洗浄用具
【課題】食器洗い乾燥機に使用後の食器などを入れる場合、予め皿に付着した大まかな汚れを落とすため、ナイロンなどの洗浄ブラシや洗浄ヘラなどを使用して予洗いを行うことがある。その際に、予洗いで汚れたブラシやヘラを食器洗い乾燥機に入れ、洗浄および乾燥させると、ブラシの構造やヘラの材料が食器洗い乾燥機での使用を前提に構成されていないため、ブラシの毛束の根元に残飯などが滞留した状態で乾燥する場合や、ヘラが熱で変形し、使用不能になる場合がある。
【解決手段】本発明の洗浄用具は、洗浄ブラシの背面に洗浄ヘラが表裏一体となる形状で配設されているため、皿の形状に応じてブラシ部とヘラ部を効率的に使い分けることが可能であることに加え、洗浄部のブリッスルの根元部に残飯や油汚れなどが滞留することなく流れ落ちる空間を有しており、さらに洗浄部と柄部が耐熱性を有していることから、食器洗い乾燥機での洗浄および乾燥が可能となる。
【解決手段】本発明の洗浄用具は、洗浄ブラシの背面に洗浄ヘラが表裏一体となる形状で配設されているため、皿の形状に応じてブラシ部とヘラ部を効率的に使い分けることが可能であることに加え、洗浄部のブリッスルの根元部に残飯や油汚れなどが滞留することなく流れ落ちる空間を有しており、さらに洗浄部と柄部が耐熱性を有していることから、食器洗い乾燥機での洗浄および乾燥が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
食器洗い乾燥機に入れ、洗浄および乾燥が可能な洗浄用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭の台所等で、食器洗い乾燥機に使用後の食器や調理器具などを入れる前に、予め皿などに付着した大まかな汚れを落とすため、例えば、パームやナイロンなどの毛の根元を束ねた洗浄ブラシや、合成樹脂やゴムなどの材料で形成された洗浄ヘラなどを使用し、食器や調理器具などの予洗いを行っている。
【0003】
【特許文献1】特許公開2001−186929
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、家庭の台所等で使用後の食器や調理器具などを食器洗い乾燥機に入れて洗浄する場合、予め食器や調理用具などに付着している残飯や焼き魚の皮などの大まかな汚れを落とすことにより、食器洗い乾燥機のヒーター部にこれらの残飯が付着して発煙するのを防ぐと同時に、鍋に付着しているソースなどの余分な油脂を落とすことで、食器洗い乾燥機に投入する洗剤の量を減少させることが可能になる。
そのため、使用後の食器や調理器具などを食器洗い乾燥機に入れて洗浄する場合、予洗いのための洗浄用具として、例えば、馬毛やパームなどの天然素材やナイロンなどの合成繊維を束ねて基台に配設した洗浄ブラシや、合成樹脂やゴムなどの材料で形成された洗浄ヘラなどが使用されている。
【0005】
しかし、予洗いにより汚れた前記の洗浄ブラシや洗浄ヘラを、食器や調理器具と一緒に食器洗い乾燥機に入れて洗浄および乾燥させると、ブラシの構造やヘラの材料が食器洗い乾燥機での使用を前提に構成されていないため、水切れの悪さや耐熱性などを含め、次のような問題点があった。
【0006】
まず前記洗浄ブラシの場合、例えば、馬毛などのような動物の毛や、パームやナイロンなどの繊維を基台に束ねて配設していることから、洗浄ブラシの根元部は繊維や毛が密集した状態になる。そのため、これらの洗浄ブラシを使って食器や調理器具の予洗いを行うと、洗浄ブラシの毛束の根元の部分に、米粒や魚の皮などの残飯が挟まり、それを取り除くのが困難であることに加え、毛や繊維が密集した洗浄ブラシの毛束の根元に残飯や水が残るため、その状態で台所に放置すると毛束の部分に雑菌が繁殖し、異臭やカビなどが発生するので不衛生である。
更に、前記洗浄ブラシを使い、例えばカレーやミートソースなどのように油脂の多い調理器具の予洗いを冷水で行うと、洗浄ブラシの毛の先端にラードやバターなどの油脂が付着し、そのまま固まってしまうことから、熱湯でブラシを別途洗浄する必要がある。
【0007】
このように、予洗いの際に使用する洗浄ブラシは、毛束に付着した、例えば、米粒や焼き魚の皮、さらにラードやバターなどの油脂を落とすため、洗浄ブラシだけを別途除菌効果のある洗剤を用いて手で洗浄する必要がある。
特に、ラードやバターなどの油脂汚れが洗浄ブラシに付着した場合には、これらの油脂汚れを溶かすため、熱湯でブラシの洗浄を行う必要がある。
更に、ブラシの洗浄後には、雑菌の繁殖を抑えるため、毛束に含まれている水を十分に切り、乾燥させる必要がある。
【0008】
そこで、このような別途ブラシを洗浄する手間を省くため、例えば前記洗浄ブラシを食器洗い乾燥機に入れて洗浄および乾燥させると、パームや馬毛などの天然素材を用いた洗浄ブラシの場合、毛束が食器洗い機の洗剤や水を乾燥せずに溜め込んでしまうため不衛生である。
更に、ナイロンなどの洗浄ブラシの場合、通常は食器洗い乾燥機の排水と一緒に排出される海苔や鰹節などのような細かな汚れが、前記洗浄ブラシの密集した毛束に付着した状態で乾燥されるため、不衛生である。
【0009】
更に、前記洗浄ブラシの耐熱性が十分ではない場合、食器洗い乾燥機に入れてブラシを洗浄および乾燥させると、食器洗い乾燥機のヒーターの熱により、毛の劣化が早まると同時に、柄部や洗浄部が変形し、使用不能になってしまうことがある。
【0010】
次いで、洗浄ヘラの場合、一般に洗浄ブラシに比べ調理器具に付着したソースなどのように油脂の多い汚れは簡単に取り除ける一方で、野菜の皮や焼き魚の皮などのように、食器に貼り付きやすい汚れや凹凸のある皿の底部の汚れを取り除くのは困難であることから、予洗いを行う際には洗浄ブラシと洗浄ヘラが併用されていることが多いが、前記洗浄ヘラも洗浄ブラシと同様に、カレーやミートソースなどの油脂が付着した調理器具の予洗いを冷水で行った場合、これらの油脂が低温のため洗浄ヘラの縁部に付着し固まってしまうことがある。
したがって、前記洗浄ヘラの場合も、予洗いを行った後に、洗浄ヘラに付着した油脂汚れを落とすため、熱湯や洗剤を用いて別途ヘラを洗浄する必要がある。
【0011】
そこで、このような別途ヘラを洗浄する手間を省くために、例えば前記洗浄ヘラを食器洗い乾燥機に入れて洗浄および乾燥させると、食器洗い乾燥機の内部に設置された洗浄用の噴射ノズルから洗浄水が強力に噴射されるため、洗浄ヘラが比較的軽量の場合、その噴射圧により洗浄ヘラが食器洗い乾燥機の網かごから滑り落ち、回転する噴射ノズルの部分に落下して運転を停止させてしまう場合があるので、注意が必要である。
【0012】
更に、前記洗浄ヘラの耐熱性が十分ではない場合、食器洗い乾燥機にヘラを入れて洗浄および乾燥すると、内部のヒーターの熱によりヘラが変形し、使用不能になってしまうことがある。
【0013】
一般に、食器洗い乾燥機を使用することにより、食器や調理器具を清潔に洗浄および乾燥することが可能になる一方で、予洗いの際に使われる洗浄ブラシや洗浄ヘラは、食器洗い乾燥機に入れて洗浄および乾燥することを前提に構成されていない。
そのため、前記ように除菌用の洗剤を使用しての手洗いや熱湯での洗浄が必要になることから、既存の洗浄ブラシや洗浄ヘラは、食器洗い乾燥機を使用する家庭の場合、家事の負荷の減少にはあまり貢献していない。
逆に、前記洗浄ブラシや洗浄ヘラの手洗いや熱湯による洗浄の手間を省くため、キッチンペーパーなどを用いて調理器具に付着したカレーやミートソースなどの油脂汚れを拭き取るケースがあるが、鍋などに付着しているソースなどの油脂汚れは想像以上に厚く、結果的にキッチンペーパーを5枚以上使用してしまう場合もある。
この場合、洗浄ヘラを使用せず、キッチンペーパーを使用して鍋の油汚れを拭き取るので、確かに洗浄ヘラを熱湯で洗う手間は省けるが、結果的に紙資源を無駄に使用することから、環境への負荷が大きくなっている可能性がある。
近年、食器洗い乾燥機の機能は急速に向上しているが、その際に使用する予洗いの洗浄ブラシや洗浄ヘラは、依然として手洗いでの使用を想定した構造になっているため、このようなミスマッチが生じている。
そのため、前記洗浄ブラシと洗浄ヘラを、予洗い後に食器洗い乾燥機に入れ、洗浄および乾燥することが可能になれば、家事の負荷が軽減され台所が清潔に保たれるだけでなく、キッチンペーパーなどの使用による紙資源の無駄遣いが減ることにより、環境への負荷も軽減される。
【0014】
本発明は、以上の問題を解決し、洗浄ブラシの背面に洗浄ヘラが表裏一体となる形状で配設されているため、予洗いの際に付着した汚れの内容や皿の形状に応じてブラシ部とヘラ部を効率的に使い分けることができることに加え、洗浄部のブラシの基台に配設されたブリッスルの根元部に残飯や油汚れなどが根元に滞留することなく流れ落ちる適度な空間を有しており、さらに洗浄部と柄部が耐熱性を有していることから、食器洗い乾燥機での洗浄および乾燥が可能な利便性の高い洗浄用具を提供するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、使用後の食器等の洗浄に用いる洗浄用具であって、棒状の柄部の先端に設けられた洗浄部の一方にブラシ部、他方にヘラ部を配設することにより、ブラシ部とヘラ部が表裏一体となる洗浄部を有していることを特徴としている。
【0016】
また、請求項2の発明は、前記ブラシ部には、ブラシの基台に互いのブリッスルが密着することなく独立した状態で配設され、水や残飯などがブリッスルの根元部に滞留することなく流れ落ちる空間を有していることを特徴としている。
【0017】
更に、請求項3の発明は、前記ヘラ部には、その両端の縁部に断面略コの字状に形成された半楕円状の壁部が配設されていることを特徴としている。
【0018】
更に、請求項4の発明は、前記洗浄部は、上端部に向かうほど薄くなり、下端部の柄部と接合する部分に向かうほど厚みを増す断面略三角形状に形成されていることを特徴としている。
【0019】
更に、請求項5の発明は、前記洗浄部と柄部は、食器洗い乾燥機での洗浄および乾燥が可能な耐熱性を有する材料で形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の洗浄用具においては、洗浄ブラシの背面に洗浄ヘラが表裏一体となる形状で配設されているため、予洗いの際に付着した汚れの内容や皿の形状に応じてブラシ部とヘラ部を効率的に使い分けることができる。
【0021】
更に、前記洗浄用具の洗浄部と柄部は、シリコンなどのように一定の耐熱性を有した素材で形成されているため、予洗い後に食器等と一緒に食器洗い乾燥機に入れて洗浄および乾燥をすることができるので、予洗い後にブラシやヘラを別途洗浄および乾燥させる手間が不要である。
【0022】
更に、前記洗浄用具の洗浄部は、ブラシ部の基台に配設された個々のブリッスルの根元部分に適度な空間が確保されているため、食器洗い乾燥機で洗浄および乾燥させた場合、残飯や油汚れなどがブラシ部に滞留することなく流れ落ち乾燥するので、毛束のブラシと異なり、雑菌が繁殖することなく清潔である。
【0023】
更に、前記洗浄用具は、洗浄部を上向きにした状態で、柄部を食器洗い乾燥機の中の箸やスプーン等を収納する小物入れに設置することにより、安定した状態で洗浄および乾燥が可能になるため、食器洗い乾燥機の内部に設置された洗浄用の噴射ノズルの噴射圧などの負荷で本体が滑り落ち、食器洗い乾燥機の運転を停止させてしまうことがないので安心である。
【0024】
更に、前記洗浄用具は、ブラシ部とヘラ部が表裏一体化した洗浄部を有しているので、例えば、油脂の多いソースなどが付着した調理器具を予洗いする場合はヘラ部を利用し、米粒や焼き魚の皮などが付着した食器を予洗いする場合はブラシ部を利用するなど、食器や調理器具に付着している汚れの状況や形状に応じてブラシ部とヘラ部を効率的に使い分けながら予洗いを行うことができる。
【0025】
更に、前記洗浄用具には、棒状の柄部の先に洗浄部が配設されているので、手を水の中に入れることなく食器等の予洗いが可能になるため、手荒れの心配がない。
【0026】
更に、前記洗浄用具には、ヘラ部の両端の縁部に曲成する半楕円状の壁部が断面略コの字状に配設されているが、この半楕円状の壁部は、へラ部の押圧などの負荷により自体が弾性変形し、食器や調理器具の壁部に密着して油脂汚れをかき出すため、断面略コの字状の半楕円状の壁部の一方を食器や調理器具に押し当て、ブラシ部と同じように平行移動させることにより、ソースなどの油脂汚れをかき出すことが可能となる。
これにより、ヘラ部を食器などに対して垂直に押し当てる必要がないので、予洗いの際にブラシ部に配置されたブリッスルがヘラ部と食器の間に巻き込まれる心配をすることなく、安心してスムーズに予洗いを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面に示す実施の形態により、本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0028】
図1は、本発明にかかる洗浄用具の第1実施例を示す斜視図である。図1に示すように、洗浄用具1は、洗浄部8と柄部9を有している。
図1の洗浄部8と柄部9を構成する材料としては、シリコンなどのように一定の弾力性と耐熱性を有する材料が好ましい。また、洗浄部8と柄部9を前記シリコンなど同一の材料で構成してもよいが、柄部9を一定の剛性と耐熱性を有するナイロンなどのような異なる材料で構成してもよい。
更に、洗浄部8および柄部9を構成する材料には、抗菌剤の練り混みや含浸、塗布等の処理により抗菌性を付与することもできる。
【0029】
図1、図2、図3、図4に示すように、洗浄部8は、ヘラ部10とブラシ部11が表裏一体となるように形成されている。
【0030】
図5に示すように、洗浄部8は上端部に向かうほど薄くなり、下端部の柄部9と接合する部分に向かうほど厚みを増す断面略三角形状に形成された構造である。
【0031】
図2および図4に示すように、洗浄部8のへラ部10の両端の縁部には、曲成する半楕円状壁部14が断面略コの字状に配設されている。
【0032】
図4に示すように、ヘラ部10の両端の縁部に断面略コの字状の半楕円状壁部14を配設することにより、食器等と直角に半楕円状壁部14が接するため、この半楕円状壁部14がヘラ部10の縁部となる。
そのため、例えば調理用のヘラなどは皿にヘラを直角に押し当て使用するのが一般的であるが、この半楕円状の壁部14の一方を皿に押し当てることにより、へラ部が弾性変形し食器や調理器具の壁部に密着して油脂汚れをかき出すため、平行移動による使用が可能となる。
また、ヘラ部10とブラシ部11が表裏一体となる形状で配設されているため、ブラシ部11を使用する際は、ヘラ部を180度回転させることによりブラシ部11を使用することが可能になり、更にヘラ部を直角に押し当て使用しないため、予洗いを行う際にブリッスル13が食器とヘラ部10の間に挟まれることはない。
【0033】
図4および図5に示すように、ブリッスル13は、例えば束子などのように毛束が密集して配設されるのではなく、ブリッスルがそれぞれ独立した状態でブラシ基台12に配設される。そのため、ブリッスル13の根元部分には適度な空間が確保されているので、食器洗い乾燥機で洗浄および乾燥させた場合、洗浄水や残飯などがブリッスル13の根元の部分に滞留せずに流れ落ち、乾燥する。
更に、ブリッスル13の形状には特に制限はなく、図3に見られるように円柱以外に角柱など種々の形状とすることができる。更に、ブラシの基台に配設するブリッスルの数や配列状態には特に制限はなく、図3に見られるように、ブリッスルの長軸が一定方向となるように複数のブリッスルの列を平行に配設することができる。更に、ブリッスルを配設するブラシ基台12およびヘラ部10の形状に特に制限はなく、長方形状、角丸四角形状、U字状、台形状、楕円状等種々の形状とすることができる。
【0034】
図6に示すように、前記耐熱性のある洗浄用具1を、予洗い後に食器洗い乾燥機2に食器4と一緒に入れる場合、洗浄用具1の柄部9を小物入れ3に収納し、洗浄および乾燥させる。これにより、前記洗浄用具1が、例えば食器洗い乾燥機2の内部に配設された洗浄ノズルの噴射圧で洗浄用具1が網かご5の下に落下し、運転を止めることはない。更に、小物入れ3に柄部9を収納することから、柄部9は食器洗い乾燥機2の小物入れ3に収納可能な太さであることが望ましい。
【0035】
図7および図8に示すように、食器4の予洗いの際には、半楕円状壁部14の一方を食器4の曲成した底部に押し当て、ヘラ部10と向かい合う食器4の底部が平行になるようにスライドさせることで、食器4に付着したソース汚れ6をかき出す。
【0036】
図7および図8に示すように、予洗いにおいて食器4の曲成した縁部に付着したソース汚れ6をヘラ部10でかき出す場合は、前記半楕円状壁部14の一方を食器4に押し当て、食器4の曲成した縁部に沿ってスライドさせることにより、ソース汚れ6をかき出す。
【0037】
図9および図10に示すように、予洗いにおいて食器4の縁部以外に付着したソース汚れ6をかき出す場合は、前記半楕円状壁部14の先端部分を食器4の表面に押し当て、スライドさせることにより、ソース汚れ6をかき出す。
【0038】
図11および図12に示すように、予洗いにおいて食器4の表面に付着した残飯7をブラシ部11で落とす場合は、前記ブリッスル13を残飯7に押し当て、左右にブラッシングしながら残飯7を擦り落とす。
【0039】
図12に示すように、洗浄部8は上端部に向かうほど薄くなり、下端部の柄部9と接合する部分に向かうほど厚みを増す断面略三角形状に形成された構造である。
このように断面略三角形状に形成された洗浄部8の下端部の中央に、柄部9を嵌め込むため、洗浄部8に表裏一体となる形状で配設されたヘラ部10およびブラシ部11の傾斜状態と、柄部9の傾斜状態は異なる。これにより、例えばブラシ部11と向かい合う食器4の予洗いを行う場合、柄部9の端部ほど食器4の表面から離れるため、柄部9を握った手に残飯7が付着することはない。
【実施例2】
【0040】
図13は、本発明の洗浄用具の第2実施例を示す斜視図である。図13に示すように、洗浄用具1は、洗浄部8と柄部9を有している。
なお、前記第1実施例と同じ構成要素には同じ符号を付すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0041】
図13および図14示すように、洗浄部8は、ヘラ部10とブラシ部11が表裏一体となるように形成されている。
【0042】
図15および図16に示すように、ブリッスル13は、例えば束子などのように毛束が密集して配設されるのではなく、ブリッスルがそれぞれ独立した状態でブラシ基台12に配設される。このように、ブリッスル13の根元部分には適度な空間が確保されているので、食器洗い乾燥機で洗浄および乾燥させた場合、洗浄水や残飯などがブリッスル13の根元の部分に滞留せずに流れ落ち、乾燥する。
更に、ブリッスル13の形状には特に制限はなく、図3に見られるように円柱以外に角柱など種々の形状とすることができる。更に、ブラシの基台に配設するブリッスルの数や長さ、さらに配列状態には特に制限はなく、図3に見られるように、ブリッスルの長軸が一定方向となるように複数のブリッスルの列を平行に配設することができる。更に、ブリッスルを配設するブラシ基台12およびヘラ部10の形状に特に制限はなく、長方形状、角丸四角形状、U字状、台形状、楕円状など種々の形状とすることができる。
【0043】
図17に示すように、食器4の予洗いの際には、ヘラ部10の縁部の一方を食器4の曲成した底部と直角になるように押し当て、左右にスライドさせることにより食器4に付着したソース汚れ6をかき出す。この第2実施例の洗浄用具の他の構成および他の作用効果は、第1実施例と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の洗浄用具の第1実施例を示す斜視図である。
【図2】第1実施例における洗浄用具のヘラ部の正面図である。
【図3】第1実施例における洗浄用具のブラシ部の正面図である。
【図4】第1実施例における洗浄用具の、図2のX−X線の断面を示す断面図である。
【図5】第1実施例における洗浄用具の、図2のY−Y線の断面を示す断面図である。
【図6】第1実施例における洗浄用具を、食器洗い乾燥機の内部に配設した場合の洗浄用具と小物入れとの関係を示す図である。
【図7】第1実施例における洗浄用具の、ヘラ部を用いて食器の予洗いを行った場合の、洗浄用具とかき出される食器の縁部に付着したソース汚れの関係を示す使用状態の図である。
【図8】第1実施例における洗浄用具の、ヘラ部の半楕円状の壁部を用いて食器の予洗いを行った場合の、洗浄用具とかき出される食器の縁部に付着したソース汚れの関係を示す使用状態の要部拡大図である。
【図9】第1実施例における洗浄用具の、ヘラ部を用いて食器の予洗いを行った場合の、洗浄用具とかき出される食器の表面に付着したソース汚れの関係を示す使用状態の図である。
【図10】第1実施例における洗浄用具の、ヘラ部の半楕円状の壁部を用いて食器の予洗いを行った場合の、洗浄用具とかき出される食器の表面に付着したソース汚れの関係を示す使用状態の要部拡大図である。
【図11】第1実施例における洗浄用具の、ブラシ部を用いて食器の予洗いを行った場合の、洗浄用具と擦り落とされる食器の表面に付着した残飯汚れの関係を示す使用状態の図である。
【図12】第1実施例における洗浄用具の、ブラシ部を用いて食器の予洗いを行った場合の、洗浄用具と擦り落とされる食器の表面に付着した残飯汚れの関係を示す使用状態の要部拡大図である。
【図13】本発明の洗浄用具の第2実施例を示す斜視図である。
【図14】第2実施例における洗浄用具のヘラ部の正面図である。
【図15】第2実施例における洗浄用具の、図2のX−X線の断面を示す断面図である。
【図16】第2実施例における洗浄用具の、図2のY−Y線の断面を示す断面図である。
【図17】第2実施例における洗浄用具の、ヘラ部を用いて食器の予洗いを行った場合の、洗浄用具とかき出される食器の縁部に付着したソース汚れの関係を示す使用状態の要部拡大図である。
【符号の説明】
【0045】
(1)洗浄用具 (2)食器洗い乾燥機 (3)小物入れ (4)食器 (5)網かご
(6)ソース汚れ (7)残飯汚れ (8)洗浄部 (9)柄部 (10)ヘラ部
(11)ブラシ部 (12)ブラシ基台 (13)ブリッスル (14)半楕円状の壁部
【技術分野】
【0001】
食器洗い乾燥機に入れ、洗浄および乾燥が可能な洗浄用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭の台所等で、食器洗い乾燥機に使用後の食器や調理器具などを入れる前に、予め皿などに付着した大まかな汚れを落とすため、例えば、パームやナイロンなどの毛の根元を束ねた洗浄ブラシや、合成樹脂やゴムなどの材料で形成された洗浄ヘラなどを使用し、食器や調理器具などの予洗いを行っている。
【0003】
【特許文献1】特許公開2001−186929
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、家庭の台所等で使用後の食器や調理器具などを食器洗い乾燥機に入れて洗浄する場合、予め食器や調理用具などに付着している残飯や焼き魚の皮などの大まかな汚れを落とすことにより、食器洗い乾燥機のヒーター部にこれらの残飯が付着して発煙するのを防ぐと同時に、鍋に付着しているソースなどの余分な油脂を落とすことで、食器洗い乾燥機に投入する洗剤の量を減少させることが可能になる。
そのため、使用後の食器や調理器具などを食器洗い乾燥機に入れて洗浄する場合、予洗いのための洗浄用具として、例えば、馬毛やパームなどの天然素材やナイロンなどの合成繊維を束ねて基台に配設した洗浄ブラシや、合成樹脂やゴムなどの材料で形成された洗浄ヘラなどが使用されている。
【0005】
しかし、予洗いにより汚れた前記の洗浄ブラシや洗浄ヘラを、食器や調理器具と一緒に食器洗い乾燥機に入れて洗浄および乾燥させると、ブラシの構造やヘラの材料が食器洗い乾燥機での使用を前提に構成されていないため、水切れの悪さや耐熱性などを含め、次のような問題点があった。
【0006】
まず前記洗浄ブラシの場合、例えば、馬毛などのような動物の毛や、パームやナイロンなどの繊維を基台に束ねて配設していることから、洗浄ブラシの根元部は繊維や毛が密集した状態になる。そのため、これらの洗浄ブラシを使って食器や調理器具の予洗いを行うと、洗浄ブラシの毛束の根元の部分に、米粒や魚の皮などの残飯が挟まり、それを取り除くのが困難であることに加え、毛や繊維が密集した洗浄ブラシの毛束の根元に残飯や水が残るため、その状態で台所に放置すると毛束の部分に雑菌が繁殖し、異臭やカビなどが発生するので不衛生である。
更に、前記洗浄ブラシを使い、例えばカレーやミートソースなどのように油脂の多い調理器具の予洗いを冷水で行うと、洗浄ブラシの毛の先端にラードやバターなどの油脂が付着し、そのまま固まってしまうことから、熱湯でブラシを別途洗浄する必要がある。
【0007】
このように、予洗いの際に使用する洗浄ブラシは、毛束に付着した、例えば、米粒や焼き魚の皮、さらにラードやバターなどの油脂を落とすため、洗浄ブラシだけを別途除菌効果のある洗剤を用いて手で洗浄する必要がある。
特に、ラードやバターなどの油脂汚れが洗浄ブラシに付着した場合には、これらの油脂汚れを溶かすため、熱湯でブラシの洗浄を行う必要がある。
更に、ブラシの洗浄後には、雑菌の繁殖を抑えるため、毛束に含まれている水を十分に切り、乾燥させる必要がある。
【0008】
そこで、このような別途ブラシを洗浄する手間を省くため、例えば前記洗浄ブラシを食器洗い乾燥機に入れて洗浄および乾燥させると、パームや馬毛などの天然素材を用いた洗浄ブラシの場合、毛束が食器洗い機の洗剤や水を乾燥せずに溜め込んでしまうため不衛生である。
更に、ナイロンなどの洗浄ブラシの場合、通常は食器洗い乾燥機の排水と一緒に排出される海苔や鰹節などのような細かな汚れが、前記洗浄ブラシの密集した毛束に付着した状態で乾燥されるため、不衛生である。
【0009】
更に、前記洗浄ブラシの耐熱性が十分ではない場合、食器洗い乾燥機に入れてブラシを洗浄および乾燥させると、食器洗い乾燥機のヒーターの熱により、毛の劣化が早まると同時に、柄部や洗浄部が変形し、使用不能になってしまうことがある。
【0010】
次いで、洗浄ヘラの場合、一般に洗浄ブラシに比べ調理器具に付着したソースなどのように油脂の多い汚れは簡単に取り除ける一方で、野菜の皮や焼き魚の皮などのように、食器に貼り付きやすい汚れや凹凸のある皿の底部の汚れを取り除くのは困難であることから、予洗いを行う際には洗浄ブラシと洗浄ヘラが併用されていることが多いが、前記洗浄ヘラも洗浄ブラシと同様に、カレーやミートソースなどの油脂が付着した調理器具の予洗いを冷水で行った場合、これらの油脂が低温のため洗浄ヘラの縁部に付着し固まってしまうことがある。
したがって、前記洗浄ヘラの場合も、予洗いを行った後に、洗浄ヘラに付着した油脂汚れを落とすため、熱湯や洗剤を用いて別途ヘラを洗浄する必要がある。
【0011】
そこで、このような別途ヘラを洗浄する手間を省くために、例えば前記洗浄ヘラを食器洗い乾燥機に入れて洗浄および乾燥させると、食器洗い乾燥機の内部に設置された洗浄用の噴射ノズルから洗浄水が強力に噴射されるため、洗浄ヘラが比較的軽量の場合、その噴射圧により洗浄ヘラが食器洗い乾燥機の網かごから滑り落ち、回転する噴射ノズルの部分に落下して運転を停止させてしまう場合があるので、注意が必要である。
【0012】
更に、前記洗浄ヘラの耐熱性が十分ではない場合、食器洗い乾燥機にヘラを入れて洗浄および乾燥すると、内部のヒーターの熱によりヘラが変形し、使用不能になってしまうことがある。
【0013】
一般に、食器洗い乾燥機を使用することにより、食器や調理器具を清潔に洗浄および乾燥することが可能になる一方で、予洗いの際に使われる洗浄ブラシや洗浄ヘラは、食器洗い乾燥機に入れて洗浄および乾燥することを前提に構成されていない。
そのため、前記ように除菌用の洗剤を使用しての手洗いや熱湯での洗浄が必要になることから、既存の洗浄ブラシや洗浄ヘラは、食器洗い乾燥機を使用する家庭の場合、家事の負荷の減少にはあまり貢献していない。
逆に、前記洗浄ブラシや洗浄ヘラの手洗いや熱湯による洗浄の手間を省くため、キッチンペーパーなどを用いて調理器具に付着したカレーやミートソースなどの油脂汚れを拭き取るケースがあるが、鍋などに付着しているソースなどの油脂汚れは想像以上に厚く、結果的にキッチンペーパーを5枚以上使用してしまう場合もある。
この場合、洗浄ヘラを使用せず、キッチンペーパーを使用して鍋の油汚れを拭き取るので、確かに洗浄ヘラを熱湯で洗う手間は省けるが、結果的に紙資源を無駄に使用することから、環境への負荷が大きくなっている可能性がある。
近年、食器洗い乾燥機の機能は急速に向上しているが、その際に使用する予洗いの洗浄ブラシや洗浄ヘラは、依然として手洗いでの使用を想定した構造になっているため、このようなミスマッチが生じている。
そのため、前記洗浄ブラシと洗浄ヘラを、予洗い後に食器洗い乾燥機に入れ、洗浄および乾燥することが可能になれば、家事の負荷が軽減され台所が清潔に保たれるだけでなく、キッチンペーパーなどの使用による紙資源の無駄遣いが減ることにより、環境への負荷も軽減される。
【0014】
本発明は、以上の問題を解決し、洗浄ブラシの背面に洗浄ヘラが表裏一体となる形状で配設されているため、予洗いの際に付着した汚れの内容や皿の形状に応じてブラシ部とヘラ部を効率的に使い分けることができることに加え、洗浄部のブラシの基台に配設されたブリッスルの根元部に残飯や油汚れなどが根元に滞留することなく流れ落ちる適度な空間を有しており、さらに洗浄部と柄部が耐熱性を有していることから、食器洗い乾燥機での洗浄および乾燥が可能な利便性の高い洗浄用具を提供するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、使用後の食器等の洗浄に用いる洗浄用具であって、棒状の柄部の先端に設けられた洗浄部の一方にブラシ部、他方にヘラ部を配設することにより、ブラシ部とヘラ部が表裏一体となる洗浄部を有していることを特徴としている。
【0016】
また、請求項2の発明は、前記ブラシ部には、ブラシの基台に互いのブリッスルが密着することなく独立した状態で配設され、水や残飯などがブリッスルの根元部に滞留することなく流れ落ちる空間を有していることを特徴としている。
【0017】
更に、請求項3の発明は、前記ヘラ部には、その両端の縁部に断面略コの字状に形成された半楕円状の壁部が配設されていることを特徴としている。
【0018】
更に、請求項4の発明は、前記洗浄部は、上端部に向かうほど薄くなり、下端部の柄部と接合する部分に向かうほど厚みを増す断面略三角形状に形成されていることを特徴としている。
【0019】
更に、請求項5の発明は、前記洗浄部と柄部は、食器洗い乾燥機での洗浄および乾燥が可能な耐熱性を有する材料で形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の洗浄用具においては、洗浄ブラシの背面に洗浄ヘラが表裏一体となる形状で配設されているため、予洗いの際に付着した汚れの内容や皿の形状に応じてブラシ部とヘラ部を効率的に使い分けることができる。
【0021】
更に、前記洗浄用具の洗浄部と柄部は、シリコンなどのように一定の耐熱性を有した素材で形成されているため、予洗い後に食器等と一緒に食器洗い乾燥機に入れて洗浄および乾燥をすることができるので、予洗い後にブラシやヘラを別途洗浄および乾燥させる手間が不要である。
【0022】
更に、前記洗浄用具の洗浄部は、ブラシ部の基台に配設された個々のブリッスルの根元部分に適度な空間が確保されているため、食器洗い乾燥機で洗浄および乾燥させた場合、残飯や油汚れなどがブラシ部に滞留することなく流れ落ち乾燥するので、毛束のブラシと異なり、雑菌が繁殖することなく清潔である。
【0023】
更に、前記洗浄用具は、洗浄部を上向きにした状態で、柄部を食器洗い乾燥機の中の箸やスプーン等を収納する小物入れに設置することにより、安定した状態で洗浄および乾燥が可能になるため、食器洗い乾燥機の内部に設置された洗浄用の噴射ノズルの噴射圧などの負荷で本体が滑り落ち、食器洗い乾燥機の運転を停止させてしまうことがないので安心である。
【0024】
更に、前記洗浄用具は、ブラシ部とヘラ部が表裏一体化した洗浄部を有しているので、例えば、油脂の多いソースなどが付着した調理器具を予洗いする場合はヘラ部を利用し、米粒や焼き魚の皮などが付着した食器を予洗いする場合はブラシ部を利用するなど、食器や調理器具に付着している汚れの状況や形状に応じてブラシ部とヘラ部を効率的に使い分けながら予洗いを行うことができる。
【0025】
更に、前記洗浄用具には、棒状の柄部の先に洗浄部が配設されているので、手を水の中に入れることなく食器等の予洗いが可能になるため、手荒れの心配がない。
【0026】
更に、前記洗浄用具には、ヘラ部の両端の縁部に曲成する半楕円状の壁部が断面略コの字状に配設されているが、この半楕円状の壁部は、へラ部の押圧などの負荷により自体が弾性変形し、食器や調理器具の壁部に密着して油脂汚れをかき出すため、断面略コの字状の半楕円状の壁部の一方を食器や調理器具に押し当て、ブラシ部と同じように平行移動させることにより、ソースなどの油脂汚れをかき出すことが可能となる。
これにより、ヘラ部を食器などに対して垂直に押し当てる必要がないので、予洗いの際にブラシ部に配置されたブリッスルがヘラ部と食器の間に巻き込まれる心配をすることなく、安心してスムーズに予洗いを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面に示す実施の形態により、本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0028】
図1は、本発明にかかる洗浄用具の第1実施例を示す斜視図である。図1に示すように、洗浄用具1は、洗浄部8と柄部9を有している。
図1の洗浄部8と柄部9を構成する材料としては、シリコンなどのように一定の弾力性と耐熱性を有する材料が好ましい。また、洗浄部8と柄部9を前記シリコンなど同一の材料で構成してもよいが、柄部9を一定の剛性と耐熱性を有するナイロンなどのような異なる材料で構成してもよい。
更に、洗浄部8および柄部9を構成する材料には、抗菌剤の練り混みや含浸、塗布等の処理により抗菌性を付与することもできる。
【0029】
図1、図2、図3、図4に示すように、洗浄部8は、ヘラ部10とブラシ部11が表裏一体となるように形成されている。
【0030】
図5に示すように、洗浄部8は上端部に向かうほど薄くなり、下端部の柄部9と接合する部分に向かうほど厚みを増す断面略三角形状に形成された構造である。
【0031】
図2および図4に示すように、洗浄部8のへラ部10の両端の縁部には、曲成する半楕円状壁部14が断面略コの字状に配設されている。
【0032】
図4に示すように、ヘラ部10の両端の縁部に断面略コの字状の半楕円状壁部14を配設することにより、食器等と直角に半楕円状壁部14が接するため、この半楕円状壁部14がヘラ部10の縁部となる。
そのため、例えば調理用のヘラなどは皿にヘラを直角に押し当て使用するのが一般的であるが、この半楕円状の壁部14の一方を皿に押し当てることにより、へラ部が弾性変形し食器や調理器具の壁部に密着して油脂汚れをかき出すため、平行移動による使用が可能となる。
また、ヘラ部10とブラシ部11が表裏一体となる形状で配設されているため、ブラシ部11を使用する際は、ヘラ部を180度回転させることによりブラシ部11を使用することが可能になり、更にヘラ部を直角に押し当て使用しないため、予洗いを行う際にブリッスル13が食器とヘラ部10の間に挟まれることはない。
【0033】
図4および図5に示すように、ブリッスル13は、例えば束子などのように毛束が密集して配設されるのではなく、ブリッスルがそれぞれ独立した状態でブラシ基台12に配設される。そのため、ブリッスル13の根元部分には適度な空間が確保されているので、食器洗い乾燥機で洗浄および乾燥させた場合、洗浄水や残飯などがブリッスル13の根元の部分に滞留せずに流れ落ち、乾燥する。
更に、ブリッスル13の形状には特に制限はなく、図3に見られるように円柱以外に角柱など種々の形状とすることができる。更に、ブラシの基台に配設するブリッスルの数や配列状態には特に制限はなく、図3に見られるように、ブリッスルの長軸が一定方向となるように複数のブリッスルの列を平行に配設することができる。更に、ブリッスルを配設するブラシ基台12およびヘラ部10の形状に特に制限はなく、長方形状、角丸四角形状、U字状、台形状、楕円状等種々の形状とすることができる。
【0034】
図6に示すように、前記耐熱性のある洗浄用具1を、予洗い後に食器洗い乾燥機2に食器4と一緒に入れる場合、洗浄用具1の柄部9を小物入れ3に収納し、洗浄および乾燥させる。これにより、前記洗浄用具1が、例えば食器洗い乾燥機2の内部に配設された洗浄ノズルの噴射圧で洗浄用具1が網かご5の下に落下し、運転を止めることはない。更に、小物入れ3に柄部9を収納することから、柄部9は食器洗い乾燥機2の小物入れ3に収納可能な太さであることが望ましい。
【0035】
図7および図8に示すように、食器4の予洗いの際には、半楕円状壁部14の一方を食器4の曲成した底部に押し当て、ヘラ部10と向かい合う食器4の底部が平行になるようにスライドさせることで、食器4に付着したソース汚れ6をかき出す。
【0036】
図7および図8に示すように、予洗いにおいて食器4の曲成した縁部に付着したソース汚れ6をヘラ部10でかき出す場合は、前記半楕円状壁部14の一方を食器4に押し当て、食器4の曲成した縁部に沿ってスライドさせることにより、ソース汚れ6をかき出す。
【0037】
図9および図10に示すように、予洗いにおいて食器4の縁部以外に付着したソース汚れ6をかき出す場合は、前記半楕円状壁部14の先端部分を食器4の表面に押し当て、スライドさせることにより、ソース汚れ6をかき出す。
【0038】
図11および図12に示すように、予洗いにおいて食器4の表面に付着した残飯7をブラシ部11で落とす場合は、前記ブリッスル13を残飯7に押し当て、左右にブラッシングしながら残飯7を擦り落とす。
【0039】
図12に示すように、洗浄部8は上端部に向かうほど薄くなり、下端部の柄部9と接合する部分に向かうほど厚みを増す断面略三角形状に形成された構造である。
このように断面略三角形状に形成された洗浄部8の下端部の中央に、柄部9を嵌め込むため、洗浄部8に表裏一体となる形状で配設されたヘラ部10およびブラシ部11の傾斜状態と、柄部9の傾斜状態は異なる。これにより、例えばブラシ部11と向かい合う食器4の予洗いを行う場合、柄部9の端部ほど食器4の表面から離れるため、柄部9を握った手に残飯7が付着することはない。
【実施例2】
【0040】
図13は、本発明の洗浄用具の第2実施例を示す斜視図である。図13に示すように、洗浄用具1は、洗浄部8と柄部9を有している。
なお、前記第1実施例と同じ構成要素には同じ符号を付すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0041】
図13および図14示すように、洗浄部8は、ヘラ部10とブラシ部11が表裏一体となるように形成されている。
【0042】
図15および図16に示すように、ブリッスル13は、例えば束子などのように毛束が密集して配設されるのではなく、ブリッスルがそれぞれ独立した状態でブラシ基台12に配設される。このように、ブリッスル13の根元部分には適度な空間が確保されているので、食器洗い乾燥機で洗浄および乾燥させた場合、洗浄水や残飯などがブリッスル13の根元の部分に滞留せずに流れ落ち、乾燥する。
更に、ブリッスル13の形状には特に制限はなく、図3に見られるように円柱以外に角柱など種々の形状とすることができる。更に、ブラシの基台に配設するブリッスルの数や長さ、さらに配列状態には特に制限はなく、図3に見られるように、ブリッスルの長軸が一定方向となるように複数のブリッスルの列を平行に配設することができる。更に、ブリッスルを配設するブラシ基台12およびヘラ部10の形状に特に制限はなく、長方形状、角丸四角形状、U字状、台形状、楕円状など種々の形状とすることができる。
【0043】
図17に示すように、食器4の予洗いの際には、ヘラ部10の縁部の一方を食器4の曲成した底部と直角になるように押し当て、左右にスライドさせることにより食器4に付着したソース汚れ6をかき出す。この第2実施例の洗浄用具の他の構成および他の作用効果は、第1実施例と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の洗浄用具の第1実施例を示す斜視図である。
【図2】第1実施例における洗浄用具のヘラ部の正面図である。
【図3】第1実施例における洗浄用具のブラシ部の正面図である。
【図4】第1実施例における洗浄用具の、図2のX−X線の断面を示す断面図である。
【図5】第1実施例における洗浄用具の、図2のY−Y線の断面を示す断面図である。
【図6】第1実施例における洗浄用具を、食器洗い乾燥機の内部に配設した場合の洗浄用具と小物入れとの関係を示す図である。
【図7】第1実施例における洗浄用具の、ヘラ部を用いて食器の予洗いを行った場合の、洗浄用具とかき出される食器の縁部に付着したソース汚れの関係を示す使用状態の図である。
【図8】第1実施例における洗浄用具の、ヘラ部の半楕円状の壁部を用いて食器の予洗いを行った場合の、洗浄用具とかき出される食器の縁部に付着したソース汚れの関係を示す使用状態の要部拡大図である。
【図9】第1実施例における洗浄用具の、ヘラ部を用いて食器の予洗いを行った場合の、洗浄用具とかき出される食器の表面に付着したソース汚れの関係を示す使用状態の図である。
【図10】第1実施例における洗浄用具の、ヘラ部の半楕円状の壁部を用いて食器の予洗いを行った場合の、洗浄用具とかき出される食器の表面に付着したソース汚れの関係を示す使用状態の要部拡大図である。
【図11】第1実施例における洗浄用具の、ブラシ部を用いて食器の予洗いを行った場合の、洗浄用具と擦り落とされる食器の表面に付着した残飯汚れの関係を示す使用状態の図である。
【図12】第1実施例における洗浄用具の、ブラシ部を用いて食器の予洗いを行った場合の、洗浄用具と擦り落とされる食器の表面に付着した残飯汚れの関係を示す使用状態の要部拡大図である。
【図13】本発明の洗浄用具の第2実施例を示す斜視図である。
【図14】第2実施例における洗浄用具のヘラ部の正面図である。
【図15】第2実施例における洗浄用具の、図2のX−X線の断面を示す断面図である。
【図16】第2実施例における洗浄用具の、図2のY−Y線の断面を示す断面図である。
【図17】第2実施例における洗浄用具の、ヘラ部を用いて食器の予洗いを行った場合の、洗浄用具とかき出される食器の縁部に付着したソース汚れの関係を示す使用状態の要部拡大図である。
【符号の説明】
【0045】
(1)洗浄用具 (2)食器洗い乾燥機 (3)小物入れ (4)食器 (5)網かご
(6)ソース汚れ (7)残飯汚れ (8)洗浄部 (9)柄部 (10)ヘラ部
(11)ブラシ部 (12)ブラシ基台 (13)ブリッスル (14)半楕円状の壁部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用後の食器等の洗浄に用いる洗浄用具であって、棒状の柄部の先端に設けられた洗浄部の一方にブラシ部、他方にヘラ部を配設することにより、ブラシ部とヘラ部が表裏一体となる洗浄部を有していることを特徴とする洗浄用具。
【請求項2】
前記ブラシ部には、ブラシの基台に互いのブリッスルが密着することなく独立した状態で配設され、水や残飯などがブリッスルの根元部に滞留することなく流れ落ちる空間を有していることを特徴とする請求項1記載の洗浄用具。
【請求項3】
前記ヘラ部には、その両端の縁部に断面略コの字状に形成された半楕円状の壁部が配設されていることを特徴とする請求項1または2記載の洗浄用具。
【請求項4】
前記洗浄部は、上端部に向かうほど薄くなり、下端部の柄部と接合する部分に向かうほど厚みを増す断面略三角形状に形成されていることを特徴とする請求項1、2、または3記載の洗浄用具。
【請求項5】
前記洗浄部と柄部は、食器洗い乾燥機での洗浄および乾燥が可能な耐熱性を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、または4記載の洗浄用具。
【請求項1】
使用後の食器等の洗浄に用いる洗浄用具であって、棒状の柄部の先端に設けられた洗浄部の一方にブラシ部、他方にヘラ部を配設することにより、ブラシ部とヘラ部が表裏一体となる洗浄部を有していることを特徴とする洗浄用具。
【請求項2】
前記ブラシ部には、ブラシの基台に互いのブリッスルが密着することなく独立した状態で配設され、水や残飯などがブリッスルの根元部に滞留することなく流れ落ちる空間を有していることを特徴とする請求項1記載の洗浄用具。
【請求項3】
前記ヘラ部には、その両端の縁部に断面略コの字状に形成された半楕円状の壁部が配設されていることを特徴とする請求項1または2記載の洗浄用具。
【請求項4】
前記洗浄部は、上端部に向かうほど薄くなり、下端部の柄部と接合する部分に向かうほど厚みを増す断面略三角形状に形成されていることを特徴とする請求項1、2、または3記載の洗浄用具。
【請求項5】
前記洗浄部と柄部は、食器洗い乾燥機での洗浄および乾燥が可能な耐熱性を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、または4記載の洗浄用具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−307264(P2008−307264A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158731(P2007−158731)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(305038474)有限会社ブレイブポイント (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(305038474)有限会社ブレイブポイント (3)
【Fターム(参考)】
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