾性の構成要素でもよく、又は複数の弾性の構成要素のうちの一つでもよい)を具えるフィンシステムを有しており、このフィンは、(i)スウィマ本体部の長さ方向の軸を概略的に横断する回転軸を中心に回転する相対的に硬質の中央部分と、(ii)相対的に変形可能な外側部分とを具える先端を有している(例えば、後退角を有するフィン、例えば概略的にV字型の先端)。
【0032】
スウィマ本体部
スウィマ本体部はしばしば、概略円筒形状であり、またはフィンシステムがスウィマを水の中で引っ張るときの抵抗を最小限にするために選択された他の形状である。しばしばスウィマ本体部は単一であるが、本体部の軸が整列した状態で、あるいは互いに平行で離設した状態で、好適にはしっかりと互いに固定された複数の本体部であってもよい。本体部は、ビークルが水中にある場合に、概略的に水平な長さ方向の軸を有することが好適である。
【0033】
通常、必ずではないが、スウィマ本体部は、幅(すなわち、長さ方向の軸を横断するように測定されるスウィマ本体部の大きさ)よりも実質的に大きい長さ(すなわち、長さ方向の軸に沿って測定される大きさ)を有する。例えば、スウィマ本体部の長さは、少なくとも1フィート(0.3m)、例えば3から10フィート(0.9から3m)又は4から6フィート(1.2から1.9m)とすることができるが、実質的に例えば最大で1000フィート(300m)以上の大きさにすることができる。例えば、スウィマの直径は、少なくとも0.1フィート(30mm)又は少なくとも0.3フィート(90mm)であり、最大で、例えばスウィマの長さの0.1倍である。
【0034】
いくつかの実施例では、全体のスウィマ本体部は硬質である。しかしながら、スウィマ本体部の一部は弾性的に変形可能である。例えば、スウィマ本体部は、可撓性のある中心部分を具えることができ、舵が可撓性のある中央部分の硬質の船尾部分に取り付けられ、フィンシステムが可撓性のある中心部分の硬質の船首部分に取り付けられた状態で、実質的に垂直面上にあることが好適である。任意で、スウィマは重心よりも上に浮心を有する。
【0035】
さらに以下に説明するように、様々な追加の構成要素は、スウィマ本体部に取り付けできる。重い構成要素は、フロートよりもスウィマに固定するのが好適である。例えば、取り付けられた構成要素を含むスウィマの湿重量は、例えば5から20,000ポンド(2から9,000kg)、例えば5−500ポンド(2−225kg)、例えば20−60ポンド(9−30kg)とすることができる。多くの構成要素は、スウィマ本体部により提供される防水の筐体内に配置することが好適である(例えば、バッテリー、電子装置、サーボ機構、防水の開口(pass-through)、及び方向検知装置を含む電気装置)。他の物、例えば、スタビライザーフィン、スタビライザーウェイト、舵、いくつかの種類のセンサ、サンプルコレクタは、スウィマ本体部の外側に配置するのが好適であり、あるいは必ずこれの外側に配置される。例えば、スウィマ本体部の前面近く及び/又は後面近くに配置可能なスタビライザーフィンは、スウィマ上の横方向の抵抗に抵抗する概略垂直に固定及び整列されたフィン、又はスウィマ上の垂直方向の抵抗に抵抗する概略水平に固定及び整列されたフィンとすることができる。例えば、スタビライザウェイトは、通常スウィマ本体部に整列され、スウィマ本体部から垂直に下りる支柱に固定されるバー及び/又はディスクとすることができ、これにより重量を増加させ、スウィマの重心を変化させ、あるいは竜骨状の垂直なスタビライザフィンの一部でもよい。
【0036】
一実施例では、ハイドロホンがスウィマ本体部に固定される。スウィマから生じるノイズをハイドロホンから隔離するために、ハイドロホンは、スウィマ本体部の後方で引っ張られるケーブルの端部に配置され、あるいはスウィマ本体部、例えばこれの前面から突出する拡張バーに配置されるのが好適である。
【0037】
フロート
フロートは、これが具える構成要素を念頭に入れつつ、有用な大きさ及び形状、これが使用される方法、水及び風に対する抵抗を最小限にする妥当性を有することができる。フロートの長さは、例えばスウィマの長さの0.5から0.9倍よりも小さく、ほぼ同じ、例えば0.9から1.1倍、あるいは例えば1.1から4倍よりも大きくすることができる。フロートの長さは、例えば少なくとも1フィート(0.3m)、例えば3から10フィート(1から3m)、又は4から6フィート(1.2から1.9m)とすることができるが、波により実質的に移動することができない大きさでない限り、実質的にこれよりも大きく、例えば最大で1000フィート(300m)またはそれ以上にすることができる。フロートの幅は、例えば少なくとも0.3フィート(1m)又は少なくとも2フィート(1.9m)、最大で例えばフロートの長さの0.3倍とすることができる。任意で、フロートは重心より上に浮心を有する。フロートは、例えば、20から500ポンド(9から225kg、例えば約80ポンド(36kg))の浮力を有することができ、及び/又はスウィマの湿重量の2から4倍の浮力とすることができる。
【0038】
風、波又は流力がフロートを横方向に押す危険性を低減すべく、水の抵抗の中心及び風の抵抗の中心の双方は、取り付け位置の線の背後であることが好適であり、これにより、全体の抵抗が小さい船首を前にした状態でフロートを維持する。連係具の取り付け位置の前方のフロート部分に作用する風及び水の力は、フロートを所望の方向から離れて回転させる傾向があり、一方、取り付け位置の船尾は、所望の方向を提供する傾向がある。したがって、フロートの船首は、相対的に鈍く先端が切り取られていることが好適であり、一方、フロートの船尾部分は、より大きな垂直表面領域を有する拡張された船尾部分を有することが好適である。
【0039】
フロートは舵を具えてもよい。抵抗の中心を連係具の取り付け位置の背後に保持すべく、舵はビークルの総ての動作の際に、あるいは部分的な動作の際に固定される。ビークルのステアリングを補助するために舵は調整可能でもよく、この場合、連係具はスウィマの抵抗の中心の前方でスウィマに取り付けることが好適である。特に、連係具がフロートの浮心の僅か前方に取り付けられる場合、フロートの水面下の表面は、前方に突出する形状をしている。
【0040】
フロートは任意で、高分子組成、例えば繊維ガラス又は炭素繊維で補強した高分子組成、及び/又は圧壁のエラストマシート材を具える外側のシェルを具える。シェルは任意で、独立気泡の高分子発泡体のコア(closed cell polymeric foam core)、例えば柔軟な(compliant)独立気泡の発泡体、及び/又は複数の空洞を覆う。いくつかの実施例では、このような空洞は拡張することができ(例えば、エラストマー素材で構成される)、これを部分的に又は全体的に水及び/又は空気で満たして、浮力を制御する。
【0041】
連係具(tether)
連係具は、フロートとスウィマを機構的に接続し、この目的のために、好適な破壊強度、例えば少なくとも500ポンド(225kg)又は少なくとも1500ポンド(675kg)の伸張部材を具える。例えば、伸張部材は、金属、例えばステンレス鋼、及び/又は高分子組成、例えばKeviar又はスペクトル(Spectra)で構成することができる。しばしば、負荷を負わず、電力及び/又はデータを送る1又はそれ以上の部材、例えば1又はそれ以上の絶縁電気コンダクタのツイストペア、光ファイバ、又は音響ケーブルを具えることができる。通常、連係具は張力負荷のみを支持するが、本発明は、連係具が圧縮に抵抗する可能性を有し、例えば、ロッドである。
【0042】
抵抗を低減すべく、連係具の構成要素は、主要な張力部材が前方にある状態で、連係具の先端の範囲を最小にするように構成するのが好適である。したがって、連係具は、好適には流線形の断面を有し、例えば、他の構成要素を覆うシリコン又は塩化ビニル重合体に基づく組成などの高分子組成からなる被覆物(jacket)を具える。連係具の捻れは抵抗を増加させ、任意で捻れを低減するために測定を行うことができる。例えば、第2の張力部材は連係具の後端に設けることができ、及び/又はビークルは連係具の捻れを検知して修正する装置を具えることができ、及び/又はビークルは、時計回りに経路に沿って案内可能であり、反時計回りの回転がバランスされる(特に、ビークルが固定位置を包囲する経路に沿って案内される場合)。
【0043】
例えば連係具は、0.5から1.0インチ(13から25mm)、例えば約0.625インチ(16mm、0.125から0.5インチ(3から13m)の横方向の大きさ)、例えば約0.19インチ(5mm、例えば10から80フィート(3から25m)の長さ)、例えば17から23フィート(5から7m)の整列した大きさを有する。フロート又はスウィマの一方は、連係具の長さを変更でき、特定の波の状態及び/又は水の深さに適合し、及び/又はビークルをより容易に保管、運搬、及び配置可能なリール又は他の装置を具えることができる。
【0044】
例えば、連係具はエラストマー素材、例えばフロートの相対的な位置及びスウィマが変化する場合に可逆的に長さが変化するばねを具えることができる。例えば、概略的に逆Y字型の連係具の一の足は、このようなエラストマー素材を具えることができる。
【0045】
いくつかの実施例では、単一の連係具が存在する。例えば連係具は、単一の線(line)である中央部分と、2本以上の脚を有し、船首から船尾までの位置又はスウィマ又はフロートの横方向の位置に固定される下側部分及び/又は上側部分(フロートに取り付けられる)とを具えることができる。一実施例では、連係具は、逆Y字型の形状を有しており、Yの下側の脚は、(a)スウィマと整列され、これの船首から船尾までの位置に固定され、または(b)スウィマを横切り、スウィマの軸から延在する構成要素に固定される。
【0046】
単一の連係具がスウィマとフロートの間に存在する場合、その構成及びスウィマへの取り付け位置(又は連係具が2以上の下側の脚を有する場合の取り付け位置)は、連係具が上方に引っ張られるときにスウィマに作用する上方への力が、スウィマの重心に又はこれの近くを通過するような構成及び位置であることが好適である。スウィマは、ビークルが水中にあるときに実質的に水平である。これはスウィマを補助し、水平な向きを維持する。
【0047】
単一の連係具がスウィマとフロートとの間に存在する場合、その構成及びフロートへの取り付け位置(又は連係具が2つ以上の上側の脚を有する場合の取り付け位置)は、連係具が上方に引っ張られるときにフロートに作用する下方への力が、フロートの浮心に又はこれの僅か前方を通過するような構成及び位置であることが好適である。
【0048】
他の実施例では、複数の連係具、例えばフロート及びスウィマの船首から船尾までの位置にそれぞれ取り付けられる第1及び第2の連係具が存在する。複数の連係具は抵抗を増加させるが、捻れを減らす。
【0049】
連係具の張力は、スウィマ及びフロート双方を安定させる。各要素は、重心より上に浮心の位置を決めることにより独立して安定化されるが、これは必ずしも必要ではない。線張力がスウィマ及びフロート双方を安定化させるという事実は、ビークルの制御を容易にする。いくつかの実施例では、ビークルは一の自由度で操縦される必要があり、他の姿勢制御は受動的に安定化され、ビークルが姿勢制御スラスタ又はフラップを具える必要はない(このようなスラスタ及びフラップを設けてもよいが)。
【0050】
フィンシステム
スウィマが波力により移動するとき、フィンシステムの構成は、水の表面上の波に応じたサイクルで変化する。通常、必ずではないが、各サイクルでの構成の変化は実質的に同じである。各サイクルにおける構成の変化は通常、実質的に連続的であるが、非連続とすることもできる(すなわち、構成が同じである場合に各サイクルにおいて1以上の周期が存在し得る)。少なくとも周期の一部では、フィンシステムは水と相互に影響して、スウィマを水平方向に押す力を生成する。いくつかの実施例では、フィンシステムは、横軸を中心に回転するフィンを具える。他の実施例では、フィンシステムは、長さ方向の軸を中心に回転する一対のフィンを具えている。いずれか一方の事例では、スウィマが上昇及び下降するとき、フィンは、任意で弾性的に湾曲することができ、スウィマの前方への突出を強化する。
【0051】
様々な波の大きさは、様々なフィンシステムから様々な反応を提供する。例えば、比較的大きな波の場合、主な推進力は、フィンの動作の上昇及び下降の位相の間に提供され、一方、比較的小さな波の場合、主な推進力は、フィンの回転により生じる。可撓性のあるフィンは、小さい波及び大きい波の双方から推進力を提供する。
【0052】
本発明の特定のウォータビークルの場合、フロートの動作におけるスウィマの影響は、波の大きさ及び周波数に部分的に依存する。例えば、フロートの動作は、水流及び風、他の推進力又はフロート上で動作するステアリングシステムなどの環境条件に依存する。好適な条件では、スウィマは他の他の推進力システムなしで、多くの目的を満足する速度でビークルを前方に移動させる(ステアリングシステムを駆動するための別の電力源を使用する必要があるが)。
【0053】
スウィマ及びフロートの水平方向の動作は、しばしば周期的であり、滑走状態(glide phase)とカイト状態(kite phase)の間を変化し、カイト状態でフロートの水平方向の速度がピークになり、滑走状態でスウィマの水平方向の速度がピークになる。滑走状態では線張力が低く、スウィマは前方に急速に滑走することができる。フロートはゆっくり前方に移動するが、前方には移動しない。カイト状態では線張力が高く、滑走状態でスウィマが正常に前方に滑走する場合、線は、増加した張力がスウィマの前方への動作を遅らせるような角度になる。急な線の角度及び高い張力は、フロートを前方に急激に引っ張り、滑走状態でスウィマにより生じた前進に部分的に追いつく。
【0054】
抵抗は速度の二乗に比例する。滑走状態のスウィマの速度が最も早いため、この状態で抵抗を最小限にすることが好適である。滑走状態で低い抵抗を実現するウォータビークルの一例が、以下及び添付図面27AからDに示されており、これは、カイト状態から滑走状態に即座に静かに移行できる。この例では、スウィマ本体部は、長さ方向の軸に沿って最も長い中央部分構造を有する。フィンは、本体部の一方の側から延在し、実質的に本体部の長さ方向の軸に垂直であり、好適には連係具の軸に垂直な軸を中心に、本体部に対して回転可能である。単一の軸を有する一対のウィング、または複数の対のウィングが存在する。フィンの回転は、静止した位置から一方向の回転に抵抗するばねにより部分的に制御されるのが好適である。このようなばねの利点は、敏感な音響装置の動作を害する突然の停止により生じるノイズを発生させることなく、回転に対する抵抗を徐々に増加させることである。
【0055】
ビークルが水中に停止している間、連係具は、概略的に垂直であり、本体部に取り付けられることが好適であり、これにより、本体部の軸が水平に対して0から30°の角度、好適には3から10°になる。停止位置におけるフィンの翼弦(chord)の軸は、概略水平であることが好適である。
【0056】
フロートが下に移動することにより線張力が解放されると、スウィマは下に移動し、ウィング上の流圧により、滑走位置に対して回転する一方、ばねがこの回転に抵抗する。ばねの力と揚力は、滑走位置のウィングの角度が本体部の長さ方向の軸を同様になるように均衡を保ち、これにより抵抗を最小限にする。線張力はフロートが上昇することにより増加し、スウィマは上昇し、ウィングにかかる流圧により、ウィングがカイト位置に回転する一方、ばねがこの回転に抵抗する。ばねの力と揚力は均衡を保ち、ウィングが有効迎角でカイト動作中に駆動し前進する。
【0057】
滑走に効果的なウィングの形状の一例は、高アスペクト比(翼幅/翼弦(span/chord))、楕円形の平面図形、細長い翼の形状を有する。相対的に短い翼弦を有するフィンは、滑走角度とカイト角度との間の急速な回転を可能にし、フィンは、各状態について最小限のロストモーションの最適な迎角を実現できる。
【0058】
単一のフィンが図27に示されている。各フィンが同じように動作する複数のフィンが同様に可能である。第1の推進ウィングに加え、小さな尾翼又は前方の先尾翼を安定性のために設けてもよい。
【0059】
滑走角度の制御
最適な滑走角度は海の状態に応じて変わる。風又は表層流がフロートを後方に引っ張る場合、急な滑走角度は、前方の動作を実現する必要がある。反対に、風及び流れが有利な場合、細い滑走角度は、各滑走サイクルで移動する距離を増加させることができる。
【0060】
アクティブ制御は、尾翼又は先尾翼の角度に適用され、滑走角度を制御する。代替的にまたは加えて、重心は、内部質量を移動させることにより本体部の軸に沿って調整してもよい。例えば、リードスクリュードライブは、バッテリーパックを船首又は船尾に移動させて重心を調整する。代替的にまたは加えて、連係具の取り付けを調整して、本体部の角度に影響を与えてもよい。
【0061】
好適な実施例では、例えば、所望の固定位置の周りを閉じたパターンで移動するために、及び/又は何マイルも離れた2つの位置の間の所望の経路を辿るために、及び/又は様々なデータを収集するために海上を後方及び前方にゆっくり横断するために、ビークルは、所望の方法によりビークルを遠隔操作可能な制御及びステアリングシステムを具えてもよい。
【0062】
フロートが他の力により(例えば、風、水流又は従来の推進力システムにより)移動される場合、スウィマの動作はフロートの動作を修正する(例えば、加速又は減速させ、及び/又はフロートの動作の方向を変更する)。
【0063】
所望の方法で水を相互作用する様々なフィンシステムは、限定ではないが、ここに説明する様々な種類を有する。特定のフィンシステムは、互換性がない場合を除き、これらの種類の2以上の組み合わせを利用することができ、ウォータビークルは、2又はそれ以上の同じ種類又は異なる種類又はこれらの組み合わせたフィンシステムを具えることができる。以降、「概略薄板状のフィン」について言及する場合、これは、フィンの厚さが横方向又は整列した方向又はこれらの両方向に規則的又は不規則に変化する可能性を含み、フィンの一部が概略薄板形状から外側に延在する可能性を含む。例えば、少なくともフィンの一部はウィングの断面、すなわち断面を有し、フィンが波を生成する水と相互作用して揚力と抵抗を提供する。以降で「概略水平面に存在する」概略薄板状のフィンについて言及する場合、これは、フィンの主要な面が、水平に対してフィンの効果的な動作を可能にする角度、例えば、水平に対して45°以下の角度、好適には20°以下の角度で傾斜する平面に存在する可能性を含む。
【0064】
本発明のいくつかの実施例では、フィンシステムの一部又は総ては、ビークルが水中にあるときに第1の構成を有し、波の山がフロートを上方に持ち上げる結果、スウィマが連係具により上に引っ張られるときに、第1の構成から第2の構成に切り替わり、波の谷がフロートを下降させる結果、スウィマが下に沈むときに、第2の構成から第3の構成に切り替わる。第3の構成は通常、第1の構成と異なるが、本発明は、第3の構成が第1の構成と同じである可能性を含む。フィンシステムが第2の構成から第3の構成に切り替わる場合、フィンシステムは、必須ではないが、一時的な状態として第1の構成を経験する。例えば、フィンシステムは、異なる構成に弾性的に変化する概略薄板状の部分を有する1又それ以上のフィンを具えることができる。代替的にまたは加えてフィンシステムは、例えば、形状を様々な構成に変化させる1又はそれ以上の弾性的に変更可能な構成要素を具えることができ、これにより、概略薄板状の部分を具えるフィンの動作を制御し、または制御するのを補助する。弾性的に変化可能な構成要素は、一方向のみ(例えば、ばね)、又は2以上の方向、例えば上下方向双方(例えば、トーションバー)のフィンの動作を制御でき、またはこれを制御するのを補助できる。
【0065】
好ましくないフィンの動作を阻止するため、例えば、可撓性のあるフィンの過度な湾曲を阻止するためにリミットストップを設けてもよい。ストップは、硬質のストップ、弾力性のあるストップ、例えば、増加率ばねを含むばねでもよい。
【0066】
フィンシステムは、少なくとも1のフィンを具えており、フィンは、
(a)少なくとも部分的に弾性的に変形可能であり、
(b)少なくとも部分的に実質的に硬質であり、
(c)相対的に硬質な前方部と中央部、及び/又は相対的に弾性的に変形可能な後方部を具え、
(d)相対的に弾性的に変形可能な前方部と、相対的に硬質の中央部と、相対的に弾性的に変形可能な後方部とを具え、
(e)魚又は鯨の尾の形状と同様の形状を具え、
(f)第1の構成では、フィンが概略水平面上の概略平面であり、
(g)第2の構成では、フィンが概略薄板状で下に湾曲しており、第2の構成は、連係具に概略的に垂直な平面上の軸を中心とし、スウィマの長さ方向の軸に対して概略直角のフィンの湾曲及び/又は回転により生じ、
(h)波の谷がフロートを落下させることによりスウィマが下に沈むとき、フィンシステムは第2の構成から第3の構成に変化し、第3の構成は概略薄板状で上に湾曲している、これらの特性のうち1又はそれ以上を有することが好適である。
【0067】
フィンシステムの他の任意の特徴は、
(1)フィンシステムが、同じ又は異なり、同じ水平面上に配置され、又は2以上の異なる面に配置された複数のフィンを具え、
(2)フィンシステムが、フレームに取り付けられる複数のフィン、例えば、軸方向に整列した背骨(spine)の両脇に取り付けられる複数のフィン、または整列したサイドレールの間に取り付けられる複数のフィンを具え、
(3)フィンシステムが一対のフィンを具え、このフィンが、
(i)スウィマ本体部の反対側から延在し、
(ii)スウィマ本体部に固定され、第1の構成と第2の構成の間を移動でき、第2の構成のフィンの位置は、第1の構成のフィンの位置に対して上側に延在し、
(iv)ばね又は他の弾力性のある回復手段により、第2の構成から第1の構成に付勢され、
(4)フィンシステムは一対のフィンを具え、連係具が2つの脚を有する逆V字型の部分を具え、各脚がフィンの一方に固定され、
(5)フィンシステムが尾のフィンを具えることを含む。
【0068】
本発明の第1の態様では、フィンシステムは任意で、形状が固定され、且つスウィマがフロートの動作により移動するときに、追加の部材が直接的又は間接的に所望の水平方向の力を生じさせる少なくとも1の追加の部材を具える。本発明の第2の態様の一実施例では、このような部材は、所望の力を生じさせる唯一の手段である。
【0069】
可撓性のあるフィンの可撓性の最適な程度は、設計の多くの特徴及び予測される波の特性の多くの特徴に依存する。フィンの可撓性が有り過ぎると、大振幅運動の湾曲は、フィンの後方部が動作方向に平行になるように曲がるほど大きく、このため前進しない。フィンが硬すぎると、フィンは湾曲により曲がることはなく、小さな振幅の入力は、効果的に前進を生じさせない。当業者であれば、その知識及び本明細書に含まれる情報に関わらず、好適な可撓性の程度を決定することは困難ではないだろう。
【0070】
フィンシステムはしばしば、スウィマの本体部に取り付け、好適にはこれの上側に配置される硬質の構成要素を具えている。例えば、硬質の構成要素は、以下の特徴うちの1又はそれ以上を有する。
(i)硬質の構成要素が、本体部にしっかりと固定される。
(ii)硬質の構成要素が、本体部の上側に配置され、単一の連係具、又は逆Y字型の構成を有する連係具の一の脚が固定される。
(iii)少なくとも1のフィンシステムがこれに固定される。1以上のフィンシステムが存在する場合、システムは、上下に及び/又は隣りに取り付けできる。
(iv)硬質の構成要素は、第2の硬質の構成要素を具えるサポートシステムの第1の構成要素である。第1の構成要素は、概略的に垂直な平面上の本体部の上に配置され、これに直接的に固定され、第2の構成要素は、第1の構成要素に直接固定され、これに固定された1又それ以上のフィンシステムを有する。第2の構成要素は、任意で第1の構成要素に固定され、概略垂直面上の第1の構成要素に対して回転でき、この回転は任意で、弾性的に復元可能な部材、例えばばね又はトーションバーの影響を受け得る。連係具の少なくとも一部は任意で、第2の構成要素に固定され、連係具を上に引っ張ることにより、弾性的に復元する部材が変形する。さらに回転の範囲は任意で、伸張不可能な部材により制限される。
【0071】
胸びれ(pectoral fin)を有するウォータビークル
いくつかの実施例では、概略平坦なフィン又は一対の概略平坦なフィンは、横方向に弾性的に変形する(また、整列した方向に弾性的に変形する)。いくつかの事例では、このようなフィンは、スウィマ本体部の実質的に垂直方向の動作なしで、垂直方向に移動できる。これらは、魚の胸びれ、又は鳥の翼と同じような方法ではためく。胸びれは、軸方向に整列した長さ方向の軸を中心に回転するのが好適である。任意で胸びれの表面は、水平面に対して、又は長さ方向の軸及び翼桁を介した軸を横切る平面に対して、回転及び/又は湾曲する。
【0072】
この種の胸びれは、連係具により直接的に駆動することが好適であり、これによりスウィマ本体部の動作を低減する。いくつかの事例では、これは、大きなスウィマ又はスウィマ本体部を相対的に安定した状態に保つ必要がある応用例に適している。
【0073】
連係具の脚を胸びれの長さに沿って異なる位置に取り付けることにより、線の動作の程度に対するフィンの動作の程度が調整される。
【0074】
例えば胸びれは、鍛鋼又は炭素繊維組成などの耐用年数の長い可撓性が少なく任意で実質的に硬質の素材からなる内部の骨格構造を有する。骨格構造は、先端部を比較的硬くする前方の翼桁を具えることができる。骨格構造の主要な湾曲は、本体部への取り付け部に近い前方の翼桁の垂直方向の湾曲で生じる。前方の翼桁の強度は、外側部分に向かって増加し、翼端が垂れるのを阻止する。ウィングの後端は、例えば弾性の被覆物により構成され、相対的に可撓性がある。
【0075】
連係具は2つの位置で胸びれに取り付けることが好適であり、一方が各ウィングに繋がれる。ウィング構造は、連係具に張力がかかっていないときにフィンが下に湾曲し、ビークルが水中にあるときに、フィンがフィンが相対的に平らな位置に湾曲する構造であるのが好適である。増加した線張力は、ウィングを上側に湾曲させる。この線の取り付け位置は、胸びれの前縁部の方向が好ましい。重心(COG)は、スウィマの本体部が水中で水平になるように線の接触点よりも下側が好適である。多くのフィン領域が線の取り付け部の後ろに存在する場合、上側への動作により、スウィマの先端部が上がる。多くのフィン領域がCOGの後ろに存在する場合、下側への動作により、スウィマの先端部が下がる。胸部のウィングを具える装置の任意の特徴は、以下の特徴を有することができる。
(a)露出した機構を具えず、生物の付着に対する耐性を有する滑らかな外側本体部。
(b)寿命を長くするために特定の位置の疲労を最小限にすることができる広範囲に亘る湾曲部。
(c)速度を増加可能な全体的に流線型の形状。
(d)ビークルの慣性が前進への切替を阻止することがないように、連係具の張力の突然の増加が即座にフィンに伝わる。
(e)フィンの先端が線の取り付け位置を超えて延在し、この範囲におけるウィングの翼桁が相対的に硬質であり、フィンの先端部が連係具よりも大きく移動する。これにより、小さな連係具の運動により大きな推進力が発生する。
【0076】
付加的な構成要素
ウォータビークルの一部とし得る付加的な構成要素は、限定ではないが、以下の段落1から14に記載する構成要素を含む。いくつかの構成要素、例えば電子制御装置は、フロート及びスウィマの一方又は双方の一部とすることができる。大きくあるいは重いアイテム、例えば、バッテリーや、イメージング又はマッピング装置、及びハイドロホン及びソナー装置などの動作が制限され、及び/又は風やノイズから保護されるときに最もよく動作する装置は、スウィマの一部であることが好ましい。他の構成要素、例えば太陽光収集手段、無線ナビゲーションアンテナ、ビーコン、気象センサは、フロートの一部であることが好適である。
(1)例えば、デジタル又はアナログ無線信号を送信及び/又は受信する通信装置、例えば、
(i)ビークルの一部である監視又は送信装置により収集されるデータを示す信号を送信し、
(ii)基地局(例えば、船又は地上局)から、あるいはナビゲーション装置、例えば、グローバルポジショニングシステム(GPS)又はソーナーブイ若しくは無線ブイなどの衛星ナビゲーション装置からの信号、例えば命令を受信し、
(iii)例えば衛星を介して信号を受信局に送信し、
(iv)ビークルの位置の影響を受ける信号を送信する通信装置。
(2)信号、例えばデジタル又はアナログ信号、例えば、これらの信号は、
(i)衛星ナビゲーションシステム、例えばGPSからの信号の影響を受け、
(ii)例えば衛星を介してビークルから受信局に送信され、
(iii)ビークルの位置の影響を受け、
(iv)ビークルの一部であるセンサ、例えば、スウィマに取り付けられるハイドロホンの影響を受ける信号を記録する記録装置。
(3)ビークルの一部を形成する装置を制御する制御電子機器。
(4)例えば、フロートの一部を形成する舵及び/又はスウィマの一部を形成する舵などのステアリング手段であって、例えば、(例えば連係具がフロートに取り付けられる位置の後ろに抵抗の中心を維持するための)フロートに固定された舵、及び/又はスウィマに取り付けられ、ビークル内で生じる例えば磁気コンパス又はジャイロスコープからの信号、及び/又はビークルの一部を形成する通信装置により受信される信号に応答する舵用アクチュエータを具える舵若しくは他のステアリング手段である。
(5)例えば、バッテリー又は燃料電池、好適には、例えばフロートに取り付けられた太陽電池からの出力により再充電可能な電力源である電力源。バッテリーは重いため、スウィマのコンテナ本体部内に配置することが好適である。例えは、4から16ボルトの鉛酸蓄電池とすることができる。
(6)太陽エネルギー、例えばフロートに取り付けられるソーラーパネル又は太陽電池を利用する手段。
(7)センサ、この語は、観測可能な状況の変化を報告又はこれに応答する装置を示すのに用いられる。したがって、センサは様々な科学又は監視装置、例えば、コンパス、ジャイロスコープ、温度センサ、圧力センサ、いずれの種類、例えば可視光、紫外線、又は赤外線などの電磁気放射用のセンサ、化学センサ、例えば塩分センサ、磁気探知機、生物学的センサ、地質学的センサ、水流センサ、深度センサ、速度計、海底をイメージ化する装置、天気又は他の気候の変化、例えば風速、降雨量若しくは気圧用のセンサ、又はハイドロホン(例えば、鯨又は他の水生生物により生じる音を監視するハイドロホン)とすることができる。
【0077】
いくつかの実施例では、本発明のビークルは従来の推進力構成要素又は他のノイズを発生する構成要素を具える必要がないため、これらは、ノイズに敏感な装置の優れたプラットホームを提供し、他の装置、例えば他のウォータビークルが具えるノイズに敏感な装置に不利な影響を及ぼさない。
(8)補助推進手段、例えば、モータ駆動式スラスタ。
(9)補助姿勢制御手段、例えば、フラップ。
(10)フロートの浮心を可逆的に変更する手段。このような手段は、例えば、例えば、浮力を増加させるために空気を注入可能であり、浮力を減少させるために空気を抜くことができるチャンバ、及び/又は浮力を減少させるために水を満たし、浮力を増加させるために水を拭くことができるチャンバを具える。この方法では、フロートは水を所望のレベル(水面下を含む)に維持できる。浮力を減少させることは、例えば、不利な気象条件がビークルを危険にさらす場合、特にビークルが相対的に小さい場合に有用である。このようなチャンバは、例えば、ビークル自体のセンサからの入力、又は無線信号からの入力に応答するコンピュータにより制御されるバルブ、例えば逆止め弁を具えることができる。このようなチャンバを膨張及び/又は収縮させる必要のあるエネルギーは、フロートにぶつかる波から、フロートとスウィマの相対運動により生じる波力から、及び/又は蓄えられた電力から直接的に得ることができる。例えば、チャンバは、波がぶつかるとポンプとして作動し、バルブの位置に応じてチャンバを充填または空にする可撓性のある部分を具えることができる。代替的に又は加えて、フロートは、波が高いときであって波が低くないときに水が出入り可能な1又はそれ以上の入口と、波が低いときに水を排出可能な1又はそれ以上の出口と、を有する1又はそれ以上のチャンバを具えることができる。
(11)標本、例えば、水、空気、水生生物、海洋動物、植物、無機物などの標本を収集する設備。
(12)風のエネルギーを利用して、例えばバッテリーを再充電する装置。
(13)補助的な電気装置、例えば、光、ビーコン、又はプロペラを駆動するモータ。
(14)スウィマの運動の一部又は総てを電気エネルギーに変換する手段。
【0078】
いくつかの実施例では、表面の構成要素、例えば太陽電池及び/又は無線や、水面下の構成要素を同時に駆動することができ、このため、データの伝送は「リアルタイム」である。また、データの収集及び伝送の状態の切替を計画することができる。
【0079】
所望のパスに沿ったビークルの案内
本発明のいくつかの利用では、ビークルは、フロート又はスウィマに取り付けられたコンピュータを利用して所望の地理的なパスに沿って案内される。コンピュータは、例えば、
(a)(i)磁気コンパス又はジャイロスコープからの入力、(ii)衛星ナビゲーションシステム、例えばGPS(好適にはフロートに取り付けられる)からの入力、(iii)予めコンピュータにプログラムされ、及び/又は無線命令によりコンピュータに入力される地理的座標を処理し、
(b)(i)フロート及びスウィマの一方又は双方の舵、好適にはスウィマの舵を制御する舵制御システムへの、(ii)ビークルが補助制御又は推進手段である場合に、これらの手段への命令を出力するために利用できる。コンピュータへの入力は、例えば、風及び流れを考慮した他の供給源から利用可能なデータを含むことができる。
【0080】
本発明の他の利用では、ビークルは、フロート又はスウィマ、あるいはこれら双方に取り付けられたコンピュータを用いて決定されるパスに沿って案内され、このコンピュータは、
(a)ビークル自体に取り付けられたセンサからの入力、又は1又はそれ以上が本発明のビークルであるビークルのネットワークからの入力を処理し、
(b)(i)フロート及びスウィマの一方又は双方の舵、好適にはスウィマの舵を制御する舵制御システムへの、(ii)ビークルが補助制御又は推進手段である場合に、これらの手段への命令を出力するために利用できる。この方法では、例えば、ハイドロホン、磁気計、又はビークル上の他のセンサは、水中、水上、又は海底のオブジェクト、例えば、船、他の浮かんでいる又は沈んでいるオブジェクト、又は鯨若しくは他の海洋生物の存在を特定することができ、ビークルは、そのオブジェクトに関連するパスに従うように、そのオブジェクトの動作又は存在を追跡するように案内される。
【0081】
ビークルの操作は、任意でビークル自体の一部を形成する1又はそれ以上のプログラムされた命令構造と関連して、遠隔制御局からビークルに送られた信号により、及び/又はビークル自体により生じる信号により制御できる。
【0082】
ビークルを固定の位置(「ステーション維持」)近くに維持する方法は、例えば、1から10分の規則的な間隔でビークルを固定位置に向けることである。ビークルが固定位置から外れたときは、間隔の終わりである。連続的な回転は、連係具がねじれる危険性を低減するために、時計回り及び反時計回りが好適であり、各回転は、連係具が捻れるのを防止するために少ないことが好適である。別の方法は、パスの中心が固定位置であり、パスの垂直方向の軸が海流に整列した状態で、概略的に8の字のパスに沿ってビークルを案内する。ビークルは各回転の間の直線に従い、また連続的な回転は時計回りと反時計回りであり、パスの直線部分により規定される範囲の外側で過ごす時間が重要である場合、各回転は、連係具が捻れるのを防止するために少ないことが好適である。
【0083】
多くの応用例では、ビークルの速度を制御する必要はない。しかしながら、このような制御が所望される場合、これは、例えばフィンの迎え角を制御し、フィンが角度を変えることができ、フィンを強固にする手段により提供され、小さな推進力が必要なときにその効果を減少させる。スウィマ本体部の両サイドにフィンが存在する場合、これらの手段は、スウィマを操縦するために利用できる。
【0084】
保管及び配置
スウィマを容易に保管及び移送するために、フィンとスウィマ本体部との間の取り付け位置は、例えば、フィンの軸が本体の軸と平行な状態でスウィマをキャニスタ内に格納可能なピボットジョイントを具えてもよい。フィンは動作位置に固定された後に、このジョイントはバネ付きでもよく、また戻り止め等を具えてもよい。
【0085】
図面
図1は、連係具31によりスウィマ21に連結したフロート11を示している。フロートは、ソーラーパネル112、GPSレシーバ113、アンテナ114、及び電子ボックス115が設けられた本体部111を具えている。舵116がフロートの後方に固定されている。逆Y字型の下側の脚311及び312を有する連係具31は、フロートとスウィマを連結する。このスウィマは、ノーズコーン212を有する本体部211を具える。フィンシステム213及び214が、本体部211の外側に取り付けられている。連係具の脚311用の電気に関する開口部215、バッテリー216、制御電子機器217、舵用サーボ機構218、及び舵のロッド用開口部219が、本体部211内に収容されている。舵222がスウィマ本体部の後方に取り付けられており、舵を駆動するロッド221により制御される。
【0086】
図2及び3は、本発明で利用されるフィンの断面図である。それぞれは、例えばシートメタルサンドイッチ複合材で構成され、及び/又は鋼心を有する硬質のフロントスパー2131と、例えば金属及び/又はガラス繊維で構成される相対的に不撓性の中央シート部2134と、相対的に可撓性のある後方シート部2135とを具えている。図3では、さらに相対的に可撓性のある前方シート部2133が存在し、可撓性のある後方シートが可撓性のある外側の被覆部2136と一体化されている。様々な部分を接着し、あるいはリベット2132などの固定具により固定してもよい。
【0087】
図4は、伸張部材311、6つの絶縁された電気コンダクのタツイストペア314、流線形の重合体の被覆物315を具えている連係具31の断面図である。
【0088】
図5は、ビークルを所望のパスに沿って案内する制御システムのブロック図である。
【0089】
図6は、ビークルが繰り返し通る概略的に8の字の経路を示しており、固定位置2の周囲のターゲット領域内にビークルを保つ(領域の外側を旋回する場合を除き)。パスの軸は海流と整列している。ビークルは、位置1と3の間のパスを位置2を介して真っ直ぐに進む。位置3では、ビークル上の制御システムは、ビークルがターゲット領域の境界線に到達したことに気付き、ビークルは位置3と4の間を反時計回りに旋回する。次に、ビークルは、位置4と5の間を再び位置2を介して真っ直ぐに進む。位置5では、制御システムが舵を制御し、ビークルが位置5と1の間を時計回りに旋回する。ビークルが、波力に加えて風及び/流れにより移動される場合、補助推進手段が、ビークルをターゲット領域内に維持するために必要とされることがある。
【0090】
図7は、スウィマ21と連係具31の斜視図である。それぞれが硬質の垂直ポスト226とフィン213を具える実質的に同一の2つのフィンシステムが、スウィマ本体部211に固定される。連係具の脚311及び312は、ポスト226の上部に取り付けられる。各フィンは、相対的に硬質のフロントスパー2131と、フィンがスウィマ本体部に当たることなく動作可能な形状をした相対的に可撓性のある後部2135とを具えており、フィンは任意で、相対的に可撓性の大きい或いは小さい1以上の中間部(図示せず)を具える。ヒンジ構造2262は、各フロントスパー2131にボルトで固定され、ポスト226に固定されたピボットシャフトの周りを回転する。4つのトーションバー2263はそれぞれ、フロントスパーの回転について所望の制御の程度を提供するために選択された位置となるように、一方の端部が1の垂直ポストに固定され、他方の端部がフロントスパーに固定される。各フィンは、例えば図2又は図3に概略的に示す断面を有する。硬質の垂直フィン222及び223は、スウィマ本体部の先端及び後端にそれぞれ固定される。フィン223が固定される。フィン222は、垂直軸の周りを回転するように制御される。
【0091】
図8は、スウィマが波の運動により引き上げられ引き下げられたときに、図7のフィンの形状がどのように変化するのかを示している。
【0092】
図9は、スウィマ21と連係具31の斜視図であり、図10は、図9の一部の拡大図である。それぞれが硬質の垂直ポスト226とフィン213とを具える2つの実質的に同一のフィンシステムが、スウィマ本体部211に固定されている。各フィンは、相対的に硬質のフロントスパー2131と、フィンがスウィマ本体部に当たることなく動作可能な形状をした相対的に可撓性のある後部2135とを具えており、フィンは任意で、相対的に可撓性の大きい或いは小さい1以上の中間部(図示せず)を具える。ヒンジバー2262は、各フロントスパー2131にボルトで固定される。バー2265は、ヒンジバー2262に固定される。各バー2265の一方の端部は、ポスト226の一方の頂部でピボットシャフトに回転可能に固定され、他方の端部は、各ポストに取り付けられたバー2265を連結する長手方向のバー2266に回転可能に固定される。スプリング2267は、スウィマ本体部とバー2266に固定される。連係具31は、長さ方向のバー2266に固定される。硬質の垂直フィン222及び223は、スウィマ本体部の先端及び後端に固定される。フィン223が固定される。フィン222は、垂直軸の周りを回転するように制御できる。同じような実施例(図示せず)では、ばねが、バー2266の代わりにバー2265に回転可能に取り付けられる。
【0093】
図11Aから11Dは、スウィマが波の動作により引き上げられ引き下げられるときに、図9のフィンの形状がどのように変化するかを示している。図11Aでは、スウィマが上側に引っ張られ、連係具の張力が増加してバー2266を上側に引っ張り、ばね2267を伸張させ、フィンの先端部が下側に回転し、フィンの後部が上側に曲がり、フィンの底面から推進力を提供し、スウィマ本体部が上側に移動する。図11Bでは、連係具の張力が高く状態で維持されており、フィンの先端部の回転が機構的な限界に達した後に、フィンの後部が下側に曲がり、フィンの上面から推進力を提供し、スウィマが上昇し続ける。図11Cでは、連係具の張力が減少し、ばね2267がバー2266を下側に引っ張り、フィンの前部が上側に回転し、フィンの後部が下側に曲がり、フィンの上面から推進力を提供し、スウィマが下側に移動する。図11Dは、連係具の張力が低い状態で維持されており、フィンの前部が上側に回転し、フィンの後部が上側に曲がり、フィンの底面から推進力を提供し、スウィマが下側に移動し続ける。
【0094】
図12から21は、本発明の様々なウォータビークルのスウィマを示している。各図では、スウィマ21は重心230を有しており、スウィマ本体部211と、ノーズコーン212と、舵222とを具えている。垂直ポスト226と、1以上のフィンとを具えるフィンシステムが、スウィマ本体部に固定されており、各フィンは、2以上の可撓性のある内側部2133と、硬質部2134と、可撓性のある外側部2135とを具えている。
【0095】
図12から16では単一のポストがあり、連係具31がポストの頂部に固定されている。図12から24では、単一のフィンの各先端部は、ポストの中間位置に固定されている。図15及び16では、単一のフィンの先端部が、ポストの中間位置で回転可能にピボット位置2261に固定される。図16では、ストップ2268が、フィンの先端部の回転を制限する。
【0096】
図17では、ポストの頂部に回転可能に固定されるバー2265を有する単一のポストがある。フィンの後端部は、バー2265の一方の端部に固定され、連係具31は、バー2265の他方の端部に固定される。バー2265の回転は、ポストとバーに固定されるばね2267により制御される。図18は、取り付けられたフィンを有する3つのバー2265がある以外は図17と同様であり、連係具31は、バーの先端に固定され、3つのバー総ての先端とスウィマ本体部に固定された線は、ばね2267を具えている。図19は、取り付けられたフィンを有する3つのバー2265が水平に配置され、それぞれが、2つの垂直ポスト226に取り付けられた下側の水平バーに回転可能に固定された一方の端部と、266に対して水平な上側のバーに回転可能に固定された他方の端部とを有する以外は図18と幾分同じである。バー2265の回転は、上側の水平バーとスウィマ本体部に固定されたばね2276により制御される。
【0097】
図20及び21では、ポストの上部に回転可能に取り付けられたバー2265を有する単一のポストがある。フィンの先端部が、バー2265の一方の端部に固定されている。連係具の下側の脚311と312は、バー2265の端部に固定されており、脚312は、ばね2267を具えている。バー2265の回転は、可撓性のある線2268により制限される。固定された水平のスタビライザーフィン225は、スウィマ本体部の後端部に固定される。
【0098】
図22Aから22Cは、スウィマ本体部に固定された水平の固定されたスタビライザ225を有する硬質の後部214を有するスウィマ本体部21と、垂直面上で弾性的に変形するが、実質的に水平面上で変形しない中央部228と、硬質のフィン213が固定される硬質の前部212とを具えるスウィマの様々な構成を示している。連係具31が前部212に固定されている。図22Aでは、スウィマが水中にある。図22Bでは、スウィマが上側に引っ張られる。図22Cでは、連係具の張力が落ち、スウィマの重量がリフトの中心よりも前側にあり、これにより前部が下側に傾斜する。
【0099】
図23は、図22に示すスウィマと同じような方法で動作するスウィマを示している。硬質のフィン213が硬質のスウィマ本体部211に対して回転し、連係具がフィンとスウィマ本体部に対して回転するポストの頂部に取り付けられており、スウィマ本体部211は、下側端部にスタビライザウェイト226を具えている。
【0100】
図24及び25はスウィマを示しており、本図では、フィンシステムが、整列した軸の中心として回転し、スウィマ本体部の外側の位置で連係具31の横方向の下側の脚315及び316に固定される2つのフィン233を具えている。図24に示すスウィマは、スウィマ本体部の先端部で硬質の固定した垂直フィン223を具えている。
【0101】
図26A,26B及び26Cは、ウォータビークルのスウィマの平面図、側面図、正面図であり、図26Dは、図26Bの正面図の拡大図である。これらの図は、連係具31と、ノーズコーン212、舵222及びCOG230を有するスウィマ本体部211と、垂直ポスト226、水平バー2265及び複数の同一のフィンを具えるフィンシステムとを示している。各フィンは、ピボット位置2261においてバー2265に回転可能に取り付けられ、フィンの回転を制御するばね2267によりバー2265に固定される。各フィンは、実質的に硬質の先端部2131と、相対的に不撓性の中央部2134と、相対的に可撓性のある前部2135とを具えている。同様の実施例では、フィンの数は、例えば3から8、例えば5とすることができ、バー2265及びばね2267は、各フィンの動作が単一のばねにより制御されるように構成できる。
【0102】
図27AからDは、スウィマが水との相互作用の様々な状態を介して移動するときのスウィマの様々な態勢を示している。ビークルは、フロート11と、連係具31と、本体部211と本体部211の両側に延在するフィンとを具えるスウィマ21とを具えている。フィンは、連係具の軸に対して直角であり、スウィマ本体の軸2117に対して直角であるフィンの軸2137を中心に回転する。フィンは、ビークルが停止している場合(図27A)、滑走状態(図27C)、カイト状態で本体部の軸2117に対して直角な場合(図27D)に、本体部の軸2117に対して平行な翼弦の軸2138を有する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1は、ウォータビークルの図である。
【図2】図2は、特定の実施例で使用するフィンの断面図である。
【図3】図3は、特定の実施例で使用するフィンの断面図である。
【図4】図4は、連係具の断面図である。
【図5】図5は、制御システムのブロック図である。
【図6】図6は、位置を保持するウォータビークルの経路を示している。
【図7】図7は、ウォータビークルの斜視図である。
【図8】図8は、図7のフィンの異なる構成を示している。
【図9】図9は、ウォータビークルの斜視図である。
【図10】図10は、図9の一部の拡大斜視図である。
【図11a】図11aは、図9のフィンの異なる構成を示している。
【図11b】図11bは、図9のフィンの異なる構成を示している。
【図11c】図11cは、図9のフィンの異なる構成を示している。
【図11d】図11dは、図9のフィンの異なる構成を示している。
【図12】図12は、ウォータビークルの側面図である。
【図13】図13は、ウォータビークルの側面図である。
【図14】図14は、ウォータビークルの側面図である。
【図15】図15は、ウォータビークルの側面図である。
【図16】図16は、ウォータビークルの側面図である。
【図17】図17は、ウォータビークルの側面図である。
【図18】図18は、ウォータビークルの側面図である。
【図19】図19は、ウォータビークルの側面図である。
【図20】図20は、図21のウォータビークルの平面図である。
【図21】図21は、ウォータビークルの側面図である。
【図22A】図22Aは、可能性のある本体部を具えるウォータビークルの異なる構成を示している。
【図22B】図22Bは、可能性のある本体部を具えるウォータビークルの異なる構成を示している。
【図22C】図22Cは、可能性のある本体部を具えるウォータビークルの異なる構成を示している。
【図23】図23は、ウォータビークルの斜視図である。
【図24】図24は、ウォータビークルの斜視図である。
【図25】図25は、ウォータビークルの斜視図である。
【図26A】図26Aは、ウォータビークルの異なる図である。
【図26B】図26Bは、ウォータビークルの異なる図である。
【図26C】図26Cは、ウォータビークルの異なる図である。
【図26D】図26Dは、ウォータビークルの異なる図である。
【図27A】図27Aは、ウォータビークルの異なる図である。
【図27B】図27Bは、ウォータビークルの異なる図である。
【図27C】図27Cは、ウォータビークルの異なる図である。
【図27D】図27Dは、ウォータビークルの異なる図である。
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本出願は、2006年1月20日に出願された米国暫定特許出願第60/760,893(登録簿 JUP 001)、2006年5月18日に出願された米国暫定特許出願第11/4306447(登録簿 JUP 001−1)、2006年9月1日に出願された米国暫定特許出願第60/841,834(登録簿 JUP 001−2)の優先権を主張する。これらの各出願の開示全体は、参照によりここに組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
本発明は、水中の波力(ここでは「波力」と称する)を利用する装置及び方法に関する。
【0003】
水が水面に沿って移動するときに、水の垂直運動は生じるが、水の水平運動は実際には生じない。垂直運動の大きさは深さとともに対数的に減少し、深さが波長の約半分の場合には垂直運動はほとんどない。また、風により誘発される流速は、深さに応じて急激に減少する。波力を利用して有用な仕事をするために、多くの提案が成されている。例えば、米国特許第986,627、1,315,267、3,312,186、3,453,981、3,508,516、3,845,733、3,872,819、3,928,967、4,332,571、4,371,347、4,389,843、4,598,547、4,684,350、4,842,560、4,988,273、5,084,630及び6,561,856が参照される。これらの各特許の開示全体は、参照によりここに組み込まれている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明では、我々は新しい波力装置と、新しい波力装置を利用する方法を発見した。本発明は、水面を移動する波を有する水(以降、「波を伝える水(wave-bear water)」と称する)に配置されたときに、水面を移動するウォータビークルを参照して主に説明される。このようなビークルでは、波力の一部がフロートを水面上で移動させる(残りの波力は、もしあれば、他の有用な形態に変換され、又は衰える)。しかしながら、本発明は、フロートが例えばアンカ又は他の取り付け具により固定位置に保持されるときに有用である。好適な実施例では、本発明により、無人のウォータビークルが、退屈で、費用が高く、人間が操作するビークルで実行するには危険なタスクを実行することができる。
【0005】
第1の態様では、本発明は(1)フロートと、(2)スウィマと、(3)前記フロートと前記スウィマを連結する連係具と、を具える新しい波力式装置を提供し、
前記フロート、スウィマ及び連係具は、前記ビークルが水中にある場合に、(i)前記フロートが水面上又は水面近くにあり、(ii)前記スウィマが前記フロートより下に位置し、(iii)前記連係具が張力を受けることができるように構成されており、
前記スウィマが、
(2a)長さ方向の軸を有するスウィマ本体部と、
(2b)フィンシステムであって、(a)前記本体部に固定され、(b)フィンを具え、(c)装置が波を伝える水の中にある場合に、
(i)前記波の運動により変化する構成を有し、
(ii)水と相互作用して、前記スウィマを水平成分を有する方向(以降、単に「水平方向」と称する)に移動させる力を生成するフィンシステムとを具える。
【0006】
「フィン」の語はここでは、波力装置が波を伝える水の中にあるときに、水が実質的にスウィマの動作に影響を与えるのに十分な圧力を加える概略薄板表面を具える構成要素を示すのに用いられる。多くの場合、ウォータビークルは、同一でも異なってもよく、且つスウィマ本体部の異なる位置に固定される2以上のフィンを具えている。スウィマ本体部の「長さ方向の軸」は、装置が波を伝える水の中にあるときにスウィマが移動する概略的に垂直な面上に存在する。
【0007】
フィンシステムは、以下の少なくとも1の特徴(すなわち、1またはそれ以上)を有するこが好適である。
(A)フィンシステムがフィン、例えば、回転軸(例えば、スウィマ本体部の長さ方向の軸を概略的に横断する回転軸)を中心に回転する概略薄板状のフィンを具え、前記回転軸が、前記装置が波を伝える水の中にあるときに変化する前記スウィマ本体部との空間的な関係を有すること。
(B)前記フィンシステムが、(i)フィン、例えば、回転軸(例えば、スウィマ本体部の長さ方向の軸を概略的に横断する回転軸)を中心に回転する概略薄板状のフィンと、(ii)前記フィンの一部ではない弾性要素であって、弾性的に変形し、前記ビークルが波を伝える水の中にあるときに前記フィンシステムの構成の変化に影響を与える弾性要素(例えば、金属製のコイルばね、金属製の板ばね、金属製のトーションバー、又は天然又は人工のゴムバンドなどの弾性の構成要素)を具えること。
(C)前記フィンシステムが、フィン、例えば(i)(中心部が、スウィマ本体部と所定の空間的な関係を有する回転軸を中心に回転する可能性を有する)前記スウィマ本体部と所定の空間的な関係を有する相対的に硬質の中心部と、(ii)相対的に変形可能な船外部とを具える先端を有する概略薄板状で弾性的に変形可能なフィンを具えること。
(D)前記フィンシステムが、2つの概略薄板状のフィン、例えば、それぞれが左右対称である2つの概略薄板状で弾性的に変形可能なフィンを具え、各フィンが、前記スウィマ本体部の長さ方向の軸と概略的に整列した回転軸を中心に回転すること(このようなフィンは、魚の胸びれ又は鳥の翼と同じような方法で作動し、ここでは「「胸」びれ(フィン)」と称する)。
前記連係具は、以下の特徴の一方又は双方を有することが好適である。
(E)前記連係具が、弾性的に変形可能な部材を具えること。
(F)前記連係具が、データ及び/又は電力を送る構成要素を具えること。
前記スウィマ本体部は、以下の特徴の1又はそれ以上を有することが好適である。
(G)前記スウィマ本体部が、実質的に硬質の前部と、相対的に可撓性のある垂直面上の中央部と、実質的に硬質の船尾部とを具え、前記連係具が、例えば前部に固定され、前記フィンシステムが、例えば前部に取り付けられること。
(H)前記スウィマ本体部が、電気設備、通信設備、記録設備、制御電子機器、ステアリング装置、及びセンサから選択した1又はそれ以上の要素を具えること。
(I)前記スウィマ本体部が、水平面上の前記スウィマ本体部の方向に影響を及ぼす実質的に垂直なフィンを具えること。このようなフィンは、抵抗力をバランスさせ、連係具により一方へ引っ張られたときにスウィマの回転を制限するのに有用である。一実施例では、スウィマ本体部は、スウィマを操舵するために作動可能な所定の前方のフィンと後方のフィンを具えている。同様の実施例では、スウィマ本体部の一部は、相対的に小さな水平領域と、相対的に大きな垂直領域、例えば、スウィマ本体部の後方端部におけるスウィマを操舵するのに作動可能な部材などを有する。
(J)前記スウィマ本体部が、概略管状ハウジングを具え、前記フィンシステムが前記ハウジングの両サイドに延在する胸びれ(フィン)を具えること。
フィン又は回転軸を中心に回転する他の構成要素、又は回転可能に取り付けられ、又は回転可能に固定される構成要素について言及する場合、これは単一の軸についての回転の可能性だけでなく、(必要に応じて互いに平行でもよい)2つ以上の軸についての回転から生じる回転の可能性や、例えば、可撓性のあるフィンの一部が固定され、可撓性のあるフィンの残りが固定位置に対して移動するときに、回転がフィン又は他の構成要素の隣接する部分の連続的な相対運動に関連する可能性を含む。
【0008】
好適な第2の態様では、本発明は波力式のウォータビークルを提供し、このウォータビークルは、(1)フロートと、(2)スウィマと、(3)フロートとスウィマを連結する連係具と、(4)コンピュータシステムとを具えており、このフロート、スウィマ及び連係具は、ビークルが水中にあるときに、(i)フロートが水面上又は水面近くにあり、(ii)スウィマがフロートの下に沈み、(iii)連係具が張力を受けるように構成されており、
前記スウィマが、ビークルが波を伝える水の中にあるときに、水と相互作用してビークルを水平方向に移動させる力を生じさせ、
前記フロートが、衛星を利用した位置センサを具えており、
前記スウィマが、(a)水平面上の方向を検知するセンサと、(b)ステアリングアクチュエータとを具えており、
前記コンピュータシステムが、(a)位置センサ、水平センサ、及び舵に接続され、(b)(b)前記位置センサ及び前記水平センサから受信した信号に応じて、あるいは前記ビークル上のセンサから受信した信号に応じて、前記ステアリングアクチュエータを制御する命令を含む、あるいは含むようにプログラム可能である。本発明の第2の態様のウォータビークルでは、スウィマは、本発明の第1の態様に係る本体部及びフィンシステムを具えることが好適であるが、ビークルを水平方向に移動させる力を生じさせる別の手段を具えることができる。
【0009】
本発明のウォータビークルはしばしば、単一のフロートと単一のスウィマとを具えており、本発明は主に、このようなウォータビークルを参照して説明される。しかしながら、本発明は1以上のフロート及び/又は1以上のスウィマ、例えば、複数のスウィマに取り付けられた単一のフロートを具える可能性があり、スウィマは複数の連係具により軸方向に整列されるのが好適である。
【0010】
第3の好適な態様では、本発明は、本発明の好適な第1又は第2の態様に係る装置を水塊の表面に沿って移動する水波を有する、あるいは有する可能性のある水塊に配置するステップを具える波力を利用する方法を提供する。
【0011】
好適な第4の態様では、本発明は、本発明の第1又は第2の好適な態様に係る装置からの信号、例えば、複数のこのような装置、例えば、2から10,000又は10から1000の装置の一部又は総てからの信号を受信するステップを具える情報を取得する方法を提供する。
【0012】
好適な第5の態様では、本発明は、本発明の好適な第1又は第2の態様に係る装置により記録される信号、例えば、複数のこのような装置、例えば、2から10,000又は10から1000の装置の一部又は総てにより記録される信号を調べるステップを具える情報を取得する方法を提供する。
【0013】
好適な第6の態様では、本発明は、本発明の好適な第1又は第2の態様に係る装置の機能を制御する方法を提供し、この方法は、信号を装置に送信するステップを具えている。
【0014】
好適な第7の態様では、本発明は、本発明の好適な第1又は第2の態様の使用と他の目的に好適な新しいフロートと、本発明の好適な第1又は第2の態様の使用と他の目的に好適な新しいスウィマと、本発明の好適な第1又は第2の態様の使用と他の目的に好適な新しいフィンシステムと、本発明の好適な第1又は第2の態様の使用と他の目的に好適な新しいフィンとを提供する。
【0015】
好適な第8の態様では、本発明は、本発明の好適な第1又は第2の態様に係る装置を組み立てるのに必要な2以上の構成要素を具える部材のキットを提供する。
【0016】
添付図面に示す本発明は概略であり、寸法が正しいわけではない。
【0017】
いくつかの図では、フィンシステムは、0,1,2,3又は4の番号が付されている。構成に0が付されている場合は、ビークルが水中にあるときに採用される可能性のある構成である。構成に1が付されている場合は、フロートが波高点の後方に落ち、連係具の張力が低下(0でもよい)したときに採用される可能性のある構成である。構成に2が付されている場合は、フロートが波の谷に落ち、連係具の張力が増加し始めるときに採用される可能性のある構成である。構成に3が付されている場合は、フロートが波の頂点に向かって上昇し、連係具の張力がこの周期で最大あるいは最大近くになるときに採用される可能性のある構成である。構成に4が付されている場合は、フロートが波の頂点近くにあり、連係具の張力が減少したときに採用される可能性のある構成である。しかしながら、実施例に係るフィンシステムの構成は、これらの図に必ずしも示されていないことを理解すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
前述した本発明の概要、後述する本発明の詳細、及び添付図面では、本発明の特定の特徴が参照されている。本明細書における本発明の開示は、このような特有の特徴の総ての可能な組み合わせを含むと理解すべきである。例えば、特定の特徴が特定の態様、特定の実施例、又は特定の図に開示されている場合、この特徴は、適切な範囲で、本発明の他の特有の態様、実施例及び図面で一般的に使用される。本発明は、ここに開示されている総ての新規な特徴を有し、前述した本発明の好適な態様に限定されないことを理解すべきである。
【0019】
「具える」の語及びこれと文法的に同等の語は、他の要素(即ち、構成要素、材料、ステップ等)が任意で存在することを意味するために本明細書で使用されている。例えば、構成要素A、B及びCを「具えている」(あるいは「具える」)ウォータビークルは、構成要素A、B及びCのみを具えることができ、または構成要素A、B及びCだけでなく、1またはそれ以上の他の構成要素を具えることができる。数字が後に続く「少なくとも」の語は、その数字で始まる範囲(定義される変数に応じて、上限を有する範囲または上限を有さない範囲)の始まりを表すために本明細書で用いられる。例えば、「少なくとも1」は、1又は1よりも多いことを意味し、「少なくとも80%」は、80%又は80%よりも多いことを意味する。数字が後に続く「多くても」の語は、その数字で終わる範囲(定義される変数に応じて、下限として1又は0を含む範囲または下限を有さない範囲)の終わりを表すために本明細書で用いられる。例えば、「多くても4」は、4又は4よりも少ないことを意味し、「多くても40%」は、40%又は40%よりも少ないことを意味する。本明細書において、範囲が「(第1の数字)から(第2の数字)」又は「(第1の数字)−(第2の数字)」で与えられている場合、これは、下限が第1の数字であり、上限が第2の数字である範囲を意味する。例えば、「5から15フィート」又は「5−15フィート」は、下限が5フィートであり、上限が15フィートであることを意味する。「複数の」、「多数の」、「複数」及び「多数」の語は、2つ又は2つよりも多いアイテムを表すために本明細書で用いられている。
【0020】
本明細書において2又はそれ以上のステップを具える方法について言及する場合、定義されたステップは、(文脈がその可能性を排除する場合を除き)任意の順序で又は同時に実行でき、この方法は、(文脈がその可能性を排除する場合を除き)定義されたステップの前に、定義された2つのステップの間に、定義された総てのステップの後に、任意で1又はそれ以上の他のステップを具えることができる。本明細書で「第1」及び「第2」の要素について言及する場合、これは通常、文脈が要求しない限り特定するために行われ、第1及び第2の要素は同一又は異なってもよく、第1の要素の参照は、(第2の要素が存在してもよいが)第2の要素が必ず存在することを意味しない。本明細書で「1」の要素について言及する場合、これは、(文脈がその可能性を排除する場合を除き)2つ又はそれ以上のこのような要素が存在する可能性を排除するものではない。例えば、1のフィン又は1のフィンシステムについて言及する場合、スウィマは(しばしば)、同じ又は異なる2又はそれ以上のフィン又はフィンシステムを具えることができる。本明細書で2又はそれ以上の要素について言及する場合、これは、2つ又はそれ以上の要素が、同じ機能を提供するより少ない数の要素又はより多くの数の要素と置換される可能性を排除するものではない。例えば、スウィマ本体部とフィンシステムは、全体として単一の統一した本体部を形成する。本明細書で用いられる数字は、その文脈及び表現に適した範囲で解釈すべきであり、例えば各数字は、当業者により従前から利用されている方法により判断することができる正確性に応じて変更される。
【0021】
他に示さない限り、ビークルの構成要素の位置及び形状についての言及は、ビークルが水中にある場合の位置及び形状についての言及である。前述した定義及びさらに後述する定義により、様々な語が本明細書で用いられる。
【0022】
「先端(又は先端部)」及び「後端(又は後端部)」は、波力がビークルを前方に移動させるときのフィン又は他の構成要素の前面及び後面それぞれを意味する。
【0023】
「船首」及び「船尾」は、先端及び後端(又は先端部及び後端部)それぞれに相対的に近い位置を意味する。
【0024】
「整列した」は通常、スウィマの長さ方向の軸を有する垂直面に平行な垂直面上の方向を意味する。「軸方向に整列した」は、スウィマの長さ方向の軸を有する垂直面上の方向を意味する。
【0025】
「延在する」は通常、スウィマの軸方向の中心線を含む垂直面と直交する垂直面上の方向を意味する。
【0026】
特定の定義に「概略的」に準拠する特徴、例えば「概略的に垂直面上に」、「概略薄板状」、又は「概略的に水平」を本明細書で参照する場合、特徴は当該特定の定義に厳密に準拠する必要はなく、本発明の原理に係る有効な作用が可能な程度だけ厳密な定義から逸脱することができると理解すべきである。
【0027】
ビークルの総ての構成要素、特に電気接続は、塩水に対して耐性がある素材で構成することが好適であり、及び/又はこのような素材の防水性の被覆物(jacket)で覆うことが好適である。水にさらされる素材は、生物の付着(bio-fouling)に対して耐性があるのが好適であり、海洋動物、例えば鮫にとって魅力的でなく、または不快であることが好ましい。例えば、好適な素材は、銅を含む塗装やポリテトラフルオロエチレンなどの界面エネルギーが低いポリマーを含む金属及び高分子組成から選択できる。ビークルがバッテリーやソーラーパネルを(又は他の電気生成手段)を具える場合、バッテリー又はソーラーパネルの電力を用いてビークルの導電体を簡単に帯電させることにより、及び/又は生物が付着する素材を除去する振動器に電力を供給することにより、生物の付着を防止することができる。海草が絡むことがある先端は、任意で鋭利でもよく、または鋸歯状でもよい。
【0028】
ビークルは、スウィマがビークルを前方に引っ張る動作に伴う抵抗を最小にし、ビークルを横方向に移動させる風及び水の流れの影響を最小にするように設計することが好適である。フロート若しくはスウィマ又はこれら双方は、フロート又はスウィマが前方に移動するときに折り畳まれて抵抗の影響を受けることがないフラップであって、フロート又はスウィマが後方に移動するときに展開して抵抗を増加させるフラップを具えることができる。このようなフラップは、フロート及び/又はスウィマが後方に移動した場合にこれらを所望の方向に保持することができるように配置することが好適である。
【0029】
例えば、前述した特徴(B)を有する好適な装置は、(1)複数のフィン、例えば3−10又は4−6のフィン、例えば5のフィンと、(2)スウィマ本体部に取り付けられ、各フィンが回転可能に取り付けられる硬質のバーと、(3)(B)で定義したような弾性の構成要素とを具えるフィンシステムを具えることができる。硬質のバーは、スウィマ本体部の長さ方向の軸と整列することが好適である。同一でも異なってもよいフィンは、(任意で同じ水平面上に)一列に配置するのが好適であり、各フィンは、スウィマ本体部の長さ方向の軸を概略的に横断する横軸を中心に回転するのが好適である。弾性の構成要素は、各構成要素が接続されるフィンの速度及び/又は回転の程度に影響を与える。例えば、弾性の構成要素は、硬質のバーの固定位置、例えばフィンの横軸の船尾から、フィンの固定位置、例えばフィンの横軸の船尾へ延在する。
【0030】
例えば、前述した特徴(A)及び(B)を有する好適な装置は、(i)スウィマ本体部に取り付けられ、任意で回転可能に取り付けられる硬質のバーに直接又は間接的に取り付けられ、任意で回転可能に取り付けられる概略薄板状のフィンと、(ii)フィン及び/又は硬質のバーに直接的又は間接的に接続され、システムの構成が部分的又は全体的に変更する間に、フィン及び/又は硬質のバーの回転速度及び/又は程度、及び/又は(b)スウィマ本体部と回転軸との空間的な関係に影響を与えるばね及び/又はねじり棒と、を具える。
【0031】
例えば、前述した特徴(C)を有する好適な装置は、概略薄板状及び弾性的に変化可能なフィン(このようなフィンは、任意でフィンシステムの単一の弾性の構成要素でもよく、又は複数の弾性の構成要素のうちの一つでもよい)を具えるフィンシステムを有しており、このフィンは、(i)スウィマ本体部の長さ方向の軸を概略的に横断する回転軸を中心に回転する相対的に硬質の中央部分と、(ii)相対的に変形可能な外側部分とを具える先端を有している(例えば、後退角を有するフィン、例えば概略的にV字型の先端)。
【0032】
スウィマ本体部
スウィマ本体部はしばしば、概略円筒形状であり、またはフィンシステムがスウィマを水の中で引っ張るときの抵抗を最小限にするために選択された他の形状である。しばしばスウィマ本体部は単一であるが、本体部の軸が整列した状態で、あるいは互いに平行で離設した状態で、好適にはしっかりと互いに固定された複数の本体部であってもよい。本体部は、ビークルが水中にある場合に、概略的に水平な長さ方向の軸を有することが好適である。
【0033】
通常、必ずではないが、スウィマ本体部は、幅(すなわち、長さ方向の軸を横断するように測定されるスウィマ本体部の大きさ)よりも実質的に大きい長さ(すなわち、長さ方向の軸に沿って測定される大きさ)を有する。例えば、スウィマ本体部の長さは、少なくとも1フィート(0.3m)、例えば3から10フィート(0.9から3m)又は4から6フィート(1.2から1.9m)とすることができるが、実質的に例えば最大で1000フィート(300m)以上の大きさにすることができる。例えば、スウィマの直径は、少なくとも0.1フィート(30mm)又は少なくとも0.3フィート(90mm)であり、最大で、例えばスウィマの長さの0.1倍である。
【0034】
いくつかの実施例では、全体のスウィマ本体部は硬質である。しかしながら、スウィマ本体部の一部は弾性的に変形可能である。例えば、スウィマ本体部は、可撓性のある中心部分を具えることができ、舵が可撓性のある中央部分の硬質の船尾部分に取り付けられ、フィンシステムが可撓性のある中心部分の硬質の船首部分に取り付けられた状態で、実質的に垂直面上にあることが好適である。任意で、スウィマは重心よりも上に浮心を有する。
【0035】
さらに以下に説明するように、様々な追加の構成要素は、スウィマ本体部に取り付けできる。重い構成要素は、フロートよりもスウィマに固定するのが好適である。例えば、取り付けられた構成要素を含むスウィマの湿重量は、例えば5から20,000ポンド(2から9,000kg)、例えば5−500ポンド(2−225kg)、例えば20−60ポンド(9−30kg)とすることができる。多くの構成要素は、スウィマ本体部により提供される防水の筐体内に配置することが好適である(例えば、バッテリー、電子装置、サーボ機構、防水の開口(pass-through)、及び方向検知装置を含む電気装置)。他の物、例えば、スタビライザーフィン、スタビライザーウェイト、舵、いくつかの種類のセンサ、サンプルコレクタは、スウィマ本体部の外側に配置するのが好適であり、あるいは必ずこれの外側に配置される。例えば、スウィマ本体部の前面近く及び/又は後面近くに配置可能なスタビライザーフィンは、スウィマ上の横方向の抵抗に抵抗する概略垂直に固定及び整列されたフィン、又はスウィマ上の垂直方向の抵抗に抵抗する概略水平に固定及び整列されたフィンとすることができる。例えば、スタビライザウェイトは、通常スウィマ本体部に整列され、スウィマ本体部から垂直に下りる支柱に固定されるバー及び/又はディスクとすることができ、これにより重量を増加させ、スウィマの重心を変化させ、あるいは竜骨状の垂直なスタビライザフィンの一部でもよい。
【0036】
一実施例では、ハイドロホンがスウィマ本体部に固定される。スウィマから生じるノイズをハイドロホンから隔離するために、ハイドロホンは、スウィマ本体部の後方で引っ張られるケーブルの端部に配置され、あるいはスウィマ本体部、例えばこれの前面から突出する拡張バーに配置されるのが好適である。
【0037】
フロート
フロートは、これが具える構成要素を念頭に入れつつ、有用な大きさ及び形状、これが使用される方法、水及び風に対する抵抗を最小限にする妥当性を有することができる。フロートの長さは、例えばスウィマの長さの0.5から0.9倍よりも小さく、ほぼ同じ、例えば0.9から1.1倍、あるいは例えば1.1から4倍よりも大きくすることができる。フロートの長さは、例えば少なくとも1フィート(0.3m)、例えば3から10フィート(1から3m)、又は4から6フィート(1.2から1.9m)とすることができるが、波により実質的に移動することができない大きさでない限り、実質的にこれよりも大きく、例えば最大で1000フィート(300m)またはそれ以上にすることができる。フロートの幅は、例えば少なくとも0.3フィート(1m)又は少なくとも2フィート(1.9m)、最大で例えばフロートの長さの0.3倍とすることができる。任意で、フロートは重心より上に浮心を有する。フロートは、例えば、20から500ポンド(9から225kg、例えば約80ポンド(36kg))の浮力を有することができ、及び/又はスウィマの湿重量の2から4倍の浮力とすることができる。
【0038】
風、波又は流力がフロートを横方向に押す危険性を低減すべく、水の抵抗の中心及び風の抵抗の中心の双方は、取り付け位置の線の背後であることが好適であり、これにより、全体の抵抗が小さい船首を前にした状態でフロートを維持する。連係具の取り付け位置の前方のフロート部分に作用する風及び水の力は、フロートを所望の方向から離れて回転させる傾向があり、一方、取り付け位置の船尾は、所望の方向を提供する傾向がある。したがって、フロートの船首は、相対的に鈍く先端が切り取られていることが好適であり、一方、フロートの船尾部分は、より大きな垂直表面領域を有する拡張された船尾部分を有することが好適である。
【0039】
フロートは舵を具えてもよい。抵抗の中心を連係具の取り付け位置の背後に保持すべく、舵はビークルの総ての動作の際に、あるいは部分的な動作の際に固定される。ビークルのステアリングを補助するために舵は調整可能でもよく、この場合、連係具はスウィマの抵抗の中心の前方でスウィマに取り付けることが好適である。特に、連係具がフロートの浮心の僅か前方に取り付けられる場合、フロートの水面下の表面は、前方に突出する形状をしている。
【0040】
フロートは任意で、高分子組成、例えば繊維ガラス又は炭素繊維で補強した高分子組成、及び/又は圧壁のエラストマシート材を具える外側のシェルを具える。シェルは任意で、独立気泡の高分子発泡体のコア(closed cell polymeric foam core)、例えば柔軟な(compliant)独立気泡の発泡体、及び/又は複数の空洞を覆う。いくつかの実施例では、このような空洞は拡張することができ(例えば、エラストマー素材で構成される)、これを部分的に又は全体的に水及び/又は空気で満たして、浮力を制御する。
【0041】
連係具(tether)
連係具は、フロートとスウィマを機構的に接続し、この目的のために、好適な破壊強度、例えば少なくとも500ポンド(225kg)又は少なくとも1500ポンド(675kg)の伸張部材を具える。例えば、伸張部材は、金属、例えばステンレス鋼、及び/又は高分子組成、例えばKeviar又はスペクトル(Spectra)で構成することができる。しばしば、負荷を負わず、電力及び/又はデータを送る1又はそれ以上の部材、例えば1又はそれ以上の絶縁電気コンダクタのツイストペア、光ファイバ、又は音響ケーブルを具えることができる。通常、連係具は張力負荷のみを支持するが、本発明は、連係具が圧縮に抵抗する可能性を有し、例えば、ロッドである。
【0042】
抵抗を低減すべく、連係具の構成要素は、主要な張力部材が前方にある状態で、連係具の先端の範囲を最小にするように構成するのが好適である。したがって、連係具は、好適には流線形の断面を有し、例えば、他の構成要素を覆うシリコン又は塩化ビニル重合体に基づく組成などの高分子組成からなる被覆物(jacket)を具える。連係具の捻れは抵抗を増加させ、任意で捻れを低減するために測定を行うことができる。例えば、第2の張力部材は連係具の後端に設けることができ、及び/又はビークルは連係具の捻れを検知して修正する装置を具えることができ、及び/又はビークルは、時計回りに経路に沿って案内可能であり、反時計回りの回転がバランスされる(特に、ビークルが固定位置を包囲する経路に沿って案内される場合)。
【0043】
例えば連係具は、0.5から1.0インチ(13から25mm)、例えば約0.625インチ(16mm、0.125から0.5インチ(3から13m)の横方向の大きさ)、例えば約0.19インチ(5mm、例えば10から80フィート(3から25m)の長さ)、例えば17から23フィート(5から7m)の整列した大きさを有する。フロート又はスウィマの一方は、連係具の長さを変更でき、特定の波の状態及び/又は水の深さに適合し、及び/又はビークルをより容易に保管、運搬、及び配置可能なリール又は他の装置を具えることができる。
【0044】
例えば、連係具はエラストマー素材、例えばフロートの相対的な位置及びスウィマが変化する場合に可逆的に長さが変化するばねを具えることができる。例えば、概略的に逆Y字型の連係具の一の足は、このようなエラストマー素材を具えることができる。
【0045】
いくつかの実施例では、単一の連係具が存在する。例えば連係具は、単一の線(line)である中央部分と、2本以上の脚を有し、船首から船尾までの位置又はスウィマ又はフロートの横方向の位置に固定される下側部分及び/又は上側部分(フロートに取り付けられる)とを具えることができる。一実施例では、連係具は、逆Y字型の形状を有しており、Yの下側の脚は、(a)スウィマと整列され、これの船首から船尾までの位置に固定され、または(b)スウィマを横切り、スウィマの軸から延在する構成要素に固定される。
【0046】
単一の連係具がスウィマとフロートの間に存在する場合、その構成及びスウィマへの取り付け位置(又は連係具が2以上の下側の脚を有する場合の取り付け位置)は、連係具が上方に引っ張られるときにスウィマに作用する上方への力が、スウィマの重心に又はこれの近くを通過するような構成及び位置であることが好適である。スウィマは、ビークルが水中にあるときに実質的に水平である。これはスウィマを補助し、水平な向きを維持する。
【0047】
単一の連係具がスウィマとフロートとの間に存在する場合、その構成及びフロートへの取り付け位置(又は連係具が2つ以上の上側の脚を有する場合の取り付け位置)は、連係具が上方に引っ張られるときにフロートに作用する下方への力が、フロートの浮心に又はこれの僅か前方を通過するような構成及び位置であることが好適である。
【0048】
他の実施例では、複数の連係具、例えばフロート及びスウィマの船首から船尾までの位置にそれぞれ取り付けられる第1及び第2の連係具が存在する。複数の連係具は抵抗を増加させるが、捻れを減らす。
【0049】
連係具の張力は、スウィマ及びフロート双方を安定させる。各要素は、重心より上に浮心の位置を決めることにより独立して安定化されるが、これは必ずしも必要ではない。線張力がスウィマ及びフロート双方を安定化させるという事実は、ビークルの制御を容易にする。いくつかの実施例では、ビークルは一の自由度で操縦される必要があり、他の姿勢制御は受動的に安定化され、ビークルが姿勢制御スラスタ又はフラップを具える必要はない(このようなスラスタ及びフラップを設けてもよいが)。
【0050】
フィンシステム
スウィマが波力により移動するとき、フィンシステムの構成は、水の表面上の波に応じたサイクルで変化する。通常、必ずではないが、各サイクルでの構成の変化は実質的に同じである。各サイクルにおける構成の変化は通常、実質的に連続的であるが、非連続とすることもできる(すなわち、構成が同じである場合に各サイクルにおいて1以上の周期が存在し得る)。少なくとも周期の一部では、フィンシステムは水と相互に影響して、スウィマを水平方向に押す力を生成する。いくつかの実施例では、フィンシステムは、横軸を中心に回転するフィンを具える。他の実施例では、フィンシステムは、長さ方向の軸を中心に回転する一対のフィンを具えている。いずれか一方の事例では、スウィマが上昇及び下降するとき、フィンは、任意で弾性的に湾曲することができ、スウィマの前方への突出を強化する。
【0051】
様々な波の大きさは、様々なフィンシステムから様々な反応を提供する。例えば、比較的大きな波の場合、主な推進力は、フィンの動作の上昇及び下降の位相の間に提供され、一方、比較的小さな波の場合、主な推進力は、フィンの回転により生じる。可撓性のあるフィンは、小さい波及び大きい波の双方から推進力を提供する。
【0052】
本発明の特定のウォータビークルの場合、フロートの動作におけるスウィマの影響は、波の大きさ及び周波数に部分的に依存する。例えば、フロートの動作は、水流及び風、他の推進力又はフロート上で動作するステアリングシステムなどの環境条件に依存する。好適な条件では、スウィマは他の他の推進力システムなしで、多くの目的を満足する速度でビークルを前方に移動させる(ステアリングシステムを駆動するための別の電力源を使用する必要があるが)。
【0053】
スウィマ及びフロートの水平方向の動作は、しばしば周期的であり、滑走状態(glide phase)とカイト状態(kite phase)の間を変化し、カイト状態でフロートの水平方向の速度がピークになり、滑走状態でスウィマの水平方向の速度がピークになる。滑走状態では線張力が低く、スウィマは前方に急速に滑走することができる。フロートはゆっくり前方に移動するが、前方には移動しない。カイト状態では線張力が高く、滑走状態でスウィマが正常に前方に滑走する場合、線は、増加した張力がスウィマの前方への動作を遅らせるような角度になる。急な線の角度及び高い張力は、フロートを前方に急激に引っ張り、滑走状態でスウィマにより生じた前進に部分的に追いつく。
【0054】
抵抗は速度の二乗に比例する。滑走状態のスウィマの速度が最も早いため、この状態で抵抗を最小限にすることが好適である。滑走状態で低い抵抗を実現するウォータビークルの一例が、以下及び添付図面27AからDに示されており、これは、カイト状態から滑走状態に即座に静かに移行できる。この例では、スウィマ本体部は、長さ方向の軸に沿って最も長い中央部分構造を有する。フィンは、本体部の一方の側から延在し、実質的に本体部の長さ方向の軸に垂直であり、好適には連係具の軸に垂直な軸を中心に、本体部に対して回転可能である。単一の軸を有する一対のウィング、または複数の対のウィングが存在する。フィンの回転は、静止した位置から一方向の回転に抵抗するばねにより部分的に制御されるのが好適である。このようなばねの利点は、敏感な音響装置の動作を害する突然の停止により生じるノイズを発生させることなく、回転に対する抵抗を徐々に増加させることである。
【0055】
ビークルが水中に停止している間、連係具は、概略的に垂直であり、本体部に取り付けられることが好適であり、これにより、本体部の軸が水平に対して0から30°の角度、好適には3から10°になる。停止位置におけるフィンの翼弦(chord)の軸は、概略水平であることが好適である。
【0056】
フロートが下に移動することにより線張力が解放されると、スウィマは下に移動し、ウィング上の流圧により、滑走位置に対して回転する一方、ばねがこの回転に抵抗する。ばねの力と揚力は、滑走位置のウィングの角度が本体部の長さ方向の軸を同様になるように均衡を保ち、これにより抵抗を最小限にする。線張力はフロートが上昇することにより増加し、スウィマは上昇し、ウィングにかかる流圧により、ウィングがカイト位置に回転する一方、ばねがこの回転に抵抗する。ばねの力と揚力は均衡を保ち、ウィングが有効迎角でカイト動作中に駆動し前進する。
【0057】
滑走に効果的なウィングの形状の一例は、高アスペクト比(翼幅/翼弦(span/chord))、楕円形の平面図形、細長い翼の形状を有する。相対的に短い翼弦を有するフィンは、滑走角度とカイト角度との間の急速な回転を可能にし、フィンは、各状態について最小限のロストモーションの最適な迎角を実現できる。
【0058】
単一のフィンが図27に示されている。各フィンが同じように動作する複数のフィンが同様に可能である。第1の推進ウィングに加え、小さな尾翼又は前方の先尾翼を安定性のために設けてもよい。
【0059】
滑走角度の制御
最適な滑走角度は海の状態に応じて変わる。風又は表層流がフロートを後方に引っ張る場合、急な滑走角度は、前方の動作を実現する必要がある。反対に、風及び流れが有利な場合、細い滑走角度は、各滑走サイクルで移動する距離を増加させることができる。
【0060】
アクティブ制御は、尾翼又は先尾翼の角度に適用され、滑走角度を制御する。代替的にまたは加えて、重心は、内部質量を移動させることにより本体部の軸に沿って調整してもよい。例えば、リードスクリュードライブは、バッテリーパックを船首又は船尾に移動させて重心を調整する。代替的にまたは加えて、連係具の取り付けを調整して、本体部の角度に影響を与えてもよい。
【0061】
好適な実施例では、例えば、所望の固定位置の周りを閉じたパターンで移動するために、及び/又は何マイルも離れた2つの位置の間の所望の経路を辿るために、及び/又は様々なデータを収集するために海上を後方及び前方にゆっくり横断するために、ビークルは、所望の方法によりビークルを遠隔操作可能な制御及びステアリングシステムを具えてもよい。
【0062】
フロートが他の力により(例えば、風、水流又は従来の推進力システムにより)移動される場合、スウィマの動作はフロートの動作を修正する(例えば、加速又は減速させ、及び/又はフロートの動作の方向を変更する)。
【0063】
所望の方法で水を相互作用する様々なフィンシステムは、限定ではないが、ここに説明する様々な種類を有する。特定のフィンシステムは、互換性がない場合を除き、これらの種類の2以上の組み合わせを利用することができ、ウォータビークルは、2又はそれ以上の同じ種類又は異なる種類又はこれらの組み合わせたフィンシステムを具えることができる。以降、「概略薄板状のフィン」について言及する場合、これは、フィンの厚さが横方向又は整列した方向又はこれらの両方向に規則的又は不規則に変化する可能性を含み、フィンの一部が概略薄板形状から外側に延在する可能性を含む。例えば、少なくともフィンの一部はウィングの断面、すなわち断面を有し、フィンが波を生成する水と相互作用して揚力と抵抗を提供する。以降で「概略水平面に存在する」概略薄板状のフィンについて言及する場合、これは、フィンの主要な面が、水平に対してフィンの効果的な動作を可能にする角度、例えば、水平に対して45°以下の角度、好適には20°以下の角度で傾斜する平面に存在する可能性を含む。
【0064】
本発明のいくつかの実施例では、フィンシステムの一部又は総ては、ビークルが水中にあるときに第1の構成を有し、波の山がフロートを上方に持ち上げる結果、スウィマが連係具により上に引っ張られるときに、第1の構成から第2の構成に切り替わり、波の谷がフロートを下降させる結果、スウィマが下に沈むときに、第2の構成から第3の構成に切り替わる。第3の構成は通常、第1の構成と異なるが、本発明は、第3の構成が第1の構成と同じである可能性を含む。フィンシステムが第2の構成から第3の構成に切り替わる場合、フィンシステムは、必須ではないが、一時的な状態として第1の構成を経験する。例えば、フィンシステムは、異なる構成に弾性的に変化する概略薄板状の部分を有する1又それ以上のフィンを具えることができる。代替的にまたは加えてフィンシステムは、例えば、形状を様々な構成に変化させる1又はそれ以上の弾性的に変更可能な構成要素を具えることができ、これにより、概略薄板状の部分を具えるフィンの動作を制御し、または制御するのを補助する。弾性的に変化可能な構成要素は、一方向のみ(例えば、ばね)、又は2以上の方向、例えば上下方向双方(例えば、トーションバー)のフィンの動作を制御でき、またはこれを制御するのを補助できる。
【0065】
好ましくないフィンの動作を阻止するため、例えば、可撓性のあるフィンの過度な湾曲を阻止するためにリミットストップを設けてもよい。ストップは、硬質のストップ、弾力性のあるストップ、例えば、増加率ばねを含むばねでもよい。
【0066】
フィンシステムは、少なくとも1のフィンを具えており、フィンは、
(a)少なくとも部分的に弾性的に変形可能であり、
(b)少なくとも部分的に実質的に硬質であり、
(c)相対的に硬質な前方部と中央部、及び/又は相対的に弾性的に変形可能な後方部を具え、
(d)相対的に弾性的に変形可能な前方部と、相対的に硬質の中央部と、相対的に弾性的に変形可能な後方部とを具え、
(e)魚又は鯨の尾の形状と同様の形状を具え、
(f)第1の構成では、フィンが概略水平面上の概略平面であり、
(g)第2の構成では、フィンが概略薄板状で下に湾曲しており、第2の構成は、連係具に概略的に垂直な平面上の軸を中心とし、スウィマの長さ方向の軸に対して概略直角のフィンの湾曲及び/又は回転により生じ、
(h)波の谷がフロートを落下させることによりスウィマが下に沈むとき、フィンシステムは第2の構成から第3の構成に変化し、第3の構成は概略薄板状で上に湾曲している、これらの特性のうち1又はそれ以上を有することが好適である。
【0067】
フィンシステムの他の任意の特徴は、
(1)フィンシステムが、同じ又は異なり、同じ水平面上に配置され、又は2以上の異なる面に配置された複数のフィンを具え、
(2)フィンシステムが、フレームに取り付けられる複数のフィン、例えば、軸方向に整列した背骨(spine)の両脇に取り付けられる複数のフィン、または整列したサイドレールの間に取り付けられる複数のフィンを具え、
(3)フィンシステムが一対のフィンを具え、このフィンが、
(i)スウィマ本体部の反対側から延在し、
(ii)スウィマ本体部に固定され、第1の構成と第2の構成の間を移動でき、第2の構成のフィンの位置は、第1の構成のフィンの位置に対して上側に延在し、
(iv)ばね又は他の弾力性のある回復手段により、第2の構成から第1の構成に付勢され、
(4)フィンシステムは一対のフィンを具え、連係具が2つの脚を有する逆V字型の部分を具え、各脚がフィンの一方に固定され、
(5)フィンシステムが尾のフィンを具えることを含む。
【0068】
本発明の第1の態様では、フィンシステムは任意で、形状が固定され、且つスウィマがフロートの動作により移動するときに、追加の部材が直接的又は間接的に所望の水平方向の力を生じさせる少なくとも1の追加の部材を具える。本発明の第2の態様の一実施例では、このような部材は、所望の力を生じさせる唯一の手段である。
【0069】
可撓性のあるフィンの可撓性の最適な程度は、設計の多くの特徴及び予測される波の特性の多くの特徴に依存する。フィンの可撓性が有り過ぎると、大振幅運動の湾曲は、フィンの後方部が動作方向に平行になるように曲がるほど大きく、このため前進しない。フィンが硬すぎると、フィンは湾曲により曲がることはなく、小さな振幅の入力は、効果的に前進を生じさせない。当業者であれば、その知識及び本明細書に含まれる情報に関わらず、好適な可撓性の程度を決定することは困難ではないだろう。
【0070】
フィンシステムはしばしば、スウィマの本体部に取り付け、好適にはこれの上側に配置される硬質の構成要素を具えている。例えば、硬質の構成要素は、以下の特徴うちの1又はそれ以上を有する。
(i)硬質の構成要素が、本体部にしっかりと固定される。
(ii)硬質の構成要素が、本体部の上側に配置され、単一の連係具、又は逆Y字型の構成を有する連係具の一の脚が固定される。
(iii)少なくとも1のフィンシステムがこれに固定される。1以上のフィンシステムが存在する場合、システムは、上下に及び/又は隣りに取り付けできる。
(iv)硬質の構成要素は、第2の硬質の構成要素を具えるサポートシステムの第1の構成要素である。第1の構成要素は、概略的に垂直な平面上の本体部の上に配置され、これに直接的に固定され、第2の構成要素は、第1の構成要素に直接固定され、これに固定された1又それ以上のフィンシステムを有する。第2の構成要素は、任意で第1の構成要素に固定され、概略垂直面上の第1の構成要素に対して回転でき、この回転は任意で、弾性的に復元可能な部材、例えばばね又はトーションバーの影響を受け得る。連係具の少なくとも一部は任意で、第2の構成要素に固定され、連係具を上に引っ張ることにより、弾性的に復元する部材が変形する。さらに回転の範囲は任意で、伸張不可能な部材により制限される。
【0071】
胸びれ(pectoral fin)を有するウォータビークル
いくつかの実施例では、概略平坦なフィン又は一対の概略平坦なフィンは、横方向に弾性的に変形する(また、整列した方向に弾性的に変形する)。いくつかの事例では、このようなフィンは、スウィマ本体部の実質的に垂直方向の動作なしで、垂直方向に移動できる。これらは、魚の胸びれ、又は鳥の翼と同じような方法ではためく。胸びれは、軸方向に整列した長さ方向の軸を中心に回転するのが好適である。任意で胸びれの表面は、水平面に対して、又は長さ方向の軸及び翼桁を介した軸を横切る平面に対して、回転及び/又は湾曲する。
【0072】
この種の胸びれは、連係具により直接的に駆動することが好適であり、これによりスウィマ本体部の動作を低減する。いくつかの事例では、これは、大きなスウィマ又はスウィマ本体部を相対的に安定した状態に保つ必要がある応用例に適している。
【0073】
連係具の脚を胸びれの長さに沿って異なる位置に取り付けることにより、線の動作の程度に対するフィンの動作の程度が調整される。
【0074】
例えば胸びれは、鍛鋼又は炭素繊維組成などの耐用年数の長い可撓性が少なく任意で実質的に硬質の素材からなる内部の骨格構造を有する。骨格構造は、先端部を比較的硬くする前方の翼桁を具えることができる。骨格構造の主要な湾曲は、本体部への取り付け部に近い前方の翼桁の垂直方向の湾曲で生じる。前方の翼桁の強度は、外側部分に向かって増加し、翼端が垂れるのを阻止する。ウィングの後端は、例えば弾性の被覆物により構成され、相対的に可撓性がある。
【0075】
連係具は2つの位置で胸びれに取り付けることが好適であり、一方が各ウィングに繋がれる。ウィング構造は、連係具に張力がかかっていないときにフィンが下に湾曲し、ビークルが水中にあるときに、フィンがフィンが相対的に平らな位置に湾曲する構造であるのが好適である。増加した線張力は、ウィングを上側に湾曲させる。この線の取り付け位置は、胸びれの前縁部の方向が好ましい。重心(COG)は、スウィマの本体部が水中で水平になるように線の接触点よりも下側が好適である。多くのフィン領域が線の取り付け部の後ろに存在する場合、上側への動作により、スウィマの先端部が上がる。多くのフィン領域がCOGの後ろに存在する場合、下側への動作により、スウィマの先端部が下がる。胸部のウィングを具える装置の任意の特徴は、以下の特徴を有することができる。
(a)露出した機構を具えず、生物の付着に対する耐性を有する滑らかな外側本体部。
(b)寿命を長くするために特定の位置の疲労を最小限にすることができる広範囲に亘る湾曲部。
(c)速度を増加可能な全体的に流線型の形状。
(d)ビークルの慣性が前進への切替を阻止することがないように、連係具の張力の突然の増加が即座にフィンに伝わる。
(e)フィンの先端が線の取り付け位置を超えて延在し、この範囲におけるウィングの翼桁が相対的に硬質であり、フィンの先端部が連係具よりも大きく移動する。これにより、小さな連係具の運動により大きな推進力が発生する。
【0076】
付加的な構成要素
ウォータビークルの一部とし得る付加的な構成要素は、限定ではないが、以下の段落1から14に記載する構成要素を含む。いくつかの構成要素、例えば電子制御装置は、フロート及びスウィマの一方又は双方の一部とすることができる。大きくあるいは重いアイテム、例えば、バッテリーや、イメージング又はマッピング装置、及びハイドロホン及びソナー装置などの動作が制限され、及び/又は風やノイズから保護されるときに最もよく動作する装置は、スウィマの一部であることが好ましい。他の構成要素、例えば太陽光収集手段、無線ナビゲーションアンテナ、ビーコン、気象センサは、フロートの一部であることが好適である。
(1)例えば、デジタル又はアナログ無線信号を送信及び/又は受信する通信装置、例えば、
(i)ビークルの一部である監視又は送信装置により収集されるデータを示す信号を送信し、
(ii)基地局(例えば、船又は地上局)から、あるいはナビゲーション装置、例えば、グローバルポジショニングシステム(GPS)又はソーナーブイ若しくは無線ブイなどの衛星ナビゲーション装置からの信号、例えば命令を受信し、
(iii)例えば衛星を介して信号を受信局に送信し、
(iv)ビークルの位置の影響を受ける信号を送信する通信装置。
(2)信号、例えばデジタル又はアナログ信号、例えば、これらの信号は、
(i)衛星ナビゲーションシステム、例えばGPSからの信号の影響を受け、
(ii)例えば衛星を介してビークルから受信局に送信され、
(iii)ビークルの位置の影響を受け、
(iv)ビークルの一部であるセンサ、例えば、スウィマに取り付けられるハイドロホンの影響を受ける信号を記録する記録装置。
(3)ビークルの一部を形成する装置を制御する制御電子機器。
(4)例えば、フロートの一部を形成する舵及び/又はスウィマの一部を形成する舵などのステアリング手段であって、例えば、(例えば連係具がフロートに取り付けられる位置の後ろに抵抗の中心を維持するための)フロートに固定された舵、及び/又はスウィマに取り付けられ、ビークル内で生じる例えば磁気コンパス又はジャイロスコープからの信号、及び/又はビークルの一部を形成する通信装置により受信される信号に応答する舵用アクチュエータを具える舵若しくは他のステアリング手段である。
(5)例えば、バッテリー又は燃料電池、好適には、例えばフロートに取り付けられた太陽電池からの出力により再充電可能な電力源である電力源。バッテリーは重いため、スウィマのコンテナ本体部内に配置することが好適である。例えは、4から16ボルトの鉛酸蓄電池とすることができる。
(6)太陽エネルギー、例えばフロートに取り付けられるソーラーパネル又は太陽電池を利用する手段。
(7)センサ、この語は、観測可能な状況の変化を報告又はこれに応答する装置を示すのに用いられる。したがって、センサは様々な科学又は監視装置、例えば、コンパス、ジャイロスコープ、温度センサ、圧力センサ、いずれの種類、例えば可視光、紫外線、又は赤外線などの電磁気放射用のセンサ、化学センサ、例えば塩分センサ、磁気探知機、生物学的センサ、地質学的センサ、水流センサ、深度センサ、速度計、海底をイメージ化する装置、天気又は他の気候の変化、例えば風速、降雨量若しくは気圧用のセンサ、又はハイドロホン(例えば、鯨又は他の水生生物により生じる音を監視するハイドロホン)とすることができる。
【0077】
いくつかの実施例では、本発明のビークルは従来の推進力構成要素又は他のノイズを発生する構成要素を具える必要がないため、これらは、ノイズに敏感な装置の優れたプラットホームを提供し、他の装置、例えば他のウォータビークルが具えるノイズに敏感な装置に不利な影響を及ぼさない。
(8)補助推進手段、例えば、モータ駆動式スラスタ。
(9)補助姿勢制御手段、例えば、フラップ。
(10)フロートの浮心を可逆的に変更する手段。このような手段は、例えば、例えば、浮力を増加させるために空気を注入可能であり、浮力を減少させるために空気を抜くことができるチャンバ、及び/又は浮力を減少させるために水を満たし、浮力を増加させるために水を拭くことができるチャンバを具える。この方法では、フロートは水を所望のレベル(水面下を含む)に維持できる。浮力を減少させることは、例えば、不利な気象条件がビークルを危険にさらす場合、特にビークルが相対的に小さい場合に有用である。このようなチャンバは、例えば、ビークル自体のセンサからの入力、又は無線信号からの入力に応答するコンピュータにより制御されるバルブ、例えば逆止め弁を具えることができる。このようなチャンバを膨張及び/又は収縮させる必要のあるエネルギーは、フロートにぶつかる波から、フロートとスウィマの相対運動により生じる波力から、及び/又は蓄えられた電力から直接的に得ることができる。例えば、チャンバは、波がぶつかるとポンプとして作動し、バルブの位置に応じてチャンバを充填または空にする可撓性のある部分を具えることができる。代替的に又は加えて、フロートは、波が高いときであって波が低くないときに水が出入り可能な1又はそれ以上の入口と、波が低いときに水を排出可能な1又はそれ以上の出口と、を有する1又はそれ以上のチャンバを具えることができる。
(11)標本、例えば、水、空気、水生生物、海洋動物、植物、無機物などの標本を収集する設備。
(12)風のエネルギーを利用して、例えばバッテリーを再充電する装置。
(13)補助的な電気装置、例えば、光、ビーコン、又はプロペラを駆動するモータ。
(14)スウィマの運動の一部又は総てを電気エネルギーに変換する手段。
【0078】
いくつかの実施例では、表面の構成要素、例えば太陽電池及び/又は無線や、水面下の構成要素を同時に駆動することができ、このため、データの伝送は「リアルタイム」である。また、データの収集及び伝送の状態の切替を計画することができる。
【0079】
所望のパスに沿ったビークルの案内
本発明のいくつかの利用では、ビークルは、フロート又はスウィマに取り付けられたコンピュータを利用して所望の地理的なパスに沿って案内される。コンピュータは、例えば、
(a)(i)磁気コンパス又はジャイロスコープからの入力、(ii)衛星ナビゲーションシステム、例えばGPS(好適にはフロートに取り付けられる)からの入力、(iii)予めコンピュータにプログラムされ、及び/又は無線命令によりコンピュータに入力される地理的座標を処理し、
(b)(i)フロート及びスウィマの一方又は双方の舵、好適にはスウィマの舵を制御する舵制御システムへの、(ii)ビークルが補助制御又は推進手段である場合に、これらの手段への命令を出力するために利用できる。コンピュータへの入力は、例えば、風及び流れを考慮した他の供給源から利用可能なデータを含むことができる。
【0080】
本発明の他の利用では、ビークルは、フロート又はスウィマ、あるいはこれら双方に取り付けられたコンピュータを用いて決定されるパスに沿って案内され、このコンピュータは、
(a)ビークル自体に取り付けられたセンサからの入力、又は1又はそれ以上が本発明のビークルであるビークルのネットワークからの入力を処理し、
(b)(i)フロート及びスウィマの一方又は双方の舵、好適にはスウィマの舵を制御する舵制御システムへの、(ii)ビークルが補助制御又は推進手段である場合に、これらの手段への命令を出力するために利用できる。この方法では、例えば、ハイドロホン、磁気計、又はビークル上の他のセンサは、水中、水上、又は海底のオブジェクト、例えば、船、他の浮かんでいる又は沈んでいるオブジェクト、又は鯨若しくは他の海洋生物の存在を特定することができ、ビークルは、そのオブジェクトに関連するパスに従うように、そのオブジェクトの動作又は存在を追跡するように案内される。
【0081】
ビークルの操作は、任意でビークル自体の一部を形成する1又はそれ以上のプログラムされた命令構造と関連して、遠隔制御局からビークルに送られた信号により、及び/又はビークル自体により生じる信号により制御できる。
【0082】
ビークルを固定の位置(「ステーション維持」)近くに維持する方法は、例えば、1から10分の規則的な間隔でビークルを固定位置に向けることである。ビークルが固定位置から外れたときは、間隔の終わりである。連続的な回転は、連係具がねじれる危険性を低減するために、時計回り及び反時計回りが好適であり、各回転は、連係具が捻れるのを防止するために少ないことが好適である。別の方法は、パスの中心が固定位置であり、パスの垂直方向の軸が海流に整列した状態で、概略的に8の字のパスに沿ってビークルを案内する。ビークルは各回転の間の直線に従い、また連続的な回転は時計回りと反時計回りであり、パスの直線部分により規定される範囲の外側で過ごす時間が重要である場合、各回転は、連係具が捻れるのを防止するために少ないことが好適である。
【0083】
多くの応用例では、ビークルの速度を制御する必要はない。しかしながら、このような制御が所望される場合、これは、例えばフィンの迎え角を制御し、フィンが角度を変えることができ、フィンを強固にする手段により提供され、小さな推進力が必要なときにその効果を減少させる。スウィマ本体部の両サイドにフィンが存在する場合、これらの手段は、スウィマを操縦するために利用できる。
【0084】
保管及び配置
スウィマを容易に保管及び移送するために、フィンとスウィマ本体部との間の取り付け位置は、例えば、フィンの軸が本体の軸と平行な状態でスウィマをキャニスタ内に格納可能なピボットジョイントを具えてもよい。フィンは動作位置に固定された後に、このジョイントはバネ付きでもよく、また戻り止め等を具えてもよい。
【0085】
図面
図1は、連係具31によりスウィマ21に連結したフロート11を示している。フロートは、ソーラーパネル112、GPSレシーバ113、アンテナ114、及び電子ボックス115が設けられた本体部111を具えている。舵116がフロートの後方に固定されている。逆Y字型の下側の脚311及び312を有する連係具31は、フロートとスウィマを連結する。このスウィマは、ノーズコーン212を有する本体部211を具える。フィンシステム213及び214が、本体部211の外側に取り付けられている。連係具の脚311用の電気に関する開口部215、バッテリー216、制御電子機器217、舵用サーボ機構218、及び舵のロッド用開口部219が、本体部211内に収容されている。舵222がスウィマ本体部の後方に取り付けられており、舵を駆動するロッド221により制御される。
【0086】
図2及び3は、本発明で利用されるフィンの断面図である。それぞれは、例えばシートメタルサンドイッチ複合材で構成され、及び/又は鋼心を有する硬質のフロントスパー2131と、例えば金属及び/又はガラス繊維で構成される相対的に不撓性の中央シート部2134と、相対的に可撓性のある後方シート部2135とを具えている。図3では、さらに相対的に可撓性のある前方シート部2133が存在し、可撓性のある後方シートが可撓性のある外側の被覆部2136と一体化されている。様々な部分を接着し、あるいはリベット2132などの固定具により固定してもよい。
【0087】
図4は、伸張部材311、6つの絶縁された電気コンダクのタツイストペア314、流線形の重合体の被覆物315を具えている連係具31の断面図である。
【0088】
図5は、ビークルを所望のパスに沿って案内する制御システムのブロック図である。
【0089】
図6は、ビークルが繰り返し通る概略的に8の字の経路を示しており、固定位置2の周囲のターゲット領域内にビークルを保つ(領域の外側を旋回する場合を除き)。パスの軸は海流と整列している。ビークルは、位置1と3の間のパスを位置2を介して真っ直ぐに進む。位置3では、ビークル上の制御システムは、ビークルがターゲット領域の境界線に到達したことに気付き、ビークルは位置3と4の間を反時計回りに旋回する。次に、ビークルは、位置4と5の間を再び位置2を介して真っ直ぐに進む。位置5では、制御システムが舵を制御し、ビークルが位置5と1の間を時計回りに旋回する。ビークルが、波力に加えて風及び/流れにより移動される場合、補助推進手段が、ビークルをターゲット領域内に維持するために必要とされることがある。
【0090】
図7は、スウィマ21と連係具31の斜視図である。それぞれが硬質の垂直ポスト226とフィン213を具える実質的に同一の2つのフィンシステムが、スウィマ本体部211に固定される。連係具の脚311及び312は、ポスト226の上部に取り付けられる。各フィンは、相対的に硬質のフロントスパー2131と、フィンがスウィマ本体部に当たることなく動作可能な形状をした相対的に可撓性のある後部2135とを具えており、フィンは任意で、相対的に可撓性の大きい或いは小さい1以上の中間部(図示せず)を具える。ヒンジ構造2262は、各フロントスパー2131にボルトで固定され、ポスト226に固定されたピボットシャフトの周りを回転する。4つのトーションバー2263はそれぞれ、フロントスパーの回転について所望の制御の程度を提供するために選択された位置となるように、一方の端部が1の垂直ポストに固定され、他方の端部がフロントスパーに固定される。各フィンは、例えば図2又は図3に概略的に示す断面を有する。硬質の垂直フィン222及び223は、スウィマ本体部の先端及び後端にそれぞれ固定される。フィン223が固定される。フィン222は、垂直軸の周りを回転するように制御される。
【0091】
図8は、スウィマが波の運動により引き上げられ引き下げられたときに、図7のフィンの形状がどのように変化するのかを示している。
【0092】
図9は、スウィマ21と連係具31の斜視図であり、図10は、図9の一部の拡大図である。それぞれが硬質の垂直ポスト226とフィン213とを具える2つの実質的に同一のフィンシステムが、スウィマ本体部211に固定されている。各フィンは、相対的に硬質のフロントスパー2131と、フィンがスウィマ本体部に当たることなく動作可能な形状をした相対的に可撓性のある後部2135とを具えており、フィンは任意で、相対的に可撓性の大きい或いは小さい1以上の中間部(図示せず)を具える。ヒンジバー2262は、各フロントスパー2131にボルトで固定される。バー2265は、ヒンジバー2262に固定される。各バー2265の一方の端部は、ポスト226の一方の頂部でピボットシャフトに回転可能に固定され、他方の端部は、各ポストに取り付けられたバー2265を連結する長手方向のバー2266に回転可能に固定される。スプリング2267は、スウィマ本体部とバー2266に固定される。連係具31は、長さ方向のバー2266に固定される。硬質の垂直フィン222及び223は、スウィマ本体部の先端及び後端に固定される。フィン223が固定される。フィン222は、垂直軸の周りを回転するように制御できる。同じような実施例(図示せず)では、ばねが、バー2266の代わりにバー2265に回転可能に取り付けられる。
【0093】
図11Aから11Dは、スウィマが波の動作により引き上げられ引き下げられるときに、図9のフィンの形状がどのように変化するかを示している。図11Aでは、スウィマが上側に引っ張られ、連係具の張力が増加してバー2266を上側に引っ張り、ばね2267を伸張させ、フィンの先端部が下側に回転し、フィンの後部が上側に曲がり、フィンの底面から推進力を提供し、スウィマ本体部が上側に移動する。図11Bでは、連係具の張力が高く状態で維持されており、フィンの先端部の回転が機構的な限界に達した後に、フィンの後部が下側に曲がり、フィンの上面から推進力を提供し、スウィマが上昇し続ける。図11Cでは、連係具の張力が減少し、ばね2267がバー2266を下側に引っ張り、フィンの前部が上側に回転し、フィンの後部が下側に曲がり、フィンの上面から推進力を提供し、スウィマが下側に移動する。図11Dは、連係具の張力が低い状態で維持されており、フィンの前部が上側に回転し、フィンの後部が上側に曲がり、フィンの底面から推進力を提供し、スウィマが下側に移動し続ける。
【0094】
図12から21は、本発明の様々なウォータビークルのスウィマを示している。各図では、スウィマ21は重心230を有しており、スウィマ本体部211と、ノーズコーン212と、舵222とを具えている。垂直ポスト226と、1以上のフィンとを具えるフィンシステムが、スウィマ本体部に固定されており、各フィンは、2以上の可撓性のある内側部2133と、硬質部2134と、可撓性のある外側部2135とを具えている。
【0095】
図12から16では単一のポストがあり、連係具31がポストの頂部に固定されている。図12から24では、単一のフィンの各先端部は、ポストの中間位置に固定されている。図15及び16では、単一のフィンの先端部が、ポストの中間位置で回転可能にピボット位置2261に固定される。図16では、ストップ2268が、フィンの先端部の回転を制限する。
【0096】
図17では、ポストの頂部に回転可能に固定されるバー2265を有する単一のポストがある。フィンの後端部は、バー2265の一方の端部に固定され、連係具31は、バー2265の他方の端部に固定される。バー2265の回転は、ポストとバーに固定されるばね2267により制御される。図18は、取り付けられたフィンを有する3つのバー2265がある以外は図17と同様であり、連係具31は、バーの先端に固定され、3つのバー総ての先端とスウィマ本体部に固定された線は、ばね2267を具えている。図19は、取り付けられたフィンを有する3つのバー2265が水平に配置され、それぞれが、2つの垂直ポスト226に取り付けられた下側の水平バーに回転可能に固定された一方の端部と、266に対して水平な上側のバーに回転可能に固定された他方の端部とを有する以外は図18と幾分同じである。バー2265の回転は、上側の水平バーとスウィマ本体部に固定されたばね2276により制御される。
【0097】
図20及び21では、ポストの上部に回転可能に取り付けられたバー2265を有する単一のポストがある。フィンの先端部が、バー2265の一方の端部に固定されている。連係具の下側の脚311と312は、バー2265の端部に固定されており、脚312は、ばね2267を具えている。バー2265の回転は、可撓性のある線2268により制限される。固定された水平のスタビライザーフィン225は、スウィマ本体部の後端部に固定される。
【0098】
図22Aから22Cは、スウィマ本体部に固定された水平の固定されたスタビライザ225を有する硬質の後部214を有するスウィマ本体部21と、垂直面上で弾性的に変形するが、実質的に水平面上で変形しない中央部228と、硬質のフィン213が固定される硬質の前部212とを具えるスウィマの様々な構成を示している。連係具31が前部212に固定されている。図22Aでは、スウィマが水中にある。図22Bでは、スウィマが上側に引っ張られる。図22Cでは、連係具の張力が落ち、スウィマの重量がリフトの中心よりも前側にあり、これにより前部が下側に傾斜する。
【0099】
図23は、図22に示すスウィマと同じような方法で動作するスウィマを示している。硬質のフィン213が硬質のスウィマ本体部211に対して回転し、連係具がフィンとスウィマ本体部に対して回転するポストの頂部に取り付けられており、スウィマ本体部211は、下側端部にスタビライザウェイト226を具えている。
【0100】
図24及び25はスウィマを示しており、本図では、フィンシステムが、整列した軸の中心として回転し、スウィマ本体部の外側の位置で連係具31の横方向の下側の脚315及び316に固定される2つのフィン233を具えている。図24に示すスウィマは、スウィマ本体部の先端部で硬質の固定した垂直フィン223を具えている。
【0101】
図26A,26B及び26Cは、ウォータビークルのスウィマの平面図、側面図、正面図であり、図26Dは、図26Bの正面図の拡大図である。これらの図は、連係具31と、ノーズコーン212、舵222及びCOG230を有するスウィマ本体部211と、垂直ポスト226、水平バー2265及び複数の同一のフィンを具えるフィンシステムとを示している。各フィンは、ピボット位置2261においてバー2265に回転可能に取り付けられ、フィンの回転を制御するばね2267によりバー2265に固定される。各フィンは、実質的に硬質の先端部2131と、相対的に不撓性の中央部2134と、相対的に可撓性のある前部2135とを具えている。同様の実施例では、フィンの数は、例えば3から8、例えば5とすることができ、バー2265及びばね2267は、各フィンの動作が単一のばねにより制御されるように構成できる。
【0102】
図27AからDは、スウィマが水との相互作用の様々な状態を介して移動するときのスウィマの様々な態勢を示している。ビークルは、フロート11と、連係具31と、本体部211と本体部211の両側に延在するフィンとを具えるスウィマ21とを具えている。フィンは、連係具の軸に対して直角であり、スウィマ本体の軸2117に対して直角であるフィンの軸2137を中心に回転する。フィンは、ビークルが停止している場合(図27A)、滑走状態(図27C)、カイト状態で本体部の軸2117に対して直角な場合(図27D)に、本体部の軸2117に対して平行な翼弦の軸2138を有する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1は、ウォータビークルの図である。
【図2】図2は、特定の実施例で使用するフィンの断面図である。
【図3】図3は、特定の実施例で使用するフィンの断面図である。
【図4】図4は、連係具の断面図である。
【図5】図5は、制御システムのブロック図である。
【図6】図6は、位置を保持するウォータビークルの経路を示している。
【図7】図7は、ウォータビークルの斜視図である。
【図8】図8は、図7のフィンの異なる構成を示している。
【図9】図9は、ウォータビークルの斜視図である。
【図10】図10は、図9の一部の拡大斜視図である。
【図11a】図11aは、図9のフィンの異なる構成を示している。
【図11b】図11bは、図9のフィンの異なる構成を示している。
【図11c】図11cは、図9のフィンの異なる構成を示している。
【図11d】図11dは、図9のフィンの異なる構成を示している。
【図12】図12は、ウォータビークルの側面図である。
【図13】図13は、ウォータビークルの側面図である。
【図14】図14は、ウォータビークルの側面図である。
【図15】図15は、ウォータビークルの側面図である。
【図16】図16は、ウォータビークルの側面図である。
【図17】図17は、ウォータビークルの側面図である。
【図18】図18は、ウォータビークルの側面図である。
【図19】図19は、ウォータビークルの側面図である。
【図20】図20は、図21のウォータビークルの平面図である。
【図21】図21は、ウォータビークルの側面図である。
【図22A】図22Aは、可能性のある本体部を具えるウォータビークルの異なる構成を示している。
【図22B】図22Bは、可能性のある本体部を具えるウォータビークルの異なる構成を示している。
【図22C】図22Cは、可能性のある本体部を具えるウォータビークルの異なる構成を示している。
【図23】図23は、ウォータビークルの斜視図である。
【図24】図24は、ウォータビークルの斜視図である。
【図25】図25は、ウォータビークルの斜視図である。
【図26A】図26Aは、ウォータビークルの異なる図である。
【図26B】図26Bは、ウォータビークルの異なる図である。
【図26C】図26Cは、ウォータビークルの異なる図である。
【図26D】図26Dは、ウォータビークルの異なる図である。
【図27A】図27Aは、ウォータビークルの異なる図である。
【図27B】図27Bは、ウォータビークルの異なる図である。
【図27C】図27Cは、ウォータビークルの異なる図である。
【図27D】図27Dは、ウォータビークルの異なる図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新しい波力式ウォータビークルであって、
(1)フロートと、
(2)スウィマと、
(3)前記フロートと前記スウィマを連結する連係具とを具え、
前記フロート、スウィマ及び連係具は、前記ビークルが水中にある場合に、
(i)前記フロートが水面上又は水面近くにあり、
(ii)前記スウィマが前記フロートより下に位置し、
(iii)前記連係具が張力を受けることができるように構成されており、
前記スウィマが、
(2a)長さ方向の軸を有するスウィマ本体部と、
(2b)フィンシステムであって、
(a)前記本体部に固定され、
(b)フィンを具え、
(c)装置が波を伝える水の中にある場合に、
(i)前記波の運動により変化する構成を有し、
(ii)水と相互作用して、前記スウィマを水平方向に移動させる力を生成するフィンシステムと、を具えることを特徴とするウォータビークル。
【請求項2】
請求項1に記載のウォータビークルにおいて、前記フィンシステムが、
(A)回転軸を中心に回転するフィンを具え、前記回転軸が、前記ビークルが波を伝える水の中にあるときに変化する前記スウィマ本体部との空間的な関係を有し、
(B)前記フィンシステムが、(i)回転軸を中心に回転するフィンと、(ii)前記フィンの一部ではない弾性要素であって、弾性的に変形し、前記ビークルが波を伝える水の中にあるときに前記フィンシステムの構成の変化に影響を与える弾性要素を具え、
(C)前記フィンシステムが、(i)前記スウィマ本体部と所定の空間的な関係を有する相対的に硬質の中心部と、(ii)相対的に変形可能な船外部とを具える先端を有するフィンを具え、
(D)前記フィンシステムが、2つの概略薄板状のフィンを具え、各フィンが、前記スウィマ本体部の長さ方向の軸と概略的に整列した回転軸を中心に回転する、これらの特徴のうちの1またはそれ以上を有することを特徴とするウォータビークル。
【請求項3】
請求項1または2に記載のウォータビークルにおいて、前記連係具が、
(E)弾性的に変形可能な部材を具え、
(F)データ及び/又は電力を送る構成要素を具える、これらの特徴のうちの1または双方を有することを特徴とするウォータビークル。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のウォータビークルにおいて、前記スウィマ本体部が、
(G)実質的に硬質の前部と、相対的に可撓性のある垂直面上の中央部と、実質的に硬質の船尾部とを具え、
(H)前記スウィマ本体部が、電気設備、通信設備、記録設備、制御電子機器、ステアリング装置、及びセンサから選択した1又はそれ以上の要素を具え、
(I)前記スウィマ本体部が、装置が波を伝える水の中にあるときに、水平面上の前記スウィマ本体部の方向に影響を及ぼすフィンを具え、
(J)前記スウィマ本体部が、概略管状ハウジングを具え、前記フィンシステムが前記ハウジングの両サイドに延在するフィンを具え、
(K)前記スウィマ本体部が、概略管状ハウジングと、前記スウィマ本体部の先端及び後端にそれぞれ近接する垂直なフィン面を具える、これらの特徴のうちの1またはそれ以上を有することを特徴とするウォータビークル。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のウォータビークルにおいて、前記フィンシステムが、(1)複数のフィンと、(2)前記スウィマ本体部に取り付けられ、前記フィンそれぞれが回転可能に取り付けられる硬質のバーと、(3)フィンの一部でない弾性要素であって、弾性的に変形し、前記ビークルが波を伝える水の中にあるときに前記フィンシステムの構成の変化に影響を与える弾性要素と、を具えることを特徴とするウォータビークル。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のウォータビークルにおいて、前記フィンシステムが、(1)前記スウィム本体部に取り付けられる硬質のバーと、(2)前記硬質のバーに取り付けられる概略薄板状のフィンと、(3)前記フィン及び前記硬質のバーに連結される弾力性のある構成要素と、を具えることを特徴とするウォータビークル。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のウォータビークルにおいて、前記フィンシステムが、(i)前記スウィマ本体部の長さ方向の軸を概略的に横断する回転軸を中心に回転する相対的に硬質の中心部と、(ii)相対的に変形可能な船外部とを具える先端を有する概略薄板状且つ弾性的に変形可能なフィンを具えることを特徴とするウォータビークル。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のウォータビークルにおいて、(1)前記フロートが衛星を利用した位置センサを具え、(2)前記スウィマが(a)水平面上の方向を検知する水平センサと、(b)ステアリングアクチュエータとを具え、前記ビークルがさらに、(a)位置センサ、前記水平センサ、及び舵に接続され、且つ(b)前記位置センサ及び前記水平センサから受信した信号に応じて、あるいは前記ビークル上のセンサから受信した信号に応じて、前記ステアリングアクチュエータを制御する命令を含む、あるいは含むようにプログラム可能なコンピュータシステムを具えることを特徴とするウォータビークル。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のウォータビークルにおいて、前記スウィマが重心を有し、前記連係具が実質的に垂直に前記重心より上で前記スウィマに取り付けられ、前記フロートが浮心を有し、前記連係具が実質的に垂直に前記浮心よりも下で前記フロートに取り付けられ、前記フロートが抵抗の中心を有し、前記連係具が前記抵抗の中心の前方で前記フロートに取り付けられることを特徴とするウォータビークル。
【請求項10】
波力を利用する方法であって、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のウォータビークルを水塊の表面に沿って移動する水波を有する、あるいは有する可能性のある水塊に配置するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項11】
情報を取得する方法であって、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のウォータビークルから取得され、あるいはこれにより記録された情報を分析するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のウォータビークルの機能を制御する方法であって、信号を前記ウォータビークルに送信するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項1】
新しい波力式ウォータビークルであって、
(1)フロートと、
(2)スウィマと、
(3)前記フロートと前記スウィマを連結する連係具とを具え、
前記フロート、スウィマ及び連係具は、前記ビークルが水中にある場合に、
(i)前記フロートが水面上又は水面近くにあり、
(ii)前記スウィマが前記フロートより下に位置し、
(iii)前記連係具が張力を受けることができるように構成されており、
前記スウィマが、
(2a)長さ方向の軸を有するスウィマ本体部と、
(2b)フィンシステムであって、
(a)前記本体部に固定され、
(b)フィンを具え、
(c)装置が波を伝える水の中にある場合に、
(i)前記波の運動により変化する構成を有し、
(ii)水と相互作用して、前記スウィマを水平方向に移動させる力を生成するフィンシステムと、を具えることを特徴とするウォータビークル。
【請求項2】
請求項1に記載のウォータビークルにおいて、前記フィンシステムが、
(A)回転軸を中心に回転するフィンを具え、前記回転軸が、前記ビークルが波を伝える水の中にあるときに変化する前記スウィマ本体部との空間的な関係を有し、
(B)前記フィンシステムが、(i)回転軸を中心に回転するフィンと、(ii)前記フィンの一部ではない弾性要素であって、弾性的に変形し、前記ビークルが波を伝える水の中にあるときに前記フィンシステムの構成の変化に影響を与える弾性要素を具え、
(C)前記フィンシステムが、(i)前記スウィマ本体部と所定の空間的な関係を有する相対的に硬質の中心部と、(ii)相対的に変形可能な船外部とを具える先端を有するフィンを具え、
(D)前記フィンシステムが、2つの概略薄板状のフィンを具え、各フィンが、前記スウィマ本体部の長さ方向の軸と概略的に整列した回転軸を中心に回転する、これらの特徴のうちの1またはそれ以上を有することを特徴とするウォータビークル。
【請求項3】
請求項1または2に記載のウォータビークルにおいて、前記連係具が、
(E)弾性的に変形可能な部材を具え、
(F)データ及び/又は電力を送る構成要素を具える、これらの特徴のうちの1または双方を有することを特徴とするウォータビークル。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のウォータビークルにおいて、前記スウィマ本体部が、
(G)実質的に硬質の前部と、相対的に可撓性のある垂直面上の中央部と、実質的に硬質の船尾部とを具え、
(H)前記スウィマ本体部が、電気設備、通信設備、記録設備、制御電子機器、ステアリング装置、及びセンサから選択した1又はそれ以上の要素を具え、
(I)前記スウィマ本体部が、装置が波を伝える水の中にあるときに、水平面上の前記スウィマ本体部の方向に影響を及ぼすフィンを具え、
(J)前記スウィマ本体部が、概略管状ハウジングを具え、前記フィンシステムが前記ハウジングの両サイドに延在するフィンを具え、
(K)前記スウィマ本体部が、概略管状ハウジングと、前記スウィマ本体部の先端及び後端にそれぞれ近接する垂直なフィン面を具える、これらの特徴のうちの1またはそれ以上を有することを特徴とするウォータビークル。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のウォータビークルにおいて、前記フィンシステムが、(1)複数のフィンと、(2)前記スウィマ本体部に取り付けられ、前記フィンそれぞれが回転可能に取り付けられる硬質のバーと、(3)フィンの一部でない弾性要素であって、弾性的に変形し、前記ビークルが波を伝える水の中にあるときに前記フィンシステムの構成の変化に影響を与える弾性要素と、を具えることを特徴とするウォータビークル。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のウォータビークルにおいて、前記フィンシステムが、(1)前記スウィム本体部に取り付けられる硬質のバーと、(2)前記硬質のバーに取り付けられる概略薄板状のフィンと、(3)前記フィン及び前記硬質のバーに連結される弾力性のある構成要素と、を具えることを特徴とするウォータビークル。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のウォータビークルにおいて、前記フィンシステムが、(i)前記スウィマ本体部の長さ方向の軸を概略的に横断する回転軸を中心に回転する相対的に硬質の中心部と、(ii)相対的に変形可能な船外部とを具える先端を有する概略薄板状且つ弾性的に変形可能なフィンを具えることを特徴とするウォータビークル。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のウォータビークルにおいて、(1)前記フロートが衛星を利用した位置センサを具え、(2)前記スウィマが(a)水平面上の方向を検知する水平センサと、(b)ステアリングアクチュエータとを具え、前記ビークルがさらに、(a)位置センサ、前記水平センサ、及び舵に接続され、且つ(b)前記位置センサ及び前記水平センサから受信した信号に応じて、あるいは前記ビークル上のセンサから受信した信号に応じて、前記ステアリングアクチュエータを制御する命令を含む、あるいは含むようにプログラム可能なコンピュータシステムを具えることを特徴とするウォータビークル。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のウォータビークルにおいて、前記スウィマが重心を有し、前記連係具が実質的に垂直に前記重心より上で前記スウィマに取り付けられ、前記フロートが浮心を有し、前記連係具が実質的に垂直に前記浮心よりも下で前記フロートに取り付けられ、前記フロートが抵抗の中心を有し、前記連係具が前記抵抗の中心の前方で前記フロートに取り付けられることを特徴とするウォータビークル。
【請求項10】
波力を利用する方法であって、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のウォータビークルを水塊の表面に沿って移動する水波を有する、あるいは有する可能性のある水塊に配置するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項11】
情報を取得する方法であって、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のウォータビークルから取得され、あるいはこれにより記録された情報を分析するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のウォータビークルの機能を制御する方法であって、信号を前記ウォータビークルに送信するステップを具えることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図11d】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図26D】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図27D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図11d】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図26D】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図27D】
【公表番号】特表2009−533257(P2009−533257A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551327(P2008−551327)
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/001139
【国際公開番号】WO2007/087197
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(508213632)リキッド ロボティクス インコーポレイテッド (2)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/001139
【国際公開番号】WO2007/087197
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(508213632)リキッド ロボティクス インコーポレイテッド (2)
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