注射器具のためのユーザー作動保管アセンブリ
【課題】複数のカニューレをそれらの使用の前後に保管する保管アセンブリを提供する。
【解決手段】保管アセンブリは薬剤送達器具に着脱自在に連結可能である。第1のチャンバーがハウジングに配置されている。複数の穿刺する部材が第1のチャンバーに保管されている。
注射において用いられた後の複数の穿刺する部材を保管するために第2のチャンバーはハウジングに配置されている。ハウジングに配置された移送ドラムが穿刺する部材の1つを第1のチャンバーから注射位置に、及び注射に続いて注射位置から第2のチャンバーに移送する。
【解決手段】保管アセンブリは薬剤送達器具に着脱自在に連結可能である。第1のチャンバーがハウジングに配置されている。複数の穿刺する部材が第1のチャンバーに保管されている。
注射において用いられた後の複数の穿刺する部材を保管するために第2のチャンバーはハウジングに配置されている。ハウジングに配置された移送ドラムが穿刺する部材の1つを第1のチャンバーから注射位置に、及び注射に続いて注射位置から第2のチャンバーに移送する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2010年8月16日に出願された米国仮出願第61/344,542号の米国特許法第119条(e)による利益を主張し、その全体は参照によりここに取り入れられている。
【0002】
本発明は、注射器具のためのユーザー作動保管アセンブリに関する。より具体的には、本発明は、複数のカニューレを保管し、そしてユーザーによって作動されたときにカニューレを分配する保管アセンブリに関する。さらにより具体的には、本発明は、使用済みのカニューレをも保管するこのような保管アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
ある状況では、薬剤を直接にヒト組織内に注射することが望ましい。典型的には、注射器又はペン型注射器具が薬剤を筋肉組織層、皮下組織層、及び皮内組織層のような組織領域に注射するために用いられている。
【0004】
典型的なペン型注射器具のアセンブリ及びオペレーション(作用)は、同一出願人による特許文献1に記載され、その全体は参照によりここに取り入れられている。
【0005】
模範的なペン型インジェクター100のようなペン型注射器具は、図1及び2に示されるように、典型的には、用量ノブ/ボタン24、外側スリーブ13、及びキャップ21を備えている。当該用量ノブ/ボタン24は、ユーザーが注射されるべき薬剤の投与量を設定するのを許容する。外側スリーブ13は、薬剤を注射するときにユーザーによって把持される。キャップ21は、ペン型インジェクター100をシャツのポケット、ハンドバッグ、又は他の適当な位置に確実に保持するために、ユーザーにより用いられる。
【0006】
図1Bは、図1Aに示されている模範的な薬物送達ペンの分解図である。用量ノブ/ボタン24は二重の目的を有し、注射されるべき薬剤の投与量を設定すること、及び下部ハウジング17を通して薬物送達ペンに取付けられている薬剤カートリッジ12を通るリードスクリュウ7及びストッパ15を用いて用量付けられた薬剤を注射することの両者のために用いられる。標準の薬物送達ペンにおいては、用量付け及び送達の機構は全て外側スリーブ13内に見出され、先行技術をよく知る者によって理解されているので、ここでは詳細には説明されない。薬剤カートリッジ12内でのプランジャー又はストッパ15の末端方向への移動は、ハブ20のニードル11内へ薬剤が押し込まれるのを引起す。薬剤カートリッジ12は、ハブ20内に配置されて隔膜を貫通するニードルカニューレ18によって穿刺される隔膜16でもってシールされている。ハブ20は、カートリッジに取付けるような他の取付け手段が用いられ得るが、好ましくは、下部ハウジング17にねじ込まれる。ユーザー、すなわち、ペン型注射器具100を取扱う者を保護するために、ハブ20に取り付く外側カバー69がハブを覆っている。内側シールド59は外側カバー69内で患者側ニードル11を覆っている。内側シールド59は、患者側ニードル11を覆うべく、締まり嵌め又はスナップ嵌合のような適切な手段によってハブ20に固定されてもよい。外側カバー69及び内側シールド59は使用の前に取外される。キャップ21は、ユーザーが薬物送達ペン100を確実に携行するのを許容すべく、外側スリーブ13に対しぴったりと嵌り合っている。
【0007】
ハブ20、ニードル11、外側シールド69、及び内側シールド59を含んでいるペンニードルは、典型的には、1回の注射のために用いられ、その後処分される。従って、患者はある期間にわたっての多重の注射を遂行するために、いくつかのペンニードルを持ち運ばねばならない。ペンニードルは、一般に、容器内に無規律に保管されるので、患者が多重のペンニードルをまとめて保持する簡単で且つ便利な方法は存しない。従って、ユーザーが容易に且つ便利に薬物送達ペンと共に用いるべく複数のカニューレを持ち運ぶ必要性が存している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,645,264号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ペンニードルは、通常、滅菌バリアを提供すべくカバーの開口を覆っているラベル(不図示)を備えた(外側シールド69のような)プラスチックカバーの内部に個々にパッケージ化されて販売されている。ペンニードルアセンブリ10を用いるためには、ユーザーは外側シールド69上の無菌カバー(不図示)を取外し、ハブ20を下部ハウジング17にねじ込み、外側シールド69を取外し、そして最後に内側シールド59を取外す。従って、ユーザーは、注射のための器具の用意のために、ペンニードルを薬物送達ペンに連結させるべく内側及び外側のシールド59及び69を含むニードルハブパッケージングを取外さねばならない。このプロセスは、前回の注射のために用いたペンニードルの適切な処分に加えて、連続する注射のたびごとに繰り返されねばならない。
【0010】
従って、複数のカニューレをそれらの使用の前後に保管する保管アセンブリについての必要性が存する。ユーザーによって作動されたときにカニューレを分配し、そして分配されたカニューレを薬物送達ペンに連結させるような保管アセンブリについての必要性が存する。
【0011】
既存の複数ニードルの注射器具は、典型的には二つの形態である。第1の形態は、カニューレを可撓性のバンドリア(弾薬帯)、例えば、弾丸帯に保持する。弾薬帯又はカニューレはその後、注射の軸線に漸進的に送り込まれる。第2の形態は、カニューレをマガジンないしはカートリッジに保持する。カニューレを注射の軸線に整列させるべくマガジンが漸進的に移動されるか、又はカニューレが取外され、注射の軸線に移送される。両形態は、ペンニードルの設計上の包絡面(エンベロープ)の大きさを従来の使い捨ての設計上のエンベロープから低減する。しかしながら、両形態はいまだに、弾薬帯又はマガジン形態のいずれかに用いられるカニューレの容積測定のエンベロープを増大させるニードルハブを包含している。容積測定のエンベロープは弾薬帯又はマガジンによってさらに増大され、それによって、器具の全体寸法に対して保持され得る使い捨てのカニューレの数を著しく制限している。従って、内部に保管され得るカニューレの数を増大する注射器具のための保管アセンブリの必要性が存している。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一観点に従い、保管アセンブリは、薬物送達ペンによって用いられる新しいカニューレを保管する。
【0013】
本発明のもう1つの観点に従って、保管アセンブリはまた、使用済みのカニューレをも保管する。
【0014】
本発明のもう1つの観点に従って、保管アセンブリは、ユーザーによって運ばれるのに助けとなる。
【0015】
本発明のさらにもう1つの観点に従って、保管アセンブリは、ユーザーによって作動されたときに新しいカニューレを分配し、そして分配されたカニューレを薬物送達ペンに連結する。
【0016】
本発明の模範的な実施形態による保管アセンブリは、新しい及び使用済みのカニューレを保管し、そして患者によって作動されたときに新しいカニューレを分配する。保管アセンブリは薬物送達ペンと一体的に形成されてもよい。代わりに、保管アセンブリは薬物送達ペンに着脱自在に連結されてもよい。保管アセンブリ、すなわち、リボルバー(回転装置)は、保管アセンブリがユーザーによって機械的に作動されるごとに、マガジンから単一のカニューレを分配する。
【0017】
上述の目的は、薬剤送達器具と共に用いられる保管アセンブリによって達成される。第1のチャンバーはハウジング内に配置されている。複数の穿刺する部材が第1のチャンバーに保管されている。第2のチャンバーは注射において用いられた後に複数の穿刺する部材を保管するためにハウジング内に配置されている。ハウジング内に配置された移送ドラムは、穿刺する部材の1つを第1のチャンバーから注射位置まで、及び注射に続いて注射位置から第2のチャンバーまで移送する。
【0018】
上述の目的はまた、薬剤送達器具でもって注射を実行する方法によって達成される。複数の穿刺する部材の1つが第1のチャンバーから移送ドラムへ薬剤送達器具を回転することにより移送される。移送された穿刺する部材は、薬剤送達器具の継続する回転によって注射位置まで移動される。薬剤は、薬剤送達器具から移送された穿刺する部材を通して注射位置に注射される。使用された穿刺する部材は第2のチャンバーに移送される。
【0019】
本発明の目的、利点、及び顕著な特徴部は、本発明の模範的な実施形態を開示している添付の図面と連携してなされる以下の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の種々の実施形態の上記利益及び他の利点は、本発明の模範的な実施形態の以下の詳細な説明から及び添付の図面からより明らかになろう。
【0021】
【図1A】薬物送達ペンの斜視図である。
【図1B】薬物送達ペンの分解斜視図である。
【図2A】既存の薬物送達ペンに連結された本発明の模範的な実施形態によるリボルバー(回転装置)の正面図である。
【図2B】既存の薬物送達ペンに連結された本発明の模範的な実施形態によるリボルバー(回転装置)の側面図である。
【図2C】既存の薬物送達ペンに連結された本発明の模範的な実施形態によるリボルバー(回転装置)の斜視図である。
【図3】図2A−図2Cの保管アセンブリの内部にある構成部品の斜視図である。
【図4】図3の保管アセンブリの構成部品の分解斜視図である。
【図5】図4のアウトフィードのサブアセンブリの斜視図である。
【図6】図5のアウトフィードのサブアセンブリの分解斜視図である。
【図7】図4のインフィードのサブアセンブリの斜視図である。
【図8】図7のインフィードのサブアセンブリの分解斜視図である。
【図9】図4の移送サブアセンブリの斜視図である。
【図10】図9の移送サブアセンブリの分解斜視図である。
【図11】図4の駆動サブアセンブリの斜視図である。
【図12A】図11の駆動サブアセンブリの分解斜視図である。
【図12B】図12Aの駆動ギアの斜視図である。
【図13】図2A−2Cの保管アセンブリの分解斜視図である。
【図14A】図2A−2Cの保管アセンブリの頂面図である。
【図14B】図2A−2Cの保管アセンブリの頂面図である。
【図15】図2A−2Cの組立られた保管アセンブリの上方からの外側カバーが無い状態での斜視図である。
【図16】スプリングに負荷されたピンの拡大された斜視図である。
【図17】図2A−2Cの組立られた保管アセンブリの下方からの外側カバーが無い状態での斜視図である。
【図18】保管アセンブリのオペレーション(作用)を表示している図15の保管アセンブリの斜視図である。
【図19】図18の保管アセンブリの移送ドラムの断面図である。
【図20】移送ドラムに配置されたカニューレの周りの空きを示す拡大斜視図である。
【図21】サブアセンブリから移送ドラムへのカニューレの移動を示しているリボルバー(回転装置)の下方からの斜視図である。
【図22】ハブジョーの開いた位置での拡大斜視図である。
【図23】完全に前進されたカニューレを示している保管アセンブリの斜視図である。
【図24】移送ドラム及びカニューレの移動を示している保管アセンブリの上方からの斜視図である。
【図25】移送ドラムから取外されている使用済みのカニューレを示している保管アセンブリの拡大された上面図である。
【図26A】種々のカニューレ形態の側面図である。
【図26B】種々のカニューレ形態の側面図である。
【図26C】種々のカニューレ形態の側面図である。
【図26D】種々のカニューレ形態の側面図である。
【図26E】種々のカニューレ形態の側面図である。
【図26F】種々のカニューレ形態の側面図である。
【図27】保管アセンブリの構成部品のオペレーション(作用)中の運動を示しているテーブルである。
【図28】ハブジョーが開いた位置にある流体経路を示している保管アセンブリの断面での立面図である。
【図29】ハブジョーが閉じた位置にある流体経路を示している保管アセンブリの断面での立面図である。
【図30】閉じた位置にあるハブジョーの断面の拡大された立面図である。
【0022】
図面の全体に亘り、同一参照符号は同一の部分、構成部品、及び構造を意味するものと理解される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図2A−2Cは、薬物送達ペン201と共に用いるための本発明の模範的な実施形態に従う保管アセンブリ211を解説している。図2A−2Cの保管アセンブリ211と共に用いられるカニューレ221は、下記のように、図26Aに示されている。他のカニューレの形態は図26B‐26Fに示されている。保管アセンブリによって保持されるカニューレの数を最大にするために、カニューレは好ましくはオーバーモールドされず、そしてそれの供給及び取扱いのための特徴部はカニューレの円筒状エンベロープの内部にある。かくて、保管アセンブリのコストは現存する複数ニードル器具に対して低減される。カニューレの生産に関連する製造作業は簡素化かつ軽減される。例えば、本発明の模範的な実施形態に従うカニューレは、ハブの成形及びエポキシ樹脂での接着組立を必要としない。
【0024】
例えば、図2A−2Cに示されるような、本発明の模範的な実施形態に従う保管アセンブリ211は、多数のカニューレを保持することができる。例えば、100本のカニューレを保持する保管アセンブリは、ユーザーが一月のうちの日ごとに3回、カニューレを交換することを許容し、その結果、保管アセンブリは月ごとにのみ補充される必要がある。保管アセンブリの保管能力の増大は、オーバーモールドされない、又はプラスチック成形されたハブにエポキシ樹脂で接着されないカニューレを用いることによって部分的に得られ、それによって、保管アセンブリの保管能力を増大し、かつ一体のハブを有するカニューレを用いている注射器具に対しての注射器具の使用サイクル数を増大している。オーバーモールドされたハブを含んでいるカニューレ形態は、図26B、26E及び26Fに示され、そして円筒状のカニューレのエンベロープを0.010インチ(0.025cm)の直径から0.060インチ(0.152cm)の直径に増大させ、その結果、保管アセンブリに保持され得るカニューレの数が約20から30本の間のカニューレに減少されている。このように、かかる保管アセンブリを含んでいる注射器具は週ごとの器具である。しかしながら、かかる注射器具は保管アセンブリの構成部品に対してより寛大な許容誤差を許している。
【0025】
現存するペンニードル20(図1B)に用いられているオーバーモールドされかつエポキシ樹脂で接着されたハブは、本発明の模範的な実施形態において、再使用可能なハブで置き換えられている。再使用可能なハブの開口は可変で、カニューレが移送ドラムから最前端位置に前進される間、開口がカニューレの直径よりも大きくなるように、直線状のハブカムで制御される。カニューレが最前端位置にあるときは、当該ハブがカニューレの周りを圧縮し、カニューレのクロスポートを通るシールされた流体経路をもたらす。
【0026】
図2A−2Cの保管アセンブリ211、すなわち、リボルバー(回転装置)は、図3、4、及び13に示されるように、インフィードのアセンブリ231、インフィードのスプリング(すなわち、トーションスプリング)241、移送ドラム251、複数の移送スライド261、ギアアセンブリ271、ロータリーカム281、再使用可能なカニューレハブ291、及び直線状のカム295を含んでいる。内部の構成部品は、図13に示されるように、頂部215を有している外側カバー213内に配置され、頂部215は保管アセンブリ211をシールすべく外側カバー213に結合されている。保管アセンブリ211は薬物送達ペン201に連結可能である。保管アセンブリは、注射中、薬物送達ペン201に連結されて残る。使用済みのカニューレは、保管アセンブリ211が薬物送達ペン201に連結されて残りつつ、保管アセンブリ211のアウトフィードのアセンブリ245内に保管される。従って、全てのカニューレ221が使用されたとき、保管アセンブリ211は薬物送達ペン201から取外され、そして全体の保管アセンブリ211が適切に処分される。新しいカニューレ221を包含する新しい保管アセンブリ211が薬物送達ペン201に連結される。
【0027】
インフィードのアセンブリ231、すなわち、マガジンは、図7及び8に示されるように、カニューレ221をインフィードのカバー233の内周辺の周りに1列に互いに隣り合わせて保持する。カニューレ221は、インフィードのカバー233とインフィードのガイド235との間に配置されている。インフィードのブレード237が最後のカニューレ221に隣り合ってインフィードのカバー233とインフィードのガイド235との間に配置されている。
【0028】
インフィードのスプリング241、すなわち、トーションスプリングは、図7及び8に示されるように、インフィードのガイド235の突出部236及びインフィードのブレード237の間に連結されている。当該スプリング241はインフィードのアセンブリ231内のカニューレ221に一定の背圧を加えている。円弧形状のインフィードのアセンブリ231は、図3に示されるように、移送ドラム251に実質的に直立して会合している。インフィードのアセンブリ231の基部において円弧のほぼ中心に位置されているインフィードのスプリング241は、最後尾のカニューレ221に接触しているインフィードのブレード237に力を加え、それによって、カニューレの列に背圧を及ぼす。
【0029】
移送ドラム251は、図9及び10に示されるように、最先頭のカニューレ221を注射の軸線へ割出し、かつ、それから割出す。移送ドラム251は、つめないしはラテェット(不図示)によって両方向に回ることが制限されており、それ故に、カニューレをインフィードのアセンブリ231から注射の軸線220へ、及び注射の軸線からアウトフィードのアセンブリ245へのみ前進させることができる。
【0030】
複数の移送スライド261が移送ドラム251には不可欠であり、割出されたカニューレ221を保持する。各移送スライド261は好ましくは、図10に示されるように、移送ドラム251の開口253の1つに配置されている。移送スライド261はまた、保持されたカニューレ221を前進させ、かつ後退させる。図9及び10に示されるように、4つの移送スライド261が移送ドラム251に連結されて示されている。各移送スライド261は、カニューレ221を受け取るスロット263を有している。リターンスプリング265が各移送ドラム開口253内に配置され、図9に示されるように、移送スライド261を上方へ付勢している。
【0031】
3つのスロット255、256及び257は、図9及び10に示されるように、各移送ドラム開口253に関連付けられている。中央のスロット256は外側のスロット255及び257の間に配置されている。好ましくは、中央のスロット256は、ほぼ同じ長さである外側スロット255及び257よりも長い。中央のスロットは、好ましくは、図9に示されるように、移送ドラム251の全長に沿って延在する。中央のスロット256は、カニューレ221を受け取る移送スライド261の部分が、それすなわち移送スライドのスロット263を通って摺動するのを許容する。外側スロット255及び257は、ロータリーカム281が、図17に示されるように、移送スライド261に接触しかつそれを下方に移動させるべく、それを通過するのを許容する。ロータリーカム281が外側スロット255及び257を抜け出るとき、リターンスプリング265は、図19に示されるように、移送スライドをその元の位置まで上方へ移動させる。
【0032】
移送スライド保持リング262は、図9に示されるように、移送ドラムシャフト264上に配置されている。当該保持リング262は、リターンスプリング265による移送スライド261の上方への移動を制限している。保持リング262は、各移送ドラム開口253の部分の上方に延在し、それによって、開口253内での移送スライド261の上方への移動を制限している。
【0033】
ギアアセンブリ271は、図11、12及び12Aに示されるように、移送ドラム251のインデックス(割出)及びドエル(一時停止)サイクルを制御する。ギアアセンブリ271の駆動ギア273は、図2Cに示されるように、薬物送達ペン201のバレル203に連結される。ギアアセンブリ271の被駆動ギア275は、図14A及び14Bに示されるように、移送ドラム251のシャフト264に連結されている。複数のスロット276が駆動ギア273の突起274に係合すべく被駆動ギア275に配置されている。ペンのバレル203が保管アセンブリ211に対して回されるとき、カニューレ221は上述の位置を通って前進する。好ましくは、ギアアセンブリ271はゼネバ歯車機構である。
【0034】
ゼネバ歯車機構は、移送ドラム及びカニューレに対して、間歇的な選択肢、すなわち、インデックス/ドエルを提供する。ゼネバ歯車機構の代替は、典型的には、平行シャフト割送り装置に用いられているカム配列を含む。
【0035】
ロータリーカム281は、図11、12及び12Aに示されるように、ギアアセンブリ271の駆動ギア273と一体で、そして移送スライド261の前進を生じさせる。移送スライド261の後退は、リターンスプリング265と組み合わせてロータリーカム281により生じさせられる(図10)。
【0036】
再使用可能なカニューレハブ291は、カニューレ221の位置に応じて、それぞれ、誘導、整列、又はシールされた流体経路をもたらすべく、開成又は閉成される2つのジョー292及び293を含んでいる。内側のジョー292は、図11に示されるように、外側のジョー293内に配置されている。流体経路が薬瓶205から外側のハブジョー293まで延在している。ハブジョー292及び293の各々は、図22及び23に示されるように、カニューレの直径の周りにシールをもたらすべく、それぞれ、カニューレ221のクロスポート223に整列するエラストマー部分296及び297を有している。好ましくは、エラストマー部分296及び297はオーバーモールディングによって形成される。
【0037】
直線状のカム295、すなわち、ハブカムは、図11及び12に示されるように、ハブジョー292及び293を制御し、ギアアセンブリ271の駆動ギア273と一体である別のロータリーカム283によって駆動される。ハブジョー292及び293は、外側カバー213内に配置されたキャビティ内に保持されている。ハブジョー292及び293には、ハブジョーを離れる方向に付勢すべくばね(不図示)荷重が掛けられ、すなわち、エラストマー部分296及び297が互いに離間されている。直線状のカム295は、ハブジョー292及び293を閉じるべく用いられている。直線状のカム295は、ハブジョーの間の開口が開成及び閉成の両位置において、図17に示されるように、注射の軸線220上に中心付けられるように、ハブジョー292及び293に係合している。直線状のカム295は、駆動ギア273の底表面に接触して残るべく上方へばね荷重が掛けられている。駆動ギア273から延びている第2のカム283は、直線状のカム295を前進させ、そして駆動ギア273が回転するにつれハブジョー292及び293を閉じるべく、直線状のカム295に係合している。図12,22、及び30に示されるように、直線状のカム295の端部290は、内側ジョー292及び外側ジョー293の傾斜表面298及び299に係合し、それによって、外側及び内側のジョーを閉成位置(すなわち、カニューレ221がハブジョー292及び293のエラストマー部分296及び297の間でシールされている)位置に移動させる。
【0038】
保管アセンブリ211は以下のように作用する。インフィードのスプリング241は、図21に示されるように、インフィードのアセンブリ231内に配置されたカニューレ221の列に背圧を与える。ペンのバレル203が保管アセンブリ211に対して回されたとき、図15及び18に示されるように、移送ドラム251はインフィードのアセンブリ231の端部のそばを通り、かつ最先頭のカニューレ221が移送ドラム251のスライド261の中央のスロット256内に前進する。カニューレ221の下部ないしは鋭利な端部225は、一般に、図9及び10に示されるように、移送ドラム251の底部に位置されたスロット258に整列され、かつ案内される。代わりに、図20に示されるように、移送ドラム251の基部のスロット258は、カニューレ221の外部特徴部、例えば、(図26Fのカニューレ701に示されているような)オーバーモールドスリーブへの誘導を提供すべく拡幅されてもよい。駆動ギアの突起274は被駆動ギア275のスロット276に係合し、それによって、移送ドラム251を回転させ、図15に示されているピックアップ位置から図17に示されている注射位置へ移送スライド261内のカニューレ221を移動させる。移送ドラム251は、図17に示されるように、おおよそ90度に割り出し、注射の軸線220に整列された位置に一時停止する。移送ドラム251が一時停止するのは、おおよそ90度回った後、駆動ギアの突起274が被駆動ギアのスロット276を抜け出すので、それによって移送ドラム251の回転を停止させ、移送ドラムを一時停止状態に置くからである。突起274は、図16に示されるように、スプリングに負荷されたピン294に係合し、それによって、注射位置において、駆動ギア273に対する積極なストッパを提供している。
【0039】
ペンバレル203の回転が続くにつれ、保持されたカニューレ221を備える移送スライド261は、図17及び23に示されるように、ギアアセンブリ271の駆動ギア273の底部におけるロータリーカム281により接触される。移送スライド261は、カニューレ221の鋭利な端部225が再使用可能なハブの2つの開いているジョー292及び293を通過するように、前進する。移送スライド261が完全に前進された後、すなわち、カニューレが注射のために適切な延伸状態に前進されると、移送スライドは完全に前進された位置に一時停止する。
【0040】
ロータリーカム281を回転させるべく駆動ギア273が回転されるとき、ギアアセンブリ271の駆動ギア273の底部における第2のロータリーカム283もまた回転される。第2のロータリーカム283は、図22及び30に示されるように、カニューレ221のクロスポート223の周りの再使用可能なハブのジョーを閉じるべく、直線状のカム(ハブカム)295を前進させる。駆動ギアのさらなる回転はスプリングに負荷されたピン294に係合している突起274によって防止されている。注射が、今や、薬物送達ペン201によってなされ得る。
【0041】
流体経路が、図28−30に示されている。駆動ギア273は薬物送達ペン201(図2A−2C)のバレル203の回転によって回される。代わりに、ユーザーが保管アセンブリ211を作動させるのを許容すべく、サムホイール(指回し式円形版)が駆動ギアに連結されてもよい。ボス801は、シャフト264を貫通している流体ニードル803の回転を妨げるべく、移送ドラムのシャフト264及びハウジングの外側カバー213(図2C)に係合している。滑り嵌合スリーブ805は、流体ニードル803を位置付け、そして移送ドラム251の整列を促進する。移送ドラムのボス807は、移送ドラム251の整列をさらに促進すべく、ハウジングの外側カバー213(図2C)に係合している。流体ニードル803の一端部は、送達される薬剤が格納されている薬物送達ペン内の薬瓶に連結される。流体ニードル803の他端部804は、図28及び29に示されるように、流体連結器に連結されている。ハブジョー292及び293は、図28において開いた位置にあり、すなわち、エラストマー部分296及び297が互いに離間されている。
【0042】
ハブジョー292及び293が、図29及び30に示されるように、閉じられたとき、
エラストマー部分296及び297は、上述のようにカニューレ221との間をシールすべく共に移動する。入れ子式スリーブ811が外側ハブジョー293内に成形されており、そして外側ハブジョー293を流体連結器809に連結している。流体ニードル803の端部804は、好ましくは、O−リング、ワイプシール、又は隔膜を介して流体連結器809に係合すべく、丸み付けられる。入れ子式スリーブ811は流体連結器809の分割隔膜813を通って通過している。
【0043】
図29及び30に示されるように、薬物送達ペン201の薬瓶(図2C)とカニューレ221との間に流体経路が創成されている。流体は、薬瓶から流体ニードル803を通り流体連結器809に通過する。カニューレ221にシールを創成すべくハブジョー292及び293が閉じられるとき、流体は、薬剤が注射位置に送達され得るように、流体連結器809からスリーブ811を介してカニューレ221のクロスポート223(図26A)に通過する。
【0044】
注射が行われた後、ユーザーは、図16に示されている停止された位置からペンバレル203のさらなる回転を可能にすべく、スプリングピン294のような手動のラッチを解放する。ペンのバレル203がさらに回されるにつれ再使用可能なハブのジョーが開かれ、使用済みのカニューレ221が移送スライド261を上方へ押しているリターンスプリング265によって後退させられ、移送ドラム251は割出し、そして使用済みのカニューレ221は、図24及び25に示されるように、移送ドラム251から取外されてアウトフィードのアセンブリ245に移送される。図4−6、及び25に示されるように、アウトフィードのカバー247に配置された少なくとも1つのフィンガー248は、使用済みのカニューレ221を移送スライド261からアウトフィードカバー247とアウトフィードのガイド249との間に形成されたトラック内に引き込む。使用済みのカニューレ221は、保管アセンブリ221が廃棄されるまで、アウトフィードアセンブリ内に保管される。保管アセンブリ211に対してのペンバレル203の360度の1回転が、図27に詳記されているような、完全な割出/前進/後退/取出のサイクルをもたらす。
【0045】
インフィード及びアウトフィードのトラックにおいてカニューレ221を適切に前進させるために、各カニューレは、円筒状エンベロープの外側表面においてカニューレ長さのおおよそ60%から70%の距離離れている最小2つの点で、隣り合うカニューレに接触している。誘導、整列、及び流体経路のためのようなカニューレの特徴部は、好ましくは、この円筒状エンベロープ内にある。ハブなしのカニューレ(図26A、26B、及び26D)については、誘導、整列、及び流体経路のためのかかる追加の特徴部は、好ましくは、0.010インチ、すなわち、0.025cm直径の円筒状エンベロープの内部にある。
【0046】
アウトフィードのトラックの代替形態は、アウトフィードのチャンバー(不図示)ないしはチャンバーに導く短い逃げである。移送ドラム251がアウトフィードのトラックへ回るとき、トラック内のフィンガーが使用済みのカニューレを移送ドラムから取り除き、そしてカニューレ221が前進するにつれそれはチャンバーに入る。
【0047】
保管アセンブリは、各カニューレが一度を越えて使用されることを防止するための特徴部を含んでもよい。流体経路に位置された流体ゲートないしは二方弁(不図示)、又は外側のハブジョーが、各注射サイクル中又はその終わりに閉じられる。注射に続いての装置のさらなる回転を可能にする(又は、回転運動を保証する)手動で作動されるラッチが、流体の流れを制御するゲートをリセットするために用いられる。代わりに、保管アセンブリは使用済みカニューレの再使用を防止するための電気回路を含んでいる「スマート」インスリンペンと共に用いられ得る。
【0048】
本発明の模範的な実施形態に従う保管アセンブリは、カニューレがオーバーモールドされるか、又は現存するペンニードル20(図1B)と同じようにより大きな直径のハブに取付けられることを必要としない。保管アセンブリは、小さなゲージのシリンダー及びチューブを移送する。図26A−26Fは、保管アセンブリと共に用いられる種々のカニューレ形態を示している。カニューレの形態に応じて保管アセンブリの幾らかの修正は必要であろう。カニューレは、好ましくは、その適切な制御及び移送を促進するために、カニューレの円筒状エンベロープ内にある追加の特徴部で修正されてもよい。例えば、図26A及び26Dに示されるように、カニューレはカニューレの鋭利な端部の近傍に流体経路をもたらすべく、流体が流れるクロスないしは側部ポートを有してもよい。図26A、26D、26E及び26Fに示されるように、カニューレは、保管アセンブリ内でカニューレの整列及び位置を維持するため、及び後退中にカニューレを保持するために、溝を有してもよい。
【0049】
カニューレ221は、図26Aに示されるように、四角の端部226から短い距離に位置された溝225を有してもよい。溝225はカニューレ221の四角の端部226からの流体の流れを停止させ、かつまた保管アセンブリ211の移送機構との環状の係合を提供する。カニューレ221のクロスポート223は、カニューレ221を通る流体の流れのための流体経路を提供する。
【0050】
図26Bに示されるように、カニューレには注射するために第1の鋭利な端部303が設けられている。プラスチックのオーバーモールドされたハブ307及び309が、保管アセンブリの構成部品のためにより寛大な許容誤差を許容すべく、カニューレ301に配置されている。
【0051】
もう1つの模範的な実施形態のカニューレ401は、図26Cに示されるように、保管アセンブリの構成部品により寛大な許容誤差を許容すべく、穴のあいた端部403及びカニューレ401にレーザー留めされた金属のスリーブ407を含んでいる。
【0052】
追加の溝が、図26Dのカニューレ501に示されるように、係合を増大すべくカニューレに形成されてもよい。カニューレ501は、カニューレの四角の端部504に近接して第1の溝503を有している。第2の溝505は、クロスポート507の上方に形成されている。クロスポート507の上方の第2の溝505は、シールされている、カニューレの上方部分への過剰な流体の流れを実質的に排除し、そしてカニューレ501のシールされている部分における空隙容量の圧縮による垂れ(ドルーリング;drooling)を実質的に防止する。
【0053】
もう1つの模範的な実施形態のカニューレ601は、図26Eに示されるように、複数のオーバーモールドされたプラスチックのハブ603及び605を含んでいる。溝609が、移送機構との係合をもたらすべく、ハブ605の2つの端部の間に配置されている。
【0054】
もう1つの模範的な実施形態のカニューレ701は、図26Fに示されるように、カニューレの軸方向長さの大半に沿って延在しているオーバーモールドされたプラスチックのハブ703を含む。溝709は、移送機構との係合のために、鋭利な端部707から遠くにプラスチックのハブ703に配置されている。
【0055】
注射器具は、注射器具に配置されたカニューレを交換するために、動力付きユーザーインターフェースを含むことができる。当該動力付きユーザーインターフェースは、動力を供給するバッテリー、カニューレの交換を手動で制御するためのプッシュボタン、及びボタンが押されたとき交換を行うためのプッシュボタンとバッテリーとの間の制御回路を含むことができる。
【0056】
2つのエラストマー被覆のハブジョーの代替として、単一のエラストマーの環状リングがカニューレに配置されてもよい。カムで作動されるジョーが、環状リングをカニューレの外側表面に対して圧縮し、それによって、シールされた流体経路を提供する。
【0057】
もう1つの模範的な実施形態において、カニューレは2つの隔膜を穿通する。カニューレが完全に前進されたとき、カニューレのクロスポートは2つの隔膜の間に配置され、それによって、流体の流れを可能にする。
【0058】
ギアアセンブリの代替として、平行シャフト割送り装置がギアアセンブリとして同様のインデックス/ドエル運動を提供するために用いられてもよい。
【0059】
カニューレは、ユーザーが曲がったカニューレを保管アセンブリから抜き取ることができるように、ばね荷重が掛けられたエレメントによって移送スライド内に保持されてもよい。
【0060】
正運動(前進)のために直線状の及び回転カム、そして負方向運動(後退)のためにスプリングでの戻りが用いられてもよい。上昇及び下降、カム表面の間の接触角、及びカムタイミングは、例えば、100から300rpmの低から中速度で作動する機械式カムについて一般に受け入れられている設計基準に基づくことができる。
【0061】
プライミング(呼び水)容積は最小にされる。というのも、カニューレの内部にある流体経路はカニューレの鋭利な端部からクロスポートのみにまで延在しているからである。ドルーリングは、カニューレ内の空隙容量及び流体容量を減少させることによって最小にすることができる。ドルーリングは、カニューレクロスポートに隣接した流体経路内、例えば、外側のハブジョーに逆止め弁を導入することによってさらに最小にすることができる。
【0062】
カニューレ221は、図26Aに示されるように、おおよそ0.010インチ(0.025cm)の直径、及びおおよそ0.70インチ(1.78cm)の長さを有することができる。保管アセンブリ211(図2A−2C)の全体の長さは、おおよそ1.50インチ(3.81cm)の幅、1.00インチ(2.54cm)の深さ、及び1.75インチ(4.45cm)の高さであってもよい。保管アセンブリのこれらの寸法は、インフィードの及びアウトフィードのアセンブリを、それらが移送ドラムの外側直径に密に合致するように空洞化することによって低減させることができる。
【0063】
本発明の模範的な実施形態において、インフィードのアセンブリに保管されている各新しい(すなわち、注射のために用いられる前の)カニューレは、個々に滅菌されており、それによって、使用済みのカニューレによる新しいカニューレの汚染を防止している。例えば、各新しいカニューレに対して滅菌バリアが設けられている。例えば、製造及びアセンブリプロセスの最後に、頂部カバー215が外側カバー213に対してシールされ、それによって、保管アセンブリ211を滅菌する、すなわち、各カニューレが個々に滅菌される。当該滅菌されているカニューレはインフィードのアセンブリ231に保管され、そして使用済みのカニューレはアウトフィードのアセンブリ245に移送されて、そこに保管される。交差汚染が生じないことを確実にするために、移送スライド261は、注射中にカニューレが細胞組織を穿刺することのない部分に接触する。ハブジョー292及び293もまた、注射中にカニューレが細胞組織を穿刺することのない部分に接触する、すなわち、ハブジョーはカニューレ221の後退の前に開いている。
【0064】
本発明のもう1つの模範的な実施形態では、各使用済みのカニューレはユーザーが緊急時に使用済みのカニューレにアクセスし得るようにアクセス可能に残っている。代わりに、最後のカニューレのみが常にアクセス可能であり、それによって、緊急時に入手可能なカニューレを提供する。
【0065】
上述の詳細な説明は、図2A−2Cに示されるような薬物送達ペン201と共に用いるための本発明の模範的な実施形態に従う保管アセンブリ211を示す図面を参照したが、本発明はランサーと共に用いられる探り針(stylet)を保管する保管アセンブリにも等しく適用可能である。探り針の保管アセンブリは、ランサーに一体的に形成されるか、又は着脱可能に連結されてもよい。探り針の保管アセンブリは、上述のカニューレの保管アセンブリと実質的に同じである。
【0066】
上述の実施形態及び利点は、単に例示であって、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。本発明の模範的な実施形態の説明は、実例となるべく意図されており、本発明の範囲を制限しない。種々の修正、代替、及び変動は、当業者には容易であり、そして添付の請求項及びそれらの均等物に定義される本発明の範囲内に入ることが意図されている。
【技術分野】
【0001】
この出願は、2010年8月16日に出願された米国仮出願第61/344,542号の米国特許法第119条(e)による利益を主張し、その全体は参照によりここに取り入れられている。
【0002】
本発明は、注射器具のためのユーザー作動保管アセンブリに関する。より具体的には、本発明は、複数のカニューレを保管し、そしてユーザーによって作動されたときにカニューレを分配する保管アセンブリに関する。さらにより具体的には、本発明は、使用済みのカニューレをも保管するこのような保管アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
ある状況では、薬剤を直接にヒト組織内に注射することが望ましい。典型的には、注射器又はペン型注射器具が薬剤を筋肉組織層、皮下組織層、及び皮内組織層のような組織領域に注射するために用いられている。
【0004】
典型的なペン型注射器具のアセンブリ及びオペレーション(作用)は、同一出願人による特許文献1に記載され、その全体は参照によりここに取り入れられている。
【0005】
模範的なペン型インジェクター100のようなペン型注射器具は、図1及び2に示されるように、典型的には、用量ノブ/ボタン24、外側スリーブ13、及びキャップ21を備えている。当該用量ノブ/ボタン24は、ユーザーが注射されるべき薬剤の投与量を設定するのを許容する。外側スリーブ13は、薬剤を注射するときにユーザーによって把持される。キャップ21は、ペン型インジェクター100をシャツのポケット、ハンドバッグ、又は他の適当な位置に確実に保持するために、ユーザーにより用いられる。
【0006】
図1Bは、図1Aに示されている模範的な薬物送達ペンの分解図である。用量ノブ/ボタン24は二重の目的を有し、注射されるべき薬剤の投与量を設定すること、及び下部ハウジング17を通して薬物送達ペンに取付けられている薬剤カートリッジ12を通るリードスクリュウ7及びストッパ15を用いて用量付けられた薬剤を注射することの両者のために用いられる。標準の薬物送達ペンにおいては、用量付け及び送達の機構は全て外側スリーブ13内に見出され、先行技術をよく知る者によって理解されているので、ここでは詳細には説明されない。薬剤カートリッジ12内でのプランジャー又はストッパ15の末端方向への移動は、ハブ20のニードル11内へ薬剤が押し込まれるのを引起す。薬剤カートリッジ12は、ハブ20内に配置されて隔膜を貫通するニードルカニューレ18によって穿刺される隔膜16でもってシールされている。ハブ20は、カートリッジに取付けるような他の取付け手段が用いられ得るが、好ましくは、下部ハウジング17にねじ込まれる。ユーザー、すなわち、ペン型注射器具100を取扱う者を保護するために、ハブ20に取り付く外側カバー69がハブを覆っている。内側シールド59は外側カバー69内で患者側ニードル11を覆っている。内側シールド59は、患者側ニードル11を覆うべく、締まり嵌め又はスナップ嵌合のような適切な手段によってハブ20に固定されてもよい。外側カバー69及び内側シールド59は使用の前に取外される。キャップ21は、ユーザーが薬物送達ペン100を確実に携行するのを許容すべく、外側スリーブ13に対しぴったりと嵌り合っている。
【0007】
ハブ20、ニードル11、外側シールド69、及び内側シールド59を含んでいるペンニードルは、典型的には、1回の注射のために用いられ、その後処分される。従って、患者はある期間にわたっての多重の注射を遂行するために、いくつかのペンニードルを持ち運ばねばならない。ペンニードルは、一般に、容器内に無規律に保管されるので、患者が多重のペンニードルをまとめて保持する簡単で且つ便利な方法は存しない。従って、ユーザーが容易に且つ便利に薬物送達ペンと共に用いるべく複数のカニューレを持ち運ぶ必要性が存している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,645,264号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ペンニードルは、通常、滅菌バリアを提供すべくカバーの開口を覆っているラベル(不図示)を備えた(外側シールド69のような)プラスチックカバーの内部に個々にパッケージ化されて販売されている。ペンニードルアセンブリ10を用いるためには、ユーザーは外側シールド69上の無菌カバー(不図示)を取外し、ハブ20を下部ハウジング17にねじ込み、外側シールド69を取外し、そして最後に内側シールド59を取外す。従って、ユーザーは、注射のための器具の用意のために、ペンニードルを薬物送達ペンに連結させるべく内側及び外側のシールド59及び69を含むニードルハブパッケージングを取外さねばならない。このプロセスは、前回の注射のために用いたペンニードルの適切な処分に加えて、連続する注射のたびごとに繰り返されねばならない。
【0010】
従って、複数のカニューレをそれらの使用の前後に保管する保管アセンブリについての必要性が存する。ユーザーによって作動されたときにカニューレを分配し、そして分配されたカニューレを薬物送達ペンに連結させるような保管アセンブリについての必要性が存する。
【0011】
既存の複数ニードルの注射器具は、典型的には二つの形態である。第1の形態は、カニューレを可撓性のバンドリア(弾薬帯)、例えば、弾丸帯に保持する。弾薬帯又はカニューレはその後、注射の軸線に漸進的に送り込まれる。第2の形態は、カニューレをマガジンないしはカートリッジに保持する。カニューレを注射の軸線に整列させるべくマガジンが漸進的に移動されるか、又はカニューレが取外され、注射の軸線に移送される。両形態は、ペンニードルの設計上の包絡面(エンベロープ)の大きさを従来の使い捨ての設計上のエンベロープから低減する。しかしながら、両形態はいまだに、弾薬帯又はマガジン形態のいずれかに用いられるカニューレの容積測定のエンベロープを増大させるニードルハブを包含している。容積測定のエンベロープは弾薬帯又はマガジンによってさらに増大され、それによって、器具の全体寸法に対して保持され得る使い捨てのカニューレの数を著しく制限している。従って、内部に保管され得るカニューレの数を増大する注射器具のための保管アセンブリの必要性が存している。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一観点に従い、保管アセンブリは、薬物送達ペンによって用いられる新しいカニューレを保管する。
【0013】
本発明のもう1つの観点に従って、保管アセンブリはまた、使用済みのカニューレをも保管する。
【0014】
本発明のもう1つの観点に従って、保管アセンブリは、ユーザーによって運ばれるのに助けとなる。
【0015】
本発明のさらにもう1つの観点に従って、保管アセンブリは、ユーザーによって作動されたときに新しいカニューレを分配し、そして分配されたカニューレを薬物送達ペンに連結する。
【0016】
本発明の模範的な実施形態による保管アセンブリは、新しい及び使用済みのカニューレを保管し、そして患者によって作動されたときに新しいカニューレを分配する。保管アセンブリは薬物送達ペンと一体的に形成されてもよい。代わりに、保管アセンブリは薬物送達ペンに着脱自在に連結されてもよい。保管アセンブリ、すなわち、リボルバー(回転装置)は、保管アセンブリがユーザーによって機械的に作動されるごとに、マガジンから単一のカニューレを分配する。
【0017】
上述の目的は、薬剤送達器具と共に用いられる保管アセンブリによって達成される。第1のチャンバーはハウジング内に配置されている。複数の穿刺する部材が第1のチャンバーに保管されている。第2のチャンバーは注射において用いられた後に複数の穿刺する部材を保管するためにハウジング内に配置されている。ハウジング内に配置された移送ドラムは、穿刺する部材の1つを第1のチャンバーから注射位置まで、及び注射に続いて注射位置から第2のチャンバーまで移送する。
【0018】
上述の目的はまた、薬剤送達器具でもって注射を実行する方法によって達成される。複数の穿刺する部材の1つが第1のチャンバーから移送ドラムへ薬剤送達器具を回転することにより移送される。移送された穿刺する部材は、薬剤送達器具の継続する回転によって注射位置まで移動される。薬剤は、薬剤送達器具から移送された穿刺する部材を通して注射位置に注射される。使用された穿刺する部材は第2のチャンバーに移送される。
【0019】
本発明の目的、利点、及び顕著な特徴部は、本発明の模範的な実施形態を開示している添付の図面と連携してなされる以下の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の種々の実施形態の上記利益及び他の利点は、本発明の模範的な実施形態の以下の詳細な説明から及び添付の図面からより明らかになろう。
【0021】
【図1A】薬物送達ペンの斜視図である。
【図1B】薬物送達ペンの分解斜視図である。
【図2A】既存の薬物送達ペンに連結された本発明の模範的な実施形態によるリボルバー(回転装置)の正面図である。
【図2B】既存の薬物送達ペンに連結された本発明の模範的な実施形態によるリボルバー(回転装置)の側面図である。
【図2C】既存の薬物送達ペンに連結された本発明の模範的な実施形態によるリボルバー(回転装置)の斜視図である。
【図3】図2A−図2Cの保管アセンブリの内部にある構成部品の斜視図である。
【図4】図3の保管アセンブリの構成部品の分解斜視図である。
【図5】図4のアウトフィードのサブアセンブリの斜視図である。
【図6】図5のアウトフィードのサブアセンブリの分解斜視図である。
【図7】図4のインフィードのサブアセンブリの斜視図である。
【図8】図7のインフィードのサブアセンブリの分解斜視図である。
【図9】図4の移送サブアセンブリの斜視図である。
【図10】図9の移送サブアセンブリの分解斜視図である。
【図11】図4の駆動サブアセンブリの斜視図である。
【図12A】図11の駆動サブアセンブリの分解斜視図である。
【図12B】図12Aの駆動ギアの斜視図である。
【図13】図2A−2Cの保管アセンブリの分解斜視図である。
【図14A】図2A−2Cの保管アセンブリの頂面図である。
【図14B】図2A−2Cの保管アセンブリの頂面図である。
【図15】図2A−2Cの組立られた保管アセンブリの上方からの外側カバーが無い状態での斜視図である。
【図16】スプリングに負荷されたピンの拡大された斜視図である。
【図17】図2A−2Cの組立られた保管アセンブリの下方からの外側カバーが無い状態での斜視図である。
【図18】保管アセンブリのオペレーション(作用)を表示している図15の保管アセンブリの斜視図である。
【図19】図18の保管アセンブリの移送ドラムの断面図である。
【図20】移送ドラムに配置されたカニューレの周りの空きを示す拡大斜視図である。
【図21】サブアセンブリから移送ドラムへのカニューレの移動を示しているリボルバー(回転装置)の下方からの斜視図である。
【図22】ハブジョーの開いた位置での拡大斜視図である。
【図23】完全に前進されたカニューレを示している保管アセンブリの斜視図である。
【図24】移送ドラム及びカニューレの移動を示している保管アセンブリの上方からの斜視図である。
【図25】移送ドラムから取外されている使用済みのカニューレを示している保管アセンブリの拡大された上面図である。
【図26A】種々のカニューレ形態の側面図である。
【図26B】種々のカニューレ形態の側面図である。
【図26C】種々のカニューレ形態の側面図である。
【図26D】種々のカニューレ形態の側面図である。
【図26E】種々のカニューレ形態の側面図である。
【図26F】種々のカニューレ形態の側面図である。
【図27】保管アセンブリの構成部品のオペレーション(作用)中の運動を示しているテーブルである。
【図28】ハブジョーが開いた位置にある流体経路を示している保管アセンブリの断面での立面図である。
【図29】ハブジョーが閉じた位置にある流体経路を示している保管アセンブリの断面での立面図である。
【図30】閉じた位置にあるハブジョーの断面の拡大された立面図である。
【0022】
図面の全体に亘り、同一参照符号は同一の部分、構成部品、及び構造を意味するものと理解される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図2A−2Cは、薬物送達ペン201と共に用いるための本発明の模範的な実施形態に従う保管アセンブリ211を解説している。図2A−2Cの保管アセンブリ211と共に用いられるカニューレ221は、下記のように、図26Aに示されている。他のカニューレの形態は図26B‐26Fに示されている。保管アセンブリによって保持されるカニューレの数を最大にするために、カニューレは好ましくはオーバーモールドされず、そしてそれの供給及び取扱いのための特徴部はカニューレの円筒状エンベロープの内部にある。かくて、保管アセンブリのコストは現存する複数ニードル器具に対して低減される。カニューレの生産に関連する製造作業は簡素化かつ軽減される。例えば、本発明の模範的な実施形態に従うカニューレは、ハブの成形及びエポキシ樹脂での接着組立を必要としない。
【0024】
例えば、図2A−2Cに示されるような、本発明の模範的な実施形態に従う保管アセンブリ211は、多数のカニューレを保持することができる。例えば、100本のカニューレを保持する保管アセンブリは、ユーザーが一月のうちの日ごとに3回、カニューレを交換することを許容し、その結果、保管アセンブリは月ごとにのみ補充される必要がある。保管アセンブリの保管能力の増大は、オーバーモールドされない、又はプラスチック成形されたハブにエポキシ樹脂で接着されないカニューレを用いることによって部分的に得られ、それによって、保管アセンブリの保管能力を増大し、かつ一体のハブを有するカニューレを用いている注射器具に対しての注射器具の使用サイクル数を増大している。オーバーモールドされたハブを含んでいるカニューレ形態は、図26B、26E及び26Fに示され、そして円筒状のカニューレのエンベロープを0.010インチ(0.025cm)の直径から0.060インチ(0.152cm)の直径に増大させ、その結果、保管アセンブリに保持され得るカニューレの数が約20から30本の間のカニューレに減少されている。このように、かかる保管アセンブリを含んでいる注射器具は週ごとの器具である。しかしながら、かかる注射器具は保管アセンブリの構成部品に対してより寛大な許容誤差を許している。
【0025】
現存するペンニードル20(図1B)に用いられているオーバーモールドされかつエポキシ樹脂で接着されたハブは、本発明の模範的な実施形態において、再使用可能なハブで置き換えられている。再使用可能なハブの開口は可変で、カニューレが移送ドラムから最前端位置に前進される間、開口がカニューレの直径よりも大きくなるように、直線状のハブカムで制御される。カニューレが最前端位置にあるときは、当該ハブがカニューレの周りを圧縮し、カニューレのクロスポートを通るシールされた流体経路をもたらす。
【0026】
図2A−2Cの保管アセンブリ211、すなわち、リボルバー(回転装置)は、図3、4、及び13に示されるように、インフィードのアセンブリ231、インフィードのスプリング(すなわち、トーションスプリング)241、移送ドラム251、複数の移送スライド261、ギアアセンブリ271、ロータリーカム281、再使用可能なカニューレハブ291、及び直線状のカム295を含んでいる。内部の構成部品は、図13に示されるように、頂部215を有している外側カバー213内に配置され、頂部215は保管アセンブリ211をシールすべく外側カバー213に結合されている。保管アセンブリ211は薬物送達ペン201に連結可能である。保管アセンブリは、注射中、薬物送達ペン201に連結されて残る。使用済みのカニューレは、保管アセンブリ211が薬物送達ペン201に連結されて残りつつ、保管アセンブリ211のアウトフィードのアセンブリ245内に保管される。従って、全てのカニューレ221が使用されたとき、保管アセンブリ211は薬物送達ペン201から取外され、そして全体の保管アセンブリ211が適切に処分される。新しいカニューレ221を包含する新しい保管アセンブリ211が薬物送達ペン201に連結される。
【0027】
インフィードのアセンブリ231、すなわち、マガジンは、図7及び8に示されるように、カニューレ221をインフィードのカバー233の内周辺の周りに1列に互いに隣り合わせて保持する。カニューレ221は、インフィードのカバー233とインフィードのガイド235との間に配置されている。インフィードのブレード237が最後のカニューレ221に隣り合ってインフィードのカバー233とインフィードのガイド235との間に配置されている。
【0028】
インフィードのスプリング241、すなわち、トーションスプリングは、図7及び8に示されるように、インフィードのガイド235の突出部236及びインフィードのブレード237の間に連結されている。当該スプリング241はインフィードのアセンブリ231内のカニューレ221に一定の背圧を加えている。円弧形状のインフィードのアセンブリ231は、図3に示されるように、移送ドラム251に実質的に直立して会合している。インフィードのアセンブリ231の基部において円弧のほぼ中心に位置されているインフィードのスプリング241は、最後尾のカニューレ221に接触しているインフィードのブレード237に力を加え、それによって、カニューレの列に背圧を及ぼす。
【0029】
移送ドラム251は、図9及び10に示されるように、最先頭のカニューレ221を注射の軸線へ割出し、かつ、それから割出す。移送ドラム251は、つめないしはラテェット(不図示)によって両方向に回ることが制限されており、それ故に、カニューレをインフィードのアセンブリ231から注射の軸線220へ、及び注射の軸線からアウトフィードのアセンブリ245へのみ前進させることができる。
【0030】
複数の移送スライド261が移送ドラム251には不可欠であり、割出されたカニューレ221を保持する。各移送スライド261は好ましくは、図10に示されるように、移送ドラム251の開口253の1つに配置されている。移送スライド261はまた、保持されたカニューレ221を前進させ、かつ後退させる。図9及び10に示されるように、4つの移送スライド261が移送ドラム251に連結されて示されている。各移送スライド261は、カニューレ221を受け取るスロット263を有している。リターンスプリング265が各移送ドラム開口253内に配置され、図9に示されるように、移送スライド261を上方へ付勢している。
【0031】
3つのスロット255、256及び257は、図9及び10に示されるように、各移送ドラム開口253に関連付けられている。中央のスロット256は外側のスロット255及び257の間に配置されている。好ましくは、中央のスロット256は、ほぼ同じ長さである外側スロット255及び257よりも長い。中央のスロットは、好ましくは、図9に示されるように、移送ドラム251の全長に沿って延在する。中央のスロット256は、カニューレ221を受け取る移送スライド261の部分が、それすなわち移送スライドのスロット263を通って摺動するのを許容する。外側スロット255及び257は、ロータリーカム281が、図17に示されるように、移送スライド261に接触しかつそれを下方に移動させるべく、それを通過するのを許容する。ロータリーカム281が外側スロット255及び257を抜け出るとき、リターンスプリング265は、図19に示されるように、移送スライドをその元の位置まで上方へ移動させる。
【0032】
移送スライド保持リング262は、図9に示されるように、移送ドラムシャフト264上に配置されている。当該保持リング262は、リターンスプリング265による移送スライド261の上方への移動を制限している。保持リング262は、各移送ドラム開口253の部分の上方に延在し、それによって、開口253内での移送スライド261の上方への移動を制限している。
【0033】
ギアアセンブリ271は、図11、12及び12Aに示されるように、移送ドラム251のインデックス(割出)及びドエル(一時停止)サイクルを制御する。ギアアセンブリ271の駆動ギア273は、図2Cに示されるように、薬物送達ペン201のバレル203に連結される。ギアアセンブリ271の被駆動ギア275は、図14A及び14Bに示されるように、移送ドラム251のシャフト264に連結されている。複数のスロット276が駆動ギア273の突起274に係合すべく被駆動ギア275に配置されている。ペンのバレル203が保管アセンブリ211に対して回されるとき、カニューレ221は上述の位置を通って前進する。好ましくは、ギアアセンブリ271はゼネバ歯車機構である。
【0034】
ゼネバ歯車機構は、移送ドラム及びカニューレに対して、間歇的な選択肢、すなわち、インデックス/ドエルを提供する。ゼネバ歯車機構の代替は、典型的には、平行シャフト割送り装置に用いられているカム配列を含む。
【0035】
ロータリーカム281は、図11、12及び12Aに示されるように、ギアアセンブリ271の駆動ギア273と一体で、そして移送スライド261の前進を生じさせる。移送スライド261の後退は、リターンスプリング265と組み合わせてロータリーカム281により生じさせられる(図10)。
【0036】
再使用可能なカニューレハブ291は、カニューレ221の位置に応じて、それぞれ、誘導、整列、又はシールされた流体経路をもたらすべく、開成又は閉成される2つのジョー292及び293を含んでいる。内側のジョー292は、図11に示されるように、外側のジョー293内に配置されている。流体経路が薬瓶205から外側のハブジョー293まで延在している。ハブジョー292及び293の各々は、図22及び23に示されるように、カニューレの直径の周りにシールをもたらすべく、それぞれ、カニューレ221のクロスポート223に整列するエラストマー部分296及び297を有している。好ましくは、エラストマー部分296及び297はオーバーモールディングによって形成される。
【0037】
直線状のカム295、すなわち、ハブカムは、図11及び12に示されるように、ハブジョー292及び293を制御し、ギアアセンブリ271の駆動ギア273と一体である別のロータリーカム283によって駆動される。ハブジョー292及び293は、外側カバー213内に配置されたキャビティ内に保持されている。ハブジョー292及び293には、ハブジョーを離れる方向に付勢すべくばね(不図示)荷重が掛けられ、すなわち、エラストマー部分296及び297が互いに離間されている。直線状のカム295は、ハブジョー292及び293を閉じるべく用いられている。直線状のカム295は、ハブジョーの間の開口が開成及び閉成の両位置において、図17に示されるように、注射の軸線220上に中心付けられるように、ハブジョー292及び293に係合している。直線状のカム295は、駆動ギア273の底表面に接触して残るべく上方へばね荷重が掛けられている。駆動ギア273から延びている第2のカム283は、直線状のカム295を前進させ、そして駆動ギア273が回転するにつれハブジョー292及び293を閉じるべく、直線状のカム295に係合している。図12,22、及び30に示されるように、直線状のカム295の端部290は、内側ジョー292及び外側ジョー293の傾斜表面298及び299に係合し、それによって、外側及び内側のジョーを閉成位置(すなわち、カニューレ221がハブジョー292及び293のエラストマー部分296及び297の間でシールされている)位置に移動させる。
【0038】
保管アセンブリ211は以下のように作用する。インフィードのスプリング241は、図21に示されるように、インフィードのアセンブリ231内に配置されたカニューレ221の列に背圧を与える。ペンのバレル203が保管アセンブリ211に対して回されたとき、図15及び18に示されるように、移送ドラム251はインフィードのアセンブリ231の端部のそばを通り、かつ最先頭のカニューレ221が移送ドラム251のスライド261の中央のスロット256内に前進する。カニューレ221の下部ないしは鋭利な端部225は、一般に、図9及び10に示されるように、移送ドラム251の底部に位置されたスロット258に整列され、かつ案内される。代わりに、図20に示されるように、移送ドラム251の基部のスロット258は、カニューレ221の外部特徴部、例えば、(図26Fのカニューレ701に示されているような)オーバーモールドスリーブへの誘導を提供すべく拡幅されてもよい。駆動ギアの突起274は被駆動ギア275のスロット276に係合し、それによって、移送ドラム251を回転させ、図15に示されているピックアップ位置から図17に示されている注射位置へ移送スライド261内のカニューレ221を移動させる。移送ドラム251は、図17に示されるように、おおよそ90度に割り出し、注射の軸線220に整列された位置に一時停止する。移送ドラム251が一時停止するのは、おおよそ90度回った後、駆動ギアの突起274が被駆動ギアのスロット276を抜け出すので、それによって移送ドラム251の回転を停止させ、移送ドラムを一時停止状態に置くからである。突起274は、図16に示されるように、スプリングに負荷されたピン294に係合し、それによって、注射位置において、駆動ギア273に対する積極なストッパを提供している。
【0039】
ペンバレル203の回転が続くにつれ、保持されたカニューレ221を備える移送スライド261は、図17及び23に示されるように、ギアアセンブリ271の駆動ギア273の底部におけるロータリーカム281により接触される。移送スライド261は、カニューレ221の鋭利な端部225が再使用可能なハブの2つの開いているジョー292及び293を通過するように、前進する。移送スライド261が完全に前進された後、すなわち、カニューレが注射のために適切な延伸状態に前進されると、移送スライドは完全に前進された位置に一時停止する。
【0040】
ロータリーカム281を回転させるべく駆動ギア273が回転されるとき、ギアアセンブリ271の駆動ギア273の底部における第2のロータリーカム283もまた回転される。第2のロータリーカム283は、図22及び30に示されるように、カニューレ221のクロスポート223の周りの再使用可能なハブのジョーを閉じるべく、直線状のカム(ハブカム)295を前進させる。駆動ギアのさらなる回転はスプリングに負荷されたピン294に係合している突起274によって防止されている。注射が、今や、薬物送達ペン201によってなされ得る。
【0041】
流体経路が、図28−30に示されている。駆動ギア273は薬物送達ペン201(図2A−2C)のバレル203の回転によって回される。代わりに、ユーザーが保管アセンブリ211を作動させるのを許容すべく、サムホイール(指回し式円形版)が駆動ギアに連結されてもよい。ボス801は、シャフト264を貫通している流体ニードル803の回転を妨げるべく、移送ドラムのシャフト264及びハウジングの外側カバー213(図2C)に係合している。滑り嵌合スリーブ805は、流体ニードル803を位置付け、そして移送ドラム251の整列を促進する。移送ドラムのボス807は、移送ドラム251の整列をさらに促進すべく、ハウジングの外側カバー213(図2C)に係合している。流体ニードル803の一端部は、送達される薬剤が格納されている薬物送達ペン内の薬瓶に連結される。流体ニードル803の他端部804は、図28及び29に示されるように、流体連結器に連結されている。ハブジョー292及び293は、図28において開いた位置にあり、すなわち、エラストマー部分296及び297が互いに離間されている。
【0042】
ハブジョー292及び293が、図29及び30に示されるように、閉じられたとき、
エラストマー部分296及び297は、上述のようにカニューレ221との間をシールすべく共に移動する。入れ子式スリーブ811が外側ハブジョー293内に成形されており、そして外側ハブジョー293を流体連結器809に連結している。流体ニードル803の端部804は、好ましくは、O−リング、ワイプシール、又は隔膜を介して流体連結器809に係合すべく、丸み付けられる。入れ子式スリーブ811は流体連結器809の分割隔膜813を通って通過している。
【0043】
図29及び30に示されるように、薬物送達ペン201の薬瓶(図2C)とカニューレ221との間に流体経路が創成されている。流体は、薬瓶から流体ニードル803を通り流体連結器809に通過する。カニューレ221にシールを創成すべくハブジョー292及び293が閉じられるとき、流体は、薬剤が注射位置に送達され得るように、流体連結器809からスリーブ811を介してカニューレ221のクロスポート223(図26A)に通過する。
【0044】
注射が行われた後、ユーザーは、図16に示されている停止された位置からペンバレル203のさらなる回転を可能にすべく、スプリングピン294のような手動のラッチを解放する。ペンのバレル203がさらに回されるにつれ再使用可能なハブのジョーが開かれ、使用済みのカニューレ221が移送スライド261を上方へ押しているリターンスプリング265によって後退させられ、移送ドラム251は割出し、そして使用済みのカニューレ221は、図24及び25に示されるように、移送ドラム251から取外されてアウトフィードのアセンブリ245に移送される。図4−6、及び25に示されるように、アウトフィードのカバー247に配置された少なくとも1つのフィンガー248は、使用済みのカニューレ221を移送スライド261からアウトフィードカバー247とアウトフィードのガイド249との間に形成されたトラック内に引き込む。使用済みのカニューレ221は、保管アセンブリ221が廃棄されるまで、アウトフィードアセンブリ内に保管される。保管アセンブリ211に対してのペンバレル203の360度の1回転が、図27に詳記されているような、完全な割出/前進/後退/取出のサイクルをもたらす。
【0045】
インフィード及びアウトフィードのトラックにおいてカニューレ221を適切に前進させるために、各カニューレは、円筒状エンベロープの外側表面においてカニューレ長さのおおよそ60%から70%の距離離れている最小2つの点で、隣り合うカニューレに接触している。誘導、整列、及び流体経路のためのようなカニューレの特徴部は、好ましくは、この円筒状エンベロープ内にある。ハブなしのカニューレ(図26A、26B、及び26D)については、誘導、整列、及び流体経路のためのかかる追加の特徴部は、好ましくは、0.010インチ、すなわち、0.025cm直径の円筒状エンベロープの内部にある。
【0046】
アウトフィードのトラックの代替形態は、アウトフィードのチャンバー(不図示)ないしはチャンバーに導く短い逃げである。移送ドラム251がアウトフィードのトラックへ回るとき、トラック内のフィンガーが使用済みのカニューレを移送ドラムから取り除き、そしてカニューレ221が前進するにつれそれはチャンバーに入る。
【0047】
保管アセンブリは、各カニューレが一度を越えて使用されることを防止するための特徴部を含んでもよい。流体経路に位置された流体ゲートないしは二方弁(不図示)、又は外側のハブジョーが、各注射サイクル中又はその終わりに閉じられる。注射に続いての装置のさらなる回転を可能にする(又は、回転運動を保証する)手動で作動されるラッチが、流体の流れを制御するゲートをリセットするために用いられる。代わりに、保管アセンブリは使用済みカニューレの再使用を防止するための電気回路を含んでいる「スマート」インスリンペンと共に用いられ得る。
【0048】
本発明の模範的な実施形態に従う保管アセンブリは、カニューレがオーバーモールドされるか、又は現存するペンニードル20(図1B)と同じようにより大きな直径のハブに取付けられることを必要としない。保管アセンブリは、小さなゲージのシリンダー及びチューブを移送する。図26A−26Fは、保管アセンブリと共に用いられる種々のカニューレ形態を示している。カニューレの形態に応じて保管アセンブリの幾らかの修正は必要であろう。カニューレは、好ましくは、その適切な制御及び移送を促進するために、カニューレの円筒状エンベロープ内にある追加の特徴部で修正されてもよい。例えば、図26A及び26Dに示されるように、カニューレはカニューレの鋭利な端部の近傍に流体経路をもたらすべく、流体が流れるクロスないしは側部ポートを有してもよい。図26A、26D、26E及び26Fに示されるように、カニューレは、保管アセンブリ内でカニューレの整列及び位置を維持するため、及び後退中にカニューレを保持するために、溝を有してもよい。
【0049】
カニューレ221は、図26Aに示されるように、四角の端部226から短い距離に位置された溝225を有してもよい。溝225はカニューレ221の四角の端部226からの流体の流れを停止させ、かつまた保管アセンブリ211の移送機構との環状の係合を提供する。カニューレ221のクロスポート223は、カニューレ221を通る流体の流れのための流体経路を提供する。
【0050】
図26Bに示されるように、カニューレには注射するために第1の鋭利な端部303が設けられている。プラスチックのオーバーモールドされたハブ307及び309が、保管アセンブリの構成部品のためにより寛大な許容誤差を許容すべく、カニューレ301に配置されている。
【0051】
もう1つの模範的な実施形態のカニューレ401は、図26Cに示されるように、保管アセンブリの構成部品により寛大な許容誤差を許容すべく、穴のあいた端部403及びカニューレ401にレーザー留めされた金属のスリーブ407を含んでいる。
【0052】
追加の溝が、図26Dのカニューレ501に示されるように、係合を増大すべくカニューレに形成されてもよい。カニューレ501は、カニューレの四角の端部504に近接して第1の溝503を有している。第2の溝505は、クロスポート507の上方に形成されている。クロスポート507の上方の第2の溝505は、シールされている、カニューレの上方部分への過剰な流体の流れを実質的に排除し、そしてカニューレ501のシールされている部分における空隙容量の圧縮による垂れ(ドルーリング;drooling)を実質的に防止する。
【0053】
もう1つの模範的な実施形態のカニューレ601は、図26Eに示されるように、複数のオーバーモールドされたプラスチックのハブ603及び605を含んでいる。溝609が、移送機構との係合をもたらすべく、ハブ605の2つの端部の間に配置されている。
【0054】
もう1つの模範的な実施形態のカニューレ701は、図26Fに示されるように、カニューレの軸方向長さの大半に沿って延在しているオーバーモールドされたプラスチックのハブ703を含む。溝709は、移送機構との係合のために、鋭利な端部707から遠くにプラスチックのハブ703に配置されている。
【0055】
注射器具は、注射器具に配置されたカニューレを交換するために、動力付きユーザーインターフェースを含むことができる。当該動力付きユーザーインターフェースは、動力を供給するバッテリー、カニューレの交換を手動で制御するためのプッシュボタン、及びボタンが押されたとき交換を行うためのプッシュボタンとバッテリーとの間の制御回路を含むことができる。
【0056】
2つのエラストマー被覆のハブジョーの代替として、単一のエラストマーの環状リングがカニューレに配置されてもよい。カムで作動されるジョーが、環状リングをカニューレの外側表面に対して圧縮し、それによって、シールされた流体経路を提供する。
【0057】
もう1つの模範的な実施形態において、カニューレは2つの隔膜を穿通する。カニューレが完全に前進されたとき、カニューレのクロスポートは2つの隔膜の間に配置され、それによって、流体の流れを可能にする。
【0058】
ギアアセンブリの代替として、平行シャフト割送り装置がギアアセンブリとして同様のインデックス/ドエル運動を提供するために用いられてもよい。
【0059】
カニューレは、ユーザーが曲がったカニューレを保管アセンブリから抜き取ることができるように、ばね荷重が掛けられたエレメントによって移送スライド内に保持されてもよい。
【0060】
正運動(前進)のために直線状の及び回転カム、そして負方向運動(後退)のためにスプリングでの戻りが用いられてもよい。上昇及び下降、カム表面の間の接触角、及びカムタイミングは、例えば、100から300rpmの低から中速度で作動する機械式カムについて一般に受け入れられている設計基準に基づくことができる。
【0061】
プライミング(呼び水)容積は最小にされる。というのも、カニューレの内部にある流体経路はカニューレの鋭利な端部からクロスポートのみにまで延在しているからである。ドルーリングは、カニューレ内の空隙容量及び流体容量を減少させることによって最小にすることができる。ドルーリングは、カニューレクロスポートに隣接した流体経路内、例えば、外側のハブジョーに逆止め弁を導入することによってさらに最小にすることができる。
【0062】
カニューレ221は、図26Aに示されるように、おおよそ0.010インチ(0.025cm)の直径、及びおおよそ0.70インチ(1.78cm)の長さを有することができる。保管アセンブリ211(図2A−2C)の全体の長さは、おおよそ1.50インチ(3.81cm)の幅、1.00インチ(2.54cm)の深さ、及び1.75インチ(4.45cm)の高さであってもよい。保管アセンブリのこれらの寸法は、インフィードの及びアウトフィードのアセンブリを、それらが移送ドラムの外側直径に密に合致するように空洞化することによって低減させることができる。
【0063】
本発明の模範的な実施形態において、インフィードのアセンブリに保管されている各新しい(すなわち、注射のために用いられる前の)カニューレは、個々に滅菌されており、それによって、使用済みのカニューレによる新しいカニューレの汚染を防止している。例えば、各新しいカニューレに対して滅菌バリアが設けられている。例えば、製造及びアセンブリプロセスの最後に、頂部カバー215が外側カバー213に対してシールされ、それによって、保管アセンブリ211を滅菌する、すなわち、各カニューレが個々に滅菌される。当該滅菌されているカニューレはインフィードのアセンブリ231に保管され、そして使用済みのカニューレはアウトフィードのアセンブリ245に移送されて、そこに保管される。交差汚染が生じないことを確実にするために、移送スライド261は、注射中にカニューレが細胞組織を穿刺することのない部分に接触する。ハブジョー292及び293もまた、注射中にカニューレが細胞組織を穿刺することのない部分に接触する、すなわち、ハブジョーはカニューレ221の後退の前に開いている。
【0064】
本発明のもう1つの模範的な実施形態では、各使用済みのカニューレはユーザーが緊急時に使用済みのカニューレにアクセスし得るようにアクセス可能に残っている。代わりに、最後のカニューレのみが常にアクセス可能であり、それによって、緊急時に入手可能なカニューレを提供する。
【0065】
上述の詳細な説明は、図2A−2Cに示されるような薬物送達ペン201と共に用いるための本発明の模範的な実施形態に従う保管アセンブリ211を示す図面を参照したが、本発明はランサーと共に用いられる探り針(stylet)を保管する保管アセンブリにも等しく適用可能である。探り針の保管アセンブリは、ランサーに一体的に形成されるか、又は着脱可能に連結されてもよい。探り針の保管アセンブリは、上述のカニューレの保管アセンブリと実質的に同じである。
【0066】
上述の実施形態及び利点は、単に例示であって、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。本発明の模範的な実施形態の説明は、実例となるべく意図されており、本発明の範囲を制限しない。種々の修正、代替、及び変動は、当業者には容易であり、そして添付の請求項及びそれらの均等物に定義される本発明の範囲内に入ることが意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達器具に連結可能なハウジング、
前記ハウジングに配置された第1のチャンバー、
前記第1のチャンバーに保管されている複数の穿刺する部材、
前記複数の穿刺する部材を注射において用いられた後に保管するために、前記ハウジングに配置された第2のチャンバー、及び
前記穿刺する部材の1つを前記第1のチャンバーから注射位置に、及び注射に続いて前記注射位置から前記第2のチャンバーに移送するために、前記ハウジングに配置された移送ドラム、
を備えることを特徴とする保管アセンブリ。
【請求項2】
前記組合せの一部として、前記ハウジングに連結された薬剤送達器具を備えることを特徴とする請求項1に記載の保管アセンブリ。
【請求項3】
突起を有する駆動ギアが薬剤送達器具に連結され、及び複数のスロットを有する被駆動ギアが前記移送ドラム連結され、
前記突起が前記複数のスロットの1つに係合したとき、前記駆動ギアの回転が前記被駆動ギアを回転させる
ことを特徴とする請求項1に記載の保管アセンブリ。
【請求項4】
前記移送ドラムには複数の開口が形成され、及び
移送スライドが前記複数の開口の各々に移動可能に配置され、かつ前記穿刺する部材の1つを前記第1のチャンバーから受け取るべく適合され、前記移送スライドは前記穿刺する部材が前記ハウジング内にある第1の位置と前記穿刺する部材が注射を実行すべく前記ハウジングのドラムから延在している第2の位置との間を移動可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の保管アセンブリ。
【請求項5】
スプリングが前記移送スライドを前記第1の位置に付勢している
ことを特徴とする請求項4に記載の保管アセンブリ。
【請求項6】
前記駆動ギアに連結された回転カムが前記移送スライドを前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させる
ことを特徴とする請求項4に記載の保管アセンブリ。
【請求項7】
スプリングが、前記複数の穿刺する部材を前記第1のチャンバーから前記移送ドラムに移送されるべき位置に付勢している
ことを特徴とする請求項4に記載の保管アセンブリ。
【請求項8】
前記移送ドラムに連結された保持リングが、前記移送スライドの前記スプリングによる前記第1の位置への戻りの運動を制限している
ことを特徴とする請求項5に記載の保管アセンブリ。
【請求項9】
前記ハウジングに配置された流体連結器は薬剤送達器具に流体連通され、前記流体連結器は、前記穿刺する部材が前記第2の位置にあるときに、前記穿刺する部材に流体連通している
ことを特徴とする請求項4に記載の保管アセンブリ。
【請求項10】
前記穿刺する部材が前記第2の位置にあるときに、前記流体連結器と前記穿刺する部材との間の連結部の周りにシールが形成される、
ことを特徴とする請求項9に記載の保管アセンブリ。
【請求項11】
前記穿刺する部材の周りに前記シールを創成すべく、直線状のカムが前記駆動ギアのハブカムによって係合されている、
ことを特徴とする請求項9に記載の保管アセンブリ。
【請求項12】
前記穿刺する部材が前記第2の位置にあるときに、前記駆動ギアのさらなる回転を停止させるべくストッパ部材が前記駆動ギアの突起によって係合される、
ことを特徴とする請求項3に記載の保管アセンブリ。
【請求項13】
前記ストッパ部材は、前記駆動ギアのさらなる回転を許容するために手動で解放される、
ことを特徴とする請求項12に記載の保管アセンブリ。
【請求項14】
前記穿刺する部材を前記移送ドラムの前記移送スライドから前記第2のチャンバーへ移送するのを促進するために、フィンガーが前記第2のチャンバーから外方に延在している、
ことを特徴とする請求項4に記載の保管アセンブリ。
【請求項15】
前記穿刺する部材の側部のポ−トは、前記穿刺する部材が前記第2の位置にあるとき、前記流体連結器に流体連通する、
ことを特徴とする請求項11に記載の保管アセンブリ。
【請求項16】
薬剤送達器具によって注射を実行する方法であって、
薬剤送達器具を回すことによって、複数の穿刺する部材の1つを第1のチャンバーから移送ドラムへ移送させる、
薬剤送達器具を継続して回すことによって、移送された穿刺する部材を注射位置に移動させる、
移送された穿刺する部材を通して薬剤送達器具から注射位置に薬剤を注射する、及び
使用された穿刺する部材を第2のチャンバーに移送させる、
ステップを備えることを特徴とする方法。
【請求項17】
穿刺する部材が注射位置にあるときに薬剤送達器具のさらなる回転を防止すること、
をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の薬剤送達器具によって注射を実行する方法。
【請求項18】
第1のチャンバーに保管されている全ての穿刺する部材が使用されたとき、使用された穿刺する部材の第2のチャンバーを廃棄すること、
をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の薬剤送達器具によって注射を実行する方法。
【請求項19】
薬剤送達器具のさらなる回転を防止することは、薬物送達ペンに連結されている駆動ギアをラッチに係合させることを含むことを特徴とする請求項17に記載の薬剤送達器具によって注射を実行する方法。
【請求項20】
他の注射を実行するためにラッチを解放することをさらに備えることを特徴とする請求項19に記載の薬剤送達器具によって注射を実行する方法。
【請求項1】
薬剤送達器具に連結可能なハウジング、
前記ハウジングに配置された第1のチャンバー、
前記第1のチャンバーに保管されている複数の穿刺する部材、
前記複数の穿刺する部材を注射において用いられた後に保管するために、前記ハウジングに配置された第2のチャンバー、及び
前記穿刺する部材の1つを前記第1のチャンバーから注射位置に、及び注射に続いて前記注射位置から前記第2のチャンバーに移送するために、前記ハウジングに配置された移送ドラム、
を備えることを特徴とする保管アセンブリ。
【請求項2】
前記組合せの一部として、前記ハウジングに連結された薬剤送達器具を備えることを特徴とする請求項1に記載の保管アセンブリ。
【請求項3】
突起を有する駆動ギアが薬剤送達器具に連結され、及び複数のスロットを有する被駆動ギアが前記移送ドラム連結され、
前記突起が前記複数のスロットの1つに係合したとき、前記駆動ギアの回転が前記被駆動ギアを回転させる
ことを特徴とする請求項1に記載の保管アセンブリ。
【請求項4】
前記移送ドラムには複数の開口が形成され、及び
移送スライドが前記複数の開口の各々に移動可能に配置され、かつ前記穿刺する部材の1つを前記第1のチャンバーから受け取るべく適合され、前記移送スライドは前記穿刺する部材が前記ハウジング内にある第1の位置と前記穿刺する部材が注射を実行すべく前記ハウジングのドラムから延在している第2の位置との間を移動可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の保管アセンブリ。
【請求項5】
スプリングが前記移送スライドを前記第1の位置に付勢している
ことを特徴とする請求項4に記載の保管アセンブリ。
【請求項6】
前記駆動ギアに連結された回転カムが前記移送スライドを前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させる
ことを特徴とする請求項4に記載の保管アセンブリ。
【請求項7】
スプリングが、前記複数の穿刺する部材を前記第1のチャンバーから前記移送ドラムに移送されるべき位置に付勢している
ことを特徴とする請求項4に記載の保管アセンブリ。
【請求項8】
前記移送ドラムに連結された保持リングが、前記移送スライドの前記スプリングによる前記第1の位置への戻りの運動を制限している
ことを特徴とする請求項5に記載の保管アセンブリ。
【請求項9】
前記ハウジングに配置された流体連結器は薬剤送達器具に流体連通され、前記流体連結器は、前記穿刺する部材が前記第2の位置にあるときに、前記穿刺する部材に流体連通している
ことを特徴とする請求項4に記載の保管アセンブリ。
【請求項10】
前記穿刺する部材が前記第2の位置にあるときに、前記流体連結器と前記穿刺する部材との間の連結部の周りにシールが形成される、
ことを特徴とする請求項9に記載の保管アセンブリ。
【請求項11】
前記穿刺する部材の周りに前記シールを創成すべく、直線状のカムが前記駆動ギアのハブカムによって係合されている、
ことを特徴とする請求項9に記載の保管アセンブリ。
【請求項12】
前記穿刺する部材が前記第2の位置にあるときに、前記駆動ギアのさらなる回転を停止させるべくストッパ部材が前記駆動ギアの突起によって係合される、
ことを特徴とする請求項3に記載の保管アセンブリ。
【請求項13】
前記ストッパ部材は、前記駆動ギアのさらなる回転を許容するために手動で解放される、
ことを特徴とする請求項12に記載の保管アセンブリ。
【請求項14】
前記穿刺する部材を前記移送ドラムの前記移送スライドから前記第2のチャンバーへ移送するのを促進するために、フィンガーが前記第2のチャンバーから外方に延在している、
ことを特徴とする請求項4に記載の保管アセンブリ。
【請求項15】
前記穿刺する部材の側部のポ−トは、前記穿刺する部材が前記第2の位置にあるとき、前記流体連結器に流体連通する、
ことを特徴とする請求項11に記載の保管アセンブリ。
【請求項16】
薬剤送達器具によって注射を実行する方法であって、
薬剤送達器具を回すことによって、複数の穿刺する部材の1つを第1のチャンバーから移送ドラムへ移送させる、
薬剤送達器具を継続して回すことによって、移送された穿刺する部材を注射位置に移動させる、
移送された穿刺する部材を通して薬剤送達器具から注射位置に薬剤を注射する、及び
使用された穿刺する部材を第2のチャンバーに移送させる、
ステップを備えることを特徴とする方法。
【請求項17】
穿刺する部材が注射位置にあるときに薬剤送達器具のさらなる回転を防止すること、
をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の薬剤送達器具によって注射を実行する方法。
【請求項18】
第1のチャンバーに保管されている全ての穿刺する部材が使用されたとき、使用された穿刺する部材の第2のチャンバーを廃棄すること、
をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の薬剤送達器具によって注射を実行する方法。
【請求項19】
薬剤送達器具のさらなる回転を防止することは、薬物送達ペンに連結されている駆動ギアをラッチに係合させることを含むことを特徴とする請求項17に記載の薬剤送達器具によって注射を実行する方法。
【請求項20】
他の注射を実行するためにラッチを解放することをさらに備えることを特徴とする請求項19に記載の薬剤送達器具によって注射を実行する方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図26D】
【図26E】
【図26F】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図26D】
【図26E】
【図26F】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2012−40390(P2012−40390A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−177936(P2011−177936)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177936(P2011−177936)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
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