説明

洋風水洗式便器用ポンプユニット

【課題】 タンクレスの水洗便器において、水道管からの給水圧が低くても十分に便器内洗浄が行える小型のポンプユニットを提供する。
【解決手段】 給水管から供給された洗浄水を前記リム用配管と前記ゼット用通水管配管とに所定順序で供給して洗浄する洋風水洗式便器の前記給水管に接続される洋風水洗式便器用ポンプユニットであって、このポンプユニットは洗浄水を貯留するタンクと、貯留した洗浄水を噴出させるポンプと、このポンプの駆動を制御する制御手段を備え、この制御手段は前記洋風水洗式便器と接続されて洗浄動作信号が入力され、この入力された洗浄開始信号に基づいて前記ポンプを駆動して前記タンク内の水を噴出すると共に、洗浄動作途中に前記ポンプを停止して水道管からの水を前記タンクに貯留し、その後に再度前記ポンプを駆動して前記タンク内の水を噴出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、洋式の水洗便器に関し、詳しくはリム通水部と前記ゼット孔とからそれぞれ洗浄水を吐水可能としたサイホンゼット式の水洗便器に用いられるポンプユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、便器本体の上部開口周縁に形成され、洗浄水を前記便器本体内壁に流下させて便器本体内部を洗浄するようにしたリム通水部と、便器本体の底部に形成したトラップ流入口に対向する位置に開口し、洗浄水を前記トラップ流入口に向けて吐出することによりサイホン現象を強制的に生起させて汚物などを排出するようにしたゼット孔とを備える洋式の水洗便器がある。
【0003】
かかる水洗便器の中にあって、洗浄水を貯留するロータンクを廃止して見栄えを向上させ、前記リム通水部及びゼット孔とに水道管から直接給水可能とした構成を有する水洗便器も知られている。
【0004】
かかるタンクレスの水洗便器は、タンクがないことからスマートであり高級感がある一方、水道の給水圧力が低いところでは汚物を排出するために必要な洗浄流量が得られず、設置することが難しいという課題があった。
【0005】
そこで、水圧が十分でない場合でもタンクレスとして設置できるようにすることを目的として、水圧が低くても便器本体内を十分に洗浄できる構成を備える水洗便器が提案された。
【0006】
例えば、水道管と接続されて水道管内の水を洗浄水として供給可能な給水管と、給水管と接続されて便器本体を洗浄水により洗浄可能な洗浄手段とを備え、前記便器本体に固定されたカバー内に、前記給水管から給水される洗浄水を加圧して便器本体に供給可能な加圧ポンプを隠蔽して設けたものがある(例えば、特許文献1を参照。)。
【0007】
また、やはりタンクレスの水洗便器であって、便器本体内に前記ゼット孔に連通させた貯留タンクと、同貯留タンク内の水を洗浄水としてゼット孔に圧送するポンプとを設けたものも知られている。前記貯留タンクは、前記リム通水部と連通させてリム通水部へ給水するときにタンク内へも貯留可能としている(例えば、特許文献2を参照。)。
【特許文献1】特開2003-138623号公報
【特許文献2】特許第2800421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記特許文献1に開示された水洗便器は、水道管と接続した給水管に直接ポンプを取付けた構造であるため、ポンプを駆動すると、例えば前記水道管から分岐された他の水栓端末への給水能力が低下するおそれがあり、複数の水洗便器を取付けた場合の他の使用者に、あるいは水道管を共有する他の水栓端末の使用者に迷惑をかけるおそれがあった。
【0009】
また、上記特許文献2に開示された水洗便器では、ポンプを駆動してゼット孔へ圧送する洗浄水はタンク内の貯留水なので上述した問題が生じるおそれはないが、リム通水部へ給水するときにタンク内へも貯水するようにしているため、リム通水用の流量が減少してしまうおそれがあり、流量の制御が難しかった。また、貯留タンクとポンプとを便器本体に組み込んだ場合、特にポンプのメンテナンスが面倒で手間がかかるおそれがあった。また、例えば既存の水洗便器にこれらを後付けすることが極めて困難であった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決することのできる水洗便器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の本発明では、水道管と接続され該水道管内の水を洗浄水として供給可能な給水管と、洋風便器本体のリムに洗浄水を供給するリム用配管と、洋風便器本体のトラップに洗浄水を供給するゼット用配管とを備え、給水管から供給された洗浄水を前記リム用配管と前記ゼット用配管とに所定順序で供給して洗浄する洋風水洗式便器の前記給水管に接続される洋風水洗式便器用ポンプユニットであって、このポンプユニットは洗浄水を貯留するタンクと、貯留した洗浄水を噴出させるポンプと、このポンプの駆動を制御する制御手段を備え、この制御手段は前記洋風水洗式便器と接続されて洗浄動作信号が入力され、この入力された洗浄開始信号に基づいて前記ポンプを駆動して前記タンク内の水を噴出すると共に、洗浄動作途中に前記ポンプを停止して水道管からの水を前記タンクに貯留し、その後に再度前記ポンプを駆動して前記タンク内の水を噴出することを特徴とする洋風水洗式便器用ポンプユニットを配設した。
【0012】
請求項2記載の本発明では、前記洋風水洗式便器は洗浄開始時にリム用配管から洗浄水を供給し、次にゼット用配管から洗浄水を供給し、次にリム用配管から洗浄水を供給するものであり、前記制御手段は最初のリム用配管から洗浄水供給後に前記ポンプを停止して水道管からの水を前記タンクに貯留し、その後に再度前記ポンプを駆動して前記タンク内の水をゼット用配管から供給することを特徴とする洋風水洗式便器用ポンプユニットである。
【0013】
請求項3記載の本発明では、前記洋風水洗式便器は洗浄開始時にリム用配管から洗浄水を供給し、次にゼット用配管から洗浄水を供給し、次にリム用配管から洗浄水を供給するものであり、前記制御手段はゼット用配管から洗浄水供給後に前記ポンプを停止して水道管からの水を前記タンクに貯留し、その後に再度前記ポンプを駆動して前記タンク内の水をリム用配管から供給することを特徴とする洋風水洗式便器用ポンプユニットである。
【0014】
請求項4記載の本発明では、上記請求項1〜3の何れかの記載の水洗便器において、前記タンクには水位検知手段を設け、前記制御手段は前記水位検知手段が水位所定水位を検出するまで前記ポンプを停止することを特徴とする洋風水洗式便器用ポンプユニットである。
【0015】
請求項5記載の本発明では、水道管と接続され該水道管内の水を洗浄水として供給可能な給水管と、洋風便器本体のリムに洗浄水を供給するリム用配管と、洋風便器本体のトラップに洗浄水を供給するゼット用配管とを備え、給水管から供給された洗浄水を前記リム用配管と前記ゼット用配管とに所定順序で供給して洗浄する洋風水洗式便器において、前記給水管には、洗浄水を貯留するタンクと、貯留した洗浄水を噴出させるポンプとを備え、洗浄操作に基づいて前記ポンプを駆動して前記タンク内の水を噴出すると共に、洗浄動作途中の前記リム用配管とゼット用配管との供給切替時に前記ポンプを停止して水道管からの水を前記タンクに貯留し、その後に再度前記ポンプを駆動して前記タンク内の水を噴出する制御手段を備えたことを特徴とする洋風水洗式便器である。
【発明の効果】
【0016】
(1)請求項1記載の本発明では、水道管と接続され該水道管内の水を洗浄水として供給可能な給水管と、洋風便器本体のリムに洗浄水を供給するリム用配管と、洋風便器本体のトラップに洗浄水を供給するゼット用配管とを備え、給水管から供給された洗浄水を前記リム用配管と前記ゼット用配管とに所定順序で供給して洗浄する洋風水洗式便器の前記給水管に接続される洋風水洗式便器用ポンプユニットであって、このポンプユニットは洗浄水を貯留するタンクと、貯留した洗浄水を噴出させるポンプと、このポンプの駆動を制御する制御手段を備え、この制御手段は前記洋風水洗式便器と接続されて洗浄動作信号が入力され、この入力された洗浄開始信号に基づいて前記ポンプを駆動して前記タンク内の水を噴出すると共に、洗浄動作途中に前記ポンプを停止して水道管からの水を前記タンクに貯留し、その後に再度、前記ポンプを駆動して前記タンク内の水を噴出することを特徴とする洋風水洗式便器用ポンプユニットであり、水道管に直接ポンプを取り付けた構造のポンプユニットと比較して、ポンプを駆動させた場合でも、他の水栓端末への給水能力が低下するおそれもない。よって、複数の水洗便器を取付けた場合、他の便器の使用者、あるいは水道管を共有する他の水栓端末の使用者に迷惑をかけるおそれもない。
【0017】
(2)請求項2記載の本発明では、前記洋風水洗式便器は洗浄開始時にリム用配管から洗浄水を供給し、次にゼット用配管から洗浄水を供給し、次にリム用配管から洗浄水を供給するものであり、前記制御手段は最初のリム用配管から洗浄水供給後に前記ポンプを停止して、水道管からの水を前記タンクに貯留し、その後に再度前記ポンプを駆動して、前記タンク内の水をゼット用配管から供給することにしたため、タンクへの水を供給、貯留する時間を十分確保でき、その分、タンクの必要容量を小さくすることが可能となる。それにより、タンク設置スペースも小さく出来ることから、スマートで高級感のあるタンクレス水洗便器と組み合わせても、製品イメージを損ねることもない。
【0018】
(3)請求項3記載の本発明では、前記洋風水洗式便器は洗浄開始時にリム用配管から洗浄水を供給し、次にゼット用配管から洗浄水を供給し、次にリム用配管から洗浄水を供給するものであり、前記制御手段はゼット用配管から洗浄水供給後に前記ポンプを停止して水道管からの水を前記タンクに貯留し、その後に再度前記ポンプを駆動して前記タンク内の水をリム用配管から供給することにしたため、タンクへの水を供給、貯留する時間を十分確保でき、その分、タンクの必要容量を小さくすることが可能となる。
【0019】
(4)請求項4記載の本発明では、前記タンクには水位検知手段を設け、前記制御手段は前記水位検知手段が水位所定水位を検出するまで前記ポンプを停止することを特徴とする。これにより、洗浄に必要なタンク内の必要水量が検出でき、検出後にポンプを駆動すれば、常に一定の洗浄水量を供給することが出来るため、安定した洗浄性能を確保することが出来る。
【0020】
(5)請求項5記載の本発明では、水道管と接続され、該水道管内の水を洗浄水として供給可能な給水管と、洋風便器本体のリムに洗浄水を供給するリム用配管と、洋風便器本体のトラップに洗浄水を供給するゼット用配管とを備え、給水管から供給された洗浄水を前記リム用配管と前記ゼット用配管とに所定順序で供給して洗浄する洋風水洗式便器において、前記給水管には、洗浄水を貯留するタンクと、貯留した洗浄水を噴出させるポンプとを備え、洗浄操作に基づいて前記ポンプを駆動して前記タンク内の水を噴出すると共に、洗浄動作途中に前記ポンプを停止して水道管からの水を前記タンクに貯留し、その後に再度前記ポンプを駆動して前記タンク内の水を噴出する制御手段を備えたことを特徴とする洋風水洗式便器であり、このポンプユニットと、ポンプを駆動してタンク内の水を噴出する制御手段と、その制御手段に設定された一連の制御で、十分な汚物排出が可能なタンクレス便器をなすことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の構成は、便器本体の上部開口周縁に形成したリム通水部と、便器本体の底部に形成したトラップ流入口に向けて開口したゼット孔とを備え、前記リム通水部と前記ゼット孔とからそれぞれ洗浄水を吐水可能とした水洗便器と、この水洗便器本体内に一体的に収納され、リム通水部とゼット孔に選択的に給水可能とする洗浄水供給手段、及び洗浄水供給手段を制御する制御部とで構成された一体型便器部と、水道管に連通連結した給水管との間に、洗浄水を貯留するタンクと、貯留した洗浄水を噴出させるポンプと、タンクに給水するための給水バルブと現在の水位を検出する水位検知手段、及び、ポンプの駆動、水位検知手段と同期して給水バルブの駆動を制御する制御部と、水位検知信号を取り込む制御部、使用者の洗浄動作信号が入力される制御ユニットを一体的に備えたポンプユニットを配設したものである。
【0022】
すなわち、水道の給水圧力が低いところであっても十分な洗浄水量を確保して汚物を確実に排出することができるように、水道管からの水をタンクに給水しておき、使用者からの洗浄起動を感知した場合は、前記タンク内に貯留した水をポンプによって便器部に強制的に圧送するようにしている。なお、水源から前記水道管へ給水される水は、上水に限らず中水であってもよい。
【0023】
洗浄水供給手段は、給水管に取付けた定流量弁と、その下流側に配設した開閉弁と流路切替弁との組合せにより構成することができ、これを負圧破壊弁などとともに給水管に設けてユニット化し、これをバルブユニットとして、ユニットごと便器本体内に収納配設することができる。
【0024】
このように、複数の弁機構をコンパクトに一纏めにして便器本体内、あるいは、局部洗浄装置カバー内に収納しているので、弁などの機構が露出せず、水洗便器を設置するトイレルームなどの美観を損なうことがないし、清掃性なども向上する。また、コンパクトにユニット化しているので便器本体内に収納しても便器全体は大型化することがなく、水洗便器自体のスマートな外観を損なうおそれもない。
【0025】
また、本実施形態では、この洗浄水供給手段に対して、効率的に便器洗浄を行えるように、前記リム通水部と前記ゼット孔とに所定のタイミングで給水を制御する給水制御手段を備えている。
この給水制御手段についても、便器本体内、あるいは、局部洗浄装置カバー内に収納しているので、
洗浄水供給手段と同様、水洗便器自体のスマートな外観を損なうおそれもない。
【0026】
一方、本実施形態のポンプユニットにもポンプ用給水制御手段を備えている。このポンプ用給水制御手段は、後述する洗浄水供給手段の開閉弁への開信号を検知し、トリガーにして、ポンプへの起動信号をポンプに送信し、駆動を開始する。すなわち、使用者の洗浄起動信号を前記便器本体に備えられた給水制御手段に供給された信号を検知し、検知と同時に、ポンプへの起動信号を送信し、ポンプを駆動する。
【0027】
ポンプを駆動すると、タンクの水を噴出して前記洗浄水供給手段に水を供給し、その洗浄水供給手段側では、洗浄起動信号に基づき、洗浄水供給手段に構成している電磁開閉弁22を開状態にし、それと同時に流路切替弁をリム用配管、あるいは、ゼット用配管に給水すべく給水切替を行い、順次、リム洗浄、ゼット洗浄、水封を行うよう駆動する。
【0028】
ポンプを駆動させた瞬間から、使用される分のタンク内の水は、所定水位位置(満水位置あるいは初期位置)から継続して下がり続けることになる。
【0029】
この使用した水を少なからず補給するために、ポンプユニット上方に給水バルブを一体的に構成している。この給水バルブは、ポンプ用給水制御手段とコネクター、ハーネス等の制御線で連結している。
【0030】
また、同様に、タンク内の水位状態を検出する水位検知手段もポンプユニット上方に一体的に構成しており、ポンプ用給水制御をコネクター、ハーネス等の制御線で連結している。
【0031】
この給水バルブは、水位検知手段と同期して動作する仕様となっている。これは、ポンプ用給水制御手段が、水位検知手段のOFF信号(タンク内の水が満水でない状態)を検知した場合、給水バルブの開閉弁に開信号を出力し、吐水を開始する。また、水位検知手段のON信号(タンク内の水が満水の状態)を検知した場合、開閉弁に閉信号を出力し吐水を停止する。
【0032】
ゆえに、ポンプを駆動し、便器側にタンク内の水が吐水された時点で、すぐさま水位低下が始まるため、水位検知手段がOFFとなり、給水バルブが開となってタンク内に補給給水されることとなる。タンク内への給水は、水位検知手段がONとなるまで行われる。
【0033】
また、この給水バルブと水位検知手段とポンプ用給水制御手段の同期的制御は、タンクを小型化するための重要な制御である。
【0034】
本実施形態では、最初のリム洗浄後、ポンプの駆動を一旦停止し、給水バルブを開して、水道管からの水を前記タンクに貯留する。この貯留は、水位検知手段がONするまで継続される。すなわちタンクが所定水位に回復するまで給水を行うこととなる。所定水位に回復した後、再度前記ポンプを駆動して前記タンク内の水をゼット用配管から供給することにより、サイフォンを起して汚物を搬送し、さらに再度リム用配管に給水させてボール部への水溜めを完了する。
【0035】
このポンプ駆動を一旦停止し、給水バルブを開にして、タンクの所定水位まで給水、回復後、再度ポンプを駆動し、後の洗浄を行うポンプ制御が、タンクの小型化と効率よい洗浄を実現させている。
【0036】
給水バルブの上流側には、水を一定流量に制御する定流量弁が構成されている。この定流量弁の流量は、ポンプの吐出流量よりも若干少な目に流入するよう設定されている。これは、もしポンプ吐出流量よりも、タンク内への流入量が多い場合、タンク内は常に満水となり、その状態が継続すると、タンク自信の強度への影響も危惧される。
【0037】
また、後述するオーバーフロー管が設置してある場合、使用するたびにタンク内の水はオーバーフローしてしまうことになり、常に無駄水が発生してしまうことになる。よって、前記定流量弁が作動する事により、ポンプが駆動している間は、タンク内への流入量を一定になるよう設定している。
【0038】
前述の通り、タンクには、オーバーフロー管を配設している。このオーバーフロー管の開口端は、少なくとも水位検知手段のON−OFF接点スイッチよりも上方に開口部を有するようタンクに取り付け構成している。また、オーバーフロー管の他端は、便器のボール面開口部にオーバーフロー水を導くよう、軟質系のチューブ等で、接続している。
【0039】
このオーバーフロー管は、給水バルブの故障、あるいは、定流量弁の故障などで、想定以上の水がタンク内に流入した場合、タンクに強度的なダメージを引き起こすこと無く流入した水をタンク機外に排出する事を目的としている。
【0040】
また、オーバーフロー管の開口端を水位検知手段よりも上方に開口して取り付けている理由は、正常時の水位検知手段の動作及び、給水バルブのON−OFF制御に支障を与えないためである。
【0041】
またこのオーバーフロー管は、前記目的とは別に、大気導入口も兼ねている。即ち、便器洗浄を行うときにポンプを駆動するが、ポンプは、タンク内の水を強烈な勢いで、便器側に圧送するため、タンク内は吸引作用により負圧状態になり得る。この負圧状態がポンプを駆動するたびに起こり得るため、タンクの耐久強度、長期信頼性という点でも心配である。しかるに、このオーバーフロー管の他端は、便器のボール面に開口、取り付けしており、ここから大気を導入し、ポンプ駆動時にタンク内の水を強烈に圧送した場合でも、タンク内が負圧になるのを防止し、タンクの安全性を保つ役目も担っている。
【0042】
以下、この発明の実施形態を図面に基づき、より具体的に説明する。なお、本実施形態に係る水洗便器はサイホンゼット式の洋式水洗便器としている。図1は本実施形態に係る水洗便器とポンプユニットの左前方からの斜視図、図2は同水洗便器とポンプユニットの模式的説明図、図3は同水洗便器とポンプユニットの左斜め後方からの斜視図、図4は図3の斜視図にポンプユニット、バルブユニット、配管を配置した説明図、図5はポンプユニットの説明図、図6は同水洗便器とポンプユニットの右斜め前方からの斜視図にポンプユニット、バルブユニット、配管を配置した説明図、図7は同水洗便器とポンプユニットの洗浄タイムチャート、図8は同水洗便器とポンプユニットの洗浄タイムチャートの他の実施形態、図9も同水洗便器とポンプユニットの洗浄タイムチャートの他の実施形態である。
【0043】
水洗便器1は、図1及び図2から4に示すように、便器本体10の上面開口部に開閉自在に配設された便座11と、この便座11の上に同じく開閉自在に配設された便蓋12とを具備しており、前記便器本体10の後部には機能部ケーシング13を設けている。この機能部ケーシング13内には、図示しない局部洗浄装置と後述するバルブユニット2とを収納配設している。
【0044】
便器本体10内部は、図2に示すように、隔壁16によりボウル部14とトラップ排水路15とに区画されており、前記ボウル部14の上部周縁にはリム部17が形成され、このリム部17のやや後部側には、リム通水部4を形成している。41はリム通水開口である。
【0045】
また、前記トラップ排水路15は、前記ボウル部14の後下部に形成したトラップ流入口15aと、便器本体10の下面略中央に開口した排水口15bとを連絡するように略逆U字状に形成されている。15cはトラップ排水路15の最上部分となる堰部、15dはこの堰部15cの下流側をなす直管部である。
【0046】
また、ボウル部14の底部には、前記トラップ流入口15aに向けて洗浄水を噴射するゼット孔51を前記トラップ流入口15aと対向する位置に設けている。5は前記便器本体10内に配設され、略J字状に形成されたゼット用通水管であり、先端に前記ゼット孔51を開口したゼットノズル51aを設けている。
【0047】
本実施形態に係る水洗便器1は、上記構成において、前記水源3に連通連結した導水路6に給水バルブ6aを連通連結し、この給水バルブ6aと水を貯留するタンク71とこのタンク71内の貯留水をバルブユニット2に供給するポンプ72とを具備するポンプユニット7を配設したことに特徴がある。
【0048】
すなわち、トイレ室Qの壁体W(図2を参照)に外部から臨ませて配管した水源3に導水路6を連結し、同導水路6の先端をポンプユニット7の給水バルブ6aに接続する。
【0049】
一方このタンク71に付設したポンプ72を介して導水路R3を前記上壁71dから伸延させて、その終端をバルブユニット2を取付けた給水管R0に接続している。
【0050】
ここで、便器本体10の機能部ケーシング13内に配設された前記バルブユニット2は、図2に示すように、給水管R0の上流側から、定流量部21と、この定流量部21の下流側に順に配設したソレノイド式の電磁電磁開閉弁22及び前記流路切替弁23と、前記流路切替弁23から伸延し、それぞれ負圧破壊弁24を設けた2本の下流側給水管を伸延させて構成している。
【0051】
そして、前記下流側給水管の一方に導水路R1を、他方に導水路R2を連通連結し、前記導水路R1の先端側をなすリム通水管42を前記リム通水部4内に伸延させ、前記リム通水管42の先端に取付けたリムノズル43を前記リム通水開口41に臨ませる。一方、導水路R2の先端側をゼット用通水管5に伸延させ、ゼット用通水管5の先端に取り付けたゼット孔51に接続している。なお、図2中、61は前記導水路6に設けた止水栓部であり、止水弁61aとフィルタ61bとを内蔵している。また、定流量部61cは止水栓部61に略一体的に形成されており、61を通ってきた水を一定流量に制御するものである。これにより、タンク71には給水圧が変動したとしてもある一定流量の水が供給されることとなる。また、62は導水路6から分岐して前記局部洗浄装置へ給水するための分岐流路である。
【0052】
かかる構成により、水源3からの給水圧力が低いところであっても、導水路6からの水がタンク71に給水されることから、タンク71内に貯留した水をポンプ72によって強制的に前記リムノズル43及びゼット孔51へ圧送することができ、十分な洗浄水量を確保して汚物を確実に排出することができる。
【0053】
次に図4、及び図5で、ポンプユニット7について説明する。ポンプユニット7は、前記定流量部61cから導水路6を伸延して連動連結している。ポンプ72は略円筒形のタンク71の下方に設置されている。
【0054】
このポンプ72は円筒形状をなしており、タンク71に設置する際は、ポンプ円筒部胴体にOリングを配してタンクに取り付けることで、水密性を確保する構造となる。
【0055】
このポンプ72は、起動信号を受け取り、駆動開始、あるいは停止の制御を行うために、ポンプ制御線80により、ポンプ用給水制御手段81と接続している。
【0056】
ポンプユニット7の上面には、給水バルブ6aが構成してあり、ポンプ用給水制御手段81と給水バルブ制御線82で繋がっている。給水バルブ6aは、電磁弁により水路を開閉するもので、後述する水位検知手段(以下フロートスイッチ)74と同期して作動する。ゆえにポンプ用給水制御手段81は、水位検知手段74の入力状況により、給水バルブ6aを制御し、タンク71内へ給水、及び給水停止を行うこととなる。
【0057】
ポンプユニット7の上面には、前記フロートスイッチ74が構成されている。このフロートスイッチ74は、ポンプ用給水制御手段81とフロートスイッチ制御線83で繋がっている。また、フロートスイッチ74のON、OFFにより、タンク71内の水位を検知することができる。
【0058】
具体的には、本方式のポンプ用給水制御手段81は、フロートスイッチ74がOFFの場合は、給水バルブ6aにON信号を出力し、電磁弁を開する。他方、フロートスイッチ74がONの場合は、給水バルブ6aにOFF信号を出力し、電磁弁を閉にする。これは、タンク71内の水が所定の水位にあるときは給水を停止し、所定水位から下がった場合は、すぐに給水を行うことで、迅速にタンク71内に水を補給し、出来るだけタンク71内が空の状態になるのを防ぐためである。
【0059】
ポンプ用給水制御手段81は、タンク71の下方に設置している。また、ポンプ71、給水バルブ6a、フロートスイッチ74及び、ポンプ用給水制御手段81の駆動電源としては、一般用の100V電源を使用するため、ポンプ用給水制御手段81からコンセント90を伸延している。
また、ポンプ71を駆動開始するトリガーとしては、使用者の洗浄起動信号を受け取る必要がある。よってその信号をポンプ用給水制御手段81に取り込むために、機能部ケーシング13内の給水制御手段86と制御手段連結線89にて連結する。
【0060】
略円筒型のタンク71には、オーバーフロー管84がタンク71下面から上方に向けて取り付けてある。またオーバーフロー管84の下端は、導水管85(ホース等)に接続してあり、その導水管85の他端は、便器のボール部14に開口するよう設置している。なお便器への取り付けに関しては、吸盤、あるいは粘着テープにより固定している。
このオーバーフロー管84は、先に説明した給水バルブ6aが故障、あるいは、定流量部61cの故障の場合、このオーバーフロー管84を通って、便器のボール面に逃がすためのものである。また、このオーバーフロー管84は、タンク71内の負圧を解除する安全のための大気導入部も兼ねているのも前記の通りである。
【0061】
またタンク71の上部には、タンク径とほぼ同径の略円筒型のタンク蓋71aを構成している。これは、タンク上面へ取り付けている給水バルブ6a、フロートスイッチ74、給水管接続部材等を被うカバーである。これにより、部品が剥き出しになることなく、すっきりとした外観が実現できる。
【0062】
ここで、ポンプ用給水制御手段81、給水制御手段86により行われる給水制御方法について、図2及び図7を参照しながら説明する。
【0063】
この給水制御手段86はタイマーを備えており、図5に示すように、基本的には予め定めた所定のタイミングで前記リム通水部4と前記ゼット孔51とに給水するよう制御している。よって、供給される給水量は、流量を制御する定流量部21とタイマーによって決定される。
【0064】
まず、初期の待機状態でポンプユニット7のタンク71内には所定量の貯留水が存在する。したがって、この状態ではフロートスイッチ74はON状態である。
水洗便器1の使用者が、例えば便器本体10、あるいはリモコンに設けた洗浄スイッチ(図示せず)を押下するなどして洗浄操作を実行すると、ポンプ用給水制御手段81は、前記ポンプユニット7のポンプ72に駆動信号を出力して駆動させる。
【0065】
それと同時に、給水制御手段86は、バルブユニット2の電磁電磁開閉弁22及び流路切替弁23を開成する駆動信号を出力して(t1)給水管R0とリム通水管42とを連通させ、水をリム通水部4に給水する。即ちそのときの水の経路は、ポンプ72→給水管R0→定流量部21→電磁電磁開閉弁22→流路切替弁23→リム通水部4→リム通水開口41へと圧送され、ボウル部14内に吐出された水は、ボウル部14の内壁を旋回しながら洗浄を開始する。
この時、ポンプユニット7が駆動するとともに、タンク71内の水位が低下し、フロートスイッチ74がOFF状態となる。即ちOFFを検知した時点で給水バルブ6aがONし、吐水を開始し、タンク71内に補給する。この時の流量の関係は、ポンプの吐水量≧給水バルブの吐水量の関係となるよう定流量部21、定流量部61cを設定している。
【0066】
リム洗浄に十分な所定時間を経過すると、ポンプ用給水制御手段81は、ポンプ72の駆動を一旦停止する(t2)。上述のように、ポンプの吐水量≧給水バルブの吐水量の関係にあるため、停止した瞬間、タンク71内の水は、所定水位よりも低くなっている。即ち、フロートスイッチ74がONになるまで、給水バルブ6aは吐水を行い、他方、タンク71内の水が満水になるまで、ポンプ72の駆動は停止することとなる。このように、洗浄中に一旦停止し、タンク71内に必要量(所定水位回復)まで給水する過程を組み込むことにより、タンク71の容量を2〜3リットル程度に小型化することが可能となる。
【0067】
一方、ポンプ72の駆動を一旦停止した段階で、給水制御手段86は、バルブユニット2の流路切替弁23に駆動信号を出力して給水管R0とゼット用通水管5とを連通させる。また、バルブユニット2は、その状態を維持する。
【0068】
続いて、給水バルブ6aの吐水により、上述のフロートスイッチ74がONとなった瞬間(所定水位が回復)、ゼット洗浄を開始するべく、ポンプ用給水制御手段81はポンプ72に駆動信号を出力する(t3)。即ちそのときポンプ72の駆動により、便器内に水を供給することとなるが、その時の水の経路は、ポンプ72→給水管R0→定流量部21→電磁電磁開閉弁22→流路切替弁23→ゼット用通水管5→ゼット孔51の順序で圧送され、ゼット孔51からトラップ流入口15aに向かって噴出された洗浄水によりトラップ排水路15内に負圧を生じさせ、ボウル部14内の溜め水が呼び込まれトラップ排水路15内にサイホン現象を生起させ、汚物を排出口15bへと流出させるゼット洗浄が実行される。
【0069】
かかるゼット洗浄に要する水量はおよそ20リットル/min必要であるが、ポンプ72はその水量を排出できる性能を有しているものを選定、設置している。
【0070】
また、ゼット洗浄を開始し、ポンプ72が駆動するとともに、タンク71内の水位は低下することとなり、その時点で、フロートスイッチ74はOFF状態となる。OFF状態となった段階で、給水バルブ6aは吐水を開始し、タンク71内に補給を開始する。これは、上述のリム洗浄時の制御と同様であり、タンク容量を小型化するには有用な制御である。
【0071】
このゼット洗浄に要する時間は、予め給水制御手段86でタイマーで定められており、その所定時間が経過すると(t4)、ポンプ71が駆動を継続している状態で、給水制御手段86は、バルブユニット2の流路切替弁23に駆動信号を出力して、再度給水管R0とリム用配管42とを連通させる。これにより、タンク71内の水は、前記リム通水部4に給水され、便器本体10のボウル部14内を水封する。なお、この水封に要する時間も、給水制御手段86で予め設定されており、タイマーを用いた時間管理による給水制御となっている。
【0072】
かかる水封時間が経過すると、給水制御手段86は電磁電磁開閉弁22に閉弁駆動信号を出力すると同時に、ポンプ用給水制御手段81は、ポンプ72の駆動を停止する。これで便器への給水制御は完了する。(t5)
【0073】
一方、ゼット洗浄以降、ポンプ72は常に駆動し、タンク71内の水を連続的に吐出しているため、タンク71内の水は所定水位より低下している。フロートスイッチ74は、この間常にOFFであり、よって給水バルブ6aはONし、ポンプ72の駆動の間は、常にタンク71に給水している。このタンク給水は、ポンプ71駆動停止後、すなわち給水制御完了後も継続し、水位が所定水位に回復するまで、継続することとなる。よって、給水バルブ6aがタンク71に吐水し、フロートスイッチ74がONとなり、給水バルブ6aが停止したところで、ポンプユニット7及び便器洗浄の一連の制御は完了する。(t6)
【0074】
以上、実施形態を通して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0075】
例えば上述では、ポンプ72を駆動し、リム洗浄の後、タンク71内の水が所定水位に回復するまで、ポンプ72の駆動を停止したが、図8に示すよう、ポンプ72を駆動し、リム、ゼット洗浄の後に、タンク71内の水が所定水位に回復するまで、ポンプ72の駆動を停止するような制御としても良い。
また、図9に示すように、リム洗浄−ゼット洗浄−水封の各過程の間にポンプ72の駆動を停止して、タンク71内の水が所定水位に回復するまで、次過程に進まない制御を組み込むことでも良い。この場合が最もタンク容量を小さくすることが可能となるが、1動作のトータル時間が最も長くなるという難点もある。
【0076】
さらに、上述してきた水洗便器1は、ポンプユニット7を予め備えた構成として説明したが、例えば、既設のタンクレスの水洗便器に、ポンプユニット7を後付けすることも可能である。
【0077】
本ポンプユニットを取り付ける場合は、ポンプユニット7と水洗便器1へ繋ぐ給水管R3とポンプユニット7と止水栓61を繋ぐ定流量部61cと導水路6を取り付ける。また、使用者からの洗浄起動信号を取り込むために給水制御手段86から伸びたコネクター87とポンプ用給水制御手段81から伸びたコネクター88を繋ぐ。また給水制御手段86とポンプ用給水制御手段81の供給電源として、それぞれ100Vの電源を供給することで、既設のタンクレス便器にポンプユニットを後付け可能とする。
【0078】
もし、既設のタンクレスの水洗便器とポンプユニットを取り付けた場合の給水制御が異なる場合は、給水制御手段に予め2つの制御を組み込んでおき、現場で外部スイッチ等で切替可能なように設定しておけば即座の対応が可能となる。
【0079】
これにより、水圧が低い現場に、タンクレス便器を取り付けてしまった場合でも、便器そのものは取り替えることなく、ポンプユニットを繋ぐことで、タンクレス便器が使用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本実施形態に係る水洗便器とポンプユニットの左前方からの斜視図。
【図2】同水洗便器とポンプユニットの模式的説明図。
【図3】同水洗便器とポンプユニットの左斜め後方からの斜視図。
【図4】図3の斜視図にポンプユニット、バルブユニット、配管を配置した説明図。
【図5】ポンプユニットの説明図。
【図6】同水洗便器とポンプユニットの右斜め前方からの斜視図にポンプユニット、バルブユニット、配管を配置した説明図。
【図7】同水洗便器とポンプユニットの洗浄タイムチャート。
【図8】同水洗便器とポンプユニットの洗浄タイムチャートの他の実施形態。
【図9】同水洗便器とポンプユニットの洗浄タイムチャートの他の実施形態。
【符号の説明】
【0081】
1 水洗便器
2 バルブユニット
3 水源
4 リム通水部
5 ゼット用通水管
6 導水路
6a 給水バルブ
7 ポンプユニット
21 定流量部
22 電磁開閉弁
23 流路切替弁
43 リムノズル
51 ゼット孔
51a ゼットノズル
61c 定流量部
71 タンク
72 ポンプ
74 水位検知手段あるいはフロートスイッチ
81 ポンプ用給水制御手段
86 給水制御手段



【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道管と接続され該水道管内の水を洗浄水として供給可能な給水管と、洋風便器本体のリムに洗浄水を供給するリム用配管と、洋風便器本体のトラップに洗浄水を供給するゼット用配管とを備え、給水管から供給された洗浄水を前記リム用配管と前記ゼット用配管とに所定順序で供給して洗浄する洋風水洗式便器の前記給水管に接続される洋風水洗式便器用ポンプユニットであって、このポンプユニットは洗浄水を貯留するタンクと、貯留した洗浄水を噴出させるポンプと、このポンプの駆動を制御する制御手段を備え、この制御手段は前記洋風水洗式便器と接続されて洗浄動作信号が入力され、この入力された洗浄開始信号に基づいて前記ポンプを駆動して前記タンク内の水を噴出すると共に、洗浄動作途中に前記ポンプを停止して水道管からの水を前記タンクに貯留し、その後に再度前記ポンプを駆動して前記タンク内の水を噴出することを特徴とする洋風水洗式便器用ポンプユニット。
【請求項2】
前記洋風水洗式便器は洗浄開始時にリム用配管から洗浄水を供給し、次にゼット用配管から洗浄水を供給し、次にリム用配管から洗浄水を供給するものであり、前記制御手段は最初のリム用配管から洗浄水供給後に前記ポンプを停止して、水道管からの水を前記タンクに貯留し、その後に再度前記ポンプを駆動して前記タンク内の水をゼット用配管から供給することを特徴とする請求項1記載の洋風水洗式便器用ポンプユニット。
【請求項3】
前記洋風水洗式便器は洗浄開始時にリム用配管から洗浄水を供給し、次にゼット用配管から洗浄水を供給し、次にリム用配管から洗浄水を供給するものであり、前記制御手段はゼット用配管から洗浄水供給後に前記ポンプを停止して水道管からの水を前記タンクに貯留し、その後に再度前記ポンプを駆動して前記タンク内の水をリム用配管から供給することを特徴とする請求項1記載の洋風水洗式便器用ポンプユニット。
【請求項4】
前記タンクには水位検知手段を設け、前記制御手段は前記水位検知手段が水位所定水位を検出して、前記ポンプを駆動あるいは停止することを特徴とする請求項1〜3何れか一項記載の洋風水洗式便器用ポンプユニット。
【請求項5】
水道管と接続され該水道管内の水を洗浄水として供給可能な給水管と、洋風便器本体のリムに洗浄水を供給するリム用配管と、洋風便器本体のトラップに洗浄水を供給するゼット用配管とを備え、給水管から供給された洗浄水を前記リム用配管と前記ゼット用配管とに所定順序で供給して洗浄する洋風水洗式便器において、
前記給水管には、洗浄水を貯留するタンクと、貯留した洗浄水を噴出させるポンプとを備え、洗浄操作に基づいて前記ポンプを駆動して前記タンク内の水を噴出すると共に、洗浄動作途中の前記リム用配管とゼット用配管との供給切替時に前記ポンプを停止して水道管からの水を前記タンクに貯留し、その後に再度前記ポンプを駆動して前記タンク内の水を噴出する制御手段を備えたことを特徴とする洋風水洗式便器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−104669(P2006−104669A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288757(P2004−288757)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】