説明

注文品報知装置およびプログラム

【課題】客への持ち帰り注文品の渡し遅れが生じることを抑制することができる環境を提供することができる。
【解決手段】実施形態の注文品報知装置は、報知器と、完成情報受信手段と、報知制御手段と、を備える。前記完成情報受信手段は、持ち帰り注文品が完成した旨を示す完成情報を受信する。前記報知制御手段は、前記完成情報受信手段が前記完成情報を受信した場合、前記持ち帰り注文品が完成したことを前記報知器に報知させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、注文品報知装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファミリーレストランや居酒屋等の飲食店等に導入され、メニュー品目の注文を受け付ける注文処理装置が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、飲食店の中には、持ち帰り用のメニュー品目を設定している店がある。このような飲食店では、店内で飲食する客への対応を行いつつ、持ち帰りの注文への対応をすることが多いので、完成した持ち帰り注文品の客への渡し遅れが生じてしまうことがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の注文品報知装置は、報知器と、完成情報受信手段と、報知制御手段と、を備える。前記完成情報受信手段は、持ち帰り注文品が完成した旨を示す完成情報を受信する。前記報知制御手段は、前記完成情報受信手段が前記完成情報を受信した場合、前記持ち帰り注文品が完成したことを前記報知器に報知させる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、第1実施形態にかかる注文システムの全体構成を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかる注文管理装置が保持する注文管理ファイルの一例を示す図である。
【図3】図3は、第1実施形態にかかる注文処理装置の電気的接続を示すブロック図である。
【図4】図4は、第1実施形態にかかる注文処理装置が保持する部門ファイルのファイル構造を示す模式図である。
【図5】図5は、第1実施形態にかかる注文処理装置が保持するPLUファイルのファイル構造を示す模式図である。
【図6】図6は、第1実施形態にかかる注文入力画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、第1実施形態にかかる注文入力画面の一例を示す図であって、持ち帰り注文品が完成したことを報知した状態を示す図である。
【図8】図8は、第1実施形態にかかる注文入力画面の一例を示す図であって、持ち帰り注文品が完成した取引の一覧を表示した状態を示す図である。
【図9】図9は、第1実施形態にかかる注文入力画面の一例を示す図であって、持ち帰り注文品が完成した一取引の詳細を示す図である。
【図10】図10は、第2実施形態にかかる注文入力画面の一例を示す図であって、持ち帰り注文品の取引の一覧を表示した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
(第1実施形態)
まずは、第1実施形態を図1ないし図9を参照して説明する。
【0007】
図1は、本実施形態にかかる注文システムAの全体構成を示す図である。図1に示す注文システムAは、飲食店に設置される。注文システムAは、客の注文にかかる注文情報を集中的に管理する注文管理装置10と、店員の操作を受けて注文の受け付け処理や会計処理を行う複数の注文処理装置50と、調理すべき注文品の情報を出力する厨房端末20と、を備えている。注文管理装置10はバックヤードに配置され、注文処理装置50は接客フロアやチェックアウトカウンタに設置され、厨房端末20は厨房に設置される。本実施形態では、注文処理装置50が注文品報知装置に相当する。
【0008】
[注文管理装置10]
注文管理装置10は、CPU、ROMおよびRAM等で構成されるマイクロプロセッサと、CPUが実行するOSやプログラム、後述する注文管理ファイル11等を記憶した記憶装置と、ネットワークNに接続可能な通信インタフェースと、を備え、LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介し、注文システムAの各機器と有線又は無線により接続される。
【0009】
具体的に、注文管理装置10は、注文処理装置50から伝票番号と注文情報とを受信すると、この伝票番号と注文情報とを関連付けて、記憶装置に保持された注文管理ファイル11に登録する。注文管理ファイル11は、取引にかかる注文履歴を記憶した記憶部である。
【0010】
図2は、注文管理装置10が保持する注文管理ファイル11の一例を示す図である。図2に示すように、注文管理ファイル11は、伝票番号に関連付けして注文情報を記憶する。詳細には、注文管理ファイル11は、伝票番号毎に、注文時刻、メニュー品目、メニュー品目の個数、金額を記憶する。また、注文管理ファイル11は、伝票番号毎に、注文を受けたメニュー品目が持ち帰り品である場合にその旨を示す持ち帰り情報と、注文を受けたメニュー品目の調理が終了したか否かを示すステータス情報と、注文を受けた後に注文の取り消しがあった場合にその旨を示す取消情報と、を記憶する。取消情報は、注文の取り消しを受け付けた時刻である。注文管理装置10は、注文処理装置50から特定の伝票番号が通知されると、この伝票番号に関連付けられた注文情報を注文管理ファイル11から読み出し、通知元の注文処理装置50へ送信(提供)する。
【0011】
また、注文管理装置10は、注文管理ファイル11に新たな注文情報を登録する毎に、この注文情報に含まれる飲食メニュー品目の調理指示データを作成し、厨房端末20に送信する。これにより、厨房端末20においては、注文された飲食メニュー品目の調理指示が表示、印字、音声等によって出力される。
【0012】
また、注文管理装置10は、厨房端末20から、注文された飲食メニュー品目の調理が完了した旨を示す完了通知が送信されると、注文管理ファイル11中の対応する注文情報のステータスを調理完了に変更する。完了通知には、注文情報を特定するための伝票番号、注文時刻、メニュー品目等が含まれる。このとき、注文品が持ち帰り注文品である場合には、注文管理装置10は、注文された持ち帰り注文品が完成した旨を示す完成情報を各注文処理装置50に送信する。完成情報には、伝票番号を含む注文情報が含まれる。
【0013】
また、注文管理装置10は、注文処理装置50から会計を行う客の伝票番号が通知されると、この伝票番号に関連付けられた注文情報を注文管理ファイル11から読出し、注文処理装置50に送信する。これにより、注文処理装置50においては、注文情報を用いて飲食代金の会計処理が実行されるものとなっている。
【0014】
[厨房端末20]
厨房端末20は、タッチパネル付きCPU、ROMおよびRAM等で構成されるマイクロプロセッサと、入力操作部と、プリンタと、ネットワークNに接続可能な通信インタフェースと、備えている。入力操作部は、タッチパネル付き表示器等を含み、操作者の操作を受け付ける。
【0015】
[注文処理装置50]
注文処理装置50は、接客フロアに設置されているものであってもチェックアウトカウンタに設置されているものであっても、その基本的な構造及び機能は同じである。相違するのは、注文処理装置50の使用態様である。接客フロアに設置されている注文処理装置50は、客の案内業務、注文の受け付け業務及び給仕(配膳)業務という各業務を支援するのに対して、チェックアウトカウンタに設置されている注文処理装置50は、客の案内業務、注文の受け付け業務及び給仕(配膳)業務等の業務に加えて会計業務をも支援する。つまり、チェックアウトカウンタに設置されている注文処理装置50は、いわゆるPOS端末としても機能する。
【0016】
図3は、注文処理装置50の電気的接続を示すブロック図である。図3に示すように、注文処理装置50は、CPU51と、制御プログラム等の固定的情報を予め記憶するROM52と、ワークエリア等として機能するRAM53と、タッチパネルコントローラ54と、指定装置としてのタッチパネル55と、表示コントローラ56と、報知器としての液晶表示器(LCD)57と、プリンタコントローラ61と、プリンタ62と、通信インタフェース(I/F)58と、HDD59と、を備えている。なお、チェックアウトカウンタに設置される注文処理装置50には、客用表示器が接続されている。
【0017】
CPU51は、ROM52やHDD59に記憶された各種プログラムとの協働により、注文処理装置50の各部の動作を統括的に制御する。CPU51には、バスラインB1を介して、タッチパネルコントローラ54、表示コントローラ56、通信インタフェース58およびHDD59が接続されている。タッチパネルコントローラ54は、タッチパネル55からの入力信号をCPU51に取り込む。表示コントローラ56は、画像データに基づいて液晶表示器57を駆動制御し、画像データに応じた画像を液晶表示器57に表示させる。プリンタコントローラ61は、CPU51の制御を受けて、プリンタ62を駆動制御して、プリンタ62に注文伝票やレシートを発行させる。通信インタフェース58は、CPU51をネットワークN経由で他の機器とデータ通信可能にするためのインタフェースである。
【0018】
HDD59には、OS、コンピュータプログラム、各種ファイル等がインストールされている。
【0019】
また、HDD59には、注文の受け付け業務等を支援する注文入力画面D(図6)を生成するための設定情報として、部門ファイル591と、PLUファイル592と、が記憶されている。
【0020】
ここで、図4は、部門ファイル591のファイル構造を示す模式図である。部門ファイル591は、部門を特定する2桁の部門番号591aに対応させて、部門591b、タグ位置591c、および備考591dを登録している。なお、図4では、以下に示す9個(01〜09)の部門が部門番号591aに登録された例を示している。
01:ドリンク
02:デザート
03:和膳
04:和洋食
05:丼もの
06:鍋もの
07:うどん&そば
08:一品料理
09:健菜とサラダ
【0021】
部門591bには、部門の部門名が登録されている。タグ位置591cには、部門タグ欄D11(図6参照)において部門名を表示する部門ボタンD11aの配置が登録されている。本実施の形態では、タグ位置591cには、部門ボタンD11aの位置を示す行および列が、部門ボタンD11aの配置として登録されているものとする。備考591dは、例えば情報管理用に様々な情報をテキストで書き込める欄である。
【0022】
図5は、PLUファイル592のファイル構造を示す模式図である。PLUファイル592は、メニュー品目を特定するコード592aに対応させて、部門592b、画像リンク592c、メニュー名592d、単価592e、割付592f、カテゴリ592gを登録している。部門592bは、部門ファイル591中の部門番号591aを表している。
【0023】
画像リンク592cは、メニュー品目欄D12(図6参照)にメニューボタンD12aに表示される画像データに対するリンクを定義している。これらの画像は、個々の注文処理装置50のHDD59又はネットワークNを介してアクセス可能な外部装置(例えば、注文管理装置10)にインストールされている。メニュー名592dには、メニュー品目の品名のテキストが登録されている。また、単価592eには、メニュー品目の単価のレコードが登録されている。割付592fには、メニュー品目のメニュー品目欄D12(図6参照)におけるメニューボタンD12aの割付位置が登録されている。
【0024】
カテゴリ592gは、メニュー品目が属するカテゴリを示している。メニュー品目が蔵するカテゴリとしては、単品メニューとして提供される飲食メニュー品目を分類した“グランドメニュー”、宴会用のメニューとして提供される飲食メニュー品目を分類した“宴会”、子供用のメニューとして提供される飲食メニュー品目を分類した“お子様”、ランチ用のメニューとして提供される飲食メニュー品目を分類した“ランチ”、お持ち帰り用のメニューとして提供される飲食メニュー品目を分類した“お持ち帰り”等である。本実施形態では、“グランドメニュー”、“宴会”、“お子様”、“ランチ”、“お持ち帰り”は、カテゴリ592gにおいて、それぞれ「1」、「2」、「3」、「4」、「5」の数字を用いて示される。
【0025】
以上説明した図4および図5を参照すると分かるように、例えば、メニュー品目を特定するコード「0001」は、「ドリンク」という部門の「ブレンドコーヒー」を定義しており、「¥350」という単価を設定している。コード「0002」は、「ドリンク」という部門の「アイスコーヒー」を定義しており、「¥350」という単価を設定している。
【0026】
次に、注文処理装置50のHDD59にインストールされたOSおよびコンピュータプログラムに従ってCPU51が実行する各種の処理について説明する。CPU51は、コンピュータプログラムに従うことにより、例えば、注文受付手段71、完成情報受信手段72、報知制御手段73等として動作する。
【0027】
CPU51は、表示コントローラ56を制御することで、図6に示すような注文入力画面Dを液晶表示器57に表示する。注文入力画面Dは、各種の選択ボタンを表示するための第1領域D1aと、注文内容や客情報を表示するための第2領域D1bと、を有している。第1領域D1aには、メニューカテゴリ部D10、部門タグ欄D11、メニュー品目欄D12、オーダーボタンD15、会計ボタンD16、オーダー送信ボタンD13、ファンクションキー欄D14、持ち帰り品完了ボタンD31等が表示されている。第2領域D1bには、注文識別情報欄D21、注文リストD22、リスト操作部D23が表示されている。
【0028】
メニューカテゴリ部D10には、「グランドメニュー」、「宴会」、「お子様」、「ランチ」、「お持ち帰り」の各カテゴリボタンD10aがタッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。カテゴリボタンD10aがタッチ指定されることで、タッチ指定されたカテゴリボタンD10aに対応する部門タグ欄D11、メニュー品目欄D12が表示される。
【0029】
部門タグ欄D11には、部門ファイル591の部門591bに登録されている部門名のテキストが表示された部門ボタンD11aが、タッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。
【0030】
メニュー品目欄D12には、初期状態では、PLUファイル592のコード592aに対応して、画像リンク592cが定義されているリンク先の画像データとメニュー名592dに登録されている注文可能な商品名のテキストとが表示されたメニューボタンD12aが、タッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。
【0031】
注文識別情報欄D21には、伝票番号の入力をするための伝票番号ボタンD21a、テーブル番号の入力を行うためのテーブル番号ボタンD21b、客の人数を入力するための人数ボタンD21c、客層を入力するための客層ボタンD21d、客層に加えて客の情報を入力するための客情報追加ボタンD21eが、タッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。ここで、伝票番号は、注文を受けたときに付与する番号であり、個々の注文を識別するための識別情報として機能する。なお、伝票番号は自動的に付与(入力)される形態であってもよいし、手動で入力する形態としてもよい。また、注文識別情報欄D21には、客情報入力ボタン21eの操作を経て入力された客に関する客情報を表示する客情報表示エリアD21fが設けられている。
【0032】
注文リストD22には、注文履歴が表示される。注文リストD22には、タッチパネル55によって注文入力画面D上でタッチ指定されたメニュー品目のメニュー品目注文情報D22aがタッチパネル55によるタッチ指定可能なオブジェクトとして注文順(時系列)に一覧表示される。メニュー品目注文情報D22aには、メニュー品目、注文数および金額(単価×注文数)が含まれる。注文リストD22では、タッチ指定されたメニュー品目注文情報D22aの行にフォーカスD22bが表示され、そのメニュー品目注文情報D22aが選択されたことを示す。
【0033】
また、注文リストD22には、注文したメニュー品目のメニュー品目注文情報D22aが一覧表示される。メニュー品目注文情報D22aは、注文順に上から下へ並べて表示されている。注文リストD22には、オーダー送信ボタンD13にタッチ指定されて注文情報が注文管理装置10に送信されたメニュー品目注文情報D22aの下に、注文済みである旨の表示および注文管理装置10への注文情報の送信時刻を示す注文時刻情報D22cが表示される。
【0034】
リスト操作部D23は、注文リストD22の内に表示されている。リスト操作部D23は、取消ボタンD23a、追加ボタンD23b、移動ボタンD23cが、タッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。取消ボタンD23aは、タッチ指定されてフォーカスD22bが表示されたメニュー品目注文情報D22aの注文の取り消しを指示するものである。追加ボタンD23bは、タッチ指定されてフォーカスD22bが表示されたメニュー品目注文情報D22aと同じメニュー品目を注文するためのものである。移動ボタンD23cは、フォーカスD22bを上下に移動させるものである。
【0035】
オーダー送信ボタンD13は、タッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。オーダー送信ボタンD13は、注文を確定し、注文情報を注文管理装置10への送信を指示するものである。
【0036】
ファンクションキー欄D14には、数量増ボタンD14aと、数量減ボタンD14bと、戻るボタンD14c、オーダー中止ボタンD14dと、が、タッチパネル55によりタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。数量増ボタンD14aは、注文数を増やす処理の実行を指示するものである。数量減ボタンD14bは、注文数を減らす処理の実行を指示するものである。戻るボタンD14cは、第1領域D1aに表示されるボタンを、現在表示されているものから直近に表示されていたものに戻す処理の実行を示すものである。
【0037】
このような注文入力画面Dにおいて、メニュー品目の入力に際しては、所望のメニューカテゴリ部D10の所望のカテゴリボタンD10aをタッチ指定し、部門タグ欄D11をタッチ指定して、複数の部門から(「ドリンク」、「デザート」、「和膳」、「和洋食」、「丼もの」、「鍋もの」、「うどん&そば」、「一品料理」および「健菜とサラダ」)、所望の部門を選択することが可能である。例えば、メニューカテゴリ部D10のうち「グランドメニュー」のカテゴリボタンD10aがタッチされてから、部門タグ欄D11のうち、「一品料理」の部門ボタンD11aがタッチ指定された場合には、図6に例示するように「一品料理」についての注文入力画面Dが表示される。また、例えばサラダ等のメニュー品目においては、メニューボタンD12aが操作されると、ドレッシングの種類の指定や“たまねぎぬき”等を指定するサブボタンがタッチ操作可能に表示されるようになっており、サブボタンのタッチ指定に応じて、ドレッシングの種類や“たまねぎぬき”等の情報が注文情報に盛り込まれる。
【0038】
次に、上述したような注文入力画面Dを用いて、CPU51が、注文受付手段71として動作して実行する注文受付処理について説明する。本処理の前提として、注文入力画面Dの注文識別情報欄D21に含まれる各項目のうち、少なくとも伝票番号の入力は完了しているものとする。
【0039】
注文処理装置50のCPU51は、メニューボタンD12aのいずれか一つがタッチされてメニュー品目が選択されると、選択されたメニュー品目のメニュー品目注文情報D22aを注文入力画面Dの注文リストD22に表示する。次に、CPU51は、オーダー送信ボタンD13がタッチされたなら、注文入力画面Dに表示したメニュー品目のステータスを「オーダー済み」にする。このとき、注文入力画面Dの注文リストD22に表示されている「オーダー済み」のメニュー品目、注文数、金額(単価×注文数)等の注文内容はRAM53のワークエリアに記憶されている。そこで、CPU51は、オーダー送信ボタンD13のタッチによって注文数等の注文内容が確定されると、この確定された注文内容を注文情報とし、注文識別情報欄D21の伝票番号とともに注文管理装置10に送信することで、この伝票番号と注文情報とを関連付けて注文管理装置10の注文管理ファイル11に格納する。CPU51は、注文操作が行われる毎に、上記の注文処理を繰り返し行う。
【0040】
また、CPU51は、注文リストD22に一覧表示したメニュー品目注文情報D22aのうち、タッチ指定され、かつ取消ボタンD23aがタッチ指定された場合、当該メニュー品目注文情報D22aに対する取り消しを受け付けて、取消情報を注文管理装置10に送信する。取消情報には、注文の取り消しを受け付けた商品の品名や、オーダー数、金額、注文時刻等が含まれる。このとき、CPU51は、注文を取り消したメニュー品目注文情報D22aを示すメニュー品目注文情報D22aの表示を、メニュー品目の品名のテキスト、オーダー数や金額を表現する数字、およびステータス情報上に二重線が描かれた表示に変更する。
【0041】
次に、CPU51が実行する持ち帰り注文品報知処理について図7ないし図9に示す画面遷移例を参照して説明する。図7は、第1実施形態にかかる注文入力画面の一例を示す図であって、持ち帰り注文品が完成したことを報知した状態を示す図である。図8は、第1実施形態にかかる注文入力画面の一例を示す図であって、持ち帰り注文品が完成した取引の一覧を表示した状態を示す図である。図9は、第1実施形態にかかる注文入力画面の一例を示す図であって、持ち帰り注文品が完成した一取引の詳細を示す図である。
【0042】
この処理は、注文処理装置50が受け付けた持ち帰りの注文のメニュー品目の調理が完成し、厨房端末20から注文管理装置10に当該持ち帰りのメニュー品の完了通知に送信され、その後、注文管理装置10から各注文処理装置50に、当該持ち帰り注文品が完成した旨を示す完成情報が送信された場合に行われる。以下では、客が店内での飲食はせずに、会計場所等にて持ち帰り品の注文だけをした場合の例について説明する。
【0043】
まず、注文処理装置50のCPU51は、完成情報受信手段72として動作して、注文管理装置10からの完成情報を受信すると、次に、報知制御手段73として動作して、持ち帰り注文品が完成したことを報知器である液晶表示器57に報知させる。詳細には、CPU51は、図7に示すように、液晶表示器57に、注文入力画面D中の持ち帰り品完了ボタンD31を点滅させることで、持ち帰り注文品が完成したことを報知させる。図7では、点滅状態であることをハッチングで示してある。
【0044】
次に、CPU51は、持ち帰り品完了ボタンD31がタッチパネル55によるタッチ指定を受けたならば、図8に示すように、持ち帰り注文品を含む一つ以上の取引のうち持ち帰り注文品が完成した取引の取引特定情報を表示させる。詳細には、CPU51は、当該取引特定情報を表示した取引表示ボタンD32を、タッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして液晶表示器57に表示させる。また、CPU51は、液晶表示器57に、取引表示ボタンD32を、持ち帰り品完了ボタンD31からのプルダウン表示による一覧D33で表示させる。図8の例では、液晶表示器57は、持ち帰り品完了ボタンD31に表示された伝票番号「12350」、「12352」、「12354」の取引の持ち帰り注文品が完成したことを報知している。
【0045】
次に、報知制御手段73としてのCPU51は、図8に示す画面において、いずれか一つの取引表示ボタンD32がタッチパネル55によってタッチ指定された場合、タッチ指定された取引表示ボタンD32に対応する伝票番号(取引特定情報)によって特定される持ち帰り注文品の情報を、図9に示すように液晶表示器57に表示させる。詳細には、CPU51は、図9に示すように、注文入力画面D中の注文リストD22に、持ち帰り注文品の情報を表示させる。この持ち帰り注文品の情報は、注文管理装置10から送信された完成情報に含まれる情報である。図9では、「12350」の取引表示ボタンD32がタッチ指定された例を示してあり、持ち帰り注文品の情報として、「1 ギョウザ 500」、「1 寿司 1000」が表示されている例を示している。なお、この状態で、オーダーボタンD15がタッチ指定されることで、図7に示す状態に戻り、注文入力が可能となる。
【0046】
このようにして、注文処理装置50は、持ち帰り注文品が完成したことを液晶表示器57で報知する。
【0047】
上記の報知によって持ち帰り注文品が完成したことを知った店員は、完成した注文品を厨房に取りに行って、その後、いずれかの注文処理装置50で当該持ち帰り注文品の会計業務を行って、当該持ち帰り注文品を客に渡す。
【0048】
この際、CPU51は、注文入力画面D中の会計ボタンD16がタッチ指定されることで、液晶表示器57に会計画面を表示させて、会計処理を行う。そして、会計処理を行った注文処理装置50は、会計が完了した旨の会計完了通知を、注文管理装置10に送信する。注文管理装置10は、その会計完了通知で注文管理ファイル11を更新するとともに、その会計完了通知を各注文管理装置10へ送信する。会計完了通知を受信した注文管理装置10は、当該会計完了通知で特定される取引に関して、持ち帰り注文品が完成した旨の報知を終了する。詳細には、一覧D33から当該取引の取引表示ボタンD32を消す。この際、一覧D33に表示する取引表示ボタンD32が無くなった場合には、CPU51は、液晶表示器57に、持ち帰り品完了ボタンD31の点滅を終了させる。
【0049】
以上説明した通り、本実施形態の注文品報知装置では、報知制御手段73が、当該持ち帰り注文品が完成したことを報知器である液晶表示器57に報知させる。したがって、飲食店において、客への持ち帰り注文品の渡し遅れや客への持ち帰り注文品の渡し忘れが生じることを抑制することができる環境を提供することができる。
【0050】
また、本実施形態では、注文品報知装置が、メニュー品目の注文を受け付ける注文受付手段71を備える注文処理装置50である。注文処理装置50は店員による使用頻度が比較的に高い装置であるので、該持ち帰り注文品が完成したことを、店員が比較的に直ぐに知ることができる。
【0051】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図10を参照して説明する。なお、第1実施形態と同じ部分は、同一符号で示し、重複する説明は省略する。
【0052】
図10は、第2実施形態にかかる注文入力画面の一例を示す図であって、持ち帰り注文品の取引の一覧を表示した状態を示す図である。本実施形態では、報知制御手段73として動作するCPU51は、図10に示すように、持ち帰り注文品を含む取引が複数有る場合、当該複数の取引の取引特定情報を一覧表示させ、一覧表示させた取引特定情報のうち持ち帰り注文品が完成した取引の取引特定情報と持ち帰り注文品が完成していない取引の取引特定情報とを区別して表示させる。詳細には、CPU51は、一覧D33中で、持ち帰り注文品が完成した取引を示す取引表示ボタンD32に比べて、持ち帰り注文品が完成していない取引の取引表示ボタンD32の明るさを暗くしたり色の濃さを薄くしたりする。図10では、「12350」、「12352」、「12354」の各取引表示ボタンD32が、持ち帰り注文品が完成した取引のボタンであり、「12356」の取引表示ボタンD32が、持ち帰り注文品が完成していない取引のボタンである。「12356」の取引表示ボタンD32のハッチングは、明るさが他のボタンに比べて暗いことを示している。なお、別例として、一覧D33中で、持ち帰り注文品が完成した取引を示す取引表示ボタンD32を点滅させ、持ち帰り注文品が完成していない取引の取引表示ボタンD32を点滅させないことで、それらを区別してもよい。
【0053】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
【0054】
例えば、上記実施形態では、注文管理ファイル11を注文管理装置10が保持する形態としたが、これに限らず、注文処理装置50がHDD59等に保持する形態としてもよい。
【0055】
また、上記実施形態の注文処理装置50等で実行されるプログラムは、ROM52等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。また、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0056】
また、上記プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0057】
以上説明した通り、第1および第2実施形態によれば、客への持ち帰り注文品の渡し遅れが生じることを抑制することができる環境を提供することができる。
【符号の説明】
【0058】
50…注文処理装置(注文品報知装置)
57…液晶表示器(報知器)
71…注文受付手段
72…完成情報受信手段
73…報知制御手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】特開平11−339126号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
報知器と、
持ち帰り注文品が完成した旨を示す完成情報を受信する完成情報受信手段と、
前記完成情報受信手段が前記完成情報を受信した場合、前記持ち帰り注文品が完成したことを前記報知器に報知させる報知制御手段と、
を備える注文品報知装置。
【請求項2】
前記報知器は、表示器であり、
前記報知制御手段は、持ち帰り注文品を含む一つ以上の取引のうち持ち帰り注文品が完成した取引の取引特定情報を表示させる請求項1に記載の注文品報知装置。
【請求項3】
前記報知器は、表示器であり、
前記報知制御手段は、持ち帰り注文品を含む取引が複数有る場合、当該複数の取引の取引特定情報を表示させ、表示させた取引特定情報のうち持ち帰り注文品が完成した取引の前記取引特定情報と持ち帰り注文品が完成していない取引の前記取引特定情報とを区別して表示させる請求項1に記載の注文品報知装置。
【請求項4】
前記報知制御手段は、持ち帰り注文品が完成した一取引の取引特定情報を表示した取引表示ボタンであって指定装置によって指定可能な取引ボタンを表示させ、前記取引ボタンが前記指定装置によって指定された場合、指定された前記取引ボタンに対応する前記取引特定情報によって特定される持ち帰り注文品の情報を表示させる請求項1ないし3のいずれか一項に記載の注文品報知装置。
【請求項5】
メニュー品目の注文を受け付ける注文受付手段を備える請求項1ないし4のいずれか一項に記載の注文品報知装置。
【請求項6】
コンピュータを、
持ち帰り注文品が完成した旨を示す完成情報を受信する完成情報受信手段と、
前記完成情報受信手段が前記完成情報を受信した場合、前記持ち帰り注文品が完成したことを報知器に報知させる報知制御手段と、
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−53699(P2012−53699A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196173(P2010−196173)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】