説明

波浪推進船

【課題】波浪推進船の翼に発生する揚力を最大化することが可能となり、より大きな推進力が得られる波浪推進船を提供する。
【解決手段】波浪による水流の流向を測定する流向計307と、前記流向計により測定された流向に基づいて、前記流向により発生する揚力により前記波浪に向かう推進力を発生させる翼304のピッチ角を制御するピッチ角制御部とを有する波浪推進船を提供する。また、波浪による水流の流速を測定する流速計を有し、前記ピッチ角制御部は、前記流速計により測定された流速にも基づいて、前記翼のピッチ角を、制御することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波浪の水流によって翼に発生する揚力により推進力を得る波浪推進船に関する。
【背景技術】
【0002】
波浪の水流によって翼に発生する揚力により、波浪に向かう推進力を得る技術が知られている(例えば特許文献1。)。また、この技術を用いて推進を行なう波浪推進船が知られている(例えば非特許文献1参照。)。
【0003】
図1は、波浪推進船の模式図を示す。船体101に翼103が支持機構102を用いて接続がされている。翼103の少なくとも一部または全体は水中に位置する。図1においては、船体101の進行方向とは逆向きに進行する波浪104が存在し、船体101の斜め下方から斜め上方へ向かう水流105が発生している。また、翼103は、水流105を翼103の下面で受けるようにピッチ角(迎角)が設定されている。このような場合には、翼103には、水流105による揚力が発生し、この揚力が船体101の進行方向の成分を有するため、船体101を前方に推進させる推進力を得ることができる。
【0004】
図2は、翼に発生する揚力によって推進力が得られる原理を説明する図である。翼201は、基準線203に対してピッチ角αを有しているとする。基準線203は、例えば船体101における座標系での水平線として定義できる。ピッチ角は、翼201の前端と後端とを結ぶ直線202と基準線203とがなす角として定義できる。この場合、直線202と基準線203とが一致すればピッチ角αは0となり、翼201の前端が後端より上方に位置する場合にピッチ角αは正の値となるとする。
【0005】
このとき、直線202に対して斜め下方から斜め上方へ向かう水流204が発生しているとする。水流204と基準線203とのなす角をβとすると、0<α+βであり、α+βはストールが発生する角度より小さいとする。このとき、翼201には揚力205が発生する。揚力205の向きは、水流204と垂直となる。α+β<90°であれば、揚力205が翼201の前方方向の成分206を有することとなる。この成分206が翼201に発生する推進力となり、この推進力により船体101が前方に推進する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−34337号公報
【非特許文献】
【0007】

【非特許文献1】"堀江健一オフィシャルサイト"、[online]、[平成23年7月4日検索]、インターネット<URL:http://www1.suntory−mermaid2.com/sm2_image.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1に開示されている波浪推進船は、7800キロメートルの航海を行なうことができることを実証し、波浪推進船は実用段階にあると言ってよい。また、従来知られているこのような波浪推進船は、波浪による力により翼が揺動するようにも構成されており揚力による推進力に加えて、翼のドルフィンキックのような動きにより、推進力を増大させている。しかしながら、翼は波浪によって受動的に揺動するのみであり、水流の向きに応じて揚力を最大化することは考慮されておらず、推進力が不十分である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態として、波浪による水流の流向を測定する流向計と、前記流向計により測定された流向に基づいて、前記流向により発生する揚力により前記波浪に向かう推進力を発生させる翼のピッチ角を、制御するピッチ角制御部とを有する波浪推進船を提供する。
【0010】
また、本発明の別の実施形態として、上記の波浪推進船が、波浪による水流の流速を測定する流速計を有し、前記ピッチ角制御部は、前記流速計により測定された流速にも基づいて、前記翼のピッチ角を、制御するようになっていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、波浪推進船の翼に発生する揚力を最大化することが可能となり、従来の波浪推進船よりも推進力を大きくすることができる。これにより、波浪を推進力に変換する効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来の波浪推進船の模式図
【図2】従来の波浪推進船が推進力を得る原理を説明する図
【図3】本発明の一実施形態に係る波浪推進船の斜視図
【図4】本発明の一実施形態に係る波浪推進船のストラットの側面図
【図5】本発明の一実施形態に係る波浪推進船のストラットの側面図
【図6】本発明の一実施形態に係る波浪推進船のストラットの側面図
【図7】本発明の一実施形態に係る波浪推進船の翼制御装置の機能ブロック図
【図8】本発明の一実施形態に係る波浪推進船の翼のピッチ角の算出の一例図
【図9】本発明の一実施形態に係る波浪推進船の翼制御装置におけるフローチャート
【図10】本発明の一実施形態に係る波浪推進船の翼制御装置の機能ブロック図
【図11】本発明の一実施形態に係る波浪推進船の翼の制御の一例図
【図12】本発明の一実施形態に係る波浪推進船の翼制御装置におけるフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を実施形態として説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されることはない。本発明は、以下に説明する実施形態を変形して実施することも可能である。
【0014】
(実施形態1)
図3は、本発明の一実施形態に係る波浪推進船を斜め前方から見た斜視図である。図3において、波浪推進船は、船体301を有し、その前方の略中央に、略鉛直方向に延びているストラット302が配置されている。ストラット302の下部の両端には、翼303および304が装着されている。翼303および304は、ストラット302に対して略垂直となっている。翼303および304のそれぞれは、翼の前方に配置された接続部を介してストラット302に装着されている。接続部には、例えば回転軸を用いることができる。なお、ストラット302の下部に翼303および304が装着されることにより、翼303および304の一部または全てが船体301の喫水線よりも下に位置することとなる。
【0015】
図3においては、ストラット上部に翼駆動部305が装着され、翼駆動部305により上下に駆動されるロッド306の先端が、別の接続部を介して翼303に接続されている。ロッド306が上下に移動することにより、翼303のピッチ角を制御することができる。別の接続部が翼303の後方に設けられることにより、ロッド306が上に移動すると、翼303のピッチ角を小さくし、ロッド306を下に移動すると、翼303のピッチ角を大きくすることができる。
【0016】
翼304についても、図示されていない別の駆動部により駆動されるロッドにより、ピッチ角を翼303と同様に制御することができる。また、ストラット302の後側において翼303と翼304とが連結され、一組の駆動部305とロッド306とにより翼303と翼304とのピッチ角を制御する構成とすることもできる。
【0017】
なお、翼303のピッチ角と翼304のピッチ角を独立して制御することにより、翼303による推進力と翼304による推進力とを異ならせ、船体301の推進する方向を制御することも可能となる。
【0018】
翼303と翼304とのそれぞれの両端のうち、ストラット302に接続部を介して接続されている端とは異なる端は、船体301の側方に設けられた支持機構により、さらに別の接続部を介して接続されていてもよい。これにより、ストラット302に翼303および304により加わる力を分散させることができる。ただし、ストラット302の強度、接続部、翼303および304の強度を十分な大きさにすることができれば、船体301の側方に設けられた支持機構は不要とすることができる。
【0019】
また、ストラット302は、船体301の前方の略中央に位置させる必要はなく、左右に偏った位置に設けられていてもよい。また、船体301の前方に設けられるストラットは一つである必要はなく、複数あってもよい。
【0020】
また、本実施形態に係る波浪推進船は、流向計を有する。図3においては、翼303の上方のストラット302の部分に流向計307が取り付けられている。流向計307は、翼303および304のいずれかまたは両方における波浪による流水の方向を測定する。このため、流向計307は、翼303の近傍に配置されるのが好ましい。また、流向計307の測定する流水の方向は、翼303および304のいずれかまたは両方における流水の向かう上下方向の角度を測定できるものであれば、いかなるものであってもよい。例えば、回転自在な水平方向に延びる軸に、板が取り付けられ、軸の回転角を測定することにより、板の向きを測定し、したがって、板の周囲の水流の流向角を測定するものであってもよい。すなわち、図2に示すβの大きさを検出することができる。また、流向計307は、上下方向のみならず、水平方向の流水の方向を測定できるものであってもよい。また、流向計307は、翼303の上方に取り付けられている必要はなく、翼303の下方や前方などの任意の位置に取り付けることができる。例えば、翼303の前端に流向計を取り付けてもよい。また、流向計307は、船体301に取り付けられていてもよい。
【0021】
なお、以上においては、翼303および304がストラット302に接続されているとして説明を行なった。ただし、ストラット302は必須ではなく、翼303および304は、船体301の左右に取り付けることも可能である。この場合、翼303および304は、船体301に接続部を介して取り付けられ、接続部における回転により、翼303および304のピッチ角を制御することができる。
【0022】
図4は、翼と翼駆動部と流向計とが取り付けられた状態のストラットの側面図である。ストラット401に接続部402を介して翼403が取り付けられている。図4において、接続部402は、翼403の前方に配置されている。また、翼403の後方には、別の接続部404が配置され、翼駆動部405により上下に駆動されるロッド406が接続されている。これにより、ロッド406が上下方向408に駆動されることにより、翼403の後端が接続部402を介して上下方向409に駆動され、翼403のピッチ角が制御される。なお、接続部402と接続部403との前後の配置の関係は逆になっていてもよい。
【0023】
翼駆動部405は、ロッド406を上下に駆動できるものであれば、いかなる構成のものであってもよい。例えば、翼駆動部405は、リニアモータのように電気で制御されるものであったり、油圧により制御されるものであったりしてもよい。また、翼402の上方には、流向計407がストラットに取り付けられている。また、翼駆動部405は、翼403のピッチ角が0度以外となった場合に、ピッチ角が0度に戻るように復元力を翼403に与える機構を備えていてもよい。例えば、ピッチ角が0度である場合において自然長となるバネが用いられていてもよい。このような復元力が翼403に与えられることにより、翼駆動部405にエネルギーを与えなくても、翼403のピッチ角が0度に復元するので、ドルフィンキックのような動きを得ることができ、推進力を増大させることができる。
【0024】
図5は、図4とは異なる構成における、翼と翼駆動部と流向計とが取り付けられた状態のストラットの側面図である。ストラット501に接続部502を介して翼503が取り付けられている。図5において、接続部502は翼503の前方に配置されている。また、翼503の後方には、別の接続部504が配置され、翼駆動部505に接続された第一ロッド506に間接部507を介して接続され上下に駆動される第二ロッドが接続されている。また、図4と同様に、流向計509がストラットなどに取り付けられている。この場合、
【0025】
図5においては、翼駆動部505は、回転が制御される駆動部である。例えば、翼駆動部505は、サーボモータを用いて構成される。サーボモータなどの回転が第一ロッド506に伝達され、第1ロッド506が翼駆動部505を中心に回転すると、第二ロッド508が上下方向510に駆動される。これにより、翼503の後端が接続部504を介して上下方向511に駆動され、翼503のピッチ角が制御される。
【0026】
図5の場合においても、ピッチ角が0度に戻るように復元力が翼503に与えられるようになっていてもよい。例えば、翼駆動部505に弦巻バネが装着されていてもよい。また、接続部504とストラット501や翼駆動部505とを接続するダンパーなどが取り付けられていてもよい。
【0027】
図6は、流向計を翼の前方に配置したストラットの一例の側面図を示す。図6に示すように、流向計407が翼403の前方に配置されている。流向計407を翼403の前方に配置することにより、翼403における波浪による流水の方向を予測することができ、後述のように、翼403のピッチ角を最適に制御することができ、揚力を最大化することができる。また、図2におけるβが大きく変化することが予測される場合には、ピッチ角αが大きくなるようにして、水流が翼403に衝突してピッチ角αを小さくさせる力を発生させることにより、翼駆動部405を駆動させてエネルギーを回収することも可能となる。なお、図6においては、翼駆動部とロッドとは、図4に示したものが示されているが、図5に示した翼駆動部とロッドとを用いることも可能である。
【0028】
図7は、本実施形態に係る波浪推進船の翼制御装置の機能ブロック図を示す。翼制御装置701は、流向検出部702と算出部703とピッチ角制御部704とを有する。なお、翼制御装置701は、船体に装備される。あるいは、翼制御装置701が船体に装備された通信装置により有線または無線による通信が可能であれば、船体外に配置される。
【0029】
流向検出部702は、船体、ストラットまたは翼に取り付けられた流向計の測定結果により流向を検出する。例えば、流向計の構成が上述したように板が取り付けられた水平な回転軸を用いたものであれば、回転軸の回転角を検出する。また、流向検出部702は、検出された流向を表す情報を算出部703に伝達する。
【0030】
算出部703は、流向検出部702により検出された流向に基づいて、翼のピッチ角を算出する。算出されるピッチ角は、翼に発生する揚力を最大にする値が好ましい。例えば、ストールが発生するストール限界角から所定の値を差し引いた値とする。所定の値は、定数である必要はなく、流向に応じて変化させてもよい。算出部703は、算出したピッチ角を表す情報をピッチ角制御部704に伝達する。
【0031】
算出部703は、流向に対して好ましいピッチ角をあらかじめ算出しておき、それをテーブルデータやグラフデータとして記憶しておき、流向検出部702により検出された測定結果に対応するピッチ角を求めるように構成されていてもよい。図8は、流向に対するピッチ角をあらかじめ算出しておきグラフデータ801として記憶してピッチ角を求める一例を示す。図8に示すように、例えば、流向の測定結果が値bであれば、グラフ801により値bに対応付けられたピッチ角aを求める。
【0032】
ピッチ角制御部704は、算出部703により算出されたピッチ角となるように翼のピッチ角を制御する。例えば、リニアモータ、油圧系統やサーバモータを制御する信号を出力し、翼のピッチ角が算出部703により算出されたピッチ角となるようにする。
【0033】
図9は、翼制御装置701による処理のフローチャートを示す。ステップS901の処理として、流向検出部702により流向の検出が行なわれる。検出は、例えば電源周波数に同期して毎秒50回の検出になるように、所定の時間間隔で行なう。また、船体に加速度センサを装備しておき、加速度センサが所定の値より大きな加速度を検出した場合に流向計による流向を検出してもよい。これにより、流向が変化したことを加速度センサにより検出することができ、測定を常時行なう必要を無くすことが可能である。これにより、例えば波浪の周期長が大きい場合には、エネルギー消費を少なくすることができる。
【0034】
ステップS902の処理として、算出部703により、ピッチ角の算出を行なう。ステップS903の処理として、ピッチ角制御部704により翼のピッチ角の制御を行なう。ステップS904の処理として、処理全体を終了するかどうかを判断して、終了しなければステップS901へ戻る。
【0035】
本実施形態においては、流向計により翼における水流の流向を検出し、その検出の結果に応じて翼のピッチ角が制御されるので、翼に発生する揚力を最大化することが可能であり、これにより、推進力を最大化することが可能となる。また、ピッチ角が流向の検出の結果に応じて制御されるので、従来の波浪推進船に比べて広い波浪の周期長の範囲において推進力を得ることができる。
【0036】
(実施形態2)
本発明の実施形態2として、さらに流速計を備えた波浪推進船について説明する。流速計は、翼に対する波浪による水流の流速の大きさを測定する。例えば、ドップラ効果を用いて流速の大きさを測定する。このため、流速計は、流向計の近傍に配置するのが好ましい。
【0037】
図10は、本発明の実施形態2に係る波動推進船の翼制御装置の機能ブロック図を示す。翼制御装置1001は、流向検出部1002と流速検出部1003と算出部1004とピッチ角制御部1005とを有する。したがって、本実施形態における翼制御装置の構成は、実施形態1における翼制御装置がさらに流速検出部1003を有する構成となっている。
【0038】
流速検出部1003は、流速計の測定結果により流速を検出する。また、流速検出部1003は、検出された流速を表す情報を算出部1004に伝達する。
【0039】
本実施形態においては、算出部は、流向検出部1002により検出された流向に加え、流速検出部1003により検出された流速にも基づいて、翼のピッチ角を算出する。算出されたピッチ角を表す情報は、ピッチ角制御部1005に伝達される。
【0040】
本実施形態において、流速検出部1003により検出された測定結果に基づいて翼のピッチ角を算出する理由の一つは、ピッチ角の制御パターンを、高速走行時と低速走行時との少なくとも2つ用意し、異なる制御を行なう点にある。すなわち、船体の前進速度が大きくなれば、翼への流水の流入角(α+β)は小さくなり、ストールを心配する必要がなくなり、最大の揚力を発生するようにピッチ角を制御することができる。一方、前進速度が小さければ、翼への流水の流入角が大きくなる傾向が生じるので、ストールの発生を考慮してピッチ角を制御することができる。
【0041】
図11は、流向に対するピッチ角をあらかじめ算出しておきグラフデータV1101よびV1102として記憶してピッチ角を算出する一例を示す。図11に示すように、高速走行時には、グラフデータV1102を用い、例えば、流向の測定結果が値bであれば、グラフ801により値bに対応付けられたピッチ角aHを求める。また、低速走行時には、グラフデータV1101を用い、例えば、流向の測定結果が値bであれば、グラフ801により値bに対応付けられたピッチ角aLを求める。なお、流向が負の値であれば、ピッチ角に負号が付く。言い換えれば、原点に対して点対称なグラフが記憶されていてもよい。
【0042】
図12は、翼制御装置1001による処理のフローチャートを示す。ステップS1201の処理として、流向検出部1002により流向の測定結果の検出が行なわれる。ステップS1202の処理として、流速検出部1003により流速の測定結果の検出が行なわれる。
【0043】
ステップS1203の処理として、算出部1004により、ピッチ角の算出を行なう。ステップS1204の処理として、ピッチ角制御部1005により翼のピッチ角の制御を行なう。ステップS1205の処理として、処理全体を終了するかどうかを判断して、終了しなければステップS1201へ戻る。
【0044】
本実施形態においては、流向計により翼における水流の流向と流速とを測定し、その測定結果に応じて翼のピッチ角が制御されるので、翼に発生する揚力を最大化することが可能であり、これにより、推進力を最大化することが可能となる。
【符号の説明】
【0045】
301 船体、302 ストラット、303 翼、304 翼、305 翼駆動部、306 ロッド、307 流向計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波浪による水流の流向を測定する流向計と、
前記流向計により測定された流向に基づいて、前記流向により発生する揚力により前記波浪に向かう推進力を発生させる翼のピッチ角を、制御するピッチ角制御部と
を有する波浪推進船。
【請求項2】
波浪による水流の流速を測定する流速計を有し、
前記ピッチ角制御部は、前記流速計により測定された流速にも基づいて、前記翼のピッチ角を、制御することを特徴とする請求項1に記載の波浪推進船。
【請求項3】
前記ピッチ角制御部は、前記流速計により測定された流速が大きいときには、前記流速計により測定された流速が小さい場合に比べて、前記翼のピッチ角の絶対値を小さく制御することを特徴とする請求項2に記載の波浪推進船。
【請求項4】
前記ピッチ角制御部は、前記流向により前記翼に発生する揚力が最大になるピッチ角を算出する算出部を有し、前記翼のピッチ角を前記算出されたピッチ角に近づけることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の波浪推進船。
【請求項5】
前記流向計は、前記翼の前方に配置され、前記ピッチ角制御部は、前記翼に流入する水流の流向を予測することを特徴とする請求項4に記載の波浪推進船。
【請求項6】
前記ピッチ角制御部は、前記予測された流向により前記翼に発生する前記翼のピッチ角を小さくする力が発生するように前記翼のピッチ角を大きく制御可能であることを特徴とする請求項5に記載の波浪推進船。
【請求項7】
前記翼は、前記波浪推進船の全部に設けられたストラットに第一接続部を介して取り付けられ、
前記ストラットは、第2接続部を介して前記翼に接続されるロッドを上下させる翼駆動部を有し、
前記翼駆動部は、前記ピッチ角制御部により制御されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の波浪推進船。
【請求項8】
前記翼駆動部は、前記翼のピッチ角の絶対値が大きくなると、前記ピッチ角を小さくする復元力を発生させることを特徴とする請求項7に記載の波浪推進船。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−32077(P2013−32077A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168548(P2011−168548)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000125369)学校法人東海大学 (352)