説明

注意喚起制御装置および注意喚起制御方法

【課題】自車両の方向指示器が示す進行方向と自車両の直近の交差点での進行方向とが異なる場合において生ずるこのような誤認の可能性を低減することができない。
【解決手段】自車両の走行予定経路を示す走行予定経路情報を取得し、方向指示器の動作状態を示す方向指示器動作情報を取得し、前記走行予定経路上の交差点の存在を示す交差点情報を取得し、前記走行予定経路情報が示す前記自車両の前方の右左折すべき交差点と前記自車両との間に他の交差点が存在するときに前記方向指示器が起動すると、前記方向指示器を視認する観者に対して注意喚起するための制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方向指示器を視認する観者に対して注意喚起するための注意喚起制御装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自車両の挙動を他車両の運転者や歩行者に予告する車載装置として方向指示器が知られている。また特許文献1には、ヘッドランプ、レーザ照射装置またはプロジェクタを用いて交差点での自車両の通行に対して他車両や歩行者の注意を喚起する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−306894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
右左折が予定されている交差点から近距離範囲内に駐車場などの施設の出入口通路と自車両の走行路との交差点が存在する場合、前記右左折が予定されている交差点で左折しようとする自車両の運転者が施設の出入口の交差点の手前で方向指示器を起動する場合がある。このような場合、施設の出入口に存在する他車両の運転者は、自車両の方向指示器が示す左折の点滅表示が施設の出入口に進入する意思表示であると誤認する可能性がある。
【0004】
しかし、従来の技術では、自車両の方向指示器が示す進行方向と自車両の直近の交差点での進行方向とが異なる場合において生ずるこのような誤認の可能性を低減することができない。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、方向指示器の表示によって車両の進行方向が誤って推定される可能性を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、自車両の前方の右左折すべき交差点と自車両との間に他の交差点が存在する状態で方向指示器が起動したときに、方向指示器を視認する観者に対して注意喚起するための制御を行う。従って、観者は、この注意喚起に基づいて前記右左折すべき交差点と自車両との間の前記他の交差点に進入してよいのかどうか注意しながら自らの行動を決定することができる。このため、方向指示器の表示によって観者が自車両の進行方向を誤って推定し、自車両の前に他車両が移動することを防止することができる。
【0007】
すなわち、走行予定経路上の右左折すべき交差点より手前にある他の交差点のさらに手前において方向指示器が起動した場合には、方向指示器の表示は、右左折すべき交差点より手前にある他の交差点で右左折することを予告していると誤認する可能性がある。しかし、本発明においては、このような場合に観者に対して注意喚起されるので、観者に対して注意喚起されない場合に比べて、誤認の可能性を低減することができる。
【0008】
さらに、上述の目的を達成するため、自車両の方向指示器が示す進行方向と、走行予定経路情報および交差点情報が示す交差点における進行方向とが異なる場合に、方向指示器を視認する観者に対して注意喚起するための制御を行ってもよい。この構成においても、観者は、この注意喚起に基づいて交差点に進入してよいのか注意しながら自らの行動を決定することができる。このため、方向指示器の表示によって観者が自車両の進行方向を誤って推定し、自車両の前に他車両が移動することを防止することができる。
【0009】
すなわち、走行予定経路が示す進行方向と、方向指示器が示す進行方向とが異なる場合、方向指示器が示す進行方向に自車両が進行しない可能性がある。このような場合に方向指示器の表示だけで自車両の進行方向が推定されるとすれば、自車両の進行方向が誤って推定される可能性がある。しかし、本発明においては、このような場合に観者に対して注意喚起されるので、観者に対して注意喚起されない場合に比べて、誤認の可能性を低減することができる。
【0010】
なお、走行予定経路情報と交差点情報とが示す交差点における自車両の進行方向と、方向指示器動作情報が示す自車両の進行方向とが異なる場合に行われる、この制御の実行の要否は、走行予定経路情報と交差点情報とが示す右左折すべき交差点の存在と無関係に決定することが可能である。また、この制御は、方向指示器が起動しない場合にも実行される形態を包含する。すなわち、走行予定経路情報と交差点情報とが特定の交差点において右左折を示し、方向指示器がその交差点の手前で起動しない場合などに、方向指示器を視認する観者に対して注意喚起するための制御を行ってもよい。
【0011】
以上の構成において、走行予定経路情報は、自車両が走行する可能性が高い経路を示す情報であればよく、経路探索の結果得られた推奨経路を示す情報であってもよいし、運転者が手動で設定した走行予定の経路を示す情報であってもよいし、過去の走行経路から学習処理によって得られる推定経路を示す情報であってもよい。
【0012】
方向指示器を視認する観者に対する注意喚起は、注意を喚起しようとする対象である観者(例えば、他車両の運転者や歩行者)が注意を喚起される形態であればよく、路面などの物体面を画面とする可視光の画像の表示であってもよいし、可視光の光軸や光量の変化、例えば、自車両のヘッドランプの光軸や光量の変化であってもよい。
【0013】
さらに、方向指示器を視認する観者に対する注意喚起としては、注意喚起情報の路面表示であってもよい。この構成によれば、路面を画面とする画像の表示によって注意喚起できるため、わかりやすく注意喚起することができるし、光を路面の上方に照射することによって対向車の運転者が眩惑されることを防止できる。
【0014】
この構成では、注意喚起情報は路面に表示されればよく、その情報で注意を喚起しようとする相手が視認可能な位置であれば路面上のどこに表示されてもよい。例えば注意喚起情報は、注意を喚起しようとする相手が進入しつつある交差点に表示領域がとどまるように表示されてもよいし、自車両の直近の交差点のみに表示されてもよいし、自車両から一定距離離れた自車両の前方の路面に表示されてもよい。
【0015】
さらに、注意喚起情報は、注意を喚起しようとする対象である他車両の運転者や歩行者が注意を喚起される形態の情報であればよく、矢印などの図形であってもよいし、図形と「直進」などの文字の組み合わせであってもよいし、文字のみから構成されていてもよい。
【0016】
方向指示器動作情報は、方向指示器の動作状態を示す情報であればよく、左ランプ点滅、右ランプ点滅、左右ランプ点灯等の状態を示す情報であってもよいし、左ランプ点滅起動、左ランプ点滅終了、右ランプ点滅起動、右ランプ点滅終了などの状態遷移を示す情報でもよいし、方向指示器レバーのセンシング情報など、状態遷移のトリガとなる入力情報であってもよい。
【0017】
走行予定経路上の交差点は、自車両の走行予定経路と他の通路との交差点であればよく、公道同士の交差点でもよいし、私道と公道の交差点でもよいし、駐車場等の施設の出入口の通路と公道の交差点でもよい。交差点情報は、走行予定経路上の交差点の存在を示す情報であればよい。すなわち交差点情報は、任意の走行地点において自車両の前方に交差点が存在するか否かを示す情報であればよく、フラグでもよいし、地図データベースに登録されているような予め登録されている情報でもよいし、画像データなどのセンサ情報の解析によって取得されたり、路車間通信によって取得されるような車両外部の状況変化に応じて生成される情報でもよい。また交差点情報は、自車両から交差点までの距離や交差点の緯度経度などの位置情報でもよいし、地図データベースに登録されている交差点ノードや道路リンクのデータでもよいし、交差点に設置されている発信器から発信されている交差点の識別情報でもよい。
【0018】
右左折すべき交差点は、自車両の走行予定経路上において右左折すべき交差点として走行予定経路情報に設定されている交差点である。自車両の前方の右左折すべき交差点の位置は、走行予定経路情報によって直接的または間接的に示されていればよい。例えば、地図データベースの交差点ノードの情報である緯度経度によって示されてもよいし、自車両の現在位置から直近の右左折交差点までの距離によって示されてもよい。
【0019】
さらに、走行予定経路において右左折すべき交差点より手前の所定範囲内に他の交差点が存在するか否かを判別し、所定範囲内に他の交差点が存在しない場合、注意喚起するための制御を行わないことが好ましい。この構成によれば、右左折すべき交差点とその手前の交差点が互いに近接していない場合においては、注意喚起されないため、無用に注意喚起される可能性を低減できる。
【0020】
すなわち、右左折すべき交差点よりかなり手前に他の交差点がある状況において、当該他の交差点の手前で方向指示器が起動する場合には、運転者は走行予定経路情報に従わずに当該他の交差点で右左折する可能性が高い。従って、このような場合における注意喚起は無用である可能性が高く、この場合に注意喚起しない構成とすることにより、注意喚起が無用になされる可能性を低減することができる。
【0021】
ここで、他の交差点が存在するか否かを判別する対象となる所定範囲は、方向指示器の表示が表示通りに一義的に解釈されるべきか否かという観点から予め決められた範囲であればよく、1つの固定値であってもよいし、走行速度などの自車両の走行状況や道路状況に応じた選択の対象となる2つ以上の固定値であってもよいし、走行状況や道路状況の関数であってもよい。
【0022】
さらに、レーザ光を照射するレーザ照射装置を制御することにより、サインを表示する構成を採用してもよい。この構成によると、レーザ光は指向性や収束性に優れているため、レーザ照射装置によって鮮鋭なサインを表示することができる。
【0023】
さらに、自車両の前方の交差点への進入通路または自車両の前方の交差点に位置する他車両を検出し、他車両が検出されない場合、注意喚起するための制御を行わないことが好ましい。この構成によると、注意喚起によって注意喚起すべき対象である運転者が搭乗している他車両が存在しない場合に、無用に注意喚起することを防止できる。ここで、他車両はどのような手法で検出してもよく、例えば車載カメラから出力される画像データの解析や車載レーダや車車間通信や路車間通信によって検出する構成などを採用可能である。
【0024】
さらに、注意喚起情報には他車両に停止を促すための情報が含まれてもよいし、走行予定経路情報が示す自車両の交差点での進行方向を示す情報が含まれていてもよいし、これらの両方が含まれていてもよい。この構成により、他車両の運転者に対してより高いレベルの注意を喚起することができる。停止を促すための情報の形態は、他車両の運転者に対して停止を促す形態であればよく、停止線を模した図形でもよいし、「止まれ」などの文字のみでもよいし、図形と文字の組み合わせでもよい。
【0025】
進行方向を示す情報の形態も、矢印などの図形でもよいし、「右折」などの文字のみでもよいし、図形と文字の組み合わせでもよい。また走行予定経路情報が示す自車両の交差点での進行方向を示す情報は、表示状態において走行予定経路情報が示す進行方向を示す情報であればよく、表示すべき進行方向を特定するために走行予定経路情報が直接的に用いられてもよいし、走行予定経路情報に基づいて注意喚起される状況を限定した状態において、走行予定経路情報を用いることなく常に1方向(例えば直進)が注意喚起情報によって示されてもよい。
【0026】
さらに、注意喚起情報を自車両の前方の交差点の路面に表示するように制御してもよい。この構成により、自車両の前方の交差点に進入しようとしている他車両が存在する場合には、他車両の運転者の眼前にある交差点の路面にその注意喚起情報が表示されるため、他車両の運転者は注意喚起情報を見やすくなる。
【0027】
さらに、本発明のように方向指示器を視認する観者に対して注意喚起する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、そのような注意喚起制御装置、プログラム、方法の発明は、単独の注意喚起制御装置に適用される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実施される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような注意喚起制御装置の全ての機能を単体で備えたナビゲーション装置や方法、プログラムを提供することが可能である。また、注意喚起制御装置の一部の機能をソフトウェアで実現し、一部をハードウェアで実現するなど、適宜、実施形態を変更可能である。さらに、注意喚起制御装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ナビゲーション装置の構成:
(2)注意喚起制御処理:
(3)注意喚起制御動作:
(4)他の実施形態:
【0029】
(1)ナビゲーション装置の構成:
図1は、本発明にかかる注意喚起制御装置を含むナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、CPU,RAM,ROM等を備えるコンピュータである制御部20と記憶媒体30とを備えており、記憶媒体30やROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。本実施形態において、このプログラムの一つである注意喚起制御プログラム21を実行するナビゲーション装置10は注意喚起制御装置として機能する。
【0030】
自車両(ナビゲーション装置10が搭載された車両)には、ナビゲーション装置10にそれぞれ接続されているGPS受信部40と車速センサ41と方向指示器42とカメラ43とレーザ照射装置44とが備えられており、これらの各部と制御部20との信号の授受は図示しないインタフェースによって実現されている。
【0031】
GPS受信部40は、GPS衛星から電波を受信し、図示しないインタフェースを介して自車両の現在位置を特定可能なGPS情報を出力する。制御部20は、このGPS信号を取得し、このGPS情報に基づいて自車両の現在位置を取得する。
【0032】
車速センサ41は、自車両が備える車輪の回転速度に対応した回転速度情報を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの回転速度情報を取得し、この回転速度情報に基づいて自車両の速度を検出する。
【0033】
方向指示器42は、車両前後にそれぞれ1対取り付けられた左ランプと右ランプと、車内に取り付けられたレバースイッチと、レバースイッチの操作に応じて左ランプと右ランプとを点滅させるランプ駆動部とを備えている。制御部20は、方向指示器42の動作状態に対応するランプ駆動部の状態信号を図示しないインタフェースを介して取得する。
【0034】
カメラ43は自車両の前方を視野に含むように自車両に対して取り付けられ、撮影した視野の画像データを出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの画像データを入力し、この画像データの解析によりカメラ43の視野に含まれる他車両を検出する。
【0035】
レーザ照射装置44は、路面に向けてレーザ光を照射する装置であり、レーザ光の光軸を変化させるための機構とアクチュエータと駆動回路とを備えている。レーザ照射装置44は、制御部20によって制御される光軸の方向にレーザ光を照射する。従って、制御部20によってレーザ光の光軸方向とオンオフが制御されると、レーザ照射装置44は文字や図形など所望の形状を路面の任意の位置に表示する。レーザ光は指向性や収束性に優れているため、レーザ照射装置44は路面に鮮鋭な注意喚起情報を表示することができる。
【0036】
記憶媒体30は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどで構成され、自車両の走行予定経路と現在位置とを制御部20が取得するための地図情報30aが記憶されている。地図情報30aは、公道同士の交差点である公道交差点やカーブや施設の出入口通路と公道との交差点である施設出入口交差点などに設定されているノードを示すノードデータやノード同士の連結を示すリンクデータ等を含む。
【0037】
制御部20は、注意喚起制御プログラム21を実行することにより、走行予定経路情報が示す自車両の交差点での進行方向を示す情報を注意喚起情報として路面に表示するための制御を実行する。本実施形態においては、レーザ照射装置44によってこの注意喚起情報が施設出入口交差点の路面に表示される。注意喚起制御プログラム21は、経路情報取得部21aと交差点情報取得部21bと動作情報取得部21cと車両検出部21dと注意喚起制御部20eとを備えている。
【0038】
経路情報取得部21aは地図情報30aと現在位置情報とに基づいて現在位置から目的地までの推奨経路を探索によって取得し、推奨経路を示す情報を走行予定経路情報として出力するモジュールである。走行予定経路情報は、例えば、図2に示すように推奨経路上にある公道同士の交差点である公道交差点や駐車場などの施設の出入口通路と公道との交差点である施設出入口交差点などに設定されたノードを示すノードデータと、ノード同士の連結を示すリンクデータとを含む。
【0039】
図2において、ノードデータは円内の文字によって例示され、リンクデータは矢印上の文字によって例示されている。経路情報取得部21aは、GPS受信部40から取得するGPS情報と車速センサ41から取得する回転速度情報と地図情報30aとに基づいて一定時間毎に自車両の現在位置を表す現在位置情報を取得する。現在位置情報は、例えば図2に示すように自車両の前方にある直近のノードまでの距離や自車両の緯度経度によって自車両の現在位置を示す情報である。
【0040】
交差点情報取得部21bは、走行予定経路情報に基づいて走行予定経路上の交差点の存在を少なくとも示す交差点情報を出力するモジュールである。例えば交差点情報取得部21bは、自車両の前方の所定範囲内にある交差点に対応し走行予定経路情報に含まれているノードデータ自体またはノードデータの有無を示す情報を交差点情報として取得し、取得した交差点情報を出力する。本実施形態では、交差点情報取得部21bは、走行予定経路情報のノードデータが示す公道交差点から、自車両の前方の右左折すべき交差点と自車両との間に存在する他の交差点とを抽出して交差点情報として出力する。なお、以下の例において、自車両の前方の右左折すべき交差点は、自車両から最も近く進行方向として右左折が設定されている交差点である直近の右左折交差点であり、前記他の交差点は、当該直近の右左折交差点の手前にある施設出入口交差点である。むろん、当該他の交差点は、施設出入り口交差点に限定されず、任意の交差点を他の交差点とする構成としてもよい。
【0041】
動作情報取得部21cは、方向指示器42から状態信号を一定時間毎に取得し、方向指示器42の動作状態を示す方向指示器動作情報としてその状態信号を出力するモジュールである。
【0042】
車両検出部21dは、一定時間毎にカメラ43から自車両の前方を表す画像データを取得し、その画像データを解析することにより自車両の前方の交差点またはその交差点への進入通路に位置する他車両を検出するモジュールである。例えば車両検出部21dはパターンマッチングによって交差点または交差点への進入通路に位置する他車両を検出し、他車両が検出された場合には、他車両の存在を示す他車両情報を出力する。
【0043】
注意喚起制御部20eは、現在位置情報と走行予定経路情報と交差点情報と方向指示器動作情報と他車両情報とに基づいて、注意喚起情報の表示の要否を判別し、判別結果に応じて注意喚起を表示するようにレーザ照射装置44を制御するモジュールである。
【0044】
(2)注意喚起制御処理:
次に、以上の構成においてナビゲーション装置10が実行する注意喚起制御処理を説明する。ナビゲーション装置10によって注意喚起制御プログラム21が実行されているとき、経路情報取得部21aと交差点情報取得部21bと動作情報取得部21cと車両検出部21dと注意喚起制御部20eとは図3に示す処理を実施する。
【0045】
この処理は、走行予定経路上にある直近の右左折交差点まで所定距離(例えば100m)となる地点を自車両が通過したときに起動する。この処理が起動すると、まず、注意喚起制御部20eは車両検出部21dから他車両情報を取得し、他車両情報に基づいて自車両の前方にある交差点またはその交差点への進入通路に他車両が存在するか否かを判別する(ステップS100)。他車両情報が他車両の存在を示していると判定されない場合にはステップS100の処理が繰り返される。
【0046】
車両検出部21dが出力する他車両情報が他車両の存在を示していると判定されるとき、注意喚起制御部20eは、交差点情報取得部21bから交差点情報を取得し、直近の右左折交差点より手前の所定範囲内に1つ以上の他の交差点があるか否かを判別する(ステップS105)。具体的には、まず、注意喚起制御部20eは、直近の右左折交差点を示すノードデータを起点として、その右左折交差点より手前に施設出入口交差点を示すノードデータがあるか否かを交差点情報に基づいて判別する。施設出入口交差点を示すノードデータがあると判定される場合には、注意喚起制御部20eは、直近の右左折交差点と施設出入口交差点との距離が所定範囲内であるか否かを、走行予定経路情報のリンクデータが示す2つの交差点間の距離に基づいて判別する。このとき、注意喚起制御部20eは、予め決められている固定値、例えば10m相当の固定値を閾値として用いて判別する。そして、これらの処理の結果、直近の右左折交差点より手前の所定範囲内に他の交差点があると判別されない場合にはステップS100に戻ってここまでの処理を繰り返す。
【0047】
ステップS105にて、直近の右左折交差点より手前の所定範囲内に他の交差点があると判別されるときには、注意喚起制御部20eは、動作情報取得部21cが出力する方向指示器動作情報を取得し、方向指示器動作情報が左ランプまたは右ランプの点滅を示しているか否かを判別する(ステップS110)。このステップS110の判別を行う段階では、その前提として、ステップS105において直近の右左折交差点より手前の所定範囲内に他の交差点があると判別されている。
【0048】
従って、ステップS110にて、方向指示器の左ランプまたは右ランプが点滅していると判定される場合、走行予定経路情報は施設出入口交差点での進行方向として直進を示し、方向指示器動作情報は右折または左折を示していることになる。すなわち、ステップS110の処理では、走行予定経路情報が示す直近の交差点における自車両の進行方向と方向指示器動作情報が示す自車両の進行方向とが異なるか否かが判別されていることと等価である。
【0049】
ステップS110にて、方向指示器動作情報が左ランプまたは右ランプの点滅を示していると判定されないとき、ステップS115をスキップし、注意喚起制御部20eは、直近の右左折交差点の手前にある交差点を自車両が通過したか否かを判別する(ステップS120)。例えば、現在位置情報が示す施設出入口交差点までの距離が0になったか否かによって通過したか否かが判別される。
【0050】
ステップS105の実行後、はじめてステップS110からステップS115の処理に進む場合には、そのステップS110の処理は方向指示器の起動を検出していることになる。すなわち、ステップS110にて方向指示器の起動が検出されると、ステップS115の処理に進む。
【0051】
ステップS110にて、方向指示器動作情報が左ランプまたは右ランプの点滅を示していると判定されるとき、注意喚起制御部20eは、直近の右左折交差点の手前にある交差点での進行方向を示す注意喚起情報としての矢印を、直近の右左折交差点の手前にある交差点の路面に表示するようにレーザ照射装置44を制御する(ステップS115)。なお、注意喚起情報によって示される進行方向は、走行経路予定情報が示す、直近の右左折交差点の手前にある交差点での自車両の進行方向であり、本実施形態の場合には、ステップS105の判別処理によって特定されている状況において必ず直進となる。従って、このステップS115の処理においては、注意喚起情報で示すべき自車両の進行方向を特定するために走行予定経路情報を参照することは必須ではない。
【0052】
ステップS115の処理では、注意喚起情報を表示する路面上の位置と自車両の現在位置との位置関係が取得され、取得された位置関係に基づいてレーザ照射装置44の光軸を動かすアクチュエータなどの制御情報が生成される。そして、この制御情報がレーザ照射装置44に出力される。この結果、レーザ照射装置44は制御情報に基づいてレーザ光で路面をスキャンすることによって矢印や文字からなる注意喚起情報を描画する。なお、レーザ照射装置44の制御情報は、施設出入り口交差点に特定の形状の注意喚起情報を表示するための情報であり、自車両から直近の右左折交差点の手前にある施設出入口交差点までの距離と注意喚起情報の形状とに応じて決定される光軸の動作を示す情報である。
【0053】
なお、ステップS120において、自車両が施設出入口交差点を通過したことが検出されない場合にはステップS110以降の処理を繰り返し、ステップS120において、自車両が施設出入口交差点を通過したことが検出された場合には処理を終了する。従って、ステップS120にて、自車両が施設出入口交差点を通過したことが検出されるか、ステップS110にて方向指示器42の作動停止が検出されるまで、ステップS115の処理は繰り返される。
【0054】
(3)注意喚起制御動作:
次に、以上の注意喚起制御処理によって、他車両の運転者に注意喚起がなされる様子を図4に基づいて以下に説明する。図4には図2に例示した走行予定経路情報に対応する道路が示されており、各道路には対応するリンクデータの識別子(リンク102など)を付し、各交差点には対応するノードデータの識別子(ノード102など)を付すことにより走行予定経路情報と道路との対応関係を示している。以下の説明ではリンク102に対応する道路を道路102、ノード102に対応する交差点を交差点102のように表記する。また図4では走行予定経路が破線で示され、交差点がハッチングで示されている。
【0055】
自車両53が道路101を走行しているとき、直近の交差点は自車両53の現在の走行路と駐車場52の出入口通路54との交差点である施設出入口交差点102であり、直近の右左折交差点は交差点103である。駐車場52の出入口通路54には施設出入口交差点102に進入しようとしている他車両51が存在するため、走行予定経路情報が示す進行方向が右左折である直近の右左折交差点103に自車両53が接近すると、他車両51の存在が検出される(ステップS100)。直近の右左折交差点103の手前には交差点103からの距離が近い(判別の閾値がリンク102の長さである20mより長いと仮定している)施設出入口交差点102が存在するため、方向指示器の起動が監視される(ステップS105、ステップS110)。方向指示器が起動して左ランプが点滅すると、注意喚起情報としての矢印50が施設出入口交差点102の路面に表示される(ステップS115)。
【0056】
このとき、方向指示器の表示は、交差点103より手前の交差点102で自車両53が左折することを予告していると解釈することが可能である。しかし、自車両53の左ランプが点滅するのとほぼ同時に、注意喚起情報として、直進を示す矢印50が路面に表示されるため、このような場合に注意喚起情報が路面に表示されない場合に比べて、方向指示器の表示の解釈の仕方について他車両51の運転者の注意が喚起される。すなわち、他車両51の運転者は、方向指示器の左ランプの点滅表示通りに自車両53が左折し、駐車場52の出入口通路54に進入するとは限らないと考えることができ、自車両53の進行方向に注意することができる。従って、自車両53の左ランプの点滅を出入口通路54への進入予告と誤解した他車両51の運転者が自車両53の接近中に施設出入口交差点102に進入を試みる可能性が低減される。すなわち、他車両の運転者である観者は、注意喚起情報に基づいて右左折交差点と自車両との間の交差点に進入してよいのかどうか注意しながら自らの行動を決定することができる。したがって、方向指示器の表示によって他車両の運転者である観者が自車両の進行方向を誤って推定し、自車両の前に他車両が移動することを防止することができる。
【0057】
一方、右左折交差点103の手前にある直近の交差点である施設出入口交差点102と右左折交差点103とが互いに近接していない場合(例えばその距離が50m以上ある場合)には、ステップS105の判別により、ステップS110以後の処理が実行されない。従ってこの場合、注意喚起情報は路面に表示されない。走行予定経路情報が示す直近の右左折交差点よりかなり手前に直近の交差点がある状況において、直近の交差点の手前で方向指示器が起動する場合には、運転者は走行予定経路情報に従わずに直近の交差点で右左折する可能性が高く、そのような場合に注意喚起情報を路面に表示すると、方向指示器の表示の解釈について余計な注意が喚起されることになるからである。
【0058】
また自車両53が交差点102を通過するまでの期間、他車両51の運転者の眼前の交差点102の路面に注意喚起情報50が表示され続けるため、たとえ他車両51の運転者が交差点102以外の方向を注視していたとしても、自車両53が交差点102を通過する前に他車両51の運転者が交差点102への進入を試みるときには高い確率で注意喚起情報50が他車両51の運転者に知覚される。
【0059】
すなわち、自車両の前方の交差点に進入しようとしている他車両が存在する場合には、他車両の運転者の眼前にある交差点の路面に注意喚起情報としての矢印50が表示され続けるため、他車両の運転者は注意喚起情報を見やすくなる。また、路面を画面として注意喚起情報50を画像として表示することにより、わかりやすく注意喚起することができるし、光を路面上方に照射することによって対向車の運転者が眩惑されることを防止できる。さらに、注意喚起情報としての矢印50はレーザ光によって鮮明に表示されるため、白昼であっても他車両51の運転者が注意喚起情報としての矢印50に気付く可能性は高い。
【0060】
また、他車両51が駐車場52の出入口通路54に存在していない場合には、注意喚起情報としての矢印50を表示するためのレーザ光が照射されない。従って、注意喚起情報によって注意喚起すべき対象である運転者が搭乗している他車両が存在しない場合に、注意喚起情報を無用に表示することを防止できる。例えばレーザ光照射のための電力が無駄に消費されることはない。
【0061】
(4)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、方向指示器を視認する観者(例えば、他車両の運転者や歩行者)に対して注意喚起するための制御は、第一の形態としては、自車両の前方の右左折すべき交差点と自車両との間に他の交差点が存在する状態で方向指示器が起動したときに実行される限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。
【0062】
例えば、上記実施形態のように右左折すべき交差点を起点として自車両と右左折すべき交差点との間にある他の交差点の有無を判別した結果に基づいてこの制御の実行の要否が決定されてもよいし、自車両の現在位置を起点として前方の交差点が右左折すべき交差点であるか否かを判別した結果に基づいてこの制御の実行の要否が決定されてもよい。また、例えば、自車両が施設出入口交差点(右左折交差点ではなく)に接近したときに、施設出入口交差点より前方にある直近の右左折交差点の有無を判別した結果に基づいて注意喚起の表示の要否を判別してもよいし、方向指示器が起動したときに、直近の右左折交差点の手前に他の交差点があるか否かを判別してもよい。
【0063】
注意喚起するための制御は、第二の形態としては、走行予定経路情報と交差点情報とが示す交差点における自車両の進行方向と、方向指示器動作情報が示す自車両の進行方向とが異なる場合に実行される限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、この制御の実行の要否は、右左折すべき交差点の存在と無関係に決定することが可能である。具体的には、自車両が交差点に接近している状況において方向指示器が起動したときに、走行予定経路情報と交差点情報とが示す交差点における自車両の進行方向を取得し、その進行方向が直進である場合には、ただちに注意喚起するための制御を実行してもよい。また、この注意喚起するための制御は、方向指示器が起動しない場合にも実行されてもよい。
【0064】
すなわち、走行予定経路情報と交差点情報とが特定の交差点において右左折を示し、方向指示器がその交差点の手前で起動しない場合などにも、この表示のための制御が実行されてもよい。例えば、自車両が交差点に接近したときに、走行予定経路情報と交差点情報とが示すその交差点での自車両の進行方向を取得するとともに方向指示器動作情報を取得し、方向指示器動作情報が示す自車両の進行方向と、走行予定経路情報と交差点情報とが示すその交差点での自車両の進行方向とが異なる場合にはただちに注意喚起のための制御を実行してもよい。
【0065】
走行予定経路情報は、自車両が走行する可能性が高い経路を示す情報であればよく、経路探索の結果得られた推奨経路を示す情報であってもよいし、運転者が手動で設定した走行予定の経路を示す情報であってもよいし、過去の走行経路から学習処理によって得られる推定経路を示す情報であってもよい。
【0066】
方向指示器を視認する観者に対する注意喚起は、注意を喚起しようとする対象である他車両の運転者や歩行者が注意を喚起される形態で表示されればよく、路面などの物体面を画面とする可視光の画像の表示であってもよいし、可視光の光軸や光量の変化であってもよい。例えば、ヘッドランプやプロジェクタの駆動を制御し、画像の表示によって注意喚起してもよい。また、例えば、ヘッドランプの光軸や光源の駆動を制御することにより、ヘッドランプの照射方向を変化させたり、ヘッドランプを点滅させることによって注意喚起してもよい。
【0067】
さらに注意喚起の一形態である注意喚起情報の表示は路面にされればよく、その情報で注意を喚起しようとする相手が視認可能な位置であれば路面上のどこに表示されてもよく、注意を喚起しようとする相手が進入しつつある交差点に表示領域がとどまるように表示されてもよいし、自車両の直近の交差点のみに表示されてもよいし、自車両から一定距離離れた自車両の前方の路面に表示されてもよい。例えば、自車両から近い前方の路面に注意喚起を表示するように制御する場合、注意を喚起しようとする相手は、方向指示器のランプを見るときに、同一視野内で方向指示器のランプと注意喚起とを知覚することができる。
【0068】
また、例えば、自車両の前方において近い順から路地の交差点、駐車場の出入口交差点、右左折交差点が存在し、駐車場の出入口交差点に他車両が進入しようとしている状況において、自車両からみて2番目の交差点である駐車場の出入口交差点の路面に注意喚起情報がとどまるように表示されてもよい。
【0069】
また、注意喚起情報は、注意を喚起しようとする対象である他車両の運転者や歩行者が注意を喚起される形態の情報であればよく、矢印などの図形であってもよいし、図形と「直進注意」などの文字の組み合わせであってもよいし、文字のみから構成されていてもよい。さらに、注意喚起情報には他車両に停止を促すための情報が含まれてもよいし、走行予定経路情報と交差点情報とが示す自車両の交差点での進行方向を示す情報が含まれていていなくてもよいし、これらの両方が含まれていてもよい。この構成により、他車両の運転者に対してより高いレベルの注意を喚起することができる。停止を促すための情報の形態は、他車両の運転者に対して停止を促す形態であればよく、停止線や一時停止標識を模した図形でもよいし、「止まれ」などの文字のみでもよいし、図形と文字の組み合わせでもよい。進行方向を示す情報の形態も、矢印などの図形でもよいし、「右折」などの文字のみでもよいし、図形と文字の組み合わせでもよい。
【0070】
また走行予定経路情報と交差点情報とが示す自車両の交差点での進行方向を示す情報は、表示状態において走行予定経路情報と交差点情報とが示す進行方向を示す情報であればよく、表示すべき進行方向を特定するために走行予定経路情報が直接的に用いられてもよいし、上記実施形態のように走行予定経路情報に基づいて注意喚起する状況を限定した状態において、走行予定経路情報を用いることなく常に1方向が注意喚起情報によって示されてもよい。
【0071】
方向指示器動作情報は、方向指示器の動作状態を示す情報であればよく、左ランプ点滅、右ランプ点滅、左ランプ点灯等の状態を示す情報であってもよいし、左ランプ点滅起動、左ランプ点滅終了、右ランプ点滅起動、右ランプ点滅終了などの状態遷移を示す情報でもよいし、方向指示器レバーのセンシング情報など、状態遷移のトリガとなる入力情報であってもよい。
【0072】
走行予定経路上の交差点は、自車両の走行予定経路と他の通路との交差点であればよく、公道同士の交差点でもよいし、私道と公道の交差点でもよいし、駐車場等の施設の出入口の通路と公道の交差点でもよい。交差点情報は、走行予定経路上の交差点の存在を示す情報であればよい。
【0073】
すなわち交差点情報は、任意の走行地点において自車両の前方に交差点が存在するか否かを示す情報であればよく、フラグでもよいし、地図データベースに登録されているような予め登録されている情報でもよいし、画像データなどのセンサ情報の解析によって取得されたり、路車間通信によって取得されるような車両外部の状況変化に応じて生成する情報でもよい。また交差点情報は、自車両から交差点までの距離や交差点の緯度経度などの位置情報でもよいし、地図データベースに登録されている交差点ノードや道路リンクのデータでもよいし、交差点に設置されている発信器から発信されている交差点の識別情報でもよい。
【0074】
右左折すべき交差点は、自車両の走行予定経路上において右左折すべき交差点として走行予定経路情報に設定されている交差点である。右左折すべき交差点の位置は、走行予定経路情報によって直接的または間接的に示され、地図データベースの交差点ノードの情報である緯度経度によって示されてもよいし、自車両の現在位置から直近の右左折交差点までの距離によって示されてもよい。
【0075】
さらに、走行予定経路において右左折すべき交差点より手前の所定範囲内に他の交差点が存在するか否かを判別する処理において、他の交差点が存在するか判別する対象となる所定範囲は、方向指示器の表示が表示通りに一義的に解釈されるべきか否かという観点から予め決められた範囲であればよく、1つの固定値であってもよいし、走行速度などの自車両の走行状況や道路状況に応じた選択の対象となる2つ以上の固定値であってもよいし、走行状況や道路状況の関数であってもよい。例えば、自車両の走行速度が高いほどその範囲が広くなる閾値を保持するテーブルや自車両の走行速度の関数を用いてその範囲を定めてもよいし、渋滞している場合には、渋滞していない場合に比べて狭い範囲が選択されてもよい。
【0076】
さらに、交差点への進入通路または交差点に位置する他車両はどのような手法で検出してもよく、例えば車載レーダや車車間通信や路車間通信によって検出する構成などを採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】注意喚起制御装置を含むナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】走行予定経路情報のデータ構造図である。
【図3】注意喚起制御処理のフローチャートである。
【図4】注意喚起制御動作の例を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
10…ナビゲーション装置、20…制御部、21…注意喚起制御プログラム、21a…経路情報取得部、21b…交差点情報取得部、21c…動作情報取得部、21d…車両検出部、21e…注意喚起制御部、30…記憶媒体、30a…地図情報、40…GPS受信部、41…車速センサ、42…方向指示器、43…カメラ、44…レーザ照射装置、50…矢印(注意喚起情報、注意喚起)、51…他車両、52…駐車場、53…自車両、54…出入口通路、102…交差点、103…右左折交差点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の走行予定経路を示す走行予定経路情報を取得する経路情報取得手段と、
方向指示器の動作状態を示す方向指示器動作情報を取得する動作情報取得手段と、
前記走行予定経路上の交差点の存在を示す交差点情報を取得する交差点情報取得手段と、
前記走行予定経路情報と前記交差点情報とが示す前記自車両の前方の右左折すべき交差点と前記自車両との間に他の交差点が存在するときに前記方向指示器が起動すると、前記方向指示器を視認する観者に対して注意喚起するための制御を行う注意喚起制御手段と、
を備える注意喚起制御装置。
【請求項2】
自車両の走行予定経路を示す走行予定経路情報を取得する経路情報取得手段と、
方向指示器の動作状態を示す方向指示器動作情報を取得する動作情報取得手段と、
前記走行予定経路上の交差点の存在を示す交差点情報を取得する交差点情報取得手段と、
前記走行予定経路情報と前記交差点情報とが示す交差点における前記自車両の進行方向と、前記方向指示器動作情報が示す前記自車両の進行方向とが異なる場合、前記方向指示器を視認する観者に対して注意喚起するための制御を行う注意喚起制御手段と、
を備える注意喚起制御装置。
【請求項3】
前記注意喚起制御手段は、前記観者に対して注意を喚起するための注意喚起情報を路面に表示するための制御を行う、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の注意喚起制御装置。
【請求項4】
前記注意喚起制御手段は、前記走行予定経路において前記右左折すべき交差点より手前の所定範囲内に前記他の交差点が存在するか否かを判別し、前記所定範囲内に前記他の交差点が存在しない場合、前記注意喚起するための制御を行わない、
請求項1に記載の注意喚起制御装置。
【請求項5】
前記自車両の前方の交差点への進入通路または前記自車両の前方の交差点に位置する他車両を検出する車両検出手段を備え、
前記注意喚起制御手段は、前記他車両が検出されない場合、前記注意喚起するための制御を行わない、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の注意喚起制御装置。
【請求項6】
前記注意喚起情報は、他車両に停止を促すための情報と前記走行予定経路情報が示す前記自車両の交差点での進行方向を示す情報とのいずれかまたは双方を含む、
請求項3に記載の注意喚起制御装置。
【請求項7】
前記注意喚起は、前記自車両の前方の交差点に接続している施設の出入口の通路に位置する他車両の運転者である前記観者に対する注意喚起である、
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の注意喚起制御装置。
【請求項8】
前記注意喚起制御手段は、前記観者に対して注意を喚起するための注意喚起情報を前記自車両の前方の交差点の路面に表示するように制御する、
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の注意喚起制御装置。
【請求項9】
自車両の走行予定経路を示す走行予定経路情報を取得する経路情報取得工程と、
方向指示器の動作状態を示す方向指示器動作情報を取得する動作情報取得工程と、
前記走行予定経路上の交差点の存在を示す交差点情報を取得する交差点情報取得工程と、
前記走行予定経路情報と前記交差点情報とが示す前記自車両の前方の右左折すべき交差点と前記自車両との間に他の交差点が存在するときに前記方向指示器が起動すると、前記方向指示器を視認する観者に対して注意喚起するための制御を行う注意喚起制御工程と、
を含む注意喚起制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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