説明

洗浄液吐出装置

【課題】使用中に洗剤タンクから洗剤がノズル本体部に流入しないといったことのない洗浄液吐出装置を提供する。
【解決手段】内部流路5を備えた略筒状のノズル本体部24と、ノズル本体部24に着脱自在に取り付けられる洗剤タンク14とで主体が構成され、ノズル本体部24は、長手方向の一端となる前端に内部流路5を流れる洗浄水を吐出する吐出口3を形成すると共に、外面にタンク接続口部21を設けて該タンク接続口部21を介して内部流路5と外方とを連通し、洗剤タンク14の長手方向の一端となる前端に、内部の貯留部13に貯留している洗剤を洗剤タンク14外に吐出すると共にタンク接続口部21に接続される被接続口部22を設け、ノズル本体部24のタンク接続口部21に洗剤タンク14の被接続口部22を該被接続口部22が前側となるように着脱自在に接続した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチンシンクに洗剤を含む洗浄液を吐出するためのキッチンシンク用の洗浄液吐出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、シンク等に洗剤を供給する装置が知られている(例えば特許文献1参照)。このものにあっては、洗剤の原液を吐出する吐出口をカランに設けたものであるため、水等で原液を薄めて洗浄液を生成しなければならず、また、シンク等の任意の位置に洗浄液をかけることができないものであった。
【0003】
そこで、キッチンシンクに、洗剤を含む洗浄液を任意の位置に吐出する洗浄液吐出装置が開発された。
【0004】
これは、内部流路を備えた略筒状のノズル本体部と、ノズル本体部に着脱自在に取り付けられる洗剤タンクとで主体が構成され、ノズル本体部の一端(前端)には、内部流路を流れる洗浄水を吐出する吐出口が形成してある。
【0005】
また、ノズル本体部にはタンク接続口部が設けてあると共に、洗剤タンクには被接続口部が設けてあり、洗剤タンクの被接続口部をノズル本体のタンク接続口部に接続して、洗剤タンク内の洗剤を被接続口部、タンク接続口部を介して内部流路に供給し、水に洗剤を混合した洗浄液を吐出口から吐出するようになっている。
【特許文献1】特開平5−192265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の洗浄液吐出装置は、キッチンシンクで使用されるものであって、キッチンシンクの上方から下方のキッチンシンクに向けて洗浄液を吐出するという使い方が多い。ノズル本体部及び洗剤タンクはその吐出口が下側となる姿勢では、タンク接続口部が洗剤タンクの中間部に設けてあると、洗剤タンクの貯留部のタンク接続口部を設けた部分よりも下側に貯留している洗剤はノズル本体部の内部流路に供給されない、という問題があった。
【0007】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、使用中に洗剤タンクから洗剤がノズル本体部に流入しないといったことのない洗浄液吐出装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明にあっては、内部流路5を備えた略筒状のノズル本体部24と、ノズル本体部24に着脱自在に取り付けられる洗剤タンク14とで主体が構成され、ノズル本体部24は、長手方向の一端となる前端に内部流路5を流れる洗浄水を吐出する吐出口3を形成すると共に、外面にタンク接続口部21を設けて該タンク接続口部21を介して内部流路5と外方とを連通し、洗剤タンク14の長手方向の一端となる前端に、内部の貯留部13に貯留している洗剤を洗剤タンク14外に吐出すると共にタンク接続口部21に接続される被接続口部22を設け、ノズル本体部24のタンク接続口部21に洗剤タンク14の被接続口部22を該被接続口部22が前側となるように着脱自在に接続して成ることを特徴とするものである。
【0009】
このような構成とすることで、洗剤タンク14内の貯留部13の洗剤は被接続口部22の下側に溜まって吐出されないといったことがないものである。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、洗剤タンク14の貯留部13を前側貯留部13aと、前側貯留部13aよりも容積の大きい後側貯留部13bとに区分し、前側貯留部13aと後側貯留部13bとを小孔13cにて連通して成ることを特徴とするものである。
【0011】
このような構成とすることで、一旦前側貯留部13aに流入した洗剤は、小孔13cを介して後側貯留部13bに戻り難いため、常に吐出口3を下側となる姿勢で使用しなくても、前側貯留部13aに貯留されている洗剤がノズル本体部24へ流入して、使い勝手が良くなるものである。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前側貯留部13aに、小孔13cから被接続口部に至る管状路13dを形成して成ることを特徴とするものである。
【0013】
このような構成とすることで、前側貯留部13aでの洗剤の貯留をより一層維持することができる。
【0014】
また、請求項4に係る発明は、請求項2又は3に係る発明において、小孔13cに逆止弁13eを設けて成ることを特徴とするものである。
【0015】
このような構成とすることで、前側貯留部13aでの洗剤の貯留を確実に維持することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明にあっては、洗剤タンクの前端(吐出口を設けた側の端部)に、貯留部の洗剤を洗剤タンク外に吐出すると共にノズル本体部のタンク接続口部に接続される被接続口部を設けたことで、通常の使用すなわち、洗剤タンクを装着したノズル本体部をその吐出口が下側となる姿勢で使用する場合、洗剤タンク内の貯留部の洗剤が滞りなくノズル本体部に流入可能となり、使い勝手が良いものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について添付図面に基づいて説明する。
【0018】
本実施形態の洗浄液吐出装置はキッチンシンクに洗剤を含む洗浄液を吐出するためのキッチンシンク用の装置であり、流し台のキッチンシンク内に洗浄水を吐出するための吐出ノズル1を備えている。
【0019】
図1に示す吐出ノズル1は、水道管から分岐した分岐路からなる給水路2の下流端に接続されて水道水圧を利用して洗浄水として水道水が供給される、又は水源に接続された水路に接続されて洗浄水としてポンプにより圧送された水が供給されるものである。
【0020】
吐出ノズル1の後端部は、屈曲可能なホースの一端や、キッチンシンクの周縁部に設けた洗浄液吐出用カランが有する給水管の先端に接続される。即ち、前者の場合には給水路2の下流部がホースにより構成され、また後者の場合には給水路2の下流部が給水管により構成される。
【0021】
また、上記ホースは可撓性を有するもの又は蛇腹ホースのように伸縮自在なものからなり、吐出ノズル1の位置や向きを自由に変更できるものである。ホースは流し台(キッチンシンクの周縁部や、キッチンシンクの周縁部から立ち上げた立ち上げ部等)から引き出し自在に設けても良く、この場合は、吐出ノズル1の非使用時にホースを流し台に収納できる。
【0022】
吐出ノズル1は、直線状に配置した、上流管27、下流管28、吐出管29、からなる略筒状のノズル本体部24で主体を構成してあり、該ノズル本体部24に流量調整レバー(図示せず)を設けて吐出ノズル1が構成される。
【0023】
上流管27の前端部は下流管28の後端部にねじ込むことで接続してあり、下流管28の前端部は吐出管29の後端部にねじ込むことで接続してあり、これにより上流管27、下流管28、吐出管29の夫々の内面によって構成される内部流路5を形成している。
【0024】
ノズル本体部24の前端部(長手方向の一端部)を構成する吐出管29の前端には内部流路5の一端開口を構成する吐出口3を形成している。ノズル本体部24の後端部(長手方向の他端部)を構成する上流管27の後端には内部流路5の他端開口を構成する流入口4を形成してあり、該流入口4が給水路2の下流端(ホースの一端又は給水管の先端)に接続される。給水路2からノズル本体部24に供給された洗浄水は流入口4から内部流路5に流入し、内部流路5を通過して吐出口3から吐出される。ここで、本発明における前後方向は、上述したように、ノズル本体部24の長手方向の上記一端部側であって吐出口3を設けた側を前側、ノズル本体部24の長手方向の他端部側であって流入口4を設けた側を後側、とする。すなわち、内部流路5の上流側が後側、下流側が前側となるものである。
【0025】
内部流路5の途中には、洗浄水に気体を混入する気体混入部7と、洗浄水に液体の洗剤を供給する洗剤供給部8を設けてあり、これにより気泡を含む洗浄水又は気泡及び洗剤を含む洗浄水(洗浄液)のうちいずれかを選択的に吐出口3から吐出可能となっている。
【0026】
気体混入部7による気体の混入及び洗剤供給部8による洗剤の供給は吐出ノズル1の内部流路5を洗浄水が流れる際に生じる負圧を利用する。
【0027】
内部流路5の一部を構成する上流管27の前端部は内径が下流側程小さくなった絞り部9としてあり、上流管27の絞り部9の出口部付近は洗浄水の吐出時において負圧が生じる負圧発生部6となっている。負圧発生部6の位置は上流管27の前端部の下流管28へのねじ込み深さを調節することで変更可能である。
【0028】
下流管28の内部流路5の負圧発生部6には、気体混入部7を構成する大気開放口7aと洗剤供給部8を構成する洗剤供給口8aを設けている。
【0029】
大気開放口7aは吐出ノズル1の外部に連通し、洗浄水の吐出時において負圧発生部6で発生する負圧により大気開放口7aから内部流路5に空気が取り込まれ、これにより洗浄水に気泡が混入される。
【0030】
洗剤供給口8aは、着脱自在に取り付けた洗剤タンク14に連通している。詳述すると、洗剤供給口8aが設けてあるノズル本体部24(下流管28)の外面にはタンク接続口部21が凹設してあり、洗剤供給口8aからタンク接続口部21に至る洗剤流路18が形成されており、この洗剤流路18及びタンク接続口部21を介して内部流路5とノズル本体部24の外方とは連通している。
【0031】
洗剤タンク14は吐出ノズル1の長手方向に細長い略直方体状に形成してあり、内部の貯留部13に洗剤を貯留するものである。該洗剤タンク14が取り付けられる吐出ノズル1は、洗剤タンク14の長手方向が上下を向くことができるように移動自在となっている。
【0032】
洗剤タンク14の前端部には洗剤タンク14内への連通部となる略筒状の被接続口部22を突設しており、該被接続口部22の内部を介して洗剤タンク14内の貯留部13と外方とが連通されている。洗剤タンク14の後端部には洗剤を補給するための洗剤補給口15を設けてあり、洗剤補給口15は該洗剤補給口15に着脱自在に取り付けたキャップ19により閉塞してある。
【0033】
洗剤タンク14はノズル本体部24の後部を構成する上流管27の外面に沿わせると共に被接続口部22を吐出ノズル1のタンク接続口部21に嵌め込んだ状態で吐出ノズル1に取り付けられ、洗剤タンク14の長手方向がノズル本体部24の長手方向に沿った状態となり、洗剤タンク14においても洗剤補給口15を設けた後端側が上流側、被接続口部22を設けた前端側が下流側となる。
【0034】
洗剤流路18の貯留部13の被接続口部22を設けた部分には、該被接続口部22を開閉する洗剤用開閉弁17を設けている。洗剤用開閉弁17を開閉することで洗剤タンク14と内部流路5の連通・非連通状態を切替可能としてあり、洗浄水の吐出時に洗剤用開閉弁17を開いて洗剤タンク14を内部流路5に連通することで、負圧発生部6で発生する負圧により洗剤タンク14内の洗剤を内部流路5を流れる洗浄水に供給できるようになっている。
【0035】
洗剤用開閉弁17は、本実施形態では、洗剤タンク14の厚みよりも長い棒状をしており、洗剤タンク14の被接続口部22を設けた部分と対向する部分には棒状の洗剤用開閉弁17が挿通される挿通口14aが形成してあり、挿通口14aから棒状の洗剤用開閉弁17を挿通して、その先端を被接続口部22から離したり被接続口部22を閉塞したりして開閉するものである。洗剤用開閉弁17は、例えば外面に雄ねじを形成すると共に、洗剤タンク14の挿通口14aに雌ねじを形成し、雄ねじと雌ねじとを螺合させることで、洗剤用開閉弁17を洗剤タンク14に対して任意の位置で保持することができる。
【0036】
気体混入部7から内部流路5に供給される空気の供給量は洗浄水のボイド率(気泡混入率)が10〜30%となるように設定してあり、気泡による洗浄効果を高めると共に気泡により洗浄水の流れが乱れることを防止でき、また、洗剤による粘性を高めて水はね防止効果を高めることができるようにしてある。また、洗剤供給部8から内部流路5に供給される洗剤の量は洗浄水の洗剤希釈濃度が5000〜10000倍となるように設定してあり、洗剤の希釈濃度の高い気泡入り洗浄水とすることで、多量の気泡を含むムース状の気泡入り洗浄水とすることができ、洗浄効果を高めることができ、また適度の粘性を有する洗剤を含む気泡入り洗浄水を吐出でき、水はね防止効果を高めることができるようにしてある。なお、図示例では大気開放口7aよりも下流側に洗剤供給口8aを設け、大気開放口7aにて気泡が混入された洗浄水に洗剤供給口8aからの洗剤を供給するようにしてあるが、大気開放口7aよりも上流側に洗剤供給口8aを設けても良いものとする。
【0037】
内部流路5の一部を構成する下流管28の大気開放口7aよりも下流側部分は減圧・加圧部10となっている。減圧・加圧部10は洗浄水の流れ方向において流路面積が変化するベンチュリ管状の流路からなり、下流側程流路径を縮小した減圧部10aと減圧部10aの下流側に位置して下流側程流路径を拡大した加圧部10bとで構成してある。減圧・加圧部10を洗浄水が通過すると、この通過の際に生じる洗浄水の圧力変動に伴って洗浄水が含有する比較的大きな気泡が剪断され、これにより気泡が微細化される。
【0038】
下流管28の下流側端部にはメッシュや多孔質体等からなる多数の孔を有する気泡剪断部11を設けている。洗浄水に含まれる気泡は気泡剪断部11の多数の孔を通過することで更に微細化される。
【0039】
内部流路5の下流側端部を構成する吐出管29の前端部は洗浄水の流れ方向において流路径が同一となる整流部12となっている。整流部12の流路長さLは気泡剪断部11の直径aの2〜5倍としてあり、洗浄水は整流部12にて整流された後に吐出口3から直線状に吐出される。
【0040】
吐出ノズル1の上流管には前後方向に回動自在に図示しない流量調整レバーを設けてあり、流量調整レバーを回動操作することで、内部流路5を流れる洗浄水の流量を調節したり、内部流路5を遮断して吐出ノズル1からの洗浄水の吐出を停止したりできる。
【0041】
上記洗浄液吐出装置を用いてキッチンシンクの内面や食器等の被洗浄物を洗浄するには、洗剤タンク14を取り付けた吐出ノズル1を把持して吐出口3を被洗浄物に向け、この状態で流量調整レバーを操作して内部流路5を開く。
【0042】
これにより、洗剤用開閉弁17が閉じた状態にある場合には、給水路2から吐出ノズル1に供給された洗浄水は気体混入部7にて気泡が混入され、次に洗浄水に含まれる気泡が減圧・加圧部10及び気泡剪断部11にて微細化され、この後、整流部12で整流された後、吐出口3から微細気泡を含む洗浄水として吐出される。
【0043】
また、洗剤用開閉弁17が開いた状態にある場合には、給水路2から吐出ノズル1に供給された洗浄水は、気体混入部7にて気泡が混入され、次に洗剤供給部8にて洗剤が供給され、次に、洗浄水に含まれる気泡が減圧・加圧部10及び気泡剪断部11にて微細化され、この後、整流部12で整流された後、吐出口3から微細気泡及び洗剤を含む洗浄水として吐出される。そして、このように吐出口3から吐出された微細気泡又は微細気泡及び洗剤を含む洗浄水を被洗浄物に当てて被洗浄物を洗浄する。
【0044】
本実施形態の洗浄液吐出装置は洗剤を含む洗浄水を吐出できるので、被洗浄物を綺麗に洗浄できる。また、気泡を含む洗浄水は衝撃力が高く洗浄力が高いので、この点でも洗浄効果が高い。さらに、洗浄水に含まれる気泡は泡径が非常に小さい微細気泡であるため、汚れへの付着性、浸透性、剥離効果が高く、このため被洗浄物に付着した油汚れをより効果的に落とすことができる。また、この微細気泡は泡径が非常に小さく均一に含まれるために洗浄水の水流を乱しにくく、このため前述の水はねを一層防止できるという効果もある。
【0045】
また本発明では、洗剤タンク14の長手方向の一端となる前端に、貯留部13の洗剤を洗剤タンク14外に吐出すると共にタンク接続口部21に接続される被接続口部22を設けたことで、通常の使用では洗剤タンク14内の貯留部13の洗剤が滞りなくノズル本体部24に流入可能となる。すなわち、キッチンシンクにてこの吐出ノズル1を使用する場合、キッチンシンクの上方から下方のキッチンシンクの壁面等に向けて洗浄液を吐出するが、この時、洗剤タンク14を装着したノズル本体部24はその吐出口3が下側となる姿勢で使用されることとなる。そこで、前記の場合に洗剤タンク14の下端となる前端に被接続口部22を設けたことで、洗剤タンク14内の貯留部13の洗剤は被接続口部22の下側に溜まって吐出されないといったことがないものである。
【0046】
また、洗剤タンク14の他の実施形態について図2に基づいて説明する。なお、上実施形態と同じ構成については同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0047】
本実施形態では、洗剤タンク14の貯留部13を前側貯留部13aと、前側貯留部13aよりも容積の大きい後側貯留部13bとに区分し、前側貯留部13aと後側貯留部13bとを小孔13cにて連通してなるもので、貯留部13の前寄りの部分に仕切り部14bが形成してあり、仕切り部14bの被接続口部22を設けた側と反対側の端部に小孔13cからなる連通部が設けてある。連通部としては、小孔13cのみならず、幅方向に広い開口であってもよい。
【0048】
この構成により、一旦前側貯留部13aに流入した洗剤は、小孔13cを介して後側貯留部13bに戻り難いため、一旦洗剤を前側貯留部13aに貯留すると、ノズル本体部24及び洗剤タンク14を吐出口3が下となる姿勢から吐出口3を水平や上方を向くように傾けても、前側貯留部13aでの貯留が維持される。このため、常に吐出口3を下側となる姿勢で使用しなくても、洗剤タンク14からノズル本体部24への流入が行われて、使い勝手が良くなるものである。
【0049】
またこの時、図3に示すように、前側貯留部13aに、小孔13cから被接続口部に至る蛇行した管状路13dを形成してもよい。一旦前側貯留部13aの管状路13dに流入した洗剤は、管状路13dを戻ると共に小孔13cから後側貯留部13bに戻るのは困難であるため、ノズル本体部24及び洗剤タンク14を吐出口3が下となる姿勢から吐出口3を水平や上方を向くように傾けた場合でも、前側貯留部13aでの洗剤の貯留をより一層維持することができ、常に吐出口3を下側となる姿勢で使用しなくても、洗剤タンク14からノズル本体部24への流入が行われて、使い勝手がより一層良くなるものである。
【0050】
また、上記図2又は図3に示す実施形態に加えて、図4に示すように、小孔13cに逆止弁13eを設けてもよい。これにより、一旦前側貯留部13aの管状路13dに流入した洗剤は、小孔13cから後側貯留部13bに戻ることはなく、ノズル本体部24及び洗剤タンク14を吐出口3が下となる姿勢から吐出口3を水平や上方を向くように傾けた場合でも、前側貯留部13aでの洗剤の貯留を確実に維持することができ、常に吐出口3を下側となる姿勢で使用しなくても、洗剤タンク14からノズル本体部24への流入が行われて、使い勝手がより一層良くなるものである。
【0051】
なお、上記洗浄液吐出装置はキッチンシンク用のものであるが、浴室や洗面化粧台等、その他の衛生設備に適用しても良いものとする。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態を示し、(a)は洗剤タンクをノズル本体部に装着した状態の断面図であり、(b)は洗剤タンクをノズル本体部から外した状態の断面図である。
【図2】他の実施形態の洗剤タンクの断面図である。
【図3】同上における洗剤タンクの他例の断面図である。
【図4】同上における洗剤タンクの更に他例の断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 吐出ノズル
14 洗剤タンク
2 給水路
21 タンク接続口部
22 被接続口部
24 ノズル本体部
3 吐出口
4 流入口
5 内部流路
6 負圧発生部
7 気体混入部
7a 大気開放口
8 洗剤供給部
9 絞り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部流路を備えた略筒状のノズル本体部と、ノズル本体部に着脱自在に取り付けられる洗剤タンクとで主体が構成され、ノズル本体部は、長手方向の一端となる前端に内部流路を流れる洗浄水を吐出する吐出口を形成すると共に、外面にタンク接続口部を設けて該タンク接続口部を介して内部流路と外方とを連通し、洗剤タンクの長手方向の一端となる前端に、内部の貯留部に貯留している洗剤を洗剤タンク外に吐出すると共にタンク接続口部に接続される被接続口部を設け、ノズル本体部のタンク接続口部に洗剤タンクの被接続口部を該被接続口部が前側となるように着脱自在に接続して成ることを特徴とする洗浄液吐出装置。
【請求項2】
洗剤タンクの貯留部を前側貯留部と、前側貯留部よりも容積の大きい後側貯留部とに区分し、前側貯留部と後側貯留部とを小孔にて連通して成ることを特徴とする請求項1記載の洗浄液吐出装置。
【請求項3】
前側貯留部に、小孔から被接続口部に至る管状路を形成して成ることを特徴とする請求項2記載の洗浄液吐出装置。
【請求項4】
小孔に逆止弁を設けて成ることを特徴とする請求項2又は3に記載の洗浄液吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−153625(P2009−153625A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333238(P2007−333238)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】