洗浄便座
【課題】福祉用の簡易型トイレに使用しても、バケツの着脱時に洗浄便座を持ち上げなくても着脱を可能とすることにより、手間を省き、使い勝手の良い洗浄便座を提供することを目的とする
【解決手段】ノズル１２の下方に、ノズル１２を洗浄した洗浄水を受容し便器内に排出する排水溝１４を備え、前記排水溝１４の排出端１６の下方に排出端１６と略平行に水切り棒１７を設けることにより、排水溝１４の排出端１６を便器の内部まで突出させなくとも、洗浄水が全て便器内に確実に排出でき、便器外に漏水したり、飛び散ったりすることを防止し、福祉用の簡易型トイレ６に使用した場合においては、排水溝１４が便器内に突出することがないため、バケツ８を容易に着脱可能な構成とすることができる。
【解決手段】ノズル１２の下方に、ノズル１２を洗浄した洗浄水を受容し便器内に排出する排水溝１４を備え、前記排水溝１４の排出端１６の下方に排出端１６と略平行に水切り棒１７を設けることにより、排水溝１４の排出端１６を便器の内部まで突出させなくとも、洗浄水が全て便器内に確実に排出でき、便器外に漏水したり、飛び散ったりすることを防止し、福祉用の簡易型トイレ６に使用した場合においては、排水溝１４が便器内に突出することがないため、バケツ８を容易に着脱可能な構成とすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は洗浄便座のノズルにおける洗浄水の排水構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種の洗浄便座は、便器の上面に載置して使用するため、洗浄便座で使用する洗浄水は全て便器内に流入し、便器と洗浄便座の接合部から外部に漏れることを防止するための設計的な配慮がなされている。特に洗浄便座の内部に格納して洗浄するノズルの洗浄水やノズルに付着した洗浄水を確実に便器内に排水するために、洗浄便座の下部に排水溝を設け、排水溝の先端を便器の後方に配置し排水する構成となっているが、排水溝の先端で洗浄水が排水溝の裏面に回り込み便器の後縁部に落下し漏水することがあり、この課題の対策として、排水溝の先端を便器上面より下方に突出させることにより、便器外部への漏水を防止する構成となっている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
図４は、特許文献１に記載された洗浄便座を示すものである。図４に示すように、下ケース１のノズル本体２に対応する部分には、排水溝３が形成してあり、排水溝３の先端は便器４の上面５より下方に突出した構成となっている。
【特許文献１】特開２００３−２９３４３０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら前記従来の構成は、排水溝の先端から排出された洗浄水は、排水溝の裏面に回り込み、便器の縁に向かって落下するため、洗浄水が便器の外部に漏水したり、飛び散ったりする可能性があり、それを防止するために、排水溝を便器の上面より下方まで突出する構成とすることが必須となっている。上記構成とした場合、排水溝が洗浄便座の下面より突出するため、突出部が輸送中に損傷を受けたり、また使用時に汚染されやすいという課題を備えている。また、従来の洗浄便座を一般の便器に載置して使用することは可能であるが、特に、福祉用の簡易型トイレでは、便鉢となるバケツを前後にスライドして着脱可能にする必要があり、洗浄便座の排水溝が便器内に突出している場合は、バケツを着脱する都度、洗浄便座を持ち上げなければならず、バケツの着脱に手間がかかるという課題を有していた。
【０００５】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、洗浄便座を持ち上げなくてもバケツの着脱を可能とすることにより、手間を省き、使い勝手の良い洗浄便座を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗浄便座は、ノズルの下方に、ノズルを洗浄した洗浄水を受容し便器内に排出する排水溝を備え、前記排水溝の排出端の下方に排出端と略平行に水切り棒を設けることにより、排水溝の排出端を便器の内部まで突出させなくとも、洗浄水が全て便器内に確実に排出でき、便器外に漏水したり、飛び散ったりすることを防止し、福祉用の簡易型トイレに使用した場合においては、排水溝が便器内に突出することがないため、バケツを容易に着脱可能な構成とすることができる。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の洗浄便座は、簡易型トイレでも使用可能とし、使い勝手の良い洗浄便座を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
第１の発明はノズルの下方に、ノズルを洗浄した洗浄水を受容し便器内に排出する排水溝を備え、前記排水溝の排出端の下方に、排出端と隙間を設けて、排出端と略平行に水切り棒を設けることよりに、排水溝の排出端から流下する洗浄水と、スリットを通過した洗浄水が互いに誘引することにより、洗浄水は排水溝の裏面に回り込まずに、垂直方向に落下することになり、便器外に漏水したり、飛び散ったりすることを防止し、必ず便器内部に洗浄水が落下することになる。
【０００９】
第２の発明は、特に、第１の発明の水切り棒は両端と中間位置に設けたリブで排水溝に懸装し、前記中間位置に設けたリブにより複数箇所に分割したことによって、水切り棒と排出端との隙間を全幅に亘り一定に保つことができるため、水切り棒の誘引効果を安定して発揮することができる。
【００１０】
第３の発明は、特に、第１または第２の発明の水切り棒を排出端より前方に突出して設置したことによって、排水溝を流下した洗浄水のほとんどが水切り棒に流れ落ちることとなり、水切り棒の誘引効果により洗浄水が排水溝の裏面に回り込むことを確実に防止することができ、洗浄水が便器外に漏水したり、飛び散ったりすることを防止しすることができる。
【００１１】
第４の発明は、特に、第１〜３のいずれか１つの発明の水切り棒の断面を略長方形に形成したことによって、水切り棒の前面と後面から流下する洗浄水の流速がほぼ等しくなるため、水きり棒下面のほぼ中央から洗浄水を垂直に落下させることができる。スリットを通過する水が、流れに対して前方向に力がかかり、より一層洗浄水が排水溝の裏面に回り込みにくくなり、排水溝の排出端で水が垂直に落下することになる。
【００１２】
(実施の形態１)
図１は、本発明の第１の実施の形態における洗浄便座を簡易型トイレに設置した状態の斜視図を示し、図２は排水溝の排出端部の要部斜視図を示し、図３は洗浄便座の排水溝の排出端部の断面図を示すものである。
【００１３】
図１に示すように本実施の形態における洗浄便座は略椅子型の簡易型トイレ６の台座７の設置面７ａに載置してあり、台座７の下方には便や洗浄水を収容するバケツ８が設置してあり、バケツ８の前面に設置してある取っ手９により前方に引き出し、取り外し可能な構成となっている。
【００１４】
洗浄便座は台座７に固定した本体１０の前方に上方に回動自在に便座１１が枢支してあり、本体１０の前方下部にはお尻洗浄ノズル１２とビデ洗浄ノズル１３が出没自在に設置してある。
【００１５】
お尻洗浄ノズル１２とビデ洗浄ノズル１３の下方に位置する本体１０の前部には樹脂成型品からなる略溝型の排水溝１４が設置してある。底面１５は前方に向けた傾斜面となっており、底面１５の先端は排出端１６の前方の下方には排出端１６と平行に水切り棒１７が設けてある。
【００１６】
水切り棒１７は排水溝１４の底面１５の全幅に亘って設置してあり、その両端と略中央に設けた側端リブ１８と中央リブ１９により排水溝１４の排出端１６に懸装してあり、中央リブ１９により２つの範囲に分割してある。
【００１７】
水切り棒１７の断面は一辺が約３ｍｍの正方形をなし、水切り棒１７の上面１７ａは排出端１６の下端１６ａと略同一高さに設置してあり、水切り棒１７の後面１７ｂと排出端
１６とは１．５ｍｍの隙間２０を設けて設置してある。
【００１８】
また、図３に示すように洗浄便座の排水溝１４の排出端１６は洗浄便座の設置部２１の下面より上方に配置しているため、簡易トイレに設置した状態では簡易トイレ６の台座７の設置面７ａより上方に位置してあり、バケツ８はそれより僅か下方に設置してある。
【００１９】
以上のように構成された簡易型トイレ用洗浄便座について、以下その動作、作用を説明する。
【００２０】
まず、お尻洗浄ノズル１２あるいはビデ洗浄ノズル１３を洗浄便座の本体１０より前方に送出し使用者の局部を洗浄した後、図３に示すように本体１０内に収納し、収納した状態で使用したお尻洗浄ノズル１２あるいはビデ洗浄ノズル１３自身に付着した汚物を洗浄するために洗浄水を流す。お尻洗浄ノズル１２あるいはビデ洗浄ノズル１３を洗浄した洗浄水は排水溝１４に落下し、底面１５の傾斜に沿って排出端１６より水切り棒１７を通過してバケツ８へ排出される。
【００２１】
このとき底面１５の排出端１６の近傍では、図３に示すように一部の洗浄水Ａは排出端１６と水切り棒１７との隙間２０を通過して水きり棒１７の下面に回り込み、他の洗浄水Ａは水きり棒７の前面１７ｃより下方へ排出される。隙間２０から下面に回り込んだ洗浄水Ａと水きり棒７の前面１７ｃより排出した洗浄水Ａは水きり棒７の下面１７ｄで互いに誘引することにより略真下に落下し、洗浄水Ａは全てバケツ８内に排出することができる。
【００２２】
以上のように、本実施の形態においては、排水溝の排出端の下方に排出端と略平行に水切り棒を設けたことにより、排出端から排出する洗浄水が排水溝の裏面に回り込むことを防止し略真下に落下することができ、洗浄便座やトイレの周囲に洗浄水が漏水したり飛び散ったりすることを防止することができる。
【００２３】
なお、本実施の形態においては水切り棒の後面１７ｂと排出端との隙間を１．５ｍｍとし、水切り棒の断面を一辺２ｍｍの正方形としたが、これに限るものではなく、隙間の寸法は１〜２ｍｍの範囲が好適であり、断面の一辺の寸法は１〜３ｍｍが好適であることを実験により得ている。
【００２４】
また、本実施の形態においては水切り棒の断面を生産性を配慮して正方形としたが、これに限るものではなく、円形や三角形等の他の断面形状でもほぼ同様の効果を得ることが可能であり、加工方法や使用材料により最適な形状を選択することができる。
【００２５】
また、本実施の形態においては、水切り棒をリブにより２つの範囲に分割したが、これは水切り棒を長くすると成型時に変形し、隙間の寸法が変化することを防止し、隙間の幅を一定に保つことで所期の効果を得るためのものであり、分割数は２個に限るものではなく、２つ以上であっても同様の効果を得ることができる。
【００２６】
また、本実施の形態においては洗浄に使用する液体は洗浄水と表現したが、これは冷水に限るものではなく、お湯あるいは洗剤を含む洗浄液も含むものである。
【産業上の利用可能性】
【００２７】
以上のように、本発明にかかる洗浄便座は、排水溝から排出する水を真下に落下させることが可能となるので、各種設備や建築物の送水路等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】本発明の実施の形態１における洗浄便座の斜視図
【図２】本発明の実施の形態１における洗浄便座の排水溝の要部斜視図
【図３】本発明の実施の形態１における要部断面図
【図４】従来の洗浄便座の要部断面図
【符号の説明】
【００２９】
１２ お尻洗浄ノズル（ノズル）
１３ ビデ洗浄ノズル（ノズル）
１４ 排水溝
１６ 排出端
１７ 水切り棒
１８ 側端リブ（リブ）
１９ 中央リブ（リブ）
２０ 隙間
【技術分野】
【０００１】
本発明は洗浄便座のノズルにおける洗浄水の排水構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種の洗浄便座は、便器の上面に載置して使用するため、洗浄便座で使用する洗浄水は全て便器内に流入し、便器と洗浄便座の接合部から外部に漏れることを防止するための設計的な配慮がなされている。特に洗浄便座の内部に格納して洗浄するノズルの洗浄水やノズルに付着した洗浄水を確実に便器内に排水するために、洗浄便座の下部に排水溝を設け、排水溝の先端を便器の後方に配置し排水する構成となっているが、排水溝の先端で洗浄水が排水溝の裏面に回り込み便器の後縁部に落下し漏水することがあり、この課題の対策として、排水溝の先端を便器上面より下方に突出させることにより、便器外部への漏水を防止する構成となっている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
図４は、特許文献１に記載された洗浄便座を示すものである。図４に示すように、下ケース１のノズル本体２に対応する部分には、排水溝３が形成してあり、排水溝３の先端は便器４の上面５より下方に突出した構成となっている。
【特許文献１】特開２００３−２９３４３０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら前記従来の構成は、排水溝の先端から排出された洗浄水は、排水溝の裏面に回り込み、便器の縁に向かって落下するため、洗浄水が便器の外部に漏水したり、飛び散ったりする可能性があり、それを防止するために、排水溝を便器の上面より下方まで突出する構成とすることが必須となっている。上記構成とした場合、排水溝が洗浄便座の下面より突出するため、突出部が輸送中に損傷を受けたり、また使用時に汚染されやすいという課題を備えている。また、従来の洗浄便座を一般の便器に載置して使用することは可能であるが、特に、福祉用の簡易型トイレでは、便鉢となるバケツを前後にスライドして着脱可能にする必要があり、洗浄便座の排水溝が便器内に突出している場合は、バケツを着脱する都度、洗浄便座を持ち上げなければならず、バケツの着脱に手間がかかるという課題を有していた。
【０００５】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、洗浄便座を持ち上げなくてもバケツの着脱を可能とすることにより、手間を省き、使い勝手の良い洗浄便座を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗浄便座は、ノズルの下方に、ノズルを洗浄した洗浄水を受容し便器内に排出する排水溝を備え、前記排水溝の排出端の下方に排出端と略平行に水切り棒を設けることにより、排水溝の排出端を便器の内部まで突出させなくとも、洗浄水が全て便器内に確実に排出でき、便器外に漏水したり、飛び散ったりすることを防止し、福祉用の簡易型トイレに使用した場合においては、排水溝が便器内に突出することがないため、バケツを容易に着脱可能な構成とすることができる。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の洗浄便座は、簡易型トイレでも使用可能とし、使い勝手の良い洗浄便座を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
第１の発明はノズルの下方に、ノズルを洗浄した洗浄水を受容し便器内に排出する排水溝を備え、前記排水溝の排出端の下方に、排出端と隙間を設けて、排出端と略平行に水切り棒を設けることよりに、排水溝の排出端から流下する洗浄水と、スリットを通過した洗浄水が互いに誘引することにより、洗浄水は排水溝の裏面に回り込まずに、垂直方向に落下することになり、便器外に漏水したり、飛び散ったりすることを防止し、必ず便器内部に洗浄水が落下することになる。
【０００９】
第２の発明は、特に、第１の発明の水切り棒は両端と中間位置に設けたリブで排水溝に懸装し、前記中間位置に設けたリブにより複数箇所に分割したことによって、水切り棒と排出端との隙間を全幅に亘り一定に保つことができるため、水切り棒の誘引効果を安定して発揮することができる。
【００１０】
第３の発明は、特に、第１または第２の発明の水切り棒を排出端より前方に突出して設置したことによって、排水溝を流下した洗浄水のほとんどが水切り棒に流れ落ちることとなり、水切り棒の誘引効果により洗浄水が排水溝の裏面に回り込むことを確実に防止することができ、洗浄水が便器外に漏水したり、飛び散ったりすることを防止しすることができる。
【００１１】
第４の発明は、特に、第１〜３のいずれか１つの発明の水切り棒の断面を略長方形に形成したことによって、水切り棒の前面と後面から流下する洗浄水の流速がほぼ等しくなるため、水きり棒下面のほぼ中央から洗浄水を垂直に落下させることができる。スリットを通過する水が、流れに対して前方向に力がかかり、より一層洗浄水が排水溝の裏面に回り込みにくくなり、排水溝の排出端で水が垂直に落下することになる。
【００１２】
(実施の形態１)
図１は、本発明の第１の実施の形態における洗浄便座を簡易型トイレに設置した状態の斜視図を示し、図２は排水溝の排出端部の要部斜視図を示し、図３は洗浄便座の排水溝の排出端部の断面図を示すものである。
【００１３】
図１に示すように本実施の形態における洗浄便座は略椅子型の簡易型トイレ６の台座７の設置面７ａに載置してあり、台座７の下方には便や洗浄水を収容するバケツ８が設置してあり、バケツ８の前面に設置してある取っ手９により前方に引き出し、取り外し可能な構成となっている。
【００１４】
洗浄便座は台座７に固定した本体１０の前方に上方に回動自在に便座１１が枢支してあり、本体１０の前方下部にはお尻洗浄ノズル１２とビデ洗浄ノズル１３が出没自在に設置してある。
【００１５】
お尻洗浄ノズル１２とビデ洗浄ノズル１３の下方に位置する本体１０の前部には樹脂成型品からなる略溝型の排水溝１４が設置してある。底面１５は前方に向けた傾斜面となっており、底面１５の先端は排出端１６の前方の下方には排出端１６と平行に水切り棒１７が設けてある。
【００１６】
水切り棒１７は排水溝１４の底面１５の全幅に亘って設置してあり、その両端と略中央に設けた側端リブ１８と中央リブ１９により排水溝１４の排出端１６に懸装してあり、中央リブ１９により２つの範囲に分割してある。
【００１７】
水切り棒１７の断面は一辺が約３ｍｍの正方形をなし、水切り棒１７の上面１７ａは排出端１６の下端１６ａと略同一高さに設置してあり、水切り棒１７の後面１７ｂと排出端
１６とは１．５ｍｍの隙間２０を設けて設置してある。
【００１８】
また、図３に示すように洗浄便座の排水溝１４の排出端１６は洗浄便座の設置部２１の下面より上方に配置しているため、簡易トイレに設置した状態では簡易トイレ６の台座７の設置面７ａより上方に位置してあり、バケツ８はそれより僅か下方に設置してある。
【００１９】
以上のように構成された簡易型トイレ用洗浄便座について、以下その動作、作用を説明する。
【００２０】
まず、お尻洗浄ノズル１２あるいはビデ洗浄ノズル１３を洗浄便座の本体１０より前方に送出し使用者の局部を洗浄した後、図３に示すように本体１０内に収納し、収納した状態で使用したお尻洗浄ノズル１２あるいはビデ洗浄ノズル１３自身に付着した汚物を洗浄するために洗浄水を流す。お尻洗浄ノズル１２あるいはビデ洗浄ノズル１３を洗浄した洗浄水は排水溝１４に落下し、底面１５の傾斜に沿って排出端１６より水切り棒１７を通過してバケツ８へ排出される。
【００２１】
このとき底面１５の排出端１６の近傍では、図３に示すように一部の洗浄水Ａは排出端１６と水切り棒１７との隙間２０を通過して水きり棒１７の下面に回り込み、他の洗浄水Ａは水きり棒７の前面１７ｃより下方へ排出される。隙間２０から下面に回り込んだ洗浄水Ａと水きり棒７の前面１７ｃより排出した洗浄水Ａは水きり棒７の下面１７ｄで互いに誘引することにより略真下に落下し、洗浄水Ａは全てバケツ８内に排出することができる。
【００２２】
以上のように、本実施の形態においては、排水溝の排出端の下方に排出端と略平行に水切り棒を設けたことにより、排出端から排出する洗浄水が排水溝の裏面に回り込むことを防止し略真下に落下することができ、洗浄便座やトイレの周囲に洗浄水が漏水したり飛び散ったりすることを防止することができる。
【００２３】
なお、本実施の形態においては水切り棒の後面１７ｂと排出端との隙間を１．５ｍｍとし、水切り棒の断面を一辺２ｍｍの正方形としたが、これに限るものではなく、隙間の寸法は１〜２ｍｍの範囲が好適であり、断面の一辺の寸法は１〜３ｍｍが好適であることを実験により得ている。
【００２４】
また、本実施の形態においては水切り棒の断面を生産性を配慮して正方形としたが、これに限るものではなく、円形や三角形等の他の断面形状でもほぼ同様の効果を得ることが可能であり、加工方法や使用材料により最適な形状を選択することができる。
【００２５】
また、本実施の形態においては、水切り棒をリブにより２つの範囲に分割したが、これは水切り棒を長くすると成型時に変形し、隙間の寸法が変化することを防止し、隙間の幅を一定に保つことで所期の効果を得るためのものであり、分割数は２個に限るものではなく、２つ以上であっても同様の効果を得ることができる。
【００２６】
また、本実施の形態においては洗浄に使用する液体は洗浄水と表現したが、これは冷水に限るものではなく、お湯あるいは洗剤を含む洗浄液も含むものである。
【産業上の利用可能性】
【００２７】
以上のように、本発明にかかる洗浄便座は、排水溝から排出する水を真下に落下させることが可能となるので、各種設備や建築物の送水路等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】本発明の実施の形態１における洗浄便座の斜視図
【図２】本発明の実施の形態１における洗浄便座の排水溝の要部斜視図
【図３】本発明の実施の形態１における要部断面図
【図４】従来の洗浄便座の要部断面図
【符号の説明】
【００２９】
１２ お尻洗浄ノズル（ノズル）
１３ ビデ洗浄ノズル（ノズル）
１４ 排水溝
１６ 排出端
１７ 水切り棒
１８ 側端リブ（リブ）
１９ 中央リブ（リブ）
２０ 隙間
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ノズルの下方に、ノズルを洗浄した洗浄水を受容し便器内に排出する排水溝を備え、前記排水溝の排出端の下方に、排出端と隙間を設けて、排出端と略平行に水切り棒を設置した洗浄便座。
【請求項２】
水切り棒は両端と中間位置に設けたリブで排水溝に懸装し、前記中間位置に設けたリブにより複数箇所に分割した請求項１に記載の洗浄便座。
【請求項３】
水切り棒は排出端より前方に突出して設置した請求項１または２に記載の洗浄便座。
【請求項４】
水切り棒の断面を略正方形に形成した請求項１〜３のいずれか１項に記載の洗浄便座。
【請求項１】
ノズルの下方に、ノズルを洗浄した洗浄水を受容し便器内に排出する排水溝を備え、前記排水溝の排出端の下方に、排出端と隙間を設けて、排出端と略平行に水切り棒を設置した洗浄便座。
【請求項２】
水切り棒は両端と中間位置に設けたリブで排水溝に懸装し、前記中間位置に設けたリブにより複数箇所に分割した請求項１に記載の洗浄便座。
【請求項３】
水切り棒は排出端より前方に突出して設置した請求項１または２に記載の洗浄便座。
【請求項４】
水切り棒の断面を略正方形に形成した請求項１〜３のいずれか１項に記載の洗浄便座。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００７−１０７２１３（Ｐ２００７−１０７２１３Ａ）
【公開日】平成１９年４月２６日（２００７．４．２６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−２９７４９８（Ｐ２００５−２９７４９８）
【出願日】平成１７年１０月１２日（２００５．１０．１２）
【出願人】（０００００５８２１）松下電器産業株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年４月２６日（２００７．４．２６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１０月１２日（２００５．１０．１２）
【出願人】（０００００５８２１）松下電器産業株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
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