説明

洋式便器

【課題】 従来より男性の小便の排泄に適した洋式便器を提供する。
【解決手段】 洋式便器10は、人が腰を掛けるための便座11と、人の排泄物を受けるための排泄物受部12とを有し、排泄物受部12は、便座11に腰を掛けた人の前方向に対応する矢印10aで示す方向側に部分的に配置されて男性の小便を受けるための男性用小便受部12aを有し、男性用小便受部12aは、前方向に対応する矢印10aで示す方向に突出していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰を掛けて排泄を行うことができる洋式便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、腰を掛けて排泄を行うことができる洋式便器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】 特開2006−95252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の洋式便器においては、男性が洋式便器に向かって立って小便の排泄を行う場合、小便の排泄の初期や終期などの小便の勢いが弱く小便が殆ど前方向に飛ばずに落下するときに、小便が洋式便器の縁に落下して洋式便器から垂れて便所の床を汚したり、小便が洋式便器から外れて落下して便所の床を汚したりすることがある。そのため、従来の洋式便器においては、男性が洋式便器に向かって立って小便の排泄を行う場合、小便による便所の床の汚れを頻繁に掃除しなければならない。
【0004】
小便による便所の床の汚れを頻繁に掃除することが大変であるため、現在、男性の3割が洋式便器に腰を掛けて小便の排泄を行っているとも言われている。しかしながら、男性の陰茎が男性の体の前方向に突出しているために、従来の洋式便器においては、男性が洋式便器に腰を掛けて小便の排泄を行う場合、不注意などによって陰茎が洋式便器に接触してしまうことがあり、不衛生である。
【0005】
即ち、従来の洋式便器は、男性の小便の排泄に適していないという問題がある。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、従来より男性の小便の排泄に適した洋式便器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の洋式便器は、人が腰を掛けるための腰掛部と、前記人の排泄物を受けるための排泄物受部とを有し、前記排泄物受部は、前記腰掛部に腰を掛けた前記人の前方向に対応する方向側に部分的に配置されて男性の小便を受けるための男性用小便受部を有し、前記男性用小便受部は、前記前方向に対応する方向に突出していることを特徴とする。
【0008】
この構成により、本発明の洋式便器は、男性が洋式便器に向かって立って小便の排泄を行う場合に、小便の排泄の初期や終期などの小便の勢いが弱く小便が殆ど前方向に飛ばずに落下するときであっても、殆ど前方向に飛ばずに落下した小便を男性用小便受部が受けるので、小便が洋式便器の縁に落下して洋式便器から垂れて便所の床を汚したり、小便が洋式便器から外れて落下して便所の床を汚したりする可能性を従来より減らすことができる。また、本発明の洋式便器は、男性が腰を掛けて小便の排泄を行う場合に、男性の陰茎の前方に男性用小便受部が存在するので、不注意などによって陰茎が洋式便器に接触する可能性を従来より減らすことができる。したがって、本発明の洋式便器は、従来より男性の小便の排泄に適している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来より男性の小便の排泄に適した洋式便器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る洋式便器10は、人が腰を掛けるための腰掛部としての便座11と、人の排泄物を受けるための排泄物受部12とを有している。
【0012】
排泄物受部12は、便座11に腰を掛けた人の前方向に対応する矢印10aで示す方向側に部分的に配置されて男性20(図3及び図4参照。)の小便21(図3及び図4参照。)を受けるための男性用小便受部12aを有している。
【0013】
男性用小便受部12aは、矢印10aで示す方向に突出している。
【0014】
図3に示すように、男性20が洋式便器10に向かって立って小便21の排泄を行う場合、洋式便器10は、小便21の排泄の初期や終期などの小便21の勢いが弱く小便21が殆ど前方向に飛ばずに落下するときであっても、殆ど前方向に飛ばずに落下した小便21を男性用小便受部12aによって受けることができる。
【0015】
図4に示すように、男性20が便座11に腰を掛けて小便21の排泄を行う場合、洋式便器10は、男性20の陰茎20aから前方向に飛び出した小便21を男性用小便受部12aによって受けることができる。
【0016】
以上に説明したように、洋式便器10は、男性20が洋式便器10に向かって立って小便21の排泄を行う場合に、小便21の排泄の初期や終期などの小便21の勢いが弱く小便21が殆ど前方向に飛ばずに落下するときであっても、殆ど前方向に飛ばずに落下した小便21を男性用小便受部12aが受けるので、小便21が洋式便器10の縁に落下して洋式便器10から垂れて便所の床30を汚したり、小便21が洋式便器10から外れて落下して便所の床30を汚したりする可能性を従来より減らすことができる。したがって、洋式便器10は、従来より衛生的であり、便所の床30の掃除を容易化することができる。
【0017】
また、洋式便器10は、男性20が腰を掛けて小便21の排泄を行う場合に、男性20の陰茎20aの前方に男性用小便受部12aが存在するので、不注意などによって陰茎20aが洋式便器10に接触する可能性を従来より減らすことができる。したがって、洋式便器10は、従来より衛生的である。
【0018】
洋式便器10は、上述したように、男性20が洋式便器10に向かって立って小便21の排泄を行う場合にも、男性20が腰を掛けて小便21の排泄を行う場合にも、従来より改善されており、従来より男性20の小便21の排泄に適している。
【0019】
なお、以上においては、男性20の小便21の排泄について説明したが、洋式便器10は、女性が腰を掛けて小便の排泄を行う場合にも、女性の陰部の前方に男性用小便受部12aが存在するので、女性にとっても排尿後に体の前方に腕を回して両足の間から陰部を拭き易いというメリットもある。
【0020】
また、洋式便器10は、人が使用する際に必要なスペースが従来の洋式便器と略同一であるので、従来の洋式便器と取り替えるときに、便所のスペースを拡張するなどの必要がない。したがって、洋式便器10は、従来の洋式便器と取り替える工事が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 (a)本発明の一実施の形態に係る洋式便器の上面図であって、便座が倒された状態を示す図 (b)図1(a)に示す洋式便器の上面図であって、便座が立てられた状態を示す図
【図2】 (a)図1に示す洋式便器の部分的に断面を表した側面図であって、便座が倒された状態を示す図 (b)図1に示す洋式便器の部分的に断面を表した側面図であって、便座が立てられた状態を示す図
【図3】 (a)図1に示す洋式便器の上面図であって、男性が洋式便器に向かって立って小便の排泄を行っている状態を示す図 (b)図1に示す洋式便器の部分的に断面を表した側面図であって、男性が洋式便器に向かって立って小便の排泄を行っている状態を示す図
【図4】 (a)図1に示す洋式便器の上面図であって、男性が便座に腰を掛けて小便の排泄を行っている状態を示す図 (b)図1に示す洋式便器の部分的に断面を表した側面図であって、男性が便座に腰を掛けて小便の排泄を行っている状態を示す図
【符号の説明】
【0022】
10 洋式便器
11 便座(腰掛部)
12 排泄物受部
12a 男性用小便受部
20 男性(人)
21 小便

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が腰を掛けるための腰掛部と、前記人の排泄物を受けるための排泄物受部とを有し、
前記排泄物受部は、前記腰掛部に腰を掛けた前記人の前方向に対応する方向側に部分的に配置されて男性の小便を受けるための男性用小便受部を有し、
前記男性用小便受部は、前記前方向に対応する方向に突出していることを特徴とする洋式便器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−138495(P2008−138495A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−356983(P2006−356983)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(507003661)
【Fターム(参考)】