説明

洗剤詰替え器具

【課題】安心して長時間放置でき、手間を掛けずにパックの洗剤を残らず容易に詰替えることができる器具を提供する。
【解決手段】詰替え洗剤パックをパックの角の注ぎ口を下にしてロートに入れた時、パックの厚み方向にもパックがあまり前後に傾かないように狭くした断面とし、さらに詰替え洗剤パックの左右の角付近までロート内に収容でき、且つパックの注ぎ口のほぼ真下にロートの滴下筒が位置するような特殊な形状の変形ロートを用い、その側面にクリップとして一対のL字型の板バネの上端を取り付け、水平にかつ互いに内向きに曲げられた下端を半円状に切り込み、この一対の切り込みをロートの滴下口を囲うように接近した位置とし、さらにこのロートに吊るすためのつり紐を設けた洗剤詰替え器具。または、クリップが無い上記の特殊な形状の変形ロートに、ロートを吊るすためのつり紐を設け、このつり紐にチェーンや多穴板などを取り付けた洗剤詰替え器具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、詰替え用のパックに入った洗剤等を、洗剤容器に詰替える器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては、洗剤の詰替えパックを起立させておくホルダーと開封爪を設置したもの(特許文献1参照)や、支柱を設けて詰替え洗剤パックを洗剤容器の上に乗せ、クリップで固定して詰替えを行う器具(特許文献2参照)があった。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−255267号公報
【特許文献2】実用新案登録第3144838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、次のような問題点があった。
(イ)詰替え容器のホルダーと開封爪を設置したものは、構造的に複雑でコスト高になる と思われる上、詰替える洗剤の種類の分だけ容器を用意する必要があるため、使用 者の経済的負担が大きい。
(ロ)支柱に付いたクリップで詰替え洗剤パックを支え、洗剤容器の口にパックの詰替え 口を乗せる形態のものは、パックは曲がり易い材質であることから、クリップで挟 んだ位置より上の洗剤の重さでパック自身が折れ曲がったり、洗剤容器の口に乗せ られたパックの注ぎ口が、わずかな振動等で外れる可能性や、洗剤容器の底面が小 さい場合は転倒することもなども考えられ、洗剤パックの保持と、パックの注ぎ口 と洗剤容器の口との接続部の安定性に欠けることから、器具の取り扱いが難しい構 造となっている。
また、支柱および支柱を支える土台などの構造物があることで、コスト面、保管 場所などの問題点もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ロートを使用し、これを身の回りの適当な場所に吊るして洗剤の詰替えをすることを基本とするが、シャンプーやリンス、ボディソープ等の詰替え洗剤パックは、一般的には長方形でその一つの角に洗剤の注ぎ口が設けられ、大きさ及び形状は若干の違いがあるものの概ね同一とみなされる。
(イ)上記からロートの形状を、平均的な大きさ及び形状の詰替え洗剤パックを、その角 にある注ぎ口を下にしてロートの上口から入れた時、パックが変形しない状態で、 注ぎ口とその対角にあるパックの角を結ぶ対角線が、パックの正面から見てほぼ垂 直となるような横方向の断面をもち、パックの厚み方向では、パックがあまり前後 に傾かないよう狭くまた上口の中央付近は直線の断面とし、さらに洗剤パックの左 右の両角付近までロート内に収容でき、且つパックの注ぎ口のほぼ真下にロートの 滴下筒が位置するよう、丁度船を上から見たような形で、上口が長手方向に少し傾 いた特殊な形状の変形ロートとする。またこのロートの上口の長手方向の両端付近 に、吊るすためのつり紐を取り付ける。
(ロ)上記、(イ)項の変形ロートの側面に、クリップとしてL字型の一対の板バネの上 端を付け、これの水平方向の下端を半円状に切り込み、この切り込みがロートの滴 下口を両方から囲いこむように付ける。このクリップで空になった洗剤容器の口の ネジ部を挟んで接続し、そのまま全体をつり紐で吊るして使用する。
(ハ)または、(イ)項の変形ロートからクリップ部をなくした変形ロートのつり紐に、 チェーンなどを取り付け、このチェーンなどの穴に、つり金具を引っ掛けて吊るす 構造とし、空の洗剤容器は床や台の上に乗せて使用する。
以上を特徴とする洗剤詰替え器具である。
【発明の効果】
【0006】
(イ)変形ロートの特殊な形状から、ロート内に収容した洗剤パックの重量がロートの容 器に平均に掛かり、また吊り下げた場所の壁面との接触面も安定するためロートは バランス良く吊り下げられる。さらにロート内に収容した詰替え洗剤パックも変形 が少ないため、詰替えパック内の洗剤が残らずロート内に流出する。
(ロ)ロートの滴下口と洗剤容器の口が、適切な位置に確実に保持される。
(ハ)上記により詰替えに長時間を要しても、安心して放置することができることから、 あまり人手を掛けず、また洗剤をパックに残すことなく詰替えることが可能となる 。
(ニ)洗剤容器口の径が多少異なっても詰替え可能であることから、この器具一台で何種 類もの洗剤を詰替えすることができる。
(ホ)吊り下げて使うことから支柱や上台の必要が無く、構造が簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の洗剤容器吊下げ式の斜視図
【図2】本発明の洗剤容器床置き式の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
先ず、本発明の洗剤容器吊下げ式の実施形態について説明する。(図1参照)
(イ)変形ロート(1)の形状は、シャンプー等で平均的な大きさ及び形状の詰替え洗剤 パック(4)を、その角にある詰換え洗剤パック注ぎ口(4a)を下にして変形ロ ート(1)の上口から入れた時、詰換え洗剤パック(4)がほとんど変形すること なく、詰換え洗剤パック注ぎ口(4a)とその対角にある詰換え洗剤パック(4) の角を結ぶ線が、詰換え洗剤パック(4)の正面から見てほぼ垂直となるような横 方向の断面をもち、詰換え洗剤パック(4)の厚み方向は詰換え洗剤パック(4) があまり前後に傾かないよう狭くし、また上口の前後の中央付近は直線の断面とな っている。さらに詰換え洗剤パック(4)を左右の角付近まで変形ロート(1)内 に収容でき、且つ詰換え洗剤パック注ぎ口(4a)のほぼ真下にロート滴下筒(1 a)が位置するような特殊な形状の変形ロート(1)とする。また変形ロート(1 )の上口の左右の端周辺に、変形ロート(1)を吊るすためのつり紐(3)を設け る。
(ロ)変形ロート(1)の側面にクリップ取付台(1c)を2個設け、これに一対のクリ ップ(2)をクリップ取付ネジ(2b)で取り付ける。
(ハ)クリップ(2)は、板状で弾性のある材料を用い、下端をお互いに内向きになるよ う水平に曲げ、その終端は半円状に切り込みクリップ爪(2a)としている。
(ニ)クリップ爪(2a)の切り込み部は、ロート滴下口(1b)を囲むように接近して 設けられる。また、クリップ爪(2a)は双方を手で外向きに開くと、クリップ( 2)自身の弾性により、内側に戻ろうとする力が働く。
本発明は以上のような構成である。
これを使用するときは、
(イ)洗剤容器(5)のキャップ(洗剤汲出し用のポンプユニット付のものが多い)を外 す。
(ロ)本発明品のクリップ(2)の双方を手で外側に広げ、洗剤容器口(5a)をロート 滴下口(1b)に差し入れ、洗剤容器口ネジ山(5b)の下の溝部にクリップ爪( 2a)を咬みこませ、変形ロート(1)と洗剤容器(5)を接続する。
(ハ)洗剤容器(5)を取り付けた状態で、吊り紐(3)を適当な場所に引っ掛けて全体 を吊るす。
(ニ)詰替え洗剤パック(4)の詰換え洗剤パック注ぎ口(4a)を開封し、詰換え洗剤 パック注ぎ口(4a)を下に向けまた、詰換え洗剤パック注ぎ口(4a)がロート 滴下筒(1a)の真上になる向きに、詰替え洗剤パック(4)を変形ロート(1) に投入する。
以上の状態で放置することで、詰替え洗剤パック(4)の洗剤が、ロート滴下口(1b)を介し、洗剤容器(5)に移し替えられる。
洗剤の移し替えが終わったら、クリップ爪(2a)から洗剤容器(5)を外し容器のキ ャップをつけて詰替え作業の終了となる。
次に、洗剤容器を床などに置いて詰替え作業をする、洗剤容器床置き式の実施形態について説明する。(図2参照)
(イ)変形ロート(1)の形状と、つり紐(3)を取り付けることは上記と同様であるが 、洗剤容器(5)を接続するためのクリップ取付台(1c)とクリップ(2)は設 けない。
(ロ)つり紐(3)にチェーン(6)の片端を通し取り付ける。
(ハ)別途、つり金具(7)を付けた上部つり紐(8)を用意する。
これを使用するには、
(イ)つり金具(7)をチェーン(6)の中央付近の穴に掛け、本発明品を吊るそうとす る適当な場所に上部つり紐(8)を掛けた場合、ロート滴下口(1b)と、その下 の洗剤容器(5)を置こうとする床などとの距離が、キャップを外した洗剤容器( 5)の平均的な高さ程度になるようあらかじめ上部つり紐(8)の結び目(8a) の位置を調節して結んでおく。(この作業は吊り下げ場所を変更しない限り、本発 明品を使用する最初の一回のみでよい。)
(ロ)本発明品全体を、上記の場所に吊るす。
(ハ)キャップを外した洗剤容器(5)を、本発明品の下の床などに置き、洗剤容器口( 5a)にロート滴下口(1b)が少し入る程度の高さになる様、つり金具(7)を 掛けるチェーン(6)の穴を変える。
(ニ)洗剤容器口(5a)をロート滴下口(1b)に挿入して洗剤容器(5)を床などに 置く。
(ホ)詰替え洗剤パック(4)の詰換え洗剤パック注ぎ口(4a)を開封し、詰換え洗剤 パック注ぎ口(4a)を下に向け、また詰換え洗剤パック注ぎ口(4a)がロート 滴下筒(1a)の真上になる向きに、詰替え洗剤パック(4)を変形ロート(1) に投入する。
この状態で放置することで、詰替え洗剤パック(4)の洗剤が、ロート滴下口(1b)を介し、洗剤容器(5)に移し替えられる。
洗剤の移し替えが終わったら、洗剤容器のキャップをつけて詰替え作業の終了となる。
【符号の説明】
【0009】
1 変形ロート
1a ロート滴下筒
1b ロート滴下口
1c クリップ取付台
2 クリップ
2a クリップ爪
2b クリップ取付ネジ
3 つり紐
4 詰替え洗剤パック
4a 詰替え洗剤パック注ぎ口
5 洗剤容器
5a 洗剤容器口
5b 洗剤容器口ネジ山
6 チェーン
7 つり金具
8 上部つり紐
8a 上部つり紐結び目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャンプー、リンス、ボディソープ等の、平均的な大きさ及び形状の詰替え洗剤パックをパックの角にある注ぎ口を下にしてロートの上口から入れた時、パックが変形しない状態で注ぎ口とその対角にあるパックの角を結ぶ対角線が、パックの正面から見てほぼ垂直となるような横方向の断面をもち、パックの厚み方向はパックがあまり前後に傾かないように狭くした断面とし、さらに詰替え洗剤パックの左右の角付近までロート内に収容でき、且つパックの注ぎ口のほぼ真下にロートの滴下筒が位置するような特殊な形状の変形ロートを用い、その側面にクリップとして一対のL字型の板バネの上端を取り付け、水平にかつ互いに内向きに曲げられた下端を半円状に切り込み、この一対の切り込みをロートの滴下口を囲うように接近した位置とし、さらにこのロートを吊るすためのつり紐をロートの対向する両端に設けたことを特徴とする洗剤詰替え器具。
【請求項2】
上記のロートをクリップを使わない状態で、ロートを吊るすためのつり紐にチェーンや小穴を直線的に多数開けた板など取り付けたことを特徴とする請求項1における洗剤詰替え器具。

【図1】
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【図2】
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